説明

直流電流遮断用小形スイッチ

【課題】 可動接点の開離速度を速くするとともに、発生するアークに磁界を加えてアークを引き伸ばし、しかも電離したガスによる再発弧を有効に防止する、直流電流遮断用小形スイッチを提供する。
【解決手段】
直流電流遮断用小形スイッチにおいて、固定接点18と可動接点15との間に挿入される遮断板装置19と、この遮断板装置19による電路の開時に発生するアークを磁気により引き伸ばすように、前記固定接点18と前記可動接点15との側方に配置される永久磁石21とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流電流遮断用小形スイッチに係り、特に、直流電流遮断時に発生するアークの消弧性能が優れた小形スイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図11は従来の消弧装置付き直流電流遮断用小形スイッチの直流電流の遮断部を示す斜視図、図12はその直流電流の遮断部の平面図、図13はその直流電流の遮断部の側面図である。
従来、消弧装置付き直流電流遮断用小形スイッチにおいては、図11に示すように、固定接点101と可動接点102からなる直流電流回路において、直流電流の遮断部103の近傍に永久磁石104を配置しておき、図12及び図13に示すように、直流電流の遮断時に発生するアーク105を永久磁石104の磁気により引き伸ばし消弧するようにしている(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−320375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した消弧装置付き直流電流遮断用小形スイッチでは、開閉機構とは別個に永久磁石を用いた消弧装置を配置して発生したアークを引き伸ばして消孤しており、接点間に流れる電流値によってアークが変化し、その変化するアークを引き伸ばす方向を磁界によってコントロールしなければならないといった磁界等によりアークを引き伸ばして消孤する方式の不安定要因を排除するためには、複雑な設計が必要であり、場合によっては大型化する必要があった。
【0005】
本発明は、上記状況に鑑みて、可動接点の開離速度を速くするとともに、発生するアークに磁界を加えてアークを引き伸ばし、しかも電離したガスによる再発弧を有効に防止する、直流電流遮断用小形スイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕直流電流遮断用小形スイッチにおいて、固定接点と可動接点との間に挿入される遮断板装置と、この遮断板装置による電路の開時に発生するアークを磁気により引き伸ばすように、前記固定接点と前記可動接点との側方に配置される永久磁石とを備えることを特徴とする。
【0007】
〔2〕上記〔1〕記載の直流電流遮断用小形スイッチにおいて、前記遮断板装置は操作ボタンの操作速度に因らず、一定で高速に水平方向に駆動させるスプリング反転機構とを備え、前記遮断板装置と前記スイッチの側壁で前記アークを断ち切ることを特徴とする。
〔3〕上記〔2〕記載の直流電流遮断用小形スイッチにおいて、前記アークの発生要因となる残留ガスを、前記遮断板装置により前記スイッチの側壁に配置される耐熱性絶縁板からなる消弧板の背後の空間に通じる前記固定接点の前方の狭路に押し込めて冷却し、前記アークの再発弧を抑制することを特徴とする。
【0008】
〔4〕上記〔3〕記載の直流電流遮断用小形スイッチにおいて、前記消弧板の背後の空間は該消弧板の上方に形成される穴からスイッチの内部空間に連通していることを特徴とする。
〔5〕上記〔1〕記載の直流電流遮断用小形スイッチにおいて、前記遮断板装置は、ケース中央凹部に案内される部分と、第2の転換子の下端突起が差し込まれる角穴と、前記ケース中央凹部に案内される部分の両側に、前記アークを遮断する部分と可動接片を押し上げる突起と、前記アークを遮断する先端部分とを具備することを特徴とする。
【0009】
〔6〕上記〔1〕記載の直流電流遮断用小形スイッチにおいて、可動接片と受部を配した共通端子との間を、前記可動接片と前記共通端子の動きを阻害しない形状の導電性薄板からなる補助接触板で直接接合して、前記可動接片と前記共通端子の位置や動作を安定させるとともに、接点閉時のバウンス対策とすることを特徴とする。
〔7〕上記〔1〕から〔6〕の何れか1項記載の直流電流遮断用小形スイッチにおいて、前記固定接点が固定されている接触端子の台金の一部を前記狭路に収まるように延長した、溝付きの前記固定接点の消耗保護板を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
(1)可動接点の開離速度を高めることができる。
(2)アークに側方から磁界を加えて、アークを磁気により安定的に引き伸ばすことができる。
(3)アークへの磁界の印加とアークの機械的に遮断を併用して確実な消弧を行うことができる。
【0011】
(4)アークの遮断を確実にし、かつ残留ガスの消滅による再発弧を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の直流電流遮断用小形スイッチの上面図である。
【図2】図1のA−A′線断面図である。
【図3】図2のB−B′線(接点閉時)断面図である。
【図4】図2のB−B′線(接点開時)断面図である。
【図5】図2のC−C′線(接点閉時)断面図である。
【図6】図2のC−C′線(接点開時)断面図である。
【図7】遮断板装置の斜視図である。
【図8】図6をベースとしたアークの消弧の様子を示す図である。
【図9】固定接点の前方の狭路を示す斜視図である。
【図10】固定接点の保護態様を示す固定接点の斜視図である。
【図11】従来の消弧装置付き直流電流遮断用小形スイッチの直流電流の遮断部を示す斜視図である。
【図12】従来の消弧装置付き直流電流遮断用小形スイッチの直流電流の遮断部の平面図である。
【図13】従来の消弧装置付き直流電流遮断用小形スイッチの直流電流の遮断部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の直流電流遮断用小形スイッチは、固定接点と可動接点との間に挿入される遮断板装置と、この遮断板装置による電路の開時に発生するアークを磁気により引き伸ばすように、前記固定接点と前記可動接点との側方に配置される永久磁石とを配置する。
【実施例】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の直流電流遮断用小形スイッチの上面図、図2は図1のA−A′線断面図、図3は図2のB−B′線(接点閉時)断面図、図4は図2のB−B′線(接点開時)断面図、図5は図2のC−C′線(接点閉時)断面図、図6は図2のC−C′線(接点開時)断面図、図7はその遮断板装置の斜視図、図8は図6をベースとしたアークの消弧の様子を示す図、図9は固定接点の前方の狭路を示す斜視図、図10は固定接点の保護態様を示す固定接点の斜視図であり、図10(a)は固定接点部の説明図(図6及び図8に対応)、図10(b)は固定接点部の斜視図である。
【0015】
これらの図において、1は操作ボタン、2はハウジング、3はカバー、4は第1の転換子、5はガイド、6はベース、7はピン、8は連結子、9は第1のコイルバネ、10は第2の転換子、11は第2のコイルバネ、12は滑動棒、13は補助接触板、14は可動接片、14Aは可動接片14の両側に形成される突部であり、後述する遮断板装置19の突起19Dによって可動接片14が押し上げられて、後述する固定接点18から開離するように構成されている。15は可動接点、16は共通端子、17は接触端子、18は固定接点、19は遮断板装置、19Aはベース中央凹部に案内される部分、19Bは第2の転換子10の下端突起が差し込まれる角穴、19Cはアークを遮断する部分、19Dは可動接片14を押し上げる突起、19Eはアークを遮断する先端部分、20は耐熱性絶縁物の消弧板、21は永久磁石、22はケース床部、23は狭路、24は消弧板20の下方の穴、25は消弧板20の背後の空間、26は消弧板20の上方の穴、27はスイッチ内部の空間、28はアーク、31は固定接点18の消耗保護板、32は固定接点18の消耗保護板31に形成された溝である。
【0016】
以下、この直流電流遮断用小形スイッチの各部の説明を行う。
まず、図7に示すように、遮断板装置19は、ケース中央凹部に案内される部分19Aの中央部に第2の転換子10の下端突起が差し込まれる角穴19Bが形成されており、そのケース中央凹部に案内される部分19Aの両側にアークを遮断する部分19Cが設けられている。このアークを遮断する部分19Cには、可動接片14を押し上げる突起19Dとアークを遮断する先端部分19Eとが形成されている。
【0017】
次に、アークの消弧部について説明すると、図8及び図9に示すように、固定接点18の前方のケース床部22にはスイッチの側壁に向かって狭路23が形成され、その狭路23はスイッチの側壁としての消弧板20で仕切られている。この消弧板20には下方の穴24が設けられており、この穴24は消弧板20の背後の空間25に繋がっている。
次に、固定接点の消耗対策について説明する。
【0018】
図10に示すように、固定接点18が固定されている台金(接触端子17)の一部を前方の狭路23に収まるように延長した、固定接点18の消耗保護板31を形成する。その中央には溝32加工を施している。これにより、接点開時におけるアーク28の極点となる部分を、固定接点18から移動させて消耗対策とするようにしている。すなわち、溝32は、アーク28を消耗保護板31のより先端に誘導させるための道筋となる。
【0019】
そこで、操作ボタン1がオフ操作されると、遮断板装置19はボタン1の操作速度とは関係なく、反転機構により高速動作され、固定接点18と可動接点15の間に遮断板装置19が高速で挿入され、アーク28は遮断板装置19と側壁となる消弧板20によって断ち切られる。このとき、電極材料が蒸発したガスと、アーク28を取り巻く大気が熱によって電離したガスは、図8に示すように、ケース床部22に形成される狭路23を通じて、さらに、側壁となる消弧板20の下部に形成された穴24を通じて側壁となる消弧板20の背後の空間25で冷却されながら、側壁となる消弧板20の上方の穴26から可動接片14が操作される広いスイッチ内部の空間27へと導かれるので、電離したガスによる再発弧を有効に抑止することができる。
【0020】
上記したように、本発明の直流電流遮断用小形スイッチは、可動接片14の開離速度を速くするとともに、発生するアーク28に磁界を加えてアークを引き伸ばし、アーク電圧を高めて電流を減衰させることを基本とし、さらに、減衰状態のアーク28を遮断板装置19と側壁となる消弧板20によって挟み込みアーク28を断ち切るとともに、電極材料が蒸発したガスと、アークを取り巻く大気が熱によって電離したガスをも遮断分離し、それらを狭路23に押し込め、側壁背後の空間25を介して冷却することによって絶縁耐力を高め、十分な消弧を行うようにした。
【0021】
以下、本発明の直流電流遮断用小形スイッチをさらに詳細に説明する。
(1)可動接点の開離の高速化
可動接点15の開閉は、スプリング反転機構によって水平動作する遮断板装置19によって行われ、これによりスイッチの操作ボタン1の操作速度と無関係に高開離速度を得ることができる。
【0022】
なお、接点閉時における接触圧力を確実にするため、第2のコイルバネ11による力を滑動棒12によって可動接片14に与える形式を併用している。
スイッチの内部は、操作方向と平行にガイド5によって3つの部屋に分かれていて、中央が遮断板装置19を駆動する機構を収めている部屋であり、この中央の両脇の部屋はそれぞれ、固定接点18及び可動接点15を収めている部屋となっている。
【0023】
中央の部屋には、第1のコイルバネ9を中央窪みに設置した第2の転換子10が回転軸を持ってガイド5に配置されている。この軸は操作ボタン1が回転運動するための軸とは距離を持って配置されている。
操作ボタン1には直接第1の転換子4が嵌合していて、同じ回転軸を基準として、同じ回転運動をする。第1の転換子4には、中央真下に先端が球体となったピン7が嵌合している。よって、操作ボタン1を操作することによって、このピン7が回転運動することになる。第2の転換子10に収められている第1のコイルバネ9の上側には、ピン7の球体に見あう窪みを持った連結子8が取付けられていて、ピン7と組み合わさりボールジョイントとなる。
【0024】
第2の転換子10の窪みの奥側には第1のコイルバネ9の内径とほぼ同じ径の突起があり、そこに置かれる第1のコイルバネ9は水平には移動できない。これと逆の上側は、操作ボタン1の操作方向に大きく口を開いた漏斗状の窪みであるので、第1のコイルバネ9は圧縮方向以外にこの方向にも動きが取れ、弓なりに撓むことができる。
操作ボタン1を押し始めると、ピン7は第1のコイルバネ9を圧縮し始めるが、第2の転換子10は回転しない。その回転軸を超えた辺りで撓み方向が逆となり、それとともに弾けるように第1のコイルバネ9が伸びる。この力で第2の転換子10は回転する。この様に、第2の転換子10は操作ボタン1の操作速度に関係なく一定で高速なスプリング反転動作を行う。
【0025】
第2の転換子10下端には角棒状の突起があり、ここには遮断板装置19の中央に空いた角穴19Bに、緩やかに差し込まれる。遮断板装置19は「ひ」の字形をしていて(図7参照)、この中央部がケースに中央に掘られた凹部を案内として水平摺動する。こうして、第2の転換子10のスプリング反転動作による回転運動の力がそのまま遮断板装置19の水平運動へと変換される。そして、遮断板装置19は、操作ボタン1の押された側へ一定に高速水平方向に移動する。
【0026】
先に、スイッチ内部はガイド5によって3つの部屋に分かれていると述べたが、ガイド5とケースの間には、遮断板装置19を通過させるだけの空間を有し、遮断板装置19は、一つのものとして、「ひ」の字の左右の羽の部分が双方の各電点まで伸びている。
遮断板装置19のこの部分には、可動接片14の母体幅に干渉しない程度に配した楔状の突起19Dが各2個づづあり、可動接片14の両側に出る耳部を押し上げることによって、可動接点15が開離する。
【0027】
これが、接点をこじ開けるような動きとなるので、前記した高速で動くということとも相まって、溶着に対する強制開離として作用する。
図5,6,8に示すように、可動接片14の動きは、支点部を受で支えるシーソータイプであるが、可動接片14と受部を配した共通端子16との間を、この動きを阻害しない形状の導電性薄板(補助接触板)13で直接接合して、これらの位置や動作を安定させるとともに、接点閉時のバウンス対策としている。
【0028】
補助接触板13の接合部分は、可動接片14の接点接触部と反対側、及び共通端子16のベース6に固定される部分付近で、その途中である可動接片14と受部の嵌合領域などは接合していないため、緩やかに自由に動くことができる。
第1の転換子4は、可動接片14の上方位置に第2のコイルバネ11と滑動棒12を設置していて、その滑動棒12の先端は可動接片14の背と接し、第1の転換子4の回転運動によって摺動移動しながら、第2のコイルバネ11の力を可動接片14に伝える。
【0029】
接点閉時には、図5に示すように、滑動棒12の位置が受部と接点の間にあり、剛体である可動接片14が受部を支点として固定接点18に接触圧力を確実に加える。
接点開時には、図6に示すように、滑動棒12が受部を通り越した位置となり、可動接片14を押し付ける力が極度に低下する。こうなる少し前に遮断板装置19は可動接片14を持ち上げ始めるから、非常にスムーズで素早く接点が開くことになる。
(2)磁界の印加及びアークの安定的引き伸し
接点の前方の空間を広く取り、図2に示すように、永久磁石21を操作方向と平行に接点脇に設置して、発生するアーク28をその空間へ大きく引き伸ばす。図2に示すように、2極の場合は、各々の極に対し1個づつの永久磁石21を配置する。このとき、永久磁石21のS極、N極が向かい合う状態にする。そうすることによって、磁力線が平行に揃いやすくなり、接点間に安定した磁界を与えることができ、アークを引き伸ばす方向を安定させることができる。なお、永久磁石21と接点部分18,15とはガイド5の壁で隔てられており、永久磁石21の長寿命化を図ることができる。
(3)機械的遮断
上記(1)で説明したように、図6に示される接点開時は、操作ボタン1を操作すると、遮断板装置19が接点方向に水平移動して、図7に示した遮断板装置19の突起19Dで可動接片14の突部14Aを持ち上げ、接点が開き始める。この時発生するアーク28は、上記(2)で説明したように、磁界を加えられ引き伸ばされて、さらに接点前方の側壁に設置した耐熱性絶縁物の消弧板20に触れて減衰する。この状態を追従するように、遮断板装置19は可動接点15、固定接点18間に割り込み、遮断板装置19のアークを遮断する先端部分19Eが消弧板20に当たりアーク28を挟み込んで断ち切る。図9に示すように、固定接点18の前方のケース床部22には遮断板装置19が覆える程度の狭路23が側壁に向かって窪んで形成されていて、さらに側壁としての消弧板20に開けられた穴24より、その背後の空間25に繋がっている。前記したアーク28を挟み込み断ち切った状態では遮断板装置19が固定接点18と前方の狭路23を塞ぎ込み、発生した高温残留ガスも閉じ込めて、さらに穴24から側壁の背後の空間25に追い込んで冷却し消滅させる。
【0030】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の直流電流遮断用小形スイッチは、可動接点の開離速度を速くするとともに、発生するアークに磁界を加えてアークを引き伸ばし、しかも電離したガスによる再発弧を有効に防止する、直流電流遮断用小形スイッチとして利用可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 操作ボタン
2 ハウジング
3 カバー
4 第1の転換子
5 ガイド
6 ベース
7 ピン
8 連結子
9 第1のコイルバネ
10 第2の転換子
11 第2のコイルバネ
12 滑動棒
13 補助接触板
14 可動接片
14A 可動接片の両側に形成される突部
15 可動接点
16 共通端子
17 接触端子
18 固定接点
19 遮断板装置
19A ケース中央凹部に案内される部分
19B 第2の転換子の下端突起が差し込まれる角穴
19C アークを遮断する部分
19D 可動接片を押し上げる突起
19E アークを遮断する先端部分
20 耐熱性絶縁物の消弧板
21 永久磁石
22 ケース床部
23 狭路
24 消弧板の下方の穴
25 消弧板の背後の空間
26 消弧板の上方の穴
27 スイッチ内部の空間
28 アーク
31 固定接点の消耗保護板
32 固定接点の消耗保護板に形成された溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定接点と可動接点との間に挿入される遮断板装置と、該遮断板装置による電路の開時に発生するアークを磁気により引き伸ばすように、前記固定接点と前記可動接点との側方に配置される永久磁石とを備えることを特徴とする直流電流遮断用小形スイッチ。
【請求項2】
請求項1記載の直流電流遮断用小形スイッチにおいて、前記遮断板装置は操作ボタンの操作速度に因らず、一定で高速に水平方向に駆動させるスプリング反転機構とを備え、前記遮断板装置と前記スイッチの側壁で前記アークを断ち切ることを特徴とする直流電流遮断用小形スイッチ。
【請求項3】
請求項2記載の直流電流遮断用小形スイッチにおいて、前記アークの発生要因となる残留ガスを、前記遮断板装置により前記スイッチの側壁に配置される耐熱性絶縁板からなる消弧板の背後の空間に通じる前記固定接点の前方の狭路に押し込めて冷却し、前記アークの再発弧を抑制することを特徴とする直流電流遮断用小形スイッチ。
【請求項4】
請求項3記載の直流電流遮断用小形スイッチにおいて、前記消弧板の背後の空間は該消弧板の上方に形成される穴からスイッチの内部空間に連通していることを特徴とする直流電流遮断用小形スイッチ。
【請求項5】
請求項1記載の直流電流遮断用小形スイッチにおいて、前記遮断板装置は、ケース中央凹部に案内される部分と、第2の転換子の下端突起が差し込まれる角穴と、前記ケース中央凹部に案内される部分の両側に、アークを遮断する部分と可動接片を押し上げる突起と、アークを遮断する先端部分とを具備することを特徴とする直流電流遮断用小形スイッチ。
【請求項6】
請求項1記載の直流電流遮断用小形スイッチにおいて、可動接片と受部を配した共通端子との間を、前記可動接片と前記共通端子の動きを阻害しない形状の導電性薄板からなる補助接触板で直接接合して、前記可動接片と前記共通端子の位置や動作を安定させるとともに、接点閉時のバウンス対策とすることを特徴とする直流電流遮断用小形スイッチ。
【請求項7】
請求項1から6の何れか1項記載の直流電流遮断用小形スイッチにおいて、前記固定接点が固定されている接触端子の台金の一部を前記狭路に収まるように延長した、溝付きの前記固定接点の消耗保護板を具備することを特徴とする直流電流遮断用小形スイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−77506(P2013−77506A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217634(P2011−217634)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000230722)日本開閉器工業株式会社 (79)
【Fターム(参考)】