説明

皮膚外用剤

【課題】衣類への汚着を洗濯により効果的に除去可能な皮膚外用剤、特に防臭化粧料を提供することである。
【解決手段】
抗菌性ゼオライトと、不揮発性液状油分を含有する皮膚外用剤において、HLBが6〜8のポリオキシエチレン鎖を有する非イオン界面活性剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は皮膚外用剤に関する。さらに詳しくは、抗菌性ゼオライトを配合した防臭化粧料などに利用される皮膚外用剤であって、優れた消臭効果を有し、抗菌性ゼオライトに起因する衣服の汚着に対する洗浄性を向上させた皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
抗菌性ゼオライトの粉末は消臭剤として主に防臭化粧料等の皮膚外用剤に配合されている。
【0003】
例えば、抗菌性ゼオライトを配合した抗菌性スプレー用組成物(特許文献1参照)や防臭化粧料(特許文献2参照)が開発されている。
さらに、耐変色性を改良した防臭化粧料として、抗菌性ゼオライトにシリコーンを配合した技術が開示されている(特許文献3参照)。
【0004】
防臭化粧料(制汗化粧料、消臭化粧料とも称される)は、不快な体臭の発散や分泌を防止若しくは抑制するため、あるいは発散や分泌成分を消滅させるために用いられる化粧料である。この製品形態として、一般に、化粧水、クリーム、パウダー、スティック或いはエアゾール等として利用されている。
【0005】
特許文献1〜3に開示された防臭化粧料は、抗菌性ゼオライトの殺菌作用を利用した防臭方法である。しかしながら、抗菌性ゼオライトによる防臭化粧料は、塗布後に変色を生じて衣類へ汚着しやすく、洗濯後に衣類に汚れが残るという欠点があった。したがって、変色・汚着防止効果に優れ、かつ使用感にも優れ、良好な防臭効果を有する防臭化粧料の開発が望まれている。
【0006】
これに対して、特許文献4には、本願出願人により、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン2−デシルテトラデシルエーテルを配合することにより、抗菌性ゼオライトが衣服へ付着した場合に生じる汚着の低減を図る技術が開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開昭63−250325号公報
【特許文献2】特開平8−26956号公報
【特許文献3】特開平8−92051号公報
【特許文献4】特開2005−97170号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、不揮発性液状油分が多く配合した系においては、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン2−デシルテトラデシルエーテルを配合する手段によっては、抗菌性ゼオライトに起因する衣服汚着の洗浄性を十分に向上させることは必ずしも出来ない。
そのため、その配合量を増やすことにより汚着の低減を図ることが考えられる。しかし、多量の配合は使用感の点で好ましくない。
【0009】
本発明者らは抗菌性ゼオライトを配合した皮膚外用剤の上記課題について鋭意研究した結果、不揮発性の液状油分が多く配合された皮膚外用剤においても(例えば10質量%以上を配合した皮膚外用剤)、HLBが6〜8のポリオキシエチレン鎖を有する非イオン界面活性剤を配合させることにより、衣服に付着した場合の汚着に対して、洗濯による洗浄効果が向上することを新たに見出し本発明を完成するに至った。
また、本発明の皮膚外用剤にさらに粉末(特に好ましくは比表面積が150m2/g以上の多孔質シリカ)を配合すると、皮膚外用剤の基剤自体(特に油性基剤)の変色をも防止できることも見出した。
【0010】
本発明の目的は、衣服に付着した汚着の洗浄除去効果に優れ、特に防臭化粧料として好適に利用できる皮膚外用剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
すなわち、本発明は、抗菌性ゼオライトと、不揮発性液状油分を含有する皮膚外用剤において、HLBが6〜8のポリオキシエチレン鎖を有する非イオン界面活性剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤を提供するものである。
【0012】
また、本発明は、前記HLBが6〜8のポリオキシエチレン鎖を有する非イオン界面活性剤の配合量が、不揮発性液状油分の全量に対して10質量%以上である上記の皮膚外用剤を提供するものである。
【0013】
さらに、本発明は、さらに比表面積が150m2/g以上の多孔質シリカを含有することを特徴とする上記の皮膚外用剤を提供するものである。
【0014】
また、本発明は、前記不揮発性液状油分が、流動パラフィン、オクタン酸セチル、メチルフェニルポリシロキサン、スクワラン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、リンゴ酸ジイソステアリルからなる群から選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする上記の皮膚外用剤を提供するものである。
【0015】
さらに、本発明は、前記皮膚外用剤は油性基剤に調製されたことを特徴とする上記の皮膚外用剤を提供するものである。
【0016】
また、本発明は、前記皮膚外用剤がスティック状であることを特徴とする上記の皮膚外用剤を提供するものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の皮膚外用剤は、衣服に付着した場合に発生する汚着の洗浄除去効果に優れている。また、皮膚外用剤の基剤自体(特に油性基剤)の変色防止効果に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明について詳述する。
【0019】
<抗菌性ゼオライト>
本発明に用いる抗菌性ゼオライトは、ゼオライトのイオン交換可能な部分に抗菌性金属イオンを保持しているゼオライトの粉末が使用される。すなわち、ゼオライトのイオン交換可能なイオンの一部又は全部が抗菌性金属で置換されたゼオライトの粉末である。本発明においては、抗菌性金属イオンと共にアンモニウムイオンで置換されたゼオライトも好ましい。
【0020】
ゼオライトは天然ゼオライト及び合成ゼオライトのいずれでもよい。ゼオライトは、一般に三次元骨格構造を有するアルミノシリケートであり、一般式としては、XM2/nO・Al23・YSiO2・ZH2Oで表示される。この一般式において、Mはイオン交換可能なイオンを表し、通常は1または2価の金属イオンである。nは(金属)イオンの原子価である。X及びYはそれぞれ金属酸化物、シリカ係数、Zは結晶水の数を表示している。
【0021】
ゼオライトの具体例としては、例えば、A−型ゼオライト、X−型ゼオライト、Y−型ゼオライト、T−型ゼオライト、高シリカゼオライト、ソーダライト、モルデナイト、アナルサイム、クリノプチロライト、チャバサイト、エリオナイト等を挙げることができる。
【0022】
これらのゼオライトのイオン交換容量は、A−型ゼオライト7meq/g、X−型ゼオライト6.4meq/g、Y−型ゼオライト5meq/g、T−型ゼオライト3.4meq/g、ソーダライト11.5meq/g、モルデナイト2.6meq/g、アナルサイム5meq/g、クリノプチロライト2.6meq/g、チャバサイト5meq/g、エリオナイト3.8meq/gである。いずれも抗菌性金属イオンやアンモニウムイオンでイオン交換するに十分な容量を有している。
【0023】
ゼオライト中のイオン交換可能なイオンは、例えば、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、鉄イオン等である。また、これらのイオンに置換される抗菌性金属イオンは、例えば、銀、銅、亜鉛、水銀、錫、鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、又はタリウムのイオンであり、好ましくは銀、銅又は亜鉛のイオン、さらに好ましくは銀イオンである。
【0024】
抗菌性金属イオンは、抗菌性の観点からは、ゼオライト中に0.1〜15質量%含有されていることが好ましい。例えば、銀イオン0.1〜15%及び銅イオン又は亜鉛イオンを0.1〜8質量%含有する抗菌性ゼオライトが好ましい。一方、アンモニウムイオンは、ゼオライト中に20質量%まで含有させることができるが、ゼオライトの変色を有効に防止するという観点から、ゼオライト中に0.5〜5質量%がより好ましく、0.5〜2質量%がさらに好ましい。なお、質量%とは110℃乾燥基準のゼオライト中の質量百分率である。
【0025】
本発明において抗菌性ゼオライトは市販品を使用できる。抗菌性ゼオライトの製造方法としては、例えば、下記の如く調製される。すなわち、予め調製した銀イオン、銅イオン、亜鉛イオン等の抗菌性金属イオンを含有する混合水溶液にゼオライトを接触させて、ゼオライト中のイオン交換可能なイオンと上記イオンとを置換させる。接触は、10〜70℃、好ましくは40〜60℃で3〜24時間、好ましくは10〜24時間バッチ式又は連続式(例えば、カラム法)によって行うことができる。なお、上記混合水溶液のpHは3〜10好ましくは5〜7に調整することが適当である。該調整により、銀の酸化物等のゼオライト表面又は細孔内への析出を防止できるので好ましい。また、混合水溶液中の各イオンは、通常いずれも塩として供給される。例えば、銀イオンは、硝酸銀、硫酸銀、過塩素酸銀、酢酸銀、ジアンミン銀硝酸塩、ジアンミン銀硫酸塩等であり、銅イオンは、硝酸銅(II)、過塩素酸銅、酢酸銅、テトラシアノ銅酸カリウム、硫酸銅等であり、亜鉛イオンは硝酸亜鉛(II)、硫酸亜鉛、過塩素酸亜鉛、チオシアン酸亜鉛、酢酸亜鉛等であり、水銀イオンは、過塩素酸水銀、硝酸水銀、酢酸水銀であり、錫イオンは、硫酸錫等、鉛イオンは硫酸鉛、硝酸鉛等であり、ビスマスイオンは、塩化ビスマス、ヨウ化ビスマス等であり、カドミウムイオンは、過塩素酸カドミウム、硫酸カドミウム、硝酸カドミウム、酢酸カドミウムであり、クロムイオンは、過塩素酸クロム、硫酸クロム、硫酸アンモニウムクロム、硝酸クロム等であり、タリウムイオンは、過塩素酸タリウム、硫酸タリウム、硝酸タリウム、酢酸タリウム等を用いることができる。
【0026】
ゼオライト中の抗菌性金属イオンの含有量は、前記混合水溶液中の各イオン(塩)濃度を調整することによって、適宜制御することができる。例えば、抗菌性ゼオライトが銀イオンを含有する場合、前記混合水溶液中の銀イオン濃度を0.002M/l〜0.15M/lとすることによって、適宜、銀イオン含有量0.1〜5%の抗菌性ゼオライトを得ることができる。また、抗菌性ゼオライトがさらに銅イオン、亜鉛イオンを含有する場合、前記混合水溶液中の銅イオン濃度は0.1M/l〜0.85M/l、亜鉛イオン濃度は0.15M/l〜1.2M/lとすることによって、適宜、銅イオン含有量0.1〜8%、亜鉛イオン含有量0.1〜8%の抗菌性ゼオライトを得ることができる。抗菌性ゼオライトは、上記の混合水溶液以外に、各イオンを単独で含有する水溶液を用い、各水溶液とゼオライトとを逐次接触させることによって、イオン交換することもできる。各水溶液中の各イオンの濃度は、前記混合水溶液中の各イオン濃度に準じて定めることができる。
【0027】
イオン交換が終了したゼオライトは、十分に洗浄した後乾燥する。乾燥は105℃〜115℃又は減圧(1〜30Torr)下において70〜90℃で行うことが好ましい。
【0028】
なお、錫、ビスマス等適当な水溶性塩類のないイオンや有機イオンのイオン交換は、アルコールやアセトン等の有機溶媒溶液を用いて難溶性の塩基性塩が析出しないように反応させることができる。
【0029】
抗菌性ゼオライトの皮膚外用剤への配合量は特に限定されない。皮膚外用剤の製品形態によって適宜決定される。通常、皮膚外用剤全量に対して0.1〜90質量%、好ましくは1〜70質量%、さらに好ましくは5〜70質量%である。防臭化粧料全量に対しても同様に配合される。防臭化粧料がスティック状化粧料である場合には5〜20質量%が特に好ましい。
【0030】
なお、抗菌性ゼオライトの平均粒径は10μm以下であることが好ましい。さらに好ましくは0.1〜5μmである。また、平均粒径がこの範囲である場合に、その粒度分布において粒径が15μmを超えるものが20%以下であることが好ましい。
【0031】
<不揮発性液状油分>
本発明に用いる不揮発性液状油分は特に限定されない。例えば、アマニ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、オリーブ油、アボガド油、アボガド油、サザンカ油、ヒマシ油、サフラワー油、キョウニン油、シナモン油、ホホバ油、ブドウ油、アルモンド油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマワリ油、小麦胚芽油、米胚芽油、米ヌカ油、綿実油、大豆油、落花生油、茶実油、月見草油、卵黄油、肝油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル等の液状油脂;オクタン酸セチル等のオクタン酸エステル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット等のイソオクタン酸エステル、ラウリン酸ヘキシル等のラウリン酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル等のミリスチン酸エステル、パルミチン酸オクチル等のパルミチン酸エステル、ステアリン酸イソセチル等のステアリン酸エステル、イソステアリン酸イソプロピル等のイソステアリン酸エステル、イソパルミチン酸オクチル等のイソパルミチン酸エステル、オレイン酸イソデシル等のオレイン酸エステル、アジピン酸ジイソプロピル等のアジピン酸ジエステル、セバシン酸ジエチル等のセバシン酸ジエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等のリンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油;流動パラフィン、スクワラン等の液状炭化水素油;等を例示できる。
さらに、シリコーン油として、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アンモニウム塩変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等の液状油を用いることも可能である。
特に本発明の皮膚外用剤が防臭化粧料の場合には、使用性の観点から、流動パラフィン、オクタン酸セチル、メチルフェニルポリシロキサン、スクワラン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、リンゴ酸ジイソステアリルの不揮発性液状油分が好適に配合される。
【0032】
不揮発性液状油の配合量は特に限定されないが、塗布後の皮膚上での粉末の白さを軽減させたり、皮膚への密着感や、スティック状であれば、塗布時の塗布しやすさ(すべりなど)といった使用性を向上させる目的で、皮膚外用剤全量に対して5質量%以上配合することが好ましい。また、スティック状であれば、液状成分を固化させる固形油分を安定に配合するために10質量%以上が好ましい。
なお配合量の上限は限定されないが、せいぜい皮膚外用剤全量に対して90質量%である。
本発明の意義は、不揮発性の液状油分が多く配合された皮膚外用剤においても(例えば10質量%以上を配合した皮膚外用剤)、HLBが6〜8のポリオキシエチレン鎖を有する非イオン界面活性剤を配合させることにより、衣服に付着した場合の汚着に対して、洗濯による洗浄効果が向上することである。したがって、本発明は、不揮発性液状油の配合量が皮膚外用剤全量に対して10〜50質量%である皮膚外用剤が好ましい。
【0033】
本発明の皮膚外用剤は不揮発性液状油分を含有するものである。従来技術のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン2−デシルテトラデシルエーテルを配合する手段では、抗菌性ゼオライトに起因する衣服汚着の洗浄性を十分に向上させることは出来ない。一方、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン2−デシルテトラデシルエーテルの配合量を増やすことにより汚着の低減を図ることが考えられるが、使用感の点で好ましくない。
本発明は、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン2−デシルテトラデシルエーテルを配合するのではなく、HLBが6〜8のポリオキシエチレン鎖を有する非イオン界面活性剤を含有させることにより、洗濯の洗浄効果を向上させるものである。
【0034】
<HLBが6〜8のポリオキシエチレン鎖を有する非イオン界面活性剤>
本発明の本質は、ポリオキシエチレン鎖を有する非イオン界面活性剤を配合する点である。しかも、ポリオキシエチレン鎖を有する非イオン界面活性剤のHLBが6〜8であることが必要である。
本発明の皮膚外用剤には、このような非イオン界面活性剤として、POEグリセリン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、POEトリメチロールプロパン脂肪酸エステルが好適に配合される。
ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えばジイソステアリン酸PEG−8(日本エマルジョン株式会社 EMALEX400di−IS)、ジイソステアリン酸PEG−12(日本エマルジョン株式会社 EMALEX600di−IS))が特に好ましい。
また、自己乳化性のあるPOEグリセリン脂肪酸エステル(例えばジイソステアリン酸PEG(EMALEX GWIS320))も好ましく使用される。
【0035】
ポリオキシエチレン鎖を有する非イオン界面活性剤の配合量は、洗濯の洗浄効果を十分に得るために不揮発性液状油分全量に対して10質量%以上が好ましい。
【0036】
<粉末:比表面積が150m2/g以上の多孔質シリカ>
本発明においては、さらに粉末を配合することにより、皮膚外用剤の基剤自体(特に油性基剤)の変色を防止できる。本発明に用いる粉末は、比表面積が150m2/g以上の多孔質シリカが好ましい。比表面積が300m2/g以上のものがさらに好ましい。
比表面積は77Kにおける粉末への窒素吸着量を測定して、BET法で解析して比表面積を算出する。測定機器としてBeckmann Coluter社製 OMNISORPを用いる。
【0037】
上記多孔質シリカ等の粉末の配合量は特に限定されない。皮膚外用剤の製品形態によって適宜決定される。通常、皮膚外用剤全量に対して0.1〜90質量%、好ましくは1〜50質量%、さらに好ましくは3〜10質量%である。防臭化粧料全量に対しても同様に配合される。防臭化粧料がスティック状化粧料である場合には、3〜10質量%が特に好ましい。
【0038】
本発明の皮膚外用剤の用途は限定されないが、防臭化粧料として好適に利用される。防臭化粧料には上記した必須構成成分の他に通常化粧料に用いられる他の成分、例えば、下記に例示する成分の一種又は二種以上を必要に応じて適宜配合し、目的とする剤形に応じて常法により製造することが出来る。
【0039】
固形・半固形の油脂、ロウ、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、シリコーンワックスを配合できる。
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ核油、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0040】
ロウとしては、例えば、キャンデリラロウ、コメヌカロウ、ミツロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ラノリン、セラックロウ、等が挙げられる。
【0041】
炭化水素油としては、例えば、オゾケライト、セレシン、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィン、ワセリン等が挙げられる。
【0042】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸等が挙げられる。
【0043】
高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等);分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、)等が挙げられる。
【0044】
固形・半固形のエステル油としては、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、パルミチン酸デキストリン、ステアリン酸イヌリン、水素添加ホホバ油等が挙げられる。
【0045】
シリコーンワックスとしては、高重合ジメチルポリシロキサン、高重合メチルフェニルシロキサン、高重合メチルビニルポリシロキサン等の高重合メチルポリシロキサン、高重合アミノ変性メチルポリシロキサン、アルキル変性シリコーン(例えば、ステアリルジメチコン、アルキル(C30−C45)メチコン等)、ポリアミド変性シリコーン、長鎖アルコキシ変性シラン(ステアロキシトリメチルシラン等)
【0046】
揮発性液状油分としては、環状ジメチルシリコーン(オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン)、デカメチルテトラシロキサン、オクタメチルテトラシロキサン等が挙げられる。
【0047】
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル-12-ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl-ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0048】
天然の水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子{例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸};微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等);その他(例えば、魚由来コラーゲン、魚由来ゼラチン、コムギタンパク、シルクタンパク等)等が挙げられる。
【0049】
半合成の水溶性高分子としては、例えば、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等);セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等);アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)等が挙げられる。
【0050】
合成の水溶性高分子としては、例えば、ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等);ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体等);アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等);ポリエチレンイミン;カチオンポリマー等が挙げられる。
【0051】
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアーガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸AlMg(ビーガム)、ラポナイト、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0052】
紫外線吸収剤としては下記化合物が挙げられる。
(1)安息香酸系紫外線吸収剤
例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N-ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAブチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステルなど。
(2)アントラニル酸系紫外線吸収剤
例えば、ホモメンチル-N-アセチルアントラニレートなど。
(3)サリチル酸系紫外線吸収剤
例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレートなど。
(4)ケイ皮酸系紫外線吸収剤
例えば、オクチルシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、メチル-2,5-ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メトキシシンナメート、イソプロピル-p-メトキシシンナメート、イソアミル-p-メトキシシンナメート、オクチル-p-メトキシシンナメート(2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート)、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート、シクロヘキシル-p-メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2-エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ-2-エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメートなど。
(5)トリアジン系紫外線吸収剤
例えば、ビスレゾルシニルトリアジン。
さらに具体的には、ビス{〔4−(2−エチルヘキシロキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス{4−(2−エチルヘキシロキシカルボニル)アニリノ}1,3,5−トリアジン。
2,4−ビス−{〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−2ヒドロキシ〕−フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン。
(6)その他の紫外線吸収剤
例えば、3-(4'-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー、2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール、2,2'-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4-メトキシ-4'-t-ブチルジベンゾイルメタン、5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オンなど。ジモルホリノピリダジノンなどのピリダジン誘導体。オクトクリレン。
【0053】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸等が挙げられる。
【0054】
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t-ブチルアルコール等が挙げられる。
【0055】
多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6-ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2-メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キミルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等);グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE-テトラハイドロフルフリルアルコール;POP-ブチルエーテル;POP・POE-ブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテルリン酸;POP・POE-ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0056】
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D-グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等);四炭糖(例えば、D-エリトロース、D-エリトルロース、D-トレオース、エリスリトール等);五炭糖(例えば、L-アラビノース、D-キシロース、L-リキソース、D-アラビノース、D-リボース、D-リブロース、D-キシルロース、L-キシルロース等);六炭糖(例えば、D-グルコース、D-タロース、D-ブシコース、D-ガラクトース、D-フルクトース、L-ガラクトース、L-マンノース、D-タガトース等);七炭糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプロース等);八炭糖(例えば、オクツロース等);デオキシ糖(例えば、2-デオキシ-D-リボース、6-デオキシ-L-ガラクトース、6-デオキシ-L-マンノース等);アミノ糖(例えば、D-グルコサミン、D-ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等);ウロン酸(例えば、D-グルクロン酸、D-マンヌロン酸、L-グルロン酸、D-ガラクツロン酸、L-イズロン酸等)等が挙げられる。
【0057】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α−トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。
【0058】
多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、コンドロイチン硫酸、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビンガム、サクシノグルカン、カロニン酸等が挙げられる。
【0059】
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルグルタミン酸塩、アシルβ−アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0060】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル−1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール等が挙げられる。
【0061】
高分子エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス等が挙げられる。
【0062】
pH調製剤としては、例えば、乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム、コハク酸−コハク酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
【0063】
ビタミンとしては、例えば、ビタミンA、B1、B2、B6、C、Eおよびその誘導体、パントテン酸およびその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
【0064】
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
【0065】
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミンテトラキス(2−ヒドロキシイソプロピル)ジオレイン酸塩、エチレンジアミンテトラポリオキシプロピレン、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸ナトリウム(二水塩)、エチレンジアミン四酢酸カルシウムナトリウム、エデト酸、エデト酸三ナトリウム、エデト酸二カリウム二水塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、エデト酸四ナトリウム二水塩、エデト酸四ナトリウム四水塩等が挙げられる。
【0066】
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、フェノキシエタノール等);消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);美白剤(例えば、ユキノシタ抽出物、アルブチン、トラネキサム酸、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩、L−アスコルビン酸グルコシド、4−メトキシサリチル酸カリウム等);各種抽出物(例えば、緑茶、ウーロン茶、紅茶、プアール茶、クワ、クララ、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤(例えば、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等);抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等);抗炎症剤(例えば、チオタウリン、ヒポタウリン等);殺菌剤(例えば、安息香酸及びその塩類、イソプロピルメチルフェノール、ウンデシレン酸及びその塩類、ウンデシレン酸モノエタノールアミド、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンザトニウム、塩化アルキルジアミノエチルグリシン、塩化クロルヘキシジン、オルトフェニルフェノール、グルコン酸クロルヘキシジン、クレゾール、クロラミンT、クロルキシレノール、クロルクレゾール、クロルフェネシン、クロロブタノール、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、サリチル酸及びその塩類、1,3−ジメチロール−5,5−ジメチルヒダントイン、臭化アルキルイソキノリニウム、臭化ドミフェン、ソルビン酸及びその塩類、チモール、チラム、デヒドロ酢酸及びその塩類、トリクロサン、トリクロロカルバニリド、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルフェノール、ハロカルバン、ピロガロール、フェノール、ヘキサクロロフェン、2−メチルー4−イソチアゾリンー3−オン、NN"−メチレンビス(N'−(3−ヒドロキシメチルー2.5−ジオキソ−4−イミダゾリジニルウレア、ラウロイルサルコシンナトリウム、レゾルシン、ヒノキチオール等)等が挙げられる。
粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等);有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等);無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等);無機褐色系顔料(例えば、γ−酸化鉄等);無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等);無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等);無機紫色系顔料(例えば、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β−カロチン等)等が挙げられる。
【0067】
本発明が防臭化粧料の場合において、その製品形態は特に限定されない。例えば、スプレータイプ、ロールオンタイプ、パウダータイプ及びプレストパウダー(成型粉末)タイプ、スティックタイプ等が挙げられる。スプレータイプの場合には、エアゾール缶やディスペンサー等のスプレー容器に、液化ガス等の噴射剤やアルコールとともに常法により充填して製造される。ロールオンタイプの場合には、ロールオン容器にアルコールとともに常法により充填して製造される。パウダータイプとプレストパウダータイプの場合は、粉末成分、油分とともに混合し、パウダータイプの場合はそのまま、プレストパウダータイプの場合は各種成型機により成型して常法により製造される。スティックタイプの場合は油分(固型油分、液体油分)とともに混合し、常法により容器に充填して成型して製造される。本発明に好ましい製品は、ワックスやゲル化剤を配合した油性基剤として調製された製品であって、特にスティック状デオドランド製品である。
油性基剤の製品とは皮膚外用剤全量に対して水が実質的に配合されていない製品を言う。油性基剤の製品は特に衣服に付着した場合の汚着を除去しにくいため、本発明の効果が好ましく発揮される。
【実施例】
【0068】
次に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。本発明はこれによって限定されるものではない。配合量は特に断りのない限り全量に対する質量%である。
市販の原料を用いて常法により皮膚外用剤を製造し、本発明の効果を確認した。
【0069】
<洗浄除去効果>
1:表1に示す処方で、各種粉末を配合した固体状の制汗スティック製剤(油性基剤)を調製する。
2:これを、白色綿布(JIS規格染色堅ろう度試験用添付白布)に一定量(0.06g/cm2)塗布する。
3:2の布に人工汗(水to100wt%、塩化ナトリウム0.8wt%、酢酸0.5wt%、リン酸2ナトリウム12水塩0.8wt%)を0.012g/cm2滴下する。
4:3の布を日光に暴露(10分)した後、通常の衣類用洗剤を使用して洗濯機により洗濯する。
5:3の布の汚着(変色)の度合いを、目視により評価する。
<評価基準>
上記の日光暴露後の汚着(変色)と比較して下記のように評価した。
◎:汚着(変色)していないと認められた場合、
○:ほとんど汚着(変色)していないと認められた場合
△:汚着(変色)が認められる場合
×:明確に汚着(変色)が認められる場合
【0070】
【表1】

















【0071】
【表2】

【0072】
【表3】

不揮発性液状油分は、メチルフェニルポリシロキサン、流動パラフィンである。
非イオン界面活性剤は、セスキイソステアリン酸ソルビタン、ジイソステアリン酸PEG-4〜12、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリルである。このうち、ポリオキシエチレン鎖を有するものは、ジイソステアリン酸PEG-4〜12、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル、ポリオキシエチレン(13)ポリオキシプロピレン(24)2−デシルテトラデシル、エーテル、イソステアリン酸PEG(5〜3)、ポリオキシエチレン(5)オレイルエーテルである。
「使用した市販原料等」
抗菌性ゼオライト:銀イオン、亜鉛イオン、アンモニウムイオン担持ゼオライト(シナネンゼオミック株式会社製 ゼオミックAJ10N、平均粒径約1.5μm)
酸化亜鉛:堺化学工業株式会社製 微細酸化亜鉛
ミョウバン:大明化学工業株式会社製 タイエースK20
比表面積が150m2/g以上の多孔質シリカ:旭硝子株式会社製 サンスフェアL−51
揮発性環状ジメチルシリコーン:信越化学工業株式会社製 KF−995
メチルフェニルポリシロキサン:信越化学工業株式会社製 KF56
ポリエチレンワックス:New Phase Technologies社製 PERFORMALENE PL POLYETHYLENE
パラフィンワックス:日興リカ株式会社 精製パラフィンワックス
ジイソステアリン酸PEG−4:日本エマルジョン株式会社 EMALEX 200di−IS
ジイソステアリン酸PEG−6:日本エマルジョン株式会社 EMALEX 300di−IS
ジイソステアリン酸PEG−8:日本エマルジョン株式会社 EMALEX 400di−IS
ジイソステアリン酸PEG−12:日本エマルジョン株式会社 EMALEX 600di−IS
セスキイソステアリン酸ソルビタン:日清オイリオグループ株式会社 コスモール182V
トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル:日本エマルジョン株式会社 EMALEX GWIS−320
イソステアリン酸PEG-3グリセリル:日本エマルジョン株式会社 EMALEX GWIS−103
イソステアリン酸PEG-6グリセリル:日本エマルジョン株式会社 EMALEX GWIS−106
ポリオキシエチレン(5)オレイルエーテル:日本エマルジョン株式会社 EMALEX505(H)
【0073】
以上の結果より、特定の非イオン界面活性剤を配合した実施例は、洗濯による汚着の洗浄除去効果が認められる。比較例では十分な洗浄除去効果が認められない。
また、いずれの実施例においても、非イオン界面活性剤の配合による使用感は悪化せず優れている。
なお、実施例4〜8においてでは、抗菌性ゼオライトの配合量が10質量%の場合は、特定の非イオン界面活性剤が、不揮発性液状油分の配合量が10質量%以上の場合に、より一層本発明による洗浄性の効果が発揮されることを示している。
【0074】
以下に本発明の皮膚外用剤である防臭化粧料(制汗化粧料)を挙げる。いずれの化粧料も衣類に付着した場合に汚着の洗浄除去効果に優れ、また使用感にも優れる。














【0075】
デオドラントスティック
【表4】

常法により上記油分、界面活性剤を加熱混合した後、粉末を加えてホモミキサーにて十分に分散する。これをスティック容器に充填し冷却してデオドラントスティックを得る。
【0076】
多層タイプデオドラントローション
【表5】

常法により上記成分をホモミキサーで混合して得る
【0077】
デオドラントスプレー
【表6】

常法により粉末部をニーダーにて混合し、油分をブレンダーで混合する。各々を順次スプレー缶に充填し、さらに噴射剤を缶に充填し、パウダースプレーを得る。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明の皮膚外用剤は、衣類への汚着を洗濯により効果的に除去可能であり、消臭効果に優れたものである。したがって、特に防臭化粧料として好適に利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗菌性ゼオライトと、不揮発性液状油分を含有する皮膚外用剤において、HLBが6〜8のポリオキシエチレン鎖を有する非イオン界面活性剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
【請求項2】
前記HLBが6〜8のポリオキシエチレン鎖を有する非イオン界面活性剤の配合量が、不揮発性液状油分の全量に対して10質量%以上である請求項1記載の皮膚外用剤。
【請求項3】
さらに比表面積が150m2/g以上の多孔質シリカを含有することを特徴とする請求項1又は2記載の皮膚外用剤。
【請求項4】
前記不揮発性液状油分が、流動パラフィン、オクタン酸セチル、メチルフェニルポリシロキサン、スクワラン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、リンゴ酸ジイソステアリルからなる群から選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
【請求項5】
前記皮膚外用剤は油性基剤に調製されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
【請求項6】
前記皮膚外用剤がスティック状であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。

【公開番号】特開2009−46426(P2009−46426A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−213875(P2007−213875)
【出願日】平成19年8月20日(2007.8.20)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】