説明

発光装置及び電子機器

両面表示が可能であり、かつ容積の小さい、モジュールとして用いることの可能な発光装置を提供することを課題とする。
EL素子等を代表とする発光素子を画素部に用い、1枚の発光装置に画素部を2箇所設ける。第1の画素部においては、発光素子の対向電極側からのみ光を出射する構成とする。第2の画素部においては、発光素子の画素電極側からのみ光を出射する構成とする。つまり、第1の画素部と第2の画素部とでは、出射方向が表裏逆となる構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、発光素子を備えた発光装置、特に、そのような発光装置を備えた携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistance)等の携帯情報端末に関する。
【背景技術】
近年、発光装置として、液晶素子を用いた画素を有する液晶ディスプレイ(LCD)に代わり、エレクトロルミネッセンス(EL)素子等を代表とする発光素子を用いた発光装置の研究開発が進められている。これらの発光装置は、発光型ゆえの高画質、広視野角、バックライトを必要としないことによる薄型、軽量等の利点を活かして、携帯電話機の表示画面やディスプレイ装置として幅広い利用が期待されている。
また、携帯情報端末においては、その使用目的の多角化によって高付加価値が求められ、最近では、通常の表示面の裏側にサブ表示面を設けたものが提供されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
本来の表示面に加え、サブ表示面を設けた携帯情報端末は、バックライト等を含むモジュールが占める容積に加え、それらを駆動するコントロールIC等を実装した基板等が占める容積も無視できないものになる。特に最近提供されている携帯情報端末は、軽薄短小化が著しく、高付加価値化とのトレードオフとなっている。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、両面表示が可能であり、かつ容積の小さい、モジュールとして用いることの可能な発光装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、本発明においては以下のような手段を講じた。
EL素子等を代表とする発光素子を画素部に用い、1枚の発光装置に画素部を2箇所異なる位置に設ける。第1の画素部においては、発光素子の対向電極側からのみ光を出射する構成とする。第2の画素部においては、発光素子の画素電極側からのみ光を出射する構成とする。つまり、第1の画素部と第2の画素部とでは、出射方向が表裏逆となる構成とする。
使用者は通常、同時に両面を見ることはないため、用途に応じて表示面を選択出来るようにしても良い。例えば、発光素子に供給する電流経路のいずれかにスイッチ素子を設け、第1の画素部の発光を用いる際には、第2の画素部への電流の供給が遮断され、第2の画素部の発光を用いる際には、第1の画素部への電流の供給が遮断されるような構成としても良い。その場合には、第1の画素部を動作させる第1の駆動部と、第2の画素部を動作させる第2の駆動部と、第1の駆動部および第2の駆動部にそれぞれ信号および電圧を供給する配線とを有する発光装置において、第1の駆動部および第2の駆動部に信号および電圧を供給する配線の一部または全てを共通とし、前記第1の画素部または前記第2の画素部のいずれか一方を動作させる手段を設けて、外部で切り替えるような構成にしてもよい。
本発明の構成を以下に記す。
本発明の発光装置は、
パネル基板上に複数の第1の画素がマトリクス状に配置された第1の画素部を有し、
前記パネル基板上に前記第1の画素部とは異なる位置に、複数の第2の画素がマトリクス状に配置された第2の画素部を有し、
前記第1の画素部は、前記パネル基板の裏面から前記基板の表面に向かう方向に、前記パネル基板の表面から光を発する第1の発光素子を有する前記複数の第1の画素を有し、
前記第2の画素部は、前記パネル基板の表面から前記パネル基板の裏面に向かう方向に、前記パネル基板の裏面から光を発する第2の発光素子を有する前記複数の第2の画素を有することを特徴としている。
本発明の発光装置において
前記第1の発光素子は第1の画素電極と、第1の電界発光層と、第1の対向電極を有し、
前記第1の画素部は前記第1の対向電極側から光を出射し
前記第2の発光素子は第2の画素電極と、第2の電界発光層と、第2の対向電極を有し、
前記第2の画素部は前記第2の画素電極側から光を出射することを特徴としている。
本発明の発光装置において
前記第1の発光素子および前記第2の発光素子から出射する光の方向は、
反射膜の有無によって決定されることを特徴としている。
本発明の発光装置において
前記第1の画素部を動作させる第1の駆動部と、
前記第2の画素部を動作させる第2の駆動部と、
前記第1の駆動部及び前記第2の駆動部にそれぞれ信号および電圧を供給する配線の一部または全てを共通とし、
前記第1の画素部または前記第2の画素部のいずれか一方を動作する手段を有することを特徴としている。
本発明の発光装置において
前記発光装置を電子機器に用いることを特徴としている。
【発明の効果】
本発明は、上記構成によって、両面表示が可能であり、かつ薄型で軽量の発光装置を提供することが可能となる。また、動作する画素部によって駆動するのに必要な信号および電圧を切り替える、もしくは共有化することで、入力信号数を削減できる。
本発明は、発光素子としてエレクトロルミネッセンス素子を用いた発光装置だけでなく、その他の発光装置などについても適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
図1は、実施形態1の発光装置の画素部の構成を示す断面図である。
図2は、実施形態2の発光装置の画素部の構成を示す断面図である。
図3は、実施形態3の発光装置の画素部の構成を示す断面図である。
図4は、実施形態4の発光装置の画素部の構成を示す断面図である。
図5は、発光装置の画素部の構成を示す回路図である。
図6は、実施例1に示す本発明の発光装置であるパネル基板の構成を示す図である。
図7は、実施例1に示す本発明の発光装置であるパネル基板を用いた携帯電話機の図である。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明の実施形態について、以下に説明する。
(実施の形態1)
本発明の一実施形態を図1に示す。図1は画素部が2箇所設けられた1枚の発光装置の第1の画素部と第2の画素部の断面図である。第1の画素部においては、発光素子の対向電極側からのみ光を出射する構成とし、第2の画素部においては、発光素子の画素電極側からのみ光を出射する構成とする。つまり、第1の画素部と第2の画素部とでは、出射方向が表裏逆となる構成となっている。
図1(A)は第1の画素部における1画素の断面図を、図1(B)は第2の画素部における1画素の断面図を表す。また第1の画素部および第2の画素部における1画素の回路図の1例を図5に表す。
なお、ここではスイッチ素子や駆動素子として、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor(TFT))を用いているが、特に限定はしない。例えば、MOSトランジスタ、有機トランジスタ、分子トランジスタ等が挙げられるが、いずれも同様に用いて良い。
図5において、900は画素、901はスイッチングTFT、902は駆動TFT、903は発光素子である。また、Aはアノード線、Cはカソード線、Gはゲート線、Sはソース線である。
図1(A)において、1000は基板であり、点線枠1010で囲まれた領域が駆動TFTであり、直接、もしくは他の回路素子を通して発光素子1011に電流を供給する。発光素子1011は画素電極1012、電界発光層1001、対向電極1002が積層している個所であり、発光方向1014で表された向きに発光する。このとき画素電極1012はアルミニウム等の反射膜で形成されており、発光素子1011は発光方向1014とは逆の方向に光を発することはない。なお、画素電極1012は、反射膜および反射膜の上に透明導電膜を積層した構造にしてもよい。電界発光層1001より上方に積層されている対向電極1002はITO等の透明導電膜、保護膜1004は窒化炭素膜等の透過膜で形成されている。また1003は有機樹脂膜である。
図1(B)において、点線枠1020で囲まれた領域が駆動TFTであり、直接、もしくは他の回路素子を通して発光素子1021に電流を供給する。発光素子1021は画素電極1022、電界発光層1001、対向電極1002が積層している個所であり、発光方向1024で表された向きに発光する。画素電極1022は、透明導電膜で形成されており、画素電極1022の下方に形成されている膜、および基板1000は光を透過する材料で形成されている。また反射膜1005は保護膜1004の上に成膜されており、発光素子1021から発光方向1024とは逆の方向に発せられた光を反射する役割を果たす。また1003は有機樹脂膜である。
図1(A)および図1(B)において電界発光層1001は同一層としたが、異なる材料で電界発光層を形成してもよいし、画素ごとに異なる材料で電界発光層を形成してもよい。
図1(A)および図1(B)において保護膜1004は同一層としたが、異なる材料で保護膜を形成してもよい。
また、電界発光層1001としては、低分子材料、高分子材料、中分子材料のいずれの材料であってもよい。
なお、実際には図1まで完成したら、さらに外気に曝されないように気密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(ラミネートフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)や透光性のカバー材でパッケージング(封入)することが好ましい。
(実施の形態2)
本発明の一実施形態を図2に示す。図2は画素部が2箇所設けられた1枚の発光装置の第1の画素部と第2の画素部の断面図である。第1の画素部においては、発光素子の対向電極側からのみ光を出射する構成とし、第2の画素部においては、発光素子の画素電極側からのみ光を出射する構成とする。つまり、第1の画素部と第2の画素部とでは、出射方向が表裏逆となる構成となっている。
図2(A)は第1の画素部における1画素の断面図を、図2(B)は第2の画素部における1画素の断面図を表す。また第1の画素部および第2の画素部における1画素の回路図の1例を図5に表す。
図5において、900は画素、901はスイッチングTFT、902は駆動TFT、903は発光素子である。また、Aはアノード線、Cはカソード線、Gはゲート線、Sはソース線である。
図2(A)において、2000は基板であり、点線枠2010で囲まれた領域が駆動TFTであり、直接、もしくは他の回路素子を通して発光素子2011に電流を供給する。発光素子2011は画素電極2012、電界発光層2001、対向電極2013が積層している個所であり、発光方向2014で表された向きに発光する。このとき画素電極2012はアルミニウム等の反射膜で形成されており、発光素子2011発光方向2014とは逆の方向に光を発することはない。なお、画素電極2012は、反射膜および反射膜の上に透明導電膜を積層した構造にしてもよい。また、電界発光層2001より上方に積層されている対向電極2013は透明導電膜、保護膜2004は窒化炭素膜等の透過膜で形成されている。また2003は有機樹脂膜である。
図2(B)において、点線枠2020で囲まれた領域が駆動TFTであり、直接、もしくは他の回路素子を通して発光素子2021に電流を供給する。発光素子2021は画素電極2022、電界発光層2001、対向電極2023が積層している個所であり、発光方向2024で表された向きに発光する。このとき対向電極2023はアルミニウム等の反射膜で形成されており、発光方向2024とは逆の方向に光を発することはない。また、画素電極2022は透明導電膜で形成されており、画素電極2022の下方に形成されている膜、および基板2000は光を透過する材料で形成されている。また2003は有機樹脂膜である。
図2(A)および図2(B)において電界発光層2001は同一層としたが、異なる材料で電界発光層を形成してもよいし、画素ごとに異なる材料で電界発光層を形成してもよい。
図2(A)および図2(B)において保護膜2004は同一層としたが、異なる材料で保護膜を形成してもよい。
図2(A)および図2(B)において対向電極2013と対向電極2023は異なる層であるが、電気的に接続されていてもよい。
また、電界発光層2003としては、低分子材料、高分子材料、中分子材料のいずれの材料であってもよい。
なお、実際には図2まで完成したら、さらに外気に曝されないように気密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(ラミネートフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)や透光性のカバー材でパッケージング(封入)することが好ましい。
(実施の形態3)
本発明の一実施形態を図3に示す。図3は画素部が2箇所設けられた1枚の発光装置の第1の画素部と第2の画素部の断面図である。第1の画素部においては、発光素子の対向電極側からのみ光を出射する構成とし、第2の画素部においては、発光素子の画素電極側からのみ光を出射する構成とする。つまり、第1の画素部と第2の画素部とでは、出射方向が表裏逆となる構成となっている。
図3(A)は第1の画素部における1画素の断面図を、図3(B)は第2の画素部における1画素の断面図を表す。また第1の画素部および第2の画素部における1画素の回路図の1例を図5に表す。
図5において、900は画素、901はスイッチングTFT、902は駆動TFT、903は発光素子である。また、Aはアノード線、Cはカソード線、Gはゲート線、Sはソース線である。
図3(A)において、3000は基板であり、点線枠3010で囲まれた領域が駆動TFTであり、直接、もしくは他の回路素子を通して発光素子3011に電流を供給する。発光素子3011は画素電極3012、電界発光層3001、対向電極3002が積層している個所であり、発光方向3014で表された向きに発光する。このとき画素電極3012はアルミニウム等の反射膜で形成されており、発光素子3011は発光方向3014とは逆の方向に光を発することはない。なお、画素電極3012は、反射膜および反射膜の上に透明導電膜を積層した構造にしてもよい。電界発光層3001より上方に積層されている対向電極3002は透明導電膜、保護膜3004は窒化炭素膜等の透過膜、カラーフィルタ3006はカラーレジスト等で形成されている。カラーフィルタ3006の材料を画素ごと異なる材料を用いれば、画素ごとに異なる色で発光することが可能である。また3003は有機樹脂膜である。
図3(B)において、点線枠3020で囲まれた領域が駆動TFTであり、直接、もしくは他の回路素子を通して発光素子3021に電流を供給する。なお図3(B)中の駆動TFT3020はLDD領域を有している。発光素子3021は画素電極3022、電界発光層3001、対向電極3002が積層している個所であり、発光方向3024で表された向きに発光する。画素電極3022は透明導電膜で形成されており、画素電極3022の下方に形成されている膜、および基板3000は光を透過する材料で形成されている。また反射膜3005は保護膜3004の上に成膜されており、発光素子3021から発光方向3024とは逆の方向に発せられた光を反射する役割を果たす。また3003は有機樹脂膜である。
図3(A)および図3(B)において保護膜3004は同一層としたが、異なる材料で保護膜を形成してもよい。
図3(A)および図3(B)において電界発光層3001は同一層としたが、異なる材料で電界発光層を形成してもよいし、画素ごとに異なる材料で電界発光層を形成してもよい。
カラーフィルタ3006は画素ごとに異なる材料を用いてもよい。
また、電界発光層3001としては、低分子材料、高分子材料、中分子材料のいずれの材料であってもよい。
なお、実際には図3まで完成したら、さらに外気に曝されないように気密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(ラミネートフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)や透光性のカバー材でパッケージング(封入)することが好ましい。
(実施の形態4)
本発明の一実施形態を図4に示す。図4は画素部が2箇所設けられた1枚の発光装置の第1の画素部と第2の画素部の断面図である。第1の画素部においては、発光素子の対向電極側からのみ光を出射する構成とし、第2の画素部においては、発光素子の画素電極側からのみ光を出射する構成とする。つまり、第1の画素部と第2の画素部とでは、出射方向が表裏逆となる構成となっている。
図4(A)は第1の画素部における1画素の断面図を、図4(B)は第2の画素部における1画素の断面図を表す。また第1の画素部および第2の画素部における1画素の回路図の1例を図5に表す。
なお、ここではスイッチ素子や駆動素子として、薄膜トランジスタ(TFT)を用いているが、特に限定はしない。例えば、MOSトランジスタ、有機トランジスタ、分子トランジスタ等が挙げられるが、いずれも同様に用いて良い。
図5において、900は画素、901はスイッチングTFT、902は駆動TFT、903は発光素子である。また、Aはアノード線、Cはカソード線、Gはゲート線、Sはソース線である。
図4(A)において、4000は基板であり、点線枠4010で囲まれた領域が駆動TFTであり、直接、もしくは他の回路素子を通して発光素子4011に電流を供給する。発光素子4011は画素電極4012、電界発光層4001、対向電極4002が積層している個所であり、発光方向4014で表された向きに発光する。このとき画素電極4012は透明導電膜で形成されているが、発光方向4014とは逆の方向に光を発しても、反射膜4015で反射するため、基板4000の下側から光が出ることはない。また、電界発光層4001より上方に積層されている対向電極4002は透明導電膜、保護膜4004は窒化炭素膜等の透過膜で形成されている。なお4003は有機樹脂膜である。
図4(B)において、点線枠4020で囲まれた領域が駆動TFTであり、直接、もしくは他の回路素子を通して発光素子4021に電流を供給する。発光素子4021は画素電極4022、電界発光層4001、対向電極4002が積層している個所であり、発光方向4024で表された向きに発光する。画素電極4022は透明導電膜で形成されており、画素電極4022の下方に形成されている膜、および基板4000は光を透過する材料で形成されている。また反射膜4025は保護膜4004の上に成膜されており、発光素子4021から発光方向4024とは逆の方向に発せられた光を反射する役割を果たす。なお4003は有機樹脂膜である。
図4(A)および図4(B)において電界発光層4001は同一層としたが、異なる材料で電界発光層を形成してもよいし、画素ごとに異なる材料で電界発光層を形成してもよい。
図4(A)および図4(B)において保護膜4004は同一層としたが、異なる材料で保護膜を形成してもよい。
また、電界発光層4001としては、低分子材料、高分子材料、中分子材料のいずれの材料であってもよい。
なお、実際には図4まで完成したら、さらに外気に曝されないように気密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(ラミネートフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)や透光性のカバー材でパッケージング(封入)することが好ましい。
【実施例】
以下に、本発明の実施例について記載する。
【実施例1】
本発明の発光装置の一部であるパネル基板について説明する。
図6(A)は、基板6000を下側、対向基板6002を上側にしたときのパネル基板の上面図であり、図6(B)はパネル基板を横から見たときの図である。基板6000上に第1の画素部6010と、第1の画素部6010とは異なる位置に第2の画素部6020とが設けられている。第1の画素部6010の発光方向は6013、第2の画素部6020の発光方向は6023であり、発光方向が表裏逆となる構成とする。
第1の画素部6010には複数の第1の画素がマトリクス状に配置され、第2の画素部6020には複数の第2の画素がマトリクス状に配置されている。第1の画素及び第2の画素それぞれの構造は、実施の形態1〜4に示すとおりである。
FPC6003が接着されている部分を除き、基板6000表面とシール材6001と対向基板6002とによって囲まれた空間は、充填材で密封されている。
第1の画素部6010には、ソース信号線駆動回路6011、ゲート信号線駆動回路6012a、6012bが接続されており、第1の画素部6010を発光させるのに必要な信号を供給している。
第2の画素部6020には、ソース信号線駆動回路6021、ゲート信号線駆動回路6022a、6022bが接続されており、第2の画素部6020を発光させるのに必要な信号を供給している。
本実施例では、第1の画素部6010および第2の画素部6020を動作させるため、それぞれにソース信号線駆動回路とゲート信号線駆動回路を設けたが、第1の画素部6010および第2の画素部6020共通のソース信号線駆動回路とゲート信号線駆動回路を設けてもよい。
パネル基板にはFPC6003を通して、ソース信号線駆動回路6011、6021、およびゲート信号線駆動回路6012a、6012b、6022a、6022bを駆動させるのに必要な信号および電圧・電流が供給される。FPC6003から、第1の画素部6010、第2の画素部6020、ソース信号線駆動回路6011、6021、ゲート線駆動回路6012a、6012b、6022a、6022bに信号および電圧を供給する配線は、必要に応じて共有化することで、本数を削減できる。ここで、駆動回路に信号を供給する配線を信号線といい、駆動回路に電圧を供給する配線を電源線という。
第1の画素部6010を動作させるときのみ、ソース信号線駆動回路6011、およびゲート信号線駆動回路6012a、6012bを駆動させるのに必要な信号および電圧・電流が供給されればよいし、第2の画素部6020を動作させるときのみ、ソース信号線駆動回路6021、およびゲート信号線駆動回路6022a、6022bを駆動させるのに必要な信号および電圧・電流が供給されればよい。
第1の画素部6010と第2の画素部6020が同時に動作することがない構成とするならば、第1の画素部を動作させるソース信号線駆動回路6011および第2の画素部を動作させるソース信号線駆動回路6021に信号および電圧を供給する配線の一部もしくはすべてを共通のものとし、且つ前記第1の画素部または前記第2の画素部のいずれか一方を動作させる手段を設けて、外部で切り替えるような構成にしてもよい。また第1の画素部を動作させるゲート信号線駆動回路6012a、6012b、および第2の画素部を動作させるゲート信号線駆動回路6022aおよび6022bに信号および電圧を供給する配線の一部もしくはすべてを共通のものとし、且つ前記第1の画素部または前記第2の画素部のいずれか一方を動作させる手段を設けて、外部で切り替えるような構成にしてもよい。
また第1の画素部6010で表示される画像の一部を第2の画素部6020で表示する構成とするならば、映像信号を供給する配線をソース信号線駆動回路6011およびソース信号線駆動回路6021とで共通のものとしてもよい。
図7は本パネル基板を電子機器、例えば折り畳み式携帯電話機に使用した時の1例である。
図7の折り畳み式携帯電話機は、第1の筐体6100と第2の筐体6200から構成される。
第1の筐体6100は、スピーカー6101、表示コントローラ6102、及び本実施例のパネル基板を有している。なお6000は基板、6002は対向基板を示している。
第2の筐体6200は、アンテナ6201、マイクロホン6202、本体駆動用モジュール6203、操作ボタンモジュール6204およびバッテリー6205を有している。
図7(A)は折り畳み式携帯電話機を開いた状態を表しており、使用者は第1の画素部6010に映し出された画像を見ることができる。
図7(B)は折り畳み式携帯電話機を閉じた状態を表しており、使用者は第2の画素部6020のに映し出された画像を見ることができる。このとき、第1の画素部6010を使用者は見ることができないので、第1の画素部6010に画像を表示する必要はない。
図7(C)は折り畳み式携帯電話機を開いた状態における断面図を表しており、第1の画素部6010の発光方向は6013、第2の画素部6020の発光方向は6023である。
【産業上の利用可能性】
以上のように、本発明によって、発光素子を備えた発光装置、特に、そのような発光装置を備えた携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistance)等の携帯情報端末について、両面表示が可能であり、かつ薄型で軽量の発光装置を提供することが可能となる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に複数の第1の画素がマトリクス状に配置された第1の画素部を有し、
前記基板上に前記第1の画素部とは異なる位置に、複数の第2の画素がマトリクス状に配置された第2の画素部を有し、
前記複数の第1の画素のそれぞれは第1の発光素子を有し、
前記複数の第2の画素のそれぞれは、第2の発光素子を有し、
前記第1の発光素子と前記第2の発光素子が発光する方向が表裏逆であることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
請求の範囲第1項において、
前記第1の発光素子は第1の画素電極と、第1の電界発光層と、第1の対向電極を有し、
前記第1の画素部は前記第1の対向電極側から光を出射し、
前記第2の発光素子は第2の画素電極と、第2の電界発光層と、第2の対向電極を有し、
前記第2の画素部は前記第2の画素電極側から光を出射することを特徴とする発光装置。
【請求項3】
請求の範囲第1項において、
前記第1の発光素子および前記第2の発光素子から出射する光の方向は、
反射膜の有無によって決定されることを特徴とする発光装置。
【請求項4】
請求の範囲第1項において、
前記第1の画素部を動作させる第1の駆動部と、
前記第2の画素部を動作させる第2の駆動部と、前記第1の駆動部および前記第2の駆動部にそれぞれ信号及び電圧を供給する配線の一部または全てを共通とし、
前記第1の画素部または前記第2の画素部のいずれか一方を動作させる手段を有することを特徴とする発光装置。
【請求項5】
請求の範囲第1項に記載の発光装置を用いることを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求の範囲第5項に記載の電子機器は携帯電話機であることを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求の範囲第5項に記載の電子機器はPersonal Digital Assistance(PDA)であることを特徴とする電子機器。
【請求項8】
基板上に複数の第1の画素がマトリクス状に配置された第1の画素部を有し、
前記基板上に前記第1の画素部とは異なる位置に、複数の第2の画素がマトリクス状に配置された第2の画素部を有し、
前記複数の第1の画素のそれぞれは、前記基板の裏面から前記基板の表面に向かう方向に、前記基板の表面から光を発する第1の発光素子を有し、
前記複数の第2の画素のそれぞれは、前記基板の表面から前記基板の裏面に向かう方向に、前記基板の裏面から光を発する第2の発光素子を有することを特徴とする発光装置。
【請求項9】
請求の範囲第8項において、
前記第1の発光素子は第1の画素電極と、第1の電界発光層と、第1の対向電極を有し、
前記第1の画素部は前記第1の対向電極側から光を出射し、
前記第2の発光素子は第2の画素電極と、第2の電界発光層と、第2の対向電極を有し、
前記第2の画素部は前記第2の画素電極側から光を出射することを特徴とする発光装置。
【請求項10】
請求の範囲第8項において、
前記第1の発光素子および前記第2の発光素子から出射する光の方向は、
反射膜の有無によって決定されることを特徴とする発光装置。
【請求項11】
請求の範囲第8項において、
前記第1の画素部を動作させる第1の駆動部と、
前記第2の画素部を動作させる第2の駆動部と、前記第1の駆動部および前記第2の駆動部にそれぞれ信号及び電圧を供給する配線の一部または全てを共通とし、
前記第1の画素部または前記第2の画素部のいずれか一方を動作させる手段を有することを特徴とする発光装置。
【請求項12】
請求の範囲第8項に記載の発光装置を用いることを特徴とする電子機器。
【請求項13】
請求の範囲第12項に記載の電子機器は携帯電話機であることを特徴とする電子機器。
【請求項14】
請求の範囲第12項に記載の電子機器はPersonal Digital Assistance(PDA)であることを特徴とする電子機器。

【国際公開番号】WO2004/055763
【国際公開日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【発行日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−560612(P2004−560612)
【国際出願番号】PCT/JP2003/015705
【国際出願日】平成15年12月9日(2003.12.9)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】