監視対象設定変更装置
【課題】監視装置数の増減により必要となった監視対象装置の設定変更を迅速に行う。
【解決手段】監視装置ごとに設定情報を記憶する設定情報記憶部12と、監視対象装置ごとにいずれかの監視装置を示す監視装置識別情報を含む監視対象装置情報を記憶する監視対象装置情報記憶部13と、監視装置が増えるまたは減る際に、監視対象装置情報記憶部13の各監視装置識別情報が、当該増える監視装置の監視装置識別情報を含む全ての監視装置識別情報または当該減る監視装置の監視装置識別情報を含まない全ての監視装置識別情報のいずれかとなるようにする割り付け部17と、監視対象装置情報記憶部13で変更された監視装置識別情報に対応する監視装置を示す設定情報を設定情報記憶部12から読み出し、当該監視装置識別情報を含む監視対象装置情報に対応する監視対象装置に当該設定情報を送信する変更要求処理部15とが設けられる。
【解決手段】監視装置ごとに設定情報を記憶する設定情報記憶部12と、監視対象装置ごとにいずれかの監視装置を示す監視装置識別情報を含む監視対象装置情報を記憶する監視対象装置情報記憶部13と、監視装置が増えるまたは減る際に、監視対象装置情報記憶部13の各監視装置識別情報が、当該増える監視装置の監視装置識別情報を含む全ての監視装置識別情報または当該減る監視装置の監視装置識別情報を含まない全ての監視装置識別情報のいずれかとなるようにする割り付け部17と、監視対象装置情報記憶部13で変更された監視装置識別情報に対応する監視装置を示す設定情報を設定情報記憶部12から読み出し、当該監視装置識別情報を含む監視対象装置情報に対応する監視対象装置に当該設定情報を送信する変更要求処理部15とが設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視装置数の増減により必要となった監視対象装置の設定変更を迅速に行える監視対象設定変更装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来においては、監視装置が監視対象装置を監視する通信システム(以下、監視システムという)があり、監視システムでは、監視装置のアドレスが予め監視対象装置に設定され、監視対象装置は当該アドレスに該当する監視装置に対し、監視対象装置の状態を示す通知信号を送信する。こうして通知信号により、監視装置においては監視対象装置の状態を知ることができる。
【0003】
図11は、監視システムにおいて監視装置の数を増やす前後の動作を示す図である。
【0004】
監視装置3の数を増やすと、ある監視対象装置2に設定された既存の監視装置3のアドレスが、管理者などにより、増えた監視装置3のアドレスに変更される。これにより、当該監視対象装置2は、監視装置数増の前においては、当該既存の監視装置3に通知信号を送信することになっていたのだが、監視装置数増の後においては、当該増えた監視装置3に通知信号を送信することになる。
【0005】
図12は、監視システムにおいて監視装置の数を減らす前後の動作を示す図である。
【0006】
ある監視装置3の故障などにより監視装置数減があると、ある監視対象装置2に設定された当該監視装置3のアドレスが、管理者などにより、他の監視装置3のアドレスに変更される。これにより、当該監視対象装置2は、監視装置数減の前においては、監視装置でなくなった監視装置3に通知信号を送信することになっていたのだが、監視装置数減の後においては、当該他の監視装置3に通知信号を送信することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−222929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のように、従来の監視システムにおいては、監視装置数の増減により、監視対象装置の設定を変更する必要があるが、その間は、通知信号が正しい監視装置に送信されず、監視対象装置の状況がわからない。管理者の事情などにより、設定変更が遅れると、状況不明の時間が長くなり、不都合である。特に監視対象装置が多数になると、変更遅れの可能性が高く、不都合である。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、監視装置数の増減により必要となった監視対象装置の設定変更を迅速に行える監視対象設定変更装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明は、監視対象装置に送信される設定情報により示される監視装置に対し当該監視対象装置の状態を示す通知信号が送信される監視システムで使用される監視対象設定変更装置であって、1以上の前記監視装置の監視装置ごとに当該監視装置を示す設定情報が記憶される設定情報記憶部と、1以上の前記監視対象装置の監視対象装置ごとに前記いずれかの監視装置を示す監視装置識別情報を含む監視対象装置情報が記憶される監視対象装置情報記憶部と、前記監視装置が増えるまたは減る際に、前記監視対象装置情報記憶部の各監視装置識別情報が、当該増える監視装置の監視装置識別情報を含む全ての監視装置識別情報または当該減る監視装置の監視装置識別情報を含まない全ての監視装置識別情報のいずれかとなるようにする割り付け部と、前記監視対象装置情報記憶部で変更された監視装置識別情報に対応する監視装置を示す設定情報を前記設定情報記憶部から読み出し、当該監視装置識別情報を含む監視対象装置情報に対応する監視対象装置に当該設定情報を送信する変更要求処理部とを備えることを特徴とする監視対象設定変更装置をもって解決手段とする。
【0011】
例えば、監視対象設定変更装置は、前記監視装置から当該監視装置におけるリソースの使用率を含むリソース情報を取得するリソース情報取得部を備え、当該リソースの使用率が予め設定された閾値以上である場合において、当該監視装置の監視装置識別情報が前記全ての監視装置識別情報に含まれないようになっている。
【0012】
例えば、前記設定情報を伝達する信号のプロトコルは前記通知信号のプロトコルである。
【0013】
例えば、監視対象設定変更装置は、前記監視装置から当該監視装置におけるリソースの使用率を含むリソース情報を取得するリソース情報取得部を備え、前記割り付け部は、前記監視対象装置情報記憶部における当該監視装置の監視装置識別情報の数を当該使用率が大きいほど少なくする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、監視装置数の増減により必要となった監視対象装置の設定変更を迅速に行える監視対象設定変更装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施の形態に係る監視対象設定変更装置を含む監視システムの構成図である。
【図2】監視対象設定変更装置1の構成図である。
【図3】監視装置情報記憶部11の構成図である。
【図4】設定情報記憶部12の構成図である。
【図5】監視対象装置情報記憶部13の構成図である。
【図6】設定値記憶部14の構成図である。
【図7】監視装置3が監視対象設定変更装置1に変更要求を送信する際のフローチャートである。
【図8】監視装置3が監視対象設定変更装置1にリソース情報を送信する際のフローチャートである。
【図9】監視対象設定変更装置1が監視対象装置2の設定情報を変更する際のフローチャートである。
【図10】監視システムにおいて監視対象装置2の設定情報が変更される際のシーケンス図である。
【図11】従来の監視システムにおいて監視装置の数を増やす前後の動作を示す図である。
【図12】従来の監視システムにおいて監視装置の数を減らす前後の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本実施の形態に係る監視対象設定変更装置を含む監視システムの構成図である。
【0018】
監視対象設定変更装置1は、通信ネットワーク4に接続され、通信ネットワーク4には、複数の監視対象装置2と複数の監視装置3が接続される。
【0019】
各監視対象装置2は、いずれかの監視装置3のアドレスを含む設定情報を記憶し、監視対象装置2は当該アドレスに該当する監視装置3に対し、監視対象装置2の状態を示す通知信号を送信するようになっている。こうして通知信号により、監視装置3においては監視対象装置2の状態を知ることができる。例えば、通知信号は、SNMP(Simple Network Management Protocol)プロトコルを使用したトラップ信号である。
【0020】
図2は、監視対象設定変更装置1の構成図である。
【0021】
監視対象設定変更装置1は、各監視装置3に関する監視装置情報が記憶される監視装置情報記憶部11と、各監視装置3について、当該監視装置3に通知信号を送信する監視対象装置2に設定すべき設定情報が記憶される設定情報記憶部12と、各監視対象装置2に関する監視対象装置情報が記憶される監視対象装置情報記憶部13と、予め設定された設定値が記憶される設定値記憶部14と、監視装置3が増えるまたは減る際に送信される変更要求により処理を行う変更要求処理部15と、監視装置3からリソースの使用率を含むリソース情報を取得するリソース情報取得部16と、監視対象装置情報記憶部13の監視対象装置情報内の各監視装置識別情報が、増える監視装置の監視装置識別情報を含む全ての監視装置識別情報または減る監視装置の監視装置識別情報を含まない全ての監視装置識別情報のいずれかとなるように監視対象装置情報記憶部13を変更する割り付け部17とを備える。
【0022】
図3は、監視装置情報記憶部11の構成図である。
【0023】
監視装置情報記憶部11には、各監視装置3に関する監視装置情報が記憶される。監視装置情報は、該当の監視装置3を示す監視装置識別情報(以下、監視装置IDという)、当該監視装置3のアドレス、当該監視装置3におけるリソースの1つであるCPU(演算装置)の使用率(百分率で表現されたものであり、以下、「CPU使用率」という)、当該監視装置3におけるリソースの1つであるメモリ(記憶素子)の使用率(百分率で表現されたものであり、以下、「メモリ使用率」という)、当該監視装置3におけるリソースの1つであるトラヒックの処理能力の使用率つまり当該処理能力に対応する最大量に対する実際のトラヒック量の比率(百分率で表現されたものであり、以下、「トラヒック使用率」という)を記憶するためのものである。
【0024】
図4は、設定情報記憶部12の構成図である。
【0025】
設定情報記憶部12には、各監視装置3について、当該監視装置3に通知信号を送信する監視対象装置2に設定すべき設定情報が記憶される。設定情報は、該当の監視装置3を示す監視装置ID、当該監視装置3のアドレスつまり通知信号の送信先のアドレスなどを記憶するものである。
【0026】
図5は、監視対象装置情報記憶部13の構成図である。
【0027】
監視対象装置情報記憶部13には、各監視対象装置2に関する監視対象装置情報が記憶される。監視対象装置情報は、該当の監視対象装置2のアドレス、当該監視対象装置2から送信される通知信号の送信先である監視装置3の監視装置ID、当該監視対象装置2における設定情報の変更の要否を示すフラグを記憶するものである。フラグ「0」、「1」はそれぞれ変更が必要、不要であることを示す。
【0028】
図6は、設定値記憶部14の構成図である。
【0029】
設定値記憶部14は、各CPU使用率、メモリ使用率、トラヒック使用率について設定された閾値を記憶している(図6(a))。閾値は、CPU使用率などと同じく、百分率で表現される。
【0030】
また、設定値記憶部14は、各CPU使用率、メモリ使用率、トラヒック使用率について設定された重み値を記憶している(図6(b))。各重み値は、例えば、それぞれ1、2、1である。
【0031】
(本実施の形態の動作)
次に、本実施の形態に係る監視システムの動作を説明する。
【0032】
図7は、監視装置3が監視対象設定変更装置1に変更要求を送信する際のフローチャートである。
【0033】
監視装置3は、該監視装置3が監視装置となった際(監視装置数増の際)、または、当該監視装置3が故障などにより監視装置でなくなった際(監視装置数減の際)、当該監視装置3が監視装置となったか監視装置でなくなったかを示す情報つまり監視装置数増または減を示す増減情報を伴う変更要求を、当該監視装置3のアドレスとともに、監視対象設定変更装置1に送信する(S1)。
【0034】
図8は、監視装置3が監視対象設定変更装置1にリソース情報を送信する際のフローチャートである。
【0035】
監視装置3は、監視対象設定変更装置1のリソース情報取得部16からリソース情報取得要求を受信したら(S11:YES)、当該監視装置3のCPU使用率、メモリ使用率、トラヒック使用率を含むリソース情報をリソース情報取得部16に送信する(S13)。
【0036】
図9は、監視対象設定変更装置1が監視対象装置2の設定情報を変更する際のフローチャートである。
【0037】
かかる動作は、監視対象装置情報記憶部13の全フラグが「0」である場合、つまり、全ての監視対象装置2で設定情報の変更が不要であり、つまり、監視対象装置2は通知信号を、該監視対象装置2の設定情報内の送信先のアドレス宛に送信すればよい場合に開始される。
【0038】
変更要求処理部15は、変更要求、該変更要求に伴う増減情報およびアドレスを待機し、これらを受信した場合(S101:YES)、増減情報が監視装置数増を示すなら、監視装置情報記憶部11に新たな監視装置情報を設けて当該監視装置情報に当該アドレスおよび固有の監視装置IDを設定するとともに、設定情報記憶部12に新たな設定情報を設けて当該アドレスを送信先として設定する一方、増減情報が監視装置数減を示すなら、監視装置情報記憶部11から当該アドレスを含む監視装置情報を検索し、削除または使用不可にする(S103)。
【0039】
次に、変更要求処理部15は、監視装置3からリソース情報を取得するようにリソース情報取得部16に指示する(S104)。
【0040】
これにより、リソース情報取得部16は、監視装置情報記憶部11の各監視装置情報からアドレスを読み出し、各アドレスにつき以下の処理を行う。
【0041】
つまり、リソース情報取得部16は、アドレスに該当する監視装置3に対し、所定のリソース情報取得要求を送信し、つまり、ポーリングを行い、これに対して当該監視装置3から送信されるリソース情報を受信する(S105)。
【0042】
次に、リソース情報取得部16は、設定値記憶部14から各閾値を読み出し、受信したリソース情報に含まれるCPU使用率、メモリ使用率、トラヒック使用率の3つが全て該当の閾値未満であるか、または、少なくとも1つが閾値以上であるかを判定し(S107)、3つ全てが閾値未満と判定したなら(S107:YES)、当該リソース情報を送信した監視装置3のアドレスを割り付け部17に通知する(S109)。
【0043】
次に、リソース情報取得部16は、読み出した全てのアドレスの監視装置3について上記の処理を行ったか否かを判定し(S111)、全ての監視装置3について処理を行っていないなら(S111:NO)、ステップS105に戻る一方、全ての監視装置3について処理を行ったなら(S111:YES)、割り付け部17に処理を開始するように指示する(S112)。
【0044】
これにより、割り付け部17は、リソース情報取得部16から通知された各アドレスにつき、当該アドレスを含む監視装置情報を監視装置情報記憶部11から検索し、当該監視装置情報から監視装置IDを読み出し、監視対象装置情報記憶部13の各監視対象装置情報の監視装置IDが、当該読み出した全ての監視装置IDのいずれかとなるように、監視対象装置情報記憶部13を変更する(S113)。
【0045】
ここでは、割り付け部17は、設定値記憶部14から各重み値を読み出し、まず、読み出した各監視装置IDについて、式(1)により、空きリソース量Mを計算する。
【数1】
【0046】
ただし、R1、R2、R3はそれぞれ、該当の監視装置IDを含む監視装置情報内のCPU使用率、メモリ使用率、トラヒック使用率である。
【0047】
r1、r2、r3はそれぞれ、CPU使用率、メモリ使用率、トラヒック使用率についての重み値である。各重み値は、上記のように、例えば、それぞれ1、2、1とされ、つまり、空きリソース量Mに対して特にメモリ使用率が反映されるように設定される。
【0048】
例えば、重み値が上記のように1、2、1に設定され、該当の監視装置IDが3つあり、第1の監視装置IDを含む監視装置情報内のCPU使用率、メモリ使用率、トラヒック使用率がそれぞれ、30、10、30であり、第2の監視装置IDを含む監視装置情報内のCPU使用率、メモリ使用率、トラヒック使用率がそれぞれ、50、70、50であり、第3の監視装置IDを含む監視装置情報内のCPU使用率、メモリ使用率、トラヒック使用率がそれぞれ、60、60、60であった場合、第1の監視装置IDに対応する空きリソース量M(M1という)、第2の監視装置IDに対応する空きリソース量M(M2という)、第3の監視装置IDに対応する空きリソース量M(M3という)は、以下のように計算される。
【数2】
【0049】
次に、割り付け部17は、読み出した各監視装置IDについて、式(2)により、監視対象装置数Nを計算する。
【数3】
【0050】
ただし、Ntotalは、監視対象装置2の総数である。
【0051】
Mは、該当の監視装置IDについて計算された空きリソース量である。
【0052】
Mtotalは、計算された全ての空きリソース量の総和である。
【0053】
Ntotalが900の場合、上記の第1の監視装置IDに対応する監視対象装置数N(N1という)、第2の監視装置IDに対応する監視対象装置数N(N2という)、第3の監視装置IDに対応する監視対象装置数N(N3という)は、以下のように計算される。
【数4】
【0054】
次に、割り付け部17は、読み出した各監視装置IDについて、監視対象装置情報記憶部13での当該監視装置IDの総数が当該監視装置IDについて計算された監視対象装置数Nに等しくなるように、監視対象装置情報記憶部13の監視装置IDを適宜変更する。
【0055】
次に、割り付け部17は、変更された監視装置IDを含む監視対象装置情報内のフラグを全て「0」から「1」に変更する(S114)。変更されない監視装置IDを含む監視対象装置情報内のフラグは「0」のままとされる。
【0056】
次に、割り付け部17は、変更された監視装置IDを含む監視対象装置情報内のアドレスを全て変更要求処理部15に通知する(S115)。
【0057】
これにより、変更要求処理部15は、通知された各アドレスにつき、以下の処理を行う。
【0058】
つまり、変更要求処理部15は、アドレスに該当する監視対象装置2に対し、所定の設定情報変更通知を送信する、つまり、ポーリングを行う(S116)。
【0059】
これに対し監視対象装置2は、所定の設定情報取得要求を変更要求処理部15に送信するようになっている。
【0060】
変更要求処理部15は、設定情報変更通知の送信先である監視対象装置2から設定情報取得要求を受信したか否かを判定し(S117)、設定情報取得要求を受信していないなら(S117:NO)、設定情報変更通知を再度送信する(S116)。
【0061】
変更要求処理部15は、設定情報取得要求を受信したなら(S117:YES)、当該アドレス(割り付け部17から通知された該当のアドレス)を含む監視対象装置情報を監視対象装置情報記憶部13から検索し、当該監視対象装置情報から監視装置IDを読み出し、当該監視装置IDを含む監視装置情報を監視装置情報記憶部11から検索し、当該監視装置情報からアドレスを読み出し、当該アドレスに等しい送信先のアドレスを含む設定情報を設定情報記憶部12から読み出し、当該設定情報を当該監視対象装置2に送信し、当該監視対象装置2に記憶(設定)させる(S191)。
【0062】
ここで、変更要求処理部15は、設定情報を伝達する信号のプロトコルを通知信号のプロトコルと同じに、例えば、SNMPプロトコルにすることが好ましく、これにより、監視対象装置2において新たなプロトコルを実装する必要がなくなる。
【0063】
次に、変更要求処理部15は、当該監視対象装置情報のフラグを「1」から「0」に変更する(S121)。
【0064】
通知された各アドレスにつき、以上の処理がなされたら、設定情報の変更は終了となる。
【0065】
図10は、監視システムにおいて監視対象装置2の設定情報が変更される際のシーケンス図である。
【0066】
1つの監視装置3は、監視装置3が監視装置となった際(監視装置数増の際)、または、当該監視装置3が故障などにより監視装置でなくなった際(監視装置数減の際)(T1)、当該監視装置3が監視装置となったか監視装置でなくなったかを示す情報つまり監視装置数増または減を示す増減情報を伴う変更要求を、当該監視装置3のアドレスとともに、監視対象設定変更装置1に送信する(T3)。
【0067】
変更要求処理部15は、変更要求、該変更要求に伴う増減情報およびアドレスを受信し、増減情報が監視装置数増を示すなら、監視装置情報記憶部11に新たな監視装置情報を設けて当該監視装置情報に当該アドレスおよび固有の監視装置IDを設定する(T5)とともに、設定情報記憶部12に新たな設定情報を設けて当該アドレスを送信先として設定する(T6)一方、増減情報が監視装置数減を示すなら、監視装置情報記憶部11から当該アドレスを含む監視装置情報を検索し、削除または使用不可にする(T5)。
【0068】
次に、変更要求処理部15は、監視装置3からリソース情報を取得するようにリソース情報取得部16に指示する(T7)。
【0069】
これにより、リソース情報取得部16は、監視装置情報記憶部11の各監視装置情報からアドレスを読み出し、当該アドレスに該当する監視装置3にリソース情報取得要求を送信し(T9)、当該監視装置3から送信されるリソース情報を受信する(T11)。
【0070】
次に、リソース情報取得部16は、設定値記憶部14から各閾値を読み出し、受信したリソース情報に含まれるCPU使用率、メモリ使用率、トラヒック使用率の3つが全て該当の閾値未満であるか、または、少なくとも1つが閾値以上であるかを判定し、3つ全てが閾値未満と判定したなら、当該リソース情報を送信した監視装置3のアドレスを割り付け部17に通知する(T13)。
【0071】
割り付け部17は、リソース情報取得部16から通知された各アドレスにつき、当該アドレスを含む監視装置情報を監視装置情報記憶部11から検索し、当該監視装置情報から監視装置IDを読み出し(T15)、監視対象装置情報記憶部13の各監視対象装置情報の監視装置IDが、当該読み出した全ての監視装置IDのいずれかとなるように監視対象装置情報記憶部13を変更し、変更された監視装置IDを含む監視対象装置情報内のフラグを「0」から「1」に変更する(T17)。
【0072】
次に、割り付け部17は、変更された監視装置IDを含む監視対象装置情報内の監視対象装置2のアドレスを変更要求処理部15に通知する(T19)。
【0073】
変更要求処理部15は、通知されたアドレスに該当する監視対象装置2に設定情報変更通知を送信する(T21)。
【0074】
各監視対象装置2は、設定情報変更通知を受信し、設定情報取得要求を送信する(T23)。
【0075】
変更要求処理部15は、設定情報取得要求を受信し、該設定情報取得要求を送信した監視対象装置2のアドレス(割り付け部17から通知された該当のアドレス)を含む監視対象装置情報を検索し、当該監視対象装置情報から監視装置IDを読み出し、当該監視装置IDを含む監視装置情報を検索し、当該監視装置情報からアドレスを読み出し、当該アドレスに等しい送信先のアドレスを含む設定情報を設定情報記憶部12から読み出し(T25)、該設定情報を当該監視対象装置2に送信する(T27)。
【0076】
各監視対象装置2は、設定情報を受信し、当該設定情報で元の設定情報を置き換える(T29)。
【0077】
各監視対象装置2は、置き換え後の設定情報内の送信先のアドレスに該当する監視装置3に対し、監視対象装置2の状態を示す通知信号を送信する。こうして通知信号により、例えば、増えた監視装置3において、監視対象装置2の状態を迅速に知ることができる。
【0078】
したがって、本実施の形態によれば、監視対象設定変更装置1は、監視対象設定変更装置1から監視対象装置2に送信される設定情報により示される監視装置3に対し当該監視対象装置2の状態を示す通知信号が送信される監視システムで使用される監視対象設定変更装置であって、(1)1以上の監視装置3の監視装置ごとに当該監視装置を示す設定情報が記憶される設定情報記憶部12と、(2)1以上の監視対象装置2の監視対象装置ごとにいずれかの監視装置を示す監視装置識別情報を含む監視対象装置情報が記憶される監視対象装置情報記憶部13と、(3)監視装置が増えるまたは減る際に、監視対象装置情報記憶部13の(監視対象装置情報内の)各監視装置識別情報が、当該増える監視装置の監視装置識別情報を含む全ての監視装置識別情報または当該減る監視装置の監視装置識別情報を含まない全ての監視装置識別情報のいずれかとなるようにする割り付け部17と、(4)監視対象装置情報記憶部13で変更された監視装置識別情報に対応する監視装置を示す設定情報を設定情報記憶部12から読み出し、当該監視装置識別情報を含む監視対象装置情報に対応する監視対象装置2に当該設定情報を送信する変更要求処理部15とを備えることで、変更された監視装置識別情報を含む監視対象装置情報に対応する監視対象装置2に設定情報が送信され、よって、監視装置数の増減により必要となった監視対象装置の設定変更を迅速に行い、稼働を削減することができる。また、監視システムを使用できない時間を短縮できる。その結果、保守性を向上することができる。
【0079】
また、監視対象設定変更装置1は、監視装置からリソースの使用率を含むリソース情報を取得するリソース情報取得部16を備え、当該リソースの使用率が予め設定された閾値以上である場合において、当該監視装置の監視装置識別情報が前記全ての監視装置識別情報に含まれないようになっているので、通知信号が当該監視装置には送信されないようにできる。
【0080】
また、設定情報を伝達する信号のプロトコルを通知信号のプロトコルとすることで、監視対象装置において新たなプロトコルの実装が必要でなくなる。
【0081】
また、監視対象設定変更装置1は、監視装置からリソースの使用率を含むリソース情報を取得するリソース情報取得部16を備え、割り付け部17は、監視対象装置情報記憶部13における当該監視装置の監視装置識別情報の数を当該使用率が大きいほど少なくすることで、当該監視装置に通知信号を送信する監視対象装置の数を当該使用率が大きいほど少なくでき、つまり、監視対象装置の数を、使用可能なリソースの量に応じた適切なものにできる。
【符号の説明】
【0082】
1…監視対象設定変更装置
2…監視対象装置
3…監視装置
11…監視装置情報記憶部
12…設定情報記憶部
13…監視対象装置情報記憶部
14…設定値記憶部
15…変更要求処理部
16…リソース情報取得部
17…割り付け部
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視装置数の増減により必要となった監視対象装置の設定変更を迅速に行える監視対象設定変更装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来においては、監視装置が監視対象装置を監視する通信システム(以下、監視システムという)があり、監視システムでは、監視装置のアドレスが予め監視対象装置に設定され、監視対象装置は当該アドレスに該当する監視装置に対し、監視対象装置の状態を示す通知信号を送信する。こうして通知信号により、監視装置においては監視対象装置の状態を知ることができる。
【0003】
図11は、監視システムにおいて監視装置の数を増やす前後の動作を示す図である。
【0004】
監視装置3の数を増やすと、ある監視対象装置2に設定された既存の監視装置3のアドレスが、管理者などにより、増えた監視装置3のアドレスに変更される。これにより、当該監視対象装置2は、監視装置数増の前においては、当該既存の監視装置3に通知信号を送信することになっていたのだが、監視装置数増の後においては、当該増えた監視装置3に通知信号を送信することになる。
【0005】
図12は、監視システムにおいて監視装置の数を減らす前後の動作を示す図である。
【0006】
ある監視装置3の故障などにより監視装置数減があると、ある監視対象装置2に設定された当該監視装置3のアドレスが、管理者などにより、他の監視装置3のアドレスに変更される。これにより、当該監視対象装置2は、監視装置数減の前においては、監視装置でなくなった監視装置3に通知信号を送信することになっていたのだが、監視装置数減の後においては、当該他の監視装置3に通知信号を送信することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−222929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のように、従来の監視システムにおいては、監視装置数の増減により、監視対象装置の設定を変更する必要があるが、その間は、通知信号が正しい監視装置に送信されず、監視対象装置の状況がわからない。管理者の事情などにより、設定変更が遅れると、状況不明の時間が長くなり、不都合である。特に監視対象装置が多数になると、変更遅れの可能性が高く、不都合である。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、監視装置数の増減により必要となった監視対象装置の設定変更を迅速に行える監視対象設定変更装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明は、監視対象装置に送信される設定情報により示される監視装置に対し当該監視対象装置の状態を示す通知信号が送信される監視システムで使用される監視対象設定変更装置であって、1以上の前記監視装置の監視装置ごとに当該監視装置を示す設定情報が記憶される設定情報記憶部と、1以上の前記監視対象装置の監視対象装置ごとに前記いずれかの監視装置を示す監視装置識別情報を含む監視対象装置情報が記憶される監視対象装置情報記憶部と、前記監視装置が増えるまたは減る際に、前記監視対象装置情報記憶部の各監視装置識別情報が、当該増える監視装置の監視装置識別情報を含む全ての監視装置識別情報または当該減る監視装置の監視装置識別情報を含まない全ての監視装置識別情報のいずれかとなるようにする割り付け部と、前記監視対象装置情報記憶部で変更された監視装置識別情報に対応する監視装置を示す設定情報を前記設定情報記憶部から読み出し、当該監視装置識別情報を含む監視対象装置情報に対応する監視対象装置に当該設定情報を送信する変更要求処理部とを備えることを特徴とする監視対象設定変更装置をもって解決手段とする。
【0011】
例えば、監視対象設定変更装置は、前記監視装置から当該監視装置におけるリソースの使用率を含むリソース情報を取得するリソース情報取得部を備え、当該リソースの使用率が予め設定された閾値以上である場合において、当該監視装置の監視装置識別情報が前記全ての監視装置識別情報に含まれないようになっている。
【0012】
例えば、前記設定情報を伝達する信号のプロトコルは前記通知信号のプロトコルである。
【0013】
例えば、監視対象設定変更装置は、前記監視装置から当該監視装置におけるリソースの使用率を含むリソース情報を取得するリソース情報取得部を備え、前記割り付け部は、前記監視対象装置情報記憶部における当該監視装置の監視装置識別情報の数を当該使用率が大きいほど少なくする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、監視装置数の増減により必要となった監視対象装置の設定変更を迅速に行える監視対象設定変更装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施の形態に係る監視対象設定変更装置を含む監視システムの構成図である。
【図2】監視対象設定変更装置1の構成図である。
【図3】監視装置情報記憶部11の構成図である。
【図4】設定情報記憶部12の構成図である。
【図5】監視対象装置情報記憶部13の構成図である。
【図6】設定値記憶部14の構成図である。
【図7】監視装置3が監視対象設定変更装置1に変更要求を送信する際のフローチャートである。
【図8】監視装置3が監視対象設定変更装置1にリソース情報を送信する際のフローチャートである。
【図9】監視対象設定変更装置1が監視対象装置2の設定情報を変更する際のフローチャートである。
【図10】監視システムにおいて監視対象装置2の設定情報が変更される際のシーケンス図である。
【図11】従来の監視システムにおいて監視装置の数を増やす前後の動作を示す図である。
【図12】従来の監視システムにおいて監視装置の数を減らす前後の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本実施の形態に係る監視対象設定変更装置を含む監視システムの構成図である。
【0018】
監視対象設定変更装置1は、通信ネットワーク4に接続され、通信ネットワーク4には、複数の監視対象装置2と複数の監視装置3が接続される。
【0019】
各監視対象装置2は、いずれかの監視装置3のアドレスを含む設定情報を記憶し、監視対象装置2は当該アドレスに該当する監視装置3に対し、監視対象装置2の状態を示す通知信号を送信するようになっている。こうして通知信号により、監視装置3においては監視対象装置2の状態を知ることができる。例えば、通知信号は、SNMP(Simple Network Management Protocol)プロトコルを使用したトラップ信号である。
【0020】
図2は、監視対象設定変更装置1の構成図である。
【0021】
監視対象設定変更装置1は、各監視装置3に関する監視装置情報が記憶される監視装置情報記憶部11と、各監視装置3について、当該監視装置3に通知信号を送信する監視対象装置2に設定すべき設定情報が記憶される設定情報記憶部12と、各監視対象装置2に関する監視対象装置情報が記憶される監視対象装置情報記憶部13と、予め設定された設定値が記憶される設定値記憶部14と、監視装置3が増えるまたは減る際に送信される変更要求により処理を行う変更要求処理部15と、監視装置3からリソースの使用率を含むリソース情報を取得するリソース情報取得部16と、監視対象装置情報記憶部13の監視対象装置情報内の各監視装置識別情報が、増える監視装置の監視装置識別情報を含む全ての監視装置識別情報または減る監視装置の監視装置識別情報を含まない全ての監視装置識別情報のいずれかとなるように監視対象装置情報記憶部13を変更する割り付け部17とを備える。
【0022】
図3は、監視装置情報記憶部11の構成図である。
【0023】
監視装置情報記憶部11には、各監視装置3に関する監視装置情報が記憶される。監視装置情報は、該当の監視装置3を示す監視装置識別情報(以下、監視装置IDという)、当該監視装置3のアドレス、当該監視装置3におけるリソースの1つであるCPU(演算装置)の使用率(百分率で表現されたものであり、以下、「CPU使用率」という)、当該監視装置3におけるリソースの1つであるメモリ(記憶素子)の使用率(百分率で表現されたものであり、以下、「メモリ使用率」という)、当該監視装置3におけるリソースの1つであるトラヒックの処理能力の使用率つまり当該処理能力に対応する最大量に対する実際のトラヒック量の比率(百分率で表現されたものであり、以下、「トラヒック使用率」という)を記憶するためのものである。
【0024】
図4は、設定情報記憶部12の構成図である。
【0025】
設定情報記憶部12には、各監視装置3について、当該監視装置3に通知信号を送信する監視対象装置2に設定すべき設定情報が記憶される。設定情報は、該当の監視装置3を示す監視装置ID、当該監視装置3のアドレスつまり通知信号の送信先のアドレスなどを記憶するものである。
【0026】
図5は、監視対象装置情報記憶部13の構成図である。
【0027】
監視対象装置情報記憶部13には、各監視対象装置2に関する監視対象装置情報が記憶される。監視対象装置情報は、該当の監視対象装置2のアドレス、当該監視対象装置2から送信される通知信号の送信先である監視装置3の監視装置ID、当該監視対象装置2における設定情報の変更の要否を示すフラグを記憶するものである。フラグ「0」、「1」はそれぞれ変更が必要、不要であることを示す。
【0028】
図6は、設定値記憶部14の構成図である。
【0029】
設定値記憶部14は、各CPU使用率、メモリ使用率、トラヒック使用率について設定された閾値を記憶している(図6(a))。閾値は、CPU使用率などと同じく、百分率で表現される。
【0030】
また、設定値記憶部14は、各CPU使用率、メモリ使用率、トラヒック使用率について設定された重み値を記憶している(図6(b))。各重み値は、例えば、それぞれ1、2、1である。
【0031】
(本実施の形態の動作)
次に、本実施の形態に係る監視システムの動作を説明する。
【0032】
図7は、監視装置3が監視対象設定変更装置1に変更要求を送信する際のフローチャートである。
【0033】
監視装置3は、該監視装置3が監視装置となった際(監視装置数増の際)、または、当該監視装置3が故障などにより監視装置でなくなった際(監視装置数減の際)、当該監視装置3が監視装置となったか監視装置でなくなったかを示す情報つまり監視装置数増または減を示す増減情報を伴う変更要求を、当該監視装置3のアドレスとともに、監視対象設定変更装置1に送信する(S1)。
【0034】
図8は、監視装置3が監視対象設定変更装置1にリソース情報を送信する際のフローチャートである。
【0035】
監視装置3は、監視対象設定変更装置1のリソース情報取得部16からリソース情報取得要求を受信したら(S11:YES)、当該監視装置3のCPU使用率、メモリ使用率、トラヒック使用率を含むリソース情報をリソース情報取得部16に送信する(S13)。
【0036】
図9は、監視対象設定変更装置1が監視対象装置2の設定情報を変更する際のフローチャートである。
【0037】
かかる動作は、監視対象装置情報記憶部13の全フラグが「0」である場合、つまり、全ての監視対象装置2で設定情報の変更が不要であり、つまり、監視対象装置2は通知信号を、該監視対象装置2の設定情報内の送信先のアドレス宛に送信すればよい場合に開始される。
【0038】
変更要求処理部15は、変更要求、該変更要求に伴う増減情報およびアドレスを待機し、これらを受信した場合(S101:YES)、増減情報が監視装置数増を示すなら、監視装置情報記憶部11に新たな監視装置情報を設けて当該監視装置情報に当該アドレスおよび固有の監視装置IDを設定するとともに、設定情報記憶部12に新たな設定情報を設けて当該アドレスを送信先として設定する一方、増減情報が監視装置数減を示すなら、監視装置情報記憶部11から当該アドレスを含む監視装置情報を検索し、削除または使用不可にする(S103)。
【0039】
次に、変更要求処理部15は、監視装置3からリソース情報を取得するようにリソース情報取得部16に指示する(S104)。
【0040】
これにより、リソース情報取得部16は、監視装置情報記憶部11の各監視装置情報からアドレスを読み出し、各アドレスにつき以下の処理を行う。
【0041】
つまり、リソース情報取得部16は、アドレスに該当する監視装置3に対し、所定のリソース情報取得要求を送信し、つまり、ポーリングを行い、これに対して当該監視装置3から送信されるリソース情報を受信する(S105)。
【0042】
次に、リソース情報取得部16は、設定値記憶部14から各閾値を読み出し、受信したリソース情報に含まれるCPU使用率、メモリ使用率、トラヒック使用率の3つが全て該当の閾値未満であるか、または、少なくとも1つが閾値以上であるかを判定し(S107)、3つ全てが閾値未満と判定したなら(S107:YES)、当該リソース情報を送信した監視装置3のアドレスを割り付け部17に通知する(S109)。
【0043】
次に、リソース情報取得部16は、読み出した全てのアドレスの監視装置3について上記の処理を行ったか否かを判定し(S111)、全ての監視装置3について処理を行っていないなら(S111:NO)、ステップS105に戻る一方、全ての監視装置3について処理を行ったなら(S111:YES)、割り付け部17に処理を開始するように指示する(S112)。
【0044】
これにより、割り付け部17は、リソース情報取得部16から通知された各アドレスにつき、当該アドレスを含む監視装置情報を監視装置情報記憶部11から検索し、当該監視装置情報から監視装置IDを読み出し、監視対象装置情報記憶部13の各監視対象装置情報の監視装置IDが、当該読み出した全ての監視装置IDのいずれかとなるように、監視対象装置情報記憶部13を変更する(S113)。
【0045】
ここでは、割り付け部17は、設定値記憶部14から各重み値を読み出し、まず、読み出した各監視装置IDについて、式(1)により、空きリソース量Mを計算する。
【数1】
【0046】
ただし、R1、R2、R3はそれぞれ、該当の監視装置IDを含む監視装置情報内のCPU使用率、メモリ使用率、トラヒック使用率である。
【0047】
r1、r2、r3はそれぞれ、CPU使用率、メモリ使用率、トラヒック使用率についての重み値である。各重み値は、上記のように、例えば、それぞれ1、2、1とされ、つまり、空きリソース量Mに対して特にメモリ使用率が反映されるように設定される。
【0048】
例えば、重み値が上記のように1、2、1に設定され、該当の監視装置IDが3つあり、第1の監視装置IDを含む監視装置情報内のCPU使用率、メモリ使用率、トラヒック使用率がそれぞれ、30、10、30であり、第2の監視装置IDを含む監視装置情報内のCPU使用率、メモリ使用率、トラヒック使用率がそれぞれ、50、70、50であり、第3の監視装置IDを含む監視装置情報内のCPU使用率、メモリ使用率、トラヒック使用率がそれぞれ、60、60、60であった場合、第1の監視装置IDに対応する空きリソース量M(M1という)、第2の監視装置IDに対応する空きリソース量M(M2という)、第3の監視装置IDに対応する空きリソース量M(M3という)は、以下のように計算される。
【数2】
【0049】
次に、割り付け部17は、読み出した各監視装置IDについて、式(2)により、監視対象装置数Nを計算する。
【数3】
【0050】
ただし、Ntotalは、監視対象装置2の総数である。
【0051】
Mは、該当の監視装置IDについて計算された空きリソース量である。
【0052】
Mtotalは、計算された全ての空きリソース量の総和である。
【0053】
Ntotalが900の場合、上記の第1の監視装置IDに対応する監視対象装置数N(N1という)、第2の監視装置IDに対応する監視対象装置数N(N2という)、第3の監視装置IDに対応する監視対象装置数N(N3という)は、以下のように計算される。
【数4】
【0054】
次に、割り付け部17は、読み出した各監視装置IDについて、監視対象装置情報記憶部13での当該監視装置IDの総数が当該監視装置IDについて計算された監視対象装置数Nに等しくなるように、監視対象装置情報記憶部13の監視装置IDを適宜変更する。
【0055】
次に、割り付け部17は、変更された監視装置IDを含む監視対象装置情報内のフラグを全て「0」から「1」に変更する(S114)。変更されない監視装置IDを含む監視対象装置情報内のフラグは「0」のままとされる。
【0056】
次に、割り付け部17は、変更された監視装置IDを含む監視対象装置情報内のアドレスを全て変更要求処理部15に通知する(S115)。
【0057】
これにより、変更要求処理部15は、通知された各アドレスにつき、以下の処理を行う。
【0058】
つまり、変更要求処理部15は、アドレスに該当する監視対象装置2に対し、所定の設定情報変更通知を送信する、つまり、ポーリングを行う(S116)。
【0059】
これに対し監視対象装置2は、所定の設定情報取得要求を変更要求処理部15に送信するようになっている。
【0060】
変更要求処理部15は、設定情報変更通知の送信先である監視対象装置2から設定情報取得要求を受信したか否かを判定し(S117)、設定情報取得要求を受信していないなら(S117:NO)、設定情報変更通知を再度送信する(S116)。
【0061】
変更要求処理部15は、設定情報取得要求を受信したなら(S117:YES)、当該アドレス(割り付け部17から通知された該当のアドレス)を含む監視対象装置情報を監視対象装置情報記憶部13から検索し、当該監視対象装置情報から監視装置IDを読み出し、当該監視装置IDを含む監視装置情報を監視装置情報記憶部11から検索し、当該監視装置情報からアドレスを読み出し、当該アドレスに等しい送信先のアドレスを含む設定情報を設定情報記憶部12から読み出し、当該設定情報を当該監視対象装置2に送信し、当該監視対象装置2に記憶(設定)させる(S191)。
【0062】
ここで、変更要求処理部15は、設定情報を伝達する信号のプロトコルを通知信号のプロトコルと同じに、例えば、SNMPプロトコルにすることが好ましく、これにより、監視対象装置2において新たなプロトコルを実装する必要がなくなる。
【0063】
次に、変更要求処理部15は、当該監視対象装置情報のフラグを「1」から「0」に変更する(S121)。
【0064】
通知された各アドレスにつき、以上の処理がなされたら、設定情報の変更は終了となる。
【0065】
図10は、監視システムにおいて監視対象装置2の設定情報が変更される際のシーケンス図である。
【0066】
1つの監視装置3は、監視装置3が監視装置となった際(監視装置数増の際)、または、当該監視装置3が故障などにより監視装置でなくなった際(監視装置数減の際)(T1)、当該監視装置3が監視装置となったか監視装置でなくなったかを示す情報つまり監視装置数増または減を示す増減情報を伴う変更要求を、当該監視装置3のアドレスとともに、監視対象設定変更装置1に送信する(T3)。
【0067】
変更要求処理部15は、変更要求、該変更要求に伴う増減情報およびアドレスを受信し、増減情報が監視装置数増を示すなら、監視装置情報記憶部11に新たな監視装置情報を設けて当該監視装置情報に当該アドレスおよび固有の監視装置IDを設定する(T5)とともに、設定情報記憶部12に新たな設定情報を設けて当該アドレスを送信先として設定する(T6)一方、増減情報が監視装置数減を示すなら、監視装置情報記憶部11から当該アドレスを含む監視装置情報を検索し、削除または使用不可にする(T5)。
【0068】
次に、変更要求処理部15は、監視装置3からリソース情報を取得するようにリソース情報取得部16に指示する(T7)。
【0069】
これにより、リソース情報取得部16は、監視装置情報記憶部11の各監視装置情報からアドレスを読み出し、当該アドレスに該当する監視装置3にリソース情報取得要求を送信し(T9)、当該監視装置3から送信されるリソース情報を受信する(T11)。
【0070】
次に、リソース情報取得部16は、設定値記憶部14から各閾値を読み出し、受信したリソース情報に含まれるCPU使用率、メモリ使用率、トラヒック使用率の3つが全て該当の閾値未満であるか、または、少なくとも1つが閾値以上であるかを判定し、3つ全てが閾値未満と判定したなら、当該リソース情報を送信した監視装置3のアドレスを割り付け部17に通知する(T13)。
【0071】
割り付け部17は、リソース情報取得部16から通知された各アドレスにつき、当該アドレスを含む監視装置情報を監視装置情報記憶部11から検索し、当該監視装置情報から監視装置IDを読み出し(T15)、監視対象装置情報記憶部13の各監視対象装置情報の監視装置IDが、当該読み出した全ての監視装置IDのいずれかとなるように監視対象装置情報記憶部13を変更し、変更された監視装置IDを含む監視対象装置情報内のフラグを「0」から「1」に変更する(T17)。
【0072】
次に、割り付け部17は、変更された監視装置IDを含む監視対象装置情報内の監視対象装置2のアドレスを変更要求処理部15に通知する(T19)。
【0073】
変更要求処理部15は、通知されたアドレスに該当する監視対象装置2に設定情報変更通知を送信する(T21)。
【0074】
各監視対象装置2は、設定情報変更通知を受信し、設定情報取得要求を送信する(T23)。
【0075】
変更要求処理部15は、設定情報取得要求を受信し、該設定情報取得要求を送信した監視対象装置2のアドレス(割り付け部17から通知された該当のアドレス)を含む監視対象装置情報を検索し、当該監視対象装置情報から監視装置IDを読み出し、当該監視装置IDを含む監視装置情報を検索し、当該監視装置情報からアドレスを読み出し、当該アドレスに等しい送信先のアドレスを含む設定情報を設定情報記憶部12から読み出し(T25)、該設定情報を当該監視対象装置2に送信する(T27)。
【0076】
各監視対象装置2は、設定情報を受信し、当該設定情報で元の設定情報を置き換える(T29)。
【0077】
各監視対象装置2は、置き換え後の設定情報内の送信先のアドレスに該当する監視装置3に対し、監視対象装置2の状態を示す通知信号を送信する。こうして通知信号により、例えば、増えた監視装置3において、監視対象装置2の状態を迅速に知ることができる。
【0078】
したがって、本実施の形態によれば、監視対象設定変更装置1は、監視対象設定変更装置1から監視対象装置2に送信される設定情報により示される監視装置3に対し当該監視対象装置2の状態を示す通知信号が送信される監視システムで使用される監視対象設定変更装置であって、(1)1以上の監視装置3の監視装置ごとに当該監視装置を示す設定情報が記憶される設定情報記憶部12と、(2)1以上の監視対象装置2の監視対象装置ごとにいずれかの監視装置を示す監視装置識別情報を含む監視対象装置情報が記憶される監視対象装置情報記憶部13と、(3)監視装置が増えるまたは減る際に、監視対象装置情報記憶部13の(監視対象装置情報内の)各監視装置識別情報が、当該増える監視装置の監視装置識別情報を含む全ての監視装置識別情報または当該減る監視装置の監視装置識別情報を含まない全ての監視装置識別情報のいずれかとなるようにする割り付け部17と、(4)監視対象装置情報記憶部13で変更された監視装置識別情報に対応する監視装置を示す設定情報を設定情報記憶部12から読み出し、当該監視装置識別情報を含む監視対象装置情報に対応する監視対象装置2に当該設定情報を送信する変更要求処理部15とを備えることで、変更された監視装置識別情報を含む監視対象装置情報に対応する監視対象装置2に設定情報が送信され、よって、監視装置数の増減により必要となった監視対象装置の設定変更を迅速に行い、稼働を削減することができる。また、監視システムを使用できない時間を短縮できる。その結果、保守性を向上することができる。
【0079】
また、監視対象設定変更装置1は、監視装置からリソースの使用率を含むリソース情報を取得するリソース情報取得部16を備え、当該リソースの使用率が予め設定された閾値以上である場合において、当該監視装置の監視装置識別情報が前記全ての監視装置識別情報に含まれないようになっているので、通知信号が当該監視装置には送信されないようにできる。
【0080】
また、設定情報を伝達する信号のプロトコルを通知信号のプロトコルとすることで、監視対象装置において新たなプロトコルの実装が必要でなくなる。
【0081】
また、監視対象設定変更装置1は、監視装置からリソースの使用率を含むリソース情報を取得するリソース情報取得部16を備え、割り付け部17は、監視対象装置情報記憶部13における当該監視装置の監視装置識別情報の数を当該使用率が大きいほど少なくすることで、当該監視装置に通知信号を送信する監視対象装置の数を当該使用率が大きいほど少なくでき、つまり、監視対象装置の数を、使用可能なリソースの量に応じた適切なものにできる。
【符号の説明】
【0082】
1…監視対象設定変更装置
2…監視対象装置
3…監視装置
11…監視装置情報記憶部
12…設定情報記憶部
13…監視対象装置情報記憶部
14…設定値記憶部
15…変更要求処理部
16…リソース情報取得部
17…割り付け部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象装置に送信される設定情報により示される監視装置に対し当該監視対象装置の状態を示す通知信号が送信される監視システムで使用される監視対象設定変更装置であって、
1以上の前記監視装置の監視装置ごとに当該監視装置を示す設定情報が記憶される設定情報記憶部と、
1以上の前記監視対象装置の監視対象装置ごとに前記いずれかの監視装置を示す監視装置識別情報を含む監視対象装置情報が記憶される監視対象装置情報記憶部と、
前記監視装置が増えるまたは減る際に、前記監視対象装置情報記憶部の各監視装置識別情報が、当該増える監視装置の監視装置識別情報を含む全ての監視装置識別情報または当該減る監視装置の監視装置識別情報を含まない全ての監視装置識別情報のいずれかとなるようにする割り付け部と、
前記監視対象装置情報記憶部で変更された監視装置識別情報に対応する監視装置を示す設定情報を前記設定情報記憶部から読み出し、当該監視装置識別情報を含む監視対象装置情報に対応する監視対象装置に当該設定情報を送信する変更要求処理部と
を備えることを特徴とする監視対象設定変更装置。
【請求項2】
前記監視装置から当該監視装置におけるリソースの使用率を含むリソース情報を取得するリソース情報取得部を備え、
当該リソースの使用率が予め設定された閾値以上である場合において、当該監視装置の監視装置識別情報が前記全ての監視装置識別情報に含まれないようになっている
ことを特徴とする請求項1記載の監視対象設定変更装置。
【請求項3】
前記設定情報を伝達する信号のプロトコルは前記通知信号のプロトコルである
ことを特徴とする請求項1または2記載の監視対象設定変更装置。
【請求項4】
前記監視装置から当該監視装置におけるリソースの使用率を含むリソース情報を取得するリソース情報取得部を備え、
前記割り付け部は、前記監視対象装置情報記憶部における当該監視装置の監視装置識別情報の数を当該使用率が大きいほど少なくする
ことを特徴とする請求項1または3記載の監視対象設定変更装置。
【請求項1】
監視対象装置に送信される設定情報により示される監視装置に対し当該監視対象装置の状態を示す通知信号が送信される監視システムで使用される監視対象設定変更装置であって、
1以上の前記監視装置の監視装置ごとに当該監視装置を示す設定情報が記憶される設定情報記憶部と、
1以上の前記監視対象装置の監視対象装置ごとに前記いずれかの監視装置を示す監視装置識別情報を含む監視対象装置情報が記憶される監視対象装置情報記憶部と、
前記監視装置が増えるまたは減る際に、前記監視対象装置情報記憶部の各監視装置識別情報が、当該増える監視装置の監視装置識別情報を含む全ての監視装置識別情報または当該減る監視装置の監視装置識別情報を含まない全ての監視装置識別情報のいずれかとなるようにする割り付け部と、
前記監視対象装置情報記憶部で変更された監視装置識別情報に対応する監視装置を示す設定情報を前記設定情報記憶部から読み出し、当該監視装置識別情報を含む監視対象装置情報に対応する監視対象装置に当該設定情報を送信する変更要求処理部と
を備えることを特徴とする監視対象設定変更装置。
【請求項2】
前記監視装置から当該監視装置におけるリソースの使用率を含むリソース情報を取得するリソース情報取得部を備え、
当該リソースの使用率が予め設定された閾値以上である場合において、当該監視装置の監視装置識別情報が前記全ての監視装置識別情報に含まれないようになっている
ことを特徴とする請求項1記載の監視対象設定変更装置。
【請求項3】
前記設定情報を伝達する信号のプロトコルは前記通知信号のプロトコルである
ことを特徴とする請求項1または2記載の監視対象設定変更装置。
【請求項4】
前記監視装置から当該監視装置におけるリソースの使用率を含むリソース情報を取得するリソース情報取得部を備え、
前記割り付け部は、前記監視対象装置情報記憶部における当該監視装置の監視装置識別情報の数を当該使用率が大きいほど少なくする
ことを特徴とする請求項1または3記載の監視対象設定変更装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−134628(P2012−134628A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283159(P2010−283159)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(399041158)西日本電信電話株式会社 (215)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(399041158)西日本電信電話株式会社 (215)
【Fターム(参考)】
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