説明

発光装置、照明装置

【課題】有機EL素子を含み、軽量であり、信頼性の高い発光装置を提供する。
【解決手段】第1の有機樹脂層と、第1の有機樹脂層上の、第1の有機樹脂層の一方の面に接する第1のガラス層と、発光素子上の第2のガラス層と、第2のガラス層上の、第2のガラス層の一方の面と接する第2の有機樹脂層と、を備え、第1の有機樹脂層及び第1のガラス層が、可視光に対する透光性を有し、第1のガラス層及び第2のガラス層は、それぞれ独立に、25μm以上100μm以下の厚さであり、発光素子が、第1のガラス層側から、可視光に対する透光性を有する第1の電極と、発光性の有機化合物を含む層と、第2の電極と、を有する発光装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
有機エレクトロルミネッセンス(EL:Electroluminescence)を用いた発光装置に関する。該発光装置を用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス現象を利用した素子(有機EL素子とも記す)の研究開発が盛んに行われている。有機EL素子の基本的な構成は、一対の電極間に発光性の有機化合物を含む層を挟んだものである。この素子に電圧を印加することにより、発光性の有機化合物からの発光を得ることができる。
【0003】
有機EL素子は膜状に形成することが可能であるため、大面積の素子を容易に形成することができ、照明等に応用できる面光源としての利用価値も高い。
【0004】
例えば、非特許文献1には、プラスチック基板上に有機EL素子を設けた発光装置が開示されている。基板にプラスチックを用いると、ガラスなどを用いた場合と比較して、発光装置を軽量化することが可能である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Gi Heon Kimら、「THIN FILM PASSIVATION FOR LONGEVITY OF ORGANIC LIGHT−EMITTING DEVICES AND ORGANIC」、IDW’03、2003年、p.387−390
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
有機EL素子は、侵入する水分や酸素、不純物等により信頼性が損なわれてしまうという課題がある。
【0007】
水分、酸素又は不純物が、有機EL素子の外部から有機EL素子に含まれる有機化合物や金属材料に侵入することで、有機EL素子の寿命は大幅に低下する場合がある。有機EL素子に用いる有機化合物、金属材料が水分、酸素又は不純物と反応し、劣化してしまうためである。
【0008】
非特許文献1で用いられているようなプラスチック基板は、水分や酸素、不純物等を通しやすい。したがって、プラスチック基板を用いた側からの外界の水分や酸素、不純物等の侵入が、有機EL素子や発光装置の寿命に悪影響を及ぼすことがある。
【0009】
そこで、本発明の一態様は、有機EL素子を含み、軽量であり、信頼性の高い発光装置を提供することを目的の一とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、発光装置の基板として、有機樹脂層と薄いガラス層とを貼り合わせた基板を用いることに着眼した。
【0011】
具体的には、本発明の一態様は、第1の有機樹脂層と、第1の有機樹脂層上の第1の有機樹脂層の一方の面に接する第1のガラス層と、第1のガラス層上の発光素子と、発光素子上の第2のガラス層と、第2のガラス層上の第2のガラス層の一方の面と接する第2の有機樹脂層と、を備え、第1の有機樹脂層及び第1のガラス層が、可視光に対する透光性を有し、第1のガラス層及び第2のガラス層は、それぞれ独立に、25μm以上100μm以下の厚さであり、発光素子が、第1のガラス層側から、可視光に対する透光性を有する第1の電極と、発光性の有機化合物を含む層と、第2の電極と、を有する発光装置である。
【0012】
本発明の一態様を適用することで、発光装置を軽量化できる。さらに、水分、酸素及び不純物等が発光装置の外部から発光素子に含まれる有機化合物や金属材料に侵入することを抑制することができる。
【0013】
上記発光装置において、第1の有機樹脂層と第2の有機樹脂層は同じ材料からなることが好ましい。同じ材料で形成することで、熱歪みや物理的衝撃による形状不良を抑制することができる。よって、作製時及び使用時における発光装置の変形や破損などを抑制することができる。
【0014】
上記発光装置において、第1のガラス層と接し、発光素子を覆う封止層を備えることが好ましい。封止層を設けることで、水分、酸素又は不純物等が発光素子の外部から発光素子に含まれる有機化合物や金属材料に侵入することをさらに抑制することができる。
【0015】
また、有機EL素子を用いた発光装置は、屈折率が大気より高い領域で発光するため、光を大気中に取り出すときに発光装置内、又は発光装置と大気との境界面で全反射が起こる条件があり、発光装置の光取り出し効率は100%より小さいという問題がある。一般的には、発光装置の光取り出し効率は、20〜30%程度と言われている。
【0016】
例えば、屈折率の高い媒体Aから屈折率の低い媒体Bへ光が入射する際に、入射する角度により全反射することがある。
【0017】
このとき、媒体Aと媒体Bとの界面に凹凸の構造を設けることが好ましい。このような構成にすることで、媒体Aから媒体Bに臨界角を超えて入射する光が全反射し、発光装置内を光が導波して光の取り出し効率が低下する現象を抑制することができる。
【0018】
下記に記す本発明の一態様の発光装置の光取り出し効率は、本発明を適用していない発光装置の1.2〜2倍程度にすることができる。
【0019】
上記発光装置において、第1の有機樹脂層が、第1のガラス層と接しない面に凹凸の構造を有することが好ましい。第1の有機樹脂層の屈折率は、大気の屈折率よりも大きいため、第1の有機樹脂層と大気との界面で全反射が起こることがある。大気と第1の有機樹脂層の界面に凹凸の構造を設けることで、全反射の影響で大気に取り出せない光を低減し、発光装置の光の取り出し効率を向上させることができる。
【0020】
また、一般にガラスの屈折率は1.5程度であり、発光性の有機化合物を含む層の屈折率(例えば1.6以上)よりも低い。よって、第1の電極から第1のガラス層に光が入射する際に、全反射することがある。したがって、第1の電極と第1のガラス層の界面に、凹凸の構造を設けることが好ましい。
【0021】
しかし、有機EL素子において、第1の電極が凹凸を有すると、第1の電極上に形成される発光性の有機化合物を含む層等においてリーク電流が生じる恐れがある。
【0022】
よって、上記発光装置において、第1のガラス層上に凹凸の構造体と、凹凸の構造体上に第1の樹脂層と、第1の樹脂層上に第1の電極と、を有し、第1の樹脂層の屈折率が、発光性の有機化合物を含む層の屈折率の値以上であることが好ましい。または、上記発光装置において、第1のガラス層上に凹凸の構造体と、凹凸の構造体上に第1の樹脂層と、第1の樹脂層上に第1の電極と、を有し、第1の樹脂層の屈折率が、第1の電極の屈折率の値以上であることが好ましい。
【0023】
このような構成とすることで、第1の樹脂層と第1の電極との界面に、光取り出し効率の低下を抑制するための凹凸の構造を設ける必要が無いため、第1の電極を平坦な膜とすることができ、第1の電極の凹凸に起因する発光性の有機化合物を含む層等におけるリーク電流の発生を抑制することができる。
【0024】
また、第1の樹脂層と第1のガラス層の間に凹凸の構造体を有するため、全反射の影響で大気に取り出せない光を低減し、発光装置の光の取り出し効率を向上させることができる。
【0025】
また、上記発光装置において、第1の樹脂層及び第1の電極の間に接して設けられた第1の保護層を有し、第1の保護層の屈折率が、第1の樹脂層の屈折率以上であることが好ましい。保護層を設けることで、第1の樹脂層から発光素子に水分や不純物が侵入することを抑制することができる。
【0026】
上記、本発明の一態様の発光装置は、発光素子を基準として、素子が形成された基板側の面から発光を取り出す下面射出(ボトムエミッション)構造、又は、素子が形成された基板とは逆側の面から発光を取り出す上面射出(トップエミッション)構造である。本発明の一態様は、上記の両面から発光を取り出す両面射出(デュアルエミッション)構造にも適用することができる。
【0027】
上記発光装置において、第2の有機樹脂層、第2のガラス層、及び第2の電極が、可視光に対する透光性を有することが好ましい。このような構成とすることで、両面射出構造の発光装置を実現することができる。
【0028】
上記発光装置において、第2の有機樹脂層が、第2のガラス層と接しない面に凹凸の構造を有することが好ましい。第2の有機樹脂層の屈折率は、大気の屈折率よりも大きいため、第2の有機樹脂層と大気との界面で全反射が起こることがある。大気と第2の有機樹脂層の界面に凹凸の構造を設けることで、全反射の影響で大気に取り出せない光を低減し、発光装置の光の取り出し効率を向上させることができる。
【0029】
上記発光装置において、第2の電極上の第2の樹脂層と、第2の樹脂層上の凹凸の構造体と、凹凸の構造体上の第2のガラス層と、を有し、第2の樹脂層の屈折率が、発光性の有機化合物を含む層の屈折率以上であることが好ましい。
【0030】
または、上記発光装置において、第2の電極上の第2の樹脂層と、第2の樹脂層上の凹凸の構造体と、凹凸の構造体上の第2のガラス層と、を有し、第2の樹脂層の屈折率が、第2の電極の屈折率以上であることが好ましい。
【0031】
このような構成とすることで、第2の樹脂層と第2の電極との界面に、光取り出し効率の低下を抑制するための凹凸の構造を設ける必要が無いため、第2の電極を平坦な膜とすることができ、第2の電極の凹凸に起因する発光性の有機化合物を含む層等におけるリーク電流の発生を抑制することができる。
【0032】
また、第2の樹脂層と第2のガラス層との界面で全反射が起こることがある。しかし、上記の発光装置は第2の樹脂層と第2のガラス層の界面に凹凸の構造体を有するため、全反射の影響で大気に取り出せない光を低減し、発光装置の光の取り出し効率を向上させることができる。
【0033】
上記発光装置において、第2の電極及び第2の樹脂層の間に接して設けられた第2の樹脂層を有し、第2の保護層の屈折率が、第2の樹脂層の屈折率以上であることが好ましい。保護層を設けることで、第2の樹脂層から発光素子に水分や不純物が侵入することを抑制することができる。
【0034】
上記発光装置は、可撓性を有することが好ましい。例えば、上記発光装置におけるガラス層の厚さをそれぞれ25μm以上75μm以下とすることで、軽量で、曲げや折れに強い発光装置を実現することができる。
【0035】
また、本発明の一態様は、コンバータを備える上記発光装置である。本発明の一態様では、発光装置の厚みを変えずに、コンバータを内蔵することができる。
【0036】
また、本発明の一態様は、上記発光装置を発光部に備える照明装置である。
【発明の効果】
【0037】
本発明の一態様では、有機EL素子を含み、軽量であり、信頼性の高い発光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一態様の発光装置の平面図。
【図2】本発明の一態様の発光装置の断面図。
【図3】本発明の一態様の発光装置の断面図。
【図4】本発明の一態様の発光装置の断面図。
【図5】本発明の一態様の発光装置の断面図。
【図6】本発明の一態様の発光装置の断面図。
【図7】本発明の一態様の発光装置の作製方法を示す図。
【図8】本発明の一態様の発光装置の作製方法を示す図。
【図9】本発明の一態様の発光装置の作製方法を示す図。
【図10】本発明の一態様の発光装置の作製方法を示す図。
【図11】本発明の一態様の発光装置を説明する図。
【図12】本発明の一態様の発光装置を説明する図。
【図13】本発明の一態様の発光装置を説明する図。
【図14】本発明の一態様の発光装置を説明する図。
【図15】本発明の一態様に適用できるEL層を説明する図。
【図16】実施例1に係る屈折率の測定結果を示す図。
【図17】実施例1に係る透過率の測定結果を示す図。
【図18】実施例2に係る屈折率の測定結果を示す図。
【図19】実施例2に係る屈折率の測定結果を示す図。
【図20】実施例2に係る屈折率の測定結果を示す図。
【図21】本発明の一態様の照明装置を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
【0040】
なお、本実施の形態において、第1の電極は陽極として機能し、第2の電極は陰極として機能する。本発明はこれに限らず、陰極として機能する第1の電極と、陽極として機能する第2の電極とを備えていても良い。
【0041】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光装置について図1乃至図5を用いて説明する。
【0042】
本発明の一態様の発光装置の平面図を図1に示す。なお、図1では、一部の構成(例えば、図2(A)等に示すシール材114等)を省略している。
【0043】
図1において、第1の有機樹脂層100a上に第1のガラス層101aが形成され、第1のガラス層101a上に発光素子(第1の電極103、EL層102、及び第2の電極108)を有する。そして、発光素子上に、第2のガラス層101bが設けられ、第2のガラス層101b上に第2の有機樹脂層100bが形成されている。
【0044】
第2の電極108は、接続電極411と接続している。接続電極411は、第1の電極103と同様の材料で形成することができる。
【0045】
さらに、本発明の一態様の発光装置は、コンバータを備えていても良い。コンバータを備えた発光装置については、実施の形態7で詳細に説明する。
【0046】
<構成例1>
図2(A)に、ボトムエミッション構造の発光装置の一例を示す。図2(A)は、図1のA−B間の断面図に相当する。
【0047】
図2(A)に示す発光装置は、第1の有機樹脂層100a、第1のガラス層101a、発光素子(第1の電極103、EL層102、及び第2の電極108)、封止層110、第2のガラス層101b、及び第2の有機樹脂層100bを有する。
【0048】
構成例1は、ボトムエミッション構造であるため、第1の電極103は可視光に対する透光性(以下、透光性と記す)を有する。
【0049】
図2(A)において、第1のガラス層101a及び第2のガラス層101bは、シール材114で貼り合わされている。図2(A)に示す発光装置は、第1のガラス層101a、第2のガラス層101b及びシール材114で囲まれた空間112に発光素子を備える構成となっている。
【0050】
なお、空間112には、充填材として不活性気体(窒素、アルゴンなど)が充填されている。また、図2(B)に示すように、シール材114で充填する構成を適用することもできる。また、図2(C)に示すように、シール材114、シール材116とは異なる充填材115を用いて、空間112を充填することもできる。充填材115として、シール材として用いる材料の中でも、粘性の低い材料を用いることで、空間112を充填することが容易となる。
【0051】
シール材114とシール材116との間には空間を設けても良い(例えば、図2(A))。また、シール材114とシール材116とが接していても良い(例えば、図2(B))。
【0052】
また、構成例1において、第1の電極103の代わりに、第2の電極108が透光性を有する構成とすることで、トップエミッション構造の発光装置を実現することができる。
【0053】
<構成例2>
図3に、ボトムエミッション構造の発光装置の別の例を示す。図3は、図1のA−B間の断面図に相当する。
【0054】
図3に示す発光装置は、凹凸の構造118aを備えた第1の有機樹脂層100a、第1のガラス層101a、発光素子(第1の電極103、EL層102、及び第2の電極108)、封止層110、第2のガラス層101b、及び第2の有機樹脂層100bを有する。
【0055】
第1の有機樹脂層100aの屈折率は大気の屈折率よりも大きいため、第1の有機樹脂層100aと大気との界面で全反射が起こることがある。構成例2では、大気と第1の有機樹脂層100aの界面に凹凸の構造118aを設けているため、全反射の影響で大気に取り出せない光を低減し、発光装置の光の取り出し効率を向上させることができる。
【0056】
その他の構成は、構成例1と同様の構成を適用することができる。
【0057】
<構成例3>
図4に、デュアルエミッション構造の発光装置の一例を示す。図4は、図1のA−B間の断面図に相当する。
【0058】
図4に示す発光装置は、第1の有機樹脂層100a、第1のガラス層101a、発光素子(第1の電極103、EL層102、及び第2の電極107)、封止層110、第2のガラス層101b、及び第2の有機樹脂層100bを有する。
【0059】
構成例3は、デュアルエミッション構造の発光装置である。したがって、第1の電極103だけでなく、第2の電極107も透光性を有する。
【0060】
その他の構成は、構成例1と同様の構成を適用することができる。
【0061】
<構成例4>
図5(A)に、デュアルエミッション構造の発光装置の別の例を示す。図5(A)は、図1のA−B間の断面図に相当する。
【0062】
図5(A)に示す発光装置は、凹凸の構造118aを有する第1の有機樹脂層100a、第1のガラス層101a、発光素子(第1の電極103、EL層102、及び第2の電極107)、封止層110、第2のガラス層101b、及び第2の有機樹脂層100bを有する。
【0063】
構成例4は、デュアルエミッション構造の発光装置である。したがって、第1の電極103及び第2の電極107は透光性を有する。
【0064】
第1の有機樹脂層100aの屈折率は、大気の屈折率よりも大きいため、第1の有機樹脂層100aと大気との界面で全反射が起こることがある。構成例4のように、大気と第1の有機樹脂層100aの界面に凹凸の構造118aを設けることで、全反射の影響で大気に取り出せない光を低減し、発光装置の光の取り出し効率を向上させることができる。
【0065】
同様に、第2の有機樹脂層100bの大気と接する面に、凹凸の構造を有していても良い。
【0066】
なお、図5(A)に示す発光装置は、EL層102からの発光が、第2の電極107を介して空間112(不活性気体中)に取り出される。ここで、第2の電極107の屈折率は、空間112の屈折率よりも大きいため、第2の電極107及び空間112の界面で全反射が起こることがある。したがって、第2の電極107の空間112と接する面には凹凸を設けることが好ましい。光は、一度空間112に取り出された後、全反射等で大気中に取り出せない成分が生じないため、凹凸の構造は設けても良いが設けなくても良い。
【0067】
また、図5(B)に示す発光装置は、空間にシール材114が充填されている。このような構成の場合、第2の有機樹脂層100bと大気の界面では、全反射が起こる条件があるため、凹凸の構造118bを備えていることが好ましい。
【0068】
デュアルエミッション構造の発光装置において、第1の有機樹脂層100a及び第2の有機樹脂層100bの大気と接する面に、それぞれ凹凸の構造を設けることで、全反射の影響で大気に取り出せない光を低減し、発光装置の光の取り出し効率を向上させることができる。
【0069】
その他の構成は、構成例1と同様の構成を適用することができる。
【0070】
以下にそれぞれの層に用いることができる材料の一例を記す。
【0071】
[有機樹脂層]
第1の有機樹脂層100a及び第2の有機樹脂層100bの材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアクリルニトリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエーテルスルフォン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、またはポリ塩化ビニル樹脂などを用いることができる。また、ガラス繊維に樹脂を含浸した基板や、無機フィラーを有機樹脂に混ぜた基板を使用することもできる。
【0072】
第1の有機樹脂層100a及び第2の有機樹脂層100bを同じ材料で形成することで、熱歪みや物理的衝撃による形状不良を抑制することができる。よって、作製時及び使用時における発光装置の変形や破損などを抑制することができる。
【0073】
また、第1の有機樹脂層100a及び第2の有機樹脂層100bに異なる材料を用いる場合でも、材料の組み合わせや膜厚を適宜調整し、熱歪みや物理的衝撃による形状不良が抑制された構成とすることが好ましい。
【0074】
[ガラス層]
第1のガラス層101a及び第2のガラス層101bの材料としては、25μm以上100μm以下の厚さのガラスを用いることができる。
【0075】
本発明の一態様の発光装置は、発光素子の支持基板及び封止基板として、有機樹脂層とガラス層とを貼り合わせた基板を用いる。よって、発光装置を軽量化できる。さらに、水分又は不純物等が発光装置の外部から発光素子に含まれる有機化合物や金属材料に侵入することを抑制することができる。
【0076】
[発光素子]
構成例1、2は、ボトムエミッション構造の発光装置である。したがって、第1の電極103は透光性を有する。また、構成例3、4はデュアルエミッション構造の発光装置である。したがって、第1の電極103及び第2の電極107は透光性を有する。
【0077】
第1の電極103(又は第2の電極107)に用いることができる透光性を有する材料としては、酸化インジウム、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛、グラフェンなどを用いることができる。
【0078】
また、第1の電極103(又は第2の電極107)として、金、白金、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、又はチタン等の金属材料を用いることができる。または、それら金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等を用いてもよい。なお、金属材料(又はその窒化物)を用いる場合、透光性を有する程度に薄くすればよい。
【0079】
EL層102は、少なくとも発光性の有機化合物を含む層を有する。そのほか、電子輸送性の高い物質を含む層、正孔輸送性の高い物質を含む層、電子注入性の高い物質を含む層、正孔注入性の高い物質を含む層、バイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が高い物質)を含む層等を適宜組み合わせた積層構造を構成することができる。EL層102の構成例は実施の形態8で詳細に説明する。
【0080】
構成例1及び構成例2において、第2の電極108は、光を取り出す側と反対側に設けられ、反射性を有する材料を用いて形成される。反射性を有する材料としては、アルミニウム、金、白金、銀、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、又はパラジウム等の金属材料を用いることができる。そのほか、アルミニウムとチタンの合金、アルミニウムとニッケルの合金、アルミニウムとネオジムの合金などのアルミニウムを含む合金(アルミニウム合金)や銀と銅の合金などの銀を含む合金を用いることもできる。銀と銅の合金は、耐熱性が高いため好ましい。さらに、アルミニウム合金膜に接する金属膜、又は金属酸化物膜を積層することでアルミニウム合金膜の酸化を抑制することができる。該金属膜、金属酸化物膜の材料としては、チタン、酸化チタンなどが挙げられる。
【0081】
[封止層]
封止層110は、第1のガラス層101aと接し、発光素子を覆う。封止層110は必ずしも設ける必要は無いが、設けることで、水分又は不純物等が発光素子の外部から発光素子に含まれる有機化合物や金属材料に侵入することをさらに抑制することができる。封止層110の材料としては、例えば、窒化ケイ素、酸化ケイ素、アルミナ等を用いることができる。
【0082】
[シール材]
シール材としては公知の材料を用いることができる。例えば、熱硬化型の材料、紫外線硬化型の材料を用いても良い。シール材114には、ガラス同士を接着することができる材料、シール材116には、有機樹脂同士を接着することができる材料を用いる。これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、乾燥剤入りのシール材を用いることもできる。
【0083】
空間112内には、乾燥剤を入れても良い。例えば、アルカリ土類金属の酸化物(酸化カルシウムや酸化バリウム等)のように、化学吸着によって水分を吸収する物質を用いることができる。その他の乾燥剤として、ゼオライトやシリカゲル等のように、物理吸着によって水分を吸着する物質を用いてもよい。
【0084】
[有機樹脂層に形成する凹凸の構造]
凹凸の構造118a及び凹凸の構造118bは、ストライプ状であっても効果を奏するが、マトリクス状であることが好ましい。凹凸のパターンは、特に限定されず、例えば、半球状や、円錐、角錐(三角錐、四角錐等)、傘状などの頂点を有する形状とすることができる。
【0085】
凹凸の大きさ、高さについては、0.1μm以上1000μm以下程度とすることが好ましいが、1000μmを超えた大きさ、高さの構造を採用しても良い。特に、1μm以上であると、光の干渉による影響を抑制することができるため、好ましい。
【0086】
パターンは、隣り合う部分において隙間が生じないように設けられていることが好ましい。よって、パターンは平面に隙間なく並べることができる形状であることが好ましい。また、パターンは有機樹脂層の大気と接する面全面又は一部に形成すれば良い。少なくとも発光領域に形成されていることが好ましい。
【0087】
有機樹脂層に直接凹凸の構造を形成する方法としては、例えば、エッチング法、砥粒加工法(サンドブラスト法)、マイクロブラスト加工法、液滴吐出法や、印刷法(スクリーン印刷やオフセット印刷などパターンが形成される方法)、スピンコート法などの塗布法、ディッピング法、ディスペンサ法、ナノインプリント法等を適宜用いることができる。
【0088】
または、有機樹脂層の表面に、半球レンズ、マイクロレンズアレイや、凹凸構造が施されたフィルム、光拡散フィルム等を、公知の接着剤等を用いて接着することで凹凸の構造を形成しても良い。
【0089】
以上のように、本実施の形態で示した発光装置は、発光素子の支持基板及び封止基板として、有機樹脂層とガラス層とを貼り合わせた基板を用いる。よって、発光装置を軽量化できる。さらに、水分又は不純物等が発光装置の外部から発光素子に含まれる有機化合物や金属材料に侵入することを抑制することができる。
【0090】
さらに、発光装置において、大気と接する面に凹凸の構造を設けることで、全反射の影響で大気に取り出せない光を低減し、発光装置の光の取り出し効率を向上させることができる。
【0091】
本実施の形態は、他の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
【0092】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1で示した本発明の一態様の発光装置の作製方法について、図7及び図8を用いて説明する。
【0093】
《作製方法1》
<構成例1>
構成例1(図2(A)参照)の作製方法の一例について、図7を用いて説明する。
【0094】
まず、接着剤を用いて第1の有機樹脂層100a上に第1のガラス層101aを形成する(図7(A))。
【0095】
次に、第1のガラス層101a上に、発光素子(第1の電極103、EL層102、及び第2の電極108)を形成する。
【0096】
第1の電極103及び第2の電極108は、それぞれ、スパッタリング法や蒸着法(真空蒸着法を含む)等により形成することができる。EL層102は、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
【0097】
そして、第1のガラス層101a上に、該発光素子を覆うように封止層110を形成する(図7(B))。本実施の形態では、スパッタリング法を用いて窒化ケイ素膜を形成する。
【0098】
そして、第1のガラス層101aと第2のガラス層101bとを、シール材114を用いて貼り合わせる(図7(C))。本実施の形態では、シール材114として、乾燥剤入りのシール材を用いる。
【0099】
さらに、第1の有機樹脂層100aと第2の有機樹脂層100bとを、シール材116を用いて貼り合わせる(図7(D))。
【0100】
以上の工程により、構成例1に示した発光装置を作製することができる。
【0101】
<構成例2>
構成例1の作製工程の後に、第1の有機樹脂層100aの大気と接する面に凹凸の構造118aを設けることで、構成例2(図3参照)を作製することができる(図7(E))。第1の有機樹脂層100aに凹凸の構造118aを形成する時期に限定は無い。発光素子等を形成する工程中や搬送中に凹凸の構造118aが壊れることを防ぐことができるため、第1の有機樹脂層100a上に発光素子等を形成した後(又は封止した後)に凹凸の構造118aを形成することが好ましい。
【0102】
その他の層は、構成例1と同様の作製方法を適用することができる。
【0103】
<構成例3>
上記構成例1の作製工程において、透光性を有する材料を用いて第2の電極を形成することで、構成例3(図4参照)を作製することができる。その他の層は、構成例1と同様の作製方法を適用することができる。
【0104】
<構成例4>
構成例3の作製工程の後に、第1の有機樹脂層100aの大気と接する面に凹凸の構造118aを設けることで、図5(A)に示す構成例4を作製することができる。さらに、第2の有機樹脂層100bの大気と接する面に凹凸の構造118bを設けることで、図5(B)に示す構成例4を作製することができる。
【0105】
以上に示した方法で、実施の形態1で示した本発明の一態様の発光装置を作製することができる。
【0106】
《作製方法2》
<構成例1>
構成例1(図2(A)参照)の作製方法の別の例について、図8を用いて説明する。
【0107】
まず、第1のガラス層101a上に、発光素子(第1の電極103、EL層102、及び第2の電極108)を形成する。そして、第1のガラス層101a上に、該発光素子を覆うように封止層110を形成する(図8(A))。
【0108】
ここで、第1のガラス層101aが可撓性を有する場合は、ロール状の第1のガラス層101a上に発光素子を形成する、ロール・ツー・ロール方式を適用することができる。
【0109】
次に、第1のガラス層101aと第2のガラス層101bとを、シール材114を用いて貼り合わせる(図8(B))。以下、図8(B)に示す構成を積層体Aと記す。
【0110】
さらに、第1の有機樹脂層100aと第2の有機樹脂層100bとを、シール材116を用いて貼り合わせ、積層体Aを封止する(図8(C))。
【0111】
本実施の形態では、積層体Aを、第1の有機樹脂層100a及び第2の有機樹脂層100bの間に配置し、これを一対の加圧ローラの間に挿入する。そして、加熱しながら加圧する。第1の有機樹脂層100a及び第2の有機樹脂層100bには、接着剤やシール材116が予め塗布(又は滴下、積層等も可)されており、加熱及び加圧により、第1の有機樹脂層100a及び第1のガラス層101a、第2の有機樹脂層100b及び第2のガラス層101b、並びに、第1の有機樹脂層100a及び第2の有機樹脂層100bがそれぞれ接着される。なお、接着剤やシール材が熱硬化型でない(例えば、紫外線硬化型等)場合は、加熱は不要である。
【0112】
以上の工程により、構成例1に示した発光装置を作製することができる。
【0113】
<構成例2>
構成例1の作製工程の後に、第1の有機樹脂層100aの大気と接する面に凹凸の構造118aを設けることで、構成例2(図3参照)を作製することができる(図8(D))。または、凹凸の構造118aが設けられた第1の有機樹脂層100aを、シール材116を用いて第2の有機樹脂層100bと貼り合わせても良い。
【0114】
その他の層は、構成例1と同様の作製方法を適用することができる。
【0115】
<構成例3>
上記構成例1の作製工程において、透光性を有する材料を用いて第2の電極を形成することで、構成例3(図4参照)を作製することができる。その他の層は、構成例1と同様の作製方法を適用することができる。
【0116】
<構成例4>
構成例3の作製工程の後に、第1の有機樹脂層100aの大気と接する面に凹凸の構造118aを設けることで、図5(A)に示す構成例4を作製することができる。さらに、第2の有機樹脂層100bの大気と接する面に凹凸の構造118bを設けることで、図5(B)に示す構成例4を作製することができる。
【0117】
または、凹凸の構造118aが設けられた第1の有機樹脂層100aと、凹凸の構造118bが設けられた第2の有機樹脂層100bとを、シール材116を用いて貼り合わせても良い。
【0118】
以上に示した作製方法で、本発明の一態様の発光装置を作製することができる。
【0119】
本実施の形態は、他の実施の形態と自由に組み合わせて適用することができる。
【0120】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1で示した構成とは異なる本発明の一態様の発光装置について図1及び図6を用いて説明する。
【0121】
実施の形態1では、発光素子の第1の電極103と、第1のガラス層101aとが接する構成を示した(図2乃至図5参照)。一般に、ガラスの屈折率は1.5程度であり、EL層102の屈折率(例えば、1.6以上)よりも低い。よって、第1の電極103から第1のガラス層101aに光が入射する際に、全反射することがある。したがって、第1の電極103と第1のガラス層101aの間に凹凸の構造体を設けることが好ましい。
【0122】
しかし、第1の電極103が凹凸を有すると、第1の電極103上に形成されるEL層102等において、リーク電流が生じる恐れがある。
【0123】
本実施の形態で説明する発光装置は、第1のガラス層上に凹凸の構造体を有し、該凹凸の構造体上に第1の樹脂層が設けられ、平坦な第1の樹脂層上に第1の電極を備えるため、EL層等でのリーク電流の発生を抑制できる。
【0124】
また、凹凸の構造体を有するため、第1のガラス層と第1の樹脂層との界面における全反射の影響で大気に取り出せない光を低減し、発光装置の光の取り出し効率を向上させることができる。
【0125】
また、第1の樹脂層は、EL層(特に発光性の有機化合物を含む層)の屈折率以上の材料により形成することで、発光装置内で起こる全反射が抑制された構成の発光装置を実現することができる。
【0126】
<構成例5>
図6(A)にボトムエミッション構造の発光装置の一例を示す。
【0127】
図6(A)に示す発光装置は、凹凸の構造118aを備える第1の有機樹脂層100a、凹凸の構造体122aを備える第1のガラス層101a、第1の樹脂層124a、第1の保護層120a、発光素子(第1の電極103、EL層102、及び第2の電極108)、第2のガラス層101b、及び第2の有機樹脂層100bを有する。
【0128】
構成例5は、ボトムエミッション構造であるため、第1の電極103は透光性を有する。
【0129】
構成例5において、第1の樹脂層124aの屈折率は、EL層102が備える発光性の有機化合物を含む層の屈折率以上又は第1の電極103の屈折率以上である。また、第1の保護層120aの屈折率は、第1の樹脂層124aの屈折率以上である。このような構成とすることで、第1の樹脂層124aと第1の保護層120aとの界面、及び第1の保護層120aと第1の電極103との界面において、全反射が起こることを抑制することができる。
【0130】
構成例5において、第1のガラス層101aの屈折率はEL層102が備える発光性の有機化合物を含む層の屈折率(例えば1.6以上)よりも低い。よって、第1のガラス層101aと第1の樹脂層124aとの界面で、全反射が起こる条件がある。
【0131】
構成例5では、第1のガラス層101aが、第1の樹脂層124aと接する面に凹凸の構造体122aを備える。よって、臨界角を超えて入射する光が全反射し、発光装置内を光が導波して光の取り出し効率が低下する現象を抑制することができる。
【0132】
その他の構成は、構成例1と同様の構成を適用することができる。
【0133】
<構成例6>
図6(B)にデュアルエミッション構造の発光装置の一例を示す。
【0134】
図6(B)に示す発光装置は、凹凸の構造118aを備える第1の有機樹脂層100a、凹凸の構造体122aを備える第1のガラス層101a、第1の樹脂層124a、第1の保護層120a、発光素子(第1の電極103、EL層102、及び第2の電極107)、第2の保護層120b、第2の樹脂層124b、凹凸の構造体122bを備える第2のガラス層101b、及び凹凸の構造118bを備える第2の有機樹脂層100bを有する。
【0135】
構成例6は、デュアルエミッション構造であるため、第1の電極103及び第2の電極107は透光性を有する。
【0136】
構成例6において、第1の樹脂層124aの屈折率は、EL層102が備える発光性の有機化合物を含む層の屈折率以上又は第1の電極103の屈折率以上である。また、第2の樹脂層124bの屈折率は、EL層102が備える発光性の有機化合物を含む層の屈折率以上又は第2の電極108の屈折率以上である。また、第1の保護層120aの屈折率は、第1の樹脂層124aの屈折率以上である。また、第2の保護層120bの屈折率は、第2の樹脂層124bの屈折率以上である。
【0137】
このような構成とすることで、第1の樹脂層124aと第1の保護層120aとの界面、第1の保護層120aと第1の電極103との界面、第2の樹脂層124bと第2の保護層120bとの界面、及び第2の保護層120bと第2の電極107との界面において、それぞれ、全反射が起こることを抑制することができる。
【0138】
構成例6において、第1のガラス層101a及び第2のガラス層101bの屈折率はEL層102が備える発光性の有機化合物を含む層の屈折率(例えば1.6以上)よりも低い。よって、第1のガラス層101aと第1の樹脂層124aとの界面、及び第2のガラス層101bと第2の樹脂層124bとの界面で、全反射が起こる条件がある。
【0139】
構成例6では、第1のガラス層101aが、第1の樹脂層124aと接する面に凹凸の構造体122aを備える。さらに、第2のガラス層101bが、第2の樹脂層124bと接する面に凹凸の構造体122bを備える。よって、臨界角を超えて入射する光が全反射し、発光装置内を光が導波して光の取り出し効率が低下する現象を抑制することができる。
【0140】
その他の構成は、構成例1と同様の構成を適用することができる。
【0141】
以下にそれぞれの層に用いることができる材料の一例を記す。
【0142】
本実施の形態における有機樹脂層、ガラス層、発光素子、及び有機樹脂層に形成する凹凸の構造は、実施の形態1と同様の材料で形成することができる。
【0143】
[樹脂層]
第1の樹脂層124a及び第2の樹脂層124bの材料としては、高屈折率の液体や樹脂等が挙げられる。第1の樹脂層124a及び第2の樹脂層124bは透光性を有する。高屈折率の樹脂としては、臭素が含まれる樹脂、硫黄が含まれる樹脂などが挙げられ、例えば、含硫黄ポリイミド樹脂、エピスルフィド樹脂、チオウレタン樹脂、又は臭素化芳香族樹脂などを用いることができる。また、PET(ポリエチレンテレフタラート)、TAC(トリアセチルセルロース)なども用いることができる。高屈折率の液体としては、硫黄及びヨウ化メチレンを含む接触液(屈折液)などを用いることができる。成膜方法としては、材料にあった種々の方法を適用すれば良い。例えば、前述の樹脂を、スピンコート法を用いて成膜し、熱または光によって硬化させることで形成することができる。接着強度や加工のしやすさなどを考慮し適宜選択することができる。
【0144】
[保護層]
第1の保護層120a及び第2の保護層120bとしては、例えば、窒化ケイ素膜、窒化酸化ケイ素膜、窒化アルミニウム膜等を用いることができる。第1の保護層120a及び第2の保護層120bは、必ずしも設ける必要はないが、第1の樹脂層124a及び第2の樹脂層124bからEL層102に水分が侵入することを防ぐことができ、発光装置の寿命の低下を抑制することができる。
【0145】
[ガラス層に形成する凹凸の構造体]
凹凸の構造体は、ガラス層の表面に、半球レンズ、マイクロレンズアレイや、凹凸構造が施されたフィルム、光拡散フィルム等を、公知の接着剤等を用いて接着することで形成することができる。
【0146】
ガラス層に形成する凹凸の構造体は、ストライプ状であっても効果を奏するが、マトリクス状であることが好ましい。凹凸のパターンは、特に限定されず、例えば、半球状や、円錐、角錐(三角錐、四角錐等)、傘状などの頂点を有する形状とすることができる。
【0147】
凹凸の大きさ、高さについては、0.1μm以上1000μm以下程度とすることが好ましい。特に、1μm以上であると、光の干渉による影響を抑制することができるため、好ましい。また、凹凸の大きさ、高さは樹脂層に用いる材料の使用量に影響を与える。凹凸の大きさ、高さが100μm以下であると、樹脂層に用いる材料を多量に使用することを抑制でき、好ましい。
【0148】
ガラス層に形成する凹凸の大きさの範囲では、凹凸のパターンに周期性があると、凹凸が回折格子のような働きをすることで、干渉効果が強くなり、特定の波長の光が大気に取り出されやすくなることがある。したがって、凹凸のパターンは周期性をもたないことが好ましい。また、パターンは少なくとも発光領域に形成されていれば良い。
【0149】
以上のように、本実施の形態で示した発光装置は、発光素子の支持基板及び封止基板として、有機樹脂層とガラス層とを貼り合わせた基板を用いる。よって、発光装置を軽量化できる。さらに、水分又は不純物等が発光装置の外部から発光素子に含まれる有機化合物や金属材料に侵入することを抑制することができる。
【0150】
さらに、発光装置において、全反射が起こる条件を有する界面に凹凸を設けることで、臨界角を超えて入射する光が全反射し、発光装置内を光が導波して光の取り出し効率が低下する現象を抑制することができる。
【0151】
本実施の形態は、他の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
【0152】
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態3で示した本発明の一態様の発光装置の作製方法について、図9及び図10を用いて説明する。
【0153】
<構成例5>
構成例5(図6(A)参照)の作製方法の一例について、図9を用いて説明する。
【0154】
まず、接着剤を用いて第1の有機樹脂層100a上に第1のガラス層101aを形成し、第1のガラス層101a上に凹凸の構造体122aを形成する(図9(A))。
【0155】
次に、凹凸の構造体122a上に第1の樹脂層124aを形成する。ここで、第1の樹脂層124aは、凹凸の構造体122aと接する面に比べて、他方の面が平坦になるように形成する(図9(B))。
【0156】
そして、第1の樹脂層124a上に第1の保護層120aを形成し、第1の保護層120a上に発光素子(第1の電極103、EL層102、及び第2の電極108)を形成する(図9(C))。
【0157】
その後、第1のガラス層101aと第2のガラス層101bとを、シール材(図示しない)を用いて貼り合わせる。そして、第1の有機樹脂層100aと第2の有機樹脂層100bとを、シール材を用いて貼り合わせる。このとき、凹凸の構造118aが形成された第1の有機樹脂層100aを第2の有機樹脂層100bと貼り合わせることができる。また、第1の有機樹脂層100aと第2の有機樹脂層100bとを貼り合わせた後に、凹凸の構造118aを形成しても良い。
【0158】
以上の工程により、構成例5に示した発光装置を作製することができる(図9(D))。
【0159】
なお、実施の形態2で示した作製方法2のように、第1のガラス層101a上に発光素子等を作製し、第1のガラス層101aと第2のガラス層101bとを貼り合わせた後に、第1の有機樹脂層100a及び第2の有機樹脂層100bをそれぞれ、第1のガラス層101a又は第2のガラス層101bと接着させても良い。
【0160】
<構成例6>
構成例6(図6(B)参照)の作製方法の一例について、図9及び図10を用いて説明する。
【0161】
まず、構成例5の作製工程と同様に、第1の有機樹脂層100a上に第1のガラス層101aを形成し、第1のガラス層101a上に凹凸の構造体122aを形成する(図9(A))。次に、凹凸の構造体122a上に第1の樹脂層124aを形成する。ここで、第1の樹脂層124aは、凹凸の構造体122aと接する面に比べて、他方の面が平坦になるように形成する(図9(B))。
【0162】
そして、第1の樹脂層124a上に第1の保護層120aを形成し、第1の保護層120a上に発光素子(第1の電極103、EL層102、及び第2の電極108)を形成する(図9(C))。
【0163】
一方で、図10(A)に示すように、第2のガラス層101b上に凹凸の構造体122bを設け、凹凸の構造体122b上に第2の樹脂層124bを形成し、第2の樹脂層124b上に第2の保護層120bを形成する。ここで、第2の樹脂層124bは、凹凸の構造体122bと接する面に比べて、他方の面が平坦になるように形成する。
【0164】
そして、第1のガラス層101aと第2のガラス層101bとを、シール材(図示しない)を用いて貼り合わせる(図10(B))。
【0165】
さらに、第1の有機樹脂層100aと第2の有機樹脂層100bとを、シール材を用いて貼り合わせる。このとき、凹凸の構造118aが形成された第1の有機樹脂層100aを凹凸の構造118bが形成された第2の有機樹脂層100bと貼り合わせることができる。また、第1の有機樹脂層100aと第2の有機樹脂層100bとを貼り合わせた後に、凹凸の構造118a及び凹凸の構造118bを形成しても良い。
【0166】
以上の工程により、構成例6に示した発光装置を作製することができる(図10(C))。
【0167】
なお、実施の形態2で示した作製方法2のように、第1のガラス層101a上に発光素子等を作製し、第1のガラス層101aと第2のガラス層101bとを貼り合わせた後に、第1の有機樹脂層100a及び第2の有機樹脂層100bをそれぞれ、第1のガラス層101a又は第2のガラス層101bと接着させても良い。
【0168】
本実施の形態は、他の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
【0169】
(実施の形態5)
本実施の形態では、先の実施の形態で示した構成とは異なる本発明の一態様の発光装置について説明する。
【0170】
発光装置において、EL層から、EL層の屈折率とは異なる屈折率の媒体に光が入射する際に、一部の光が反射される。2つの媒体の屈折率の差が大きいほど、光は反射されやすくなり、発光装置の光の取り出し効率は低下する。
【0171】
実施の形態1では、発光素子の第1の電極103と、第1のガラス層101aとが接する構成を示した(図2乃至図5参照)。
【0172】
一般に、ガラスの屈折率は1.5程度である。第1の電極103の屈折率は、例えば、ITOを用いた場合では、2.0である。このように、第1のガラス層101aと第1の電極103は、屈折率の差が大きい場合がある。
【0173】
本実施の形態で説明する発光装置は、ガラス層と電極との間に、ガリウム(Ga)又はアルミニウム(Al)と、亜鉛(Zn)と、酸素(O)とを含む絶縁膜を有する。該Ga又はAlと、Znと、Oとを含む絶縁膜の屈折率は、ガラス層の屈折率及び電極の屈折率との差がそれぞれ0.2以下であるため、屈折率の差による光の反射を抑制することができる。
【0174】
さらに、接する層との屈折率の差が0.15以下であると、屈折率の差による光(垂直入射の場合)の反射を1%以下に抑制することができ、好ましい。屈折率の差が小さいほど、屈折率の差による光の反射を抑制することができる。
【0175】
<構成例7>
図11にボトムエミッション構造の発光装置の一例を示す。図11は、図1のA−B間の断面図に相当する。
【0176】
図11に示す発光装置は、第1の有機樹脂層100a、第1のガラス層101a、絶縁膜138、発光素子(第1の電極103、EL層102、及び第2の電極108)、封止層110、第2のガラス層101b、及び第2の有機樹脂層100bを有する。
【0177】
構成例7は、ボトムエミッション構造であるため、第1の電極103は透光性を有する。
【0178】
構成例7では、封止層110が、絶縁膜138全体及び発光素子を覆う構成としたが、本発明はこれに限らず、例えば、封止層110が絶縁膜138上の一部に形成され、発光素子を覆う構成とすることもできる。
【0179】
絶縁膜138の屈折率は、接する層の屈折率との差が0.2以下であるよう設定する。絶縁膜138は、1層以上のGa又はAlと、Znと、Oとを含む絶縁膜からなる。
【0180】
第1のガラス層101aの屈折率が1.5であり、第1の電極103の屈折率が2.0である場合、例えば、絶縁膜138は2層からなり、第1のガラス層101a上の第1の層に、屈折率1.7のGaと、Znと、Oとを含む絶縁膜を設け、該絶縁膜上に、第1の電極103と接する屈折率1.8のGaと、Znと、Oとを含む絶縁膜を設けることで、屈折率の差による光の反射を抑制することができる。
【0181】
絶縁膜138は、透光性を有する。よって、光の取り出しを阻害することがなく、好適に用いることができる。
【0182】
絶縁膜138は、窒素(N)を含んでいても良い。これらの元素を組み合わせて作製することで、可視光に対する透光性を維持したまま、該絶縁膜の屈折率を所望の値とすることができる。
【0183】
例えば、絶縁膜138に用いる材料としては、Ga−Zn−O系の材料、Al−Zn−O系の材料、Ga−Zn−O−N系の材料、Al−Zn−O−N系の材料、Ga−Al−Zn−O系の材料、Ga−Al−Zn−O−N系の材料が挙げられる。ここで、例えば、Ga−Zn−O系の材料とは、ガリウム、亜鉛、及び酸素を主成分とする材料という意味である。
【0184】
また、絶縁膜138は、Ga、Al、Zn、O及びNの総和が原子比0.90以上であることが好ましく、原子比0.97以上であることが特に好ましい。言い換えると、Ga、Al、Zn、O及びN以外の元素の総和は、原子比0.10以下であることが好ましく、原子比0.03以下であることが特に好ましい。
【0185】
絶縁膜138は、例えば、Ga−Zn−O系金属酸化物ターゲット(Ga:ZnO=1:5〜5:1[mol数比])を用い、酸素雰囲気下やアルゴン及び酸素(流量比率は、一例として、アルゴン:酸素=7:3)混合雰囲気下でスパッタリング法により成膜することで得られる。また、Al−Zn−O系金属酸化物ターゲット(Al:ZnO=1:5〜5:1[mol数比])を用い、同様の雰囲気下で成膜することで得られる。また、同様のターゲットを、アルゴン、酸素及び窒素(流量比率は、一例として、アルゴン:酸素:窒素=3:6:1)混合雰囲気下で成膜することで、窒素を含むGa又はAlと、Znと、Oとを含む絶縁膜を得ることができる。
【0186】
絶縁膜138の20℃における固有抵抗は1010Ωcm以上であると、絶縁膜138は十分な絶縁性を備えることができるため好ましい。
【0187】
以上のように、本実施の形態で示した発光装置は、発光素子の支持基板及び封止基板として、有機樹脂層とガラス層とを貼り合わせた基板を用いる。よって、発光装置を軽量化できる。さらに、水分又は不純物等が発光装置の外部から発光素子に含まれる有機化合物や金属材料に侵入することを抑制することができる。
【0188】
さらに、発光装置において、屈折率の差が大きい2層の間に、Ga又はAlと、Znと、Oとを含む絶縁膜を1層以上設けることで、屈折率の差による光の反射を抑制することができ、光の取り出し効率が高い発光装置を提供することができる。
【0189】
本実施の形態は、他の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
【0190】
(実施の形態6)
本実施の形態では、実施の形態1で示した本発明の一態様の発光装置の変形例について説明する。
【0191】
本発明の一態様の発光装置は、有機樹脂層と薄いガラス層とを貼り合わせた基板を採用している。したがって、薄いガラス層が可撓性を有する程度の厚さである場合、曲面を有する発光装置や、可撓性を有する発光装置を実現することができる。
【0192】
<変形例>
図12(D)に示す曲面を有する発光装置は、第1の有機樹脂層100a、第1のガラス層101a、発光素子(第1の電極103、EL層102、及び第2の電極108)、封止層110、第2のガラス層101b、及び第2の有機樹脂層100bを有する。
【0193】
変形例において、第1のガラス層101aは、可撓性を有する程度に薄い厚さのガラスを用いる。例えば、第1のガラス層101aは、25μm以上75μm以下とすることができる。
【0194】
その他の構成は、実施の形態1に示した構成例1と同様の構成を適用することができる。
【0195】
変形例の作製方法の一例について説明する。
【0196】
まず、接着剤を用いて曲面を有する第1の有機樹脂層100a上に第1のガラス層101aを形成する(図12(A))。
【0197】
次に、第1のガラス層101a上に、発光素子(第1の電極103、EL層102、及び第2の電極108)を形成する。
【0198】
そして、第1のガラス層101a上に、該発光素子を覆うように封止層110を形成する(図12(B))。
【0199】
そして、第1のガラス層101aと第2のガラス層101bとを、シール材114を用いて貼り合わせる(図12(C))。このとき、空間112には、不活性気体を充填する。
【0200】
さらに、第1の有機樹脂層100aと第2の有機樹脂層100bとを、シール材(図示しない)を用いて貼り合わせる(図12(D))。
【0201】
以上の工程により、変形例として示した発光装置を作製することができる。
【0202】
次に、変形例の作製方法の別の例について説明する。
【0203】
まず、第1のガラス層101a上に、発光素子を形成する。そして、第1のガラス層101a上に、該発光素子を覆うように封止層110を形成する(図13(A))。
【0204】
ここで、第1のガラス層101aは可撓性を有するため、ロール状の第1のガラス層101a上に発光素子を形成する、ロール・ツー・ロール方式を適用することができる。
【0205】
次に、第1のガラス層101aと第2のガラス層101bとを、シール材114を用いて貼り合わせる(図13(B))。以下、図13(B)に示す構成を積層体Bと記す。
【0206】
最後に、曲面を有する第1の有機樹脂層100aと第2の有機樹脂層100bとを、シール材116を用いて貼り合わせ、積層体Bを封止する(図13(C))。
【0207】
例えば、先の実施の形態で記したように、加圧ローラを用いて、第1の有機樹脂層100a及び第1のガラス層101a、第2の有機樹脂層100b及び第2のガラス層101b、並びに、第1の有機樹脂層100a及び第2の有機樹脂層100bをそれぞれ接着することができる。
【0208】
以上の工程により、変形例として示した発光装置を作製することができる。
【0209】
以上のように、本実施の形態で示した発光装置は、発光素子の支持基板及び封止基板として、有機樹脂層とガラス層とを貼り合わせた基板を用いる。よって、発光装置を軽量化できる。さらに、水分又は不純物等が発光装置の外部から発光素子に含まれる有機化合物や金属材料に侵入することを抑制することができる。
【0210】
さらに、本実施の形態で用いる薄いガラス層は、可撓性を有する程度の厚さであるため、曲面を有する発光装置を実現することができる。
【0211】
本実施の形態は、他の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
【0212】
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光装置にコンバータを内蔵する構成について、図14を用いて説明する。なお、以下の説明において、上記の実施の形態と同一の部分については説明を省略する。
【0213】
なお、本実施の形態において、コンバータとは、入力された電力を発光装置の仕様に適した定電流に変換して発光装置へ入力する定電流電源、又は仕様に適した定電圧に変換して発光装置へ入力する定電圧電源として機能するコンバータ回路を指す。
【0214】
図14(B)は図14(A)に示した発光装置のC−D間、E−F間の断面図である。なお、図14(A)では、図14(B)に示す構成の一部を省略している。
【0215】
本実施の形態の発光装置は、第1の有機樹脂層100a、第1のガラス層101a、発光素子(第1の電極103、EL層102、及び第2の電極108)、封止層110、第2のガラス層101b、第2の有機樹脂層100b、及びコンバータ150を有する。
【0216】
図14(A)において、第1の電極103は、コンバータ150と電気的に接続されている。第2の電極108は、接続電極411a、411bと電気的に接続している。接続電極411aは、コンバータ150と電気的に接続している。接続電極411bは、接続配線135を介してコンバータ150と電気的に接続している。
【0217】
図14(B)のC−D断面において、第1の有機樹脂層100a上に第1のガラス層101aが形成され、さらに第1の電極103が第1のガラス層101aの端部を覆うように設けられている。
【0218】
第1の電極103及び第2のガラス層101bの間には、シール材114を有する。第1の電極103及び第2の有機樹脂層100bの間には、シール材116を有する。
【0219】
なお、第1の電極103においてコンバータ150と接続する部分を取り出し電極410aとし、第1の電極103において接続配線135と接続する部分を取り出し電極410bとする。
【0220】
図14(B)において、接続電極411a、411bは取り出し電極410a、410bと同一平面上に存在する。取り出し電極410a及び接続電極411aの上には、コンバータ150が設けられており、取り出し電極410b及び接続電極411bは接続配線135を介して、コンバータ150と電気的に接続している。したがって、第1の電極103及び第2の電極108はコンバータ150と電気的に接続し、発光素子にはコンバータ150によって仕様に適用された電流が入力される。発光素子内に両端から分散されて電流が入力されているため、輝度ムラの低減や、発光素子の一部に負荷が集中することが抑制される。
【0221】
接続配線135は、金属配線等を用いることができる。また、配線が実装されたプリント基板を用いてもよい。
【0222】
図14(A)において、接続配線135は発光装置の非発光領域上を通り、取り出し電極410b又は411bと、コンバータ150とを電気的に接続している。接続配線の配置は、この構成に限らないが、発光装置の光取り出し効率を低下させないような配置とすることが好ましい。例えば、片側から光を取り出す構成の発光装置において、光を射出しない側の面の基板上などに通すことも可能である。接続配線やコンバータは、発光装置の外部に設けることも可能であるが、本実施の形態で示したように発光装置の非発光領域に設けることによって、第1の有機樹脂層100a上の非発光領域を活用することができる。
【0223】
接続配線135及びコンバータ150は封止樹脂151によって、封止成形されている。封止樹脂151にはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂等を用いることができる。
【0224】
コンバータ150はDC/DCコンバータである。図14(B)のE−F断面に示すように、コンバータ150はプリント基板140及び第1の回路素子130a、第2の回路素子130b、第3の回路素子130cを有する。
【0225】
プリント基板140には、上面から下面まで貫通する開口を設ける。該開口内に、銀ペーストやはんだ等の導電材料をメッキ等によって埋め込むことで、発光素子とコンバータ150とを電気的に接続する。
【0226】
プリント基板140を貫通する開口を作製するためには、エンドミル、パンチング、サンドブラスト等を用いた機械的研磨法や、レーザーや、エッチング等の化学的研磨法やこれらを組み合わせた方法等を用いることができる。
【0227】
本実施の形態において、プリント基板140は絶縁性基材の片面に導電性材料を塗布したプリント基板である。プリント基板を用いると、プリント基板と取り出し電極及び接続電極との接続面における絶縁性が保証されるので、取り出し電極及び接続電極上に配置する際の位置合わせが容易に行える。また、プリント基板140には、可撓性を有するフレキシブルプリント基板(FPC)や、一部に可撓性を有するセミフレキシブルプリント基板を用いてもよい。可撓性を有するプリント基板を用いることで、可撓性を有する発光装置や曲面を有した発光装置にコンバータを内蔵させることができる。
【0228】
プリント基板140上には第1の回路素子130a、第2の回路素子130b、第3の回路素子130cが備えられている。第1の回路素子130a、第2の回路素子130b、第3の回路素子130cはプリント基板上で電気的に接続され、DC/DCコンバータ回路を形成している。第1の回路素子130a、第2の回路素子130b、第3の回路素子130cとしては例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、ダイオード、インダクタ、半導体チップ等とすることができる。第1の回路素子130a、第2の回路素子130b、第3の回路素子130cは、DC/DCコンバータとして機能する回路を構成すればよく、その具体的な回路構成については言及しない。また、コンバータを構成する一部の要素をプリント基板140上に設け、残りの要素を外部から接続する構成としても良い。
【0229】
第1の回路素子130a、第2の回路素子130b、第3の回路素子130cはプリント基板140に設けられた開口を介して、取り出し電極410a及び接続電極411aと電気的に接続している。そのため、発光素子にはコンバータ150によって仕様に合った電圧が入力される。発光素子の他端では、接続配線135を介してコンバータ150と発光素子が電気的に接続している。
【0230】
コンバータ150を取り出し電極410a及び接続電極411a上に設ける方法としては、第1の回路素子130a、第2の回路素子130b、第3の回路素子130cをあらかじめ備えておいたプリント基板140を、接着剤等を用いて取り出し電極410a及び接続電極411a上に接続してもよいし、プリント基板140の開口内に流し込む導電材料を用いて、取り出し電極410a及び接続電極411aとプリント基板140とを接続してもよい。
【0231】
なお、取り出し電極410a及び接続電極411a上にコンバータ150を設ける際に発光装置の厚みが増すことを防ぐため、コンバータ150が備える回路素子を、第1の有機樹脂層100aに埋め込むように形成しても良い。
【0232】
例えば、図14(B)の第2の回路素子130bは、プリント基板140及び第1の有機樹脂層100aに設けた開口部に埋め込まれるように設けられている。
【0233】
また、図14(C)に示すように、発光装置の発光領域に凹凸の構造118aが設けられている場合は、第1の有機樹脂層100aの開口部に第2の回路素子130bが貫通した構成も採用できる。
【0234】
これらの構成を適用することで、コンバータを含む構成としても、コンバータを含まない構成と同じ厚さの発光装置を実現することができる。
【0235】
第2の回路素子130bを埋め込む開口は第1の有機樹脂層100a上で、取り出し電極及び接続電極が存在しない領域に設ける。開口は、第2の回路素子130bが埋め込めるように幅や高さを適宜調節すれば良い。開口は、第1の有機樹脂層100aとプリント基板140にそれぞれ別の工程で設けても良いし、プリント基板140を第1の有機樹脂層100a上に配置した後に、第1の有機樹脂層100a及びプリント基板140に同時に設けても良い。
【0236】
第1の有機樹脂層100aの開口部の作製方法は、エンドミル、サンドブラスト等を用いた機械的研磨や、レーザーやエッチング等の化学的研磨、またはこれらを組み合わせた方法を用いることができる。
【0237】
また、図14(C)に示すように、凹凸の構造118aを有する第1の有機樹脂層100aを用いる場合には、第1の有機樹脂層100aを構成する有機樹脂材料の一部を加工することで、凹凸の構造118aを設けることができる。このとき、有機樹脂材料の一部を加工する際に、同時に開口部を形成しても良い。
【0238】
また、プリント基板140に開口を作製する際に、取り出し電極410a及び接続電極411aとの開口の作製も同時に行うと作業工程が少なくなるため好ましい。
【0239】
上記したように発光装置にコンバータを内蔵する構成とすることで、入力される電圧が変化しても、素子に適した安定な電流を供給する機能を有しているため、発光素子に過電流が流れてしまう不具合を防止できる。
【0240】
なお、本実施の形態で示す発光装置に含むコンバータはDC/DCコンバータに限らず、交流電圧を直流電圧に変換するAC/DCコンバータでもよい。AC/DCコンバータを用いると、交流電源をそのまま印加して使用することができる。
【0241】
また,本実施の形態の発光装置は、1つのコンバータに1つの発光素子を電気的に接続する構成としたが、本発明はこの構成に限られない。発光装置が複数の発光素子を備える場合、発光素子と同じ数のコンバータを設ける構成だけでなく、1つのコンバータに複数の発光素子を電気的に接続する構成を採用することができる。
【0242】
本実施の形態では、ボトムエミッション構造の発光装置について示したが、他の実施の形態に示した構成例の発光装置のいずれにおいても適用することができる。
【0243】
本発明の一態様では、コンバータを発光装置に内蔵することによって、外部にコンバータを設けなくとも利用することのできる発光装置を提供できるため、該発光装置の利用の幅が広がる。
【0244】
また、発光装置の非発光領域上にコンバータや接続配線を設けたことで、スペースの有効活用ができる。
【0245】
以上のように、本実施の形態で示した発光装置は、発光素子の支持基板及び封止基板として、有機樹脂層とガラス層とを貼り合わせた基板を用いる。よって、発光装置を軽量化できる。さらに、水分又は不純物等が発光装置の外部から発光素子に含まれる有機化合物や金属材料に侵入することを抑制することができる。
【0246】
本実施の形態は他の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
【0247】
(実施の形態8)
本実施の形態では、本発明の一態様に適用できるEL層の一例について、図15を用いて説明する。
【0248】
図15(A)に示すEL層102は、第1の電極103と第2の電極108の間に設けられている。第1の電極103及び第2の電極108は、実施の形態1と同様の構成を適用することができる。
【0249】
本実施の形態において、EL層102は、第1の電極103側から、正孔注入層701、正孔輸送層702、発光性の有機化合物を含む層703、電子輸送層704、及び電子注入層705の順で積層されている。
【0250】
図15(A)に示す発光素子の作製方法について説明する。
【0251】
正孔注入層701は、正孔注入性の高い物質を含む層である。正孔注入性の高い物質としては、例えば、モリブデン酸化物、チタン酸化物、バナジウム酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物、クロム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、タンタル酸化物、銀酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物等の金属酸化物を用いることができる。また、フタロシアニン(略称:HPc)、銅(II)フタロシアニン(略称:CuPc)等のフタロシアニン系の化合物を用いることができる。
【0252】
また、低分子の有機化合物である4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、4,4’−ビス(N−{4−[N’−(3−メチルフェニル)−N’−フェニルアミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等の芳香族アミン化合物等を用いることができる。
【0253】
さらに、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を用いることもできる。例えば、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)などの高分子化合物が挙げられる。また、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ポリ(スチレンスルホン酸)(PAni/PSS)等の酸を添加した高分子化合物を用いることができる。
【0254】
特に、正孔注入層701として、正孔輸送性の高い有機化合物にアクセプター性物質を含有させた複合材料を用いることが好ましい。正孔輸送性の高い物質にアクセプター性物質を含有させた複合材料を用いることにより、第1の電極103からの正孔注入性を良好にし、発光素子の駆動電圧を低減することができる。これらの複合材料は、正孔輸送性の高い物質とアクセプター物質とを共蒸着することにより形成することができる。該複合材料を用いて正孔注入層701を形成することにより、第1の電極103からEL層102への正孔注入が容易となる。
【0255】
複合材料に用いる有機化合物としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の化合物を用いることができる。なお、複合材料に用いる有機化合物としては、正孔輸送性の高い有機化合物であることが好ましい。具体的には、10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質であることが好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。以下では、複合材料に用いることのできる有機化合物を具体的に列挙する。
【0256】
複合材料に用いることのできる有機化合物としては、例えば、TDATA、MTDATA、DPAB、DNTPD、DPA3B、PCzPCA1、PCzPCA2、PCzPCN1、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB又はα−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)等の芳香族アミン化合物や、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、9−フェニル−3−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:PCzPA)、1,4−ビス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]−2,3,5,6−テトラフェニルベンゼン等のカルバゾール誘導体を用いることができる。
【0257】
また、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス(4−フェニルフェニル)アントラセン(略称:t−BuDBA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuAnth)、9,10−ビス(4−メチル−1−ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]−2−tert−ブチルアントラセン、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン等の芳香族炭化水素化合物を用いることができる。
【0258】
さらに、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、9,9’−ビアントリル、10,10’−ジフェニル−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン、ペンタセン、コロネン、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10−ビス[4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)等の芳香族炭化水素化合物を用いることができる。
【0259】
また、電子受容体としては、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F−TCNQ)、クロラニル等の有機化合物や、遷移金属酸化物を挙げることができる。また、元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を挙げることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムは電子受容性が高いため好ましい。中でも特に、酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
【0260】
なお、上述したPVK、PVTPA、PTPDMA、Poly−TPD等の高分子化合物と、上述した電子受容体を用いて複合材料を形成し、正孔注入層701に用いてもよい。
【0261】
正孔輸送層702は、正孔輸送性の高い物質を含む層である。正孔輸送性の高い物質としては、例えば、NPB、TPD、BPAFLP、4,4’−ビス[N−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DFLDPBi)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)等の芳香族アミン化合物を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。なお、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
【0262】
また、正孔輸送層702には、CBP、CzPA、PCzPAのようなカルバゾール誘導体や、t−BuDNA、DNA、DPAnthのようなアントラセン誘導体を用いても良い。
【0263】
また、正孔輸送層702には、PVK、PVTPA、PTPDMA、Poly−TPDなどの高分子化合物を用いることもできる。
【0264】
発光性の有機化合物を含む層703は、蛍光を発光する蛍光性化合物や燐光を発光する燐光性化合物を用いることができる。
【0265】
発光性の有機化合物を含む層703に用いることができる蛍光性化合物としては、例えば、青色系の発光材料として、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)などが挙げられる。また、緑色系の発光材料として、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCABPhA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)]−N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアントラセン−2−アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9−トリフェニルアントラセン−9−アミン(略称:DPhAPhA)などが挙げられる。また、黄色系の発光材料として、ルブレン、5,12−ビス(1,1’−ビフェニル−4−イル)−6,11−ジフェニルテトラセン(略称:BPT)などが挙げられる。また、赤色系の発光材料として、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)テトラセン−5,11−ジアミン(略称:p−mPhTD)、7,14−ジフェニル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)アセナフト[1,2−a]フルオランテン−3,10−ジアミン(略称:p−mPhAFD)などが挙げられる。
【0266】
また、発光性の有機化合物を含む層703に用いることができる燐光性化合物としては、例えば、青色系の発光材料として、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1−ピラゾリル)ボラート(略称:FIr6)、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIrpic)、ビス{2−[3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CFppy)(pic))、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIr(acac))などが挙げられる。また、緑色系の発光材料として、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(ppy))、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(ppy)(acac))、ビス(1,2−ジフェニル−1H−ベンゾイミダゾラト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(pbi)(acac))、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bzq)(acac))、トリス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)(略称:Ir(bzq))などが挙げられる。また、黄色系の発光材料として、ビス(2,4−ジフェニル−1,3−オキサゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(dpo)(acac))、ビス[2−(4’−パーフルオロフェニルフェニル)ピリジナト]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(p−PF−ph)(acac))、ビス(2−フェニルベンゾチアゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bt)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)−5−メチルピラジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(Fdppr−Me)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス{2−(4−メトキシフェニル)−3,5−ジメチルピラジナト}イリジウム(III)(略称:Ir(dmmoppr)(acac))などが挙げられる。また、橙色系の発光材料として、トリス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(pq))、ビス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(pq)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(3,5−ジメチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppr−Me)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(5−イソプロピル−3−メチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppr−iPr)(acac))などが挙げられる。また、赤色系の発光材料として、ビス[2−(2’−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジナト−N,C3’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(btp)(acac))、ビス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(piq)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:Ir(Fdpq)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)(acac))、(ジピバロイルメタナト)ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)(dpm))、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(II)(略称:PtOEP)等の有機金属錯体が挙げられる。また、トリス(アセチルアセトナト)(モノフェナントロリン)テルビウム(III)(略称:Tb(acac)(Phen))、トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(DBM)(Phen))、トリス[1−(2−テノイル)−3,3,3−トリフルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(TTA)(Phen))等の希土類金属錯体は、希土類金属イオンからの発光(異なる多重度間の電子遷移)であるため、燐光性化合物として用いることができる。
【0267】
なお、発光性の有機化合物を含む層703としては、上述した発光性の有機化合物(ゲスト材料)を他の物質(ホスト材料)に分散させた構成としてもよい。ホスト材料としては、各種のものを用いることができ、発光性の物質よりも最低空軌道準位(LUMO準位)が高く、最高被占有軌道準位(HOMO準位)が低い物質を用いることが好ましい。
【0268】
ホスト材料としては、具体的には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などの金属錯体、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)などの複素環化合物や、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、3,6−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:DPCzPA)、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、9,9’−ビアントリル(略称:BANT)、9,9’−(スチルベン−3,3’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS)、9,9’−(スチルベン−4,4’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS2)、3,3’,3’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリピレン(略称:TPB3)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、6,12−ジメトキシ−5,11−ジフェニルクリセンなどの縮合芳香族化合物、N,N−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:CzA1PA)、4−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:DPhPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、N,9−ジフェニル−N−{4−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]フェニル}−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPBA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、NPB(またはα−NPD)、TPD、DFLDPBi、BSPBなどの芳香族アミン化合物などを用いることができる。
【0269】
また、ホスト材料は複数種用いることができる。例えば、結晶化を抑制するためにルブレン等の結晶化を抑制する物質をさらに添加してもよい。また、ゲスト材料へのエネルギー移動をより効率良く行うためにNPB、あるいはAlq等をさらに添加してもよい。
【0270】
ゲスト材料をホスト材料に分散させた構成とすることにより、発光性の有機化合物を含む層703の結晶化を抑制することができる。また、ゲスト材料の濃度が高いことによる濃度消光を抑制することができる。
【0271】
また、発光性の有機化合物を含む層703として高分子化合物を用いることができる。具体的には、青色系の発光材料として、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)(略称:PFO)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイル)](略称:PF−DMOP)、ポリ{(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−[N,N’−ジ−(p−ブチルフェニル)−1,4−ジアミノベンゼン]}(略称:TAB−PFH)などが挙げられる。また、緑色系の発光材料として、ポリ(p−フェニレンビニレン)(略称:PPV)、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−alt−co−(ベンゾ[2,1,3]チアジアゾール−4,7−ジイル)](略称:PFBT)、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニレン)−alt−co−(2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシロキシ)−1,4−フェニレン)]などが挙げられる。また、橙色〜赤色系の発光材料として、ポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキソキシ)−1,4−フェニレンビニレン](略称:MEH−PPV)、ポリ(3−ブチルチオフェン−2,5−ジイル)(略称:R4−PAT)、ポリ{[9,9−ジヘキシル−2,7−ビス(1−シアノビニレン)フルオレニレン]−alt−co−[2,5−ビス(N,N’−ジフェニルアミノ)−1,4−フェニレン]}、ポリ{[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシロキシ)−1,4−ビス(1−シアノビニレンフェニレン)]−alt−co−[2,5−ビス(N,N’−ジフェニルアミノ)−1,4−フェニレン]}(略称:CN−PPV−DPD)などが挙げられる。
【0272】
また、発光性の有機化合物を含む層を複数設け、それぞれの層の発光色を異なるものにすることで、発光素子全体として、所望の色の発光を得ることができる。例えば、発光性の有機化合物を含む層を2つ有する発光素子において、第1の発光性の有機化合物を含む層の発光色と第2の発光性の有機化合物を含む層の発光色を補色の関係になるようにすることで、発光素子全体として白色発光する発光素子を得ることも可能である。なお、補色とは、混合すると無彩色になる色同士の関係をいう。つまり、補色の関係にある色を発光する物質から得られた光を混合すると、白色発光を得ることができる。また、発光性の有機化合物を含む層を3つ以上有する発光素子の場合でも同様である。
【0273】
電子輸送層704は、電子輸送性の高い物質を含む層である。電子輸送性の高い物質としては、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(略称:BAlq)など、キノリン骨格又はベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等が挙げられる。また、この他ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)や、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)なども用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質である。また、電子輸送層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
【0274】
電子注入層705は、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入層705には、リチウム、セシウム、カルシウム、フッ化リチウム、フッ化セシウム、フッ化カルシウム、リチウム酸化物等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、又はそれらの化合物を用いることができる。また、フッ化エルビウムのような希土類金属化合物を用いることができる。また、上述した電子輸送層704を構成する物質を用いることもできる。
【0275】
なお、上述した正孔注入層701、正孔輸送層702、発光性の有機化合物を含む層703、電子輸送層704、電子注入層705は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
【0276】
EL層102は、図15(B)に示すように、第1の電極103と第2の電極108との間に複数積層されていても良い。この場合、積層された第1のEL層800と第2のEL層801との間には、電荷発生層803を設けることが好ましい。電荷発生層803は上述の複合材料で形成することができる。また、電荷発生層803は複合材料からなる層と他の材料からなる層との積層構造でもよい。この場合、他の材料からなる層としては、電子供与性物質と電子輸送性の高い物質とを含む層や、透明導電膜からなる層などを用いることができる。このような構成を有する発光素子は、エネルギーの移動や消光などの問題が起こり難く、材料の選択の幅が広がることで高い発光効率と長い寿命とを併せ持つ発光素子とすることが容易である。また、一方のEL層で燐光発光、他方で蛍光発光を得ることも容易である。この構造は上述のEL層の構造と組み合わせて用いることができる。
【0277】
また、それぞれのEL層の発光色を異なるものにすることで、発光素子全体として、所望の色の発光を得ることができる。例えば、2つのEL層を有する発光素子において、第1のEL層の発光色と第2のEL層の発光色を補色の関係になるようにすることで、発光素子全体として白色発光する発光素子を得ることも可能である。また、3つ以上のEL層を有する発光素子の場合でも同様である。
【0278】
EL層102は、図15(C)に示すように、第1の電極103と第2の電極108との間に、正孔注入層701、正孔輸送層702、発光性の有機化合物を含む層703、電子輸送層704、電子注入バッファー層706、電子リレー層707、及び第2の電極108と接する複合材料層708を有していても良い。
【0279】
第2の電極108と接する複合材料層708を設けることで、特にスパッタリング法を用いて第2の電極108を形成する際に、EL層102が受けるダメージを低減することができるため、好ましい。複合材料層708は、前述の、正孔輸送性の高い有機化合物にアクセプター性物質を含有させた複合材料を用いることができる。
【0280】
さらに、電子注入バッファー層706を設けることで、複合材料層708と電子輸送層704との間の注入障壁を緩和することができるため、複合材料層708で生じた電子を電子輸送層704に容易に注入することができる。
【0281】
電子注入バッファー層706には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、およびこれらの化合物(アルカリ金属化合物(酸化リチウム等の酸化物、ハロゲン化物、炭酸リチウムや炭酸セシウム等の炭酸塩を含む)、アルカリ土類金属化合物(酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩を含む)、または希土類金属の化合物(酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩を含む))等の電子注入性の高い物質を用いることが可能である。
【0282】
また、電子注入バッファー層706が、電子輸送性の高い物質とドナー性物質を含んで形成される場合には、電子輸送性の高い物質に対して質量比で、0.001以上0.1以下の比率でドナー性物質を添加することが好ましい。なお、ドナー性物質としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、およびこれらの化合物(アルカリ金属化合物(酸化リチウム等の酸化物、ハロゲン化物、炭酸リチウムや炭酸セシウム等の炭酸塩を含む)、アルカリ土類金属化合物(酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩を含む)、または希土類金属の化合物(酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩を含む))の他、テトラチアナフタセン(略称:TTN)、ニッケロセン、デカメチルニッケロセン等の有機化合物を用いることもできる。なお、電子輸送性の高い物質としては、先に説明した電子輸送層704の材料と同様の材料を用いて形成することができる。
【0283】
さらに、電子注入バッファー層706と複合材料層708との間に、電子リレー層707を形成することが好ましい。電子リレー層707は、必ずしも設ける必要は無いが、電子輸送性の高い電子リレー層707を設けることで、電子注入バッファー層706へ電子を速やかに送ることが可能となる。
【0284】
複合材料層708と電子注入バッファー層706との間に電子リレー層707が挟まれた構造は、複合材料層708に含まれるアクセプター性物質と、電子注入バッファー層706に含まれるドナー性物質とが相互作用を受けにくく、互いの機能を阻害しにくい構造である。したがって、駆動電圧の上昇を抑制することができる。
【0285】
電子リレー層707は、電子輸送性の高い物質を含み、該電子輸送性の高い物質のLUMO準位は、複合材料層708に含まれるアクセプター性物質のLUMO準位と、電子輸送層704に含まれる電子輸送性の高い物質のLUMO準位との間となるように形成する。また、電子リレー層707がドナー性物質を含む場合には、当該ドナー性物質のドナー準位も複合材料層708に含まれるアクセプター性物質のLUMO準位と、電子輸送層704に含まれる電子輸送性の高い物質のLUMO準位との間となるようにする。具体的なエネルギー準位の数値としては、電子リレー層707に含まれる電子輸送性の高い物質のLUMO準位は−5.0eV以上、好ましくは−5.0eV以上−3.0eV以下とするとよい。
【0286】
電子リレー層707に含まれる電子輸送性の高い物質としてはフタロシアニン系の材料又は金属−酸素結合と芳香族配位子を有する金属錯体を用いることが好ましい。
【0287】
電子リレー層707に含まれるフタロシアニン系材料としては、具体的にはCuPc、SnPc(Phthalocyanine tin(II) complex)、ZnPc(Phthalocyanine zinc complex)、CoPc(Cobalt(II)phthalocyanine, β−form)、FePc(Phthalocyanine Iron)及びPhO−VOPc(Vanadyl 2,9,16,23−tetraphenoxy−29H,31H−phthalocyanine)のいずれかを用いることが好ましい。
【0288】
電子リレー層707に含まれる金属−酸素結合と芳香族配位子を有する金属錯体としては、金属−酸素の二重結合を有する金属錯体を用いることが好ましい。金属−酸素の二重結合はアクセプター性(電子を受容しやすい性質)を有するため、電子の移動(授受)がより容易になる。また、金属−酸素の二重結合を有する金属錯体は安定であると考えられる。したがって、金属−酸素の二重結合を有する金属錯体を用いることにより発光素子を低電圧でより安定に駆動することが可能になる。
【0289】
金属−酸素結合と芳香族配位子を有する金属錯体としてはフタロシアニン系材料が好ましい。具体的には、VOPc(Vanadyl phthalocyanine)、SnOPc(Phthalocyanine tin(IV) oxide complex)及びTiOPc(Phthalocyanine titanium oxide complex)のいずれかは、分子構造的に金属−酸素の二重結合が他の分子に対して作用しやすく、アクセプター性が高いため好ましい。
【0290】
なお、上述したフタロシアニン系材料としては、フェノキシ基を有するものが好ましい。具体的にはPhO−VOPcのような、フェノキシ基を有するフタロシアニン誘導体が好ましい。フェノキシ基を有するフタロシアニン誘導体は、溶媒に可溶である。そのため、発光素子を形成する上で扱いやすいという利点を有する。また、溶媒に可溶であるため、成膜に用いる装置のメンテナンスが容易になるという利点を有する。
【0291】
電子リレー層707はさらにドナー性物質を含んでいても良い。ドナー性物質としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属及びこれらの化合物(アルカリ金属化合物(酸化リチウムなどの酸化物、ハロゲン化物、炭酸リチウムや炭酸セシウムなどの炭酸塩を含む)、アルカリ土類金属化合物(酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩を含む)、又は希土類金属の化合物(酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩を含む))の他、テトラチアナフタセン(略称:TTN)、ニッケロセン、デカメチルニッケロセンなどの有機化合物を用いることができる。電子リレー層707にこれらドナー性物質を含ませることによって、電子の移動が容易となり、発光素子をより低電圧で駆動することが可能になる。
【0292】
電子リレー層707にドナー性物質を含ませる場合、電子輸送性の高い物質としては上記した材料の他、複合材料層708に含まれるアクセプター性物質のアクセプター準位より高いLUMO準位を有する物質を用いることができる。具体的なエネルギー準位としては、−5.0eV以上、好ましくは−5.0eV以上−3.0eV以下の範囲にLUMO準位を有する物質を用いることが好ましい。このような物質としては例えば、ペリレン誘導体や、含窒素縮合芳香族化合物などが挙げられる。なお、含窒素縮合芳香族化合物は、安定であるため、電子リレー層707を形成する為に用いる材料として、好ましい材料である。
【0293】
ペリレン誘導体の具体例としては、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物(略称:PTCDA)、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボキシリックビスベンゾイミダゾール(略称:PTCBI)、N,N’−ジオクチル−3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ジイミド(略称:PTCDI−C8H)、N,N’−ジヘキシル−3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ジイミド(略称:Hex PTC)等が挙げられる。
【0294】
また、含窒素縮合芳香族化合物の具体例としては、ピラジノ[2,3−f][1,10]フェナントロリン−2,3−ジカルボニトリル(略称:PPDN)、2,3,6,7,10,11−ヘキサシアノ−1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレン(略称:HAT(CN))、2,3−ジフェニルピリド[2,3−b]ピラジン(略称:2PYPR)、2,3−ビス(4−フルオロフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン(略称:F2PYPR)等が挙げられる。
【0295】
その他にも、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(略称:TCNQ)、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(略称:NTCDA)、パーフルオロペンタセン、銅ヘキサデカフルオロフタロシアニン(略称:F16CuPc)、N,N’−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチル)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(略称:NTCDI−C8F)、3’,4’−ジブチル−5,5’’−ビス(ジシアノメチレン)−5,5’’−ジヒドロ−2,2’:5’,2’’−テルチオフェン)(略称:DCMT)、メタノフラーレン(例えば、[6,6]−フェニルC61酪酸メチルエステル)等を用いることができる。
【0296】
なお、電子リレー層707にドナー性物質を含ませる場合、電子輸送性の高い物質とドナー性物質との共蒸着などの方法によって電子リレー層707を形成すれば良い。
【0297】
正孔注入層701、正孔輸送層702、発光性の有機化合物を含む層703、及び電子輸送層704は前述の材料を用いてそれぞれ形成すれば良い。
【0298】
以上により、本実施の形態のEL層102を作製することができる。
【0299】
本実施の形態は、他の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
【0300】
(実施の形態9)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光装置を用いて完成させた照明装置の一例について、図21を用いて説明する。
【0301】
本発明の一態様では、発光部が曲面を有する照明装置を実現することができる。
【0302】
また、本発明の一態様では、シースルーの発光部を有する照明装置を実現することができる。
【0303】
また、本発明の一態様は、自動車の照明にも適用することができ、例えば、ダッシュボードや、フロントガラス上、天井等に照明を設置することもできる。
【0304】
図21(A)では、本発明の一態様を適用した、室内の照明装置901及び卓上照明器具903を示す。発光装置は大面積化も可能であるため、大面積の照明装置として用いることができる。その他、ロール型の照明装置902として用いることもできる。
【0305】
図21(B)に別の照明装置の例を示す。図21(B)に示す卓上照明装置は、照明部9501、支柱9503、支持台9505等を含む。照明部9501は、本発明の一態様の発光装置を含む。このように、本発明の一態様では、曲面を有する照明装置、又はフレキシブルに曲がる照明部を有する照明装置を実現することができる。このように、フレキシブルな発光装置を照明装置として用いることで、照明装置のデザインの自由度が向上するのみでなく、例えば、自動車の天井、ダッシュボード等の曲面を有する場所にも照明装置を設置することが可能となる。
【0306】
本実施の形態は、他の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
【実施例1】
【0307】
本実施例では、本発明の一態様に適用できるガリウム(Ga)と、亜鉛(Zn)と、酸素(O)を含む膜(以下、GZO膜)の例について図16及び図17を用いて説明する。
【0308】
≪試料の作製≫
まず、本実施例で作製したGZO膜について説明する。本実施例で作製したGZO膜は表1に示す3種類である。
【0309】
【表1】

【0310】
本実施例のすべての構成例において、基板とターゲットとの間の距離は110mmであり、圧力0.8Pa、直流(DC)電源200W、酸素雰囲気下、基板加熱温度200℃の条件でスパッタリング法による成膜を行った。
【0311】
構成例1として、Ga−Zn−O系金属酸化物ターゲット(Ga:ZnO=1:5[mol数比])を用いて、厚さ100nmのGZO膜を形成した。
【0312】
構成例2として、Ga−Zn−O系金属酸化物ターゲット(Ga:ZnO=1:1[mol数比])を用いて、厚さ100nmのGZO膜を形成した。
【0313】
構成例3として、Ga−Zn−O系金属酸化物ターゲット(Ga:ZnO=5:1[mol数比])を用いて、厚さ100nmのGZO膜を形成した。
【0314】
≪屈折率の測定≫
次に、構成例1乃至構成例3の屈折率をそれぞれ測定した。本実施例では、エリプソメトリ法を用いて屈折率を求めた。
【0315】
構成例1乃至構成例3の屈折率を図16に示す。図16において、横軸は波長(nm)を示し、縦軸は屈折率を示す。
【0316】
構成例1乃至構成例3の屈折率は、波長が400nm以上800nm以下の領域(以下、可視光領域と記す)において、波長依存性がほとんど見られなかった。
【0317】
図16からわかるように、可視光領域において、構成例1(ZnOの含まれる割合が大きいターゲット)は、構成例3(Gaの含まれる割合が大きいターゲット)に比べて、屈折率が高い。
【0318】
以上の結果から、Ga−Zn−O系金属酸化物ターゲットに含まれるGaとZnOの割合を変えることによって、得られるGZO膜の屈折率が変化することが示唆された。
【0319】
≪透過率の測定≫
次に、構成例1乃至構成例3の透過率をそれぞれ測定した。本実施例では、分光光度計を用いて透過率の値を得た。
【0320】
構成例1乃至構成例3の透過率を図17に示す。図17において、横軸は波長(nm)を示し、縦軸は、透過率を示す。
【0321】
構成例1乃至構成例3の透過率は、波長が400nm以上の領域で75%以上と非常に高かった。
【0322】
以上の結果から、GZO膜は、可視光に対する透光性が非常に高いことがわかった。
【0323】
本実施例からわかるように、Gaと、Znと、Oを含む膜は、可視光に対する透光性が非常に高い。さらに、GaとZnの割合を変えることで、得られる膜の屈折率が大きく変化する。したがって、本発明において、機能層として好適に用いることができることがわかった。
【実施例2】
【0324】
本実施例では、本発明の一態様に適用できるGaと、Znと、Oを含む膜(以下、GZO膜)の別の例について図18乃至図20を用いて説明する。
【0325】
≪試料の作製≫
まず、本実施例で作製したGZO膜について説明する。本実施例で作製したGZO膜は表2に示す12種類である。
【0326】
【表2】

【0327】
本実施例の全ての構成例において、基板とターゲットとの間の距離は110mmであり、圧力0.8Pa、直流(DC)電源200Wの条件でスパッタリング法による成膜を行った。
【0328】
構成例A−1として、Ga−Zn−O系金属酸化物ターゲット(Ga:ZnO=1:5[mol数比])を用いて、アルゴン及び酸素(流量比率は、アルゴン:酸素=7:3)混合雰囲気下、室温で厚さ250nmのGZO膜を形成した。
【0329】
構成例A−2として、Ga−Zn−O系金属酸化物ターゲット(Ga:ZnO=1:5[mol数比])を用いて、酸素雰囲気下、室温で厚さ90nmのGZO膜を形成した。
【0330】
構成例A−3として、Ga−Zn−O系金属酸化物ターゲット(Ga:ZnO=1:5[mol数比])を用いて、アルゴン及び酸素(流量比率は、アルゴン:酸素=7:3)混合雰囲気下、基板加熱温度200℃の条件で厚さ200nmのGZO膜を形成した。
【0331】
構成例A−4として、Ga−Zn−O系金属酸化物ターゲット(Ga:ZnO=1:5[mol数比])を用いて、酸素雰囲気下、基板加熱温度200℃の条件で厚さ150nmのGZO膜を形成した。
【0332】
構成例B−1として、Ga−Zn−O系金属酸化物ターゲット(Ga:ZnO=1:1[mol数比])を用いて、アルゴン及び酸素(流量比率は、アルゴン:酸素=7:3)混合雰囲気下、室温で厚さ180nmのGZO膜を形成した。
【0333】
構成例B−2として、Ga−Zn−O系金属酸化物ターゲット(Ga:ZnO=1:1[mol数比])を用いて、酸素雰囲気下、室温で厚さ50nmのGZO膜を形成した。
【0334】
構成例B−3では、Ga−Zn−O系金属酸化物ターゲット(Ga:ZnO=1:1[mol数比])を用いて、アルゴン及び酸素(流量比率は、アルゴン:酸素=7:3)混合雰囲気下、基板加熱温度200℃の条件で厚さ150nmのGZO膜を形成した。
【0335】
構成例B−4として、Ga−Zn−O系金属酸化物ターゲット(Ga:ZnO=1:1[mol数比])を用いて、酸素雰囲気下、基板加熱温度200℃の条件で厚さ90nmのGZO膜を形成した。
【0336】
構成例C−1として、Ga−Zn−O系金属酸化物ターゲット(Ga:ZnO=5:1[mol数比])を用いて、アルゴン及び酸素(流量比率は、アルゴン:酸素=7:3)混合雰囲気下、室温で厚さ160nmのGZO膜を形成した。
【0337】
構成例C−2として、Ga−Zn−O系金属酸化物ターゲット(Ga:ZnO=5:1[mol数比])を用いて、酸素雰囲気下、室温で厚さ50nmのGZO膜を形成した。
【0338】
構成例C−3として、Ga−Zn−O系金属酸化物ターゲット(Ga:ZnO=5:1[mol数比])を用いて、アルゴン及び酸素(流量比率は、アルゴン:酸素=7:3)混合雰囲気下、基板加熱温度200℃の条件で厚さ160nmのGZO膜を形成した。
【0339】
構成例C−4として、Ga−Zn−O系金属酸化物ターゲット(Ga:ZnO=5:1[mol数比])を用いて、酸素雰囲気下、基板加熱温度200℃の条件で厚さ90nmのGZO膜を形成した。
【0340】
≪屈折率の測定≫
次に、構成例A−1乃至構成例A−4、構成例B−1乃至構成例B−4、及び構成例C−1乃至構成例C−4の屈折率をそれぞれ測定した。
【0341】
屈折率は、実施例1と同様の方法を用いて測定した。
【0342】
構成例A−1乃至構成例A−4の屈折率を図18に示す。構成例B−1乃至構成例B−4の屈折率を図19に示す。構成例C−1乃至構成例C−4の屈折率を図20に示す。図18乃至図20において、横軸は波長(nm)を示し、縦軸は屈折率を示す。
【0343】
本実施例で作製した構成例の屈折率は、可視光領域において、波長依存性がほとんど見られなかった。
【0344】
本実施例の結果から、GaとZnの割合や、成膜雰囲気等の条件を変えることによって、得られるGZO膜の屈折率が変化することがわかった。例えば、可視光領域において、屈折率が1.7以上2.0以下の範囲の値を示すGZO膜を成膜できることが示唆された。
【符号の説明】
【0345】
100a 第1の有機樹脂層
100b 第2の有機樹脂層
101a 第1のガラス層
101b 第2のガラス層
102 EL層
103 第1の電極
107 第2の電極
108 第2の電極
110 封止層
112 空間
114 シール材
115 充填材
116 シール材
118a 凹凸の構造
118b 凹凸の構造
120a 第1の保護層
120b 第2の保護層
122a 凹凸の構造体
122b 凹凸の構造体
124a 第1の樹脂層
124b 第2の樹脂層
130a 第1の回路素子
130b 第2の回路素子
130c 第3の回路素子
135 接続配線
138 絶縁膜
140 プリント基板
150 コンバータ
151 封止樹脂
410a 取り出し電極
410b 取り出し電極
411 接続電極
411a 接続電極
411b 接続電極
701 正孔注入層
702 正孔輸送層
703 発光性の有機化合物を含む層
704 電子輸送層
705 電子注入層
706 電子注入バッファー層
707 電子リレー層
708 複合材料層
800 第1のEL層
801 第2のEL層
803 電荷発生層
901 照明装置
902 照明装置
903 卓上照明器具
9501 照明部
9503 支柱
9505 支持台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の有機樹脂層と、
前記第1の有機樹脂層上の、前記第1の有機樹脂層の一方の面に接する第1のガラス層と、
前記第1のガラス層上の発光素子と、
前記発光素子上の第2のガラス層と、
前記第2のガラス層上の、前記第2のガラス層の一方の面と接する第2の有機樹脂層と、を備え、
前記第1の有機樹脂層及び前記第1のガラス層が、可視光に対する透光性を有し、
前記第1のガラス層及び前記第2のガラス層は、それぞれ独立に、25μm以上100μm以下の厚さであり、
前記発光素子が、前記第1のガラス層側から、可視光に対する透光性を有する第1の電極と、発光性の有機化合物を含む層と、第2の電極と、を有する発光装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1の有機樹脂層と前記第2の有機樹脂層は、同じ材料からなる発光装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、
前記第1のガラス層と接し、前記発光素子を覆う封止層を備える発光装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
前記第1の有機樹脂層が、他方の面に凹凸の構造を有する発光装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記第1のガラス層上に凹凸の構造体と、
前記凹凸の構造体上に第1の樹脂層と、
前記第1の樹脂層上に前記第1の電極と、を有し、
前記第1の樹脂層の屈折率が、前記発光性の有機化合物を含む層の屈折率以上である発光装置。
【請求項6】
請求項4において、
前記第1のガラス層上に凹凸の構造体と、
前記凹凸の構造体上に第1の樹脂層と、
前記第1の樹脂層上に前記第1の電極と、を有し、
前記第1の樹脂層の屈折率が、前記第1の電極の屈折率以上である発光装置。
【請求項7】
請求項5又は請求項6において、
前記第1の樹脂層及び第1の電極の間に接して設けられた第1の保護層を有し、
前記第1の保護層の屈折率が、前記第1の樹脂層の屈折率以上である発光装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項において、
前記第2の有機樹脂層、前記第2のガラス層、及び前記第2の電極が、可視光に対する透光性を有する発光装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記第2の有機樹脂層が、前記第2のガラス層と接しない面に凹凸の構造を有する発光装置。
【請求項10】
請求項8又は請求項9のいずれか一項において、
前記第2の電極上の第2の樹脂層と、
前記第2の樹脂層上の凹凸の構造体と、
前記凹凸の構造体上の前記第2のガラス層と、を有し、
前記第2の樹脂層の屈折率が、前記発光性の有機化合物を含む層の屈折率以上である発光装置。
【請求項11】
請求項8又は請求項9のいずれか一項において、
前記第2の電極上の第2の樹脂層と、
前記第2の樹脂層上の凹凸の構造体と、
前記凹凸の構造体上の前記第2のガラス層と、を有し、
前記第2の樹脂層の屈折率が、前記第2の電極の屈折率以上である発光装置。
【請求項12】
請求項10又は請求項11において、
前記第2の電極及び第2の樹脂層の間に接して設けられた第2の保護層を有し、
前記第2の保護層の屈折率が、前記第2の樹脂層の屈折率以上である発光装置。
【請求項13】
可撓性を有する、請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項14】
コンバータを備える、請求項1乃至請求項13のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項15】
請求項1乃至請求項14のいずれか一項に記載の発光装置を発光部に備える照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−142270(P2012−142270A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−273245(P2011−273245)
【出願日】平成23年12月14日(2011.12.14)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】