説明

発泡装置

【課題】少量の薬液に多量の空気を混入させて大きな泡を発生させて、発生した泡を飛ばすことで効率良く立体作物に付着させることができる発泡装置を提供する。
【解決手段】通風方向に沿ってノズル20の噴射口と泡生成体31とが対向しており、風が高速で泡生成体31を通過し、泡生成体31にて発生した泡は多量の空気を含んだ大きな泡となり、また発生した泡は高速で移動するので、少量の薬液で形成された大きな泡が立体作物に確実に付着し、薬液を効率よく作物に付着させることができる。また大きな泡は軽量であるため、立体作物の裏側に回り込み、生息する害虫に確実に付着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体を発泡させる発泡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
害虫は圃場に生育している作物に被害をもたらすため、害虫を駆除すべく、例えばポンプによって送出された薬液をノズルを介して霧状にして、作物に付着させている。しかし霧状になった薬液は広範囲に飛散するため、散布対象としていない圃場にまで飛散し、残留農薬の問題を引き起こす場合がある。
【0003】
特許文献1には、左右に伸びた筒状のブームから泡状の薬液を散布するブーム装置が開示されており、薬液を泡状にすることで、薬液の飛散を抑制している。該ブーム装置はブームの一端部にブロワを連結してある。またブームの長手方向に沿う下側面に並設した複数の開口に多孔性部材をそれぞれ配置してあり、多孔性部材に対して薬液を噴射するノズルをブームの内側に配置してある。ノズルから多孔性部材に対して薬液を散布し、ブロワから風を送り込んでブーム内の圧力を高くして、多孔性部材から薬液による泡を発生させるようにしてある。
【0004】
また特許文献2には、オリフィスを内側に備える薬液散布用ノズルが開示されており、薬液をオリフィスに通流させることによって、負圧を発生させて、薬液散布用ノズルの側面に設けた開口から空気を吸入し、薬液を泡状にしている。該薬液散布用ノズルにおいても、薬液を泡状にすることで薬液の飛散を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−117151号公報
【特許文献2】特開2006−35081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし特許文献1に記載のブーム装置は、ブームの下側面から泡を吹き出しているため、スイカ、イチゴ、キャベツなどの平面作物に対して泡を付着させることはできるが、キュウリ、トマト、ナスなどの立体作物に対して泡を付着させることはできない。仮にブーム装置を縦置きにしたとしても、ブーム装置は、ブーム内を高圧にして泡を発生させているため、多孔性部材から吹き出す風は低速になってしまい、また泡に空気を充分に含ませることができず、水分を多く含んだ重い細かな泡が発生するため、吹き出した泡は立体作物に到達しない。また泡が細かいため、必要以上の薬液が作物に付着する。
【0007】
特許文献2に記載の薬液散布用ノズルは、オリフィスによって発生した負圧によって空気を吸入しているため、オリフィスを通過する薬液が低速である場合には、吸入する空気量が大きく減少する。そのため薬液散布用ノズルの先端から噴射される泡に空気を充分に含ませることができず、水分を多く含んだ重い細かな泡が発生し、泡が立体作物に到達しない。また泡が細かいため、必要以上の薬液が作物に付着する。
【0008】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、少量の薬液に多量の空気を混入させて大きな泡を生成し、生成した泡を飛ばすことで効率良く立体作物に付着させることができる発泡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る発泡装置は、送風機と、該送風機によって発生する風が通流する通風路と、該通風路内に配置してあり、液体から泡を生成する泡生成体と、該泡生成体に液体を噴射するノズルとを備え、前記泡生成体と前記ノズルの噴射口とが対向する発泡装置において、前記ノズルの噴射口と前記泡生成体との対向方向が前記通風路に沿っていることを特徴とする。
【0010】
本発明においては、通風方向に沿ってノズルの噴射口と泡生成体とが対向しているので、風が高速で泡生成体を通過し、泡生成体にて多量の空気を含んだ大きな泡が生成される。また生成された泡は高速で移動する。
【0011】
本発明に係る発泡装置は、前記通風路は上下に配置された部分を備えており、該部分にて前記ノズルは前記泡生成体の上側に位置することを特徴とする。
【0012】
本発明においては、泡生成体に付着した液体は、重力に対する表面張力によって横に広がり、泡生成体に略均一に付着する。
【0013】
本発明に係る発泡装置は、前記泡生成体は湾曲した網状をなすことを特徴とする。
【0014】
本発明においては、泡生成体を湾曲させることによって、泡生成体の表面積が大きくなる。
【0015】
本発明に係る発泡装置は、前記泡生成体の湾曲した部分は一面側に突出しており、前記泡生成体の他面側が前記ノズルの噴射口に対向していることを特徴とする。
【0016】
本発明においては、ノズルから噴射された液体が拡散しても、液体は泡生成体の窪んだ部分に確実に付着する。
【0017】
本発明に係る発泡装置は、前記泡生成体は半球殻状をなすことを特徴とする。
【0018】
本発明においては、風圧によって泡生成体に付着した液体が移動することがあっても、泡生成体を半球殻状とすることで風が集中する泡生成体の頂部に液体が集まる。
【0019】
本発明に係る発泡装置は、前記泡生成体は錘状をなすことを特徴とする。
【0020】
本発明においては、風圧によって泡生成体に付着した液体が移動することがあっても、泡生成体を錐状とすることで風が確実に集中する泡生成体の頂部に液体が集まる。
【0021】
本発明に係る発泡装置は、前記泡生成体は多角形状の複数の孔を備えることを特徴とする。
【0022】
本発明においては、多角形状の複数の孔を風が通過することで、より大きな泡が発生する。
【0023】
本発明に係る発泡装置は、前記泡生成体を支持する支持網を備えることを特徴とする。
【0024】
本発明においては、泡生成体にて発生した泡が支持網を通過するときに、空気が泡に更に混入される。また泡生成体にて液体に空気が混入しなかった場合でも、支持網にて液体に空気が混入する。
【0025】
本発明に係る発泡装置は、前記ノズルは噴射口から放射状に液体を噴射するようにしてあることを特徴とする。
【0026】
本発明においては、液体が泡生成体の表面に全体的に付着し、泡生成体全体から泡が発生する。
【0027】
本発明に係る発泡装置は、前記送風機を駆動するモータを備えることを特徴とする。
【0028】
本発明においては、前記送風機をモータで駆動することで、エンジンで駆動させる場合に比べて送風機は小型になり、ひいては発泡装置が小型になる。
【0029】
本発明に係る発泡装置は、前記通風路は蛇腹状に形成された部分を備えることを特徴とする。
【0030】
本発明においては、前記通風路に蛇腹状の部分を形成することで、作業者は通風路の先端を所望の方向へ向けることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明に係る発泡装置にあっては、通風方向に沿ってノズルの噴射口と泡生成体とが対向しており、風が高速で泡生成体を通過し、泡生成体にて多量の空気を含んだ大きな泡が生成される。また発生した泡は高速で移動するので、少量の薬液で生成された大きな泡が立体作物に確実に付着し、薬液を効率よく立体作物に付着させることができる。また大きな泡は軽量であるため、立体作物の裏側に回り込み易く、生息する害虫に確実に付着する。
【0032】
また泡生成体に付着した液体は、重力に対する表面張力によって横に広がり、泡生成体に略均一に付着するので、泡生成体全体から多量の泡を発生させることができる。
【0033】
また泡生成体を湾曲させることによって、泡生成体の表面積が大きくなるので、泡生成体に多量の液体が付着し、泡の発生量を増加させることができる。
【0034】
また泡生成体の湾曲した部分は一面側に突出しており、泡生成体の他面側が前記ノズルの噴射口に対向しているので、ノズルから噴射された液体が拡散しても、液体は泡生成体の窪んだ部分に確実に付着し、多量の泡を発生させることができる。
【0035】
また風圧によって泡生成体に付着した液体が移動することがあっても、泡生成体を半球殻状とすることで風が集中する泡生成体の頂部に液体が集まるので、泡生成体に付着した液体を確実に泡にして、液体が垂れることを防止することができる。
【0036】
また風圧によって泡生成体に付着した液体が移動することがあっても、泡生成体を錐状とすることで泡生成体の頂部に液体及び風を確実に集中させて、泡生成体に付着した液体を確実に泡にし、液体が垂れることを防ぐことができる。
【0037】
また多角形状の複数の孔を風が通過することで、より大きな泡が発生し、泡を軽量にすることができる。
【0038】
また支持網にて泡生成体を支持することによって、泡生成体にて発生した泡が支持網を通過するときに、泡に空気が更に混入し、泡を大きくすることができる。また泡生成体にて液体に空気が混入しなかった場合でも、支持網にて液体に空気が混入するので、多量の泡を発生させることができる。
【0039】
また前記ノズルは、噴射口から放射状に液体を噴射するので、泡生成体の表面に液体が均一に付着し、泡生成体全体から多量の泡が確実に発生する。
【0040】
また前記送風機をモータで駆動することで、エンジンで駆動させる場合に比べて送風機は小型になり、ひいては発泡装置の小型・軽量化を図ることができ、作業者が背負って散布作業をすることができる。
【0041】
また前記通風路に蛇腹状の部分を形成することで、作業者は通風路の先端を所望の方向へ向けることができ、作業者の操作性を高めて、短時間で作業を終了させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】実施の形態に係る発泡装置の外観を略示する斜視図である。
【図2】発泡装置の略示側面断面図である。
【図3】泡生成体付近の構成を略示する拡大断面図である。
【図4】泡生成体を略示する部分拡大側面図である。
【図5】泡生成体を略示する部分拡大平面図である。
【図6】実施の形態に係る発泡装置の変形例における泡生成体付近の構成を略示する拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下本発明を実施の形態に係る発泡装置を示す図面に基づいて詳述する。図1は発泡装置の外観を略示する斜視図である。
【0044】
図において1は発泡剤、例えば界面活性剤を含む薬液を貯留する直方体状のタンクであり、該タンク1は、図示しない電源から電力を供給される電動ポンプ2の吸水口に接続してある。該電動ポンプ2は直方体状の筐体3に収容してあり、該筐体3の一側面をタンク1の側面に固定してある。前記一側面に直角な筐体3の側面に開口3aが設けてあり、該開口3aから電動ポンプ2の吐出口に連結された送水管4が延出している。前記一側面に対向する筐体3の他側面には、作業者の背中が当接する背もたれ部5が設けてある。該背もたれ部5には、作業者が発泡装置を背負うための上下に伸びる二つのベルト6、6が左右に並設してある。
【0045】
前記タンク1の上面には送風機7が設けてあり、該送風機7は吸気口及び送気口を備えている。該送気口には通風路10が連結してある。送風機7にはモータ8が連結してあり、該モータ8には図示しない電源から電力が供給されている。モータ8の駆動によって送風機7は吸気口から空気を吸入して、送気口から吹き出し、吹き出された空気は通風路10を通流する。
【0046】
前記通風路10は送風管11を備えており、該送風管11の一端部が前記送気口に連結してある。送風管11は、タンク1の上面及び該上面に直角な側面に沿ってL状に湾曲している。送風管11の他端部には、下方に向かって伸びる錐形管12の上端部が連結している。錐形管12は、上端部から中途部に亘って拡径した円錐部12aと、該円錐部12aの下端部に連なり、該下端部と略同一径の大径部12bとを備えている。円錐部12aの下端部の側面には接続口12cが設けてあり、該接続口12cに前記送水管4の延出端部が接続している。
【0047】
前記大径部12bは、上部が大径部12bの軸方向に沿っており、下部が前記軸方向に直交するように外向きに湾曲したL状の湾曲管13の上端部に嵌入している。該湾曲管13の上端部は若干拡径しており、この拡径した部分に大径部12bは嵌入している。前記上端部と反対側に位置する湾曲管13の先端部には接続管14を介して蛇腹管15が接続してあり、該蛇腹管15は先端部に向かうに従って縮径している。蛇腹管15は合成繊維または合成樹脂などから構成され、必要に応じて湾曲させることができるようにしてある。蛇腹管15の先端部には連結筒16が嵌入しており、該連結筒16の蛇腹管15と反対側は、吹出管17に外嵌している。該吹出管17にはレバー17aが設けてある。
【0048】
図2は発泡装置の略示側面断面図、図3は泡生成体31付近の構成を略示する拡大断面図である。
図2に示すように、錐形管12の内側には、前記接続口12cに接続されたノズル20が配置してある。ノズル20は、電動ポンプ2から送水管4から送出された薬液が通流し、接続口12cから錐形管12の軸芯に向けて突出した突出部21と、該突出部21の突出端部から垂下した吹出部22とを備える。該吹出部22は、錐形管12の軸芯上に位置している。電動ポンプ2から圧送された薬液は、送水管4を経由して突出部21を通流し、吹出部22から霧状に噴射される。吹出部22は先端部に噴射口を備えており、該噴射口から放射状に霧状の薬液を噴射する。
【0049】
図3に示すように、湾曲管13の上端部の拡径した部分に段差が形成されており、該段差に当接するように、環状の固定部材40が湾曲管13の内側に嵌め込んである。該固定部材40の上部には前記大径部12bの下縁部分が当接している。固定部材40の内側には、ノズル20の噴射口に対向し、ノズル20の噴射口と反対側(下側)に突出した半球殻状の支持網30が、その頂部が錐形管12の軸芯上に位置するように配してある。支持網30の縁部分は、固定部材40の内周部分に固定してある。支持網30の内側には所定の厚さ(例えば1cm程度の厚さ)の網状の泡生成体31が、支持網30の内周面全体に沿って半球殻状に取付けてあり、泡生成体31の窪んだ側がノズル20の噴射口に対向している。
【0050】
図4は泡生成体31を略示する部分拡大側面図、図5は泡生成体31を略示する部分拡大平面図である。
泡生成体31は合成樹脂によって構成されており、図4に示すように、複数に分岐した線状のフレームが有機的に結合して形成されている。また図5に示すように、泡生成体31の上下方向における構造は、上下に貫通した多角形状の多数の孔が積層したような構造となっている。
【0051】
次に発泡装置による薬液の発泡について説明する。作業者は前記ベルト6に腕を通して発泡装置を背負い、レバー17aを把持する。そして作業者は電動ポンプ2及び送風機7を図示しないスイッチを操作して駆動させる。このときノズル20から泡生成体31へ向けて霧状の薬液が面状に噴射される。ノズル20の吹出部22は錐形管12の軸芯上に位置し、また支持網30の頂部も錐形管12の軸芯上に位置しており、また表面張力によって薬液は横に広がるため、噴射された薬液は泡生成体31の全面に略均一に付着し、泡生成体31の多数の孔に薬液による膜が形成される。そして送風機7から送られた風が、泡生成体31に交差するように前記孔を通過し、泡が発生する。風は高速で孔を通過するため、空気を大量に含んだ泡が多量に発生する。発生した泡は、湾曲管13及び蛇腹管15を通って、吹出管17の先端から吹き出す。なお作業者がレバー17aを把持して移動させることで、蛇腹管15は容易に湾曲し、所望の方向へ泡が飛ぶ。
【0052】
本発明に係る発泡装置は、通風方向に沿ってノズル20の噴射口と泡生成体31とが対向しており、風が高速で泡生成体31を通過し、泡生成体31にて発生した泡は多量の空気を含んだ大きな泡となり、また発生した泡は高速で移動するので、少量の薬液で形成された大きな泡が立体作物に確実に付着し、薬液を効率よく作物に付着させることができる。また大きな泡は軽量であるため、立体作物の裏側に回り込み、生息する害虫に確実に付着する。
【0053】
また泡生成体31に付着した薬液は表面張力によって横に広がり、泡生成体31に略均一に付着するので、泡生成体31全体から多量の泡を発生させることができる。
【0054】
また泡生成体31を湾曲させることによって、泡生成体31の表面積が大きくなるので、泡生成体31に多量の薬液が付着し、泡の発生量を増加させることができる。
【0055】
また泡生成体31の湾曲した部分はノズル20の噴射口と反対側に突出しているので、ノズル20から噴射された薬液が拡散しても、薬液は泡生成体31の窪んだ部分に確実に付着し、多量の泡を発生させることができる。
【0056】
また風圧によって泡生成体31に付着した薬液が移動することがあっても、泡生成体31を半球殻状とすることで風が集中する泡生成体31の頂部に薬液が集まるので、泡生成体31に付着した薬液を確実に泡にして、薬液が垂れることを防止することができる。
【0057】
また多角形状の複数の孔を風が通過することで、より大きな泡が発生し、泡を軽量にすることができる。
【0058】
また支持網30にて泡生成体31を支持することによって、泡生成体31にて発生した泡が支持網30を通過するときに、泡に空気が更に混入し、泡を大きくすることができる。また泡生成体31にて液体に空気が混入しなかった場合でも、支持網30にて液体に空気が混入するので、多量の泡を発生させることができる。
【0059】
また泡生成体31に薬液が面状に付着することで、泡生成体31全体から泡が発生し、多量の泡を確実に発生させることができる。
【0060】
また送風機7をモータ8で駆動することで、エンジンで駆動させる場合に比べて送風機7は小型になり、ひいては発泡装置が小型化・軽量化されるので、作業者が背負って散布作業を行うことができる。
【0061】
また前記通風路10に蛇腹状の部分を形成することで、作業者は通風路10の先端を所望の方向へ向けることができ、作業者の操作性を高めて、短時間で作業を終了させることができる。
【0062】
なお実施の形態に係る発泡装置を用いて、発生した泡を圃場の表面に散布し、土壌を消毒しても良い。また薬液に代えて洗浄液をタンク1に貯留し、発生した泡で物体を洗浄しても良い。また実施の形態に係る発泡装置においては、泡生成体31は半球殻状であるが波形のシート状その他の湾曲した形状に形成しても良い。また合成樹脂に代えて金属で泡生成体31を構成しても良い。また通風路10を横向きにして、ノズル20と泡生成体31とを横向きに並設しても良い。
【0063】
(変形例)
次に実施の形態に係る発泡装置の変形例について説明する。図6は泡生成体付近の構成を略示する拡大断面図である。
図6に示すように、湾曲管13の上端部の拡径した部分に段差が形成されており、該段差に当接するように、環状の固定部材60が湾曲管13の内側に嵌め込んである。該固定部材60の上部には前記大径部12bの下縁部分が当接している。固定部材60の上側内縁部にはテーパが形成してある。
【0064】
該テーパには、ノズル20の噴射口に対向し、ノズル20の噴射口と反対側(下側)に突出した円錐状の支持網50が、その頂部が錐形管12の軸芯上に位置するように配してある。支持網50の縁部分は、固定部材60のテーパに固定してある。支持網50の内側には所定の厚さ(例えば1cm程度の厚さ)の網状の泡生成体51が、支持網50の内周面全体に沿って円錐状に取付けてあり、泡生成体51の窪んだ側がノズル20の噴射口に対向している。
【0065】
泡生成体51は前述した泡生成体31と同様な構造を備えており、泡生成体51の上下方向における構造は、上下に貫通した多角形状の多数の孔が積層したような構造となっている。
【0066】
実施の形態に係る発泡装置の変形例にあっては、風圧によって泡生成体51に付着した薬液が移動することがあっても、泡生成体51を錐状とすることで泡生成体51の頂部に薬液及び風を確実に集中させて、泡生成体51に付着した薬液を確実に泡にし、薬液が垂れることを防ぐことができる。
【0067】
なお実施の形態に係る発泡装置及びその変形例は本発明の例示であって、本発明は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内において種々変更した形態にて実施することが可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0068】
1 タンク
4 送水管
7 送風機
8 モータ
10 通風路
12 錐形管
12a 円錐部
12b 大径部
12c 接続口
15 蛇腹管
20 ノズル
30、50 支持網
31、51 泡生成体
31a 孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風機と、該送風機によって発生する風が通流する通風路と、該通風路内に配置してあり、液体から泡を生成する泡生成体と、該泡生成体に液体を噴射するノズルとを備え、前記泡生成体と前記ノズルの噴射口とが対向する発泡装置において、
前記ノズルの噴射口と前記泡生成体との対向方向が前記通風路に沿っていることを特徴とする発泡装置。
【請求項2】
前記通風路は上下に配置された部分を備えており、該部分にて前記ノズルは前記泡生成体の上側に位置することを特徴とする請求項1に記載の発泡装置。
【請求項3】
前記泡生成体は湾曲した網状をなすことを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡装置。
【請求項4】
前記泡生成体の湾曲した部分は一面側に突出しており、前記泡生成体の他面側が前記ノズルの噴射口に対向していることを特徴とする請求項3に記載の発泡装置。
【請求項5】
前記泡生成体は半球殻状をなすことを特徴とする請求項4に記載の発泡装置。
【請求項6】
前記泡生成体は錘状をなすことを特徴とする請求項4に記載の発泡装置。
【請求項7】
前記泡生成体は多角形状の複数の孔を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載の発泡装置。
【請求項8】
前記泡生成体を支持する支持網を備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに記載の発泡装置。
【請求項9】
前記ノズルは噴射口から放射状に液体を噴射するようにしてあることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一つに記載の発泡装置。
【請求項10】
前記送風機を駆動するモータを備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一つに記載の発泡装置。
【請求項11】
前記通風路は蛇腹状に形成された部分を備えることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一つの記載の発泡装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−31221(P2011−31221A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−182639(P2009−182639)
【出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)「平成21年度、農林水産省、新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願」
【出願人】(000205627)大阪府 (238)
【出願人】(505127721)公立大学法人大阪府立大学 (688)
【出願人】(000250007)有光工業株式会社 (30)
【出願人】(506335581)株式会社アワフル (2)
【Fターム(参考)】