説明

皮膚外用剤

【課題】特定のアミノ酸又はその塩酸塩を一定量配合しても当該アミノ酸又はその塩酸塩による変臭を抑制出来る皮膚外用剤を提供すること。
【解決手段】(A)L−リジン塩酸塩、L−アルギニン塩酸塩及びL−プロリンからなる群から選択される1種又は2種以上のアミノ酸又はその塩酸塩を0.01〜5質量%と、
(B)ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸カリウム及び亜硫酸カルシウムからなる群から選択される1種又は2種以上の亜硫酸塩又は亜硫酸水素塩を0.001〜0.1質量%と、
(C)水溶性増粘剤を0.01〜1質量%含有し、
(D)そのpHが3.0〜6.5であることを特徴とする皮膚外用剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は皮膚外用剤に関するものである。さらに詳しくは特定のアミノ酸又はその塩酸塩を一定量配合しても当該アミノ酸又はその塩酸塩による変臭を防止出来る皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
アミノ酸又はその塩はその保湿作用等を利用するために皮膚外用剤に配合されている。しかしながら、皮膚外用剤にアミノ酸又はその塩を配合する際にはしばしばアミノ酸又はその塩に由来する変臭が問題となっていた。
【0003】
例えば、特許文献1には、含水化粧料の変臭・変色防止方法が開示されており、N−アシルアミノ酸及びその塩により生じる変臭を亜硫酸塩及びチオ亜硫酸塩とキレート剤により防止している。
しかしながら、亜硫酸塩及びチオ亜硫酸塩とキレート剤によっては、特定のアミノ酸又はその塩酸塩によって生じる変臭を必ずしも完全に抑えることは出来ない。
【0004】
特許文献2には、アミノ酸又はその塩を配合してなる皮膚外用剤において、アミノ酸又はその塩から生じる変臭や変色を抑制する方法が開示されており、当該変臭をキレート剤とピロリドキシルセリンとの併用により抑制している。
しかしながら、キレート剤とピロリドキシルセリンとの併用によっては、特定のアミノ酸又はその塩酸塩によって生じる変臭を必ずしも完全に抑えることは出来ない。
【0005】
特許文献3には、含水化粧料の変臭・変色防止方法が開示されており、アミノ酸及びその塩の変臭をある種の特定含窒素化合物により防止している。
しかしながら、当該特定含窒素化合物によっては、特定のアミノ酸又はその塩酸塩によって生じる変臭を必ずしも完全に抑えることは出来ない。
【0006】
特許文献4は本願出願人により特許出願された発明であり、海洋性コラーゲンを含有する化粧料において、海洋性コラーゲン由来の変臭を亜硫酸塩と特定のpH(6.9〜10)により防止した化粧料が開示されている。
しかしながら、特定のアミノ酸又はその塩酸塩によって生じる変臭は、亜硫酸塩と6.9〜10の特定のpH値では必ずしも完全に防止することは出来ない。なお、特許文献4の必須要件である6.9〜10なるpH値は本願発明の必須要件である特定のpH値とは異なる範囲である。
【0007】
特許文献5には、塩基性アミノ酸により塩を形成したアニオン界面活性剤を含有する洗浄剤組成物において、特定量の水溶性還元剤及び/又はキレート剤により塩基性アミノ酸に由来する変臭を防止する洗浄剤組成物が開示されている。
しかしながら、特許文献5は塩基性アミノ酸に由来する変臭を防止する洗浄剤組成物の発明である。また、特定のアミノ酸又はその塩酸塩によって生じる皮膚外用剤の変臭は、特定量の水溶性還元剤及び/又はキレート剤によっては必ずしも完全に防止することは出来ない。
【0008】
一方、一般に化粧料の変臭を防止するには、基剤のpHを調整したり、香料を用いて変臭をマスキングしたりする方法も知られている。
しかしながら、基剤のpHを調整する方法では、変臭を低減出来る場合もあるが、必ずしも完全に防止することは出来ない。
また、香料を用いて変臭をマスキングする方法は、変臭を抑えるだけの根本的な解決にはなっておらず、さらには製品の香調が制限されてしまうという欠点が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平8−231335号公報
【特許文献2】特開2005−255634号公報
【特許文献3】特開平9−136810号公報
【特許文献4】特開2008−063248号公報
【特許文献5】特開平5−255693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明者等は上述の事情に鑑み鋭意研究した結果、アミノ酸又はアミノ酸塩の全てが特定条件下に変臭するとは限らず、ある種の特定のアミノ酸又はアミノ酸塩が変臭することを新規に見出し、そして変臭を来す特定アミノ酸又はアミノ酸塩に、特定の亜硫酸塩と特定の水溶性増粘剤とを組み合わせて皮膚外用剤に配合し、さらに皮膚外用剤のpHを特定範囲に調整すると、実に驚くべきことに変臭が抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
本発明の目的は、特定のアミノ酸又はアミノ酸塩酸塩を配合する皮膚外用剤において、当該アミノ酸またはアミノ酸塩酸塩に由来する変臭を、特定の亜硫酸塩及び水溶性増粘剤を併用し、さらに皮膚外用剤のpHを特定範囲に調整することによって防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
すなわち、本発明は、(A)L−リジン塩酸塩、L−アルギニン塩酸塩及びL−プロリンからなる群から選択される1種又は2種以上のアミノ酸又はその塩酸塩を0.01〜5質量%と、
(B)ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸カリウム及び亜硫酸カルシウムからなる群から選択される1種又は2種以上の亜硫酸塩又は亜硫酸水素塩を0.001〜0.1質量%と、
(C)水溶性増粘剤を0.01〜1質量%含有し、
(D)そのpHが3.0〜6.5であることを特徴とする皮膚外用剤を提供するものである。
【0013】
また、本発明は、前記アミノ酸又はその塩酸塩がL−リジン塩酸塩であることを特徴とする上記の皮膚外用剤を提供するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、特定のアミノ酸又はその塩酸塩を配合する皮膚外用剤において、当該アミノ酸又はその塩酸塩の由来する変臭を効果的に防止することが出来る。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<(A)特定のアミノ酸又はその塩酸塩>
本発明に用いるアミノ酸又はその塩酸塩は、(A)L−リジン塩酸塩、L−アルギニン塩酸塩及びL−プロリンからなる群から選択される1種又は2種以上である。
一般に従来技術の特許文献等では、アミノ酸又はその塩全てが皮膚外用剤中で問題を生じる変臭を引き起こすと想定されているが、必ずしもそうではないことが本発明者等によって確認された。本発明に用いるL−リジン塩酸塩、L−アルギニン塩酸塩及びL−プロリンは、皮膚外用剤に配合可能なアミノ酸又はその塩酸塩の中から、特定条件下で(水溶液中に60℃で2週間放置)その変臭が大きいことが本発明者等によって新規に見出されたのである。
本発明においては、変臭防止効果の点から特にL−リジン塩酸塩を用いることが好ましい。
【0016】
上記のアミノ酸又はその塩酸塩の配合量は、皮膚外用剤全量に対して、0.01〜5質量%であり、好ましくは0.1〜0.5質量%である。アミノ酸又はその塩酸塩の配合量が0.01〜5質量%の範囲の場合に変臭が大きくなる。5質量%を超えると変臭を防止することが困難になる。
【0017】
<(B)特定の亜硫酸塩又は亜硫酸水素塩>
本発明に用いる亜硫酸塩又は亜硫酸水素塩は、ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸カリウム及び亜硫酸カルシウムからなる群から選択される1種又は2種以上である。これらの物質は一般に化粧料に安定化合物剤、抗酸化剤として配合される物質である。本発明においてはこれらの物質を配合することにより変臭を防止出来る。
特にピロ亜硫酸ナトリウムが好ましい。
【0018】
上記の亜硫酸塩又は亜硫酸水素塩の配合量は、皮膚外用剤全量に対して、0.001〜0.1質量%であり、好ましくは0.001〜0.01質量%である。これらの範囲外になると、変臭の防止が困難になる。
【0019】
<(C)水溶性増粘剤>
本発明に用いる水溶性増粘剤は特に限定されないが、例えば、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアーガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、サクシノグルカン、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸AlMg(ビーガム)、ラポナイト等が挙げられる。中でもヒドロキシエチルセルロース、サクシノグルカン、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマーが好ましく用いられ、特にヒドロキシエチルセルロースが好ましい。
本発明においてはこれらの水溶性増粘剤を配合することにより変臭を防止できる。
【0020】
上記の水溶性増粘剤の配合量は、皮膚外用剤全量に対して、0.01〜1質量%であり、好ましくは0.1〜0.5質量%である。0.01質量%未満になると、変臭の防止が困難になり、1質量%を超えるとべたつきが生じ使用性に影響を及ぼす。
【0021】
<(D)皮膚外用剤のpHが3.0〜6.5であること>
本発明において変臭を防止するためには、皮膚外用剤のpHが3.0〜6.5に調整されなければならない。好ましくは、皮膚外用剤のpHが4.0〜6.0に調整される。6.5を超えると、変臭の防止抑制が困難になり、3.0未満になると肌への刺激が強くなり商品として成り立たない。
pHの調整方法は常法に従って調整され特に限定されないが、具体的には、例えば、クエン酸およびクエン酸ナトリウムの緩衝作用により、目的とするpHに調整される。
なお、3.0、6.5なるpH値は、pHメータで小数点2ケタ目を四捨五入した値である。
【0022】
本発明の皮膚外用剤には上記した必須構成成分の他に通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる他の成分、例えば、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油、シリコーン油、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、水等を必要に応じて適宜配合し、目的とする剤型に応じて常法により製造することが出来る。
【0023】
本発明の皮膚外用剤の剤型は任意であり、溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、水−油二層系、水−油−粉末三層系等、どのような剤型でも構わない。また、本発明の皮膚外用剤の製品形態も任意であり、化粧水、乳液、クリーム、パック等のフェーシャル化粧料やファンデーション、口紅、アイシャドー等のメーキャップ化粧料やボディー化粧料、軟膏等に用いることが出来る。
特に好ましい製品はフェーシャル化粧料である。
【実施例】
【0024】
以下実施例によって本発明をさらに具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例における配合量は特に断りのない限り質量%で示す。
【0025】
<変臭の大きいアミノ酸又はその塩の選択試験>
表1及び表2に示すアミノ酸又はその塩について加速条件下で変臭が生じるものを確認した。50mlのサンプル管に各表に示す水溶液を充填し、60℃の恒温槽に2週間放置し、変臭の有無を官能試験(試験者3名)で確認し、その結果を各表に示した。判定基準を以下に示す。
【0026】
「判定基準」
変臭なし:○
やや変臭あり:△
変臭あり:×



















【0027】
【表1】

【0028】
【表2】

【0029】
上記の結果から、変臭が生じるアミノ酸又はその塩として、L−リジン塩酸塩、L−アルギニン塩酸塩及びL−プロリンが選択された。一般に従来技術の特許文献等では、アミノ酸又はその塩全てが皮膚外用剤中で問題を生じる変臭を引き起こすと想定されているが、必ずしもそうではないことが本発明者等によって確認された。
したがって、本発明の皮膚外用剤においては、変臭防止の対象となるアミノ酸又はその塩として、一定量のL−リジン塩酸塩、L−アルギニン塩酸塩及びL−プロリンが必須成分として配合される。
【0030】
次に、表3に示す処方例(化粧水)で上記試験例1〜13と同様の方法で変臭を確認した。その結果、(A)成分のL−リジン塩酸塩(試験例14)、L−プロリン(試験例15)、L−アルギニン塩酸塩(試験例16)を配合した化粧水では、(B)成分及び(C)成分が配合されておらず、また(D)のpHも3.0〜6.5の範囲外であるので、変臭が生じた。また、試験例14〜16では、たとえエデト酸塩等のキレート剤を配合しても変臭が生じることが分かった。
一方、試験例17及び18では、アミノ酸として、L−グルタミン(試験例17)、L−セリン(試験例18)を配合した化粧水では、(B)成分及び(C)成分が配合されておらず、また(D)のpHも3.0〜6.5の範囲外であっても変臭は生じないことが確認された。
【0031】
【表3】












【0032】
【表4】

【0033】
実施例1〜5の結果から、本発明の皮膚外用剤は(A)成分のL−リジン塩酸塩由来の変臭を、(B)成分と(C)成分とを併用し、さらに(D)皮膚外用剤のpHを3.0〜6.5に調整することによって、効果的に防止していることが分かる。
なお、実施例4は、EDTA・3Na.2H2O等のキレート剤を使用しなくても、(B)成分と(C)成分とを併用し(D)皮膚外用剤のpHを3.0〜6.5に調整しさえすれば、変臭を防止できることを示す実施例である。
一方、比較例1ではL−リジン塩酸塩の配合量とpHの値が本発明の範囲にない。L−リジン塩酸塩の配合量が少量ではあるが、変臭は発生する。
比較例2ではpHの値が本発明の範囲になく、変臭を防止出来ない。
比較例3では(B)成分のピロ亜硫酸ナトリウムが配合されておらず、変臭を防止出来ない。
比較例4では(C)成分の水溶性増粘剤のヒドロキシエチルセルロースが配合されておらず、変臭を防止出来ない。
比較例5は、ピロ亜硫酸ナトリウム(一般に安定化剤、抗酸化剤として化粧料に使用される物質である)が配合されておらず、その代わりに、抗酸化剤として酢酸トコフェノールが配合されている場合であっても、変臭を防止出来ないことを示す比較例である。
【0034】
以下に本発明の皮膚外用剤の処方例を挙げる。いずれの処方例も変臭が防止されている皮膚外用剤である。
【0035】
〔実施例6:化粧水〕
配合成分 質量%
(1)精製水 残余
(2)グリセリン 3
(3)ブチレングリコール 5
(4)エチルアルコール 5
(5)エデト酸塩 0.05
(6)L−リジン塩酸塩(A成分) 0.3
(7)L−アルギニン 0.5
(8)クエン酸 0.09
(9)クエン酸ナトリウム 0.01
(10)PPG−13デシルテトラデセス−24 0.5
(11)香料 適量
(12)ピロ亜硫酸ナトリウム(B成分) 0.005
(13)トラネキサム酸 1
(14)ヒドロキシエチルセルロース(C成分) 0.01
(15)ヒアルロン酸 0.05
製造方法:(14)、(15)、(10)、(11)を(4)に溶解後、(2)、(3)、(5)〜(9)、(12)、(13)とともに(1)に添加、撹拌混合して化粧水を得る。なお、得られる化粧水のpHは5.8である。
【0036】
〔実施例6:乳液〕
配合成分 質量%
(1)精製水 残余
(2)エチルアルコール 3
(3)グリセリン 5
(4)ブチレングリコール 5
(5)ジプロピレングリコール 5
(6)サクシノグルカン(C成分) 0.1
(7)アルキル変性カルボキシビニルポリマー(C成分) 0.2
(8)カルボキシビニルポリマー(C成分) 0.05
(9)自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 1
(10)ベヘニルアルコール 1
(11)水酸化カリウム 0.15
(12)クエン酸 0.09
(13)クエン酸ナトリウム 0.01
(14)硬化油 1
(15)スクワラン 4
(16)ワセリン 2
(17)トリオクタノイン 4
(18)メチルポリシロキサン 1
(19)L−リジン塩酸塩(A成分) 0.5
(20)L−プロリン(A成分) 0.3
(21)メタリン酸ナトリウム 0.05
(22)亜硫酸ナトリウム(B成分) 0.05
(23)パラベン 適量
(24)香料 適量
製造方法:油溶性成分を油分に溶解後、他方、水溶性成分を精製水に溶解し、この水相に前述の油相を添加撹拌混合し、乳液を得る。なお、得られる乳液のpHは5.9である。
【0037】
〔実施例8:クリーム〕
配合成分 質量%
(1)精製水 残余
(2)グリセリン 10
(3)ブチレングリコール 5
(4)ジプロピレングリコール 5
(5)キサンタンガム(C成分) 0.5
(6)自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 1
(7)モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン 1
(8)ベヘニルアルコール 3
(9)水酸化カリウム 0.1
(10)クエン酸 0.09
(11)クエン酸ナトリウム 0.01
(12)硬化油 2
(13)スクワラン 6
(14)ワセリン 3
(15)トリオクタノイン 4
(16)メチルポリシロキサン 1
(17)L−リジン塩酸塩(A成分) 0.5
(18)L−アルギニン塩酸塩(A成分) 0.5
(19)メタリン酸ナトリウム 0.05
(20)亜硫酸カリウム(B成分) 0.01
(21)パラベン 適量
(22)香料 適量
製造方法:油溶性成分を油分に溶解後、70℃に加温した(油相)。他方、水溶性成分を精製水に溶解し、70℃に加温した(水相)。この水相に前述の油相を添加撹拌混合した後、室温まで冷却し、クリームを得る。なお、得られるクリームのpHは6.0である。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明によれば、特定のアミノ酸又はその塩酸塩を一定量配合しても当該アミノ酸又はその塩酸塩による変臭を防止可能な皮膚外用剤が提供できる。
したがって、経時による製品の変臭を心配することなく、化粧料等の皮膚外用剤に特定のアミノ酸又はアミノ酸塩酸塩を配合することが可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)L−リジン塩酸塩、L−アルギニン塩酸塩及びL−プロリンからなる群から選択される1種又は2種以上のアミノ酸又はその塩酸塩を0.01〜5質量%と、
(B)ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸カリウム及び亜硫酸カルシウムからなる群から選択される1種又は2種以上の亜硫酸塩又は亜硫酸水素塩を0.001〜0.1質量%と、
(C)水溶性増粘剤を0.01〜1質量%含有し、
(D)そのpHが3.0〜6.5であることを特徴とする皮膚外用剤。
【請求項2】
前記アミノ酸又はその塩酸塩がL−リジン塩酸塩であることを特徴とする請求項1記載の皮膚外用剤。

【公開番号】特開2011−144143(P2011−144143A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−7256(P2010−7256)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【出願人】(000001959)株式会社 資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】