説明

相互遠隔見守り支援システム、支援方法、及びプログラム

【課題】日々の活動の様子を友人や家族、見守り役との間で相互に交換し、お互いに見守り見守られ、活動の様子を手がかりに簡単な操作で相互にコミュニケーションすることができ、コミュニケーションを通じてお互いに励まし合い、刺激を受け、日々の暮らしの活力を得てQOL(生活の質)の向上を図れるようにすること。
【解決手段】本発明は、通信ネットワーク500にそれぞれ接続され、見守る側に設けられた複数の第1の端末300と、通信ネットワーク500にそれぞれ接続され、複数の第1の端末300のうちの何れかによって見守られる側に設けられた複数の第2の端末200とのうち、予め相互通信が許可された第1の端末300と第2の端末200との、通信ネットワーク500を介した相互通信を中継する中継手段400を備えた相互遠隔見守り支援システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、家族や友人など親しい利用者同士をグループ化して、お互いの利用者装置をネットワークを介して常時接続し、利用者間の距離に制限されることなくいつでもすぐにコミュニケーションできることで安心感を得、お互いの様子がわかることで遠隔からのゆるやかな相互の見守りを支援する相互遠隔見守りシステム、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
これまでの生活では地域の住民のつながりが強く、住居も長屋形式で隣の生活の様子をなんとなく感じとることができた。このため、独居老人が倒れた場合も、「いつもこの時間帯にゴミを出しに来るのに来ていない」、「いつもこの時間帯に病院に来るのに来ていない」、「ポストに新聞がたまっている」、「御用聞きの人に何の返事もない」、「夜になっても部屋の電気がついていない」、「テレビの音が聞こえない」、「雨戸が閉まったままだ」など、近隣の人が異変に気づき、早期に対応することができた。しかし昨今では特に都市部において地域の住民間でのつながりは薄く、住居も防音性が向上し、マンションなど日々の生活の様子を伺い知ることの難しい形態に変化してきている。高齢者のみの世帯や独居老人の日々の健康や安否を確認するために、遠方に住む家族は実際に様子を見に行くことは難しく、生活の様子がわからないので「もう寝ているかしら?」と電話するにも気遣いが先にたち、連絡がとりづらい傾向にあった。自治体の福祉担当者や見守りボランティア等は1人で複数人を担当しているため、自宅を訪ねて様子のチェックを行うのにはおのずと限界があり、十分には目が行き届かないといった問題があった。
【0003】
このような事情のもと、最近では、高齢者を見守るための新たなサービスが提供されてきている。例えば、神戸市では、大阪ガス株式会社が提供するサービスである「るるるコールS」(非特許文献1、及び非特許文献2)を利用して独居高齢者のガス使用量を監視し、ガスの使用量が[0]の状態があると、市内各所の在宅介護支援センター等に大阪ガスコールセンタより電子メールを送信し、ガスを使っていない人に電話で連絡、必要であれば訪問を行い安否を確認している。
【0004】
一方、松下電工株式会社が提供する「みまもりネット」サービス(非特許文献3)では、家の中に設置した複数のセンサにより高齢者の在室状況(時間・部屋名)を検出し、1日1回指定した時間に家族の携帯電話やパソコンなどに電子メールで送信し、家族が高齢者の日常生活の動線に変化がないか、遠隔から監視することができる。
【0005】
また、象印マホービン株式会社が提供するサービスである「みまもりほっとライン」(非特許文献4)では、無線通信機を内蔵した電気ポットを高齢者が使うと、その情報がインターネットを通じて、離れて暮らす家族に送信されるサービスで、家族はその様子を定期的に、あるいは気になったときに携帯電話やパソコンで確認できる。
【0006】
また、富士通株式会社の提供するサービスであり、誰にでも簡単に使えることをコンセプトとした携帯電話機「らくらくホンIII F672i」(非特許文献5)には携帯初の「歩数計」が搭載され、健康管理だけでなく安否確認も行うことができる。この携帯電話機によれば、毎日決まった時間、決まった相手にその日の歩数を送れる機能があり、遠隔に住む家族が高齢者の安否を確認する助けとなる。また、予めメールの題名(例えば「元気」)とメールアドレス(○○○○○○@XXX.YY.ZZ)を設定しておくと、このメールアドレス(○○○○○○@XXX.YY.ZZ)から「元気」という題名のメールを受信した際、最後に端末を開閉した時間と歩数を自動返信する機能もある。
【非特許文献1】http://www.osakagas.co.jp/Press/pr9709/Html/9_17.htm
【非特許文献2】http://www.osakagas.co.jp/html/faq/rururu.htm
【非特許文献3】http://www.mew.co.jp/mimamori/index.html
【非特許文献4】http://www.mimamori.net/
【非特許文献5】http://www.nttdocomo.co.jp/p_s/products/keitai/unique/f672i/f672i1.html
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような従来の遠隔サービスでは、以下のような問題がある。
【0008】
すなわち、故郷に残してきた年老いた両親の日々の健康を心配する子供たちや、老人が元気に暮らしているか、孤独死していないか心配する自治体の高齢者保健福祉担当者が上記の見守りサービスを利用する場合もある。
【0009】
しかしながら、ガスを使っていないオール電化の住宅の場合、ガスの使用量を手掛かりとした非特許文献1及び非特許文献2のような安否確認サービスは役に立たない。
【0010】
また、ポットの場合は、夏場など熱いお茶が好まれない季節もあり、個人的な趣味もある。このため、非特許文献4のようなサービスでは、日々の安否を確認するには情報量が不足な場合もある。
【0011】
また、非特許文献3のように各部屋にセンサを設置する方法では、どの部屋にいても高齢者が監視されているような気分になり、また非特許文献5のように歩数計を用いたサービスの場合には、出歩くことのできない高齢者には適用ができない。
【0012】
さらに、上述したいずれの遠隔サービスも、家族や自治体担当者側からの一方向の見守りであり、高齢者によっては「監視されている」と受け止める場合もあり、精神的な満足度の向上やQOL(生活の質)の向上が必ずしも実現できていないという問題がある。
【0013】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、日々の活動の様子を友人や家族、見守り役との間で相互に交換し、お互いに見守り見守られ、活動の様子を手がかりに簡単な操作で相互にコミュニケーションすることができ、コミュニケーションを通じてお互いに励まし合い、刺激を受け、日々の暮らしの活力を得てQOL(生活の質)の向上を図ることが可能な相互遠隔見守り支援システム、支援方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0015】
すなわち、請求項1の発明の相互遠隔見守り支援システムでは、通信ネットワークにそれぞれ接続され、見守る側に設けられた複数の第1の端末と、通信ネットワークにそれぞれ接続され、複数の第1の端末のうちの何れかによって見守られる側に設けられた複数の第2の端末とのうち、予め相互通信が許可された第1の端末と第2の端末との、通信ネットワークを介した相互通信を中継する中継手段を備える。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1の発明の相互遠隔見守り支援システムにおいて、第1及び第2の端末には、集音手段と、撮像手段と、音出力手段と、表示手段とがそれぞれ備えられる。また、中継手段は、相互通信を中継する第1及び第2の端末のうち一方の端末が、集音手段で集音した音情報と、撮像手段で撮像した撮像情報とを送信した場合には、送信された音情報と撮像情報とを他方の端末に送信し、音情報を他方の端末の音出力手段から出力させるとともに、撮像情報を他方の端末の表示手段から表示させる。
【0017】
請求項3の発明は、請求項2の発明の相互遠隔見守り支援システムにおいて、第1及び第2の端末には、通信相手である端末に通知信号を送信する通知信号送信手段がそれぞれ備えられる。また、中継手段は、相互通信を中継する第1及び第2の端末のうち一方の端末が、通知信号送信手段から通知信号を送信した場合には、送信された通知信号を他方の端末に送信し、一方の端末と他方の端末との通信ネットワークを介した相互通信を中継し、通知信号に基づく通知音を他方の端末の音出力手段から出力させる。
【0018】
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3の発明の相互遠隔見守り支援システムにおいて、第1又は第2の端末には、相互通信する端末を選択するための選択入力を受け付け、入力された選択入力に対応する選択信号を送信する選択手段が備えられる。また、中継手段は、第1又は第2の端末から送信された選択信号に対応する端末が、予め相互通信が許可された端末である場合には、この端末と、選択信号の送信元の端末との、通信ネットワークを介した相互通信を中継する。
【0019】
請求項5の発明は、請求項2乃至4のうち何れか1項の発明の相互遠隔見守り支援システムにおいて、同一の第2の端末との相互通信が許可された第1の端末が複数存在し、これら複数の第1の端末は、同一の第2の端末の利用者によって指定される。
【0020】
請求項6の発明は、請求項2乃至5のうち何れか1項の発明の相互遠隔見守り支援システムにおいて、第2の端末には、見守られる側における人間の存在や動きを感知すると、感知信号を中継手段に出力する感知センサが備えられる。また、中継手段は、感知センサから感知信号が出力された場合には、出力された感知信号を、第2の端末との相互通信が許可された第1の端末に送信する。
【0021】
請求項7の発明は、請求項6の発明の相互遠隔見守り支援システムにおいて、感知センサから出力される検知信号の出力特性に基づいて、この第2の端末の操作者が在室しているか不在であるかを判定する在/不在判定手段と、在/不在判定手段による判定結果を、この第2の端末との相互通信が許可された第1の端末に通知する在/不在結果通知手段とを前記中継手段に備える。
【0022】
請求項8の発明は、請求項1乃至7のうち何れか1項の発明の相互遠隔見守り支援システムにおいて、第2の端末によって利用された履歴を記録する履歴記録手段と、履歴記録手段に記録された履歴を、対応する第2の端末との相互通信が予め許可された第1の端末に通知する履歴通知手段とを前記中継手段に備える。
【0023】
請求項9の発明は、請求項8の発明の相互遠隔見守り支援システムにおいて、履歴記録手段に記録された最新の履歴と、過去に記録された履歴の平均的な傾向との比較結果に基づいて、最新の履歴が、履歴の平均的な傾向と異なるか否かを判定する判定手段と、判定手段によって、異なると判定された場合には、予め定めた連絡先へ異常事態を通知する異常通知手段とを前記中継手段に備える。
【0024】
請求項10の発明は、請求項7の発明の相互遠隔見守り支援システムにおいて、判定結果に基づいて得られる第2の端末の操作者が在室しているか不在であるかの履歴である在/不在履歴を記録する履歴記録手段と、履歴記録手段に記録された履歴を、対応する第1の端末との相互通信が予め許可された第2の端末に通知する履歴通知手段とを中継手段に備えている。
【0025】
請求項11の発明は、請求項10の発明の相互遠隔見守り支援システムにおいて、履歴記録手段に記録された最新の在/不在履歴と、過去に記録された在/不在履歴の平均的な傾向との比較結果に基づいて、最新の在/不在履歴が、前記平均的な傾向と異なるか否かを判定する判定手段と、判定手段によって、異なると判定された場合には、予め定めた連絡先へ異常事態を通知する異常通知手段と中継手段に備えている。
【0026】
請求項12の発明は、通信ネットワークにそれぞれ接続され、見守る側に設けられた複数の第1の端末と、通信ネットワークにそれぞれ接続され、複数の第1の端末のうちの何れかによって見守られる側に設けられた複数の第2の端末とのうち、予め相互通信が許可された第1の端末と第2の端末との相互通信を、通信ネットワークを介して行わせる相互遠隔見守り支援システムに適用される方法である。この方法は、第1及び第2の端末を利用する利用者の利用者登録を行う登録ステップと、見守られる側における人間の存在や動きを感知すると、感知信号を出力する感知センサを第2の端末に備え、感知センサから出力された感知信号を第2の端末を介して取得する感知信号取得ステップと、取得ステップにおいて取得した感知信号を、出力元の第2の端末に関連付けてデータテーブルに書き込む感知信号書込ステップとを備える。
【0027】
請求項13の発明は、請求項12の発明の相互遠隔見守り支援方法において、第1及び第2の端末からそれぞれ認証情報を取得する認証情報取得ステップと、認証情報取得ステップで取得した認証情報と、登録ステップでなされた利用者登録の内容とが一致する場合には、認証情報に対応する端末の認証を行う認証ステップと、認証ステップによって認証された第1及び第2の端末のうち、予め相互通信が許可されたもの同士の相互通信を中継する通信経路を確立する通信経路確立ステップとを備えている。更に、通信経路確立ステップで通信経路を確立された端末間でなされる音声情報及び/又は動画情報の送受信を中継する情報中継ステップと、第2の端末がなされた操作に関する操作ログを第2の端末に関連付けてデータテーブルに書き込む操作ログ書込ステップと、通信経路確立ステップで確立された通信経路を使った相互通信が終了した場合には、相互通信終了ログを、相互通信していた第1及び第2の端末に関連付けてデータテーブルに書き込む終了ログ書込ステップとを備える。
【0028】
請求項14の発明は、請求項13の発明の相互遠隔見守り支援方法において、第2の端末は、撮像手段と、集音手段とを備える。また、情報中継ステップは、通信経路確立ステップで通信経路が確立された第1の端末からの指示に基づいて、この第1の端末との通信経路が確立された第2の端末に備えられた撮像手段及び集音手段とを遠隔から起動させる遠隔起動ステップと、撮像手段によって撮像された撮像情報と、集音手段によって集音された音情報とを第2の端末から取得し、この撮像情報と音情報とを、この第2の端末との通信経路が確立された第1の端末に送信する情報送信ステップとからなる。更に、通信経路確立ステップで確立された通信経路を使った相互通信が終了した場合には、遠隔起動ステップで起動された撮像手段及び集音手段の動作を停止させる動作停止ステップを更に備える。
【0029】
請求項15の発明は、請求項13又は請求項14の発明の相互遠隔見守り支援方法において、第2の端末は、表示手段を備える。また、情報中継ステップは、通信経路確立ステップで通信経路が確立された第2の端末に備えられた表示手段の電源が投入されているか否かを検知する検知ステップと、検知ステップで、表示手段の電源が投入されていないことを検知したのであれば、この表示手段の電源を遠隔から投入する電源投入ステップとからなる。
【0030】
請求項16の発明は、通信ネットワークにそれぞれ接続され、見守る側に設けられた複数の第1の端末と、通信ネットワークにそれぞれ接続され、複数の第1の端末のうちの何れかによって見守られる側に設けられた複数の第2の端末とのうち、予め相互通信が許可された第1の端末と第2の端末との相互通信を、通信ネットワークを介して行わせる相互遠隔見守り支援システムに適用されるプログラムである。このプログラムは、第1及び第2の端末を利用する利用者の利用者登録を行う登録機能、第1及び第2の端末からそれぞれ認証情報を取得する認証情報取得機能、取得した認証情報と、利用者登録の内容とが一致する場合には、認証情報に対応する端末の認証を行う認証機能、認証された第1及び第2の端末のうち、予め相互通信が許可されたもの同士の相互通信を中継する通信経路を確立する通信経路確立機能、通信経路を確立された端末間でなされる音声情報及び/又は動画情報の送受信を中継する情報中継機能をコンピュータに実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0031】
本発明の相互遠隔見守り支援システム、支援方法、及びプログラムによれば、日々の活動の様子を友人や家族、見守り役との間で相互に交換し、お互いに見守り見守られ、活動の様子を手がかりに簡単な操作で相互にコミュニケーションすることができ、コミュニケーションを通じてお互いに励まし合い、刺激を受け、日々の暮らしの活力を得てQOL(生活の質)の向上を図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本願発明に係る相互遠隔見守り支援システム、支援方法、及びプログラムは、例えば自治体によって提供されるものであり、家族や自治体のスタッフ等が利用者の様子をうかがうことができるばかりでなく、しばらく利用することで利用者の生活パターンを把握できるため、生活パターンに変化が見られたときに自動検知することも可能で、話し相手になることや励ましの連絡をすることができ、さらに家族が離れた場所で生活している場合にも生活パターンに変化が見られたときに話し相手になることや励ましの連絡を行うことができる。利用者同士が友人の場合は、お互いに見守り見守られることができる。もちろん、離れて住む家族も小さな子供のみが留守番しているなどのとき、高齢者(おじいちゃん、おばあちゃん)がそれを見守ることができる。
【0033】
なお、ここで称している「スタッフ」とは、自治体の担当者をはじめ家族を含む利用者の状態を見守る者をいう。また、本願発明による相互遠隔見守り支援システム、支援方法、及びプログラムを提供するところとして利用者の健康管理を行うことや相互の見守りが可能であればスポーツジムやフィットネスクラブ等であってもよく、管理側の業種や形態は特に限定されない。
【0034】
以下、本願発明の相互遠隔見守り支援方法を適用した相互遠隔見守り支援システムに係る実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0035】
図1は、本発明の実施の形態に係る相互遠隔見守り支援システム100のシステム環境の一例を示す構成概略図である。図1に示すように、同実施の形態に係る相互遠隔見守り支援システム100は、インターネット等のネットワーク500を介して互いに接続された利用者装置200、スタッフ(家族)装置300(以下、単に「スタッフ装置300」と称する)、及び管理装置400から構成してなる。利用者装置200は、老人等のような見守られる側の利用者の自宅に配置されたパソコン等の端末からなる。スタッフ装置300は、利用者装置200の利用者を見守る自治体の事務所や、親族の自宅に配置されたパソコン等の端末からなる。また、管理装置400は、相互遠隔見守り支援システム100を運営する運営者側に配置されたサーバ等からなる。図1では、簡略のために、2台の利用者装置200(#1,#2)、1台のスタッフ装置300のみしか図示していないが、これに限定される訳ではなく、それよりも多い数の利用者装置200やスタッフ装置300がネットワーク500に接続されうる。また、図1では、1台の管理装置400のみを図示しているが、管理装置400もまた1台に限定されるものではなく、機能分散された複数のサーバ等によって構成するようにしても良い。
【0036】
図2は、相互遠隔見守り支援システム100の詳細構成例を示す機能ブロック図である。利用者装置200は、例えば図示しないCPU、ROM、RAM等によりプログラム実行等が制御されるパーソナルコンピュータであり、入力デバイス205、ディスプレイ装置210、マイク220、スピーカ230、カメラ240、及び人感センサ280を備えている。また、ネットワーク500を介してスタッフ装置300や管理装置400、他の利用者装置200等と情報を送受信するモデム等の送受信部250と、プログラムやデータを記憶するハードディスク等の記憶装置260とを備える。
【0037】
入力デバイス205は、マウス、キーボード等が用いられ、利用者は、これらを操作することによって、利用者装置200を操作するための操作入力を行う。
【0038】
ディスプレイ装置210は、本実施の形態では、入力デバイス205によって入力されたデータの表示、管理装置400に送信するデータ項目等の表示、あるいは他の利用者やスタッフと、家族とのコミュニケーションにおける会話中の映像の表示、管理装置400から送信される健康情報(生活習慣病の改善方法等)等の表示を行う。スピーカ230は、これら会話等の音声や、管理装置400から表示される健康情報等とともに送られる音楽等を出力する。
【0039】
また、ディスプレイ装置210は、例えばワンタッチ入力可能なタッチ式ディスプレイ装置で構成しても良い。このようなタッチ式ディスプレイ装置で構成することによって、画面に同じグループの他の利用者や、家族、スタッフ等の画像(動画あるいは静止画)が表示されるとともに、この利用者装置200の利用者が、表示された部分にタッチすることによって選択すると、後に詳述するコミュニケーション処理部263によってなされるコミュニケーション処理によってその画像の相手のスタッフ装置300又は別の利用者装置200をインターホンのように呼び出すとともに、呼出先のスタッフ装置300又は利用者装置200と接続されるようにしている。
【0040】
なお、このような入力機能を備えたタッチ式ディスレイ装置の代わりに、通常の液晶等による表示専用のディスプレイと、このディスプレイから表示された内容に応じた入力を受け付けるための専用の入力ボタン等とを組み合わせたディスプレイ装置210を用いても良い。このようなディスプレイ装置210を用いることによっても、各ボタンに、ワンタッチ接続する相手となるスタッフ装置300又は別の利用者装置200を設定しておき、当該ボタンを押下するのみで相手の許可を必要とせず相手側の装置と接続され、簡単に会話を行えるようにすることも可能である。
【0041】
マイク220は、利用者装置200の利用者の声を集音し、集音信号を送受信部250に送る。カメラ240は、利用者装置200の利用者の画像を撮像し、撮像情報を送受信部250に送る。これら集音信号及び撮像情報は、さらに送受信部250からネットワーク500を介してスタッフ装置300や他の利用者装置200に送られ、これによって、送信先のスタッフ装置300や他の利用者装置200のディスプレイ装置から、撮像情報に基づく画像が表示されたり、スピーカから、集音信号に基づく音声が出力されるようにしている。
【0042】
人感センサ280は、利用者の生活パターンを検出するものであり、例えば赤外線センサや超音波センサが用いられ、利用者の動きや体温等を検出し、検出信号を記憶装置260に送る。
【0043】
本実施の形態に係る相互遠隔見守り支援システム100は、ネットワーク500を介して管理装置400から配信されたプログラムを読み込み、このプログラムによって動作が制御されるコンピュータによって実現される。このプログラムには、会員登録プログラムと、コミュニケーション処理プログラムとがある。会員登録プログラムは、会員登録処理を行うプログラムである。また、コミュニケーション処理プログラムは、利用者装置200の利用者が、他の利用者装置200の利用者や、スタッフ装置300を利用するスタッフや家族や親族等との会話を行うために必要なコミュニケーション処理を実行するプログラムである。
【0044】
なお、これらプログラムは、パソコン等からなる利用者装置200に実行させることができるものであって、ネットワーク500を介して配信されるのに限らず、例えば磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハ一ドディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記録媒体に格納して頒布することもできる。また、この記録媒体に格納されるプログラムは、利用者装置200に実行させるソフトウェア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)を利用者装置200内に構成させる設定プログラムをも含む。
【0045】
記憶装置260は、この会員登録プログラムを実行するエリアである会員登録部261と、コミュニケーション処理プログラムを実行するエリアであるコミュニケーション処理部263とを備えている。さらに、モニタ部265と、人感センサ280から送られた検出信号を記憶するデータ記憶部267とも備えている。
【0046】
会員登録部261は、会員登録プログラムが動作することによって、会員登録処理を行う。会員登録プログラムが動作すると、ネットワーク500を介して、当該相互遠隔見守り支援システム100を利用するために、例えば自治体や、健康サービスを実施している企業等からWeb上に開示されているホームページ(以下、単に「HP」とも称する)にアクセスする。そして、このホームページで開示されている会員登録要領をディスプレイ装置210から表示させる。
【0047】
利用者装置200の利用者は、このようにディスプレイ装置210から表示された会員登録要領の指示にしたがって、必要なデータを入力すると、会員登録プログラムが、この入力したデータを、健康サービスを実施している企業等のWeb側に送信する。これに応答して、Web側からはユーザIDとパスワードが利用者装置200に返信される。
【0048】
利用者装置200の利用者は、このようにして取得したユーザIDとパスワードとを送信することによって、Web側から送信される会員登録用の詳細情報を入力するための画面をディスプレイ装置210に表示させ、これに従って個人データ等を入力し、入力した個人データ等をWeb側に送信することによって会員登録処理を完了する。
【0049】
ここで個人データは、利用者の会員番号、住所、氏名、年齢、性別等、家族構成(緊急時の連絡先、別所帯の場合は名前や住所、連絡先)、身長、体重、職業、運動履歴、病歴(腰痛、膝痛、内臓疾患等)、医療機関による診断内容(生活習慣病(高血圧、糖尿病)等)、嗜好(アルコールの有無と摂取量、喫煙の有無と喫煙量)、コメント等からなる。これら個人データは、後述する管理装置400において行われるグループ化処理のために利用される。
【0050】
コミュニケーション処理部263は、コミュニケーション処理プログラムが動作することによって、利用者装置200を、ネットワーク500を介して他の利用者装置200、スタッフ装置300、及び管理装置400に接続し、上述したような他の利用者、スタッフ、親族等とのコミュニケーションを行うと共に、情報の送受信やグループ化された他の利用者と日常の挨拶を行ったり、様々な情報交換や励まし合い等のコミュニケーションを図るものである。
【0051】
コミュニケーション処理部263が、他の利用者装置200やスタッフ装置300とコミュニケーションする場合の例について以下に説明する。
【0052】
同じグループ(他の利用者、家族、スタッフ)として登録されている相手が、相手側に設けられた利用者装置200又はスタッフ装置300に備えられた人感センサ280が、検出信号を出力すると、タッチ式のディスプレイ装置210に、その相手の、予め指定した画像を表示するようにしている。更に、表示された相手の画像をタッチ入力すると、利用者装置200を、その相手の利用者装置200又はスタッフ装置300と接続し、マイク220、スピーカ230、カメラ240により、テレビ電話方式の会話を直ちに行えるようにしている。
【0053】
例えば娘と離れて暮らしている母親が、思い立った時に「あっ、娘が部屋に帰ってきたようなので聞いてみよう」と、画面に表示された娘の、予め指定した画像をタッチする。すると、娘の利用者装置200に接続され、「今日みかんを送ったからね。」等の要件を話すと、母親の利用者装置200は、マイク220によって集音された母親の声の集音信号と、カメラ240によって撮像された母親の撮像情報とを、送受信部250が、娘の利用者装置200に送信する。これによって、娘の利用者装置200は、送受信部250が、この集音信号と撮像情報とを受信し、ディスプレイ装置210から母親の画像を表示させるとともに、スピーカ230から母親の声を出力させる。そして娘が「うわぁ、ありがとう。じゃあ明日には届くわね。」等と話すと、娘の利用者装置200のマイク220がこの声を集音し、カメラ240が娘の画像を撮像し、送受信部250がこの集音信号と撮像情報とを、ネットワーク500を介して母親の利用者装置200に送る。すると、同様に母親の利用者装置200は、送受信部250が、この集音信号と撮像情報とを受信し、ディスプレイ装置210から娘の画像を表示させるとともに、スピーカ230から娘の声を出力させる。
【0054】
次に、コミュニケーション処理部263が、管理装置400とコミュニケーションする場合の例について以下に説明する。
【0055】
例えば、管理装置400側から、「運動しませんか」等の音声又は画像によるメッセージが配信されると、利用者装置200の送受信部250がそれを受信し、コミュニケーション処理部263が、音声メッセージであればスピーカ230から、画像メッセージであればディスプレイ装置210からそれぞれ出力させることによって利用者に知らせる。同様に、「こんにちは、今日はお天気いいですね。」、「今日は雨が降っていますが膝は痛みませんか?」等といった会話を行うことで利用者が運動を行いやすい環境を作ることができる。
【0056】
モニタ部265は、予め登録されたグループやスタッフ等により、利用者の様子をモニタリングするためのものであり、利用者の操作や利用者の許可がなくても、スタッフによる操作のみで利用者の映像や音声を該当スタッフ等へ送信させることができるようにしている。また、モニタ部265は、管理装置400へネットワーク500を介して接続し、利用者が利用者装置200を使用して管理装置400へ接続した日時を読み出すことができる。そして利用者が本実施の形態に係る相互遠隔見守り支援システム100を利用した履歴がなかったり、散歩等に出かける時間であっても、自宅にいたりした場合には、予め登録されている自宅近辺の緊急連絡先(家族や親族、福祉事務所や介護センタ等)、あるいは救急車の要請等に管理装置400から連絡が送られるようにしている。
【0057】
また、記憶装置260に、図示しない運動画像表示情報を記憶させ、管理装置400から配信される運動画像データをディスプレイ装置210から表示させ、運動画像データに含まれる音データをスピーカ230から出音させるようにしてもよい。
【0058】
スタッフ装置300は、利用者装置200と略同様の構成をしているので、構成の説明は省略する。すなわち、スタッフ装置300の入力デバイス305、ディスプレイ装置310、マイク320、スピーカ330、カメラ340、送受信部350、会員登録部361、コミュニケーション処理部363、モニタ部365は、利用者装置200の入力デバイス205、ディスプレイ装置210、マイク220、スピーカ230、カメラ240、送受信部250、会員登録部261、コミュニケーション処理部263、モニタ部265とそれぞれ同一の構成をしている。なお、図2では、利用者装置200に備えられている人感センサ280及びデータ記憶部267を備えていない構成を示しているが、利用者装置200と同様に人感センサ及びデータ記憶部を備え、利用者装置200と全く同一構成であっても良い。人感センサ及びデータ記憶部を備え、利用者装置200と全く同一構成となれば、この人感センサからの検知信号を管理装置400に送信することによって、逆に利用者装置200側から、スタッフ装置300側をモニタできるようになり、スタッフ装置300の操作者が在室しているか不在であるかが分かるようになる。
【0059】
このような構成をなすスタッフ装置300は、詳細は後述する管理装置400によって設定されたスタッフや家族のグループに基づいて、ユーザIDとパスワードを入力すると、スタッフが担当する利用者や、利用者の家族のみが、該当する利用者の情報を得ることができるようにしている。すなわち、1人あるいは複数の利用者を担当するスタッフや、1人の利用者に対して1人あるいは複数の家族が、該当する利用者の生活を見守る場合には、ユーザIDとパスワードを入力することにより該当利用者と会話する事や、何時から何時に家に居たとか、いつもコミュニケーションを行っている時間になっても利用者装置200が稼働していない等の情報を取得する。このように利用者の生活を見守ることで、利用者が特に高齢であった場合に、1人暮らしで話し相手がいないことや病気の不安等が解消されるように構成されたものである。
【0060】
次に管理装置400について説明する。
【0061】
管理装置400は、利用者装置200からの利用者の個人データ等を受けて利用者の会員登録を行い、利用者装置200の利用者間、スタッフ装置300のスタッフや家族とのコミュニケーション処理等を配信する。
【0062】
この管理装置400は、利用者装置200と同様に、図示しないCPU、ROM、RAM等によりプログラム実行等が制御されるサーバであり、送受信部410と、記憶装置420とを備えている。
【0063】
送受信部410は、ネットワーク500を介して利用者装置200及びスタッフ装置300と情報の送受信を行う。
【0064】
記憶装置420は、ハードディスク等からなり、プログラムやデータを記憶する部位であって、プログラム記憶部421と、グループ化処理部423と、コミュニケーション処理部425と、配信部427と、認証部429と、データベース430とを備えている。データベース430は、各利用者の個人データが記憶された個人データテーブル431、利用者の家族データが記憶された家族データテーブル433、利用者を担当するスタッフの情報が記憶されたスタッフデータテーブル435、利用者の過去の健康状態や病歴等のデータ、例えば利用者の自宅在室の状況や、利用者装置200を稼働した(何処と送受信を行ったか等)時間とログが、当該システムに入会後履歴が記憶された過去データテーブル437、スケジュールデータテーブル439、及び運動画像データテーブル441を記憶する部位である。
【0065】
プログラム記憶部421は、利用者装置200の利用者や、スタッフ装置300のスタッフ等の会員に配信する会員登録要領や、コミュニケーション処理部425等のプログラムを記憶している。
【0066】
グループ化処理部423は、利用者やスタッフをグループ化する。例えば、当該システムを利用する目的、例えば「生活習慣病の改善」、「ダイエット」等に応じて、同じような生活習慣病を克服しようとしている人(年代や、家族構成、職業等の状況が比較的似ているタイプの人)や、趣味が同じ人とコミュニケーションをとりたい人や、同じ出身地の人とふるさとの懐かしい話をしたい人等をグループ化する。
【0067】
コミュニケーション処理部425は、利用者装置200およびスタッフ装置300との間のコミュニケーションを司る部位であり、過去データテーブル437から、1週間、10日等の所定期間の利用者装置200の利用状況をチェックする。そして、利用者装置200の利用状況が、利用者の通常の生活パターンと顕著に異なっていた場合には、家族やスタッフ等予め登録されている緊急連絡先へメールやファクシミリ、合成音声による電話連絡を行う。
【0068】
配信部427は、利用者装置200及びスタッフ装置300への必要な情報の配信を指示する。
【0069】
認証部429は、スタッフ装置300を利用するスタッフが、利用者装置200の利用者の見守りを行える権限を有しているかの認証を行う。
【0070】
図3は、データベース430の構成例を示す説明図であり、図3(a)は、個人データテーブル431、図3(b)は、利用者の家族データが記憶された家族データテーブル433、図3(c)は、利用者を担当するスタッフデータテーブル435である。
【0071】
図3(a)に示す個人データテーブル431は、本実施の形態では、利用者装置200から入力された利用者の個人データと、この個人データにグループ分けされたグループコードとを付加して記憶している。また、会員となった登録日等を記憶する。このような個人データテーブル431は、利用者の会員番号431−1、ユーザID431−2、パスワード431−3、家族番号a431−4、・・・家族番号n431−5と、利用者個人の住所や生年月日、相互遠隔見守り支援システム100の利用目的、体調等からなる個人データ431−6、スタッフや家族や親族とコミュニケーションを行った日などからなる履歴431−7を記憶する。
【0072】
図3(b)に示す家族データテーブル433は、相互遠隔見守り支援システム100を利用して利用者とコミュニケーションを行う家族や親族を登録しており、該当する利用者の会員番号433−1、家族aのユーザID433−2、パスワード433−3、家族番号a433−4、家族aがフォローした履歴が記憶されたフォローデータ433−5、また家族nのユーザID433−6、パスワード433−7、家族番号n433−8、家族nがフォローした履歴が記憶されたフォローデータ433−9を記憶する。そして、会員番号に該当する家族のユーザIDおよびパスワードが一致した場合に、利用者の個人データを読み出すことや、利用者とのコミュニケーションを行えるよう利用者装置200への接続を許可するように構成されている。また図示しないが、家族等がモニタした日時等を記憶する。
【0073】
図3(c)に示すスタッフデータテーブル435は、利用者を担当するスタッフの情報を記憶しており、ユーザID435−1、パスワード435−2、スタッフ番号435−3、当該スタッフが担当する会員番号a435−4,スタッフがフォローした履歴を記憶するフォローデータ435−5、会員番号n435−6,スタッフがフォローした履歴を記憶するフォローデータ435−7を順次記憶する。
【0074】
このスタッフデータテーブル435は、スタッフが担当する複数の会員番号a〜nを記憶し、スタッフ番号435−3とユーザID435−1、パスワード435−2を入力することによって該当する利用者の個人データを読み出したり、コミュニケーション及びモニタを行えるようにしている。
【0075】
このようなグループ化処理による利用者のモニタリングや、ワンタッチによる接続、利用者装置200の利用履歴のモニタ等は、グループによって代替することができる。また、家族や親族やスタッフのみならず、他人であっても親しい友人にはモニタできるようにしてもよく、本人や家族等の許可があればモニタできるように運用しても良い。
【0076】
次に、以上のように構成した本実施の形態に係る相互遠隔見守り支援システム100の動作について図4から図7のフローチャートに基づいて説明する。
【0077】
まず、利用者が会員登録を行い、自宅に設けられた利用者装置200に備えられた人感センサ280によって検出される処理の一例について図4に示すフローチャートを用いて説明する。
【0078】
例えば健康管理企業や医療機関等は、相互遠隔見守り支援システム100の導入による会員募集や施設の説明、運動の内容等を広く提示するためにホームページ(以下、「HP」と称する)を作成し、Web上に公開する(ステップS1)。
【0079】
一方、健康指導システムを利用して健康支援を受けたいと考える利用者は、Web上から該当するHPを開き(ステップS2)、個人データ等を入力して(ステップS3)、会員登録を行う。会員登録は、HPから会員登録画面を表示させ、利用者の氏名、住所、年齢、性別等の個人データと、相互遠隔見守り支援システム100を利用する時間等をスケジュールに合わせて選択入力し、これらのデータを利用者装置200から管理装置400に送信する(ステップS4)。
【0080】
利用者装置200から会員登録のデータを受信した管理装置400は(ステップS5)、個々の利用者に対してユーザIDとパスワードを発行して(ステップS6)、利用者装置200へ送信し(ステップS7)、さらに個人データ等を個人データテーブル431に書き込む(ステップS8)。一方、利用者装置200は、ステップS7で送信されたユーザIDとパスワードとを受信する(ステップS9)。
【0081】
そして個人データ等の登録が完了すると、コミュニケーション処理部263、モニタ部265を動作させるプログラムを、該当する利用者装置200へ配信し(ステップS10)、利用者装置200ではそのプログラム等を受信して記憶装置260へ記憶する(ステップS11)。
【0082】
このようにして利用者装置200において、相互遠隔見守り支援システム100の利用準備が完了すると、この利用者装置200に備えられた人感センサ280が稼働し(ステップS12)、人感センサ280が利用者を検出すると検出信号をデータ記憶部267へ送る(ステップS13)。そして、利用者装置200は、検出信号をさらに管理装置400へ送信する(ステップS14)。管理装置400は、この検出信号を受信し、過去データテーブル437に書き込む(ステップS15)。
【0083】
このように管理装置400は、利用者の自宅に設けられた利用者装置200に備えられた人感センサ280からの検出信号を随時受信し、利用者が何時自宅にいたか、また動きがあったか等を記憶する。
【0084】
次に、利用者装置200の利用者が、他の利用者装置200の利用者とコミュニケーションを行う場合における動作の一例を、図5に示すフローチャートを用いて説明する。
【0085】
利用者装置200(#1)の利用者が、他の利用者装置200(#2)の利用者とコミュニケーションする場合には、先ず、利用者が、自分の利用者装置200(#1)からユーザIDとパスワードを入力して管理装置400へ送信する(ステップS21)。
【0086】
すると管理装置400では、ユーザIDとパスワードを受信し、該当利用者の会員番号に基づいてユーザIDとパスワードの照会を行い(ステップS22)、ユーザIDとパスワードが一致したら認証を行う(ステップS23、ステップS24)。また、ユーザID又はパスワードが不一致の場合は、再度入力を促すか、利用者が忘れた場合には、管理装置400がその通知を受けて利用者のメールアドレス等宛にユーザIDとパスワードを再発行することもできる。
【0087】
利用者装置200(#1)が他の利用者装置200(#2)とコミュニケーションするためには、利用者装置200(#1)のみならず、他の利用者装置200(#2)もまた以上説明したような認証処理を行う必要がある。
【0088】
利用者が認証されたら利用者装置200(#1)及び他の利用者装置200(#2)では、それぞれコミュニケーション処理部263が起動され(ステップS25)、マイク220、スピーカ230、カメラ240を利用した動画の同時通信により、利用者装置200(#1)及び利用者装置200(#2)は、管理装置400を介して会話が可能となる(ステップS26、ステップS27)。このようにしてコミュニケーションが開始されると、利用者装置200は、利用者が利用者装置200を使用しているログを管理装置400へ送信し(ステップS28)、管理装置400では、そのログを受信して過去データテーブル437へ書き込む(ステップS29)。利用者装置200側がコミュニケーションを終了した場合には(ステップS30:Yes)、利用者装置200からコミュニケーション終了のログを管理装置400へ送信し(ステップS31)、それを受信した管理装置400では終了ログを過去データテーブル437へ書き込む(ステップS32)。一方、コミュニケーションを継続する場合には(ステップS30:No)、ステップS27に戻る。
【0089】
このようにして、管理装置400では、利用者が他の利用者とコミュニケーションを開始したログや終了したログを管理することによって、利用者がどの程度相互遠隔見守り支援システム100を利用しているか、また利用していることによって利用者が元気でいるか等の判断を行うことができるようになる。
【0090】
なお、利用者と他の利用者のコミュニケーションは、1対1でもよいが、利用者とそのグループ化された他の利用者と行ってもよく、その場合はディスプレイ装置210の画面を人数分に分割して動画や静止画を表示しても良く、スピーカ230から出力される音声も多数の他の利用者の声を時間的に合成して同時に話した場合は同時に出力されるようにしてもよい。
【0091】
次に、利用者装置200の利用者が、スタッフ装置300を操作する自治体のスタッフ、ボランティアや家族や親族等とコミュニケーションを行う場合における動作の一例を、図6に示すフローチャートを用いて説明する。
【0092】
利用者装置200の利用者は、上記コミュニケーションと同様に、利用者装置200からユーザIDとパスワードを入力して管理装置400に送信する(ステップS41)。同様に、スタッフ装置300を操作するスタッフ等もまた、スタッフ装置300からユーザIDとパスワードを入力して管理装置400に送信する(ステップS42)。
【0093】
一方、管理装置400は、利用者装置200及びスタッフ装置300から送信されたユーザIDとパスワードを受信すると、認証部429により該当利用者及びスタッフの会員番号に基づいてユーザIDとパスワードの照会を行い(ステップS43、ステップS44)、ユーザIDとパスワードが一致したら認証を行う(ステップS45)。そして、利用者が認証されたら利用者装置200とスタッフ装置300では、コミュニケーション処理部263,363がそれぞれ起動される(ステップS46、ステップS47)。また、他の方法として、スタッフ装置300からユーザIDとパスワードを入力して管理装置400の認証部429により認証されると、利用者装置200へ対し、「元気にしていますか」、「今日は何をしていましたか」等の音声信号を送信し、それを利用者装置200が受信することでコミュニケーションをスタートするようにしても良い。
【0094】
図5の説明と同様に、利用者装置200とスタッフ装置300とは、お互いのマイク220,320、スピーカ230,330、カメラ240,340を利用して動画を同時通信することにより、管理装置400を中継した会話を行う(ステップS48、ステップS49、ステップS50)。
【0095】
このようなコミュニケーションが開始されると利用者装置200は、利用者装置200を使用しているログを管理装置400へ送信し(ステップS51)、管理装置400は、そのログを受信して過去データテーブル437へ書き込む(ステップS52)。そして、利用者装置200側がコミュニケーションを終了した場合には(ステップS53:Yes)、利用者装置200からコミュニケーション終了のログを管理装置400へ送信し(ステップS54)、それを受信した管理装置400では終了ログを過去データテーブル437へ書き込む(ステップS55)。一方、コミュニケーションを継続する場合には(ステップS53:No)、ステップS48に戻る。
【0096】
このようにして利用者装置200の利用者と、スタッフ装置300を操作するスタッフや家族や親族等がコミュニケーションを行った状況が、ログとして管理装置400に記憶され、利用者がどの程度の頻度でスタッフと話をしているか、あるいはスタッフがどの程度フォローをしているかといったことが取得できるようになる。
【0097】
次に、スタッフ装置300を操作する自治体のスタッフ、ボランティア、家族、親族等がスタッフ装置300を用いて、利用者装置200の利用者をモニタする場合における処理の一例について図7に示すフローチャートを用いて説明する。
【0098】
この場合、まずスタッフ装置300を操作するスタッフ等が、スタッフ装置300からユーザIDとパスワードを入力して管理装置400へ送信する(ステップS61)。管理装置400は、このユーザIDとパスワードを受信し、認証部429によりユーザIDとパスワードの照会を行い(ステップS62、ステップS63)、ユーザIDとパスワードが一致したら認証を行う(ステップS64)。このようにして認証を完了すると、管理装置400は、利用者装置200の電源が入っていなかったら遠隔操作により電源を投入して起動させ(ステップS65)、更に利用者装置200とスタッフ装置300とのモニタ部265,365をそれぞれ起動させる(ステップS66、ステップS67)。更に、利用者装置200のマイク220及びカメラ240を起動させる(ステップS68)。
【0099】
スタッフ装置300を操作するスタッフや家族や親族等は、スタッフ装置300から管理装置400を中継して利用者装置200のマイク220やカメラ240を作動させることによって利用者の音声や動画を取得し(ステップS69、ステップS70)、その音声や映像をモニタすることによって、利用者が元気であるとか具合が悪いかといった状況を知ることができる(ステップS71)。
【0100】
このようにモニタリングが開始されると、スタッフ装置300は、モニタを行っているログを管理装置400へ送信し(ステップS72)、管理装置400では、そのログを受信して過去データテーブル437に書き込む(ステップS73)。
【0101】
そして、スタッフ装置300側がモニタリングを終了した場合には(ステップS74:Yes)、スタッフ装置300からモニタ終了のログを管理装置400へ送信し(ステップS75)、それを受信した管理装置400は、終了ログを過去データテーブル437に書き込む(ステップS76)。また管理装置400が終了ログを受信すると、利用者装置200に接続されたマイク220、カメラ240を停止させる指示や、必要に応じて利用者装置200のディスプレイ装置210の電源を落とす指示を送り、利用者装置200では、その指示に従ってマイク220、カメラ240、及びディスプレイ装置210を停止させる(ステップS77)。一方、モニタリング処理を継続する場合には(ステップS74:No)、ステップS71に戻る。
【0102】
上記したように、スタッフや家族が利用者をモニタする場合に、利用者が具合悪そうにしていたり怪我をしていた場合等には、モニタリングの途中で、上記コミュニケーション処理と同様に利用者のスピーカ230を作動させ、スタッフ等から呼びかけたり、利用者と会話が行えるようにしてもよい。
【0103】
また、本実施の形態に係る相互遠隔見守り支援システム100により、利用者装置200と管理装置400とを接続して、健康維持のため、ラジオ体操と同程度の運動を行えるようにしてもよい。これは利用者が一人で運動するよりも管理装置400からの呼びかけや、「今日は体操しましたか?」等の同一グループの他の利用者との会話を円滑に行えるようにするものである。
【0104】
さらに利用者がいつもの時間に運動を行っていない場合には、スタッフ装置300から利用者装置200を呼び出し、スタッフ装置300側から利用者装置200側に対して、例えば「今日は運動をお休みしていたようですが、体調が良くないですか?」、「変わったことはありませんか?」等の呼びかけを行うことで、利用者の健康状態等を見守ることができる。
【0105】
このように、本実施の形態に係る相互遠隔見守り支援システム100によれば、1人暮らしの高齢者や、高齢者夫婦、1人暮らしの病人に緊急の事態が生じても速やかに対応することができるとともに、遠距離に暮らす家族も、利用者の現在の状況を容易に把握することができるようになる。
【0106】
また、高齢者のみならず、一方が単身赴任している夫婦などのコミュニケーションや、年齢に関わらず1人暮らしの場合、病気や怪我で動けない事態が起こりうるため、本実施の形態に係る相互遠隔見守り支援システム100を用いてお互いに見守ることは、極めて有用である。
【0107】
上述したように、本願発明の相互遠隔見守り支援方法を適用した相互遠隔見守り支援システムにおいては、上記のような作用により、地域の住民間でのつながりが薄くなる今日の社会傾向のなかで、遠方に住む家族が実際に当人の様子を見に行くことなくとも、例えば高齢者のような利用者が、その親族や友人、或いは利用者を見守る自治体や地域のボランティア等との間で相互に活動の様子を伝え合うことが可能となる。
【0108】
これによって、相手の生活の様子がわかり、見守り見守られていることに喜びを感じ、日々の活力を得るとともに、安心感を得ることができるようになる。
【0109】
更に、不在や話中の相手には手書きメッセージを残したり、在室の相手にはテレビ電話機能を利用した音声のみならず映像を介したコミュニケーションを行うこともでき、相手の活動の様子を手掛かりとしたコミュニケーションの促進につながり、コミュニケーションの機会が増大して生活に変化が与えられるようになる。利用者が病気で動けなくなったといった異変にも、活動の様子が通常と大きく異なることにより素早く検知でき、迅速に対応することが可能になる。
【0110】
また、複数の利用者装置200からそれぞれ得られたログ情報に基づいて、例えば図8に示すような、複数の利用者を一覧表示した監視画面をスタッフ装置300のディスプレイ装置310から表示させることにより、例えば通話時間や頻度から利用者の行動が通常と異なっていたり、あるいは人感センサ280からの検知信号が暫く送られてこないことに基づいて、利用者に異変があったことを迅速に察知できるようになる。このような場合、更に、予め登録された連絡先に通知すること等によって、生命に関わるような病気やけがの際にも「あと少し早かったら助かったのに。」、或いは「誰か気付いていれば助かったのに。」という最悪の事態の発生を阻止することが可能となる。
【0111】
以上、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の実施の形態に係る相互遠隔見守り支援システムのシステム環境の一例を示す構成概略図。
【図2】相互遠隔見守り支援システムの詳細構成例を示す機能ブロック図。
【図3】データベースの構成例を示す説明図。
【図4】会員登録、及び人感センサの動作処理の一例を示すフローチャート。
【図5】利用者装置間でなされるコミュニケーション時の動作の一例を示すフローチャート。
【図6】利用者装置とスタッフ装置とのコミュニケーション時の動作の一例を示すフローチャート。
【図7】スタッフ装置から利用者装置側をモニタする場合における処理の一例を示すフローチャート。
【図8】複数の利用者の状態を一覧表示した監視画面の一例を示す模式図。
【符号の説明】
【0113】
100…相互遠隔見守り支援システム、200…利用者装置、205…入力デバイス、210…ディスプレイ装置、220…マイク、230…スピーカ、240…カメラ、250…送受信部、260…記憶装置、261…会員登録部、263…コミュニケーション処理部、265…モニタ部、267…データ記憶部、280…人感センサ、300…スタッフ装置、305…入力デバイス、310…ディスプレイ装置、320…マイク、330…スピーカ、340…カメラ、350…送受信部、361…会員登録部、363…コミュニケーション処理部、365…モニタ部、400…管理装置、410…送受信部、420…記憶装置、421…プログラム記憶部、423…グループ化処理部、425…コミュニケーション処理部、427…配信部、429…認証部、430…データベース、431…個人データテーブル、433…家族データテーブル、435…スタッフデータテーブル、437…過去データテーブル、439…スケジュールデータテーブル、441…運動画像データテーブル、500…ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークにそれぞれ接続され、見守る側に設けられた複数の第1の端末と、前記通信ネットワークにそれぞれ接続され、前記複数の第1の端末のうちの何れかによって見守られる側に設けられた複数の第2の端末とのうち、予め相互通信が許可された前記第1の端末と前記第2の端末との、前記通信ネットワークを介した相互通信を中継する中継手段を備えた相互遠隔見守り支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の相互遠隔見守り支援システムにおいて、
前記第1及び第2の端末には、集音手段と、撮像手段と、音出力手段と、表示手段とがそれぞれ備えられ、前記中継手段は、相互通信を中継する前記第1及び第2の端末のうち一方の端末が、前記集音手段で集音した音情報と、前記撮像手段で撮像した撮像情報とを送信した場合には、前記送信された音情報と撮像情報とを他方の端末に送信し、前記音情報を前記他方の端末の音出力手段から出力させるとともに、前記撮像情報を前記他方の端末の前記表示手段から表示させるようにした相互遠隔見守り支援システム。
【請求項3】
請求項2に記載の相互遠隔見守り支援システムにおいて、
前記第1及び第2の端末には、通信相手である端末に通知信号を送信する通知信号送信手段がそれぞれ備えられ、前記中継手段は、相互通信を中継する前記第1及び第2の端末のうち一方の端末が、前記通知信号送信手段から通知信号を送信した場合には、前記送信された通知信号を他方の端末に送信するとともに、前記一方の端末と前記他方の端末との前記通信ネットワークを介した相互通信を中継し、前記通知信号に基づく通知音を前記他方の端末の音出力手段から出力させるようにした相互遠隔見守り支援システム。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の相互遠隔見守り支援システムにおいて、
前記第1又は第2の端末には、相互通信する端末を選択するための選択入力を受け付け、入力された選択入力に対応する選択信号を送信する選択手段が備えられており、前記中継手段は、前記第1又は第2の端末から送信された前記選択信号に対応する端末が、前記予め相互通信が許可された端末である場合には、この端末と、前記選択信号の送信元の端末との、前記通信ネットワークを介した相互通信を中継する相互遠隔見守り支援システム。
【請求項5】
請求項2乃至4のうち何れか1項に記載の相互遠隔見守り支援システムにおいて、
同一の第2の端末との相互通信が許可された第1の端末が複数存在し、これら複数の第1の端末は、前記同一の第2の端末の利用者によって指定される相互遠隔見守り支援システム。
【請求項6】
請求項2乃至5のうち何れか1項に記載の相互遠隔見守り支援システムにおいて、
前記第2の端末には、前記見守られる側における人間の存在や動きを感知すると、感知信号を前記中継手段に出力する感知センサが備えられ、前記中継手段は、前記感知センサから感知信号が出力された場合には、前記出力された感知信号を、前記第2の端末との相互通信が許可された第1の端末に送信する相互遠隔見守り支援システム。
【請求項7】
請求項6に記載の相互遠隔見守り支援システムにおいて、
前記感知センサから出力される検知信号の出力特性に基づいて、この第2の端末の操作者が在室しているか不在であるかを判定する在/不在判定手段と、
前記在/不在判定手段による判定結果を、この第2の端末との相互通信が許可された第1の端末に通知する在/不在結果通知手段と
を前記中継手段に備えた相互遠隔見守り支援システム。
【請求項8】
請求項1乃至7のうち何れか1項に記載の相互遠隔見守り支援システムにおいて、
前記第2の端末によって利用された履歴を記録する履歴記録手段と、
前記履歴記録手段に記録された履歴を、対応する第2の端末との相互通信が予め許可された第1の端末に通知する履歴通知手段と
を前記中継手段に備えた相互遠隔見守り支援システム。
【請求項9】
請求項8に記載の相互遠隔見守り支援システムにおいて、
前記履歴記録手段に記録された最新の履歴と、過去に記録された履歴の平均的な傾向との比較結果に基づいて、前記最新の履歴が、前記履歴の平均的な傾向と異なるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって、異なると判定された場合には、予め定めた連絡先へ異常事態を通知する異常通知手段と
を前記中継手段に備えた相互遠隔見守り支援システム。
【請求項10】
請求項7に記載の相互遠隔見守り支援システムにおいて、
前記判定結果に基づいて得られる前記第2の端末の操作者が在室しているか不在であるかの履歴である在/不在履歴を記録する履歴記録手段と、
前記履歴記録手段に記録された履歴を、対応する第1の端末との相互通信が予め許可された第2の端末に通知する履歴通知手段と
を前記中継手段に備えた相互遠隔見守り支援システム。
【請求項11】
請求項10に記載の相互遠隔見守り支援システムにおいて、
前記履歴記録手段に記録された最新の在/不在履歴と、過去に記録された在/不在履歴の平均的な傾向との比較結果に基づいて、前記最新の在/不在履歴が、前記平均的な傾向と異なるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって、異なると判定された場合には、予め定めた連絡先へ異常事態を通知する異常通知手段と
を前記中継手段に備えた相互遠隔見守り支援システム。
【請求項12】
通信ネットワークにそれぞれ接続され、見守る側に設けられた複数の第1の端末と、前記通信ネットワークにそれぞれ接続され、前記複数の第1の端末のうちの何れかによって見守られる側に設けられた複数の第2の端末とのうち、予め相互通信が許可された前記第1の端末と前記第2の端末との相互通信を、前記通信ネットワークを介して行わせる相互遠隔見守り支援システムに適用される方法であって、
前記第1及び第2の端末を利用する利用者の利用者登録を行う登録ステップと、
前記見守られる側における人間の存在や動きを感知すると、感知信号を出力する感知センサを前記第2の端末に備え、前記感知センサから出力された感知信号を前記第2の端末を介して取得する感知信号取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得した感知信号を、出力元の第2の端末に関連付けてデータテーブルに書き込む感知信号書込ステップと
を備えた相互遠隔見守り支援方法。
【請求項13】
請求項12に記載の相互遠隔見守り支援方法において、
前記第1及び第2の端末からそれぞれ認証情報を取得する認証情報取得ステップと、
前記認証情報取得ステップで取得した認証情報と、前記登録ステップでなされた利用者登録の内容とが一致する場合には、前記認証情報に対応する端末の認証を行う認証ステップと、
前記認証ステップによって認証された前記第1及び第2の端末のうち、前記予め相互通信が許可されたもの同士の相互通信を中継する通信経路を確立する通信経路確立ステップと、
前記通信経路確立ステップで通信経路を確立された端末間でなされる音声情報及び/又は動画情報の送受信を中継する情報中継ステップと、
前記第2の端末がなされた操作に関する操作ログを前記第2の端末に関連付けて前記データテーブルに書き込む操作ログ書込ステップと、
前記通信経路確立ステップで確立された通信経路を使った相互通信が終了した場合には、相互通信終了ログを、相互通信していた前記第1及び第2の端末に関連付けて前記データテーブルに書き込む終了ログ書込ステップと
を備えた相互遠隔見守り支援方法。
【請求項14】
請求項13に記載の相互遠隔見守り支援方法において、
前記第2の端末は、撮像手段と、集音手段とを備えており、
前記情報中継ステップは、
前記通信経路確立ステップで通信経路が確立された前記第1の端末からの指示に基づいて、この第1の端末との通信経路が確立された第2の端末に備えられた撮像手段及び集音手段とを遠隔から起動させる遠隔起動ステップと、
前記撮像手段によって撮像された撮像情報と、前記集音手段によって集音された音情報とを前記第2の端末から取得し、この撮像情報と音情報とを、この第2の端末との通信経路が確立された第1の端末に送信する情報送信ステップとからなり、
前記通信経路確立ステップで確立された通信経路を使った相互通信が終了した場合には、前記遠隔起動ステップで起動された撮像手段及び集音手段の動作を停止させる動作停止ステップを更に備えた相互遠隔見守り支援方法。
【請求項15】
請求項13又は請求項14に記載の相互遠隔見守り支援方法において、
前記第2の端末は、表示手段を備えており、
前記情報中継ステップは、
前記通信経路確立ステップで通信経路が確立された第2の端末に備えられた表示手段の電源が投入されているか否かを検知する検知ステップと、
前記検知ステップで、前記表示手段の電源が投入されていないことを検知したのであれば、この表示手段の電源を遠隔から投入する電源投入ステップとからなる相互遠隔見守り支援方法。
【請求項16】
通信ネットワークにそれぞれ接続され、見守る側に設けられた複数の第1の端末と、前記通信ネットワークにそれぞれ接続され、前記複数の第1の端末のうちの何れかによって見守られる側に設けられた複数の第2の端末とのうち、予め相互通信が許可された前記第1の端末と前記第2の端末との相互通信を、前記通信ネットワークを介して行わせる相互遠隔見守り支援システムに適用されるプログラムであって、
前記第1及び第2の端末を利用する利用者の利用者登録を行う登録機能、
前記第1及び第2の端末からそれぞれ認証情報を取得する認証情報取得機能、
前記取得した認証情報と、前記利用者登録の内容とが一致する場合には、前記認証情報に対応する端末の認証を行う認証機能、
前記認証された前記第1及び第2の端末のうち、前記予め相互通信が許可されたもの同士の相互通信を中継する通信経路を確立する通信経路確立機能、
前記通信経路を確立された端末間でなされる音声情報及び/又は動画情報の送受信を中継する情報中継機能、
をコンピュータに実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−217392(P2006−217392A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−29392(P2005−29392)
【出願日】平成17年2月4日(2005.2.4)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】