説明

発振回路

【課題】発振子に供給する信号の振幅レベルを正しく測定することができる発振回路の提供を図る。
【解決手段】発振子3に第1発振信号を供給する第1ノードBと、該発振子から第2発振信号を受け取る第2ノードAと、前記第2発振信号を増幅し、前記第1発振信号を生成する発振部6と、前記第1発振信号の振幅レベルを検出するために、観測ノードBにおける観測信号の振幅レベルを検出する検出器8と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願で言及する実施例は、発振回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家電製品から携帯機器やコンピュータに至るまで、例えば、水晶発振子により基準クロックを発生する発振回路(水晶発振回路)が設けられている。
【0003】
そして、発振回路の発信周波数は、実際に使用するクロック周波数の上昇、或いは、実際に使用するクロックまでの逓倍数の低減等を行うために、例えば、数十MHzを超えるまで高くなってきている。
【0004】
ところで、従来、発振回路の出力信号として、適切に発信した信号を安定して出力するための様々な技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2009−517905号公報
【特許文献2】特開2005−207744号公報
【特許文献3】特開2009−044606号公報
【特許文献4】特開2004−187004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発振回路の出力信号の発振領域を測定するためには、例えば、発振回路の所定のノード(端子)に測定器のプローブを接触させて行っている。
【0007】
このように、発振回路のノードに測定器のプローブを接触させると、その接触により容量変化が生じて発振回路の信号の振幅レベル,或いは,発振領域を正しく測定することが困難になる。
【0008】
そして、発振回路の発信周波数が高くなると、プローブの接触による容量変化の影響が大きくなり、安定した発振信号を得ることのできる発振回路の提供が難しくなってきている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態によれば、発振子に第1発振信号を供給する第1ノードと、該発振子から第2発振信号を受け取る第2ノードと、前記第2発振信号を増幅し、前記第1発振信号を生成する発振部と、検出器と、を有する発振回路が提供される。
【0010】
前記検出器は、前記第1発振信号の振幅レベルを検出するために、観測ノードにおける観測信号の振幅レベルを検出する。
【発明の効果】
【0011】
開示の発振回路は、発振子に供給する信号の振幅レベルを正しく測定することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】発振回路の一例を示すブロック図である。
【図2】第1実施例の発振回路を示すブロック図である。
【図3】図2に示す発振回路における検出器の一例を示す回路図である。
【図4】図2に示す発振回路における検出器の他の例を示す回路図である。
【図5】図4に示す検出器により自動検出を実現する自動処理回路の一例を示すブロック図である。
【図6】図5に示す自動処理回路におけるラッチの一例を示す回路図である。
【図7】図2に示す発振回路における検出器のさらに他の例を示す回路図である。
【図8】図7に示す検出器により自動検出を実現する自動処理回路の一例を示すブロック図である。
【図9】第2実施例の発振回路を示すブロック図である。
【図10】図9に示す発振回路における検出信号処理部の一例を示すブロック図である。
【図11】第3実施例の発振回路を示すブロック図である。
【図12】第4実施例の発振回路を示すブロック図である。
【図13】図12に示す発振回路における比較部の一例を説明するための図である。
【図14】図12に示す発振回路における発振部の一例を示す回路図である。
【図15】第5実施例の発振回路を示すブロック図である。
【図16】図15に示す発振回路における検出器の一例を説明するための図である。
【図17】図16に示す検出器におけるカウンタの一例を説明するための図である。
【図18】図17に示すカウンタにおけるカウント部の一例を示す回路図である。
【図19】第6実施例の発振回路を示すブロック図である。
【図20】図19に示す発振回路における検出器の一例を説明するための図である。
【図21】第7実施例の発振回路を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
まず、本実施例の発振回路を詳述する前に、図1を参照して発振回路およびその問題点を説明する。
【0014】
図1は、発振回路(水晶発振回路)の一例を示すブロック図である。図1において、参照符号101,102はキャパシタ、103は水晶発振子、104は帰還抵抗、105はダンピング抵抗、106は発振部、そして、107はヒステリシスバッファを示す。
【0015】
ここで、図1において、発振部106およびヒステリシスバッファ107が集積回路(IC:発振回路)内部に設けられ、また、キャパシタ101,102、水晶発振子103および抵抗104,105がIC外部に外付けされている。なお、帰還抵抗104は、IC内部に内蔵されることもある。
【0016】
発振部106は、入力されたノードAの信号を増幅してノードBおよびヒステリシスバッファ107の入力に供給する。水晶発振子103の両端は、キャパシタ101および102を介して接地(GND)されている。
【0017】
すなわち、水晶発振子103の一端(入力端)は、抵抗105を介してノードBに接続されると共に容量Cbのキャパシタ102を介して接地され、また、その他端(出力端)は、ノードAに接続されると共に容量Caのキャパシタ101を介して接地されている。
【0018】
さらに、発振部106の入力は、ノードAに接続され、また、その出力は、ノードBおよびヒステリシスバッファ107の入力に接続されている。ノードAおよびB間には、抵抗105を介して水晶発振子103が接続されると共に、帰還抵抗104が接続されている。
【0019】
ここで、ノードAの振幅は、発振部106の貫通電流に影響を与える。また、ヒステリシスバッファ107は、例えば、入力される正弦波の振幅レベル,或いは,中心レベルによって、出力される波形のデューティ比に影響を与える。
【0020】
そして、水晶振動子103にかかる信号の振幅が大きいと、その発振子に悪影響を与えるため(或いは、規格の許容範囲を超えるため)、振幅を絞って適正な発振を行わせるようになっている。
【0021】
ところで、図1に示す発振回路を数十MHzで発振させる場合、例えば、帰還抵抗104は1MΩ程度に設定され、また、キャパシタ101および102の容量CaおよびCbは、Ca,Cb=〜20pF程度に設定される。
【0022】
このような数十MHzの発振周波数の発振回路では、例えば、ノードB(または、ノードA)に周波数測定器のプローブを接触させると、そのプローブの容量により、負荷容量が変化することになる。
【0023】
その結果、例えば、発振する信号の振幅レベルや発振状況が変化して測定に影響を与えることになる。すなわち、発振周波数が高いと、キャパシタ101,102の容量Ca,Cbも小さくなるため、例えば、測定器(プローブ)の接触による容量変化の影響は相対的に大きくなり、信号の振幅レベルや発振領域を正しく測定することが困難になる。
【0024】
以下、発振回路の実施例を、添付図面を参照して詳述する。図2は、第1実施例の発振回路(水晶発振回路)を示すブロック図である。図2において、参照符号1,2はキャパシタ、3は水晶発振子、4は帰還抵抗、5はダンピング抵抗、6は発振部、7はヒステリシスバッファ、そして、8は検出器を示す。
【0025】
ここで、図2において、発振部6,ヒステリシスバッファ7および検出器8が集積回路(IC:発振回路)内部に設けられ、また、キャパシタ1,2、水晶発振子3および抵抗4,5がIC外部に外付けされている。なお、帰還抵抗4は、IC内部に内蔵することもできる。
【0026】
発振部6は、入力されたノードA(第2ノード)の信号を増幅してノードB(第1ノード),ヒステリシスバッファ7および検出器8の入力に供給する。水晶発振子3の両端は、キャパシタ1および2を介して接地(GND)されている。
【0027】
すなわち、水晶発振子3の一端(入力端)は、抵抗5を介してノードBに接続されると共に、容量Cbのキャパシタ2を介して接地されている。また、水晶発振子3の他端(出力力端)は、ノードAに接続されると共に、容量Caのキャパシタ1を介して接地されている。
【0028】
さらに、発振部6の入力は、ノードAに接続され、また、その出力は、ノードBに接続されている。ノードAおよびB間には、抵抗5を介して水晶発振子3が接続されると共に、帰還抵抗4が接続されている。
【0029】
ここで、ノードAの振幅は、発振部6の貫通電流に影響を与え、また、ヒステリシスバッファ107は、例えば、入力される正弦波の振幅レベル或いは中心レベルによって、出力される波形のデューティ比に影響を与える。
【0030】
検出器8は、IC内部に設けられ、発振部6の出力信号、すなわち、ノードBの信号の振幅から発振部6の出力信号が発振(クロッキング)する範囲を検出する。
【0031】
本実施例の発振回路は、例えば、ノードBの信号振幅を、測定器を使用することなく、IC内部に設けた検出器8により検出し、これにより、発振領域を正しく検出して安定した発振を行う出力信号を得ることが可能になる。
【0032】
なお、後述のように、ノードBの信号振幅を測定する代わりに、例えば、ノードAの信号振幅を測定(観測)し、その測定されたノードAの信号振幅に基づいてノードBの信号振幅を類推、或いは、制御することもできる。
【0033】
図3は、図2に示す発振回路における検出器の一例を示す回路図であり、図3(a)は検出器8の一例を示し、また、図3(b)はその動作を説明するためのものである。
【0034】
図3(a)に示されるように、検出器8は、電源線VCCと接地GND間に設けられ、pMOSトランジスタ81〜84およびnMOSトランジスタ85〜87を含む比較器、並びに、インバータ88を有する。
【0035】
比較器は、トランジスタ85のゲートに供給された発振部6の出力信号(ノードBの信号)と、トランジスタ86のゲートに与えられた参照電圧Vrefとを比較し、インバータ88を介して、出力信号OUTZを出力する。
【0036】
ここで、参照電圧Vrefは、ノード(端子)Cを介して外部から印加され、低電位から高電位に向けてその電圧レベルが変化するようになっている。なお、テスト信号TEST-ENZは、テスト時(信号振幅の検出時)に『高レベル(H)』になり、トランジスタ81,82をオフしてトランジスタ87をオンし、比較器を活性化するようになっている。
【0037】
図3(b)に示されるように、外部から印加される参照電圧Vrefは、低電位から高電位に向けて変化する。すなわち、領域R1では、発振部6の出力信号の振幅レベルが参照電圧Vrefよりも高いため、トランジスタ83が強くオンし、インバータ88を介して出力される信号OUTZは『低レベル(L)』になる。
【0038】
また、領域R2では、発振部6の出力信号の振幅レベルが発信周波数に従って参照電圧Vrefを超えるため、その参照電圧Vrefとの大小により出力信号OUTZが変化(クロッキング)する。
【0039】
すなわち、領域R2において、トランジスタ83のオンの度合いの強弱が変化し、出力信号OUTZはノードBの信号に対応したクロッキング出力になる。
【0040】
さらに、領域R3では、参照電圧Vrefが発振部6の出力信号の振幅レベルよりも常に高くなり、トランジスタ86は強くオンし、トランジスタ83は弱くオンするため、インバータ88を介して出力される信号OUTZは『H』になる。
【0041】
ここで、参照電圧Vrefは、低電位から高電位に向けて変化させずに、高電位から低電位に向けて変化させ、すなわち、図3(b)における参照電圧Vrefの矢印が反対向きになるように変化させることもできる。
【0042】
図4は、図2に示す発振回路における検出器の他の例を示す回路図であり、図4(a)は検出器8の一例を示し、また、図4(b)はその動作を説明するためのものである。
【0043】
図4(a)と上述した図3(a)との比較から明らかなように、図4の検出器8は、参照電圧Vrefを外部から印加するのではなく、IC内部で生成するようになっている。すなわち、図4(a)に示す検出器8は、図3(a)に示す検出器に加えて、参照電圧生成部80を有する。
【0044】
参照電圧生成部80は、例えば、電源線VCCの電圧よりも高い高電位電源線VPPと接地GND間に設けられた複数の抵抗821〜824、および、隣接する抵抗の接続ノードに接続された複数のスイッチ811〜813を有する。
【0045】
ここで、各スイッチ811〜813は、例えば、テストコードによりオン/オフ制御され、低電位側のスイッチ811から高電位側のスイッチ813に向かって順にオンすることで、参照電圧Vrefを低電位から高電位に変化させるようになっている。
【0046】
なお、図4では、説明を簡略化するために、4つの抵抗821〜824および3つのスイッチ811〜813のみを描いているが、これらは様々に変更することができるのはいうまでもない。
【0047】
図5は、図4に示す検出器により自動検出を実現する自動処理回路の一例を示すブロック図であり、テスト信号TEST-ENZおよび検出器8の出力信号OUTZを受け取り、スイッチ811〜813のスイッチングを制御する信号SW1〜SW3を出力する。
【0048】
図5に示されるように、自動処理回路(制御部)9は、カウンタ91、パルスジェネレータ92、複数のシフトレジスタ93〜95、および、ラッチ96を有する。カウンタ91は、検出器8(インバータ88)の出力信号OUTZを所定回数(例えば、64回)カウントし、その所定回数ごとに『H』→『L』に変化する信号COSを出力する。
【0049】
パルスジェネレータ92は、カウンタ91から出力される出力信号COSの『L』のエッジでパルス信号PSを生成してラッチ96に供給する。シフトレジスタ93の入力は高電位電源線VPPに接続され、シフトレジスタ94および95と共にシフト命令SCに従って、順にスイッチング制御信号SW1〜SW3を出力する。
【0050】
ここで、シフト命令SCは、カウンタ91にも供給され、このシフト命令SCの入力によりカウンタ91はリセットされる。また、スイッチング制御信号SW1〜SW3は、ラッチ96にも供給され、パルスジェネレータ92からのパルス信号PSによりラッチしてスイッチ811〜813のオン/オフ状態がラッチされる。
【0051】
すなわち、例えば、ノードBの信号振幅がクロッキング範囲で、そのクロック(発振信号)を所定回数だけカウントして出力されるパルス信号PSにより、そのときのスイッチ811〜813のオン/オフ状態がラッチされて信号ST1〜ST3として出力される。
【0052】
なお、カウンタ91、パルスジェネレータ92、シフトレジスタ93〜95およびラッチ96には、それぞれテスト時(信号振幅の検出時)に『H』になるテスト信号TEST-ENZが供給され、信号振幅の検出時のみオンするようになっている。
【0053】
図6は、図5に示す自動処理回路におけるラッチ96の一例を示す回路図であり、3つのインバータ、3つのナンドゲートおよび1つのトランスファーゲートを有している。
【0054】
なお、スイッチング制御信号SW1〜SW3に対しては、図6の回路が3つ設けられ、パルス信号PSによりトランスファーゲートがオンしたタイミングでSW1〜SW3のレベルを保持し、状態信号ST1〜ST3として出力するようになっている。
【0055】
図7は、図2に示す発振回路における検出器のさらに他の例を示す回路図である。図7と上述した図4との比較から明らかなように、図7の検出器8は、高電位電源線VPP側と接地GND側との両方から参照電圧Vrefa,Vrefbを変化させるようになっている。
【0056】
すなわち、高電位電源線VPP側に関しては、pMOSトランジスタ81a〜84aおよびnMOSトランジスタ85a〜87aを含む比較器、並びに、インバータ88aを有する。また、接地GND側に関しては、pMOSトランジスタ81b〜84bおよびnMOSトランジスタ85b〜87bを含む比較器、並びに、インバータ88bを有する。
【0057】
参照電圧生成部80は、スイッチ811a〜813a,811b〜813b、並びに、抵抗821a〜824a,824b〜821bを有する。すなわち、高電位電源線VPPと接地GNDとの間には、直列接続された抵抗821a〜824a、並びに、824b〜821bが設けられている。
【0058】
そして、スイッチ811a〜813aは、VPP側からの隣接する抵抗の接続ノードに接続され、また、スイッチ811b〜813bは、GND側からの隣接する抵抗の接続ノードに接続されている。
【0059】
図8は、図7に示す検出器により自動検出を実現する自動処理回路の一例を示すブロック図である。ここで、図8は、VPP側から変化する参照電圧Vrefaを生成するスイッチ811a〜813aのオン/オフを制御する信号SWH1〜SWH3の生成する自動処理回路9aだけを示している。なお、初段のシフトレジスタ93aの入力は接地GNDされている。
【0060】
なお、GND側から変化する参照電圧Vrefbを生成するスイッチ811b〜813bのオン/オフを制御する信号SWL1〜SWL3の生成回路は、図8と同様のものを適用することができる。ただし、初段のシフトレジスタ(93b)の入力は高電位電源線VPPに接続されることになる。
【0061】
図8に示されるように、自動処理回路9aは、カウンタ91a、複数のシフトレジスタ93a〜95a、ナンドゲート97a、および、インバータ98aを有する。カウンタ91aは、検出器8の出力信号OUTZを所定回数カウントし、その所定回数になったら、『H』→『L』に変化する信号COSaを出力する。
【0062】
ナンドゲート97aは、信号COSaおよびシフト命令SCを受け取って、両方の信号が『H』になると、インバータ98aで反転した『H』の信号を各シフトレジスタ93a〜95aに出力する。ここで、シフトレジスタ93a〜95aは、それぞれスイッチ811a〜813aのスイッチングを制御する信号SWH1〜SWH3を出力する。
【0063】
なお、インバータ98aの出力信号は、カウンタ91aにも供給され、この信号によりカウンタ91aはリセットされる。
【0064】
すなわち、図8の自動処理回路9aは、スイッチング制御信号SWH1〜SWH3により、参照電圧Vrefaの電位がVPP側から下がってくると、検出器8の出力信号OUTZAがクロッキング動作を始める。
【0065】
そして、カウンタ91aがカウントする出力信号OUTZAのクロック数が所定回数(例えば、64回)を超えると、それ以降のシフト動作が停止され、いずれかのスイッチ制御信号SWH1〜SWH3が確定する。
【0066】
なお、実際には、図8の参照電圧Vrefaを生成するための自動処理回路9aと共に、参照電圧Vrefbを生成するための自動処理回路(9b)も使用するが、これら自動処理回路9a,9bは、シリアルに動作させてもよいが、パラレルに動作させることもできる。
【0067】
すなわち、パラレル動作させた場合には、参照電圧Vrefaの電位をVPP側から下降させるのと同時に、参照電圧Vrefbの電位をGND側から上昇させることになる。このようにパラレル動作させた場合は、シリアルに動作させる場合よりも処理時間を低減することが可能である。
【0068】
図9は、第2実施例の発振回路を示すブロック図であり、また、図10は、図9に示す発振回路における検出信号処理部の一例を示すブロック図である。
【0069】
図9と前述した図2との比較から明らかなように、本第2実施例の発振回路は、図2の回路に対して検出信号処理部90、ナンドゲート11およびインバータ12を追加している。そして、ヒステリシスバッファ7の出力を、発振部6が所望のレベル(振幅)でクロッキング動作を行っているときのみ出力するようになっている。
【0070】
図10に示されるように、検出信号処理部90は、カウンタ901およびインバータ902を有し、カウンタ901は、検出器8の出力信号OUTZを所定回数カウントすると、『H』→『L』に変化する信号を出力する。
【0071】
このカウンタ901の出力信号は、インバータ902を介して出力され、ナンドゲート11の一方の入力に供給される。これにより、検出器8の出力信号OUTZを所定回数カウントして発振が安定したのを確認した後に、発振回路から出力されるクロックを内部回路に供給するようになっている。
【0072】
なお、カウンタ901には、リセット信号RSTが供給され、例えば、前述した参照電圧を生成するためのスイッチを切り替えるごとにカウンタ901をリセットするようになっている。
【0073】
このように、本第2実施例によれば、例えば、検出回路8の出力信号OUTZを使用することにより、安定した発振を行う発振回路の出力クロックのみを内部回路に供給することが可能になり、また、所望の範囲外での発振の場合は、内部へのCLK供給がされないため、システムが動作しないことになり、所望の範囲を外れていることを外部出力せずに認識することができる。
【0074】
図11は、第3実施例の発振回路を示すブロック図であり、検出器8の出力信号OUTZを波形成形用の2段のインバータ13および14を介して外部に出力するようになっている。
【0075】
なお、本第3実施例では、ノード(或いは、専用のパッド)Dを介して外部に取り出した検出器8の出力信号OUTZを使用して、例えば、ダンピング抵抗5の抵抗値を変更し、或いは、キャパシタ1または2の容量CaまたはCbを変更することもできる。
【0076】
図12は、第4実施例の発振回路を示すブロック図である。図12と上述した図11との比較から明らかなように、本第4実施例の発振回路は、インバータ14の出力を比較部20で処理して発振部6を制御する。なお、比較部20には、所望振幅情報ラッチ30の出力が供給されている。
【0077】
ここで、検出器8は、例えば、スイッチのオン/オフ状態を示す信号群の検出値SWH1d〜SWH8d,SWL1d〜SWL8dを出力する。また、所望振幅情報ラッチ30は、所望の振幅レベルの情報(期待値)SWH1e〜SWH8e,SWL1e〜SWL8eを保持し、比較部20に対して出力する。
【0078】
すなわち、本第4実施例の発振回路は、検出器8(インバータ14)の出力と所望振幅情報ラッチ30の出力を比較器20で比較して、発振部6の駆動能力(トランジスタサイズ)をフィードバック制御するようになっている。なお、所望振幅情報ラッチ30に保持されるスイッチ情報(期待値)は、例えば、内部のヒューズにより設定され、或いは、メモリに書き込まれる。
【0079】
図13は、図12に示す発振回路における比較部の一例を説明するための図であり、図13(a)は、比較部20を示すブロック図であり、また、図13(b)は、図13(a)に示す比較部20の動作の真理値表を示す図である。
【0080】
図13(a)に示されるように、比較部20は、排他的論理和(E−OR)回路211H〜218Hおよび211L〜218L、一致確認回路22、不一致パルス生成回路23、カウンタ24、並びに、デコード回路25を有する。
【0081】
なお、ここでは、H側の期待値とL側の期待値の両方の一致を確認している例を示しているが、H側のみ、或いは、L側のみとそれぞれで一致確認させて選択信号(デコード信号)SELH1〜3やSELL1〜3を個別に生成させることも可能であることはいうまでもない。
【0082】
ここで、前述した図7では、検出器8がVPPおよびGND側からそれぞれ3つのスイッチ811a〜813aおよび811b〜813bを有しているが、図13(a)では、VPPおよびGND側からそれぞれ8つのスイッチが設けられている。
【0083】
また、図14は、図12に示す発振回路における発振部の一例を示す回路図である。図14に示されるように、発振部6は、pMOSトランジスタ611,612、621,622,631,632、および、nMOSトランジスタ613,614、623,624,633,634を有する。
【0084】
ここで、トランジスタ622,623のサイズ(ゲート幅W)は、トランジスタ612,613のサイズの2倍とされ、また、トランジスタ632,633のサイズは、トランジスタ612,613のサイズの4倍とされている。すなわち、インバータ612,613:622,623:632,633の駆動能力は、1:2:4になっている。
【0085】
まず、発振部6の駆動能力(トランジスタサイズ)を最大に設定する。すなわち、図14における選択信号SELH1,SELH2,SELH3を全て『L』にすると共に、選択信号SELL1,SELL2,SELL3を全て『H』として、全てのインバータ612,613、622,623、632,633を活性化する。
【0086】
この状態から、前述した図7と同様に、順にスイッチ位置をずらす。そして、クロッキングしたときに検出されたスイッチ位置情報(検出値:制御コード)SWH1d〜SWH8dと所望の位置(期待値)SWH1e〜SWH8eとが比較される。
【0087】
すなわち、各E−OR回路211H〜218Hは、参照電圧Vrefaを生成するためのスイッチ制御信号の検出値SWH1d〜SWH8d、および、対応する期待値SWH1e〜SWH8eを受け取って、それらの排他的論理和を一致確認回路22に出力する。
【0088】
同様に、各E−OR回路211L〜218Lは、参照電圧Vrefbを生成するためのスイッチ制御信号の検出値SWL1d〜SWL8d、および、対応する期待値SWL1e〜SWL8eを受け取って、それらの排他的論理和を一致確認回路22に出力する。
【0089】
一致確認回路22により、不一致であるとされた場合、不一致パルス生成回路23は不一致パルスPdaをカウンタ24に出力する。この不一致パルスPdaは、カウンタ24でカウントされ、デコード回路25は、そのカウント値(パルス数)に応じた選択信号SELH1〜SELH3,SELL1〜SELL3を出力する。
【0090】
具体的に、図13(b)に示されるように、まず、カウンタ24の出力(パルス数)は0で、選択信号SELH1〜SELH3は『L』で、SELL1〜SELL3は『H』になって、全てのインバータは活性化される。
【0091】
すなわち、図14におけるトランジスタ611,614、621,624、631,634がオンして、インバータ612,613、622,623、632,633が活性化して大きな増幅率(駆動能力)を得る。
【0092】
次に、パルス数が1になると、選択信号SELH1のみが『L』から『H』になると共に、SELL1のみが『H』から『L』になり、インバータ612,613だけがオフして増幅率が低下する。
【0093】
さらに、パルス数が2になると、選択信号SELH2のみが『L』から『H』になると共に、SELL2のみが『H』から『L』になり、インバータ622,623だけがオフしてさらに増幅率が低下する。
【0094】
そして、パルス数が4になると、選択信号SELH3のみが『L』から『H』になると共に、SELL3のみが『H』から『L』になり、インバータ632,633だけがオフしてさらに増幅率が低下する。
【0095】
このようにして、トランジスタサイズが異なる(1:2:4)インバータ612,613、622,623、632,633を選択信号SELH1,SELL1、SELH2,SELL2、SELH3,SELL3で制御して増幅率を順に低下させる。
【0096】
以上の処理を、スイッチ位置の検出値SWH1d〜SWH8dと期待値SWH1e〜SWH8eとが一致するまで順に行う。
【0097】
すなわち、検出値と期待値が一致するまで、トランジスタサイズが異なるインバータ612,613、622,623、632,633を選択信号SELH1,SELL1、SELH2,SELL2、SELH3,SELL3で制御して増幅率を順に低下させる。
【0098】
これにより、発振部6の駆動能力(増幅率)をフィードバック制御して、例えば、ノードAの信号電圧(振幅)を所望のレベルに設定することが可能になる。
【0099】
図15は、第5実施例の発振回路を示すブロック図であり、また、図16は、図15に示す発振回路における検出器の一例を説明するための図であり、さらに、図17は、図16に示す検出器におけるカウンタの一例を説明するための図である。
【0100】
また、図18は、図17に示すカウンタにおけるカウント部の一例を示す回路図である。ここで、本第5実施例の発振回路も、上述した第4実施例の発振回路と同様に、検出器8の出力結果により発振部6をフィードバック制御するものである。
【0101】
まず、図15に示されるように、本第5実施例の発振回路は、検出器8の出力を2段のインバータ13,14を介して出力し、選択信号SELH1〜3およびSELL1〜3により発振部6の駆動能力を制御する。
【0102】
図16に示されるように、検出器8は、出力信号OUTZAを受け取って選択信号SELH1〜3を生成する第1制御部70H、および、出力信号OUTZBを受け取って選択信号SELL1〜3を生成する第2制御部70Lを有する。
【0103】
第1制御部70Hは、カウンタ71H,73H、遅延部72Hおよびデコーダ74Hを有し、同様に、第2制御部70Lは、カウンタ71L,73L、遅延部72Lおよびデコーダ74Lを有する。
【0104】
カウンタ71Hは、信号OUTZAを所定回数カウントすると、『H』から『L』に変化する信号COSHを出力し、さらに、カウンタ73Hは、その信号COSHの『L』をカウントし、デコ−ダ74Hを介して選択信号SELH1〜3を出力する。
【0105】
同様に、カウンタ71Lは、信号OUTZBを所定回数カウントすると、『H』から『L』に変化する信号COSLを出力し、さらに、カウンタ73Lは、その信号COSLの『L』をカウントし、デコ−ダ74Lを介して選択信号SELL1〜3を出力する。
【0106】
これにより、信号OUTZA(OUTZB)を所定回数カウントしてクロッキングが安定したのを確認してから、選択信号SELH1〜3(SELL1〜3)を出力することができる。
【0107】
ここで、カウンタ71Hは、遅延部72Hにより、信号COSHが『L』に変化して或る遅延時間を経過した後、リセットされる。同様に、カウンタ71Lは、遅延部72Lにより、信号COSLが『L』に変化して或る遅延時間を経過した後、リセットされる。
【0108】
また、カウンタ71H,73Hおよび71L,73Lには、自動活性化信号Auto-ENZが供給され、それらの動作を制御するようになっている。なお、デコーダ74Hからの選択信号SELH1〜3およびデコーダ74Lからの選択信号SELL1〜3は、2段のインバータ13,14により波形整形され、発振部6に供給される。
【0109】
図17(a)に示されるように、カウンタ71(71H,71L)は、縦列接続された3段のカウンタユニット711〜713を有する。なお、各カウンタユニット711〜713には、自動活性化信号Auto-ENZが供給され、それらの動作を制御するようになっている。
【0110】
図17(a)のカウンタ71におけるカウンタユニット711〜713の出力(1)〜(3)のレベルは、自動活性化信号Auto-ENZ(ENZ)とクロッキング信号(信号)のレベルに従って、図17(b)のように変化する。すなわち、選択信号SEL1〜SEL3(SELH1〜3,SELL1〜3)を順に変化させることができるようになっている。
【0111】
図18に示されるように、各カウンタユニット711(712,713)は、ナンドゲート51,52、インバータ53〜56、トランスファーゲート57,58およびノアゲート59を有する。
【0112】
なお、図18に示すカウンタユニット711は単なる例であり、様々な回路を適用することができるのはいうまでもない。なお、発振部6は、前述した図14の回路をそのまま適用することができ、また、選択信号SELH1〜3およびSELL1〜3のレベルは、前述した図13(b)と同様に設定することができる。
【0113】
図19は、第6実施例の発振回路を示すブロック図であり、また、図20は、図19に示す発振回路における検出器の一例を説明するための図である。
【0114】
上述した各実施例では、例えば、検出器8により、ノードBにおける信号の振幅を全ての範囲に渡って検出していたが、本第6実施例では、信号振幅の半分のみ検出するようになっている。
【0115】
すなわち、発振している信号の振幅は、通常、中間レベルに対して対称になっている。具体的に、例えば、ノードBの信号が、VCC(3.3V)とVSS(GND:0V)との間で発振しているとき、その信号振幅の変化は、中間レベル(1.65V)よりも高電位側と低電位側で同じように変化する。
【0116】
そこで、本第6実施例では、ノードBの信号を接地GND側から上昇させる参照電圧Vref(Vrefb)のみを使用して検出する。
【0117】
すなわち、図19および図20と、前述した図2および図4との比較から明らかなように、本第6実施例の発振回路では、参照電圧VrefをGNDからVCC/2(1.65V)程度まで変化させてノードBの信号との比較を行う。
【0118】
ここで、図20(a)におけるスイッチ813がオンしたときの参照電圧Vrefは、VCC/2程度でよいため、例えば、高電位電源線VPPとしてより低い電圧(VPP’)とするか、或いは、抵抗824の抵抗値を大きくすることで対処することが可能である。
【0119】
なお、図20(b)における領域R3の変化を知りたい場合には、GNGからVCC/2までの変化を領域R1,R2として検出し、VCC/2よりも振幅電圧が高くなる領域R2,R3を振幅の変化が対称なものとして求めることになる。
【0120】
図21は、第7実施例の発振回路を示すブロック図である。図21(a)に示されるように、本第7実施例の一例の発振回路は、スイッチード31,32により、1つの検出器8を切り換えて,例えば、ノードAまたはBにおける信号の振幅レベルを検出するようになっている。
【0121】
これは、例えば、その発振回路の特性や動作状態等により、ノードAまたはBのうちで検出,或いは,処理し易い方のノードの信号を選択することができる。
【0122】
或いは、図21(b)に示されるように、本第7実施例の他の例の発振回路は、例えば、2つの検出器8aおよび8bにより、ノードAおよびBにおける信号の振幅レベルを両方とも検出するようになっている。
【0123】
なお、検出されたノードAおよびBにおける信号の振幅レベルは、例えば、その発振回路の特性や動作状態等による好ましい一方を使用するか、或いは、両方の信号の振幅レベルを処理して検出(測定)精度を向上させることも可能である。
【0124】
さらに、複数の検出器により振幅レベルを検出する信号は、ノードAおよびBの信号に限定されるものではなく、例えば、水晶発振子3に供給される信号に関連したノードにおける信号であってもよく、また、検出器の数も2つに制限されるものでもない。
【0125】
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに、以下の付記を開示する。
(付記1)
発振子に第1発振信号を供給する第1ノードと、
該発振子から第2発振信号を受け取る第2ノードと、
前記第2発振信号を増幅し、前記第1発振信号を生成する発振部と、
前記第1発振信号の振幅レベルを検出するために、観測ノードにおける観測信号の振幅レベルを検出する検出器と、を有することを特徴とする発振回路。
【0126】
(付記2)
付記1に記載の発振回路において、
前記検出器は、前記観測信号の電圧を参照電圧と比較する比較器を有し、
前記参照電圧を変化させて、前記第1発振信号が発振するときの前記観測信号の振幅レベルを検出することを特徴とする発振回路。
【0127】
(付記3)
付記2に記載の発振回路において、
前記参照電圧は、第1電圧から該第1電圧よりも高い第2電圧に向けて変化することを特徴とする発振回路。
【0128】
(付記4)
付記2に記載の発振回路において、
前記参照電圧は、第2電圧から該第2電圧よりも低い第1電圧に向けて変化することを特徴とする発振回路。
【0129】
(付記5)
付記1に記載の発振回路において、
前記検出器は、
前記観測信号の電圧を、第1電圧から該第1電圧よりも高い第2電圧に向けて変化する第1参照電圧と比較する第1比較器と、
前記観測信号の電圧を、第2電圧から該第2電圧よりも低い前記第1電圧に向けて変化する第2参照電圧と比較する第2比較器と、を有し、
前記第1および第2参照電圧を同時に変化させて、前記観測信号の振幅レベルを検出することを特徴とする発振回路。
【0130】
(付記6)
付記5に記載の発振回路において、
前記第1参照電圧は、前記第1電圧から、該第1電圧と前記第2電圧のほぼ中間の第3電圧まで変化し、
前記第2参照電圧は、前記第2電圧から前記第3電圧まで変化することを特徴とする発振回路。
【0131】
(付記7)
付記2〜6のいずれか1項に記載の発振回路において、
前記参照電圧は、外部から供給されることを特徴とする発振回路。
【0132】
(付記8)
付記2〜6のいずれか1項に記載の発振回路において、さらに、
前記参照電圧を生成する参照電圧生成部を有することを特徴とする発振回路。
【0133】
(付記9)
付記2〜8のいずれか1項に記載の発振回路において、
前記第1発振信号の振幅レベルを、前記比較器の出力信号がクロッキングする領域により検出することを特徴とする発振回路。
【0134】
(付記10)
付記9に記載の発振回路において、
前記比較器の出力信号を、そのまま外部に出力することを特徴とする発振回路。
【0135】
(付記11)
付記9に記載の発振回路において、さらに、
前記比較器の出力信号をカウントするカウンタを有し、該カウンタにより前記比較器の出力信号を所定回数カウントして該発振回路からのクロックを出力することを特徴とする発振回路。
【0136】
(付記12)
付記8に記載の発振回路において、さらに、
前記比較器の出力信号に応じて生成されて前記参照電圧部に供給される制御コードに従って、前記発振部の駆動能力を制御する制御部を有することを特徴とする発振回路。
【0137】
(付記13)
付記12に記載の発振回路において、さらに、
前記比較器の出力信号をカウントするカウンタを有し、
前記制御部は、前記カウンタにより前記比較器の出力信号を所定回数カウントして前記制御コードを生成し、該制御コードにより前記発振部の駆動能力を制御することを特徴とする発振回路。
【0138】
(付記14)
付記12または13に記載の発振回路において、
前記発振部は、駆動能力の異なる複数のインバータを有し、前記制御部の出力に応じて該複数のインバータを選択して前記観測信号の振幅レベルを所定の大きさに制御することを特徴とする発振回路。
【0139】
(付記15)
付記1〜14のいずれか1項に記載の発振回路において、さらに、
異なる複数の観測ノードにおける観測信号を選択して前記検出器に供給するセレクタを有することを特徴とする発振回路。
【0140】
(付記16)
付記1〜14のいずれか1項に記載の発振回路において、
前記検出器は、複数設けられ、該各検出器は、それぞれ異なる観測ノードにおける観測信号の振幅レベルを検出することを特徴とする発振回路。
【0141】
(付記17)
付記1〜16のいずれか1項に記載の発振回路において、
前記観測信号は、前記第1発振信号または前記第2発振信号であることを特徴とする発振回路。
【0142】
(付記18)
付記1〜17のいずれか1項に記載の発振回路において、さらに、
前記第1発振信号を受け取ってクロックを生成するヒステリシスバッファを有することを特徴とする発振回路。
【0143】
(付記19)
付記1〜18のいずれか1項に記載の発振回路は、集積回路であり、
前記発振子は、前記集積回路の外部に設けられ、一端が前記第1ノードにダンピング抵抗を介して接続されると共に他端が第2ノードに接続された水晶発振子であることを特徴とする水晶発振回路。
【0144】
(付記20)
付記19に記載の水晶発振回路において、さらに、
前記第1ノードと前記第2ノード間に接続された帰還抵抗と、
前記水晶発振子の両端と接地間にそれぞれ設けられた第1および第2容量と、を有することを特徴とする水晶発振回路。
【符号の説明】
【0145】
1,2,101,102 キャパシタ
3,103 水晶発振子
4,104 帰還抵抗
5,105 ダンピング抵抗
6,106 発振部
7,107 ヒステリシスバッファ
8 検出器
9 自動処理回路(制御部)
20 比較部
30 所望振幅情報ラッチ部
70H 第1制御部
70L 第2制御部
80 参照電圧生成部
90 検出信号処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発振子に第1発振信号を供給する第1ノードと、
該発振子から第2発振信号を受け取る第2ノードと、
前記第2発振信号を増幅し、前記第1発振信号を生成する発振部と、
前記第1発振信号の振幅レベルを検出するために、観測ノードにおける観測信号の振幅レベルを検出する検出器と、を有することを特徴とする発振回路。
【請求項2】
請求項1に記載の発振回路において、
前記検出器は、前記観測信号の電圧を参照電圧と比較する比較器を有し、
前記参照電圧を変化させて、前記第1発振信号が発振するときの前記観測信号の振幅レベルを検出することを特徴とする発振回路。
【請求項3】
請求項1に記載の発振回路において、
前記検出器は、
前記観測信号の電圧を、第1電圧から該第1電圧よりも高い第2電圧に向けて変化する第1参照電圧と比較する第1比較器と、
前記観測信号の電圧を、第2電圧から該第2電圧よりも低い前記第1電圧に向けて変化する第2参照電圧と比較する第2比較器と、を有し、
前記第1および第2参照電圧を同時に変化させて、前記観測信号の振幅レベルを検出することを特徴とする発振回路。
【請求項4】
請求項2または3に記載の発振回路において、さらに、
前記参照電圧を生成する参照電圧生成部を有することを特徴とする発振回路。
【請求項5】
請求項4に記載の発振回路において、さらに、
前記比較器の出力信号に応じて生成されて前記参照電圧部に供給される制御コードに従って、前記発振部の駆動能力を制御する制御部を有することを特徴とする発振回路。
【請求項6】
請求項5に記載の発振回路において、さらに、
前記比較器の出力信号をカウントするカウンタを有し、
前記制御部は、前記カウンタにより前記比較器の出力信号を所定回数カウントして前記制御コードを生成し、該制御コードにより前記発振部の駆動能力を制御することを特徴とする発振回路。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の発振回路において、
前記観測信号は、前記第1発振信号または前記第2発振信号であることを特徴とする発振回路。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の発振回路は、集積回路であり、
前記発振子は、前記集積回路の外部に設けられ、一端が前記第1ノードにダンピング抵抗を介して接続されると共に他端が第2ノードに接続された水晶発振子であることを特徴とする水晶発振回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−120013(P2012−120013A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269060(P2010−269060)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】