説明

発音装置、及びこれを用いた車両存在報知装置

【課題】 報知音の音圧をより高めることができる発音装置、及びこれを用いた車両存在報知装置を提供する。
【解決手段】 本発明の発音装置10は、面外振動が与えられることによって前記報知音を発生する振動板11と、振動板11に面外振動を与えるアクチュエータ12と、振動板11が固定されるとともにアクチュエータ12を内部に収納する筐体13と、を備えており、振動板11は、筐体13に固定された本体部20と、本体部20よりも低い剛性の低剛性部22を介して本体部20と面内方向に区画された振動部21と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車、又はハイブリッド自動車等の車両の接近を歩行者等に報知するために用いられる発音装置、及びこれを用いた車両存在報知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車又はハイブリッド自動車等の静粛車両の接近報知音を出力するためのものではないが、磁歪素子を有する磁歪アクチュエータを用いた車両用発音体システムが、例えば下記特許文献1に開示されている。当該システムにおいては、車両の外殻金属板(乗降用ドア、ボンネットドア、又はトランクドア等)に磁歪アクチュエータが取り付けられている。そして、磁歪アクチュエータの駆動によって外殻金属板を振動させることにより、車両の後進や右左折等を報知するための所定の報知音が外殻金属板から出力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許4418415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示された車両用発音体システムでは、車両の外殻金属板を振動体としているため、車種ごとに音質や、音程、音量等が変動し、適切な音質等とするために車種ごとに個別の調整が必要となる。
そこで、報知音を出力するための振動板と、振動板を振動させるためのアクチュエータとを備えた発音装置を、車両に配置することが考えられる。発音装置が専用の振動板を備えていれば、異なる車種ごとに調整することなく、自装置の振動板に合わせて適切な音質、音程、音量に設定することができる。
【0005】
ここで、前記発音装置は、一面に設けられた開口部を塞ぐように前記振動板が固定されるとともに内部にアクチュエータを収納する箱状の筐体を備えている場合がある。このような発音装置において、例えば、前記振動板の端部周縁が前記開口部の周縁全周に亘って固定されているとすると、振動板の固定されている部分の周辺では振動が制限され、出力される報知音の音圧が比較的低い値でしか得られない場合がある。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、報知音の音圧をより高めることができる発音装置、及びこれを用いた車両存在報知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は、車両に搭載されて当該車両の存在を報知するための報知音を発生する発音装置であって、面外振動が与えられることによって前記報知音を発生する振動板と、
前記振動板に面外振動を与えるアクチュエータと、前記振動板が固定されるとともに前記アクチュエータを内部に収納する筐体と、を備え、前記振動板は、前記筐体に固定された本体部と、前記本体部よりも低い剛性の低剛性部を介して当該本体部と面内方向で区画された振動部と、を備えていることを特徴としている。
【0008】
上記のように構成された発音装置によれば、振動板が、本体部と低剛性部を介して区画された振動部を備えているので、本体部が筐体に固定されていても、前記低剛性部によって、振動部が振動するのを制限しようとする本体部による拘束力が適度に緩和される。この結果、振動部を効果的に振動させることができ、発生する報知音の音圧をより高めることができる。
【0009】
(2)上記発音装置において、前記低剛性部は、前記振動部の全周を囲む形状であることが好ましい。この場合、振動部に対する本体部による拘束力をより効果的に緩和することができ、この結果、さらに報知音の音圧を高めることができる。
【0010】
(3)また、前記低剛性部は、前記本体部よりも薄肉に形成されていることが好ましく、この場合、低剛性部を容易に形成できるとともに、本体部に対して確実に低い剛性に設定することができる。
【0011】
(4)また、振動板は、振動部から報知音を発生するが、この振動部の表面積を増加させれば、さらに報知音の音圧を高めることができる。従って、前記振動部には、前記振動部の面外方向に曲げられかつ前記振動部の法線軸回りに環状とされた環状曲げ部が形成されていてもよい。
【0012】
(5)また、本発明は、車両に搭載されて当該車両の存在を報知するための報知音を発生する車両存在報知装置であって、前記報知音を発生させるための信号を出力する信号処理部と、前記信号処理部から出力された信号に基づいて報知音を発生する発音部と、前記車両の走行状態に基づいて前記信号処理部を制御する制御部と、を備え、前記発音部は、面外振動が与えられることによって前記報知音を発生する振動板と、前記振動板に面外振動を与えるアクチュエータと、前記振動板が固定されるとともに前記アクチュエータを内部に収納する筐体と、を備え、前記振動板は、前記筐体に固定された本体部と、前記本体部よりも低い剛性の低剛性部を介して当該本体部と面内方向で区画された振動部と、を備えていることを特徴としている。
【0013】
上記のように構成された車両存在報知装置によれば、振動部を効果的に振動させることが可能となり、報知音の音圧をより高めることができる。
【発明の効果】
【0014】
以上の通り、本発明の発音装置、及びこれを用いた車両存在報知装置によれば、報知音の音圧をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る車両存在報知装置が搭載された車両を示した模式図である。
【図2】本実施の形態に係る車両存在報知装置の全体構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】(a)は、発音装置の外観を示す斜視図であり、(b)は、発音装置の断面図である。
【図4】図3(b)中の要部を拡大した断面図である。
【図5】アクチュエータの内部構造を模式的に示す断面図である。
【図6】本発明の第二の実施形態に係る発音装置を示す図であり、(a)は振動板側から正面視したときの図、(b)は振動板の要部断面図である。
【図7】(a)は、低剛性部の他の態様を示した外観図であり、(b)及び(c)は、低剛性部の他の態様を示した断面図である。
【図8】本発明の第三の実施形態に係る発音装置を示す図であり、(a)は、発音装置の外観を示す斜視図であり、(b)は、発音装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。
〔第一の実施形態〕
〔装置の全体構成〕
図1は、本発明の第一の実施形態に係る車両存在報知装置が搭載された車両を示した模式図である。図中、車両Cは、電気自動車又はハイブリッド自動車等の低速走行時に無音又は微量音となる自動車である。
車両存在報知装置1は、例えば、ラジエータグリルの内側に取り付けられている発音装置10と、この発音装置10に接続された制御部2とを備えている。
発音装置10は、制御部2の制御に基づいて、車両Cが一定速度(例えば、時速20km)以下の低速走行の時に所定の報知音を発生する。
発音装置10が発生する報知音としては、例えば、擬似的なエンジン音、擬似的なタイヤノイズ音、又は所定の電子音等、車両Cの存在を歩行者等の報知対象に報知し得る任意の警告音である。
【0017】
なお、発音装置10は、車両Cの前方に加えて後方に取り付けられていてもよい。この場合、車両Cの前進時には前方の発音装置から報知音が出力され、車両Cの後進時には後方の発音装置から報知音が出力される。
さらに、発音装置10は、車両Cの四隅(右前方、左前方、右後方、左後方)それぞれに取り付けられていてもよい。この場合、車両Cの進行方向に応じて、対応する発音装置10から報知音が出力される。例えば、車両Cが直進する場合には、右前方及び左前方の発音装置10から報知音が出力され、車両Cが右後方に進行する場合には、右後方の発音装置10から報知音が出力される。
【0018】
図2は、本実施形態に係る車両存在報知装置1の全体構成を概略的に示すブロック図である。上述のように、車両存在報知装置1は、制御部2と、発音装置10とを備えている。制御部2は、ECU(Electronic Control Unit)等からなる制御装置4(制御部)と、音源5a及びアンプ5bを有する信号処理装置5(信号処理部)とを備えている。
【0019】
制御装置4は、車両Cの走行状態に基づいて報知音に関する制御を行う。制御装置4は、車両Cに搭載された当該車両Cの走行速度を検出する車速センサ3と接続されており、車速センサ3の出力より走行速度を認識することができる。制御装置4は、車速センサ3の出力から認識される車両Cの走行速度に基づいて、報知音を発生させるか否かを決定し、さらに発生させる場合には、上述の種々の報知音の中から発生させるべき報知音を特定する。報知音を特定すると、制御装置4は、特定した報知音を発音装置10に発生させるための信号を信号処理装置5に生成させる。
【0020】
信号処理装置5は、音源5aによって、制御装置4が特定した報知音を発生させるための信号を生成する。また、信号処理装置5は、生成した信号をアンプ5bによって増幅し、発音装置10に出力する。
発音装置10は、増幅された信号が与えられると、この信号に基づいて報知音を発生する。
【0021】
〔発音装置の構成〕
図3は、発音装置10を示す図であり、(a)は、発音装置10の外観を示す斜視図であり、(b)は、発音装置10の断面図である。図に示すように、発音装置10は、外観形状が箱形の装置であり、振動板11と、振動板11に面外振動を与えるためのアクチュエータ12と、アクチュエータ12を内部に収納する筐体13とを備えている。
【0022】
筐体13は、矩形状の底板14と、底板14の周端から立設された四枚の壁板15とで構成された箱状の部材であり、一面に開口部16を有している。筐体13を構成する各板14,15は、例えば、アルミニウム合金で形成されている。
【0023】
振動板11は、筐体13に固定されて当該筐体13の開口部16を塞いでいる板状の部材であり、例えば、アルミニウム合金で形成されている。
振動板11は、開口部16の外形にほぼ一致する寸法に形成されており、その周縁部を筐体13の壁板15の端面15aに当接させた状態で、ボルトや接着剤等によって固定されている。従って、振動板11は、外部に露出した状態で筐体13に固定されている。
また、振動板11は、筐体13に固定された周縁部を含む本体部20と、アクチュエータ12から面外振動が与えられる振動部21とに区画されている。
振動部21は、本体部20よりも低い剛性とされた低剛性部22を介して本体部20と面内方向で区画されている。
【0024】
振動部21は、振動板11の中央においてほぼ円形となる範囲を、低剛性部22によって区画されている。よって、振動板11において、振動部21及び振動部21を区画する低剛性部22以外の部分が本体部20となる。
低剛性部22は、振動部21の全周を囲む形状に形成されている。従って、振動部21は、本体部20との間に低剛性部22を介在した状態で本体部20に繋がっている。
【0025】
図4は、図3(b)中の要部を拡大した断面図である。
図4に示すように、本体部20と振動部21との境界に形成されている低剛性部22は、本体部20の内側縁20aから筐体13の内部方向に延びて、振動部21の外周縁21aに繋がるように形成されている。
低剛性部22の板厚t1は、本体部20の板厚t2と比較して、小さい値となっている。すなわち、低剛性部22は、本体部20よりも薄肉に形成されることで、本体部20よりも低い剛性とされている。
【0026】
振動板11に振動部21及び低剛性部22を形成する方法としては、以下の方法が挙げられる。すなわち、矩形板状のアルミニウム合金の素材に対して、振動部21の外形と同寸法に設定されたパンチ及びダイを用いてプレス機による絞り加工を行えば、振動部21及び低剛性部22が形成された振動板11を容易に得ることができる。また、この場合、前記パンチと前記ダイとのクリアランスを調整すれば、容易に低剛性部22の板厚t1を調整することができる。
【0027】
このように本実施形態では、低剛性部22が本体部20よりも薄肉に形成されているので、当該低剛性部22を容易に形成できるとともに、低剛性部22の剛性を本体部20に対して確実に低く設定することができる。
なお、本実施形態において、振動部21についての板厚は、本体部20と同じ板厚でもよいし、低剛性部22と同様、本体部20よりも薄肉に形成してもよい。
【0028】
アクチュエータ12(図3(b))は、固定部材17によって筐体13の内部に固定されている。また、アクチュエータ12は、後述する可動子45が、振動部21における、筐体13の内側に向く内側面に当接した状態で固定されている。
【0029】
図5は、アクチュエータ12の内部構造を模式的に示す断面図である。本実施形態では、アクチュエータ12として超磁歪アクチュエータを採用している。
アクチュエータ12は、図5に示すように、一端面の中央部に貫通孔が形成された中空円柱状のケース40と、印加される磁界の強さに応じて軸方向に伸縮する超磁歪素子41と、超磁歪素子41の周囲に配置されて磁界を印加する駆動コイル42と、超磁歪素子41の上下端に配置されてバイアス磁界を印加する磁石43,44と、磁石43を介して超磁歪素子41に固定され、ケース40の貫通穴から頂部が突出し振動部21に当接している可動子45と、可動子45に予加重を付与するコイルばね46とを備えて構成されている。
【0030】
アクチュエータ12は、図示しないハーネスによって制御部2に接続されており、信号処理装置5が出力する信号が与えられると、駆動コイル42によって超磁歪素子41に磁界を印加し、当該超磁歪素子41を伸縮させる。この超磁歪素子41の伸縮によって可動子45を軸方向に振動させ、振動板11の振動部21に面外振動を与える。
与えられた振動によって、振動板11の振動部21は面外振動し、所定の報知音を発生する。
なお、アクチュエータ12は、信号処理装置5から与えられる信号に応じて振動の態様が調整可能である。これにより、前記信号によって面外振動の態様が調整され、振動部21が発生する報知音の調整がなされる。
【0031】
〔効果について〕
本実施形態の発音装置10は、面外振動が与えられることによって前記報知音を発生する振動板11と、振動板11に面外振動を与えるアクチュエータ12と、振動板11が固定されるとともにアクチュエータ12を内部に収納する筐体13と、を備えており、振動板11は、筐体13に固定された本体部20と、本体部20よりも低い剛性の低剛性部22を介して本体部20と面内方向に区画された振動部21と、を備えている。
上記のように構成された発音装置10によれば、振動板11が、本体部20と低剛性部22を介して区画された振動部21を備えているので、本体部20が筐体13に固定されていても、低剛性部22によって、振動部21が振動するのを制限しようとする本体部20による拘束力が適度に緩和される。この結果、振動部21を効果的に振動させることができ、発生する報知音の音圧をより高めることができる。
【0032】
また、本実施形態の発音装置10では、低剛性部22が、振動部21の全周を囲む形状であるので、振動部21に対する本体部20による拘束力をより効果的に緩和することができ、さらに報知音の音圧を高めることができる。
【0033】
なお、本実施形態の発音装置10では、低剛性部22を本体部20の内側縁20aから筐体13の内部方向に延びるように形成したが、この低剛性部22を筐体13の外部方向に延ばし、振動部21を本体部20よりも外側に配置するように設けてもよい。この場合においても、上記同様の効果を得ることができる。

【0034】
〔第二の実施形態について〕
図6は本発明の第二の実施形態に係る発音装置10を示す図であり、(a)は振動板11側から正面視したときの図、(b)は振動板11の要部断面図である。
本実施形態と、第一の実施形態との相違点は、本体部20と振動部21との境界に形成されている低剛性部22が、振動板11の内外両面にそれぞれ形成された、板厚方向に凹む溝部22aによって形成されている点である。
【0035】
図6に示すように、本実施形態の振動板11には、筐体13の内側に向く内側面11a及び筐体13の外側に向く外側面11bの両面それぞれに環状の溝部22aが、内外で互いに位置が一致するように形成されている。
溝部22aは、断面V字形に板厚方向に凹むように形成されている。この溝部22aによって、当該溝部22aが形成された部分の板厚が本体部20よりも薄肉となっており、これによって、本体部20よりも低剛性にされた低剛性部22を形成している。
【0036】
本実施形態においても、上記第一の実施形態と同様、溝部22aは、プレス加工等によって形成することができるので、振動部21及び低剛性部22を備えた振動板11を容易に形成することができる。
【0037】
また、本実施形態のように、振動板11に溝部22aを設けることで低剛性部22を形成する場合、図7(a)に示すように、本体部20と振動部21との境界に対して断続的に低剛性部22を形成してもよい。なお、この場合、低剛性部22は、振動板11の面内方向において振動部21を区画することができる程度の円弧寸法に設定される。
【0038】
また、本実施形態では、断面V字形の溝部22aを形成した場合を示したが、例えば、図7(b)に示すように、溝部22aは、断面矩形としてもよいし、図7(c)に示すように、外側面11b側にのみ溝部22aを設けることで、低剛性部22を形成してもよい。さらに、図7(c)とは逆に、内側面11aにのみ溝部22aを設けてもよい。
【0039】
〔第三の実施形態について〕
図8は、本発明の第三の実施形態に係る発音装置10を示す図であり、(a)は、発音装置10の外観を示す斜視図であり、(b)は、発音装置10の断面図である。
本実施形態と、第一の実施形態との相違点は、振動部21に、振動板11の面外方向である筐体13の内側方向に曲げられて環状とされた環状曲げ部23が複数形成されている点である。
【0040】
これら複数の環状曲げ部23は、振動部21の法線軸回りに円筒環状に形成されている。また、複数の環状曲げ部23は、それぞれ互いに同心に形成されて階段状とされている。
最も内周側に位置する環状曲げ部23の先端には、本体部20と平行な板状の平板部24が設けられている。アクチュエータ12は、平面部24に固定されている。
【0041】
本実施形態の場合、振動部21には、当該振動部21の面外方向に曲げられかつ振動部21の法線軸回りに環状とされた環状曲げ部23が形成されているので、振動板11の板面に対して交差する交差面を形成することができ、振動部21の面積を増加させることができる。この結果、発生する報知音の音圧をより高めることができる。
【0042】
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されることはない。例えば、上記各実施形態では、振動部21は、ほぼ円形にに区画して形成された場合を示したが、楕円形や多角形に区画してもよい。
また、アクチュエータ12の構成は図5に示した例に限定されるものではなく、任意の構成のアクチュエータを使用することができる。また、上記各実施形態では、アクチュエータ12を固定部材17を介して筐体13側に固定した場合を示したが、振動板11側に固定することもできる。
【0043】
本発明に関して、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0044】
1 車両存在報知装置
4 制御装置(制御部)
5 信号処理装置(信号処理部)
10 発音装置(発音部)
11 振動板
12 アクチュエータ
13 筐体
20 本体部
21 振動部
22 低剛性部
23 環状曲げ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されて当該車両の存在を報知するための報知音を発生する発音装置であって、
面外振動が与えられることによって前記報知音を発生する振動板と、
前記振動板に面外振動を与えるアクチュエータと、
前記振動板が固定されるとともに前記アクチュエータを内部に収納する筐体と、を備え、
前記振動板は、前記筐体に固定された本体部と、前記本体部よりも低い剛性の低剛性部を介して当該本体部と面内方向で区画された振動部と、を備えていることを特徴とする発音装置。
【請求項2】
前記低剛性部は、前記振動部の全周を囲む形状である請求項1に記載の発音装置。
【請求項3】
前記低剛性部は、前記本体部よりも薄肉に形成されている請求項1又は2に記載の発音装置。
【請求項4】
前記振動部には、前記振動部の面外方向に曲げられかつ前記振動部の法線軸回りに環状とされた環状曲げ部が形成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の発音装置。
【請求項5】
車両に搭載されて当該車両の存在を報知するための報知音を発生する車両存在報知装置であって、
前記報知音を発生させるための信号を出力する信号処理部と、
前記信号処理部から出力された信号に基づいて報知音を発生する発音部と、
前記車両の走行状態に基づいて前記信号処理部を制御する制御部と、を備え、
前記発音部は、
面外振動が与えられることによって前記報知音を発生する振動板と、
前記振動板に面外振動を与えるアクチュエータと、
前記振動板が固定されるとともに前記アクチュエータを内部に収納する筐体と、を備え、
前記振動板は、前記筐体に固定された本体部と、前記本体部よりも低い剛性の低剛性部を介して当該本体部と面内方向で区画された振動部と、を備えていることを特徴とする車両存在報知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−5328(P2013−5328A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136319(P2011−136319)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【Fターム(参考)】