説明

発電所によりモーターに電力を供給し自動車を牽引する長距離移動システム

【課題】 発電所によりモーターに電力を供給し自動車を牽引する長距離移動システムの提供。
【解決手段】発電所によりモーターに電力を供給し自動車を牽引する長距離移動システムは、金属車輪7を備えるトレーラー1がレールを使用できるよう、高速道路中央に1本の軽軌道線路3を敷設し、発電所の電力は(都市の鉄道輸送システムのように)、軽軌道線路3を経て、トレーラー1上のモーター5に伝えられ、モーター5はトレーラー1を動かし、トレーラー1を後方の被牽引自動車2に連結し、軽軌道線路3上で走行し、これにより走行中は、自動車2のエンジンを停止し、アクセルを閉じた状態でもスピーディーに前進が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発電所によりモーターに電力を供給し自動車を牽引する長距離移動システムに関し、特に道路の中央に軽軌道線路を敷設し、金属車輪を備えるトレーラーは軌道上を走行し、レールは自動車の両輪より狭いため、後方の自動車の両輪はレール外側を跨いで圧迫し、トレーラーと自動車との前後を引っ掛けて接続後、前方のトレーラーは軌道を走り、牽引される後方の自動車の車輪は道路上の軌道の外側を圧迫し、前方のトレーラーに供給されるエネルギーは発電所の電力で、電力はレールを導体としてトレーラーの金属車輪により、前方のトレーラーのモーターに伝えられ、減速後は後輪軸を動かし、これによりトレーラーを動かし、こうして後方に接続される自動車は、「エンジン停止」状態で、トレーラーに従い前進する発電所によりモーターに電力を供給し自動車を牽引する長距離移動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術の内、最近のものは、本発明人が2005年6月31日に申請した特許文献1である。
特許文献1が掲示するトレーラーは、牽引力にリニアパワーを用いる。
リニアパワーは、トレーラーを時速500マイルの速度で前進させることができるが、後方の被牽引車両は、この速度について行けない。
さらに、リニアの路面とトレーラーにより、該設計は5〜8倍も高価になってしまっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】台湾特許公示第094120529号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、設計を簡易化するため、従来の技術で利用したリニアパワーをモーターに変更し、モーターによりトレーラーを動かし、エンジン停止の状態で牽引し、自動車を目的地まで牽引可能で、非常に合理的な設計である発電所によりモーターに電力を供給し自動車を牽引する長距離移動システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は下記の発電所によりモーターに電力を供給し自動車を牽引する長距離移動システムを提供する。
発電所によりモーターに電力を供給し自動車を牽引する長距離移動システムは、道路の中央に1本以上の軽軌道線路を敷設し、これにより金属車輪を備えるトレーラーはレール上を走行し、自動車を連結して該軽軌道線路上を走行可能で、
こうして走行中は、該自動車はエンジンを停止し、アクセルを閉じた状態でもスピーディーに前進が可能で、
台湾のMRTに類似しているが、それとの相違は、
台湾のMRT車両は巨大な推進力を備えるディーゼル車が慣性を克服し、設定速度に到達後、軽軌道線路を用いて、車両に高圧電力を提供して推進力を与えるが、該ディーゼル車の重量は、それ自身の推進効率を無駄にしており、また該ディーゼル車が排出する排気のろ過にも、非常に大きな手間がかかるが、
本発明の起動力は、被牽引自動車に頼り、設定速度に到達後にアクセルを閉じ、その後の自動車の走行、空気抵抗、重力、機械摩擦力は、トレーラーの電力モーターによって完成される。
【発明の効果】
【0006】
本発明発電所によりモーターに電力を供給し自動車を牽引する長距離移動システムは、モーターによりトレーラーを動かし、エンジン停止の状態で牽引し、自動車を目的地まで牽引可能で、非常に合理的な設計である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明のトレーラーが軽軌道線路上にある状態を示す模式図である。
【図2】本発明のトレーラーの金属車輪及び自動車の車輪とレールとの間の位置関係を示す俯瞰図である。
【図3】本発明一実施例において、トレーラーと自動車の走行時に、レーザー距離測定器により速度を制御し、両者間の指定距離を保持する状態を示す模式図である。
【図4】本発明の連接器とジョイントが連結器を挟んで結合する前の状態を示す模式図である。
【図5】本発明の連接器とジョイントが連結器を挟んで結合した状態を示す模式図である。
【図6】本発明の一実施例において、本発明を高速道路において運用する時の各部制御の状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1、2、3、4、5、6に示すように、本発明は、既存の高速道路に合わせて改変して使用する。
既存の高速道路を調べたところ、その多くは、4車線或いは6車線である。
しかし、実際に使用される路線は、上り車線と下り車線の2車線のみで、自動車2はその車線内では一方通行で走行するため、一方向だけを見れば、高速道路の車線は2車線或いは3車線のみである。
そのため、本発明は2車線作業を、設計の基礎とする。
本発明により、高速道路上で走行に用いる燃油を電力に改変する。
運転者は、道路を使用することで使用料(通行料)を納付し、また車両を動かすためのエネルギー費用をも負担しなければならず、本発明はこれら費用を適切に制御するものである。
【0009】
本発明は、金属車輪7を備えるトレーラー1がレールを使用できるよう、高速道路に1本以上の軽軌道線路3を敷設する。
軽軌道線路3の幅は、自動車2両側の車輪8間の幅よりも狭いため、自動車2の両側の車輪8は、軽軌道線路3の外側を跨いで走行する。
金属車輪7を備えるトレーラー1は、軽軌道線路3上を走行し、発電所の電力は(都市の鉄道輸送システムのように)、軽軌道線路3を経て、金属車輪7によりトレーラー1上のモーター5に伝えられる。
モーター5は、トレーラー1を動かす。
トレーラー1の金属車輪7とモーター5との間は、電力導線14により電気的に連接する。
モーター5は、伝動軸13により後方の差動器6を駆動し、これにより後方の金属車輪7を駆動する。
自動車2が高速道路に上がると、第一ステップとして、運転者は自身が所有するプリペイドカードBを取り出す。
プリペイドカードBは、予め費用を納め、高速道路を下りる時に、距離に応じた通行料を支払うために用いる。
第二ステップとして、道路管理部門は、自動車2がランプに進入すると、先ず、ランプ入口に設置する路上スケール32で、自動車の重量を瞬間的に測定する。
次に、両側に設置する自動車長測定器31で、車長を測定する。
上記2項のデータに基づき、その自動車が大型車であるか、小型車であるかをコンピューターが瞬間的に決定し、ランプ中間地点において、Y字型路末端の中央に設置する信号22の緑灯により、その自動車2が進入すべき車道を指示する。
さらに、Y字型路末端に設置するゲート21を開く。
走行の安全と制御の便を考慮し、ゲート21の内一方は、速度が速い小型車を通過させ、もう一方は、速度が遅い大型車を通過させる。
自動車2は緑灯によりゲート21を通過すると、横方向軌道23の輸送テーブル231に進入し、輸送テーブル231は、自動車2をトレーラー1と対応して連結する軌道の起点に移動させ、そこで待機させる。
技術スタッフは起点において、運転者の自動車2をトレーラー1に掛けて接続する。
自動車2が重量と車長のデータを提供すると、コンピューターは直ちに、その自動車2を牽引するために必要な牽引力を持つトレーラー1を運搬する。
同時に、リニアパワーを利用して、必要なトレーラー1を軌道傍ら待機中の自動車2の方向へと向かわせる。
同時に、技術人員が携帯する呼出装置は、トレーラー1の傍らに行くよう、技術人員に指令を発し、技術人員は、トレーラー1と進入して来た自動車2を接続し、高速道路へと送り出す。
同時に、技術人員は、走行距離を計算して支払いの依拠とするため、走行距離を計算する距離カードCをトレーラー1上に挿入する。
トレーラー1後方には、連接器4を設置し、被牽引自動車2前方のジョイント43と連結する。
動き始める時には、自動車2の推進力で前方のトレーラー1を押し、速度が設定速度に達すると、自動車2のエンジンを停止し、前方のトレーラー1は電力を使用して前進を続ける。
前後の車両の車間距離を維持するため、トレーラー1前方には、レーダー距離測定器Aを設置し、これにより車間距離を測定し、また迅速に反応する自動コントローラーを用いて、トレーラー1モーター5のクラッチとブレーキを制御する。
このように、人手により制御する必要がなく、コントローラーは自動的に制御し、自動的に操作し、車間距離の縮小を達成するため、道路の使用可能空間を拡大し、走行の安全を確保することができる。
連結器4は、挟むことができる1組のクリップアーム41を備える。
1組のクリップアーム41内端には、押し上げ部411をそれぞれ形成する。
ジョイント43がクリップアーム41内端に進入し、押し上げ部411を押し上げると、1組のクリップアーム41は、ジョイント43を挟んで固定する。
同時に、下方に設置する電磁バルブ42の定位ピン421は、磁吸引力を失い、バネの力を受けて弾み、片方のクリップアーム41端に設置する定位孔412に進入する。
これにより、連接器4は、ジョイント43と確実に接続される。
分離する時には、電磁バルブ42の電磁コイルに通電すると、定位ピン421は縮み、定位孔412から外に出る。
これにより、1組のクリップアーム41は開き、前後車両の移動後に、トレーラー1と自動車2を分離する目的を達成する。
さらに、高速道路路傍には、レーダーセンサー10を設置し、走行状況を探知する。
事故の発生を探知したなら、レーダーセンサー10は、各自動車2内に設置するモニター9に信号を発信し、警告を表示し、早目にインターチェンジから降りさせる。
【0010】
上記の本発明名称と内容は、本発明技術内容の説明に用いたのみで、本発明を限定するものではない。本発明の精神に基づく等価応用或いは部品(構造)の転換、置換、数量の増減はすべて、本発明の保護範囲に含むものとする。
【産業上の利用可能性】
【0011】
本発明は特許請求の要件である新規性を備え、従来の同類製品に比べ十分な進歩を有し、実用性が高く、社会のニーズに合致しており、産業上の利用価値は非常に大きい。
【符号の説明】
【0012】
1 トレーラー
11 車輪フレーム
12 免震器
13 伝動軸
14 電力導線
2 自動車
21 ゲート
22 信号
23 横方向軌道
231 輸送テーブル
3 軽軌道線路
31 自動車長測定器
32 路上スケール
4 連接器
41 クリップアーム
411 押し上げ部
412 定位孔
42 電磁バルブ
421 定位ピン
43 ジョイント
5 モーター
6 差動器
7 金属車輪
8 車輪
9 モニター
10 レーダーセンサー
A レーダー距離測定器
B プリペイドカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電所によりモーターに電力を供給し自動車を牽引する長距離移動システムにおいて、高速道路に1本以上の軽軌道線路を敷設し、金属車輪を備えるトレーラーは前記軽軌道線路のレール上を走行し、前記軽軌道線路幅は、自動車両側の車輪間の幅よりも狭いため、前記自動車の両側の車輪は、前記軽軌道線路の外側を跨いで走行し、
こうして、前記金属車輪を備えるトレーラーは、前記軽軌道線路上を走行し、
発電所の電力は、前記軽軌道線路を経て、前記金属車輪により前記トレーラー上のモーターに伝えられ、前記モーターは、前記トレーラーを動かし、前記トレーラーの金属車輪と前記モーターとの間は、電力導線により電気的に連接し、
前記モーターは、伝動軸により後方の差動器を駆動し、これにより後方の金属車輪を駆動し、
こうして、前記トレーラーを前記軽軌道線路のレールにおいて動かし前進させ、これにより、後方に連結する自動車を目的地まで走行させることを特徴とする発電所によりモーターに電力を供給し自動車を牽引する長距離移動システム。
【請求項2】
前記トレーラー後方には、連接器を設置し、前記自動車前方には、ジョイントを設置し、
前記連接器により、被牽引自動車前方のジョイントと連結し、こうして前記トレーラーは後方の自動車を牽引することができ、しかも前記自動車の車輪は、道路面にある前記軽軌道線路の両外側を押さえることを特徴とする請求項1に記載の発電所によりモーターに電力を供給し自動車を牽引する長距離移動システム。
【請求項3】
前記トレーラーと前記自動車を連結後、動き始める時には、先ず前記自動車の推進力で、前記前方のトレーラーを押し、速度が設定速度に達すると、前記自動車のエンジンを停止し、前記前方のトレーラーは電力を使用して前進を続けることを特徴とする請求項1に記載の発電所によりモーターに電力を供給し自動車を牽引する長距離移動システム。
【請求項4】
前記自動車が高速道路前のランプに進入すると、先ず、ランプ入口に設置する路上スケールで、自動車の重量を瞬間的に測定し、
次に、両側に設置する自動車長測定器で、車長を測定し、
前記2つのデータに基づき、前記自動車が大型車であるか、小型車であるかをコンピューターが瞬間的に決定し、この分類データに基づき、前記自動車は速度が異なる車道2本の内のどちらかにそれぞれ進入することを特徴とする請求項1に記載の発電所によりモーターに電力を供給し自動車を牽引する長距離移動システム。
【請求項5】
前記トレーラー前方には、レーダー距離測定器を設置し、これにより前後の車両の車間距離を測定し、また迅速に反応する自動コントローラーを用いて、前記トレーラーのモーターのクラッチとブレーキを制御し、
こうして車間距離の縮小を達成するため、高速道路の使用可能空間を拡大し、走行の安全を確保可能であることを特徴とする請求項1に記載の発電所によりモーターに電力を供給し自動車を牽引する長距離移動システム。
【請求項6】
前記発電所によりモーターに電力を供給し自動車を牽引する長距離移動システムは、プリペイドカードと距離カードを備え、
前記自動車は高速道路に上がると、運転者は自身のプリペイドカードを取り出し、高速道路を下りる時に、距離に応じた通行料を支払うために用い、
前記トレーラーを、前記進入して来た自動車に連結し、高速道路へと送り出す前に、走行距離を計算する前記距離カードを前記トレーラー上に挿入し、走行距離を計算して、支払いの依拠とすることを特徴とする請求項1に記載の発電所によりモーターに電力を供給し自動車を牽引する長距離移動システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−95249(P2010−95249A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−230479(P2009−230479)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【出願人】(504274723)
【Fターム(参考)】