説明

盗難監視システム

【課題】商品が導電体で遮蔽されたり、商品からRFIDタグが取り外されたりしても、盗難状態にあるとして検知可能な盗難監視システムを提供する。
【解決手段】盗難監視システム100は、RFIDタグ情報と管理情報とが1対1に対応付けて保存された管理データベース8と、RFIDタグ4から送信される応答電波を受信する送受信部2と、応答電波から抽出されるRFIDタグ情報に基づいて管理データベース8を参照することで商品が盗難状態にあるか否かを判断する監視部1と、報知部3とを備えた盗難監視システムである。RFIDタグ4は、商品5に取り付けられている状態で送受信部2と送受信が可能に形成されている。監視部1は、応答電波から抽出されたRFIDタグ情報の中に対応するRFIDタグ情報が存在しない管理情報が管理データベース8に存在する場合、商品が盗難状態にあると判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDタグを用いた盗難監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品に取り付けられたRFIDタグが盗難時に警告音を発する盗難監視システムが知られている(例えば、特開2005−63322号公報参照)。図9は、RFIDタグを用いた従来の盗難監視システムの仕組みを示す模式図である。店内201には、店内201内に電波を送信するアンテナ202と、RFIDタグ204が取り付けられた商品203が配置されている。
【0003】
図10は、RFIDタグ204の構成を示すブロック図である。RFIDタグ204は、アンテナコイル211と、演算部212と、タイマー213と、メモリ214と、報知部215とで構成されている。アンテナコイル211は、アンテナ202からの電波を受信する。演算部212は、アンテナコイル211が電波を受信したか否かを監視する。メモリ214は、タイマー213を用いて、アンテナコイル211が電波を受信したと演算部212が判断してからの不受信時間を保存する。演算部212は、アンテナコイル211が電波を受信したと判断すると、メモリ214の不受信時間の値をリセットする。演算部212は、不受信時間が所定の時間以上になれば、報知部215に商品203が盗まれたことを報知させる。
【0004】
以上のような構成にすることにより、盗難監視システムは、商品が店から持ち出された場合のみならず、商品を導電体で遮蔽することにより、RFIDタグ204に電波が届かないようにされた場合にも、盗まれたことを検知することができる。
【特許文献1】特開2005−63322号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した盗難監視システムでは、RFIDタグ204を商品203から取り外し、アンテナ202に受信可能な位置に放置した上で商品203が盗まれると、盗まれたことを検知できないという、問題がある。
【0006】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたもので、商品が導電体で遮蔽されても、あるいは商品からRFIDタグが取り外されても、盗まれたことを検知することができる盗難監視システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の盗難監視システムは、商品に取り付けられたRFIDタグに固有のRFIDタグ情報と、前記RFIDタグ情報に1対1に対応する管理情報とが保存された管理データベースと、当該商品の配置域に向けて所定周波数の監視電波を送信し、前記RFIDタグから前記RFIDタグ情報を含んで送信される応答電波を受信する送受信部と、前記送受信部が受信した前記応答電波から抽出されるRFIDタグ情報に基づいて前記管理データベースを参照することにより、前記RFIDタグが取り付けられた前記商品が盗難状態にあるか否かを判断する監視部と、前記監視部により前記商品が盗難状態にあると判断された場合に、前記商品が盗難されたことを報知する報知部とを備えた、商品の盗難を監視する盗難監視システムであって、前記RFIDタグは、前記商品に取り付けられている状態で、前記送受信部から監視電波を受信して応答電波を送信することが可能に形成されており、前記監視部は、前記応答電波から抽出されたRFIDタグ情報の中に対応するRFIDタグ情報が存在しない管理情報が前記管理データベースに存在する場合、当該管理情報に対応するRFIDタグ情報が表すRFIDタグが取り付けられた商品が盗難状態にあると判断することを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、RFIDタグは、商品に取り付けられているときに監視電波を受信して、応答電波を送信する。監視部は、応答電波からRFIDタグ情報を抽出し、抽出されたRFIDタグ情報に基づいて、管理データベースを参照する。商品が盗まれていなければ、管理データベースに登録されている全ての管理情報に対応するRFIDタグ情報が、商品の配置域に送信された監視電波に対する応答電波に含まれているはずである。
【0009】
ここで、RFIDタグが商品から取り外された場合、送受信部は、このRFIDタグからの応答電波を受信できなくなる。RFIDタグは、前記商品に取り付けられている状態で、前記送受信部からの監視電波を受信して応答電波を送信することが可能に形成されているからである。
【0010】
したがって、商品から取り外されたRFIDタグのRFIDタグ情報は、応答電波から抽出されない。監視部は、応答電波から抽出されたRFIDタグ情報の中に対応するRFIDタグ情報が存在しない管理情報が存在する場合、そのRFIDタグ情報が表すRFIDタグが取り付けられた商品が盗まれた状態にあると判断する。この結果、商品が導電体で遮蔽された場合はもちろんのこと、商品からRFIDタグが取り外された場合でも、商品が盗まれた状態にあることを検知することができる。
【0011】
本発明にかかる盗難監視システムにおいて、前記管理情報は、例えば、RFIDタグが取り付けられた商品とは関係なく付与された管理識別情報を含んでも良い。また、この場合に、盗難管理システムは、商品の配置域に前記送受信部から走査電波を送信させ、前記走査電波への応答電波から抽出されたRFIDタグ情報に対応付けるべき管理識別情報を生成し、生成した管理識別情報と前記RFIDタグ情報とを対応付けて前記管理データベースに保存するデータベース構築部をさらに備えた構成であることが好ましい。この構成によれば、RFIDタグを取り付けた商品を、送受信部が走査電波を送信する範囲である配置域へ置くだけで、管理者が入力の手間を掛けることなく、当該商品のRFIDタグ情報と管理情報とを対応付けて記憶した管理データベースを構築することができる。
【0012】
本発明にかかる盗難監視システムにおいて、前記管理情報は、例えば、RFIDタグが取り付けられた商品に関する商品情報を含んでいても良い。また、この場合に、盗難管理システムは、商品の配置域に前記送受信部から走査電波を送信させ、前記走査電波への応答電波から抽出されたRFIDタグ情報に対応する商品情報を、商品に取り付けられたRFIDタグのRFIDタグ情報と当該商品に関する商品情報とを対応付けて記憶させた参照テーブルから抽出し、抽出した商品情報を含む管理情報と前記RFIDタグ情報とを対応付けて前記管理データベースに保存するデータベース構築部をさらに備えた構成であることが好ましい。
【0013】
あるいは、盗難管理システムは、商品の配置域に前記送受信部から走査電波を送信させ、前記走査電波への応答電波からRFIDタグ情報と当該RFIDタグが取り付けられた商品に関する商品情報とを抽出し、抽出した商品情報を含む管理情報と前記RFIDタグ情報とを対応付けて前記管理データベースに保存するデータベース構築部をさらに備えた構成とすることも好ましい。
【0014】
これらの構成によれば、RFIDタグを取り付けた商品を、送受信部が走査電波を送信する範囲に配置するだけで、管理者が入力の手間を掛けることなく、当該商品のRFIDタグ情報と管理情報とを対応付けて記憶した管理データベースを構築することができる。
【0015】
また、本発明にかかる盗難監視システムにおいて、前記監視部が、前記管理データベースに保存されているRFIDタグ情報のそれぞれについて、前記応答電波からRFIDタグ情報が抽出されなくなってからの時間を計測するタイマーを備え、前記時間が所定値を超えた場合に、当該RFIDタグ情報が表すRFIDタグが取り付けられた商品が盗難状態にあると判断することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、盗難以外の何らかの原因で、一時的に応答電波が受信できなくなった場合に盗難監視システムの誤作動を防ぐことができると共に、早期の盗難検出が可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の盗難監視システムによれば、商品が監視範囲外に持ち出されたり、導電体で遮蔽されたりした場合はもちろんのこと、商品からRFIDタグが取り外された場合でも、商品が盗難状態にあることを検知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態に係る盗難監視システムについて、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る盗難監視システム100の全体構成を示すブロック図である。盗難監視システム100は、例えば店舗等で用いられ、RFIDタグ4が取り付けられた商品5が盗まれていないかを監視する。すなわち、RFIDタグ4が取り付けられた商品5の陳列棚等を、RFIDタグ4との無線通信を行う送受信部2の電波が届く範囲に設置すれば、RFIDタグ4を利用した盗難監視システム100により、商品5の盗難を監視できる。
【0020】
最初に、本実施形態にかかる盗難監視システム100において、盗難を監視する仕組みについて説明する。
【0021】
一般に、RFIDタグは、空中にある場合に所定の周波数の電波と共振するように形成されている。これは、エアチューニングと呼ばれている。そして、このRFIDタグと通信を行うリーダ・ライタは、上記のエアチューニングされたRFIDタグに合わせて周波数が固定されていることが多い。周波数を変化させようとすると、リーダ・ライタに高価な発振器を用いる必要があり、実用的ではないからである。
【0022】
一方、RFIDタグが誘電体に近接すると、誘電体の影響により、RFIDタグのアンテナの実効長が長くなることが知られている。RFIDタグが誘電体に取り付けられたときも同様に、アンテナの実効長が長くなる。実効長が長くなると、RFIDタグに共振する周波数が変化する。つまり、RFIDタグは、誘電体との近接または接触によって共振周波数が変化する。盗難監視システム100においては、誘電体の影響による共振周波数の変化を利用して、RFIDタグが取り付けられた商品の盗難を検知する。
【0023】
盗難監視システム100で用いられるRFIDタグ4は、エアチューニングではなく、誘電体(商品5)に取り付けられた状態で、所定の周波数で共振するように形成されている。つまり、盗難監視システム100において監視対象とし得る商品は、少なくともその一部(商品そのものの一部またはパッケージでも良い)が、誘電体で構成されていることが必要である。RFIDタグ4は、商品5の誘電体の部分に取り付けられる。そして、RFIDタグ4が誘電体から取り外されると、当該RFIDタグ4のアンテナは空中にある状態となり、誘電体に取り付けられた状態と比べてアンテナの実効長が短くなる。こうなると、RFIDタグ4のアンテナは、上記の所定の周波数の電波に共振しなくなる。受動型素子であるRFIDタグ4では、受信電波と共振しないと、十分な駆動用電力を得ることができず、応答電波を送信できない。
【0024】
盗難監視システム100は、この現象を利用して、商品5にRFIDタグ4が取り付けられた状態を正常状態として検知し、商品5からRFIDタグ4が取り外されたり、当該システムの監視対象領域(商品の配置域)からRFIDタグ4付きの商品5が持ち出されたりして当該RFIDタグ4からの応答電波が受信できなくなった状態を盗難状態にあるとして検知する。
【0025】
図2は、RFIDタグ4の一構成例を示す平面図である。RFIDタグ4は、ICチップ11とアンテナ12とを備えている。ICチップ11には、当該RFIDタグに固有に付与されたRFIDタグ情報が記憶されている。ICチップ11は、アンテナ12で受信した監視電波の指令に基づき、自身のRFIDタグ情報を搬送する応答信号を生成し、アンテナ12から応答電波を送信する。受動型素子であるICチップ11の駆動は、受信する電波から誘導される電流によっており、応答信号の強度もこの電流に比例する。したがって、受信する電波との共振の程度によって、応答信号の強度も変化する。つまり、商品を構成する誘電体の影響により、アンテナの実効長が変化して共振周波数が、リーダ・ライタにおける所定の周波数からシフトすると、十分な応答電波を送信できなくなる。図2におけるアンテナ12は、ダイポールアンテナの例である。
【0026】
次に、送受信部2が応答電波を受信できる場合、受信できない場合について説明する。図3(a)〜(c)は、RFIDタグ4が発する応答電波を送受信部2が受信可能な読み出し可能領域13a、13b、13cと、送受信部2との位置関係を示す図である。送受信部2が、読み出し可能領域13a、13b、13c内にあれば応答電波を受信でき、外であれば応答電波を受信できない。つまり、図3(a)は、送受信部2が応答電波を受信できる場合であり、図3(b)、(c)は、受信できない場合である。
【0027】
図3(a)は、RFIDタグ4が商品5に取り付けられ、店内に配置された状態を示している。RFIDタグ4は、商品5に取り付けられて、送受信部2から送信された監視電波を受信する。RFIDタグ4は、受信した監視電波の電力を利用して、RFIDタグ4のRFIDタグ情報を搬送する応答電波を送信する。RFIDタグ4から送信された応答電波は、送受信部2に受信される。つまり、RFIDタグ4の読み出し可能領域13a内に、送受信部2が位置している。
【0028】
図3(b)は、RFIDタグ4が商品5から外れた状態を示している。RFIDタグ4は、商品5に取り付けられていないため、送受信部2から出力された監視電波に対する受信強度は小さい。そのため、RFIDタグ4が送信する応答電波の強度も小さい。したがって、読み出し可能領域13bは、図3(a)の読み出し可能領域13aよりも小さくなり、送受信部2が、読み出し可能領域13b外である。
【0029】
図3(c)は、商品5が店外へ持ち出され、RFIDタグ4が送受信部2から遠く離れた状態を示している。RFIDタグ4が受信する監視電波の電力は、図3(a)の場合に、RFIDタグ4が受信する監視電波の電力より小さい。したがって、RFIDタグ4が送信する応答電波の強度が小さく、読み出し可能領域13cは、図3(a)の読み出し可能領域13aよりも小さくなる。読み出し可能領域13cが小さく、送受信部2とRFIDタグ4の距離が長いため、送受信部2は読み出し可能領域13c外である。なお、図3(b)、(c)以外の場合にも、RFIDタグ4が導電体で覆われた場合には、読み出し可能領域が小さくなり、送受信部2が読み出し可能領域の外になる。
【0030】
すなわち、盗難監視システム100は、図3(a)に示す状況では、商品5は盗まれていない状態にあると判断し、図3(b)または図3(c)に示す状況では、商品5が盗まれた状態にあると判断する。
【0031】
次に、上記の仕組みを実現するための盗難監視システム100の構成と動作について、詳細に説明する。
【0032】
盗難監視システム100は、図1に示すように、商品が盗難状態にあるか否かを判断する監視部1と、RFIDタグ4との間で電波を送受信する送受信部2と、商品が盗まれた状態にある場合に報知する報知部3と、管理データベース8と、入力部10とを備えている。監視部1は、信号処理部1aと、監視処理制御部1bと、照合部1cと、タイマー1dとを有する。
【0033】
送受信部2は、図示しないアンテナを有し、信号処理部1aで生成された電波生成信号に基づいて、このアンテナから監視電波を送信する。この監視電波は、RFIDタグ4が商品5に取り付けられている状態で、RFIDタグ4と共振して受信される周波数の電波である。さらに送受信部2は、RFIDタグ4が監視電波に応じて送信してきた応答電波を受信し、応答電波の受信により生じた応答信号を信号処理部1aへ送る。
【0034】
この送受信部2は、商品5の盗難状態を監視したい範囲内で、商品5に取り付けられたRFIDタグ4からの応答電波を受信可能なように配置されている。応答電波が受信可能であれば、送受信部2の配置個数は1つでもよく、監視したい範囲内からの応答電波の受信状態がよくなければ、複数の送受信部2を配置すればよい。
【0035】
報知部3は、ブザーや表示画面などの報知手段を有し、監視処理制御部1bから盗難報知信号を受信した場合に、当該報知手段により、盗難の発生を報知する。
【0036】
管理データベース8には、監視すべき商品5に取り付けられたRFIDタグ4それぞれの管理情報が、RFIDタグ4のそれぞれに固有に付与され応答電波に含まれるRFIDタグ情報に1対1に対応付けて保存されている。管理情報は、RFIDタグ4が取り付けられた商品5と何ら関係ない適宜のコード等である管理識別情報であっても良いし、RFIDタグ4が取り付けられる商品に関する商品情報を含んでいても良い。
【0037】
商品情報としては、例えば、当該商品の商品名、商品コード、製造業者名、製造日等の様々な情報を含み得る。管理識別情報としては、例えば、RFIDタグ情報と同じデータを用いてもよく、その場合は、管理データベース8においてRFIDタグ情報と管理識別情報とを重複して保存する必要はない。
【0038】
入力部10は、管理者が管理データベース8に対して、商品情報の入力、変更および削除などを行うためのものである。
【0039】
監視部1の信号処理部1aは、電波生成信号を生成すると共に、受信された応答電波の増幅や検波を行い、RFIDタグ情報を抽出する。また信号処理部1aにおける基本動作は、動作モードとして、監視電波送信モードと、応答電波受信モードとを有し、順次この2つのモードを切り替える。複数のRFIDタグに対しては、この2つのモードを繰り返して信号処理すれば良い。なお、複数のRFIDタグからの応答電波が輻輳する場合の制御については、いくつかの方式が提案されており、それに従って受信すればよい。
【0040】
なお、本実施形態では、送受信部2が監視電波の送信と応答電波の受信との両方を行う構成としているが、監視電波を送信する送信部と応答電波を受信する受信部とは、信号の同期を取れる構成であれば、別個に設けた構成としても良い。
【0041】
監視処理制御部1bは、信号処理部1aからのRFIDタグ情報を照合部1cへ送信したり、管理データベース8へ情報の書き込みを行ったり、報知部3へ盗難が発生したことを示す盗難報知信号を送信したりする。監視処理制御部1bは、管理データベース8に保存された管理情報の中で該当するRFIDタグ情報を抽出していないものがある場合、盗難が発生した状態にあると判断し、該当する識別情報と共に盗難報知信号を報知部3に送信する。
【0042】
照合部1cは、信号処理部1aにより抽出されたRFIDタグ情報と、管理データベース8に保存された管理情報とを照合する。タイマー1dは、時間の測定を行い、監視処理制御部1bからの要求に応じて時間情報を送り返す。
【0043】
以上の構成にかかる盗難監視システム100において、監視処理制御部1bは、商品5が盗難状態にあるか否かを以下のように判断する。
【0044】
管理データベース8においては、1つの商品5に取り付けられたRFIDタグ4のRFIDタグ情報が、これに1対1に対応する管理情報と共に、1つのレコードに含まれて記憶されている。このレコードには、当該レコードに含まれるRFIDタグ情報が、応答電波から抽出されたRFIDタグ情報の中に含まれていたか否かを示すフラグが設けられている。照合部1cは、応答電波から抽出されたRFIDタグ情報に基づいて管理データベース8を参照し、応答電波から抽出されたRFIDタグ情報と一致するRFIDタグ情報を含むレコードの上記フラグを立てる。
【0045】
また、監視処理制御部1bは、タイマー1dに基づいて、一定の時間ごとに管理情報にフラグが立っているか否かを判断する。監視処理制御部1bは、フラグが立っていない管理情報に対応する商品が盗難状態にあると判断する。なお、監視処理制御部1bは、フラグが立っているか否かの判断の後にすべてのフラグをリセットする。
【0046】
また、商品が盗難状態にあるか否かの判断は、以下のようにしてもよい。管理データベース8の各レコードには、時間情報が付加されている。時間情報の値を0として、信号処理部2が、応答電波から抽出されたRFIDタグ情報に基づいて管理データベース8を参照し、応答電波から抽出されたRFIDタグ情報の中に一致するRFIDタグ情報のないレコードについては、タイマー1dの出力に基づき、時間情報を更新する。応答電波から抽出されたRFIDタグ情報の中に一致するRFIDタグ情報があったレコードについては、時間情報の値を0にリセットする。
【0047】
以上の処理を周期的に繰り返すことにより、管理データベース8の各レコードの時間情報は、当該レコードに含まれるRFIDタグ情報と同一のRFIDタグ情報が応答電波から抽出されなくなってからの経過時間を表すこととなる。そして、監視処理制御部1bは、時間情報が予め設定した規定値を超えたレコードを検出し、当該レコードに対応する商品が盗難状態にあると判断し、当該レコードに含まれる管理情報と共に、盗難報知信号を報知部3に送信する。このようにして、商品が盗難状態にあることを判断することができる。この場合は、盗難以外の何らかの原因で、一時的に応答電波が受信できなくなった場合に、盗難監視システムの誤作動を防ぐことができる。
【0048】
ここで、図4を参照し、管理データベース8のレコードにRFIDタグ情報が抽出されなくなってからの時間情報が付加されている場合を例にとり、盗難監視システム100の動作を説明する。図4は、盗難監視システム100の動作の一例を示す流れ図である。
【0049】
盗難監視システム100が起動され動作を開始すると、最初に、監視処理制御部1bは、管理データベース8において、RFIDタグ4それぞれに対応して保存されている管理情報をリセットする(ステップS101)。具体的には、管理情報の時間情報を0にリセットし、報知情報を非報知状態にする。ここで、非報知状態とは、報知状態ではない状態である。報知状態とは、i番目の商品5が盗難状態であると判断され、報知部3に盗難が生じたことを報知している状態のことである。
【0050】
つぎに、監視処理制御部1bは、商品5の監視タイミングをとるために内蔵する読み出し周期タイマーの値を0にセットする(ステップS102)。この読み出し周期タイマーの規定値(周期)を0に設定すると、常時監視状態となる。つぎに、信号処理部1aは、送受信部2にRFIDタグ4に対して監視電波を送信させ、RFIDタグ4からの応答電波を受信させて、RFIDタグ情報を読み出す(ステップS103)。上述したように、RFIDタグ情報の読み出しは、信号処理部1aにおける監視電波送信モードと応答電波受信モードを切り替え、電波により監視対象領域内を走査して行われる。
【0051】
つぎに、監視処理制御部1bは、読み出されたRFIDタグ情報を一時的に保存する(ステップS104)。つぎに、詳細は後述するが、照合部1cは監視処理制御部1bに保存されたRFIDタグ情報と、管理データベース8に保存されたRFIDタグ4の管理情報とを照合して、監視処理制御部1bは商品5の状態を判定する(ステップS105)。監視処理制御部1bは商品5が盗難状態であると判定すると、報知部3に通知し、報知部3は商品5が盗難状態であることを報知する。
【0052】
つぎに、監視処理制御部1bは、商品5の監視を終了するか否かを判断する(ステップS106)。この終了の判断は、外部からの終了信号の入力によって行われるとよい。終了信号の入力は、管理者によってもよいし、また別システムからの信号でもよい。終了信号が入力されて、商品5の監視を終了する場合には、監視処理制御部1bは、システムを終了する。また、商品5の監視を終了しない場合には、監視処理制御部1bは、読み出し周期タイマーが規定値に達したか否かを判断する(ステップS107)。読み出し周期タイマーが規定値に達していない場合には、ステップS106に戻り、監視処理制御部1bは、読み出し周期が規定値に達するまでシステムを終了するか否かを判断する。読み出し周期タイマーが規定値に達した場合には、ステップS102に戻り、監視処理制御部1bは、読み出し周期タイマーの値を0にリセットして、商品5の監視を行う。
【0053】
次に、商品5の状態を検出するステップS105について詳細に説明する。図5は、ステップS105の動作を詳細に示す流れ図である。まず、監視処理制御部1bは、管理データベース8の登録カウンタiの値を0に設定する(ステップS201)。登録カウンタは、管理データベース8に登録された各管理情報を指示するために用いられ、管理対象である商品の個数をnとすると、iの値は0≦i≦n−1の整数である。
【0054】
つぎに、監視処理制御部1bは、管理データベース8に登録されたi番目の商品の管理情報の報知情報が、既に報知状態であるか否かを判断する(ステップS202)。報知情報が報知状態であれば、監視処理制御部1bは、登録カウンタをインクリメントし(ステップS208)、i−1番目(インクリメント前のi番目)の管理情報における商品5の状態の検出を終了する。報知情報が報知状態でなければ、監視処理制御部1bは、読み出したRFIDタグ情報の中にi番目の管理情報に対応するRFIDタグ情報が存在するか否かを判断する(ステップS203)。
【0055】
対応するRFIDタグ情報が存在すれば、監視処理制御部1bは、i番目の管理情報の時間情報を0にリセットする(ステップS209)。そして、登録カウンタをインクリメントし(ステップS208)、i−1番目の管理情報における商品5は盗難状態ではないと判断し、その商品5の状態の検出を終了する。ステップS203において、対応するRFIDタグ情報が存在しなければ、監視処理制御部1bは、タイマー1dを用いてi番目の管理情報の時間情報を更新する(ステップS204)。
【0056】
つぎに、監視処理制御部1bは、i番目の管理情報の時間情報が規定値未満であるか否かを判断する(ステップS205)。規定値以上でなければ、監視処理制御部1bは、登録カウンタをインクリメントし(ステップS208)、i−1番目の管理情報における商品5はまだ盗難状態ではないと判断し、その商品5の状態の検出を終了する。規定値以上であれば、監視処理制御部1bは、商品5が盗難状態であると判断し、i番目の管理情報の報知情報を報知状態に設定する(ステップS206)。つぎに、監視処理制御部1bは、i番目の管理情報の報知情報が報知状態であることを報知部3に通知する(ステップS207)。報知部3は、i番目の商品5が盗難状態であることを報知する。
【0057】
つぎに、監視処理制御部1bは、登録カウンタをインクリメントし(ステップS208)、i−1番目の管理情報における商品5の状態の検出を終了する。登録カウンタをインクリメントすると、つぎに、監視処理制御部1bは、管理データベースに登録された管理情報をすべてRFIDタグ情報と照合したか否かを判断する(ステップS210)。つまり、登録カウンタの値がnであればすべての管理情報をRFIDタグ情報と照合したことになり、登録カウンタの値がn未満であれば、照合していない管理情報があることになる。すべての管理情報をRFIDタグ情報と照合していれば、監視処理制御部1bは、商品5の状態の検出を終了する。照合していない管理情報がある場合には、ステップS202に戻り、監視処理制御部1bは、読み出し周期タイマーをリセットして、別の(i番目の)管理情報における商品5の状態を検出する。
【0058】
以上の流れにより、商品5の盗難監視を行う。
【0059】
また、盗難監視システム100は、管理データベース8を自動的に構築することができる。ここで、管理データベース8の構築方法の一例を説明する。管理データベース8の構築の際には、送受信部2から走査電波を送信させるための走査電波生成信号を、信号処理部1aが生成する。また、監視処理制御部1bが、走査電波に対する応答電波からRFIDタグ情報を抽出し、抽出されたRFIDタグ情報に1対1に対応する管理識別情報を所定のルールに則って生成し、生成された管理識別情報を管理情報としてRFIDタグ情報に対応付け、管理データベース8へ登録する。
【0060】
なお、走査電波に対する応答電波から抽出されたRFIDタグ情報に対応する管理識別情報の生成ルールとしては、様々なルールが考えられる。例えば、最も単純なルールとしては、RFIDタグ情報と同じデータを管理識別情報とすることが考えられる。また、RFIDタグ情報に対して何らかのデータを付加したり、RFIDタグ情報に対して何らかの演算を行ったりしても良い。
【0061】
管理データベース8の構築の際には、最初に、監視対象領域内(例えば商品棚)に、管理データベース8へ登録したい商品5にRFIDタグ4を取り付けて陳列する。そして、信号処理部1aは電波生成信号を生成し、送受信部2は監視電波と同様の周波数の電波を送信する。そして、各RFIDタグ4から送信された電波を受信して、信号処理部1aでは各応答電波から各RFIDタグ4のRFIDタグ情報を抽出して、監視処理制御部1bにそのRFIDタグ情報を送る。監視処理制御部1bでは、抽出された各RFIDタグ情報から管理情報(管理識別情報)を生成し、生成した管理情報とRFIDタグ情報とを1つのレコードに含めて、管理データベース8に保存する。このレコードは、前述のフラグや時間情報の格納領域を含んでいても良い。
【0062】
このようして管理データベース8を構築することができる。さらに、入力部10から管理者等が商品情報を入力し、入力された商品情報を管理情報に追加してもよい。
【0063】
また、管理データベース8の構築方法について別の一例を説明する。図6は、監視部の別の構成を示すブロック図である。監視部1は、図1に示す監視部1に商品情報参照部1eがさらに設けられている。商品情報参照部1eは、例えばフレキシブルディスク等の可搬型の記録媒体6等に記録された商品情報を参照し、RFIDタグ情報に商品情報を関連付ける。商品情報は、例えば、RFIDタグ4を商品5に貼り付ける際に、当該作業を行った業者等によって、どの商品にどのRFIDタグが取り付けられたかが分かるように、RFIDタグ情報と関連付けて記録媒体6に入力されるようになっている。なお、図6においては、商品情報が記録媒体6によって供給される例を示したが、商品情報は、通信回線を介して供給されても良いし、管理者等によって入力されても良い。
【0064】
図7は、商品情報参照部1eが参照する記録媒体6に記録された商品情報の一例を示す図である。図7の例では、RFIDタグ情報「1」〜「100」に対して、商品情報として、商品名「A」と製造日「α」とが対応付けられている。RFIDタグ情報「101」〜「200」に対しては、商品情報として、商品名「A」と製造日「β」とが対応付けられている。また、RFIDタグ情報「201」〜「300」に対しては、商品情報として、商品名「B」と製造日「α」とが対応付けられている。
【0065】
図6の例では、監視処理制御部1bは、走査電波に対する応答電波から抽出されたRFIDタグ情報を、商品情報参照部1eに送信する。商品情報参照部1eは、記憶媒体6を参照し、そのRFIDタグ情報に対応して記憶されている商品情報を抽出し、監視処理制御部1bに送信する。このとき、商品情報参照部1eは、監視処理制御部1bから値が例えば「102」であるRFIDタグ情報を受け取ると、商品情報として、商品名「A」と製造日「β」とを監視処理制御部1bへ返す。監視処理制御部1bは、RFIDタグ情報から生成した管理識別情報と、商品情報とを管理情報としてRFIDタグ情報に対応付けて、1レコードとして管理データベース8に保存する。
【0066】
このように、図6の構成にかかる監視部1を備えた盗難管理システム100によれば、管理データベース8の構築の際、商品5にRFIDタグ4を貼り付けていれば、電波を走査させることにより、管理データベース8の管理情報に商品情報を容易に含めることができる。
【0067】
なお、図6の構成では、RFIDタグ4を貼り付けた商品5に関する商品情報が記録媒体6に記録された状態で提供され、これを利用して管理データベース8を構築するものとした。しかし、RFIDタグ4のICチップ11の記憶容量に余裕がある場合は、RFIDタグ4を貼り付ける商品5に関する商品情報を、そのRFIDタグ4のICチップ11に記憶させることが好ましい。このようなRFIDタグ4を用いれば、走査電波に対する応答電波により、RFIDタグ情報だけでなく商品情報も搬送させるので、応答電波からRFIDタグ情報と商品情報との両方を抽出できる。これにより、監視処理制御部1bは、応答電波から抽出されたRFIDタグ情報から管理識別情報を生成し、生成した管理識別情報と共に、応答電波から抽出された商品情報を、管理情報として管理データベース8へ登録することができる。
【0068】
なお、上記の実施形態において示したRFIDタグ4の代わりに、図8に示すように、ループアンテナを有するRFIDタグ4bを用いても良い。図8は、アンテナ12bがループアンテナである、RFIDタグ4bの構成を示す平面図である。RFIDタグ4bは、ICチップ11と、アンテナ12bと、キャパシタ14とを有している。キャパシタ14は、アンテナ12bと直列あるいは並列に接続され、アンテナ12bと共振回路を構成する。RFIDタグ4bが商品5から取り外されると、この共振回路の共振点が変化する。したがって、RFIDタグ4bが商品5に取り付けられた場合に、共振回路が監視電波と共振し、RFIDタグ4bが商品5から取り外された場合に、共振点がずれて監視電波と共振しないようにすれば、RFIDタグ4を用いた上述の実施形態と同じ効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、RFIDタグが導電体で遮蔽されても、あるいは商品からRFIDタグが取り外されても、盗難状態にあるとして検知可能な盗難監視システムとして、利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の一実施形態に係る盗難監視システムの全体構成を示すブロック図
【図2】同上盗難監視システムのRFIDタグの構成を示す平面図
【図3】同上盗難監視システムのRFIDタグが発する応答電波の受信可能領域と送受信部との位置関係を示し、(a)は盗まれていない状態、(b)はRFIDタグが商品から外れた状態、(c)は店外に持ち出された状態を示す図
【図4】同上盗難監視システムの盗難検出動作を示す流れ図
【図5】同上流れ図の、商品5の状態を検出動作を詳細に示す流れ図
【図6】本発明の一実施形態に係る盗難監視システムの監視部の変形例を示すブロック図
【図7】本発明の一実施形態に係る盗難監視システムの商品情報参照部が参照するテーブルを示す図
【図8】同上盗難監視システムの変形例におけるRFIDタグの構成を示す平面図
【図9】従来の盗難監視システムの仕組みを示す模式図である
【図10】従来の盗難監視システムに用いられるRFIDタグの構成を示す構成図
【符号の説明】
【0071】
1 監視部
1a 信号処理部
1b 監視処理制御部
1c 照合部
1d タイマー
1e 商品情報参照部
2 送受信部
3 報知部
4、4b RFIDタグ
5 商品
8 管理データベース
10 入力部
11 ICチップ
12、12b アンテナ
13a、13b、13c 読み出し可能領域
14 キャパシタ
100 盗難監視システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品に取り付けられたRFIDタグの固有のRFIDタグ情報と、前記RFIDタグ情報に1対1に対応する管理情報とが保存された管理データベースと、
前記商品の配置域に向けて所定周波数の監視電波を送信し、前記RFIDタグから前記RFIDタグ情報を含んで送信される応答電波を受信する送受信部と、
前記送受信部が受信した前記応答電波から抽出されるRFIDタグ情報に基づいて、前記管理データベースを参照することにより、前記RFIDタグが取り付けられた前記商品が盗難状態にあるか否かを判断する監視部と、
前記監視部により前記商品が盗難状態にあると判断された場合に、前記商品が盗難されたことを報知する報知部とを備えた、商品の盗難を監視する盗難監視システムであって、
前記RFIDタグは、前記商品に取り付けられている状態で、前記送受信部から監視電波を受信して応答電波を送信することが可能に形成されており、
前記監視部は、前記抽出されたRFIDタグ情報の中に、対応するRFIDタグ情報の存在しない管理情報が前記管理データベースに存在する場合、当該管理情報に対応するRFIDタグ情報の表すRFIDタグの取り付けられた商品が盗難状態にあると判断することを特徴とする盗難監視システム。
【請求項2】
前記管理情報は、RFIDタグが取り付けられた商品とは関係なく付与された管理識別情報である、請求項1記載の盗難監視システム。
【請求項3】
商品の配置域に前記送受信部から走査電波を送信させ、前記走査電波への応答電波から抽出されたRFIDタグ情報に対応付けるべき管理識別情報を生成し、生成した管理識別情報と前記RFIDタグ情報とを対応付けて前記管理データベースに保存するデータベース構築部をさらに備えた、請求項2記載の盗難監視システム。
【請求項4】
前記管理情報は、RFIDタグが取り付けられた商品に関する商品情報を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の盗難監視システム。
【請求項5】
商品の配置域に前記送受信部から走査電波を送信させ、前記走査電波への応答電波から抽出されたRFIDタグ情報に対応する商品情報を、商品に取り付けられたRFIDタグのRFIDタグ情報と当該商品に関する商品情報とを対応付けて記憶させた参照テーブルから抽出し、抽出した商品情報を含む管理情報と前記RFIDタグ情報とを対応付けて前記管理データベースに保存するデータベース構築部をさらに備えた、請求項4記載の盗難監視システム。
【請求項6】
商品の配置域に前記送受信部から走査電波を送信させ、前記走査電波への応答電波からRFIDタグ情報と当該RFIDタグが取り付けられた商品に関する商品情報とを抽出し、抽出した商品情報を含む管理情報と前記RFIDタグ情報とを対応付けて前記管理データベースに保存するデータベース構築部をさらに備えた、請求項4記載の盗難監視システム。
【請求項7】
前記監視部が、前記管理データベースに保存されているRFIDタグ情報のそれぞれについて、前記応答電波からRFIDタグ情報が抽出されなくなってからの時間を計測するタイマーを備え、前記時間が所定値を超えた場合に、当該RFIDタグ情報が表すRFIDタグが取り付けられた商品が盗難状態にあると判断する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の盗難監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−70085(P2009−70085A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−236981(P2007−236981)
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【出願人】(000004008)日本板硝子株式会社 (853)
【Fターム(参考)】