説明

皮膚外用組成物

【課題】筋芽細胞の増殖を促進し得る皮膚外用組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の皮膚外用組成物は、アルニカ抽出物と紅藻抽出物とを含有していることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚外用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚より内方側にある筋肉は、皮膚の構造を内側から支持したり、内側から皮膚を動かしたりする役割を担っている。
また、一般的に筋肉は、筋芽細胞が増殖、融合(分化)することを経て形成されるものである。詳しくは、筋芽細胞が増殖、融合(分化)することにより筋管細胞が形成され、該筋管細胞によって筋繊維が形成されて、該筋繊維が束になることにより筋肉が構成されている。
【0003】
従って、筋芽細胞の増殖等が抑制されると、筋繊維を構成する筋管細胞が少なくなることにより筋繊維が細くなり、例えば、皮膚の構造を内側から支持するなどの筋肉の働きが弱まり得る。具体的には、例えば表情筋としての眼輪筋(目の周囲の筋肉)において筋芽細胞の増殖等が抑制されると、目の周囲の皮膚がその内方側にある眼輪筋によって十分に支持されなくなり、シワが発生するなどの老化現象が目の周囲において生じ得る。即ち、筋芽細胞の増殖が抑制されることにより、皮膚の老化現象が起こり得る。
【0004】
これに対して、皮膚の老化現象を防止するための手段としては、皮膚より内方側にある筋肉のはたらきを維持させるべく筋芽細胞の増殖を促進させる手段が考えられるが、従来においては、例えば細胞性免疫賦活活性を高めるなどの他の手段が採用されている。具体的には、例えば、オゴノリ属紅藻類からの塩類水溶液による液状抽出物を含む皮膚外用組成物により細胞性免疫賦活活性を高める手段が提案されている(特許文献1)。
【0005】
しかしながら、斯かる皮膚外用組成物は、免疫細胞の活性を高めることにより皮膚の老化を防止し得るものではあるものの、皮膚より内方側にある筋肉の弱まりに起因する皮膚の老化現象を抑制できるものではなく、皮膚の老化現象を十分に抑制できるものではないという問題を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−104117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、皮膚の老化現象などを抑制すべく、皮膚より内方側にある筋肉のもととなる筋芽細胞の増殖を促進し得る皮膚外用組成物が要望されている。
【0008】
本発明は、上記の問題点等に鑑み、筋芽細胞の増殖を促進し得る皮膚外用組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、アルニカ抽出物および紅藻抽出物を含有させた組成物が、優れた筋芽細胞の増殖促進性能を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明に係る皮膚外用組成物は、アルニカ抽出物と紅藻抽出物とを含有していることを特徴としている。
【0011】
また、前記アルニカ抽出物と前記紅藻抽出物との重量比が乾燥物換算で5:5〜9:1であることが好ましい。斯かる重量比が乾燥物換算で5:5〜9:1であることにより、前記皮膚外用組成物の筋芽細胞増殖性能がより優れたものになり得るという利点がある。
なお、乾燥物換算とは、抽出物から抽出溶媒を除いた残渣である乾燥物の重量に換算することを意味する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の皮膚外用組成物は、アルニカ抽出物と紅藻抽出物とを含有していることから、優れた筋芽細胞の増殖促進性能を有するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】培養後の筋芽細胞の細胞数(相対値)を示すグラフ。
【図2】培養後の筋芽細胞の細胞数(相対値)を示すグラフ。
【図3】培養後の筋芽細胞の細胞数(相対値)を示すグラフ。
【図4】培養後の筋芽細胞の細胞数(相対値)を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態について以下に説明する。
本実施形態の皮膚外用組成物は、アルニカ抽出物および紅藻抽出物を含有している。また、本実施形態の皮膚外用組成物は、アルニカ抽出物および紅藻抽出物以外の成分を含有し得るものであり、通常、水を含有する。
【0015】
前記アルニカ抽出物は、キク科ウサギギク属に属するアルニカ(学名:Arnica montana L.)を抽出溶媒で抽出することにより得られるものである。
また、前記アルニカ抽出物は、通常、前記抽出溶媒によるアルニカの抽出液、その希釈液、その濃縮液、あるいはその抽出溶媒を除去した乾燥物の態様で用いられる。具体的には、該アルニカ抽出物は、例えば、溶液状、ペースト状、ゲル状、粉末状などの態様になり得る。
【0016】
前記抽出溶媒で抽出されるアルニカの部位としては、特に限定されるものではないが、花部、根茎部等が挙げられ、筋芽細胞の増殖をより促進し得るという点で、花部が好ましい。
【0017】
前記抽出溶媒としては、エタノール,プロパノールなどの炭素数1〜5の低級脂肪族アルコール、アセトン,メチルエチルケトンなどの低級脂肪族ケトン、1,3−ブチレングリコール,グリセリン,プロピレングリコールなどの炭素数2〜5の多価アルコール、又は水などが挙げられる。
また、前記抽出溶媒としては、2種以上の前記抽出溶媒を混合したものが挙げられる。その混合比は特に限定されるものではなく、適宜調整され得る。
【0018】
なかでも、前記抽出溶媒としては、水及びエタノールを含む抽出溶媒が好ましく、水とエタノールとが水:エタノール=7:3〜3:7の容量比で混合された抽出溶媒がより好ましい。
【0019】
前記抽出の方法としては、従来公知の一般的な方法を採用することができ、例えば、還流させる方法を採用できる。
【0020】
前記アルニカ抽出物としては、具体的には、例えばアルニカの花部を乾燥し又は乾燥することなく粉砕した後、ソックスレー抽出器などの抽出器具を用いて、水:エタノール=7:3〜3:7容量比の抽出溶媒によって還流抽出することにより得られるものが好ましい。また、抽出溶媒量は、抽出原料(アルニカの花部)の5〜15倍量(重量比)であり、抽出時間は、1〜5日間であり、抽出温度は40〜80℃であることが好ましい。
【0021】
なお、前記アルニカ抽出物としては、例えば、化粧料等の原料として市販されているものを用いることができる。
【0022】
前記皮膚外用組成物におけるアルニカ抽出物の含有濃度は、特に限定されるものではないが、アルニカ抽出物の濃度が乾燥物換算で0.00005〜1.0重量%であることが好ましい。アルニカ抽出物の濃度が乾燥物換算で0.00005重量%以上であることにより、筋芽細胞の増殖をより促進できるという利点がある。また、アルニカ抽出物の濃度が乾燥物換算で1.0重量%を超えると濃度依存的な効果が発揮されにくくなり得る点から、アルニカ抽出物の濃度は乾燥物換算で1.0重量%以下であることが好ましい。
【0023】
前記紅藻抽出物は、紅藻植物門(Rhodophyta)、真正紅藻綱(Florideae)に属する紅藻類を抽出溶媒で抽出することにより得られるものである。詳しくは、斯かる紅藻類の1種又は2種以上を抽出溶媒で抽出することにより得られるものである。
また、前記紅藻抽出物は、通常、前記抽出溶媒による紅藻の抽出液、その希釈液、その濃縮液、あるいはその抽出溶媒を除去した乾燥物の態様で用いられる。具体的には、該紅藻抽出物は、例えば、溶液状、ペースト状、ゲル状、粉末状などの態様になり得る。
【0024】
前記紅藻抽出物としては、筋芽細胞の増殖をより促進し得るという点で、スギノリ目又はテングサ目に属する紅藻類の1種又は2種以上を抽出することにより得られるものが好ましい。
【0025】
前記スギノリ目(Gigartinales)に属する紅藻類としては、ミリン科、スギノリ科、ムカデノリ科に属する紅藻類が好ましく、前記テングサ目(Gelidiales)に属する紅藻類としては、テングサ科に属する紅藻類が好ましい。
【0026】
前記ミリン科(Solieriaceae)に属する紅藻類としては、筋芽細胞の増殖をより促進し得るという点で、キリンサイ属(Eucheuma)に属するものが好ましく、キリンサイ(学名:Eucheuma denticulata)がより好ましい。
前記スギノリ科(Gigartinaceae)に属する紅藻類としては、スギノリ属(Chondracanthus)に属するものが好ましく、具体的には、スギノリ(学名:Chondracanthus tenella)が好ましい。
前記ムカデノリ科(Halymeniaceae)に属する紅藻類としては、ムカデノリ属(Grateloupia)に属するものが好ましく、具体的には、ヒヂリメン(学名:G.sparsa (Okamura) Chiang)が好ましい。
【0027】
前記テングサ科(Gelidiaceae)に属する紅藻類としては、テングサ属(Geridium)に分類されるものが挙げられ、例えば、マクサ(テングサ)(G.amansii Lamouroux)、ヒラクサ(G.subcostatum Okamura)、オニクサ(G.japonicum Okamura)などが挙げられる。この他、オバクサ属(Pterocladia)のオバクサ(P.tenuisOkamera)、カタオバクサ(P.densa Okamera)など、ヤタベグサ属(Yatabella)のヤタベグサ(Y.hirsuta Okamura)など、ユイキリ属(Acanthopeltis)のユイキリ(A.japonica Okamura)など、シマテングサ属(Gelidiella)のシマテングサ(G.acerosa (Forsskl) Feldmann et Hamel)などがテングサと称されており、テングサ科に属する紅藻類として挙げられる。なかでもマクサ(テングサ)(G.amansii Lamouroux)が好ましい。
【0028】
前記抽出溶媒で抽出される紅藻の部位としては、特に限定されるものではなく、通常、前記紅藻は、全部位が用いられて抽出される。
【0029】
前記抽出溶媒としては、メタノール、エタノール,プロパノールなどの炭素数1〜5の低級脂肪族アルコール、アセトン,メチルエチルケトンなどの低級脂肪族ケトン、1,3−ブチレングリコール,グリセリン,プロピレングリコールなどの炭素数2〜5の多価アルコール、エチルエーテル、ジオキサンなどの脂肪族エーテル化合物、酢酸エチルなどの脂肪族エステル化合物、キシレン、ベンゼンなどの芳香族化合物、クロロホルムなどのハロゲン化合物、アセトニトリル、又は水などが挙げられる。
また、前記抽出溶媒としては、2種以上の前記抽出溶媒を混合したものが挙げられる。その混合比は特に限定されるものではなく、適宜調整され得る。
なかでも、前記抽出溶媒としては、水が好ましい。
【0030】
前記抽出の方法としては、従来公知の一般的な方法を採用することができ、例えば、抽出溶媒を還流させる方法を採用できる。なお、前記紅藻抽出物は、抽出操作後に濾過又はイオン交換樹脂による精製操作によって、吸着、脱色等され得る。
【0031】
前記紅藻抽出物としては、具体的には、例えば紅藻の全部位を乾燥し又は乾燥することなく粉砕した後、ソックスレー抽出器などの抽出器具を用いて、水によって還流抽出することにより得られるものが好ましい。また、抽出溶媒量は、抽出原料(紅藻)の5〜15倍量(重量比)であり、抽出時間は1〜10時間であり、抽出温度は40〜95℃であることが好ましい。
【0032】
なお、前記紅藻抽出物としては、例えば、化粧料等の原料として市販されているものを用いることができる。
【0033】
前記皮膚外用組成物における紅藻抽出物の含有濃度は、特に限定されるものではないが、紅藻抽出物の濃度が乾燥物換算で0.00005〜1.0重量%であることが好ましい。紅藻抽出物の濃度が乾燥物換算で0.00005重量%以上であることにより、筋芽細胞の増殖をより促進できるという利点がある。また、紅藻抽出物の濃度が乾燥物換算で1.0重量%を超えると濃度依存的な効果が発揮されにくくなり得る点から、紅藻抽出物の濃度は乾燥物換算で1.0重量%以下であることが好ましい。
【0034】
前記皮膚外用組成物におけるアルニカ抽出物及び紅藻抽出物を合わせた含有濃度は、特に限定されるものではないが、アルニカ抽出物及び紅藻抽出物が乾燥物換算で、0.0001〜2.0重量%であることが好ましく、0.001〜1.0重量%であることがさらに好ましい。アルニカ抽出物及び紅藻抽出物の合計濃度が乾燥物換算で0.0001重量%以上であることにより、筋芽細胞の増殖をより促進できるという利点がある。また、2.0重量%を超えると濃度依存的な効果が発揮されにくくなり得る点及びより少ない量で筋芽細胞の増殖を促進し得る点から、該合計濃度は乾燥物換算で2.0重量%以下であることが好ましい。
【0035】
前記皮膚外用組成物におけるアルニカ抽出物と紅藻抽出物との含有比は、特に限定されるものではないが、重量比が、乾燥物換算でアルニカ抽出物:紅藻抽出物=5:5〜9:1の範囲であることが好ましく、6:4〜9:1の範囲であることがより好ましい。アルニカ抽出物及び紅藻抽出物の重量比が乾燥物換算で5:5〜9:1の範囲であることにより、筋芽細胞の増殖をより促進できるという利点がある。
【0036】
前記皮膚外用組成物としては、例えば、医薬用の皮膚外用組成物、化粧料用の皮膚外用組成物等が挙げられる。
【0037】
前記皮膚外用組成物は、従来公知の一般的な方法によって調製することができる。
【0038】
なお、本発明の皮膚外用組成物の形態は、限定されるものではなく、一般の皮膚外用組成物において採用される種々の形態を、本発明の効果を損ねない範囲で採用することができる。
例えば、本発明の皮膚外用組成物は、ジェル状、ローション状、乳液状、クリーム状、軟膏状、半固形状等の剤型とすることができる。また、本発明の皮膚外用組成物には、剤型に応じ、薬効成分、オイル、色素、防腐剤、界面活性剤、香料、顔料等を適宜配合することができる。
【実施例】
【0039】
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0040】
以下の試験例では、培養後のマウス筋芽細胞の数を比較することにより、アルニカ抽出物や紅藻抽出物によって筋芽細胞の増殖が促進されるか否かについて評価した。
【0041】
<アルニカ抽出物>
アルニカ(学名:Arnica montana L.)の花の乾燥物100gを抽出溶媒としての50体積%エタノール水溶液1000mLに浸漬し、60〜80℃を維持しながら3日間抽出操作をおこなった後、粗抽出液をろ過した。そして、抽出溶媒を除去し、アルニカ抽出物(5g)を製造した。斯かるアルニカ抽出物は、抽出溶媒が除去された乾燥物である。
【0042】
<紅藻抽出物>
紅藻としてキリンサイ((学名:E.denticulata (Burman) Collins et Hervey) 抽出部位:全部位)の乾燥物100gを抽出溶媒としての精製水1000mL中において80℃で5時間抽出した後、粗抽出液をろ過した。そして、抽出溶媒を除去し、紅藻抽出物(2.5g)を製造した。斯かる紅藻抽出物は、抽出溶媒が除去された乾燥物である。
【0043】
(実施例1)
マウス筋芽細胞(C2C12、DSファーマバイオメディカル社製)を、10%FBS、1%ペニシリン/ストレプトマイシン混液を添加したDMEM(以下、培地とする)に懸濁し、4.0×103cells/wellになるように、タイプIコラーゲンコート処理したマイクロプレート(24well)に播種し、5%CO2環境下、37℃で48時間前培養した。
前培養終了後、培地を抜き取り、培地500μLを新たに加え、さらに48時間培養した。新たに加えた培地は、乾燥物換算でアルニカ抽出物:紅藻抽出物=1:9である混合物を合計0.00075重量%濃度含むものとした。
培養終了後、水溶性ホルマザン塩を生成するテトラゾリウム塩(WST−8)を用いたアッセイ法(CCK−8、同仁化学)により細胞数を評価した。すなわち、培養上清を抜き取り、DMEM 500μLとCCK−8試薬50μLを添加し、37℃、5%CO2下で20分間インキュベートした後、プレートリーダーにて450nmの吸光度を測定した。この吸光度が培養後の細胞数に比例する。なお、4wellにおける平均値によって評価した。
【0044】
(実施例2〜9)
アルニカ抽出物:紅藻抽出物=1:9の混合物に代えて、乾燥物換算でアルニカ抽出物:紅藻抽出物=2:8,3:7,4:6,5:5,6:4,7:3,8:2,9:1の混合物が合計0.00075重量%となるようにアルニカ抽出物及び紅藻抽出物を培地に加えた点以外は、実施例1と同様にして吸光度を測定した。
【0045】
(比較例1)
アルニカ抽出物:紅藻抽出物=1:9の混合物に代えて、抽出液として何も加えなかった点以外は、実施例1と同様にして吸光度を測定した。なお、2wellにおける平均値によって評価した。
【0046】
(比較例2)
アルニカ抽出物:紅藻抽出物=1:9の混合物を含む培地で培養する代わりに、マウスIGF−Iを80ng/mlの濃度で含む培地で培養した点以外は、実施例1と同様にして吸光度を測定した。そして、2wellにおける平均値による結果を陽性対照とした。なお、マウスIGF−Iとは、インスリン様成長因子−I(Insulin-like Growth Factor-I)であり、マウス筋芽細胞を著しく増殖させるものとして知られている。
【0047】
(比較例3)
アルニカ抽出物:紅藻抽出物=1:9の混合物に代えて、乾燥物換算で0.00075重量%となるように紅藻抽出物のみを培地に加えた点以外は、実施例1と同様にして吸光度を測定した。
【0048】
(比較例4)
アルニカ抽出物:紅藻抽出物=1:9の混合物に代えて、乾燥物換算で0.00075重量%となるようにアルニカ抽出物のみを培地に加えた点以外は、実施例1と同様にして吸光度を測定した。
【0049】
実施例1〜9、比較例1〜4において測定された吸光度を、抽出物として何も加えなかった比較例1の吸光度に対する相対値(細胞数の相対値)として示したものを表1に示し、表1の結果をグラフ化したものを図1に示す。
【0050】
【表1】

【0051】
(実施例10)
アルニカ抽出物:紅藻抽出物=1:9の混合物が乾燥物換算で合計0.0015重量%となるようにアルニカ抽出物及び紅藻抽出物を培地に加えた点以外は、実施例1と同様にして吸光度を測定した。
【0052】
(実施例11〜18)
アルニカ抽出物:紅藻抽出物=1:9の混合物に代えて、乾燥物換算でアルニカ抽出物:紅藻抽出物=2:8,3:7,4:6,5:5,6:4,7:3,8:2,9:1の混合物を培地に加え、培地中で該混合物が乾燥物換算で合計0.0015重量%となるようにした点以外は、それぞれ実施例1と同様にして吸光度を測定した。
【0053】
(比較例5)
アルニカ抽出物:紅藻抽出物=1:9の混合物に代えて、抽出液として何も加えなかった点以外は、実施例1と同様にして吸光度を測定した。なお、2wellにおける平均値によって評価した。
【0054】
(比較例6)
アルニカ抽出物:紅藻抽出物=1:9の混合物を含む培地で培養する代わりに、マウスIGF−Iを80ng/mlの濃度で含む培地で培養した点以外は、実施例1と同様にして吸光度を測定した。そして、2wellにおける平均値による結果を陽性対照とした。
【0055】
(比較例7)
アルニカ抽出物:紅藻抽出物=1:9の混合物に代えて、乾燥物換算で0.0015重量%となるように紅藻抽出物のみを培地に加えた点以外は、実施例1と同様にして吸光度を測定した。
【0056】
(比較例8)
アルニカ抽出物:紅藻抽出物=1:9の混合物に代えて、乾燥物換算で0.0015重量%となるようにアルニカ抽出物のみを培地に加えた点以外は、実施例1と同様にして吸光度を測定した。
【0057】
実施例10〜18、比較例5〜8において測定された吸光度を、抽出物として何も加えなかった比較例1の吸光度に対する相対値(細胞数の相対値)として示したものを表2に示し、表2の結果をグラフ化したものを図2に示す。
【0058】
【表2】

【0059】
(実施例19)
アルニカ抽出物:紅藻抽出物=1:9の混合物が乾燥物換算で合計0.00225重量%となるようにアルニカ抽出物及び紅藻抽出物を培地に加えた点以外は、実施例1と同様にして吸光度を測定した。
【0060】
(実施例20〜27)
アルニカ抽出物:紅藻抽出物=1:9の混合物に代えて、乾燥物換算でアルニカ抽出物:紅藻抽出物=2:8,3:7,4:6,5:5,6:4,7:3,8:2,9:1の混合物を培地に加え、培地中で該混合物が乾燥物換算で合計0.00225重量%となるようにした点以外は、それぞれ実施例1と同様にして吸光度を測定した。
【0061】
(比較例9)
アルニカ抽出物:紅藻抽出物=1:9の混合物に代えて、抽出液として何も加えなかった点以外は、実施例1と同様にして吸光度を測定した。なお、2wellにおける平均値によって評価した。
【0062】
(比較例10)
アルニカ抽出物:紅藻抽出物=1:9の混合物を含む培地で培養する代わりに、マウスIGF−Iを80ng/mlの濃度で含む培地で培養した点以外は、実施例1と同様にして吸光度を測定した。そして、2wellにおける平均値による結果を陽性対照とした。
【0063】
(比較例11)
アルニカ抽出物:紅藻抽出物=1:9の混合物に代えて、乾燥物換算で0.00225重量%となるように紅藻抽出物のみを培地に加えた点以外は、実施例1と同様にして吸光度を測定した。
【0064】
(比較例12)
アルニカ抽出物:紅藻抽出物=1:9の混合物に代えて、乾燥物換算で0.00225重量%となるようにアルニカ抽出物のみを培地に加えた点以外は、実施例1と同様にして吸光度を測定した。
【0065】
実施例19〜27、比較例9〜12において測定された吸光度を、抽出物として何も加えなかった比較例1の吸光度に対する相対値(細胞数の相対値)として示したものを表3に示し、表3の結果をグラフ化したものを図3に示す。
【0066】
【表3】

【0067】
(実施例28)
アルニカ抽出物:紅藻抽出物=1:9の混合物が乾燥物換算で合計0.003重量%となるようにアルニカ抽出物及び紅藻抽出物を培地に加えた点以外は、実施例1と同様にして吸光度を測定した。
【0068】
(実施例29〜36)
アルニカ抽出物:紅藻抽出物=1:9の混合物に代えて、乾燥物換算でアルニカ抽出物:紅藻抽出物=2:8,3:7,4:6,5:5,6:4,7:3,8:2,9:1の混合物を培地に加え、培地中で該混合物が乾燥物換算で合計0.003重量%となるようにした点以外は、それぞれ実施例1と同様にして吸光度を測定した。
【0069】
(比較例13)
アルニカ抽出物:紅藻抽出物=1:9の混合物に代えて、抽出液として何も加えなかった点以外は、実施例1と同様にして吸光度を測定した。なお、2wellにおける平均値によって評価した。
【0070】
(比較例14)
アルニカ抽出物:紅藻抽出物=1:9の混合物を含む培地で培養する代わりに、マウスIGF−Iを80ng/mlの濃度で含む培地で培養した点以外は、実施例1と同様にして吸光度を測定した。そして、2wellにおける平均値による結果を陽性対照とした。
【0071】
(比較例15)
アルニカ抽出物:紅藻抽出物=1:9の混合物に代えて、乾燥物換算で0.003重量%となるように紅藻抽出物のみを培地に加えた点以外は、実施例1と同様にして吸光度を測定した。
【0072】
(比較例16)
アルニカ抽出物:紅藻抽出物=1:9の混合物に代えて、乾燥物換算で0.003重量%となるようにアルニカ抽出物のみを培地に加えた点以外は、実施例1と同様にして吸光度を測定した。
【0073】
実施例28〜36、比較例13〜16において測定された吸光度を、抽出物として何も加えなかった比較例1の吸光度に対する相対値(細胞数の相対値)として示したものを表4に示し、表4の結果をグラフ化したものを図4に示す。
【0074】
【表4】

【0075】
図1〜4から明らかなように、アルニカ抽出物及び紅藻抽出物を組み合わせることにより、相乗的に筋芽細胞の増殖が促進されることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明の皮膚外用組成物は、例えば、乳液、軟膏、クリーム、ゲル、エアゾール内容物などの形態で使用でき、また、医薬品、医薬部外品又は化粧品等として好適に用いられ得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルニカ抽出物と紅藻抽出物とを含有していることを特徴とする皮膚外用組成物。
【請求項2】
前記アルニカ抽出物と前記紅藻抽出物との重量比が乾燥物換算で5:5〜9:1である請求項1記載の皮膚外用組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−32233(P2011−32233A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−181386(P2009−181386)
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【出願人】(000112266)ピアス株式会社 (49)
【Fターム(参考)】