説明

発泡体およびその製造方法

【課題】不均一発泡層の高発泡部と紫外線遮蔽層とが、同一のパターンに分布し、かつ、そのパターンの重ね位置精度が高く、パターン形状がより精度よく一致している発泡体およびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】気泡が多数形成した高発泡部と、前記高発泡部より気泡の形成密度および/または気泡直径が小さい低発泡部とが所定のパターンに分布している不均一発泡層と、
前記不均一発泡層の高発泡部の少なくとも片側に形成する紫外光を遮蔽する紫外光遮蔽層とを備えることを特徴とする発泡体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気泡の形成密度および/または気泡直径の大小によって異なる不均一発泡層と、気泡の形成密度および/または気泡直径が大きい発泡部側に紫外光遮蔽層が設けられた発泡体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
気泡の形成密度や気泡直径が所定のパターンに分布している発泡体(以下、「不均一発泡体」と記す)は、発泡特性をその所定のパターンで発現させられるため、気泡の形成密度や気泡直径が均質な発泡体(以下、「均一発泡体」と記す)では実現できない高度な機能性を有することが期待されており、具体的な応用例としては、導光機能や光拡散機能をもつ光学シート等が挙げられる。
【0003】
不均一発泡体の製造方法としては、例えば、放射線エネルギーの作用によって酸を発生する光酸発生剤または光塩基発生剤と、酸または塩基と反応して低沸点揮発性物質を分解脱離する分解発泡性官能基を有する分解発泡性化合物とを含有する発泡性組成物をフィルムにした後、該フィルムに放射線エネルギーおよび熱エネルギーを付与して発泡させる方法が開示されている(特許文献1)。
【0004】
さらに、前記の発泡性組成物フィルムに電離放射線(紫外線を含む)遮蔽層を所定のパターンで備えることによって生産性を高くした方法も開示されている(特許文献2)。この製造方法においては、気泡形成密度が小さい低発泡部または気泡が形成されていない無発泡部上に電離放射線遮蔽層(紫外線遮蔽層も含む)が備わっている。
【0005】
一方、同一のパターン分布が重なり合った積層体を形成する方法として、一般に印刷法が利用できる。例えば、支持体上に所定のパターンで印刷した後に、該パターンに重ね合わせて印刷することで前記積層体が形成できる。印刷方法はいくつか代表的なものが挙げられるが、例えば、インクジェット方式は所望のパターンを容易に形成でき、数10μmといった微細パターン形成に比較的有利である。しかし、大面積形成には時間を要するため生産性に劣り、またインク抜けや滲みにより重ね合わせの位置ずれやパターン形状不一致が起こりやすくなる。
また、大面積での印刷が比較的有利なスクリーン印刷法においても、100μmレベル以下の微細パターンは実用上難しくなり、また、所定のパターン上に重ね合わせて印刷するときに、重ね合わせの位置ずれが発生しやすい。
【特許文献1】特開2006-124499号公報
【特許文献2】特開2010-20179号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の製造方法を用いて不均一発泡体を形成させた後に、高発泡部のパターンに重ね合わせて紫外光を遮蔽する紫外光遮蔽性インクを印刷した場合、重ね合わせにおける位置ずれや、インク抜けや滲みによるパターン形状不一致が目立ちやすくなる問題があり、また所定のパターンが精細かつ大面積になるほど前記問題の頻度が高くなる課題があった。
特許文献2の製造法では、もともと不均一発泡層の高発泡部に紫外光遮蔽層を設けるものではないが、そのパターンの重ね位置精度が劣り、パターン形状の一致する精度が劣る発泡体であった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑み、不均一発泡層の高発泡部と紫外線遮蔽層とが、同一のパターンに分布し、かつ、そのパターンの重ね位置精度が高く、パターン形状がより精度よく一致している発泡体およびその製造方法を提供することを目的とする。
さらには、所定パターンが高精細かつ大面積でも、前記パターンの重ね位置精度が高く、パターン形状がより正確一致している発泡体およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、感光発泡性樹脂の紫外線光量による気泡形成特性を新規に見出し、その特性を利用して、これらの課題を解決するための手段を見出した。
本発明は、以下の態様を包含する。
[1] 気泡が多数形成した高発泡部と、前記高発泡部より気泡の形成密度および/または気泡直径が小さい低発泡部とが所定のパターンに分布している不均一発泡層と、
前記不均一発泡層の高発泡部の少なくとも片側に形成する紫外光を遮蔽する紫外光遮蔽層とを備えることを特徴とする発泡体である。
[2] 低発泡部は、気泡が形成されていない非発泡部を含むことを特徴とする[1]に記載の発泡体である。
[3] 低発泡部が透光性であることを特徴とする[1]または[2]に記載の発泡体である。
【0009】
[4] (A-1)紫外線エネルギーの作用によって発泡する感光発泡性樹脂層の片面側に、該感光発泡性樹脂層上に所定のパターンで紫外光遮蔽層を形成する工程と、
(A-2)紫外光遮蔽層を介して紫外線を照射する工程と、
(A-3)さらに加熱することによって紫外光遮蔽層の所定パターンと略同一パターンの高発泡部を感光発泡性樹脂層内に形成させる工程と、を含むことを特徴とする発泡体の製造方法である。
[5] 上記[4]に記載の(A-2)の工程で照射される紫外線の光量が、前記感光発泡性樹脂層に気泡を多数形成させる気泡を形成する光量以上である発泡体の製造方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、不均一発泡層の高発泡部と紫外線遮蔽層とが、同一のパターンに分布し、かつ、そのパターンの重ね位置精度が高く、パターン形状がより正確に一致している発泡体およびその製造方法を提供することができる。
さらには、所定パターンが高精細かつ大面積でも、前記パターンの重ね位置精度が高く、パターン形状がより正確に一致している発泡体およびその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
[発泡体]
本発明の発泡体の一実施形態の例について説明する。
図1および図2に、本発明の発泡体の一実施形態における断面斜視図を示す。本実施形態の発泡体1は、支持体10の上に、アンカー層20、不均一発泡層40、および紫外光遮蔽層50が順次積層されている。
図1では、不均一発泡層40の内部には気泡が多数形成されている高発泡部41(気泡群61)と、高発泡部41より気泡の形成密度および/または気泡直径が小さい低発泡部42(気泡群62)とがパターン(高発泡部41は円形ドット領域で、低発泡部42は円形ドット領域群を取り囲む領域に相当する)を形成していて、かつ高発泡部41上に紫外光遮蔽層50が備わっている。
一方、図2では、不均一発泡層40の内部には気泡が多数形成されている高発泡部41(気泡群61)と、気泡が形成されていない非発泡部43とがパターン(高発泡部41は円形ドット領域で、低発泡部43は円形ドット領域群を取り囲む領域に相当する)を形成していて、かつ高発泡部41上に紫外光遮蔽層50が備わっている。
不均一発泡層40は、後述するが感光発泡性樹脂層30が紫外線照射および加熱されて形成されたものである。すなわち、感光発泡性樹脂層30は不均一発泡層40の前駆層となる。
【0012】
高発泡部41および紫外光遮蔽層50のパターンと、そのパターンを構成する各パターン形状(例えば、図1、図2では円形ドットで示す。)は発泡体の使用目的によって適宜決められる。高発泡部41と紫外光遮蔽層50とのパターン形状は略同一である。例えば、パターン形状が円形ドットの場合、高発泡部側からみた模式図を図3に示すが、高発泡部41の中心Aと紫外光遮蔽層50の中心Aが略同位置で、また高発泡部41のドット直径Rが紫外光遮蔽層のドット直径Rに対してR≦Rであることが好ましい。
【0013】
発泡体1の外観形状に特に限定はなく、発泡体の使用目的によって適宜決められる。一般的な形状としては、シート状物(フィルム状を含む)、ファイバー状物、ロッド状物などが挙げられる。シート状物においては、支持体を用いない独立のシートであっても支持体上に密着した積層状態であってもよい。
【0014】
[支持体]
支持体10は、感光発泡性樹脂層30および不均一発泡層40に機械的強度が足りずに用途上取扱いが困難な場合に用いることができ、そのときは、感光発泡性樹脂層30および不均一発泡層40を支持できるものであれば特に限定はなく、用途に応じて選択すればよい。例えば、シート状の支持体の具体例としては、紙、合成紙、プラスチック樹脂シート、金属シート、金属蒸着シート等が挙げられ、これらは単独で用いられてもよく、或は、互いに積層されていてもよい。プラスチック樹脂シートは、例えば、ポリスチレン樹脂シート、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂シート、並びにポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂シート等の汎用プラスチックシートやポリイミド樹脂シート、ABS樹脂シート、ポリカーボネート樹脂シート等のエンジニアリングプラスチックシートなどが挙げられる。
【0015】
本発明の発泡体1の透光性を不均一発泡層40の低発泡部42(非発泡部43も含む)の所定パターンにて調整したい場合は、支持体10も透光性を有するべきであり、その透光性は用途に応じて適切に調整されうる。一般的には、透光性の指標としては、JIS K7105に基づいて測定した可視光の全光線透過率が挙げられる。透光性の支持体の例としては、ガラス基板や汎用プラスチックシートが挙げられ、フレキシブル性や取り扱いの容易性が求められるニーズでは、汎用プラスチックシートを選ぶことが好ましい。
【0016】
また、支持体10は、感光発泡性樹脂層30とまたは不均一発泡層40との接着および固定化を向上させるためにコロナ処理などの表面処理を施しても構わない。また、支持体10の裏面側(感光発泡性樹脂層30を成形していない側)に粘着性を持たせても良く、他の基材へ簡便に貼り付けるときに好適である。
【0017】
[アンカー層]
アンカー層20は支持体10と感光発泡性樹脂層30または不均一発泡層40との接着性を向上させたい場合、支持体10と感光発泡性樹脂層30の接着性が十分でない場合に設ければよい。アンカー層20は、接着性を向上させる目的上、感光発泡性樹脂層30または不均一発泡層40と架橋構造を形成する架橋性化合物を含有する層であることが好ましい。
【0018】
[各発泡部と気泡群]
高発泡部41、低発泡部42内に形成している気泡群61、62における気泡直径や気泡の形成密度は、所定のパターンにあわせて適宜調節すればよく限定されるものではないが、好適範囲としては、パターンが1mm以下である場合は、気泡直径に関しては10μm以下であることが好ましく、さらに0.005〜10μmであることが好ましい。気泡直径が0.005μmより小さいと発泡体ゆえの機能が発現され難いことがある。また、10μmより大きいと発泡体の表面の平滑性が不充分になる虞れがある。とくに不均一発泡層の厚さが100μm以下で薄い場合では外観不良となる場合が多いため、0.005〜1μmであることが特に好ましい。
また、気泡の形成密度に関しては、発泡体の機能を充分に発現させるためには、気泡数密度にして10個/cm以上の範囲であることが好ましい。この値を単位面積換算すると、例えば、気泡径1μmであれば、気泡占有面積率にして0.8%以上であることが好ましい。このときの気泡占有面積率とは、発泡体断面の観察画像(気泡を100個以上測定されるような領域をサンプリングすることが好ましい)から画像解析して求めた気泡占有面積率(%)とする。その他、気泡密度は、アルキメデス法により直接求めた体積密度(気泡も含めた体積を含む単位体積あたりの密度;g/cm)や発泡倍率(発泡時の体積密度に対する未発泡時の体積密度の比;倍)、気泡数密度(未発泡の体積に対する気泡の個数;個/cm)などの単位体積換算表示で評価しても構わない。
さらに、低発泡部42の気泡群62の気泡の形成密度および/または気泡直径は、高発泡部41の気泡群61よりも小さい。
高発泡部41の平均的な気泡径をD1、平均的な気泡占有面積率をS1とし、低発泡部42の平均的な気泡径をD2、平均的な気泡占有面積率をS2としたときに、D2/D1またはS2/S1の値が1.01以上、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.2以上、特に好ましくは1.5以上である。
さらに低発泡部42が可視光線領域で透光性を有するためには、気泡径D2は可視光線の波長よりも小さいことが好ましく、具体的に好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下である。また、気泡占有面積率S1は気泡が可視光線の波長よりも小さければとくに限定されないが、不均一発泡層40に平滑性を求めるならば30%以下が好ましい。
【0019】
不均一発泡層40の各発泡部の気泡直径および気泡の形成密度の調節方法は、感光発泡性樹脂層30から後述する製造工程の条件によって調節され、具体的には、紫外線エネルギーの照射光量や加熱温度、加熱時間によって調整されることが好ましい。
【0020】
[非発泡部]
図2に示す非発泡部43は気泡が形成されていないため、気泡起因の光拡散や光反射特性は有しない。したがって、非発泡部43は透光性をもたせることができる。とくに、本発明の発泡体1の透光性を非発泡部の所定パターンにて調整したい場合は、非発泡部43は透光性であることが好ましい。そのとき、低発泡部42よりも高い透光性を容易に得られやすい。
【0021】
[紫外光遮蔽層]
紫外光遮蔽層50は、紫外線を吸収して遮蔽する層である。
さらには、紫外光遮蔽層50は紫外光だけでなく、紫外光以外の光を吸収して遮蔽する特性、あるいは、紫外光以外の光を反射する特性を併せて備えていてもよい。
例えば、高発泡部41はその気泡群61の気泡直径や気泡の形成密度を調整することによって、可視光を拡散あるいは反射させる特性を発現させることができる。その特性によると、高発泡部41に照らした可視光は支持体10側や紫外光遮蔽層50側に散乱することになる。その際、高発泡部41で散乱した可視光を紫外光遮蔽層側には透過させたくない、あるいは視認したくない使用目的がある場合には、紫外光遮蔽層50は可視光を吸収して遮蔽する特性、あるいは、可視光を反射する特性を併せて備えることが好ましい。可視光を吸収させるために黒色などの着色染料が紫外光遮蔽層に含有されていてもよいし、あるいは、可視光を反射させるために白色顔料や金属性顔料が紫外光遮蔽層に含有されていてもよい。好適使用例としては、照明用やサイネージ用のエッジライト型導光シートが挙げられる(既存の導光シート例として、透明支持体に、白色インキの印刷や塗工、あるいは凹凸加工を施して光拡散性を持たせて反射部と、前記反射部の上面で光が乱反射し撮像手段で認識しにくくなることを回避するために、前記反射部の上面に光を吸収する遮光部を設けたものが知られている。特開2003−98093号公報参照
)。
また、液晶や電子ペーパーに用いられるカラーフィルターのブラックマトリックスにおいて、表示素子側の面に不均一発泡層を設け、ブラックマトリックスによる光の吸収を抑制して輝度を向上させることができる。
【0022】
[発泡体の製造方法]
図4は、本発明の発泡体の一形成方法を示した工程図である。形成方法は、少なくとも下記の3工程からなる。
(A-1:成形工程)支持体10上に、アンカー層20、紫外線エネルギーの作用によって発泡する感光発泡性樹脂層30を順に成形し、その感光発泡性樹脂層30上に所定のパターンで紫外光遮蔽層50を形成した積層体に、
(A-2:紫外線照射工程)紫外光遮蔽層50を介して紫外線を照射し、
(A-3:加熱工程)さらに加熱することによって紫外光遮蔽層50の所定パターンと同一パターンの高発泡部41と反転パターンの低発泡部42および/または非発泡部43を感光発泡性樹脂層30内に形成させる。
【0023】
[成形工程]
<感光発泡性樹脂層>
本発明の感光発泡性樹脂層30は、下記に述べる感光発泡性組成物を固形化したものである。感光発泡性樹脂層30を成形する方法としては、支持体(図4のようにアンカー層をあらかじめ塗布した支持体でもかまわない)上に塗布する方法や、感光発泡性組成物を押出成形することによって感光発泡性組成物からなる単一体を形成し、その層を支持体10の片面に積層する方法が挙げられる。
このとき、塗布方法は感光発泡性樹脂層30を薄く成形しやすく、押出成形方法では厚く成形しやすい。支持体は、上述したものを用いることができる。
【0024】
<感光発泡性組成物>
(I)ジアゾ化合物等を含み、光の照射によって窒素等のガスを発生させて発泡する発泡性化合物(特開平5−72727号公報参照)が挙げられる。
(II)ラジカル重合性の光重合性化合物と、加熱によりガスを発生する熱発泡性化合物を含み、電離放射線の照射および加熱の両方により発泡するもの(特許第3422384号公報参照)が挙げられる。
(III)電離放射線の作用によって酸を発生する光酸発生剤または塩基を発生する光塩基発生剤と、酸または塩基と反応して一種類以上の低沸点揮発性物質を分解脱離する分解発泡性官能基を有する分解発泡性化合物とを含有し、電離放射線の照射、必要に応じて加熱により発泡する感光発泡性組成物が挙げられる。とりわけ、各発泡部の気泡群の気泡直径を容易に10μm以下にすることができ、かつ、気泡分布パターンを広範囲に精密制御できること(特開2006−124499号公報参照)から、(III)の感光発泡性組成物が好ましい。
【0025】
<アンカー層>
アンカー層20は支持体10と感光発泡性樹脂層30または不均一発泡層40との接着性を向上させたい場合に設ける。その場合は、支持体10上にアンカー層20を形成し、成形された感光発泡性樹脂層を成形する前に、あらかじめ支持体10上に塗布などにより形成させる。
接着性を向上させる目的上、感光発泡性樹脂層30または不均一発泡層40と架橋構造を形成する架橋性化合物を含有する層であることが好ましい。例えば、感光発泡性樹脂層が上述の「(III)の感光発泡性組成物」を用いた場合、架橋性化合物に含有させる架橋性官能基としては、分解性化合物中に水酸基を含有している場合、水酸基と安定な架橋構造を形成するものが好ましく、例えば、エポキシ基、イソシアネート基、メチロール基、ブチラール基などが挙げられる。架橋性官能基は、塗工時の塗液の安定性の制御の点から、イソシアネート基が好ましい。これらの架橋性官能基によって、アンカー層20と感光発泡性樹脂層30の界面近傍で分解性化合物中の水酸基と反応して架橋構造を形成しより強固に接着される。アンカー層20の組成物内における前記架橋性化合物の含有割合は、感光発泡性樹脂層30の接着性を損なわず、かつ、分解性化合物が低沸点揮発性物質を分解・脱離させたときに界面剥離するように適宜調整される。
【0026】
<紫外光遮蔽層>
次いで、感光発泡性樹脂層30上(支持体10とは反対側)に紫外光遮蔽性インキを、所定のパターン状に印刷または塗布して、紫外光遮蔽層50を形成する。紫外光遮蔽性インキは、少なくとも紫外光を遮蔽する成分を含む液である。
【0027】
紫外光遮蔽性インキは、熱硬化性または紫外線硬化性を併有しても構わない。硬化性を併有する紫外光遮蔽性インキには、一般にハードコート層の形成に用いられる公知の硬化性インキを用いることができる。具体的には、有機溶剤中または水中に、紫外線硬化性アクリル成分、紫外線硬化性エポキシ成分などが含まれるインキが挙げられる。紫外線硬化性を併有する紫外光遮蔽性インキを感光発泡性樹脂層30上に印刷または塗布する方法は、紫外線を照射する工程(図3のA-2に示す工程)にて紫外光遮蔽性インキを硬化できるため、熱硬化性を併有するよりも工程数の効率化において好ましい。
【0028】
紫外光遮蔽性インキは、さらには、上述したとおり、紫外光だけでなく紫外光波長より長い波長の光(例えば可視光)を吸収して遮蔽する特性、あるいは、反射する特性を併せて備えていてもよい。
例えば、紫外光遮蔽性インキに、あらかじめ可視光を吸収させるために黒色などの着色染料を添加してもよいし、あるいは、可視光を反射させるために白色顔料や金属性顔料を添加してもよい。
また、紫外光遮蔽性インキが紫外線照射および/または加熱によって発色する発色性組成物を添加してもよい。例えば、一般的に感熱記録体として呼ばれているが、ロイコ染料と呈色剤の発色反応を起こす発色性組成物が挙げられる。製造工程としては、発色性組成物を含む紫外光遮蔽性インキを感光発泡性樹脂層30上に所定のパターンで印刷または塗布し、紫外線の照射工程または加熱工程(図3のA-2またはA-3に示す工程)にて発色させる。
さらに、発色性組成物として、画像記録できて、かつ画像背後から照明光を当てる(例えばシャーカステンと呼ばれる照明器具)ことでコントラスト高く画像を視認できる透明な感熱記録材料に使用される発色性組成物であってもよい(特開平7−314898号、特開2004−167888号、特開2008−201112号公報参照)。
【0029】
紫外光遮蔽性インキの印刷方法としては、例えば、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、インキジェット印刷などが挙げられる。
塗布方法としては、例えば、スリットダイコーティング、ロールコーティング、スプレーコーティング、カーテンコーティング、グラビアコーティングなどが挙げられる。
【0030】
パターンは、一般に印刷分野で用いられるFM階調やAM階調と称されるパターンであってもよいし、それらの階調が混合されていても構わない。また、紫外光遮蔽層の厚みを変化することを含む階調パターンでもよい。
パターンを構成するパターン形状(例えば図1の円形ドットの形状)は、円形ドットや四角形ドット、またドット同士が一部つながった形状など、適宜使用することができる。
【0031】
[紫外線照射工程]
紫外線は、近紫外線や遠紫外線もしくは真空紫外線、極紫外線などの一般的な波長範囲を有する電磁波である。照射する場合は、半導体・フォトレジスト分野や紫外線硬化分野などで一般的に使用されている紫外線ランプを用いることができる。一般的な紫外線ランプとしては、例えば、ハロゲンランプ、ハロゲンヒーターランプ、キセノンショートアークランプ、キセノンフラッシュランプ、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、ディープUVランプ、メタルハライドランプ、希ガス蛍光ランプ、クリプトンアークランプ、エキシマランプなどがあり、近年では、極短波長(214nmにピーク)を発光するY線ランプもある。これらのランプには、オゾン発生の少ないオゾンレスタイプもある。これらの紫外線は、散乱光であっても、直進性の高い平行光であってもよい。また、ArFエキシマーレーザー、KrFエキシマーレーザーや、非線形光学結晶を含む高調波ユニットを介したYAGレーザーなどに挙げられる種々のレーザーや、紫外発光ダイオードを用いることもできる。
紫外線ランプやレーザー、紫外発光ダイオードの発光波長は、感光発泡性樹脂の発泡性を妨げないものであれば限定はないが、感光発泡性樹脂層が上述した「(III)の感光発泡性組成物」から成形された場合は、光酸発生剤または光塩基発生剤が酸または塩基を効率よく発生させられる発光波長がよい。すなわち、使用する光酸発生剤または光塩基発生剤の感光波長領域と重なる発光波長が好ましい。さらには、それら発生剤の感光波長領域における極大吸収波長または最大吸収波長と重なる発光波長が、発生効率が高くなるためより好ましい。
【0032】
紫外線の積算照射光量(J/cm;以下、紫外線光量と略す)は、エネルギー照射強度(W/cm)に照射時間を積算したものであり、感光発泡性樹脂層30から本発明の不均一発泡層40を得るように適宜設定される。詳しくいえば、本発明の感光発泡性樹脂層30は、紫外線照射し加熱することで、紫外光遮蔽層が設けられていない部分(自然に紫外線に曝される部分)で気泡を形成せず、紫外光遮蔽層のある部分(紫外線を意図的に露光しない部分)で気泡を形成させうる紫外線光量があることを新たに見出した。
本発明の感光発泡性樹脂層30は、紫外線照射し加熱することによって気泡を形成するための適当な紫外線光量(以下、気泡形成光量と略す。)範囲と、気泡の形成を抑制する紫外線光量(以下、気泡形成抑制光量と略す。)範囲が存在することがわかった。その気泡形成抑制光量は、気泡形成光量よりも高い紫外線光量が必要であり、感光発泡性樹脂によってそれらの紫外線光量比は異なるが、気泡形成抑制光量の下限は気泡形成光量の下限に対して約10倍量の紫外線光量を要することがある。すなわち、図4の工程(A-2)で照射される紫外線光量は、感光発泡性樹脂層に気泡を多数形成させる気泡形成光量以上であることが必要となる。
【0033】
一方、紫外光遮蔽層のある部分の感光発泡性樹脂層30が、気泡形成抑制光量範囲内で紫外線を照射した後に加熱することで気泡を多数形成するが、その推定原因としてひとつには、紫外線が紫外光遮蔽層のある部分の感光発泡性樹脂層30に一定量の光量が回り込み、気泡形成光量域に達したことが考えられる。また、感光発泡性樹脂層が上述した「(III)の感光発泡性組成物」から成形された場合には、低沸点揮発性物質を分解・脱離する反応が連鎖的に起こる原理を利用しているため、気泡形成光量に達すると同時にその隣接部にも気泡を形成しやすくさせる効果があると考えられる。
本発明の製造方法で用いられる紫外線光量は、感光発泡性樹脂層に気泡を多数形成させる気泡形成光量以上である。さらには、気泡形成抑制光量範囲において定めら、その範囲内で感光発泡性樹脂および所望の気泡群の気泡直径や気泡の形成密度によって適宜決められる。
さらには、上述した「(III)の感光発泡性組成物」を用いた場合には、光酸発生剤や光塩基発生剤の吸光係数に応じて設定することもある。照射光量を多くすることで、紫外線ランプによっては熱の発生が発泡性を妨げる場合がある。そのときは、コールドミラーなどの冷却処置を行なうことができる。
【0034】
気泡形成抑制光量範囲の下限を少なく設定したい場合には、上述したアンカー層内に調整剤を混合しておくことができる。例えば、「(III)の感光発泡性組成物」で光酸発生剤を含む感光発泡性樹脂層の場合は、アンカー層に光塩基発生剤を適量混合しておくことで、気泡形成抑制光量範囲の下限を少なくすることができる。
【0035】
紫外光遮蔽層のパターン形状の寸法が視認できるほど大きい場合(例えば、図3の円形ドットの半径Rが大きい場合)は、紫外光遮蔽層のパターン形状の中心(例えば、図3の円形ドットの中心A)に近くなるほど感光発泡性樹脂層が高発泡部となりにくくなることがある。そのときは、紫外線照射工程において、紫外光遮蔽層を介して気泡形成光量以上に紫外線を照射した後に、さらに続けて支持体10側から紫外線を照射することで高発泡部の形成を補うことができる。
【0036】
[加熱工程]
加熱工程で用いることのできる加熱器に特に制限はないが、接触加熱、誘導加熱、抵抗加熱、誘電加熱(およびマイクロ波加熱)、赤外線加熱により加熱ができるもの等が例示できる。具体的には、放射熱を利用した電気あるいはガス式の赤外線ドライヤーや、電磁誘導を利用したロールヒーター、油媒を利用したオイルヒーター、電熱ヒーター、およびこれらの熱風を利用した熱風ドライヤーなどが挙げられる。成形体に加熱体を接触させて加熱する接触加熱では、金属ブロック、金属板、金属ロールなどの加熱体が使用できる。接触加熱では加圧しながら加熱してもよい。この場合、プレス成形の際に使用する加熱プレス機を用いることができる。さらに、一般の熱記録用プリンターに使用されている加熱方式も利用できる。例えば、電流を流すことで発熱する感熱ヘッドやレーザー熱転写が挙げられ、熱の書き込みによって同パターンの発泡体を得ることができる。高精細や高解像度を得るときは、感熱ヘッドよりもレーザー熱転写の方が好ましい。
【実施例】
【0037】
本発明を下記実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。また、特に断らない限り、例中の「部」および「%」は各々「質量部」および「質量%」を表わす。
【0038】
[実施例1]
【0039】
(1)感光発泡性樹脂層の成形工程
分解発泡性化合物として、tert−ブチルメタクリレート(38mol%)とメチルメタクリレート(36mol%)と2−ヒドロキシエチルメタクリレート(20mol%)とn―ブチルメタクリレート(6mol%)の共重合体と、さらにオニウム塩系光酸発生剤である2−[2,2,3,3,4,4,5,5,−オクタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ペンチル]−フルオレン(製品名:CGI−1907、チバ・ジャパン社製)を用いた。
感光発泡性樹脂層の感光発泡性組成物は、前記分解発泡性化合物(100部)と前記オニウム塩系光酸発生剤(0.2部)とを混合し、それらを酢酸エチルで不揮発成分25.0質量%の感光発泡性樹脂層用塗料を得た。
ついで、支持体であるポリエチレンテレフタレートシート(製品名:コスモシャインA4300、東洋紡績社製、シート厚さ125μm)上に、前記感光発泡性樹脂層用塗料をアプリケーターバー(ドクターブレード、ヨシミツ精機株式会社製)を用いて塗工し、さらに105℃のオーブンにて乾燥し、乾燥後の塗工厚が10μmの感光発泡性樹脂層を形成し、テスト基板(A)を得た。
【0040】
(2)紫外光遮蔽層の形成
上記で得たテスト基板(A)の感光発泡性樹脂層側に、スクリーン印刷により紫外光遮蔽インキを円形ドット状のパターンで印刷し、紫外光遮蔽層が形成されたテスト基板(B)を得た。紫外光遮蔽インキには、紫外線硬化性の黒色インキ(製品名:PAL911墨、帝国インキ社製)を用いた。
【0041】
(3)紫外線照射工程
上記で得たテスト基板(B)の紫外光遮蔽層の上から紫外線を照射して、テスト基板(C)を得た。紫外線は、高圧水銀ランプ(アイグラフィックス社製)を光源として用い、紫外線積算光量計(製品名:UIT−150、ウシオ電機社製。受光器はUVD−S254使用)での測定値で光量2J/cmとなるように照射した。
【0042】
(4)加熱工程
上記で得たテスト基板(C)を130℃の恒温乾燥機で2分間熱処理を行い、テスト基板(D)を得た。紫外光遮蔽層の裏部の感光発泡性樹脂層部分が白く変化し、紫外光遮蔽層のない感光発泡性樹脂層部分は無色透明なままであった。
【0043】
(5)発泡構造の評価
テスト基板(D)を液体窒素中に浸して凍結割断した断面を金属蒸着処理した後、走査型電子顕微鏡(商標:S−510、日立製作所社製)観察することで、感光発泡性樹脂層における気泡の形成有無を評価した。その結果、白く変化した感光発泡性樹脂層部分の断面に、気泡直径1μm以下の気泡群が観察された。一方、無色透明な感光発泡性樹脂層部分の断面には、気泡は観察されなかった。
したがって、気泡が多数形成されている発泡部と、気泡が形成されていない非発泡部とが所定のパターンに分布している不均一発泡層を備え、かつ、発泡部が紫外光遮蔽層の所定パターン状に分布した発泡体が作製できた。
【0044】
[実施例2]
実施例1と下記項目で異なる以外は、実施例1の(1)〜(4)の工程と同様に行い、最終的にテスト基板(E)を得た。
(i)実施例1の(1)の工程における支持体は、イソシアネート(製品名:タケネートD−110N、三井化学ポリウレタン社製)(20部)とブチラール樹脂(製品名:モビタールB60HH、クラレ社製)(80部)とを混合し、それらを2−ブタノンで希釈して調製したアンカー層用塗料を、乾燥厚みが0.7g/mとなるようにワイヤーバーを用いてコスモシャインA4300(シート厚さ125μm)上に塗工して乾燥(130℃、1分)させたものを用いた。
また、実施例1の(1)の工程における感光発泡性樹脂層用塗料の塗工は、前記アンカー層用塗料の塗工面上に重ねて塗工した。
(ii)実施例1の(1)の工程におけるオニウム塩系光酸発生剤の混合量は0.2部ではなく0.5部とした。
(iii)実施例1の(1)の工程における感光発泡性樹脂層の乾燥後の塗工厚は10μmではなく20μmとした。
テスト基板(E)の発泡構造評価を行った結果、気泡が多数形成されている発泡部と、気泡が形成されていない非発泡部とが所定のパターンに分布している不均一発泡層を備え、かつ、発泡部が紫外光遮蔽層の所定パターン状に分布した発泡体が作製できた。
【0045】
[実施例3]
実施例1と下記項目で異なる以外は、実施例1の(1)〜(4)の工程と同様に行い、最終的にテスト基板(F)を得た。
(i)実施例1の(1)の工程における支持体は、イソシアネート(製品名:タケネートD−110N、三井化学ポリウレタン社製)(201部)とブチラール樹脂(製品名:モビタールB60HH、クラレ社製)(80部)と光塩基発生剤(製品名:IRGACURE907、Ciba社製)(1部)とを混合し、それらを2−ブタノンで希釈して調製したアンカー層用塗料を、乾燥厚みが0.7g/mとなるようにワイヤーバーを用いてコスモシャインA4300(シート厚さ125μm)上に塗工して乾燥(130℃、1分)させたものを用いた。また、実施例1の(1)の工程における感光発泡性樹脂層用塗料の塗工は、前記アンカー層用塗料の塗工面上に重ねて塗工した。
(ii)実施例1の(1)の工程におけるオニウム塩系光酸発生剤の混合量は0.2部ではなく0.5部とした。
(iii)実施例1の(3)の工程における光量は2J/cmとでなく1J/cmとした

テスト基板(F)の発泡構造評価を行った結果、気泡が多数形成されている発泡部と、気泡が形成されていない非発泡部とが所定のパターンに分布している不均一発泡層を備え、かつ、発泡部が紫外光遮蔽層の所定パターン状に分布した発泡体が作製できた。
【0046】
[比較例1]
実施例1と下記項目で異なる以外は、実施例1の(1)〜(4)の工程と同様に行い、最終的にテスト基板(G)を得た。
(i)実施例1の(3)の工程における光量は2J/cmとでなく1J/cmとした

テスト基板(G)の発泡構造評価を行った結果、気泡が多数形成されている発泡部と、気泡が形成されていない非発泡部とが所定のパターンに分布している不均一発泡層を備えているが、発泡部が紫外光遮蔽層のない露光部にも形成されており、紫外光遮蔽層の所定パターン状に分布していない発泡体であった。
【0047】
[比較例2]
実施例2と下記項目で異なる以外は、実施例2の工程と同様に行い、最終的にテスト基板(H)を得た。
(i)実施例2の(3)の工程における光量は2J/cmとでなく1J/cmとした

テスト基板(H)の発泡構造評価を行った結果、気泡が多数形成されている発泡部と、気泡が形成されていない非発泡部とが所定のパターンに分布している不均一発泡層を備えているが、発泡部が紫外光遮蔽層のない露光部にも形成されており、紫外光遮蔽層の所定パターン状に分布していない発泡体であった。
【0048】
このことから、実施例1は、比較例1と感光発泡性樹脂層および紫外光遮蔽層の成形方法は同一であるが、紫外線照射光量が比較例1と異なり、気泡形成光量(紫外線照射し加熱することによって気泡を形成するための適当な紫外線光量)以上の光量(気泡形成抑制光量)を照射することで本発明の発泡体を得ることができた。
また、実施例2は、支持体と感光発泡性樹脂層の間にアンカー層を設けても本発明の発泡体を得ることができた。
また、比較例2は実施例2と感光発泡性樹脂層および紫外光遮蔽層の成形方法は同一であるが、紫外線照射光量が気泡形成抑制光量よりも少ないため、本発明の発泡体を得ることができなかった。
さらに、実施例3は、実施例2および比較例2と比べて、アンカー層に光塩基発生剤を混合していることが本質的に異なるが、本発明の発泡体が比較例2の光量と同じ量でも作製できた。すなわち、本発明の発泡体を作製するための気泡形成抑制光量を少なくする手段であることがわかった。











































【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の発泡体の一実施形態における断面斜視図である。
【図2】本発明の発泡体の他の実施形態における断面斜視図である。
【図3】不均一発泡層の高発泡部と紫外光遮蔽層の形状における模式図である。
【図4】本発明の発泡体の一形成方法を示した工程図である。
【符号の説明】
【0050】
1 発泡体
10 支持体
20 アンカー層
30 感光発泡性樹脂層
40 不均一発泡層
41 不均一発泡層50内の高発泡部
42 不均一発泡層50内の低発泡部
43 不均一発泡層50内の非発泡部
50 紫外光遮蔽層
61 高発泡部41の気泡群
62 低発泡部42の気泡群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気泡が多数形成した高発泡部と、前記高発泡部より気泡の形成密度および/または気泡直径が小さい低発泡部とが所定のパターンに分布している不均一発泡層と、前記不均一発泡層の高発泡部の少なくとも片側に形成する紫外光を遮蔽する紫外光遮蔽層とを備えることを特徴とする発泡体。
【請求項2】
低発泡部は、気泡が形成されていない非発泡部を含むことを特徴とする請求項1に記載の発泡体。
【請求項3】
低発泡部が透光性であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発泡体。
【請求項4】
(A-1)紫外線エネルギーの作用によって発泡する感光発泡性樹脂層の片面側に、該感光発泡性樹脂層上に所定のパターンで紫外光遮蔽層を形成する工程と、
(A-2)紫外光遮蔽層を介して紫外線を照射する工程と、
(A-3)さらに加熱することによって紫外光遮蔽層の所定パターンと同一パターンの高発泡部を感光発泡性樹脂層内に形成させる工程と、を含むことを特徴とする発泡体の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の(A-2)の工程で照射される紫外線の光量が、前記感光発泡性樹脂層に気泡を多数形成させる気泡を形成する光量以上である発泡体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−246635(P2011−246635A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−122276(P2010−122276)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【Fターム(参考)】