説明

盛土の補強構造

【課題】地中鋼製壁体で盛土を補強する構造において、洪水時の越水により盛土の法面が崩壊し、さらに地盤面が洗掘されることにより、地中鋼製壁体の耐力が低下するのを抑制できる盛土の補強構造を提供する。
【解決手段】盛土1の略天端1cの範囲内に鋼矢板3(鋼管矢板を含む)を連結した鋼矢板壁からなる地中鋼製壁体2が設置されている。盛土1の堤内側の法面1aには、法面1aに沿って斜めに斜材としての鋼矢板8が打設されている。鋼矢板8は、少なくとも盛土1の下の基礎地盤5に盛土1の法面1aの長さより深く根入れされている。また、鋼矢板8は、連結されて斜めの鋼矢板壁9を構成しており、法面1aが鋼矢板壁9に略覆われた状態となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、河川等の堤防、道路・鉄道盛土等の河川、道路、鉄道等に沿って長く延在する盛土の補強構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図7に示すように、盛土1の左右の法面1aの法肩1b(法面上端部で天端の左右側縁近傍)に、それぞれ、盛土1を貫通し、土圧のつり合いが確保される地盤に根入れされる深さを持つ矢板壁としての地中鋼製壁体2を、盛土1の長さ方向(連続方向)に連続的に配置し、これら二列の地中鋼製壁体2と、二列の地中鋼製壁体2で締め切られた地盤からなる構造骨格部6を形成する盛土の補強構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、左右の地中鋼製壁体2の頭部は、タイロッド10で連結されている。
この工法によれば、地震時に盛土1の沈下を抑制し、さらに、遮水性に優れる地中鋼製壁体が堤体としての盛土1の高さを確保することにより、高水時の浸透破壊と越水による破堤を防止でき、盛土1の補強として効果的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−13451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、図7に示すように、洪水時に越水により、堤内側の法面1aの崩壊が進むと、盛土1より下側の基礎地盤5の地盤面1eが洗掘され、地中鋼製壁体2の耐力が失われ、ついには堤防としての機能を損なう懸念がある。
また、上述の二列の地中鋼製壁体2に地震時や洪水時に外力が作用した場合に、地中鋼製壁体2の上部の過度の変形を抑制する上では、上述のようにタイロッド10で二列の地中鋼製壁体2を連結する必要がある。しかし、タイロッド10が盛土1の天端近くに配置される構造であるため、地震時の液状化現象や洪水時の越水などにより、盛土1の天端1cの二列の地中鋼製壁体2の間の天端部分が少し沈下したり、少し削り取られたりした場合に、天端1c近くにあるタイロッド10が露出することになる。
【0005】
タイロッド10は、盛土1の長さ方向に略等間隔で配置されているため、盛土1の天端1cを道路として使用している場合に、露出したタイロッド10が障害物となり、盛土1の天端1c上を車両で通行することが困難になってしまう。なお、道路用の盛土1だけではなく、河川7の堤防用の盛土1においても、天端1c部分が道路として使用される場合があるとともに、定常的に車両用の道路として使用されていなくても緊急車両用の通路として用いられる場合があり、地震後や洪水後に盛土1の天端1c部分を全く車両が通行できない状態となると混乱を生じることになる。
【0006】
本発明は、地中鋼製壁体で盛土を補強する構造において、洪水時の越水により盛土の法面が崩壊し、さらに地盤面が洗掘されることによる地中鋼製壁体の耐力の低下を抑制できる盛土の補強構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の盛土の補強構造は、連続する盛土の略天端の範囲内に前記盛土の連続方向に沿って一列以上の地中鋼製壁体が設けられ、
かつ、前記盛土の少なくとも一方の法面に、前記法面を保護するように、前記盛土の天端から離れるにしたがって低くなるように斜めに斜材が設けられ、前記斜材の下部が前記盛土より下側の地盤に打設されていることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明においては、盛土の法面が斜材に保護され、地震時や洪水時に盛土の法面が崩壊するのを抑制することができる。
特に、洪水による越水があった場合に、盛土を越えた水流が盛土の堤内側の法面の土砂を押し流し、法面を崩壊させ、前記水流がさらに盛土の下側の地盤面を洗掘し、これによって地中鋼製壁体の耐力が低下するのを抑制できる。斜材は、盛土の法面を覆う法面材ではなく、盛土より下側の地盤に打設されており、洪水時の越水により流されるようなことがない。
【0009】
請求項2に記載の盛土の補強構造は、請求項1に記載の発明において、前記斜材が連結して地盤に斜めに打設された鋼矢板からなる鋼矢板壁であることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明においては、盛土の法面が斜材に保護され、地震時や洪水時に盛土の法面が崩壊するのを抑制することができる。
特に、洪水による越水があった場合に、盛土を越えた水流が盛土の堤内側の法面の土砂を押し流し、法面を崩壊させ、前記水流がさらに盛土の下側の地盤面を洗掘し、これによって地中鋼製壁体の耐力が低下するのを抑制できる。斜材は、盛土の法面を覆う法面材ではなく、盛土より下側の地盤に打設されており、洪水時の越水により流されるようなことがない。
【0011】
請求項3に記載の盛土の補強構造は、請求項1に記載の発明において、前記斜材が前記盛土の連続方向に沿って間隔をあけて地盤に斜めに複数打設され、前記斜材は、前記斜材に沿って前記法面に斜めに配置される面状補強材を固定していることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明においては、斜杭等の間隔をあけて設置された斜材と面状補強材により、洪水による越水時に堤内側の法面が崩壊し、その下側の地盤面が洗掘されるのを抑制することができる。なお、面状補強材は、斜材どうしの間だけではなく、斜材の部分にも設けられて、斜材どうしの間隔より長い距離に渡って連続した構造となっていてもよい。
【0013】
請求項4に記載の盛土の補強構造は、請求項1に記載の発明において、前記斜材が前記盛土の長さ方向に沿って間隔をあけて地盤に斜めに複数打設され、
前記斜材は前記盛土の前記法面とほぼ平行に配置され、
かつ、前記斜材は前記法面を覆う法面材を固定していることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明においては、斜材と法面材により、洪水による越水時に堤内側の法面が崩壊し、その下側の地盤面が洗掘されるのを抑制することができる。すなわち、洪水による越水時に、法面を覆う法面材を斜材が固定しているので、これにより洪水時に法面材によって法面を保護することができるようにしている。
【0015】
請求項5に記載の盛土の補強構造は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記斜材の上端部が前記地中鋼製壁体の上端部に略接触した状態または接続した状態とされていることを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載の盛土の補強構造は、請求項5に記載の発明において、斜材で補強された二列以上の前記地中鋼製壁体が相互に連結されていないことを特徴とする。
【0017】
請求項5および請求項6に記載の発明においては、斜材による法面の保護に加え、斜材により地中鋼製壁体の変形が抑制される。これにより、地中鋼製壁体が二列以上に配置される場合に、これらをタイロッドで連結して補強する必要がなくなるので、請求項6の発明においては、地震時や洪水時に盛土の天端にタイロッドが露出して車両の通行が妨げられるのを防止できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、斜材により盛土の法面を保護できるので、洪水による越水時に、堤内側の法面を形成する土砂が越水の水流により流されて法面が崩壊し、さらに、盛土の下側の基礎地盤を洗掘して、地中鋼製壁体の耐力を低下させるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態に係る盛土の補強構造を示す概略断面図である。
【図2】第1実施形態に係る盛土の補強構造を示す概略斜視図である。
【図3】第1実施形態の変形例に係る盛土の補強構造を示す概略斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る盛土の補強構造を示す概略斜視図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る盛土の補強構造を示す概略斜視図である
【図6】盛土の補強構造における斜材の適切な角度を説明するための盛土の補強構造を示す概略断面図である。
【図7】洪水による越水時における従来の補強構造を有する盛土を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1および図2に示すように、第1実施形態の盛土の補強構造は、例えば、河川の堤防として用いられるものである。盛土1の左右には法面1aが形成されている。
この盛土1の補強構造においては、盛土1の略天端1cの範囲内に鋼矢板3(鋼管矢板を含む)を連結した鋼矢板壁からなる地中鋼製壁体2が設置されている。なお、略天端1cの範囲内には、天端1cより少し外側となる法面1aの上端部である法肩1b部分も含まれる。
【0021】
地中鋼製壁体2を構成する鋼矢板3は盛土1を貫通し、土圧のつり合いが確保される地盤に根入れされる深さを持ち、盛土1の連続方向(長さ方向)に沿って連続的に設置されている。地中鋼製壁体2の頭部(上端部)は、盛土1の天端1cの高さ付近となる高さに位置している。この盛土1の補強構造においては、盛土1中に、二列に設けられた地中鋼製壁体2,2で締め切られた地盤からなる構造骨格部6が形成されている。
【0022】
盛土1の堤内側の法面1aには、盛土1の天端1cから離れるにしたがって低くなるように斜めに、法面1aに沿って斜材としての鋼矢板8が打設されている。鋼矢板8は、少なくとも盛土1の下の地盤5に盛土1の法面1aの長さより深く根入れされている。また、鋼矢板8は、連結されて斜めの鋼矢板壁9を構成しており、法面1aが鋼矢板壁9に略覆われた状態となっている。なお、鋼矢板壁9が法面1aより少し下に配置され、土砂に隠された状態となっていてもよいし、被覆材や各種法面材で鋼矢板壁9が覆われて隠されていてもよい。また、斜めの鋼矢板壁9上を土砂で覆う場合には、土砂が滑り落ちないように、鋼矢板壁9の法面1a側の斜面に土砂を止める構造を設けることが好ましい。図1において、鋼矢板壁9と法面1aとは、略平行となっている。
【0023】
また、地中鋼製壁体2の頭部と、鋼矢板壁9の上端部とは、略接触した状態または接続した状態(たとえばコーピングコンクリートで一体とした状態、ボルト等で固定された状態、留め金具等で係合された状態)とされることにより、地震時や洪水時に地中鋼製壁体2に対して鋼矢板壁9側に水平方向の力(ここでは、河川7から離れる方向の力で、2列の地中鋼製壁体2の外側に向う力)に、斜めの鋼矢板壁9の軸方向力で対抗することが可能となっている。
【0024】
上述のような鋼矢板8を連結した斜めの鋼矢板壁9が略法面1aに沿って配置されていることにより、この盛土1を堤防として利用し、洪水時に河川7からの越水が生じても、堤内側の法面1aに沿って鋼矢板壁9が配置されているため、法面1aの崩壊を抑制することができる。すなわち、斜めの鋼矢板壁9により法面1aが保護されるので、法面1aが越水した水の水流で崩壊するのを抑えられ、さらに法面1aの下側の基礎地盤5の洗掘による地中鋼製壁体2の耐力の低下を抑制することができる。
【0025】
また、斜めの鋼矢板8(鋼矢板壁9)が地中鋼製壁体2の上部の変形を抑制するので、タイロッド10(図7に図示)で、二列の地中鋼製壁体2を連結する必要がなく、地震時や洪水時に、盛土1の天端1c部分の地盤が沈下したり、洗掘されたりしても、タイロッド10が露出せず、車両等の通行を可能とすることができる。なお、この場合には、図3に示すように、左右の法面1aそれぞれにおいて、それぞれの法面1aに近接する地中鋼製壁体2に、それぞれ鋼矢板8からなる斜めの鋼矢板壁9が設けられていることが好ましい。
【0026】
地中鋼製壁体2に用いられる鋼矢板3および斜めの鋼矢板壁9に用いられる鋼矢板8としては、U形鋼矢板、ハット形鋼矢板、鋼管矢板、Z形鋼矢板、組合せ壁体等を用いることができる。
【0027】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
図4に示すように、第2実施形態の盛土の補強構造においては、第1実施形態と同様に二列の地中鋼製壁体2で補強された盛土1において、堤内側の法面1aに、斜杭12(例えば鋼管杭)が盛土1の長さ方向に間隔をあけて複数配置されている。斜杭12は、盛土1の長さ方向に略等間隔に配置されるとともに、盛土1の天端1cから離れるにしたがって低くなるように、法面1aに沿った角度で斜杭12が配置されている。すなわち、法面1aと斜杭12とは、略平行となっている。また、斜杭12は、第1実施形態の斜めの鋼矢板8と同様に根入れされるとともに、地中鋼製壁体2に係止、連結、固定等により接合されている。
【0028】
盛土1の堤内側の法面1aには、ほぼその全面に渡って面状補強材13が敷き詰められた状態とされるとともに、斜杭12により押さえられて固定されている。面状補強材13の上に土砂が被った状態となっていてもよい。なお、面状補強材13は、越水があった場合に流されないように、斜杭12に係止されたり連結される等により固定されている。
【0029】
面状補強材13は、可撓性を有しかつ必要な強度を有するものが望ましい。例えば、一般にジオシンセティクスあるいはジオテキスタイルなどと呼ばれる、合成樹脂材をシート状に加工した製品を使用することができる。面状補強材13には、グリッド状や網状のものがあるが、グリッド状や網状の場合に、越水により土砂が流出しない程度にグリッドや網の目が小さいことが好ましい。
【0030】
第2実施形態の盛土の補強構造においても、第1実施形態と同様に、洪水の際の越水により法面1aが崩壊するのを抑制し、盛土1の法面1aの下側の基礎地盤5が洗掘されることによる地中鋼製壁体2の耐力の低下を抑制することができる。
また、斜杭12が地中鋼製壁体2の変形を抑制するので、第1実施形態の場合と同様にタイロッド10を必要とせず、地震時や洪水時に盛土1の天端1c部分でタイロッド10が露出するようなことがなく、車両等の交通を可能とすることができる。
なお、斜杭12等の間隔をあけて配置される斜材としては、鋼管杭や鋼管矢板、鋼矢板、H形鋼または組合せ壁体等の各種鋼材を用いることができる。また、タイロッド10を省略するためには、左右の法面1aの両方に斜杭(斜材)12を配置し、二列の地中鋼製壁体2の両方が斜杭12により補強された構造となっていることが好ましい。
【0031】
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
図5に示すように、第3実施形態の盛土の補強構造は、第2実施形態の盛土の補強構造における面状補強材13に代えて、植生マット、カゴ枠、カゴマット等の各種法面材15を用い、法面材15が越水により流出してしまうのを抑制するように、間隔をあけて配置された斜杭12で保護するようになっている。
【0032】
したがって、斜杭12に法面材15が係止されるか、連結されるか、固定されており、越水があっても法面材15が法面から流出しないようになっている。
第3実施形態においても、第2実施形態と同様の優れた作用効果を奏することができる。第3実施形態の場合も、タイロッド10を省略するためには、左右の法面1aの両方に斜杭12を配置し、二列の地中鋼製壁体2の両方が斜杭12により補強された構造となっていることが好ましい。
【0033】
なお、第1実施形態から第3実施形態において、盛土1の補強用の地中鋼製壁体2を1列としてもよい。この場合に保護すべき堤内側の法面1aの近傍に地中鋼製壁体2があることが好ましい。
また、第1実施形態から第3実施形態において、二列の地中鋼製壁体2を連結するタイロッド10を用いるものとして、地中鋼製壁体2の頭部と、斜材(斜めの鋼矢板壁9(鋼矢板8)、斜杭12)の上端部とを切り離した構成とすることもできる。この場合には、斜めの鋼矢板壁9および斜杭12は、地中鋼製壁体2の変形を抑制するものではなく、法面1aの保護を主目的とするものとなる。但し、地中鋼製壁体2と斜材との間に越水が入り込まない程度に、地中鋼製壁体2と斜材とが近接した構成となる。
【0034】
また、第1実施形態および第2実施形態において、法面1aを保護する斜めの鋼矢板8からなる鋼矢板壁9、斜杭12と面状補強材13をそれぞれ保護すべき法面1aと略平行としたが、必ずしも法面1aを保護する上で、略平行となっていなくてもよい。基本的に、洪水による越水時に地中鋼製壁体2の近傍が洗掘されなければいいので、斜材や斜材に支持されて法面の保護する部材が地中鋼製壁体2の近傍を覆う状態となっていればよい。
【0035】
例えば、図6に示すように、基礎地盤5が洗掘されて地中鋼製壁体2の耐力が減少するのは、二列の地中鋼製壁体2のうちの堤内側の地中鋼製壁体2の近傍となる部分で、法面1aの直下となる部分であるが、これより離れた地盤が洗掘されても、直接地中鋼製壁体2の耐力に影響を与えない。すなわち、地中鋼製壁体2から盛土1の下端を通る水平線(地盤面)に沿って、盛土1の法尻側に向う所定範囲が洗掘された場合に地中鋼製壁体2の耐力に影響を与える範囲となる。
【0036】
この所定範囲の最も外側となる点bと、法面1aと天端1cとの境目(法肩1bの上端)となる点aとを結んだ線分と、水平線とがなす角度θより、上述の斜材としての鋼矢板壁9の鋼矢板8(斜杭12、面状補強材13)と水平線とがなす角度が小さくなっていればよいことになる。すなわち、斜材は、法面1aと略平行となっていなくとも、前記角度θ以下であればよい。
【0037】
ここで、法面1aと水平線とがなす角度の方が、前記角度θより小さいので、鋼矢板8(鋼矢板壁9)、斜杭12、面状補強材13がなす角度は、角度θから法面1aの角度までならば良いことになる。
なお、上述の洗掘された場合に地中鋼製壁体2がその耐力に影響を受ける所定範囲は、例えば、机上も含む模擬実験等により求める必要がある。
また、第3実施形態においては、法面材15が法面1a上に配置されることから、斜杭12および法面材15が法面1aと略平行となっている必要がある。
【符号の説明】
【0038】
1 盛土
1a 法面
1c 天端
2 地中鋼製壁体
8 鋼矢板(斜材)
9 鋼矢板壁(斜材)
12 斜杭(斜材)
13 面状補強材
15 法面材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続する盛土の略天端の範囲内に前記盛土の連続方向に沿って一列以上の地中鋼製壁体が設けられ、
かつ、前記盛土の少なくとも一方の法面に、前記法面を保護するように、前記盛土の天端から離れるにしたがって低くなるように斜めに斜材が設けられ、前記斜材の下部が前記盛土より下側の地盤に打設されていることを特徴とする盛土の補強構造。
【請求項2】
前記斜材が連結して地盤に斜めに打設された鋼矢板からなる鋼矢板壁であることを特徴とする請求項1に記載の盛土の補強構造。
【請求項3】
前記斜材が前記盛土の連続方向に沿って間隔をあけて地盤に斜めに複数打設され、
前記斜材は、前記斜材に沿って前記法面に斜めに配置される面状補強材を固定していることを特徴とする請求項1に記載の盛土の補強構造。
【請求項4】
前記斜材が前記盛土の長さ方向に沿って間隔をあけて地盤に斜めに複数打設され、
前記斜材は前記盛土の前記法面と略平行に配置され、
かつ、前記斜材は前記法面を覆う法面材を固定していることを特徴とする請求項1に記載の盛土の補強構造。
【請求項5】
前記斜材の上端部が前記地中鋼製壁体の上端部に略接触した状態または接続した状態とされていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の盛土の補強構造。
【請求項6】
斜材で補強された二列以上の前記地中鋼製壁体が相互に連結されていないことを特徴とする請求項5に記載の盛土の補強構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−214254(P2011−214254A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−81359(P2010−81359)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000002118)住友金属工業株式会社 (2,544)
【Fターム(参考)】