説明

発酵生地のガス抜き装置および食品の製造方法

【課題】1つのロットでミキシングされ一次発酵した発酵生地であって所定量ずつに分割された発酵生地を1つずつ順にガス抜きする発酵生地のガス抜き装置において、発酵生地のガス抜きをほぼ一様に行なう。
【解決手段】1つのロットでミキシングされ一次発酵した発酵生地であって所定量ずつに分割された発酵生地を順にガス抜きする発酵生地のガス抜き装置5において、後にガス抜きされる発酵生地ほど、ガス抜きする時間を自動的に長くするように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発酵生地のガス抜き装置および食品の製造方法に係り、特に、発酵生地を分割しこれらの分割された各発酵生地に対して、順にガス抜きを行なうものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水、小麦粉、イースト菌等をミキシングすることにより生成された発酵生地を分割して一次発酵させ、前記分割された各発酵生地に対して順にガス抜きを行い、このガス抜きがされた発酵生地に対して2次発酵等の後処理を施す構成のパン製造装置が知られている(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
なお、前記ガス抜きの目的は、発酵生地の状態を均一にし、全体の発酵生地の温度を一様にすることによって蓄積された炭酸ガスを放出し、イースト菌を活性化し、グルテンの伸延性を増強することにある。
【特許文献1】特開平4−27338号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来のパン製造装置では、分割された各発酵生地に対して順に同じ時間のガス抜きを施すので、ガス抜の先後によって、ガス抜き後の発酵生地(分割された各発酵生地)内のガスの状態が異なるという欠点がある。
【0005】
すなわち、先にガス抜きされる発酵生地と後からガス抜きされる発酵生地とでは、一次発酵の時間が異なっているので(後からガス抜きされる発酵生地のほうが一次発酵が進んでいるので)、ガス抜き処理前の状態において、後でガス抜きされる発酵生地のほうが、先にガス抜きされる発酵生地よりも多くの炭酸ガスを含んでいる。
【0006】
したがって、先にガス抜きされた発酵生地と後からガス抜きされた発酵生地とを比較すると、後にガス抜きされた発酵生地のほうが、先にガス抜きされた発酵生地よりも、ガス抜き処理後において、内部に多くの炭酸ガスを含んでおり、ガス抜きが一様に行なえないという問題がある。
【0007】
また、あんぱんなど、包あん機を用いて発酵生地で餡を包んで成型を行う際、前記包あん機には、パンチマシンによってガス抜きを行った発酵生地を投入して行うことが知られている。
【0008】
ミキサーによって混練された発酵生地の大きな塊を大きな容器に収納しておき、これを人手によって包あん機のホッパーに投入するほどの大きさに順次分割し、これを前記ホッパーに投入する前にパンチマシンによってガス抜きを行うものである。
【0009】
この際、上述したように、ガス抜きの先後によってガス抜き後の発酵生地内のガス分布状態が異なるという欠点がある。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、1つのロットでミキシングされ一次発酵した発酵生地であって所定量ずつに分割された発酵生地を1つずつ順にガス抜きする発酵生地のガス抜き装置において、発酵生地のガス抜きをほぼ一様に行なうことができる発酵生地のガス抜き装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、分割され1つずつ順にガス抜きされた発酵生地を包あん機に供給し、発酵生地であんを包み込むこと等することによって形成される食品の製造方法において、発酵生地のガス抜きをほぼ一様に行なうことができる食品の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の発明は、発酵生地の一次発酵時間の長さに応じて、ガス抜きする時間を自動的に変えることができるように構成されている発酵生地のガス抜き装置である。
【0013】
請求項2に記載の発明は、1つのロットでミキシングされ一次発酵した発酵生地であって所定量ずつに分割された発酵生地を順にガス抜きする発酵生地のガス抜き装置において、後にガス抜きされる発酵生地ほど、ガス抜きする時間を自動的に長くするように構成されている発酵生地のガス抜き装置である。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発酵生地のガス抜き装置において、前記発酵生地のガス抜き時間を設定可能なガス抜き時間設定手段を備えている発酵生地のガス抜き装置である。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発酵生地のガス抜き装置において、発酵生地の種類に応じたガス抜き時間を記憶可能なガス抜き時間記憶手段と、前記ガス抜き時間記憶手段に記憶されている各ガス抜き時間の中から所定のガス抜き時間を選択可能なガス抜き時間選択手段とを備え、前記ガス抜き時間選択手段で選択されたガス抜き時間によって発酵生地のガス抜きを行なうように構成されている発酵生地のガス抜き装置である。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の発酵生地のガス抜き装置において、1つの入力手段が操作されることにより、前記1つのロットにおける発酵生地であって分割された各発酵生地に対するガス抜きを開始するように構成されている発酵生地のガス抜き装置である。
【0017】
請求項6に記載の発明は、分割され1つずつ順にガス抜きされた発酵生地であんを包み込むことによって形成される食品の製造方法において、素材をミキシングすることによって、発酵生地を生成する発酵生地生成段階と、前記発酵生地生成段階で生成された発酵生地を一次発酵する一次発酵段階と、前記一次発酵段階で一次発酵した発酵生地を複数の発酵生地に分割する発酵生地分割段階と、前記発酵生地分割段階で分割された各発酵生地を、ガス抜き装置を用いて順にガス抜きする発酵生地ガス抜き段階と、包あん装置を用いて、前記ガス抜き段階でガス抜きされた発酵生地で、あんを包む包あん段階とを有し、前記ガス抜き装置を用いて後にガス抜きされる発酵生地ほど、ガス抜きするための時間を長くしてある食品の製造方法である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、発酵生地のガス抜きをほぼ一様に行なうことができるので、発酵生地の状態を均一にすることができる。
【0019】
という効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、発酵生地を使用した食品を製造する食品製造システム1の一部を概略的に示した図である。
【0021】
前記食品製造システム1は、発酵生地であんを包み込むことによって形成される食品を製造するシステムであり、ミキシング装置3と、ガス抜き装置(パンチマシン)5と、包あん装置7とを備えている。
【0022】
ミキシング装置3は、水、小麦粉、食塩、イースト菌等の発酵に用いる菌、バター等の油分を混ぜ合わせる(ミキシングする)ことにより、パン等に使用する発酵生地を生成(製造)する装置である。なお、前記ミキシングが完了した時点から発酵生地の一次発酵が進行する。また、前記ミキシング装置3で生成された1ロットの発酵生地は、ボウル4に移される。
【0023】
ガス抜き装置5は、前記ミキシング装置3でミキシングされ一次発酵が進行した発酵生地のガス抜きを行なう装置である。
【0024】
包あん装置7は、前記ガス抜きがされた発酵生地であんを包み込む装置である。
【0025】
前記包あん装置7で製造されたものは、後工程において二次発酵され焼き上げられ、たとえばあんパン等の食品が完成する。
【0026】
なお、本件明細書における「あん」は、餡のみに限定されるものではなく、カレーパンの具、中華まんの具等の発酵生地で包み込まれる食材をいうものとする。
【0027】
前記ガス抜き装置(発酵生地のガス抜き装置)5について詳しく説明する。
【0028】
図2は、ガス抜き装置5の概略構成を示す斜視図である。
【0029】
ガス抜き装置5は、本体部9を備え、この本体部9には、上部が開口した円柱状の凹部空間(ボウル)11が設けられている。
【0030】
前記凹部空間11の底部には、前記凹部空間11の中心CL1を回転中心にして回転する円形状の回転部材13が設けられている。
【0031】
前記回転部材13の上面であって前記中心CL1から所定の距離だけ離れた部位には、円柱形状の細長い心材15が立設されて前記回転部材13に一体的に設けられている。
【0032】
前記心材15には、円筒状のパンチ部材17が回転自在(前記心材15に対して自転自在)に設けられている。
【0033】
そして、図2では示していないモータ(図4で示すモータ31)等のアクチュエータにより、前記円形状の回転部材13を回転すると、前記心材15が前記中心CL1を中心にして公転すると共に、前記パンチ部材17も前記中心CL1を中心にして公転し、前記凹部空間11内に投入された発酵生地が、前記パンチ部材17で叩かれ、この叩かれたときに前記発酵生地のガス抜きが行なわれるようになっている。
【0034】
なお、前記パンチ部材17で発酵生地を叩くときには、前記パンチ部材17が前記心材15に対して自転するので、スムースに発酵生地を叩くことができる。
【0035】
ここで、ガス抜き装置5を用いたガス抜き時間について説明する。
【0036】
前記ガス抜き時間は、一般的には、ガス抜き装置5の凹部空間11に発酵生地を投入し、かつ、回転部材13(パンチ部材17)が回転している時間であらわすことができる。ただし、この場合、回転部材13の回転速度は一定であるものとする。
【0037】
ところで、前記回転部材13の回転速度(単位時間あたりの回転数)を増やせば、ガス抜き装置5の凹部空間11に発酵生地を投入しかつ回転部材13が回転している時間を変えなくても、ガス抜きの効果を上げることができる。すなわち、パンチ部材17で発酵生地を叩く回数が多くなるということは、ガス抜き時間が長くなることと同様の効果となる。
【0038】
したがって、本件明細書では、前記一般的な場合(凹部空間11に発酵生地を投入しかつ回転部材13を回転している時間を変更する場合)以外に、回転部材13の回転数を変更する場合等も、ガス抜き時間を変更する概念に含めることにする。
【0039】
次に、包あん装置7について説明する。
【0040】
包あん装置7は、ホッパー19を備え、このホッパー19に投入されたガス抜き処理済みの発酵生地を用いて、あん(図示しない格納部に格納されているあん)を自動的に包み込み、あんパン等の前段階の製品を製造するようになっている。
【0041】
前記包あん装置7についてより詳しくする。
【0042】
図3は、包あん装置7の概略構成を示す図である。
【0043】
包あん装置7は、架台203を備えており、この架台203の上部には、食品材としての内包材(あん)205を供給するための内包材用ホッパー207が設けてあると共に、食品材としての外皮材(発酵生地)209を供給するための外皮材用ホッパー19が設けてある。前記内包材用ホッパー207の下側には、内包材を重合ノズル213へ送給するための内包材送給装置215が設けてあり、外皮材用ホッパー19の下側には外皮材を前記重合ノズル213へ送給する外皮材送給装置217が設けてある。そして、内包材送給装置215と外皮材供給装置217との間に前記重合ノズ213が設けられている。
【0044】
前記重合ノズル213の下側には、当該重合ノズル213において内包材の外側に外皮材を重合した状態の棒状の食品材219を包被切断する包被切断装置221が設けてあり、この包被切断装置221の下側には、前記包被切断装置221によって包被切断された包被食品223を次工程へ送るためのコンベア装置225が設けられている。
【0045】
なお、前記包被切断装置221及びコンベア装置225は公知の構成で良いものであるから、その構成、作用についての詳細な説明は省略する。
【0046】
ところで、図1に示す食品製造システム1では、ミキシング装置3で生成された発酵生地(1つのロットでミキシングされ一次発酵した発酵生地)を、たとえば、図1に示すように、ボウル4に移した後、所定量ずつ、D1〜D6の複数個にほぼ均等に分割して、これらの分割された発酵生地に対して、1つずつ順に、ガス抜き装置5を用いてガス抜き処理を施している。
【0047】
また、分割され前記ガス抜き装置5でガス抜きされた発酵生地を、1つずつ順に、前記包あん装置7のホッパー19に投入している。
【0048】
より詳しくは、分割され前記ガス抜き装置5に投入された発酵生地のガス抜きが終了した後、このガス抜き終了後の発酵生地を前記ガス抜き装置5から取り出し、この後に、次の分割された発酵生地を前記ガス抜き装置5に投入し、ガス抜きを行なうようにしており、また、前記包あん装置7のホッパー19に投入されたガス抜き処理済の発酵生地の量が僅かになったときに、次のガス抜き処理済の発酵生地を、前記包あん装置7のホッパー19に投入している。
【0049】
このように、発酵生地を分割している理由は、ミキシング装置3においては、大量の発酵生地(たとえば、50kg程度の発酵生地)を一度に生成することが効率的であるのに対して、ガス抜き装置5において、一度に大量の発酵生地のガス抜きを行なうとすれば装置が大型化する等の弊害があり、また、包あん装置7のホッパー19へ一度に大量の発酵生地を投入すると、大量の発酵生地の重量によってホッパー19内における発酵生地の内圧が上昇し、ホッパー19内でブリッジ現象を生じるなど、包あんが行れる包あん形成部への発酵生地の安定供給ができなくなる等の弊害があるからである。
【0050】
したがって、前記ガス抜き装置5や前記包あん装置7に、一度に投入する発酵生地の量は、たとえば8kg程度にしてある。
【0051】
前記ガス抜き装置5についてさらに詳しく説明する。
【0052】
図4は、ガス抜き装置5の概略構成を示すブロック図である。
【0053】
ガス抜き装置5は、ガス抜き装置5全体の動作を制御する制御部21と、オペレータがガス抜き時間等を設定するとき等に使用する入力部23と、オペレータにガス抜き時間等を知らせるための表示部25と、前記制御部21の動作プログラム等を格納しているメモリ27と、ガス抜き時間等を計測するタイマ29とを備えている。
【0054】
また、前記制御部21の制御の下、前記回転部材13を回転するモータ31が駆動するようになっていると共に、起動スイッチ33、停止スイッチ35、初回戻りスイッチ37、キースイッチ39からの各信号が、前記制御部21に入力されるようになっている。
【0055】
このように構成されたガス抜き装置5では、発酵生地の一次発酵時間の長さに応じて、ガス抜きする時間を自動的に変えることができるように構成されている。たとえば、後にガス抜きされる発酵生地(分割された発酵生地)ほど、ガス抜きする時間を自動的に長くするように構成されている。
【0056】
また、ガス抜き装置5には、発酵生地のガス抜き時間を設定可能なガス抜き時間設定手段41と、前記ガス抜き時間を変更するためのガス抜き時間変更手段43と、前記ガス抜き時間変更手段43の作動を制限するガス抜き時間変更制限手段45とが設けられている。
【0057】
図5は、前記入力部23、前記表示部25、前記各スイッチ33、35、37、39が設けられている部位の拡大図であり、図2におけるIII部の拡大図である。
【0058】
前記入力部23は、10キー(テンキー)47やF1〜F6のファンクションキー49で構成されており、前記表示部25はLCD等で構成されている。なお、前記入力部23や前記表示部25は、前記ガス抜き時間設定手段41でガス抜き時間を設定し、また、前記ガス抜き時間変更手段43でガス抜き時間を変更するときに、オペレータが使用するものである。前記キースイッチ39は、前記ガス抜き時間変更制限手段45の作動をオン・オフするときに使用するものである。
【0059】
なお、前記表示部25に代えてまたは加えて、音声出力部を設け、この音声出力部を用いて、オペレータに情報を知らせるようにしてもよい。
【0060】
次に、前記ガス抜き時間設定手段41について詳しく説明する。
【0061】
前記ガス抜き時間設定手段41は、前記入力部23を介して、発酵生地の一次発酵が開始された時刻(発酵生地のミキシング完了時刻)から第1の所定の時間経過後の第1の時刻からガス抜きを開始する場合の第1のガス抜き時間と、前記発酵生地の一次発酵が開始された前記時刻から第2の所定の時間経過後の第2の時刻からガス抜きを開始する場合の第2のガス抜き時間とが入力されたときに、前記入力された第1の時間と第2の時間とを用いて、発酵生地の一次発酵が開始された時刻からの経過時間xと、この経過時間xに対応するガス抜き時間yとの間の一次関数式「y=Ax+B」(図8参照)の関数を求めることにより、前記ガス抜きの時間を設定する手段である。
【0062】
なお、前記求められた一次関数式(y=Ax+B)は、メモリ27に記憶される。
【0063】
具体的に数値を掲げて説明する。
【0064】
前記第1の所定の時間を30分とすれば、前記第1の時刻は、発酵生地の一次発酵が開始された時刻から30分経過後の時刻となる。このときの第1のガス抜き時間を45秒とする。
【0065】
また、前記第2の所定の時間を35分とすれば、前記第2の時刻は、発酵生地の一次発酵が開始された時刻から35分経過後の時刻となる。このときの第2のガス抜き時間を49秒とする。
【0066】
前記第1の所定の時刻30と、前記第1のガス抜き時間45秒とを、前記「y=Ax+B」に代入すると、「45=A30+B」なる式が求められる。
【0067】
また、前記第2の所定の時刻35と、前記第1のガス抜き時間49秒とを、前記「y=Ax+B」に代入すると、「49=A35+B」なる式が求められる。
【0068】
前記各式「45=A30+B」、「49=A35+B」より、「A」、「B」の値を求めると、「A」は、「0.8」になり、「B」は「21」になる。
【0069】
したがって、前記一次関数の式「y=Ax+B」は、「y=0.8x+21」ということになる。この求められた一次関数の式は、メモリ27に格納される。
【0070】
前記一次関数式「y=0.8x+21」を用い、前記制御部21により、分割された発酵生地におけるn(nは自然数)回目のガス抜き時間が求められる。
【0071】
たとえば、分割された発酵生地の1回目のガス抜き開始時刻が、一次発酵開始時刻から30分経過後であれば、ガス抜き時間は、前記式「y=0.8x+21」のxに「30」を代入することにより得られる時間y(x=30)である45秒になる。
【0072】
分割された発酵生地の2回目のガス抜き開始時刻が、一次発酵開始時刻から33分経過後であれば、ガス抜き時間は、前記式「y=0.8x+21」のxに「33」を代入することにより得られる時間y(x=33)である47.4秒になる。
【0073】
なお、前記例では、第1の時刻と第1のガス抜き時間とで決定するxy平面上の第1の点と、第2の時刻と第2のガス抜き時間とで決定するxy平面上の第2の点とを用いて、前記一次関数式「y=Ax+B」の傾きAと切片Bとを求めたが、xy平面上の3つ以上の点、たとえば、前記第1の点、前記第2の点に加えて、前記第1の点、前記第2の点とは異なる第3の点(第3の時刻40分、第3のガス抜き時間54秒に対応する点)を用い、前記一次関数式「y=Ax+B」の傾きAと切片Bとを求めてもよい。
【0074】
なお、前記3つの点が1つの直線上に存在しない場合には、たとえば、最小2乗法を用いて、前記一次関数式「y=Ax+B」の傾きAと切片Bとを求めればよい。
【0075】
ところで、本実施形態に係るガス抜き装置5のように、一次発酵開始時刻からの経過時間を、少なくとも2つ以上予め決めておいて、予め決められた各経過時間に応じたガス抜き時間を入力し、一次関数式「y=Ax+B」の傾きAと切片Bとを求めてもよい。
【0076】
たとえば、ガス抜き装置5において、発酵生地の一次発酵開始時刻から30分経過後の表示と、発酵生地の一次発酵開始時刻から35分経過後の表示とを自動的に行い、ガス抜き装置5のオペレータが、前記30分経過後の表示に対応するガス抜き時間45秒と、前記40分経過後の表示に対応するガス抜き時間53秒との2つのガス抜き時間を入力することにより、ガス抜き装置5(制御部21)が、前記一次関数式「y=Ax+B」の傾きAと切片Bとを自動的に求めてもよい。
【0077】
より具体的には、分割された発酵生地の初回のガス抜き開始時刻(通常は、一次発酵が開始された時刻から30分経過した時刻)を原点「0分」にとって、初回のガス抜き開始時刻からの経過時間を表示部25で、「初回(0分)」、「5分」、「10分」・・・と自動的に表示し、少なくとも2つの経過時間の表示に対応する2つのガス抜き時間が入力されたときに、ガス抜き装置5(制御部21)が、前記一次関数式「y=Ax+B」の傾きAと切片Bとを自動的に求めるようにしてもよい。
【0078】
たとえば、図5に示す状態(表示部25に図5に示す内容が表示されている状態)において、オペレータがF5のファンクションキーを押すと、表示部25の表示内容が、図6、図7(ガス抜き時間を設定するときの表示部25の表示内容を示す図)に示すような表示に切り換わる。
【0079】
なお、図5に示す状態で、ファンクションキーF5が押されると、まず、図6に示す表示がされ、続いてファンクションキーF4を押すと図7に示す表示がされ、さらにファンクションキーF4を押すと図6に示す表示がされる。また、図6や図7では、45秒、49秒等の、ガス抜き時間が表示されているが、ガス抜き時間の設定前においては、前記45秒、49秒等の欄は空欄になっている。
【0080】
ガス抜き時間を設定する場合、図6または図7に示す表示を表示部25で表示した状態で、たとえば図6を表示した状態で、ファンクションキーF1を押すと、45秒に対応した欄にカーソルが表示される(この状態では、「45」等の数字は表示されていない)。このカーソルが表示されている状態で、前記テンキー47を用いて「45」を入力すると図6に示す「初回」(分割された発酵生地の初回のガス抜き時間)、に対応するガス抜き時間として45秒が表示される。
【0081】
続いて、図6または図7に示す表示を表示部25で表示した状態で、たとえば図6を表示した状態で、ファンクションキーF3を押すと、53秒に対応した欄にカーソルが表示される(この状態では、「53」等の数字は表示されていない)。
【0082】
このカーソルが表示されている状態で、前記テンキー47を用いて「53」を入力すると図6に示す「10分後」(初回のガス抜きを開始してから10分の時間が経過したときにガス抜きを開始する場合の発酵生地のガス抜き時間)に対応するガス抜き時間として53秒が表示されると共に、他の時刻におけるガス抜き時間(たとえば、初回のガス抜きを開始してから5分の時間が経過したときにガス抜きを開始する場合の発酵生地のガス抜き時間等)49秒等の表示が、制御部21で算出され表示部25に表示される。
【0083】
すなわち、図6や図7に示してある各時間「45秒」、「49秒」、「53秒」、「57秒」、「61秒」、「65秒」が表示され、図8(一次発酵経過時間とガス抜き時間との関係を示す図)に示すような関係式(一次関数式)が求められる。なお、図8の横軸(x軸)は、一次発酵が開始してからの時刻の経過を示し、縦軸(y軸)は、ガス抜き時間を示す。
【0084】
また、表示部25が、図6や図7に示す表示をしているときに、ファンクションキーF6が押されると、図5に示す表示に戻る。
【0085】
前記ガス抜き時間設定手段41によって、ガス抜き時間が設定されることにより、ガス抜き装置5は、図8に示すように、分割された1つ目の発酵生地のガス抜きを第1の所定の時間yで行い、前記分割された2つ目以降の発酵生地のガス抜きを、前記1つ目のガス抜き開始時刻tから2つ目以降のガス抜き開始時刻tまでの時間Tに比例した時間yに前記第1の所定の時間yを加えた時間yの間行なうようになっている。
【0086】
なお、前記ガス抜き設定手段41の説明においては、発酵生地の一次発酵が開始された時刻から30分経過後の時刻を、初回のガス抜きが開始される時刻としてあるが、30分以外の時間が経過した時刻において初回のガス抜きが開始されるようにしてもよい。
【0087】
次に、前記ガス抜き時間変更手段43について詳しく説明する。
【0088】
前記ガス抜き時間変更手段43は、変更したい時刻(一次発酵が開始されたから所定の時間経過後の時刻)から所定の時間だけ遡った時刻(上流側時刻)、前記変更したい時刻から所定の時間だけ経過した時刻(下流側時刻)との間で、制御部21の制御の下、ガス抜き時間を変更するものである。
【0089】
より詳しく説明すると、前記ガス抜き時間変更手段43は、前記変更したい時刻(図9に示す時刻t)では、変更前のガス抜き時間(図9に示す時間y21)を変更したいガス抜き時間(図9に示す時間y)に変更し、前記変更したい時刻(図9に示す時刻t)と前記上流側時刻(図9に示す時刻t)との間では、前記上流側時刻(図9に示す時刻t)からの経過時間に比例させて、前記ガス抜き時間を変更する。
【0090】
すなわち、前記上流側時刻(図9に示す時刻t)と前記変更したい時刻(図9に示す時刻t)との間におけるガス抜き時間の変更分(変更前のガス抜き時間に対する変更分;変更前のガス抜き時間と変更後のガス抜き時間との差;図9に示す時間y23)は、(前記変更したい時刻(図9に示す時刻t)におけるガス抜き時間の変更分(図9に示す時間y25)×((前記上流側時刻(図9に示す時刻t)からの経過時間(図9に示す時間T))/(前記上流側時刻(図9に示す時刻t)と前記変更したい時刻(図9に示す時刻t)との間の時間(図9に示す時間T)))であらわされることになる。
【0091】
なお、前記変更したい時刻(図9に示す時刻t)と前記下流側時刻(図9に示す時刻t)との間でも、前記上流側時刻(図9に示す時刻t)と前記変更したい時刻(図9に示す時刻t)との間と同様なガス抜き時間の変更が行なわれる。
【0092】
ガス抜き時間の変更について具体的に説明する。
【0093】
図9は、ガス抜き時間を変更する場合の具体例を示す図である。横軸(x軸)は、一次発酵が開始してからの時刻の経過を示し、縦軸(y軸)は、ガス抜き時間を示す。
【0094】
なお、図9に示す一次関数式「y=Ax+B」は、変更前のガス抜き時間を示す一次関数式であり、「t」は、ガス抜き時間を変更したい時刻であり、図9では、初回のガス抜きが開始されてから10分後の時刻としてある。
【0095】
また、「t」は、前記上流側時刻を示し、図9では、初回のガス抜きが開始された時刻としてある。「t」は、前記下流側時刻を示し、図9では、初回のガス抜きが開始されてから20分後の時刻としてある。
【0096】
また、「y」は、前記変更したい時刻tにおけるガス抜き時間(変更後のガス抜き時間)を示す。
【0097】
前記ガス抜き時間変更手段43によって、ガス抜き時間の変更がされると、変更前の一次関数式「y=Ax+B」上の点(上流側時刻tに対応する点)P1と、前記変更したい時刻tと前記変更後のガス抜き時間yとによって定まる点P3とを互いに結ぶ一次関数式「y=Ax+B」によって、上流側時刻tと変更したい時刻tとの間のガス抜き時間が定まる。
【0098】
たとえば、初回パンチ開始時刻より5分経過後の時刻t11でガス抜きを開始した場合のガス抜き時間は、変更前は「y」であるが、変更後には、「y11」になる。
【0099】
同様にして、前記ガス抜き時間変更手段43によって、ガス抜き時間の変更がされると、変更前の一次関数式「y=Ax+B」上の点(下流側時刻tに対応する点)P5と、前記変更したい時刻tと前記変更後のガス抜き時間yとによって定まる点P3とを互いに結ぶ一次関数式「y=Ax+B」によって、変更したい時刻tと下流側時刻tとの間のガス抜き時間が定まる。
【0100】
なお、前記下流側時刻t9以降の時刻に、ガス抜きが開始される場合には、前記変更前の一次関数式「y=Ax+B」によって、ガス抜き時間が定まる。
【0101】
変更後の前期各一次関数式は、前記メモリ27に格納される。
【0102】
また、すでに変更されたガス抜き時間(一次関数式)に更なる変更を加える場合も、同様に変更がなされる。
【0103】
なお、既に理解されるように、変更したい時刻tに近い時刻ほどガス抜き時間の変更量が大きくなっており、変更したい時刻から時刻tから離れるほど変更量が小さくなっている。
【0104】
ところで、前記ガス抜き時間変更制限手段45を設けてあることにより、本体部9に設けられたキースイッチ39のキー孔にキーを差し込んでキーを旋回しなければ、前記制御部21の制御の下、ガス抜き時間の変更を行なうことができないようになっている。
【0105】
なお、キースイッチ39を用いる代わりに、所定のパスワードが前記入力部23から入力されたときにのみ、前記ガス抜き時間の変更を行なうことができるようにしてもよい。
【0106】
また、前記ガス抜き装置5は、1つの入力手段(たとえば、起動スイッチ33)が操作されることにより、前記1つのロットにおける発酵生地であって分割された各発酵生地に対するガス抜きが開始するようになっている。
【0107】
なお、前記停止スイッチ35は、発酵生地のガス抜きを途中で停止する場合に使用するスイッチであり、前記初回戻りスイッチ37は、ガス抜き装置5の初期設定をするときに使用するスイッチである。すなわち、初回戻りスイッチ37が押されると、この初回戻りスイッチ37が押された後に最初に押された起動スイッチ33によって、分割された発酵生地の初回のガス抜きが開始される。
【0108】
次に、食品製造システム1の動作について説明する。
【0109】
まず、ミキシング装置3で、素材(水、小麦粉、イースト菌、食塩等)をミキシングすることによって、発酵生地を生成する。
【0110】
続いて、前記生成された発酵生地を一次発酵し、この一次発酵した発酵生地を複数の発酵生地に分割し、これらの分割された各発酵生地を、1つのガス抜き装置5を用いて1つづつ順にガス抜きし、包あん装置7を用い前記ガス抜きされた発酵生地であんを包む。
【0111】
ここで、前記ガス抜き装置5を用いて後にガス抜きされる発酵生地ほど、ガス抜きするための時間を長くしてあることについて、ガス抜き装置5の動作を詳しく説明する。
【0112】
なお、ガス抜き装置5は、図8に示す一次関数式「y=0.8x+21」に基づいて、ガス抜きを行なうものとする。
【0113】
まず、一次発酵が開始された時刻から30分経過したときに、初回のガス抜きを開始する。すなわち、分割された発酵生地がガス抜き装置5のボウル11に投入され、一次発酵が開始された時刻から30分経過したときに起動スイッチ33が押されると、初回のガス抜きが開始される。初回のガス抜きは、45秒間行なわれる。すなわち、回転部材13が45秒間回転する。
【0114】
初回のガス抜き終了後、回転部材13が停止している状態で、ガス抜きされた発酵生地がガス抜き装置5から取り出され、包あん装置7に投入される。
【0115】
続いて、次の分割された発酵生地がガス抜き装置5のボウル11に投入され、起動スイッチ33が押される(起動スイッチ33の2回目の押し込みがされる)と、2回目のガス抜きが開始される。
【0116】
2回目のガス抜き時間は、次のようにして算出される。
【0117】
ガス抜き装置5は、タイマ29を用いて、起動スイッチ33が初めて押されたときからの時間をカウントしている。
【0118】
そして、起動スイッチ33が初めて押されたときから2回目に起動スイッチ33が押されたときまでの時間(たとえば2分間)を用いて、制御部21が、2回目のガス抜き時間を算出する。つまり、図8に示す一次関数式「y=0.8x+21」の「x」に「32」(一次発酵開始時刻から初回のガス抜き開始時刻までの間の時間30分と初回のガス抜き開始時刻から2回目のガス抜き開始時刻までの間の時間2分との和)を代入して、「y」の値「46.6」を求め、この求められた「46.6」が、2回目のガス抜き時間になる。
【0119】
3回目以降のガス抜き時間も同様に算出される。
【0120】
なお、図5で表示部25に示されている「現在値」は、ガス抜きが開始されてからの時間を示し、「設定値」は、ガス抜き時間を示す。すなわち、「現在値11秒」は、起動スイッチ33を押してからの経過時間を示し、「設定値45秒」は、起動スイッチ33を押してから45秒後に回転部材13が停止することを示している。
【0121】
ガス抜き装置5によれば、後にガス抜きされる発酵生地ほど、ガス抜きする時間を自動的に長くするように構成されているので、発酵生地のガス抜きをほぼ一様に行なうことができる。
【0122】
すなわち、先にガス抜きされる発酵生地と後からガス抜きされる発酵生地とでは、一次発酵の時間が異なっているので(後からガス抜きされる発酵生地のほうが一次発酵が進んでいるので)、ガス抜き処理前に状態において、後でガス抜きされる発酵生地のほうが、先にガス抜きされる発酵生地よりも多くの炭酸ガスを含んでいる。
【0123】
しかし、後からガス抜きされる発酵生地のほうが、先にガス抜きされる発酵生地よりも長い時間ガス抜きがされるので、先にガス抜きされた発酵生地であるか後にガス抜きされた発酵生地であるかにかかわらず、ガス抜き処理後においては、発酵生地の内部に含まれている炭酸ガスの量がほぼ等しく、ガス抜きがほぼ一様に行なわれていることになる。
【0124】
そして、一様にガス抜きされた均質な発酵生地を用いることにより、パン等の食品の品質を一定に保つことができる。
【0125】
また、ガス抜き装置5によれば、分割された2つ目以降の発酵生地のガス抜きを、1つ目のガス抜き開始時刻から2つ目以降のガス抜き開始時刻までの時間に比例した時間に前記第1の所定の時間を加えた時間行なうようにしているので、後に行なわれるガス抜きほど多くの時間をかけることになり、分割された各発酵生地のガス抜きを一様に行なうことができる。
【0126】
また、ガス抜き装置5によれば、ガス抜き時間設定手段41を備えているので、発酵生地の種類に応じたガス抜き時間を設定することができ、発酵生地の種類に応じて、適切なガス抜きを行なうことができる。
【0127】
さらに、ガス抜き装置5によれば、ガス抜き時間変更手段43を備えているので、実際に行なったガス抜きの結果に応じてガス抜き時間を変更することができ、より一様なガス抜きを行なうことができる。
【0128】
また、変更したい時刻のみにおけるガス抜き時間を変更するのではなく、前記変更したい時刻から所定の時間前後した各時刻の間にわたって(上流側時刻と下流側時刻との間にわたって)ガス抜き時間を変更するので、実際上必要なガス抜き時間の変更を確実に行なうことができる。
【0129】
すなわち、変更したい時刻のみでガス抜き時間を変更したとすると、前記変更したい時刻よりも僅かにずれた時刻では、ガス抜き時間が変更されないことになり、実際上必要なガス抜き時間の変更が行なわれていないことになるが、前述したように、所定の範囲(時間)にわたってガス抜き時間の変更を行なえば、実際上必要なガス抜き時間の変更がなされることになる。
【0130】
また、変更したい時刻に近い時刻ほど変更量を大きくし、変更したい時刻から遠い時刻ほど変更量を小さくしているので、より正確なガス抜き時間の変更を行なうことができる。
【0131】
また、ガス抜き装置5によれば、ガス抜き時間変更制限手段45を設けてあるので、ガス抜き時間の変更が安易に行なわれることを防止することができる。
【0132】
さらに、ガス抜き装置5によれば、起動スイッチ33が操作されることにより、1つのロットにおける発酵生地であって分割された各発酵生地に対するガス抜きの開始するように構成されているので、ガス抜きを開始する際のオペレータの操作が簡単になり、誤操作を回避することができる。
【0133】
なお、ガス抜き装置5に、発酵生地の種類に応じたガス抜き時間を記憶可能なガス抜き時間記憶手段と、前記ガス抜き時間記憶手段に記憶されている各ガス抜き時間の中から所定のガス抜き時間を選択可能なガス抜き時間選択手段とを設け、前記ガス抜き時間選択手段で選択されたガス抜き時間によって発酵生地のガス抜きを行なうようにしてもよい。
【0134】
すなわち、図10(発酵生地の種類に応じたガス抜き時間を算出するための複数の一次関数式を示す図)に示すように、各一次関数式G1、G2、G3をメモリ27に記憶しておき、各一次関数式G1、G2、G3の中から1つの一次関数式を選択し、この選択した一次関数式を用いて、図8に示す場合と同様に、ガス抜き時間を算出するようにしてもよい。
【0135】
なお、図10の横軸(x軸)は、図8に示す場合と同様に、一次発酵が開始してからの時刻の経過を示し、縦軸(y軸)は、ガス抜き時間を示す。
【0136】
ガス抜き装置5において、発酵生地の種類に応じたガス抜き時間を記憶可能なガス抜き時間記憶手段と、前記ガス抜き時間記憶手段に記憶されている各ガス抜き時間の中から所定のガス抜き時間を選択可能なガス抜き時間選択手段とを設け、前記ガス抜き時間選択手段で選択されたガス抜き時間によって発酵生地のガス抜きを行なうようにすれば、発酵生地の種類に応じた適切なガス抜きを容易に行なうことができる。
【0137】
なお、一次関数式を変更した場合と同様(図9参照)に、ガス抜き時間変更43を用いて、各一次関数式G1、G2、G3を変更できるようにしてもよい。さらには、ガス抜き時間変更制限手段45によって、前記各一次関数式G1、G2、G3の変更に制限を加えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】発酵生地を使用した食品を製造する食品製造システムの一部を概略的に示した図である。
【図2】ガス抜き装置の概略構成を示す斜視図である。
【図3】包あん装置の概略構成を示す図である。
【図4】ガス抜き装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】入力部、表示部、各スイッチが設けられている部位の拡大図であり、図2におけるIII部の拡大図である。
【図6】ガス抜き時間を設定するときの表示部の表示内容を示す図である。
【図7】ガス抜き時間を設定するときの表示部の表示内容を示す図である。
【図8】一次発酵経過時間とガス抜き時間との関係を示す図である。
【図9】ガス抜き時間を変更する場合の具体例を示す図である。
【図10】発酵生地の種類に応じたガス抜き時間を算出するための複数の一次関数式を示す図である。
【符号の説明】
【0139】
1 食品製造システム
3 ミキシング装置
5 ガス抜き装置
7 包あん装置
9 本体部
11 凹部空間(ボウル)
13 回転部材
15 心材
17 パンチ部材
19 ホッパー
21 制御部
23 入力部
25 表示部
27 メモリ
29 タイマ
31 モータ
33 起動スイッチ
39 キースイッチ
41 ガス抜き時間設定手段
43 ガス抜き時間変更手段
45 ガス抜き時間変更制限手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発酵生地の一次発酵時間の長さに応じて、ガス抜きする時間を自動的に変えることができるように構成されていることを特徴とする発酵生地のガス抜き装置。
【請求項2】
1つのロットでミキシングされ一次発酵した発酵生地であって所定量ずつに分割された発酵生地を順にガス抜きする発酵生地のガス抜き装置において、
後にガス抜きされる発酵生地ほど、ガス抜きする時間を自動的に長くするように構成されていることを特徴とする発酵生地のガス抜き装置。
【請求項3】
請求項2に記載の発酵生地のガス抜き装置において、
前記発酵生地のガス抜き時間を設定可能なガス抜き時間設定手段を備えていることを特徴とする発酵生地のガス抜き装置。
【請求項4】
請求項2に記載の発酵生地のガス抜き装置において、
発酵生地の種類に応じたガス抜き時間を記憶可能なガス抜き時間記憶手段と;
前記ガス抜き時間記憶手段に記憶されている各ガス抜き時間の中から所定のガス抜き時間を選択可能なガス抜き時間選択手段と;
を備え、前記ガス抜き時間選択手段で選択されたガス抜き時間によって発酵生地のガス抜きを行なうように構成されていることを特徴とする発酵生地のガス抜き装置。
【請求項5】
請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の発酵生地のガス抜き装置において、
1つの入力手段が操作されることにより、前記1つのロットにおける発酵生地であって分割された各発酵生地に対するガス抜きを開始するように構成されていることを特徴とする発酵生地のガス抜き装置。
【請求項6】
分割され1つずつ順にガス抜きされた発酵生地であんを包み込むことによって形成される食品の製造方法において、
素材をミキシングすることによって、発酵生地を生成する発酵生地生成段階と;
前記発酵生地生成段階で生成された発酵生地を一次発酵する一次発酵段階と;
前記一次発酵段階で一次発酵した発酵生地を複数の発酵生地に分割する発酵生地分割段階と;
前記発酵生地分割段階で分割された各発酵生地を、ガス抜き装置を用いて順にガス抜きする発酵生地ガス抜き段階と;
包あん装置を用いて、前記ガス抜き段階でガス抜きされた発酵生地で、あんを包む包あん段階と;
を有し、前記ガス抜き装置を用いて後にガス抜きされる発酵生地ほど、ガス抜きするための時間を長くしてあることを特徴とする食品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−149209(P2006−149209A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−340126(P2004−340126)
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(000115924)レオン自動機株式会社 (98)
【Fターム(参考)】