説明

発電装置

【課題】運転停止中に蒸気発生器内の圧力が上昇することを防止すると共に、蒸気発生器内への作動媒体の流入を抑止することで、装置内が過圧状態になることを防止できる発電装置を提供する。
【解決手段】タービン31をバイパスして蒸気発生器10で発生した作動媒体蒸気を凝縮器40へ送るバイパス配管70を設けると共に、該バイパス配管70に開閉弁71を設けた発電装置において、蒸気発生器10内の圧力値が規定圧力値を上回ったら開閉弁71を開き、規定圧力値を下回ったら開閉弁71を閉じるように制御する弁開閉制御手段15を設けることで、装置の運転停止中に、蒸気発生器10内の圧力が上昇する前に作動媒体蒸気を凝縮器40へ逃がし、且つ逆止弁52を介して蒸気発生器10内に作動媒体液が流入することを抑止することで、発電装置内が過圧状態になることを防止するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、比較的低温の排熱等の熱源媒体と作動媒体との熱交換で回収した熱エネルギーでタービン発電機を駆動して電力を得る作動媒体循環型の発電装置に関し、特に、装置の運転停止中に作動媒体が加熱されることで装置内が過圧状態になることを防止する発電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
200〜400℃程度の排ガスあるいは60〜100℃の排温水など比較的低温の排熱を熱源として発電電力を回収できる小型の発電装置の開発が試みられている。この種の発電装置には、ランキンサイクル等を利用した作動媒体循環型の発電装置が用いられるが、装置の小型化を図るために、例えば特許文献1,2に示すように作動媒体として水よりも低沸点の媒体が用いられている。
【0003】
図1は、この種の従来の発電装置の構成例を示す図である。この発電装置は、熱源装置5から供給される温水などの熱源媒体6を蒸気発生器10に受け入れて、熱源媒体と作動媒体液の熱交換で高圧の作動媒体蒸気を発生させ、気液分離器20で未気化の作動媒体液滴を分離除去した後、作動媒体蒸気をタービン発電機30のタービン31に導き、発電機32を駆動して電力を回収する。タービン31を出た低圧の作動媒体蒸気は、凝縮器40に送られ、凝縮器40で冷却水などの冷却媒体8との熱交換によって液化され、作動媒体液循環ポンプ50で与圧されて再び蒸気発生器10へ導かれる。本発電装置内を循環する作動媒体はフロン、アンモニア、炭化水素類、炭酸ガス、アルコール類などの水よりも低沸点の媒体である。なお、図1の符号33は、タービン発電機30の主軸受34や補助軸受35に供給する潤滑油を循環させる潤滑油循環経路であり、図示及び詳細な説明は省略するが、この潤滑油循環経路33には潤滑油タンクや潤滑油供給ポンプなどが設置されている。
【0004】
この発電装置では、蒸気発生器10からタービン31へ作動媒体蒸気を送る主蒸気配管60に、主蒸気弁(主蒸気遮断弁)61を設置している。さらに、主蒸気配管60とは別に、蒸気発生器10と凝縮器40を直接連通するバイパス配管70を設けると共に、該バイパス配管70にその流路を開閉するバイパス弁(開閉弁)71を設置している。これにより、装置の予熱などを行なう場合に、主蒸気弁61を閉止してタービン31を停止する一方でバイパス弁71を開くことで、蒸気発生器10で発生した作動媒体蒸気を凝縮器40へ直接送り、作動媒体液が安定して蒸発するまで待機できるように構成している。一方で、作動媒体液循環ポンプ50と蒸気発生器10の間の給液配管51には、蒸気発生器10内の作動媒体液の逆流を防止する逆止弁52が設置されている。また、蒸気発生器10の下流側には、蒸気発生器10内が危険な過圧状態になった場合に作動媒体蒸気を外部に逃がす安全弁9が設けられている。
【0005】
またこの発電装置では、作動媒体液循環ポンプ50の吸込側のNPSH(Net Positive Suction Head)を確保するために、凝縮器40を作動媒体液循環ポンプ50よりも高い位置に設置する必要がある。したがって装置内の凝縮器40の下側に余剰の空間ができるため、この空間に蒸気発生器10を配置することで、内部空間を有効活用して装置のコンパクト化を図っている。
【特許文献1】特開2000−110514号公報
【特許文献2】特表2001−525512号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところでこの発電装置では、運転停止中に熱源装置5から熱源媒体6が供給されると、蒸気発生器10に残留する作動媒体液が加熱されて、作動媒体蒸気が発生する。その際、バイパス弁71が閉じていると、蒸気発生器10内の圧力が上昇する。熱源媒体6の温度が高い場合、この圧力が設計圧力を超えて過圧状態になり、安全弁9が作動してしまう。安全弁9が作動すると作動媒体が外部に放出されて不足するので、そのままでは発電装置の次回の運転が不能となる。また、作動媒体の種類によっては外部に放出されることで環境に悪影響を及ぼすおそれもある。
【0007】
一方、バイパス弁71が開いていると、発生した作動媒体蒸気がバイパス配管70を介して凝縮器40へ送られる。凝縮器40の温度が低い場合は送られた作動媒体蒸気が凝縮して液化するが、バイパス弁71が開いていることで、凝縮器40内の圧力と蒸気発生器10内の圧力がほぼ均圧している。そのため、凝縮器40内の作動媒体液はその実揚程によって蒸気発生器10に流れ込む。すると発電装置内に作動媒体の自然循環が起こり、作動媒体が継続的に加熱されて、徐々に発電装置内の温度・圧力が上昇する。発電装置内の全体が加熱されて異常な高圧あるいは高温の状態になると、安全弁9が作動したり発電装置の損傷につながったりするおそれがある。
【0008】
これらの問題を防止するには、発電装置の運転停止中に蒸気発生器10内に作動媒体液が残留しないようにする必要があるが、上記したように凝縮器40が蒸気発生器10よりも高い位置にあることで、作動媒体液が重力で蒸気発生器10内に流入してしまう。そこで、発電装置の運転停止中に蒸気発生器10に熱源媒体6が供給されないようにインターロック等の機構を設けることが考えられるが、それでも、発電装置と熱源装置5とは別の装置なので、発電装置の運転停止中に熱源装置5から熱源媒体6が供給される可能性を完全に排除することはできない。また、制御弁等の故障により誤って熱源媒体6が供給されてしまう可能性もある。
【0009】
また、作動媒体が循環する配管に、該配管を中途で閉め切る自動弁等の機構を設置して作動媒体の自然循環を防止する方法が考えられるが、自動弁の手前で圧力が異常に上昇した場合には安全弁9が吹き出すおそれが残る上に、自動弁等の機構を多数設置することは、発電装置のコスト増につながってしまう。
【0010】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、装置の運転停止中に蒸気発生器内の圧力が上昇することを防止すると共に、蒸気発生器内への作動媒体の流入を抑止することで、装置内が過圧状態になることを効果的に防止できる発電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため本願の請求項1に記載の発明は、蒸気発生器、タービン発電機、凝縮器、作動媒体液循環ポンプを備え、前記蒸気発生器に熱源媒体を導入し、前記凝縮器から前記作動媒体液循環ポンプにより逆止弁を介して蒸気発生器内に導いた作動媒体液を前記熱源媒体で加熱し蒸発させ、発生した作動媒体蒸気をタービン発電機のタービンに導き発電機を駆動し、該タービンから排出される作動媒体蒸気を前記凝縮器に戻すように構成した発電装置において、前記発電装置の運転停止中に、前記蒸気発生器内の圧力を、前記逆止弁を介して前記蒸気発生器内に作動媒体液が流入することを抑止する所定の下限圧力値以上、且つ前記蒸気発生器内が過圧状態にならない所定の上限圧力値以下の圧力に調節する蒸気発生器内圧力調節手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
本願の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発電装置において、前記タービンをバイパスして前記蒸気発生器で発生した作動媒体蒸気を前記凝縮器へ送るバイパス配管を設けると共に、該バイパス配管に開閉弁を設け、前記蒸気発生器内圧力調節手段として、前記蒸気発生器内の圧力値が規定圧力値を上回ったら前記開閉弁を開き、前記規定圧力値を下回ったら前記開閉弁を閉じるように制御する弁開閉制御手段を設けたことを特徴とする。なお、ここでいう規定圧力値とは、逆止弁を介して蒸気発生器内に作動媒体液が流入することを抑止する所定の下限圧力値以上で、且つ蒸気発生器内が過圧状態にならない所定の上限圧力値以下の範囲内の所定の圧力値である。
【0013】
本願の請求項3に記載の発明は、タービンをバイパスして前記蒸気発生器で発生した作動媒体蒸気を前記凝縮器へ送るバイパス配管を設けると共に、該バイパス配管に開閉弁を設ける一方、前記蒸気発生器内圧力調節手段として、前記蒸気発生器で発生した作動媒体蒸気を前記凝縮器へ逃がす作動媒体蒸気逃し配管と、前記蒸気発生器内の圧力値が規定圧力値を上回ったら該作動媒体蒸気逃し配管の流路を開き、前記規定圧力値を下回ったら該流路を閉じる構成の逃し弁とを備えたことを特徴とする。
【0014】
本願の請求項4に記載の発明は、蒸気発生器、タービン発電機、凝縮器、作動媒体液循環ポンプを備え、前記蒸気発生器に熱源媒体を導入し、前記凝縮器から前記作動媒体液循環ポンプにより逆止弁を介して蒸気発生器内に導いた作動媒体液を前記熱源媒体で加熱し蒸発させ、発生した作動媒体蒸気をタービン発電機のタービンに導き発電機を駆動し、該タービンから排出される作動媒体蒸気を前記凝縮器に戻すように構成した発電装置において、前記蒸気発生器内の作動媒体液を抽出して前記凝縮器へ戻す作動媒体液戻し配管を設けると共に、該作動媒体液戻し配管に開閉弁を設置したことを特徴とする。
【0015】
本願の請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発電装置において、前記蒸気発生器内の圧力値が規定圧力値を上回ったら前記開閉弁を開き、前記規定圧力値を下回ったら前記開閉弁を閉じるように制御する弁開閉制御手段を設けたことを特徴とする。
【0016】
本願の請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の発電装置において、前記蒸気発生器内の作動媒体液の液面を検出する液面検出手段を備えると共に、前記液面検出手段が蒸気発生器内の作動媒体液の液面を検出する場合に前記開閉弁を開き、前記液面を検出しない場合に前記開閉弁を閉じるように制御する弁開閉制御手段を備えたことを特徴とする。
【0017】
本願の請求項7に記載の発明は、請求項4に記載の発電装置において、前記開閉弁は、前記蒸気発生器内の圧力値が規定圧力値を上回ったら開き、前記規定圧力値を下回ったら閉じる構成の逃し弁であることを特徴とする。
【0018】
本願の請求項8に記載の発明は、請求項4に記載の発電装置において、前記開閉弁は、通電時には閉じ且つ停電時には自動的に開くように構成した電磁弁であることを特徴とする。
【0019】
本願の請求項9に記載の発明は、蒸気発生器、タービン発電機、凝縮器、作動媒体液循環ポンプを備え、前記蒸気発生器に熱源媒体を導入し、前記凝縮器から前記作動媒体液循環ポンプにより蒸気発生器内に導いた作動媒体液を前記熱源媒体で加熱し蒸発させ、発生した作動媒体蒸気をタービン発電機のタービンに導き発電機を駆動し、該タービンから排出される作動媒体蒸気を前記凝縮器に戻すように構成した発電装置において、前記作動媒体液循環ポンプと前記蒸気発生器の間に液封を設置することで、前記発電装置の停止中における前記凝縮器から前記蒸気発生器への作動媒体液の流入を抑止するように構成したことを特徴とする。
【0020】
本願の請求項10に記載の発明は、蒸気発生器、タービン発電機、凝縮器、作動媒体液循環ポンプを備え、前記蒸気発生器に熱源媒体を導入し、前記凝縮器から前記作動媒体液循環ポンプにより蒸気発生器内に導いた作動媒体液を前記熱源媒体で加熱し蒸発させ、発生した作動媒体蒸気をタービン発電機のタービンに導き発電機を駆動し、該タービンから排出される作動媒体蒸気を前記凝縮器に戻すように構成した発電装置において、前記作動媒体液循環ポンプと前記蒸気発生器の間に所定のクラッキング圧を有する逆止弁を設置することで、前記発電装置の停止中における前記凝縮器から前記蒸気発生器への作動媒体液の流入を抑止するように構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本願の請求項1に記載の発明によれば、蒸気発生器内の圧力を、逆止弁を介して蒸気発生器内に作動媒体液が流入することを抑止する所定の下限圧力値以上、且つ蒸気発生器内が過圧状態にならない所定の上限圧力値以下の圧力に調節する蒸気発生器内圧力調節手段を備えたので、発電装置の運転停止中に蒸気発生器に熱源媒体が供給されても、蒸気発生器内の圧力が過圧状態になる前にその圧力を下げることができると共に、蒸気発生器内に新たな作動媒体液が流入することを防止できるので、発電装置内が過圧状態になることを効果的に防止できる。
【0022】
本願の請求項2に記載の発明によれば、蒸気発生器内圧力調節手段として、蒸気発生器内の圧力値が規定圧力値を上回ったら開閉弁を開き、規定圧力値を下回ったら開閉弁を閉じるように制御する弁開閉制御手段を設けたので、蒸気発生器内が過圧状態になる前に作動媒体蒸気を逃がすことで蒸気発生器内の圧力を下げることができると共に、逆止弁を介して蒸気発生器内に新たな作動媒体液が流入することを防止できる機構を、簡単な構成で安価に実現でき、発電装置内が過圧状態になることを効果的に防止できる。
【0023】
本願の請求項3に記載の発明によれば、蒸気発生器内圧力調節手段として、蒸気発生器で発生した作動媒体蒸気を凝縮器へ逃がす作動媒体蒸気逃し配管と、蒸気発生器内の圧力値が規定圧力値を上回ったら該作動媒体蒸気逃し配管の流路を開き、規定圧力値を下回ったら該流路を閉じる構成の逃し弁とを備えたので、蒸気発生器内が過圧状態になる前に作動媒体蒸気を逃がすことで蒸気発生器内の圧力を下げることができると共に、逆止弁を介して蒸気発生器内に新たな作動媒体液が流入することを防止できる機構を、簡単な構成で安価に実現でき、発電装置内が過圧状態になることを効果的に防止できる。特に、作動媒体蒸気逃し配管や逃し弁は、発電装置が備える他の配管や弁と比較して小径あるいは小型のもので十分にその役割を果たせるため、これらを設置することによるコスト増を抑制でき、発電装置を安価に製作することが可能となる。
【0024】
本願の請求項4に記載の発明によれば、蒸気発生器内の作動媒体液を抽出して凝縮器へ戻す作動媒体液戻し配管を設けると共に、該作動媒体液戻し配管に開閉弁を設置したので、装置の運転停止中に、開閉弁を開閉することで蒸気発生器内の作動媒体液を凝縮器へ戻すことができるので、蒸気発生器内における作動媒体液の気化蒸発を抑制でき、蒸気発生器内の圧力を調節して過圧状態になることを防止できる。
【0025】
本願の請求項5に記載の発明によれば、蒸気発生器内の圧力値が規定圧力値を上回ったら開閉弁を開き、規定圧力値を下回ったら開閉弁を閉じるように制御する弁開閉制御手段を設けたので、蒸気発生器内の圧力を調節する機構を簡単な構成で安価に実現でき、発電装置内が過圧状態になることを効果的に防止できる。
【0026】
本願の請求項6に記載の発明によれば、蒸気発生器内の作動媒体液の液面を検出する液面検出手段を備えると共に、液面検出手段が蒸気発生器内の作動媒体液の液面を検出する場合に開閉弁を開き、液面を検出しない場合に開閉弁を閉じるように制御する弁開閉制御手段を備えたので、発電装置の運転停止中に、蒸気発生器に残留する作動媒体液を検出してこれを凝縮器へ戻すことができるので、蒸気発生器に熱源媒体が供給されても蒸気発生器内における作動媒体蒸気の発生を抑制でき、蒸気発生器内の圧力の上昇を防止できる。
【0027】
本願の請求項7に記載の発明によれば、開閉弁は、蒸気発生器内の圧力値が規定圧力値を上回ったら開き、規定圧力値を下回ったら閉じる構成の逃し弁なので、蒸気発生器内の圧力を調節する機構を簡単な構成で安価に実現でき、発電装置内が過圧状態になることを効果的に防止できる。
【0028】
本願の請求項8に記載の発明によれば、開閉弁は、通電時には閉じ且つ停電時には自動的に開くように構成した電磁弁なので、発電装置の運転停止時に、蒸気発生器内の作動媒体液を作動媒体液戻し配管を介して凝縮器へ排出できるばかりでなく、停電の際にも蒸気発生器内の作動媒体液を速やかに排出することができるので、発電装置の運転停止中に蒸気発生器に熱源媒体が供給されても、蒸気発生器内の圧力の上昇を防止できる。
【0029】
本願の請求項9に記載の発明によれば、作動媒体液循環ポンプと蒸気発生器の間に液封を設置することで、発電装置の停止中に凝縮器から蒸気発生器への作動媒体液の流入を抑止するように構成したので、発電装置の運転停止中に蒸気発生器に熱源媒体が供給されても、発電装置内での作動媒体の自然循環の発生を防止できる構成を、簡単且つ安価に実現することができ、発電装置内が過圧状態になることを効果的に防止できる。
【0030】
本願の請求項10に記載の発明によれば、作動媒体液循環ポンプと蒸気発生器の間にクラッキング圧を有する逆止弁を設置することで、発電装置の停止中に凝縮器から蒸気発生器への作動媒体液の流入を抑止するように構成したので、発電装置の運転停止中に蒸気発生器に熱源媒体が供給されても、発電装置内での作動媒体の自然循環の発生を防止できる構成を、簡単且つ安価に実現することができ、発電装置内が過圧状態になることを効果的に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明の各実施形態の図面及びその説明においては、図1に示す従来例と共通する構成部分には同一の符号を付し、以下ではその詳細な説明は省略する。
【0032】
〔第1実施形態〕
図2は、本発明の第1実施形態にかかる発電装置の構成例を示す図である。同図に示す発電装置は、蒸気発生器10内の圧力を検出する圧力検出器11と、該圧力検出器11の検出値に基づいてバイパス配管70に設置したバイパス弁(開閉弁)71を開閉する弁開閉制御装置12とからなるバイパス弁開閉制御手段15を備えている。この発電装置では、運転停止中はバイパス弁71を閉じておく。そして、熱源装置5から蒸気発生器10に熱源媒体6が供給されて、蒸気発生器10内に残留している作動媒体液が加熱されて蒸気発生器10内の圧力が上昇し、蒸気発生器10内が規定圧力値を越えた場合には、バイパス弁開閉制御手段15の圧力検出器11がこれを検出してバイパス弁71を一時的に開くように設定されている。ここでいう規定圧力値とは、蒸気発生器10内が過圧状態にならない所定の上限圧力値以下で、且つ逆止弁52を介して蒸気発生器10内に作動媒体液が流入することを抑止できる所定の下限圧力値以上の所定の圧力値である。またこの下限圧力値は、具体的には、凝縮器40内の圧力よりも凝縮器40内の作動媒体液の実揚程分だけ高い圧力値である。
【0033】
バイパス弁71を開いたことで蒸気発生器10内の圧力が低下するが、蒸気発生器10内の圧力が前記の規定圧力値を下回ったら、バイパス弁開閉制御手段15の圧力検出器11がこれを検知してバイパス弁71を閉じるように設定されている。このバイパス弁71を閉じた後、熱源装置5からの熱源媒体6の供給が続くことで蒸気発生器10内の作動媒体液が気化し続けて、蒸気発生器10内の圧力が再び規定圧力値以上に上昇した場合には、再度バイパス弁71を開くことで、蒸気発生器10内の作動媒体蒸気をさらに排出する。以上のようにバイパス弁71の開閉を制御することで、蒸気発生器10内が過圧状態になる前に作動媒体蒸気を凝縮器40へ排出して、蒸気発生器10内の圧力を下げることができると共に、逆止弁52を介して蒸気発生器10内に作動媒体液が流入する前に、蒸気発生器10内の圧力の低下を抑止することができる。これにより、発電装置の運転停止時に蒸気発生器10内に残留していた作動媒体液が徐々に蒸発して凝縮器40に導かれると共に、運転停止後は、蒸気発生器10内に新たな作動媒体液が流入することを抑止できるので、最終的には蒸気発生器10内の作動媒体がすべて排出されて圧力の上昇が停止する。もしくは、上記の操作を繰り返している間に熱源媒体6の供給が停止すれば、蒸気発生器10内の温度が次第に低下することで、蒸気発生器10内の圧力の上昇が停止する。したがって、発電装置の運転停止中に熱源媒体6が蒸気発生器10内に供給されても、発電装置内が過圧状態になることを効果的に防止できる。
【0034】
なお、蒸気発生器10が備える断熱材等の保温構造(図示せず)によって、発電装置の運転停止後でも蒸気発生器10内の温度は短時間では低下しない。そのため、以上の操作を発電装置の運転停止直後に行えば、蒸気発生器10内の余熱を利用して、蒸気発生器10内の作動媒体をほぼすべて気化して排出することができる。あるいは、発電装置の運転停止直後から蒸気発生器10内の作動媒体の排出が完了するまでの間、発電装置に熱源媒体6と冷却媒体8を供給し続けるようにすることで、蒸気発生器10内の作動媒体を気化させて排出してもよい。なお、上記の保温構造によって蒸気発生器10内の温度が短時間では低下しないため、発電装置の運転停止後に熱源媒体6の供給が停止しても、すぐには蒸気発生器10内の圧力は低下しない。したがって熱源媒体6の供給が停止した後も一定の期間は、逆止弁52を介して蒸気発生器10内に作動媒体液が流入することはない。
【0035】
上記の発電装置では、凝縮器40内の圧力をほぼ一定とみなすことで、蒸気発生器10内の圧力変化だけを検出し、その検出値によってバイパス弁71の開閉の制御を行う場合を説明したが、これ以外にも、図示は省略するが凝縮器40内の圧力を検出する圧力検出器をさらに設けて、蒸気発生器10内の圧力と凝縮器40内の圧力の両方を検出し、これらの差圧に基づいてバイパス弁71の開閉の制御を行ってもよい。また蒸気発生器10内や凝縮器40内の圧力に基づいてバイパス弁71の開閉を制御する以外にも、蒸気発生器10内あるいは凝縮器40内の温度や露点など、他の物理量に基づいてバイパス弁71の開閉を制御することも可能である。
【0036】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態にかかる発電装置を説明する。本発明の第2実施形態の説明においては、下記で説明する以外の事項については第1実施形態と同じである。以下の他の実施形態においても同様とする。図3は、本発明の第2実施形態にかかる発電装置の構成例を示す図である。同図に示す発電装置は、蒸気発生器内圧力調節手段として、第1実施形態の発電装置が備えるバイパス弁開閉制御手段15に代えて、蒸気発生器10で発生した作動媒体蒸気を凝縮器40へ逃がす作動媒体蒸気逃し配管16を設置すると共に、この作動媒体蒸気逃し配管16に逃し弁17を設置したものである。逃し弁17は、蒸気発生器10内の圧力(凝縮器40内の圧力を一定とみなさない場合には、蒸気発生器10内の圧力と凝縮器40内の圧力の差圧)が、上記の規定圧力値を上回った場合に開き、該規定圧力値を下回った場合に閉じるように設計されている弁である。
【0037】
この発電装置によっても、第1実施形態の発電装置と同様に、運転停止時に蒸気発生器10内に残留していた作動媒体液が、運転停止後に徐々に蒸発して作動媒体蒸気逃し配管16を介して凝縮器40に導かれると共に、運転停止後に蒸気発生器10内に新たな作動媒体液が流入することを防止できる。ただし本実施形態の発電装置では、逃し弁17が作動する前記の規定圧力値を、発電装置の運転時の蒸気発生器10内の圧力値よりも高い圧力値に設定しておくことが必要である。なお、それができない場合には、図示は省略するが、作動媒体蒸気逃し配管16に逃し弁17と直列に自動弁(電磁弁等)を設置し、発電装置の運転中には、この自動弁が開かないように制御することで作動媒体蒸気逃し配管16を介して作動媒体蒸気が漏れないようにする。いずれの場合であっても作動媒体蒸気逃し配管16や逃し弁17は、バイパス配管70やバイパス弁71と比較して小径あるいは小型のもので十分にその役割を果たせるため、それらを設置することによるコスト増を抑制でき、発電装置を安価に製作することが可能となる。
【0038】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態にかかる発電装置を説明する。図4は、本発明の第3実施形態にかかる発電装置の構成例を示す図である。同図に示す発電装置は、第1実施形態の発電装置が備えるバイパス弁開閉制御手段15に代えて、蒸気発生器10内の作動媒体液を抽出して凝縮器40へ戻す作動媒体液戻し配管21を設けると共に、該作動媒体液戻し配管21に開閉弁22を設置したものである。作動媒体液戻し配管21は、蒸気発生器10内の最低部(作動媒体液が溜まる部分の底部)と、凝縮器40内の作動媒体液の液面よりも高い位置とを連通して接続されている。したがって、この作動媒体液戻し配管21を介して凝縮器40内の作動媒体液が蒸気発生器10内に流入(逆流)することはない。また開閉弁22は、蒸気発生器10内の圧力と凝縮器40内の圧力の差圧が上記の規定圧力値を上回ると開き、規定圧力値を下回ると閉じるように制御されている自動弁(電磁弁)であり、蒸気発生器10内の圧力を検出する圧力検出器23の検出値に応じて弁開閉制御装置24によって開閉制御されるようになっている。
【0039】
この発電装置では、運転停止中にはバイパス弁71を閉じておく。そして、蒸気発生器10に熱源媒体6が供給されて蒸気発生器10内が加熱され、蒸気発生器10内の圧力と凝縮器40内の圧力との差圧が規定圧力値を上回ると、開閉弁22が開いて蒸気発生器10内の作動媒体液を凝縮器40内に戻すことで、蒸気発生器10内の圧力が下がる。一方、蒸気発生器10内の圧力と凝縮器40内の圧力との差圧が前記の規定圧力差を下回ると開閉弁22が閉じるので、蒸気発生器10内の圧力の低下により逆止弁52を介して蒸気発生器10内に作動媒体液が流入することを防げる。
【0040】
この発電装置では、蒸気発生器10内に作動媒体液が残留していて、それが作動媒体液戻し配管21を介して凝縮器40へ排出されている間は、蒸気発生器10内の圧力の低下が緩やかであるが、蒸気発生器10内の作動媒体液が完全に無くなり、作動媒体液戻し配管21から作動媒体蒸気が排出され始めると、蒸気発生器10内の圧力が急激に低下する。したがって、蒸気発生器10内の圧力の急激な変化を検知することで、蒸気発生器10内の作動媒体液の液面を検出することを代用できる。この方法によって蒸気発生器10内の作動媒体液の液面を検出し、該液面が無くなるまでの間は開閉弁22が開いた状態になるように制御することで、蒸気発生器10内に残留する作動媒体液をすべて凝縮器40に戻すことが可能となる。したがって、蒸気発生器10内における作動媒体蒸気の発生を抑制でき、蒸気発生器10内の圧力の上昇を防止できる。なおそれ以外にも、蒸気発生器10内の作動媒体液の液面を検出する液面検出器(図示せず)を別途設置して、該液面検出器による液面の検出に基づいて開閉弁22の開閉を制御するように構成しても良い。
【0041】
作動媒体液戻し配管21に設置する開閉弁22としては、上記構成の自動弁に代えて、図示は省略するが、蒸気発生器内10の圧力と凝縮器40内の圧力の差圧が規定圧力値を上回ったら開き、規定圧力値を下回ったら閉じるように構成した逃がし弁を設置することも可能である。また、作動媒体液循環ポンプ50の耐熱性が十分に高ければ、上記の作動媒体液戻し配管21と開閉弁22を設置することに代えて、図示は省略するが、作動媒体液循環ポンプ50の出口側に設置している逆止弁52に対して並列にオリフィス等の流量制限手段を有するバイパス配管を設けることでも、上記と同様の効果を得ることができる。また、逆止弁52に意図的な漏洩を生じさせるようにその弁体に穴を開け、該穴から出る作動媒体液を凝縮器40に戻すように構成しても、同様の効果を得ることができる。これらのバイパス配管やオリフィスなどは、小径あるいは小型のものでも十分に役割を果たせるので、発電装置のコスト増を抑制できる。
【0042】
なお、本実施形態においては、上記したように蒸気発生器10内の圧力に基づいて開閉弁22の開閉制御を行うことは必ずしも必要ではなく、発電装置の運転停止中に開閉弁22を常に開いておくようにしても良い。その場合は、蒸気発生器10内の圧力が低下すると、逆止弁52を介して蒸気発生器10内に作動媒体液が再度流入し、蒸気発生器10内の圧力が再び上昇するが、それにより再度逆止弁52が閉じて、作動媒体液戻し配管21を通じて蒸気発生器10内の作動媒体液が凝縮器40へ排出されるので、蒸気発生器10内の圧力の上昇は停止する。
【0043】
また、上記のように発電装置の運転停止中に開閉弁22を常に開いておく場合、図示は省略するが、逆止弁52に代えてこれを自動弁とし、発電装置の停止中はこの自動弁を閉止することとしてもよい。またこのとき該自動弁は通電時に開く構成の自動弁とし、開閉弁22は通電時に閉じる構成の自動弁とすれば、発電装置への電源供給が断たれた場合でも、凝縮器40から蒸気発生器10への作動媒体液の流入を防げるので、作動媒体液戻し配管21を介して凝縮器40へ排出される作動媒体液が再循環しなくなる。なおこの場合、作動媒体液戻し配管21に設置した自動弁と逆止弁52に代えて設置した自動弁の2つの弁を、図5に示すように、一つの三方弁55で置き換えた構成とすることも可能である。
【0044】
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態にかかる発電装置を説明する。図6は、本発明の第4実施形態にかかる発電装置の構成例を示す図である。同図に示す発電装置は、第3実施形態の発電装置が備える逆止弁52に代えて、所定のクラッキング圧を有する逆止弁(差圧が規定圧力値以上になると開くように構成された逆止弁、逃し弁に類似した構造)53を設置すると共に、作動媒体液戻し配管21に設置した開閉弁22を、通電時に閉じ且つ停電時には自動的に開くように構成した電磁弁25としたものである。このように構成することで、発電装置の運転停止時に装置への電源供給が断たれている間は、電磁弁25が開いた状態になるので、蒸気発生器10内の作動媒体液を作動媒体液戻し配管21を介して凝縮器40へ排出できるばかりでなく、商用電源の停電等の際にも自動的に電磁弁25が開くので、蒸気発生器10内の作動媒体液を速やかに排出することができる。したがって停電を伴う非常事態等が起こった場合でも、蒸気発生器10内の余熱を利用して残留する作動媒体液を凝縮器40へ排出できるので、蒸気発生器10内の圧力が上昇することを効果的に防止できる。
【0045】
〔第5実施形態〕
次に、本発明の第5実施形態にかかる発電装置を説明する。図7は、本発明の第5実施形態にかかる発電装置の構成を示す図である。同図に示す発電装置は、第1実施形態の発電装置が備えるバイパス弁開閉制御手段15に代えて、作動媒体液循環ポンプ50と逆止弁52の間の給液配管51に液封54を設置したものである。この発電装置では、装置の運転中は液封54内が作動媒体液で満たされた状態で飽和圧力以上の圧力となっているため、給液配管51に圧力損失はほとんど存在しない。そのため、液封54を設けたことによって発電装置の運転に支障が出るおそれはない。
【0046】
この発電装置では、運転停止中にバイパス弁71を開いておく。これにより、蒸気発生器10内に残留する作動媒体液が蒸気発生器10の余熱により気化して凝縮器40に排出される。凝縮器40で凝縮した作動媒体液は、液封54によって蒸気発生器10に流入することを抑止される。したがって発電装置内での作動媒体の自然循環を防止できるため、蒸気発生器10内に残留していた作動媒体液がすべて気化した後は、発電装置内が加熱されなくなり、発電装置内の圧力上昇を防ぐことができる。なお、本実施形態の発電装置が備える液封54と逆止弁52に代えて、図示は省略するが、一定のクラッキング圧力をもつ逆止弁(差圧が規定圧力値以上になると開くように構成された逆止弁)を設置してもよい。この場合の逆止弁のクラッキング圧は、凝縮器40内の作動媒体液の実揚程以上の圧力に設定する。あるいは、電動弁や止め弁を設置して、発電装置の運転停止中はこれら電動弁や止め弁を閉じておくことでも同様の効果を得ることができる。
【0047】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書、図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお、直接明細書及び図面に記載のない何れの形状・構造・材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、発電装置の具体的な構成は、各実施形態に示すものには限定されず、本発明の範囲内であれば、適宜他の構成を採用することが可能である。また、各実施形態で示した発電装置が備える弁の種類は一例であり、各実施形態で示した弁はそれと同等の機能を備えている弁であれば、他の種類の弁に置き換えることも可能である。また、熱源媒体6の種類は上記実施形態に示す温水には限定されず、排ガスなどの他の種類の排熱媒体を用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】従来の作動媒体循環型の発電装置の構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態にかかる発電装置の構成例を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態にかかる発電装置の構成例を示す図である。
【図4】本発明の第3実施形態にかかる発電装置の構成例を示す図である。
【図5】本発明の第3実施形態にかかる発電装置の他の構成例を示す図である。
【図6】本発明の第4実施形態にかかる発電装置の構成例を示す図である。
【図7】本発明の第5実施形態にかかる発電装置の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
5 熱源装置
6 熱源媒体(温水)
8 冷却媒体(冷却水)
9 安全弁
10 蒸気発生器
11 圧力検出器
12 弁開閉制御装置
15 バイパス弁開閉制御手段
16 作動媒体蒸気逃し配管
17 逃し弁
20 気液分離器
21 作動媒体液戻し配管
22 開閉弁(自動弁)
23 圧力検出器
24 弁開閉制御装置
25 電磁弁
30 タービン発電機
31 タービン
32 発電機
40 凝縮器
50 作動媒体液循環ポンプ
51 給液配管
52 逆止弁
54 液封
60 主蒸気配管
61 主蒸気弁
70 バイパス配管
71 バイパス弁(開閉弁)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気発生器、タービン発電機、凝縮器、作動媒体液循環ポンプを備え、前記蒸気発生器に熱源媒体を導入し、前記凝縮器から前記作動媒体液循環ポンプにより逆止弁を介して蒸気発生器内に導いた作動媒体液を前記熱源媒体で加熱し蒸発させ、発生した作動媒体蒸気をタービン発電機のタービンに導き発電機を駆動し、該タービンから排出される作動媒体蒸気を前記凝縮器に戻すように構成した発電装置において、
前記発電装置の運転停止中に、前記蒸気発生器内の圧力を、前記逆止弁を介して前記蒸気発生器内に作動媒体液が流入することを抑止する所定の下限圧力値以上、且つ前記蒸気発生器内が過圧状態にならない所定の上限圧力値以下の圧力に調節する蒸気発生器内圧力調節手段を備えたことを特徴とする発電装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発電装置において、
前記タービンをバイパスして前記蒸気発生器で発生した作動媒体蒸気を前記凝縮器へ送るバイパス配管を設けると共に、該バイパス配管に開閉弁を設け、
前記蒸気発生器内圧力調節手段として、前記蒸気発生器内の圧力値が規定圧力値を上回ったら前記開閉弁を開き、前記規定圧力値を下回ったら前記開閉弁を閉じるように制御する弁開閉制御手段を設けたことを特徴とする発電装置。
【請求項3】
請求項1に記載の発電装置において、
前記タービンをバイパスして前記蒸気発生器で発生した作動媒体蒸気を前記凝縮器へ送るバイパス配管を設けると共に、該バイパス配管に開閉弁を設ける一方、
前記蒸気発生器内圧力調節手段として、前記蒸気発生器で発生した作動媒体蒸気を前記凝縮器へ逃がす作動媒体蒸気逃し配管と、前記蒸気発生器内の圧力値が規定圧力値を上回ったら該作動媒体蒸気逃し配管の流路を開き、前記規定圧力値を下回ったら該流路を閉じる構成の逃し弁とを備えたことを特徴とする発電装置。
【請求項4】
蒸気発生器、タービン発電機、凝縮器、作動媒体液循環ポンプを備え、前記蒸気発生器に熱源媒体を導入し、前記凝縮器から前記作動媒体液循環ポンプにより逆止弁を介して蒸気発生器内に導いた作動媒体液を前記熱源媒体で加熱し蒸発させ、発生した作動媒体蒸気をタービン発電機のタービンに導き発電機を駆動し、該タービンから排出される作動媒体蒸気を前記凝縮器に戻すように構成した発電装置において、
前記蒸気発生器内の作動媒体液を抽出して前記凝縮器へ戻す作動媒体液戻し配管を設けると共に、該作動媒体液戻し配管に開閉弁を設置したことを特徴とする発電装置。
【請求項5】
請求項4に記載の発電装置において、
前記蒸気発生器内の圧力値が規定圧力値を上回ったら前記開閉弁を開き、前記規定圧力値を下回ったら前記開閉弁を閉じるように制御する弁開閉制御手段を設けたことを特徴とする発電装置。
【請求項6】
請求項4に記載の発電装置において、
前記蒸気発生器内の作動媒体液の液面を検出する液面検出手段を備えると共に、
前記液面検出手段が蒸気発生器内の作動媒体液の液面を検出する場合に前記開閉弁を開き、前記液面を検出しない場合に前記開閉弁を閉じるように制御する弁開閉制御手段を備えたことを特徴とする発電装置。
【請求項7】
請求項4に記載の発電装置において、
前記開閉弁は、前記蒸気発生器内の圧力値が規定圧力値を上回ったら開き、前記規定圧力値を下回ったら閉じる構成の逃し弁であることを特徴とする発電装置。
【請求項8】
請求項4に記載の発電装置において、
前記開閉弁は、通電時には閉じ且つ停電時には自動的に開くように構成した電磁弁であることを特徴とする発電装置。
【請求項9】
蒸気発生器、タービン発電機、凝縮器、作動媒体液循環ポンプを備え、前記蒸気発生器に熱源媒体を導入し、前記凝縮器から前記作動媒体液循環ポンプにより蒸気発生器内に導いた作動媒体液を前記熱源媒体で加熱し蒸発させ、発生した作動媒体蒸気をタービン発電機のタービンに導き発電機を駆動し、該タービンから排出される作動媒体蒸気を前記凝縮器に戻すように構成した発電装置において、
前記作動媒体液循環ポンプと前記蒸気発生器の間に液封を設置することで、前記発電装置の停止中における前記凝縮器から前記蒸気発生器への作動媒体液の流入を抑止するように構成したことを特徴とする発電装置。
【請求項10】
蒸気発生器、タービン発電機、凝縮器、作動媒体液循環ポンプを備え、前記蒸気発生器に熱源媒体を導入し、前記凝縮器から前記作動媒体液循環ポンプにより蒸気発生器内に導いた作動媒体液を前記熱源媒体で加熱し蒸発させ、発生した作動媒体蒸気をタービン発電機のタービンに導き発電機を駆動し、該タービンから排出される作動媒体蒸気を前記凝縮器に戻すように構成した発電装置において、
前記作動媒体液循環ポンプと前記蒸気発生器の間に所定のクラッキング圧を有する逆止弁を設置することで、前記発電装置の停止中における前記凝縮器から前記蒸気発生器への作動媒体液の流入を抑止するように構成したことを特徴とする発電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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