説明

目地用補助舗装材

【課題】敷地内の空地を、目地植栽を実現しながら歩行などし易く舗装できるようにする。
【解決手段】敷地内の空地Vに敷設される舗装材2によって形成される目地Jに納めらて設置される補助舗装材1である。目地Jの幅と略等しいか稍小さい幅とを備えた水平部10と、この水平部10における長さ方向に亘る両側縁部からそれぞれ下方に突き出して補助舗装材1を下側開口のチャンネル状とする脚部11とを有している。水平部10が前記舗装材2の上面20以下に位置されるように脚部11を前記目地Jにある地盤Gに埋め込んで設置されるようになっていると共に、水平部10には複数の貫通穴10aが形成されて地被植物Pの生長を妨げないようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、敷地内の空地の舗装に利用されるものであって、舗装材によって形成される目地に納められて設置される補助舗装材に関する。
【背景技術】
【0002】
敷地内の建物の建てられていないスペース、すなわち、空地に対しては、幅8cm〜11cm程度の地被植物の植栽用の目地を作っての舗装がしばしばなされている。こうした目地植栽は、敷地内の空地を殺風景にしないように舗装可能とするものであるが、歩行などの障害ともなるところである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この発明が解決しようとする主たる問題点は、敷地内の空地を、目地植栽を実現しながら歩行などし易く舗装できるようにする点にある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を達成するために、この発明にあっては、目地用補助舗装材を、敷地内の空地に敷設される舗装材によって形成される目地に納められて設置される補助舗装材であって、
前記目地の幅と略等しいか稍小さい幅とを備えた水平部と、
この水平部における長さ方向に亘る両側縁部からそれぞれ下方に突き出して補助舗装材を下側開口のチャンネル状とする脚部とを有しており、
前記水平部が前記舗装材の上面以下に位置されるように前記脚部の一部を前記目地にある地盤に埋め込んで設置されるようになっていると共に、
前記水平部には複数の貫通穴が形成されて地被植物の生長を妨げないようになっているものとした。
【0005】
かかる補助舗装材によれば、前記舗装材により形成される目地を、地被植物の生長を妨げない状態で、前記水平部によって覆うことができる。これにより、前記空地に、目地植栽を適切に形成させながら、この目地が空地の歩行などの障害にできるだけならないようにすることができる。
【発明の効果】
【0006】
この発明にかかる補助舗装材によれば、敷地内の空地を、目地植栽を実現しながら歩行などし易く舗装することができる。かかる補助舗装材は簡素であり、目地への設置も容易である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は実施の形態にかかる補助舗装材の斜視構成図である。
【図2】図2は実施の形態にかかる補助舗装材の平面構成図である。
【図3】図3は実施の形態にかかる補助舗装材を利用した空地の地盤の舗装状態を示した斜視構成図である。
【図4】図4は図3の舗装状態を示した断面構成図である。
【図5】図5は図3の舗装に用いる舗装材の一例を示した斜視構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図1〜図5に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について、説明する。この実施の形態にかかる目地用補助舗装材1は、敷地内の空地Vの舗装、つまり、敷地内の建物の建てられていないスペースの舗装に利用されるものであって、舗装材2によって形成される目地Jに納められて設置されるものである。
【0009】
具体的には、かかる補助舗装材1は、前記敷地内にあって、通路、駐車スペース、庭などとして利用される空地Vの舗装に利用される。また、かかる補助舗装材1は、前記目地Jに、地被植物P(典型的には、タマリュウ、ディコンドラ、プラティア、リシマキアなどの主として水平方向にのびる植物、グランドカバーなどとも称される。)の生長を妨げない態様で、納められ設置される。すなわち、かかる補助舗装材1は、かかる目地Jを、目地植栽(草目地などとも称される。)とさせることを妨げないものである。
【0010】
かかる補助舗装材1は、長さと前記目地Jの幅と略等しいか稍小さい幅とを備えた水平部10と、この水平部10における長さ方向に亘る両側縁部からそれぞれ下方に突き出して補助舗装材1を下側開口のチャンネル状とする脚部11とを有している。
【0011】
そして、かかる補助舗装材1は、前記水平部10が前記舗装材2の上面20以下に位置されるように前記脚部11の一部を前記目地Jにある地盤Gに埋め込んで設置されるようになっている。それと共に、かかる補助舗装材1の前記水平部10には複数の貫通穴10a、10a…が形成されて地被植物Pの生長を妨げないようになっている。
【0012】
図示の例では、前記舗装材2を、平面視において外郭形状を正方形とするプレキャストコンクリート製の平板としている。(図5)図示の例では、前記空地Vに、前記目地Jが碁盤の目状に形成されるように、複数のかかる舗装材2、2…を配列敷設して、この空所の地盤Gの舗装をなしている。かかる舗装材2はその下面側を地盤Gに埋め込んだ状態で敷設されており、前記目地Jはかかる舗装材2の上面20と地盤面Gaとの間の距離分の深さを持つようになっている。もっとも、かかる舗装材2は、現場打ちのコンクリートなどによって構成することもでき、また、前記前記碁盤の目状は形成される目地Jの模様の一例に過ぎない。
【0013】
補助舗装材1は、屋外にあって劣化し難く且つ所用の剛性を備えた材料から構成され、典型的には合成樹脂から構成される。前記水平部10は平面視において帯板状を呈している。図示の例では、前記脚部11は水平部10に略直角に交わり、また、前記脚部11は前記水平部10と略同じ肉厚を持ち且つこの水平部10の全長に亘って形成されており、補助舗装材1はその幅方向断面をその長さ方向におけるどの位置においても倒U字状としている。また、前記水平部10の幅よりも脚部11の突きだし寸法は小さくなっている。
【0014】
そして、かかる補助舗装材1は、前記目地Jの長さ方向に前記水平部10の長さ方向を沿わせて、この目地J内に嵌め込み状に納められるようになっている。図示の例では、前記脚部11は、その突き出し寸法の約半分を目地Jにある地盤Gに埋め込んで設置されるようになっている。図示の例では、前記舗装材2の上面20と側面21との間には面取り状部22が形成されており、補助舗装材1はその水平部10をこの面取り状部22と舗装材2の側面21とが接し合う角のレベルに位置させるようにして目地J内に設置されるようになっている。(図4)これにより、図示の例では、補助舗装材1の水平部10は舗装材2の上面20よりも下方に位置されているが、両者の間の段差Dは前記面取り状部によりスロープ状となっている。
【0015】
図示の例では、前記水平部10に、穴の輪郭を正方形とする貫通穴10aが、この水平部10を格子状にするように、複数設けられている。
【0016】
かかる補助舗装材1によれば、前記舗装材2により形成される目地Jを、地被植物Pの生長を妨げない状態で、前記水平部10によって覆うことができる。これにより、前記空地Vに、目地植栽を適切に形成させながら、この目地Jが空地Vの歩行などの障害にできるだけならないようにすることができる。
【0017】
前記水平部10の貫通穴10aは、前記水平部10が目地Jにある地盤Gに植えられた地被植物Pの生長を妨げないようにするように、この水平部10に形成される。したがって、かかる貫通穴10aの大きさ及び穴の輪郭形状は、地被植物Pの延び出しを阻害しない大きさ及び形状であれば十分であり、形状に関しては前記正方形に限られない。また、かかる貫通穴10aの大きさに関しては、その最大寸法が10mm〜20mmの範囲となるように、形成することが好適である。その理由は、かかる最大寸法が10mm未満であると地被植物Pが水平部10上にのび出し難く地被植物Pの生長を促しがたい一方で、かかる最大寸法が20mm超であるとハイヒールなどの靴底の踵部が細い女性用の靴を履いては補助舗装材1上を歩行し難くなると考えられるからである。また、水平部10の長さと幅とを乗して得られる面積中40%〜50%の範囲となる面積を、貫通穴10aによって開放させるようにしておくことが好適である。
【0018】
図示の例では、前記平板の一辺の長さよりやや全長を小さくする短寸の補助舗装材1’と、前記舗装材2の一辺の長さに補助舗装材1の幅を加した寸法よりもやや全長を小さくする長寸の補助舗装材1”とを使って、前記碁盤の目状をなす目地Jを都合良く覆うようにしている。(図3)
【0019】
典型的には、被地植物の生長を考慮すると、前記目地Jの幅は8cm〜11cmであり、補助舗装材1の幅はこの目地Jの幅に合わせて設定される。平面視正方形の平板状をなす前記舗装材2を60cm×60cm×厚さ5.5cmのものとした場合、短寸の補助舗装材1’の長さは49.5cm程度とされ、長寸の補助舗装材1”の長さは59.5cm程度とされる。補助舗装材1は、外観性を考慮すると、透明、あるいは、緑色または茶色のものとして構成することが好ましい。
【符号の説明】
【0020】
V 空地
J 目地
G 地盤
1 補助舗装材
10 水平部
10a 貫通穴
11 脚部
2 舗装材
20 上面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
敷地内の空地に敷設される舗装材によって形成される目地に納められて設置される補助舗装材であって、
前記目地の幅と略等しいか稍小さい幅とを備えた水平部と、
この水平部における長さ方向に亘る両側縁部からそれぞれ下方に突き出して補助舗装材を下側開口のチャンネル状とする脚部とを有しており、
前記水平部が前記舗装材の上面以下に位置されるように前記脚部の一部を前記目地にある地盤に埋め込んで設置されるようになっていると共に、
前記水平部には複数の貫通穴が形成されて地被植物の生長を妨げないようになっていることを特徴とする目地用補助舗装材。
【請求項2】
水平部の貫通穴を、その最大寸法が10mm〜20mmの範囲となるように、形成してなることを特徴とする請求項1に記載の目地用補助舗装材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−64295(P2013−64295A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204625(P2011−204625)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000183428)住友林業株式会社 (540)
【Fターム(参考)】