説明

発光構造物、発光構造物を含む表示装置、及び表示装置の製造方法

【課題】発光構造物、発光構造物を含む表示装置、及び表示装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】 表示装置はスイッチング構造物、第1電極、発光構造物、第2電極などを含むことができる。発光構造物は第1正孔注入層、第1有機発光層、電荷生成層、第2正孔注入層、第2有機発光層、電子輸送層、光学距離調節層、遮断部材などを含むことができる。遮断部材と光学距離調節層は第1〜3サブ画素領域のうち少なくとも一つに配置されることができる。遮断部材と光学距離調節層を具備する発光構造物を通じて表示装置の色順度、輝度、色再現性などを向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光構造物、発光構造物を含む表示装置、及び発光構造物を含む表示装置の製造方法に関する。より詳しくは、本発明は遮断部材を有する発光構造物、遮断部材を有する発光構造物を含む表示装置、及び遮断部材を有する発光構造物を含む表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光表示(organic light emitting display、OLED)装置は、陽極(anode)と陰極(cathode)とからそれぞれ提供される正孔と電子が、このような陽極と陰極との間に位置する有機層(organic layer)において結合し生成される光を利用して画像、文字などの情報を示すことのできる表示装置をいう。液晶表示(LCD)装置、プラズマディスプレイ(PDP)装置、電界放出ディスプレイ(FED)装置など、多様な表示装置のうち有機発光表示装置は、広い視野角、速い応答速度、薄い厚さ、低い消費電力など色々な長所を有するのでテレビ、モニタ、移動通信機器、MP3、携帯用ディスプレイ機器などの多様な電気、及び電子装置に広く適用されており、有機発光表示装置は、最も有望な次世代ディスプレイ装置の一つとして急激に発展している。
【0003】
通常の有機発光表示装置において、電極から提供される電子と正孔が有機層で再結合しながらエキシトン(excitons)を形成し、このような励起子からのエネルギによって所定の波長を有する光が発生することによって画像を形成する。従来の有機発光表示装置の具現方式には、断層発光方式、多層発光方式、色変換方式、素子積層方式などがあり、この中で多層発光方式が最も広く利用されている。多層発光方式を有する有機発光表示装置において、赤色、青色、及び緑色の光を放出する有機発光層を多層構造で形成し、前記多層構造で放出された光が混色され白色光が放出される。しかし、従来の白色光を放出する有機発光表示装置において、多層構造の有機発光層自体の安定性が低下し色純度が低下するという短所がある。有機発光層の上部にカラーフィルタを配置して色純度を向上させることができるが、カラーフィルタが追加される場合には装置の製造工程が複雑になり、費用が増加するだけでなくカラーフィルタによる光効率が減少するという問題点が発生する
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一目的は、向上した色純度、色再現性、輝度などを確保できる発光構造物を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、色純度、輝度などを向上させることができ、高解像度の画像をディスプレイできる表示装置を提供することにある。
【0006】
本発明のまた他の目的は、色純度、輝度などを改善することができ、高解像度の画像をディスプレイできる表示装置の製造方法を提供することにある。
【0007】
本発明の解決しようとする課題は、上述した課題に限定されるのではなく、本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲で多様に拡張するべきである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の本発明の一目的を達成するために、本発明の例示的な実施形態に係る発光構造物は、第1サブ画素領域、第2サブ画素領域、及び第3サブ画素領域を含むことができる。前記発光構造物は、第1正孔注入層、前記第1正孔注入層上に配置される第1有機発光層、前記第1有機発光層上に配置される電荷生成層、前記電荷生成層上に配置される第2正孔注入層、前記第2正孔注入層上に配置される第2有機発光層、前記第2有機発光層上に配置される電子輸送層、そして前記第1〜第3サブ画素領域のうち、少なくとも一つに配置される遮断部材を含むことができる。
【0009】
例示的な実施形態において、前記第1サブ画素領域の第1光学共振距離、前記第2サブ画素領域の第2光学共振距離、そして前記第3サブ画素領域の第3光学共振距離は実質的に互いに相異なることができる。
【0010】
例示的な実施形態において、前記第1サブ画素領域〜前記第3サブ画素領域のうち、少なくとも一つには光学距離調節層が配置されることができる。例えば、前記光学距離調節層は、前記第1正孔注入層下部に配置されることができる。また、隣接するサブ画素領域で前記光学距離調節層は、実質的に相異なる厚さを有することができる。例えば、前記光学距離調節層は、前記第1正孔注入層と実質的に同一または実質的に類似する物質を含むことができる。
【0011】
例示的な実施形態において、前記第1光学共振距離は、前記第1有機発光層または前記第2有機発光層から生成される赤色光に対して光学的共振を起こすように調節することができ、前記第2光学共振距離は前記第1有機発光層または前記第2有機発光層から生成される緑色光に対して光学的共振を起こすように調節することができる。また、前記第3光学共振距離は前記第1有機発光層または前記第2有機発光層から生成される青色光に対して光学的共振を起こすように調節することができる。
【0012】
例示的な実施形態によれば、前記第1有機発光層は青色発光層を含むことができる。この場合、前記第2有機発光層は緑色発光層及び赤色発光層を含むか、または、緑色光及び赤色光を発光させる一つの発光層を含むことができる。そこで、前記遮断部材は、前記第1サブ画素領域で前記第2正孔注入層と前記第1有機発光層との間に位置することができ、前記第1サブ画素領域で前記第2正孔注入層から前記第1有機発光層への電子の流れを遮断することができる。
【0013】
他の例示的な実施形態において、前記遮断部材は前記第1サブ画素領域で前記第1有機発光層と前記電荷生成層との間に位置することができ、前記第1サブ画素領域で前記第1有機発光層から形成されるエキシトンの移動を遮断することができる。
【0014】
例示的な実施形態において、前記第1有機発光層は緑色発光層及び赤色発光層を含むか、または、緑色光及び赤色光を発生させる一つの発光層を含むことができ、前記第2有機発光層は青色発光層を含むことができる。この場合、前記遮断部材は前記第1サブ画素領域で前記第2正孔注入層と前記第2有機発光層との間に位置することができ、前記第1サブ画素領域で前記第2正孔注入層から前記第2有機発光層への電子の流れを遮断することができる。他の例示的な実施形態によれば、前記遮断部材は前記第1サブ画素領域で前記第2有機発光層と前記電子輸送層との間に位置することができ、前記第1サブ画素領域で前記第2有機発光層から形成されるエキシトンの移動を遮断することができる。
【0015】
例示的な実施形態において、前記遮断部材は、電子遮断層またはエキシトンクエンチング層を含むことができる。例えば、前記遮断部材はフラーレン(fullerene)、置換されたトリアリールアミンを含む高分子物質、カルバゾール系高分子物質、1,1−ビス(4−(N,N−ジ−p−トリルアミノ)フェニル)シクロヘキサン(TAPC)、1,1−ビス(4−(N,N−ジ−p−トリルアミノ)フェニル)シクロペンタン、4,4’−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビス[N,N−ビス(4−メチルフェニル)−ベンゼンアミン、1,1−ビス(4−(N,N−ジ−p−トリルアミノ)フェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−(N,N−ジ−p−トリルアミノ)フェニル)−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−(N,N−ジ−p−トリルアミノ)フェニル)−3−フェニルプロパン、ビス[4−(N,N−ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル](4−メチルフェニル)メタン、ビス[4−(N,N−ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル](4−メチルフェニル)エタン、4−(4−ジエチルアミノフェニル)トリフェニルメタン、4,4’−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)ジフェニルメタン、N,N−ビス[2,5−ジメチル−4−[(3−メチルフェニル)フェニルアミノ]フェニル]−2,5−ジメチル−N’−(3−メチルフェニル)−N’−フェニル−1,4−ベンゼンジアミン、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−N,N−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−ベンゼンアミン(TCTA)、4−(3−フェニル−9H−カルバゾール−9−イル)−N,N−ビス[4−(3−フェニル−9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−ベンゼンアミン、9,9’−(2,2’−ジメチル[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイル)ビス−9H−カルバゾール(CDBP)、9,9’−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイルビス−9H−カルバゾール(CBP)、9,9’−(1,3−フェニレン)ビス−9H−カルバゾール(mCP)、9,9’−(1,4−フェニレン)ビス−9H−カルバゾール、9,9’,9’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス−9H−カルバゾール、9,9’−(1,4−フェニレン)ビス[N,N,N’,N’−テトラフェニル−9H−カルバゾール−3,6−ジアミン、9−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン、9,9’−(1,4−フェニレン)ビス[N,N−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン、9−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N,N’,N’−テトラフェニル−9H−カルバゾール−3,6−ジアミン、9−フェニル−9H−カルバゾールなどを含むことができる。
【0016】
上述した本発明の他の目的を達成するために、本発明の例示的な実施形態に係る表示装置は、第1〜第3サブ画素領域を含む基板、前記基板上に配置される第1電極、前記第1電極上に配置され、前記第1〜第3サブ画素領域のうち、少なくとも一つに配置される遮断部材を具備する発光構造物、そして前記発光構造物上に配置される第2電極を含むことができる。この場合、前記第1サブ画素領域で前記第1電極と前記第2電極との間の第1光学共振距離、前記第2サブ画素領域で前記第1電極と前記第2電極との間の第2光学共振距離、そして前記第3サブ画素領域で前記第1電極と前記第2電極との間の第3光学共振距離が実質的に互いに相異なることができる。
【0017】
例示的な実施形態において、前記発光構造物は前記第1電極上に配置される第1正孔注入層、前記第1正孔注入層上に配置される第1有機発光層、前記第1有機発光層上に配置される電荷生成層、前記電荷生成層上に配置される第2正孔注入層、前記第2正孔注入層上に配置される第2有機発光層、そして前記第2有機発光層上に配置される電子輸送層を含むことができる。
【0018】
例示的な実施形態において、前記発光構造物は前記第1電極上に配置される光学距離調節層をさらに含むことができる。この時、隣接するサブ画素領域で前記光学距離調節層が実質的に相異なる厚さを有することができる。
【0019】
例示的な実施形態によれば、前記第1光学共振距離は、前記第1有機発光層または前記第2有機発光層から生成される赤色光に対して光学的共振を起こすように調節することができ、前記第2光学共振距離は前記第1有機発光層または前記第2有機発光層から生成される緑色光に対して光学的共振を起こすように調節することができる。また、前記第3光学共振距離は前記第1有機発光層または前記第2有機発光層から生成される青色光に対して光学的共振を起こすように調節することができる。
【0020】
例示的な実施形態において、前記第1有機発光層は青色発光層を含むことができるが、前記第2有機発光層は緑色発光層及び赤色発光層を含むかまたは緑色光及び赤色光を発光する一つの発光層を含むことができる。この時、前記遮断部材は、前記第1サブ画素領域で前記第1正孔注入層と前記第1有機発光層との間に配置されることができ、前記第1サブ画素領域で前記第1正孔注入層から前記第1有機発光層への電子の流れを遮断することができる。他の例示的な実施形態において、前記遮断部材は前記第1サブ画素領域で前記第1有機発光層と前記電荷生成層との間に配置されることができ、前記第1サブ画素領域で前記第1有機発光層から形成されるエキシトンの移動を遮断することができる。
【0021】
例示的な実施形態において、前記第1有機発光層は、緑色発光層及び赤色発光層を含むか、或いは、緑色光及び赤色光を発光する一つの発光層を含むことができ、前記第2有機発光層は青色発光層を含むことができる。そこで、前記遮断部材は前記第1サブ画素領域で前記第2正孔注入層と前記第2有機発光層との間に配置されることができ、前記第1サブ画素領域で前記第2正孔注入層から前記第2有機発光層への電子の流れを遮断することができる。他の例示的な実施形態によれば、前記遮断部材は前記第1サブ画素領域で前記第2有機発光層と前記電子輸送層との間に配置されることができ、前記第1サブ画素領域で前記第2有機発光層から形成されるエキシトンの移動を遮断することができる。
【0022】
上述した本発明のまた他の目的を達成するために、本発明の例示的な実施形態に係る表示装置の製造方法において、第1〜第3サブ画素領域を具備する基板上に第1電極を形成した後、前記第1電極上に光学距離調節層及び遮断部材を含む発光構造物を形成することができる。前記発光構造物上に第2電極を形成することができる。この場合、前記第1サブ画素領域で前記第1電極と前記第2電極の間の第1光学共振距離、前記第2サブ画素領域で前記第1電極と前記第2電極の間の第2光学共振距離、そして前記第3サブ画素領域で前記第1電極と前記第2電極の間の第3光学共振距離が実質的に互いに相異に具現されることができる。
【0023】
例示的な実施形態において、前記光学距離調節層は前記第1〜第3サブ画素領域のうち、少なくとも一つに形成されることができる。例えば、前記光学距離調節層は、レーザー熱転写工程を利用して前記第1電極上に形成することができる。例示的な実施形態に係る前記光学距離調節層を形成する過程において、前記基板上にドナー基板をラミネートした後、前記第1〜第3サブ画素領域のうち、少なくとも一つに対応する前記ドナー基板の少なくとも一つの領域にレーザービームを照射することができる。前記基板から前記ドナー基板を除去し前記光学距離調節層を形成することができる。
【0024】
例示的な実施形態に係る前記発光構造物を形成する過程において、前記光学距離調節層上に第1有機発光層を形成した後、前記第1有機発光層上に電荷生成層を形成することができる。前記電荷生成層上に第2有機発光層を形成することができる。
【0025】
例示的な実施形態において、前記遮断部材は前記第1〜第3サブ画素領域のうち、少なくとも一つにおいて前記光学距離調節層と前記第1有機発光層との間に形成されることができる。例えば、前記遮断部材はレーザー熱転写工程を利用して形成することができる。例示的な実施形態に係る前記遮断部材を形成する過程において、前記基板上にドナー基板をラミネートした後、前記第1〜第3サブ画素領域のうち、少なくとも一つに対応する前記ドナー基板の少なくとも一つの領域にレーザービームを照射することができる。前記基板から前記ドナー基板を除去して前記遮断部材を収得することができる。
【0026】
他の例示的な実施形態において、前記遮断部材は前記第1〜前記第3サブ画素領域のうち、少なくとも一つにおいて前記第1有機発光層と前記電荷生成層との間に形成されることができる。また他の例示的な実施形態によれば、前記遮断部材は前記第1〜第3サブ画素領域のうち、少なくとも一つにおいて前記第2有機発光層と前記第2電極との間に形成されることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の例示的な実施形態に係る表示装置において、各サブ画素領域が実質的に相異なる光学共振距離を有するようにして、前記サブ画素領域でそれぞれ互いに異なる波長を有する色光を起こすことができ、これに従って、表示装置の画素領域において色純度、輝度、色再現性などを改善することができ、前記表示装置の駆動電圧を減少させて寿命を延長させることができる。また、青色発光層から赤色発光層及び/または緑色発光層が互いに分離することができ、画素領域から発光される色光の色安定性と色再現性を向上させることができ、青色発光層の寿命を延長させることができる。さらに、各サブ画素領域が色純度と輝度の高い色光を放出できるので、前記表示装置が別途のカラーフィルタを具備しなくても高い色純度と輝度を有する高解像度の画像を実現することができる。前記表示装置の製造過程において、付加的な層を形成する必要がないので、その製造費用を節減でき、製造工程も単純化できる。例えば、カラーフィルタを形成するための工程が要求されないのでカラーフィルタによる画像の輝度減少を防止できる。
【0028】
ただし、本発明の効果が上述の効果に限定されるのではなく、本発明の思想及び領域の範囲内で多様に拡張されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の例示的な実施形態に係る発光構造物を含む表示装置を説明するための断面図である。
【図2】電子遮断層の層厚に応じた赤色光及び青色光の光学的共振による発光ピーク波長を示すグラフである。
【図3】本発明の他の例示的な実施形態に係る発光構造物を含む表示装置を説明するための断面図である。
【図4】本発明のまた他の例示的な実施形態に係る発光構造物を含む表示装置を示す断面図である。
【図5】本発明のまた他の例示的な実施形態に係る発光構造物を含む表示装置を説明するための断面図である。
【図6】本発明のまた他の例示的な実施形態に係る発光構造物を含む表示装置を示す断面図である。
【図7】本発明の例示的な実施形態に係る発光構造物を含む表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図8】本発明の例示的な実施形態に係る発光構造物を含む表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図9】本発明の例示的な実施形態に係る発光構造物を含む表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図10】本発明の例示的な実施形態に係る発光構造物を含む表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図11】本発明の例示的な実施形態に係る発光構造物を含む表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図12】本発明の例示的な実施形態に係る発光構造物を含む表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図13】本発明の例示的な実施形態に係る発光構造物を含む表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図14】本発明の例示的な実施形態に係る発光構造物を含む表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の例示的な実施形態に係る液晶表示装置、及び液晶表示装置の製造方法に対し添付した図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明が下記実施形態によって制限されるのではなく、当該分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想の範疇内において、本発明を多様な形態で具現できる。
【0031】
本明細書に開示されている本発明の例示的な実施形態に対して、特定の構造的乃至機能的説明は、単に本発明の例示的な実施形態を説明するための目的として例示したものであり、本発明の例示的な実施形態は多様な形態で実施でき、本明細書に説明した例示的な実施形態に限定されるものと解釈してはならない。
【0032】
本発明は多様な変更を加えることができ、種々の形態を有することができるが、特定の実施形態を図面に例示して本明細書に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むと理解するべきである。
【0033】
本明細書において、第1、第2等の用語は多様な構成要素を説明するのに使用することができるが、これらの構成要素がこのような用語によって限定されてはならない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的で使われる。例えば、本発明の権利範囲から逸脱せずに第1構成要素は第2構成要素と命名することができ、類似に第2構成要素も第1構成要素と命名することができる。
【0034】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いる、または「接続されて」いると言及された場合には、その他の構成要素に直接的に連結されていたり、接続されていることも意味するが、中間に他の構成要素が存在する場合も含むと理解するべきである。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いる、または「直接接続されて」いると言及された場合には、中間に他の構成要素が存在しないと理解すべきである。構成要素の間の関係を説明する他の表現、すなわち「〜間に」と「すぐに〜間に」または「〜に隣接する」と「〜に直接隣接する」等も同じように解釈すべきである。
【0035】
本明細書で使用した用語は単に特定の実施形態を説明するために使用したもので、本発明を限定するものではない。単数の表現は文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。本明細書で、「含む」または「有する」等の用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品または、これを組み合わせたものが存在するということを示すものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品または、これを組み合わせたものなどの存在または、付加の可能性を、予め排除するわけではない。
【0036】
また、別に定義しない限り、技術的或いは科学的用語を含み、本明細書中において使用される全ての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、一般的に理解するのと同一の意味を有する。一般的に使用される辞書において定義する用語と同じ用語は関連技術の文脈上に有する意味と一致する意味を有するものと理解するべきで、本明細書において明白に定義しない限り、理想的或いは形式的な意味として解釈してはならない
【0037】
以下、添付図面を参照して、本発明の望ましい実施形態をより詳細に説明する。図面上の同一構成要素に対しては同一参照符号を使用し、同一構成要素に対しての重複した説明は省略する。
【0038】
図1は本発明の例示的な実施形態に係る発光構造物を含む表示装置を示す断面図である。
【0039】
図1を参照すれば、前記表示装置は基板100、スイッチング構造物(switching structure)、第1電極300、発光構造物(light emitting structure)400、第2電極500などを含むことができる。
【0040】
例示的な実施形態において、前記表示装置は発光構造物400が位置する表示領域と、このような表示領域に隣接する非表示領域を含むことができる。また、前記表示装置の表示領域は第1サブ画素領域(I),第2サブ画素領域(II)及び第3サブ画素領域(III)を含むことができる。この場合、発光構造物400も第1〜第3サブ画素領域(I,II,III)に区分できる。
【0041】
前記スイッチング構造物は基板100と第1電極300との間に位置することができ、発光構造物400は第1電極300と第2電極500との間に配置することができる。そこで、前記スイッチング構造物は基板100上に提供されることができる。
【0042】
基板100は透明基板を含むことができる。例えば、基板100はガラス基板、透明プラスチック基板、透明セラミック基板などを含むことができる。他の例示的な実施形態において、基板100は軟性を有する基板(flexible substrate)からなることもできる。
【0043】
基板100上にはバッファ層110が配置されることができる。バッファ層110は基板100から不純物が広がる現象を防止することができ、基板100の平坦度を向上させることもできる。また、バッファ層110は基板100に前記スイッチング構造物を形成する過程で発生するストレス(stress)を減少させる役割を遂行することもできる。バッファ層110は酸化物、窒化物、酸窒化物などを含むことができる。例えば、バッファ層110はシリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)及び/またはシリコン酸窒化物(SiOxNy)を含む断層構造または多層構造を有することができる。
【0044】
前記表示装置が能動型駆動方式を採用する場合、基板100と第1電極300との間に前記スイッチング構造物が配置されることができる。前記スイッチング構造物はスイッチング素子と少なくとも一つの絶縁層とを含むことができる。
【0045】
例示的な実施形態において、前記スイッチング素子はシリコンを含有する半導体層を具備する薄膜トランジスタ(TFT)を含むことができる。他の例示的な実施形態によれば、前記スイッチング素子は半導体酸化物で構成されるアクティブ層を具備する酸化物半導体素子を含むこともできる。
【0046】
前記スイッチング構造物のスイッチング素子が薄膜トランジスタを含む場合、前記スイッチング素子は半導体層210、ゲート絶縁膜220、ゲート電極231、ソース電極233、ドレーン電極235などを含むことができる。
【0047】
半導体層210はバッファ層110上に配置でき、ゲート絶縁膜220は、半導体層210を覆ってバッファ層110上に位置できる。半導体層210は第1不純物領域211、チャネル領域213、及び第2不純物領域215を含むことができる。そこで、第1及び第2不純物領域211、215は、それぞれ前記スイッチング素子のドレーン領域及びソース領域として機能することができる。半導体層210は、ポリシリコン(polysilicon)、不純物を含むポリシリコン、アモルファスシリコン(amorphous silicon)、不純物を含むアモルファスシリコンなどからなることができる。これらは単独または互いに組合わせて使うことができる。ゲート絶縁膜220は、酸化物、有機絶縁物質などを含むことができる。例えば、ゲート絶縁膜220はシリコン酸化物、ハフニウム酸化物(HfOx)、アルミニウム酸化物(AlOx)、ジルコニウム酸化物(ZrOx)、チタン酸化物(TiOx)、タンタル酸化物(TaOx)、ベンゾシクロブテン(BCB)系樹脂、アクリル(acryl)系樹脂などを含むことができる。ゲート絶縁膜220は、前記酸化物または前記有機絶縁物質を含む断層構造または多層構造を有することができる。
【0048】
ゲート電極231は、半導体層210に隣接するゲート絶縁膜220上に配置されることができる。例えば、ゲート電極231は下に半導体層210のチャネル領域213が位置する部分のゲート絶縁膜220上に位置することができる。ゲート電極231は、金属、金属窒化物、導電性金属酸化物、透明導電性物質などを含むことができる。例えば、ゲート電極231は、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、アルミニウム窒化物(AlNx)、銀(Ag)、銀合金、タングステン(W)、タングステン窒化物(WNx)、銅(Cu)、銅合金、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、モリブデン合金、チタン(Ti)、チタン窒化物(TiNx)、白金(Pt)、タンタル(Ta)、ネオジム(Nd)、スカンジウム(Sc)、タンタル窒化物(TaNx)、ストロンチウムルテニウム酸化物(SrRuxOy)、亜鉛酸化物(ZnOx)、インジウムスズ酸化物(ITO)、スズ酸化物(SnOx)、インジウム酸化物(InOx)、ガリウム酸化物(GaOx)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)などを含むことができる。ゲート電極231は金属、金属窒化物、導電性金属酸化物、及び/または、透明導電性物質を含む断層構造または多層構造を有することができる。
【0049】
例示的な実施形態において、ゲート絶縁膜220上にはゲート電極231に連結されるゲートライン(図示せず)が配置されることができる。ゲート電極231には前記ゲートラインを通じてゲート信号が印加されることができる。前記ゲートラインは、ゲート電極231と実質的に同一または実質的に類似物質で構成できる。また、前記ゲートラインも金属、金属窒化物、導電性金属酸化物、及び/または、透明導電性物質を含む断層構造または多層構造を有することができる。
【0050】
ゲート絶縁膜220上にはゲート電極231を覆う層間絶縁膜240が配置できる。層間絶縁膜240は、酸化物、窒化物、酸窒化物、有機絶縁物質などを含むことができる。例えば、層間絶縁膜240は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、アクリル系樹脂、ポリイミド(polyimide)系樹脂、シロキサン(siloxane)系樹脂などで構成できる。 これらは単独でまたは互いに組合わせて使うことができる。層間絶縁膜240はゲート電極231のプロファイルに沿ってゲート絶縁膜220上で均一な厚さを有することができる。他の例示的な実施形態において、層間絶縁膜240はゲート電極231を十分にカバーしながら実質的に平坦な上面を有することもできる。
【0051】
ソース電極233とドレーン電極235は、それぞれ層間絶縁膜240とゲート絶縁膜220を貫通して第2不純物領域215及び第1不純物領域211に接続できる。ソース電極233とドレーン電極235は、それぞれ金属、金属窒化物、導電性金属酸化物、透明導電性物質などを含むことができる。例えば、ソース電極233及びドレーン電極235は、各々アルミニウム、アルミニウムの合金、アルミニウム窒化物、銀、銀合金、タングステン、タングステン窒化物、銅、銅の合金、ニッケル、クロム、モリブデン、モリブデンの合金、チタン、チタン窒化物、白金、タンタル、ネオジム、スカンジウム、タンタル窒化物、ストロンチウムルテニウム酸化物、亜鉛酸化物、インジウムスズ酸化物、スズ酸化物、インジウム酸化物、ガリウム酸化物、インジウム亜鉛酸化物などを含むことができる。これらは単独または互いに組合わせて使うことができる。また、ソース電極233及びドレーン電極235は、それぞれ金属、金属窒化物、導電性金属酸化物及び/または透明導電性物質を含む断層構造または多層構造を有することができる。
【0052】
例示的な実施形態において、層間絶縁膜240上にはソース電極233に接続されるデータライン(図示せず)が配置され、このようなデータラインを通じてソース電極233にデータ信号が印加されることができる。前記データラインはソース電極233と実質的に同一または類似物質を含むことができる。また、前記データラインは金属、金属窒化物、導電性金属酸化物、及び/または、透明導電性物質を含む断層構造または多層構造を有することができる。前記ゲートラインと前記データラインは基板100の上部で互いに実質的に直交する方向に沿って交差でき、このようなゲートラインとデータラインとの交差により前記表示装置の表示領域を定義できる。
【0053】
前記スイッチング構造物の絶縁層250はソース電極233とドレーン電極235を覆って層間絶縁膜240上に配置できる。絶縁層250にはドレーン電極235の一部を露出させる孔が提供されることができる。絶縁層250は透明プラスチック、透明樹脂などのような透明絶縁性物質を含むことができる。例えば、絶縁層250はベンゾシクロブテン系樹脂、オレフィン(olefin)系樹脂、ポリイミド(polyimide)系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニール(polyvinyl)系樹脂、シロキサン(siloxane)系樹脂などを含むことができる。これらは単独または互いに組合わせて使うことができる。例示的な実施形態によれば、絶縁層250は平坦化工程を通じて収得する実質的に平坦な対面を有することができる。例えば、絶縁層250の上部を化学機械的研磨(CMP)工程、エッチバック(etch−back)工程などを利用して平坦化させることができる。他の例示的な実施形態において、絶縁層250は、自己平坦性(self planarizing property)を有する物質を含むことができる。
【0054】
図1に例示的に図示した表示装置において、前記スイッチング構造物は半導体層210上にゲート電極231が配置されるトップゲート(top gate)構造を有する薄膜トランジスタを含むが、前記スイッチング素子の構成がそれに限定されるのではない。例えば、前記スイッチング素子は半導体層210の下にゲート電極231が位置するボトムゲート(bottom gate)構造を有することもでき、半導体酸化物で構成されたアクティブ層を具備する酸化物半導体素子を含むこともできる。
【0055】
再び図1を参照すれば、第1電極300は絶縁層250上に配置できる。例示的な実施形態において、第1電極300は絶縁層250の孔を部分的または全体的に埋め立てることができ、これによって、第1電極300は前記スイッチング素子に電気的に連結されることができる。つまり、第1電極300は前記孔を通じて露出されるドレーン電極235に接続されることができる。他の例示的な実施形態によれば、ドレーン電極235上には絶縁層250の孔を埋め立てるコンタクト(図示せず)、プラグ(図示せず)、パッド(図示せず)などが追加的に配置されることができる。この場合、第1電極300は、前記パッド、前記プラグまたは前記コンタクトを通じてドレーン電極235に電気的に接続されることができる。
【0056】
前記表示装置が前面発光方式を有する場合、第1電極300は反射性を有する反射電極に該当することができる。この場合、第2電極500は半透過性を有する半透過電極または透過性を有する透過電極に該当することができる。しかし、第1電極300及び第2電極500の構成物質は、前記表示装置の発光方式によって変わることができる。例えば、第1電極300が透過電極または半透過電極に該当することができ、第2電極500が反射電極に該当することもできる。本明細書において、「反射性」というのは、入射光に対する反射率が約70%以上約100%以下であることを意味し、「半透過性」というのは、入射光の反射率が約30%以上約70%以下であることを意味する。また、「透過性」というのは、入射光に対する反射率が約30%以下であることを意味する。
【0057】
例示的な実施形態により第1電極300が反射電極に該当する場合には、第1電極300は相対的に高い反射率を有する金属、合金などを含むことができる。例えば、第1電極300は、アルミニウム、銀、金(Au)、白金(Pt)、クロム、タングステン、モリブデン、チタン、パラジウム(Pd)、これらの合金などを含むことができる。これらは単独または互いに組合わせて使うことができる。第1電極300に含まれる合金としては、ACA(Ag−Cu−Au)合金、APC(Ag−Pa−Cu)合金などを挙げることができる。例示的な実施形態によれば、第1電極300は、前記金属及び/または合金を含む断層構造または多層構造を有することができる。
【0058】
第2電極500が半透過電極に該当する場合、第2電極500は実質的に一つの金属薄膜を含むことができる。この場合、第2電極500は所定の反射率を有すると同時に所定の透過率を有することができる。第2電極500が相対的に厚い厚さを有する場合には、前記表示装置の光効率が低下することがあるので、第2電極500は相対的に薄い厚さを有することができる。例えば、第2電極500は、約30nm以下の厚さを有することができる。第2電極500に含まれる金属としては、アルミニウム、銀、金、白金、クロム、タングステン、モリブデン、チタン、パラジウム、これらの合金などを挙げることができる。これらは単独または互いに組合わせて使うことができる。他の例示的な実施形態において、第2電極500は透明導電性物質を含むことができる。すなわち、第2電極500は透過電極に該当することができる。例えば、第2電極500はインジウム亜鉛酸化物、インジウムスズ酸化物、ガリウムスズ酸化物、亜鉛酸化物、ガリウム酸化物、スズ酸化物、インジウム酸化物などを含むことができる。これらは単独または互いに組合わせて使うことができる。また他の例示的な実施形態において、第2電極500は互いに相異なる屈折率を有する複数の透過層または複数の半透過層を含む多層構造を有することができる。
【0059】
例示的な実施形態において、第1電極300は、発光構造物400の第1正孔注入層410に正孔(holes)を提供する陽極(anode)に該当し、第2電極500は電子輸送層490に電子を提供する陰極(cathode)に該当する。しかし、第1電極300及び第2電極500の役割がこれに限定するのではなく、第1電極300と第2電極500の機能が互いに変わることができる。例えば、第1電極300が陰極の役割をし、第2電極500が陽極として機能することもできる。第1電極300及び第2電極500の機能によって発光構造物400の正孔輸送層420、有機発光層430、電子輸送層480などの積層順が変わることができる。
【0060】
例示的な実施形態によれば、図1に図示したように、前記表示装置の表示領域は第1サブ画素領域(I)、第2サブ画素領域(II)及び第3サブ画素領域(III)を含むことができる。
【0061】
前記表示領域の第1電極300上には光学距離調節層350が配置でき、前記表示領域に隣接する非表示領域の絶縁層250上には保護層280が位置できる。例示的な実施形態において、保護層280はドレーン電極235に接続される第1電極300の一部をカバーするように延長することができる。保護層280は、酸化物、窒化物、酸窒化物、有機絶縁物質などを含むことができる。例えば、保護層280は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、ベンゾシクロブテン系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニル系樹脂、シロキサン系樹脂などを含むことができる。これらは単独または互いに組合わせて使うことができる。他の例示的な実施形態によれば、前記表示装置が保護層280を具備しないことによって、より簡単な構成を有することもできる。
【0062】
例示的な実施形態によれば、光学距離調節層350は第1サブ画素領域(I)及び第2サブ画素領域(II)に位置する第1電極300上に配置されることができる。他の例示的な実施形態によれば、光学距離調節層350は第1〜第3サブ画素領域(I,II,III)全部に配置できる。また他の例示的な実施形態において、光学距離調節層350は第1サブ画素領域(I)内のみに位置できる。
【0063】
光学距離調節層350は後述するように発光構造物400から発生する光の光学的共振のために所定の光学距離を確保または光学距離を調節する機能を遂行することができる。例示的な実施形態において、第1〜第3サブ画素領域(I,II,III)で光学距離調節層350の部分は実質的に相異なる厚さを有することができる。例えば、第1サブ画素領域(I)に位置する光学距離調節層350の第1部分の厚さが第1サブ画素領域(II)に位置する光学距離調節層350の第2部分の厚さに比べて実質的に厚いこともある。このような光学距離調節層350の厚さの差によって第1電極300と第2電極500との間の間隔が第1〜第3サブ画素領域(I,II,III)で実質的に相異に変化できる。
【0064】
光学距離調節層350は実質的に光透過性を有することができる。例えば、光学距離調節層350は入射光に対して約70%以上約100%以下の光透過率を有することができる。例示的な実施形態において、光学距離調節層350は後述する遮断部材440または第1正孔注入層410を構成する物質と実質的に同一または実質的に類似物質を含むことができる。他の例示的な実施形態によれば、光学距離調節層350は透明絶縁物質を含むことができる。例えば、光学距離調節層350は、ベンゾシクロブテン系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニル系樹脂、シロキサン系樹脂などを含むことができる。これらは単独または互いに組合わせて使うことができる。
【0065】
通常的に、「光学的共振(optical resonance)」または「微小共振器(microcavity)効果」は、入射光に対して反射性または半透過性を有する2つの面の間の光学距離が特定波長の光に対する干渉条件を満足する場合に、このような特定波長を有する光の輝度または光の強度が増加する現象を意味する。そこで、「反射性」は入射光に対する光の反射率が約70%以上約100%以下になることを意味して、「半透過性」は入射光に対する光の反射率が約30%以上約70%以下であることを意味する。前記光学距離は光が所定の層または電極を通過する時、このような層や電極の屈折率(n)と厚さ(d)を乗算した値に該当する。屈折率が互いに異なる複数の電極や層を光が通過する時の全体的な光学距離は、各電極や層の屈折率と、厚さの積である光学距離を合算した値(nd)に該当する。
【0066】
実質的に反射性または半透過性を有する2つの面の間に複数の層や電極が介在する場合、前記2つ面の間で光学的共振が発生する条件は次の式(1)で示すことができる。
【0067】
【数1】

【0068】
前記式(1)において、njは反射性または半透過性を有する2つの面の間に介在した複数の層または電極のうち所定の波長(λ)を有する光が通過するj番目層の屈折率を意味する。また、djは前記j番目層の厚さを示し、mは任意の整数を示す。一方、θjは光が前記j番目層を通過したり反射性または半透過性を有する面で反射する時に生じる位相変化を意味する。前記式(1)を光学距離に対して変形すると、次の式(2)を得ることができる。
【0069】
【数2】

【0070】
前記式(2)において、Lは所定の波長(λ)を有する光に対して共振条件を満足させる光学距離を意味する。以下、所定の波長を有する光に対する共振条件を満足させる光学距離を「光学共振距離」と称する。Φは光学共振距離(L)の間で発生する光の位相変化の合計であり、−πラジアン(radian)以上πラジアン以下の値を有することができる。特定の光学共振距離(L)で光学的共振を起こす光の波長を「ピーク波長」と称する。
【0071】
前記式(2)によると、所定の波長(λ)を有する光に対する光学共振距離(L)は任意の整数mに従がって多様な値を有することが分かる。従って、光学共振距離(L)の値が大きい場合、同一の光学共振距離(L)に対して互いに異なるピーク波長にそれぞれ対応する互いに異なるm値(すなわち、式(2)の解に該当する値)が存在できる。
【0072】
例えば、光学共振距離(L)の間で発生する光の位相変化の合計が「0」であると仮定し、計算の便宜のために赤色光の波長を660nmとし、青色光の波長を440nmと仮定する。このような660nm波長の赤色光に対して共振を起こす光学共振距離(L)は約330nm(m=1の場合)、約660nm(m=2の場合)、約990nm(m=3の場合)、約1,320nm(m=4の場合)などのようにいくつかが存在し、440nm波長の青色光に対して共振を起こす光学共振距離(L)は約220nm(m=1の場合)、約440nm(m=2の場合)、約660nm(m=3の場合)、約880nm(m=4の場合)などのようにいくつかが存在できる。すなわち、一つのピーク波長に対して複数の光学共振距離(L)が導き出されることができる。ただし、製造工程的な側面で表示装置の現実的な大きさ制限により光学共振距離(L)が制限できる。
【0073】
再び図1を参照すれば、前記表示装置の第1サブ画素領域(I)は主に赤色光を放出する領域に該当でき、第2サブ画素領域(II)は主に緑色光を生成する領域に該当する。また、第3サブ画素領域(III)は主に青色光を発生させる領域に該当する。これによって、第1サブ画素領域(I)での第1光学共振距離は主に赤色光に対して光学的共振を起こすように調節でき、第2サブ画素領域(II)での第2光学共振距離は実質的に緑色光に対して光学的共振を起こすように調節でき、第3サブ画素領域(III)での第3光学共振距離は主に青色光に対して光学的共振を起こすように調節できる。
【0074】
例示的な実施形態において、前記第1〜第3光学共振距離は第1電極300と第2電極500との間に配置される色々な層の厚さ、及び/または、屈折率を調節して変化できる。前記表示装置の第1〜第3サブ画素領域(I,II,III)で発光構造物400の厚さが一定する場合には、第1電極300と発光構造物400との間に配置された光学距離調節層350の厚さ、及び/または、屈折率を調節して前記第1〜第3光学共振距離を調節できる。
【0075】
上述通り、光学的共振でmの値が同一の場合には共振される波長の長さが長ければ光学共振距離の長さも長くなる。従って、赤色光の発光のため第1サブ画素領域(I)での第1光学共振距離が、緑色光の発光のための第2サブ画素領域(II)での第2光学共振距離より、実質的にさらに大きいことがある。また、第2サブ画素領域(II)での第2光学共振距離が、青色光の発光のため第3サブ画素領域(III)での第3光学共振距離より実質的により大きいことがある。これによって、第1サブ画素領域(I)での光学距離調節層350の厚さは第2サブ画素領域(II)での光学距離調節層350の厚さより実質的に大きいことがある。
【0076】
例示的な実施形態に係る表示装置において、第1〜第3サブ画素領域(I,II,III)が実質的に互いに異なる光学共振距離を有することによって、第1〜第3サブ画素領域(I,II,III)でそれぞれ互いに異なる波長の光が光学的共振を起こすことができる。従って、前記表示装置の表示領域で色純度と輝度が向上するという効果を得ることができる。また、前記表示装置の駆動電圧を減少させて寿命の延長を期待できる。
【0077】
図1に図示したように、発光構造物400は光学距離調節層350を含むことができ、第1電極300上に配置されることができる。例示的な実施形態において、発光構造物400は第1正孔注入層410、正孔輸送層420、第1有機発光層430、遮断部材440、電荷生成層(CGL)450、第2正孔注入層460、第2有機発光層480、電子輸送層490などを含むことができる。
【0078】
例示的な実施形態において、第1正孔注入層410は、光学距離調節層350をカバーし、第1電極300上に配置されることができる。第1正孔注入層410は、第1電極300から第1有機発光層430に正孔の注入を円滑にする役割を遂行できる。例えば、第1正孔注入層410は、CuPc(copper phthalocyanine)、PEDOT(poly(3,4)-ethylenedioxythiophene)、PANI(polyaniline)、NPD(N,N-dinaphthyl-N,N’-diphenyl benzidine)などを含むことができるが、これに限定されるのではない。
【0079】
正孔輸送層420は第1正孔注入層410上に配置されることができる。正孔輸送層420は第1正孔注入層410からの正孔の輸送を円滑にする機能を遂行することができる。そこで、正孔輸送層420の最高被占分子軌道エネルギ(highest occupied molecular orbital energy;HOMO)が第1電極300を構成する物質の仕事関数(work function)より実質的に低く、第1有機発光層430の最高被占分子軌道エネルギ(HOMO)より実質的に高い場合には正孔輸送効率が最適化されることができる。例えば、正孔輸送層420は、NPD(N,N-dinaphthyl-N,N’-diphenyl benzidine)、TPD( N,N’-bis-(3-methylphenyl)-N,N’-bis-(phenyl)-benzidine)、s−TAD、MTDATA(4,4’,4”-Tris(N-3-methylphenyl-N-phenyl-amino)-triphenylamine)などを含むことができるが、これに限定されるのではない。
【0080】
第1有機発光層430は正孔輸送層420上に配置されることができる。第1有機発光層430は、一つのホストに分散されるリン光青色ドーパントまたは蛍光青色ドーパントを含むことができる。例示的な実施形態において、第1有機発光層430は実質的に青色光のみを発光することができ、これによって、色安定性を向上させることができ、従来の有機発光表示装置の問題点である青色発光層の低い寿命問題を解決することができる。電荷生成層(CGL)450は第1有機発光層430上に配置されることができる。電荷生成層450は第1有機発光層430に対しては実質的に陰極の役割を遂行でき、第2有機発光層480に対しては実質的に陽極として機能することができる。
【0081】
電荷生成層450は断層構造または二階構造を有することができる。例示的な実施形態において、電荷生成層450はバナジウム酸化物(VOx)、タングステン酸化物(WOx)などを含む金属酸化物から構成される断層構造を有することができる。他の例示的な実施形態によれば、電荷生成層450は金属酸化物層及び金属層を含む二重層構造を有することもできうる。この場合、前記金属酸化物層はバナジウム酸化物、タングステン酸化物などを含むことができ、前記金属層はアルミニウム、銀などを含むことができる。
【0082】
第1電極300及び/または第2電極500に電圧が印加される場合、このような電圧によって電荷生成層450内で電荷、すなわち、電子または正孔が生成され、生成された電子または正孔が電荷生成層450から隣接する第1有機発光層430及び/または第2有機発光層480に提供することができる。従って、電荷の分布が第1〜第3サブ画素領域(I,II,III)内で実質的に均一になされて、一つの色光が支配的に発光される問題点を解決することができる。また、一つの有機発光層を含む有機発光表示装置に比べて発光効率を増大させることができる。
【0083】
他の例示的な実施形態によれば、前記表示装置の駆動電圧を減少させながら発光効率をより向上させるために、第1有機発光層430と電荷生成層450との間に追加的な電子輸送層(図示せず)、追加的な電子注入層(図示せず)などが配置されることができる。
【0084】
第2正孔注入層460は電荷生成層450上に配置されることができる。第2正孔注入層460はその役割及び構成物質において第1正孔注入層410の場合と実質的に同一または実質的に類似することができる。
【0085】
第2有機発光層480は第2正孔注入層460上に位置することができる。第2有機発光層480は断層構造または二階構造を有することができる。例示的な実施形態において、第2有機発光層480は一つのホストに分散する緑色ドーパントを含む緑色発光層と一つのホストに分散する赤色ドーパントを含む赤色発光層を含む二階構造を有することができる。他の例示的な実施形態によれば、第2有機発光層480は一つのホストに分散する緑色及び赤色ドーパントを含む断層構造を有することもできる。
【0086】
電子輸送層490は第2有機発光層480上に配置されることができる。電子輸送層490は第2有機発光層480への電子の輸送を円滑にする役割を遂行することができる。例えば、電子輸送層490は、Alq3(tris(8-hydroxyquinolino)aluminum)、PBD、TAZ、sprio−pbd、BAlq、SAlqなどを含むことができるが、これに限定されるのではない。
【0087】
他の例示的な実施形態において、前記表示装置の駆動電圧を減少させながら発光効率をより向上させるために、第2正孔注入層460と第2有機発光層480との間には追加的な正孔輸送層(図示せず)が配置され、電子輸送層490と第2電極500との間には追加的な電子注入層(図示せず)が位置することができる。
【0088】
図1に図示したように、遮断部材440は、第1サブ画素領域(I)に位置する第1有機発光層430上に配置されることができる。例示的な実施形態において、遮断部材440は電子の移動を遮断する機能を遂行することができる。この場合、遮断部材440はフラーレン(fullerene)、LG101C、置換されたトリアリールアミンを含む高分子物質、カルバゾール系高分子物質、1,1−ビス(4−(N,N−ジ−p−トリルアミノ)フェニル)シクロヘキサン(TAPC)、1,1−ビス(4−(N,N−ジ−p−トリルアミノ)フェニル)シクロペンタン、4,4’−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビス[N,N−ビス(4−メチルフェニル)−ベンゼンアミン、1,1−ビス(4−(N,N−ジ−p−トリルアミノ)フェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−(N,N−ジ−p−トリルアミノ)フェニル)−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−(N,N−ジ−p−トリルアミノ)フェニル)−3−フェニルプロパン、ビス[4−(N,N−ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル](4−メチルフェニル)メタン、ビス[4−(N,N−ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル](4−メチルフェニル)エタン、4−(4−ジエチルアミノフェニル)トリフェニルメタン、4,4’−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)ジフェニルメタン、N,N−ビス[2,5−ジメチル−4−[(3−メチルフェニル)フェニルアミノ]フェニル]−2,5−ジメチル−N’−(3−メチルフェニル)−N’−フェニル−1,4−ベンゼンジアミン、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−N,N−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−ベンゼンアミン(TCTA)、4−(3−フェニル−9H−カルバゾール−9−イル)−N,N−ビス[4−(3−フェニル−9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−ベンゼンアミン、9,9’−(2,2’−ジメチル[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイル)ビス−9H−カルバゾール(CDBP)、9,9’−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイルビス−9H−カルバゾール(CBP)、9,9’−(1,3−フェニレン)ビス−9H−カルバゾール(mCP)、9,9’−(1,4−フェニレン)ビス−9H−カルバゾール、9,9’−(1,4−フェニレン)ビス[N,N,N’,N’−テトラフェニル−9H−カルバゾール−3,6−ジアミン、9−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン、9,9’−(1,4−フェニレン)ビス[N,N−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン、9−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N,N’,N’−テトラフェニル−9H−カルバゾール−3,6−ジアミン、9−フェニル−9H−カルバゾールなどを含むことができる。また、電子を遮断する役割を遂行する遮断部材440は。約30nm以上の厚さを有することができる。例えば、遮断部材440は約30nm〜約150nm程度の厚さを有することができる。 他の例示的な実施形態において、遮断部材440は、最高被占分子軌道エネルギ(highest occupied molecular orbital energy;HOMO)が相対的に大きく、透明な物質を含むこともできる。
【0089】
例示的な実施形態によれば、遮断部材440は第1サブ画素領域(I)で電荷生成層450から第1有機発光層430への電子の輸送を遮断する役割を遂行することができる。これによって、遮断部材440により第1サブ画素領域(I)では第1有機発光層430は、電子が提供されないために第1サブ画素領域(I)に位置する第1有機発光層430は実質的に光を発生させないことがある。
【0090】
図1に図示した表示装置において、第1サブ画素領域(I)と第2サブ画素領域(II)で光学距離調節層350の厚さが実質的に互いに異なるように図示されているが、光学距離調節層350の構造がそれに限定されるのではない。例えば、第1サブ画素領域(I)と第2サブ画素領域(I)の光学距離調節層350の厚さが実質的に同一または実質的に類似していることもある。この場合、遮断部材440の厚さを調節することによって、第1及び第2サブ画素領域(I,II)の第1及び第2光学共振距離をそれぞれ赤色光及び青色光に適合するように調節することができる。
【0091】
図2は遮断部材の膜厚に応じた表示装置の光学的共振ピーク波長を示すグラフである。
【0092】
図2を参照すれば、遮断部材で電子遮断層を具備していない表示装置(IV)では赤色光の共振のために光学共振距離を調節しても青色光の共振が共に起きることが確認できる。上述したように、赤色光が共振(m=2)する光学共振距離と青色光が共振(m=3)する光学共振距離が約660nm程度であり概略的に一致するので、遮断部材として電子遮断層を具備していない表示装置(IV)の場合には、赤色光と青色光が実質的に共に共振されて色純度が低下する。これに比べて、約30nm程度の厚さを有する電子遮断層を含む表示装置(V)、約50nm程度の厚さを有する電子遮断層を含む表示装置(VI)及び約100nm程度の厚さを有する電子遮断層を含む表示装置(VII)の場合には実質的に同じ光学共振距離内でも赤色光のみが共振され、青色光は実質的に共振されないことを確認できる。従って、遮断部材として電子遮断層を具備する表示装置が向上した色純度を確保できるが分かる。
【0093】
図1及び図2を参照すれば、前記表示装置の第1サブ画素領域(I)で第1有機発光層430と電荷生成層450との間に遮断部材440が配置される場合、電荷生成層450で第1有機発光層430への電子の移動を遮断することができる。すなわち、第1サブ画素領域(I)で第1有機発光層430はエキシトンが形成されないので、遮断部材440により青色光の発光を遮断することができる。従って、第1サブ画素領域(I)では光学的共振によって赤色光のみが発光されることができ、第1〜第3サブ画素領域(I,II,III)はそれぞれ色純度が高い色光を放出することができ、前記表示装置がカラーフィルタを具備しなくても高い色純度及び輝度を確保することができる。その結果、付加的な層が要求されないため前記表示装置の構成が簡単になることができ、製造費用を節減することもでき、製造工程も単純化することができる。また、カラーフィルタを配置する過程が要求されないので、高解像度の画像をディスプレイできる表示装置を実現することができ、カラーフィルタによる画像の輝度減少を最小化することができる。
【0094】
図3は本発明の他の例示的な実施形態に係る発光構造物を含む表示装置を説明するための断面図である。図3に図示した表示装置は、発光構造物を除けば図1を参照して説明した表示装置と実質的に同一または実質的に類似の構成を有することができる。
【0095】
図3を参照すれば、前記表示装置は基板100、スイッチング構造物、第1電極300、発光構造物402、第2電極500などを含むことができる。前記表示装置の表示領域は第1〜第3サブ画素領域(I,II,III)に区分でき、これによって、発光構造物402も第1〜第3サブ画素領域(I,II,III)に分けることができる。
【0096】
スイッチング素子と少なくとも一つの絶縁層を含む前記スイッチング構造物は、バッファ層110を有する基板100上に提供されることができる。例示的な実施形態において、前記スイッチング構造物は半導体層210、ゲート絶縁膜220、ゲート電極231、層間絶縁膜240、ソース電極233、ドレーン電極235、絶縁層250などを含むことができる。この時、半導体層210は、第1不純物領域211、チャネル領域213、及び第2不純物領域215を含むことができる。このようなスイッチング構造物の構成は、図1を参照して説明したスイッチング構造物の場合と実質的に同一または実質的に類似している。
【0097】
第1電極300は前記表示領域の絶縁層250上に配置することができ、前記表示装置の非表示領域の絶縁層250上には保護層280が形成されることができる。第1電極300の上部には第1電極300に実質的に対向される第2電極500が配置されることができ、第1電極300と第2電極500との間に光学距離調節層350と発光構造物402が位置することができる。
【0098】
光学距離調節層350は前記表示領域の第1電極300上に位置することができる。例示的な実施形態によれば、光学距離調節層350は、第1サブ画素領域(I),第2サブ画素領域(II)、及び第3サブ画素領域(III)全てに配置されることができ、場合により第3サブ画素領域(III)には位置しないこともある。第1〜第3サブ画素領域(I,II,III)で光学距離調節層350の厚さは、互いに相異しており、これによって、第1〜第3サブ画素領域(I,II,III)で第1電極300と第2電極500は互いに相異なる間隔で離隔されることによって、相異なる色光に対してそれぞれ光学的共振を起こすことができる。
【0099】
発光構造物402の第1正孔注入層410は光学距離調節層350をカバーし第1電極300上に配置することができる。第1正孔注入層410は第1電極300から第1有機発光層430に正孔の注入を円滑にする役割を遂行することができる。第1有機発光層430は第1正孔注入層410上に配置されることができる。第1有機発光層430は断層構造または二階構造を有することができる。例示的な実施形態において、第1有機発光層430は一つのホストに分散した緑色ドーパントを含む緑色発光層と、一つのホストに分散した赤色ドーパントを含む赤色発光層を含む二階構造を有することができる。他の例示的な実施形態によれば、第1有機発光層430は一つのホストに分散した緑色及び赤色ドーパントを含む断層構造を有することもある。
【0100】
電荷生成層450は前記第1有機発光層430上に配置されることができる。電荷生成層450は第1有機発光層430に対しては陰極として機能することができ、第2有機発光層480に対しては陽極として機能することができる。電荷生成層450は断層構造或いは二階構造を有することができる。第2正孔注入層460及び正孔輸送層470が電荷生成層450上に配置され、電荷生成層450から第2有機発光層480への正孔の注入と輸送を円滑にする役割を遂行することができる。
【0101】
正孔輸送層470上には第2有機発光層480が配置されることができる。例えば、第2有機発光層480は一つのホストに分散した青色ドーパントを含む青色発光層を含むことができる。電子輸送層490は第2有機発光層480上に配置されて、電子の輸送を円滑にする役割になる。
【0102】
例示的な実施形態によれば、遮断部材440は電子遮断層を含むことができる。この場合、前記電子遮断層は第1サブ画素領域(I)で第2有機発光層480と電子輸送層490との間に配置されることができる。前記電子遮断層を含む遮断部材440は第1サブ画素領域(I)で電子輸送層490で第2有機発光層480への電子の輸送を遮断する役割を遂行することができる。遮断部材440により第1サブ画素領域(I)で第2有機発光層480には電子が提供されないので発光を起すことができない。
【0103】
図1を参照して説明した表示装置と比較する場合、図3を参照して説明した表示装置は、発光構造物402の青色発光層の位置が赤色及び緑色発光層の位置と互いに交替することができ、これによって遮断部材440と正孔輸送層470の位置も変更されることができる。ただし、このような位置の変更があっても第1〜第3サブ画素領域(I,II,III)でそれぞれ光学的共振が発生し、遮断部材440によって第1サブ画素領域(I)で青色光の生成が遮断されて別途のカラーフィルタを具備しなくても前記表示装置は高い色純度、改善された色再現性、向上された輝度などを有することができる。
【0104】
図4は本発明の他の例示的な実施形態に係る発光構造物を含む表示装置を説明するための断面図である。図4に図示した表示装置は、発光構造物を除けば図1を参照して説明した表示装置と実質的に同一または実質的に類似する構成を有することができる。
【0105】
図4を参照すれば、前記表示装置は基板100、スイッチング構造物、第1電極300、発光構造物404、第2電極500などを含むことができる。前記表示装置は第1〜第3サブ画素領域(I,II,III)を含む表示領域と非表示領域を具備することができ、発光構造物404は前記表示領域に位置して第1〜第3サブ画素領域(I,II,III)に区分することができる。
【0106】
基板100上にはバッファ層110が配置されることができ、前記スイッチング構造物はバッファ層110上に配置されることができる。前記スイッチング構造物は、第1及び第2不純物領域211、215とチャネル領域213を有する半導体層210、ゲート絶縁膜220、ゲート電極231、ソース電極233、ドレーン電極235、層間絶縁膜240、絶縁層250などを含むことができ、これに対しては図1を参照して詳細に説明したので繰り返される説明は省略する。
【0107】
例示的な実施形態において、第1電極300上には光学距離調節層350が位置することができる。光学距離調節層350は第1サブ画素領域(I)、第2サブ画素領域(II)、及び第3サブ画素領域(III)において第1電極300上に配置されるが、場合によって第2サブ画素領域(II)、及び/または、第3サブ画素領域(III)には配置されないこともある。第1〜第3サブ画素領域(I,II,III)において光学距離調節層350の厚さは互いに相異し、これによって第1〜第3サブ画素領域(I,II,III)で第1電極300と第2電極500は、それぞれ相異なる間隔で離隔されることができ、第1電極300と第2電極500との間で互いに異なる色光の光学的共振が起きることができる。
【0108】
前記表示領域に位置する発光構造物404は、第1正孔注入層410、正孔輸送層420、第1有機発光層430、追加的な電子輸送層435、遮断部材440、電荷生成層450、第2正孔注入層460、第2有機発光層480、電子輸送層490などを含むことができ、このような発光構造物404の構成に対しては図1を参照して説明した発光構造物400の場合と実質的に同一または類似するので繰り返される説明は省略する。
【0109】
例示的な実施形態において、第1有機発光層430と電荷生成層450との間に追加的な電子輸送層435が位置することができる。追加的な電子輸送層435により電荷生成層450から第1有機発光層430への電子の流れが実質的に活性化することがあるので発光構造物404の発光効率が向上することができる。遮断部材440は電子遮断層を含むことができる。この場合、前記電子遮断層は第1サブ画素領域(I)で追加的な電子輸送層435上に配置されることができる。遮断部材440は第1サブ画素領域(I)で電荷生成層450から第1有機発光層430への電子輸送を遮断する役割を遂行することができる。遮断部材440により第1サブ画素領域(I)で第1有機発光層430には電子が提供されないので発光を起すことができない。他の例示的な実施形態によれば、第1有機発光層430と電荷生成層450との間に追加的な電子輸送層435の代わりに正孔遮断層(図示せず)が位置することができる。このような正孔遮断層によって第1電極300から第1有機発光層430に移動した正孔が電荷生成層450に移動することを遮断して発光構造物404の発光効率をより向上させることができる。
【0110】
図1を参照して説明した表示装置と比較する場合、図4に図示した表示装置は青色発光層を含む第1有機発光層430と遮断部材440が物理的に離隔されることができる。ただし、このような場合にも遮断部材440によって青色発光層への電子の移動が遮断されるので、第1サブ画素領域(I)で実質的に赤色光のみが発光されることができる。これによって、前記表示装置がカラーフィルタが具備されなくても高い色純度を確保でき、向上された輝度と光効率を有することができる。
【0111】
図5は本発明のまた他の例示的な実施形態に係る発光構造物を含む表示装置を説明するための断面図である。図5に図示した表示装置は、発光構造物を除けば図1を参照して説明した表示装置と実質的に同一または実質的に類似の構成を有することができる。
【0112】
図5を参照すれば、前記表示装置は基板100、スイッチング構造物、第1電極300、発光構造物406、第2電極500などを含むことができる。前記表示装置と発光構造物406は第1〜第3サブ画素領域(I,II,III)を含むことができる。
【0113】
前記スイッチング構造物は少なくとも一つの絶縁層とスイッチング素子を具備することができる。例えば、前記スイッチング素子はチャネル領域213と第1及び第2不純物領域(211,215)を有する半導体層210、ゲート絶縁膜220、ゲート電極231、ソース電極233、ドレーン電極235などを具備することができる。また、前記少なくとも一つの絶縁層は、層間絶縁膜240、絶縁層250などを含むことができる。
【0114】
例示的な実施形態において、前記表示装置の表示領域で第1電極300上には光学距離調節層350が配置されることができる。光学距離調節層350は第1サブ画素領域(I)、第2サブ画素領域(II)、及び/または、第3サブ画素領域(III)に位置することができる。そこで、光学距離調節層350は第1サブ画素領域(I)、第2サブ画素領域(II)、及び/または、第3サブ画素領域で相異なる厚さを有することができる。これによって、第1〜第3サブ画素領域(I,II,III)で第1電極300と第2電極500との間には第1〜第3光学的共振距離が提供されることができる。
【0115】
例示的な実施形態によれば、発光構造物406は第1正孔注入層410、正孔輸送層420、遮断部材425、第1有機発光層430、電荷生成層450、第2正孔注入層460、第2有機発光層480、電子輸送層490などを含むことができる。発光構造物400の第1サブ画素領域(I)で第1有機発光層430と第1正孔輸送層420との間にはエキシトンクエンチング層(exciton quenching layer;EQL)を含む遮断部材425が配置されることができる。そこで、前記エキシトンクエンチング層を含む遮断部材440はフラーレン(fullerene)、LG101C、置換されたトリアリールアミンを含む高分子物質、カルバゾール系高分子物質、1,1−ビス(4−(N,N−ジ−p−トリルアミノ)フェニル)シクロヘキサン(TAPC)、1,1−ビス(4−(N,N−ジ−p−トリルアミノ)フェニル)シクロペンタン、4,4’−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビス[N,N−ビス(4−メチルフェニル)−ベンゼンアミン、1,1−ビス(4−(N,N−ジ−p−トリルアミノ)フェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−(N,N−ジ−p−トリルアミノ)フェニル)−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−(N,N−ジ−p−トリルアミノ)フェニル)−3−フェニルプロパン、ビス[4−(N,N−ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル](4−メチルフェニル)メタン、ビス[4−(N,N−ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル](4−メチルフェニル)エタン、4−(4−ジエチルアミノフェニル)トリフェニルメタン、4,4’−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)ジフェニルメタン、N,N−ビス[2,5−ジメチル−4−[(3−メチルフェニル)フェニルアミノ]フェニル]−2,5−ジメチル−N’−(3−メチルフェニル)−N’−フェニル−1,4−ベンゼンジアミン、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−N,N−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−ベンゼンアミン(TCTA)、4−(3−フェニル−9H−カルバゾール−9−イル)−N,N−ビス[4−(3−フェニル−9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−ベンゼンアミン、9,9’−(2,2’−ジメチル[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイル)ビス−9H−カルバゾール(CDBP)、9,9’−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイルビス−9H−カルバゾール(CBP)、9,9’−(1,3−フェニレン)ビス−9H−カルバゾール(mCP)、9,9’−(1,4−フェニレン)ビス−9H−カルバゾール、9,9’−(1,4−フェニレン)ビス[N,N,N’,N’−テトラフェニル−9H−カルバゾール−3,6−ジアミン、9−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン、9,9’−(1,4−フェニレン)ビス[N,N−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン、9−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N,N’,N’−テトラフェニル−9H−カルバゾール−3,6−ジアミン、9−フェニル−9H−カルバゾールなどを含むことができる。前記表示装置の駆動時に第1有機発光層430と第1正孔輸送層420との間で電子と正孔が会ってエキシトンを形成することができる。前記エキシトンクエンチング層を含む遮断部材425は、前記エキシトンクエンチング層周囲の高いエネルギを有している電子或いはエキシトンを低いエネルギに変換させる役割を遂行することができる。これによって、第1サブ画素領域(I)の第1有機発光層430では発光に参与する電子或いはエキシトンが存在しないので、実質的に発光が発生しないことがある。
【0116】
図1を参照して説明した表示装置と比較する場合、図5に図示した表示装置は、第1サブ画素領域(I)で遮断部材425として電子遮断層の代わりにエキシトンクエンチング層を具備することができる。ただし、このような場合にも第1サブ画素領域(I)で実質的に赤色光のみが発光され、青色光の発光が制限されることができる。
【0117】
図6は本発明のまた他の例示的な実施形態に係る発光構造物を含む表示装置を説明するための断面図である。図6に図示した表示装置は、発光方式、第1電極300、第2電極500などを除けば図1を参照して説明した表示装置と実質的に同一または実質的に類似する構成を有する。
【0118】
図6を参照すれば、前記表示装置は基板100、スイッチング構造物、第1電極300、発光構造物408、第2電極500などを含むことができる。
【0119】
前記スイッチング構造物はバッファ層110を有する基板100上に配置されることができる。前記スイッチング構造物はスイッチング素子と少なくとも一つの絶縁層を具備することができる。前記スイッチング素子は半導体層210、ゲート絶縁膜220、ゲート電極231、ソース電極233、ドレーン電極235などを含むことができ、前記少なくとも一つの絶縁層は層間絶縁膜240、絶縁層250などを含むことができる。
【0120】
例示的な実施形態により前記表示装置が背面発光方式(矢印参照)を有する場合、第1電極300は発光構造物408から入射される光の一部を透過すると同時に光の一部を反射する半透過層に該当でき、第2電極500は反射性を有する反射電極に該当することができる。
【0121】
第1電極300が半透過電極に該当する場合、第1電極300は金属、合金、導電性金属酸化物、金属がドーピングされた透明無機物質などからなることができる。例えば、第1電極300は屈折率が互いに相異なる複数の透明層または複数の半透過層を含む多層構造を有することができる。例示的な実施形態において、第1電極300は第1電極膜、第2電極膜、第3電極膜を含む三重層構造を有することができる。この場合、前記第1電極膜と前記第3電極膜は、それぞれインジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、亜鉛酸化物などの金属酸化物で構成され、前記第2電極膜はマグネシウム−銀(Mg−Ag)合金、銀、銀−パラジウム−銅(Ag−Pd−Cu)合金などからなることができる。前記第2電極膜が、相対的に高い反射性を有する金属を含んでも、前記第2電極膜の厚さが薄い場合には半透過性を有することができる。
【0122】
第2電極500が反射電極に該当する場合、第2電極500は、アルミニウム、白金、銀、金、クロム、タングステン、モリブデン、チタン、パラジウム、これらの合金(例えば、ACA合金、APC合金)などを含むことができる。これらは単独または互いに組合わせて使うことができる。第2電極500が反射電極の場合には発光構造物408から発生した光は第1電極300と基板100を通過するので、前記表示装置が背面発光方式を有することができる。
【0123】
例示的な実施形態において、第1電極300上に配置される光学距離調節層350は、第1サブ画素領域(I)、第2サブ画素領域(II)、及び/または、第3サブ画素領域(III)に位置することができる。第1〜第3サブ画素領域(I,II,III)で光学距離調節層350の厚さは実質的に互いに異なることがあり、これによって、第1〜第3サブ画素領域(I,II,III)で第1電極300と第2電極500との間には実質的に相異なる第1〜第3光学的共振距離が提供されることができる。
【0124】
前記表示装置の発光構造物408は、第1正孔注入層410、正孔輸送層420、第1有機発光層430、遮断部材440、電荷生成層450、第2正孔注入層460、第2有機発光層480、電子輸送層490などを含むことができ、このような発光構造物408の構成要素は、図1を参照して説明した発光構造物400の構成要素と実質的に同一または実質的に類似している。
【0125】
例示的な実施形態において、遮断部材440は電子遮断層を含むことができる。前記電子遮断層は第1サブ画素領域(I)で電荷生成層450と第1有機発光層430との間に配置されることができる。遮断部材440は第1サブ画素領域(I)で電荷生成層450から第1有機発光層430への電子の輸送を遮断する役割をする。このような遮断部材440によって第1サブ画素領域(I)では第1有機発光層430には電子が供給されないために実質的に発光が起きないこともある。
【0126】
図1を参照して説明した表示装置と比較する時、図6に図示された表示装置は第1電極300と第2電極500の構成物質を変更することによって発光の方式が背面発光方式に変更されることができる。ただし、第1及び第2電極300、500の変更があっても第1〜第3サブ画素領域(I,II,III)でそれぞれ光学的共振が発生することができ、遮断部材440により第1サブ画素領域(I)で青色光の生成が実質的に遮断されることができる。
【0127】
図7〜図14は本発明の例示的な実施形態に係る発光構造物を含む表示装置の製造方法を説明するための断面図である。図7〜図14において、図1を参照して説明した表示装置と実質的に同一または類似の構成を有する表示装置の製造方法を例示的に説明するが、図3〜図6を参照して説明した表示装置も構成要素を形成するための工程の省略、追加などの自明な変更を通じて製造されることができる。
【0128】
図7を参照すれば、基板100上にバッファ層110を形成することができる。基板100は透明絶縁物質で構成され、バッファ層110は酸化物、窒化物、酸窒化物、有機絶縁物質などを使って形成することができる。これらは単独または互いに組合わせて使うことができる。また、バッファ層110は、化学気相蒸着(CVD)工程、プラズマ増大化学気相蒸着(PECVD)工程、高密度プラズマ−化学気相蒸着(HDP−CVD)工程、スピンコーティング工程、熱酸化工程、プリンティング工程を利用して基板100上に形成することができる。
【0129】
バッファ層110上にはスイッチング構造物が提供されることができる。例示的な実施形態に係るスイッチング構造物を形成する過程においてバッファ層110上に半導体層210を形成した後、半導体層210を覆ってバッファ層110上にゲート絶縁膜220を形成することができる 半導体層210はシリコンを使って形成し、化学気相蒸着工程、プラズマ増大化学気相蒸着工程、高密度プラズマ−化学気相蒸着工程、スピンコーティング工程、プリンティング工程などを通じて収得することができる。ゲート絶縁膜220は酸化物、有機絶縁物質などを使って形成することができる。そこで、ゲート絶縁膜220は半導体層210のプロファイルに沿ってバッファ層110上に均一に形成されることができる。ゲート絶縁膜220は、スパッタリング工程、化学気相蒸着工程、原子層積層(ALD)工程、高密度プラズマ−化学気相蒸着工程、スピンコーティング工程、プリンティング工程などを利用して収得することができる。
【0130】
ゲート絶縁膜220のうち、下に半導体層210が位置する部分上にゲート電極231を形成することができる。ゲート電極231は金属、金属窒化物、導電性金属酸化物、透明導電性物質などを使って形成することができる。また、ゲート電極231は、スパッタリング工程、化学気相蒸着工程、原子層積層工程、スピンコーティング工程、真空蒸着工程、パルスレーザー蒸着(PLD)工程、プリンティング工程などを利用して形成されることができる。ゲート電極220をマスクとして利用して、半導体層210に不純物を注入することによって、半導体層210の両側部に第1不純物領域211と第2不純物領域215を形成することができる。これによって、半導体層210の中央部はチャネル領域213と定義することができる。例えば、第1及び第2不純物領域211、215は、イオン注入工程を利用して形成することができる。例示的な実施形態において、ゲート電極231を形成する間、ゲート絶縁膜220の一側にはゲートライン(図示せず)が形成されることができる。前記ゲートラインはゲート絶縁膜220上で延長することができ、ゲート電極231に接続されることができる。
【0131】
ゲート絶縁膜220上にはゲート電極231をカバーする層間絶縁膜240が形成されることができる。層間絶縁膜240は酸化物、窒化物、酸窒化物、有機絶縁物質などを使って形成されることができる。また、層間絶縁膜240は、スパッタリング工程、化学気相蒸着工程、プラズマ増大化学気相蒸着工程、原子層積層工程、スピンコーティング工程、真空蒸着工程、パルスレーザー蒸着工程、プリンティング工程などを通じて収得することができる。例示的な実施形態において、層間絶縁膜240はゲート電極231のプロファイルに沿ってゲート絶縁膜220上に均一に形成されることができる。他の例示的な実施形態によれば、層間絶縁膜240はゲート電極231を充分に覆って実質的に平坦な上面を有することもできる。
【0132】
層間絶縁膜240を部分的にエッチングして第1及び第2不純物領域211、215を、それぞれ露出させる孔を形成した後、この孔を埋め立てながら層間絶縁膜240上にソース電極233とドレーン電極235を形成することができる。ソース電極233とドレーン電極235は、それぞれ金属、金属窒化物、導電性金属酸化物、透明導電性物質などを使って形成することができる。また、ソース及びドレーン電極233、235は、スパッタリング工程、化学気相蒸着工程、プラズマ増大化学気相蒸着工程、原子層積層工程、スピンコーティング工程、真空蒸着工程、パルスレーザー蒸着工程、プリンティング工程などを通じて収得することができる。ソース及びドレーン電極233、235は、それぞれ第1及び第2不純物領域211、215に接続することができる。例示的な実施形態によれば、層間絶縁膜240の一側にはソース及びドレーン電極233、235と共にデータライン(図示せず)が形成されることができる。前記データラインは層間絶縁膜240上で延長してソース電極233に連結されることができる。
【0133】
上述においては、基板100上に薄膜トランジスタを含むスイッチング素子を形成する過程を説明したが、基板100上にゲート電極213とゲート絶縁膜220を形成した後、ゲート絶縁膜220上に半導体酸化物で構成されたアクティブ層を形成する過程を通じて酸化物半導体素子を含むスイッチング素子を具現することもできる。
【0134】
再び図7を参照すれば、前記スイッチング素子を覆いながら基板100上に少なくとも一つの絶縁層250を形成することによって、前記スイッチング素子と絶縁層を含むスイッチング構造物を基板100上に形成することができる。絶縁層250は透明プラスチック、透明樹脂などのような透明絶縁性物質を使って形成することができる。また、絶縁層250はスピンコーティング工程、プリンティング工程、真空蒸着工程などを利用して形成することができる。例示的な実施形態において、絶縁層250に対して化学機械的研磨工程、エッチバック工程などを含む平坦化工程を遂行して絶縁層250の上面を平坦化させることができる。他の例示的な実施形態によれば、絶縁層250は自己平坦性を有する物質を使って形成し、これによって、絶縁層250が平坦な上面を有することができる。
【0135】
図8を参照すれば、絶縁層250を部分的にエッチングして、ドレーン電極235の一部を露出させる孔(図示せず)を形成することができる。例えば、絶縁層250の孔を写真エッチング工程を利用して形成することができる。例示的な実施形態において、絶縁層250の孔を満たしながら絶縁層250上に第1導電層(図示せず)を形成した後、前記第1導電層をパターニングして第1電極300を形成することができる。従って、第1電極300はドレーン電極235に直接連結されることができる。前記第1導電層はスパッタリング工程、プリンティング工程、スプレー工程、化学気相蒸着工程、原子層積層工程、真空蒸着工程、パルスレーザー蒸着工程などを利用して絶縁層250上に形成されることができる。また、第1電極300は金属、合金、透明導電性物質などを使って形成することができる。例示的な実施形態において、第1電極300を構成する物質の種類によって第1電極300が反射電極、半透過電極、透過電極などに該当することができる。他の例示的な実施形態によれば、ドレーン電極235上に絶縁層250の孔を埋め立てるコンタクト、パッド、プラグなどを形成した後、絶縁層250上に第1電極300を形成することもできる。この場合、第1電極300は前記コンタクト、前記パッド、または前記プラグを通じてドレーン電極235に電気的に連結されることができる。
【0136】
例示的な実施形態によれば、レーザー熱転写工程を利用して第1電極300上に光学距離調節層350を形成することができる。この場合、光学距離調節層350は、第2サブ画素領域(II)(図13を参照)に形成されることができる。
【0137】
図9に図示したように、第1電極300が形成された基板100の上部にドナー基板600を配置することができる。この場合、第1電極300を有する基板100を支持部材(図示せず)などを利用して固定した後、基板100に対してドナー基板600を整列(align)させることができる。ドナー基板600は、ベース基板610上に設けた複数の層を含むことができる。例示的な実施形態において、ドナー基板600は、ベース基板610上に配置された光熱変換層(light to heat conversion layer;LTHC)620及び光熱変換層620上に配置された転写層630を含むことができる。そこで、ドナー基板600の転写層630は、光学距離調節層350を形成するために提供することができる。例えば、転写層630はベンゾシクロブテン系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニル系樹脂、シロキサン系樹脂などの透明絶縁物質を含むことができる。これらは単独または互いに組合わせて使うことができる。
【0138】
図10を参照すれば、ドナー基板600を第1電極300が形成された基板100に接触させた後、加圧部材640を利用してドナー基板600に圧力を加えることによって、第1電極300と絶縁層250上に転写層630をラミネーション(lamination)させることができる。例えば、加圧部材640はローラ、クラウンプレスなどを含むことができる。他の例示的な実施形態によれば、別途の加圧部材640を使わずにドナー基板600に気体を利用して圧力を加えることによって第1電極300と絶縁層250上に転写層630をラミネーションさせることができる。
【0139】
図11を参照すれば、ドナー基板600のうち、第2サブ画素領域(II)上に位置する部分のみに矢印で図示したようにレーザー照射装置(図示せず)からレーザービームを照射することができる。この場合、光熱変換層620は前記レーザービームのエネルギを熱エネルギに変換させることができる。このような熱エネルギによって前記レーザービームが照射された第2サブ画素領域(II)で互いに密着した転写層630と第1電極300との間に発生する接着力が転写層630と光熱変換層620との間の接着力より実質的に大きいこともある。例示的な実施形態によれば、前記レーザービームの高い分解能によってレーザー熱転写工程を利用する場合にはマスクを利用する薄膜形成工程より低い費用で実質的に高い高解像度を有するパターンを収得することができる。
【0140】
図12を参照すれば、ドナー基板600を基板100から分離して第2サブ画素領域(II)に光学距離調節層350を形成することができる。例示的な実施形態において、ドナー基板600に隣接して空気噴射(air blowing)装置(図示せず)を配置した後、前記空気噴射装置からドナー基板600の端部に空気を噴射することによってドナー基板600を分離することができる。
【0141】
例示的な実施形態よれば、第1サブ画素領域(I)(図13を参照)に対しても図10〜図12を参照して説明したレーザー熱転写工程と実質的に同一または実質的に類似のレーザー熱転写工程を遂行して第1サブ画素領域(I)に位置する第1電極300上に光学距離調節層350を形成することができる。この場合、ドナー基板の転写層の厚さに従って光学距離調節層350の厚さが変化することができる。従って、光学距離調節層350は第1サブ画素領域(I)及び第2サブ画素領域(II)で相異なる厚さを有することができる。他の例示的な実施形態において、図10〜図12を参照して説明したレーザー熱転写工程と実質的に同一または実質的に類似のレーザー熱転写工程を通じて第3サブ画素領域(II)(図13を参照)に位置する第1電極300上にも光学距離調節層350を形成することもできる。
【0142】
図13を参照すれば、前記表示装置の非表示領域に位置する絶縁層250上に保護層280を形成することができる。そこで、保護層280は前記表示装置の表示領域に位置する第1電極300の一部上に延長することができる。保護層280は、酸化物、窒化物、酸窒化物、有機絶縁物質などを使って形成することができる。また、保護層280は、化学気相蒸着工程、スピンコーティング工程、プラズマ増大化学気相蒸着工程、真空蒸着工程、プリンティング工程などを利用して収得することができる。
【0143】
光学距離調節層350と保護層280が形成された基板100の上部発光構造物400を形成することができる。発光構造物400は光学距離調節層350、第1電極300、及び保護層280上に第1正孔注入層410、正孔輸送層420、第1有機発光層430、遮断部材440、電荷生成層(CGL)450、第2正孔注入層460、第2有機発光層480、電子輸送層490などを順次に積層して形成することができる。例示的な実施形態において、第1有機発光層430と第2有機発光層480は、前記表示領域のみに形成することができ、遮断部材440は第1サブ画素領域(I)に位置する第1有機発光層430の一部上のみに形成することができる。有機物を含む第1正孔注入層410、正孔輸送層420、第1有機発光層430、第2正孔注入層460、第2有機発光層480、及び電子輸送層490は、真空蒸着工程、インクジェットプリンティング工程、スピンコーティング工程、レーザー熱転写工程などを利用して収得することができる。金属及び/または金属酸化物を含む電荷生成層450は、スパッタリング工程、プリンティング工程、スプレー工程、化学気相蒸着工程などを利用して収得することができる。また、電子遮断層またはエキシトンクエンチング層を含む遮断部材440は、図9〜図12を参照して説明したレーザー熱転写工程と実質的に同一または実質的に類似のレーザー熱転写工程を通じて第1有機発光層430上に形成することができる。
【0144】
図14を参照すれば、電子輸送層490上に第2電極500を形成することができる。第2電極500は金属、合金、透明導電性物質などをスパッタリング工程、プリンティング工程、スプレー工程、化学気相蒸着工程、真空蒸着工程、原子層積層などで電子輸送層490上に蒸着して収得することができる。
【0145】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0146】
本発明の例示的な実施形態に係る発光構造物を含む表示装置は、カラーフィルタを具備せずとも向上された色純度が確保でき、表示装置の製造費用を節減しながら製造工程を簡略化することができる。このような表示装置は背面発光方式、前面発光方式、両面発光方式など、多様な発光方式を有するテレビ、モニタ、移動通信機器、MP3、携帯用ディスプレイ機器などの色々な電気及び電子装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0147】
10、110、210、310 第1基板
100 基板
110 バッファ層
210 半導体層
211 第1不純物領域
213 チャネル領域
215 第2不純物領域
220 ゲート絶縁膜
231 ゲート電極
233 ソース電極
235 ドレーン電極
240 層間絶縁膜
250 絶縁層
300 第1電極
350 光学距離調節層
400 発光構造物
410 第1正孔注入層
420、470 正孔輸送層
425、440 遮断部材
430 第1有機発光層
450 電荷生成層
460 第2正孔注入層
480 第2有機発光層
490 電子輸送層
500 第2電極
600 ドナー基板
610 ベース基板
620 光熱変換層
630 転写層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1サブ画素領域、第2サブ画素領域、及び第3サブ画素領域を含む発光構造物において、
第1正孔注入層と、
前記第1正孔注入層上に配置される第1有機発光層と、
前記第1有機発光層上に配置される電荷生成層と、
前記電荷生成層上に配置される第2正孔注入層と、
前記第2正孔注入層上に配置される第2有機発光層と、
前記第2有機発光層上に配置される電子輸送層と、
前記第1〜第3サブ画素領域のうち、少なくとも一つに配置される遮断部材と、を含むことを特徴とする発光構造物。
【請求項2】
前記第1サブ画素領域の第1光学共振距離、前記第2サブ画素領域の第2光学共振距離、及び前記第3サブ画素領域の第3光学共振距離は互いに相異なることを特徴とする請求項1に記載の発光構造物。
【請求項3】
前記第1サブ画素領域〜前記第3サブ画素領域のうち、少なくとも一つに配置される光学距離調節層をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の発光構造物。
【請求項4】
前記光学距離調節層は、前記第1正孔注入層下部に配置されることを特徴とする請求項3に記載の発光構造物。
【請求項5】
隣接するサブ画素領域で前記光学距離調節層は、相異なる厚さを有することを特徴とする請求項3に記載の発光構造物。
【請求項6】
前記光学距離調節層は、前記第1正孔注入層と同一物質を含むことを特徴とする請求項3に記載の発光構造物。
【請求項7】
前記第1光学共振距離は、前記第1有機発光層または前記第2有機発光層から生成される赤色光に対して光学的共振を起こすように調節され、前記第2光学共振距離は前記第1有機発光層または前記第2有機発光層から生成される緑色光に対して光学的共振を起こすように調節され、前記第3光学共振距離は前記第1有機発光層または前記第2有機発光層から生成される青色光に対して光学的共振を起こすように調節されることを特徴とする請求項2に記載の発光構造物。
【請求項8】
前記第1有機発光層は青色発光層を含み、前記第2有機発光層は緑色発光層及び赤色発光層または緑色光及び赤色光を発光させる一つの発光層を含むことを特徴とする請求項7に記載の発光構造物。
【請求項9】
前記遮断部材は、前記第1サブ画素領域で前記電荷生成層と前記第1有機発光層との間に位置し、前記第1サブ画素領域で前記電荷生成層から前記第1有機発光層への電子の流れを遮断することを特徴とする請求項8に記載の発光構造物。
【請求項10】
前記遮断部材は、前記第1サブ画素領域で前記第1有機発光層と前記第1正孔注入孔との間に位置し、前記第1サブ画素領域で前記第1有機発光層から形成されるエキシトンの移動を遮断することを特徴とする請求項8に記載の発光構造物。
【請求項11】
前記第1有機発光層は、緑色発光層及び赤色発光層、または、緑色光及び赤色光を発生させる一つの発光層を含み、前記第2有機発光層は、青色発光層を含むことを特徴とする請求項7に記載の発光構造物。
【請求項12】
前記遮断部材は、前記第1サブ画素領域で前記電子輸送層と前記第2有機発光層との間に位置し、前記第1サブ画素領域で前記電子輸送層から前記第2有機発光層への電子の流れを遮断することを特徴とする請求項11に記載の発光構造物。
【請求項13】
前記遮断部材は、前記第1サブ画素領域で前記第2有機発光層と前記第2正孔注入層との間に位置し、前記第1サブ画素領域で前記第2有機発光層から形成されるエキシトンの移動を遮断することを特徴とする請求項11に記載の発光構造物。
【請求項14】
前記遮断部材は、電子遮断層またはエキシトンクエンチング層を含むことを特徴とする請求項1に記載の発光構造物。
【請求項15】
前記遮断部材はフラーレン(fullerene)、置換されたトリアリールアミンを含む高分子物質、カルバゾール系高分子物質、1,1−ビス(4−(N,N−ジ−p−トリルアミノ)フェニル)シクロヘキサン(TAPC)、1,1−ビス(4−(N,N−ジ−p−トリルアミノ)フェニル)シクロペンタン、4,4’−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビス[N,N−ビス(4−メチルフェニル)−ベンゼンアミン、1,1−ビス(4−(N,N−ジ−p−トリルアミノ)フェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−(N,N−ジ−p−トリルアミノ)フェニル)−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−(N,N−ジ−p−トリルアミノ)フェニル)−3−フェニルプロパン、ビス[4−(N,N−ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル](4−メチルフェニル)メタン、ビス[4−(N,N−ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル](4−メチルフェニル)エタン、4−(4−ジエチルアミノフェニル)トリフェニルメタン、4,4’−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)ジフェニルメタン、N,N−ビス[2,5−ジメチル−4−[(3−メチルフェニル)フェニルアミノ]フェニル]−2,5−ジメチル−N’−(3−メチルフェニル)−N’−フェニル−1,4−ベンゼンジアミン、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−N,N−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−ベンゼンアミン(TCTA)、4−(3−フェニル−9H−カルバゾール−9−イル)−N,N−ビス[4−(3−フェニル−9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−ベンゼンアミン、9,9’−(2,2’−ジメチル[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイル)ビス−9H−カルバゾール(CDBP)、9,9’−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイルビス−9H−カルバゾール(CBP)、9,9’−(1,3−フェニレン)ビス−9H−カルバゾール(mCP)、9,9’−(1,4−フェニレン)ビス−9H−カルバゾール、9,9’,9’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス−9H−カルバゾール、9,9’−(1,4−フェニレン)ビス[N,N,N’,N’−テトラフェニル−9H−カルバゾール−3,6−ジアミン、9−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン、9,9’−(1,4−フェニレン)ビス[N,N−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン、9−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N,N’,N’−テトラフェニル−9H−カルバゾール−3,6−ジアミン、及び、9−フェニル−9H−カルバゾールからなるグループから選択された一つ以上を含むことを特徴とする請求項14に記載の発光構造物。
【請求項16】
第1サブ画素領域 、第2サブ画素領域 、及び第3サブ画素領域を含む基板と、
前記基板上に配置される第1電極と、
前記第1電極上に配置され、前記第1〜第3サブ画素領域のうち、少なくとも一つに配置される遮断部材を具備する発光構造物と、
前記発光構造物上に配置される第2電極を含み、
前記第1サブ画素領域で前記第1電極と前記第2電極との間の第1光学共振距離、前記第2サブ画素領域で前記第1電極と前記第2電極との間の第2光学共振距離、及び前記第3サブ画素領域で前記第1電極と前記第2電極との間の第3光学共振距離が互いに相異なることを特徴とする表示装置。
【請求項17】
前記発光構造物は、
前記第1電極上に配置される第1正孔注入層と、
前記第1正孔注入層上に配置される第1有機発光層と、
前記第1有機発光層上に配置される電荷生成層と、
前記電荷生成層上に配置される第2正孔注入層と、
前記第2正孔注入層上に配置される第2有機発光層と、
前記第2有機発光層上に配置される電子輸送層と、を含むことを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
【請求項18】
前記発光構造物は前記第1電極上に配置される光学距離調節層をさらに含み、隣接するサブ画素領域で前記光学距離調節層が相異なる厚さを有することを特徴とする請求項17に記載の表示装置。
【請求項19】
前記第1光学共振距離は、前記第1有機発光層または前記第2有機発光層から生成される赤色光に対して光学的共振を起こすように調節され、前記第2光学共振距離は前記第1有機発光層または前記第2有機発光層から生成される緑色光に対して光学的共振を起こすように調節され、前記第3光学共振距離は前記第1有機発光層または前記第2有機発光層から生成される青色光に対して光学的共振を起こすように調節されることを特徴とする請求項17に記載の表示装置。
【請求項20】
前記第1有機発光層は青色発光層を含み、前記第2有機発光層は緑色発光層及び赤色発光層、または、緑色光及び赤色光を発光する一つの発光層を含むことを特徴とする請求項19に記載の表示装置。
【請求項21】
前記遮断部材は、前記第1サブ画素領域で前記第1電荷生成層と前記第1有機発光層との間に配置され、前記第1サブ画素領域で前記第1電荷生成層から前記第1有機発光層への電子の流れを遮断することを特徴とする請求項20に記載の表示装置。
【請求項22】
前記遮断部材は、前記第1サブ画素領域で前記第1有機発光層と前記第1正孔注入層との間に配置し、前記第1サブ画素領域で前記第1有機発光層から形成されるエキシトンの移動を遮断することを特徴とする請求項20に記載の表示装置。
【請求項23】
前記第1有機発光層は、緑色発光層及び赤色発光層、或いは、緑色光及び赤色光を発光する一つの発光層を含み、前記第2有機発光層は、青色発光層を含むことを特徴とする請求項19に記載の表示装置。
【請求項24】
前記遮断部材は、前記第1サブ画素領域で前記電子輸送層と前記第2有機発光層との間に位置し、前記第1サブ画素領域で前記電子輸送層から前記第2有機発光層への電子の流れを遮断することを特徴とする請求項23に記載の表示装置。
【請求項25】
前記遮断部材は、前記第1サブ画素領域で前記第2有機発光層と前記第2正孔注入層との間に位置し、前記第1サブ画素領域で前記第2有機発光層から形成されるエキシトンの移動を遮断することを特徴とする請求項23に記載の表示装置。
【請求項26】
第1サブ画素領域 、第2サブ画素領域 、及び第3サブ画素領域を具備する基板上に第1電極を形成する段階と、
前記第1電極上に光学距離調節層及び遮断部材を含む発光構造物を形成する段階と、
前記発光構造物上に第2電極を形成する段階と、を含み、
前記第1サブ画素領域で前記第1電極と前記第2電極の間の第1光学共振距離、前記第2サブ画素領域で前記第1電極と前記第2電極の間の第2光学共振距離、及び前記第3サブ画素領域で前記第1電極と前記第2電極の間の第3光学共振距離が互いに相異なることを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項27】
前記光学距離調節層は、前記第1〜第3サブ画素領域のうち、少なくとも一つに形成されることを特徴とする請求項26に記載の表示装置の製造方法。
【請求項28】
前記光学距離調節層は、レーザー熱転写工程を利用して前記第1電極上に形成されることを特徴とする請求項27に記載の表示装置の製造方法。
【請求項29】
前記光学距離調節層を形成する段階は、
前記基板上にドナー基板をラミネート(laminate)する段階と、
前記第1〜第3サブ画素領域のうち、少なくとも一つに対応する前記ドナー基板の少なくとも一つの領域にレーザービームを照射する段階と、
前記基板から前記ドナー基板を除去する段階をさらに含むことを特徴とする請求項28に記載の表示装置の製造方法。
【請求項30】
前記発光構造物を形成する段階は、
前記光学距離調節層上に第1有機発光層を形成する段階と、
前記第1有機発光層上に電荷生成層を形成する段階と、
前記電荷生成層上に第2有機発光層を形成する段階と、をさらに含むことを特徴とする請求項27に記載の表示装置の製造方法。
【請求項31】
前記遮断部材は、前記第1〜第3サブ画素領域のうち、少なくとも一つにおいて前記光学距離調節層と前記第1有機発光層との間に形成されることを特徴とする請求項30に記載の表示装置の製造方法。
【請求項32】
前記遮断部材は、レーザー熱転写工程を利用して形成することを特徴とする請求項31に記載の表示装置の製造方法。
【請求項33】
前記遮断部材を形成する段階は、
前記基板上にドナー基板をラミネートする段階と、
前記第1〜第3サブ画素領域のうち、少なくとも一つに対応する前記ドナー基板の少なくとも一つの領域にレーザービームを照射する段階と、
前記基板から前記ドナー基板を除去する段階と、をさらに含むことを特徴とする請求項32に記載の表示装置の製造方法。
【請求項34】
前記遮断部材は、前記第1〜前記第3サブ画素領域のうち、少なくとも一つにおいて前記第1有機発光層と前記電荷生成層との間に形成されることを特徴とする請求項30に記載の表示装置の製造方法。
【請求項35】
前記遮断部材は、前記第1〜第3サブ画素領域のうち、少なくとも一つにおいて前記第2有機発光層と前記第2電極との間に形成されることを特徴とする請求項30に記載の表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−12456(P2013−12456A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249766(P2011−249766)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(512187343)三星ディスプレイ株式會社 (73)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】95,Samsung 2 Ro,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do,Korea
【Fターム(参考)】