説明

発光装置

【課題】信頼性を考慮しつつ部品点数を低減させた発光装置を実現すること。
【解決手段】発光装置は、複数のリード端子11、パッケージ12および発光素子13を含んでいる。発光装置は、複数のボンディングワイヤ14をさらに含んでいる。パッケージ12は、複数のリード端子11の上に設けられており、一体形成されているとともに、下側凸部、上側凹部および複数の貫通孔を有している。下側凸部は、複数のリード端子11の間に位置している。上側凹部は、複数のリード端子11の上方に位置している。複数の貫通孔は、上側凹部および複数のリード端子11の間に設けられている。発光素子13は、上側凹部の底面に設けられている。複数のボンディングワイヤ14は、複数の貫通孔の内側を通っており、発光素子13および複数のリード端子11に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば発光ダイオードなどの発光素子を有する発光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば発光ダイオードなどの発光素子を有する発光装置の開発が進められている。発光素子を有する発光装置は、消費電力または製品寿命に関して注目されている。特に、例えば住宅用照明分野などにおいて、発光素子を有する発光装置の普及が望まれている。
【特許文献1】特開2007−295007号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
発光素子を有する発光装置において、さらなる普及を目的として、コストの低減が求められている。コストを低減させるためには、信頼性を考慮しつつ、部品点数をさらに低減させる必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一つの態様によれば、発光装置は、複数のリード端子、パッケージおよび発光素子を含んでいる。発光装置は、複数のボンディングワイヤをさらに含んでいる。パッケージは、複数のリード端子の上に設けられており、一体形成されているとともに、下側凸部、上側凹部および複数の貫通孔を有している。下側凸部は、複数のリード端子の間に位置している。上側凹部は、複数のリード端子の上方に位置している。複数の貫通孔は、上側凹部および複数のリード端子の間に設けられている。発光素子は、上側凹部の底面に設けられている。複数のボンディングワイヤは、複数の貫通孔の内側を通っており、発光素子および複数のリード端子に接続されている。
【発明の効果】
【0005】
本発明の一つの態様によれば、発光装置は、下側凸部、上側凹部および複数の貫通孔を有するパッケージを含んでいる。パッケージは、複数のリード端子の上に設けられており、一体形成されている。下側凸部は、複数のリード端子の間に位置している。上側凹部は、複数のリード端子の上方に位置している。複数の貫通孔は、上側凹部および複数のリード端子の間に設けられている。発光装置は、このような構成を有していることにより、信頼性を考慮しつつ、部品点数に関して低減されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の例示的な実施形態について図面を参照して説明する。
【0007】
図1から図3までに示されているように、本発明の一つの実施形態における発光装置は、複数のリード端子11、パッケージ12および発光素子13を有している。発光装置は、複数のボンディングワイヤ14、封入層15および波長変換部材16をさらに有している。図1から図3までにおいて、発光装置は、仮想のxyz空間におけるxy平面に実装されている。図1および図3において、上方向とは、仮想のz軸の正方向のことをいう。図1および図3において、下方向とは、仮想のz軸の負方向のことをいう。図1および図2において、発光装置の一部分の構成は、発光装置の内部構造を示すために、省略されている。
【0008】
複数のリード端子11は、互いに平行に配置されており、互いに離間されている。例示的な複数のリード端子11は、銅(Cu)を含んでいる。複数のリード端子11は、接合部材によって、パッケージ12に接合されている。例示的な接合部材は、シリコーン樹脂を含む接着剤である。他の例示的な接合部材は、アクリル樹脂を含む接着剤である。
【0009】
パッケージ12は、複数のリード端子11の上に設けられている。パッケージ12は、下側凸部121、上側凹部122および複数の貫通孔123を有している。
【0010】
下側凸部121は、複数のリード端子11の間に位置している。下側凸部121とは、図4に示されているように、パッケージ12の複数のリード端子11が接合された表面124より仮想のz軸の負方向へ突出している部分のことをいう。図3において、複数のリード端子11は、パッケージ12の構造を示すために、点線によって示されている。下側突出部121は、複数のリード端子11に平行に設けられている。
【0011】
再び図1から図3までを参照して、上側凹部122は、底面125および側面126を有している。側面126は、発光素子13を囲んでおり、傾斜している。上側凹部122は、複数のリード端子の上方に位置している。上側凹部12とは、パッケージ12の上端より仮想のz軸の負方向へ凹んでいる部分のことをいう。
【0012】
複数の貫通孔123は、上側凹部122および複数のリード端子11の間に設けられている。さらに具体的に、複数の貫通孔123は、パッケージ12の表面124および上側凹部122の底面125の間に設けられている。
【0013】
例示的なパッケージ12は、実質的にポーラス状のセラミックスからなる。上側凹部122の底面125および側面126は、実質的にポーラス状のセラミックスからなる。従って、本実施形態の発光装置は、例えば発光素子13から放射された光の反射特性に関して改善されている。パッケージ12は一体的に形成されている。従って、本実施形態の発光装置は、強度に関して改善されている。
【0014】
発光素子13は、上側凹部122の底面125に設けられている。発光素子13は、複数の貫通孔123の間に設けられている。例示的な発光素子13は、半導体材料を含んでいる発光ダイオードである。発光素子13は、駆動電力に応じて第1次光を放射する。第1次光は、紫外領域に含まれる波長を有している。
【0015】
複数のボンディングワイヤ14は、複数の貫通孔123の内側を通っている。複数のボンディングワイヤ14は、複数のリード端子11および発光素子13に接続されている。
【0016】
封入層15は、上側凹部122の内側に設けられており、発光素子13および複数のボンディングワイヤ14に付着している。例示的な封入層15は、シリコーン樹脂を含んでいる。
【0017】
波長変換部材16は、上側凹部126の上端部に設けられている。波長変換部材16は、発光素子13および封入層15を覆っている。波長変換部材16は、封入層15の上面から離間されている。波長変換部材16は、発光素子13から放射された第1次光に応じて第2次光を放射する。波長変換部材16は、マトリクス部材および複数の蛍光粒子を含んでいる。例示的なマトリクス部材は、シリコーン樹脂である。複数の蛍光粒子は、発光素子から放射された第1次光によって励起される。
【0018】
本実施形態の発光装置は、パッケージ12を含んでいることにより、信頼性を考慮しつつ、部品点数が低減されている。従って、発光装置は、コストに関して低減されている。
【0019】
以下、他の例示的なリード端子11について図5を参照して説明する。他の例示的なリード端子11は、凸部112を有している。凸部112は、貫通孔123の内側に挿入されている。リード端子11が凸部112を有していることにより、リード端子11およびパッケージ12を接合している接合部材17がリード端子11およびボンディングワイヤ14の接続部分に這い上がる可能性が低減されている。従って、発光装置は、信頼性に関して改善されている。
【0020】
以下、他の例示的なリード端子11について図6を参照して説明する。他の例示的なリード端子11は、凸部112に設けられた溝部分114を有している。溝部分114は、凸部112の外側側面に設けられている。接合部材17が溝部分114に入り込んでいる。リード端子11が溝部分114を有していることにより、リード端子11およびパッケージ12を接合している接合部材17がリード端子11およびボンディングワイヤ14の接続部分に這い上がる可能性が低減されている。従って、発光装置は、信頼性に関して改善されている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一つの実施形態における発光装置の斜視図を示している。
【図2】図1に示された発光装置の平面図を示している。
【図3】図2に示された発光装置のIII−IIIにおける断面図を示している。
【図4】図1に示された発光装置の下面図を示している。
【図5】他の例示的なリード端子11を示している。
【図6】他の例示的なリード端子11を示している。
【符号の説明】
【0022】
11 リード端子
12 パッケージ
13 発光素子
14 ボンディングワイヤ
15 封入層
16 波長変換部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリード端子と、
前記複数のリード端子の上に接合されており、一体形成されているとともに、下側凸部、上側凹部および複数の貫通孔を有しており、前記下側凸部が前記複数のリード端子の間に位置しており、前記上側凹部が前記複数のリード端子の上方に位置しており、前記複数の貫通孔が前記上側凹部および前記複数のリード端子の間に設けられている、パッケージと、
前記上側凹部の底面に設けられた発光素子と、
前記複数の貫通孔の内側を通っており、前記発光素子および前記複数のリード端子に接続された複数のボンディングワイヤと、
を備えた発光装置。
【請求項2】
前記複数のリード端子の各々は、前記貫通孔の内側に挿入された凸部を有していることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項3】
前記リード端子の各々は、前記凸部に設けられており接合部材が入り込んだ溝部分を有していることを特徴とする請求項2記載の発光装置。
【請求項4】
前記凹部の表面部分が、ポーラス状のセラミックスからなることを特徴とする請求項1記載の発光装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−129713(P2010−129713A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−301865(P2008−301865)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】