目詰まり防止材付きコンクリートブロック
【課題】路面中に浸透した雨水をも集水可能で、導水路の目詰まりを防止できて長期間に亘って集水性、排水性を維持することができ、施工性に優れ、目詰まり防止材を高精度で位置決めできて汎用性の高い排水施設用ブロックを提供すること。
【解決手段】底面と側壁とを備えたブロック本体と、該ブロック本体に設けられた排水路から構成され、ブロック本体の表面から排水路に連通する導水路が形成され、該導水路の入口部分を被覆する目詰まり防止材がブロック本体と一体的に設けられ、ブロック本体の上部が上面により覆われ且つ排水路がブロック本体内部に設けられ、上面の長手方向全長に亘って排水路と連通する導水路となる導水部が形成され、ブロック本体の導水部を挟む上面の片面又は両面に、側端部から導水部に至る導水凹溝が形成され、導水凹溝の溝内又は上部に目詰まり防止材が配設されてなる。
【解決手段】底面と側壁とを備えたブロック本体と、該ブロック本体に設けられた排水路から構成され、ブロック本体の表面から排水路に連通する導水路が形成され、該導水路の入口部分を被覆する目詰まり防止材がブロック本体と一体的に設けられ、ブロック本体の上部が上面により覆われ且つ排水路がブロック本体内部に設けられ、上面の長手方向全長に亘って排水路と連通する導水路となる導水部が形成され、ブロック本体の導水部を挟む上面の片面又は両面に、側端部から導水部に至る導水凹溝が形成され、導水凹溝の溝内又は上部に目詰まり防止材が配設されてなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は目詰まり防止材付きコンクリートブロックに係り、その目的は路面上を流れる雨水のみならず路面中に浸透した雨水をも集水することが可能で、しかも雨水を集水する導水路の目詰まりを防止することができて長期間にわたって集水性、排水性を維持することができ、更には施工性に優れた排水施設用ブロックを提供することにある。
【背景技術】
【0002】
一般道路や高速道路、公園、市街地道路などにおいては、降雨等により水が路面に貯留する現象を防ぐために排水施設が備えられている。このような排水施設の例としては、図9に示すようなU字型側溝や、図10に示すような暗渠、或いは図11に示すような円形水路を有する開渠などが挙げられる。
【0003】
これらの排水施設の集水方法としては、上部が開放されたU字型側溝や上部に集水口を有する円形水路などの場合には、道路表面を流れてきた水をそのまま上部から取り入れることによって集水している。また、暗渠の場合には所要間隔で集水枡を設け、道路表面を流れてきた水をこの集水枡から取り入れることによって集水している。
【0004】
しかしながら、上記したような従来の排水設備では、道路表面を流れてきた水しか集水することができないため集水性が悪く、そのため未舗装の道路や不透水性の基層表面に透水性の表層が施工された排水性舗装道路に施工した場合、多量の降雨があると路面内に浸透しきれない雨水が路面上に貯留してしまうという課題が存在した。
このような実情に鑑みて、本願発明者は先に特願平6−131091号(下記特許文献1参照)において、路面中を浸透した雨水を側壁に設けられた導水口から内部の排水路へと導くことができる側溝を提案している。
【0005】
この技術は、道路表面からだけでなく路面中を浸透した水をも集水して排水できる点で優れた技術であったが、以下に述べる課題が存在した。
すなわち、路面中を浸透した雨水は少量の土砂を伴って導水口へと流れ込むが、強度の観点から導水口は排水路に比べて狭い通路とされているため、長期間使用すると導水口に土砂が詰まってしまい、集水性、排水性が低下してしまうという問題があった。
【0006】
この問題は、導水口に面する部分に、栗石、砕石を埋設してこれらにフィルターの役割を果たさせることによりほぼ解決することができるものの、現場施工で栗石、砕石を導水口に面する部分に埋設していくのには非常に手間がかかり作業性が極めて悪かった。
しかも現場施工では、栗石、砕石を長距離にわたって導水口の位置に精度良く埋設していくことは困難であって、栗石、砕石が導水口の位置からずれてその位置から土砂等が侵入して導水口が詰まり、集水性、排水性が低下してしまうこともあった。
更には、現場施工においては目詰まり防止のために使用可能な物が栗石、砕石等の限られた物に限定されてしまい、より高い目詰まり防止機能や集水性を備えた物を広範囲の素材の中から選択して使用することが難しかった。
【0007】
【特許文献1】特開平7−310358号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで業界では、路面上を流れる雨水のみならず路面中に浸透した雨水をも集水することが可能で、しかも雨水を集水する導水路の目詰まりを防止することができて長期間にわたって集水性、排水性を維持することができ、更には施工性に優れ、様々な種類の目詰まり防止材を高精度で位置決め固定することができて汎用性の高い排水施設用ブロックの創出が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、底面と側壁とを備えたブロック本体と、該ブロック本体に設けられた排水路とから構成され、前記ブロック本体のいずれかの表面から前記排水路に連通する導水路が形成されてなるブロックであって、該導水路の入口部分を被覆する目詰まり防止材がブロック本体と一体的に設けられており、前記ブロック本体の上部が上面により覆われ且つ排水路がブロック本体内部に設けられてなるとともに、前記上面の長手方向全長にわたって排水路と連通する導水部が形成されており、前記導水路は、ブロック本体の導水部を挟む2つの上面の片面又は両面に、側端部から導水部に至るように形成された導水凹溝からなり、この導水凹溝の溝内又は上部に目詰まり防止材が配設されてなることを特徴とする目詰まり防止材付きコンクリートブロックに関する。
【0010】
請求項2に係る発明は、前記ブロック本体の導水部を挟む2つの上面の片面に、側端部から導水部に至る導水凹溝が形成されてなり、この導水凹溝の溝内に目詰まり防止材が配設されてなることを特徴とする請求項1記載の目詰まり防止材付きコンクリートブロックに関する。
【0011】
請求項3に係る発明は、前記ブロック本体の導水部を挟む2つの上面の片面に、側端部から導水部に至る導水凹溝が形成されてなり、この導水凹溝の上部に目詰まり防止材が配設されてなることを特徴とする請求項1記載の目詰まり防止材付きコンクリートブロックに関する。
【0012】
請求項4に係る発明は、前記ブロック本体の導水部を挟む2つの上面の両面に、側端部から導水部に至る導水凹溝が形成されてなり、この導水凹溝の溝内に目詰まり防止材が配設されてなることを特徴とする請求項1記載の目詰まり防止材付きコンクリートブロックに関する。
【0013】
請求項5に係る発明は、前記ブロック本体の導水部を挟む2つの上面の両面に、側端部から導水部に至る導水凹溝が形成されてなり、この導水凹溝の上部に目詰まり防止材が配設されてなることを特徴とする請求項1記載の目詰まり防止材付きコンクリートブロックに関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、底面と側壁とを備えたブロック本体と、該ブロック本体に設けられた排水路とから構成され、前記ブロック本体のいずれかの表面から前記排水路に連通する導水路が形成されてなるブロックであって、該導水路の入口部分を被覆する目詰まり防止材がブロック本体と一体的に設けられている目詰まり防止材付きコンクリートブロックであるから、以下に述べる効果を奏する。
すなわち、目詰まり防止材が導水路の入口部分を被覆するように設けられているので、導水路の目詰まりを防止することができて長期間にわたって集水性、排水性を維持することができ、しかも目詰まり防止材が周囲の水を集めるため集水性に優れたものとなる。
また、目詰まり防止材は工場等で予めブロック本体と一体的に設けられているため、栗石等の目詰まり防止材を別途準備して現場にて埋設する作業を必要とせず極めて施工性に優れ、しかも目詰まり防止材がブロック本体に対して精度良く位置決め固定されているため集水性、排水性が低下しにくい。
さらに、目詰まり防止材は工場等で予めブロック本体と一体的に固定されるため、施工現場や用途に応じた様々な種類の目詰まり防止材を備えたブロックを製造することができる。
【0015】
また、前記ブロック本体の導水部を挟む2つの上面の片面又は両面に、側端部から導水部に至る導水凹溝が形成されてなり、この導水凹溝の溝内又は上部に目詰まり防止材が配設されてなる目詰まり防止材付きコンクリートブロックであるから、路面上の雨水等は上面の導水部から排水路へと流入する以外に、加えて路面を浸透したものも目詰まり防止材によって集水されて導水凹溝から排水路へと流入するため、集水性、排水性に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る目詰まり防止材付きコンクリートブロック(以下、単にブロックという)の好適な実施形態について図面に基づき説明する。
図1乃至図4は、それぞれ本発明に係るブロックの第1乃至第4実施例を示す斜視図である。
本発明に係るブロックは、底面(21)と側壁(22)とを備えたブロック本体(2)と、該ブロック本体(2)に設けられた排水路(3)とから構成されている。
【0017】
ブロック本体(2)の上部は上面(23)により覆われており、排水路(3)はブロック本体(2)の内部に設けられているとともに、上面(23)の長手方向全長にわたって排水路(3)と連通する導水部(11)が形成されている。
【0018】
第1実施例に係るブロック(1)は、図1に示すように、ブロック本体(2)の導水部(11)を挟む2つの上面(23)の片面に、側端部から導水部(11)に至る導水凹溝(12)が形成されており、この導水凹溝(12)の溝内に目詰まり防止材(7)が固定されている。
また、第2実施例に係るブロック(1)は、図2に示すように、ブロック本体(2)の導水部(11)を挟む2つの上面(23)の片面に、側端部から導水部(11)に至る導水凹溝(12)が形成されており、この導水凹溝(12)の上部に目詰まり防止材(7)が固定されている。
【0019】
第3実施例に係るブロック(1)は、図3に示すように、ブロック本体(2)の導水部(11)を挟む2つの上面(23)の両面に、側端部から導水部に至る導水凹溝(12)が形成されており、この導水凹溝(12)の溝内に目詰まり防止材(7)が固定されている。
第4実施例に係るブロック(1)は、図4に示すように、ブロック本体(2)の導水部(11)を挟む2つの上面(23)の両面に、側端部から導水部に至る導水凹溝(12)が形成されており、この導水凹溝(12)の上部に目詰まり防止材(7)が固定されている。
【0020】
図5乃至図8は、上記第1乃至第4実施例に係るブロック(1)の施工方法の一例を示す概略断面図である。
図示の如くブロック(1)を埋設することにより、路面上に降雨があった場合、雨水は直接に導水部(11)から排水路(3)へと流れ込むとともに、導水凹溝(12)からも排水路(3)へと流れ込むので集水性、排水性に優れたものとなる。
尚、第1乃至第4実施例に係るブロック(1)においては、集水性を高めるために導水部(11)を挟む上面(23)を導水部(11)に向けて下向きの傾斜面とすることが好ましい。
【0021】
尚、図示例においては、各実施例に係るブロック(1)を、透水性を有する表層(61)と不透水性の基層(62)とからなる排水性舗装道路(6)に施工した場合を示したが、いずれの実施例に係るブロック(1)についても排水性舗装道路(6)だけでなく、未舗装道路にも適用することができ、また道路に限らず公園や広場等に施工することも可能である。
また本発明においては、排水路(3)の形状、導水凹溝(12)の数及び深さについては全く限定されず、施工場所等に応じて適宜変更することができる。
【0022】
本発明において使用可能な目詰まり防止材(7)としては、ポーラスコンクリート、透水性アスファルト、透水性を有する合成樹脂、化学繊維、天然繊維、金網、ネット、或いは金網やネット等に栗石、砕石等を入れたもの等を例示することができるが、これらに限定はされない。
また、目詰まり防止材(7)のブロック本体(2)への固定方法も何ら限定されず、接着剤による接着、ボルト止め、釘止め、嵌合、針金や紐による巻き付け止め等の任意の方法を採用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は、排水性舗装道路や、未舗装道路や未舗装の公園や広場など、透水性を有する道路や施設に施工することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係るブロックの第1実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明に係るブロックの第2実施例を示す斜視図である。
【図3】本発明に係るブロックの第3実施例を示す斜視図である。
【図4】本発明に係るブロックの第4実施例を示す斜視図である。
【図5】第1実施例に係るブロックの施工方法の一例を示す概略断面図である。
【図6】第2実施例に係るブロックの施工方法の一例を示す概略断面図である。
【図7】第3実施例に係るブロックの施工方法の一例を示す概略断面図である。
【図8】第4実施例に係るブロックの施工方法の一例を示す概略断面図である。
【図9】従来の排水設備の一例を示す斜視図である。
【図10】従来の排水設備の一例を示す斜視図である。
【図11】従来の排水設備の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0025】
1 目詰まり防止材付きコンクリートブロック
2 ブロック本体
21 底面
22 側壁
23 上面
3 排水路
6 排水性舗装道路
7 目詰まり防止材
11 導水部
12 導水凹溝
【技術分野】
【0001】
本発明は目詰まり防止材付きコンクリートブロックに係り、その目的は路面上を流れる雨水のみならず路面中に浸透した雨水をも集水することが可能で、しかも雨水を集水する導水路の目詰まりを防止することができて長期間にわたって集水性、排水性を維持することができ、更には施工性に優れた排水施設用ブロックを提供することにある。
【背景技術】
【0002】
一般道路や高速道路、公園、市街地道路などにおいては、降雨等により水が路面に貯留する現象を防ぐために排水施設が備えられている。このような排水施設の例としては、図9に示すようなU字型側溝や、図10に示すような暗渠、或いは図11に示すような円形水路を有する開渠などが挙げられる。
【0003】
これらの排水施設の集水方法としては、上部が開放されたU字型側溝や上部に集水口を有する円形水路などの場合には、道路表面を流れてきた水をそのまま上部から取り入れることによって集水している。また、暗渠の場合には所要間隔で集水枡を設け、道路表面を流れてきた水をこの集水枡から取り入れることによって集水している。
【0004】
しかしながら、上記したような従来の排水設備では、道路表面を流れてきた水しか集水することができないため集水性が悪く、そのため未舗装の道路や不透水性の基層表面に透水性の表層が施工された排水性舗装道路に施工した場合、多量の降雨があると路面内に浸透しきれない雨水が路面上に貯留してしまうという課題が存在した。
このような実情に鑑みて、本願発明者は先に特願平6−131091号(下記特許文献1参照)において、路面中を浸透した雨水を側壁に設けられた導水口から内部の排水路へと導くことができる側溝を提案している。
【0005】
この技術は、道路表面からだけでなく路面中を浸透した水をも集水して排水できる点で優れた技術であったが、以下に述べる課題が存在した。
すなわち、路面中を浸透した雨水は少量の土砂を伴って導水口へと流れ込むが、強度の観点から導水口は排水路に比べて狭い通路とされているため、長期間使用すると導水口に土砂が詰まってしまい、集水性、排水性が低下してしまうという問題があった。
【0006】
この問題は、導水口に面する部分に、栗石、砕石を埋設してこれらにフィルターの役割を果たさせることによりほぼ解決することができるものの、現場施工で栗石、砕石を導水口に面する部分に埋設していくのには非常に手間がかかり作業性が極めて悪かった。
しかも現場施工では、栗石、砕石を長距離にわたって導水口の位置に精度良く埋設していくことは困難であって、栗石、砕石が導水口の位置からずれてその位置から土砂等が侵入して導水口が詰まり、集水性、排水性が低下してしまうこともあった。
更には、現場施工においては目詰まり防止のために使用可能な物が栗石、砕石等の限られた物に限定されてしまい、より高い目詰まり防止機能や集水性を備えた物を広範囲の素材の中から選択して使用することが難しかった。
【0007】
【特許文献1】特開平7−310358号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで業界では、路面上を流れる雨水のみならず路面中に浸透した雨水をも集水することが可能で、しかも雨水を集水する導水路の目詰まりを防止することができて長期間にわたって集水性、排水性を維持することができ、更には施工性に優れ、様々な種類の目詰まり防止材を高精度で位置決め固定することができて汎用性の高い排水施設用ブロックの創出が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、底面と側壁とを備えたブロック本体と、該ブロック本体に設けられた排水路とから構成され、前記ブロック本体のいずれかの表面から前記排水路に連通する導水路が形成されてなるブロックであって、該導水路の入口部分を被覆する目詰まり防止材がブロック本体と一体的に設けられており、前記ブロック本体の上部が上面により覆われ且つ排水路がブロック本体内部に設けられてなるとともに、前記上面の長手方向全長にわたって排水路と連通する導水部が形成されており、前記導水路は、ブロック本体の導水部を挟む2つの上面の片面又は両面に、側端部から導水部に至るように形成された導水凹溝からなり、この導水凹溝の溝内又は上部に目詰まり防止材が配設されてなることを特徴とする目詰まり防止材付きコンクリートブロックに関する。
【0010】
請求項2に係る発明は、前記ブロック本体の導水部を挟む2つの上面の片面に、側端部から導水部に至る導水凹溝が形成されてなり、この導水凹溝の溝内に目詰まり防止材が配設されてなることを特徴とする請求項1記載の目詰まり防止材付きコンクリートブロックに関する。
【0011】
請求項3に係る発明は、前記ブロック本体の導水部を挟む2つの上面の片面に、側端部から導水部に至る導水凹溝が形成されてなり、この導水凹溝の上部に目詰まり防止材が配設されてなることを特徴とする請求項1記載の目詰まり防止材付きコンクリートブロックに関する。
【0012】
請求項4に係る発明は、前記ブロック本体の導水部を挟む2つの上面の両面に、側端部から導水部に至る導水凹溝が形成されてなり、この導水凹溝の溝内に目詰まり防止材が配設されてなることを特徴とする請求項1記載の目詰まり防止材付きコンクリートブロックに関する。
【0013】
請求項5に係る発明は、前記ブロック本体の導水部を挟む2つの上面の両面に、側端部から導水部に至る導水凹溝が形成されてなり、この導水凹溝の上部に目詰まり防止材が配設されてなることを特徴とする請求項1記載の目詰まり防止材付きコンクリートブロックに関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、底面と側壁とを備えたブロック本体と、該ブロック本体に設けられた排水路とから構成され、前記ブロック本体のいずれかの表面から前記排水路に連通する導水路が形成されてなるブロックであって、該導水路の入口部分を被覆する目詰まり防止材がブロック本体と一体的に設けられている目詰まり防止材付きコンクリートブロックであるから、以下に述べる効果を奏する。
すなわち、目詰まり防止材が導水路の入口部分を被覆するように設けられているので、導水路の目詰まりを防止することができて長期間にわたって集水性、排水性を維持することができ、しかも目詰まり防止材が周囲の水を集めるため集水性に優れたものとなる。
また、目詰まり防止材は工場等で予めブロック本体と一体的に設けられているため、栗石等の目詰まり防止材を別途準備して現場にて埋設する作業を必要とせず極めて施工性に優れ、しかも目詰まり防止材がブロック本体に対して精度良く位置決め固定されているため集水性、排水性が低下しにくい。
さらに、目詰まり防止材は工場等で予めブロック本体と一体的に固定されるため、施工現場や用途に応じた様々な種類の目詰まり防止材を備えたブロックを製造することができる。
【0015】
また、前記ブロック本体の導水部を挟む2つの上面の片面又は両面に、側端部から導水部に至る導水凹溝が形成されてなり、この導水凹溝の溝内又は上部に目詰まり防止材が配設されてなる目詰まり防止材付きコンクリートブロックであるから、路面上の雨水等は上面の導水部から排水路へと流入する以外に、加えて路面を浸透したものも目詰まり防止材によって集水されて導水凹溝から排水路へと流入するため、集水性、排水性に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る目詰まり防止材付きコンクリートブロック(以下、単にブロックという)の好適な実施形態について図面に基づき説明する。
図1乃至図4は、それぞれ本発明に係るブロックの第1乃至第4実施例を示す斜視図である。
本発明に係るブロックは、底面(21)と側壁(22)とを備えたブロック本体(2)と、該ブロック本体(2)に設けられた排水路(3)とから構成されている。
【0017】
ブロック本体(2)の上部は上面(23)により覆われており、排水路(3)はブロック本体(2)の内部に設けられているとともに、上面(23)の長手方向全長にわたって排水路(3)と連通する導水部(11)が形成されている。
【0018】
第1実施例に係るブロック(1)は、図1に示すように、ブロック本体(2)の導水部(11)を挟む2つの上面(23)の片面に、側端部から導水部(11)に至る導水凹溝(12)が形成されており、この導水凹溝(12)の溝内に目詰まり防止材(7)が固定されている。
また、第2実施例に係るブロック(1)は、図2に示すように、ブロック本体(2)の導水部(11)を挟む2つの上面(23)の片面に、側端部から導水部(11)に至る導水凹溝(12)が形成されており、この導水凹溝(12)の上部に目詰まり防止材(7)が固定されている。
【0019】
第3実施例に係るブロック(1)は、図3に示すように、ブロック本体(2)の導水部(11)を挟む2つの上面(23)の両面に、側端部から導水部に至る導水凹溝(12)が形成されており、この導水凹溝(12)の溝内に目詰まり防止材(7)が固定されている。
第4実施例に係るブロック(1)は、図4に示すように、ブロック本体(2)の導水部(11)を挟む2つの上面(23)の両面に、側端部から導水部に至る導水凹溝(12)が形成されており、この導水凹溝(12)の上部に目詰まり防止材(7)が固定されている。
【0020】
図5乃至図8は、上記第1乃至第4実施例に係るブロック(1)の施工方法の一例を示す概略断面図である。
図示の如くブロック(1)を埋設することにより、路面上に降雨があった場合、雨水は直接に導水部(11)から排水路(3)へと流れ込むとともに、導水凹溝(12)からも排水路(3)へと流れ込むので集水性、排水性に優れたものとなる。
尚、第1乃至第4実施例に係るブロック(1)においては、集水性を高めるために導水部(11)を挟む上面(23)を導水部(11)に向けて下向きの傾斜面とすることが好ましい。
【0021】
尚、図示例においては、各実施例に係るブロック(1)を、透水性を有する表層(61)と不透水性の基層(62)とからなる排水性舗装道路(6)に施工した場合を示したが、いずれの実施例に係るブロック(1)についても排水性舗装道路(6)だけでなく、未舗装道路にも適用することができ、また道路に限らず公園や広場等に施工することも可能である。
また本発明においては、排水路(3)の形状、導水凹溝(12)の数及び深さについては全く限定されず、施工場所等に応じて適宜変更することができる。
【0022】
本発明において使用可能な目詰まり防止材(7)としては、ポーラスコンクリート、透水性アスファルト、透水性を有する合成樹脂、化学繊維、天然繊維、金網、ネット、或いは金網やネット等に栗石、砕石等を入れたもの等を例示することができるが、これらに限定はされない。
また、目詰まり防止材(7)のブロック本体(2)への固定方法も何ら限定されず、接着剤による接着、ボルト止め、釘止め、嵌合、針金や紐による巻き付け止め等の任意の方法を採用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は、排水性舗装道路や、未舗装道路や未舗装の公園や広場など、透水性を有する道路や施設に施工することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係るブロックの第1実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明に係るブロックの第2実施例を示す斜視図である。
【図3】本発明に係るブロックの第3実施例を示す斜視図である。
【図4】本発明に係るブロックの第4実施例を示す斜視図である。
【図5】第1実施例に係るブロックの施工方法の一例を示す概略断面図である。
【図6】第2実施例に係るブロックの施工方法の一例を示す概略断面図である。
【図7】第3実施例に係るブロックの施工方法の一例を示す概略断面図である。
【図8】第4実施例に係るブロックの施工方法の一例を示す概略断面図である。
【図9】従来の排水設備の一例を示す斜視図である。
【図10】従来の排水設備の一例を示す斜視図である。
【図11】従来の排水設備の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0025】
1 目詰まり防止材付きコンクリートブロック
2 ブロック本体
21 底面
22 側壁
23 上面
3 排水路
6 排水性舗装道路
7 目詰まり防止材
11 導水部
12 導水凹溝
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面と側壁とを備えたブロック本体と、該ブロック本体に設けられた排水路とから構成され、前記ブロック本体のいずれかの表面から前記排水路に連通する導水路が形成されてなるブロックであって、該導水路の入口部分を被覆する目詰まり防止材がブロック本体と一体的に設けられており、
前記ブロック本体の上部が上面により覆われ且つ排水路がブロック本体内部に設けられてなるとともに、前記上面の長手方向全長にわたって排水路と連通する導水部が形成されており、
前記導水路は、ブロック本体の導水部を挟む2つの上面の片面又は両面に、側端部から導水部に至るように形成された導水凹溝からなり、この導水凹溝の溝内又は上部に目詰まり防止材が配設されてなることを特徴とする目詰まり防止材付きコンクリートブロック。
【請求項2】
前記ブロック本体の導水部を挟む2つの上面の片面に、側端部から導水部に至る導水凹溝が形成されてなり、この導水凹溝の溝内に目詰まり防止材が配設されてなることを特徴とする請求項1記載の目詰まり防止材付きコンクリートブロック。
【請求項3】
前記ブロック本体の導水部を挟む2つの上面の片面に、側端部から導水部に至る導水凹溝が形成されてなり、この導水凹溝の上部に目詰まり防止材が配設されてなることを特徴とする請求項1記載の目詰まり防止材付きコンクリートブロック。
【請求項4】
前記ブロック本体の導水部を挟む2つの上面の両面に、側端部から導水部に至る導水凹溝が形成されてなり、この導水凹溝の溝内に目詰まり防止材が配設されてなることを特徴とする請求項1記載の目詰まり防止材付きコンクリートブロック。
【請求項5】
前記ブロック本体の導水部を挟む2つの上面の両面に、側端部から導水部に至る導水凹溝が形成されてなり、この導水凹溝の上部に目詰まり防止材が配設されてなることを特徴とする請求項1記載の目詰まり防止材付きコンクリートブロック。
【請求項1】
底面と側壁とを備えたブロック本体と、該ブロック本体に設けられた排水路とから構成され、前記ブロック本体のいずれかの表面から前記排水路に連通する導水路が形成されてなるブロックであって、該導水路の入口部分を被覆する目詰まり防止材がブロック本体と一体的に設けられており、
前記ブロック本体の上部が上面により覆われ且つ排水路がブロック本体内部に設けられてなるとともに、前記上面の長手方向全長にわたって排水路と連通する導水部が形成されており、
前記導水路は、ブロック本体の導水部を挟む2つの上面の片面又は両面に、側端部から導水部に至るように形成された導水凹溝からなり、この導水凹溝の溝内又は上部に目詰まり防止材が配設されてなることを特徴とする目詰まり防止材付きコンクリートブロック。
【請求項2】
前記ブロック本体の導水部を挟む2つの上面の片面に、側端部から導水部に至る導水凹溝が形成されてなり、この導水凹溝の溝内に目詰まり防止材が配設されてなることを特徴とする請求項1記載の目詰まり防止材付きコンクリートブロック。
【請求項3】
前記ブロック本体の導水部を挟む2つの上面の片面に、側端部から導水部に至る導水凹溝が形成されてなり、この導水凹溝の上部に目詰まり防止材が配設されてなることを特徴とする請求項1記載の目詰まり防止材付きコンクリートブロック。
【請求項4】
前記ブロック本体の導水部を挟む2つの上面の両面に、側端部から導水部に至る導水凹溝が形成されてなり、この導水凹溝の溝内に目詰まり防止材が配設されてなることを特徴とする請求項1記載の目詰まり防止材付きコンクリートブロック。
【請求項5】
前記ブロック本体の導水部を挟む2つの上面の両面に、側端部から導水部に至る導水凹溝が形成されてなり、この導水凹溝の上部に目詰まり防止材が配設されてなることを特徴とする請求項1記載の目詰まり防止材付きコンクリートブロック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−146653(P2007−146653A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−65891(P2007−65891)
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【分割の表示】特願平9−342112の分割
【原出願日】平成9年11月26日(1997.11.26)
【出願人】(593064940)エス・ケー・エンジニアリング株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【分割の表示】特願平9−342112の分割
【原出願日】平成9年11月26日(1997.11.26)
【出願人】(593064940)エス・ケー・エンジニアリング株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
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