説明

監視制御システム

【課題】
警報の種類毎に対応を分けることによって、効率良く監視及び故障復帰を行うことがで
きる監視制御システムを提供する。
【解決手段】
監視制御システムは、監視対象機器の異常情報を取得する異常情報取得手段と、異常情
報の内予め定められた種別の異常情報を第1の所定時間経過後に優先順位の高い端末に監
視対象機器の異常を通知する第1の異常情報通知手段と、第1の異常情報通知手段により
端末に通知されてから第2の所定時間経過後に故障復帰されているか否かを判断する故障
復帰判断手段と、故障復帰判断手段により故障復帰していないと判断されたとき、先に通
知された端末の次に優先順位の高い端末に監視対象機器の異常を通知する第2の異常情報
通知手段とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、異常発生情報を通知する監視制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
監視制御システムでは、工場やプラント等に配設される監視対象機器から各種データを
取得し、異常や故障発生時に監視室にある監視端末に警報を上げ、異常表示を行っている

【0003】
また、監視室に担当者が不在であるときにおいても異常発生を通知可能とするために、
異常発生を電子メール等で通知を行うシステムもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−149233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の監視制御システムでは、監視室にいない担当者に対しても異常発生を通知するこ
とが可能となる。
【0006】
しかしながら、異常が発生した対象機器がある現場に担当者がいた場合には、現場に向
かわなくて良い場合があり、不要なメールが送信されることがある。
【0007】
そこで、警報の種類毎に対応を分けることによって、効率良く監視及び故障復帰を行う
ことができる監視制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の監視制御システムは、監視対象機器の異常情報を取得する異常情報取得手段
と、異常情報の内予め定められた種別の異常情報を第1の所定時間経過後に優先順位の高
い端末に監視対象機器の異常を通知する第1の異常情報通知手段と、第1の異常情報通知
手段により端末に通知されてから第2の所定時間経過後に故障復帰されているか否かを判
断する故障復帰判断手段と、故障復帰判断手段により故障復帰していないと判断されたと
き、先に通知された端末の次に優先順位の高い端末に監視対象機器の異常を通知する第2
の異常情報通知手段とを具備する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態の監視制御システムの構成図。
【図2】実施形態の監視制御装置の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明の第1の実施形態の監視制御システムの構成図である。
【0012】
監視制御システムは、工場やプラント等に配設される現場機器からの各種データを取得
して現場機器の異常や故障を監視する監視制御装置1と、監視制御装置1との間で情報の
送受信を行う端末2とを有する。
【0013】
監視制御装置1は、現場機器3の各種データを現場盤4を介して取得する入出力手段1
1と、入出力手段11からの現場機器3の各種データに基づき異常を監視すると共に異常
の通知を行う異常監視手段12と、異常監視手段12からの指示に基づき端末2に情報を
送信する情報送受信手段13と、異常を含む各種データを表示する表示手段14とを有す
る。
【0014】
次に、監視制御装置1の動作について、図2の異常監視フローチャートを用いて説明す
る。
【0015】
現場機器3にて異常が発生すると、入出力手段11を介してその情報を取得する。(ス
テップ1)
異常監視手段12は、現場機器3からの異常情報に基づいて、一定時間内に対応が必要
な異常であるか、即時対応が必要な異常であるか、対応が不要な異常であるかを警報の種
類に分別する。(ステップ2)ここで、一定時間内に対応が必要な異常とは、対応が必要
な異常であるが、現場に担当者がいれば現場盤4で報知された異常により確認でき、短期
間で故障復帰可能なものである。
【0016】
一定時間内に対応が必要な異常であるときは、一定時間経過するまでカウントアップし
て(ステップ3)、一定時間が経過すると故障復帰しているか否かを確認して、故障復帰
していないときはステップ5に進み、故障復帰しているときはステップ9に進む。(ステ
ップ4)
ステップ5では、担当者へ異常が発生した旨の情報を情報送受信手段13を介して、端
末2に通知する。このとき、通知を行う担当者が格納されたデータベースに基づき、優先
度の高い担当者の端末2に対して、通知を行う。
【0017】
端末2に通知を行った後、規定時間経過するまでカウントアップして(ステップ6)、
規定時間が経過すると故障復帰しているか否かを判断して、故障復帰していないときはス
テップ5に戻り、次に優先度の高い担当者の端末に対して通知を行い、故障復帰している
ときはステップ8に進む。(ステップ7)
故障復帰しているときは、ステップ5にて通知を行った担当者の端末2に対して、故障
復帰の通知を行った後、処理を終了する。(ステップ8、ステップ9)
また、ステップ2において、即時対応が必要な異常であると判断されたときは、ステッ
プ5に進み、一定時間の経過を待つことなく端末2への通知以降の処理を実行する。
【0018】
また、ステップ2において、対応が不要な異常であると判断されたときは、ステップ9
に進み、処理を終了する。尚、対応が不要な異常とは、軽微な異常であり一過的な異常で
ある可能性が高いものや表示手段14を監視する担当者が対応可能なものである。
【0019】
このように、警報の種類毎に予め設定された対応を行うことにより、効率よく監視及び
故障復帰を行うことができる。
【0020】
特に、現場に人がいて即時対応可能なときなどは、無駄な異常通知を防止することがで
きる。また、端末に対して異常通知を行うことにより、監視室の担当者が不在のときにも
対応が必要な異常の見落としを防止することができる。更に、故障復帰したときには、通
知を行っていた端末に対して、故障復帰の情報を通知することにより、故障復帰の情報を
共有することができる。
【0021】
本実施の形態において、監視制御装置1と端末2との情報の送受信は、メール通知でも
良いし、音声による電話通知でも良い。また、端末2は携帯電話のような携帯端末でも良
いし、固定電話のような固定端末でも良い。携帯端末は、担当者が携帯しているので、担
当者に直接通知することができるが、圏外などで受信できないことがあるので、携帯端末
以外に事務所などの固定端末を登録することによって、より確実に異常に対応することが
できる。
【0022】
また、警報の種別については、異常のレベルに応じて細分化しても良く、それに応じて
端末への通知方法を変更しても良い。例えば、異常の重要度が高いものについては、複数
の端末2に対して通知を行うようにして、重要度が通常のものについては、重要度が高い
ものよりも少ない端末2に対して通知を行うようにしても良い。これにより重要度の高い
ものについては、より確実に異常に対応することができる。
【0023】
更に、故障復帰の際に行った対応内容を記録してデータベースを作成して、端末2から
アクセス可能としても良い。これより、異常発生時の対応履歴を確認することが可能とな
り、対策等に役立てることができる。
【符号の説明】
【0024】
1・・・監視制御装置
2・・・端末
3・・・現場機器
11・・・入出力手段
12・・・異常監視手段
13・・・情報送受信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象機器の異常を監視する監視制御システムにおいて、
監視対象機器の異常情報を取得する異常情報取得手段と、
前記異常情報の内予め定められた種別の異常情報を第1の所定時間経過後に優先順位の
高い端末に監視対象機器の異常を通知する第1の異常情報通知手段と、
前記第1の異常情報通知手段により端末に通知されてから第2の所定時間経過後に故障
復帰されているか否かを判断する故障復帰判断手段と、
前記故障復帰判断手段により故障復帰していないと判断されたとき、先に通知された端
末の次に優先順位の高い端末に監視対象機器の異常を通知する第2の異常情報通知手段と
を具備する監視制御システム。
【請求項2】
前記故障復帰判断手段により故障復帰していると判断されたとき、第1または第2の異
常情報通知手段により通知された端末に故障復帰情報を通知する故障復帰情報通知手段と
を具備した請求項1記載の監視制御システム。
【請求項3】
第1または第2の異常情報通知手段は、メールまたは電話にて通知する請求項1または
請求項2に記載の監視制御システム。
【請求項4】
第1または第2の異常情報通知手段は、重要度の高い異常情報については優先順位の高
い複数の端末に監視対象機器の異常を通知する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の
監視制御システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−80291(P2013−80291A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218685(P2011−218685)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】