説明

発光装置

【課題】発光素子から放射状に照射された光の波長変換の効率を向上させること。
【解決手段】基体11、基体11上に実装された発光素子12、および、蛍光材料を含む発光部材13を有している。発光素子12は、半導体材料からなり、第1の光を発生する。発光部材13は、第1の部分13−1および第2の部分13−2を有している。第1の部分13−1は、発光素子12を囲んでおり、上方に向かって広がっている。第2の部分13−2は、第1の部分13−1上に位置しており、発光素子12を覆っている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば発光ダイオードなどの発光素子を有する発光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の発光装置として、例えば下記特許文献1に示されたように、発光素子の上方に設けられた波長変換部材を有するものがある。発光素子によって発生された光は、リフレクタによって発光素子の上方に位置する波長変換部材に到達する。
【0003】
近年、例えば照明器具などにおいて、照度の向上が求められている。発光装置においては、発光素子によって発生された光の波長変換の効率が求められている。
【特許文献1】特開2004−54375号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の発光装置においては、発光素子によって発生された光の一部分が、リフレクタの内側表面および基板の表面において吸収されて、波長変換の効率において課題があった。このように、従来の発光装置においては、発光素子の表面全体から放射された光における波長変換の効率を向上させる必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の発光装置は、基体、基体上に実装された発光素子、および、蛍光材料を含む発光部材を有している。発光素子は、半導体材料からなり、第1の光を発生する。発光部材は、第1の部分および第2の部分を有している。第1の部分は、発光素子を囲んでおり、上方に向かって広がっている。第2の部分は、第1の部分上に位置しており、発光素子を覆っている。
【発明の効果】
【0006】
本発明の発光装置は、発光素子を囲んでおり上方に向かって広がっている第1の部分と、第1の部分上に位置しており発光素子を覆っている第2の部分とを有する発光部材を備えている。本発明の発光装置は、このような構成により、発光素子の表面から放射状に照射された光の波長変換の効率が向上されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1−図3に示されたように、本実施の形態の発光装置は、基体11と、基体11上に実装された発光素子12と、発光素子12の側面12sおよび上端12tを囲んでいる発光部材13とを有している。図2は、図1に示された発光装置において、発光部材13の一部分を省略して示している。
【0008】
基体11は、セラミックスなどの絶縁材料からなる。発光素子12は、基体11上に実装されており、第1の光を発生する。第1の光は、370nmから400nm(紫外)の波長範囲の少なくとも一部、または、420nmから440nm(青色)の波長範囲の少なくとも一部を有するものである。発光素子12は、半導体材料からなる発光ダイオードである。発光ダイオードの例としては、基板上に形成されたp型のGaN層、GaN活性層およびn型のGaN層を有するものがある。発光ダイオード素子の他の例としては、AlNからなるものがある。
【0009】
発光部材13は、発光素子12によって発生された第1の光に励起されて第2の光を放射する蛍光材料を有している。第2の光は、第1の光の第1の波長より長い第2の波長を有している。発光部材13は、第1の波長を第2の波長に変換する。発光部材13は、蛍光材料を含有している透光性樹脂からなる。本実施の形態において、樹脂の透光性とは、発光素子12によって発生された第1の光の波長の少なくとも一部が透過することをいう。
【0010】
図3に示されたように、発光部材13は、第1の部分13−1および第2の部分13−2を有している。第1の部分13−1は、発光素子12を囲んでいる。本実施の形態において、発光素子12を囲んでいるとは、発光部材13が発光素子12の少なくとも側面12sの周囲に位置することをいう。第1の部分13−1は、上方に向かって広がっている開口を有している。第1の部分の内側表面は、基体11の上面11uとの間に90°より大きく180°より小さい角度αを有している。第1の部分13−1の外側表面は、基体11の上面11uとの間に、0°より大きく90°より小さい角度βを有している。第2の部分13−2は、第1の部分13−1上に位置している。第2の部分13−2は、発光素子12を覆っている。本実施の形態において、発光素子12を覆っているとは、発光部材13が発光素子12の少なくとも上端12tを囲んでいることをいう。本実施の形態の発光装置は、発光部材13の第2の部分13−2を有していることにより、発光素子12から放射状に照射された光の波長変換の効率が向上されている。
【0011】
発光部材13は、曲面の外形状を有している。発光部材13の外形状は、球の一部分である。発光部材13は、光軸X上に位置する中心点Cを有している。本実施の形態において、中心点Cとは、発光部材13の内側空間の重心のことをいう。光軸Xとは、発光装置が複数の発光素子12を有する場合、これら複数の発光素子12の配置の中心に位置する軸をいう。発光部材13の中心点は、発光素子12の直上に位置する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の発光装置の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示された発光装置を説明する図である。
【図3】図1に示された発光装置の断面図である。
【符号の説明】
【0013】
11 基体
12 発光素子
13 発光部材
13−1 第1の部分
13−2 第2の部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体と、
半導体材料からなり、前記基体上に実装されており、第1の光を発生する発光素子と、
前記発光素子を囲んでおり上方に向かって広がっている第1の部分と、前記第1の部分上に位置しており前記発光素子を覆っている第2の部分とを有しており、前記第1の光によって励起されて第2の光を放射する蛍光材料を含んでいる発光部材と、
を備えた発光装置。
【請求項2】
前記発光部材の内側表面が、前記発光素子から離れていることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項3】
前記発光部材は、曲面の外形状を有していることを特徴とする請求項2記載の発光装置。
【請求項4】
前記発光部材は、球の一部分の外形状を有していることを特徴とする請求項3記載の発光装置。
【請求項5】
前記発光部材は、発光素子の上方であり光軸上に位置する中心点を有していることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項6】
前記発光部材の前記中心点が、前記発光素子の直上に位置することを特徴とする請求項5記載の発光装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate