発光装置および照明装置
【課題】正面方向および横方向の光量を同時に上げ、正面輝度の確保および光の拡散性の向上を図る。
【解決手段】本発明の発光装置は、光源と、当該光源から出射された光を制御する光束制御部材とを備える。上記光束制御部材は、光入射面および光出射面を有し、上記光源から出射された光の光軸に直交する平面内において、上記光出射面から出射された光の光線密度が、上記光軸を基点として当該光軸から離れるにしたがってより密になっていく領域30があると共に、上記平面内において、上記光軸から離れた地点を基点として当該光軸から離れるにしたがって上記光線密度がより疎になっていく領域31が、少なくとも一か所ある。
【解決手段】本発明の発光装置は、光源と、当該光源から出射された光を制御する光束制御部材とを備える。上記光束制御部材は、光入射面および光出射面を有し、上記光源から出射された光の光軸に直交する平面内において、上記光出射面から出射された光の光線密度が、上記光軸を基点として当該光軸から離れるにしたがってより密になっていく領域30があると共に、上記平面内において、上記光軸から離れた地点を基点として当該光軸から離れるにしたがって上記光線密度がより疎になっていく領域31が、少なくとも一か所ある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源から出射された光を光束制御部材によって制御する発光装置と、当該発光装置を備える照明装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明装置(例えば、液晶用バックライトおよび看板照明等)として、LED光源に光束制御部材を被覆することによって均一な配光を実現している発光装置を備えるものがある。この発光装置においてLED光源から射出された光は、光束制御部材によって光出射面側に広げられる。この発光装置を照明装置内に均等に配置することにより、照明装置の正面パネル上を輝度ムラなく光が照らすよう形成されている。
【0003】
このようなLEDを光源とした発光装置として、例えば特許文献1に開示された発光装置100を挙げることが出来る。図11は従来の発光装置100の断面図である。
【0004】
この発光装置100では発光素子101からの光Hを、光束制御部材102を介して被照射面107へ出射する。光束制御部材102は、光の出射方向を規制する光出射面106を被照射面107側のみに備えている。
【0005】
光出射面106は、発光素子101から光入射面103へ入射した光Hのうち、光束制御部材102の内部を伝播して他部において反射されることなく光出射面106に到達した光Hを、出射後に交差しないように被照射面107に向けて出射させる。
【0006】
また、発光装置100における光出射面106から出射した光の光線密度は、光軸Z付近において他部よりも疎になり、光軸Zから離れるに従って徐々に密になっている。
【0007】
その他のLEDを光源とした発光装置としては、特許文献2、特許文献3に開示された発光装置を挙げることが出来る。
【0008】
特許文献2の発光装置における光束制御部材の裏面側のLEDに対応する位置には、凹みが形成されている。この凹み形状を裏面側のみに形成することによって、光軸Z付近の出射光束密度が他部よりも疎であり、光軸から離れるに従って光線密度が徐々に密になるようになっている。
【0009】
特許文献3の発光装置における光束制御部材の裏面側の発光素子に対応する位置には、半球面の凹みが形成されている。また、光束制御部材の表面側の光軸を中心とする所定範囲は、下に凸の滑らかな曲面形状となっており、光軸から離れた範囲には、連続して形成される上に凸の滑らかな曲面形状をしている。このように、裏面側および表面側の両面を曲面形状とすることによって、配光を制御している。
【0010】
現在は、照明装置(例えば、看板照明および標示灯等)において、照明装置の背面以外のすべての面を照明する要望がある。そのため、照明装置の正面輝度を確保し、かつ光の拡散性を向上する発光装置が望まれている。正面輝度を確保するためには基準光軸方向の光量を十分に確保する必要があり、光の拡散性を向上させるためには配光を広げる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2007−294187号公報(2007年11月8日公開)
【特許文献2】特開2007−115708号公報(2007年5月10日公開)
【特許文献3】特開2007−227410号公報(2007年9月6日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記従来の発光装置に関しては、それぞれ以下のような課題がある。
【0013】
特許文献1の発光装置においては、基準光軸方向の光量は十分であり正面輝度は確保されているが、配光が狭く、横方向(光軸Zに対し垂直な方向)の出射角±60°〜±90°には光が出射していない。そのため、光を拡散することができず照明装置の正面以外の面を照明することができない(図8(b)の一点破線82参照)。
【0014】
特許文献2の発光装置においては、配光が広く、横方向に光が十分出射しており、光は拡散されている。しかし、基準光軸方向の光量が不十分であり正面輝度が確保されない(図8(b)の破線83参照)。
【0015】
特許文献3の発光装置においても、配光が広く、横方向に光が十分出射しており、光は拡散されている。しかし、基準光軸方向の光量が不十分であり正面輝度が確保されない(図8(b)の点線84参照)。
【0016】
上記従来の発光装置における光線密度は、光軸Zから離れるに従って徐々に密となるようになっている。
【0017】
このような従来の発光装置においては、基準光軸方向の光量を上げて正面輝度を確保しようとすると配光が狭くなる。そのため、横方向への光の拡散性が低下する。
【0018】
また、横方向へ配光を広げ光の拡散性を向上させようとすると基準光軸方向の光量が犠牲となる。そのため、正面輝度を確保できない。
【0019】
上述のように、従来の発光装置においては、正面方向および横方向の光量を同時に上げ、正面輝度の確保および光の拡散性の向上を図ることができない。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明に係る発光装置は、上記の課題を解決するために、
光源と、当該光源から出射された光を制御する光束制御部材とを備える発光装置であって、
上記光束制御部材は、光入射面および光出射面を有し、
上記光源から出射された光の光軸に直交する平面内において、上記光出射面から出射された光の光線密度が、上記光軸を基点として当該光軸から離れるにしたがってより密になっていく領域があると共に、
上記平面内において、上記光軸から離れた地点を基点として当該光軸から離れるにしたがって上記光線密度がより疎になっていく領域が、少なくとも一箇所あることを特徴としている。
【0021】
上記の構成によれば、光源から出射された光は、光速制御部材の入射面から入射し、光速制御部材の内部を伝播してその出射面から出射される。これにより、光源からの光は光速制御部材によって制御される。
【0022】
ここで、本発明の発光装置では、光源から出射された光の光軸に直交する平面内において、光出射面から出射された光の光線密度が、光軸を基点として光軸から離れるにしたがってより密になっていく領域がある。これと共に、当該平面内において、光軸から離れた地点を基点として光軸から離れるにしたがって光線密度がより疎になっていく領域が少なくとも一箇所ある。ここで、前者の領域においては、光源側の光線密度がより疎になっている。一方、後者の領域においては、光源から遠ざかる側の光線密度がより疎になっている。この結果、光出射面の全領域において、光線密度が疎となる領域が、光軸の近辺と、光軸から離れた位置との両方に形成される。これにより、光軸の方向(すなわち正面方向)の光量を確保すると共に、配向を広げることが可能となる。
【0023】
本発明に係る発光装置では、さらに、
上記光線密度がより疎になっていく領域が、上記光軸と上記光源から出射された光とのなす角度が65°以下の箇所にあることが好ましい。
【0024】
上記の構成によれば、光軸と光源から出射された光とのなす角度が65°以下の箇所において、光線がより疎になっていく領域を設けることにより、正面方向および横方向の光量を同時に上げ、正面輝度の確保および光の拡散性の向上を図ることができる。
【0025】
本発明に係る発光装置では、さらに、
上記光出射面から出射された光の拡散面における照度分布をIとし、Aを倍率(0より大きく1より小さい任意の有理数)とし、rを上記光軸からの距離とし、σ1およびσ1をそれぞれ異なるガウス分布の分散としたとき、上記光束制御部材は、次の式(1)
【0026】
【数1】
【0027】
を満たした形状を有していることが好ましい。
【0028】
上記の構成によれば、配光分布に光量の二次ピークが生じ、光軸方向の光量を確保しつつ、横方向に配光を広げるという効果を奏する。
【0029】
本発明に係る発光装置では、さらに、
上記光束制御部材は、上記光入射面と上記光出射面とを結ぶ底面をさらに備えており、
上記発光装置は、上記底面における、上記光源から出射され、上記光入射面から光束制御部材に入射し、上記光出射面において反射された光が集光する位置に、上記光出射面において反射された光を透過させる光透過部をさらに備えていることが好ましい。
【0030】
上記の構成によれば、光出射面において反射された光が再度、光出射面から光軸に近づくように屈折するフレネル反射成分を抑制することができる。これにより、照射光の輝度ムラを生じ難くすることができる。
【0031】
本発明に係る照明装置は、上記の課題を解決するために、上述したいずれかの発光装置を備えることを特徴としている。
【0032】
上記の構成によれば、正面輝度の確保と、光の拡散性の向上とを両立させることが出来る照明装置を実現できる。
【発明の効果】
【0033】
本発明に係る発光装置は、正面輝度の確保と、光の拡散性の向上とを両立させることが出来る効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】(a)は、本発明の一実施形態に係る発光装置の構成を示す断面図であり、(b)は、光源から出射された光の行路を詳細に示す図である。
【図2】(a)は、発光装置におけるθ1とθ2との関係を示すグラフであり、(b)は、発光装置におけるθ1とθ2/θ1との関係を示すグラフであり、(c)は、発光装置におけるθ1とθ2との増加量の関係を示すグラフである。
【図3】発光装置における光出射面から出射された光の光線を示す図である。
【図4】(a)は、本発明の他の実施形態に係る発光装置の断面図であり、(b)は、本発明に係るさらに他の実施形態に係る発光装置の断面図である。
【図5】光透過部を有しない発光装置を示す断面図である。
【図6】光透過部を有する発光装置の断面図である。
【図7】光透過部を有する発光装置を配置した場合の拡散板上における照度分布と、光透過部を有しない発光装置を配置した場合の拡散板上における照度分布とを示すグラフである。
【図8】(a)は、従来の発光装置におけるθ1とθ2との増加量の関係を示すグラフであり、(b)は、従来の発光装置における光量と配光との関係とを示すグラフとである。
【図9】従来の発光装置と本発明の発光装置との配光分布の違いを示すグラフである。
【図10】従来の発光装置におけるθ1の増加に伴うθ2の増加量と、本発明の発光装置におけるθ1の増加に伴うθ2の増加量との違いを示すグラフである。
【図11】従来の発光装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1〜図4、図9、および図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0036】
(発光装置10の構成)
図1(a)は、本発明の実施の形態に係る発光装置10の断面図である。同図に示す発光装置10は、発光素子1および光束制御部材2を備えている。発光装置10には、発光素子1の周囲を覆うように光束制御部材2が配置されている。
【0037】
発光装置10は、光軸Zを中心とした回転対称の形状を有している。光軸Zの方向は、発光素子1から出射される光の立体的な出射光束の中心における光の進行方向である。同図においては、便宜上、発光素子1から鉛直上向きの方向を光軸Zとする。
【0038】
(発光素子1)
発光素子1は、光軸Zを中心に周囲に光を射出する部材である。発光素子1としては公知のLEDチップ等を用いることができる。しかし、この構成に特に限定されるものではない。発光素子1の形状は、発光装置10と同様に回転対称でもよく、または、回転対称ではなく直方体等であってもよい。
【0039】
(光束制御部材2)
図1(b)は、発光装置10における発光素子1から出射された光Lとθ1とθ2とを説明するための説明図である。この図に示すように、光束制御部材2は、発光素子1から出射された光Lを拡散させる部材である。光束制御部材2は、光入射面2aと、光出射面2bと、底面2cとを有している。光入射面2aとは、発光装置10から出射された光Lが光束制御部材2へ入射する面をいう。光出射面2bとは、発光装置10から出射し、光入射面2aから入射した光Lが、出射する面をいう。底面2cは、光入射面2aと光出射面2bとを結ぶ面である。
【0040】
光入射面2aの断面は、釣鐘型状をしている。一方、光出射面2bの断面形状は、半円に近い形状をしている。すなわち、光入射面2aの断面の輪郭線は、図1(b)に示すように、光軸Zにおいては光軸Zと略垂直に交わり、光軸Z付近においてはその傾きが大きく変化し、光軸Zから離れたところにおいては傾きがあまり変化しない。一方、光出射面2bの断面の輪郭線は、図1(b)に示すように、光軸Z上においては光軸Zと略垂直に交わり、光軸Zから離れるに従ってその傾きは徐々に緩やかになり、次第に光軸Zと平行な方向に変化する。
【0041】
このような形状を有することにより、光束制御部材2は、発光素子1から出射された光Lを、光軸Zに対し垂直に近い方向に曲げることによって、光Lを拡散させる。発光素子1から出射された光Lは、光入射面2aに入射し、光束制御部材2の内部を伝播した後、光出射面2bから外部にスネルの法則にしたがって出射される。この際、光束制御部材2から出射される発光素子1からの光は、光軸Zから遠ざかるように屈折して出射される。
【0042】
(光束制御部材2の形状)
光束制御部材2は、次の式(1)を満たした形状を有していることが望ましい。
【0043】
【数1】
【0044】
ここで、式(1)において、Iは、光出射面2bから出射された光の拡散面における照度分布を示す。また、Aは、倍率(0より大きく1より小さい任意の有理数)を示す。rは、光軸Zからの距離を示す。σ1およびσ2は、それぞれ異なるガウス分布の分散を示す。したがって、Iは、拡散面上での照度分布が、異なる分散値を持つ二つのガウス分布を足し合わせた照度分布となる。光束制御部材2をこのような条件を満たす形状にすることによって、さらに配光分布に光量の二次ピークが生じ、光軸方向の光量を確保しつつ、横方向に配光を広げるという効果を奏する。なお、図1に示す光束制御部材2は、上記の式(1)を満たしている。
【0045】
光束制御部材2は、透光性の材料によって形成されていればよい。材料として、例えばポリメタクリル酸メチルまたはポリカーボネートを利用できる。
【0046】
(θ1とθ2との関係)
図1(b)に示すように、発光素子1から出射された光Lが、光入射面2aに到達する地点を入射点P1とし、光Lと光軸Zとのなす角度をθ1とする。さらに、光束制御部材2を伝播した光Lが光出射面2bに到達する地点を出射点P2とし、光出射面2bから出射した光Lと、P2を通り光軸Zと平行な線とのなす角度をθ2とする。
【0047】
図2(a)は、発光装置10におけるθ1とθ2との関係を示すグラフである。同図において、縦軸はθ2を、横軸はθ1を示している。同図の太線20に示されるように、θ2はθ1の増加に伴い単調に増加している。
【0048】
図2(b)は、発光装置10におけるθ1とθ2/θ1との関係を示すグラフである。同図において、縦軸はθ2/θ1を、横軸はθ1を示している。同図の実線21に示すように、θ1の増加にともないθ2/θ1は減少している。また、図2(a)に示すように光軸Zと平行な方向付近を除いて、常に、θ2>θ1である。そのため、実線21に示すように、常に、θ2/θ1>1となっている。
【0049】
図2(c)は、発光装置10におけるθ1とθ2との増加量の関係を示すグラフである。同図において、縦軸はθ2の増加量を、横軸はθ1を示している。ここで、θ2の増加量とはθ1の増加にともないθ2が増加した量という。同図の実線22に示すように、θ1≦45°およびθ1≧55°の時には、θ1の増加にともないθ2の増加量は単調に減少している。しかし、θ2の増加量が45°≦θ1≦55°において一時的に増加している。なお、θ2の増加量が一時的に増加するθ1の角度はθ1≦65°であれば特に限定されるものではない。
【0050】
(光線図)
図3は、発光装置10における光出射面2bから出射された光の光線を示す図である。同図は、発光素子1の位置から光線を1°刻みに描いたものである。θ1=45°〜55°付近においてθ2の増加量を一時的に増加させたことにより、θ2=70°〜75°付近の光線密度が疎になっていることがわかる。
【0051】
より具体的には、発光装置10では、図3に示すように、光源1から出射された光の光軸に直交する平面内において、光出射面2bから出射された光の光線密度が、光軸Zを基点として光軸Zから離れるにしたがってより密になっていく領域30がある。これと共に、当該平面内において、光軸Zから離れた地点を基点として光軸Zから離れるにしたがって光線密度がより疎になっていく領域31がある。ここで、領域30においては、光源1側の光線密度がより疎になっている。一方、領域31において、光源1から遠ざかる側の光線密度がより疎になっている。この結果、光出射面2bの全領域(すなわち0°≦θ2≦90°)において、光線密度が疎となる領域が、光軸Zの近辺と、光軸Zから離れた位置との両方に形成される。この結果、光軸Zの方向(すなわち正面方向)の光量を確保すると共に、配向を広げることが可能となる。
【0052】
領域31は、必ずしも一箇所のみに限らず、発光装置10において少なくとも一箇所あればよい。すなわち、領域31が複数あってもよい。
【0053】
(光量と配光との関係)
図8(a)は、従来の発光装置におけるθ1とθ2の増加量との関係を示すグラフである。同図において、一点破線80は、従来の第1の発光装置におけるθ1とθ2の増加量との関係を示す。一方、破線81は、従来の第2の発光装置におけるθ1とθ2の増加量との関係を示す。図8(a)に示すように、従来の第1および第2の発光装置においては、θ1の増加に伴いθ2の増加量は常に減少している。すなわち、θ1の全範囲に渡って、θ2の増加量は単調に減少している。
【0054】
図8(b)は、従来の発光装置における光量と配光との関係を示すグラフである。同図の横軸は、光出射面2bから出射された光の出射角を示す。一方、縦軸は、光出射面2bから出射された光の相対光量を示す。
【0055】
図8(b)において、一点破線82は、従来の第1の発光装置における光量と配光との関係を示す。また、破線83は、従来の第2の発光装置における光量と配光との関係を示す。また、点線84は、従来の第3の発光装置における光量と配光との関係を示す。
【0056】
従来の第1の発光装置は、θ1とθ2の増加量との関係が、図8(a)の一点破線80に示すようになっている。すなわち、光軸Z付近でのθ2は、従来の第2の発光装置に比べて小さい。これにより、図8(b)の一点破線82に示すように、正面輝度は十分に高くなる。一方で、横方向には光が全く出射されない。
【0057】
従来の第2の発光装置は、θ1とθ2の増加量との関係が、図8(a)の破線81に示すようになっている。すなわち、光軸Z付近でのθ2は、従来の第1の発光装置に比べて大きい。これにより、図8(b)の破線83に示すように、横方向に対して光が多く出射されている。一方で、正面にはあまり光が出射されず、その結果、正面輝度はピーク値の一割程度まで下がってしまう。
【0058】
このように、従来の発光装置では、基準光軸方向の光量を上げ正面輝度を確保しようとすると横方向の光量が落ちてしまい、一方、横方向の光量を増やそうとすると基準光軸方向の光量が下がり正面輝度が確保できない、という問題がある。
【0059】
一方、本発明の発光装置10では、図3(c)に示すように、光線密度が疎になる位置が、光軸近辺と光軸以外の位置とにそれぞれ存在する。すなわち、θ2の増加量を光軸以外の場所において一時的に大きくしている。この結果、光軸Zの方向(正面方向)の光量を確保しつつ、横方向に配光を広げることができる。
【0060】
(配光分布の違い)
図9は、従来の発光装置における配光分布と、発光装置10における配光分布とを示すグラフである。図10は、従来の発光装置におけるθ1とθ2の増加量との関係と、発光装置10におけるθ1とθ2の増加量との関係を示すグラフである。
【0061】
従来の発光装置においては、図10の点線93に示すように、θ1の増加に伴いθ2の増加量は常に単調に減少する。この従来の発光装置によると、基準光軸方向の光量と配光の広がりは反比例の関係となるため、図9の実線92のような配光へ広げようとすると、同図の点線90に示すように必ず正面輝度が犠牲となる。
【0062】
一方、本発明の発光装置10では、図10の破線94に示すように、θ2の増加量が光軸Z以外において一時的に大きくなる場所がある。これにより、図9の破線91に示すように、配光を広げた際も光軸Zの方向の光量を十分にすることができる。その結果、十分な正面輝度を確保できる。
【0063】
また、発光装置10を備えた照明装置も、本発明の技術的範囲に入る。この照明装置も、正面方向および横方向の光量を同時に上げ、正面輝度の確保および光の拡散性の向上を図ることができる。
【0064】
〔実施の形態2〕
本発明に係る他の実施の形態について図4〜図7および図11に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、上記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、実施の形態1において各図面に示す部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0065】
(光透過部)
図4(a)は、本発明の他の実施形態に係る発光装置11の断面図である。図4(b)は、本発明の他の実施形態に係る発光装置12の断面図である。
【0066】
発光装置11は、光源1および光束制御部材2に加えて、光透過部3をさらに備えている。光透過部3は、光束制御部材2の底面2cに設けられている。光透過部3は、光出射面2bにおいて反射した光を透過するか、または、光軸Zに対して垂直方向に変化させる。光透過部3としては、光束制御部材2と同材料であり、光出射面2bにおいて反射した光を透過させるか、または光軸Zに対して垂直方向に変化させる形状であれば、特に限定されない。例えば、図4(b)に示す光透過部4のような形状でもよい。図4(a)および図4(b)において、光透過部3および4は、光軸Zに回転対称の形状であり、光軸Zの周囲に一連に繋がった一つの部材として形成されている。
【0067】
光透過部3の設置位置は、底面2c上に設置し、光出射面2bにおいてフレネル反射した光をより多く光軸Zマイナス方向に透過することができれば、特に限定されるものではない。
【0068】
(光透過部の効果)
図5は、光透過部3を有しない発光装置10を示す断面図である。同図に示すように、発光装置10の光出射面2bの光出射方向に拡散板5が配置されている。発光装置10において発光素子1から出射された光は、光入射面2aに入射し、その後、光出射面2bから光L1として出射される。ここで、一部の光はフレネル反射によって光出射面2bから出射されずに反射され、底面2cにおいて反射、さらに光入射面2aにおいても反射され、光出射面2bに再度到達する。光出射面2bに到達した光は、光出射面2bにおいて光軸Zに近づくように屈折し、発光装置10上の拡散板5に光L2として到達する。
【0069】
このように、発光装置10においては、拡散板5の光軸Z付近の明るさが増し、光軸Z付近に輝度ムラを生じることがある。
【0070】
図6は、光透過部3を有する発光装置11の断面図である。同図に示すように、発光装置11における光出射面2bの光出射方向に、拡散板5が配置されている。発光装置11は、底面2cに光透過部3を備えている。発光装置11において発光素子1から出射された光は、光入射面2aに入射し、その後、光出射面2bにおいて光L1として出射される。ここで、一部の光はフレネル反射によって光出射面2bから出射されずに反射され、底面2cの、光入射面2a付近に集光することとなる。
【0071】
発光装置11は、底面2cにおける、光源1から出射され、光入射面2aから光束制御部材2に入射し、光出射面2bにおいて反射された光が集光する位置に、光出射面2bにおいて反射された光を透過させる光透過部3をさらに備えている。これにより、光透過部3にフレネル反射された光が入射し、一部の光L2は光軸Z方向に出射されるものの、大部分の光L3は光透過部3を透過する。このため、発光装置10において輝度ムラの原因となっていたフレネル反射成分を制御することができる。
【0072】
以上のように、光透過部は、拡散板5上の輝度ムラを生じ難くする効果を有する。
【0073】
(照度分布の対比)
図7(a)は、光透過部3を有する発光装置11を配置した場合の拡散板5上における照度分布と、光透過部3を有しない発光装置10を配置した場合の拡散板5上における照度分布とを示すグラフである。同図において、縦軸は、拡散板5上における照射光の相対的な照度分布を表している。一方、横軸は、拡散板5の位置を示しており、各発光装置における発光素子1の直上を横軸の中心としている。同図の実線70は、光透過部3を有する発光装置11の照度分布を示している。一方、破線71は、光透過部3を有しない発光装置10の照度分布を示している。
【0074】
同図の実線70と破線71とを比較すると、拡散板の中心付近において、実線70は、なめらかな曲線であるのに対し、破線71は、なめらかな曲線ではなく拡散板の中心および両左右において照度が最高値を示している。よって、発光装置11は、発光装置10よりも、発光素子1の直上付近の輝度ムラが抑制されていることがわかる。
【0075】
図7(b)は、光透過部3を有する発光装置11を複数配置した場合の拡散板5上における照度分布と、光透過部3を有しない発光装置10を複数配置した場合の拡散板5上における照度分布とを示すグラフである。同図において、縦軸は、拡散板5上における相対的な照度を表している。また、横軸は、拡散板5の位置を示している。同図の実線72は、複数の発光装置11を均等に配置した場合の拡散板5上における照度分布を示している。一方、破線73は、複数の発光装置10を均等に配置した場合の拡散板5上における照度分布を示している。同図の実線72と破線73を比較すると、実線72は、なめらかな曲線であるのに対し、破線73は、滑らかではなく、小さなピークを多数有する曲線となっている。これらのピークは、各発光装置10の発光素子1の直上における照射光の照度ムラによって生じている。
【0076】
以上のように、複数の発光装置10を配置した場合は、照射光全体として輝度ムラが生じる。一方、複数の発光装置11を配置した場合は、照射光全体として輝度ムラが生じない。
【0077】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明の発光装置は、広い範囲に光を均一に照射する各種の発光層として幅広く利用できる。また、本発明の発光装置を備えた照明装置は、看板照明、バックライト、誘導灯、および表示灯等の各種の照明装置としてに幅広く利用できる。
【符号の説明】
【0079】
1 発光素子
2 光束制御部材
2a 光入射面
2b 光出射面
2c 底面
3 光透過部
4 光透過部
5 拡散板
10 発光装置
11 発光装置
12 発光装置
30 領域
31 領域
θ1 発光素子から出射された光と光軸とのなす角の角度
θ2 光出射面から出射した光と光軸に平行な線とのなす角の角度
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源から出射された光を光束制御部材によって制御する発光装置と、当該発光装置を備える照明装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明装置(例えば、液晶用バックライトおよび看板照明等)として、LED光源に光束制御部材を被覆することによって均一な配光を実現している発光装置を備えるものがある。この発光装置においてLED光源から射出された光は、光束制御部材によって光出射面側に広げられる。この発光装置を照明装置内に均等に配置することにより、照明装置の正面パネル上を輝度ムラなく光が照らすよう形成されている。
【0003】
このようなLEDを光源とした発光装置として、例えば特許文献1に開示された発光装置100を挙げることが出来る。図11は従来の発光装置100の断面図である。
【0004】
この発光装置100では発光素子101からの光Hを、光束制御部材102を介して被照射面107へ出射する。光束制御部材102は、光の出射方向を規制する光出射面106を被照射面107側のみに備えている。
【0005】
光出射面106は、発光素子101から光入射面103へ入射した光Hのうち、光束制御部材102の内部を伝播して他部において反射されることなく光出射面106に到達した光Hを、出射後に交差しないように被照射面107に向けて出射させる。
【0006】
また、発光装置100における光出射面106から出射した光の光線密度は、光軸Z付近において他部よりも疎になり、光軸Zから離れるに従って徐々に密になっている。
【0007】
その他のLEDを光源とした発光装置としては、特許文献2、特許文献3に開示された発光装置を挙げることが出来る。
【0008】
特許文献2の発光装置における光束制御部材の裏面側のLEDに対応する位置には、凹みが形成されている。この凹み形状を裏面側のみに形成することによって、光軸Z付近の出射光束密度が他部よりも疎であり、光軸から離れるに従って光線密度が徐々に密になるようになっている。
【0009】
特許文献3の発光装置における光束制御部材の裏面側の発光素子に対応する位置には、半球面の凹みが形成されている。また、光束制御部材の表面側の光軸を中心とする所定範囲は、下に凸の滑らかな曲面形状となっており、光軸から離れた範囲には、連続して形成される上に凸の滑らかな曲面形状をしている。このように、裏面側および表面側の両面を曲面形状とすることによって、配光を制御している。
【0010】
現在は、照明装置(例えば、看板照明および標示灯等)において、照明装置の背面以外のすべての面を照明する要望がある。そのため、照明装置の正面輝度を確保し、かつ光の拡散性を向上する発光装置が望まれている。正面輝度を確保するためには基準光軸方向の光量を十分に確保する必要があり、光の拡散性を向上させるためには配光を広げる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2007−294187号公報(2007年11月8日公開)
【特許文献2】特開2007−115708号公報(2007年5月10日公開)
【特許文献3】特開2007−227410号公報(2007年9月6日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記従来の発光装置に関しては、それぞれ以下のような課題がある。
【0013】
特許文献1の発光装置においては、基準光軸方向の光量は十分であり正面輝度は確保されているが、配光が狭く、横方向(光軸Zに対し垂直な方向)の出射角±60°〜±90°には光が出射していない。そのため、光を拡散することができず照明装置の正面以外の面を照明することができない(図8(b)の一点破線82参照)。
【0014】
特許文献2の発光装置においては、配光が広く、横方向に光が十分出射しており、光は拡散されている。しかし、基準光軸方向の光量が不十分であり正面輝度が確保されない(図8(b)の破線83参照)。
【0015】
特許文献3の発光装置においても、配光が広く、横方向に光が十分出射しており、光は拡散されている。しかし、基準光軸方向の光量が不十分であり正面輝度が確保されない(図8(b)の点線84参照)。
【0016】
上記従来の発光装置における光線密度は、光軸Zから離れるに従って徐々に密となるようになっている。
【0017】
このような従来の発光装置においては、基準光軸方向の光量を上げて正面輝度を確保しようとすると配光が狭くなる。そのため、横方向への光の拡散性が低下する。
【0018】
また、横方向へ配光を広げ光の拡散性を向上させようとすると基準光軸方向の光量が犠牲となる。そのため、正面輝度を確保できない。
【0019】
上述のように、従来の発光装置においては、正面方向および横方向の光量を同時に上げ、正面輝度の確保および光の拡散性の向上を図ることができない。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明に係る発光装置は、上記の課題を解決するために、
光源と、当該光源から出射された光を制御する光束制御部材とを備える発光装置であって、
上記光束制御部材は、光入射面および光出射面を有し、
上記光源から出射された光の光軸に直交する平面内において、上記光出射面から出射された光の光線密度が、上記光軸を基点として当該光軸から離れるにしたがってより密になっていく領域があると共に、
上記平面内において、上記光軸から離れた地点を基点として当該光軸から離れるにしたがって上記光線密度がより疎になっていく領域が、少なくとも一箇所あることを特徴としている。
【0021】
上記の構成によれば、光源から出射された光は、光速制御部材の入射面から入射し、光速制御部材の内部を伝播してその出射面から出射される。これにより、光源からの光は光速制御部材によって制御される。
【0022】
ここで、本発明の発光装置では、光源から出射された光の光軸に直交する平面内において、光出射面から出射された光の光線密度が、光軸を基点として光軸から離れるにしたがってより密になっていく領域がある。これと共に、当該平面内において、光軸から離れた地点を基点として光軸から離れるにしたがって光線密度がより疎になっていく領域が少なくとも一箇所ある。ここで、前者の領域においては、光源側の光線密度がより疎になっている。一方、後者の領域においては、光源から遠ざかる側の光線密度がより疎になっている。この結果、光出射面の全領域において、光線密度が疎となる領域が、光軸の近辺と、光軸から離れた位置との両方に形成される。これにより、光軸の方向(すなわち正面方向)の光量を確保すると共に、配向を広げることが可能となる。
【0023】
本発明に係る発光装置では、さらに、
上記光線密度がより疎になっていく領域が、上記光軸と上記光源から出射された光とのなす角度が65°以下の箇所にあることが好ましい。
【0024】
上記の構成によれば、光軸と光源から出射された光とのなす角度が65°以下の箇所において、光線がより疎になっていく領域を設けることにより、正面方向および横方向の光量を同時に上げ、正面輝度の確保および光の拡散性の向上を図ることができる。
【0025】
本発明に係る発光装置では、さらに、
上記光出射面から出射された光の拡散面における照度分布をIとし、Aを倍率(0より大きく1より小さい任意の有理数)とし、rを上記光軸からの距離とし、σ1およびσ1をそれぞれ異なるガウス分布の分散としたとき、上記光束制御部材は、次の式(1)
【0026】
【数1】
【0027】
を満たした形状を有していることが好ましい。
【0028】
上記の構成によれば、配光分布に光量の二次ピークが生じ、光軸方向の光量を確保しつつ、横方向に配光を広げるという効果を奏する。
【0029】
本発明に係る発光装置では、さらに、
上記光束制御部材は、上記光入射面と上記光出射面とを結ぶ底面をさらに備えており、
上記発光装置は、上記底面における、上記光源から出射され、上記光入射面から光束制御部材に入射し、上記光出射面において反射された光が集光する位置に、上記光出射面において反射された光を透過させる光透過部をさらに備えていることが好ましい。
【0030】
上記の構成によれば、光出射面において反射された光が再度、光出射面から光軸に近づくように屈折するフレネル反射成分を抑制することができる。これにより、照射光の輝度ムラを生じ難くすることができる。
【0031】
本発明に係る照明装置は、上記の課題を解決するために、上述したいずれかの発光装置を備えることを特徴としている。
【0032】
上記の構成によれば、正面輝度の確保と、光の拡散性の向上とを両立させることが出来る照明装置を実現できる。
【発明の効果】
【0033】
本発明に係る発光装置は、正面輝度の確保と、光の拡散性の向上とを両立させることが出来る効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】(a)は、本発明の一実施形態に係る発光装置の構成を示す断面図であり、(b)は、光源から出射された光の行路を詳細に示す図である。
【図2】(a)は、発光装置におけるθ1とθ2との関係を示すグラフであり、(b)は、発光装置におけるθ1とθ2/θ1との関係を示すグラフであり、(c)は、発光装置におけるθ1とθ2との増加量の関係を示すグラフである。
【図3】発光装置における光出射面から出射された光の光線を示す図である。
【図4】(a)は、本発明の他の実施形態に係る発光装置の断面図であり、(b)は、本発明に係るさらに他の実施形態に係る発光装置の断面図である。
【図5】光透過部を有しない発光装置を示す断面図である。
【図6】光透過部を有する発光装置の断面図である。
【図7】光透過部を有する発光装置を配置した場合の拡散板上における照度分布と、光透過部を有しない発光装置を配置した場合の拡散板上における照度分布とを示すグラフである。
【図8】(a)は、従来の発光装置におけるθ1とθ2との増加量の関係を示すグラフであり、(b)は、従来の発光装置における光量と配光との関係とを示すグラフとである。
【図9】従来の発光装置と本発明の発光装置との配光分布の違いを示すグラフである。
【図10】従来の発光装置におけるθ1の増加に伴うθ2の増加量と、本発明の発光装置におけるθ1の増加に伴うθ2の増加量との違いを示すグラフである。
【図11】従来の発光装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1〜図4、図9、および図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0036】
(発光装置10の構成)
図1(a)は、本発明の実施の形態に係る発光装置10の断面図である。同図に示す発光装置10は、発光素子1および光束制御部材2を備えている。発光装置10には、発光素子1の周囲を覆うように光束制御部材2が配置されている。
【0037】
発光装置10は、光軸Zを中心とした回転対称の形状を有している。光軸Zの方向は、発光素子1から出射される光の立体的な出射光束の中心における光の進行方向である。同図においては、便宜上、発光素子1から鉛直上向きの方向を光軸Zとする。
【0038】
(発光素子1)
発光素子1は、光軸Zを中心に周囲に光を射出する部材である。発光素子1としては公知のLEDチップ等を用いることができる。しかし、この構成に特に限定されるものではない。発光素子1の形状は、発光装置10と同様に回転対称でもよく、または、回転対称ではなく直方体等であってもよい。
【0039】
(光束制御部材2)
図1(b)は、発光装置10における発光素子1から出射された光Lとθ1とθ2とを説明するための説明図である。この図に示すように、光束制御部材2は、発光素子1から出射された光Lを拡散させる部材である。光束制御部材2は、光入射面2aと、光出射面2bと、底面2cとを有している。光入射面2aとは、発光装置10から出射された光Lが光束制御部材2へ入射する面をいう。光出射面2bとは、発光装置10から出射し、光入射面2aから入射した光Lが、出射する面をいう。底面2cは、光入射面2aと光出射面2bとを結ぶ面である。
【0040】
光入射面2aの断面は、釣鐘型状をしている。一方、光出射面2bの断面形状は、半円に近い形状をしている。すなわち、光入射面2aの断面の輪郭線は、図1(b)に示すように、光軸Zにおいては光軸Zと略垂直に交わり、光軸Z付近においてはその傾きが大きく変化し、光軸Zから離れたところにおいては傾きがあまり変化しない。一方、光出射面2bの断面の輪郭線は、図1(b)に示すように、光軸Z上においては光軸Zと略垂直に交わり、光軸Zから離れるに従ってその傾きは徐々に緩やかになり、次第に光軸Zと平行な方向に変化する。
【0041】
このような形状を有することにより、光束制御部材2は、発光素子1から出射された光Lを、光軸Zに対し垂直に近い方向に曲げることによって、光Lを拡散させる。発光素子1から出射された光Lは、光入射面2aに入射し、光束制御部材2の内部を伝播した後、光出射面2bから外部にスネルの法則にしたがって出射される。この際、光束制御部材2から出射される発光素子1からの光は、光軸Zから遠ざかるように屈折して出射される。
【0042】
(光束制御部材2の形状)
光束制御部材2は、次の式(1)を満たした形状を有していることが望ましい。
【0043】
【数1】
【0044】
ここで、式(1)において、Iは、光出射面2bから出射された光の拡散面における照度分布を示す。また、Aは、倍率(0より大きく1より小さい任意の有理数)を示す。rは、光軸Zからの距離を示す。σ1およびσ2は、それぞれ異なるガウス分布の分散を示す。したがって、Iは、拡散面上での照度分布が、異なる分散値を持つ二つのガウス分布を足し合わせた照度分布となる。光束制御部材2をこのような条件を満たす形状にすることによって、さらに配光分布に光量の二次ピークが生じ、光軸方向の光量を確保しつつ、横方向に配光を広げるという効果を奏する。なお、図1に示す光束制御部材2は、上記の式(1)を満たしている。
【0045】
光束制御部材2は、透光性の材料によって形成されていればよい。材料として、例えばポリメタクリル酸メチルまたはポリカーボネートを利用できる。
【0046】
(θ1とθ2との関係)
図1(b)に示すように、発光素子1から出射された光Lが、光入射面2aに到達する地点を入射点P1とし、光Lと光軸Zとのなす角度をθ1とする。さらに、光束制御部材2を伝播した光Lが光出射面2bに到達する地点を出射点P2とし、光出射面2bから出射した光Lと、P2を通り光軸Zと平行な線とのなす角度をθ2とする。
【0047】
図2(a)は、発光装置10におけるθ1とθ2との関係を示すグラフである。同図において、縦軸はθ2を、横軸はθ1を示している。同図の太線20に示されるように、θ2はθ1の増加に伴い単調に増加している。
【0048】
図2(b)は、発光装置10におけるθ1とθ2/θ1との関係を示すグラフである。同図において、縦軸はθ2/θ1を、横軸はθ1を示している。同図の実線21に示すように、θ1の増加にともないθ2/θ1は減少している。また、図2(a)に示すように光軸Zと平行な方向付近を除いて、常に、θ2>θ1である。そのため、実線21に示すように、常に、θ2/θ1>1となっている。
【0049】
図2(c)は、発光装置10におけるθ1とθ2との増加量の関係を示すグラフである。同図において、縦軸はθ2の増加量を、横軸はθ1を示している。ここで、θ2の増加量とはθ1の増加にともないθ2が増加した量という。同図の実線22に示すように、θ1≦45°およびθ1≧55°の時には、θ1の増加にともないθ2の増加量は単調に減少している。しかし、θ2の増加量が45°≦θ1≦55°において一時的に増加している。なお、θ2の増加量が一時的に増加するθ1の角度はθ1≦65°であれば特に限定されるものではない。
【0050】
(光線図)
図3は、発光装置10における光出射面2bから出射された光の光線を示す図である。同図は、発光素子1の位置から光線を1°刻みに描いたものである。θ1=45°〜55°付近においてθ2の増加量を一時的に増加させたことにより、θ2=70°〜75°付近の光線密度が疎になっていることがわかる。
【0051】
より具体的には、発光装置10では、図3に示すように、光源1から出射された光の光軸に直交する平面内において、光出射面2bから出射された光の光線密度が、光軸Zを基点として光軸Zから離れるにしたがってより密になっていく領域30がある。これと共に、当該平面内において、光軸Zから離れた地点を基点として光軸Zから離れるにしたがって光線密度がより疎になっていく領域31がある。ここで、領域30においては、光源1側の光線密度がより疎になっている。一方、領域31において、光源1から遠ざかる側の光線密度がより疎になっている。この結果、光出射面2bの全領域(すなわち0°≦θ2≦90°)において、光線密度が疎となる領域が、光軸Zの近辺と、光軸Zから離れた位置との両方に形成される。この結果、光軸Zの方向(すなわち正面方向)の光量を確保すると共に、配向を広げることが可能となる。
【0052】
領域31は、必ずしも一箇所のみに限らず、発光装置10において少なくとも一箇所あればよい。すなわち、領域31が複数あってもよい。
【0053】
(光量と配光との関係)
図8(a)は、従来の発光装置におけるθ1とθ2の増加量との関係を示すグラフである。同図において、一点破線80は、従来の第1の発光装置におけるθ1とθ2の増加量との関係を示す。一方、破線81は、従来の第2の発光装置におけるθ1とθ2の増加量との関係を示す。図8(a)に示すように、従来の第1および第2の発光装置においては、θ1の増加に伴いθ2の増加量は常に減少している。すなわち、θ1の全範囲に渡って、θ2の増加量は単調に減少している。
【0054】
図8(b)は、従来の発光装置における光量と配光との関係を示すグラフである。同図の横軸は、光出射面2bから出射された光の出射角を示す。一方、縦軸は、光出射面2bから出射された光の相対光量を示す。
【0055】
図8(b)において、一点破線82は、従来の第1の発光装置における光量と配光との関係を示す。また、破線83は、従来の第2の発光装置における光量と配光との関係を示す。また、点線84は、従来の第3の発光装置における光量と配光との関係を示す。
【0056】
従来の第1の発光装置は、θ1とθ2の増加量との関係が、図8(a)の一点破線80に示すようになっている。すなわち、光軸Z付近でのθ2は、従来の第2の発光装置に比べて小さい。これにより、図8(b)の一点破線82に示すように、正面輝度は十分に高くなる。一方で、横方向には光が全く出射されない。
【0057】
従来の第2の発光装置は、θ1とθ2の増加量との関係が、図8(a)の破線81に示すようになっている。すなわち、光軸Z付近でのθ2は、従来の第1の発光装置に比べて大きい。これにより、図8(b)の破線83に示すように、横方向に対して光が多く出射されている。一方で、正面にはあまり光が出射されず、その結果、正面輝度はピーク値の一割程度まで下がってしまう。
【0058】
このように、従来の発光装置では、基準光軸方向の光量を上げ正面輝度を確保しようとすると横方向の光量が落ちてしまい、一方、横方向の光量を増やそうとすると基準光軸方向の光量が下がり正面輝度が確保できない、という問題がある。
【0059】
一方、本発明の発光装置10では、図3(c)に示すように、光線密度が疎になる位置が、光軸近辺と光軸以外の位置とにそれぞれ存在する。すなわち、θ2の増加量を光軸以外の場所において一時的に大きくしている。この結果、光軸Zの方向(正面方向)の光量を確保しつつ、横方向に配光を広げることができる。
【0060】
(配光分布の違い)
図9は、従来の発光装置における配光分布と、発光装置10における配光分布とを示すグラフである。図10は、従来の発光装置におけるθ1とθ2の増加量との関係と、発光装置10におけるθ1とθ2の増加量との関係を示すグラフである。
【0061】
従来の発光装置においては、図10の点線93に示すように、θ1の増加に伴いθ2の増加量は常に単調に減少する。この従来の発光装置によると、基準光軸方向の光量と配光の広がりは反比例の関係となるため、図9の実線92のような配光へ広げようとすると、同図の点線90に示すように必ず正面輝度が犠牲となる。
【0062】
一方、本発明の発光装置10では、図10の破線94に示すように、θ2の増加量が光軸Z以外において一時的に大きくなる場所がある。これにより、図9の破線91に示すように、配光を広げた際も光軸Zの方向の光量を十分にすることができる。その結果、十分な正面輝度を確保できる。
【0063】
また、発光装置10を備えた照明装置も、本発明の技術的範囲に入る。この照明装置も、正面方向および横方向の光量を同時に上げ、正面輝度の確保および光の拡散性の向上を図ることができる。
【0064】
〔実施の形態2〕
本発明に係る他の実施の形態について図4〜図7および図11に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、上記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、実施の形態1において各図面に示す部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0065】
(光透過部)
図4(a)は、本発明の他の実施形態に係る発光装置11の断面図である。図4(b)は、本発明の他の実施形態に係る発光装置12の断面図である。
【0066】
発光装置11は、光源1および光束制御部材2に加えて、光透過部3をさらに備えている。光透過部3は、光束制御部材2の底面2cに設けられている。光透過部3は、光出射面2bにおいて反射した光を透過するか、または、光軸Zに対して垂直方向に変化させる。光透過部3としては、光束制御部材2と同材料であり、光出射面2bにおいて反射した光を透過させるか、または光軸Zに対して垂直方向に変化させる形状であれば、特に限定されない。例えば、図4(b)に示す光透過部4のような形状でもよい。図4(a)および図4(b)において、光透過部3および4は、光軸Zに回転対称の形状であり、光軸Zの周囲に一連に繋がった一つの部材として形成されている。
【0067】
光透過部3の設置位置は、底面2c上に設置し、光出射面2bにおいてフレネル反射した光をより多く光軸Zマイナス方向に透過することができれば、特に限定されるものではない。
【0068】
(光透過部の効果)
図5は、光透過部3を有しない発光装置10を示す断面図である。同図に示すように、発光装置10の光出射面2bの光出射方向に拡散板5が配置されている。発光装置10において発光素子1から出射された光は、光入射面2aに入射し、その後、光出射面2bから光L1として出射される。ここで、一部の光はフレネル反射によって光出射面2bから出射されずに反射され、底面2cにおいて反射、さらに光入射面2aにおいても反射され、光出射面2bに再度到達する。光出射面2bに到達した光は、光出射面2bにおいて光軸Zに近づくように屈折し、発光装置10上の拡散板5に光L2として到達する。
【0069】
このように、発光装置10においては、拡散板5の光軸Z付近の明るさが増し、光軸Z付近に輝度ムラを生じることがある。
【0070】
図6は、光透過部3を有する発光装置11の断面図である。同図に示すように、発光装置11における光出射面2bの光出射方向に、拡散板5が配置されている。発光装置11は、底面2cに光透過部3を備えている。発光装置11において発光素子1から出射された光は、光入射面2aに入射し、その後、光出射面2bにおいて光L1として出射される。ここで、一部の光はフレネル反射によって光出射面2bから出射されずに反射され、底面2cの、光入射面2a付近に集光することとなる。
【0071】
発光装置11は、底面2cにおける、光源1から出射され、光入射面2aから光束制御部材2に入射し、光出射面2bにおいて反射された光が集光する位置に、光出射面2bにおいて反射された光を透過させる光透過部3をさらに備えている。これにより、光透過部3にフレネル反射された光が入射し、一部の光L2は光軸Z方向に出射されるものの、大部分の光L3は光透過部3を透過する。このため、発光装置10において輝度ムラの原因となっていたフレネル反射成分を制御することができる。
【0072】
以上のように、光透過部は、拡散板5上の輝度ムラを生じ難くする効果を有する。
【0073】
(照度分布の対比)
図7(a)は、光透過部3を有する発光装置11を配置した場合の拡散板5上における照度分布と、光透過部3を有しない発光装置10を配置した場合の拡散板5上における照度分布とを示すグラフである。同図において、縦軸は、拡散板5上における照射光の相対的な照度分布を表している。一方、横軸は、拡散板5の位置を示しており、各発光装置における発光素子1の直上を横軸の中心としている。同図の実線70は、光透過部3を有する発光装置11の照度分布を示している。一方、破線71は、光透過部3を有しない発光装置10の照度分布を示している。
【0074】
同図の実線70と破線71とを比較すると、拡散板の中心付近において、実線70は、なめらかな曲線であるのに対し、破線71は、なめらかな曲線ではなく拡散板の中心および両左右において照度が最高値を示している。よって、発光装置11は、発光装置10よりも、発光素子1の直上付近の輝度ムラが抑制されていることがわかる。
【0075】
図7(b)は、光透過部3を有する発光装置11を複数配置した場合の拡散板5上における照度分布と、光透過部3を有しない発光装置10を複数配置した場合の拡散板5上における照度分布とを示すグラフである。同図において、縦軸は、拡散板5上における相対的な照度を表している。また、横軸は、拡散板5の位置を示している。同図の実線72は、複数の発光装置11を均等に配置した場合の拡散板5上における照度分布を示している。一方、破線73は、複数の発光装置10を均等に配置した場合の拡散板5上における照度分布を示している。同図の実線72と破線73を比較すると、実線72は、なめらかな曲線であるのに対し、破線73は、滑らかではなく、小さなピークを多数有する曲線となっている。これらのピークは、各発光装置10の発光素子1の直上における照射光の照度ムラによって生じている。
【0076】
以上のように、複数の発光装置10を配置した場合は、照射光全体として輝度ムラが生じる。一方、複数の発光装置11を配置した場合は、照射光全体として輝度ムラが生じない。
【0077】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明の発光装置は、広い範囲に光を均一に照射する各種の発光層として幅広く利用できる。また、本発明の発光装置を備えた照明装置は、看板照明、バックライト、誘導灯、および表示灯等の各種の照明装置としてに幅広く利用できる。
【符号の説明】
【0079】
1 発光素子
2 光束制御部材
2a 光入射面
2b 光出射面
2c 底面
3 光透過部
4 光透過部
5 拡散板
10 発光装置
11 発光装置
12 発光装置
30 領域
31 領域
θ1 発光素子から出射された光と光軸とのなす角の角度
θ2 光出射面から出射した光と光軸に平行な線とのなす角の角度
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、当該光源から出射された光を制御する光束制御部材とを備える発光装置であって、
上記光束制御部材は、光入射面および光出射面を有し、
上記光源から出射された光の光軸に直交する平面内において、上記光出射面から出射された光の光線密度が、上記光軸を基点として当該光軸から離れるにしたがってより密になっていく領域があると共に、
上記平面内において、上記光軸から離れた地点を基点として当該光軸から離れるにしたがって上記光線密度がより疎になっていく領域が、少なくとも一か所あることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
上記光線密度がより疎になっていく領域が、上記光軸と上記光源から出射された光とのなす角度が65°以下の箇所にあることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
上記光出射面から出射された光の拡散面における照度分布をIとし、Aを倍率(0より大きく1より小さい任意の有理数)とし、rを上記光軸からの距離とし、σ1およびσ1をそれぞれ異なるガウス分布の分散としたとき、上記光束制御部材は、次の式(1)
【数1】
を満たした形状を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項4】
上記光束制御部材は、上記光入射面と上記光出射面とを結ぶ底面をさらに備えており、
上記発光装置は、上記底面における、上記光源から出射され、上記光入射面から光束制御部材に入射し、上記光出射面において反射された光が集光する位置に、上記光出射面において反射された光を透過させる光透過部をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光装置を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項1】
光源と、当該光源から出射された光を制御する光束制御部材とを備える発光装置であって、
上記光束制御部材は、光入射面および光出射面を有し、
上記光源から出射された光の光軸に直交する平面内において、上記光出射面から出射された光の光線密度が、上記光軸を基点として当該光軸から離れるにしたがってより密になっていく領域があると共に、
上記平面内において、上記光軸から離れた地点を基点として当該光軸から離れるにしたがって上記光線密度がより疎になっていく領域が、少なくとも一か所あることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
上記光線密度がより疎になっていく領域が、上記光軸と上記光源から出射された光とのなす角度が65°以下の箇所にあることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
上記光出射面から出射された光の拡散面における照度分布をIとし、Aを倍率(0より大きく1より小さい任意の有理数)とし、rを上記光軸からの距離とし、σ1およびσ1をそれぞれ異なるガウス分布の分散としたとき、上記光束制御部材は、次の式(1)
【数1】
を満たした形状を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項4】
上記光束制御部材は、上記光入射面と上記光出射面とを結ぶ底面をさらに備えており、
上記発光装置は、上記底面における、上記光源から出射され、上記光入射面から光束制御部材に入射し、上記光出射面において反射された光が集光する位置に、上記光出射面において反射された光を透過させる光透過部をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光装置を備えることを特徴とする照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−145829(P2012−145829A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5120(P2011−5120)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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