説明

監視カメラ操作装置及びこの監視カメラ操作装置を用いた監視システム

【課題】操作画面に表示するカメラ装置の状態と実際のカメラ装置の状態が不一致になることを防ぐ。
【解決手段】監視カメラ操作装置10は、ネットワーク40を介してカメラ装置20を制御し該カメラ装置20からの状態情報を画面上に表示する構成において、所定周期でカメラ装置20の状態情報を取得する状態情報取得部12と、外部からの操作に応じてカメラ装置20に対して動作を要求したとき計時動作を開始する計時部(16)と、計時動作中は状態情報取得部で取得した状態情報を画面上に表示させない表示禁止部(16)と、計時動作終了後は取得した状態情報または動作制御部から入力した動作情報を入力順に画面上に表示する表示部18とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、ネットワークを介してカメラ装置を操作する監視カメラ操作装置および該監視カメラ操作装置を用いた監視システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、道路や河川、侵入者等の監視を行う監視システムで用いられるカメラ装置は、パン・チルト・ズーム、照明等の機能を有しており、これらの動作はカメラ装置とネットワークで接続された監視カメラ操作装置により制御される。複数のカメラ装置を有する監視システムでは、監視カメラ操作装置により、複数の監視カメラ装置の中から制御を行うカメラ装置が選択されると、制御用のコマンドを生成し、この制御用コマンドを各カメラ装置を管理しているカメラ管理サーバを介して制御対象のカメラ装置へ送信することでカメラ装置の制御を行う。このような監視カメラ操作装置において、制御対象とするカメラ装置を選択する際、各カメラ装置から状態情報を取得し、各カメラ装置の状態を反映した操作画面が表示される。各カメラ装置から状態情報を取得する方法には、カメラ管理サーバに問い合わせる方法と各カメラ装置に直接問い合わせる方法の二通りがある。
【0003】
カメラ管理サーバへ問い合わせる構成の場合、カメラ管理サーバにおいて各カメラ装置の状態情報を管理する必要があり、監視カメラ操作装置で操作された内容がカメラ装置の状態情報としてカメラ管理サーバに保存される。そして、この構成において監視カメラ操作装置が複数設けられている場合、カメラ管理サーバは、各監視カメラ操作装置でカメラ装置が操作される度に該当するカメラ装置の状態情報を全ての監視カメラ操作装置へ送信し、各監視カメラ操作装置で表示する各カメラ装置の状態情報を一致させるようにしている(例えば特許文献1)。
一方、各カメラ装置に直接問い合わせる構成の場合、監視カメラ操作装置は各カメラ装置に対して状態情報を問い合わせるためのコマンドを作成し、カメラ管理サーバを介して各カメラ装置へ送信する。監視カメラ操作装置は、各カメラ装置から現在の状態を反映したコマンドを受信することで各カメラ装置の状態情報を取得している。そして、この構成において監視カメラ操作装置が複数設けられている場合、監視カメラ操作装置は、各カメラ装置の状態の問い合わせを所定周期で行うことにより、他の監視カメラ操作装置でカメラ装置が操作された場合にも各監視カメラ操作装置で表示するカメラ装置毎の状態を一致させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−050242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、カメラ管理サーバへ問い合わせる監視カメラ操作装置は、状態情報の取得をカメラ管理サーバに依存しているため、カメラ管理サーバの故障などにより各カメラ装置の状態情報が失われた場合、操作画面で表示するカメラ装置の状態と実際のカメラ装置の状態が不一致になるという課題があった。また、従来の各カメラ装置に直接問い合わせる監視カメラ操作装置は、例えば図7に示すように、所定周期で行う各カメラ装置の照明状態の問い合わせ直後にカメラ装置に対して照明状態を変更する操作が行われた場合、照明状態の変更(照明ON)を操作画面に反映させた直後に問い合わせ時の照明状態(照明OFF)が反映されるため、次の問い合わせ時までの時間aの間、操作画面上のカメラ装置の状態と実際のカメラ装置の状態が不一致になるという課題があった。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、各カメラ装置の状態の問い合わせ直後にカメラ装置に対して状態を変更する操作が行われた場合に、操作画面上のカメラ装置の状態と実際のカメラ装置の状態が不一致になることを防ぐ監視カメラ操作装置及びこの監視カメラ操作装置を用いた監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る監視カメラ操作装置は、ネットワークを介してカメラ装置を制御し該カメラ装置からの状態情報を画面上に表示する構成において、所定周期でカメラ装置の状態情報を取得する状態情報取得部と、外部からの操作に応じてカメラ装置に対して動作を要求したとき計時動作を開始する計時部と、計時動作中は状態情報取得部で取得した状態情報を画面上に表示させない表示禁止部と、計時動作終了後は取得した状態情報または動作制御部から入力した動作情報を入力順に画面上に表示する表示部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る監視カメラ操作装置によれば、上記のように構成したことにより、操作画面上で操作変更されてから所定時間内に取得した状態情報が操作画面上に反映されないので、各カメラ装置の状態の問い合わせ直後にカメラ装置に対して状態を変更する操作が行われた場合であっても、操作画面上に表示するカメラ装置の状態と実際のカメラ装置の状態が不一致になることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1に係る監視カメラ操作装置、カメラ装置、カメラ管理サーバで構成された監視システムを示す図(a)と、監視カメラ操作装置の内部構成を示す図(b)である。
【図2】この発明の実施の形態1の監視カメラ操作装置を含む監視システムの処理動作を示すシーケンス図である。
【図3】この発明の実施の形態1の監視カメラ操作装置の特徴的な処理動作を示すフロー図である。
【図4】この発明の実施の形態2に係る監視カメラ操作装置、カメラ装置、カメラ管理サーバで構成された監視システムを示す図(a)と、監視カメラ操作装置の内部構成を示す図(b)である。
【図5】この発明の実施の形態2の監視カメラ操作装置を含む監視システムの処理動作を示すシーケンス図である。
【図6】この発明の実施の形態2の監視カメラ操作装置の特徴的な処理動作を示すフロー図である。
【図7】従来の監視カメラ操作装置を含む監視システムによる動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1(a)は、実施の形態1に係る監視カメラ操作装置、カメラ装置、カメラ管理サーバで構成された監視システムを示しており、図1(b)は、その監視カメラ操作装置の内部構成を示している。
監視システム1は、図1(a)に示すように、監視カメラ操作装置10とカメラ装置20とカメラ管理サーバ30がネットワーク40を介して通信可能に接続されて構成されており、図においては複数の監視カメラ操作装置10と複数のカメラ装置20が設けられている。
【0011】
カメラ装置20は、図1(a)において詳細な構成の図示は省略しているが、例えば、設定された対象範囲を撮像する撮像部21と撮像部21の撮像対象範囲に対して光を照射する照明部22を有している。
カメラ装置20は、監視カメラ操作装置10からの動作要求コマンドに従って撮像部21と照明部22の動作が制御され、要求された動作を実行したことを示す動作応答コマンドを監視カメラ操作装置10へ応答する。
また、カメラ装置20は、監視カメラ操作装置10からの状態取得コマンドに応じて、カメラ装置20毎の識別情報と照明部22のオン/オフ動作の状態を示す状態情報を付加した状態取得応答コマンドを送信する。
なお、実施の形態1においては、カメラ装置20が照明部22を有する構成について説明するが、これに限定するものではなく、照明部22に換え、カメラ装置20の機能に関する動作を行う他の構成(例えば、撮像部21におけるレンズの曇りを防止するためのデフロスタ)を有する構成であってもよい。
【0012】
監視カメラ操作装置10は、図1(b)に示すように、送受信部11、状態情報取得部12、操作入力部13、動作制御部14、表示禁止部としての状態情報破棄部16、表示制御部17、表示部18で構成されている。
送受信部11は、ネットワーク40を介して外部のカメラ装置20との間でデータの送受信を行うよう構成されており、後述する状態情報取得部12または動作制御部14からの各コマンドをカメラ装置20へ送信し、送信した各コマンドに対するカメラ装置20からの応答コマンドを受信する。
【0013】
状態情報取得部12は、所定の周期で、カメラ装置20の状態を取得するための状態取得コマンドを生成し、生成した状態取得コマンドを送受信部11からカメラ管理サーバ30を介して各カメラ装置20へ送信する。
状態情報取得部12は、送受信部11を介して各カメラ装置20から状態取得コマンドに対する状態取得応答コマンドを受信すると、状態取得応答コマンドからカメラ装置20毎に動作状態を示す状態情報を取り出し、状態情報を状態情報破棄部16へ出力する。
【0014】
操作入力部13は、ユーザの操作入力に応じてカメラ装置20の動作を指示する操作信号を出力するよう機能し、例えばマウスやキーボードで構成される。操作入力部13は、例えばカメラ装置20における照明部22のオン/オフ動作を指示する操作信号を出力する。
【0015】
動作制御部14は、操作入力部13からの操作信号が入力されると、操作信号に応じて該当するカメラ装置20に動作を要求するための動作要求コマンドを生成し、生成した動作要求コマンドを送受信部11からカメラ管理サーバ30を介して該当するカメラ装置20へ送信する。
また、動作制御部14は、動作要求コマンドをカメラ装置20へ送信する際、動作要求コマンドを送信するカメラ装置20と指示動作を示す動作情報を生成し、生成した動作情報を表示制御部17へ出力する。
さらに、動作制御部14は、動作要求コマンドをカメラ装置20へ送信する際、状態情報破棄部16を起動させる起動信号を出力する。
なお、動作制御部14は、ここでは操作入力部13からの操作信号を契機として動作する構成について説明しているが、ユーザ等外部からの操作要求に応じて動作するよう構成されていればよい。
【0016】
状態情報破棄部16は、動作制御部14から起動信号が入力されると、内蔵された計時部としてのタイマにより予め設定された所定時間を計測し、動作制御部14がカメラ装置20の動作を指示してから所定時間内に状態情報取得部12で取得したカメラ装置20の状態情報を破棄するよう構成されている。また、状態情報破棄部16は、タイマによる時間計測が所定時間を経過すると停止し、以降、状態情報取得部12から入力されたカメラ装置20の状態情報を表示制御部17へ渡す。ここで、図示しないタイマが計測する所定時間は、状態情報取得部12が状態取得コマンドを生成、送信する所定周期の長さに応じて適宜設定されるものである。
【0017】
表示制御部17は、状態情報取得部12から状態情報破棄部16を介して入力された状態情報または動作制御部14から入力された動作情報を入力順に反映させて、カメラ装置20毎の照明部22のオン/オフ動作状態を表す操作画面の映像データを生成し、生成した操作画面の映像データを表示部18へ出力する。
表示部18は、表示制御部17から映像データが入力され、入力された映像データを操作画面として表示するよう機能し、例えばディスプレイで構成されている。
【0018】
次に、実施の形態1の監視カメラ操作装置10と、カメラ装置20およびカメラ管理サーバ30で構成される監視システム1の処理動作について説明する。ここではカメラ装置20の動作状態の具体的一例として照明部22のオン/オフ動作の状態(照明状態)の場合を説明する。
【0019】
図2は、実施の形態1の監視カメラ操作装置10を含む監視システム1の処理動作を示している。図2に示すように、処理開始前の監視カメラ操作装置10におけるカメラ装置20の照明状態(以下、操作画面上の照明状態という)はオフ(OFF)であり、実際のカメラ装置20の照明状態(以下、実際の照明状態という)はオフ(OFF)であるため、操作画面上の照明状態と実際の照明状態は一致している。
【0020】
この状態で、監視カメラ操作装置10の状態情報取得部12は、カメラ装置20の照明状態情報を取得するための状態取得コマンドを生成し、生成した状態取得コマンドを送受信部11からカメラ管理サーバ30を介してカメラ装置20へ送信する(ステップST101)。
カメラ装置20は、監視カメラ操作装置10で送信された状態取得コマンドを受信すると、照明部22の動作状態を確認する(ステップST102)。
【0021】
監視カメラ操作装置10の動作制御部14は、ユーザの操作入力によって操作入力部13から照明オン(ON)を指示する操作信号が入力されると、操作信号に応じてカメラ装置20に照明オン動作を要求するための照明オン要求コマンド(動作要求コマンド)を生成し、この照明オン要求コマンドを送受信部11からカメラ管理サーバ30を介してカメラ装置20へ送信する(ステップST103)。
また、動作制御部14は、ステップST103で照明オン要求コマンドをカメラ装置20へ送信する際、照明オン状態を示す動作情報を生成し、この照明オン状態を示す動作情報を表示制御部17へ出力する。表示制御部17は、動作制御部14から入力された照明オン状態を示す動作情報を用いて、該当するカメラ装置20の照明オン状態を表す操作画面の映像データを生成し、生成した映像データを表示部18へ出力して操作画面を表示部18に表示させる(ステップST104)。
さらに、動作制御部14は、ステップST103で照明オン要求コマンドをカメラ装置20へ送信する際、起動信号を出力して状態情報破棄部16をオン状態にするとともに内蔵するタイマを起動させ時間計測を開始させる(ステップST105)。
【0022】
カメラ装置20は、ステップST102において照明部22の動作状態を確認すると、ここでは実際の照明状態がオフであるため、照明オフ状態を示す状態情報を付加して状態取得応答コマンドを返信する(ステップST106)。
続いて、カメラ装置20は、監視カメラ操作装置10から送信された照明オン要求コマンドを受信し、照明オン要求コマンドに従って照明部22のスイッチをオンにする(ステップST107)。
【0023】
監視カメラ操作装置10の状態情報取得部12は、カメラ装置20から照明オフ状態を示す状態情報が付加された状態取得応答コマンドを受信し、この状態取得応答コマンドからカメラ装置20の照明オフ状態を示す状態情報を取り出し、状態情報を状態情報破棄部16へ出力する。このとき状態情報破棄部16は、オン状態であるため、状態情報取得部12から入力された状態情報を破棄する(ステップST108)。
【0024】
カメラ装置20は、ステップST107において照明部22のスイッチをオンにすると、照明オンが実行されたことを示す照明オン応答コマンドを、カメラ管理サーバ30を介して監視カメラ操作装置10へ送信する(ステップST109)。監視カメラ操作装置10の動作制御部14は、送受信部11を介して照明オン応答コマンドを受信する(ステップST110)。
【0025】
監視カメラ操作装置10の状態情報取得部12は、ステップST101における状態取得コマンド生成から所定時間を経過すると、ステップST101と同様に状態取得コマンドを生成し、送受信部11からカメラ管理サーバ30を介してカメラ装置20へ送信する(ステップST111)。状態情報破棄部16は、タイマが計測開始時刻から所定時間(X秒)を計測して停止すると、動作をオフにする(ステップST112)。
【0026】
カメラ装置20は、ステップST102の処理と同様に、監視カメラ操作装置10で送信された状態取得コマンドを受信すると、照明部22の動作状態を確認する(ステップST113)。
カメラ装置20は、ステップST113において照明部22の動作状態を確認すると、実際の照明状態がオン状態であるため、照明オン状態を示す状態情報を付加して状態取得応答コマンドを返信する(ステップST114)。
【0027】
監視カメラ操作装置10の状態情報取得部12は、カメラ装置20から照明オン状態を示す状態情報が付加された状態取得応答コマンドを受信し、状態取得応答コマンドからカメラ装置20の照明オン状態を示す状態情報を取り出し、この状態情報を状態情報破棄部16へ出力する。ここで状態情報破棄部16は、オフ状態であるため、状態情報取得部12から入力された状態情報を表示制御部17へ渡す。表示制御部17は、状態情報取得部12から入力された照明オン状態を示す状態情報を用いて、カメラ装置20における照明部22の照明オン状態を表す操作画面を生成し、操作画面を表示部18に表示させる(ステップST115)。
【0028】
次に、図3を用いて、実施の形態1における監視カメラ操作装置10の特徴的な処理動作を説明する。
監視カメラ操作装置10は、表示部18の操作画面としてカメラ装置20毎に照明部22のオン/オフ状態が表示されており、ユーザから操作入力部13を介して図示しない照明オンボタンまたは照明オフボタンを選択する操作入力を契機として処理を開始する(開始)。
【0029】
操作入力部13は、ユーザにより照明オンボタンが押し下げされると、押し下げされた照明オンボタンに対応するカメラ装置20とそのカメラ装置20の照明をオンする動作要求とを示す操作信号を、動作制御部14へ出力する(ステップST121)。
【0030】
動作制御部14は、操作入力部13からの操作信号が入力されると、操作信号に応じた照明オンコマンド(動作要求コマンド)を生成し、この照明オンコマンドを送受信部11、ネットワーク40、カメラ管理サーバ30を介して該当するカメラ装置20へ送信する(ステップST122)。
【0031】
また、動作制御部14は、動作要求コマンドをカメラ装置20へ送信する際、状態情報破棄部16を起動させる起動信号を出力する。
状態情報破棄部16は、動作制御部14からの起動信号が入力されると、スイッチをオン状態にするとともに図示しないタイマで時間計測を開始する(ステップST123)。
【0032】
状態情報破棄部16は、タイマにおいて時間がX秒を経過したかを判断し(ステップST124)、X秒を経過していない場合(ステップST124“NO”)、状態情報取得部12から状態情報が入力されたかどうかを判断する(ステップST125)。
【0033】
状態情報破棄部16は、状態情報取得部12から状態情報が入力されていないと判断した場合(ステップST125“NO”)、ステップST124からの処理を繰り返す。
一方、状態情報破棄部16は、状態情報取得部12から状態情報が入力されたと判断した場合(ステップST125“YES”)、状態情報取得部12から入力された状態情報を破棄し(ステップST126)、ステップST124からの処理を繰り返す。
【0034】
状態情報破棄部16は、ステップST124でタイマにおいて時間がX秒を経過した場合(ステップST124“YES”)、タイマが時刻計測を終了して停止することにより(ステップST127)、スイッチオフ状態になり処理を終了する(終了)。
【0035】
上述したように、実施の形態1の監視カメラ操作装置10は、ネットワーク40を介してカメラ装置20を制御し、カメラ装置20の状態情報を画面上に表示する構成において、所定周期でカメラ装置20から該カメラ装置20の照明部22のオン/オフ状態(機能の動作状態)を示す状態情報を取得する状態情報取得部12と、外部からの操作に応じてカメラ装置20に対してカメラ装置20の機能をオンまたはオフする動作を要求し、要求した動作内容を示す動作情報を出力する動作制御部14と、動作制御部14でカメラ装置20に動作情報の出力に関連して計時動作を開始するタイマ(計時部)と、計時動作中は状態情報を破棄する状態情報破棄部16(表示禁止部)と、状態情報取得部12から状態情報破棄部16を介して入力された状態情報または動作制御部14から入力された動作情報を入力順に反映させてカメラ装置20における照明部22のオン/オフ状態(機能の動作状態)を表す映像を生成する表示制御部17と、表示制御部17で生成された映像を表示する表示部18とを備えたことにより、カメラ装置20の状態情報の取得をカメラ管理サーバ30に依存することがなく、カメラ装置20の状態の問い合わせ直後にカメラ装置20の動作状態を変化する操作を行った場合にも、操作してから所定時間内には問い合わせに対するカメラ装置20の状態を操作画面上に反映させることがないので、表示部18の操作画面に表示するカメラ装置20の状態と実際のカメラ装置20の状態が不一致になることを防ぐことができる。
【0036】
実施の形態2.
上記実施の形態1においては、カメラ装置20における照明制御やデフロスタ制御など、オン/オフ制御を行う機能の動作状態を操作画面上に表示する構成について説明した。実施の形態2においては、予め設定された撮像位置を撮像するプリセット機能を有するカメラ装置における動作状態を操作画面上に表示する構成について説明する。
【0037】
図4(a)は、実施の形態1に係る監視カメラ操作装置、カメラ装置、カメラ管理サーバで構成された監視システムを示しており、図4(b)は、その監視カメラ操作装置の内部構成を示している。
監視システム1´は、図4(a)に示すように、監視カメラ操作装置10´とカメラ装置20´とカメラ管理サーバ30がネットワーク40を介して通信可能に接続されて構成されており、図においては複数の監視カメラ操作装置10´と複数のカメラ装置20´が設けられている。
【0038】
カメラ装置20´は、図4(a)において詳細な構成の図示は省略しているが、例えば、設定された対象範囲を撮像する撮像部21と、この撮像部21を載置して例えば旋回動作を行うことにより撮像部21の撮像位置を変化させる駆動部23を有している。
カメラ装置20´は、監視カメラ操作装置10´からの動作要求コマンドに従って撮像部21と駆動部23の動作が制御され、要求された動作を実行したことを示す動作応答コマンドを監視カメラ操作装置10´へ応答する。ここで、カメラ装置20´の駆動部23は、予め設定された撮像位置毎にプリセット値を記憶しており、監視カメラ操作装置10´からの動作要求コマンドに付加されたプリセット値(プリセット動作指示)を受け取ると、撮像部21の撮像位置がプリセット値に応じた撮像位置になるよう駆動する。すなわち、選択されたプリセット値は、カメラ装置20´における撮像部21の撮像位置を示している。一方、駆動部23は、監視カメラ操作装置10´からの動作要求コマンドに付加されたプリセット解除指示を受け取ると、プリセットを解除し後述する操作入力部13からの手動操作により駆動させることができる。なお、この駆動部23におけるプリセット選択による動作およびプリセット解除による手動動作については、既知の技術であるため、その詳細な説明を省略する。
また、カメラ装置20´は、監視カメラ操作装置10´からの状態取得コマンドに応じて、カメラ装置20´における撮像部21と駆動部23の動作状態を示す状態情報を付加した状態取得応答コマンドを返信する。カメラ装置20´は、例えば駆動部23の動作状態としてプリセット動作で用いているプリセット値またはプリセット解除を示す状態情報を付加した状態取得応答コマンドを返信する。
【0039】
監視カメラ操作装置10´は、図4(b)に示すように、送受信部11、状態情報取得部12´、操作入力部13、動作制御部14´、表示禁止部としての状態情報破棄部16、表示制御部17´、表示部18で構成されている。ここで、状態情報取得部12´、動作制御部14´、表示制御部17´以外の構成は、実施の形態1における図1(b)に示した構成と同様であるため、その説明を省略する。
【0040】
状態情報取得部12´は、所定の周期で、カメラ装置20´の動作状態を取得するための状態取得コマンドを生成し、生成した状態取得コマンドを送受信部11からカメラ管理サーバ30を介してカメラ装置20´へ送信する。
状態情報取得部12´は、送受信部11を介してカメラ装置20´から状態取得コマンドに対する状態取得応答コマンドを受信すると、状態取得応答コマンドからカメラ装置20´の動作状態を示す状態情報を取り出し、状態情報を状態情報破棄部16へ出力する。ここで、状態情報取得部12´は、例えばカメラ装置20´における駆動部23の動作状態としてプリセット選択されたプリセット値またはプリセット解除を示す状態情報を取得し、状態情報破棄部16へ出力する。
【0041】
動作制御部14´は、操作入力部13からの操作信号が入力されると、操作信号に応じて選択されたプリセット値またはプリセット解除を示す動作要求を付加した動作要求コマンドを生成し、生成した動作要求コマンドを送受信部11からカメラ管理サーバ30を介してカメラ装置20´へ送信する。
また、動作制御部14´は、動作要求コマンドをカメラ装置20´へ送信する際、動作要求コマンドに付加したプリセット値またはプリセット解除を示す動作情報を生成し、生成した動作情報を表示制御部17´へ出力する。
さらに、動作制御部14´は、動作要求コマンドをカメラ装置20´へ送信する際、状態情報破棄部16を起動させる起動信号を出力する。
【0042】
なお、動作制御部14´は、ここでは操作入力部13からの操作信号を契機として動作する構成について説明しているが、ユーザ等外部からの操作要求に応じて動作するよう構成されていればよい。また、動作制御部14´は、カメラ装置20´の駆動部23においてプリセット解除されると、操作入力部13からの操作要求に応じて駆動部23を手動動作させる動作要求コマンドを生成、出力するよう構成されている。
【0043】
表示制御部17´は、状態情報取得部12´から状態情報破棄部16を介して入力された状態情報または動作制御部14´から入力された動作情報を用いて、カメラ装置20´毎の現在の駆動部23の動作状態として、選択されたプリセット値またはプリセット解除を表す映像を操作画面の映像データを生成し、生成した操作画面の映像データを表示部18へ出力する。
【0044】
次に、実施の形態2の監視カメラ操作装置10´と、カメラ装置20´およびカメラ管理サーバ30で構成される監視システム1´の処理動作について説明する。ここではカメラ装置20´の動作状態の具体的一例として駆動部23の動作状態(撮像位置状態)の場合を説明する。
【0045】
図5は、実施の形態2の監視カメラ操作装置10´を含む監視システム1´の処理動作を示している。図5では、処理開始前の監視カメラ操作装置10´におけるカメラ装置20´の動作状態(以下、操作画面上の撮像位置状態という)はプリセット1で設定された撮像位置を撮像していることを示す「プリセット1選択中」であり、実際のカメラ装置20´の動作状態(以下、実際の撮像位置状態という)も「プリセット1選択中」であるため、操作画面上の撮像位置状態と実際の撮像位置状態は一致している。
【0046】
この状態で、監視カメラ操作装置10´の状態情報取得部12´は、カメラ装置20´の撮像位置状態を取得するための状態取得コマンドを生成し、生成した状態取得コマンドを送受信部11からカメラ管理サーバ30を介してカメラ装置20´へ送信する(ステップST201)。
カメラ装置20´は、監視カメラ操作装置10´で送信された状態取得コマンドを受信すると、駆動部23の動作状態を確認する(ステップST202)。
【0047】
監視カメラ操作装置10´の動作制御部14´は、ユーザの操作入力によって操作入力部13からプリセット解除を指示する操作信号を入力されると、操作信号に応じてカメラ装置20´にプリセット解除動作を要求するための手動動作要求コマンド(動作要求コマンド)を生成し、手動動作要求コマンドを送受信部11からカメラ管理サーバ30を介してカメラ装置20´へ送信する(ステップST203)。
また、動作制御部14´は、ステップST203で手動動作要求コマンドをカメラ装置20´へ送信する際、プリセット解除状態を示す動作情報を生成し、このプリセット解除状態を示す動作情報を表示制御部17´へ出力する。表示制御部17´は、動作制御部14´から入力されたプリセット解除状態を示す動作情報を用いて、該当するカメラ装置20´の駆動部23の動作状態が「プリセット選択なし」であることを表す操作画面の映像データを生成し、生成した映像データを表示部18へ出力して操作画面を表示部18に表示させる(ステップST204)。
さらに、動作制御部14´は、ステップST203で手動動作要求コマンドをカメラ装置20´へ送信する際、起動信号を状態情報破棄部16へ出力して状態情報破棄部16をオン状態にするとともに内蔵するタイマを起動させ時間計測を開始させる(ステップST205)。
【0048】
カメラ装置20´は、ステップST202において駆動部23の動作状態を確認すると、ここでは駆動部23の動作状態が「プリセット1選択中」であるため、「プリセット1選択中」を示す状態情報を付加して状態取得応答コマンドを返信する(ステップST206)。
続いて、カメラ装置20´は、監視カメラ操作装置10´から送信された手動動作要求コマンドを受信し、手動動作要求コマンドに従って駆動部23のプリセットを解除し手動動作にする(ステップST207)。
【0049】
監視カメラ操作装置10´の状態情報取得部12´は、カメラ装置20´から駆動部23の動作状態が「プリセット1選択中」を示す状態情報が付加された状態取得応答コマンドを受信し、状態取得応答コマンドから「プリセット1選択中」を示す状態情報を取り出し、この状態情報を状態情報破棄部16へ出力する。状態情報破棄部16は、オン状態であるため、状態情報取得部12´から入力された状態情報を破棄する(ステップST208)。
【0050】
カメラ装置20´は、ステップST207において駆動部23のプリセットを解除して手動動作状態にすると、手動動作要求を実行したことを示す手動動作応答コマンドを、カメラ管理サーバ30を介して監視カメラ操作装置10´へ送信する(ステップST209)。監視カメラ操作装置10´の動作制御部14´は、送受信部11を介して手動動作応答コマンドを受信する(ステップST210)。
【0051】
監視カメラ操作装置10´の状態情報取得部12´は、ステップST201における状態取得コマンド生成から所定時間を経過すると、ステップST201と同様に状態取得コマンドを生成し、送受信部11からカメラ管理サーバ30を介してカメラ装置20´へ送信する(ステップST211)。状態情報破棄部16のタイマは、時間計測の開始時刻から所定時間(X秒)が経過すると、状態情報破棄部16をオフ状態にして時間計測を終了する(ステップST212)。
【0052】
カメラ装置20´は、ステップST202の処理と同様に、監視カメラ操作装置10´で送信された状態取得コマンドを受信すると、駆動部23の動作状態を確認する(ステップST213)。
カメラ装置20´は、ステップST213において駆動部23の動作状態を確認すると、実際の動作状態が「プリセット選択なし」の状態であるため、プリセット解除状態を示す状態情報を付加して状態取得応答コマンドを監視カメラ操作装置10´へ返信する(ステップST214)。
【0053】
監視カメラ操作装置10´の状態情報取得部12´は、カメラ装置20´からプリセット解除状態を示す状態情報が付加された状態取得応答コマンドを受信し、状態取得応答コマンドからプリセット解除状態を示す状態情報を取り出し、この状態情報を状態情報破棄部16へ出力する。ここで状態情報破棄部16は、オフ状態であるため、状態情報取得部12´から入力された状態情報を表示制御部17´へ渡す。表示制御部17´は、状態情報取得部12´から入力されたプリセット解除状態を示す状態情報を用いて、該当するカメラ装置20´における駆動部23の動作状態が「プリセット選択なし」であることを表す操作画面の映像データを生成し、映像データを表示部18に出力する。表示部18は映像データを操作画面として表示する(ステップST215)。
【0054】
次に、図6を用いて、実施の形態2における監視カメラ操作装置10´の特徴的な処理動作を説明する。
監視カメラ操作装置10´は、表示部18の操作画面としてカメラ装置20´毎に撮像位置状態(動作状態)が表示されており、ユーザから操作入力部13を介して図示しないカメラ装置20´毎のプリセット値選択またはプリセット解除を示す駆動ボタンへの操作入力を契機として処理を開始する(開始)。
【0055】
操作入力部13は、ユーザによりプリセット値「1」を選択する駆動ボタンが操作されると、操作された駆動ボタンに対応するカメラ装置20´とそのカメラ装置20´の駆動部23を「プリセット1」で動作させる動作要求を示す操作信号を、動作制御部14´へ出力する(ステップST221)。
【0056】
動作制御部14´は、操作入力部13からの操作信号が入力されると、操作信号に応じたプリセット動作要求コマンド(動作要求コマンド)を生成し、このプリセット動作要求コマンドを送受信部11からカメラ管理サーバ30を介して該当するカメラ装置20´へ送信する(ステップST222)。
【0057】
また、動作制御部14´は、プリセット動作要求コマンドをカメラ装置20´へ送信する際、状態情報破棄部16を起動させる起動信号を出力する。
状態情報破棄部16は、動作制御部14´からの起動信号が入力されると、起動して処理を開始するとともに図示しないタイマで時間計測を開始する(ステップST223)。
【0058】
状態情報破棄部16は、タイマにおいて時間がX秒を経過したかを判断し(ステップST224)、X秒を経過していない場合(ステップST224“NO”)、状態情報取得部12´から状態情報を入力されたかどうかを判断する(ステップST225)。
【0059】
状態情報破棄部16は、状態情報取得部12´から状態情報が入力されていないと判断した場合(ステップST225“NO”)、ステップST224からの処理を繰り返す。
一方、状態情報破棄部16は、状態情報取得部12´から状態情報が入力されたと判断した場合(ステップST225“YES”)、状態情報取得部12´から入力された状態情報を破棄し(ステップST226)、ステップST224からの処理を繰り返す。
【0060】
状態情報破棄部16は、ステップST224でタイマにおいて時間がX秒を経過した場合(ステップST224“YES”)、タイマが時刻計測を終了して停止することにより(ステップST227)、処理動作がオフ状態になり処理を終了する(終了)。
【0061】
上述したように、実施の形態2の監視カメラ操作装置10´は、ネットワーク40を介してカメラ装置20´を制御し、カメラ装置20´の状態情報を画面上に表示する構成において、所定周期でカメラ装置20´から該カメラ装置20´の駆動部23のプリセット選択状態またはプリセット解除状態(機能の動作状態)を示す状態情報を取得する状態情報取得部12´と、外部からの操作に応じてカメラ装置20´に対してカメラ装置20´の撮像方向を変化させる駆動部23の動作を要求し、要求した動作内容を示す動作情報を出力する動作制御部14´と、動作制御部14´でカメラ装置20´に動作を要求してから所定時間内に状態情報取得部12´で取得した状態情報を破棄する状態情報破棄部16と、状態情報取得部12´から状態情報破棄部16を介して入力された状態情報または動作制御部14´から入力された動作情報を入力順に反映させてカメラ装置20´における駆動部23のプリセット選択状態またはプリセット解除状態(機能の動作状態)を表す映像を生成する表示制御部17と、表示制御部17で生成された映像を表示する表示部18とを備えたことにより、実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0062】
また、実施の形態2の監視カメラ操作装置10´は、上記構成により、操作画面上に各カメラ装置20´における駆動部23のプリセット選択状態またはプリセット解除状態を表示するので、ユーザがカメラ装置20´毎の撮像位置を把握することができる。
【0063】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0064】
1,1´ 監視システム、10,10´ 監視カメラ操作装置、11 送受信部、12,12´ 状態情報取得部、13 操作入力部、14,14´ 動作制御部、16 状態情報破棄部(計時部、表示禁止部)、17,17´ 表示制御部、18 表示部、20,20´ カメラ装置、21 撮像部、22 照明部、23 駆動部、30 カメラ管理サーバ、40 ネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介してカメラ装置を制御し該カメラ装置からの状態情報を画面上に表示する監視カメラ操作装置において、
所定周期で上記カメラ装置の状態情報を取得する状態情報取得部と、
外部からの操作に応じて上記カメラ装置に対して動作を要求したとき、計時動作を開始する計時部と、
上記計時動作中は上記状態情報取得部で取得した状態情報を上記画面上に表示させない表示禁止部と、
上記計時動作終了後は取得した上記状態情報または上記動作制御部から入力した動作情報を入力順に上記画面上に表示する表示部と、
を備えたことを特徴とする監視カメラ操作装置。
【請求項2】
カメラ装置から取得する状態情報は、カメラ装置の機能のオン/オフ状態を示す情報であることを特徴とする請求項1記載の監視カメラ操作装置。
【請求項3】
カメラ装置から取得する状態情報は、カメラ装置の撮像方向を変化させるプリセット動作または手動動作を示す情報であることを特徴とする請求項1記載の監視カメラ操作装置。
【請求項4】
要求に応じて動作するカメラ装置と、ネットワークを介して該カメラ装置を制御し上記カメラ装置からの状態情報を画面上に表示する監視カメラ操作装置とを備えた監視システムにおいて、
上記監視カメラ操作装置は、
所定周期で上記カメラ装置の状態情報を取得する状態情報取得部と、
外部からの操作に応じて上記カメラ装置に対して動作を要求したとき、計時動作を開始する計時部と、
上記計時動作中は上記状態情報取得部で取得した状態情報を上記画面上に表示させない表示禁止部と、
上記計時動作終了後は取得した上記状態情報または上記動作制御部から入力した動作情報を入力順に上記画面上に表示する表示部とを有することを特徴とする監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−119843(P2012−119843A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266491(P2010−266491)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】