発光装置及び波長変換シート及び照明装置
【課題】簡単な構成で、高い発光効率を維持したまま、演色性の高い光を得る。
【解決手段】白色LEDパッケージ102(光源パッケージ)は、短波長LED104(単色光源)と、蛍光体含有樹脂層105(蛍光樹脂)とを有する。波長変換シート106は、第二の蛍光体が混合された合成樹脂により形成されている。波長変換シート106は、白色LEDパッケージ102が擬似白色光を放射する方向に位置する。第二の蛍光体は、短波長LED104が放射する単色光により励起されて蛍光を放射する。第二の蛍光体が放射する蛍光の主波長は、蛍光体含有樹脂層105に含まれる第一の蛍光体が放射する蛍光の主波長より長い。
【解決手段】白色LEDパッケージ102(光源パッケージ)は、短波長LED104(単色光源)と、蛍光体含有樹脂層105(蛍光樹脂)とを有する。波長変換シート106は、第二の蛍光体が混合された合成樹脂により形成されている。波長変換シート106は、白色LEDパッケージ102が擬似白色光を放射する方向に位置する。第二の蛍光体は、短波長LED104が放射する単色光により励起されて蛍光を放射する。第二の蛍光体が放射する蛍光の主波長は、蛍光体含有樹脂層105に含まれる第一の蛍光体が放射する蛍光の主波長より長い。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、発光ダイオード(LED)などの光源を用いた発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDなどの光源が放射する単色光と、蛍光体が放射する蛍光とを混合することにより、擬似白色光を得る技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−267632号公報
【特許文献2】特開2007−116133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術により得られる擬似白色光は、演色性が低い場合がある。また、演色性を高めようとすると、発光効率が犠牲になる場合や、構成が複雑になり製造コストが高くなる場合がある。
この発明は、例えば上記のような課題を解決するためになされたものであり、簡単な構成で、高い発光効率を維持したまま、演色性の高い光を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明にかかる発光装置は、光源パッケージと、波長変換シートとを有し、
上記光源パッケージは、単色光源と、蛍光樹脂とを有し、上記単色光源は、単色光を放射し、上記蛍光樹脂は、第一の蛍光体が混合された合成樹脂により形成され、上記第一の蛍光体は、上記単色光源が放射する単色光により励起されて蛍光を放射し、上記第一の蛍光体が放射する蛍光の主波長は、上記単色光源が放射する単色光の主波長より長く、上記光源パッケージは、上記単色光源が放射する単色光と上記第一の蛍光体が放射する蛍光との混合による擬似白色光を放射し、
上記波長変換シートは、第二の蛍光体が混合された合成樹脂により形成され、上記光源パッケージが上記擬似白色光を放射する方向に位置し、上記第二の蛍光体は、上記単色光源が放射する単色光により励起されて蛍光を放射し、上記第二の蛍光体が放射する蛍光の主波長は、上記第一の蛍光体が放射する蛍光の主波長より長いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
この発明にかかる発光装置によれば、簡単な構成で、高い発光効率を維持したまま、演色性の高い光を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施の形態1における発光装置101の構成の一例を示す斜視図。
【図2】実施の形態1における発光装置101の構成の一例を示すA−A断面図。
【図3】実施の形態1における白色LEDパッケージ102が放射する光と、発光装置101が放射する光との分光放射分布の一例を示すグラフ図。
【図4】実施の形態1における波長変換シート106の構造の一例を示す側面視一部拡大断面図。
【図5】実施の形態1における波長変換シート106の形状の一例を示す側面視断面図。
【図6】実施の形態1における波長変換シート106の形状の別の例を示す側面視断面図。
【図7】実施の形態1における波長変換シート106の形状の更に別の例を示す側面視断面図。
【図8】実施の形態1における波長変換シート106の構成の別の例を示す側面視断面図。
【図9】実施の形態1における発光装置101の構成の別の例を示す側面視断面図。
【図10】実施の形態2における発光装置101の構成の一例を示す斜視図。
【図11】実施の形態2における発光装置101の構成の一例を示すA−A断面図。
【図12】実施の形態2における波長変換シート106の形状の一例を示す側面視断面図。
【図13】実施の形態2における波長変換シート106の形状の別の例を示す側面視断面図。
【図14】実施の形態2における波長変換シート106の形状の更に別の例を示す側面視断面図。
【図15】実施の形態3における発光装置101の構成の一例を示す分解斜視図。
【図16】実施の形態3における発光装置101の構成の一例を示す全体斜視図。
【図17】実施の形態3における枠110の構成の一例を示す分解斜視図。
【図18】実施の形態4における枠110の構成の一例を示す斜視図。
【図19】実施の形態4における発光装置101の構成の一例を示す斜視図。
【図20】実施の形態4における発光装置101の構成の一例を示す側面視断面図。
【図21】実施の形態5における発光装置101の構成の一例を示す側面視斜視図。
【図22】実施の形態6における発光装置101の構成の一例を示す分解斜視図。
【図23】実施の形態6における発光装置101の構成の一例を示す側面視断面図。
【図24】実施の形態6における波長変換シート106の構成の別の例を示す平面図。
【図25】実施の形態7における発光装置101の構成の一例を示す斜視図。
【図26】実施の形態7における発光装置101の構成の一例を示すA−A断面図。
【図27】実施の形態8における発光装置101の構成の一例を示す分解斜視図。
【図28】実施の形態8における波長変換シート106の構成の別の例を示す斜視図。
【図29】実施の形態8における波長変換シート106の構成の更に別の例を示す斜視図。
【図30】実施の形態9における照明装置100の構成の一例を示す斜視図。
【図31】実施の形態9における波長変換シート106の構成のいくつかの例を示す斜視図。
【図32】実施の形態10における発光装置101の構成の一例を示す分解平面図。
【図33】実施の形態10における発光装置101の構成の一例を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
実施の形態1について、図1〜図9を用いて説明する。
【0009】
図1は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示す斜視図である。
図2は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示すA−A断面図である。
【0010】
発光装置101は、例えば、グリッド照明、ライン照明、スポットライト、ダウンライトなどの照明装置の光源部として利用される。
白色LEDパッケージ102(光源パッケージ)は、例えば市販の白色LEDパッケージである。白色LEDパッケージ102は、LED素子実装部103を有する。LED素子実装部103は、例えば円錐台状の窪みである。短波長LED104(単色光源)は、LED素子実装部103の底面中央付近に設けられている。蛍光体含有樹脂層105(蛍光樹脂)は、短波長LED104を覆い、LED素子実装部103を満たすよう設けられている。蛍光体含有樹脂層105は、透過性が高い。
波長変換シート106は、蛍光体含有樹脂層105の上部に、接着層107(接着剤)により、平面上に固定されて取り付けられている。接着層107は、透過性が高い。
【0011】
短波長LED104は、ワイヤーで電極部(図示せず)へ実装されている。LED素子実装部103は、例えばセラミック、金属、樹脂などからなる。蛍光体含有樹脂層105は、短波長LED104を封止する。蛍光体含有樹脂層105は、透光性のエポキシやシリコーンなどと、黄色蛍光体とからなる。白色LEDパッケージ102は、目標光色よりも高い色温度を有する。白色LEDパッケージ102は、高い発光効率を有する。短波長LED104は、近紫外〜青色領域の発光波長(例えば350〜470nm[ナノメートル]程度)の光を放射する。
波長変換シート106は、その上部に位置する。波長変換シート106は、単一種類または複数種類の蛍光体を含む。波長変換シート106の蛍光体は、短波長LED104の光、つまり白色LEDパッケージ102の励起光により励起され、異なる分光波長の光を発光する。
【0012】
以上のように、目標光色よりも高い色温度の高効率の白色LEDパッケージ102に対して、その励起光である短波長LED104の光によって励起する波長変換シート106を装着する。これにより、高発光効率をある程度維持したまま、演色性を高めた目標光色を得ることができる。
波長変換シート106は、薄膜厚シート状である。これにより、任意の市販の白色LEDパッケージ102に対して、色変換、高演色化、発光効率維持の効果がある。
【0013】
波長変換シート106に含まれる蛍光体として、単一種類の蛍光体を用いる場合、蛍光体は、少なくとも白色LEDパッケージ102の短波長LED104の光によって励起し、異なる分光波長の光を発光する橙〜赤色の蛍光体を用いる。赤色蛍光体の成分は、例えば、ユーロピウム付活アルカリ土類窒化物蛍光体を用いる。
同励起光により橙〜赤色の光を呈する蛍光体には、ユーロピウム付活アルカリ土類硫化物蛍光体(Ca,Sr)S:Euがある。しかし、ユーロピウム付活アルカリ土類硫化物蛍光体は、耐水性が低く、温度消光が大きく、光劣化を受けやすい。これに対し、ユーロピウム付活アルカリ土類窒化物蛍光体は、ほぼ同等の励起スペクトルや発光スペクトルを持ちながら、耐水性が高く、温度消光が小さく、光劣化を受けにくいという特性がある。このため、ユーロピウム付活アルカリ土類窒化物蛍光体を用いるほうが好ましい。
【0014】
また、波長変換シート106に含まれる蛍光体として、複数種類の蛍光体を用いる場合、上記の橙〜赤色の蛍光体に加えて、少なくとも白色LEDパッケージ102の短波長LED104の光によって励起し、異なる分光波長の光を発光する緑色〜黄色の蛍光体を用いる。
【0015】
図3は、この実施の形態における白色LEDパッケージ102が放射する光と、発光装置101が放射する光との分光放射分布の一例を示すグラフ図である。
線411は、白色LEDパッケージ102が放射する光の分光放射分布を示す。線412は、発光装置101が放射する光の分光放射分布を示す。
【0016】
このように赤味光成分が特に不足している白色LEDパッケージ102を用いた場合、橙〜赤色の蛍光体により、演色性が大きく改善される。
【0017】
また、このように緑色の波長域が大きく不足している白色LEDパッケージ102を用いた場合、緑色〜黄色の蛍光体により、この不足成分を埋めることができ、演色性を更に高めることができる。また、555nmにおいて683lm/W[ルーメン毎ワット]のピークを示す比視感度曲線には、緑色の波長域のスペクトルが多く含まれる。このため、この領域の蛍光体を用いることにより、発光効率を高めることができる。
【0018】
波長変換シート106に含まれる蛍光体は、元の白色LEDパッケージ102の不足光成分を補うような発光スペクトルを持つ単一種類または複数種類の蛍光体である。
【0019】
白色LEDパッケージ102の不足光成分を補うような発光スペクトルを持つ蛍光体を用いることにより、少量の蛍光体でも高い演色性を得ることができる。また、複数種類の蛍光体を用いる場合、上述したように例えば赤色蛍光体と、不足している緑色光成分を埋めるような緑色蛍光体を含有することにより、演色性を高める効果に加えて、赤色蛍光体のみの場合に比べて発光効率を高める効果がある。
【0020】
図4は、この実施の形態における波長変換シート106の構造の一例を示す側面視一部拡大断面図である。
【0021】
波長変換シート106のバインド樹脂109(バインド材料)には、例えばエポキシ樹脂やシリコーン樹脂など、無色で光透過性に優れる合成樹脂を用いる。例えば、粘度300〜800P[ポイズまたはポアズ](1Pは、0.1Pa・s[パスカル秒]。)のシリコーン樹脂を用いる。シリコーン樹脂は、耐熱性、耐薬品性、自己潤滑性、耐摩擦性に優れる。また、シリコーン樹脂は、エポキシ樹脂と比較しても非常に安定している物質である。
バインド樹脂109は、例えば、波長変換シート106を取り付ける白色LEDパッケージ102の蛍光体封止樹脂と同一の材料を用いる。これにより、光特性の変化があまりなく、発光効率を高めることができる。
【0022】
波長変換シート106に含まれる蛍光体108の平均粒径(D50)は、例えば5〜20μm[マイクロメートル]である。波長変換シート106の膜厚は、例えば100〜300μmである。
粒径が大きい方が一般的には発光効率が高い。しかし、透過型シートの場合、平均粒径が大きすぎると発光効率が低下する。また、平均粒径が小さすぎると蛍光体が劣化しやすくなる。このため、蛍光体108の平均粒径は、5〜20μmであることが望ましい。
【0023】
波長変換シート106に含まれる蛍光体108の含有量は、例えば平均粒径5〜20μmである場合、バインド樹脂109に対して、例えば5wt%[重量パーセント]以下である。
波長変換シート106に含まれる蛍光体108の含有量を増やしていくと、励起光を吸収する量が増え、蛍光体による発光量が多くなる。しかし、含有量が多すぎると発光効率の低下を招く。このため、蛍光体含有量は、平均粒径5〜20μmの場合、5wt%以下であることが望ましい。
【0024】
波長変換シート106は、表面実装型の白色LEDパッケージ102の開口部全域を覆うように、固定される。波長変換シート106は、例えば、接着剤により白色LEDパッケージ102に貼り付ける。
このように、波長変換シート106を白色LEDパッケージ102に固定することにより、波長変換シート106と白色LEDパッケージ102との密着性を高める。これにより、発光装置101の発光効率を向上させることができる。
【0025】
接着層107は、白色LEDパッケージ102と波長変換シート106との間にある。接着層107は、接着剤である。波長変換シート106は、白色LEDパッケージ102の開口部と波長変換シート106との間に空気層が入らないように、接着剤により固定されている。接着層107の厚みは、例えば1μm以下であることが好ましい。
波長変換シート106を固定する接着剤は、例えば、無色で光透過性の良いエポキシ樹脂またはシリコーン樹脂を用いる。接着剤は、波長変換シート106や白色LEDパッケージ102の封止樹脂の材料と同等のものを用いる。
このように、白色LEDパッケージ102の封止樹脂と、波長変換シート106と、波長変換シート106を固定する接着剤との材料を、同等のものとする。これにより、発光装置101の光取り出し率を高め、発光効率を向上させることができる。
【0026】
図5は、この実施の形態における波長変換シート106の形状の一例を示す側面視断面図である。
波長変換シート106の外側の面の形状は、平面状ではなく、例えば、複数の小さな半球面状の凸部によりほぼ隙間なく埋め尽くした形状であってもよい。
【0027】
図6は、この実施の形態における波長変換シート106の形状の別の例を示す側面視断面図である。
波長変換シート106の外側の面の凸部の形状は、半球面状ではなく、例えば、ピラミッド状であってもよい。
【0028】
図7は、この実施の形態における波長変換シート106の形状の更に別の例を示す側面視断面図である。
波長変換シート106の外側の面の形状は、複数の小さな凸部によりほぼ隙間なくおめ尽くされた形状ではなく、一つの大きな凸部を設けた形状であってもよい。
【0029】
LED開口部の上部に位置する波長変換シート106は、このように、凸部または凹凸を設ける構成としてもよい。
【0030】
図8は、この実施の形態における波長変換シート106の構成の別の例を示す側面視断面図である。
波長変換シート106は、蛍光体の他に二酸化チタンやガラスビーズなどの透過性のある粒体を含有する構成であってもよい。
【0031】
図9は、この実施の形態における発光装置101の構成の別の例を示す側面視断面図である。
波長変換シート106を固定する接着剤(接着層107)は、二酸化チタンやガラスビーズなどの透過性のある粒体を含有する構成であってもよい。
【0032】
波長変換シート106や接着層107が透過性のある粒体を含有することにより、光取り出し率や、光拡散性を向上させることができる。これにより、発光装置101の発光効率が向上する。
【0033】
なお、白色LEDパッケージ102は、例えば、日本工業規格Z9112:2004「蛍光ランプの光源色及び演色性の区分」に規定された5つの光源色(昼白色、昼光色、白色、温白色、電球色)の色度範囲に属する色度座標を有する光を放射する。白色LEDパッケージ102が放射する光の色度座標は、この色度範囲のうち、黒体軌跡の上側(y価の高い領域)であることが望ましい。
【0034】
また、波長変換シート106を装着する白色LEDパッケージ102は、高発光効率のものを用いることが望ましい。これにより、高発光効率で高演色の光を得ることができる。
【0035】
発光装置101は、長波長成分の不足を補うことにより、赤色の色再現をよくし、演色性を高めることができる。単純で安価な構成により、赤色蛍光体層による発光効率の低下を抑え、製造面や装着面での作業が容易になる。また、高発光効率と高演色性とを両立させることができる。
波長変換シート106は、透過性の被覆材である。波長変換シート106は、市販品のLEDパッケージの色温度を調整し、効率低下を抑制し、高効率かつ高演色な光源にすることができる。
波長変換シート106は、高発光効率を維持したまま、演色性の高い目標光色を得ることが可能となる。蛍光体をシート状にすることにより、後工程での色変換を可能とし、バラエティに富み、演色性の良い光源を得ることが可能となる。
【0036】
発光装置101は、光源パッケージ(白色LEDパッケージ102)と、波長変換シート106とを有する。
上記光源パッケージ(102)は、単色光源(短波長LED104)と、蛍光樹脂(蛍光体含有樹脂層105)とを有する。上記単色光源(104)は、単色光を放射する。上記蛍光樹脂(105)は、第一の蛍光体が混合された合成樹脂により形成されている。上記第一の蛍光体は、上記単色光源(104)が放射する単色光により励起されて蛍光を放射する。上記第一の蛍光体が放射する蛍光の主波長は、上記単色光源(104)が放射する単色光の主波長より長い。上記光源パッケージ(102)は、上記単色光源(104)が放射する単色光と上記第一の蛍光体が放射する蛍光との混合による擬似白色光を放射する。
上記波長変換シート106は、第二の蛍光体108が混合された合成樹脂(バインド樹脂109)により形成されている。波長変換シート106は、上記光源パッケージ(102)が上記擬似白色光を放射する方向に位置する。上記第二の蛍光体108は、上記単色光源(104)が放射する単色光により励起されて蛍光を放射する。上記第二の蛍光体108が放射する蛍光の主波長は、上記第一の蛍光体が放射する蛍光の主波長より長い。
【0037】
上記波長変換シート106の合成樹脂(109)は、上記蛍光樹脂(105)の合成樹脂と同一の材料である。
【0038】
上記発光装置101は、更に、接着剤(接着層107)を有する。
上記接着剤(107)は、上記光源パッケージ(102)の蛍光樹脂(105)の合成樹脂または上記波長変換シート106の合成樹脂(109)と同一の材料により形成されている。接着剤(107)は、上記波長変換シート106を上記光源パッケージ(102)の蛍光樹脂に密着させて固定する。
【0039】
上記波長変換シート106は、更に、第三の蛍光体を含む。上記第三の蛍光体は、上記単色光源(104)が放射する単色光により励起されて蛍光を放射する。上記第三の蛍光体が放射する蛍光の主波長は、上記単色光源(104)が放射する単色光の主波長よりも長く、上記第一の蛍光体が放射する蛍光の主波長よりも短い。
【0040】
上記第二の蛍光体108は、ユーロピウム付活アルカリ土類窒化物を含む。
【0041】
実施の形態2.
実施の形態2について、図10〜図14を用いて説明する。
なお、実施の形態1と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0042】
図10は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示す斜視図である。
図11は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示すA−A断面図である。
【0043】
波長変換シート106の形状は、白色LEDパッケージ102の開口部を平面的に覆う形状ではなく、キャップ状である。波長変換シート106は、接着層107において固定するのではなく、白色LEDパッケージ102の開口部に被せて取り付ける。
【0044】
このように、波長変換シート106の形状をキャップ状にすることにより白色LEDパッケージ102に固定する構成の場合、波長変換シート106の高さは、白色LEDパッケージ102の基板から開口部方向の高さにおいて、キャップの方が白色LEDパッケージ102より1mm程度小さい寸法とする。これにより、波長変換シート106が白色LEDパッケージ102の電極部に触れるのを防ぐ。
シリコーンは、シロキサン結合を主とした樹脂であるため、電極部の熱によりトラッキングが起こることがある。電極部に波長変換シートが触れないようにすることにより、トラッキングを防ぐことができる。
【0045】
波長変換シート106がこのような形状であることにより、波長変換シート106と白色LEDパッケージ102との間の密着性を高め、発光効率を向上させることができる。また、波長変換シート106を白色LEDパッケージ102に取り付け易い。
【0046】
図12は、この実施の形態における波長変換シート106の形状の一例を示す側面視断面図である。
波長変換シート106は、白色LEDパッケージ102の開口部の正面に当たる位置の外側に、半球状の凸部がある構成であってもよい。
【0047】
図13は、この実施の形態における波長変換シート106の形状の別の例を示す側面視断面図である。
波長変換シート106は、全体として半球状で、白色LEDパッケージ102と嵌合する形状の窪みを有する構成であってもよい。
【0048】
図14は、この実施の形態における波長変換シート106の形状の更に別の例を示す側面視断面図である。
波長変換シート106は、半球状の部分を有し、その下から直接、白色LEDパッケージ102と嵌合する部分を設ける構成であってもよい。
【0049】
波長変換シート106は、実施の形態1と同様、LED開口部の上部に、凸部または凹凸を設ける構成としてもよい。これにより、発光装置101の光取り出し率を高め、発光効率を向上させることができる。
【0050】
また、実施の形態1と同様、波長変換シート106は、拡散フィラーや、ガラスビーズ、二酸化チタンのような透過性がある粒体を内部に含有する構成であってもよい。あるいは、波長変換シートを固定する接着剤(接着層107)の中に、拡散フィラーや透過性がある粒体を含有させる構成であってもよい。これにより、発光効率を高めることができる。
【0051】
上記波長変換シート106は、上記光源パッケージ(102)と嵌合することにより固定される形状である。
波長変換シート106の形状は、キャップ状に限らず、白色LEDパッケージ102と嵌合することにより白色LEDパッケージ102に固定される形状であれば、他の形状であってもよい。
【0052】
実施の形態3.
実施の形態3について、図15〜図17を用いて説明する。
なお、実施の形態1及び実施の形態2と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0053】
図15は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示す分解斜視図である。
図16は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示す全体斜視図である。
【0054】
白色LEDパッケージ102は、短波長LED104の中心が1本の直線を通るよう、ライン状に並んでいる。枠110は、セラミックやエポキシ樹脂、アクリル樹脂などで形成される。枠110は、白色LEDパッケージ102の開口部を波長変換シート106が覆う形状である。枠110は、ライン状の基板に接着剤などで固定される。
【0055】
図17は、この実施の形態における枠110の構成の一例を示す分解斜視図である。
【0056】
波長変換シート106は、一枚の長方形である。波長変換シート106は、ライン光源の全白色LEDパッケージ102を覆う。枠110は、白色LEDパッケージ102の開口部程度の寸法の穴を有する。2枚の枠110が、波長変換シート106を挟み込む。
このように、1つの白色LEDパッケージ102に対応して、波長変換シート106が1つずつあるのではなく、複数の白色LEDパッケージ102に対応して、1つの波長変換シート106がある構成であってもよい。
【0057】
これにより、波長変換シート106が劣化した場合や、発光装置101の光色を変更する場合など、波長変換シート106を交換する際のメンテナンスが容易になる。また、波長変換シート106は、例えば、1m×50mのロール状や30cm×30cmの平面上に樹脂を成型して、裁断することにより、製造できる。このため、一つ一つの白色LEDパッケージ102に対して裁断、加工するよりも、加工費の面で安価になる。
【0058】
上記発光装置101は、上記光源パッケージ(102)を複数有する。
上記波長変換シート106は、1つの波長変換シート106が、複数の上記光源パッケージ(102)それぞれが上記擬似白色光を放射する方向全体を覆う。
【0059】
実施の形態4.
実施の形態4について、図18〜図20を用いて説明する。
なお、実施の形態1と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0060】
図18は、この実施の形態における枠110の構成の一例を示す斜視図である。
図19は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示す斜視図である。
図20は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示す側面視断面図である。
【0061】
波長変換シート106は、ライン状に並べた白色LEDパッケージの複数の開口部全てを覆う。枠110は、波長変換シート106を支える。
これにより、波長変換シート106は、白色LEDパッケージ102の開口部のサイズに左右されない。
【0062】
実施の形態5.
実施の形態5について、図21を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態4と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0063】
図21は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示す側面視斜視図である。
【0064】
波長変換シート106の膜厚は、例えば200μmである。波長変換シート106に含まれる蛍光体は、例えば、ユーロピウム付活アルカリ土類窒化物蛍光体である。
白色LEDパッケージ102は、LED素子実装部103を有する。短波長LED104は、LED素子実装部103内に設けられる。蛍光体含有樹脂層105は、短波長LED104を覆う。蛍光体含有樹脂層105は、透過性が高い。波長変換シート106は、蛍光体含有樹脂層105の上部に密着して取り付けられる。波長変換シート106は、シリコーン樹脂で形成されている。波長変換シート106は、シリコーンの粘着力により、蛍光体含有樹脂層105に固定されている。
【0065】
白色LEDパッケージ102が放射する光の相関色温度は、例えば6500K[ケルビン]である。白色LEDパッケージ102の上部の開口面に、波長変換シート106を装着することにより、相関色温度が例えば5000Kの白色光を得る。
【0066】
波長変換シート106は、単一種類または二種類の蛍光体を含む。蛍光体の含有量は、5wt%以下である。蛍光体は、例えば、ピーク波長が620〜640nm程度の橙〜赤色の蛍光を放射するユーロピウム付活アルカリ土類窒化物蛍光体である。
波長変換シート106の材料は、例えばシリコーンである。シリコーンは、無色で光透過性に優れ、耐熱性、耐薬品性、自己潤滑性、対摩擦性に優れている。シリコーンの粘度は、例えば450〜700Pである。
光源に用いる白色LEDパッケージ102の封止樹脂は、例えばシリコーンなど、波長変換シート106の材料と同じである。
波長変換シート106に含まれる蛍光体の平均粒径(D50)は、例えば6〜10μmである。
【0067】
波長変換シート106(波長変換部材)は、例えば、次のようにして製造する。
まず、上記シリコーン樹脂とシリケート系の蛍光体とを、上記所定量混合してシート型に流し込む。次に、シート型を水平に保ち十分に時間が経過するまで待つ。その後、シート型を加熱してシリコーン樹脂を硬化させる。
【0068】
次に、動作について説明する。
発光装置101において、短波長LED104は、光を発する。蛍光体含有樹脂層105は、短波長LED104が発した光によって励起し、異なる分光波長の光を放出する。白色LEDパッケージ102は、短波長LED104が発する光と、蛍光体含有樹脂層5が発する光との合成光を放射する。波長変換シート106は、合成光の短波長成分光によって励起し、ピーク波長620〜640nm程度の長波長光を発する。発光装置101は、この3つの発光要素が発した光の合成光を放射する。これにより、白色LEDパッケージ102と比べて、低色温度で、演色性が高く、発光効率の高い白色光を得ることができる。
【0069】
このように、200μmの膜厚のシリコーンシートに蛍光体を含有させた波長変換シート106を、白色LEDパッケージ102に装着することにより、例えば、平均演色評価数80以上、発光効率80lm/Wの光を得ることができる。
【0070】
実施の形態6.
実施の形態6について、図22〜図24を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態5と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0071】
図22は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示す分解斜視図である。
図23は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示す側面視断面図である。
【0072】
波長変換シート106は、白色LEDパッケージ102の開口部に対応した部分に、開口部よりも面積の小さい穴113を有する。
波長変換シート106は、シリコーンの粘着力などにより、白色LEDパッケージ102の上部にほぼ密着して取り付けられる。波長変換シート106には、白色LEDパッケージ102の開口部に対応する部分(例えば中央部)に、穴113が設けられている。LED光111は、白色LEDパッケージ102が放射した光のうち、穴113を通った光である。LED光111は、波長変換されず、白色LEDパッケージ102が放射したそのままの光である。波長変換光112は、白色LEDパッケージ102が放射した光のうち、波長変換シート106を通った光である。波長変換光112は、波長変換されている。白色LEDパッケージ102は、LED光111と波長変換光112との混色により、所定の色の光を放射する。
【0073】
図24は、この実施の形態における波長変換シート106の構成の別の例を示す平面図である。
この例に示したように、穴113の大きさは、大きくてもよいし、小さくてもよい。また、穴の数は、1つでもよいし、複数でもよい。
このように、波長変換シート106の穴113の大きさや数を変えることにより、波長変換シート106に対する穴113の面積割合を変えると、LED光111と波長変換光112との混合割合が変化する。これにより、様々な光色を容易に得ることができる。
このように、穴113そのものの大きさを変えることにより、波長変換シート106に対する穴113の面積を変化させて、所定の光色を得る。
あるいは、穴113そのものの大きさは変えずに、穴113の数を変えることにより、波長変換シート106に対する穴113の面積を変化させて、所定の光色を得る。
【0074】
なお、波長変換シート106に穴113を設ける代わりに、蛍光体の含有量が他の部分と比較して少ない(もしくは蛍光体を含有しない無色透明の)部分(低変換部)を設ける構成としてもよい。以下説明する実施の形態も、同様である。
【0075】
上記波長変換シート106は、上記光源パッケージ(102)が擬似白色光を放射する方向の一部に、開口穴113を有する。
【0076】
上記波長変換シート106は、上記光源パッケージ(102)が擬似白色光を放射する方向の一部に、低変換部を有する。上記低変換部は、上記第二の蛍光体108の含有量が、0または上記低変換部以外の部分より少ない。
【0077】
実施の形態7.
実施の形態7について、図25〜図26を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態6と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0078】
図25は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示す斜視図である。
図26は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示すA−A断面図である。
穴113は、白色LEDパッケージ102内の短波長LED104の直上ではなく、白色LEDパッケージ102内の蛍光体を含む樹脂部分(蛍光体含有樹脂層105のうち下に短波長LED104がない部分)の真上に設ける。
【0079】
これにより、短波長LED104からの青色光を効率よく波長変換することができ、蛍光体含有樹脂層105からの黄色味の強い光をそのまま放出させることができる。このため、色変換の効率が高くなる。
【0080】
これに対し、白色LEDパッケージ102内の短波長LED104の真上に穴113部分が来るように波長変換シート106を配置すると、青みが強く黄色味を抑えた光色になる。すなわち、波長変換シート106の面積に対する穴113の面積が同等であっても、異なる光色を得ることができる。
【0081】
実施の形態8.
実施の形態8について、図27〜図29を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態7と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0082】
図27は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示す分解斜視図である。
【0083】
発光装置101は、複数の白色LEDパッケージ102を有するラインモジュールと、複数の穴113を設けた波長変換シート106とを有する。
波長変換シート106は、白色LEDパッケージ102の直上に被せられる。波長変換シート106は、白色LEDパッケージ102の開口部に対応した部分に、開口部よりも面積が小さい穴113を有する。
これにより、発光装置101は、波長変換シート106を通ったLED光と、穴113部分を通ったLED光とが混色した光を出射するので、元のLED光とは異なる光色を得ることができる。
【0084】
図28は、この実施の形態における波長変換シート106の構成の別の例を示す斜視図である。
波長変換シート106は、1つの開口部に対して1つの穴ではなく、1つの開口部に対して複数の小さな穴113を有する構成であってもよい。
【0085】
図29は、この実施の形態における波長変換シート106の構成の更に別の例を示す斜視図である。
波長変換シート106(及び穴113)は、LED光が出る白色LEDパッケージ102の開口部の直上に対応する位置のみを覆う構成であってもよい。枠114は、それぞれの白色LEDパッケージ102に対応する波長変換シート106を固定する。
必要な部分のみに波長変換シート106を適用することにより、波長変換のための蛍光体の使用量を減らすことができ、コストを低減させることができる。
【0086】
上記発光装置101は、上記光源パッケージ(102)を複数有する。発光装置101は、上記波長変換シート106を複数有する。発光装置101は、更に、枠体(枠114)を有する。
上記枠体(114)は、複数の上記光源パッケージ(102)それぞれが上記擬似白色光を放射する方向に、複数の上記波長変換シート106それぞれが配置されるよう、複数の上記波長変換シート106を支持する。
【0087】
実施の形態9.
実施の形態9について、図30〜図31を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態8と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0088】
図30は、この実施の形態における照明装置100の構成の一例を示す斜視図である。
照明装置100は、例えば、ダウンライト型照明である。照明装置100は、ダウンライト筺体115と、ダウンライト光源部(発光装置)と、点灯装置(図示せず)とを有する。ダウンライト光源部は、1以上の白色LEDパッケージと波長変換シート106とを有する。波長変換シート106は、白色LEDパッケージ102の直上を覆うように設けられている。点灯装置は、白色LEDパッケージ102を点灯する。
【0089】
図31は、この実施の形態における波長変換シート106の構成のいくつかの例を示す斜視図である。
波長変換シート106は、1以上の穴113を有する。穴113は、白色LEDパッケージ102の開口部よりも小さい面積である。白色LEDパッケージ102が放射した光には、波長変換シート106を通って波長変換される光と、穴113をそのまま通る光とがある。照明装置100は、2つの光の混色により、異なる色の光を得る。また、穴113の面積や位置を調節することにより、波長変換光とLED光との割合を代えて、所定の色の光を得ることができる。
【0090】
波長変換シート106は、1枚の波長変換シート106に複数の穴113を設ける構成であってもよい。
あるいは、白色LEDパッケージ102ごとに波長変換シート106(及び穴113)を設ける構成であってもよい。その場合、例えば、枠114を用いて、波長変換シート106が白色LEDパッケージ102の開口部の直上を覆う位置に固定する。これにより、波長変換材料(蛍光体)の量を少なくできるので、安価で所定の色を得ることができる。
【0091】
照明装置100は、発光装置101と、上記発光装置101の単色光源(104)を点灯する点灯装置とを有する。
【0092】
実施の形態10.
実施の形態10について、図32〜図33を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態9と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0093】
図32は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示す分解平面図である。
図33は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示す平面図である。
【0094】
発光装置101は、複数の白色LEDパッケージ102(LED光源)を有する。波長変換シート106は、1以上の穴113を有する。穴113は、すべての白色LEDパッケージ102に対応する位置にある必要はなく、対応する穴113がない白色LEDパッケージ102があってもよい。
また、穴113の大きさや数は、対応する白色LEDパッケージ102ごとに異なっていてもよい。
【0095】
例えば、一列に並んだ複数の白色LEDパッケージ102に対して、対応する穴113の面積が段階的に変化するよう構成する。これにより、2つの光の混合による光の色が位置により変化するので、グラデーション状の効果を得ることができる。
発光装置101は、例えば、サイン光源などに利用する照明装置に用いることができる。
【符号の説明】
【0096】
100 照明装置、101 発光装置、102 白色LEDパッケージ、103 LED素子実装部、104 短波長LED、105 蛍光体含有樹脂層、106 波長変換シート、107 接着層、108 蛍光体、109 バインド樹脂、110,114 枠、111 LED光、112 波長変換光、113 穴、115 ダウンライト筺体。
【技術分野】
【0001】
この発明は、発光ダイオード(LED)などの光源を用いた発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDなどの光源が放射する単色光と、蛍光体が放射する蛍光とを混合することにより、擬似白色光を得る技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−267632号公報
【特許文献2】特開2007−116133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術により得られる擬似白色光は、演色性が低い場合がある。また、演色性を高めようとすると、発光効率が犠牲になる場合や、構成が複雑になり製造コストが高くなる場合がある。
この発明は、例えば上記のような課題を解決するためになされたものであり、簡単な構成で、高い発光効率を維持したまま、演色性の高い光を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明にかかる発光装置は、光源パッケージと、波長変換シートとを有し、
上記光源パッケージは、単色光源と、蛍光樹脂とを有し、上記単色光源は、単色光を放射し、上記蛍光樹脂は、第一の蛍光体が混合された合成樹脂により形成され、上記第一の蛍光体は、上記単色光源が放射する単色光により励起されて蛍光を放射し、上記第一の蛍光体が放射する蛍光の主波長は、上記単色光源が放射する単色光の主波長より長く、上記光源パッケージは、上記単色光源が放射する単色光と上記第一の蛍光体が放射する蛍光との混合による擬似白色光を放射し、
上記波長変換シートは、第二の蛍光体が混合された合成樹脂により形成され、上記光源パッケージが上記擬似白色光を放射する方向に位置し、上記第二の蛍光体は、上記単色光源が放射する単色光により励起されて蛍光を放射し、上記第二の蛍光体が放射する蛍光の主波長は、上記第一の蛍光体が放射する蛍光の主波長より長いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
この発明にかかる発光装置によれば、簡単な構成で、高い発光効率を維持したまま、演色性の高い光を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施の形態1における発光装置101の構成の一例を示す斜視図。
【図2】実施の形態1における発光装置101の構成の一例を示すA−A断面図。
【図3】実施の形態1における白色LEDパッケージ102が放射する光と、発光装置101が放射する光との分光放射分布の一例を示すグラフ図。
【図4】実施の形態1における波長変換シート106の構造の一例を示す側面視一部拡大断面図。
【図5】実施の形態1における波長変換シート106の形状の一例を示す側面視断面図。
【図6】実施の形態1における波長変換シート106の形状の別の例を示す側面視断面図。
【図7】実施の形態1における波長変換シート106の形状の更に別の例を示す側面視断面図。
【図8】実施の形態1における波長変換シート106の構成の別の例を示す側面視断面図。
【図9】実施の形態1における発光装置101の構成の別の例を示す側面視断面図。
【図10】実施の形態2における発光装置101の構成の一例を示す斜視図。
【図11】実施の形態2における発光装置101の構成の一例を示すA−A断面図。
【図12】実施の形態2における波長変換シート106の形状の一例を示す側面視断面図。
【図13】実施の形態2における波長変換シート106の形状の別の例を示す側面視断面図。
【図14】実施の形態2における波長変換シート106の形状の更に別の例を示す側面視断面図。
【図15】実施の形態3における発光装置101の構成の一例を示す分解斜視図。
【図16】実施の形態3における発光装置101の構成の一例を示す全体斜視図。
【図17】実施の形態3における枠110の構成の一例を示す分解斜視図。
【図18】実施の形態4における枠110の構成の一例を示す斜視図。
【図19】実施の形態4における発光装置101の構成の一例を示す斜視図。
【図20】実施の形態4における発光装置101の構成の一例を示す側面視断面図。
【図21】実施の形態5における発光装置101の構成の一例を示す側面視斜視図。
【図22】実施の形態6における発光装置101の構成の一例を示す分解斜視図。
【図23】実施の形態6における発光装置101の構成の一例を示す側面視断面図。
【図24】実施の形態6における波長変換シート106の構成の別の例を示す平面図。
【図25】実施の形態7における発光装置101の構成の一例を示す斜視図。
【図26】実施の形態7における発光装置101の構成の一例を示すA−A断面図。
【図27】実施の形態8における発光装置101の構成の一例を示す分解斜視図。
【図28】実施の形態8における波長変換シート106の構成の別の例を示す斜視図。
【図29】実施の形態8における波長変換シート106の構成の更に別の例を示す斜視図。
【図30】実施の形態9における照明装置100の構成の一例を示す斜視図。
【図31】実施の形態9における波長変換シート106の構成のいくつかの例を示す斜視図。
【図32】実施の形態10における発光装置101の構成の一例を示す分解平面図。
【図33】実施の形態10における発光装置101の構成の一例を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
実施の形態1について、図1〜図9を用いて説明する。
【0009】
図1は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示す斜視図である。
図2は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示すA−A断面図である。
【0010】
発光装置101は、例えば、グリッド照明、ライン照明、スポットライト、ダウンライトなどの照明装置の光源部として利用される。
白色LEDパッケージ102(光源パッケージ)は、例えば市販の白色LEDパッケージである。白色LEDパッケージ102は、LED素子実装部103を有する。LED素子実装部103は、例えば円錐台状の窪みである。短波長LED104(単色光源)は、LED素子実装部103の底面中央付近に設けられている。蛍光体含有樹脂層105(蛍光樹脂)は、短波長LED104を覆い、LED素子実装部103を満たすよう設けられている。蛍光体含有樹脂層105は、透過性が高い。
波長変換シート106は、蛍光体含有樹脂層105の上部に、接着層107(接着剤)により、平面上に固定されて取り付けられている。接着層107は、透過性が高い。
【0011】
短波長LED104は、ワイヤーで電極部(図示せず)へ実装されている。LED素子実装部103は、例えばセラミック、金属、樹脂などからなる。蛍光体含有樹脂層105は、短波長LED104を封止する。蛍光体含有樹脂層105は、透光性のエポキシやシリコーンなどと、黄色蛍光体とからなる。白色LEDパッケージ102は、目標光色よりも高い色温度を有する。白色LEDパッケージ102は、高い発光効率を有する。短波長LED104は、近紫外〜青色領域の発光波長(例えば350〜470nm[ナノメートル]程度)の光を放射する。
波長変換シート106は、その上部に位置する。波長変換シート106は、単一種類または複数種類の蛍光体を含む。波長変換シート106の蛍光体は、短波長LED104の光、つまり白色LEDパッケージ102の励起光により励起され、異なる分光波長の光を発光する。
【0012】
以上のように、目標光色よりも高い色温度の高効率の白色LEDパッケージ102に対して、その励起光である短波長LED104の光によって励起する波長変換シート106を装着する。これにより、高発光効率をある程度維持したまま、演色性を高めた目標光色を得ることができる。
波長変換シート106は、薄膜厚シート状である。これにより、任意の市販の白色LEDパッケージ102に対して、色変換、高演色化、発光効率維持の効果がある。
【0013】
波長変換シート106に含まれる蛍光体として、単一種類の蛍光体を用いる場合、蛍光体は、少なくとも白色LEDパッケージ102の短波長LED104の光によって励起し、異なる分光波長の光を発光する橙〜赤色の蛍光体を用いる。赤色蛍光体の成分は、例えば、ユーロピウム付活アルカリ土類窒化物蛍光体を用いる。
同励起光により橙〜赤色の光を呈する蛍光体には、ユーロピウム付活アルカリ土類硫化物蛍光体(Ca,Sr)S:Euがある。しかし、ユーロピウム付活アルカリ土類硫化物蛍光体は、耐水性が低く、温度消光が大きく、光劣化を受けやすい。これに対し、ユーロピウム付活アルカリ土類窒化物蛍光体は、ほぼ同等の励起スペクトルや発光スペクトルを持ちながら、耐水性が高く、温度消光が小さく、光劣化を受けにくいという特性がある。このため、ユーロピウム付活アルカリ土類窒化物蛍光体を用いるほうが好ましい。
【0014】
また、波長変換シート106に含まれる蛍光体として、複数種類の蛍光体を用いる場合、上記の橙〜赤色の蛍光体に加えて、少なくとも白色LEDパッケージ102の短波長LED104の光によって励起し、異なる分光波長の光を発光する緑色〜黄色の蛍光体を用いる。
【0015】
図3は、この実施の形態における白色LEDパッケージ102が放射する光と、発光装置101が放射する光との分光放射分布の一例を示すグラフ図である。
線411は、白色LEDパッケージ102が放射する光の分光放射分布を示す。線412は、発光装置101が放射する光の分光放射分布を示す。
【0016】
このように赤味光成分が特に不足している白色LEDパッケージ102を用いた場合、橙〜赤色の蛍光体により、演色性が大きく改善される。
【0017】
また、このように緑色の波長域が大きく不足している白色LEDパッケージ102を用いた場合、緑色〜黄色の蛍光体により、この不足成分を埋めることができ、演色性を更に高めることができる。また、555nmにおいて683lm/W[ルーメン毎ワット]のピークを示す比視感度曲線には、緑色の波長域のスペクトルが多く含まれる。このため、この領域の蛍光体を用いることにより、発光効率を高めることができる。
【0018】
波長変換シート106に含まれる蛍光体は、元の白色LEDパッケージ102の不足光成分を補うような発光スペクトルを持つ単一種類または複数種類の蛍光体である。
【0019】
白色LEDパッケージ102の不足光成分を補うような発光スペクトルを持つ蛍光体を用いることにより、少量の蛍光体でも高い演色性を得ることができる。また、複数種類の蛍光体を用いる場合、上述したように例えば赤色蛍光体と、不足している緑色光成分を埋めるような緑色蛍光体を含有することにより、演色性を高める効果に加えて、赤色蛍光体のみの場合に比べて発光効率を高める効果がある。
【0020】
図4は、この実施の形態における波長変換シート106の構造の一例を示す側面視一部拡大断面図である。
【0021】
波長変換シート106のバインド樹脂109(バインド材料)には、例えばエポキシ樹脂やシリコーン樹脂など、無色で光透過性に優れる合成樹脂を用いる。例えば、粘度300〜800P[ポイズまたはポアズ](1Pは、0.1Pa・s[パスカル秒]。)のシリコーン樹脂を用いる。シリコーン樹脂は、耐熱性、耐薬品性、自己潤滑性、耐摩擦性に優れる。また、シリコーン樹脂は、エポキシ樹脂と比較しても非常に安定している物質である。
バインド樹脂109は、例えば、波長変換シート106を取り付ける白色LEDパッケージ102の蛍光体封止樹脂と同一の材料を用いる。これにより、光特性の変化があまりなく、発光効率を高めることができる。
【0022】
波長変換シート106に含まれる蛍光体108の平均粒径(D50)は、例えば5〜20μm[マイクロメートル]である。波長変換シート106の膜厚は、例えば100〜300μmである。
粒径が大きい方が一般的には発光効率が高い。しかし、透過型シートの場合、平均粒径が大きすぎると発光効率が低下する。また、平均粒径が小さすぎると蛍光体が劣化しやすくなる。このため、蛍光体108の平均粒径は、5〜20μmであることが望ましい。
【0023】
波長変換シート106に含まれる蛍光体108の含有量は、例えば平均粒径5〜20μmである場合、バインド樹脂109に対して、例えば5wt%[重量パーセント]以下である。
波長変換シート106に含まれる蛍光体108の含有量を増やしていくと、励起光を吸収する量が増え、蛍光体による発光量が多くなる。しかし、含有量が多すぎると発光効率の低下を招く。このため、蛍光体含有量は、平均粒径5〜20μmの場合、5wt%以下であることが望ましい。
【0024】
波長変換シート106は、表面実装型の白色LEDパッケージ102の開口部全域を覆うように、固定される。波長変換シート106は、例えば、接着剤により白色LEDパッケージ102に貼り付ける。
このように、波長変換シート106を白色LEDパッケージ102に固定することにより、波長変換シート106と白色LEDパッケージ102との密着性を高める。これにより、発光装置101の発光効率を向上させることができる。
【0025】
接着層107は、白色LEDパッケージ102と波長変換シート106との間にある。接着層107は、接着剤である。波長変換シート106は、白色LEDパッケージ102の開口部と波長変換シート106との間に空気層が入らないように、接着剤により固定されている。接着層107の厚みは、例えば1μm以下であることが好ましい。
波長変換シート106を固定する接着剤は、例えば、無色で光透過性の良いエポキシ樹脂またはシリコーン樹脂を用いる。接着剤は、波長変換シート106や白色LEDパッケージ102の封止樹脂の材料と同等のものを用いる。
このように、白色LEDパッケージ102の封止樹脂と、波長変換シート106と、波長変換シート106を固定する接着剤との材料を、同等のものとする。これにより、発光装置101の光取り出し率を高め、発光効率を向上させることができる。
【0026】
図5は、この実施の形態における波長変換シート106の形状の一例を示す側面視断面図である。
波長変換シート106の外側の面の形状は、平面状ではなく、例えば、複数の小さな半球面状の凸部によりほぼ隙間なく埋め尽くした形状であってもよい。
【0027】
図6は、この実施の形態における波長変換シート106の形状の別の例を示す側面視断面図である。
波長変換シート106の外側の面の凸部の形状は、半球面状ではなく、例えば、ピラミッド状であってもよい。
【0028】
図7は、この実施の形態における波長変換シート106の形状の更に別の例を示す側面視断面図である。
波長変換シート106の外側の面の形状は、複数の小さな凸部によりほぼ隙間なくおめ尽くされた形状ではなく、一つの大きな凸部を設けた形状であってもよい。
【0029】
LED開口部の上部に位置する波長変換シート106は、このように、凸部または凹凸を設ける構成としてもよい。
【0030】
図8は、この実施の形態における波長変換シート106の構成の別の例を示す側面視断面図である。
波長変換シート106は、蛍光体の他に二酸化チタンやガラスビーズなどの透過性のある粒体を含有する構成であってもよい。
【0031】
図9は、この実施の形態における発光装置101の構成の別の例を示す側面視断面図である。
波長変換シート106を固定する接着剤(接着層107)は、二酸化チタンやガラスビーズなどの透過性のある粒体を含有する構成であってもよい。
【0032】
波長変換シート106や接着層107が透過性のある粒体を含有することにより、光取り出し率や、光拡散性を向上させることができる。これにより、発光装置101の発光効率が向上する。
【0033】
なお、白色LEDパッケージ102は、例えば、日本工業規格Z9112:2004「蛍光ランプの光源色及び演色性の区分」に規定された5つの光源色(昼白色、昼光色、白色、温白色、電球色)の色度範囲に属する色度座標を有する光を放射する。白色LEDパッケージ102が放射する光の色度座標は、この色度範囲のうち、黒体軌跡の上側(y価の高い領域)であることが望ましい。
【0034】
また、波長変換シート106を装着する白色LEDパッケージ102は、高発光効率のものを用いることが望ましい。これにより、高発光効率で高演色の光を得ることができる。
【0035】
発光装置101は、長波長成分の不足を補うことにより、赤色の色再現をよくし、演色性を高めることができる。単純で安価な構成により、赤色蛍光体層による発光効率の低下を抑え、製造面や装着面での作業が容易になる。また、高発光効率と高演色性とを両立させることができる。
波長変換シート106は、透過性の被覆材である。波長変換シート106は、市販品のLEDパッケージの色温度を調整し、効率低下を抑制し、高効率かつ高演色な光源にすることができる。
波長変換シート106は、高発光効率を維持したまま、演色性の高い目標光色を得ることが可能となる。蛍光体をシート状にすることにより、後工程での色変換を可能とし、バラエティに富み、演色性の良い光源を得ることが可能となる。
【0036】
発光装置101は、光源パッケージ(白色LEDパッケージ102)と、波長変換シート106とを有する。
上記光源パッケージ(102)は、単色光源(短波長LED104)と、蛍光樹脂(蛍光体含有樹脂層105)とを有する。上記単色光源(104)は、単色光を放射する。上記蛍光樹脂(105)は、第一の蛍光体が混合された合成樹脂により形成されている。上記第一の蛍光体は、上記単色光源(104)が放射する単色光により励起されて蛍光を放射する。上記第一の蛍光体が放射する蛍光の主波長は、上記単色光源(104)が放射する単色光の主波長より長い。上記光源パッケージ(102)は、上記単色光源(104)が放射する単色光と上記第一の蛍光体が放射する蛍光との混合による擬似白色光を放射する。
上記波長変換シート106は、第二の蛍光体108が混合された合成樹脂(バインド樹脂109)により形成されている。波長変換シート106は、上記光源パッケージ(102)が上記擬似白色光を放射する方向に位置する。上記第二の蛍光体108は、上記単色光源(104)が放射する単色光により励起されて蛍光を放射する。上記第二の蛍光体108が放射する蛍光の主波長は、上記第一の蛍光体が放射する蛍光の主波長より長い。
【0037】
上記波長変換シート106の合成樹脂(109)は、上記蛍光樹脂(105)の合成樹脂と同一の材料である。
【0038】
上記発光装置101は、更に、接着剤(接着層107)を有する。
上記接着剤(107)は、上記光源パッケージ(102)の蛍光樹脂(105)の合成樹脂または上記波長変換シート106の合成樹脂(109)と同一の材料により形成されている。接着剤(107)は、上記波長変換シート106を上記光源パッケージ(102)の蛍光樹脂に密着させて固定する。
【0039】
上記波長変換シート106は、更に、第三の蛍光体を含む。上記第三の蛍光体は、上記単色光源(104)が放射する単色光により励起されて蛍光を放射する。上記第三の蛍光体が放射する蛍光の主波長は、上記単色光源(104)が放射する単色光の主波長よりも長く、上記第一の蛍光体が放射する蛍光の主波長よりも短い。
【0040】
上記第二の蛍光体108は、ユーロピウム付活アルカリ土類窒化物を含む。
【0041】
実施の形態2.
実施の形態2について、図10〜図14を用いて説明する。
なお、実施の形態1と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0042】
図10は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示す斜視図である。
図11は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示すA−A断面図である。
【0043】
波長変換シート106の形状は、白色LEDパッケージ102の開口部を平面的に覆う形状ではなく、キャップ状である。波長変換シート106は、接着層107において固定するのではなく、白色LEDパッケージ102の開口部に被せて取り付ける。
【0044】
このように、波長変換シート106の形状をキャップ状にすることにより白色LEDパッケージ102に固定する構成の場合、波長変換シート106の高さは、白色LEDパッケージ102の基板から開口部方向の高さにおいて、キャップの方が白色LEDパッケージ102より1mm程度小さい寸法とする。これにより、波長変換シート106が白色LEDパッケージ102の電極部に触れるのを防ぐ。
シリコーンは、シロキサン結合を主とした樹脂であるため、電極部の熱によりトラッキングが起こることがある。電極部に波長変換シートが触れないようにすることにより、トラッキングを防ぐことができる。
【0045】
波長変換シート106がこのような形状であることにより、波長変換シート106と白色LEDパッケージ102との間の密着性を高め、発光効率を向上させることができる。また、波長変換シート106を白色LEDパッケージ102に取り付け易い。
【0046】
図12は、この実施の形態における波長変換シート106の形状の一例を示す側面視断面図である。
波長変換シート106は、白色LEDパッケージ102の開口部の正面に当たる位置の外側に、半球状の凸部がある構成であってもよい。
【0047】
図13は、この実施の形態における波長変換シート106の形状の別の例を示す側面視断面図である。
波長変換シート106は、全体として半球状で、白色LEDパッケージ102と嵌合する形状の窪みを有する構成であってもよい。
【0048】
図14は、この実施の形態における波長変換シート106の形状の更に別の例を示す側面視断面図である。
波長変換シート106は、半球状の部分を有し、その下から直接、白色LEDパッケージ102と嵌合する部分を設ける構成であってもよい。
【0049】
波長変換シート106は、実施の形態1と同様、LED開口部の上部に、凸部または凹凸を設ける構成としてもよい。これにより、発光装置101の光取り出し率を高め、発光効率を向上させることができる。
【0050】
また、実施の形態1と同様、波長変換シート106は、拡散フィラーや、ガラスビーズ、二酸化チタンのような透過性がある粒体を内部に含有する構成であってもよい。あるいは、波長変換シートを固定する接着剤(接着層107)の中に、拡散フィラーや透過性がある粒体を含有させる構成であってもよい。これにより、発光効率を高めることができる。
【0051】
上記波長変換シート106は、上記光源パッケージ(102)と嵌合することにより固定される形状である。
波長変換シート106の形状は、キャップ状に限らず、白色LEDパッケージ102と嵌合することにより白色LEDパッケージ102に固定される形状であれば、他の形状であってもよい。
【0052】
実施の形態3.
実施の形態3について、図15〜図17を用いて説明する。
なお、実施の形態1及び実施の形態2と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0053】
図15は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示す分解斜視図である。
図16は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示す全体斜視図である。
【0054】
白色LEDパッケージ102は、短波長LED104の中心が1本の直線を通るよう、ライン状に並んでいる。枠110は、セラミックやエポキシ樹脂、アクリル樹脂などで形成される。枠110は、白色LEDパッケージ102の開口部を波長変換シート106が覆う形状である。枠110は、ライン状の基板に接着剤などで固定される。
【0055】
図17は、この実施の形態における枠110の構成の一例を示す分解斜視図である。
【0056】
波長変換シート106は、一枚の長方形である。波長変換シート106は、ライン光源の全白色LEDパッケージ102を覆う。枠110は、白色LEDパッケージ102の開口部程度の寸法の穴を有する。2枚の枠110が、波長変換シート106を挟み込む。
このように、1つの白色LEDパッケージ102に対応して、波長変換シート106が1つずつあるのではなく、複数の白色LEDパッケージ102に対応して、1つの波長変換シート106がある構成であってもよい。
【0057】
これにより、波長変換シート106が劣化した場合や、発光装置101の光色を変更する場合など、波長変換シート106を交換する際のメンテナンスが容易になる。また、波長変換シート106は、例えば、1m×50mのロール状や30cm×30cmの平面上に樹脂を成型して、裁断することにより、製造できる。このため、一つ一つの白色LEDパッケージ102に対して裁断、加工するよりも、加工費の面で安価になる。
【0058】
上記発光装置101は、上記光源パッケージ(102)を複数有する。
上記波長変換シート106は、1つの波長変換シート106が、複数の上記光源パッケージ(102)それぞれが上記擬似白色光を放射する方向全体を覆う。
【0059】
実施の形態4.
実施の形態4について、図18〜図20を用いて説明する。
なお、実施の形態1と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0060】
図18は、この実施の形態における枠110の構成の一例を示す斜視図である。
図19は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示す斜視図である。
図20は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示す側面視断面図である。
【0061】
波長変換シート106は、ライン状に並べた白色LEDパッケージの複数の開口部全てを覆う。枠110は、波長変換シート106を支える。
これにより、波長変換シート106は、白色LEDパッケージ102の開口部のサイズに左右されない。
【0062】
実施の形態5.
実施の形態5について、図21を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態4と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0063】
図21は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示す側面視斜視図である。
【0064】
波長変換シート106の膜厚は、例えば200μmである。波長変換シート106に含まれる蛍光体は、例えば、ユーロピウム付活アルカリ土類窒化物蛍光体である。
白色LEDパッケージ102は、LED素子実装部103を有する。短波長LED104は、LED素子実装部103内に設けられる。蛍光体含有樹脂層105は、短波長LED104を覆う。蛍光体含有樹脂層105は、透過性が高い。波長変換シート106は、蛍光体含有樹脂層105の上部に密着して取り付けられる。波長変換シート106は、シリコーン樹脂で形成されている。波長変換シート106は、シリコーンの粘着力により、蛍光体含有樹脂層105に固定されている。
【0065】
白色LEDパッケージ102が放射する光の相関色温度は、例えば6500K[ケルビン]である。白色LEDパッケージ102の上部の開口面に、波長変換シート106を装着することにより、相関色温度が例えば5000Kの白色光を得る。
【0066】
波長変換シート106は、単一種類または二種類の蛍光体を含む。蛍光体の含有量は、5wt%以下である。蛍光体は、例えば、ピーク波長が620〜640nm程度の橙〜赤色の蛍光を放射するユーロピウム付活アルカリ土類窒化物蛍光体である。
波長変換シート106の材料は、例えばシリコーンである。シリコーンは、無色で光透過性に優れ、耐熱性、耐薬品性、自己潤滑性、対摩擦性に優れている。シリコーンの粘度は、例えば450〜700Pである。
光源に用いる白色LEDパッケージ102の封止樹脂は、例えばシリコーンなど、波長変換シート106の材料と同じである。
波長変換シート106に含まれる蛍光体の平均粒径(D50)は、例えば6〜10μmである。
【0067】
波長変換シート106(波長変換部材)は、例えば、次のようにして製造する。
まず、上記シリコーン樹脂とシリケート系の蛍光体とを、上記所定量混合してシート型に流し込む。次に、シート型を水平に保ち十分に時間が経過するまで待つ。その後、シート型を加熱してシリコーン樹脂を硬化させる。
【0068】
次に、動作について説明する。
発光装置101において、短波長LED104は、光を発する。蛍光体含有樹脂層105は、短波長LED104が発した光によって励起し、異なる分光波長の光を放出する。白色LEDパッケージ102は、短波長LED104が発する光と、蛍光体含有樹脂層5が発する光との合成光を放射する。波長変換シート106は、合成光の短波長成分光によって励起し、ピーク波長620〜640nm程度の長波長光を発する。発光装置101は、この3つの発光要素が発した光の合成光を放射する。これにより、白色LEDパッケージ102と比べて、低色温度で、演色性が高く、発光効率の高い白色光を得ることができる。
【0069】
このように、200μmの膜厚のシリコーンシートに蛍光体を含有させた波長変換シート106を、白色LEDパッケージ102に装着することにより、例えば、平均演色評価数80以上、発光効率80lm/Wの光を得ることができる。
【0070】
実施の形態6.
実施の形態6について、図22〜図24を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態5と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0071】
図22は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示す分解斜視図である。
図23は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示す側面視断面図である。
【0072】
波長変換シート106は、白色LEDパッケージ102の開口部に対応した部分に、開口部よりも面積の小さい穴113を有する。
波長変換シート106は、シリコーンの粘着力などにより、白色LEDパッケージ102の上部にほぼ密着して取り付けられる。波長変換シート106には、白色LEDパッケージ102の開口部に対応する部分(例えば中央部)に、穴113が設けられている。LED光111は、白色LEDパッケージ102が放射した光のうち、穴113を通った光である。LED光111は、波長変換されず、白色LEDパッケージ102が放射したそのままの光である。波長変換光112は、白色LEDパッケージ102が放射した光のうち、波長変換シート106を通った光である。波長変換光112は、波長変換されている。白色LEDパッケージ102は、LED光111と波長変換光112との混色により、所定の色の光を放射する。
【0073】
図24は、この実施の形態における波長変換シート106の構成の別の例を示す平面図である。
この例に示したように、穴113の大きさは、大きくてもよいし、小さくてもよい。また、穴の数は、1つでもよいし、複数でもよい。
このように、波長変換シート106の穴113の大きさや数を変えることにより、波長変換シート106に対する穴113の面積割合を変えると、LED光111と波長変換光112との混合割合が変化する。これにより、様々な光色を容易に得ることができる。
このように、穴113そのものの大きさを変えることにより、波長変換シート106に対する穴113の面積を変化させて、所定の光色を得る。
あるいは、穴113そのものの大きさは変えずに、穴113の数を変えることにより、波長変換シート106に対する穴113の面積を変化させて、所定の光色を得る。
【0074】
なお、波長変換シート106に穴113を設ける代わりに、蛍光体の含有量が他の部分と比較して少ない(もしくは蛍光体を含有しない無色透明の)部分(低変換部)を設ける構成としてもよい。以下説明する実施の形態も、同様である。
【0075】
上記波長変換シート106は、上記光源パッケージ(102)が擬似白色光を放射する方向の一部に、開口穴113を有する。
【0076】
上記波長変換シート106は、上記光源パッケージ(102)が擬似白色光を放射する方向の一部に、低変換部を有する。上記低変換部は、上記第二の蛍光体108の含有量が、0または上記低変換部以外の部分より少ない。
【0077】
実施の形態7.
実施の形態7について、図25〜図26を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態6と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0078】
図25は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示す斜視図である。
図26は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示すA−A断面図である。
穴113は、白色LEDパッケージ102内の短波長LED104の直上ではなく、白色LEDパッケージ102内の蛍光体を含む樹脂部分(蛍光体含有樹脂層105のうち下に短波長LED104がない部分)の真上に設ける。
【0079】
これにより、短波長LED104からの青色光を効率よく波長変換することができ、蛍光体含有樹脂層105からの黄色味の強い光をそのまま放出させることができる。このため、色変換の効率が高くなる。
【0080】
これに対し、白色LEDパッケージ102内の短波長LED104の真上に穴113部分が来るように波長変換シート106を配置すると、青みが強く黄色味を抑えた光色になる。すなわち、波長変換シート106の面積に対する穴113の面積が同等であっても、異なる光色を得ることができる。
【0081】
実施の形態8.
実施の形態8について、図27〜図29を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態7と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0082】
図27は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示す分解斜視図である。
【0083】
発光装置101は、複数の白色LEDパッケージ102を有するラインモジュールと、複数の穴113を設けた波長変換シート106とを有する。
波長変換シート106は、白色LEDパッケージ102の直上に被せられる。波長変換シート106は、白色LEDパッケージ102の開口部に対応した部分に、開口部よりも面積が小さい穴113を有する。
これにより、発光装置101は、波長変換シート106を通ったLED光と、穴113部分を通ったLED光とが混色した光を出射するので、元のLED光とは異なる光色を得ることができる。
【0084】
図28は、この実施の形態における波長変換シート106の構成の別の例を示す斜視図である。
波長変換シート106は、1つの開口部に対して1つの穴ではなく、1つの開口部に対して複数の小さな穴113を有する構成であってもよい。
【0085】
図29は、この実施の形態における波長変換シート106の構成の更に別の例を示す斜視図である。
波長変換シート106(及び穴113)は、LED光が出る白色LEDパッケージ102の開口部の直上に対応する位置のみを覆う構成であってもよい。枠114は、それぞれの白色LEDパッケージ102に対応する波長変換シート106を固定する。
必要な部分のみに波長変換シート106を適用することにより、波長変換のための蛍光体の使用量を減らすことができ、コストを低減させることができる。
【0086】
上記発光装置101は、上記光源パッケージ(102)を複数有する。発光装置101は、上記波長変換シート106を複数有する。発光装置101は、更に、枠体(枠114)を有する。
上記枠体(114)は、複数の上記光源パッケージ(102)それぞれが上記擬似白色光を放射する方向に、複数の上記波長変換シート106それぞれが配置されるよう、複数の上記波長変換シート106を支持する。
【0087】
実施の形態9.
実施の形態9について、図30〜図31を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態8と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0088】
図30は、この実施の形態における照明装置100の構成の一例を示す斜視図である。
照明装置100は、例えば、ダウンライト型照明である。照明装置100は、ダウンライト筺体115と、ダウンライト光源部(発光装置)と、点灯装置(図示せず)とを有する。ダウンライト光源部は、1以上の白色LEDパッケージと波長変換シート106とを有する。波長変換シート106は、白色LEDパッケージ102の直上を覆うように設けられている。点灯装置は、白色LEDパッケージ102を点灯する。
【0089】
図31は、この実施の形態における波長変換シート106の構成のいくつかの例を示す斜視図である。
波長変換シート106は、1以上の穴113を有する。穴113は、白色LEDパッケージ102の開口部よりも小さい面積である。白色LEDパッケージ102が放射した光には、波長変換シート106を通って波長変換される光と、穴113をそのまま通る光とがある。照明装置100は、2つの光の混色により、異なる色の光を得る。また、穴113の面積や位置を調節することにより、波長変換光とLED光との割合を代えて、所定の色の光を得ることができる。
【0090】
波長変換シート106は、1枚の波長変換シート106に複数の穴113を設ける構成であってもよい。
あるいは、白色LEDパッケージ102ごとに波長変換シート106(及び穴113)を設ける構成であってもよい。その場合、例えば、枠114を用いて、波長変換シート106が白色LEDパッケージ102の開口部の直上を覆う位置に固定する。これにより、波長変換材料(蛍光体)の量を少なくできるので、安価で所定の色を得ることができる。
【0091】
照明装置100は、発光装置101と、上記発光装置101の単色光源(104)を点灯する点灯装置とを有する。
【0092】
実施の形態10.
実施の形態10について、図32〜図33を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態9と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0093】
図32は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示す分解平面図である。
図33は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示す平面図である。
【0094】
発光装置101は、複数の白色LEDパッケージ102(LED光源)を有する。波長変換シート106は、1以上の穴113を有する。穴113は、すべての白色LEDパッケージ102に対応する位置にある必要はなく、対応する穴113がない白色LEDパッケージ102があってもよい。
また、穴113の大きさや数は、対応する白色LEDパッケージ102ごとに異なっていてもよい。
【0095】
例えば、一列に並んだ複数の白色LEDパッケージ102に対して、対応する穴113の面積が段階的に変化するよう構成する。これにより、2つの光の混合による光の色が位置により変化するので、グラデーション状の効果を得ることができる。
発光装置101は、例えば、サイン光源などに利用する照明装置に用いることができる。
【符号の説明】
【0096】
100 照明装置、101 発光装置、102 白色LEDパッケージ、103 LED素子実装部、104 短波長LED、105 蛍光体含有樹脂層、106 波長変換シート、107 接着層、108 蛍光体、109 バインド樹脂、110,114 枠、111 LED光、112 波長変換光、113 穴、115 ダウンライト筺体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源パッケージと、波長変換シートとを有し、
上記光源パッケージは、単色光源と、蛍光樹脂とを有し、上記単色光源は、単色光を放射し、上記蛍光樹脂は、第一の蛍光体が混合された合成樹脂により形成され、上記第一の蛍光体は、上記単色光源が放射する単色光により励起されて蛍光を放射し、上記第一の蛍光体が放射する蛍光の主波長は、上記単色光源が放射する単色光の主波長より長く、上記光源パッケージは、上記単色光源が放射する単色光と上記第一の蛍光体が放射する蛍光との混合による擬似白色光を放射し、
上記波長変換シートは、第二の蛍光体が混合された合成樹脂により形成され、上記光源パッケージが上記擬似白色光を放射する方向に位置し、上記第二の蛍光体は、上記単色光源が放射する単色光により励起されて蛍光を放射し、上記第二の蛍光体が放射する蛍光の主波長は、上記第一の蛍光体が放射する蛍光の主波長より長いことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
上記波長変換シートは、上記光源パッケージが擬似白色光を放射する方向の一部に、開口穴を有することを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
上記波長変換シートは、上記光源パッケージが擬似白色光を放射する方向の一部に、低変換部を有し、上記低変換部は、上記第二の蛍光体の含有量が、0または上記低変換部以外の部分より少ないことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
上記波長変換シートの合成樹脂は、上記蛍光樹脂の合成樹脂と同一の材料であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発光装置。
【請求項5】
上記発光装置は、更に、接着剤を有し、
上記接着剤は、上記光源パッケージの蛍光樹脂の合成樹脂または上記波長変換シートの合成樹脂と同一の材料により形成され、上記波長変換シートを上記光源パッケージの蛍光樹脂に密着させて固定することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の発光装置。
【請求項6】
上記波長変換シートは、上記光源パッケージと嵌合することにより固定される形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の発光装置。
【請求項7】
上記発光装置は、上記光源パッケージを複数有し、
上記波長変換シートは、1つの波長変換シートが、複数の上記光源パッケージそれぞれが上記擬似白色光を放射する方向全体を覆うことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の発光装置。
【請求項8】
上記発光装置は、上記光源パッケージを複数有し、上記波長変換シートを複数有し、更に、枠体を有し、
上記枠体は、複数の上記光源パッケージそれぞれが上記擬似白色光を放射する方向に、複数の上記波長変換シートそれぞれが配置されるよう、複数の上記波長変換シートを支持することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の発光装置。
【請求項9】
上記波長変換シートは、更に、第三の蛍光体を含み、上記第三の蛍光体は、上記単色光源が放射する単色光により励起されて蛍光を放射し、上記第三の蛍光体が放射する蛍光の主波長は、上記単色光源が放射する単色光の主波長よりも長く、上記第一の蛍光体が放射する蛍光の主波長よりも短いことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の発光装置。
【請求項10】
上記第二の蛍光体は、ユーロピウム付活アルカリ土類窒化物を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の発光装置。
【請求項11】
単色光源と蛍光樹脂とを有する光源パッケージに装着する波長変換シートにおいて、
第二の蛍光体が混合された合成樹脂により形成され、
上記第二の蛍光体は、上記単色光源が放射する単色光により励起されて蛍光を放射し、上記第二の蛍光体が放射する蛍光の主波長は、上記蛍光樹脂に混合された第一の蛍光体が放射する蛍光の主波長より長いことを特徴とする波長変換シート。
【請求項12】
請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の発光装置と、上記発光装置の単色光源を点灯する点灯装置とを有することを特徴とする照明装置。
【請求項1】
光源パッケージと、波長変換シートとを有し、
上記光源パッケージは、単色光源と、蛍光樹脂とを有し、上記単色光源は、単色光を放射し、上記蛍光樹脂は、第一の蛍光体が混合された合成樹脂により形成され、上記第一の蛍光体は、上記単色光源が放射する単色光により励起されて蛍光を放射し、上記第一の蛍光体が放射する蛍光の主波長は、上記単色光源が放射する単色光の主波長より長く、上記光源パッケージは、上記単色光源が放射する単色光と上記第一の蛍光体が放射する蛍光との混合による擬似白色光を放射し、
上記波長変換シートは、第二の蛍光体が混合された合成樹脂により形成され、上記光源パッケージが上記擬似白色光を放射する方向に位置し、上記第二の蛍光体は、上記単色光源が放射する単色光により励起されて蛍光を放射し、上記第二の蛍光体が放射する蛍光の主波長は、上記第一の蛍光体が放射する蛍光の主波長より長いことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
上記波長変換シートは、上記光源パッケージが擬似白色光を放射する方向の一部に、開口穴を有することを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
上記波長変換シートは、上記光源パッケージが擬似白色光を放射する方向の一部に、低変換部を有し、上記低変換部は、上記第二の蛍光体の含有量が、0または上記低変換部以外の部分より少ないことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
上記波長変換シートの合成樹脂は、上記蛍光樹脂の合成樹脂と同一の材料であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発光装置。
【請求項5】
上記発光装置は、更に、接着剤を有し、
上記接着剤は、上記光源パッケージの蛍光樹脂の合成樹脂または上記波長変換シートの合成樹脂と同一の材料により形成され、上記波長変換シートを上記光源パッケージの蛍光樹脂に密着させて固定することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の発光装置。
【請求項6】
上記波長変換シートは、上記光源パッケージと嵌合することにより固定される形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の発光装置。
【請求項7】
上記発光装置は、上記光源パッケージを複数有し、
上記波長変換シートは、1つの波長変換シートが、複数の上記光源パッケージそれぞれが上記擬似白色光を放射する方向全体を覆うことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の発光装置。
【請求項8】
上記発光装置は、上記光源パッケージを複数有し、上記波長変換シートを複数有し、更に、枠体を有し、
上記枠体は、複数の上記光源パッケージそれぞれが上記擬似白色光を放射する方向に、複数の上記波長変換シートそれぞれが配置されるよう、複数の上記波長変換シートを支持することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の発光装置。
【請求項9】
上記波長変換シートは、更に、第三の蛍光体を含み、上記第三の蛍光体は、上記単色光源が放射する単色光により励起されて蛍光を放射し、上記第三の蛍光体が放射する蛍光の主波長は、上記単色光源が放射する単色光の主波長よりも長く、上記第一の蛍光体が放射する蛍光の主波長よりも短いことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の発光装置。
【請求項10】
上記第二の蛍光体は、ユーロピウム付活アルカリ土類窒化物を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の発光装置。
【請求項11】
単色光源と蛍光樹脂とを有する光源パッケージに装着する波長変換シートにおいて、
第二の蛍光体が混合された合成樹脂により形成され、
上記第二の蛍光体は、上記単色光源が放射する単色光により励起されて蛍光を放射し、上記第二の蛍光体が放射する蛍光の主波長は、上記蛍光樹脂に混合された第一の蛍光体が放射する蛍光の主波長より長いことを特徴とする波長変換シート。
【請求項12】
請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の発光装置と、上記発光装置の単色光源を点灯する点灯装置とを有することを特徴とする照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【公開番号】特開2011−249573(P2011−249573A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−121518(P2010−121518)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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