説明

監視システム、監視装置及び監視方法

【課題】対象人物だけにカメラの撮影範囲を合わせたりする必要がなく、対象以外の人物のプライバシーを保護できるようにする。
【解決手段】データセンタ105は、無線ICタグ125を保持した対象人物が撮影装置101の近くを通過した際に撮影した撮影画像を入力し、顔領域検出装置107で撮影画像の中から特定領域として顔領域を検出する。また、顔識別装置108で無線ICタグ125から得られる個人識別情報を基にデータベース110に登録された対象人物の顔特徴量を取得し、検出された顔領域の中から対象人物に合致する顔領域を識別する。そして、識別した対象人物の顔領域以外の顔領域をマスキング装置109でマスキングしてマスク画像を生成し、画像データ管理装置106でマスク画像を個人識別情報と関連付けて公開用に保持する。閲覧用端末111から閲覧要求があると、認証された個人識別情報に対応するマスク画像を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人物を撮影画像により監視する監視システム、監視装置及び監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの普及により、ネットワークを介した遠隔監視システムが低コストで実現可能になった。一方、犯罪は増加の一途を辿っており、特に児童を狙った凶悪な犯罪が大きな社会問題となっている。
【0003】
このような中で、自治体や企業などが児童の安全を守るために多くの監視システムが開発されている。監視システムの中には、特に児童の通学を見守るために、通学路を中心とした街頭に監視カメラを設置し、また児童には個人を特定できる無線ICタグを所持させ、児童が監視カメラに近寄ると、監視カメラが画像を取得し、Webサーバに保存するシステムが検討されている。
【0004】
このような監視システムでは、保護者が自宅のパソコンなどから上記Webサーバにアクセスし、自ら児童の画像を取得するので、児童の安全を見守ることができる。しかし、上記監視システムでは、対象となる児童以外の人物も画像に含まれることが考えられ、その人物のプライバシーを侵害するおそれがあった。
【0005】
これに対し、児童が持つ無線ICタグから位置情報を取得し、その位置情報を基にカメラのパン・チルト・ズーム動作を行って対象の児童だけが写った画像を撮影し、保護者はその画像を閲覧する監視システムが提案されている(特許文献1参照)。この従来例の監視システムでは、他の児童が画像に写ることを回避することが可能であり、プライバシーの保護が確保される。
【0006】
このように、街頭に設置したカメラがパン・チルト・ズーム動作を行って対象となる児童のみの画像を取得し、保護者が閲覧するような監視システムでは、保護者による児童の通学の監視とプライバシーの保護が両立可能であると考えられる。
【0007】
【特許文献1】特開2002−269209号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来例の監視システムでは、無線ICタグから位置情報を取得し、その位置情報を基にカメラのパン・チルト・ズーム動作を行う場合、以下に掲げるような問題点がある。
【0009】
上記従来例の監視システムにおいて、実際には、無線ICタグの情報から児童の位置情報を正確に把握することは困難であり、必ずしも対象の児童だけを撮影できるとは限らなかった。また、無線ICタグを持った多数の児童が一斉にカメラの撮影範囲に入った場合、1台のカメラで順番に児童をズームして撮影する必要があり、撮影して監視用画像を得る機会を逃してしまうという問題点があった。また、パン・チルト・ズーム動作可能なカメラは高コストであるため、多くの地点にカメラを設置してシステムを導入することが困難であった。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、対象となる人物の正確な位置情報を取得したり対象となる人物だけにカメラの撮影範囲を合わせたりする必要がなく、対象以外の人物のプライバシーを保護することが可能な監視システム、監視装置及び監視方法を提供することを目的とする。また、本発明は、対象となる多数の人物が一斉にカメラの撮影範囲に入った場合でも、機会を逃すことなく監視用画像を得ることが可能な監視システム、監視装置及び監視方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の監視システムは、人物を撮影画像により監視する監視システムであって、対象人物が所持する発信源からの信号を受信し、前記受信した信号に含まれる識別情報を取得する信号受信部と、前記信号の受信に応じて、所定の範囲の画像を撮影する撮影部と、前記撮影された画像中の特定領域を検出する領域検出部と、前記検出された特定領域の中から、前記識別情報に対応する対象特定領域を識別する領域識別部と、前記識別した対象特定領域を除く、他の特定領域をマスキングしてマスク画像を生成するマスキング部と、前記マスク画像を前記識別情報に関連付けて保持する画像データ保持部と、前記保持されたマスク画像を送信する画像送信部とを備えるものである。
これにより、対象となる人物の正確な位置情報を取得したり、対象となる人物だけにカメラの撮影範囲を合わせたりする手間をかけることなく、偶然写っている対象以外の人物のプライバシーを保護できる。また、対象となる多数の人物が一斉にカメラの撮影範囲に入った場合でも、機会を逃すことなく撮影して監視用画像を得ることができる。
【0012】
また、本発明は、上記の監視システムであって、前記識別情報と対応付けるための認証情報を送信する認証情報送信部と、前記送信されたマスク画像を受信する画像受信部と、前記受信したマスク画像を表示する表示部とを備え、前記画像送信部は、前記認証情報に対応する識別情報を特定し、この識別情報に関連するマスク画像を前記認証情報の送信元に送信するものとする。
これにより、監視者が閲覧用端末等において上記監視システムで生成されたマスク画像を閲覧することが可能となり、マスク画像に写っている対象となる人物だけを見ることができる。
【0013】
また、本発明は、上記の監視システムであって、前記領域検出部は、前記特定領域として、前記画像中の顔領域を検出し、前記領域識別部は、前記識別情報に対応する対象人物の顔領域を対象特定領域として識別するものとする。
これにより、対象となる人物を正確に特定することができる。
【0014】
また、本発明は、上記の監視システムであって、顔特徴量が登録されたデータベースを備え、前記領域識別部は、前記識別情報を用いて、前記データベースに登録された対象人物の顔特徴量を取得し、前記取得した顔特徴量と前記検出された顔領域の顔特徴量とを比較し、この比較結果から前記識別情報に対応する対象人物の顔領域を識別するものとする。
これにより、予めデータベースに対象となる人物の顔特徴量を登録しておくことで、自動的に顔領域を検出することができる。
【0015】
また、本発明は、上記の監視システムであって、前記マスキング部は、前記識別情報に対応する対象人物の顔領域以外の顔領域をマスキングするものとする。
これにより、対象人物以外の人物のプライバシーを侵害され易い顔部分を隠すことができ、プライバシーの保護を図れる。
【0016】
また、本発明は、上記の監視システムであって、前記マスキング部は、前記識別情報に対応する対象人物の顔領域以外の全ての領域をマスキングするものとする。
これにより、対象人物以外の人物に関するプライバシー保護を著しく高めることができる。また、対象人物以外の顔領域の検出が正確にできない場合でもプライバシーを維持することが可能である。
【0017】
また、本発明は、上記の監視システムであって、前記マスキング部は、前記領域識別部が前記識別情報に対応する特定領域を識別できない場合、前記マスク画像の生成を行わないものとする。
これにより、不必要な画像を生成する処理を抑止でき、処理の効率化を図ることができる。また、例えば顔領域検出及び識別の精度の信頼度が低い場合に画像を生成しないことで、誤検出及び誤識別によって不正確なマスキングが施された画像を配信してプライバシーが侵害されてしまうことを防止することができる。
【0018】
また、本発明は、上記の監視システムであって、前記領域検出部は、前記特定領域として、前記画像中の移動物体の領域を検出するものとする。
これにより、特定領域として移動物体の領域を検出することで、顔領域の検出に比べ、その処理の負荷を軽減できる。
【0019】
また、本発明は、上記の監視システムであって、前記領域識別部は、前記識別情報に関連付けられた特徴データを用いて、前記識別情報に対応する移動物体の領域を対象人物の領域に相当する対象特定領域として識別するものとする。
これにより、対象となる人物に相当する移動物体の領域を容易に識別できる。
【0020】
また、本発明は、上記の監視システムであって、前記マスキング部は、前記識別情報に対応する対象人物の領域以外の移動物体の領域をマスキングするものとする。
これにより、対象人物の領域以外の移動物体の領域全体をマスキングすることで、対象人物以外の人物に関するプライバシー保護を高めることができる。
【0021】
また、本発明は、上記の監視システムであって、前記マスキング部によるマスキング方法は選択可能であり、前記マスキング部は、選択されたマスキング方法に従って、前記対象特定領域以外の領域のマスキングを行うものとする。
これにより、プライバシー保護がなされた状態で監視者にとって所望のマスク画像を得ることができる。
【0022】
本発明の監視方法は、人物を撮影画像により監視する監視方法であって、対象人物が所持する発信源からの信号を受信し、前記受信した信号に含まれる識別情報を取得する信号受信ステップと、前記信号の受信に応じて、撮影部により所定の範囲の画像を撮影する撮影ステップと、前記撮影された画像中の特定領域を検出する領域検出ステップと、前記検出された特定領域の中から、前記識別情報に対応する対象特定領域を識別する領域識別ステップと、前記識別した対象特定領域を除く、他の特定領域をマスキングしてマスク画像を生成するマスキングステップと、前記マスク画像を前記識別情報に関連付けて保持する画像データ保持ステップと、前記保持されたマスク画像を送信する画像送信ステップとを有するものである。
【0023】
本発明の監視装置は、人物を撮影画像により監視する監視装置であって、撮影された画像の画像データ及び前記画像に含まれる人物の識別情報を受信するデータ受信部と、前記撮影された画像中の特定領域を検出する領域検出部と、前記検出された特定領域の中から、前記識別情報に対応する対象特定領域を識別する領域識別部と、前記識別した対象特定領域を除く、他の特定領域をマスキングしてマスク画像を生成するマスキング部と、前記マスク画像を前記識別情報に関連付けて保持する画像データ保持部と、前記保持されたマスク画像を送信する画像送信部とを備えるものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、対象となる人物の正確な位置情報を取得したり対象となる人物だけにカメラの撮影範囲を合わせたりする必要がなく、対象以外の人物のプライバシーを保護することが可能な監視システム、監視装置及び監視方法を提供できる。また、対象となる多数の人物が一斉にカメラの撮影範囲に入った場合でも、機会を逃すことなく監視用画像を得ることが可能な監視システム、監視装置及び監視方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本実施形態では、監視システムの一例として、通学中の児童を保護者が見守るための監視システムに適用した構成例を示す。この監視システムは、通学路に設置されたカメラで撮影された画像をネットワークを経由して伝送し、保護者が端末で画像表示して閲覧する遠隔監視システムとして構成される。
【0026】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る監視システムの構成を示す図である。監視システムは、撮影装置101、データセンタ105、閲覧用端末111がインターネットや公衆回線等のネットワーク104を介して相互にデータ通信可能に接続された構成を有する。なお、図1には、監視装置は1台、閲覧用端末111は2台だけが描かれているが、実際にはそれぞれ任意の台数が接続可能である。
【0027】
撮影装置101は、カメラ102、ICタグ信号受信装置103を有して構成される。カメラ102は、撮影部の一例に相当するもので、ICタグ信号受信装置103の近傍に設置された固定カメラであり、予め設定された撮影範囲を撮影する。本実施形態では、児童の通学路における任意の箇所が撮影範囲に設定されている。また、本実施形態のカメラは、パン・チルト・ズーム機能を有しないものであるが、有するものであってもよい。
【0028】
ICタグ信号受信装置103は、信号受信部の一例に相当するもので、対象人物となる児童が所持する名札等に内蔵された発信源の一例に相当する無線ICタグ125と通信を行う。このICタグ信号受信装置103は、児童が接近するに従って無線ICタグ125から出力される信号(ICタグ信号)を受信すると、カメラ102に撮影開始信号を出力するとともに、識別情報としてICタグ信号に含まれる個人識別情報等の情報を取得する。ここで、無線ICタグには、自ら信号を能動的に発信するアクティブタグと、受信装置からの信号を受けてから発信するパッシブタグとが存在するが、無線ICタグの方式は特に限定されない。
【0029】
撮影装置101で撮影された画像による画像データ、及びICタグ信号受信装置103で取得された個人識別情報は、ネットワーク104を介してデータセンタ105に送信される。
【0030】
データセンタ105は、画像データ管理装置106、顔領域検出装置107、顔識別装置108、マスキング装置109、顔特徴量データベース110(DB)を有して構成される。顔特徴量DB110には、この監視システムにおける監視対象の人物(本実施形態では、児童)の顔特徴量が予め登録・蓄積されている。
【0031】
顔領域検出装置107は、領域検出部の一例に相当するもので、受信した画像中の特定領域として顔領域を検出する。顔領域の検出方法として、例えば、取り込んだ画像の中から目に似ていると判断される領域を抽出し、顔であるか否かを判定する多重照合顔検出法などを用いることができる。顔識別装置108は、領域識別部の一例に相当するもので、個人識別情報を元に顔特徴量DB110を参照し、無線ICタグを所持していた監視対象の児童の顔特徴量を取得する。さらに、顔領域検出装置107によって検出された全ての顔領域の中から、その児童の顔特徴量に適合した特徴量をもつ顔領域を対象特定領域として識別する。
【0032】
マスキング装置109は、マスキング部の一例に相当するもので、顔領域検出装置107によって検出された顔領域のうち、顔識別装置108によって識別された児童の顔領域(対象特定領域)以外の顔領域をマスキングし、監視対象外の人物が特定できないようなマスク画像を生成する。さらに、マスキング装置109は、生成した画像を画像データ管理装置106に送信する。画像データ管理装置106は、画像データ保持部及び画像送信部の機能を有するもので、マスキング装置109によってマスキング処理が施された画像データと個人識別情報とを関連付けて保持し、外部から閲覧できるように公開する。従って、画像データ管理装置106には、複数の地点で撮影された画像データ(マスク画像も含む)が多数保存されている。
【0033】
なお、画像データ管理装置106、顔領域検出装置107、顔識別装置108及びマスキング装置109の各機能は、データセンタ105に設けられるコンピュータにおいて記録媒体に格納されたプログラムをプロセッサが実行することによって実現される。
【0034】
閲覧用端末111は、画像データ管理装置106に蓄積された画像データ等を閲覧するためのものであり、児童の保護者の自宅に設置された汎用のパーソナルコンピュータ(PC)や携帯電話装置、携帯情報端末などにより構成される。この閲覧用端末111は、ネットワーク104を介してデータを送受信する図示しない通信部を有し、認証情報送信部及び画像受信部の機能を実現する。また、閲覧用端末111はマスク画像となった撮影画像等を表示する表示部などを備える。
【0035】
上記構成を有する監視システムの動作を示す。図2は撮影装置101における監視処理手順を示すフローチャートである。この処理は、撮影装置101内に設けられる記憶媒体に格納されたプログラムをプロセッサが実行することによって繰り返し行われる。
【0036】
まず、ICタグ信号受信装置103において無線ICタグ信号を受信したか否かを判別する(ステップS1)。無線ICタグ信号を受信した場合、無線ICタグ信号に含まれる個人識別情報を取得する(ステップS2)。無線IC信号の受信に同期してICタグ信号受信装置103から撮影開始信号を出力し、カメラ102で撮影する(ステップS3)。撮影された画像による画像データ及び取得した個人識別情報をネットワーク104を介してデータセンタ105に送信する(ステップS4)。この後、本処理を終了する。一方、ステップS1で無線ICタグ信号を受信しなかった場合、そのまま本処理を終了する。
【0037】
具体的に、無線ICタグを所持した児童がICタグ信号受信装置103に近づくと、ICタグ信号受信装置103は無線ICタグからの無線ICタグ信号を受信し、カメラ102に撮影開始信号を送信する。カメラ102は、ICタグ信号受信装置103からの撮影開始信号を受信すると、ICタグ信号受信装置103の近傍に設定された撮影範囲を撮影して画像データを生成する。
【0038】
このように、無線ICタグを所持した児童が近づくと自動的に撮影が行われ、画像が生成される。図3は撮影された画像及び画像処理が施された画像を示す図である。図3(A)は撮影画像を示す。撮影画像201では、撮影対象となる児童201aの他、多数の人物が撮影されている。
【0039】
撮影装置101は、前述したように、カメラ102により撮影された画像を取得すると、その画像データ及びその関連情報をネットワーク104経由でデータセンタ105に送信する。関連情報には、無線ICタグ信号から取得した個人識別情報が含まれる。この個人識別情報及び画像データは、後述するように、互いに関連付けられ、データセンタ105内の画像データ管理装置106に保持される。この時点では、画像はネットワーク経由で公開されていないので、閲覧用端末111から閲覧することができない。つまり、不特定多数の人物が映っている可能性のある画像を保護者が閲覧することはできない。
【0040】
図4はデータセンタ105における画像データ及びその関連情報を保存する処理手順を示すフローチャートである。この処理は、データセンタ105を構成する各装置内に設けられる記憶媒体に格納されたプログラムをプロセッサが実行することにより行われる。 まず、撮影装置101から画像データ及び個人識別情報を受信したか否かを判別する(ステップS11)。画像データ及び個人識別情報を受信している場合、画像データを個人識別情報に関連付け、閲覧不可能に保存する(ステップS12)。閲覧不可能に保存する方法として、例えば、公開されていない記憶領域に保存することが挙げられる。保存された画像データを読み出し、画像中の顔領域を全て検出する(ステップS13)。
【0041】
図3(B)には、図3(A)の撮影画像201に対し、顔領域が検出された画像202が示されている。画像202中、検出された全ての顔領域202a〜202dは破線で四角い枠に囲まれるように描かれている。
【0042】
そして、ステップS11で受信した個人識別情報を元に顔特徴量DB110を参照し、登録されている、ICタグを所持した児童の顔特徴量を取得する(ステップS14)。この取得した顔特徴量を用いて顔認識を行い、画像202中の全ての顔領域から顔特徴量が合致する顔領域を検出する(ステップS15)。顔認識の結果、合致した顔領域を除くその他の顔領域に対してマスキング処理を行い、画像中にその顔領域が表示されないようにする(ステップS16)。
【0043】
図3(C)には、図3(B)の画像202に対し、マスキング処理が施された画像203が示されている。画像203中、マスキングされた顔領域203b、203c、203dは四角い枠にベタ塗りで描かれている。
【0044】
次に、マスキング処理が施された画像データを個人識別情報に関連付け、閲覧可能に画像データ管理装置106に保存する(ステップS17)。閲覧可能に保存する方法として、例えば、画像データ管理装置106内の公開用の記憶領域に保存することが挙げられる。この後、本処理を終了する。一方、ステップS11で画像データ及び個人識別情報を受信していない場合、そのまま本処理を終了する。これにより、マスキングされた画像(マスク画像)は外部から閲覧可能になる。
【0045】
児童の保護者がマスク画像を閲覧する場合、閲覧用ソフトウェア(ブラウザアプリケーション)が導入されたパソコン等の閲覧用端末111を用い、データセンタ105内の画像データ管理装置106に対してアクセスを行う。
【0046】
図5は閲覧用端末111及びデータセンタ105におけるマスク画像を閲覧する際の処理手順を示すフローチャートである。図5(A)は閲覧用端末111における閲覧処理手順を示すフローチャートである。この処理は、閲覧用端末111内に設けられる記憶媒体に格納されたプログラムをプロセッサが実行することにより行われる。図5(B)はデータセンタ105内の画像データ管理装置106における閲覧処理手順を示すフローチャートである。この処理は、画像データ管理装置106内に設けられる記憶媒体に格納されたプログラムをプロセッサが実行することにより行われる。
【0047】
閲覧用端末111側では、保護者によりユーザID及びパスワードが入力されるまで待つ(ステップS21)。ユーザID及びパスワードが入力されると、これらの個人識別情報を画像データ管理装置106に送信する(ステップS22)。そして、画像データ管理装置106から閲覧が許可されたか否かを判別する(ステップS23)。なお、閲覧が許可される場合、画像データ管理装置106に保持された時系列の画像データを表す選択画面のリストが画像データ管理装置106から閲覧用端末111に送信される。
【0048】
図6は携帯用端末111に表示される選択画面のリストを示す図である。この選択画面のリストには、対象となる児童が撮影された各地点の画像の送信を要求する選択ボタン281が設けられている。保護者は所望の選択ボタン281を選択することで、選択画面を要求可能である。そして、閲覧が許可されると、保護者によって指定された選択画面の要求をデータセンタ105に送信する(ステップS24)。この選択画面の要求では、どの地点のカメラで撮影された画像を表す画面にするかを要求することができる。
【0049】
画像データ管理装置106から要求に応じた画像データを受信するまで待つ(ステップS25)。画像データを受信すると、その画像を画面に表示する(ステップS26)。これにより、保護者は対象となる児童だけが写ったマスク画像を閲覧できる。
【0050】
この後、保護者によりログアウトが入力されたか否かを判別する(ステップS27)。ログアウトが入力されていない場合、ステップS24の処理に戻る。一方、ログアウトが入力された場合、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS23で閲覧が許可されない場合、そのまま本処理を終了する。
【0051】
画像データ管理装置106側では、閲覧用端末111から認証情報としてユーザID及びパスワードを受信したか否かを判別する(ステップS31)。ユーザID及びパスワードを受信した場合、その認証を行う(ステップS32)。認証の結果、確認されたか否かを判別する(ステップS33)。認証が確認された場合、閲覧許可を送信する(ステップS34)。認証情報としては、ユーザID及びパスワードの他、閲覧用端末の個体情報やアドレス情報、無線ICタグやICカード等のID情報などを用いることもできる。
【0052】
そして、閲覧用端末111から選択画面の要求を受信するまで待つ(ステップS35)。選択画面の要求を受信すると、要求に見合った画面の画像データを閲覧用端末111に送信する(ステップS36)。そして、ログアウトが行われたか否かを判別し(ステップS37)、ログアウトが行われると、本処理を終了する。一方、ログアウトが行われない場合、ステップS35の処理に戻る。また一方、ステップS33で認証が確認できなかった場合、あるいはステップS31でユーザID及びパスワードを受信できなかった場合、そのまま本処理を終了する。
【0053】
このように、画像データ管理装置106は、ユーザID及びパスワードの入力を要求する。この要求に応じて、保護者はこれらの情報を入力する。正しく認証されると、画像データ管理装置106は、その保護者とのセッション情報(ログインからログアウトまでの情報)を管理し、その保護者に対応する児童の個人識別情報を常に保持し、その個人識別情報に関連付けられた画像のみを閲覧可能にする。一方、保護者は、自分が閲覧可能な画像の中から見たいものを選択し、閲覧用端末111の画面上で確認することができる。これにより、保護者に対し、登録した児童以外の顔画像がマスキングされたマスク画像しか閲覧できないようにする。
【0054】
第1の実施形態の監視システムによれば、多数の児童が登録された監視システムであっても、互いのプライバシーの保護を実現することができる。また、監視システムに登録されていない一般の人物もカメラの画像に映るおそれがあるが、それらの写ってしまった対象以外の人物の顔画像もマスキングされる。従って、街頭など不特定多数の人物が行き来するような場所であっても、本システムを導入するにあたって、周囲の人々の心理的抵抗が少なくなり、導入が容易になる。また、カメラにパン・チルト・ズームといった機能も不要であり、コスト面でも有利である。
【0055】
また、顔を識別することで、対象となる人物を正確に特定することができ、プライバシーを侵害され易い顔部分を隠すことができる。
【0056】
また、同一画像に登録された人物が複数写っている場合でも、1枚の画像中のマスキング領域を変えることによって複数の人物に容易に対応することができる。つまり、複数の無線ICタグ信号が競合する場合、それぞれの個人識別情報を取得し、1枚の撮影画像から各個人識別情報毎に異なるマスク画像を生成するようにする。そして、それぞれの保護者から閲覧要求があった際、その個人識別情報に対応するマスク画像を送信する。なお、複数の無線ICタグが競合する場合であっても、個々のICタグ信号を受信する度に、撮影画像を生成してもよいことは勿論である。
【0057】
また、上記実施形態では、監視対象以外の人物の顔領域だけをマスキングしたが、撮影画像中、個人識別情報に対応する顔領域以外の全ての領域をマスキングしてもよく、プライバシーを高めることができる。
【0058】
(第2の実施形態)
図7は本発明の第2の実施形態に係る監視システムの構成を示す図である。前記第1の実施形態の監視システムでは、撮影画像から顔認識を行ってその領域をマスキングしていたが、第2の実施形態の監視システムでは、移動物体を検出してその領域をマスキングする例を示す。
【0059】
第2の実施形態の監視システムは、複数の見守りノード310及び見守りセンタ330がVPN(Virtual Private Network)340を介して相互にデータ通信可能に接続された構成を有する。見守りセンタ330には、ネットワーク360を介して利用者の携帯用端末370が接続されている。
【0060】
見守りノード310は、カメラ311、電子タグリーダ312、動き検出部313、コントローラ314を有して構成される。
【0061】
カメラ311は、街頭等の監視対象の場所に設置された固定カメラであり、予め設定された領域(撮影範囲)を撮影して画像データを生成する。電子タグリーダ312は、児童が胸元に付けている名札に内蔵する無線ICタグからの無線ICタグ信号を読み取る。この無線ICタグ信号には、前記第1の実施形態と同様、個人識別情報が含まれている。
【0062】
動き検出部313は、領域検出部の一例に相当するもので、時間的に異なる2フレームの画像の差分を画素単位に求め、所定値以上の差分のあった領域に移動物体があると推定するフレーム間差分方式により、画像中の移動物体の領域を検出する。
【0063】
コントローラ314は、電子タグリーダ312からの無線ICタグ信号を検出すると、撮影開始信号を出力する。また、動き検出部310からの画像データ、メタデータ及び電子タグリーダ312からの個人識別情報をVPN340を介して見守りセンタ330に送信する。メタデータには、移動物体の数及びその座標が含まれる。VPN340は見守りノード310と見守りセンタ330を繋ぐ仮想的な専用回線である。
【0064】
見守りセンタ330は、ルータ331、ハブ(HUB)332、Webサーバ333、メールサーバ334、履歴データサーバ335、画像検索サーバ336、データベース(DB)337を有して構成される。この見守りセンタ330は、見守りノード310からの画像データ、メタデータ及び個人識別情報を受信し、個人識別情報に対応する移動物体を識別する移動物体識別機能(領域識別部の一例に相当する)、個人識別情報に対応する移動物体以外の移動物体の領域をマスキングするマスキング機能(マスキング部の一例に相当する)、データベース337に保持されたマスク画像を送信するマスク画像送信機能(画像送信部の一例に相当する)を有する。データベース337は、画像データ保持部の一例に相当するもので、撮影画像やマスク画像の画像データの他、個人識別情報としての特徴データが登録されている。特徴データとしては、例えば、顔や身体特徴、特定色、特定形状物、特定パターン柄などが挙げられる。
【0065】
携帯用端末370は、パーソナルコンピュータ(パソコン)371あるいは携帯電話装置372である。携帯電話装置372は携帯電話事業者380を通じてネットワーク360に接続可能である。
【0066】
上記構成を有する監視システムの動作を示す。図8は見守りノード310における動作処理手順を示すフローチャートである。この処理は、見守りノード310内に設けられる記憶媒体に格納されたプログラムをプロセッサが実行することにより行われる。
【0067】
まず、電子タグリーダ312において無線ICタグ信号を受信したか否かを判別する(ステップS51)。無線ICタグ信号を受信した場合、無線ICタグ信号に含まれる個人識別情報を取得する(ステップS52)。そして、カメラ311によって設定された撮影範囲の画像を撮影する(ステップS53)。この撮影された画像を用い、フレーム間差分方式により画像中の移動物体を検出する(ステップS54)。
【0068】
図9は移動物体が検出された撮影画像の例を示す図である。この画像には、ICタグ401が内蔵された名札を所持する児童の他、2名の児童が移動物体として検出されている。各移動物体は、破線の枠a、b、cで描かれている。移動物体が検出されると、さらに、検出された移動物体の数及びその座標をメタデータとして取得する(ステップS55)。これらの情報(個人識別情報、移動物体の数及び座標)を画像データとともにVPN340経由で見守りセンタ330に送信する(ステップS56)。この後、本処理を終了する。一方、ステップS51で無線ICタグ信号を受信しなかった場合、そのまま本処理を終了する。
【0069】
図10は見守りセンタ330における画像データ及びその関連情報を保存する処理手順を示すフローチャートである。この処理は、見守りセンタ330内に設けられる記憶媒体に格納されたプログラムをプロセッサが実行することにより行われる。
【0070】
まず、見守りノード310から移動物体が検出された画像データ、メタデータ及び個人識別情報を受信したか否かを判別する(ステップS61)。画像データ、メタデータ及び個人識別情報を受信した場合、画像データを個人識別情報に関連付け、閲覧不可能に保存する(ステップS62)。閲覧不可能に保存する方法として、公開されていない記憶領域に保存することが挙げられる。
【0071】
メタデータに含まれる移動物体の数及び移動物体の座標を基に、無線ICタグ401を所持した児童による移動物体を除く、他の移動物体の領域にマスキング処理を行う(ステップS63)。このマスキング処理では、データベース337に登録されている、個人識別情報に関連付けられた児童の特徴データと、撮影画像中の移動物体のデータとを比較し、この比較結果を基に個人識別情報に対応する移動物体を特定し、特定された移動物体以外の移動物体の領域をマスキングすることが行われる。個人情報に対応する特徴データとしては、前述したように、顔や身体特徴、特定色、特定形状物、特定パターン柄などが挙げられる。
【0072】
図11はマスキング処理が施された画像を示す図である。図中、破線の枠aで囲まれた移動物体の領域は、個人識別情報により特定された対象人物に相当する領域であり、この領域だけがそのまま描かれている。その他の移動物体の領域である、破線の枠b、cで囲まれた領域は、マスキングされてベタ塗りで描かれており、人物などは特定されない。
【0073】
そして、マスキング処理が施された画像データを個人識別情報に関連付け、閲覧可能に保存する(ステップS64)。閲覧可能に保存する方法としては、公開用の記憶領域に保存することが挙げられる。この後、本処理を終了する。一方、ステップS61で画像データ、メタデータ及び個人識別情報を受信していない場合、そのまま本処理を終了する。これにより、閲覧用端末370からマスク画像が閲覧可能となる。
【0074】
なお、保護者が携帯用端末370から見守りセンタ330にアクセスして画像を閲覧する動作は、前記第1の実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0075】
第2の実施形態の監視システムによれば、撮影画像に対して移動物体の領域を検出するので、マスキングの対象領域を検出する際、顔領域の検出に比べ、その処理の負荷を軽減できる。また、対象となる移動物体の領域を容易に識別でき、移動物体の領域全体をマスキングすることで、プライバシーを高めることができる。
【0076】
なお、本発明は上記の実施形態において示されたものに限定されるものではなく、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
【0077】
例えば、上記実施形態では、マスキングする際、ベタ塗りしていたが、モザイク、ぼかし、特定画像への差し替えなど、多種類の方法でマスキングしてもよい。また、マスキング方法を利用者が携帯用端末から選択できるようにしてもよく、所望のマスク画像を得ることができる。
【0078】
また、撮影画像において、顔を認証する代わりに、服装等の認証を行って人物を特定してもよい。
【0079】
また、撮影画像において、顔画像を認証できなかった場合、画像のマスキングを行わず、画像を非表示とするようにしてもよい。これにより、不必要な画像を生成しなくて済む。この場合、ICタグの記載情報や時刻情報等を開示するようにしてもよい。
【0080】
また、移動物体を検出する際に、フレーム間差分方式により移動物体を検出していたが、特に検出方式は限定されず、例えば、テンプレートマッチング方式により移動物体を検出するようにしてもよい。
【0081】
また、複数の無線ICタグが競合する場合、同じ画像からマスキング領域を変更した画像を生成し、各ユーザに開示するようにしてもよいし、あるいは個々の無線ICタグからのICタグ信号を受信する度に、撮影画像を生成するようにしてもよい。
【0082】
また、監視対象の人物の検出及び認証を行うための装置として、無線ICタグ及びICタグ信号受信装置などを用いたが、このような電波信号を送受信する装置の組合せに限らず、光信号を送受信する装置の組合せなどを用いてもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、通学中の児童を保護者が見守るための監視システムを示したが、本発明の監視システムは、この用途だけに限定されるものではなく、一般の監視システムにおけるプライバシーの保護にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、対象となる人物の正確な位置情報を取得したり対象となる人物だけにカメラの撮影範囲を合わせたりする必要がなく、対象以外の人物のプライバシーを保護することができる効果、対象となる多数の人物が一斉にカメラの撮影範囲に入った場合でも、機会を逃すことなく監視用画像を得ることができる効果を有し、人物を撮影画像により監視する監視システム、監視装置及び監視方法等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る監視システムの構成を示す図
【図2】第1の実施形態の監視装置における監視処理手順を示すフローチャート
【図3】第1の実施形態における撮影された画像及び画像処理が施された画像を示す図
【図4】第1の実施形態のデータセンタにおける画像データ及びその関連情報を保存する処理手順を示すフローチャート
【図5】第1の実施形態の閲覧用端末及びデータセンタにおけるマスク画像を閲覧する際の処理手順を示すフローチャート
【図6】第1の実施形態における携帯用端末に表示される選択画面のリストを示す図
【図7】本発明の第2の実施形態に係る監視システムの構成を示す図
【図8】第2の実施形態の見守りノードにおける動作処理手順を示すフローチャート
【図9】第2の実施形態における移動物体が検出された撮影画像の例を示す図
【図10】第2の実施形態の見守りセンタにおける画像データ及びその関連情報を保存する処理手順を示すフローチャート
【図11】第2の実施形態におけるマスキング処理が施された画像を示す図
【符号の説明】
【0086】
101 撮影装置
102、311 カメラ
103 ICタグ信号受信装置
104、360 ネットワーク
105 データセンタ
106 画像データ管理装置
107 顔領域検出装置
108 顔識別装置
109 マスキング装置
111 閲覧用端末
125、401 無線ICタグ
310 見守りノード
312 電子タグリーダ
313 動き検出部
314 コントローラ
330 見守りセンタ
333 Webサーバ
334 メールサーバ
335 履歴データサーバ
336 画像検索サーバ
337 データベース
370 携帯用端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人物を撮影画像により監視する監視システムであって、
対象人物が所持する発信源からの信号を受信し、前記受信した信号に含まれる識別情報を取得する信号受信部と、
前記信号の受信に応じて、所定の範囲の画像を撮影する撮影部と、
前記撮影された画像中の特定領域を検出する領域検出部と、
前記検出された特定領域の中から、前記識別情報に対応する対象特定領域を識別する領域識別部と、
前記識別した対象特定領域を除く、他の特定領域をマスキングしてマスク画像を生成するマスキング部と、
前記マスク画像を前記識別情報に関連付けて保持する画像データ保持部と、
前記保持されたマスク画像を送信する画像送信部と、
を備える監視システム。
【請求項2】
請求項1記載の監視システムであって、
前記識別情報と対応付けるための認証情報を送信する認証情報送信部と、
前記送信されたマスク画像を受信する画像受信部と、
前記受信したマスク画像を表示する表示部とを備え、
前記画像送信部は、前記認証情報に対応する識別情報を特定し、この識別情報に関連するマスク画像を前記認証情報の送信元に送信する監視システム。
【請求項3】
請求項1記載の監視システムであって、
前記領域検出部は、前記特定領域として、前記画像中の顔領域を検出し、
前記領域識別部は、前記識別情報に対応する対象人物の顔領域を対象特定領域として識別する監視システム。
【請求項4】
請求項3記載の監視システムであって、
顔特徴量が登録されたデータベースを備え、
前記領域識別部は、前記識別情報を用いて、前記データベースに登録された対象人物の顔特徴量を取得し、前記取得した顔特徴量と前記検出された顔領域の顔特徴量とを比較し、この比較結果から前記識別情報に対応する対象人物の顔領域を識別する監視システム。
【請求項5】
請求項4記載の監視システムであって、
前記マスキング部は、前記識別情報に対応する対象人物の顔領域以外の顔領域をマスキングする監視システム。
【請求項6】
請求項4記載の監視システムであって、
前記マスキング部は、前記識別情報に対応する対象人物の顔領域以外の全ての領域をマスキングする監視システム。
【請求項7】
請求項1記載の監視システムであって、
前記マスキング部は、前記領域識別部が前記識別情報に対応する特定領域を識別できない場合、前記マスク画像の生成を行わない監視システム。
【請求項8】
請求項1記載の監視システムであって、
前記領域検出部は、前記特定領域として、前記画像中の移動物体の領域を検出する監視システム。
【請求項9】
請求項8記載の監視システムであって、
前記領域識別部は、前記識別情報に関連付けられた特徴データを用いて、前記識別情報に対応する移動物体の領域を対象人物の領域に相当する対象特定領域として識別する監視システム。
【請求項10】
請求項9記載の監視システムであって、
前記マスキング部は、前記識別情報に対応する対象人物の領域以外の移動物体の領域をマスキングする監視システム。
【請求項11】
請求項1記載の監視システムであって、
前記マスキング部によるマスキング方法は選択可能であり、
前記マスキング部は、選択されたマスキング方法に従って、前記対象特定領域以外の領域のマスキングを行う監視システム。
【請求項12】
人物を撮影画像により監視する監視方法であって、
対象人物が所持する発信源からの信号を受信し、前記受信した信号に含まれる識別情報を取得する信号受信ステップと、
前記信号の受信に応じて、撮影部により所定の範囲の画像を撮影する撮影ステップと、
前記撮影された画像中の特定領域を検出する領域検出ステップと、
前記検出された特定領域の中から、前記識別情報に対応する対象特定領域を識別する領域識別ステップと、
前記識別した対象特定領域を除く、他の特定領域をマスキングしてマスク画像を生成するマスキングステップと、
前記マスク画像を前記識別情報に関連付けて保持する画像データ保持ステップと、
前記保持されたマスク画像を送信する画像送信ステップと、
を有する監視方法。
【請求項13】
人物を撮影画像により監視する監視装置であって、
撮影された画像の画像データ及び前記画像に含まれる人物の識別情報を受信するデータ受信部と、
前記撮影された画像中の特定領域を検出する領域検出部と、
前記検出された特定領域の中から、前記識別情報に対応する対象特定領域を識別する領域識別部と、
前記識別した対象特定領域を除く、他の特定領域をマスキングしてマスク画像を生成するマスキング部と、
前記マスク画像を前記識別情報に関連付けて保持する画像データ保持部と、
前記保持されたマスク画像を送信する画像送信部と、
を備える監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−17093(P2008−17093A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−185214(P2006−185214)
【出願日】平成18年7月5日(2006.7.5)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】