説明

皮膚外用かゆみ止め剤

【課題】乾燥性皮膚に対して優れた効き目を有し、使用感も良好であって、特にそう痒に対して非常に優れた効き目を有する皮膚外用かゆみ止め剤を提供する。
【解決手段】低級アルコール及び水を含む溶媒中に、尿素、抗ヒスタミン剤及び局所麻酔剤を溶解乃至分散させてなる皮膚外用かゆみ止め剤であって、低級アルコール:水(重量比)=1:0.6〜1.3であり、低級アルコールと水の合計量が、該かゆみ止め剤全体を基準として、60〜90w/v %であることを特徴とする皮膚外用かゆみ止め剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚外用かゆみ止め剤に関する。
【背景技術】
【0002】
乾燥性皮膚疾患は、アトピー性皮膚炎、老人性乾皮症等に代表されるように、皮膚が乾燥、角化するだけでなく、常にそう痒を伴う疾患である。特に老人性乾皮症では、高齢者の皮膚は加齢に伴う皮膚の萎縮と共に皮脂分泌量、皮膚血流量が減少し、また角層水分量が少なくなることにより、乾燥、角化しやすくなり、それらに伴って、湿疹、かゆみ等が生じ、掻破により全身に亘る皮膚炎となることもある。とりわけ寝たきり老人にとっては、かゆみが不眠やいらいら、食欲不振等の二次的障害をもたらすともいわれ、高齢化社会へと向かっている現在、上記問題はもはや一部の人のものとはいえなくなっている。
【0003】
また近年環境及び衣食住のスタイルの急激な変化によりアレルギー患者が増えつつあり、それに伴いアレルギーの引き起こすアトピー性皮膚炎の患者も急増している。之等の患者は皮膚の乾燥や荒れによる外見上の問題と激しいかゆみによる不快感、更に精神的な不安や苦痛に悩まされている。
【0004】
乾燥性皮膚疾患は、上述した病因のためにその治癒が困難であり、更に悪いことにはかゆみにより掻破痕や血痂を生じ、病態が悪化する傾向もある。従ってその治療には、皮膚の乾燥だけでなくかゆみも抑えることができる薬剤が必要となる。
【0005】
しかるに、現在、乾燥性皮膚疾患に対して用いられている市販の多くの皮膚外用剤は、いずれも上記乾燥性皮膚疾患の治療に満足できる性能を具備するものではなく、乾燥性皮膚又はそう痒のどちらか一方にしか作用を示さず、一剤で両方を治療できるものは殆ど存在しない。従って、市販品を乾燥性皮膚疾患の治療に用いる場合は、二剤を併用しなければならず、患者にとって極めて不便である。また市販の皮膚外用剤は殆どの場合、剤型が軟膏剤かクリーム剤であり、べたつき感等の不快感を伴い、また使用部に埃等の異物が付着しやすくなる問題があり、乾燥性皮膚疾患に対しては好ましいものではない。
【0006】
一方、病院内処方として、クロタミン製剤やコルチコステロイド製剤に有効量の尿素を配合したものが知られているが、之等は上記市販品を単に混合したものに過ぎず、剤型も必然的に軟膏剤かクリーム剤に限定され、不快感や異物付着の問題を解消され得ない。
【0007】
以上のように、従来の皮膚外用剤はこれを乾燥性皮膚疾患に適用するには問題があり、乾燥性皮膚とそう痒との両方に効き目を示し且つ使用感が良好で異物付着の問題のない新しい外用剤が要望されている。
【0008】
本発明者らは、上記要望に合致する外用液剤として、所定量の尿素、抗ヒスタミン剤、局所麻酔剤、低級アルコール及び保湿剤からなる皮膚外用液剤を先に提供するに成功した(特許文献1参照)。この皮膚外用液剤は、従来のこの種液剤に比して使用感等のかなりの改善が認められ、しかも所期の乾燥性皮膚とそう痒との両方に効き目を示すものであったが、尚、その適用によるべとつき感の点で、改善の余地を残していた。
【0009】
更に、本発明者らは、尿素、抗ヒスタミン剤、局所麻酔剤、低級アルコール及び保湿剤を含む外用液剤に、更に炭素数4以下のアルコールとアジピン酸及び/又はセバシン酸とから構成されるジエステルを配合することによって、べとつき感の点で改善が認められることを見出した(特許文献2参照)。
【0010】
しかしながら、これらの各種の特性が改善された皮膚外用剤であっても、そう痒に対する効き目について未だ満足のいくものではなく、更になる改善が望まれている。
【特許文献1】特開平3−291221号公報
【特許文献2】特開平10−139687号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記した如き従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、乾燥性皮膚に対して優れた効き目を有し、使用感も良好であって、特にそう痒に対して非常に優れた効き目を有する皮膚外用かゆみ止め剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、尿素、抗ヒスタミン剤及び局所麻酔剤を含む皮膚外用剤において、溶媒として低級アルコールと水の混合物を用い、従来の皮膚外用剤と比較して、低級アルコールに対する水の割合を多くした上で、低級アルコールと水の合計含有量を特定の範囲とすることによって、乾燥性皮膚に対して優れた効き目を保持した上で、かゆみ抑制効果が著しく向上し、さらに、保湿性、使用感なども良好に維持できることを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
【0013】
即ち、本発明は、下記の皮膚外用かゆみ止め剤を提供するものである。
【0014】
1. 低級アルコール及び水を含む溶媒中に、尿素、抗ヒスタミン剤及び局所麻酔剤を溶解乃至分散させてなる皮膚外用かゆみ止め剤であって、低級アルコール:水(重量比)=1:0.6〜1.3であり、低級アルコールと水の合計量が、該かゆみ止め剤全体を基準として、60〜90w/v %であることを特徴とする皮膚外用かゆみ止め剤。
2. 尿素を5〜20w/v %、抗ヒスタミン剤を0.5〜5w/v %。局所麻酔剤を0.5〜5w/v %含有する上記項1に記載の皮膚外用かゆみ止め剤。
3. 下記組成範囲の各成分を含有することを特徴とする上記項1又は2に記載の皮膚外用かゆみ止め剤。
尿素 5〜20w/v%
抗ヒスタミン剤 0.5〜 5w/v%
局所麻酔剤 0.5〜 5w/v%
低級アルコール 30 〜50w/v%
精製水 25〜40w/v%
保湿剤 1〜10w/v%
4. 抗ヒスタミン剤がジフェンヒドラミン又はその薬理的に許容される塩であり、局所麻酔剤がリドカインであり、低級アルコールがエタノールである上記項1〜3のいずれかに記載の皮膚外用かゆみ止め剤。
【0015】
本発明の皮膚外用かゆみ止め剤は、尿素、抗ヒスタミン剤及び局所麻酔剤を含有するものであって、特に、特定の配合割合の低級アルコールと水を溶媒として用いることを特徴とするものである。具体的には、低級アルコールと水を、低級アルコール:水(重量比)=1:0.6〜1.3の混合割合とした上で、本発明の皮膚外用かゆみ止め剤の全量を基準として、低級アルコールと水の合計量を60〜90w/v %程度とすることが必要である。
【0016】
上記した溶媒の使用量は、従来の皮膚外用液剤と比較して低級アルコールに対する水の使用割合がかなり多く、低級アルコールと水の合計量も多量である点が特徴的である。この様な特定の配合量の溶媒中に尿素、抗ヒスタミン剤及び局所麻酔剤を分散乃至溶解した液剤とすることによって、乾燥性皮膚疾患の治療薬として要求される効き目、保湿性、使用感などが良好であることに加えて、特に、かゆみを抑制する効果が顕著に発揮される。
【0017】
本発明のかゆみ止め剤では、特に、低級アルコールと水の混合割合は、低級アルコール:水(重量比)=1:0.6〜1.1程度とすることが好ましく、1:0.6〜0.9程度とすることがより好ましい。また、低級アルコールと水の合計量は、60〜80w/v %程度とすることが好ましく、60〜75w/v %程度とすることがより好ましい。
【0018】
本発明のかゆみ止め剤では、低級アルコールとしては、エタノール、イソプロパノール等の炭素数4以下のアルコールが好ましく、特に、エタノールが好ましい。エタノールは、前記した本発明に必須の各成分の溶解力に優れ、また水ともよく混和するので、薬剤及び水分を皮膚から吸収し易くする作用があると共に、殺菌消毒作用をも有し、更に使用後は皮膚から速やかに蒸発するので、軟膏剤やクリーム剤のようなべとつき感を与えず、加えて蒸発熱を奪うことで皮膚に清涼感をもたらす利点がある。但し、低級アルコールの使用量が多くなるとかゆみを抑制する効果が低下するが、本発明のかゆみ止め剤では、水の使用量を多くして相対的に低級アルコールの使用量を低減することによって、かゆみを抑制する効果を向上させることに成功した。
【0019】
本発明の皮膚外用かゆみ止め剤では、尿素は、主として乾燥性皮膚治療の薬効成分として用いられる。その配合量は上記薬効を示すのに充分な量、即ち全組成物の5〜20%(w/v%、以下同じ)程度とすることが好ましく、8〜20%程度とすることがより好ましい。この範囲を外れる量、特に上記範囲を下回る量で用いる場合、上記した効果を十分に得ることができないことがある。
【0020】
抗ヒスタミン剤及び局所麻酔剤は、いずれも鎮痒成分として働くものであり、抗ヒスタミン剤としては、代表的にはジフェンヒドラミン、その塩酸塩、タンニン酸塩等の薬理的に許容される塩等を用いることができる。また局所麻酔剤としては、例えば、リドカインを用いることができる。これらの成分の配合量については、抗ヒスタミン剤として、ジフェンヒドラミン又はその塩を用いる場合には、0.5〜5%程度とすることが好ましく、0.5〜2%程度とすることがより好ましい。また局所麻酔剤としてリドカインを用いる場合には、0.5〜5%程度とすることが好ましく、1〜3%程度とすることがより好ましい。
【0021】
本発明の皮膚外用かゆみ止め剤には、上記各成分の他に、これらの各成分の薬効を補うために、他の同様の薬効成分を付加的に添加配合することもできる。他の薬効成分としては、乾燥性皮膚治療成分として、例えばサリチル酸等を、鎮痒成分として、例えばクロタミトン、マレイン酸クロルフェニラミン等を例示できる。これらの成分の配合量については、本発明のかゆみ止め剤が液剤形態を保持する量とする必要がある。
【0022】
本発明のかゆみ止め剤には、更に、尿素の保湿及び乾燥性皮膚治療作用を助長する成分として保湿剤を配合することができる。保湿剤としては、従来公知の各種のもののいずれでもよく、その具体例としては例えばグリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール類、ポリエチレングリコール、ヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性高分子物質、その他乳酸、乳酸ナトリウム等を例示できる。保湿剤の本発明かゆみ止め剤中への配合割合は、保湿剤の種類により若干異なるが、通常、1〜10%程度の範囲から適宜選択すればよく、薬効成分の作用や製剤の妨げとならない量とするのはいうまでもない。
【0023】
本発明のかゆみ止め剤には、更に、必要に応じて、アジピン酸及び/又はセバシン酸と、炭素数4以下のアルコールとのジエステルを配合することができる。該ジエステルを構成するアルコール成分としては、炭素数4以下のもの、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等を例示できる。上記ジエステルを配合することによって、角層水分保持効果を有する尿素が主たる原因となって生じるべたつき感の改善を図ることができる。該ジエステルの配合量は、0.5〜10w/v%程度とすることが好ましく、1〜5w/v%程度とすることがより好ましい。
【0024】
本発明のかゆみ止め剤には、上記各成分以外に、必要に応じて他の薬効成分等を添加することができる。この様な成分としては、例えばグリチルレチン酸、サリチル酸メチル等の消炎剤、メントール、ハッカ油等の清涼剤、ユーカリ油等の香料、消臭剤、安定化剤等を例示できる。
【0025】
但し、本発明のかゆみ止め剤では、難水溶性成分、例えば、カンフル、トコフェロール、その塩等については、使用を避けるべきである。この様な難水溶性成分を用いないことによって、上記した水の使用割合が多い組成であっても、均一な液剤形態とすることができ、皮膚への刺激を抑制して、優れた使用感、かゆみ抑制効果を有する液剤とすることができる。
【0026】
本発明の皮膚外用かゆみ止め剤の代表的な組成の一例を挙げると下記の通りである。
【0027】
尿素 5〜20w/v%
抗ヒスタミン剤 0.5〜 5w/v%
局所麻酔剤 0.5〜 5w/v%
低級アルコール 30 〜50w/v%
精製水 25〜40w/v%
保湿剤 1〜10w/v%
【0028】
本発明の皮膚外用かゆみ止め剤は、上記各成分を含有する限り、その製法は特に限定されないが、一般には前記各成分を混合して、低級アルコール及び水の一部に溶解させた後、該溶液に保湿剤を添加し、これに残余の水を追加して均一な液剤形態とすることにより調製できる。
【0029】
本発明の皮膚外用かゆみ止め剤は、これを適当な容器に充填して製品とすることができる。該かゆみ止め剤は、一回にその適当量を患部に滴下又は塗布具等により塗布することにより適用できる。また、スプレー容器に充填して噴霧方式により適用可能な製品形態とすることも可能である。
【発明の効果】
【0030】
本発明の皮膚外用かゆみ止め剤は、かゆみ抑制効果に優れていることに加えて、薬抗成分の吸収性が良好であり乾燥性皮膚に対して優れた効き目を有する。更に、べたつき感が少なく、使用感が非常に良好であり、また保湿性にも優れ潤滑作用を有しており、その適用時に異物付着等の問題もほとんど起らない利点がある。
【0031】
よって、本発明の皮膚外用かゆみ止め剤は、一剤で乾燥性皮膚治療とそう痒治療効果とを奏することができる液剤として、非常に有用性が高いものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明を更に詳しく説明するため、本発明皮膚外用かゆみ止め剤の製造例を実施例として挙げ、次いで本発明かゆみ止め剤の有効性を明らかにするための試験例を挙げる。
【0033】
実施例1
表1に示す配合組成(w/v %)のかゆみ止め剤を下記の方法によって調製した。
【0034】
【表1】

【0035】
表1に示す成分の内で、尿素、ジフェンヒドラミン塩酸塩及びリドカインの混合物に、エタノール及び精製水の一部を加えて撹拌溶解させた。
【0036】
次いで、得られた溶液に、その他の成分を加えた後、残余の精製水を追加し混合して、全量を100mLとして、本発明かゆみ止め剤を調製した。
【0037】
比較例1
公知の皮膚外用剤として下記表2に示す配合組成(w/v %)の液剤を実施例1に準じた方法で調製した。これを比較試料1とする。
【0038】
【表2】

【0039】
試験例1(かゆみ抑制試験)
(1)試験試料
実施例1で得た本発明かゆみ止め剤及び比較例1で得たかゆみ止め剤(比較試料1)を用いて、下記の方法でマウスによるかゆみ抑制効果の試験を行った。更に、実施例1で得た本発明かゆみ止め剤からジフェンヒドラミン塩酸塩を除いた液剤(比較試料2)、実施例1で得た本発明かゆみ止め剤からリドカインを除いた液剤(比較試料3)、及び実施例1で得た本発明かゆみ止め剤から尿素、ジフェンヒドラミン塩酸塩及びリドカインを除いた液剤(比較試料4)の各液剤を用いた場合と、かゆみ止め剤を無塗布の場合についても同様の試験を行った。
【0040】
(2)試験方法
NAOマウスに各試験試料を塗布し、30分後にかゆみ惹起剤であるヒスタミン遊離剤(Compound 48/80)を皮下投与し、投与5分後〜35分後の30分間におけるマウスのかゆみ掻破行動を観察し、その時間を計測した(N=5)。結果を図1に示す。
【0041】
(3)結果
図1から明らかなように、本発明かゆみ止め剤によれば、公知の皮膚外用剤である比較試料1と比較して高いかゆみ抑制効果が認められた。
【0042】
また、比較試料2及び3と比較した場合に、本発明かゆみ止め剤によれば非常に優れたかゆみ抑制効果が認められたことから、ジフェンヒドラミン塩酸塩とリドカインの両方を含有する場合にかゆみ抑制の相乗効果が奏されることが確認できた。
【0043】
尚、基剤のみからなる比較試料4では、無塗布の場合と同様の結果であり、かゆみ抑制効果は認められなかった。
【0044】
試験例2(吸収性試験)
図2に概略図を示すフランツ拡散セルを用いて、下記の方法によって、本発明かゆみ止め剤と、公知の皮膚外用液剤である比較試料1について、シリコン膜によるリドカインの吸収性試験を行った。
【0045】
まず、フランツ拡散セルにシリコン膜を装着し、シリコン膜の上に各試料0.5mLを塗布した。その後、シリコン膜を透過したリドカイン量の変化を高速液体クロマトグラフィーにより求めた。結果を図3に示す。
【0046】
図3から、本発明かゆみ止め剤によれば、薬効成分であるリドカインの透過率が公知の皮膚外用液剤と比較して約6倍という高い値を示した。この結果から、本発明のかゆみ止め剤は、薬効成分の吸収性に優れていることが確認できた。
【0047】
試験例3(保湿性試験)
本発明かゆみ止め剤と、公知の皮膚外用剤である比較試料1について、下記の方法で保湿効果の試験を行った。
【0048】
まず、ヒトの前腕屈側部に各試料約100μLを入浴直後に2週間継続塗布し、塗布前と継続塗布後での角質水分量の変化を測定した(N=4)。結果を図4に示す。
【0049】
図4から、本発明かゆみ止め剤と比較試料1を継続塗布した場合には、無塗布の場合と比較して角質水分量が上昇した。この結果から、本発明かゆみ止め剤は、公知の皮膚外用液剤と同程度の保湿効果を有することが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】試験例1における、かゆみ抑制試験の結果を示すグラフ。
【図2】試験例2で用いたフランツ拡散セルの概略図。
【図3】試験例2における吸収性試験の結果を示すグラフ。
【図4】試験例3における保湿試験の結果を示すグラフ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低級アルコール及び水を含む溶媒中に、尿素、抗ヒスタミン剤及び局所麻酔剤を溶解乃至分散させてなる皮膚外用かゆみ止め剤であって、低級アルコール:水(重量比)=1:0.6〜1.3であり、低級アルコールと水の合計量が、該かゆみ止め剤全体を基準として、60〜90w/v %であることを特徴とする皮膚外用かゆみ止め剤。
【請求項2】
尿素を5〜20w/v %、抗ヒスタミン剤を0.5〜5w/v %。局所麻酔剤を0.5〜5w/v %含有する請求項1に記載の皮膚外用かゆみ止め剤。
【請求項3】
下記組成範囲の各成分を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の皮膚外用かゆみ止め剤。
尿素 5〜20w/v%
抗ヒスタミン剤 0.5〜 5w/v%
局所麻酔剤 0.5〜 5w/v%
低級アルコール 30 〜50w/v%
精製水 25〜40w/v%
保湿剤 1〜10w/v%
【請求項4】
抗ヒスタミン剤がジフェンヒドラミン又はその薬理的に許容される塩であり、局所麻酔剤がリドカインであり、低級アルコールがエタノールである請求項1〜3のいずれかに記載の皮膚外用かゆみ止め剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−280511(P2009−280511A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−132410(P2008−132410)
【出願日】平成20年5月20日(2008.5.20)
【出願人】(000149435)株式会社大塚製薬工場 (154)
【Fターム(参考)】