説明

直接トロンビン阻害剤の新しい小児適応症

本発明はダビガトランエテキシラートのような直接トロンビン阻害剤の新しい小児適応症に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は直接トロンビン阻害剤(DTI)の新規適応症、前記疾患を治療するための医薬組成物の調製方法及びその治療方法に関するものである。
本発明の直接トロンビン阻害剤としては、
(1)下記構造を有するダビガトランとして知られている1-メチル-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-ベンゾイミダゾール-5-イル-カルボン酸-(N-2-ピリジル-N-2-ヒドロキシカルボニルエチル)-アミド
【化1】

(2)下記構造を有するダビガトランエテキシラートとして知られているエチル 3-[(2-{[4-(ヘキシルオキシカルボニルアミノ-イミノ-メチル)-フェニルアミノ]-メチル}-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-5-カルボニル)-ピリジン-2-イル-アミノ]-プロピオナート
【化2】

(3)下記構造を有する1-メチル-2-[4-(N-ヒドロキシアミジノ)-フェニルアミノメチル]-ベンゾイミダゾール-5-イル-カルボン酸-(N-2-ピリジル-N-2-エトキシカルボニルエチル)-アミド
【化3】

(4)メラガトラン(イノガトラン)、
(5)キシメラガトラン、
(6)ヒルジン、
(7)ヒロログ及び
(8)アルガトロバンなどが挙げられ、
その互変異性体、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオマー、薬理学的に許容される酸付加塩、溶媒和物、水和物又はプロドラッグの形態であってもよい。
【0002】
好ましい直接トロンビン阻害剤は、ダビガトラン、ダビガトランエテキシラート及び1-メチル-2-[4-(N-ヒドロキシアミジノ)-フェニルアミノメチル]-ベンゾイミダゾール-5-イル-カルボン酸-(N-2-ピリジル-N-2-エトキシカルボニルエチル)-アミド、並びにその互変異性体、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオマー、薬理学的に許容される酸付加塩、溶媒和物、水和物又はプロドラッグである。
より好ましくは、ダビガトラン及びダビガトランエテキシラート、並びにその互変異性体、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオマー、薬理学的に許容される酸付加塩、溶媒和物、水和物及びプロドラッグである。
最も好ましくは、ダビガトランエテキシラート、並びにその互変異性体、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオマー、薬理学的に許容される酸付加塩、溶媒和物、水和物及びプロドラッグ、特にメタンスルホン酸との酸付加塩である。
すべての活性成分は有効量で使用される必要がある。
【背景技術】
【0003】
活性化合物(1)〜(3)は、従来技術に、例えばWO 98/37075及びWO 04/014894に開示されている。ダビガトランエテキシラートのメタンスルホン酸との酸付加塩はWO 03/074056に記載されている。ダビガトランエテキシラートの付加塩は実験の項目に記載されている。ダビガトランエテキシラートのメタンスルホン酸との酸付加塩の具体的な多形及び半水和物はWO 2005/028468に記載されている。ダビガトランエテキシラートを含む医薬組成物の例はWO 03/074056、WO 2005/018615及びWO 2005/023249に開示されている。
上記薬のプロドラッグは、インビボで開裂することができる1以上の基、特にカルボキシ基にインビボで変換できる基又は/及びイミノ又はアミノ基からインビボで開裂することができる基を含む誘導体である。インビボで開裂できる2つの基を含む化合物は、いわゆるダブルプロドラッグである。カルボキシ基にインビボで変換できる基及びイミノ又はアミノ基からインビボで開裂できる基は、例えばWO 98/37075(参照により本明細書に組み込まれるものとする)に開示されている(同様に、先に引用した他のWOの刊行物にも特定の抗血栓症薬と組合せて開示されている)。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の直接トロンビン阻害剤が、個々の化合物に応じて、互変異性体、光学異性体、鏡像異性体、ラセミ化合物、ジアステレオマー、薬理学的に許容される酸付加塩、溶媒和物又は水和物から選ばれる形態で、そのような形態が存在する限り、使用されてもよいことは理解される。複数の鏡像異性体が存在する場合、実質的に純粋な鏡像異性体の形態での使用が好ましい。
先に挙げた直接トロンビン阻害剤の薬理学的に許容される酸付加塩には、ヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ヒドロヨージド、ヒドロスルファート、ヒドロホスファート、ヒドロメタンスルホナート、ヒドロニトラート、ヒドロマレアート、ヒドロアセタート、ヒドロベンゾアート、ヒドロシトラート、ヒドロフマラート、ヒドロタルトラート、ヒドロラクタート、ヒドロオキサラート、ヒドロスクシナート、ヒドロベンゾアート及びヒドロ-p-トルオールスルホナートからなる群より選ばれる塩が含まれ、好ましくはヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ヒドロスルファート、ヒドロホスファート、ヒドロマレアート、ヒドロフマラート及びヒドロメタンスルホナートからなる群より選ばれる塩が含まれる。一部の直接トロンビン阻害剤は、1よりも多い同等の酸、例えば2つの同等物を加えてもよい。塩酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、安息香酸及び酢酸の塩は特に好ましい。
好ましい実施態様は、ダビガトランエテキシラートの塩酸、マレイン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、メタンスルホン酸及びマロン酸との塩、その鏡像異性体、混合物及び水和物である。特に好ましくは、酒石酸、サリチル酸、メタンスルホン酸及びクエン酸、並びにその鏡像異性体、混合物及び水和物である。最も好ましい塩は、ダビガトランエテキシラートのメタンスルホン酸付加塩である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
次の用語は同意語として使用される:
塩酸との塩 - ヒドロクロリド
マレイン酸との塩 - マレアート
酒石酸との塩 - タルトラート
サリチル酸との塩 - サリチラート
クエン酸との塩 - シトラート
マロン酸との塩 - マロナート
メタンスルホン酸との塩 - メタンスルホナート
本発明の範囲内で直接トロンビン阻害剤への言及は、いずれも前述の化合物(1)〜(8)から選ばれる具体的な直接トロンビン阻害剤への言及と理解されるべきである。
【0006】
本発明の好ましい実施態様は、活性物質であるエチル 3-[(2-{[4-(ヘキシルオキシカルボニルアミノ-イミノ-メチル)-フェニルアミノ]-メチル}-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-5-カルボニル)-ピリジン-2-イル-アミノ]-プロピオナート、その塩、鏡像異性体、混合物及び水和物の新しい適応症に関するものである。下記化学式を有するこの活性物質はすでにWO 98/37075から公知であり、WO 98/37075には、トロンビン阻害活性及びトロンビン時間延長活性を持つ化合物が1-メチル-2-[N-[4-(N-n-ヘキシルオキシカルボニルアミジノ)フェニル]-アミノ-メチル]-ベンズイミダゾール-5-イル-カルボン酸-N-(2-ピリジル)-N-(2-エトキシカルボニルエチル)-アミドという名で開示される。
【化4】

式(I)の化合物は、下記化合物のダブルプロドラッグである。
【化5】

すなわち、式(I)の化合物は、実際に効果のある化合物(すなわち、式(II)の化合物)に体内で最初に変換される。化学式(I)の化合物の適応症の主な種類は、深部静脈血栓症の術後予防及び脳卒中の予防である。
【0007】
驚いたことに、例えばダビガトランエテキシラートのような直接トロンビン阻害剤は、深部静脈血栓症の術後予防及び脳卒中の予防のためにのみ効果的に使用できるだけでなく、子供の予防及び/又は治療にも適している。
特に、本発明は、ダビガトラン、ダビガトランエテキシラート、1-メチル-2-[4-(N-ヒドロキシアミジノ)-フェニルアミノメチル]-ベンゾイミダゾール-5-イル-カルボン酸-(N-2-ピリジル-N-2-エトキシカルボニルエチル)-アミド、メラガトラン(イノガトラン)、キシメラガトラン、ヒルジン、ヒロログ及びアルガトロバンからなる群より選ばれる化合物であって、その互変異性体、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオマー、薬理学的に許容される酸付加塩、溶媒和物、水和物又はプロドラッグの形態であってもよい化合物の、子供の血栓症及び/又は静脈血栓塞栓事象(VTE)から選ばれる病気、特に子供のVTE治療、一次VTE予防及び二次VTE予防から選ばれるVTEの治療及び/又は予防のための薬剤を調製するための使用に関するものである。
【0008】
別の実施態様では、本発明は、子供の脳卒中の治療及び/又は予防のための、
好ましくは子供の非出血性脳卒中の治療のための、又は
心房細動の子供の一次及び二次脳卒中予防並びに
脳卒中のリスクが高い子供(一過性虚血性発作(TIA)又は脳卒中後及び子供の急性冠症候群又は心筋梗塞症後の子供、心臓の非常に低い躯出率の子供)の一次及び二次脳卒中予防から選ばれる子供の脳卒中予防のための薬剤を調製するための前記化合物の使用に関するものである。
さらに別の実施態様では、本発明は、子供の心筋梗塞症(しばしば急性冠症候群(ACS)とも呼ばれる)、
好ましくはステント移植(後)の、
ステント移植のない経皮冠動脈インターベンション(PCI)の、及び
PCIのない子供のACS応答(resp.)心筋梗塞症の治療及び/又は予防のための薬剤を調製するための前記化合物の使用に関するものである。
心筋梗塞症応答(resp.)ACSの治療及び/又は予防は、発症後すぐに始めてもよいし(急性治療)、発症の一定時間後(例えば、心筋梗塞症後、MI後)に始めてもよい(長期治療、二次予防)。
さらに別の実施態様では、本発明は、子供の心筋梗塞症、特に冠動脈バイパス(ACVB)の子供及び血栓溶解後の子供の心筋梗塞症の治療及び/又は予防のための薬剤を調製するための前記化合物の使用に関するものである。
【0009】
別の実施態様では、本発明は、オフポンプ冠動脈バイパス移植術の子供の血栓症又は血栓塞栓事象の治療及び/又は予防のための薬剤を調製するための前記化合物の使用に関するものである。
別の実施態様では、本発明は、子供の移植片血栓症、特にACVBの子供及び血栓溶解後の子供の移植片血栓症の治療及び/又は予防のための薬剤を調製するための前記化合物の使用に関するものである。
別の実施態様では、本発明は、子供の脳卒中の治療及び/又は予防のための、特に心房細動の子供の脳卒中の予防のための薬剤を調製するための前記化合物の使用に関するものである。
別の実施態様では、本発明は、子供の深部静脈血栓症(DVT)の術後予防の治療及び/又は予防のための薬剤を調製するための前記化合物の使用に関するものである。
別の実施態様では、本発明は、特にオフポンプ冠動脈バイパス術及び/又は移植術における子供の血栓症又は血栓塞栓事象の治療及び/又は予防のための薬剤を調製するための前記化合物の使用に関するものである。
【0010】
別の実施態様では、本発明は、子供のステント血栓症、特にPCI患者及び血栓溶解後の患者のステント血栓症の治療及び/又は予防のための薬剤を調製するための前記化合物の使用に関するものである。
別の実施態様では、本発明は、子供の高心血管系リスク、好ましくは抗高血圧薬及び/又は脂質低下薬で治療中の子供、高炎症状態の子供、高血液凝固パラメータ(例えば、PAI 1)の子供又は真性糖尿病の子供の高心血管系リスクの治療及び/又は予防のための薬剤を調製するための前記化合物の使用に関するものである。
別の実施態様では、本発明は、子供の先天性心疾患、特に子供の卵円孔開存、先天性心不全、血管の先天性素因及び血管異常(例えば、大動脈峡部狭窄)の治療及び/又は予防のための薬剤を調製するための前記化合物の使用に関するものである。
別の実施態様では、本発明は、子供の異常、例えば人工心臓弁、不整脈、心不全、肥大性閉塞性心筋症(HOCM)及び真性糖尿病から選ばれる病気の治療及び/又は予防のための薬剤を調製するための前記化合物の使用に関するものである。
別の実施態様では、本発明は、子供の末梢動脈疾患(PAD)、特に
真性糖尿病を患っている子供、
末梢血管に移植されたステントをもつ又は持たない子供及び
末梢バイパス術を受けた子供の末梢動脈疾患の治療及び/又は予防のための薬剤を調製するための前記化合物の使用に関するものである。
別の実施態様では、本発明は、子供の脳微小血管疾患及び肺梗塞から選ばれる病気の治療及び/又は予防のための薬剤を調製するための前記化合物の使用に関するものである。
【0011】
別の実施態様では、本発明は、子供、特にシャントのある又はシャントのない透析を受けている子供及び透析装置におけるシャント血栓症、カテーテル血栓症(中心静脈ライン(CVL)など)及び血栓塞栓事象の治療及び/又は予防のための薬剤を調製するための前記化合物の使用に関するものである。
別の実施態様では、本発明は、子供の肺塞栓症(PE)、特にPEのリスクの高い子供(例えば、先天性凝固障害、多発性肺塞栓症後の子供)及び深部静脈血栓症(DVT)及び/又はその他の任意の種類のVTEの子供のPEの治療及び/又は予防のための薬剤を調製するための前記化合物の使用に関するものである。
別の実施態様では、本発明は、診療中の子供(固定された子供)、特に
任意の種類の手術後の固定された子供、
任意の種類の偶発症候又は外傷後の固定された子供、
VTEの追加の危険因子をもつ固定された子供、
癌の子供(特に、急性リンパ芽球性白血病(ALL)の子供)、
心不全の子供、
多発性硬化症(MS)の子供又は
子供の固定を生じる別の診断の子供
の血栓症、静脈血栓塞栓事象(VTE)、肺塞栓症(PE)及び深部静脈血栓症(DVT)(抗凝固療法)の治療及び/又は予防のための薬剤を調製するための前記化合物の使用に関するものである。
【0012】
別の実施態様では、本発明は、妊婦に生じるこの出願に記載された病気、特に妊婦の脳卒中、心不全(高リスク妊婦)、先天性凝固能亢進性(hypercoagulation)疾患及び溶血の治療及び/又は予防のための、並びに(妊婦の)高肝臓酵素及び低血小板(HELLP)症候群の治療及び/又は予防のための薬剤を調製するための前記化合物の使用に関するものである。
別の実施態様では、本発明は、子供の急性又は慢性動脈血栓塞栓症(例えば、心臓カテーテル、中心静脈ライン(CVL)などによる)の治療及び/又は予防のための薬剤を調製するための前記化合物の使用に関するものである。
ここで、予防には、外科応答(resp.)カテーテル法の前及び外科応答(resp.)カテーテル法の間の適用が含まれる。
別の実施態様では、本発明は、子供の先天性心疾患、特に子供の術後先天性心疾患及び子供のVTEの治療及び/又は予防のための薬剤を調製するための前記化合物の使用に関するものである。
別の実施態様では、本発明は、癌(例えば、急性リンパ芽球性白血病(ALL))の子供、特にアスパラギナーゼに関係する化学療法を受けている子供の静脈血栓塞栓症及び/又はVTEの治療及び/又は予防のための薬剤を調製するための前記化合物の使用に関するものである。
【0013】
別の実施態様では、本発明は、以下のものからなる群より選ばれる子供の病気の治療及び/又は予防のための薬剤を調製するための前記化合物の使用に関するものである:
神経変性疾患、
脳微小血管疾患、
PAR1〜PAR4受容体によって媒介される疾患及び
トロンビンによって誘導される酸化性ストレス。
別の好ましい実施態様では、本発明は、以下のものの子供の治療及び/又は予防のための薬剤を調製するための前記化合物の使用に関するものである:
血液病、
ヘパリン起因性血小板減少症(thrombocythompenia)(HIT)、
播種性血管内凝固(DIC)。
別の好ましい実施態様では、本発明は、以下のものから選ばれる病気の治療及び/又は予防のための薬剤を調製するための前記化合物の使用に関するものである:
子供の血栓症、
癌を患っている子供、特に急性リンパ芽球性白血病(ALL)のような白血病を患っている子供の多剤化学療法(特に、アスパラギナーゼに関係する多剤化学療法)における血栓症及び/又は静脈血栓塞栓事象。
別の好ましい実施態様では、本発明は、子供の中心静脈血栓症(CVT)の治療及び/又は予防のための薬剤を調製するための前記化合物の使用に関するものである。
【0014】
別の好ましい実施態様では、本発明は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)を患っている子供のHIV脳炎の治療及び/又は予防のための薬剤を調製するための前記化合物の使用に関するものである。
別の好ましい実施態様では、本発明は、子供のリウマチ様障害、特に
子供の慢性関節リウマチ及び
全身性エリテマトーデス(SLE)
の治療及び/又は予防のための薬剤を調製するための前記化合物の使用に関するものである。
別の好ましい実施態様では、本発明は、子供の耳鳴の治療及び/又は予防のための薬剤を調製するための前記化合物の使用に関するものである。
別の好ましい実施態様では、本発明は、子供の腎疾患、特に
慢性腎疾患の患者の蛋白尿(尿中アルブミン排泄)及び
糖尿病及び蛋白尿症の患者の蛋白尿(尿中アルブミン排泄)
の治療及び/又は予防のための薬剤を調製するための前記化合物の使用に関するものである。
【0015】
上記のトロンビン阻害剤は、上記の病気(VTE、PEなど)によって誘発される事象の予防及び/又は治療に有用であり、器官又は領域への血流を最適化し、及び/又は病気の直接治療に適している。
好ましい実施態様は、以下のものに応答する(resp.)上記病気のいずれか1つと付随しているVTEを治療又は予防するための薬剤の調製のための本発明の直接トロンビン阻害剤の使用である。
この出願で使用される「患者」という用語は、子供を参照すると理解されるべきである。本発明の意義の範囲内で、子供は18歳未満、好ましくは16歳未満、より好ましくは14歳未満、さらにより好ましくは12歳未満の患者である。特に、子供は1〜10歳の患者であってもよい。
患者の好ましい群は5歳以下の子供であり、別の好ましい患者の群は6〜10歳の子供であり、さらに別の好ましい患者の群は11〜16歳の子供である。
【0016】
好ましい適応症は以下のものである:
子供の非出血性脳卒中の治療、
心臓の非常に低い躯出率の子供の一次及び二次脳卒中予防;
子供の急性脳卒中、
子供の心筋梗塞症応答(resp.)急性冠症候群(ACS)、好ましくは
ステント移植(後)の、
ステント移植のない経皮冠動脈インターベンション(PCI)の、
PCIのない
子供のACS応答(resp.)心筋梗塞症の治療及び/又は予防;
診療中の子供(固定された子供)、特に
任意の種類の手術後の固定された子供、
任意の種類の偶発症候又は外傷後の固定された子供、
VTEの追加の危険因子をもつ固定された子供、
癌の子供、
心不全の子供、
多発性硬化症(MS)の子供又は
子供の固定を生じる別の診断の子供
の血栓症、静脈血栓塞栓事象(VTE)、肺塞栓症(PE)及び深部静脈血栓症(DVT)の治療及び/又は予防;
子供の高心血管系リスク、好ましくは
抗高血圧薬及び/又は脂質低下薬で治療中の子供、
高炎症状態の子供、
高血液凝固パラメータ(例えば、PAI 1)の子供又は真性糖尿病の子供の
高心血管系リスクの治療及び/又は予防;
子供の先天性心疾患、特に
子供の卵円孔開存、
先天性心不全、
血管の先天性素因及び
血管異常
の治療及び/又は予防;
子供の人工心臓弁、
子供の不整脈、
子供の心不全、
子供の肥大性閉塞性心筋症(HOCM)又は
子供の真性糖尿病
に起因する子供の心臓血管障害の治療及び/又は予防;
子供の末梢動脈疾患(PAD)、特に
真性糖尿病の子供、
末梢血管に移植されたステントをもつ又は持たない子供及び
末梢バイパス術を受けた子供の
PADの治療及び/又は予防;
子供の脳微小血管疾患の治療及び/又は予防;
子供の肺梗塞の治療及び/又は予防;
子供の、特に透析を受けている子供のシャント血栓症の治療及び/又は予防、
子供の、特に透析を受けている子供のカテーテル血栓症の治療及び/又は予防、
透析装置における血栓塞栓事象の治療及び/又は予防;
子供の肺塞栓症(PE)、特にPEのリスクの高い子供(例えば、先天性凝固障害、多発性肺塞栓症後の子供)のPEの治療及び/又は予防;
妊婦の脳卒中、妊婦の心不全(高リスク妊婦)、妊婦の先天性凝固能亢進性(hypercoagulation)疾患、妊婦の溶血及び妊婦の高肝臓酵素及び低血小板(HELLP)症候群の治療及び/又は予防;
オフポンプ冠動脈バイパス術の子供の血栓症又は血栓塞栓事象の治療及び/又は予防;
1)CNS分野
a.子供の神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病)
b.子供の脳微細血管疾患
c.子供のPAR1〜PAR4受容体によって媒介される疾患
d.子供のトロンビンによって誘導される酸化性ストレス
2)血液病
a.子供のヘパリン起因性血小板減少症(thrombocythompenia)
b.高血液凝固パラメータ(例えば、PAI 1)の子供
c.子供の播種性血管内凝固(DIC)
3)癌
a.子供の癌の一次及び二次予防並びに/又は治療
b.子供の多剤化学療法、特にアスパラギナーゼに関係する多剤化学療法における血栓症の予防、
c.子供の血栓症の予防
d.子供の血栓症の治療
e.子供の単剤療法として、及び抗癌剤と組合せた死亡率の低下
4)眼科
a.子供の中心静脈血栓症(CVT)
5)ヒト免疫不全ウイルス(HIV)患者
a.子供のHIV脳炎
6)子供のリウマチ様障害
a.子供の慢性関節リウマチ
b.子供の全身性エリテマトーデス(SLE)
7)移植を受けた子供
8)インプラント手術を受けた子供
a.透析を受けている子供のシャントプロテーゼ
b.子供の人工血管(大動脈など)
9)耳鳴の子供
10)腎疾患の子供
a.慢性腎疾患の患者の蛋白尿(尿中アルブミン排泄)
b.糖尿病及び蛋白尿症の患者の蛋白尿(尿中アルブミン排泄)。
【0017】
別の実施態様では、本発明は、1又は複数の上記病気であって、VTEと付随している病気の子供における治療及び/又は予防のための薬剤を調製するための前記化合物の使用に関するものである。
その薬理学的に許容される酸付加塩の形態で使用してもよい直接トロンビン阻害剤は、固体、液体又は噴霧形態の従来の医薬製剤に組み込んでもよい。前記組成物は、例えば経口、局所性、舌、直腸、非経口的投与又は鼻孔吸入に適した形態であってもよく、好ましい形態としては、例えばカプセル、錠剤、被覆錠剤、アンプル、坐薬及び鼻腔用スプレーなどが挙げられる。
活性成分は、例えばタルク、アラビアゴム、ラクトース、ゼラチン、ステアリン酸マグネシウム、コーンスターチ、水性又は非水性媒体、ポリビニルピロリドン、脂肪酸の半合成グリセリド、塩化ベンザルコニウム、リン酸ナトリウム、EDTA、ポリソルベート80のような医薬組成物で通常使用される賦形剤又は基材に組み込んでもよい。前記組成物は、有利には投薬単位で配合され、各投薬単位は活性成分の1回分の投与量を適用するために適合される。1日当りの適用可能な投与量範囲は0.1〜600mgであり、好ましくは1日当り50〜300mgである。各投薬単位は、適切には0.1〜200mg、好ましくは50〜150mgを含んでもよい。
【0018】
適した錠剤は、例えば活性物質を公知の賦形剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はラクトースのような不活性希釈剤、コーンスターチ又はアルギン酸のような錠剤分解物質、スターチ又はゼラチンのような結合剤、ステアリン酸マグネシウム又はタルクのような滑剤及び/又はカルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース又はポリ酢酸ビニルのような遅延放出のための薬剤と混合することによって得てもよい。錠剤は、またいくつかの層を含んでもよい。
被覆錠剤は、錠剤コーティングで通常使用される物質、例えばコリドン(collidone)又はセラック、アラビアゴム、タルク、二酸化チタン又は糖で前記錠剤と同様に精製されたコアをコーティングすることによって調製してもよい。遅延放出を達成し、又は不適合性を防止するために、コアは、また複数の層からなってもよい。同様に、錠剤コーティングは、遅延放出を達成するために、おそらく錠剤のための上記賦形剤を用いて複数の層からなってもよい。
本発明の活性物質又はその組み合わせを含むシロップ剤又はエリキシル剤は、サッカリン、シクラマート、グリセロール又は糖のような甘味料及び風味増強剤(flavour enhancer)、例えばバニリン又はオレンジ抽出物のような風味剤(flavouring)をさらに含んでもよい。それらは、またカルボキシメチルセルロースナトリウムのような懸濁液アジュバント若しくは増粘剤、例えば脂肪アルコールとエチレンオキシドの縮合物のような湿潤剤、又はp-ヒドロキシベンゾアートなどの防腐剤を含んでもよい。
【0019】
注射用溶液は、例えばp-ヒドロキシベンゾアートのような防腐剤、又はエチレンジアミン四酢酸のアルカリ金属塩のような安定剤の添加により通常の方法で調製され、注射バイアル又はアンプルに移される。
1つ以上の活性物質又は活性物質の組み合わせを含むカプセルは、例えば活性物質をラクトース又はソルビトールのような不活性基材と混合し、それをゼラチンカプセルに詰めることによって調製してもよい。
適した坐剤は、例えば中性脂肪若しくはポリエチレングリコール又はその誘導体のようなこの目的のために与えられる基材と混合することによって作製してもよい。
以下の実施例は、その範囲を限定することなく本発明を説明する。
出発材料であるダビガトランエテキシラート(エチル3-[(2-{[4-(アミノ-ヘキシルオキシカルボニルイミノ-メチル)-フェニルアミノ]-メチル}-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-5-カルボニル)-ピリジン-2-イル-アミノ]-プロピオナート)は、例えば国際出願WO 98/37075の実施例113に記載される通りに調製してもよい。
【実施例】
【0020】
(実施例1)
エチル3-[(2-{[4-(アミノ-ヘキシルオキシカルボニルイミノ-メチル)-フェニルアミノ]-メチル}-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-5-カルボニル)-ピリジン-2-イル-アミノ]-プロピオナートの塩酸塩
125mg(1.59mmol)の塩化アセチルを5mlのエタノールに攪拌しながら加えた。得られた溶液を、次いで周囲温度で1.0g(1.59mmol)のエチル 3-[(2-{[4-(アミノ-ヘキシルオキシカルボニルイミノ-メチル)-フェニルアミノ]-メチル}-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-5-カルボニル)-ピリジン-2-イル-アミノ]-プロピオナートの溶液に滴下し、さらに2時間攪拌した。混合物を、次いで完全に蒸発させて、残渣を約5mlの酢酸エチルの添加後まず粉砕し、吸引ろ過し、次いで約10mlのアセトン中で終夜攪拌し、吸引ろ過し、少量のアセトン及びジエチルエーテルで洗浄し、次いで60℃の減圧中で乾燥させた。
収率:理論の86%
融点:135℃
【0021】
(実施例2)
エチル3-[(2-{[4-(アミノ-ヘキシルオキシカルボニルイミノ-メチル)-フェニルアミノ]-メチル}-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-5-カルボニル)-ピリジン-2-イル-アミノ]-プロピオナートのクエン酸塩
10mlの酢酸エチルに溶解した210mg(1.0mmol)のクエン酸水和物を周囲温度で攪拌しながら628mg(1.0mmol)のエチル3-[(2-{[4-(アミノ-ヘキシルオキシカルボニルイミノ-メチル)-フェニルアミノ]-メチル}-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-5-カルボニル)-ピリジン-2-イル-アミノ]-プロピオナートの45ml酢酸エチル溶液に滴下した。黄色の沈殿が形成した。混合物を終夜攪拌し、生成物を次いで吸引ろ過し、少量の酢酸エチル及びジエチルエーテルで洗浄し、約50℃の減圧中で乾燥させた。
収率:理論の83%
融点:約170℃(分解)
【0022】
(実施例3)
エチル3-[(2-{[4-(アミノ-ヘキシルオキシカルボニルイミノ-メチル)-フェニルアミノ]-メチル}-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-5-カルボニル)-ピリジン-2-イル-アミノ]-プロピオナートの酒石酸塩
5mlの無水エタノールに溶解した150mg(1.0mmol)のL(+)-酒石酸を周囲温度で攪拌しながら628mg(1.0mmol)のエチル3-[(2-{[4-(アミノ-ヘキシルオキシカルボニルイミノ-メチル)-フェニルアミノ]-メチル}-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-5-カルボニル)-ピリジン-2-イル-アミノ]-プロピオナートの50ml酢酸エチル溶液に滴下した。微細な沈殿が形成した。懸濁液をさらに2時間攪拌し、次いで生成物を吸引ろ過し、少量の冷酢酸エチル及びジエチルエーテルで洗浄し、約50℃の減圧中で乾燥させた。
収率:理論の72%
融点:約160℃(分解)
【0023】
(実施例4)
エチル3-[(2-{[4-(アミノ-ヘキシルオキシカルボニルイミノ-メチル)-フェニルアミノ]-メチル}-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-5-カルボニル)-ピリジン-2-イル-アミノ]-プロピオナートのマロン酸塩
10mlの酢酸エチルに溶解した104mg(1.0mmol)のマロン酸を周囲温度で攪拌しながら628mg(1.0mmol)のエチル3-[(2-{[4-(アミノ-ヘキシルオキシカルボニルイミノ-メチル)-フェニルアミノ]-メチル}-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-5-カルボニル)-ピリジン-2-イル-アミノ]-プロピオナートの50ml酢酸エチル溶液に滴下した。約1時間後、微細な沈殿が形成した。懸濁液をさらに3時間攪拌し、生成物を次いで吸引ろ過し、少量の冷酢酸エチル及びジエチルエーテルで洗浄し、約50℃の減圧中で乾燥させた。
収率:理論の79%
融点:100℃
【0024】
(実施例5)
エチル3-[(2-{[4-(アミノ-ヘキシルオキシカルボニルイミノ-メチル)-フェニルアミノ]-メチル}-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-5-カルボニル)-ピリジン-2-イル-アミノ]-プロピオナートのマレイン酸塩
10mlの酢酸エチルに溶解した116mg(1.0mmol)のマレイン酸を周囲温度で攪拌しながら628mg(1.0mmol)のエチル3-[(2-{[4-(アミノ-ヘキシルオキシカルボニルイミノ-メチル)-フェニルアミノ]-メチル}-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-5-カルボニル)-ピリジン-2-イル-アミノ]-プロピオナートの50ml酢酸エチル溶液に滴下した。沈殿が形成した。懸濁液をさらに3時間攪拌し、次いで生成物を吸引ろ過し、少量の冷酢酸エチル及びジエチルエーテルで洗浄し、約50℃の減圧中で乾燥させた。
収率:理論の93%
融点:120℃
【0025】
(実施例6)
エチル-3-[(2-{[4-(ヘキシルオキシカルボニルアミノ-イミノ-メチル)-フェニルアミノ]-メチル}-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-5-カルボニル)-ピリジン-2-イル-アミノ]-プロピオナートサリチラート
1.38g(10.0mmol)のサリチル酸の20mlアセトン溶液を35〜40℃で攪拌しながら6.28g(10.0mmol)のエチル3-[(2-{[4-(ヘキシルオキシカルボニルアミノ-イミノ-メチル)-フェニルアミノ]-メチル}-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-5-カルボニル)-ピリジン-2-イル-アミノ]-プロピオナート塩基(WO 98/37075に記載されるとおりに調製)の45mlアセトン溶液に滴下した。数分後、生成物は晶出し始め、それを65mlのアセトンで希釈した。30分以内に、混合物を周囲温度まで冷却し、次いで沈殿を吸引ろ過し、約40mlのアセトンで洗浄し、循環空気乾燥機中40℃で乾燥させた。
収率:理論の94%
融点:155℃
【0026】
(実施例7)
10ml当り75mgの活性物質を含むドライアンプル
組成:
活性物質 75.0mg
マンニトール 50.0mg
注射用水 ad 10.0ml
調製:
活性物質及びマンニトールを水に溶解した。パッケージ後溶液を凍結乾燥した。注射のために使用できる状態である溶液を生成するために、生成物を水に溶解した。
【0027】
(実施例8)
2ml当り35mgの活性物質を含むドライアンプル
組成:
活性物質 35.0mg
マンニトール 100.0mg
注射用水 ad 2.0ml
調製:
活性物質及びマンニトールを水に溶解した。パッケージ後溶液を凍結乾燥した。
注射のために使用できる状態である溶液を生成するために、生成物を水に溶解した。
【0028】
(実施例9)
50mgの活性物質を含む錠剤
組成:
(1)活性物質 50.0mg
(2)ラクトース 98.0mg
(3)トウモロコシでんぷん 50.0mg
(4)ポリビニルピロリドン 15.0mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 2.0mg
215.0 mg
調製:
(1)、(2)及び(3)を一緒に混合し、(4)の水溶液で粒状化した。(5)を乾燥した粒状化材料に添加した。この混合物から錠剤をプレスし、2平面にし、両面にファセットを作り、片面に分割ノッチを有した。
錠剤の直径:9mm
【0029】
(実施例10)
350mgの活性物質を含む錠剤
組成:
(1)活性物質 350.0 mg
(2)ラクトース 136.0 mg
(3)トウモロコシでんぷん 80.0 mg
(4)ポリビニルピロリドン 30.0 mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 4.0 mg
600.0 mg
調製:
(1)、(2)及び(3)を一緒に混合し、(4)の水溶液で粒状化した。(5)を乾燥した粒状化材料に添加した。この混合物から錠剤をプレスし、2平面にし、両面にファセットを作り、片面に分割ノッチを有した。
錠剤の直径:12mm
【0030】
(実施例11)
50mgの活性物質を含むカプセル
組成:
(1)活性物質 50.0 mg
(2)乾燥トウモロコシでんぷん 58.0 mg
(3)粉末ラクトース 50.0 mg
(4)ステアリン酸マグネシウム 2.0 mg
160.0 mg
調製:
(1)を(3)と共に粉砕した。この粉砕物を(2)及び(4)の混合物に勢いよく混合しながら添加した。
この粉末混合物をサイズ3硬ゼラチンカプセルにカプセル充填装置で詰めた。
【0031】
(実施例12)
350mgの活性物質を含むカプセル
組成:
(1)活性物質 350.0 mg
(2)乾燥トウモロコシでんぷん 46.0 mg
(3)粉末ラクトース 30.0 mg
(4)ステアリン酸マグネシウム 4.0 mg
430.0 mg
調製:
(1)を(3)と共に粉砕した。この粉砕物を(2)及び(4)の混合物に勢いよく混合しながら添加した。
この粉末混合物をサイズ0硬ゼラチンカプセルにカプセル充填装置で詰めた。
【0032】
(実施例13)
100mgの活性物質を含む坐剤
以下を含む坐剤:
活性物質 100.0mg
ポリエチレングリコール(M.W.1500) 600.0mg
ポリエチレングリコール(M.W.6000) 460.0mg
ポリエチレンソルビタンモノステアラート 840.0mg
2,000.0mg
【0033】
(実施例14)
【表1】

【0034】
(実施例15)
【表2】

【0035】
実施例14及び15のペレットの調製及び構造はWO 03/074056に詳細に記載されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダビガトラン、ダビガトランエテキシラート、1-メチル-2-[4-(N-ヒドロキシアミジノ)-フェニルアミノメチル]-ベンゾイミダゾール-5-イル-カルボン酸-(N-2-ピリジル-N-2-エトキシカルボニルエチル)-アミド、メラガトラン(イノガトラン)、キシメラガトラン、ヒルジン、ヒロログ及びアルガトロバンからなる群より選ばれる化合物であって、その互変異性体、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオマー、薬理学的に許容される酸付加塩、溶媒和物、水和物又はプロドラッグの形態であってもよい化合物の、以下からなる群より選ばれる病気の子供の治療及び/又は予防のための薬剤を調製するための使用:
非出血性脳卒中、
心臓の非常に低い駆出率の子供の一次及び二次脳卒中防止;
急性脳卒中、急性冠症候群(ACS);
心筋梗塞;
高心血管系リスク;
先天性心疾患;
人工心臓弁;
不整脈;
心不全;
肥大性閉塞性心筋症(HOCM);
真性糖尿病;
末梢動脈疾患(PAD);
脳微細血管疾患;
肺梗塞;
オフポンプ冠動脈バイパス移植術;
シャント血栓症;
カテーテル血栓症;
透析装置における血栓塞栓事象;
肺塞栓症(PE);
診療中の子供(固定された子供);
癌;
妊婦の脳卒中、
妊婦の心不全(高リスク妊婦)、
妊婦の先天性凝固能亢進性疾患、
妊婦の溶血、高肝臓酵素及び低血小板(HELLP)症候群;
神経変性疾患、
脳微細血管疾患、
PAR1〜PAR4受容体によって媒介される疾患、
トロンビンによって誘導される酸化性ストレス、
血液病、
ヘパリン起因性血小板減少症、
多剤化学療法における血栓症、
中心静脈血栓症(CVT)、
HIV脳炎、
リウマチ様障害、
耳鳴及び
腎疾患。
【請求項2】
前記病気がVTEと付随している、請求項1記載の使用。
【請求項3】
前記化合物がダビガトラン、ダビガトランエテキシラート及び1-メチル-2-[4-(N-ヒドロキシアミジノ)-フェニルアミノメチル]-ベンゾイミダゾール-5-イル-カルボン酸-(N-2-ピリジル-N-2-エトキシカルボニルエチル)-アミドからなる群より選ばれる、請求項1又は2記載の使用。
【請求項4】
前記化合物がダビガトラン及びダビガトランエテキシラート又はその薬理学的に許容される酸付加塩からなる群より選ばれる、請求項1〜3のいずれか1項記載の使用。
【請求項5】
前記化合物がダビガトランエテキシラート又はその薬理学的に許容される酸付加塩である、請求項1〜4のいずれか1項記載の使用。
【請求項6】
前記化合物がダビガトランエテキシラートのメタンスルホン酸との酸付加塩である、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用。
【請求項7】
前記化合物が1日当り0.1〜600mgの範囲の投与量で適用される、請求項1〜6のいずれか1項記載の使用。
【請求項8】
以下からなる群より選ばれる病気の子供の治療及び/又は予防方法であって:
非出血性脳卒中、
心臓の非常に低い駆出率の子供の一次及び二次脳卒中防止;
急性脳卒中、急性冠症候群(ACS);
心筋梗塞;
高心血管系リスク;
先天性心疾患;
人工心臓弁;
不整脈;
心不全;
肥大性閉塞性心筋症(HOCM);
真性糖尿病;
末梢動脈疾患(PAD);
脳微細血管疾患;
肺梗塞;
オフポンプ冠動脈バイパス移植術;
シャント血栓症;
カテーテル血栓症;
透析装置における血栓塞栓事象;
肺塞栓症(PE);
診療中の子供(固定された子供);
癌;
妊婦の脳卒中、
妊婦の心不全(高リスク妊婦)、
妊婦の先天性凝固能亢進性疾患、
妊婦の溶血、高肝臓酵素及び低血小板(HELLP)症候群;
神経変性疾患、
脳微細血管疾患、
PAR1〜PAR4受容体によって媒介される疾患、
トロンビンによって誘導される酸化性ストレス、
血液病学、
ヘパリン起因性血小板減少症、
多剤化学療法における血栓症、
中心静脈血栓症(CVT)、
HIV脳炎、
リウマチ様障害、
耳鳴及び
腎疾患、
治療上有効な量の、ダビガトラン、ダビガトランエテキシラート、1-メチル-2-[4-(N-ヒドロキシアミジノ)-フェニルアミノメチル]-ベンゾイミダゾール-5-イル-カルボン酸-(N-2-ピリジル-N-2-エトキシカルボニルエチル)-アミド、メラガトラン(イノガトラン)、キシメラガトラン、ヒルジン、ヒロログ及びアルガトロバンからなる群より選ばれる化合物であって、その互変異性体、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオマー、薬理学的に許容される酸付加塩、溶媒和物、水和物又はプロドラッグの形態であってもよい化合物を、それを必要とする子供に投与する工程を含む前記方法。
【請求項9】
前記病気がVTEと付随している、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記化合物がダビガトラン、ダビガトランエテキシラート及び1-メチル-2-[4-(N-ヒドロキシアミジノ)-フェニルアミノメチル]-ベンゾイミダゾール-5-イル-カルボン酸-(N-2-ピリジル-N-2-エトキシカルボニルエチル)-アミドからなる群より選ばれる、請求項8又は9記載の方法。
【請求項11】
前記化合物がダビガトラン及びダビガトランエテキシラート又はその薬理学的に許容される酸付加塩からなる群より選ばれる、請求項8〜10のいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
前記化合物がダビガトランエテキシラート又はその薬理学的に許容される酸付加塩である、請求項8〜11のいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
前記化合物がダビガトランエテキシラートのメタンスルホン酸との酸付加塩である、請求項8〜12のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
前記化合物が1日当り0.1〜600mgの範囲の投与量で適用される、請求項8〜13のいずれか1項記載の方法。

【公表番号】特表2009−543844(P2009−543844A)
【公表日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−519957(P2009−519957)
【出願日】平成19年7月13日(2007.7.13)
【国際出願番号】PCT/EP2007/057258
【国際公開番号】WO2008/009640
【国際公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】