説明

直交多重化を利用する無線通信システムの電力制御

【課題】サービス基地局に対するセクタ内干渉及び隣接基地局に対するセクタ間干渉の両方を緩和するために伝送電力を調整する。
【解決手段】端末が引き起こすセクタ間干渉の量は各隣接基地局によって観測される全体の干渉、サービス基地局及び隣接基地局に関するチャネル利得、及び現在の伝送電力レベルに基づいておおよそ推定される。高い干渉が隣接基地局によって観測されれば伝送電力は減少され、そうでなければ増加される。端末が高い干渉を観測する隣接基地局のより近くに位置し、および/または現在の伝送電力レベルがより高ければ、伝送電力はより多量に、および/またはより頻繁に調整される。セクタ内干渉は端末に関する受信SNRを許容SNRの範囲内に制限することによって許容レベル以内に維持される。

【発明の詳細な説明】
【米国特許法第119条の下での優先権の主張】
【0001】
本特許出願は「逆方向回線電力制御アルゴリズム(Reverse-Link Power Control Algorithm)」と題し、2004年6月18日に出願され、そして本譲請人に譲渡され、且つここに参照によって組込まれている仮出願番号第60/580,819号への優先権を主張する。
【同時係属特許出願への参照】
【0002】
本特許出願は次の同時係属米国特許出願:2004年7月13日に出願され、本譲請人に譲渡され、ここに参照によって組込まれている代理人明細書番号第040404U1号「強力な抹消検知及び抹消速度に基づく閉ループ電力制御(Robust Erasure Detection and Erasure-Rate-Based Closed Loop Power Control)」に関係する。
【技術分野】
【0003】
本発明は一般に通信に関係し、特に無線通信システムの電力制御に関係する。
【背景技術】
【0004】
無線多元接続(multiple-access)通信システムは多数の無線端末の通信に同時に対応することができる。各端末は順方向及び逆方向回線上の伝送を介して一以上の基地局と通信する。順方向回線(或いは、下り回線)は基地局から端末への通信回線を云い、逆方向回線(或いは、上り回線)は端末から基地局への通信回線を云う。
【0005】
端末は相互に直交するようにそれらの伝送を多重化することによって逆方向回線上で同時に伝送する。多重化は時間、周波数、及び/または符号領域において多数の逆方向回線伝送の間で直交性を達成する試みである。完全な直交性が達成されれば、受信基地局において各端末からの伝送は他の端末からの伝送に妨害されることはない。しかしながら、いろいろな端末からの伝送の間の完全な直交性はチャネル条件、受信機の欠陥、等々のために大抵は実現されない。直交性における損失は同じ基地局と通信する他の端末にいくらかの干渉を各端末はもたらすことになる。さらに、いろいろな基地局と通信する端末からの伝送は一般的に相互に直交していない。このように、各端末はまたすぐ近くの基地局と通信する端末に干渉をもたらす。そして各端末の性能はシステム中の他の全ての端末からの干渉によって低下する。
【0006】
従って、性能改良が達成されるために、干渉の影響を緩和する技術が当分野において必要である。
【発明の概要】
【0007】
「セクタ内(intra-sector)」干渉と「セクタ間(inter-sector)」干渉の両方を緩和する意味で無線端末からデータ伝送のために伝送電力を制御するための技術がここに述べられる。端末が「サービス」基地局にもたらすセクタ内干渉の量及び端末が「隣接」基地局にもたらすセクタ間干渉の量が双方共許容レベル以内に維持されるように伝送電力は調整される。(引用の術語は下記で述べる。)端末が引き起こすセクタ間干渉の量は、(1)各隣接基地局によって観測される全体の干渉、(2)サービス及び隣接基地局のチャネル利得、(3)端末によって使用される現在の伝送電力レベル、及び(4)恐らくは他のパラメータに基づいて大方推定される。各基地局はその基地局によって観測された全体の干渉を示す報告(例えば、一ビット)を同報通信する。各基地局に関するチャネル利得は基地局から受取られるパイロットに基づいて推定される。伝送電力は確率的方法、決定論的方法、またはこれらの様々なパラメータに基づく他の方法において調整される。
【0008】
一般に、高い干渉が隣接基地局によって観測されれば伝送電力は減少され、低い干渉が観測されれば増加される。伝送電力はまた(1)端末が高い干渉を観測する隣接基地局の近くに位置すれば、及び/または(2)現在の伝送電力がより高ければ、より多量に、及び/またはより頻繁に調整される。伝送電力は(1)端末がサービス基地局の近くに位置すれば、及び/または(2)現在の伝送電力がより低ければ、より少なく、および/またはまれに調整される。端末によって引き起こされるセクタ内干渉は許容SNRの範囲内になるようにデータ伝送の受信信号品質(SNR)を制限することによって許容レベル以内に維持される。
【0009】
様々な発明の形態及び実施例は下記でさらに詳細に述べられる。
【0010】
本発明の特徴及び本質は同様な参照符号が全体にわたり対応して同一である図面と関連して取られる以下に始まる詳細な説明からさらに明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】無線多元接続通信システムを示す。
【図2】時間-周波数平面における周波数ホッピングを例示する。
【図3】伝送電力を確率論的方法で調整するための処理を示す。
【図4】伝送電力を決定論的方法に調整するための処理を示す。
【図5】データ・チャネルに関する電力制御機構を示す。
【図6】制御チャネルに関する電力制御機構を示す。
【図7】端末、サービス基地局、及び隣接基地局を示す。
【発明の詳細な説明】
【0012】
用語「典型的な(exemplary)」は「例(example)、事例(instance)、または例示(illustration)として役立つ」ことを意味するものとしてここでは使用される。「典型的な」としてここに記述されたあらゆる実施例は他の実施例または設計に対して好ましい、或いは有利であると必ずしも解釈されるものではない。
【0013】
図1は無線多元接続通信システム100を示す。システム100はいくつかの無線端末120に関する通信に対応するいくつかの基地局110を含む。端末120は一般的にシステムの至る所に分散され、そして各端末は固定され、もしくは移動する。端末はまた移動局、ユーザ機器(UE)、無線通信デバイス、または他の用語で呼ばれる。基地局は端末と通信するための固定局で、またアクセス・ポイント、ノ-ドB、または他の用語で呼ばれる。システム制御器130はこれらの基地局に関する調整及び制御を行い、さらにこれらの基地局によってサービスを受ける端末のためにデータの経路指定(routing)を制御する。
【0014】
各基地局110はそれぞれの地域102に関する通信可能範囲を提供する。その用語が使われる文脈に応じて、基地局及び/またはその通信可能区域(coverage area)は「セル(cell)」と呼ばれる。容量を増すために、各基地局の通信可能区域は多数の(例えば、3)セクタ104に分割される。各セクタは基地送受信サブシステム(BTS)によるサービスを受ける。その用語が使われる文脈に応じて、術語「セクタ」はBTS及び/またはその通信可能区域と呼ぶことができる。セクタ化セルに関して、そのセルに関する基地局は一般的にそのセルの全セクタに関するBTSを含む。簡単にするために、次の記述では、術語「基地局」は総称的にセルにサービスする固定局及びセクタにサービスする固定局の両方について使用される。「サービス(serving)」基地局は端末が通信するものである。「隣接(neighbor)」基地局または「隣接」セクタはその端末が通信していないものである。簡単にするために、次の記述は各端末が一つのサービス基地局と通信すると仮定する(これはここに示された技術について必要な限定ではないが)。
【0015】
ここに記述する電力制御技法は様々な無線通信システムについて使用される。例えば、これらの技術は時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、直交周波数分割元接続(OFDMA)システム、等々に使用される。TDMAシステムは時分割多重化(TDM)を使用し、異なる端末に関する伝送は異なる時間間隔に伝送することによって直交化される。FDMAシステムは周波数分割多重化(FDM)を使用し、異なる端末に関する伝送は異なる周波数部分帯域において伝送することによって直交化される。TDMA及びFDMAシステムはまた符号分割多重化(CDM)を使用する。この場合には、たとえそれらが同じ時間間隔または周波数部分帯域において伝送られるとしても、多数の端末に関する伝送は異なる直交(例えば、ウォルシュ)符号を使用して直交化される。OFDMAシステムは直交周波数分割多重化(OFDM)を利用し、それは全体のシステム帯域幅をいくつかの(N)直交周波数部分帯域に効率的に分割する。これらの部分帯域はまたトーン、副搬送波、ビン、及び周波数チャネル、等々と呼ばれる。各部分帯域はデータによって変調されるそれぞれの副搬送波と関連する。OFDMAシステムは時間、周波数、及び/または符号分割多重化のあらゆる組合せを使用する。明確にするために、電力制御技法は下記ではOFDMAシステムについて述べられる。
【0016】
OFDMAシステムに関して、多数の「トラヒック」チャネルは、(1)各部分帯域はあらゆるある時間間隔においてただ一つのトラヒック・チャネルのために使用されること、及び(2)各トラヒック・チャネルは各時間間隔において0、1、または多数の部分帯域を割当てられることによって規定される。トラヒック・チャネルはトラヒック/パケット・データを送るために使用される「データ」チャネル、及びオーバーヘッド/制御データを送るために使用される「制御」チャネルを含む。トラヒック・チャネルは物理チャネル、輸送チャネル(transport channels)、または他のいくつかの用語で呼ばれる。
【0017】
各セクタに関するトラヒック・チャネルは二つのトラヒック・チャネルがあらゆる所与の時間間隔において同じ部分帯域を使用しないように時間及び周波数において相互に直交するように規定される。この直交性は同じセクタにおいて多数のトラヒック・チャネル上で同時に送られる多数の伝送の間でセクタ内干渉を回避する。例えば、直交性のいくつかの損失は、例えば、搬送波間干渉(ICI)及びシンボル間干渉(ISI)といった様々な影響に起因する。この直交性の損失はセクタ内干渉の原因となる。各セクタに関するトラヒック・チャネルはまた隣接セクタに関するトラヒック・チャネルに関して擬似乱数になるように規定される。これは一つのセクタにおけるトラヒック・チャネルによって隣接セクタにおけるトラヒック・チャネルに引き起こされるセクタ間または「他セクタ」干渉を無作為化する。無作為化セクタ内干渉及びセクタ間干渉は様々な方法で達成される。例えば、周波数ホッッピングは悪経路効果に対する周波数ダイバシティと同様に無作為化セクタ内干渉及びセクタ間干渉を提供することができる。
【0018】
図2はOFDMAシステムに関する時間-周波数平面200上の周波数ホッピング(FH)を例示する。周波数ホッピングによって、各トラヒック・チャネルは各時間間隔においてそのトラヒック・チャネルのために使用する特定の部分帯域を指示する特定のFH系列と関連する。各セクタにおけるいろいろなトラヒック・チャネルに関するFH系列は二つのトラヒック・チャネルがあらゆる時間間隔において同じ部分帯域を使用しないように相互に直交する。各セクタに関するFH系列はまた近隣セクタに関しても擬似乱数である。二つのセクタにおける二つのトラヒック・チャネルの間の干渉はこれらの二つのトラヒ
ック・チャネルが同じ時間間隔に同じ部分帯域を使うとき常に発生する。しかしながら、セクタ間干渉は異なるセクタのために使用されるFH系列の擬似乱数特性のために無作為化される。
【0019】
データ・チャネルは各データ・チャネルがただ一つの端末によってその時々に使用されるように稼働端末に割当てられる。システム資源を保存するために、制御チャネルは、例えば、符号分割多重化を使用する多数の端末の間で共有される。データ・チャネルが(符号ではなく)周波数及び時間においてのみ直交多重化されていれば、それらは制御チャネルよりもチャネル条件及び受信機の欠陥による直交性における損失にあまり影響を受けない。
【0020】
データ・チャネルはこのように電力制御に関係があるいくつかの鍵となる特性を有する。第一に、データ・チャネル上のセル間干渉は周波数及び時間における直交多重化のために最小である。第二に、隣接セクタは異なるFH系列を使用するので、セル間干渉は無作為化される。ある端末によって引き起こされたセル間干渉の量は、(1)その端末によって使用される伝送電力レベル、及び(2)隣接基地局に関係する端末の場所によって決定される。
【0021】
データ・チャネルに関して、セル内及びセル間干渉を許容レベル以内に保ちながら各端末ができる限り高い電力レベルで伝送することを許されるように、電力制御は行われる。そのサービス基地局の近くに位置する端末は隣接基地局にもたらす干渉が比較的少ないのでより高い電力レベルで伝送することを許される。逆に、そのサービス基地局から、及びセクタ縁部の方にさらに離れて位置する端末は隣接基地局に多くの干渉をもたらすのでより低い電力レベルで伝送することを許されることになる。このように伝送電力を制御することは「条件付き(qualified)」端末がより高いSNR、従ってより高いデータ速度の達成を可能にしながら各基地局によって観測される全体の干渉を潜在的に減少することができる。
【0022】
データ・チャネルに関する電力制御は上記の目標に達するように様々な方法で行われる。明確にするために、特定の電力制御の実施例は下記で述べられる。この実施例に関して、ある端末に関するデータ・チャネルの伝送電力は次のように表される:
dch(n)=Pref(n)+ΔP(n) 式(1)
但し、Pdch(n)は更新間隔nに関するデータ・チャネルのための伝送電力である;
Pref(n)は更新間隔nに関する参照電力レベルである;
そして、ΔP(n)は更新間隔nに関する伝送電力差分である。
【0023】
電力レベルPdch(n)及びPref(n)、 及び伝送電力差分ΔP(n)はデシベル(dB)単位で与えられる。
【0024】
参照電力レベルは(例えば、制御チャネル上で)指定された伝送に関する目標信号品質を達成するために必要な伝送電力の量である。信号品質(SNRとして表示される)は信号対雑音比、信号対雑音及び干渉比、等々によって定量化される。下記で述べるように、参照電力レベル及び目標SNRは指定された伝送に関する所望の性能レベルを達成するために電力制御機構によって調整される。参照電力レベルが目標SNRを達成することができれば、データ・チャネルに関する受信SNRは次のように推定される:
SNRdch(n)=SNRtarget+ΔP(n) 式(2)
式(2)はデータ・チャネル及び制御チャネルが類似の干渉統計を持っていると仮定する。これは、例えば、異なるセクタからの制御及びデータ・チャネルが相互に干渉するかどうかという場合である。参照電力レベルは下記で述べるように決定される。
【0025】
データ・チャネルに関する伝送電力は、(1)端末が隣接セクタにおける他の端末に引き起こしつつあるセクタ間干渉の量、(2)端末が同じセクタにおける他の端末に引き起こしつつあるセクタ内干渉の量、(3)端末に許される最大電力レベル、及び(4)恐らくは他の要素といった様々な要素に基づいて設定される。
【0026】
各端末が引き起こすセクタ間干渉の量は様々な方法で判定される。例えば、各端末によって引き起こされるセクタ間干渉の量は各隣接基地局によって直接推定され、そして端末に送られ、そしてそれはその伝送電力を調整する。この個別化干渉報告は広域オーバーヘッドシグナリングを必要とする。簡単にするため、各端末が引き起こすセクタ間干渉の量は、(1)各隣接基地局によって観測される全体の干渉、(2)サービス及び隣接基地局に関するチャネル利得、及び(3)端末によって使用される伝送電力レベルに基づいて大まかに推定される。量(1)及び(2)は下記に記述される。
【0027】
各基地局はその基地局によって観測される干渉の全体または平均量を推定することができる。これは各部分帯域上で干渉電力を推定し、且つ個々の部分帯域に関する干渉電力推定に基づいて平均干渉電力を計算することによって達成される。平均干渉電力は、例えば、算術平均化、幾何学平均化、SNR基準平均化、等々といった様々な平均値化技法を用いて得られる。
【0028】
算術平均化について、平均干渉電力は次のように表される:
【数1】

【0029】
但し、Im(k,n)は時間間隔nにおける部分帯域k上のセクタmに関する干渉電力推定である;そしてImeas,m(n) は時間間隔nにおけるセクタmに関する平均干渉電力である。
【0030】
量Im(k,n)及びImeas,m(n)は式(3)において線形単位にあるが、同じくデシベル(dB)で与えられる。算数平均によって、二、三の大きな干渉電力推定は平均干渉電力を非対称にすることができる。
【0031】
幾何学平均化に関して、平均干渉電力は次のように表される:
【数2】

【0032】
幾何学平均化は二、三の部分帯域に関する大きな干渉電力推定を抑制することができ、その結果、平均干渉電力は算数平均化するより低い。
【0033】
SNR基準平均化に関して、平均干渉電力は次ぎのように表される:
【数3】

【0034】
但し、Pnomは各部分帯域に関して仮定された公称受信電力を表す。式(5)は公称受信電力に基づいて各部分帯域の理論上の容量を決定し、全てのN部分帯域に対する平均容量を計算し、そして平均容量を与える平均干渉電力を決定する。SNR基準平均化(それはまた容量基準平均化と呼ばれる)は二、三の部分帯域に関して大きな干渉電力推定を抑制する。
【0035】
どの平均値化技法が使用されるかに関係なく、各基地局は干渉測定の品質を改善するために、干渉電力推定及び/または多数の時間間隔に対する平均干渉電力をフィルタする。フィルタリングは有限インパルス応答(FIR)フィルタ、無限インパルス応答(IIR)フィルタ、または当技術分野で周知の他の型式のフィルタによって達成される。用語「干渉」は従ってここの記述においてフィルタされた、またはフィルタされない干渉を云う。
【0036】
各基地局は他のセクタにおける端末による使用のためにその干渉測定を同報通信する。干渉測定は様々な方法で同報通信される。一つの実施例では、平均干渉電力(或いは、「測定された」干渉)は所定のビット数に量子化され、その後それは同報通信チャネル経由で送られる。別の実施例では、測定された干渉は測定された干渉が公称干渉限界より大きいか以下かを示す単一ビットを用いて同報通信される。さらに別の実施例では、測定された干渉は2ビットを用いて同報通信される。1ビットは公称干渉限界に対して測定された干渉を示す。他の1ビットは測定された干渉が高干渉限界を越えるかどうかを示すディストレス/パニック・ビットとして使用される。干渉測定はまた他の方法でも送られる。
【0037】
簡単にするために、次の記述は干渉情報を提供する単一の他セクタ干渉(OSI)ビットの使用を仮定する。各基地局はそのOSIビット(OSIB)を次のように設定する:
OSIB(n) =‘1’,Imeas,m(n)≧Itarget ならば
=‘0’,Imeas,m(n)≦Itarget ならば、 式(6)
但し、Itarget は公称干渉限界である。
【0038】
代わって、各基地局は測定された熱雑音干渉(interference-over-thermal:IOT)を得る。それは基地局によって観測される全体の干渉電力の熱雑音電力に対する比である。全体の干渉電力は上で記述されたように計算される。熱雑音電力は送信機の電源を切って、受信機における雑音を測定することにより推定される。特定の動作点がシステムについて選択され、IOTtarget として表される。より高い動作点は端末がデータ・チャネルに関してより高い伝送電力(平均して)を使用することを可能にする。しかしながら、非常に高い動作点はシステムが干渉を制限され、それによる伝送電力の増加が受信SNRの増加にならない状況になるので望ましくない。さらに、非常に高い動作点はシステム不安定性の公算を増大させる。いずれにせよ、各基地局は次のようにOSI設定する:
OSIB(n) =‘1’,IOTmeas,m(n)≧IOTtarget ならば
=‘0’,IOTmeas,m(n)<IOTtarget ならば、 式(7)
但し、IOTmeas,m(n)は時間間隔nにおいてセクタmについて測定されたIOTである、そして、IOTtarget はセクタに関する所望の動作点である。
【0039】
両方の場合に関して、OSIビットは下記で述べるように電力制御のために使用される。
【0040】
各端末は端末から逆方向回線伝送を受取る各基地局に関するチャネル利得(或いは、伝搬路利得)を推定することができる。各基地局に関するチャネル利得は順方向回線を経由して基地局から受取られたパイロットを処理し、受取られたパイロット強度/電力を推定し、そして速いフェージングの影響等を取除くために時間にわたって(例えば、数百ミリ秒の時定数をもつフィルタによって)フィルタリングすることによって推定される。全ての基地局が同じ電力レベルでそれらのパイロットを伝送するならば、各基地局に関する受信パイロット強度はその基地局と端末との間のチャネル利得を表す。端末は次のようにチャネル利得比ベクトルを形成する:
=[r(n) r(n) ・・・ r(n)] 式(8)
但し、r(n)=gs(n)/gni(n) 式(9)
s(n) は端末とサービス基地局との間のチャネル利得である;
ni(n) は端末と隣接基地局iとの間のチャネル利得である;そして
(n) は隣接基地局iに関するチャネル利得比である。
【0041】
距離はチャネル利得と逆の関係になるので、チャネル利得比gs(n)/gni(n)はサービス基地局への距離に対する隣接基地局iへの距離を表す「相対距離(relative distance)」と見なされる。一般に、隣接基地局に関するチャネル利得比r(n)は端末がセクタ縁部に移動するにつれて減少し、端末がサービス基地局に近く移動するにつれて増加する。チャネル利得比ベクトルは下記で述べるように電力制御のために使用される。
【0042】
各セクタに関するデータ・チャネルはそれらが相互に直交するように多重化されるけれども、直交性における損失は搬送波間干渉(ICI)、シンボル間干渉(ISI)、等々に起因する。この直交性の損失はセクタ内干渉の原因となる。セクタ内干渉を緩和するために、各端末の伝送電力はこの端末が同じセクタにおける他の端末にもたらすセクタ内干渉の量が許容レベル以内に維持されるように制御される。例えば、これは各端末に関するデータ・チャネルの受信SNRが次のように所定のSNRの範囲内にあることを要求することによって達成される:
SNRdch(n)∈[SNRmin,SNRmax] 式(10)
但し、SNRmin はデータ・チャネルに許容される最小受信SNRである;
そして、SNRmax はデータ・チャネルに許容される最大受信SNRである。
【0043】
最小の受信SNRは全ての端末、特にセクタ縁部の近くに位置する端末が最小の性能レベルを実現することを保証する。そのような制限なしでは、セクタ縁部の近くに位置する端末はかなりの量のセクタ間干渉にしばしば寄与するので、非常に低電力レベルで伝送せざるを得なくなる。
【0044】
全ての端末に関するデータ・チャネルの受信SNRが範囲 [SNRmin,SNRmax ] 内に制限されれば、直交性の損失のために各端末によってもたらされるセクタ内干渉の量は許容レベル内にあると推測される。受信SNRをこのSNR範囲内にあるように制限することによって、隣接部分帯域間の受信電力スペクトル密度には約(SNRmax-SNRmin)dBの差分がある(同様の量のセクタ間干渉が部分帯域上で観察されると仮定する、そしてそれは異なるセクタからの制御及びデータ・チャネルが相互に衝突するように、例えば、制御及びデータ・チャネルが不規則に飛び越しをすれば真実である)。小さなSNR範囲はICI及びISIの存在でシステムの信頼性(robustness)を改善する。10dBのSNR範囲は大抵の動作シナリオにおいて良い性能を提供することが見られた。他のSNR範囲もまた使用される。
【0045】
データ・チャネルに関する伝送電力が式(1)に示されたように決定されれば、データ・チャネルの受信SNRは次のように対応する範囲内にあるように伝送電力差分ΔP(n)を抑制することによって[SNRmin,SNRmax ]の範囲内に維持される:
ΔP(n)∈[ΔPmin,ΔPmax ] 式(11)
但し、ΔPmin はデータ・チャネルに許容される最小伝送電力差分にである;
そして、ΔPmax はデータ・チャネルに許容される最大伝送電力差分である。
【0046】
特に、ΔPmin=SNRmin−SNRtarget 及びΔPmax = SNRmax−SNRtarget 。別の実施例では、伝送電力Pdch(n) は、例えば、データ・チャネルの受信信号電力に基づいて決定される範囲内にあるように抑制される。例えば、干渉電力が統計的に部分帯域の間で異なれば、この実施例が使用される。
【0047】
そして各端末に関するデータ・チャネルの伝送電力は次のパラメータ:
各基地局によって同報通信されたOSIビット;
端末によって計算されたチャネル利得比ベクトル
データ・チャネルに許容される受信SNRの範囲 [SNRmin, SNRmax ] または同等に許容伝送電力差分 [ΔPmin, ΔPmax ] の範囲;及び
端末内のシステムまたは電力増幅器によって設定され、端末に許容される最大電力レベルPmax
に基づいて調整される。
【0048】
パラメータ1)及び2)は端末によって引き起こされるセクタ間干渉に関係する。パラメータ3)は端末によって引き起こされるセクタ内干渉に関係する。
【0049】
一般に、高い干渉を通報する隣接セクタの近くに位置する端末はその受信SNRがSNRminに近くなるように低電力差分によって伝送する。逆に、その受信SNRがSNRmax により近くなるように、そのサービス基地局の近くに位置する端末はより高い伝送電力差分によって伝送する。受信SNRの等級(gradation)はサービス基地局へのそれらの近接度に基づいてシステム中の端末に関して観測される。各基地局のスケジューラは端末の公平性を保証しながら高い処理能力を達成するために、受信SNRの分布を利用することができる。
【0050】
データ・チャネルのための伝送電力は上で言及した四つのパラメータに基づく様々な方法で調整される。電力制御機構は、特にOFDMAシステムのような直交システムにおいて、全ての端末に等しいSNRを維持する必要はなく、そこでは基地局により近い端末は他の端末に問題を引き起こすことなくより高い電力レベルで伝送する。明確にするため、伝送電力を調整するための特定の実施例は下記で述べられる。この実施例に関して、各端末は隣接基地局によって同報通信されたOSIビットを監視し、且つ最小チャネル利得比を持つ最強隣接基地局のOSIビットに対応する。或る基地局のOSIビットは(公称セクタ内干渉より高く観測する基地局に関して)‘1’ に設定される。逆に、OSIビットが‘0’に設定されれば、それらの最強隣接基地局としてこの基地局を持つ端末は上方に調整される。他の実施例に関して、各端末は一つまたは多数の基地局(例えば、サービス基地局及び/または隣接基地局)について得られた一つまたは多数のOSIビットに基づいてその伝送電力を調整する。
【0051】
OSIビットはこのように伝送電力を調整する方向を決定する。各端末に関する伝送電力調整の量は、(1)端末の現在の伝送電力レベル(或いは、現在の伝送電力差分)、及び(2)最強隣接基地局のチャネル利得比に依存する。表1は最強隣接基地局の伝送電力差分及びチャネル利得比に基づいて伝送電力を調整する一般規則の表である。
【表1】

【0052】
伝送電力は決定論的方法、確率的方法、または他の方法において調整される。決定論的調整に関して、伝送電力は適切なパラメータに基づいて所定の方法で調整される。確率的調整に関して、伝送電力は適切なパラメータによって決定される確率によって調整される或る確率を持つ。典型的な決定論的及び確率的調整手法は下記で述べられる。
【0053】
図3は確率的方法において伝送電力調整する処理300のフローチャートに示す。処理300は各端末によって、且つOSIビットが伝送される各時間間隔に関して行われる。最初に、端末は最強隣接基地局のOSIビットを処理する(ブロック312)。そして端末はOSIビットが‘1’であるか、‘0’であるかを判定する(ブロック314)。
【0054】
OSIビットが公称干渉レベルより高いことを示す‘1’であれば、端末は伝送電力を低減させる確率Prdn(n)を決定する(ブロック322)。下記で述べるように、Prdn(n)は現在の伝送電力差分ΔP(n)、及び最強隣接基地局のチャネル利得比rosib(n)に基づいて計算される。そして端末は0.0と1.0の間の値xを無作為に選択する(ブロック324)。特に、xは0.0と1.0の間に一様に分布された任意変数である。ブロック326で決定されるけれども、無作為に選択された値xが確率Prdn(n) より小さいか等しければ、端末は伝送電力差分をΔPdn だけ低下ステップによって低減する(ブロック328):
ΔP(n+1)=ΔP(n)−ΔPdn 式(12)
別に、xがPrdn(n)より大きければ、端末は伝送電力差分を現在のレベルで維持する(ブロック330)。ブロック328及び330から、処理はブロック342へ進む。
【0055】
OSIビットが公称干渉レベルより低いことを示す‘0’であれば、端末は下記でまた述べるようにΔP(n) 及びrosib(n)に基づいて伝送電力を増加させる確率Prup(n)を決定する(ブロック332)。そして端末は0.0と1.0の間の値xを無作為に選択する(ブロック334)。ブロック336で判定されるけれども、無作為に選択された値xが確率Prup(n) より小さいか等しいならば、端末は伝送電力差分をΔPup だけ上昇ステップによって増加する(ブロック338):
ΔP(n+1)=ΔP(n)+ΔPup 式(13)
ΔPup及びΔPdnのステップ・サイズは両方とも同じ適当な値(例えば、0.25dB、0.5dB、1.0dB、等々)に設定される。ブロック336においてxがPrup(n)より大きければ、端末は伝送電力差分を同じレベルで維持する(330)。ブロック330及び338から、処理はブロック342へ進む。
【0056】
ブロック342において、端末は伝送電力差分ΔP(n+1)を許容範囲 [ΔPmin,ΔPmax ] 内に制限する。そして端末は、式(1)に示されたように、次の時間間隔のための伝送電力差分ΔP(n+1)及び参照電力レベルPref(n+1)に基づいて次の時間間隔の伝送電力Pdch を計算する(ブロック344)。そして端末は最大電力レベル内になるように、伝送電力Pdch (n+1) を次のように制限する(ブロック346):
dch (n+1)=Pdch (n+1)、Pdch≦Pmax ならば、
=Pmax 、それ以外では 式(14)
端末は次の時間間隔に関して伝送電力Pdch(n+1) を使用する。
【0057】
確率Prdn 及びPrup は伝送電力差分ΔP(n)、及び最強隣接基地局のチャネル利得比rosib(n)の関数である。様々な関数がPrdn 及びPrup に関して使用される。各関数は、(1)伝送電力調整の収束速度、及び(2)システム中の端末に関する伝送電力差分の配分といった様々な電力制御特性に対して異なる影響を与える。
【0058】
実施例では、確率Prdn 及びPrup は次のように定義される:
Prup(n)=max(Prup,min,[1-PrΔp(n)]・[1-Prgain(n)]) 式(15a

及び
Prdn(n)=max(Prdn,min,PrΔp(n)・Prgain(n)) 式(15b)
但し、
【数4】

【0059】
PrΔp(n)は伝送電力レベルに関係する確率である;
Prgain(n)は最強隣接基地局のチャネル利得比に関係する確率である;
【数5】

【0060】
Prup,minは伝送電力の上方修正に関する最小確率である;そして
Prdn,minは伝送電力の下方修正に関する最小確率である。
【0061】
式(15)によって示した実施例に関して、Prdn(n)及びPrup(n)は伝送電力レベル及び最強隣接基地局に関するチャネル利得比によって決定された複合確率である。最小確率Prup,min及びPrdn,minは定常状態の特性を改良し、且つ極端における点(例えば、非常に高いか、非常に低いチャネル利得値)に関していくらかの動きを促進する。式(15)に示したように、得られた確率Prdn(n)及びPrup(n)は表1において与えられた一般的な伝送電力調整規則に従う。確率Prdn(n)及びPrup(n)はまたいくつかの他の関数によって導かれ、これは本発明の範囲内にある。
【0062】
図4は決定論的方法において、伝送電力を調整する処理400のフローチャートを示す。処理400は各端末によって、且つOSIビットが伝送される各時間間隔に関して行われる。端末は最強隣接基地局のOSIビットを処理し(ブロック412)、そしてOSIビットが‘1’ であるか、‘0’であるかを判定する(ブロック414)。OSIビットが‘1’であれば、端末は次の時間間隔に関して伝送電力の減少量ΔPdn(n+1)を決定する(ブロック422)。可変下降ステップ・サイズは現在の伝送電力差分ΔPdn(n)、及び最強の基地局に関するチャネル利得比rosib(n)に基づいて決定される。そして端末はΔPdn(n)だけ伝送電力差分を減少させる(ブロック424)。他の場合、OSIビットが‘0’であれば、端末は、例えば、ΔP(n)及びrosib(n)に基づいて次の時間間隔に関する伝送電力の増加量ΔPup (n)を決定する(ブロック432)。そして端末は伝送電力差分をΔPup(n+1)だけ増加させる(ブロック434)。ブロック424及び434の後、端末は次の時間間隔に関する伝送電力差分ΔP(n+1)を[ΔPmin,ΔPmax ] の許容範囲内にあるように制限し(ブロック442)、そして次の時間間隔に関する伝送電力を最大電力レベル内にあるように計算し、且つ制限する(ブロック444及び446)。
【0063】
可変ステップ・サイズΔPdn(n+1)及びΔPup(n+1)は、例えば、式(15)によって表された関数と類似するΔP(n)及びrosib(n)の所定の関数に基づいて決定される。可変ステップ・サイズはΔP(n)に比例し、且つrosib(n)に逆比例するように規定される。調整確率及び可変ステップ・サイズはまたいろいろなΔP(n)及びrosib(n)値に関する、或いはいくつかの他の手段によるいろいろな確率及びステップ・サイズ値の参照表(look-up table)に基づいて決定される。
【0064】
図3及び4は確率論的及び決定論的方法において伝送電力を調整するための典型的な実施例を示す。図3に示された確率論的実施例に関して、調整確率はパラメータΔP(n)及びrosib(n)に基づいて決定され、一定サイズの上昇および下降ステップが伝送電力調整のために使用される。図4に示された決定論的実施例に関して、調整確率は1.0に固定され、上昇および下降ステップ・サイズはパラメータΔP(n)及びrosib(n)に基づいて決定される。様々な改良がまたこれらの実施例に行われる。例えば、可変上昇および下降ステップ・サイズはまた確率論的実施例についても使われる。別の例として、一定サイズ
上昇および下降ステップが決定論的実施例について使用される。
【0065】
上で述べたように、データ・チャネルに関する電力差分ΔP(n)はOSIビット、チャネル利得、前の電力差分ΔP(n-1)、許容電力差分の範囲、及び端末に関する最大電力レベルに基づいて調整される。一般に、電力差分ΔP(n)はパラメータのどれか一つ、またはあらゆる組合せに基づいて調整される。ΔP(n)を調整するために使用される他のパラメータは現在の伝送電力Pdch(n)、ピーク対平均バックオフ要素(peak-to-average backoff factor)ΔPbo 、潜在的に端末から高い干渉を観測する「指定された(designated)」基地局の集合、等々を含む。ピーク対平均バックオフ要素は伝送のために端末によって使用される部分帯域の数によって決定され、より多くの部分帯域が伝送のために使用されれば、より高い値がΔPboのために使用される。データ・チャネルに関する伝送電力はPmax からこのバックオフ要素を引いたものより少なく、またはPdch(n)≦(Pmax-ΔPbo) になるように抑制される。
【0066】
端末に関する伝送電力はまた多数の基地局(例えば、サービス及び/または隣接基地局)によって送られたOSIビットに基づいて調整される。伝送電力はサービス基地局及び隣接基地局に関して同じ方法、或いは異なる方法で調整される。端末はサービス基地局と通信する他の端末に直交しているが、完全な直交性が達成されていなければ、いずれにせよこれらの他の端末にいくらかの干渉をもたらす。サービス基地局に関するOSIビットが‘1’に設定されれば、端末に関する伝送電力はより低く調整される。サービス基地局からのOSIビットによる伝送電力調整の量は良好な性能を得るためにコンピュータ・シミュレーション、実験測定、等々に基づいて決定される。
【0067】
端末に関する伝送電力はまた他のパラメータ、基準、及び情報に基づいて調整される。例えば、端末は指定された基地局の集合からのOSIビットだけを考慮する。端末はまたその基地局に関するチャネル利得及び/または他のパラメータに基づいて電力調整について考慮したり、しなかったりする。端末はまた伝送電力調整のために考慮される基地局のために利用可能な全ての情報に基づいていろいろな量だけ及び/またはいろいろな方法で伝送電力を調整する。
【0068】
図5はシステム100における端末120xに関する伝送電力を調整するために使用される電力制御機構500を示す。端末120xはサービス基地局110xと通信し、(量は異なるが)隣接基地局110a〜110mに干渉をもたらす。電力制御機構500は参照ループ510及び第二ループ520を含む。参照ループ510は端末120xとサービス基地局110xの間で動作する。第二ループ520は端末120xと隣接基地局110a〜110m及び恐らくはサービス基地局110xの間で動作する。簡単にするため、図5は端末120xに駐在するループ510及び520の一部のみを示す。
【0069】
参照ループ510は制御チャネル(或いは、他のトラヒック・チャネル)に関する伝送電力を調整し、そしてこの制御チャネルに関する受信SNRをサービス基地局110xで測定されるとして、目標SNRにできるだけ近く維持しようと試みる。下記で述べるように、参照ループ510に関して、サービス基地局110xは制御チャネルに関する受信SNRを推定し、受信SNRを目標SNRに対して比較し、そして比較結果に基づいて伝送電力制御(TPC)命令を生成する。各TPC命令は、(1)制御チャネルに関する伝送電力の増加を指示するUP命令、または(2)伝送電力の減少を指示するDOWNのいず
れかである。サービス基地局110xは順方向回線(雲形570)上で端末120xへTPC命令を伝送する。
【0070】
端末120xはサービス基地局110xから順方向回線伝送を受信し、且つ処理し、そして「受信」TPC命令をTPC命令プロセッサ542に提供する。各受信TPC命令はサービス基地局110xによって伝送されたTPC命令の雑音版である。プロセッサ542は各受信TPC命令を検知し、そして(1)受信TPC命令がUP命令であると見なされればUP決定、或いは(2)受信TPC命令がDOWN命令であると見なされればDOWN決定である、「TPC決定 」を獲得する。制御チャネル伝送(TX)電力調整ユニット544はTPC命令プロセッサ542からのTPC決定に基づいて制御チャネルに関する伝送電力Pcch(n) を調整する。例えば、ユニット544は各UP決定に関してΔPcch,up 上昇ステップだけPcch(n) を増加させ、各DOWN決定に関してΔPcch,dn下降ステップだけPcch(n) を減少させる。TXデータ・プロセッサ/変調器560は制御チャネルに関する伝送電力をユニット544によって示されたPcch(n)レベルに設定する。制御チャネル上の伝送はサービス基地局110xに送られる。
【0071】
一般的に長時間にわたって、及び特に移動端末に関して変化する逆方向回線(雲形540)上の経路損失、フェージング、及びマルチパスの影響によって制御チャネルに関する受信SNRは絶えず変動する。参照ループ510は逆方向回線チャネル条件の変化に直面して目標SNRに、或いは近くに受信SNRを維持しようと試みる。
【0072】
第二ループ520は、できる限り高い電力レベルがデータ・チャネルのために使用されるように、セクタ間及びセクタ内干渉を許容レベル以内に保持しながらデータ・チャネル(或いは、他のトラヒック・チャネル)に関する伝送電力を調整する。第二ループ520に関して、OSIビット・プロセッサ552は隣接基地局110a〜110m及び多分サービス基地局110xによって同報通信されるOSIビットを受信し、且つ処理する。OSIビット・プロセッサ552は基地局からの検知OSIビットを伝送電力差分調整ユニット556へ提供する。チャネル推定器554はサービス及び隣接基地局からパイロットを受信し、各基地局に関するチャネル利得を推定し、そして全ての基地局に関する推定チャネル利得をユニット556へ提供する。ユニット556は隣接基地局に関するチャネル利得比を決定し、最強隣接基地局を識別する。上に述べたように、ユニット556はさらに検知OSIビット及び最強隣接基地局に関するチャネル利得比に基づいてデータ・チャネルに関する伝送電力差分ΔP(n)を調整する。ユニット556は処理300または400を実施し、ΔP(n)を確率論的或いは決定論的方法で調整する。一般に、ユニット556は検知OSIビット及び/またはサービス及び/または隣接基地局を含むあらゆる数の基地局に関する他の関係情報に基づいて伝送電力差分ΔP(n)を調整する。
【0073】
データ・チャネル伝送電力計算ユニット558は参照電力レベルPref(n)及び伝送電力差分ΔP(n)として使用される制御チャネル伝送電力Pcch(n)を受信する。ユニット558はPcch(n)及びΔP(n)に基づいてデータ・チャネルに関する伝送電力Pdch(n)を計算する。ユニット556はデータ・チャネルに関する伝送電力をユニット558によって示されたPdch(n)レベルに設定する。データ・チャネル上の伝送はサービス基地局110xへ送られる。データ及び制御チャネル上の伝送は隣接基地局110a〜110mに干渉をもたらす。
【0074】
各基地局110は逆方向回線上で端末からの伝送を受信し、その基地局によって観測された干渉を推定し、測定された干渉を公称干渉限界に対して比較し、それに従って比較結果に基づくOSIビットを設定し、そして順方向回線上でOSIビットを同報通信する。
【0075】
参照ループ510及び第二ループ520は同時に動作するが、ループ520より速いループであるループ510によっていろいろな速度で更新される。二つのループの更新速度は所望の電力制御性能を達成するように選択される。例として、参照ループ510は、例えば、毎秒150回の速度で更新され、第二ループ520は、例えば、毎秒10〜20回の速度で更新される。参照ループ510及び第二ループ520はそれぞれ制御チャネル及びデータ・チャネル上で送られる伝送を操作する。図2に示したように、制御及びデータ・チャネルは各ホッピング期間(hop period)にいろいろな部分帯域を割当てられる。この場合には、参照ループ510及び第二ループ520はいろいろな部分帯域上で送られた伝送を同時に操作する。制御チャネルはまたデータ・チャネルと(例えば、TDM及び/またはCDMを使用して)多重化され、同じ部分帯域上で送られる。
【0076】
図6は制御チャネルのために使用される電力制御機構600を示す。電力制御機構600(図5の参照ループ510に使用される)は内部ループ610、外部ループ620、及び第三ループ630を含む。内部ループ610は制御チャネルに関する受信SNRを目標SNRにできる限り近く維持しようと試みる。内部ループ610に関して、サービス基地局110xにおけるSNR推定器642は制御チャネルに関する受信SNRを推定し、そして受信SNRをTPC命令ジェネレータ644に提供する。ジェネレータ644は受信SNRを目標SNRに対して比較し、そして比較結果に基づいてTPC命令を生成する。サービス基地局110xは順方向回線(雲形570)上でTPC命令を端末120xに伝送する。図5に述べたように、端末120xはサービス基地局110xからTPC命令を受取り、処理し、そして制御チャネルに関する伝送電力を調整する。
【0077】
データは制御チャネル上でブロックに送られ、そして各データ・ブロックは対応する符号語(codeword)(または、符号化データ・ブロック)を得るためにブロック符号によって符号化される。誤り検知符号は制御チャネルに利用されない。この場合には、サービス基地局は符号語が抹消されるか、抹消されないかを判定するために各受信符号語の抹消検知を行う。抹消符号語は信頼できないと見なされ、従って処理される(例えば、廃棄される)。抹消検知は各受信符号語の計量基準(metric)を計算し、計算された計量基準を抹消限界に対して比較し、そして比較結果に基づいて抹消するか、抹消しないかを受信符号語に宣言することによって行われる。
【0078】
外部ループ620は目標抹消率、抹消が制御チャネルに関して達成されるように目標SNRを調整する。目標抹消率は受信符号語を抹消として宣言する所望の確率(例えば、10%)を示す。計量基準計算ユニット652は各受信符号語に関する計量基準を計算する。抹消検知器654は計算計量基準及び抹消限界に基づいて各受信符号語の抹消検知を行い、そして目標SNR調整ユニット656へ受信符号語(抹消または非抹消)の状態(status)を提供する。そしてユニット656は制御チャネルの目標SNRを次のように調整する:
SNRtarget(k+1)=SNRtarget(k)+ΔSNRup、抹消符号語の場合
=SNRtarget(k)-ΔSNRdn、非抹消符号語の場合 式(16

但し、SNRtarget(k)は外部ループ更新間隔kに関する目標SNRである;
ΔSNRup は目標SNRに関する上昇ステップ・サイズである;そして
ΔSNRdn は目標SNRに関する下降ステップ・サイズである。
【0079】
ΔSNRup 及びΔSNRdn ステップ・サイズは次式に基づいて設定される:
ΔSNRup=ΔSNRdn・(1-Preraure)/Preraure 式(17)
第三ループ630は目標の条件付誤り率Prerror が制御チャネルに関して達成されるように抹消限界を調整する。目標の条件付誤り率は非抹消であると見なされたとき誤って復号される受信符号語の所望の確率を示す。小さなPrerror(例えば、1%)は非抹消符号語の復号結果における高信頼性に該当する。サービス基地局110xと通信している端末120x及び/または他の端末は既知の符号語を制御チャネル上で定期的に、または始動されたとき伝送する。ユニット652及び654は既知の各受信符号語に関する抹消検知を受信符号語と同じ方法で行う。非抹消であると見なされる既知の各受信符号語に関して、復号器662は既知の各受信符号語を復号し、そして復号データ・ブロックが正しいか、誤りかを判定する。復号器662は抹消される既知の各受信符号語の状態、「良い(good)」あるいは「悪い(bad)」を提供する。良い符号語は非抹消と見なされ、正しく復号された既知の受信符号語である。悪い符号語は非抹消と見なされたが、誤って復号された既知の受信符号語である。抹消限界調整ユニット664は既知の各受信符号語の状態に基づいて抹消限界を次のように調整する:
THerasure(l+1)=THerasure(l)+ΔTHup、良い符号語の場合、
=THerasure(l)+ΔTHdn、悪い符号語の場合、
=THerasure(l)、 抹消符号語の場合 式(18)
但し、THerasure(l)は第三ループ更新間隔lに関する抹消限界である;
ΔTHup は抹消限界に関する上昇ステップ・サイズである;そして
ΔTHdn は抹消限界に関する下降ステップ・サイズである。
【0080】
式(18)はより低い抹消限界が受信符号語の抹消宣言の可能性を増加させることを仮定している。
【0081】
ΔTHup 及びΔTHdn ステップ・サイズは次式に基づいて設定される:
ΔTHdn=ΔTHup・(1-Prerror)/Prerror 式(19)
内部ループ610、外部ループ620、及び第三ループ630は一般的に異なる率で更新される。内部ループ610は三つのループで最も速いループであり、制御チャネルに関する伝送電力は特別な率(例えば、毎秒150回)で更新される。外部ループ620は次に速いループであり、目標SNRは符号語が制御チャネル上で受信されるとすぐに更新される。第三ループ630は最も遅いループであり、抹消限界は既知の符号語が制御チャネル上で受信されるとすぐに更新される。三つのループの更新率は制御チャネルに関する抹消検知及び電力制御について所望の性能を達成するように選択される。電力制御機構600はさらに共通に譲渡された、「強力な抹消検知及び抹消率による閉ループ電力制御(Robust Erasure Detection and Erasure-Rate-Based Closed Loop Power Control)」と題し、2004年7月13日出願の米国特許出願番号[代理人整理番号第040404U1号]に記載されている。
【0082】
明確にするため、特定の実施例は電力制御の様々な形態について上で述べられてきた。他の多くの実施例はまたここに提供された記述に基づいて導かれる。いくつかの例は下記に示される。
【0083】
同じ範囲の許容伝送電力差分[ΔPmin,ΔPmax] はシステムにおいて全ての端末について使用される。いろいろな範囲の[ΔPmin,ΔPmax]はいろいろな端末について、例えば、それら場所に応じて使用される。例えば、最強隣接基地局に関してより小さなチャネル利得比を持つ端末はサービス基地局に近く位置する端末より小さな伝送電力差分(例えば、同じΔPminだがより小さなΔPmax)を使用する。
【0084】
上で述べたように、データ・チャネル伝送電力Pdch(n)を得るために使用される参照電力レベルPref(n) は別の電力制御チャネルに関する伝送電力に設定される。参照電力レベルはまた他の方法で得られ、例えば、サービス基地局に関するチャネル利得に基づいて推定される。データ・チャネル伝送電力はまた伝送電力差分を介する代りに直接調整される。サービス基地局はデータ・チャネル伝送電力が許容範囲内にあるかどうかを端末に通知するためにフィードバックを行う。
【0085】
上で述べたように、端末は最強隣接基地局のOSIビットにのみ応答する。端末はまた多数の隣接基地局のOSIビットに基づいてその伝送電力を調整する。例えば、端末はS(>1)最強隣接基地局について、一回に一つの基地局に関して処理300及び400を行う。各隣接基地局に関するチャネル利得比は調整確率(処理300に関して)または可変ステップ・サイズ(処理400に関して)のいずれかで考慮される。
【0086】
上で述べたように、一つのOSIビットは各基地局によって観測された干渉を示すために使用される。多数のビットはまた干渉を通報するために使用される。これは端末がもっと迅速におよび/または有効に伝送電力を調整することを可能にする。これは、次々と、全体のシステム安定性及び性能を改善する。例えば、各基地局は測定された干渉が公称干渉限界から「どのくらい離れているか(how far)」に関する情報を通報する。別の例として、各基地局は干渉レベルが高干渉限界を越えたとき、‘1’に設定される追加ビット(ディストレス/パニック・ビット)を同報通信する。この高干渉限界は公称限界よりも著しく高い(例えば、2〜3の標準偏差だけ高い)。急速に上昇する、または非常に高い干渉レベルはしばしばシステムが不安定になる標示である。パニック・ビット設定を観測すると、各端末はその伝送電力差分を最小値Δmin に簡単に設定し、パニック・ビットが‘0’にリセットされるまでこの伝送電力レベルに留まる。制御チャネルに関する電力制御と共に、この機構はシステム安定性を保証するのに有効である。
【0087】
基地局によって観察された干渉が、例えば、周波数ホッピングによって無作為化されれば、各基地局はその干渉情報を全ての端末に同報通信する。基地局がさらに特定の干渉情報を持っていれば、端末の伝送電力はこの情報を利用する方法で調整される。例えば、各端末は(周波数ホッピングなしで)データ伝送のために一以上の特定の部分帯域を割当てられる。そして基地局はいろいろな部分帯域上でいろいろな量の干渉を観測する。多量の干渉をもたらす端末は特にそれらの割当部分帯域に基づいて識別され、従ってこれらの端末の伝送電力は減少する。
【0088】
各端末に対してサポートされるデータ速度(data rate)はデータ・チャネルに関する受信SNRによって決定される。この受信SNRは、上で述べた実施例に関して、(1)参照電力レベルに関連する目標SNR、及び(2)端末によって使用される伝送電力差分ΔP(n)に依存する。上で述べたように、伝送電力差分はサービス基地局からのあらゆる入力なしで端末によって自力で調整される。端末は伝送電力差分、データ・チャネルに関する受信SNR、データ・チャネルに対応するデータ速度、または同等の情報をサービス基地局へ送る。端末はまた端末が現在の伝送電力差分、所望のサービス品質(QoS)、バッファ・サイズ、等々において対応できる最大の部分帯域数Nsb,max(n)を送る。シグナリングの量を減少させるために、端末はデータ・チャネル上の帯域内シグナリング、等々を介して、二、三の更新間隔毎にΔP(n)及びNsb,max(n)を送る。
【0089】
サービス基地局における/のためのスケジューラは資源を端末に割当て、そして逆方向回線上のデータ伝送のために端末をスケジューリングするために端末によって報告された全ての情報を使用する。スケジューラはNsb,max(n) 部分帯域より少ない、或いはNsb,max(n) 部分帯域より多いNsb,max(n) 部分帯域を端末へ割当てる。スケジューラがNsb,max(n) 部分帯域以上を割当てれば、それに従って端末は伝送電力差分を縮小することができる。例えば、2Nsb,max(n)部分帯域が割当てられれば、ΔP(n)は2倍だけ縮小される。
【0090】
上に述べたように、電力制御は端末がそのサービス基地局及び隣接基地局から得る様々な情報片に基づいて各端末によって行われる。電力制御はまた基地局と通信している全ての端末に関して各基地局によって行われる。例えば、各基地局は、例えば、基地局間のシグナリングまたは端末からの伝送を介して、各隣接基地局に関する干渉報告(例えば、OSIビット)を得る。各基地局はまたサービス及び隣接基地局に関して各端末によって決定されたチャネル利得を得る。そして各基地局は干渉報告及びその端末に適用できるチャネル利得に基づいて伝送電力差分を計算し、そして伝送電力差分を端末に送る。そして各端末はそのサービス基地局から受信された伝送電力差分を使用してその伝送電力を調整する。代りに、各基地局は各端末に関する伝送電力を計算し、そして伝送する。各基地局と通信している全ての端末に関する伝送電力差分の有用性は端末に関するスケジューリングを促進することができる。
【0091】
ここに述べた電力制御技術は様々な型式の無線通信システムに使用される。これらの技術は小さなセクタ間干渉を持つシステム、例えば、OFDMA、TDMA及びFDMAシステムに特に適している。
【0092】
ここに述べた技術は様々な形式のトラヒック・チャネル(例えば、データ及び制御チャネル)の電力制御のために使用される。これらの技術はまた混成自動化再伝送(H-ARQ)手法にもよく適している。H-ARQに関して、各符号化パケットは多数の(Nbl)サブブロックに分割され、そして一度に1サブブロックが符号化パケットに関して伝送される。或る符号化パケットに関する各サブブロックは逆方向回線を介して受信されるので、サービス基地局はそこまでパケットに関して受信された全てのサブブロックに基づいてパケットを復号し、再生を試みる。受信SNRが低いときは復号化のために有用であるが、SNRが高いときは必要とされない冗長情報をサブブロックは含むので、サービス基地局は部分的伝送に基づいてパケットを再生することができる。パケットが正しく復号されれば、サービス基地局は受信通知(ACK)を伝送し、そして端末はACKを受取るとパケットの伝送を終了させる。
【0093】
H-ARQによって、各符号化パケットは正しく復号されるまで可変時間量で伝送される。データ・チャネルに関する受信SNRをパケット誤り率(PER)に基づいて調整する従来の電力制御機構は、目標PERが各符号化パケットに関して伝送される全てのNblサブブロックによって達成されるように、データ・チャネルに関する伝送電力を低レベルに低減するであろう。これはシステム処理量を大幅に低下させる。ここに述べた技術は高伝送電力レベルがH-ARQに対応する可変期間伝送でさえも使用されることを可能にする。
【0094】
図7は端末120x、サービス基地局110x、及び隣接基地局110aの実施例のブロック図を示す。逆方向回線に関して、端末120xにおいて、TXデータ・プロセッサ710は逆方向回線(RL)トラヒック・データを処理(例えば、符号化、インタリーブ、及び変調)し、そしてトラヒック・データに関する変調シンボルを提供する。TXデータ・プロセッサ710は制御器720からの制御データ(例えば、チャネル品質指標)を処理し、そして制御データに関する変調シンボルを提供する。変調器(MOD)712はトラヒック及び制御データに関する変調シンボル、及びパイロット・シンボルを処理し、そして複素値チップ系列を提供する。TXデータ・プロセッサ710及び変調器712による処理はシステムに依存する。システムがOFDMを利用していれば、変調器712はOFDM変調を行う。送信機ユニット(TMTR)714はチップ系列を処理(例えば、アナログ変換、増幅、フィルタ、及び高周波数変換)し、そして逆方向回線信号を生成し、それはデュプレクサ(D)716を経て、アンテナ718から伝送される。
【0095】
サービス基地局110xにおいて、端末120xからの逆方向回線信号はアンテナ752xによって受信され、デュプレクサ754xを経て、そして受信機ユニット(RCVR)756xに提供される。受信機ユニット756xは受信信号を処理(例えば、フィルタ、増幅、及び周波数低変換)し、そしてデータ標本ストリームを得るために処理信号をディジタル化する。復調器(DEMOD)758xはシンボル推定値を得るためにデータ標本を処理する。そして受信(RX)データ・プロセッサ760xは端末120xに関する復号データを得るためにシンボル推定値を処理(例えば、逆インタリーブ、及び復号)す
る。RXデータ・プロセッサ760xはまた抹消検知を行い、そして制御器770xに電力制御のために使用される各受信符号語の状態(status)を提供する。復調器758x及びRXデータ・プロセッサ760xの処理は変調器712及びTXデータ・プロセッサ710によって行われる処理に相補的である。
【0096】
順方向回線伝送のための処理は逆方向回線に関して上で述べたのと同様に行われる。順方向及び逆方向回線上の伝送に関する処理は一般的にシステムによって特定される。
【0097】
逆方向回線電力制御に関して、サービス基地局110xにおいて、SNR推定器774xは端末120xに関する受信SNRを推定し、受信SNRをTPC命令(cmd)ジェネレータ776xに提供する。ジェネレータ776xは目標SNRを受取り、そして端末120xに関するTPC命令を生成する。TPC命令はTXデータ・プロセッサ782x及び変調器784xによって処理され、送信機ユニット786xによって調整され、デュプレクサ754xを経て、そしてアンテナ752を介して端末120xに伝送される。隣接基地局110aにおいて、干渉推定器774aは基地局によって観測された干渉を推定し、そして測定された干渉をOSIビット・ジェネレータ776aへ提供する。ジェネレータ776aはまた公称干渉限界を受取り、そして基地局110aに関するOSIビットを生成する。OSIビットは処理され、システム内の端末に同報通信される。ジェネレータ776aはまたパニック・ビットまたはいくつかの他の形式の干渉報告を生成する。
【0098】
端末120xにおいて、サービス及び隣接基地局からの順方向回線信号はアンテナ718によって受信される。受信信号はデュプレクサ716を経て、受信機ユニット740によって調整され、且つディジタル化され、そして受信TPC命令及び受信OSIビットを得るために復調器742及びRXデータ・プロセッサ744によって処理される。復調器742内のチャネル推定器は各基地局に関するチャネル利得を推定する。TPCプロセッサ724はTPC決定を得るために受信TPC命令を検出し、それは制御チャネルに関する伝送電力を更新するために使用される。上に述べたように、TPCプロセッサ724はまた隣接基地局に関する受信OSIビット、サービス及び隣接基地局に関するチャネル利得、及びデータ及び制御チャネルに関する伝送電力に基づいてデータ・チャネルに関する伝送電力を調整する。TPCプロセッサ724(或いは、制御器720)は図3では処理300を、図4では処理400を実施する。TPCプロセッサ724は制御及びデータ・チャネルに関する伝送電力調整制御を行う。プロセッサ710及び/または変調器712はTPCプロセッサ724から制御信号を受信し、そして制御及びデータ・チャネルに関する伝送電力を調整する。
【0099】
制御器720、770x、及び770aは端末120x及び基地局110x及び110a内の様々な処理ユニットの動作をそれぞれ指示する。これらの制御器はまた逆方向回線に関する電力制御のために様々な機能を実行する。例えば、制御器720及び770xは端末120x及び基地局110xに関して図5及び6に示された処理ユニットを実装する。メモリ・ユニット722、772x、及び772aは制御器720、770x、及び770aに関するデータ及びプログラム・コードを記憶する。スケジューラ780xはサービス基地局110xへ/からのデータ伝送のために端末をスケジューリングする。
【0100】
ここに述べた電力制御技術は様々な方法によって実施される。例えば、これらの技術はハードェア、ソフトウェア、またはその組合せで実施される。ハードェア実施に関して、電力制御を行うために使用される処理装置は一以上の特定用途集積回路(ASIC)、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、ディジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、ここで述べた機能を実行するために設計された他の電子ユニット、またはその組合せの中に実装される ソフトウェア実施に関して、電力制御技術はここに述べた機能を実行するモジュール(例えば、手順、機能、等々)によって実施される。ソフトウェア・コードはメモリ・ユニット(例えば、図7のメモリ・ユニット722)に記憶され、プロセッサ(例えば、制御器720)によって実行される。メモリ・ユニットはプロセッサの中またはプロセッサの外に実装され、その場合には当技術分野において周知の様々な手段によってプロセッサと通信的に接続することができる。
【0101】
開示された実施例の前記の記述は当業者が本発明を行い、または使用することを可能にするため提供される。これらの実施例に対する様々な修正は当業者には明白であり、ここに定義された一般的な原理は本発明の精神または範囲から逸脱することなく他の実施例に適用される。このように、本発明はここに示された実施例に限定されることを意図するものではないが、ここに開示された原理及び新規な特徴と合致する最も広い範囲を与えられるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいて無線端末のための電力制御を行う方法であって、
無線端末によって送られるデータ伝送を受信するように指定されていない隣接基地局、
または無線端末によって送られるデータ伝送を受信するように指定されたサービス基地局
である少なくとも一つの基地局の各々について、その基地局によって観測される干渉の指
標(indication)を得ること、及び
少なくとも一つの基地局について得られた少なくとも一つの指標に基づいてデータ伝送
のための伝送電力を調整することを含む方法。
【請求項2】
データ伝送について得られた測定に基づいて決定された範囲内になるようにデータ伝送
のための伝送電力を制限することをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
サービス基地局におけるデータ伝送に関する受信信号品質(SNR)を推定すること、
及び
データ伝送に関する受信SNR推定に基づいてデータ伝送のための伝送電力を制限する
ことをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
少なくとも一つの基地局の各々に関する指標は基地局によって観測された干渉が第一の
干渉限界の上にあるか下にあるかを示す第一ビットを含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
少なくとも一つの基地局の各々に関する指標は基地局によって観測された干渉が第一の
干渉限界より高い第二の干渉限界を越えているかどうかを示す第二ビットを含む、請求項
4記載の方法。
【請求項6】
複数の指標が複数の隣接基地局について得られ、そしてデータ伝送のための電力は複数
の隣接基地局の中から選択される一つの隣接基地局について得られた指標に基づいて調整
される、請求項1記載の方法。
【請求項7】
一つの隣接基地局は複数の隣接基地局の間で無線端末に対して最も小さな経路損失を持
つ隣接基地局である、請求項6記載の方法。
【請求項8】
指定された基地局の集合における基地局に関する干渉のただ一つの指標はデータ伝送に
関する伝送電力の調整に考慮される、請求項1記載の方法。
【請求項9】
データ伝送のための伝送電力の調整は、
伝送電力の調整において考慮される各基地局について、基地局に関して得られた干渉の
指標、基地局に関するチャネル利得、データ伝送に関する現在の伝送電力レベル、許容伝
送電力差分の範囲、端末の最大伝送電力、ピーク対平均バックオッフ要素、またはその組
合せに基づいてデータ伝送のための伝送電力を調整することを含む、請求項1記載の方法

【請求項10】
データ伝送のための伝送電力の調整は、
伝送電力の調整において考慮される各基地局について、
基地局によって観測された干渉が第一の干渉限界より上であれば伝送電力を減少させる
こと、及び
基地局によって観測された干渉が第一の干渉限界より下であれば伝送電力を増加させる
ことを含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
データ伝送のための伝送電力の調整は、
伝送電力の調整において考慮される各基地局について、
基地局によって観測された干渉が第一の干渉限界より高い第二の干渉限界を越えていれ
ば、伝送電力を所定の低電力レベルに設定することをさらに含む、請求項10記載の方法

【請求項12】
サービス基地局に関するチャネル利得を推定すること、及び
伝送電力の調整において考慮される各隣接基地局について、
隣接基地局に関するチャネル利得を推定すること、及び
隣接基地局について得られた指標及び隣接及びサービス基地局に関する推定チャネル利
得に基づいてデータ伝送のための伝送電力を調整することをさらに含む、請求項1記載の
方法。
【請求項13】
隣接及びサービス基地局に関するチャネル利得は隣接及びサービス基地局から受信され
たパイロットに基づいてそれぞれ推定される、請求項12記載の方法。
【請求項14】
伝送電力の調整において考慮される各隣接基地局について、
隣接及びサービス基地局に関するチャネル利得に基づいて上方もしくは下方へ伝送電力
を調整する確率を決定すること、及び
隣接基地局について得られた指標及び隣接基地局について決定された確率に基づいてデ
ータ伝送のための伝送電力を調整することをさらに含む、請求項12記載の方法。
【請求項15】
確率はさらにデータ伝送のための現在の伝送電力レベルに基づいて決定される、請求項
14記載の方法。
【請求項16】
伝送電力は一定サイズ・ステップで及び決定確率に従って調整される、請求項14記載
の方法。
【請求項17】
伝送電力の調整において考慮される各隣接基地局について、
隣接及びサービス基地局に関するチャネル利得推定に基づいて伝送電力を調整するため
にステップ・サイズを決定すること、
隣接基地局について得られた指標及び隣接基地局について決定されたステップ・サイズ
に基づいてデータ伝送のための伝送電力を調整することをさらに含む、請求項12記載の
方法。
【請求項18】
ステップ・サイズはさらにデータ伝送のための現在の伝送電力レベルに基づいて決定さ
れる、請求項17記載の方法。
【請求項19】
データ伝送のための伝送電力は参照電力レベル及び伝送電力差分によって決定され、そ
して伝送電力差分は少なくとも一つの基地局について得られた少なくとも一つの指標に基
づいて調整される、請求項3記載の方法。
【請求項20】
無線端末によってサービス基地局へ送られた第二の伝送に関する受信SNRが目標SN
Rに維持されるように参照電力レベルを調整することをさらに含み、そしてデータ伝送に
関する受信SNRが第二の伝送に関する目標SNRに基づいて推定される、請求項19記
載の方法。
【請求項21】
第二の伝送は端末によってサービス基地局へ送られた制御チャネルに関するものである
、請求項20記載の方法。
【請求項22】
データ伝送のための伝送電力はデータ伝送に関する受信SNRがデータ伝送のために許
容される受信SNRの範囲内にあるように制限される、請求項3記載の方法。
【請求項23】
データ伝送のための伝送電力を無線端末に許容される最大電力レベル以下に制限するこ
とをさらに含む、請求項3記載の方法。
【請求項24】
少なくとも一つの基地局によって観測された干渉の少なくとも一つの指標を得ること、
及びデータ伝送のための伝送電力を調整することが無線端末によって行われる、請求項1
記載の方法。
【請求項25】
少なくとも一つの基地局によって観測された干渉の少なくとも一つの指標を得ること、
及びデータ伝送のための伝送電力を調整することがサービス基地局によって行われる、請
求項1記載の方法。
【請求項26】
少なくとも一つの指標は少なくとも一つの基地局の間で交換されるシグナリングによっ
て得られる、請求項25記載の方法。
【請求項27】
無線端末とサービス基地局との間のチャネル利得の推定値を得ること、
伝送電力の調整において考慮される各隣接基地局について、
無線端末と隣接基地局との間のチャネル利得の推定値を得ること、及び
隣接基地局について得られた指標及び隣接基地局とサービス基地局に関する推定チャネ
ル利得に基づいてデータ伝送のための伝送電力を調整することをさらに含む、請求項25
記載の方法。
【請求項28】
データ伝送を受信するために指定された基地局によって正しく復号されたパケットの伝
送の早期終了を可能にする混成自動再伝送(H-ARQ)を使用してデータ伝送が行われ
る、請求項1記載の方法。
【請求項29】
無線通信システムは直交周波数分割多元接続(OFDMA)システムである、請求項1
記載の方法。
【請求項30】
無線通信システムは時分割多元接続(TDMA)システムである、請求項1記載の方法

【請求項31】
無線通信システムは周波数分割多元接続(FDMA)システムである、請求項1記載の
方法。
【請求項32】
無線通信システムにおいて無線端末の電力制御を行うために動作する装置であって、
無線端末から送られるデータ伝送を受信するように指定されていない隣接基地局、また
は無線端末から送られるデータ伝送を受信するように指定されたサービス基地局である少
なくとも一つの基地局の各々について、その基地局によって観測される干渉の指標を得る
ために動作するプロセッサ、及び
少なくとも一つの基地局について得られた少なくとも一つの指標に基づいてデータ伝送
のための伝送電力を調整するために動作する調整ユニットを具備する装置。
【請求項33】
サービス基地局におけるデータ伝送に関する受信信号品質(SNR)を推定し、データ
伝送に関する受信SNR推定に基づいてデータ伝送のための伝送電力を制限するために動
作する計算ユニットをさらに具備する、請求項32記載の装置。
【請求項34】
調整ユニットは、伝送電力の調整において考慮される各基地局について、
基地局に関して得られた指標、基地局に関するチャネル利得、データ伝送に関する現在
の伝送電力レベル、またはそれらの組合せに基づいてデータ伝送のための伝送電力を調整
するために動作する、請求項32記載の装置。
【請求項35】
無線通信システムにおいて無線端末の電力制御を行うために動作する装置であって、
無線端末によって送られるデータ伝送を受信するように指定されていない隣接基地局、
または無線端末によって送られるデータ伝送を受信するように指定されたサービス基地局
である少なくとも一つの基地局の各々について、その基地局によって観測される干渉の指
標を得るための手段、及び
少なくとも一つの基地局について得られた少なくとも一つの指標に基づいてデータ伝送
のための伝送電力を調整するための手段を具備する装置。
【請求項36】
データ伝送を受信するために指定されたサービス基地局においてデータ伝送に関する受
信信号品質(SNR)を推定するための手段、
データ伝送に関する受信SNRに基づいてデータ伝送のための伝送電力を制限するため
の手段を具備する、請求項35記載の装置。
【請求項37】
伝送電力の調整において考慮される各基地局について、データ伝送のための伝送電力は
基地局に関して得られた指標、基地局に関するチャネル利得、データ伝送を受信するため
に指定されたサービス基地局に関するチャネル利得、現在の伝送電力レベル、またはその
組合せに基づいて調整される、請求項35記載の装置。
【請求項38】
無線通信システムにおいて電力制御を行う方法であって、
無線端末によって第二の基地局へ送られたデータ伝送を受信するように指定されていな
い第一の基地局によって観測された干渉を確認すること、
第一の基地局によって観測された干渉に基づいてデータ伝送のための伝送電力を調整す
ること、及び
第二の基地局におけるデータ伝送による干渉を所定のレベル以下に維持するためにデー
タ伝送のための伝送電力を制限することを含む方法。
【請求項39】
第一の基地局によって観測された干渉は第一の基地局によって送られた測定報告、デー
タ伝送のために使用される現在の伝送電力レベル、第一の基地局への推定距離、またはそ
の組合せに基づいて確認される、請求項38記載の方法。
【請求項40】
データ伝送のために伝送電力を制限することは、
第二の基地局におけるデータ伝送に関する受信信号品質(SNR)を推定すること、及

データ伝送に関する受信SNRがデータ伝送に許容される受信SNRの範囲内にあるよ
うに、データ伝送のための伝送電力を制限することを含む、請求項38記載の方法。
【請求項41】
第一の基地局は、無線端末によって受信され、データ伝送を受信するように指定されて
いない少なくとも一つの基地局の間で無線端末において最強の受信信号を持つ基地局であ
る、請求項38記載の方法。
【請求項42】
無線通信システムにおいて無線端末の電力制御を行う方法であって、
少なくとも一つの周波数部分帯域の第一集合上で端末によって第一の伝送を受信するた
めに指定されたサービス基地局へ送られる第一の伝送に関する伝送電力を調整することで
あり、ここで第一の伝送に関する伝送電力はサービス基地局において第一の伝送に関する
目標受信信号品質(SNR)を達成するために調整され、及び
少なくとも一つの周波数部分帯域の第二集合上で端末によってサービス基地局へ送られ
る第二の伝送に関する伝送電力を調整することであって、ここで第二の伝送に関する伝送
電力は第一の伝送に関する伝送電力及び伝送電力差分に基づいて調整されることを含む方
法。
【請求項43】
第一及び第二集合は異なる周波数部分帯域を含む、請求項42記載の方法。
【請求項44】
少なくとも一つの周波数部分帯域の第一集合は少なくとも一つの周波数部分帯域の第二
集合に等しい、請求項43記載の方法。
【請求項45】
少なくとも一つの基地局の各々に関して、基地局によって観測された干渉の指標を得る
ことをさらに含み、そして第二の伝送のための伝送電力は少なくとも一つの基地局につい
て得られた少なくとも一つの指標に基づいて調整される、請求項42記載の方法。
【請求項46】
第二の伝送のための伝送電力はさらに少なくとも一つの基地局の各々に関するチャネル
利得、第一の伝送に関する現在の伝送電力レベル、許容伝送電力差分の範囲、端末の最大
伝送電力、ピーク対平均バックオフ要素、もしくはその組合せに基づいて調整される、請
求項45記載の方法。
【請求項47】
第一の伝送は制御チャネル上で送られるシグナリングに関し、第二の伝送はデータ・チ
ャネル上で送られるデータに関するものである、請求項42記載の方法。
【請求項48】
第一の伝送のための伝送電力及び第二の伝送のための伝送電力は異なる比率で調整され
る、請求項42記載の方法。
【請求項49】
無線通信システムにおいて無線端末の電力制御を行う方法であって、
第一の伝送を端末から受信するために指定されたサービス基地局において第一の伝送に
関する目標受信信号品質(SNR)に対応する参照電力レベルを得ること、
参照電力レベル及び伝送電力差分に基づいて端末からサービス基地局への第二の伝送の
ための伝送電力を設定すること、及び
少なくとも一つのパラメータに基づいて伝送電力差分を調整することを含む方法。
【請求項50】
少なくとも一つのパラメータは少なくとも一つの基地局の各々によって観測された干渉
の指標、少なくとも一つの基地局の各々に関するチャネル利得、第一の伝送に関する現在
の伝送電力レベル、許容伝送電力差分の範囲、端末の最大伝送電力、ピーク対平均バック
オフ要素、もしくはその組合せを含む、請求項49記載の方法。
【請求項51】
無線通信システムにおいて干渉を通報する方法であって、
基地局で観測された干渉を推定すること、
推定干渉に関する干渉報告を形成すること、及び
無線チャネルを介し干渉報告を同報通信することを含む方法。
【請求項52】
干渉は基地局に伝送する端末に受信される信号電力を除外する、請求項51記載の方法

【請求項53】
推定干渉を第一の干渉限界に対して比較すること、及び
推定干渉が第一の干渉限界以上であるか以下であるかに基づいて第一ビットを設定する
ことをさらに含み、そして干渉報告は第一ビットを含む、請求項51記載の方法。
【請求項54】
推定干渉を第一の干渉限界より高い第二の干渉限界に対して比較すること、及び
推定干渉が第二の干渉限界以上であるか以下であるかに基づいて第二ビットを設定する
ことをさらに含み、そして干渉報告は第二ビットをさらに含む、請求項53記載の方法。
【請求項55】
基地局において観測された干渉を推定することは、
基地局において複数の部分帯域の各々に関する干渉推定を得ること、及び
複数の部分帯域に関する複数の干渉推定に基づいて推定干渉を導出することを含む、請
求項51記載の方法。
【請求項56】
推定干渉は複数の部分帯域に関する複数の干渉推定の算術平均である、請求項55記載
の方法。
【請求項57】
推定干渉は複数の部分帯域に関する複数の干渉推定の幾何学平均である、請求項55記
載の方法。
【請求項58】
推定干渉は複数の部分帯域に関する複数の干渉推定の容量基準平均である、請求項55
記載の方法。
【請求項59】
無線通信システムにおける装置であって、
基地局において観測された干渉を推定するために動作する干渉推定器、
推定干渉に関する干渉報告を形成するために動作する制御器、及び
無線チャネルを介して同報通信するための干渉報告を処理するために動作するデータ・
プロセッサを具備する装置。
【請求項60】
制御器は推定干渉を干渉限界に対して比較し、且つ推定干渉が干渉限界より上であるか
下であるかに基づいてビットを設定するために動作し、そして干渉報告はそのビットを含
む、請求項59記載の装置。
【請求項61】
無線通信システムにおける装置であって、
基地局において観測された干渉を推定する手段、
推定干渉に関する干渉報告を形成する手段、及び
無線チャネルを介して干渉報告を同報通信する手段を具備する装置。
【請求項62】
推定干渉を干渉限界に対して比較する手段、及び
推定干渉が干渉限界より上であるか下であるかに基づいてビットを設定する手段を具備
し、そして干渉報告はそのビットを含む、請求項61記載の装置。
【請求項63】
無線通信システムにおいてデータ伝送を予定計画する方法であって、
基地局において、基地局へのデータ伝送に関して無線端末によりサポートされた伝送電
力レベルを得ることであって、ここで、伝送電力レベルはデータ伝送を受信するように指
定されていない少なくとも一つの隣接基地局の各々によって観測された干渉の指標に基づ
いて決定され、及び
無線端末によりサポートされる伝送電力レベルに基づいてデータ伝送のために無線端末
をスケジューリングすることを含む方法。
【請求項64】
無線端末から基地局へ送られる第二の伝送に関する目標信号品質(SNR)を達成する
ために無線端末に関する参照電力レベルを調整することをさらに含み、そして伝送電力レ
ベルはさらに参照電力レベルに基づいて決定される、請求項63記載の方法。
【請求項65】
基地局において、伝送電力レベルの無線端末によりサポートされる特定の部分帯域数を
得ることをさらに含み、そして無線端末は伝送電力レベルにおいてサポートされる特定の
部分帯域数に基づいてさらにデータ伝送についてスケジューリングされる、請求項63記
載の方法。
【請求項66】
無線通信システムにおける装置であって、
基地局へのデータ伝送に関して無線端末によりサポートされる伝送電力レベルを得るた
めに動作するプロセッサであって、ここで、伝送電力レベルはデータ伝送を受信するよう
に指定されていない少なくとも一つの隣接基地局の各々によって観測された干渉の指標に
基づいて決定され、及び
無線端末によりサポートされる伝送電力レベルに基づいてデータ伝送のために無線端末
を予定計画するために動作するスケジューラを具備する装置。
【請求項67】
無線端末から基地局へ送られる第二の伝送に関する目標信号品質(SNR)を達成する
ために無線端末に関する参照電力レベルを調整するために動作する制御器をさらに具備し
、そして伝送電力レベルはさらに参照電力レベルに基づいて決定される、請求項66記載
の装置。
【請求項68】
無線通信システムにおける装置であって、
基地局へのデータ伝送に関して無線端末によりサポートされる伝送電力レベルを得るた
めの手段であって、ここで、伝送電力レベルはデータ伝送を受信するように指定されてい
ない少なくとも一つの隣接基地局の各々によって観測された干渉の指標に基づいて決定さ
れる手段、及び
無線端末により支持される伝送電力レベルに基づいてデータ伝送のために無線端末を予
定計画するための手段を具備する装置。
【請求項69】
無線端末から基地局へ送られる第二の伝送に関する目標信号品質(SNR)を達成する
ために無線端末に関する参照電力レベルを調整するための手段を具備し、そして伝送電力
レベルはさらに参照電力レベルに基づいて決定される、請求項68記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−257254(P2012−257254A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−149599(P2012−149599)
【出願日】平成24年7月3日(2012.7.3)
【分割の表示】特願2010−11000(P2010−11000)の分割
【原出願日】平成17年6月7日(2005.6.7)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】