説明

皮膚の色つやの明るさを向上させる活性剤としてのプロバイオチックな微生物

少なくとも1のプロバイオチックな微生物を、皮膚の色つやの明るさの損傷を処置する及び/又は防止するための活性剤としての使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚の色つやの明るさを改良するために、特に明るい特徴を顔の皮膚の色つやに与えるために、プロバイオチックな微生物を使用する方法に関する。
【0002】
より特に、本発明はプロバイオチックな微生物、特にラクトバチルス属(genre Lactobacillus sp.)のもの、を皮膚の色つやの明るさの損傷を処置する及び/又は防止するために有用である活性剤として使用する方法に関する。
【0003】
顔の色つやの明るさは、皮膚、特に若い皮膚、の健康な状態の指標である。
【0004】
多くの外的又は内的因子、特に後に示される因子、は、皮膚に不完全さを発生させ、及び/又はシミのある又は均一でない皮膚の色つやをもたらし得る。これらの皮膚の色つやの損傷、それは多数の原因から生じる、は美容サロン又は皮膚科手術におけるますますよくある相談の理由である。
【0005】
皮膚の色つやの明るさは、多くの外的又は内的因子により影響され得る。付随的な因子の中では、日光への暴露、温度及び湿度の変化への暴露又は汚染物質への暴露が挙げられ得る。皮膚の色つやの明るさに影響を与える本質的な因子の中ではストレス、疲労、ホルモンの変化、表皮の脱水若しくは皮膚のバリアー機能の損傷、又は加齢さえが挙げられ得る。これらの付随的及び本質的な因子は、皮膚の色つやをくすませ、それを非均一、鈍くかつロウのようにし、又は病気がちにさえし、皮膚の非完全性の存在を促進又は悪化さえさせる傾向を有する。
【0006】
その最も穏和な形では、これらの損傷はほとんど全ての人に悪影響を及ぼし、その頻度は思春期において最高である。しかし、該損傷は、7〜9歳の年齢から現れ得、40の年齢、特に60の年齢、を超えて続き得る。即ち、皮膚の損傷を特に顔に、25の年齢の後にでさえシミがある、鈍い及び/又は非均一な皮膚の色つやを有することは一般的である。
【0007】
最も深刻な形においては、これらの損傷はしばしば心理社会的な結果を不的確にし、そのことは孤立又はうつ状態若しくは、それにより影響される個人の場合、失業さえをもたらし得る。
【0008】
即ち、これらの皮膚の色つやの損傷を防止、低下又は処置することができる本当の需要がある。
【背景技術】
【0009】
国際公開第2006/104730号は、皮膚の外見、皮膚上の兆候特に年齢に関する兆候、例えば粗い特徴又は血色の悪さを改善するためにプロバイオチックな微生物を含む補助食品を記載する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、先行技術において提案された解決策はどれも、皮膚の色つやの明るさの損傷を防止する及び/又は処置するのに満足できないようである。
【0011】
即ち、皮膚の色つやの明るさの喪失を防止する及び/又は処置するために有用である新規な活性剤に対する需要がある。
【0012】
また、皮膚に明るい色つやを与えることのできる新規な活性剤に対する需要もある。
【0013】
また、皮膚の非完全性を防止する及び/又は処置するための新規な活性剤に対する需要もある。
【0014】
本発明の目的はこれらの需要を満たすことである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第一の課題に従うと、本発明は、少なくとも1のプロバイオチックな微生物を、特にラクトバチルス属の微生物を、皮膚の色つやの明るさの損傷を処置する及び/又は防止するために有用である活性剤として化粧的に使用する方法に関連する。
【0016】
本発明者らは、驚いたことに、プロバイオチックな微生物、特にラクトバチルス属、特にラクトバチルス パラカセイ、より特にラクトバチルス パラカセイ ST11、を含む補助食品の投与が、皮膚の非完全性を実質的に減らし、シミがある、及び/又は非均一である、及び/又は鈍い皮膚の色つやを防止する及び/又は処置する又は皮膚により輝きかつ明るい色つやを有意に与えることができることを観察した。
【0017】
一つの実施態様に従うと、本発明において考慮下の皮膚の色つやの明るさの損傷は、年齢に関係がなく、特に皮膚の老化の兆候ではない。
【0018】
本発明に従うプロバイオチックな微生物の使用は、有利に、皮膚のバリアー機能性を強化することを可能にして、皮膚の完全性を促進し、その輝きを維持する。
【0019】
別の利点に従うと、本発明に従う使用は、腸粘膜において食品により供給される栄養の同化を最適化すること及び細胞の代謝に必須である栄養の供給を促進することを可能にする。すなわち、皮膚の種々の機能的及び構造的成分の合成が促進され、皮膚のホメオスタシスの維持を許し、かつ皮膚の色つやの明るさの喪失を低下させ、又は皮膚の輝き及び明るさを強化さえする。
【0020】
別の好ましい態様に従うと、皮膚の色つやの明るさの損傷を処置する及び/又は防止するために有用である活性剤として本発明における使用に適切であるプロバイオチックな微生物は、有利にはラクトバチルス種、特に以下に定義されるもの、であり得る。
【0021】
一つの実施態様に従うと、本発明の課題は、皮膚の色つやの明るさの損傷を防止する及び/又は処置するための化粧方法において、少なくとも1のプロバイオチックな微生物、特にラクトバチルス属のもの、特に以下において定義されるもの、の投与を含む方法でもある。
【0022】
本発明に従うと、用語「皮膚」は、個体、特にヒト、の表皮のすべて、より特にネックライン、首及び顔の皮膚、特に顔の皮膚を意味することが意図される。
【0023】
一つの実施態様に従うと、本発明に従う使用は、有利には、皮膚の色つやの明るさの喪失を防止する及び/又は処置することを可能にする。
【0024】
上述のように、皮膚の色つやの明るさは上記の本質的又は付随的な因子により悪影響を受け得る。
【0025】
皮膚の色つやは、皮膚の健康状態を反映する。
【0026】
明るく、輝いている若しくは光ってさえいる皮膚の色つやは、よい状態の皮膚、即ち、その性質及びバリアー機能が完全に制御されている皮膚、を示している。
【0027】
即ち、本発明に従うプロバイオチックな微生物の使用は、皮膚のホメオスタシスを制御して、皮膚に明るく、より輝いている又はより光ってさえいる色つやを与えることを可能にする。
【0028】
一つの実施態様に従うと、本発明に従う使用は、有利に、シミがあり、鈍く及び/又は非均一な皮膚の色つやを防止する及び/又は処置することを可能にする。
【0029】
別の実施態様に従うと、本発明に従う使用は、有利に、特に吹き出物、疱疹、色素異常症、エージマーク、面皰及び/又は黒皮症(melasma)から選択される皮膚の不完全さを防止する及び/又は処置することを可能にする。
【0030】
別の実施態様に従うと、本発明に従う使用は、有利に、吹き出物、疱疹、エージマーク、面皰及び/又は黒皮症から選択される皮膚の不完全さを防止する及び/又は処置することを可能にする。
【0031】
別の実施態様に従うと、本発明に従う使用は、有利に、ロウの多い、黄色または病的な色つやを防止する及び/又は処置することを可能にする。
【0032】
別の実施態様に従うと、本発明において考慮下の該色つやの不完全さは、油性の皮膚又は油性になりやすい皮膚又はニキビ皮膚に関するわけではない。
【0033】
さらに別の実施態様に従うと、本発明における考慮下の皮膚は、老化した皮膚又は油性の皮膚、又は油性になりやすい皮膚ではない。
【0034】
一つの実施態様に従うと、本発明における使用のために適切であるプロバイオチックな微生物は、経口的に、局所的に、又は非経口的に、特に経口的に投与され得る。
【0035】
本発明に従う微生物の使用は、必ず、有効量、即ち、防止される及び/又は処置されるべき皮膚の色つやの明るさの損傷に関してプロバイオチックな微生物がその活性を示すことを許す量において行われる。
【0036】
本発明の目的のために、用語「防止する」は、ある現象、即ち本発明においては皮膚の色つやの損傷、の発現のリスクを少なくとも部分的に減少させることを意味する。部分的な減少は、リスクは残っているが、本発明を実施する前より、より低位な程度においてであることを意味する。
【0037】
微生物
本発明の目的のために、用語「プロバイオチックな微生物」とは、十分な量において消費されたとき、その宿主の健康にプラスの効果を有する、生きている微生物(生きている乳酸菌を含む粉ミルクを包含する食品におけるプロバイオチックの健康及び栄養学的性質の評価に関する合同FAO/WHO専門家会議、2001年10月6日)、及び特に腸の微生物のバランスを改善し得る微生物を意味する。
【0038】
一つの実施態様に従うと、本発明に従うプロバイオチックな微生物は、単離された形又は精製された形で、即ち、元々のその媒体において該プロバイオチックな生物と会合されやすい1以上の化合物と混合されないで使用され得る。
【0039】
別の実施態様に従うと、本発明に従うプロバイオチックな微生物は、生きた形、半活性の形、不活性な形又は死んだ形において使用され得る。
【0040】
本発明の有利な実施態様に従うと、プロバイオチックな微生物は不活性化された形又は死んだ形において有利に使用され得る。
【0041】
局所的に投与されたプロバイオチックな微生物は有利に、不活性化された形又は死んだ形において使用され得る。
【0042】
経口的に投与されるプロバイオチックな微生物は生きた形で有利に使用され得る。
【0043】
本発明の目的のために、「不活性化された」微生物は、一時的若しくは決定的に、もはや、培養においてコロニーを形成することのできない微生物である。本発明の目的のために、「死んだ」微生物は、決定的に、もはや、培養においてコロニーを形成することのできない微生物である。死んだ又は不活性化された微生物は、完全なままの又は破壊された細胞膜を有し得る。即ち、用語「不活性化された」は、本明細書の以下において詳述されるように、微生物の抽出物及び溶解産物をもまた意味する。死んだ又は不活性化された微生物は、当業者に任意の公知の方法により製造され得る。
【0044】
一つの有利な実施態様に従うと、本発明に従って使用されるプロバイオチックな微生物は、少なくとも部分的に不活性化されているか又は死んでいる。
【0045】
表現「少なくとも部分的に不活性化されている又は死んでいるプロバイオチックな微生物」は、微生物を不活性化する又は殺すプロセスに付される前の初期の調製物において含まれる、非¥不活性化されていない、生きているプロバイオチックな微生物の合計量に対して少なくとも80%、特に少なくとも85%、より特に少なくとも90%、又は少なくとも95%さえ、又は少なくとも99%の不活性化された又は死んでいるプロバイオチックな微生物を含む、本発明に従うプロバイオチックな微生物の調製物を意味する。
【0046】
得られた不活性又は死の度合は、使用された方法の適用条件に依存し、該条件は得られるべき不活性化又は死の度合いに当業者により調節される。
【0047】
一つの実施態様に従うと、本発明は、100%の不活性化された又は死んだプロバイオチックな微生物を含む調製物の使用を包含する。
【0048】
本発明における使用に適する、不活性化されたプロバイオチックな微生物は、微生物調製物の照射、熱不活性化又は凍結乾燥により調製され得る。これらの方法は、当業者に公知である。
【0049】
より特に、照射によるプロバイオチックな微生物の不活性化は、ガンマ線、X線、UV又は熱への暴露又は減圧の使用を包含し得る。処置のタイプ、強度、線量、及び暴露時間は、不活性化されるプロバイオチックな微生物の量及び性質に従って、当業者により調節される。
【0050】
一つの好ましい変形に従うと、本発明における使用に適切であるプロバイオチックな微生物は、照射、特にガンマ線照射、により得られる不活性化された形において使用される。
【0051】
凍結乾燥による不活性化は、当該分野において公知の任意の方法により行われ得る。有利には、凍結乾燥により不活性化されたプロバイオチックな微生物が再培養され得る。
【0052】
熱不活性化は、本発明のプロバイオチックな微生物を、長時間、例えば少なくとも2時間、170℃においてインキュベーションすることにより行われ得る。また、熱不活性化は、本発明のプロバイオチックな微生物を121℃の温度に少なくとも20分間、2バールの大気圧に付すことにより加圧減菌器で処置することにより行われ得る。
【0053】
あるいは、熱不活性化はプロバイオチックな微生物を凍結温度に、長時間付すことにより行われ得る。
【0054】
本発明に従うプロバイオチックな微生物は、全体の形で、即ち基本的にはその自然な形で、又はこの微生物の画分及び/又は代謝物を含む、分解された懸濁物の抽出物又は溶解産物の形で、使用され得る。
【0055】
本発明の目的のために、用語「代謝物」は、微生物の代謝から誘導される任意の物質、特に、本発明に従って考慮下の微生物により分泌される任意の物質、また皮膚の色つやの明るさの喪失の処置及び/又は防止のために効率を付与されている任意の物質、を意味する。
【0056】
本発明の目的のために、用語「画分」は、該微生物全体と同様に、皮膚の色つやの明るさの喪失の処置及び/又は防止のための効率を付与された該微生物の画分をより特に意味する。
【0057】
本発明における使用に適する抽出物又は溶解産物は、成長相の終わりにおいてプロバイオチックな微生物から調製され得る。
【0058】
一つの好ましい実施態様に従うと、本発明における使用に適するプロバイオチックな微生物は溶解産物の形において使用され得る。
【0059】
本発明の目的のために、「溶解産物」は、細胞溶解として公知である現象、即ち考慮下の微生物の細胞に天然に含まれる細胞間生物学的成分の放出をもたらす現象、により生物学的細胞の破壊又は溶解の後に得られる物質を一般的に意味する。
【0060】
本発明の目的のために、用語「溶解産物」は、優先なしに、考慮下の微生物又はその画分のみの溶解(lysis)により得られる溶解産物全体を意味するのに使用される。
【0061】
即ち、使用される溶解産物は、細胞間生物学的成分並びに細胞壁及び膜の成分から、全体的又は部分的に形成される。
【0062】
有利には、本発明のために使用される溶解産物は、考慮下の微生物の溶解により得られる全体溶解産物であり得る。
【0063】
この細胞溶解は、種々の技術、例えば 浸透圧衝撃、熱衝撃、超音波により、又は遠心分離タイプの機械的応力下で行われ得る。
【0064】
より特に、この細胞溶解産物は、米国特許第4464362号に記載された技術に従って、特に以下のプロトコルに従って、得られ得る。
【0065】
特に、本発明の溶解産物は、懸濁状態のプロバイオチック微生物を含む媒体の超音波分解によって得られ得、そこから、細胞質画分、細胞壁破片及び代謝から誘導される生成物を放出させる。次に、天然の分布における全ての成分は、弱酸性水溶液において安定化される。
【0066】
微生物、抽出物又は溶解産物は、種々の形、例えば溶液、培養物上澄み、任意的に凍結乾燥されていてもよい粉末、又は濃縮物、で使用され得る。
【0067】
一つの実施態様に従うと、本発明における使用に適するプロバイオチックな微生物は、ラクトバチルス種、ビフィドバクテリウム種、球菌、酵母及び胞子形成バクテリア、及びそれらの混合物から選択され得る。
【0068】
一つの実施態様に従うと、本発明における使用に適する微生物は好ましくは以下から選択される。
− 子嚢菌:特にサッカロマイセス、特にS.セレヴィシエ又はS.ボウファルディ、ヤロウィア、特にY.リポリティカ、クリベロマイセス、トルラスポラ、スキゾサッカロマイセスポンベ、デバロマイセス、カンジダ、ピチア、アスペルギルス、特にK.ラクチス及びペニシリウム、
− 胞子形成バクテリア:特にバチルス種、特にB.セレウス バール トヨ又はB.スブチリス、B.コアギュランス、B.リケニフォルミス、大腸菌種、特にE.コリ株ニッスル、プロピオニバクバクテリウム種、特にP.フロイデンライヒ、バクテロイデス種、フゾバクテリウム種、及びウィッセラ種、
− 球菌、特にメリッソコッカス種、ブドウ球菌種、特にS.カルノサス若しくはS.キシロサス、ペプトストレポコッカス種、ペジオコッカス種、特にP.アシヂラクチシ、ミクロコッカス種、リューコノストック種、特にL.メセンテロイデス亜種デキストラニカム、アエロコッカス種、オエノコッカス種、エンテロコッカス種、特にE.フェカリス若しくはE.フェシウム、ラクトコッカス種、特にL.ラクチス亜種ラクチス若しくはL.クレモリス、スポロラクトバチルス種、特にS.イヌリヌス、及びストレプトコッカス種、特にS.サリバリウス亜種サーモフィラス若しくはS.サーモフィラス、
− ラクトバチルス種:特にL.パラカセイ、L.アシドフィラス、L.アミロボラス、L.カセイ、L.ラムノサス、L.ブレビス、L.クルシパータス、L.デルブリュッキイ亜種ラクチス、L.ブルガリクス、L.ファーメンタム、L.ヘルヴェティクス、L.ガリナラム、L.ガッセリ、L.ジョンソニイ、L.プランタラム、L.ロイテリ、L.サリバリウス、L.アリメンタリウス、L.カルバタス、L.カセイ亜種カセイ、L.サケ、及び
− ビフィドバクテリア若しくはビフィドバクテリウム種:B.アドレスセンティス、B.アニマリス、B.ビフィダム、B.ブレーブ、B.ラクチス、B.ロンガム、B.インファンチス、B.シュードカテヌラタム
− 及びそれらの混合物。
【0069】
より特に、それは、ラクトバチルス種、スポロラクトバチルス種、エンテロコッカス種、ラクトコッカス種、バチルス種、ストレプトコッカス種、ペジオコッカス種、ロイコノストック種又はビフィドバクテリウム種から選択された、特にラクトバチルス種、ビフィドバクテリウム種、及びそれらの混合物から選択された、プロバイオチックな微生物であり得る。
【0070】
本発明における使用に適するプロバイオチックな微生物の例として、ビフィドバクテリウムアドレスセンティス、B.アニマリス、B.ビフィダム、B.ブレーブ、B.ラクチス、B.ロンガム、B.インファンチス、B.シュードカテヌラタム、ラクトバチルス アシドフィラスNCFB 1748、L.パラカセイ、L.アミロボラス、L.カセイ(シロタ)、L.ラムノサス株GG、L.ブレビス、L.クリスパタス、L.ブルガリカス、L.デルブリュッキイ亜種ラクチス、L.ファーメンタム、L.ヘルヴェティクス、L.ガリナラム、L.ガッセリ、L.ジョンソニイCNCM I−1225、L.プランタラム、L.ロイテリ、L.サリバリウス、L.アリメンタリウス、L.カルバタス、L.カセイ亜種カセイ、L.サケ、エンテロコッカス フェカリス、E.フェシウム、ラクトコッカス ラクチス、L.ラクチス亜種ラクチス、L.ラクチス亜種クレモリス、リューコノストック メセンテロイデス亜種デキストラニカム、ペジオコッカス アシジラクチシ、スポロラクトバチルス イヌリヌス、ストレプトコッカス サリバリウス亜種サーモフィラス、S.サーモフィラス、スタフィロコッカス カルノサス、S.キシロサス、サッカロマイセス セレヴィシエ、S.ボウファルディ、バチルス セレウス バール トヨ、B.セレウスバールスブチリス、B.コアギュランス、B.リケニフォルミス、大腸菌コリ株ニッスル、プロピオニバクバクテリウム フロイデンライヒ及びそれらの混合物
が挙げられ得る。
【0071】
本発明における使用に適するプロバイオチックな微生物のより特定の例として、ビフィドバクテリウム ビフィダム、B.インファンチス、B.ロンガム、ラクトバチルス アシドフィラス、L.アリメンタリウス、L.カセイ亜種カセイ、L.カセイ シロタ、L.パラカセイ、L.カルバタス、L.デルブリュッキイ亜種ラクチス、L.ガッセリ、L.ジョンソニイ、L.ロイテリ、L.ラムノサス(ラクトバチルスGG)、L.サケ、ラクトコッカス ラクチス、ストレプトコッカス サーモフィラス、スタフィロコッカス カルノサス、S.キシロスス、及びそれらの混合物が特に挙げられ得る。
【0072】
より特に、本発明における使用に適するプロバイオチックな微生物として、ラクトバチルス ジョンソニイ若しくはアシドフィラス、L.ロイテリ、L.ラムノサス、L.パラカセイ、L.カセイ、L.アリメンタリウス、L.カルバタス、L.デルブリュッキイ亜種ラクチス、L.ガッセリ、L.サケ、ビフィドバクテリウム ビフィダム、B.ブレーブ、B.ロンガム、B.アニマリス、B.ラクチス、B.インファンチス、B.アドレセンチス、B.シュードカテヌラタム、及びそれらの混合物が挙げられ得る。
【0073】
本発明における使用に最も適する種は、92年6月30日、99年1月12日、99年4月15日、及び99年4月15日に、以下の表示、CNCM I−1225,CNCM I−2116,CNCM I−2168及びCNCM I−2170で、それぞれブタペスト条約に従って、パスツール研究所(F−75024パリ郵便番号15、ドクタール−通り28(28 rue du Docteur Roux, F−75024 Paris cedex 15)に寄託されたラクトバチルス ジョンソニイ、L.パラカセイ、ビフィドバクテリウム アドレスセンティス、B.ロンガム、及び属ビフィドバクテリウム ラクチス(Bb12)(ATCC27536)又はビフィドバクテリウム ロンガム(BB536)である。ビフィドバクテリウム ラクチス(ATCC27536)の株は、ハンセン(Chr.ハンセンA/S、10−12ベーゲ通り私書箱407号、DK−2970ヒョースホルム、デンマーク(Chr.Hansen A/S,10−12Boege Alle,P.O.Box407,DK−2970Hoersholm,Denmark)から得られ得る。
【0074】
有利には、本発明における使用に適切である微生物は、糖の発酵により乳酸を生産する乳酸プロバイオチック微生物であり得る。
【0075】
一つの好ましい実施態様に従うと、例えば局所的又は経口的に、特に経口的に、本発明における使用に適切であるプロバイオチックな微生物は、特にラクトバチルス属の微生物であり得る。
【0076】
好ましくは、本発明における使用に適切であるラクトバチルス属の微生物は、ラクトバチルス ジョンソニイ、L.アシドフィラス、L.ロイテリ、L.パラカセイ、及びL.カセイ、並びにそれらの混合物から選択され得る。
【0077】
一つの好ましい実施態様に従うと、本発明における使用に適切である微生物は、ラクトバチルス パラカセイ、L.ジョンソニイ、及びL.アシドフィラス並びにそれらの混合物から選択され得る。
【0078】
一つの好ましい実施態様に従うと、本発明における使用に適切である微生物は、ラクトバチルス パラカセイであり得る。
【0079】
別の好ましい実施態様に従うと、本発明における使用に適切である微生物は、CNCM I−2116の表示の下で、92年6月30日にパスツール研究所(F−75024パリ郵便番号15、ドクタール−通り28(28 rue du Docteur Roux, F−75024 Paris cedex 15)に、ブタペスト条約に従って寄託された株ラクトバチルス パラカセイ ST11で特にあり得る。
【0080】
一つの実施態様に従うと、本発明における使用に適切であるプロバイオチックな微生物は、経口的、非経口的又は局所的に使用される。
【0081】
用語「非経口的」の経路は、経口及び局所経路以外の経路を意味する。本発明における使用に適切である非経口経路は、例えば鼻経路であり得る。
【0082】
一つの好ましい実施態様に従うと、本発明における使用に適切であるプロバイオチックな微生物は、局所的に使用される。
【0083】
局所的経路は、有利には、所望される効果に関して局所的な作用を得ることを可能にする。
【0084】
別の好ましい実施態様に従うと、本発明における使用に適切であるプロバイオチックな微生物は、経口的又は非経口的に、特に経口的に使用される。
【0085】
経口経路又は非経口経路は、有利には、所望される効果に関して包括的作用を得ることを可能にする。
【0086】
本発明の微生物は、それを含む組成物の総重量に対して、乾燥重量として表現されて少なくとも0.0001重量%の割合で、特に0.0001重量%〜30重量%の割合で、特に0.001重量%〜20重量%の割合で、より特に0.01重量%〜15重量%の割合で、特に0.1重量%〜10重量%の割合で、特に1重量%〜5重量%の割合で組成物に配合され得る。
【0087】
一般的に、経口的に投与されることを意図された本発明に従う組成物は、生きた微生物の場合、組成物のグラム当たり、10〜1015cfu/g、特に10〜1015cfu/g、より特に10〜1012cfu/gの生きた微生物を、不活性化された又は死んでいる微生物の場合、又は微生物画分、又は製造された代謝物の場合、計算された等しい投与量を含み得る。
【0088】
特に、経口的に投与される組成物においては、対応する微生物及び/又は画分及び/又は代謝物の濃度は、等量の微生物として表現されて、5x10〜1013cfu/日、特に10〜1011cfu/日の範囲の投与量に相当するように調節され得る。
【0089】
本発明に従う局所施与のための組成物は、組成物のグラム当たり0.0001重量%〜30重量%の微生物を、特に0.001重量%〜20重量%、より特に0.01重量%〜15重量%の割合、特に0.1重量%〜10重量%、特に1重量%〜5重量%の割合において、それを含む組成物の総重量に対して一般的に含み得る。
【0090】
局所的な投与の特定の場合において、不活性化された又は死んだ形さえの、特に抽出物又は溶解産物の形の微生物を使用することが有利であり得る。
【0091】
微生物は、細胞成分の画分又は代謝物の形において、特に溶解産物の形において組成物中に含まれていてもよい。微生物、代謝物、又は画分は、凍結乾燥された粉末、培養上澄み、及び/又は適切であれば濃縮された形においてもまた導入され得る。
【0092】
組成物が代謝物を含むときに、組成物中の代謝物の含有量は、組成物の1グラム当たり10〜1015cfu、特に10〜1015cfu、より特に10〜1012cfuの生きた微生物により製造され得る含有量に実質的に相当する。
【0093】
微生物の代謝物又は画分、又は死んだ微生物の量の「cfu」における表現は、この微生物の代謝物又は画分の調製のために使用された、この微生物の量を意味することが意図される。
【0094】
組成物
本発明における使用に適するプロバイオチックな微生物は、投与の選択されたモードに通常、利用可能な任意の剤形であり得る組成物に有利に配合される。
【0095】
本発明に従う組成物は、生理学的又は薬学的に許容可能な媒体を含む。
【0096】
本発明に従う組成物は、経口的、非経口的、特に皮下的又は皮内的又は局所的に投与され得る。
【0097】
好ましくは、本発明の組成物は、局所的に投与可能であり得る。
【0098】
一つの実施態様に従うと、本発明に従う局所組成物は、皮膚及び粘膜をケアするために適し、かつ軟膏、クリーム、ミルク、ポマード、粉末、含浸されたパッド、溶液、ゲル、スプレー、ローション、又は懸濁物の形であり得る任意の剤形で有利に配合され得る。それらは、微小球又はナノ球又は脂質又はポリマーベシクル又はポリマーパッチ及び制御された放出を許すハイドロゲルの形であり得る。これらの局所組成物は、皮膚化粧料の指示に従う無水の形又は水性の形のいずれかであり得る。
【0099】
局所投与を意図された組成物は、水性、水−アルコール又は油状溶液、ローション又は美容液タイプの溶液又は分散物、脂肪相を水性相に(O/W)又は逆に(W/O)分散させることにより得られた、ミルクタイプの液体又は半液体粘度のエマルジョン、クリームタイプ又は水性又は無水のゲルタイプのソフト、半−固体又は固体の粘度の懸濁物又はエマルジョン、マルチのエマルジョン(W/O/W又はO/W/O)、マイクロエマルジョン、ナノエマルジョン、マイクロカプセルの製造物、マイクロ粒子の製造物、イオン性及び/又は非イオン性タイプのベシクルの分散物又はワックス/水−相分散物であり得る。
【0100】
一つの好ましい実施態様に従うと、局所組成物は、溶液、クリーム、ゲル、エマルジョン、ムース、又は噴射剤を含むエアロゾル組成物の形であり得る。
【0101】
一つの好ましい実施態様に従うと、局所組成物は、経皮的に例えばパッチ又はゲルパッチ(ハイドロゲル)タイプの活性剤の能動的又は受動的放出のための経皮性のシステムの形であり得る。
【0102】
これらの組成物は、通常の方法に従って製造される。
【0103】
本発明に従う組成物は、皮膚又は頭皮を処置する又はケアするための組成物又は日焼け止め又は人工日焼け組成物、又は皮膚クレンジング又はメイクアップ除去製品、デオドラント製品又は芳香化合物を構成し得る。
【0104】
そうすると、そのような組成物は、着色されていないか又は弱く着色され得、かつ追加の化粧的に又は皮膚科学的に活性な剤、特に以下に記載されるもの、を任意的に含み得る。そうすると、それは、口唇を寒さ及び/又は日光及び/又は風に対して例えばリップバームの形で保護する、皮膚又は口唇のためのケアベースとして、又は顔及び/又は体の皮膚のためのデイ又はナイトクリームとして使用され得る。
【0105】
また、それは薬を添加された又は非添加の、着色又は非着色のシャンプー又はヘアコンディショナーの形でもあり得る。
【0106】
本発明に従う組成物は、着色された化粧料組成物、特に皮膚及び/又は粘膜のためのメイクアップ組成物をもまた構成し得る。特に、そのような組成物はファンデーション、ほほ紅、フェースパウダー、アイシャドー、スティックの形状のコンシーラー化合物、任意的にケア又は処置性を有していてもよい口紅又はリップグロスであり得る。好ましくは、それは、皮膚の色つやを是正するための、着色された(ベージュ又は緑)メイクアップ組成物であり得る。
【0107】
局所的に投与される組成物は、特にクレンジング、保護剤、処置又はケアクリーム、スキンケアローション、ゲル若しくはムース、クレンジング若しくは殺菌ローション、バス組成物、又はデオドラント組成物を構成し得る。
【0108】
本発明に従う組成物は、クレンジング石鹸又はバーを構成する固形調製物からなっていてもよい。
【0109】
本発明の組成物がエマルジョンであるときには、脂肪相の割合は、組成物の総重量に対して5重量%〜80重量%、好ましくは10重量%〜50重量%の範囲であり得る。エマルジョンの形の該組成物において使用されるオイル、乳化剤及び共乳化剤は、化粧料及び/又は皮膚科学において慣用的に使用されるものから選択される。乳化剤及び共乳化剤は、本組成物に、該組成物の総重量に対して0.3重量%〜30重量%、好ましくは0.5重量%〜20重量%の範囲の割合で存在し得る。
【0110】
本発明の組成物が、オイル状のゲル又は溶液であるときには、脂肪相は組成物の総重量の90%超であってもよい。
【0111】
公知の方法において、局所投与のために意図された剤形は、化粧料、薬学及び/又は皮膚科学の分野において一般的である助剤、例えば親水性又は親油性のゲル化剤、親水性又は親油性の活性剤、保存剤、抗酸化剤、溶媒、香料、フィラー、遮蔽剤、臭い吸収剤及び染料、をもまた含み得る。これらの種々の助剤の量は、考慮下の分において慣用的に使用される量であり、例えば組成物の総重量の0.01重量%〜20重量%である。その性質に依存して、これらの助剤は、脂肪相及び/又は水性相に導入され得る。
【0112】
本発明において使用され得る脂肪物質として、鉱油例えば水素化されたポリイソブテン及び液状石油ゼリー、植物オイル例えばシアバターの液状画分、サンフラワーオイル、及びアプリコット核オイル、動物オイル例えばパーヒドロスクワレン、合成オイル、特にプルセリンオイル、ミリスチン酸イソプロピル及びパルミチン酸エチルヘキシル、不飽和脂肪酸及びフルオロオイル例えばパーフルオロエーテルが挙げられ得る。脂肪族アルコール、脂肪酸例えばステアリン酸、及び例えばワックス、特にパラフィンワックス、カルナウバワックス及び蜜ロウもまた使用され得る。シリコーン化合物、例えばシリコーンオイル、例えばシクロメチコーン及びジメチコーン、及びシリコーンワックス樹脂及びガムもまた使用され得る。
【0113】
本発明において使用され得る乳化剤として、挙げられ得る例は、ステアリン酸グリセリル、ポリソルベート60、ヘンケル社によりSinnowaxAO(商標)の名前で販売されている、セチルステアリルアルコール/33モルのエチレンオキサイドでオキシエチレン化されたセチルステアリルアルコールの混合物、Gattefosse社によりTefose(商標)63の名前で販売されているPEG−6/PEG−32/ステアリン酸グリコールの混合物、PPG−3ミリスチルエーテル、シリコーン乳化剤例えばセチルジメチコーンコポリオール及びモノステアリン酸ソルビタン又はトリステアリン酸ソルビタン、ステアリン酸PEG−40及びモノステアリン酸オキシエチレン化(20OE)ソルビタンを含む。
【0114】
本発明において使用され得る溶媒として、低級アルコール特にエタノール及びイソプロパノール、並びにプロピレングリコールが挙げられ得る。
【0115】
本発明の組成物は、有利に、ビッテル水、Vichy盆地からの水及びロシュポゼの水から選択された、湧水及び/又はミネラルウォーターを含む。
【0116】
挙げられ得る親水性ゲル化剤は、カルボキシルポリマー例えばカーボマー、アクリルコポリマー例えばアクリレート/アルキルアクリレートコポリマー、ポリアクリルアミド及び特にセピック社によりSepigel305(商標)の名前で販売されているポリアクリルアミドC13〜14、イソパラフィン及びラウレス−7の混合物、多糖類例えばセルロースに基づく誘導体例えばヒドロキシアルキルセルロース及び特にヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシエチルセルロース、天然のガム例えばグアーガム、ローカストビーンガム及びキサンタンガム、及び粘土を含む。
【0117】
挙げられ得る親水性ゲル化剤は、変性された粘土例えばベントーン、脂肪酸の金属塩例えばステアリン酸アルミニウム及び疎水性シリカ、又はエチルセルロース及びポリエチレンを含む。
【0118】
経口投与のための本発明に従う組成物の場合、摂取可能な支持体の使用が好ましい。
【0119】
摂取可能な支持体は、考慮下の組成物のタイプに従って種々の性質を有し得る。
【0120】
即ち、錠剤、ゲルカプセル又は薬用ドロップ、懸濁物、乾燥形態の経口サプリメント及び液状形態の経口サプリメントは、食品支持体としての使用に特に適する。
【0121】
ミルク、ヨーグルト、チーズ、発酵されたミルク、ミルクをベースとする発酵された製品、アイスクリーム、シリアルをベースとする製品又は発酵されたシリアルをベースとする製品、ミルクをベースとする粉末、嬰児及び幼児用粉ミルク、菓子タイプの食料品、チョコレート、シリアル又は動物用、特にペット用、の餌、もまた食品支持体としての使用に適する。
【0122】
用語「経口組成物」は、本発明に従う少なくとも1のプロバイオチックな微生物を含む例えば栄養の、栄養補強食品の、化粧薬品の又は薬学的な組成物を意味する。
【0123】
本発明に従う経口組成物の配合は、飲める溶液、糖でコーティングされた錠剤、ゲルカプセル、ゲル、エマルジョン、飲み込める又は噛める錠剤、ウェファーカプセル、特にソフト又はハードウェファーカプセル、溶解される顆粒、シロップ、固体又は液体の食品、及び制御された放出を許すハイドロゲルを製造するための、当業者に公知の任意の一般的なプロセスにより行われ得る。
【0124】
特に、本発明に従うプロバイオチックな微生物は、任意の形の補助食品又は強化食品、例えばフードバー、又は圧縮された又は緩い粉末に取り込まれ得る。該粉末は水で、ソーダで、乳製品又は大豆誘導物で希釈され得るか又はフードバーに導入され得る。
【0125】
一つの実施態様に従うと、経口的に投与される本発明に従う組成物は、糖衣錠、ゲルカプセル、ゲル、エマルジョン、錠剤、ウェファーカプセル、ハイドロゲル、フードバー、圧縮された又は緩い粉末、液状懸濁物若しくは溶液、菓子、発酵されたミルク、発酵されたチーズ、チューインガム、歯磨きペースト又はスプレー溶液の形に配合され得る。
【0126】
経口組成物は、皮膚化粧の必要性に従って、無水の形又は水性の形のいずれかであり得る。
【0127】
本発明のプロバイオチックな微生物は、添加剤及びそのような経口組成物又は補助食品のために一般的である成分、即ち特に脂肪性及び/又は水性成分、湿潤剤、増粘剤、保存剤、組織化剤、風味補強剤及び/又はコーティング剤、抗酸化剤及び保存剤と共にさらに配合され得る。
【0128】
経口組成物のための、特に補助食品のための、配合剤及び添加剤は、この分野において公知であり、本明細書における詳細な説明の課題ではない。
【0129】
本発明のプロバイオチックな微生物の使用の好ましい必要性に従うと、本発明の組成物は化粧料、皮膚科学的又は薬学的組成物である。
【0130】
特に、本発明に従う組成物は、ヒトの消費のための食品組成物であり得る。特に、栄養のあるまるごとの食品、飲料、ミネラルウォーター、スープ、補助食品、及び代替食品、栄養バー、菓子、発酵された又は発酵されていないミルクをベースとする製品、ヨーグルト製品、ミルクをベースとする粉末、溶腸性の栄養製品、嬰児及び/又は幼児用組成物、発酵された又は発酵されていないシリアルをベースとする製品、アイスクリーム、チョコレート、コーヒー又は「調理用製品」例えばマヨネーズ、トマトピューレ又はサラダドレッシングの場合であり得る。
【0131】
本発明に従う組成物は、動物、特にペット、例えば猫及び犬、のために意図されており、動物のために餌又は補助食品の形で配合され得る。
【0132】
一つの好ましい実施態様に従うと、本発明における使用に適するプロバイオチックな微生物は、非経口的に、特に皮下的又は皮内的に使用され得る。
【0133】
そのような使用において、本発明における使用に適するプロバイオチックな微生物は、水性又は非水性の等張溶液の形、適切であれば投与の直前に、無菌の粉末、例えば凍結乾燥された粉末を使用して調製された分散物、懸濁物、又はエマルジョンの形で調整され得、次に使用のときに注射可能な無菌の溶液若しくは分散物の形で再構成される。
【0134】
用語「無菌」は、表皮内及び/又は真皮内及び/又は皮下投与のために要求される無害性を保証することのできる配合物に資格がある。
【0135】
本発明における使用に適する組成物は、注射可能な無菌の溶液の分野において通常使用される任意の添加剤を含み得る。
【0136】
本発明の組成物の非経口的投与は、表皮間及び/又は真皮間及び/又は皮下注射に適する任意の注射技術により行われ得る。即ち、そのような投与は、メソセラピーに適する、表皮間及び/又は真皮間及び/又は皮下注射を行うために通常使用される針により行われ得る。
【0137】
追加の活性剤
本発明に従うプロバイオチックな微生物は、追加の活性剤、特に化粧的な又は薬学的な活性剤と組み合わせて有利に使用され得る。
【0138】
有利に、そのような追加の化粧的な又は薬学的な活性剤は、皮膚、毛、まつ毛、体毛及び/又は頭皮、好ましくは皮膚、に化粧的、ケア的又は衛生的な効果を発揮することを意図され得る。
【0139】
追加の活性剤は、該剤が本発明のプロバイオチックな微生物の効果を害さないように当業者により選択される。
【0140】
特に、本発明における使用に適する追加の活性剤は、皮膚のバリアーを強化するための活性剤から選択され得る。
【0141】
別の実施態様に従うと、皮膚の病気を防止する及び/又は処置するための活性剤が、本発明に従う微生物と併用され得る。
【0142】
使用され得る追加の活性剤として、以下が挙げられ得る。
− ビタミン類、例えばビタミンA、B5、B6、B8、C、D、E又はPP(ビタミンB3即ちナイアシン)、
− 抗酸化剤、例えばクルクミノイド;カロテノイド、特にβ−カロテン、リコピン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、及びルテインから選択されるカロテノイド;ポリフェノール化合物、フラボノイド例えばカテキン;プロアントシアニン類、アントシアニン、及びPCO類(プロシアニドールオリゴマー);ユビキノン;ポリフェノール類及び/又はジテルペン類を含むコーヒー抽出物;チコリ抽出物;イチョウ抽出物;プロアントシニジン豊富なブドウ抽出物;ピメント抽出物;大豆抽出物、
− ミネラル、例えば亜鉛、カルシウム、マグネシウム、銅、鉄、ヨウ素、マンガン、セレン又はクロム(III)、
− 糖、
− アミノ酸、特に硫黄含有アミノ酸、例えばグルタチオン前駆体、タウリン及びセレン含有アミノ酸、
− 3〜6のポリ不飽和脂肪酸、
− グルコース、ガラクトース、キシロース、マルトース、ショ糖、乳糖、澱粉、キシラン、ヘミセルロース、イヌリン、例えばアカシアタイプのガム、又はそれらの混合物から選択されるオリゴ多糖類から選択されるプレバイオチック、
より特に、オリゴ糖は、少なくとも1のフルクト−オリゴ多糖類を含む。より特に、好ましくはこのプレバイオチックは、フルクト−オリゴ多糖類とイヌリンとの混合物、
− フィトステロール、例えばレスベラトロール
− ヘスぺリジン及び
− これらの混合物。
【0143】
一つの実施態様に従うと、タンパク質若しくはタンパク質加水分解物、アミノ酸、ポリオール類、特にC〜C10ポリオール、例えばグリセロール、ソルビトール、ブチレングリコール、及びポリエチレングリコール、尿素、アラントイン、糖類及び糖誘導体、水溶性ビタミン、澱粉及びバクテリア又は植物抽出物例えばアロエベラの抽出物が、追加の親水性活性剤としてより特に局所的剤形の形において使用され得る。
【0144】
別の実施態様に従うと、レチノール(ビタミンA)及びその誘導体、トコフェロール(ビタミンE)及びその誘導体、セラミド、精油、及び不懸化物(トコトリエノール、セサミン、ガンマ−オリザノール、フィトステロール、スクワレン、ワックス及びテルペン)が、追加の親油性活性剤としてより特に局所的剤形の形において使用され得る。
【0145】
別の実施態様に従うと、本発明における使用に適する局所的剤形は追加の活性剤として少なくとも1の抗老化活性剤を含み得る。
【0146】
そのような抗老化活性剤は、特に、湿潤化剤、落屑剤、バリアー機能を改善するための剤、脱色剤、抗酸化剤、皮膚−脱収縮剤(dermo−decontracting agent)、抗−グリケーション剤、真皮及び/又は表皮の巨大分子の合成を刺激するための及び/又はそれらの分解を防止するための剤、フィブロブラスト又はケラチン生成細胞の増殖及び/又はケラチン生成細胞の分化を刺激するための剤、角質エンベロープの成熟を促進するための剤、NO−シンターゼ阻害剤、周辺ベンゾジアゼピンレセプター(PBR)アンタゴニスト、細胞のエネルギー代謝を刺激するための剤、抗表面張力剤、及び皮膚の毛細管循環を促進するための剤から選択され得る。
【0147】
さらに別の実施態様に従うと、脱色剤又は皮膚漂白剤は、追加の活性剤として局所的剤形の形で有利に使用され得る。
【0148】
そのような脱色剤若しくは漂白剤は、特に、少なくとも1のミント、より特にセイヨウハッカ属の抽出物;ビタミンC及びその抽出物、例えばビタミンCG若しくはCP及び3−O−エチルビタミンC;ポリフェノール例えばエラグ酸;フェルラ酸;ルチノール酸及びその誘導体;コウジ酸;α及びβアルブチン及びそれらの誘導体;ハイドロキノン;アミノフェロール誘導体;イミノフェノール誘導体;L−2−オキソチアゾリジンー4−カルボン酸又はプロシステイン、及びそれらの塩及びエステル;レゾルシノール及びその誘導体;トラネキサム酸及びその誘導体;ゲンチジン酸、ホモゲンジゼート及びメチルゲンチゼート;ジオン酸;カルシウムD−パンテテインスルホネート;リポ酸;ビタミンB3;リノール酸及びその誘導体;セラミド及びその同族体;及び特にカンゾウから、クワから、タツナミソウから、バコパ モンニエリから、カモミールから、クマコケモモから、アロエ属から(ベラ、フェロックス又はバルバデンシス)の植物抽出物、キーウィフルーツ(アクチニジア キネンシス)のジュース、又はパエオニア サフルティコサの根の抽出物から選択され得、このリストは制限的ではない。
【0149】
さらに別の実施態様に従うと、本発明における使用に適する局所的剤形は、少なくとも1の落屑剤を追加の活性剤として含み得る。
【0150】
そのような落屑剤は特に、α−及びβ−ヒドロキシ酸、グリコール酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、マンデル酸、サリチル酸及びその誘導体、特に5−n−オクタノイルサリチル酸;ピルビン酸、グルコン酸、グルクロン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、酢酸、ゲンチジン酸、桂皮酸若しくはアゼライン酸;フェノール、レゾルシノール;尿素及びその誘導体;オリゴフコース;ジャスモン酸及びその誘導体;トリクロロ酢酸;レチノイド例えばレチノール又はレチノイン酸;アダパレン;サフォラ ジャポニカの抽出物;レスベラトロール;角質デスモソームの落屑又は分解に関与する酵素、例えばグリコシダーゼ、角質層キモトリプシン酵素(SCCE)又は他のプロテアーゼ;鉱物塩をキレートする剤、例えばEDTA;N−アシル−N,N’,N’−エチレンジアミン三酢酸;アミノスルホン酸化合物、特に(N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N−2−エタン)スルホン酸(HEPES);2−オキソチアゾリジン−4−カルボン酸(プロシステイン)の誘導体;α−アミノ酸例えばグリシンの誘導体;蜂蜜;糖誘導体例えばO−オクタノイル−6−D−マルトース、O−リノレイル−6−D−グルコース及びN−アセチルグルコサミン;ラミナリア例えばラミナリア サッカリーナ及びラミナリア オクロロイカの抽出物、グリセリルトリルアセテート、サリチル酸シリセウス誘導体;及びクワ科オプンティカ インディカの花の抽出物、例えばシラブからのExfolactive(商標)から選択され得る。
【0151】
経口剤形の追加の活性剤として、任意の一般的に使用される及び/又は許される成分もまた考慮され得る。
【0152】
例えば、ビタミン、ミネラル、精製された脂肪、微量元素、ポリフェノール、フラボノイド、フィトエストロゲン、抗酸化剤例えばリポ酸及びコエンザイムQ10、カロテノイド、プレバイオチック、たんぱく質及びアミノ酸、単糖類及び多糖類、アミノ糖、フィトステロール及び植物起源のトリテルペンアルコールが挙げられ得る。
【0153】
これは、特にビタミンA、C、D、E及びPP及びBの群のビタミン、特にB5、B6及びB8に関する。
【0154】
カロテノイドの中で、β−カロテン、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチン及びアスタキサンチンが好ましく選択される。
【0155】
特に使用されるミネラル及び微量元素は、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、銅、鉄、ヨー素、マンガン、セレン、及びクロム(III)である。
【0156】
ポリフェノールの中で、ブドウ、茶、オリーブ、ココア、コーヒー、リンゴ、ブルーベリー、エルダーベリー、苺、クランベリー、及び玉ねぎからのポリフェノールが特に選択され得る。
【0157】
好ましくは、フィトエストロゲンの中では、遊離又はグリコシレート化された形のイソフラボン、例えばゲニステイン、ダイゼイン、グリシテイン又はリグナン、特にアマ及びチョウセンゴミシからのものが選択される。
【0158】
好ましくは、本発明における使用に適するアミノ酸の中では、タウリン、トレオニン、システイン、トリプトファン又はメチオニン又はペプチド及びそれらを含むタンパク質が選択され得る。
【0159】
好ましくは、本発明における使用に適する脂質の中で、単不飽和及び多飽和脂肪酸を含むオイルの群に属する脂質、例えばオレイン酸、リノール酸、α−リノール酸、γ−リノール酸、ステアリドン酸、長鎖魚ω−3脂肪酸、例えばEPA及びDHA、植物又は動物から得られる共役脂肪酸例えばCLA(共役リノール酸)が選択され得る。
【0160】
即ち、経口投与を意図された組成物は、リコピン、ビタミンC、ビタミンE、及びポリフェノール化合物から選択された少なくとも1の栄養活性剤をもまた含み得る。
【0161】
本発明の経口組成物は、以下から選択される他の栄養活性剤をもまた含み得る。
− 抗老化栄養活性剤例えば食品抗酸化剤、ラジカル捕捉性を有する栄養素及び抗酸化内因性酵素の共因子、ビタミンA、C及びE、カロテノイド、キサントフィル、イソフラボン、ある種のミネラル例えば、亜鉛、銅、マグネシウム又はセレン、リポ酸、コエンザイムQ10、スーパーオキサイドジスムターゼ(SOD)又はタウリン。抗老化活性剤の中で、植物起源の脂肪から抽出される不ケン化性画分、アロエベラ、天然型又は加水分解された海洋コラーゲン、及びオメガ−3及びオメガ−6脂肪酸(γ−リノール酸を含む)に富んだ植物又は海洋油が、特に挙げられ得る。
− 光保護の栄養活性剤、例えば抗酸化剤及びフリーラジカル捕捉剤;ビタミンA、C及びE、カロテノイド、キサントフィル、ある種のミネラル、例えば亜鉛、銅、マグネシウム又はセレン、コエンザイムQ10及びスーパーオキサイドジスムターゼ(SOD)、
− 保湿化又は免疫調節性を有する栄養成分、例えばポリポジウム ロイコトモスの抽出物、オメガ−3及びオメガ−6脂肪酸(γ−リノール酸を含む)に富んだ植物又は海洋油。
【0162】
別の実施態様に従うと、本発明における使用に適するプロバイオチックな微生物は、特に例えばシラカバ又はクロハツカダイコンの抽出物から得られた浄化作用のある剤と経口的に組み合わせて有利に使用され得る。
【0163】
別の好ましい実施態様に従うと、本発明における使用に適するプロバイオチックな微生物は、少なくとも1のフィリング剤又はフィブロブラスト又はケラチン生成細胞の増殖を刺激するための剤又は真皮の巨大分子の合成を刺激するための剤と組み合わせて非経口的に、特に皮下的又は真皮間的に使用され得る。
【0164】
有利に、本発明における使用に適するプロバイオチックな微生物は、センテラ アジアツカ;アジアチコシド及び誘導体;合成ペプチド;植物からのペプチド抽出物;植物ホルモン例えばジベレリン及びサイトカイニン;サッカロマイセス セレヴィシエの抽出物;アルガマクロシスティス ピリフェラの抽出物;レチノイド及び誘導体;オリゴペプチド及びリポペプチド;リポアミノ酸;麦芽抽出物;ブルーベリー又はローズマリーの抽出物;リコピン;イソフラボン、その誘導体又はそれらを含む植物抽出物、レッドクローバー、アマの種子、カッコン、又はセージの抽出物;マメ科の植物の種子のペプチド抽出物;ヘパリノイド;シュードジペプチド;ルピンの抽出物;ブナの木ファンガスシルバチカからの芽の抽出物;サリナ ズープランクトンの抽出物;フロログルシノール;クルミオイルケーキの抽出物;ジャガイモの抽出物;ヒアルロン酸、特に50000〜3000000ダルトンの範囲の重量平均分子量を有するものと組み合わせて非経口的に使用され得る。
【0165】
一つの実施態様に従うと、本発明は皮膚の色つやの明るさの損傷を防止する及び/又は処置することを必要とする個人の場合に、皮膚の色つやの明るさの損傷を防止する及び/又は処置するための化粧方法において、該個人に少なくとも1のプロバイオチックな微生物、特にラクトバチルス属のものを投与する少なくとも1の工程を含む該方法に関する。
【0166】
本発明に従う方法は、皮膚の色つやの明るさの損傷の低下を若しくは消失さえを又は皮膚の色つやの明るさの改善を観察することからなる工程を含み得る。
【0167】
本発明に従う方法は、上で定義された局所的化粧料及び/又は皮膚科学組成物の投与により局所的に特に行われ得る。
【0168】
有利に、局所的施与を含む本発明の方法は、例えば皮膚の上のマスクの形においての、本発明に従う少なくとも1のプロバイオチックな微生物を含む組成物の施与を含み得る。
【0169】
そのような投与は、これらの組成物を使用して通常の技術に従って実行され得る。例えばそれは、クリーム、ゲル、セラ又はローションの皮膚又は粘膜への施与から成っていてもよい。
【0170】
本発明に従う局所的化粧方法は、例えば毎日、例えば1日あたり1回の投与の割合で、又は1日2回、例えば午前中に1回及び夜に1回、の投与の割合で行われ得る。
【0171】
本発明に従う局所的化粧方法は、1週間から数週間、又は数カ月の範囲の期間に亘って行われ得、この期間は、処置のない期間の後、数カ月又は数年の間、おそらくさらに繰り返される。
【0172】
例えば、本発明に従うプロバイオチックな微生物の局所的投与は、例えば1日に2〜3回又はより多く、一般的には少なくとも4週間、又は4〜15週間さえの延長された期間に亘って、適切であれば1以上の中止の期間をもちながら繰り返され得る。
【0173】
本発明に従う化粧方法は、上で定義された食品組成物の投与により特に、経口的に行われ得る。
【0174】
有効量の微生物は、1日当たり1回の投与で、又は1日に亘って分別の投与で、例えば1日に2〜3回、投与され得る。
【0175】
経口的化粧方法は、1週間から数週間、又は数カ月の範囲の期間に亘って行われ得、この期間は、処置のない期間の後、数カ月又は数年の間、おそらくさらに繰り返される。
【0176】
例えば、本発明に従うプロバイオチックな微生物の経口投与は、例えば1日に例えば3回又はより多くの割合で、一般的には少なくとも4週間、又は4〜15週間さえの期間に亘って行われ、任意的に1以上の中止の期間を含むか又は中止の期間の後に繰り返される。
【図面の簡単な説明】
【0177】
【図1】経時的な、即ち第1日、第29日及び第57日における顔の皮膚の色つやの変化を示す。上のグラフはST11群を、下のグラフはプラセーボの群を示す。結果は、ST11の群の個人の場合、皮膚の色つやの著しい改善を示す(濃い灰色及び中間の灰色の棒、4段階の0度及び1度)。結果は平均±信頼区間として表現される。
【図2】経時的、即ち第1日、第29日及び第57日における顔の皮膚の不完全さの変化を示す。上のグラフはST11の群を、下のグラフはプラセーボの群を示す。結果は、ST11の群の個人の場合について、顔の皮膚の不完全さの著しい減少を示す(濃い灰色及び中間の灰色の棒、3段階の0度及び1度)。結果は平均±信頼区間として表現される。
【0178】
以下の説明及び実施例において、他に明記されなければ、百分率は重量百分率であり、「〜及び〜の間」の形で述べられた値の範囲は述べられた下限及び上限を含む。
【0179】
成分は、当業者により容易に決められ得る順番及び条件下、形成される前に一緒に混合される。
【0180】
本発明の組成物において使用される成分の含有量及び性質は、本発明の組成物に要求される性質に本質的に影響を及ぼさないように当業者により調節される。
【0181】
以下の実施例は、本発明の非制限的な例として示される。
【実施例】
【0182】
実施例1
皮膚の色つやの明るさへのラクトバチルス パラカセイ ST11を含む補助食品の効果
【0183】
物質及び方法
皮膚の色つやの明るさに対する、ラクトバチルス パラカセイ ST11を含む補助食品の効果が、33人の2つの並行群において、二重盲のランダム化された制御された比較単中心試験:補助食品(ST11の群)対プラセーボ(プラセーボ群)を実施することにより測定された。
【0184】
色つやの明るさの測定は、評価する皮膚科学者による臨床的な評価により行われた。
【0185】
試験のために選択された個人は、試験の始め(第0日)においてDensiscore(商標)で4又は5の得点を有する、60歳超の健康な男性であり、原則として発酵された製品の低い消費者である(125g/日)。
【0186】
試験の間、ボランティアは、生きた菌を含むいかなる発酵製品(ヨーグルト、カッテージチーズ、発酵されたミルク、低温殺菌されていないチーズ等)を消費しないことに同意した。
【0187】
補助食品は、10cfuの総投与量における生きたラクトバチルス パラカセイNCC 2461(STl1)及びマルトデキストリンを含む粉末の形で配合された。粉末は、飲める液体、好ましくは水、に分散又は溶解されることができる。
【0188】
プラセーボは、マルトデキストリンのみを含む粉末の形で配合された。該粉末は、飲める液体、好ましくは水に、分散又は溶解されることができる。
【0189】
処置は、1日1回、61日間投与された。測定は第42日(プレ細胞含有物(preinclusion))、第0日、第1日、第2日、第3日、第4日、第5日、第29日、第30日、第31日、第32日、第33日、第57日、第58日、第59日、第60日、及び第61日に行われた。
【0190】
顔の色つやの臨床的な得点は、0〜4の段階(0=非常に輝いている;1=輝いている、2=鈍くはない/輝いていない;3=鈍い;4=非常に鈍い)で、調査している皮膚科学者により、各訪問ごとに視覚的に決定された。
【0191】
顔の不完全さ(吹き出物、疱疹、皮膚色異常、エージマーク、及び面皰)の臨床的得点は、0〜4の段階(0=なし、即ち不完全さなし、1=少し、すなわちいくつか(1〜5こ)の不完全さ;2=普通、すなわち5〜12の不完全さ;3=ひどい、すなわち12超及び25未満の不完全さ;4=極度、すなわち非常にたくさんの不完全さ)で、調査している皮膚科学者により、各訪問ごとに視覚的に決定された。
【0192】
結果
顔の皮膚の色つや(図1)
2つの群(ST11及びプラセーボ)の顔の皮膚の色つやは、第1日においては同程度であった(p=0.4412)。
【0193】
他方、顔の皮膚の色つやは、プラセーボの群よりST11の群の場合、時間が経つと、有意により明るくかつより輝いてくる。2つの群の場合の第1日及び第57日の間での色つやの明るさの変化は、統計的に有意にST11の群に有利である(p=0.0408)。
【0194】
補強の終わりに、本発明に従う補助食品(ST11の群)で処置された個人の場合には、色つやの明るさにおいて54%の向上が観察され、プラセーボの群の場合には22%しか観察されなかった。
【0195】
表1
すべての時間における第1日に対する顔の皮膚の色つやの変化の群内及び群間の比較(p−値)の試験
【0196】

【0197】
顔の皮膚の不完全さ(図2)
評価された皮膚の不完全さは、特に吹き出物、発疹、皮膚色異常、エージマーク、及び面皰であった。
【0198】
2つの群、即ちST11及びプラセーボ、は、第1日においては同程度のようである(p=0.5901)。
【0199】
他方、顔の皮膚の不完全さは、ST11の群の場合にのみ、第1日と第57日とで有意に減少する。第1日と第57日との間の顔の皮膚の不完全さの変化は、ST11の群にとって、統計的に有意に有利である(p=0.0175)。
【0200】
補強の終わりに、本発明に従う補助食品(ST11の群)で処置された個人の場合には、顔の皮膚の不完全さの22%の減少が観察され、プラセーボの群の場合には10%しか観察されなかった。
【0201】
表2
すべての時間における第1日に対する顔の不完全さの変化の群内及び群間の比較の試験(p−値)
【0202】

【0203】
結論
上に記載された臨床的調査において得られた結果は、2ヶ月間、10cfu/日の投与におけるラクトバチルス パラカセイ(ST11)を含む補助食品の経口投与は、臨床的評価において:
−有意に、より輝いている色つや(ST11の群対プラセーボの群の場合の第1日及び第57日の間の色つやの全体的な変化、p=0.0408);及び
− ST11の群の場合のみにおける、経時的な顔の不完全さの減少(p<0.0001)
を得ることを可能にすることを示す。もし変化が2つの処置の場合について第1日及び第57日の間で調査されたならば、差は、統計的に有意にST11に有利である。
【0204】
実施例2
本発明に従う局所組成物
【0205】

【0206】

【0207】

【0208】

【0209】

【0210】
実施例3
経口組成物
【0211】

【0212】
1のスティックが1日当たり摂取され得る。
【0213】

【0214】
これらのウェファーカプセルの1〜3が1日当たり摂取され得る。
【0215】

【0216】
このタイプの糖衣錠は1日当たり1〜3回接種され得る。
【0217】

【0218】
このタイプの糖衣錠は1日当たり1〜3回接種され得る。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1のプロバイオチックな微生物、特にラクトバチルス属、を、皮膚の色つやの明るさの損傷を処置する及び/又は防止するために有用である活性剤として化粧的に使用する方法。
【請求項2】
皮膚の色つやの明るさの喪失を防止する及び/又は処置するための、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
皮膚に明るい色つやを与えるための、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
シミがある、鈍い及び/又は非均一な皮膚の色つやを防止する及び/又は処置するための、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
特に吹き出物、疱疹、色素異常症、エージマーク、面皰及び/又は黒皮症から選択される、皮膚の不完全さを防止する及び/又は処置するための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
該プロバイオチックな微生物が経口的に、局所的に、又は非経口的に、特に経口的に、投与される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
該プロバイオチックな微生物が、生きた形、半活性の形、不活性な形又は死んだ形において使用される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
該プロバイオチックな微生物が、溶解産物の形で使用される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
該プロバイオチックな微生物が、ラクトバチルス種、ビフィドバクテリウム種、球菌、酵母及び胞子形成バクテリア、及びそれらの混合物から選択される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
該プロバイオチックな微生物が、ラクトバチルス パラカセイ、特にラクトバチルス パラカセイ CNCM I−2116(ST11)である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
該プロバイオチックな微生物が、それを含む組成物の総重量に対して、0.0001重量%〜30重量%の割合で、特に0.001重量%〜20重量%の割合で、より特に0.01重量%〜15重量%、特に0.1重量%〜10重量%、特に1重量%〜5重量%の割合で組成物において使用される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
該プロバイオチックな微生物が、それを含む組成物のグラム当たり、10〜1015cfu/g、特に10〜1015cfu/g、より特に10〜1012cfu/gの割合で経口ルートで生きたまま使用される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
該プロバイオチックな微生物が、追加の活性剤と組み合わせて使用される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
皮膚の色つやの明るさの損傷を防止する及び/又は処置するための化粧方法において、少なくとも1のプロバイオチックな微生物、特にラクトバチルス属、の、請求項6〜12のいずれか1項において定義された投与を含む、前記方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−512946(P2013−512946A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542667(P2012−542667)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【国際出願番号】PCT/IB2010/055629
【国際公開番号】WO2011/070508
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(595100370)ロレアル (108)
【氏名又は名称原語表記】L′OREAL
【出願人】(512148610)
【Fターム(参考)】