監視画像記録装置
【課題】カメラが監視対象の移動方向及び移動速度に対応して監視対象を撮影することができ、監視を行うために必要な画像を記録する。
【解決手段】監視対象を撮影するための旋回可能なカメラ2と、カメラ2により撮影された画像を記録する画像記録部7と、監視対象を検出する複数のセンサ9と、複数のセンサ9が監視対象を検出した時間差及び監視対象を検出した複数のセンサ9の順序に基づいて、カメラ2の旋回速度を含む動作を制御する信号処理部10とを備える。
【解決手段】監視対象を撮影するための旋回可能なカメラ2と、カメラ2により撮影された画像を記録する画像記録部7と、監視対象を検出する複数のセンサ9と、複数のセンサ9が監視対象を検出した時間差及び監視対象を検出した複数のセンサ9の順序に基づいて、カメラ2の旋回速度を含む動作を制御する信号処理部10とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、センサと連動して監視画像を選択的に記録する監視画像記録装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の監視対象領域をカメラにより撮影し、撮影した画像を記録する監視画像記録装置が存在する(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に開示される従来の監視画像記録装置では、有効な画像のみを記録するために、センサとカメラを連動させて、センサが監視対象を検出した前後一定時間のみ、このセンサに対応するカメラにより撮影された画像を記録している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−344950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示される従来の監視画像記録装置では、センサに対応するカメラにより撮影された画像を選択的に記録することはできるが、監視対象の移動方向や移動速度によらずに記録対象のカメラや画像を記録する際の記録フレーム間隔を決定しているため、監視を行うための有効な画像を記録し損なう可能性があり、また、記録フレーム間隔が広く設定されている状態で監視対象が高速で移動する場合には、十分なフレーム枚数を記録することができず、監視に必要な画像を記録することができない可能性があるという課題があった。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、カメラが監視対象の移動方向及び移動速度に対応して監視対象を撮影することができ、監視を行うために必要な画像を記録することが可能な監視画像記録装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る監視画像記録装置は、監視対象を撮影するための旋回可能なカメラと、カメラにより撮影された画像を記録する画像記録部と、監視対象を検出する複数のセンサと、複数のセンサが監視対象を検出した時間差及び監視対象を検出した複数のセンサの順序に基づいて、カメラの旋回速度を含む動作を制御する信号処理部とを備えるものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、上記のように構成したので、複数のセンサが監視対象を検出した時間差及び監視対象を検出した複数のセンサの順序に基づいて、カメラの旋回速度を含む動作を制御することで、カメラが監視対象の移動方向及び移動速度に対応して監視対象を撮影することができ、監視に必要な画像を記録することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1に係る監視画像記録装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1におけるカメラ及びセンサの配置例を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1における信号処理部の動作テーブル例を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1における信号処理部のカメラ制御処理を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態2に係る監視画像記録装置の構成を示すブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態2における信号処理部のカメラ制御処理を示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態2に係るバッファメモリ及び画像記録部の動作を示すタイムチャート例である。
【図8】この発明の実施の形態3に係る監視画像記録装置の構成を示すブロック図である。
【図9】この発明の実施の形態3におけるカメラ及びセンサの配置例を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態3における信号処理部の動作テーブル例を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態3における信号処理部のカメラ制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る監視画像記録装置1の構成を示すブロック図である。
監視画像記録装置1は、図1に示すように、監視対象を撮影するための旋回可能な複数のカメラ2と、複数のカメラ2により撮影された画像を順次切り替えて出力する画像切換部3と、画像切換部3により出力された画像を画像圧縮に適した画像信号に変換するための信号前処理部4と、信号前処理部4により変換された画像信号を記録に適したデジタル圧縮画像に変換する画像圧縮部5と、画像圧縮部5により変換されたデジタル圧縮画像を一時的に記憶するバッファメモリ6と、バッファメモリ6から所定の記録フレーム間隔で読み出したデジタル圧縮画像を記録する画像記録部7と、監視画像記録装置1の動作を制御する制御部8と、監視対象を検出するための複数のセンサ9と、複数のセンサ9が監視対象を検出した時間差及びこの監視対象を検出した複数のセンサ9の順序に基づいて、カメラ2の動作の制御を決定する信号処理部10と、信号処理部10による指示に基づいて、カメラ2の動作を制御するカメラ制御部11とにより構成される。
【0010】
次に、上記のように構成される監視画像記録装置1のカメラ2及びセンサ9の配置例について説明する。
図2はこの発明の実施の形態1におけるカメラ2及びセンサ9の配置例を示す図である。なお、図2では、2台のカメラA,B及び6台のセンサa〜fを配置した場合について示す。
図2に示すように、例えば、部屋に出入りする人物を監視対象として監視するために、一方の部屋への入口を有する通路にカメラA及びセンサa,c,fが配置され、もう一方の部屋への入口を有する通路にカメラB及びセンサb,d,eが配置されている。このセンサa,c,fにより検出された監視対象はカメラAにより撮影され、センサb,d,eにより検出された監視対象はカメラBにより撮影される。
【0011】
図3はこの発明の実施の形態1における信号処理部10の動作テーブル例を示す図である。図3(a)は図2に示すカメラAに対する動作テーブル例を示す図であり、図3(b)は図2に示すカメラBに対する動作テーブル例を示す図である。
信号処理部10は図3に示すような動作テーブルを予め保持している。この図3に示す動作テーブルは、図2に示すカメラA,B及びセンサa〜fの配置例に対応し、センサa〜fが監視対象を検出した時間差及びこの監視対象を検出した複数のセンサa〜fの順序に基づいて、信号処理部10が決定する(1)(以下、図の丸数字は()書きで表記する。)監視対象を検出したセンサa〜f方向にカメラA,Bを移動させるためのプリセット位置,(2)監視対象の移動方向に対応するカメラA,Bの旋回方向・カメラA,Bを旋回させる時間,(3)監視対象の移動速度に対応するカメラA,Bの旋回速度と、(4)センサa〜fによる監視対象の検出状態を表現した状態遷移先をまとめたものである。
【0012】
例えば、信号処理部10は、センサa〜fが監視対象を検出していないアイドル状態において、センサaが監視対象を検出したことを示すセンサ信号を検出した場合、図3(a)に示すように、カメラ制御部11に対して、カメラAを(1)センサa方向に移動後、(2)左旋回を時間T1の間、(3)速度5で行うように指示するとともに、動作テーブル内の監視対象の検出状態をアイドル状態から(4)センサa検出後状態に遷移させることを示している。また、信号処理部10は、センサa検出後にセンサcが監視対象を検出したことを示すセンサ信号を検出した場合には、カメラ制御部11に対して、カメラAを(1)センサc方向に移動後、(2)左旋回を時間T2の間、(3)速度α(カメラ旋回速度算出係数)/ΔTac(センサaとセンサcとによる監視対象の検出時間差)で行うように指示するとともに、動作テーブル内の監視対象の検出状態をセンサa検出後状態からセンサc検出後状態に遷移させることを示している。
【0013】
次に、上記のように構成される監視画像記録装置1の信号処理部10のカメラ制御処理について説明する。
図4はこの発明の実施の形態1における信号処理部10のカメラ制御処理を示すフローチャートである。
【0014】
まず、信号処理部10は、カメラ制御処理を開始する前の初期化処理として、保持する動作テーブル内の監視対象の検出状態をアイドル状態に設定する。
次いで、図4に示すように、カメラ制御処理では、信号処理部10はセンサ信号を検出したかを判断する(ステップST101)。すなわち、信号処理部10は、複数のセンサ9のいずれかにより監視対象が検出されたことを示すセンサ信号を検出したか否かを判断する。
【0015】
このステップST101において、信号処理部10は、センサ信号を検出していないと判断した場合には、ステップST101の処理を繰り返し、センサ信号の検出待機状態となる。
【0016】
一方、ステップST101において、信号処理部10は、センサ信号を検出したと判断した場合には、次いで、カメラ2に対して以降のステップST103,104の処理のループを開始する(ステップST102)。まず、信号処理部10はカメラ2の動作の制御内容を決定する(ステップST103)。すなわち、信号処理部10は、ステップST101において検出したセンサ信号を出力したセンサ9及び監視対象の検出状態に基づいて、図3に示す動作テーブルから、カメラ2のプリセット位置、旋回方向・時間、旋回速度及び状態遷移先を読み出し、読み出したプリセット位置、旋回方向・時間及び旋回速度からカメラ2の動作の制御内容を決定する。
【0017】
次いで、信号処理部10はカメラ2の動作の制御を指示する(ステップST104)。すなわち、信号処理部10は、カメラ制御部11に、ステップST103において決定したカメラ2のプリセット位置、旋回方向・時間及び旋回速度に基づいて、カメラ2の動作を制御するように指示する。
【0018】
次いで、信号処理部10は全てのカメラ2に対して動作の制御を行ったかを判断する(ステップST105)。このステップST105において、信号処理部10は、全てのカメラ2に対しては動作の制御を行っていないと判断した場合には、シーケンスはステップST103に戻り、動作の制御を行っていないカメラ2に対して、上述したステップST103,ST104の処理を繰り返す。
【0019】
一方、ステップST105において、信号処理部10は、全てのカメラ2に対して動作の制御を行ったと判断した場合には、ステップST103において動作テーブルから読み出した状態遷移先に基づいて、動作テーブル内の監視対象の検出状態を遷移した後、シーケンスはステップST101に戻り、センサ信号の検出待機状態となる。
【0020】
以上のように、この発明の実施の形態1によれば、信号処理部10は、複数のセンサ9が監視対象を検出した時間差及びこの監視対象を検出した複数のセンサ9の順序に基づいて、監視対象を検出したセンサ9方向にカメラ2を移動させるためのプリセット位置、監視対象の移動方向に対応したカメラ2の旋回方向・カメラ2を旋回させる時間及び監視対象の移動速度に対応したカメラ2の旋回速度を保持する動作テーブルから読み出して、カメラ2の動作を制御するように構成したので、カメラ2が監視対象の移動方向及び移動速度に対応して監視対象を追尾して撮影することができ、監視を行うために必要な画像を記録することができる。
【0021】
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2に係る監視画像記録装置1の構成を示すブロック図である。図5において、図1に示す、この発明の実施の形態1に係る監視画像記録装置1と同一または同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図5に示すように、この発明の実施の形態2に係る監視画像記録装置1は、図1に示す、この発明の実施の形態1に係る監視画像記録装置1の信号処理部10に代えて、複数のセンサ9が監視対象を検出した時間差及びこの監視対象を検出した複数のセンサ9の順序に基づいてカメラ2の動作を制御するとともに、カメラ2の旋回速度に応じて、画像記録部7がバッファメモリ6に記憶された画像を読み出して記録する周期を示す記録フレーム間隔を変更する指示を制御部8に対して行う信号処理部12を備えたものである。
【0022】
次に、上記のように構成される監視画像記録装置1の信号処理部12のカメラ制御処理について説明する。
図6はこの発明の実施の形態2における信号処理部12のカメラ制御処理を示すフローチャートである。
【0023】
まず、信号処理部12は、カメラ制御処理を開始する前の初期化処理として、保持する動作テーブル内の監視対象の検出状態をアイドル状態に設定する。次いで、図6に示すように、カメラ制御処理では、信号処理部12はセンサ信号を検出したかを判断する(ステップST201)。このステップST201において、信号処理部12は、センサ信号を検出していないと判断した場合には、ステップST201の処理を繰り返し、センサ信号の検出待機状態となる。一方、ステップST201において、信号処理部12は、センサ信号を検出したと判断した場合には、次いで、カメラ2に対して以降のステップST203〜ST206の処理のループを開始する(ステップST202)。まず、信号処理部12はカメラ2の動作の制御内容を決定する(ステップST203)。次いで、信号処理部12はカメラ制御部11にカメラ2の動作の制御を指示する(ステップST204)。
【0024】
次いで、信号処理部12は旋回速度が閾値βより大きいかを判断する(ステップST205)。すなわち、信号処理部12は、ステップST203において決定したカメラ2の旋回速度が、予め設定した閾値βより大きいか否かを判断する。
【0025】
このステップST205において、信号処理部12は、カメラ2の旋回速度が閾値βより大きいと判断した場合には、次いで、記録フレーム間隔の変更を指示する(ステップST206)。すなわち、信号処理部12は、制御部8に対して、画像記録部7がバッファメモリ6から画像を読み出し記録する記録フレーム間隔を狭めるように指示する。その後シーケンスはステップST207に進む。
【0026】
一方、ステップST205において、信号処理部12は、カメラ2の旋回速度は閾値β以下であると判断した場合には、ステップST206の処理はスキップされて、シーケンスはステップST207に進む。
【0027】
次いで、信号処理部12は全てのカメラ2に対して動作の制御を行ったかを判断する(ステップST207)。このステップST207において、信号処理部12は、全てのカメラ2に対しては動作の制御を行っていないと判断した場合には、シーケンスはステップST203に戻り、動作の制御を行っていないカメラ2に対して、上述したステップST203〜ST206の処理を繰り返す。一方、ステップST207において、信号処理部12は、全てのカメラ2に対して動作の制御を行ったと判断した場合には、ステップST203において動作テーブルから読み出した状態遷移先に基づいて、動作テーブル内の監視対象の検出状態を遷移した後、シーケンスはステップST201に戻り、センサ信号の検出待機状態となる。
【0028】
ここで、図6のステップST206における記録フレーム間隔変更指示処理について説明する。
図7はこの発明の実施の形態2におけるバッファメモリ6及び画像記録部7の動作を示すタイムチャート例であり、図7(a)は記録フレーム間隔変更前のタイムチャート例を示し、図7(b)は記録フレーム間隔変更後のタイムチャート例を示している。なお、図7に示す、(1)A、(1)B、(1)C、1A,1B,1C等はフレーム単位の画像を示し、添字のA〜DはそれぞれカメラA〜Dにより撮影された画像であることを表し、また、(4)〜(1)、0〜3は時間順を表している。バッファメモリ6は、4台のカメラA〜Dにより撮影され、信号前処理部4及び画像圧縮部5により変換された画像を、(4)A,(4)B,(4)C,(4)D,(3)A,・・・,(1)D,0A,・・・の順に一時的に記憶している。また、画像記録部7は、このバッファメモリ6に記憶された画像を所定の記録フレーム間隔で読み出し記録している。
【0029】
図7(a)に示す状態では、画像記録部7は、バッファメモリ6に記憶された画像から、カメラA〜Dにより撮影された画像を1/4周期の記録フレーム間隔で読み出して画像(4)A〜(4)D,0A〜0D,・・・を記録している。この状態において、信号処理部12から制御部8を介して、カメラAにより撮影された画像に対する記録フレーム間隔を1/4周期から1/1周期に狭める記録フレーム間隔変更指示を受けると、図7(b)に示すように、画像記録部7は、バッファメモリ6に記憶された画像から、カメラAにより撮影された画像に対しては1/1周期の記録フレーム間隔で読み出して画像(4)A〜(4)D,(3)A,(2)A,(1)A,0A〜0D,1A,2A,・・・を記録する。
【0030】
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、信号処理部12は、カメラ2の旋回速度に応じて、画像記録部7が画像をバッファメモリ6から読み出し記録する記録フレーム間隔を制御するように構成したので、この発明の実施の形態1の効果に加えて、カメラ2が高速で旋回するような場合であっても、記録フレーム間隔を短くすることで、十分なフレーム数の画像を記録することができ、監視を行うために必要な画像を記録することができる。
【0031】
なお、この発明の実施の形態2に係る監視画像記録装置1では、カメラ2の旋回速度が予め設定した閾値βよりも大きい場合に記録フレーム間隔を狭めるように構成したが、これに限るものではなく、この記録フレーム間隔を二値的ではなく多値的に指定して、カメラ2の旋回速度に比例して記録フレーム間隔を変更するように構成してもよい。
【0032】
実施の形態3.
図8はこの発明の実施の形態3に係る監視画像記録装置1の構成を示すブロック図である。図8において、図1に示す、この発明の実施の形態1に係る監視画像記録装置1と同一または同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図8に示すように、この発明の実施の形態3に係る監視画像記録装置1は、図1に示す、この発明の実施の形態1に係る監視画像記録装置1の信号処理部10に代えて、監視対象を検出した複数のセンサ9の順序に基づいて、複数のカメラ2の中から監視対象の移動方向に対応する領域を撮影しているカメラ2を記録対象のカメラ2として選択し、この記録対象のカメラ2により撮影された画像を画像記録部7に記録させる指示を制御部8に対して行う信号処理部13を備え、カメラ制御部11を削除したものである。また、複数のカメラ2は固定されて設置される。
【0033】
次に、上記のように構成される監視画像記録装置1のカメラ2及びセンサ9の配置例について説明する。
図9はこの発明の実施の形態3に係るカメラ2及びセンサ9の配置例を示す図である。なお、図9では、8台のカメラC〜J及び6台のセンサg〜lを配置した場合について示す。
図9に示すように、例えば、通路を通行する人物を監視対象として監視するために、通路にカメラC〜J及びセンサg〜lが配置されている。なお、カメラC〜Jは固定されて設置されており、図9に示すような所定の方向を撮影している。
【0034】
図10はこの発明の実施の形態3における信号処理部13の動作テーブル例を示す図である。
信号処理部13は図10に示すような動作テーブルを予め保持している。この図10に示す動作テーブルは、図9に示すカメラC〜J及びセンサg〜lの配置例に対応し、監視対象を検出した複数のセンサg〜lの順序に基づいて、信号処理部13が決定する(1)監視対象の移動方向に対応する領域を撮影している記録対象となるカメラ2を示す記録カメラと、(2)センサg〜lによる監視対象の検出状態を表現した状態遷移先をまとめたものである。
【0035】
例えば、信号処理部13は、センサg〜lが監視対象を検出していないアイドル状態において、センサgが監視対象を検出したことを示すセンサ信号を検出した場合、図10に示すように、制御部8に対して(1)カメラCにより撮影された画像を画像記録部7に記録させることを指示するとともに、動作テーブル内の監視対象の検出状態をアイドル状態から(2)センサg検出後状態に遷移させることを示している。また、信号処理部13は、センサg検出後にセンサhが監視対象を検出したことを示すセンサ信号を検出した場合には、制御部8に対して(1)カメラD及びカメラEにより撮影された画像を画像記録部7に記録させることを指示するとともに、動作テーブル内の監視対象の検出状態をセンサg検出後状態から(2)センサh検出後状態に遷移させることを示している。
【0036】
次に、上記のように構成される監視画像記録装置1の信号処理部13のカメラ制御処理について説明する。
図11はこの発明の実施の形態3における信号処理部13のカメラ制御処理を示すフローチャートである。
【0037】
まず、信号処理部13は、カメラ制御処理を開始する前の初期化処理として、保持する動作テーブル内の監視対象の検出状態をアイドル状態に設定する。次いで、図11に示すように、カメラ制御処理では、信号処理部13はセンサ信号を検出したかを判断する(ステップST301)。このステップST301において、信号処理部13は、センサ信号を検出していないと判断した場合には、ステップST301の処理を繰り返し、センサ信号の検出待機状態となる。一方、ステップST301において、信号処理部13は、センサ信号を検出したと判断した場合には、次いで、記録カメラを選択する(ステップST302)。すなわち、信号処理部13は、ステップST301において検出したセンサ信号を出力したセンサ9及び監視対象の検出状態に基づいて、図10に示す動作テーブルから記録カメラ及び状態遷移先を読み出し、記録対象となるカメラ2を決定する。
【0038】
次いで、信号処理部13は記録カメラの画像記録を指示する(ステップST303)。すなわち、信号処理部13は、ステップST302において決定した記録対象のカメラ2により撮影された画像を画像記録部7に記録させるように制御部8に指示する。また、信号処理部13は、ステップST302において動作テーブルから読み出した状態遷移先に基づいて、動作テーブル内の監視対象の検出状態を遷移させる。その後、シーケンスはステップST301に戻り、センサ信号の検出待機状態となる。
【0039】
以上のように、この発明の実施の形態3によれば、信号処理部13は、監視対象を検出した複数のセンサ9の順序に基づいて、複数のカメラ2から監視対象の進行方向に対応する領域を撮影しているカメラ2を記録対象のカメラ2として選択して、この選択した記録対象のカメラ2により撮影された画像を画像記録部7に記録させるように構成したので、選択した記録対象のカメラ2によって監視対象の移動方向に対応して監視対象を撮影することでき、監視を行うために必要な画像を効率よく記録することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 監視画像記録装置、2 カメラ、3 画像切換部、4 信号前処理部、5 画像圧縮部、6 バッファメモリ、7 画像記録部、8 制御部、9 センサ、10,12,13 信号処理部、11 カメラ制御部。
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、センサと連動して監視画像を選択的に記録する監視画像記録装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の監視対象領域をカメラにより撮影し、撮影した画像を記録する監視画像記録装置が存在する(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に開示される従来の監視画像記録装置では、有効な画像のみを記録するために、センサとカメラを連動させて、センサが監視対象を検出した前後一定時間のみ、このセンサに対応するカメラにより撮影された画像を記録している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−344950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示される従来の監視画像記録装置では、センサに対応するカメラにより撮影された画像を選択的に記録することはできるが、監視対象の移動方向や移動速度によらずに記録対象のカメラや画像を記録する際の記録フレーム間隔を決定しているため、監視を行うための有効な画像を記録し損なう可能性があり、また、記録フレーム間隔が広く設定されている状態で監視対象が高速で移動する場合には、十分なフレーム枚数を記録することができず、監視に必要な画像を記録することができない可能性があるという課題があった。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、カメラが監視対象の移動方向及び移動速度に対応して監視対象を撮影することができ、監視を行うために必要な画像を記録することが可能な監視画像記録装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る監視画像記録装置は、監視対象を撮影するための旋回可能なカメラと、カメラにより撮影された画像を記録する画像記録部と、監視対象を検出する複数のセンサと、複数のセンサが監視対象を検出した時間差及び監視対象を検出した複数のセンサの順序に基づいて、カメラの旋回速度を含む動作を制御する信号処理部とを備えるものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、上記のように構成したので、複数のセンサが監視対象を検出した時間差及び監視対象を検出した複数のセンサの順序に基づいて、カメラの旋回速度を含む動作を制御することで、カメラが監視対象の移動方向及び移動速度に対応して監視対象を撮影することができ、監視に必要な画像を記録することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1に係る監視画像記録装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1におけるカメラ及びセンサの配置例を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1における信号処理部の動作テーブル例を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1における信号処理部のカメラ制御処理を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態2に係る監視画像記録装置の構成を示すブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態2における信号処理部のカメラ制御処理を示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態2に係るバッファメモリ及び画像記録部の動作を示すタイムチャート例である。
【図8】この発明の実施の形態3に係る監視画像記録装置の構成を示すブロック図である。
【図9】この発明の実施の形態3におけるカメラ及びセンサの配置例を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態3における信号処理部の動作テーブル例を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態3における信号処理部のカメラ制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る監視画像記録装置1の構成を示すブロック図である。
監視画像記録装置1は、図1に示すように、監視対象を撮影するための旋回可能な複数のカメラ2と、複数のカメラ2により撮影された画像を順次切り替えて出力する画像切換部3と、画像切換部3により出力された画像を画像圧縮に適した画像信号に変換するための信号前処理部4と、信号前処理部4により変換された画像信号を記録に適したデジタル圧縮画像に変換する画像圧縮部5と、画像圧縮部5により変換されたデジタル圧縮画像を一時的に記憶するバッファメモリ6と、バッファメモリ6から所定の記録フレーム間隔で読み出したデジタル圧縮画像を記録する画像記録部7と、監視画像記録装置1の動作を制御する制御部8と、監視対象を検出するための複数のセンサ9と、複数のセンサ9が監視対象を検出した時間差及びこの監視対象を検出した複数のセンサ9の順序に基づいて、カメラ2の動作の制御を決定する信号処理部10と、信号処理部10による指示に基づいて、カメラ2の動作を制御するカメラ制御部11とにより構成される。
【0010】
次に、上記のように構成される監視画像記録装置1のカメラ2及びセンサ9の配置例について説明する。
図2はこの発明の実施の形態1におけるカメラ2及びセンサ9の配置例を示す図である。なお、図2では、2台のカメラA,B及び6台のセンサa〜fを配置した場合について示す。
図2に示すように、例えば、部屋に出入りする人物を監視対象として監視するために、一方の部屋への入口を有する通路にカメラA及びセンサa,c,fが配置され、もう一方の部屋への入口を有する通路にカメラB及びセンサb,d,eが配置されている。このセンサa,c,fにより検出された監視対象はカメラAにより撮影され、センサb,d,eにより検出された監視対象はカメラBにより撮影される。
【0011】
図3はこの発明の実施の形態1における信号処理部10の動作テーブル例を示す図である。図3(a)は図2に示すカメラAに対する動作テーブル例を示す図であり、図3(b)は図2に示すカメラBに対する動作テーブル例を示す図である。
信号処理部10は図3に示すような動作テーブルを予め保持している。この図3に示す動作テーブルは、図2に示すカメラA,B及びセンサa〜fの配置例に対応し、センサa〜fが監視対象を検出した時間差及びこの監視対象を検出した複数のセンサa〜fの順序に基づいて、信号処理部10が決定する(1)(以下、図の丸数字は()書きで表記する。)監視対象を検出したセンサa〜f方向にカメラA,Bを移動させるためのプリセット位置,(2)監視対象の移動方向に対応するカメラA,Bの旋回方向・カメラA,Bを旋回させる時間,(3)監視対象の移動速度に対応するカメラA,Bの旋回速度と、(4)センサa〜fによる監視対象の検出状態を表現した状態遷移先をまとめたものである。
【0012】
例えば、信号処理部10は、センサa〜fが監視対象を検出していないアイドル状態において、センサaが監視対象を検出したことを示すセンサ信号を検出した場合、図3(a)に示すように、カメラ制御部11に対して、カメラAを(1)センサa方向に移動後、(2)左旋回を時間T1の間、(3)速度5で行うように指示するとともに、動作テーブル内の監視対象の検出状態をアイドル状態から(4)センサa検出後状態に遷移させることを示している。また、信号処理部10は、センサa検出後にセンサcが監視対象を検出したことを示すセンサ信号を検出した場合には、カメラ制御部11に対して、カメラAを(1)センサc方向に移動後、(2)左旋回を時間T2の間、(3)速度α(カメラ旋回速度算出係数)/ΔTac(センサaとセンサcとによる監視対象の検出時間差)で行うように指示するとともに、動作テーブル内の監視対象の検出状態をセンサa検出後状態からセンサc検出後状態に遷移させることを示している。
【0013】
次に、上記のように構成される監視画像記録装置1の信号処理部10のカメラ制御処理について説明する。
図4はこの発明の実施の形態1における信号処理部10のカメラ制御処理を示すフローチャートである。
【0014】
まず、信号処理部10は、カメラ制御処理を開始する前の初期化処理として、保持する動作テーブル内の監視対象の検出状態をアイドル状態に設定する。
次いで、図4に示すように、カメラ制御処理では、信号処理部10はセンサ信号を検出したかを判断する(ステップST101)。すなわち、信号処理部10は、複数のセンサ9のいずれかにより監視対象が検出されたことを示すセンサ信号を検出したか否かを判断する。
【0015】
このステップST101において、信号処理部10は、センサ信号を検出していないと判断した場合には、ステップST101の処理を繰り返し、センサ信号の検出待機状態となる。
【0016】
一方、ステップST101において、信号処理部10は、センサ信号を検出したと判断した場合には、次いで、カメラ2に対して以降のステップST103,104の処理のループを開始する(ステップST102)。まず、信号処理部10はカメラ2の動作の制御内容を決定する(ステップST103)。すなわち、信号処理部10は、ステップST101において検出したセンサ信号を出力したセンサ9及び監視対象の検出状態に基づいて、図3に示す動作テーブルから、カメラ2のプリセット位置、旋回方向・時間、旋回速度及び状態遷移先を読み出し、読み出したプリセット位置、旋回方向・時間及び旋回速度からカメラ2の動作の制御内容を決定する。
【0017】
次いで、信号処理部10はカメラ2の動作の制御を指示する(ステップST104)。すなわち、信号処理部10は、カメラ制御部11に、ステップST103において決定したカメラ2のプリセット位置、旋回方向・時間及び旋回速度に基づいて、カメラ2の動作を制御するように指示する。
【0018】
次いで、信号処理部10は全てのカメラ2に対して動作の制御を行ったかを判断する(ステップST105)。このステップST105において、信号処理部10は、全てのカメラ2に対しては動作の制御を行っていないと判断した場合には、シーケンスはステップST103に戻り、動作の制御を行っていないカメラ2に対して、上述したステップST103,ST104の処理を繰り返す。
【0019】
一方、ステップST105において、信号処理部10は、全てのカメラ2に対して動作の制御を行ったと判断した場合には、ステップST103において動作テーブルから読み出した状態遷移先に基づいて、動作テーブル内の監視対象の検出状態を遷移した後、シーケンスはステップST101に戻り、センサ信号の検出待機状態となる。
【0020】
以上のように、この発明の実施の形態1によれば、信号処理部10は、複数のセンサ9が監視対象を検出した時間差及びこの監視対象を検出した複数のセンサ9の順序に基づいて、監視対象を検出したセンサ9方向にカメラ2を移動させるためのプリセット位置、監視対象の移動方向に対応したカメラ2の旋回方向・カメラ2を旋回させる時間及び監視対象の移動速度に対応したカメラ2の旋回速度を保持する動作テーブルから読み出して、カメラ2の動作を制御するように構成したので、カメラ2が監視対象の移動方向及び移動速度に対応して監視対象を追尾して撮影することができ、監視を行うために必要な画像を記録することができる。
【0021】
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2に係る監視画像記録装置1の構成を示すブロック図である。図5において、図1に示す、この発明の実施の形態1に係る監視画像記録装置1と同一または同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図5に示すように、この発明の実施の形態2に係る監視画像記録装置1は、図1に示す、この発明の実施の形態1に係る監視画像記録装置1の信号処理部10に代えて、複数のセンサ9が監視対象を検出した時間差及びこの監視対象を検出した複数のセンサ9の順序に基づいてカメラ2の動作を制御するとともに、カメラ2の旋回速度に応じて、画像記録部7がバッファメモリ6に記憶された画像を読み出して記録する周期を示す記録フレーム間隔を変更する指示を制御部8に対して行う信号処理部12を備えたものである。
【0022】
次に、上記のように構成される監視画像記録装置1の信号処理部12のカメラ制御処理について説明する。
図6はこの発明の実施の形態2における信号処理部12のカメラ制御処理を示すフローチャートである。
【0023】
まず、信号処理部12は、カメラ制御処理を開始する前の初期化処理として、保持する動作テーブル内の監視対象の検出状態をアイドル状態に設定する。次いで、図6に示すように、カメラ制御処理では、信号処理部12はセンサ信号を検出したかを判断する(ステップST201)。このステップST201において、信号処理部12は、センサ信号を検出していないと判断した場合には、ステップST201の処理を繰り返し、センサ信号の検出待機状態となる。一方、ステップST201において、信号処理部12は、センサ信号を検出したと判断した場合には、次いで、カメラ2に対して以降のステップST203〜ST206の処理のループを開始する(ステップST202)。まず、信号処理部12はカメラ2の動作の制御内容を決定する(ステップST203)。次いで、信号処理部12はカメラ制御部11にカメラ2の動作の制御を指示する(ステップST204)。
【0024】
次いで、信号処理部12は旋回速度が閾値βより大きいかを判断する(ステップST205)。すなわち、信号処理部12は、ステップST203において決定したカメラ2の旋回速度が、予め設定した閾値βより大きいか否かを判断する。
【0025】
このステップST205において、信号処理部12は、カメラ2の旋回速度が閾値βより大きいと判断した場合には、次いで、記録フレーム間隔の変更を指示する(ステップST206)。すなわち、信号処理部12は、制御部8に対して、画像記録部7がバッファメモリ6から画像を読み出し記録する記録フレーム間隔を狭めるように指示する。その後シーケンスはステップST207に進む。
【0026】
一方、ステップST205において、信号処理部12は、カメラ2の旋回速度は閾値β以下であると判断した場合には、ステップST206の処理はスキップされて、シーケンスはステップST207に進む。
【0027】
次いで、信号処理部12は全てのカメラ2に対して動作の制御を行ったかを判断する(ステップST207)。このステップST207において、信号処理部12は、全てのカメラ2に対しては動作の制御を行っていないと判断した場合には、シーケンスはステップST203に戻り、動作の制御を行っていないカメラ2に対して、上述したステップST203〜ST206の処理を繰り返す。一方、ステップST207において、信号処理部12は、全てのカメラ2に対して動作の制御を行ったと判断した場合には、ステップST203において動作テーブルから読み出した状態遷移先に基づいて、動作テーブル内の監視対象の検出状態を遷移した後、シーケンスはステップST201に戻り、センサ信号の検出待機状態となる。
【0028】
ここで、図6のステップST206における記録フレーム間隔変更指示処理について説明する。
図7はこの発明の実施の形態2におけるバッファメモリ6及び画像記録部7の動作を示すタイムチャート例であり、図7(a)は記録フレーム間隔変更前のタイムチャート例を示し、図7(b)は記録フレーム間隔変更後のタイムチャート例を示している。なお、図7に示す、(1)A、(1)B、(1)C、1A,1B,1C等はフレーム単位の画像を示し、添字のA〜DはそれぞれカメラA〜Dにより撮影された画像であることを表し、また、(4)〜(1)、0〜3は時間順を表している。バッファメモリ6は、4台のカメラA〜Dにより撮影され、信号前処理部4及び画像圧縮部5により変換された画像を、(4)A,(4)B,(4)C,(4)D,(3)A,・・・,(1)D,0A,・・・の順に一時的に記憶している。また、画像記録部7は、このバッファメモリ6に記憶された画像を所定の記録フレーム間隔で読み出し記録している。
【0029】
図7(a)に示す状態では、画像記録部7は、バッファメモリ6に記憶された画像から、カメラA〜Dにより撮影された画像を1/4周期の記録フレーム間隔で読み出して画像(4)A〜(4)D,0A〜0D,・・・を記録している。この状態において、信号処理部12から制御部8を介して、カメラAにより撮影された画像に対する記録フレーム間隔を1/4周期から1/1周期に狭める記録フレーム間隔変更指示を受けると、図7(b)に示すように、画像記録部7は、バッファメモリ6に記憶された画像から、カメラAにより撮影された画像に対しては1/1周期の記録フレーム間隔で読み出して画像(4)A〜(4)D,(3)A,(2)A,(1)A,0A〜0D,1A,2A,・・・を記録する。
【0030】
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、信号処理部12は、カメラ2の旋回速度に応じて、画像記録部7が画像をバッファメモリ6から読み出し記録する記録フレーム間隔を制御するように構成したので、この発明の実施の形態1の効果に加えて、カメラ2が高速で旋回するような場合であっても、記録フレーム間隔を短くすることで、十分なフレーム数の画像を記録することができ、監視を行うために必要な画像を記録することができる。
【0031】
なお、この発明の実施の形態2に係る監視画像記録装置1では、カメラ2の旋回速度が予め設定した閾値βよりも大きい場合に記録フレーム間隔を狭めるように構成したが、これに限るものではなく、この記録フレーム間隔を二値的ではなく多値的に指定して、カメラ2の旋回速度に比例して記録フレーム間隔を変更するように構成してもよい。
【0032】
実施の形態3.
図8はこの発明の実施の形態3に係る監視画像記録装置1の構成を示すブロック図である。図8において、図1に示す、この発明の実施の形態1に係る監視画像記録装置1と同一または同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図8に示すように、この発明の実施の形態3に係る監視画像記録装置1は、図1に示す、この発明の実施の形態1に係る監視画像記録装置1の信号処理部10に代えて、監視対象を検出した複数のセンサ9の順序に基づいて、複数のカメラ2の中から監視対象の移動方向に対応する領域を撮影しているカメラ2を記録対象のカメラ2として選択し、この記録対象のカメラ2により撮影された画像を画像記録部7に記録させる指示を制御部8に対して行う信号処理部13を備え、カメラ制御部11を削除したものである。また、複数のカメラ2は固定されて設置される。
【0033】
次に、上記のように構成される監視画像記録装置1のカメラ2及びセンサ9の配置例について説明する。
図9はこの発明の実施の形態3に係るカメラ2及びセンサ9の配置例を示す図である。なお、図9では、8台のカメラC〜J及び6台のセンサg〜lを配置した場合について示す。
図9に示すように、例えば、通路を通行する人物を監視対象として監視するために、通路にカメラC〜J及びセンサg〜lが配置されている。なお、カメラC〜Jは固定されて設置されており、図9に示すような所定の方向を撮影している。
【0034】
図10はこの発明の実施の形態3における信号処理部13の動作テーブル例を示す図である。
信号処理部13は図10に示すような動作テーブルを予め保持している。この図10に示す動作テーブルは、図9に示すカメラC〜J及びセンサg〜lの配置例に対応し、監視対象を検出した複数のセンサg〜lの順序に基づいて、信号処理部13が決定する(1)監視対象の移動方向に対応する領域を撮影している記録対象となるカメラ2を示す記録カメラと、(2)センサg〜lによる監視対象の検出状態を表現した状態遷移先をまとめたものである。
【0035】
例えば、信号処理部13は、センサg〜lが監視対象を検出していないアイドル状態において、センサgが監視対象を検出したことを示すセンサ信号を検出した場合、図10に示すように、制御部8に対して(1)カメラCにより撮影された画像を画像記録部7に記録させることを指示するとともに、動作テーブル内の監視対象の検出状態をアイドル状態から(2)センサg検出後状態に遷移させることを示している。また、信号処理部13は、センサg検出後にセンサhが監視対象を検出したことを示すセンサ信号を検出した場合には、制御部8に対して(1)カメラD及びカメラEにより撮影された画像を画像記録部7に記録させることを指示するとともに、動作テーブル内の監視対象の検出状態をセンサg検出後状態から(2)センサh検出後状態に遷移させることを示している。
【0036】
次に、上記のように構成される監視画像記録装置1の信号処理部13のカメラ制御処理について説明する。
図11はこの発明の実施の形態3における信号処理部13のカメラ制御処理を示すフローチャートである。
【0037】
まず、信号処理部13は、カメラ制御処理を開始する前の初期化処理として、保持する動作テーブル内の監視対象の検出状態をアイドル状態に設定する。次いで、図11に示すように、カメラ制御処理では、信号処理部13はセンサ信号を検出したかを判断する(ステップST301)。このステップST301において、信号処理部13は、センサ信号を検出していないと判断した場合には、ステップST301の処理を繰り返し、センサ信号の検出待機状態となる。一方、ステップST301において、信号処理部13は、センサ信号を検出したと判断した場合には、次いで、記録カメラを選択する(ステップST302)。すなわち、信号処理部13は、ステップST301において検出したセンサ信号を出力したセンサ9及び監視対象の検出状態に基づいて、図10に示す動作テーブルから記録カメラ及び状態遷移先を読み出し、記録対象となるカメラ2を決定する。
【0038】
次いで、信号処理部13は記録カメラの画像記録を指示する(ステップST303)。すなわち、信号処理部13は、ステップST302において決定した記録対象のカメラ2により撮影された画像を画像記録部7に記録させるように制御部8に指示する。また、信号処理部13は、ステップST302において動作テーブルから読み出した状態遷移先に基づいて、動作テーブル内の監視対象の検出状態を遷移させる。その後、シーケンスはステップST301に戻り、センサ信号の検出待機状態となる。
【0039】
以上のように、この発明の実施の形態3によれば、信号処理部13は、監視対象を検出した複数のセンサ9の順序に基づいて、複数のカメラ2から監視対象の進行方向に対応する領域を撮影しているカメラ2を記録対象のカメラ2として選択して、この選択した記録対象のカメラ2により撮影された画像を画像記録部7に記録させるように構成したので、選択した記録対象のカメラ2によって監視対象の移動方向に対応して監視対象を撮影することでき、監視を行うために必要な画像を効率よく記録することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 監視画像記録装置、2 カメラ、3 画像切換部、4 信号前処理部、5 画像圧縮部、6 バッファメモリ、7 画像記録部、8 制御部、9 センサ、10,12,13 信号処理部、11 カメラ制御部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象を撮影するための旋回可能なカメラと、
前記カメラにより撮影された画像を記録する画像記録部と、
前記監視対象を検出する複数のセンサと、
前記複数のセンサが前記監視対象を検出した時間差及び前記監視対象を検出した前記複数のセンサの順序に基づいて、前記カメラの旋回速度を含む動作を制御する信号処理部と
を備える監視画像記録装置。
【請求項2】
前記信号処理部は、前記カメラの旋回速度に応じて、前記画像記録部が画像を記録する記録フレーム間隔を制御する
ことを特徴とする請求項1記載の監視画像記録装置。
【請求項3】
監視領域を撮影するための複数のカメラと、
前記監視対象を検出する複数のセンサと、
前記監視対象を検出した前記複数のセンサの順序に基づいて、前記複数のカメラから記録対象のカメラを選択する信号処理部と、
前記信号処理部により選択された記録対象のカメラにより撮影された画像を記録する画像記録部と
を備える監視画像記録装置。
【請求項1】
監視対象を撮影するための旋回可能なカメラと、
前記カメラにより撮影された画像を記録する画像記録部と、
前記監視対象を検出する複数のセンサと、
前記複数のセンサが前記監視対象を検出した時間差及び前記監視対象を検出した前記複数のセンサの順序に基づいて、前記カメラの旋回速度を含む動作を制御する信号処理部と
を備える監視画像記録装置。
【請求項2】
前記信号処理部は、前記カメラの旋回速度に応じて、前記画像記録部が画像を記録する記録フレーム間隔を制御する
ことを特徴とする請求項1記載の監視画像記録装置。
【請求項3】
監視領域を撮影するための複数のカメラと、
前記監視対象を検出する複数のセンサと、
前記監視対象を検出した前記複数のセンサの順序に基づいて、前記複数のカメラから記録対象のカメラを選択する信号処理部と、
前記信号処理部により選択された記録対象のカメラにより撮影された画像を記録する画像記録部と
を備える監視画像記録装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−15325(P2011−15325A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−159583(P2009−159583)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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