説明

皮膚に優しい湿性の拭う物用組成物

本発明は、ローション組成物が含浸された湿性の拭う物であって、該ローションが、メチロール、及びイオドプロピニル化合物類から成る群から選択される防腐剤系、0.001〜5%の皮膚軟化剤、及び刺痛を緩和するための鎮静成分を含む前記湿性の拭う物を記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改善された体クレンジング性能を供給すると同時に使用者に優しく滑らかな感触を提供するクレンジング用体拭き取り用品のための組成物に関する。本発明は、意図された効果を供給するために選択された皮膚軟化剤、界面活性剤、及び/又は乳化剤、レオロジー変性剤、並びに防腐剤化合物類を含む組成物の使用に関する。
【0002】
本発明は、パーソナルケア組成物、より詳細には鎮静効果も提供するパーソナルクレンジング、及び/又は皮膚処理組成物に関する。本発明の組成物は、例えば、会陰、及び/又は肛門周囲の優しいクレンジング、及び肛門周囲を皮膚炎から保護するために有用である。
【背景技術】
【0003】
皮膚のクレンジングは、必ずしも容易には解決されない身体上の衛生問題である。乾燥ティッシュ製品は、排便後、又は排尿後に最も一般的に使用されるクレンジング製品である。乾燥ティッシュ製品は、通常「トイレ用ティッシュ」、又は「トイレットペーパー」と呼ばれる。乾燥ティッシュの使用に加えて、肛門、会陰、及び肛門周囲の体領域を排便後に洗浄する目的で、湿性の拭う物の使用がますます頻繁になりつつある。いわゆる「湿性の拭う物」は、繊維性構造を有し、一般にキャリパーが厚く、組成物(通常は水性、又は油性)が含浸されている。
【0004】
本書の目的で、肛門、肛門周囲部、会陰、及び会陰部はすべて、肛門及び外性器の間、周辺、並びに肛門及び外性器を含む体の骨盤領域を示す用語である。これらの用語は互換可能に使用され、同じ意味である。
【0005】
肛門周囲の皮膚は、細かなひだ、及びしわ(溝)の存在によって、及び毛嚢によって特徴づけられ、このいずれもが、肛門周辺領域を清浄にするのがより困難な解剖学的領域の1つにしている。排便の間、糞便物は肛門を通って排泄され、毛髪の基部周辺、及び皮膚表面の溝の中のような届きにくい場所に蓄積する傾向がある。
【0006】
糞便物は空気に晒された時、又はティッシュペーパーのような吸収性クレンジング道具と接触した時に脱水されることから、より粘着して皮膚、及び毛髪に付着し、それ故、その後残留している脱水された汚れを除去することがより困難になる。これは一般に排便後、及び排尿後の良好な会陰クレンジングの効果を乳児、子供、及び成人に大いに関わらせる共通の衛生的問題である。
【0007】
適切なクレンジングの失敗に関連する欠点には、刺激、発赤、落屑、感染、不快臭、又はその他の種類の個人的不快若しくは健康関連問題がある。
【0008】
病理学的症状(痔、裂傷、陰窩炎等)に苦しむ人々は、これらの問題、及び不快の影響をより一層受けやすい。彼らにとって、いかなる人とも同様に、クレンジングは残留糞便を有効に除去し、及びクレンジングによって生じる刺激がないように優しいものでなければならない。湿性の拭う物はそうした基本的な要求に応える。
【0009】
乾燥したトイレットペーパーと比較して、湿性の拭う物はいくつかの利益を有する。
− 湿性の拭う物の使用中の、より良好な潤滑を可能にし、クレンジング作業の擦傷性を低減する
− 残留物を水和し、皮膚からの除去を増進し、
− 皮膚組織を水和し、
− クレンジング作業後に皮膚上に残ることができる鎮静ローションを皮膚に供給することができる。
【0010】
湿性の拭う物の製造業者、及び開発者は、通常は拮抗する次の概念の間で正しいバランスを供給する拭き取り用品製品の開発を試みた。
− 汚れ除去を増進し、刺激から皮膚を保護すること、
− 皮膚上でのべたついた感触を避け、一方で長時間持続する快適な清浄性の感触、
− 基材の高い柔軟性/平滑性と、使用中の高い崩壊耐性、
− 微生物に対抗して作用する防腐剤、及び刺激を生じない穏やかで皮膚に優しい組成物の使用を介した製品の保存。
【0011】
例えば、パンパース・ベビー・フレッシュ(Pampers Baby Fresh)、及び通常の乳児用拭き取り用品は、米国特許第4,904,524号の特許表示と共に販売されている。
【0012】
拭き取り用品用ローションにおけるエマルションの使用は広く普及している。最も一般的に使用されるエマルションは、水中油型のエマルションで、主要構成成分としての油相(皮膚軟化剤の形態で)と、乳化剤、又は界面活性剤構成成分と、抗菌剤のようなさらなる添加剤を含む水相とを有する。
【0013】
多数の特許文書がローションを用いた拭き取り用品を説明することを意図している。
【0014】
EP808151B1(ブリーズナー(Blieszner)ら)は、拭き取り用品用組成物、並びにパーソナルクレンジング、及び会陰皮膚炎を起こす危険性の低減に有用な組成物を使用した拭き取り用品を記載している。PCT国際公開特許WO−9516824(ワーナー(Warner)ら)は、周囲温度で半固体、又は固体であって、ティッシュペーパーに適用した時に柔軟で、潤滑な、ローション様の感触を付与するローション組成物を記載している。このローションは、プラスチック、又は流体を有する実質的に水を含まない皮膚軟化剤を約20〜約95%、及び該皮膚軟化剤を組織の表面上に固定化することができる剤を約5〜約80%含む。
【0015】
PCT国際公開特許WO−0241869(シュー・ジェイ・C(Hsu,Jay,C.)ら)は、水中油型エマルション類で処理した紙製品を記載している。該紙製品は、ローション、皮膚軟化剤、脂肪族アルコール構成成分、乳化剤構成成分、及びスキンコンディショニング成分を含有する。すべての構成成分は、ローション及び紙製品の定義されたパーセンテージを示す。
【0016】
EP−875233A1(ルー・フノン・V(Luu,Phunong,V.)ら)は、皮膚軟化剤、及び保持/放出剤を含むローションで処理した基材を記載している。べたつかない感触のローションで処理した基材は、平滑で、潤滑した、べたつかない層を皮膚上に提供する。
【0017】
PCT国際公開特許WO−0200817(C.ドルデン(Druden))は、改善されたクレンジング能力のためのコカミドプロピルベタイン、及びPEG−80グリセリルココエート/PEG−30グリセリルココエートを使用した拭き取り用品を記載している。
【0018】
米国特許第4,741,944号、及び第4,865,221号は、シート、及び/又はウェブ内に液体を有する湿性の拭う物を提供する。該液体には、水、塩化ベンザルコニウム、クエン酸、リン酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム、ポリエチレングリコール−75ラノリン、ココアンホカルボキシグリシネート、プロピレングリコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、ポリソルベート20及び芳香剤が挙げられる。
【0019】
米国特許第4,732,797号、及び第4,772,501号は、クエン酸、及びソルビン酸から成る湿性の拭う物のための天然酸防腐剤系を対象とする。米国特許第5,141,803号は、不織布拭き取り用品含浸組成物を提供する。特定の陽イオン性殺生物剤が、防腐剤系に含まれる。陽イオン性殺生物剤、塩酸ポリヘキサメチレンビグアニドは、湿性の拭う物のつるつるした感触を大幅に減少するとされている。
【0020】
米国特許第4,737,405号は、抗菌活性の不織布ウェブのための結合剤触媒を対象とする。米国特許第5,512,199号は、アルコール、抗菌剤、水溶性ポリマー、ポリアルキレングリコール、並びに保湿剤及び/又は皮膚軟化剤を、水と共に含む手の拭き取り用品を対象とする。
【0021】
また、米国特許第5,152,996号は、酢酸亜鉛過酸化物及び界面活性剤で含浸された不織布拭き取り用品に関する。
【0022】
エマルション類の一般的背景、及びその潜在的使用(例えば、化粧品)は、次のものに見出すことができる。
増強された安定性を有する高内相エマルション類、及びその化粧品への使用を記載しているUS4606913。
それぞれ、転相のない高内相エマルションの製造方法を記載しているUS5539021、及びUS5688842。
モノアルキルリン酸塩を含む水中油型ゲル様エマルションを記載しているUS5362418。
モノアルキルリン酸塩を含む半透明の化粧品エマルションを記載しているUS508554。
スクロース脂肪酸エステルを含む、高油分の水中油型エマルションを記載しているUS5976604、及びUS4379755。
油滴を含む二液フォームを有し、化粧品用途に適した安定な分散を記載しているPCT国際公開特許WO97/32559。
【0023】
上記文献の多くは、より良好な拭き取り用品性能を供給するための代替物、又は改善された方法を見出すことを目指している。しかし、消費者が経験する欠点、及び不都合の多くは、当該分野の製品開発者に明白な課題をなお示す。例えば、防腐剤が時として刺痛を生じる、ないしは別の方法で皮膚を刺激する、ローション類がべたついた感じを与え汚れを残す、保存中に相(油/水)の分離を生じる、ローション類が拭き取りによって皮膚上の残留糞便の除去、及びピックアップを助長せずにその広がりを促進する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
結局、洗浄及び拭き取りの間、また後に、改善された平滑度、及び優しい清浄度を達成する必要性は、多くの消費者が明述する基本的な要求として残っている。十分な保存を皮膚への卓越した優しさと組み合わせて提供するエマルション組成物の必要性が存在する。肛門周囲/会陰部からの残留糞便の除去の効率を増強する拭き取り用品の必要性も存在する。加えて、使用者の皮膚を刺激しない拭き取り用品の必要性が存在する。
【0025】
更に、べたついた、又は脂っぽい残留物を皮膚に残すことなく、平滑で、長時間持続する快適な感触を使用者に提供する拭き取り用品への必要性が存在する。貯蔵寿命が長く、その組成物が包装内で、及び使用中に微生物の増殖を減少させる拭き取り用品の必要性も存在する。最後に、上記の効果のすべて、又は大部分をこれまで達成されなかったレベルに組み合わせた拭き取り用品の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明は、排便、又は排尿後に会陰部のような領域を洗浄することを意図した体洗浄拭き取り用品に使用できる組成物を記載している。本発明は、高効率のクレンジングを、最善の皮膚への優しさ、及び最善の快適性と共に供給するという問題に対処する。
【0027】
実施形態の1つにおいて、組成物は低い表面張力を有し、組成物の約0.001%〜約5%未満を表す皮膚軟化剤、低い表面張力を有する界面活性剤、及び/又は乳化剤、高い皮膚に対する優しさに加えて高い死滅率を示す防腐剤化合物類、及び任意にレオロジー変性剤を包含する。
【0028】
本発明の別の実施形態において、組成物は、媒質の組成物全体に低い表面張力を生じる皮膚軟化剤、界面活性剤、及びレオロジー変性剤を含む。組成物は、メチロール化合物、及び鎮静剤も含む。
【0029】
別の態様において、本発明は、上に例示したような組成物を含んでなる湿性の拭う物を含む。
【0030】
本発明を取り巻く概念は、意図する結果を出すための上記の化合物類、及び化学物質類の慎重な選択にある。本発明は、本発明に適した化合物類、及び化学物質類の特性を定義する。選択された化合物類、及び化学物質類は、本発明に従って選択、及び組み合わせされた場合、驚くほどに相乗的に作用し得ることが、発明人によって実証された。特に、特定の界面活性剤、皮膚軟化剤、及び鎮静剤の選択は、低下した刺激レベルでの非常に有効な防腐剤の併用が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
湿性の拭う物(「wipe」:拭き取る物、拭く物):
本発明は、湿性の拭う物のための組成物を提案する。湿性の拭う物、又は拭き取り用品、又は湿性のティッシュは、体の部位を清浄にするために使用される、一般的に不織布材料である1枚の材料を説明する一般用語である。特に、現在入手可能な拭き取り用品の大部分は、排便後の肛門周囲領域の洗浄を意図している。その他の拭き取り用品は、顔、又はその他の体の部位のクレンジングに入手可能である。本発明は、肛門周囲(又は会陰)領域用の拭き取り用品を焦点とするが、この特定の種類の湿性の拭う物に限定されない。湿性の拭う物は、一般に、下水システムに容易に廃棄されるか、又はゴミ箱に個別に廃棄されるのに十分に小さいと同時に、便利な取扱いに十分な寸法である。拭き取り用品の材料は、一般に柔軟、及び可撓性であり、潜在的にその洗浄性能を強化する構造化された表面を有する。材料は、好ましくは不織布材料であり、一般には合成化合物類でできている。ただし、織物材料、並びに織物又は不織布材料への天然化合物類の使用は、本発明の範囲内である。拭き取り用品の質感、及び材料は、拭き取り用品の性能に大いに関係する。本発明の1つの実施形態において、不織布材料は、ポリオレフィン、ポリエステル、セルロース、レーヨン、ポリアミド類、ポリエステルアミド、ポリビニルアルコール類、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される材料から作られた繊維を含む。本発明に使用可能な基材は、スパンレース方法のような、しかしこれに限定されないいかなる適した方法によっても製造でき、好ましくは乾燥坪量が約45g/m〜75g/m、より好ましくは45g/m〜65g/mである。
【0032】
拭き取り用品は一般に、洗浄の強化、及び平滑な感触の提供の両方を意図して、液体、又は半液体組成物で含浸される。一般に、組成物は、拭き取り用品の構造全体に染み込ませるために十分に低粘度である。別の場合には、組成物は主に拭き取り用品の表面に存在し、それより少ない程度で拭き取り用品の内部構造に存在することができる。任意の実施形態の1つにおいて、組成物は材料に放出可能に担持され、すなわち、組成物が基材の中、又は上に含有されて、例えば、その基材を絞るか、子供のお尻のような表面を湿性の拭う物で拭き取るなどの、いくらかの力を基材にかけることにより、基材から容易に放出可能である。
【0033】
鎮静/クレンジング組成物:
拭き取り用品に含浸する組成物は、一般に、及び互換可能に、ローション、鎮静ローション、鎮静組成物、水中油型エマルション組成物、エマルション組成物、エマルション、洗浄又はクレンジングローション又は組成物と呼ばれる。これらの用語はすべて、本明細書によって互換可能に使用され、本発明の組成物の二重の基本機能である増強されたクレンジングと皮膚効果の供給とを示す。
【0034】
任意の実施形態の1つにおいて、本発明の組成物は、次のものを含むがこれらに限定されない。
・ 皮膚軟化剤
・ 界面活性剤、及び/又は乳化剤
・ 鎮静剤
・ 所望により、レオロジー変性剤
・ 防腐剤、又はより具体的には防腐剤系として一緒に作用する防腐剤化合物類の組み合わせ
・ 水
【0035】
化合物類には、複数の機能を有することができるものがあること、及び必ずしもすべての化合物類が本発明の組成物に存在する必要はないことに注意すべきである。
【0036】
本発明の組成物は、典型的にはいわゆる水中油型エマルションであり、小さな油滴が分散され、親水性媒質によって囲まれている。
【0037】
好ましくは、本発明の組成物は、約35mN/n未満、より好ましくは約30mN/m未満、更により好ましくは約28mN/m未満の表面張力を有する。
【0038】
組成物のpHは、約pH3〜約pH9、好ましくは約pH4〜約pH7.5、より好ましくは約pH5〜約pH7である。
【0039】
皮膚軟化剤:
一般的な辞書は「皮膚軟化剤」を「柔軟化、又は鎮静化するもの」と定義している。湿性の拭う物における機能としては、(1)潤滑の増強による皮膚上での拭き取りのすべりの改善、及びそれによる皮膚の擦傷の減少、(2)残留物(例えば残留糞便、又は乾燥した尿残留物)の水和、それによる皮膚からのそれらの除去の促進、(3)皮膚の水和、それによる皮膚の乾燥、及び刺激の低減と同時に拭き取り動作下でのその可撓性の改善、(4)皮膚軟化剤が皮膚上に付着し、その表面に薄い保護層として残ることから、後の刺激(例えば下着の摩擦によって生じる)からの皮膚の保護が挙げられる。
【0040】
本発明の実施形態の1つにおいて、好ましい皮膚軟化剤はケイ素系である。シリコーン系の皮膚軟化剤は、繰り返しシロキサン(Si−O)単位を有するオルガノシリコーン系ポリマー類である。本発明のシリコーン系皮膚軟化剤は、疎水性であり、広い範囲の可能な分子量で存在する。それらは、線状、環式、及び架橋種を含む。シリコーンオイル類は、一般に化学的に不活性であり、通常は高い引火点を有する。その低い表面張力により、シリコーンオイル類は容易に広がることができ、高い表面活性を有する。本発明のためのシリコンオイルの例としては、シクロメチコン類、ジメチコン類、ジメチコン類、フェニル変性シリコーン類、アルキル変性シリコーン類、シリコーン樹脂類、シリカが挙げられる。
【0041】
本発明で有用なその他の皮膚軟化剤は、不飽和エステル類、又は脂肪酸エステル類であることができる。本発明の不飽和エステル類、又は脂肪酸エステル類の例としては、ビス−PEG/PPG−16/16 PEG/PPG−16/16 ジメチコンと組み合わせたカプリル酸カプリン酸トリグリセリド類、及びC12〜C15アルキルベンゾエートが挙げられる。
【0042】
ローション組成物に含まれることができる皮膚軟化剤の量は、関与する特定の皮膚軟化剤、所望のローション様効果、及びローション組成物中のその他の構成成分を含む種々の因子によって決まる。皮膚軟化剤含有量が低い、又は非常に低い組成物が、本発明に最も適することが見出された:組成物の皮膚軟化剤含有量は、約0.001%〜約5%未満、好ましくは約0.001%〜約3%未満、より好ましくは約0.001%〜約2.5%未満、更により好ましくは約0.001%〜約1.5%未満である(すべての%は、組成物中の皮膚軟化剤の重量%である)。理論に束縛されるものではないが、皮膚軟化剤含有量が低いと、(使用者が快適性、及び好みに関してマイナスの評価をするであろう)皮膚への脂っぽい/べたついた付着の危険が低下すると考えられている。
【0043】
驚くべきことに、比較的低い表面張力を示す皮膚軟化剤は本発明が提案する組成物中でより効率的に作用することが発明人によって見出された。本書で参照される方法に従って測定して、約30mN/mより低い表面張力が好ましく、最も好ましくは約20mN/mより低い。
【0044】
好ましくは、本発明の皮膚軟化剤は、中程度から低い極性を有する。好ましくは、本発明の皮膚軟化剤は、約5〜約12、最も好ましくは約5〜約9の溶解度パラメーターも有する。
【0045】
皮膚軟化剤の表面張力、極性、粘度、及び塗布性は、ダイエッツ(Dietz),T.、化粧品油類の基本特性、及びそのエマルション調製との関連性(Basic properties of cosmetic oils and their relevance to emulsion preparations)、SOFW−ジャーナル(SOFW-Journal)、1999年7月、1〜7頁に見出すことができる。
【0046】
本発明に特に適した皮膚軟化剤は、ジメチコノール、ジメチコン、シクロペンタシロキサン、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、C12〜C15アルキルベンゾエート(Alykylbenzoate)、又はカプリル酸カプリン酸トリグリセリドとビス−PEG/PPG−16/16 PEG/PPG−16/16 ジメチコンとの混合物、及びこれらのいかなる組み合わせも含むリストから選択される。
【0047】
乳化剤/界面活性剤:
組成物はまた、水中油型エマルションを形成するもののような乳化剤を含む。乳化剤は、化学的化合物類の混合物であることができ、界面活性剤類を含む。好ましい乳化剤類は、界面活性剤としても作用するものである。本書の目的で、乳化剤類、及び界面活性剤類という用語は以後互換可能に使用される。乳化剤は、高分子乳化剤でも非高分子のものでもよい。
【0048】
乳化剤は、組成物中に存在してもよいいかなる他の水不溶性油類の皮膚軟化剤も乳化するのに有効な量、好ましくは約4重量%〜約0.001重量%、より好ましくは約1重量%〜約0.01重量%、更により好ましくは約0.5重量%〜約0.02重量%(組成物の重量に対する乳化剤類の重量に基づく)の範囲の量で用いられる。乳化剤類の混合物を使用してもよい。
【0049】
本発明には、低粘度を有する界面活性剤類/乳化剤類が好ましい。低粘度は、本書の方法の部分に記載されているように、ブルックフィールド(Brookfield)装置で測定した時に、界面活性剤の1%水溶液の約25℃で約15Pa・s(15,000cps)未満の粘度を意味すると理解される。より好ましくは、粘度は同じ条件下で約10Pa・s(10,000cps)未満である。
【0050】
好ましい界面活性剤類/乳化剤類のその他の特性としては、高い極性、及び非イオン性が挙げられる。
【0051】
本発明に特に適しているのは、アルキルポリグルコシド類、デシルポリグルコシド、脂肪族アルコール、又はアルコキシル化脂肪族アルコールリン酸エステル類(例えば、トリラウレス−4ホスフェート)、トリデセス−3カルボン酸ナトリウム、又はカプリル酸カプリン酸トリグリセリドとビス−PEG/PPG−16/16 PEG/PPG−16/16 ジメチコンとの混合物、ポリソルベート20、及びこれらの組み合わせのような乳化剤である。
【0052】
理論に束縛されるものではないが、低粘度の非イオン性界面活性剤/乳化剤は、低い表面張力の皮膚軟化剤の乳化を可能にするのに最善であると考えられている。この組み合わせは、油滴直径が低い、比較安定なエマルションを供給する。
【0053】
レオロジー変性剤:
組成物のレオロジーは、その機能性において重要な役割を果たすことが見出された。所望のレオロジーを保証することを目的とした一連の化合物が好ましいことが見出された。これらの化合物は、組成物の安定化におけるその役割から安定剤とも呼ばれる。
【0054】
レオロジー変性剤は、処理温度並びにそれより低い温度で組成物粘度を増大させる化合物である。レオロジー変性剤、又は懸濁剤、又は安定剤はまた、不溶性及び部分的に可溶性の構成成分の沈殿(分離)を防止するための「構造」を組成物に提供する。組成物のその他の構成成分又は添加剤が、組成物の温度に関する粘度/レオロジーに影響する場合がある。
【0055】
レオロジー変性剤の影響、及び利点は、US20020128621A1、名称「良好な安定性を有する単純化された組成物を用いた吸収性物品(Absorbent articles with simplified compositions having good stability)」(クルチョスキー(Kruchoski)ら、2002年9月12日公開、2001年12月21日出願)、及びUS20020128615A1、名称「陰イオン性ポリマー類を含有する非水性組成物を用いた吸収性物品(Absorbent articles with non-aqueous compositions containing anionic polymers)」(ティレル(Tyrrell)ら、2002年9月12日公開、2001年12月22日出願)、及び米国仮出願特許番号第60/520031号(デックナー(Deckner)ら、2003年11月14日出願)(代理人整理番号CM2755P2Q)に特に記載されている。
【0056】
不溶性、及び部分的に可溶性の構成成分の懸濁液を安定化することに加え、本発明のレオロジー変性剤は、拭き取り用品上の組成物を安定化し、ローションの皮膚への移動を促進するのにも役立つ:拭き取り動作は、剪断、及び圧力を増大させるので、ローションの粘度を低下させ、皮膚へのより良好な移動、及びより良好な潤滑効果を可能にする。
【0057】
更に、レオロジー変性剤は、抜き取り用品の積み重ね体の中での組成物の均質な分布を保つのに役立つ:いかなる流体組成物も、長期保存中に拭き取り用品の積み重ね体のより低い部分に移動する傾向がある。この効果により、積み重ね体の上方の領域が底部よりも少ない組成物を有するようになる。これは、ユーザーに、比較的低品質の徴候として見られる。
【0058】
好ましいレオロジー変性剤は、低い初期粘度、及び高い降伏を示す。本発明に特に好ましいのは、次のようなレオロジー変性剤であるがこれらに限定されない。
・ ドイツ、エメリヒ(Emmerich)のユニケマ社(Uniqema GmbH&Co.KG)より商標名アラトン(ARLATONE)で入手可能な材料のブレンド。特に好ましいのは、スクロースパルミテート、グリセリルステアレート、グリセリルステアレートシトレート、スクロース、マンナン、及びキサンタンガムのブレンドであるアラトン(ARLATONE)V−175、及びステアレス−100、ステアレス−2、グリセリルステアレートシトレート、スクロース、マンナン、及びキサンタンガムのブレンドであるアラトン(Arlatone)V−100である。
・ フランス、パリのセピック・フランス(Seppic France)よりシムルゲル(SIMULGEL)として入手可能な材料のブレンド。特に好ましいのは、ヒドロキシエチルアクリレート/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー、及びスクアラン、及びポリソルベート60、アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー、及びポリイソブテン、及びカプリリルカプリルグルコシド、アクリレートコポリマー類(例えばアクリレート類/アクリルアミドコポリマー類であるがこれに限定されない)、鉱油、及びポリソルベート85のブレンドを含むシムルゲル(SIMULGEL)NSである。
・ オハイオ州クリーブランドのノベオン社(Noveon,Inc.)よりカーボポール(Carbopol)(登録商標)900シリーズとして入手可能なもの(例えば、カーボポール(Carbopol)(登録商標)954)のような、アクリレートホモポリマー類、アクリレートクロスポリマー類(例えばアクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー類であるがこれに限定されない)、カルボマー類(例えば1つ以上のアリルエーテル(例えばペンタエリスリトールのアリルエーテル類、スクロースのアリルエーテル類、プロピレンのアリルエーテル類であるがこれらに限定されない))と架橋したアクリル酸であるがこれに限定されない)、及びこれらの組み合わせ。
・ キサンタンガム、ガラクトアラビナン及び他の多糖類のような天然由来ポリマー類。
・ 上記のレオロジー変性剤の組み合わせ。
【0059】
市販のレオロジー変性剤の例としては、いずれもオハイオ州クリーブランドのノベオン(Noveon)より入手可能なウルトレツ(Ultrez)−10(カルボマー)、及びペムレン(Pemulen)TR−2(アクリレートクロスポリマー類)、並びにカリフォルニア州サンディエゴのCPケルコ(Kelco)より入手可能なケルトロール(Keltrol)(キサンタンガム)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0060】
レオロジー変性剤は、存在する時、約0.01重量%〜約3重量%、好ましくは約0.015重量%〜約2重量%、より好ましくは約0.02重量%〜約1重量%で本発明に使用されてもよい。
【0061】
防腐剤:
パーソナルケア製品での微生物成長を抑制する必要性は、非イオン性水中油型エマルション及び乳児用拭き取り用品のような予め含浸された拭き取り用品のような水性製品で特に深刻であることが知られている。
【0062】
本発明の組成物は、防腐剤化合物、又はより好ましくは防腐剤系として一緒に作用する防腐剤化合物の組み合わせを含む。防腐剤、及び防腐剤系は、本書で1つの特異な、又は防腐剤化合物の組み合わせを示すために互換可能に使用される。
【0063】
防腐剤は、微生物の成長を抑え、それによって拭き取り用品の包装(開封済み、又は未開封)のより長い貯蔵寿命を可能にし、並びに拭き取り過程中に皮膚に移動した時に微生物の成長が抑えられた環境を作る化学若しくは天然化合物、又は化合物の組み合わせであると理解される。
【0064】
本発明の防腐剤は、3つの主要な特性によって定義されることができる:(i)細菌、及び/又はカビ類、及び/又は酵母、好ましくは3つの微生物類の分類すべてを一緒に含んでもよい、広範な微生物類に対抗する活性、(2)できるだけ低い濃度での死滅効力、並びに/又は成長を抑制する効力、及び(3)皮膚への優しさ。
【0065】
本発明の防腐剤の活性の範囲は、細菌、カビ類、及び酵母を含んでもよい。より好ましくは、防腐剤は細菌、及びカビ類、及び酵母に対して活性である。
【0066】
本発明による好ましい防腐剤は、微生物を積極的に死滅させる。考慮されるべき別の作用機構は、積極的な死滅をともなわずに微生物の成長速度を低下することである。しかし、いずれの作用も微生物の集団の劇的な減少を生じる。
【0067】
防腐剤の濃度は、望ましくは目標の効力を達成しながらできるだけ低いことが容易に理解される。その受容性に関して、持ちうる毒性、又はその他の有害影響により、多くの国々に、ヒトへの使用を意図する製品の防腐剤の最大許容含有量を管理する法律、及び規制が存在する。一部の防腐剤は、許容限度内にあっても、消費者への不都合(軽い刺激、刺痛等のような)を誘発し得る。最終的に、少なくとも次の3つの推進力が防腐剤の濃度をできるだけ低く抑える:法的規制、消費者に生じうる皮膚効果、及び原料の費用。防腐剤の効力を保ちながら低濃度の防腐剤を確実とするための有効な技術的解決策を提供することが本発明の目的である。
【0068】
皮膚に対する優しさは、本発明の防腐剤の重要な特性である。防腐剤は拭き取り作業中に皮膚と接触することが理解されるべきである。多少のローションが使用後に皮膚上に残ることから、防腐剤と皮膚との間の接触時間が延長され得る(例えば、数時間)。したがって、防腐剤は、アレルギー反応、刺激、焼けるような感覚、刺痛、又はその他の種類の不都合を引き起こすことなく、皮膚が十分に耐える形態である必要がある。
【0069】
皮膚に対する優しさは、水に対する「ジェントルネス指数」(水は皮膚に最も優しいとみなされる)として評価することができる。該方法は、本書に記載されている。
【0070】
約0.3未満、好ましくは約0.2未満、より好ましくは約0.15未満のジェントルネス指数は、皮膚の刺激を大幅に低減することが明らかになった。
【0071】
本発明の実施形態の1つにおいて、防腐剤と鎮静剤(後述)との組み合わせは、水に匹敵するジェントルネス指数を提供する。この実施形態において、鎮静剤は多種多様な防腐剤材料と組み合わされてもよい。適した材料としては、メチロール化合物、又はその等価物、イオドプロピニル化合物、及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。メチロール化合物は、有効な防腐剤活性を有する水溶液中にある時、低濃度のホルムアルデヒドを放出する。代表的なメチロール化合物類としては、次のものが挙げられるがこれらに限定されない。ジアゾリジニル尿素(ニュージャージー州ウェインのインターナショナル・スペシャルティ・プロダクツ(International Specialty Products)より入手可能なガーモール(GERMALL)(登録商標)II)N−[1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル]−N,N’−ビス(ヒドロキシメチル)尿素、イミド尿素(ニュージャージー州ウェインのインターナショナル・スペシャルティ・プロダクツ(International Specialty Products)より入手可能なガーモール(GERMALL)(登録商標)115)、1,1−メチレンビス[3−[3−(ヒドロキシメチル)−2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル]尿素]、1,3−ジメチロール−5,5−ジメチルヒダントイン(DMDMH)、ヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム(ニュージャージー州ウェインのインターナショナル・スペシャルティ・プロダクツ(International Specialty Products)より入手可能なサットサイド(SUTTOCIDE)(登録商標)A)、及び無水グリシンジメチロール(GADM)。メチロール化合物類は、約0.025%〜約0.50%の濃度(100%活性ベース)で有効に使用することができる。好ましい濃度(100%ベース)は約0.075%である。イオドプロピニル化合物は抗カビ活性を提供する。代表的な材料は、英国リーズのクラリアントUK社(Clariant UK,Ltd.)よりニパサイド(NIPACIDE)IPBCとして入手可能なもののようなイオドプロピニルブチルカルバメートである。特に好ましい材料は、3−ヨード−2−プロピルブチルカルバメートである。イオドプロ
ピニル化合物類は、約0%〜約0.05%の濃度で有効に使用できる。好ましい濃度は約0.009%である。この種類の特に好ましい防腐剤系は、約0.075%の濃度のメチロール化合物と約0.009%の濃度のイオドプロピニル化合物とのブレンドを含む。この防腐剤系を使用した組成物を、実施例1、及び2に記載する。
【0072】
別の実施形態において、防腐剤系は単純な芳香族アルコール類(例えば、ベンジルアルコール)を含んでもよい。この種類の材料は、有効な抗菌活性を有する。ベンジルアルコールは、ニュージャージー州タターボロ(Teterboro)のシムライズ社(Symrise,Inc.)より入手できる。
【0073】
当該技術分野は、防腐剤系に他の防腐剤成分の相乗剤としてキレート化剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸、及びその塩)も使用する。
【0074】
本発明に包含されるパラベン抗菌剤の総濃度は、好ましくは約1%未満、より好ましくは約0.5%未満、更により好ましくは約0.3%未満である。(法規定により実際にはこれらの範囲が制限される場合があることに注意すべきである)。パラベン抗菌剤の最少量は、組成物の所望の保存を得るのに十分ないかなる量でもあり、発明のほとんどの実施形態において0.001重量%を超える。
【0075】
このような防腐剤系は、個別に作用する単一の構成成分から予想されるよりも大きな相乗的な防腐剤作用を示すことができる。この相乗的作用は、広い抗菌影響を生じることができ、低濃度での防腐剤系の使用を可能にすることができる。
【0076】
本防腐剤系は、予め溶解された溶液として便利に製造業者に供給されることができる。更により好都合なことに、防腐剤系は予め測定された投与用量で供給されることができる。
【0077】
本発明の防腐剤(類)は、防腐システムを形成するために、同じ又は異なる部類の種々の他の防腐剤によって補完されてもよい。
【0078】
鎮静剤:
鎮静剤は、一部の化学物質の刺激又は刺痛/焼けるような痛み/掻痒作用を軽減する能力を有する化合物である。鎮静剤は、種々の化学物質部類のものであることができる。鎮静剤は、特にパラベン系防腐剤系に対して、皮膚刺激物の影響を中和する種々の作用機構を有することができる。例えば、酸化防止剤は酸化剤にとって鎮静剤となり得る。緩衝剤は、酸又は塩基の皮膚に対する刺痛作用を中和する鎮静剤となり得る。皮膚軟化剤も鎮静剤であることができることが留意されるべきである。一部の防腐剤の刺痛/刺激作用に対して作用する鎮静剤が好ましい。これらの鎮静剤は、例えば防腐剤の可溶化若しくはミセル化を助ける皮膚軟化剤又は界面活性剤であることができる。
【0079】
本発明の好ましい鎮静剤は、(a)エトキシル化界面活性化合物、より好ましくは約60未満のエトキシル化数を有するもの、(b)ポリマー類、より好ましくはポリビニルピロリドン(PVP)及び/又はN−ビニルカプロラクタムホモポリマー(PVC)、並びに(c)リン脂質、より好ましくは、例えば脂肪酸及びオルガノシリコーン類のような他の官能性成分と錯体を形成するリン脂質である。
【0080】
最も好ましくは、本発明の鎮静剤は次の化合物、及びそれらの組み合わせから選択される:PEG−40硬化ヒマシ油、ソルビタンイソステアレート、イソセテス−20、ソルベス−30、ソルビタンモノオレエート、コセス−7、PPG−1−PEG−9ラウリルグリコールエーテル、PEG−45パーム核グリセリド類、PEG−20アーモンドグリセリド類、PEG−7硬化ヒマシ油、PEG−50硬化ヒマシ油、PEG−30ヒマシ油、PEG−24水素添加ラノリン、PEG−20水素添加ラノリン、PEG−6カプリル酸/カプリン酸グリセリド類、PPG−1 PEG−9ラウリルグリコールエーテル、ラウリルグルコシドポリグリセリル−2 ジポリヒドロキシステアレート、グルタミン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタムホモポリマー、ココPG−ジモニウムクロライドリン酸ナトリウム、リノールアミドプロピルPG−ジモニウムクロライドリン酸、ボラージアミドプロピルPG−ジモニウムクロリドリン酸ナトリウム、N‐リノールアミドプロピルPG−ジモニウムクロライドリン酸ジメチコン、コカミドプロピルPG−ジモニウムクロライドリン酸、ステアルアミドプロピルPG−ジモニウムクロライドリン酸、及びステアルアミドプロピルPG−ジモニウムクロライドリン酸(及び)セチルアルコール。特に好ましい鎮静剤は、ドイツ国ルートヴィヒスハーフェンのBASFよりクレモフォア(Cremophor)CO40として入手可能なPEG−40硬化ヒマシ油である。理論に束縛されるものではないが、この種類の界面活性化合物は、防腐剤系の可溶化を助け、組成物中の他の成分とのその相溶性を増すと考えられている。
【0081】
組成物の任意成分:
特許請求される本発明の組成物は、任意に補助剤成分を含んでもよい。可能な補助剤成分は、香料及び芳香剤、テクスチャライザー、着色剤、医学的に活性な成分、特に治癒活性物質、及び皮膚保護剤のような、しかしこれらに限定されない、広範な追加成分から選択されてもよい。
【0082】
組成物の調製:
本発明の組成物及びその組成物を含拭き取り用品は、当該技術分野及び本明細書の参照文献において記載される従来の方法によって製造できる。あるいは、組成物及び拭き取り用品は、同時係属中の米国特許仮出願番号60/520,032、名称「濃縮エマルションを用いる湿性の拭う物を製造する方法(A process for making a wet wipe using a concentrated emulsion)、シルヴィ・チャンバ(Sylvie Chamba)ら、プロクター・アンド・ギャンブル(Procter & Gamble)代理人整理番号CM2756P2Q、2003年11月14日出願)に従って製造される。
【0083】
商品:
本発明の一実施形態では、商品が提供される。本発明の商品は、典型的には(a)本明細書に記載される容器、及び(b)少なくとも本明細書に記載されている湿性の拭う物を含む。
【0084】
本発明の商品に有用な容器としては、例えば、PET槽(PET tub)、フローラップパウチ、個々に包装されたクレンジングミットの切込みの入った袋、及び組成物を放出可能に保持する不織布物品に適した、当業者に既知の他の包装が挙げられるが、これらに限定されない。
【0085】
容器は、いかなる適した材料、又は材料類からも製造することができ、いかなる適した方法でも製造することができる。例えば、容器は、ポリスチレン、ポリプロピレン、PET、POET、ポリエチレン、ポリエステル、ポリビニルアルコール等から製造することができる。容器はまた、材料の混合物から製造されてもよい。容器は、例えば真空成形、若しくは射出成形、又はいかなる適した方法でも製造することができる。
【0086】
容器並びに容器の追加の任意構成要素(容器本体、ふた、容器の機構(ふたの取付部、ヒンジ、ジッパー、固定手段のような、しかしこれらに限定されない)を含むがこれらに限定されない)に関する追加情報は、米国意匠特許第451,279号、同第437,686号、同第443,508号、同第443,451号、同第421,901号、同第421,902号、同第416,794号、同第414,637号、同第445,329号、第3,982,659号、第3,967,756号、第3,986,479,号、第3,994,417号、第6,269,970号、第5,785,179号、第5,366,104号、第5,322,178号、第5,050,737号、第4,971,220号、第6,296,144号、第6,315,114号、第4,840,270号、第4,471,881号、第5,647,506号、第6,401,968号、第6,269,969号、第6,412,634号、第5,791,465号、第6,092,690号、及び第6,092,690号、米国特許出願公開番号2002/0064323(チン(Chin)、2002年5月30日公開)、及びPCT国際公開特許WO00/27268(プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Co.)へ譲渡、2000年5月18日公開)、PCT国際公開特許WO02/14172(プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Co.)へ譲渡、2002年2月21日公開)、及びPCT国際公開特許WO99/55213(プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Co.)へ譲渡、1999年11月4日公開)に見出すことができる。
【0087】
組成物の相乗効果:
本発明の組成物は、低い皮膚ジェントルネス指数及び皮膚の満足のいく洗浄の両方を送達できることが見出された。権利請求された皮膚ジェントルネス指数で約0.3未満を示す組成物のみが、使用者に強力な利益、すなわち増強されたクレンジング能力と共に低刺激であり微生物学的に安定な組成物を供給できることが見出された。
【0088】
約0.3より大きい皮膚ジェントルネス指数を有する組成物は、使用者が適用した時にあるレベルの刺痛を誘発することが見出された。
【0089】
約5%未満の皮膚軟化剤、及びパラベン系防腐剤を含む組成物は、一般に約0.3未満の皮膚ジェントルネス指数を供給しないことが見出された。記載されている防腐剤系、鎮静剤、及び低粘度の界面活性剤の組み合わせのみが、権利請求された優しさの効果を供給できることが見出された。
【0090】
表示された本発明の効果のいくつか、又はすべてが、記載されているような好ましい化合物類を、主要請求項に定義されるように約0.3未満の皮膚ジェントルネス指数を供給する方法で使用することによって達成できることも見出された。
【実施例】
【0091】
以下の実施例は、0.3未満の皮膚ジェントルネス指数を示す本発明に従う組成物を実証する。比較の目的で、鎮静剤なしのパラベン系防腐剤系を使用した先行技術の組成物は、ジェントルネス指数が約1.5であることが見出された。
【0092】
(実施例1)
この実施例は、鎮静剤あり、及びなしでのパラベンを含まない組成物の皮膚ジェントルネス指数を比較する。処方を表1に示す。
【表1】

1.デラウエア州ウィルミントンのCPケルコ(Kelco)USより入手可能なキサンタンガム
2.バージニア州ホープウェルのデグサ・ケア・スペシャルティーズ(Degussa Care Specialties)からの85:15 ジメチコン:カプリン酸−カプリル酸トリグリセリド
3.英国リーズのクラリアントUK社(Clariant UK,Ltd.)より入手可能
4.ニュージャージー州ウェインのインターナショナル・スペシャルティ・プロダクツ(International Specialty Products)より入手可能なヒドロキシメチルグリシネート(50%溶液)
5.ドイツ国ルートヴィヒスハーフェンのBASFより入手可能なPEG−40硬化ヒマシ油
【0093】
組成物Aの皮膚ジェントルネス指数は0.19であり、組成物Bの皮膚ジェントルネス指数は−0.07である(該方法に注記されているように、これは、この試験で組成物Bの平均格付けが水の平均格付けよりも低いことを意味する)。
【0094】
(実施例2)
この実施例は、本発明による組成物の皮膚ジェントルネス指数が再現可能であることを実証する。表2に示す製品組成物は、表1の組成物Bのそれと同じである。該組成物は、実施例1の組成物Bと別のバッチで調製され、別個に皮膚への優しさを評価した。
【表2】

1.バージニア州ホープウェルのデグサ・ケア・スペシャルティーズ(Degussa Care Specialties)からの85:15 エトキシル化ジメチコン:カプリン酸−カプリル酸トリグリセリド
2.デラウエア州ウィルミントンのCPケルコ(Kelco)USより入手可能なキサンタンガム
3.ドイツ国ルートヴィヒスハーフェンのBASFより入手可能なPEG−40硬化ヒマシ油
4.ドイツ国ホルツミンデン(Holzminden)のシムライズ社(Symrise GmbH)より入手可能なビサボロールと、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド類と、ジャーマンカモミール(カミツレ)の花抽出物とのブレンド
5.英国リーズのクラリアントUK社(Clariant UK,Ltd.)より入手可能
【0095】
実施例2の組成物の皮膚ジェントルネス指数は−0.04である。
【0096】
(実施例3−湿性の拭う物)
実施例1、及び2は、本発明に記載の湿性の拭う物を調製するための、60重量%のポリプロピレン繊維と40重量%のビスコースレーヨン繊維とを含み、平均繊維長が約38mm〜40mmである基材(例えば米国のPGIより入手可能)と組み合わされた本発明の処方を示す。
【0097】
本発明の実施例並びにその説明、方法教示で使用される水は、化粧品グレード、及び医薬品グレードの、好ましくは脱イオン水であり、互換可能に「精製水」、又は「水」と呼ばれる。
【0098】
方法:
表面張力の測定:
流体の表面張力の測定に使用される方法論は、いわゆるウィルヘルミープレート法である。ウィルヘルミープレート法は、時間的間隔をおいて表面張力を検査するのに特に適した汎用法である。簡単に言えば、外辺部が既知の垂直プレートが秤に取り付けられ、濡れによる力が測定される。
【0099】
使用する機器及び対応する設定は以下の通りである。
装置:クレス・テンシオメーター(Kruss Tensiometer)K12、クレス社(Kruss GmbH)(ドイツ国ハンブルグ(Borsteler Chausee 85-99a,22453Hamburg-Germany)、電話:+49 40 51 44 01−0、www.kruess.com)製
プレート寸法:幅:19.9mm 厚さ:0.2mm、高さ:10mm
測定の設定:浸漬深さ2mm、表面検出感度0.01g、表面検出速度6mm/分、値10、線形捕捉、最大測定時間60秒
【0100】
測定する液体を、洗浄され乾燥したガラス容器内に注ぐ。試料温度は25℃に制御される。洗浄され徐冷されたウィルヘルミープレートを、液体の表面まで下げる。プレートは、測定する流体に浸漬され、対応する表面張力の値が装置のディスプレイ上で読み取られる。使用説明は、「クレス社ハンブルグ(Kruss GmbH Hamburg)1996」によって編集されたユーザーマニュアル、バージョン(Version)2.1に見出すことができる。
【0101】
粘度の測定:
粘度測定は、ブルックフィールド(Brookfield)装置RVDVIIIデジタルレオメーター(:ブルックフィールド・エンジニアリング・ラボラトリーズ社(Brookfield Engineering Laboratories,INC.)、米国マサチューセッツ州ミドルボロ、コマースブルヴァード11、02346(11 Commerce Boulevard,Middleboro,MA 02346 U.S.A.)、www.brookfieldengineering.com)で実施される。測定されるべき液体を、洗浄され乾燥したガラスビーカー内に注ぐ。試料温度を25℃に制御する。使用されるスピンドル形状は、ディスクスピンドル(ディスクスピンドルRV、6番)であり、使用される速度は2.1rad/s(20rpm)であり、値は測定開始の1分後に記録される。方法は、装置の製造業者が編集したユーザーマニュアル(User Manual):M/98−211に記載されている。
【0102】
溶解度パラメーター:
溶解度パラメーターに関する情報、データ、及び測定方法は、「化粧品、及びトイレタリーズ」(Cosmetics and Toiletries)、103巻、1988年10月、47〜64頁に見出すことができる。
【0103】
皮膚ジェントルネス指数:
組成物の皮膚ジェントルネス指数は、臨床試験条件下で、管理された環境における官能試験員の盲検試験によって測定される。
【0104】
官能試験員の募集:活動中の皮膚科疾患の証拠がなく、鼻唇溝に損傷した皮膚の証拠がない、刺痛感覚に敏感なスクリーニングされた試験被験者のパネルからのボランティアが試験に登録される。登録の際、被験者は、訪問前夜から始まり試験期間中は顔にスキンケア製品及び/又は皮膚洗浄製品を使用しないよう念を押される。
【0105】
官能試験員のスクリーニングは、鼻唇溝に傷のない皮膚を持つ被験者に10%の乳酸水溶液を用いて、またそれに対してそれぞれ他方の鼻唇溝には水対照を用いて実施される(溶液の適用については下記参照)。登録の成功基準は、スクリーニング訪問中に、乳酸について少なくとも2得点、及び水に対して少なくとも1得点の差である。一回の試験につき少なくとも15名の官能試験員が必要である。一回の試験で、1つのローションの皮膚ジェントルネス指数を水に対して評価することができる。
【0106】
溶液の適用:相対湿度30〜50%、及び気温20〜23℃の管理された環境で、新鮮な綿の先端部を有するアプリケータ−(いかなる種類の市販のQ−チップ(綿棒)も適している)を試験溶液に浸し、中程度の圧力を用いて5ストロークで鼻唇溝に適用する。各ストロークは、鼻唇溝から始めて外側に動かす。水を参照流体として使用して一方の鼻唇溝に適用し、試験溶液をそれぞれ他方の鼻唇溝に適用する。水及び試験溶液の適用のための鼻唇溝側は、試験に特定の無作為化スキームに従って被験者に関して無作為化する。官能試験員は、別の試験のために再選択される前に少なくとも4週間の休止期間を持つことが要求される。
【0107】
皮膚ジェントルネス評価:刺痛/焼けるような痛みは、製品適用の2分後に、次の7点基準を用いて知覚の強度を候補者に評価させることによって評価される。
【表3】

【0108】
データ収集:水(参照)、及び試験溶液について皮膚での評価得点をつける。格付けを、水(参照)、及び試験溶液について記録する。
データ評価:水に対する皮膚ジェントルネス指数を、試験溶液の平均格付けから水の平均格付けを減ずることによって計算する。すべての官能検査員で平均を計算する。水と試験オプションとの差の有意性は、両側0.05の有意性レベルにて非パラメーター統計分析を用いて評価できる。
【0109】
皮膚ジェントルネス指数の計算の例を表Gに提供する。
【表4】

皮膚ジェントルネス指数=(b)−(a)=0.25
【0110】
この種の試験に関する基本的参照は、PJフロシュ(Frosch,PJ)及びAMクリグマン(Kligman,AM)著、局所適用された物質の刺痛能力の評価方法(A method for appraising the stinging capacity of topically applied substances)、化粧品化学誌(Journal of Cosmetic Chemistry)28:197〜209頁(1977年)で見出すことができる。
【0111】
「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であるとの容認と解釈されるべきではない。
【0112】
本発明の特定の実施形態を例示し、記載してきたが、様々なその他の変更及び修正を、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行うことが可能であることは、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【0113】
本明細書における重量%濃度はすべて、指示がない限り、組成物の重量濃度に対する化合物の重量濃度を指す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不織布材料を含んでなる湿性の拭う物であって、
前記不織布材料がローション組成物を放出可能に担持してなり、
前記ローション組成物が、
(a)約0.001重量%〜約5重量%未満の皮膚軟化剤と、
(b)非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤及びこれらの組み合わせから成る群から選択される界面活性剤と、
前記界面活性剤の1重量%水溶液が25℃で約15Pa・s(15,000cps)未満の粘度を有してなり、
(c)メチロール化合物類、イオドプロピニル化合物類及びこれらの混合物から成る群から選択される防腐剤系と、
(d)鎮静剤と、
(e)水と、
(f)所望により、レオロジー変性剤と、及び
(g)所望により、補助剤とを含んでなり、
ここで、前記ローション組成物が約0.3未満の皮膚ジェントルネス指数を有する、湿性の拭う物。
【請求項2】
前記皮膚軟化剤が約5〜約12の溶解度パラメーターを有し、
前記エマルション組成物が約35mN/mより低い表面張力を有する、請求項1に記載の湿性の拭う物。
【請求項3】
前記皮膚軟化剤が、ジメチコン、シクロペンタシロキサンジメチコノール、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、C12〜C15アルキルベンゾエート及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の湿性の拭う物。
【請求項4】
前記界面活性剤が非イオン性界面活性剤である、請求項1に記載の湿性の拭う物。
【請求項5】
前記界面活性剤が、アルキルポリグルコシド類、アルコキシル化脂肪族アルコールリン酸エステル類、トリデセス−3カルボン酸ナトリウム、ビス−PEG/PPG−16/16PEG/PPG−16/16ジメチコン、ポリソルベート20及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の湿性の拭う物。
【請求項6】
前記鎮静剤が、PEG−40硬化ヒマシ油、PEG−7硬化ヒマシ油、PEG−50硬化ヒマシ油、PEG−30ヒマシ油、ソルビタンイソステアレート、イソセテス−20、ソルベス−30、ソルビタンモノオレエート、コセス−7、PPG−1−PEG−9ラウリルグリコールエーテル、PEG−45パーム核グリセリド類、PEG−20アーモンドグリセリド類、PEG−24水素添加ラノリン、PEG−20水素添加ラノリン、PEG−6カプリル酸/カプリン酸グリセリド類、PPG−1 PEG−9ラウリルグリコールエーテル、ラウリルグルコシドポリグリセリル−2ジポリヒドロキシステアレート、グルタミン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ココPG−ジモニウムクロリドリン酸ナトリウム、リノールアミドプロピルPG−ジモニウムクロリドリン酸、ボラージアミドプロピルPG−ジモニウムクロリドリン酸ナトリウム、NリノールアミドプロピルPG−ジモニウムクロリドリン酸ジメチコン、コカミドプロピルPG−ジモニウムクロリドリン酸、ステアルアミドプロピルPG−ジモニウムクロリドリン酸、ステアルアミドプロピルPG−ジモニウムクロリドリン酸、セチルアルコール及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の湿性の拭う物。
【請求項7】
前記防腐剤系が、ジアゾリジニル尿素、N−[1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル]−N,N’−ビス(ヒドロキシメチル)尿素、イミド尿素、1,1−メチレンビス[3−[3−(ヒドロキシメチル)−2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル]尿素];1,3−ジメチロール−5,5−ジメチルヒダントイン、ヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム、及び無水グリシンジメチロール.イオドプロピニル化合物類並びにこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の湿性の拭う物。
【請求項8】
前記レオロジー変性剤が、スクロースパルミテート、グリセリルステアレート、グリセリルステアレートシトレート、マンナン及びキサンタンガムのブレンド;アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー類を含むブレンド類;アクリレートホモポリマー類、アクリルアミドクロスポリマー類;ガラクトアラビナン;キサンタンガム並びにこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の湿性の拭う物。
【請求項9】
前記ローションが、前記湿性の拭う物の約50重量%〜約800重量%で含まれてなる、請求項1に記載の湿性の拭う物。
【請求項10】
前記不織布材料が、ポリオレフィン、ポリエステル、セルロース、レーヨン、ポリアミド類、ポリエステルアミド、ポリビニルアルコール類及びこれらの組み合わせから成る群から選択される材料を含む繊維を含む、請求項1に記載の湿性の拭う物。
【請求項11】
前記皮膚軟化剤がシクロペンタシロキサンとジメチコノールとの混合物であり、
前記界面活性剤がアルキルポリグルコシドであり、
前記防腐剤系が、ジアゾリジニル尿素、N−[1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル]−N,N’−ビス(ヒドロキシメチル)尿素、イミド尿素、1,1−メチレンビス[3−[3−(ヒドロキシメチル)−2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル]尿素]、1,3−ジメチロール−5,5−ジメチルヒダントイン、ヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム、及び無水グリシンジメチロール、イオドプロピニル化合物類並びにこれらの組み合わせから成る群から選択されてなり、
前記鎮静剤がPEG−40硬化ヒマシ油であり、
前記レオロジー変性剤が、スクロースパルミテート、グリセリルステアレート、グリセリルステアレートシトレート、スクロース、マンナン及びキサンタンガムのブレンド;アルキルアクリレートクロスポリマー類;ガラクトアラビナン;キサンタンガム並びにこれらの混合物から成る群から選択されてなる、請求項1に記載の湿性の拭う物。
【請求項12】
前記皮膚軟化剤がビス−PEG/PPG−16/16PEG/PPG−16/16ジメチコンを含んでなり、
前記防腐剤系が、ヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム、イオドプロピニル化合物類及びこれらの組み合わせから成る群から選択されてなり、
前記鎮静剤がPEG−40硬化ヒマシ油であり、
前記レオロジー変性剤がキサンタンガムを含んでなる、請求項1に記載の湿性の拭う物。
【請求項13】
前記皮膚軟化剤がカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドとビス−PEG/PPG−16/16PEG/PPG−16−16ジメチコンとの混合物を含んでなる、請求項12に記載の湿性の拭う物。
【請求項14】
前記界面活性剤がアルキルポリグルコシドを含んでなる、請求項13に記載の湿性の拭う物。
【請求項15】
前記皮膚軟化剤がシクロペンタシロキサン及びジメチコノールを含んでなり、
前記界面活性剤がトリデセス−3カルボン酸ナトリウムであり、
前記防腐剤系が、ジアゾリジニル尿素、N−[1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル]−N,N’−ビス(ヒドロキシメチル)尿素、イミド尿素、1,1−メチレンビス[3−[3−(ヒドロキシメチル)−2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル]尿素]、1,3−ジメチロール−5,5−ジメチルヒダントイン、ヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム、及び無水グリシンジメチロール.イオドプロピニル化合物類並びにこれらの組み合わせから成る群から選択されてなり、
前記鎮静剤がPEG−40硬化ヒマシ油であり、
前記レオロジー変性剤がキサンタンガムを含んでなり、
前記補助剤成分がグリセリンを含んでなる、請求項1に記載の湿性の拭う物。

【公表番号】特表2007−524640(P2007−524640A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518949(P2006−518949)
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/022160
【国際公開番号】WO2005/007128
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】