説明

相対亜鉛反応活性度の高い亜鉛含有層状物質を含む組成物

本発明は、有効量の亜鉛含有層状物質と、アニオン性官能基を有する界面活性剤を含む有効量の界面活性剤と、有効量のカチオン性ポリマーとを含む組成物であって、該カチオン性ポリマーが約45ppm未満のトリメチルアミン濃度を有し、該亜鉛含有層状物質が約15%よりも高い相対亜鉛反応活性度を有し、さらに該組成物が約6.8を越えるpHを有する組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有効量の亜鉛含有層状物質と、アニオン性官能基を有する界面活性剤とを含む組成物であって、亜鉛含有層状物質が約15%を越える相対亜鉛反応活性度(lability)を有する組成物に関する。より詳細には、本発明は、約6.8を越えるpHを有する組成物中にて検出可能なトリメチルアミンを全く含まないか、低濃度までのトリメチルアミンを含むカチオン性ポリマーの使用に関し、その使用によりアミン臭の発生が全くないか、アミン臭の発生が低い組成物を得る。より詳細には、本発明は、皮膚又は頭皮における微生物感染症及び真菌感染症を処置するパーソナルケア組成物及び方法に関する。さらにより詳細には、本発明は、ふけの処置のための方法及び組成物に関し、これは改善された抗ふけ活性をもたらす。
【背景技術】
【0002】
微量金属のうち、亜鉛は、人体で2番目に豊富な金属であり、多種多様な金属酵素に含まれることでほぼすべてのバイオプロセスを直接的又は間接的に触媒する。亜鉛の果たす重要な役割は、皮膚炎、拒食症、脱毛症、及び全体的成長障害を含めた食事性欠乏症状とは区別することができる。亜鉛は、皮膚の健康に特に重要であると思われ、3000年以上にわたって様々な皮膚症状を抑制するために(通常は酸化亜鉛又はカラミンの形態で)使用されてきた。最近のデータは、しばしば治癒速度の向上をもたらす、損傷した皮膚に対する局所的亜鉛処置の治癒及び回復特性を、より明確に示している。この現象の生化学的根拠はますます増加している。ふけが頭皮の皮膚への顕著な損傷を表すことが以前から示されているので、局所的亜鉛処置は、回復プロセスに役立つ可能性がある。
【0003】
水酸化炭酸亜鉛及び酸化亜鉛のような無機塩は、塗料、コーティング、及び消毒剤を含めた多種多様な製品で、静菌性及び/又は静真菌性化合物として使用されてきた。しかし、亜鉛塩は、多くの抗ふけ用途及びスキンケア用途に望まれるだけの高いレベルの殺生物効果を持たない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
消費者は、依然としてふけが発生していると感じているので、選択肢が可能であるにもかかわらず、現在市販されている製品に対比して優れた抗ふけ効力をもたらすシャンプーを今なお望んでいる。そのような優れた効力を得ることは困難であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態は、有効量の亜鉛含有層状物質と、アニオン性官能基を有する界面活性剤を含む有効量の界面活性剤と、有効量のカチオン性ポリマーとを含む組成物であって、前記カチオン性ポリマーが約45ppm未満のトリメチルアミン濃度を有し、前記亜鉛含有層状物質が約15%よりも高い相対亜鉛反応活性度を有し、さらに組成物が約6.8を越えるpHを有する組成物を対象とする。
【0006】
本発明の実施形態は、有効量の亜鉛含有層状物質と、アニオン性官能基を有する界面活性剤を含む有効量の界面活性剤と、有効量のカチオン性ポリマーとを含む組成物であって、前記カチオン性ポリマーが約45ppm未満のトリメチルアミン濃度を有し、前記亜鉛含有層状物質が約15%よりも高い相対亜鉛反応活性度を有し、さらに組成物が約6.8を越えるpHを有し、さらに有効量のピリチオン又はピリチオンの多価金属塩を含む組成物を対象とする。
【0007】
本発明のこれら及びその他の特徴、態様、及び利点が、当業者には本開示を読むことで明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明を特に指摘し、明確に特許請求している特許請求の範囲をもって本明細書は結論づけられるが、本発明は以下の説明からよりよく理解されると考えられる。
【0009】
驚くべきことに、今般、本発明により、界面活性剤系中で特定の亜鉛反応活性度を有する有効量の亜鉛含有層状物質と、アニオン性官能基を有する界面活性剤との組み合わせによって、局所用組成物において抗ふけ効力を劇的に高めることができることが見出されている。亜鉛反応活性度は、亜鉛イオンの化学的利用能の基準である。溶液中で他の種と錯体を形成しない可溶性亜鉛塩は、定義上、100%の相対亜鉛反応活性度を有する。ある程度可溶性の形態の亜鉛塩を使用し、及び/又は錯体を形成可能な種(potential complexants)と共にマトリックス中に組み込むと、一般に亜鉛反応活性度は、所定の100%最大値のかなり下まで低下する。
【0010】
有効な亜鉛含有層状物質の選択によって、又は既知の方法により有効な亜鉛含有層状物質をその場で生じさせることによって、反応活性度の高い亜鉛が維持される。
【0011】
驚くべきことに、今般、本発明により、亜鉛含有層状物質と組み合わせて、ジンクピリチオンのようなピリチオンの多価金属塩を用いることによって、局所用組成物において抗ふけ効果を劇的に高めることができることが見出されている。したがって、本発明の実施形態は、皮膚及び頭皮に対して改善された効果(例えば、改善された抗ふけ効果)を有する局所用組成物を提供する。
【0012】
本発明の一実施形態は、亜鉛源が粒子状形態で存在する、亜鉛含有層状物質分散液のための安定な組成物を提供する。亜鉛含有層状物質には独特の物理的特性及び化学的特性があるので、亜鉛含有層状物質を含有する水性系を配合するのが困難であることが示されている。亜鉛含有層状物質は、高い密度(約3g/cm3)を有することがあり、凝集又は沈殿しないようにするには、製品全体に一様に分散させる必要がある。亜鉛含有層状物質は、また、非常に反応性の高い表面化学的性質を有することに加えて、pH値が6.5未満の系に溶解する傾向にある。さらに、驚くべきことに、アニオン性官能基を有する界面活性剤の存在下で、亜鉛含有層状物質の反応活性度が高いままであることが見出された。
【0013】
溶解度が25%未満の亜鉛含有層状物質は、亜鉛化合物の重量パーセント及び分子量によって決定される閾値よりも低い、測定可能な可溶性亜鉛値(%)を有することになる。理論上の閾値は、次式によって計算することができる。
【0014】
【数1】

【0015】
本発明の一実施形態は、25℃における水性溶解度が約25重量%未満の有効量の亜鉛含有層状物質と、アニオン性官能基を有する約2%〜約50%の界面活性剤と、約40%〜約95%の水とを含む組成物であって、該組成物のpHが約6.5を越える組成物を対象とする。
【0016】
本発明の別の実施形態は、25℃における水性溶解度が約25重量%未満の有効量の亜鉛含有層状物質と、アニオン性官能基を有する約2%〜約50%の界面活性剤と、有効量のピリチオン又はピリチオンの多価金属塩とを含む組成物であって、ここで該組成物のpHが約6.5を越える組成物を対象とする。
【0017】
本発明のさらなる実施形態は、有効量の亜鉛含有層状物質と、アニオン性官能基を有する界面活性剤を含む有効量の界面活性剤と、有効量のカチオン性ポリマーとを含む組成物であって、前記カチオン性ポリマーが約45ppm未満のトリメチルアミン濃度を有し、前記亜鉛含有層状物質が約15%よりも高い相対亜鉛反応活性度を有し、さらに該組成物が約6.8を越えるpHを有する組成物を対象とする。
【0018】
本発明の一実施形態は、亜鉛含有層状物質から優れた効果をもたらす、皮膚用及び/又は毛髪用の局所用組成物を提供する。本発明の一実施形態は、また、毛髪及び/又は皮膚の洗浄方法を提供する。これら及びその他の利益は、詳細な説明から容易に明らかになる。
【0019】
本発明は、本明細書に記載した発明の必須要素及び制限事項、並びに本明細書に記載した追加若しくは任意の成分、構成成分又は制限事項のいずれも含むことができ、これらから成ることができ、又はこれらから本質的に成ることができる。
【0020】
特に指定しない限り、百分率、割合、及び比率は全て、本発明の組成物の総重量を基準としている。提示した成分に関するこのような重量は全て活性物質の濃度に基づいており、したがって市販材料に含まれる可能性があるキャリア又は副生成物を含まない。
【0021】
以下では、本発明の様々な実施形態の構成成分及び/又は工程を、任意に加えてもよいものを含めて、詳細に記載する。
【0022】
引用する全ての文書は、関連部分において本明細書に参考として組み込み、任意の文書の引用は、それが本発明に関して先行技術であるということの承認として解釈すべきではない。
【0023】
特に記載のない限り、全ての比率は重量比である。
特に記載のない限り、全ての温度は摂氏である。
特に記載する場合を除き、分量、パーセンテージ、部分、及び割合を含めた全ての量は、「約」という言葉によって加減されるものと理解し、量は、有効数字を示すことを意図したものではない。
特に記載する場合を除き、冠詞「a」、「an」及び「the」は「1つ以上」を意味する。
【0024】
本明細書では、「含む」とは、最終結果に影響を及ぼさない他の工程及び他の成分を加えることができることを意味する。この用語には、「から成る」及び「から本質的に成る」という用語が含まれる。本発明の組成物及び方法/プロセスは、本明細書に記載する本発明の必須要素及び制限、並びに本明細書に記載する追加の若しくは任意の成分、構成要素、工程、又は制限のいかなるものも含み、これらから成り、又はこれらから本質的に成ることができる。
【0025】
本明細書において「有効な」とは、処置する症状の著しく好ましい改善をもたらすのに十分高い対象活性物質の量を意味する。対象活性物質の有効量は、処置する特定の症状、症状の重さ、処置期間、併用している処置の性質及び同様の要因により変化する。
【0026】
A.亜鉛含有層状物質
本発明の組成物は有効量の亜鉛含有層状物質を含む。本発明の好ましい実施形態は、約0.001%〜約10%、より好ましくは約0.01%〜約7%、さらにより好ましくは約0.1%〜約5%の亜鉛含有層状物質を含む。
【0027】
本発明の特定の実施形態に有用な亜鉛含有層状物質の例には以下のものが挙げられる。
亜鉛含有層状構造は、主として二次元で生じる結晶成長を有するものである。層構造は、全ての原子が明確な層に組み込まれているものとしてだけではなく、ギャラリーイオン(gallery ion)と呼ばれる、層の間にイオン又は分子があるものとすることが慣例的である(A.F.ウェルズ(A. F. Wells)の「構造無機化学(Structural Inorganic Chemistry)」、クラレンドン出版(Clarendon Press)、1975年)。亜鉛含有層状物質(ZLM)は、亜鉛を層に組み込んで有してもよく、及び/又はギャラリーイオンの構成成分であってもよい。
【0028】
多くのZLMが鉱物として自然発生する。一般例としては、水亜鉛鉱(炭酸水酸化亜鉛)、塩基性炭酸亜鉛、水亜鉛銅鉱(炭酸水酸化銅亜鉛)、亜鉛孔雀石(炭酸水酸化亜鉛銅)、及び亜鉛が含まれている多くの関連する鉱物が挙げられる。天然のZLMもまた発生可能であり、その際、粘土型鉱物(例えばフィロシリケート)のようなアニオン性層の種には、イオン交換した亜鉛ギャラリーイオンが含有されている。これらの天然物質の全てはまた、合成的に得ることもできるし、又は組成物中にその場で若しくは製造プロセスの間に生じさせることもできる。
【0029】
ZLMの別の一般的種類で、常にではないが多くの場合合成であるものは、層状複水酸化物であり、これは一般に式[M2+1-x3+x(OH)2x+m-x/m・nH2Oによって表され、二価イオン(M2+)の一部又は全ては、亜鉛イオンとして表される(EL.クレパルディ(Crepaldi, EL)、PC.パバ(Pava, PC)、J.トロント(Tronto, J)、JB.バリム(Valim, JB)、コロイド界面科学誌(J.Colloid Interfac. Sci.)、2002年、248、429〜42)。
【0030】
ヒドロキシ複塩と呼ばれる、ZLMのさらに他の種類を調製することができる(H.モリオカ(Morioka, H.)、H.タガヤ(Tagaya, H.)、M.カラス(Karasu,M)、J.カドカワ(Kadokawa, J)、K.チバ(Chiba, K)、無機化学(Inorg. Chem.)、1999年、38、4211〜6)。ヒドロキシ複塩は、一般式[M2+1-x2+1+x(OH)3(1-y)+n-(1=3y)/n・nH2Oにより表されることができ、その場合2つの金属イオンは異なってもよい。それらが同じでありまた亜鉛により表される場合は、式は[Zn1+x(OH)22x+2xA-・nH2Oに単純化される。この後者の式(式中、x=0.4)は、ヒドロキシ塩化亜鉛(zinc hydroxychloride)及びヒドロキシ硝酸亜鉛(zinc hydroxynitrate)のような一般物質を表す。これらは水亜鉛鉱にも関連し、その際、二価のアニオンは一価のアニオンを置き換える。これらの物質はまた、組成物中にその場で又は製造プロセスの間に生じさせることもできる。
【0031】
ZLMのこれらの種類は、一般カテゴリーの比較的一般的な例を表すが、この定義に合う物質のより広い範囲に関する限定を意図するものではない。
【0032】
塩基性炭酸亜鉛の市販の供給源には、炭酸亜鉛塩基(Zinc Carbonate Basic)(ケイター・ケミカルズ(Cater Chemicals):米国イリノイ州ベンセンビル)、炭酸亜鉛(Zinc Carbonate)(シェパード・ケミカルズ(Shepherd Chemicals):米国オハイオ州ノーウッド)、炭酸亜鉛(Zinc Carbonate)(CPSユニオン社(CPS Union Corp.):米国ニューヨーク州ニューヨーク)、炭酸亜鉛(Zinc Carbonate)(エレメンティス・ピグメンツ(Elementis Pigments):英国ダーラム)、及び炭酸亜鉛AC(Zinc Carbonate AC)(ブリュッゲマン・ケミカル(Bruggemann Chemical):米国ペンシルベニア州ニュータウンスクエア)が挙げられる。
【0033】
塩基性炭酸亜鉛はまた、商業的には「炭酸亜鉛(Zinc Carbonate)」又は「炭酸亜鉛塩基(Zinc Carbonate Basic)」又は「水酸化炭酸亜鉛(Zinc Hydroxy Carbonate)」と呼ばれる場合もあるが、天然起源の水亜鉛鉱に類似した物質から成る合成の種類である。理想的な化学量論は、Zn5(OH)6(CO32により表されるが、実際の化学量論的比は僅かに変化することができ、またその他の不純物が結晶格子内に組み込まれてもよい。
【0034】
ZLMの粒径
本発明の一実施形態では、より小さい粒径が、相対亜鉛反応活性度に反比例することをが見出されている。
【0035】
D(90)は、粒子の量の90%がその粒径未満であることに相当する粒径である。本発明の一実施形態では、亜鉛含有層状物質は、粒子の90%が約50ミクロン未満である粒径分布を有してよい。本発明の他の実施形態では、亜鉛含有層状物質は、粒子の90%が約30ミクロン未満である粒径分布を有してよい。本発明のさらに他の実施形態では、亜鉛含有層状物質は、粒子の90%が約20ミクロン未満である粒径分布を有してよい。
【0036】
ZLMの表面積
本発明の一実施形態では、表面積と相対亜鉛反応活性度との間に直接的な関係がある場合がある。
【0037】
粒子の表面積が増大すると、一般に、動的因子によって亜鉛反応活性度が増大する。微粒子の表面積は、粒径を縮小させることによって、且つ/又は、多孔質粒子、若しくはその全体的な形状が幾何学的に球体から外れた粒子をもたらすように粒子のモルホロジーを変化させることによって、増大させることができる。
【0038】
本発明の一実施形態では、塩基性炭酸亜鉛は、約10m2/gよりも大きい表面積を有してよい。他の実施形態では、塩基性炭酸亜鉛は、約20m2/gよりも大きい表面積を有してよい。本発明のさらに他の実施形態では、塩基性炭酸亜鉛は、約30m2/gよりも大きい表面積を有してよい。
【0039】
B.ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩
好ましい実施形態では、本発明はピリチオン又はピリチオンの多価金属塩を含んでもよい。小板状及び針晶構造などの、いかなる形態の多価金属のピリチオン塩も用いてよい。本明細書での使用に好ましい塩としては、多価金属のマグネシウム、バリウム、ビスマス、ストロンチウム、銅、亜鉛、カドミウム、ジルコニウム及びこれらの混合物から、より好ましくは亜鉛から形成されているものが挙げられる。本明細書で用いるのにさらにより好ましいのは、1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオンの亜鉛塩(「ジンクピリチオン」又は「ZPT」として知られている)であり、より好ましくは小板状粒子形態のZPTであり、その際、この粒子の平均の大きさは、約20μmまで、好ましくは約5μmまで、より好ましくは約2.5μmまでである。
【0040】
ピリジンチオン抗菌剤及び抗ふけ剤は、例えば、米国特許第2,809,971号、米国特許第3,236,733号、米国特許第3,753,196号、米国特許第3,761,418号、米国特許第4,345,080号、米国特許第4,323,683号、米国特許第4,379,753号、及び米国特許第4,470,982号に記載されている。
【0041】
ZPTを本明細書の抗菌組成物中の抗菌微粒子として使用すると、付加的な利点である発毛若しくは再生が促進若しくは調節される場合があり、又はその両方である場合があり、又は脱毛が減少若しくは抑制される場合があり、又は毛髪がより濃く若しくはよりたっぷりに見える場合があることがさらに考えられる。
【0042】
ジンクピリチオンは、米国特許第2,809,971号に例証されているように、1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン(即ち、ピリチオン酸)又はその可溶性塩を亜鉛塩(例えば硫酸亜鉛)と反応させてジンクピリチオン沈殿を形成することによって製造されてもよい。
【0043】
好ましい実施形態は、約0.01%〜約5%、より好ましくは約0.1%〜約2%のピリチオン又はピリチオンの多価金属塩を含む。
【0044】
亜鉛含有層状物質及びピリチオン又はピリチオンの多価金属塩を有する実施形態では、亜鉛含有層状物質と、ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩との比は、好ましくは5:100〜10:1、より好ましくは約2:10〜5:1、さらにより好ましくは1:2〜3:1である。
【0045】
C.局所用キャリア
好ましい実施形態では、本発明の組成物は局所用組成物の形態であり、これには局所用キャリアが含まれる。好ましくは、局所用キャリアは、形成される組成物の種類に応じて、従来の広範囲のパーソナルケアキャリアから選択される。適合性のあるキャリアを適切に選択することによって、このような組成物を、コンディショニングトリートメント、洗浄製品、例えば毛髪及び/又は頭皮シャンプー、ボディウォッシュ、手用洗剤、水不要の手の消毒剤/洗剤、顔の洗剤などを含む日常の皮膚用又は毛髪用製品の形態で調製することが検討される。
【0046】
好ましい実施形態では、キャリアは水である。好ましくは、本発明の組成物は、組成物の40重量%〜95重量%、好ましくは50重量%〜85重量%、さらにより好ましくは60重量%〜80重量%の水を含む。
【0047】
D.洗浄性界面活性剤
本発明の組成物は、洗浄性界面活性剤を含む。洗浄性界面活性剤成分は、組成物に洗浄性能を提供するために含有させる。そして、洗浄性界面活性剤成分は、アニオン性洗浄性界面活性剤、双性イオン性若しくは両性洗浄性界面活性剤、又はこれらの組み合わせを含む。このような界面活性剤は、本明細書に記載の必須成分と物理的及び化学的に適合性があるべきであり、そうでなければ過度に製品の安定性、審美性、又は性能を損なわないものでなければならない。
【0048】
本明細書の組成物中に用いるのに好適なアニオン性洗浄性界面活性剤成分としては、毛髪ケア又は他のパーソナルケア洗浄組成物での使用に既知のものが挙げられる。組成物中のアニオン性界面活性剤成分の濃度は、所望の洗浄及び起泡性能を提供するのに十分であるべきであり、一般に、約2%〜約50%、好ましくは約8%〜約30%、より好ましくは約10%〜約25%、さらにより好ましくは約12%〜約22%の範囲である。
【0049】
本組成物に用いるのに適した好ましいアニオン性界面活性剤はアルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェートである。これらの物質は、それぞれ式ROSO3M及びRO(C24O)xSO3Mを有しており、式中、Rは炭素原子数が約8〜約18個のアルキル又はアルケニルであり、xは1〜10の値を有する整数であり、Mはアンモニウムのようなカチオン、トリエタノールアミンのようなアルカノールアミン、ナトリウム及びカリウムのような一価金属、並びにマグネシウム及びカルシウムのような多価金属カチオンである。
【0050】
アルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェートの双方において、Rは、好ましくは約8〜約18個の炭素原子、より好ましくは約10〜約16個の炭素原子、さらにより好ましくは約12〜約14個の炭素原子を有している。アルキルエーテルサルフェートは、典型的にはエチレンオキシドと約8〜約24個の炭素原子を有する一価アルコールとの縮合生成物として形成される。アルコールは合成品又は脂肪(例えばココヤシ油、パーム核油、タロー)から誘導することができる。ココヤシ油又はパーム核油から誘導されたラウリルアルコール及び直鎖アルコールが好ましい。そのようなアルコールを、約0〜約10モル、好ましくは約2〜約5モル、より好ましくは約3モルのエチレンオキシドの割合で反応させ、得られた分子種の混合物、例えばアルコール1モルにつき平均3モルのエチレンオキシドを有するものを、硫酸化し中和する。
【0051】
他の好適なアニオン性洗浄性界面活性剤は、式[R1−SO3−M](式中、R1は約8〜約24個、好ましくは約10〜18個の炭素原子を有する、直鎖又は分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素ラジカルであり、Mは先に記載されたカチオンである)に従う有機の硫酸反応生成物の水溶性塩である。
【0052】
さらに他の好適なアニオン性洗浄性界面活性剤は、イセチオン酸でエステル化し、水酸化ナトリウムで中和した脂肪酸の反応生成物(例えば、脂肪酸はココヤシ油又はパーム核油から誘導されたもの)であり、脂肪酸が例えばココヤシ油又はパーム核油から誘導されたメチルタウリドの脂肪酸アミドのナトリウム又はカリウム塩である。他の同様なアニオン性界面活性剤は、米国特許第2,486,921号、同第2,486,922号、及び同第2,396,278号に記載されている。
【0053】
本組成物に用いるのに好適な他のアニオン性洗浄性界面活性剤は、スクシネートであり、その例としては、N−オクタデシルスルホコハク酸二ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸二ナトリウム、ラウリルジアンモニウム(diammonium lauryl)、N−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−オクタデシルスルホコハク酸四ナトリウム、スルホコハク酸ナトリウムのジアミルエステル、スルホコハク酸ナトリウムのジヘキシルエステル及びスルホコハク酸ナトリウムのジオクチルエステルが挙げられる。
【0054】
他の適切なアニオン性洗浄性界面活性剤としては、約10〜約24個の炭素原子を有するオレフィンスルホネートが挙げられる。真性アルケンスルホネート及び一部のヒドロキシ−アルカンスルホネートに加えて、オレフィンスルホネートは、反応条件、反応物質の比率、オレフィンストックにおける出発オレフィン及び不純物の性質、並びにスルホン化プロセス中の副反応により、アルケンジスルホネートのような少量の他の物質を含有することができる。このようなα−オレフィンスルホネート混合物の非限定例は、米国特許第3,332,880号に記載されている。
【0055】
本組成物に用いるのに好適なアニオン性洗浄性界面活性剤のもう1つの種類は、β−アルキルオキシアルカンスルホネートである。これらの界面活性剤は、次の式に従うものである。
【0056】
【化1】

式中、R1は約6〜約20個の炭素原子を有する直鎖アルキル基であり、R2は約1〜約3個の炭素原子、好ましくは1個の炭素原子を有する低級アルキル基であり、Mは前述されたような水溶性カチオンである。
【0057】
本組成物に用いるのに好ましいアニオン性洗浄性界面活性剤としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム及びこれらの組み合わせが挙げられる。本発明のさらなる実施形態では、アニオン性界面活性剤は、好ましくはラウリル硫酸ナトリウム又はラウレス硫酸ナトリウムである。
【0058】
本明細書の組成物において用いられる好適な両性又は双性イオン性洗浄性界面活性剤としては、毛髪ケア又は他のパーソナルケア洗浄における使用が既知のものが包含される。こうした両性の洗浄性界面活性剤の濃度は、好ましくは、約0.5%〜約20%、好ましくは約1%〜約10%の範囲である。好適な双性イオン性又は両性界面活性剤の非限定例は、米国特許第5,104,646号(ボリッチ(Bolich Jr.)ら)、同第5,106,609号(ボリッチ(Bolich Jr.)ら)に記載されている。
【0059】
本組成物に用いるのに好適な両性洗浄性界面活性剤は当該技術分野において周知であり、脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖であることができる脂肪族二級及び三級アミンの誘導体として広く記述される界面活性剤が挙げられるが、その際、脂肪族置換基の1つは約8〜約18個の炭素原子を有し、1つはカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート又はホスホネートのようなアニオン性基を有している。本発明に用いるのに好ましい両性洗浄性界面活性剤としては、ココアンホ酢酸塩、ココアンホ二酢酸塩、ラウロアンホ酢酸塩、ラウロアンホ二酢酸塩及びこれらの混合物が挙げられる。
【0060】
本組成物に用いるのに好適な双性イオン性の洗浄性界面活性剤は当該技術分野において周知であり、脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖であることができる脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウム及びスルホニウム化合物の誘導体として広く記載されている界面活性剤が挙げられるが、その際、脂肪族置換基の1つは約8〜約18個の炭素原子を有し、1つはカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート又はホスホネートのようなアニオン性基を有する。ベタインのような双性イオンが好ましい。
【0061】
本発明の組成物は、上述のアニオン性洗浄性界面活性剤成分と組み合わせて用いるための追加の界面活性剤をさらに含んでよい。好適な任意の界面活性剤としては、非イオン性及びカチオン性の界面活性剤が挙げられる。任意の追加の界面活性剤がまた組成物の必須成分に化学的及び物理的に適合性があるか、製品性能、審美性、又は安定性を過度に損なわない限り、毛髪ケア又はパーソナルケア製品に用いるための、当該技術分野において既知のいかなる前記界面活性剤を用いてもよい。本組成物における任意の追加の界面活性剤の濃度は、所望の洗浄又は起泡性能、選択した任意の界面活性剤、所望の製品濃度、組成物中の他の成分の有無、及び当該技術分野において周知の他の要因によって変えてもよい。
【0062】
本組成物に用いるのに好適なその他のアニオン性、双性イオン性、両性、又は任意の追加の界面活性剤の非限定的な例は、マカッチャン(McCutcheon)著「乳化剤及び洗剤(Emulsifiers and Detergents)」(1989年、年報、M.C.出版社(M. C. Publishing Co.)刊)、並びに米国特許第3,929,678号、同第2,658,072号、同第2,438,091号、同第2,528,378号に記載されている。
【0063】
E.分散粒子
本発明の組成物は、分散した粒子を含んでもよい。本発明の組成物中には、少なくとも0.025重量%の分散粒子、より好ましくは少なくとも0.05重量%、なおより好ましくは少なくとも0.1重量%、さらにより好ましくは少なくとも0.25重量%、なおより好ましくは少なくとも0.5重量%の分散粒子を組み込むことが好ましい。本発明の組成物中には、約20重量%以下の分散粒子、より好ましくは約10重量%以下、なおより好ましくは5重量%以下、さらにより好ましくは3重量%以下、なおより好ましくは2重量%以下の分散粒子を組み込むことが好ましい。
【0064】
F.水性キャリア
本発明の組成物は典型的には注入可能な液体の形態(周囲条件のもとで)である。そのため組成物には典型的には水性キャリアが含まれており、水性キャリアは約20%〜約95%、好ましくは約60%〜約85%の濃度で存在している。水性キャリアには、水又は水と有機溶媒との混和性混合物を含めてもよいが、他の必須成分又は任意成分の微量成分として組成物中に別に付随的に組み込む場合を除き、最小限の有機溶媒を有するか、又は有意の濃度の有機溶媒を有さない水を含めるのが好ましい。
【0065】
G.追加の成分
任意成分が、物理的及び化学的に本明細書に記載された必須成分と適合し、若しくは製品の安定性、美観又は性能を過度に損なわない限り、本発明の組成物はさらに、毛髪ケア又はパーソナルケア製品における使用に既知の1以上の任意成分を含んでもよい。このような任意成分の個々の濃度は約0.001%〜約10%の範囲であってよい。
【0066】
組成物に用いる任意成分の非限定例としては、カチオン性ポリマー、コンディショニング剤(炭化水素油、脂肪酸エステル、シリコーン)、抗ふけ剤、懸濁剤、粘度調整剤、染料、不揮発性溶媒又は希釈剤(水溶性及び非水溶性)、真珠光沢助剤、起泡増進剤、追加の界面活性剤又は非イオン性補助界面活性剤、殺シラミ剤、pH調整剤、香料、防腐剤、キレート剤、タンパク質、皮膚活性剤、日焼け止め剤、UV吸収剤、及びビタミン、ミネラル、草本/果物/食品抽出物、スフィンゴ脂質誘導体又は合成誘導体、及び粘土が挙げられる。
【0067】
1.カチオン性ポリマー
本発明の組成物は、カチオン性ポリマーを含有してよい。組成物中のカチオン性ポリマーの濃度は典型的には、約0.05%〜約3%、好ましくは約0.075%〜約2.0%、より好ましくは約0.1%〜約1.0%の範囲である。好ましいカチオン性ポリマーのカチオン電荷密度は、少なくとも約0.9meq/g、好ましくは少なくとも約1.2meq/g、より好ましくは少なくとも約1.5meq/gであるが、また好ましくは約7meq/g未満、より好ましくは約5meq/g未満である。本明細書においてポリマーの「カチオン電荷密度」とは、ポリマーの分子量に対するポリマー上の正電荷数の比率を指す。このような好適なカチオン性ポリマーの平均分子量は一般に約10,000〜10,000,000、好ましくは約50,000〜約5,000,000、より好ましくは約100,000〜約3,000,000である。
【0068】
本発明の組成物に用いるのに好適なカチオン性ポリマーは、第四級アンモニウムのようなカチオン性窒素含有部分又はカチオン性プロトン化アミノ部分を有している。カチオン性プロトン化アミンは、組成物の特定の化学種及び選択したpHに応じて、第一級、第二級又は第三級アミン(好ましくは第二級又は第三級)にすることができる。カチオン性ポリマーに関連して、いかなるアニオン性対イオンを使用することもできるが、該ポリマーが、水、組成物、又は組成物のコアセルベート相に可溶性なままであること、また、該対イオンが、組成物の必須成分と物理的及び化学的に適合性があり、そうでなければ製品の性能、安定性、又は審美性を過度に損なわないことを条件とする。このような対イオンの非限定例としては、ハロゲン化物(例えば、塩化物、フッ化物、臭化物、ヨウ化物)、サルフェート及びメチルサルフェートが挙げられる。
【0069】
このようなポリマーの非限定例は、エストリン(Estrin)、クロスリー(Crosley)及びヘインズ(Haynes)編のCTFA化粧品成分辞典(CTFA Cosmetic Ingredient Dictionary)、第3版(米国化粧品工業会(The Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association, Inc.)、ワシントンD.C.(1982年))に記載されている。
【0070】
好適なカチオン性ポリマーの非限定的例としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキル及びジアルキルアクリルアミド、アルキル及びジアルキルメタクリルアミド、アクリル酸アルキル、アルキルメタクリレート、ビニルカプロラクトン又はビニルピロリドンのような、水溶性スペーサーモノマーと、カチオン性プロトン化アミン又は第四級アンモニウム官能基を有するビニルモノマーとのコポリマーが挙げられる。
【0071】
本明細書の組成物のカチオン性ポリマーに含めるための好適なカチオン性プロトン化アミノ及び第四級アンモニウムモノマーとしては、ジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、モノアルキルアミノアルキルアクリレート、モノアルキルアミノアルキルメタクリレート、トリアルキルメタクリルオキシアルキルアンモニウム塩、トリアルキルアクリルオキシアルキルアンモニウム塩、ジアリル第四級アンモニウム塩で置換されたビニル化合物、並びに、例えばアルキルビニルイミダゾリウム、アルキルビニルピリジニウム、アルキルビニルピロリドン塩などの、ピリジニウム、イミダゾリウム、及び第四級ピロリドンのような環状カチオン性窒素含有環を有するビニル第四級アンモニウムモノマーが挙げられる。
【0072】
組成物に用いる他の好適なカチオン性ポリマーとしては、1−ビニル−2−ピロリドンと1−ビニル−3−メチルイミダゾリウム塩(例えば、塩化物塩)のコポリマー(化粧品香料工業協会(Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association)「CTFA」により、産業界で、ポリクオタニウム(Polyquaternium)−16と呼ばれている)、1−ビニル−2−ピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー(産業界で、CTFAにより、ポリクオタニウム−11と呼ばれている)、カチオン性ジアリル第四級アンモニウム含有ポリマー、例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー、アクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムクロライドのコポリマー(産業界で、CTFAにより、それぞれポリクオタニウム6及びポリクオタニウム7と呼ばれている)、アクリル酸の両性コポリマー、例えば、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロライドのコポリマー(産業界で、CTFAにより、ポリクオタニウム22と呼ばれている)、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロライド及びアクリルアミドとのターポリマー(産業界で、CTFAにより、ポリクオタニウム39と呼ばれている)、並びにアクリル酸とメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド及びメチルアクリレートとのターポリマー(産業界で、CTFAにより、ポリクオタニウム47と呼ばれている)が挙げられる。好ましいカチオン性置換モノマーは、カチオン性置換ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド、及びこれらの組み合わせである。これらの好ましいモノマーは、次の式に従う:
【0073】
【化2】

式中、R1は、水素、メチル、又はエチルであり、R2、R3、及びR4はそれぞれ独立して、水素又は約1〜約8個の炭素原子、好ましくは約1〜約5個の炭素原子、より好ましくは約1〜約2個の炭素原子を有する短鎖アルキルであり、nは約1〜約8、好ましくは約1〜約4の値を有する整数であり、Xは対イオンである。R2、R3及びR4に結合する窒素はプロトン化したアミン(第一級、第二級又は第三級)であってもよいが、好ましくは第四級アンモニウムであり、その際、各R2、R3及びR4はアルキル基であり、その非限定例はポリメタクリルアミドプロピルトリモニウムクロライドであり、米国、ニュージャージー州クランベリーのローヌ・プーラン(Rhone-Poulenc)より、ポリケア(Polycare)133の商標名で入手可能である。
【0074】
本組成物に用いるその他の好適なカチオン性ポリマーとしては、カチオン性セルロース誘導体及びカチオン性のデンプン誘導体のような多糖類ポリマーが挙げられる。好適なカチオン性多糖類ポリマーは、下式に合致する。
【0075】
【化3】

式中、Aはデンプン又はセルロースアンヒドログルコース残基のような無水グルコース残基であり、Rはアルキレンオキシアルキレン、ポリオキシアルキレン又はヒドロキシアルキレン基、又はその組み合わせであり、R1、R2及びR3は、個別に、アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル又はアルコキシアリール基であり、各基は約18個までの炭素原子を含有し、各カチオン性部分の炭素原子の総数(即ち、R1、R2及びR3にある炭素原子の合計)は、望ましくは約20以下であり、先に記載したように、Xはアニオン性対イオンである。
【0076】
好ましいカチオン性セルロースポリマーは、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの塩であり、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム(Polyquaternium)10と呼ばれており、アマコール社(Amerchol Corp.)(米国、ニュージャージー州エジソン(Edison))よりポリマーの、ポリマー(Polymer)LR、JR及びKGシリーズとして入手可能である。カチオン性セルロースのその他の好適な種類としては、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム(Polyquaternium)24と呼ばれる、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースのポリマーの第四級アンモニウム塩が挙げられる。これらの物質は、アマコール社(Amerchol Corp.)より、ポリマーLM−200の商品名で入手可能である。
【0077】
その他の好適なカチオン性ポリマーとしては、グアーヒドロキシプロピル塩化トリモニウムのようなカチオン性グアーガム誘導体が挙げられ、その具体例としては、ローヌ・プーラン社(Rhone-Poulenc Incorporated)より市販されているジャガー(Jaguar)シリーズ、及びハーキュレス社(Hercules,Inc.)のアクアロン部門(Aqualon Division)より市販されているN−ハンス(N-Hance)シリーズが挙げられる。その他の好適なカチオン性ポリマーには、四級窒素含有セルロースエーテルが挙げられ、その幾つかの例が米国特許第3,962,418号に記載されている。他の好適なカチオン性ポリマーとしては、エーテル化セルロース、グアー、及びデンプンのコポリマーが挙げられ、その幾つかの例が、米国特許第3,958,581号に記載されている。本明細書のカチオン性ポリマーを用いる場合、そのポリマーは本組成物に可溶性であるか、又はカチオン性ポリマーと上述のアニオン性、両性及び/若しくは双性イオン性の洗浄性界面活性剤成分とによって形成された組成物中の複合コアセルベート相に可溶性であるかのいずれかである。カチオン性ポリマーの複合コアセルベートはまた、組成物中の他の荷電物質で形成させることもできる。
【0078】
複合コアセルベートの形成の分析技術は、当該技術分野において既知である。例えば、選択したいかなる希釈段階においても、組成物の顕微鏡分析は、コアセルベート相が形成されたか否かを確認するために使用できる。このようなコアセルベート相は、組成物中の更なる乳化相として確認できる。染料の使用は、コアセルベート相を組成物中に分散されたその他の不溶性の相と区別する際の一助となり得る。
【0079】
カチオン性ポリマーの製造プロセスにおける四級化反応中に生じ得る可能性のある副反応はトリメチルアミン(TMA)の形成である。理論に束縛されることを意図しないが、6.8を越えるpHにてカチオン性ポリマー含有組成物中における不純物としてのTMAの存在は、アミン臭の発生又は魚臭の発生源であると考えることができる。驚くべきことに、pHが組成物のヘッドスペースに発生するTMAの濃度に顕著な影響を与える−特にヘッドスペースに存在するTMAの濃度がpHが増大するにつれて増大することが見出されている。ヘッドスペースは、通常、閉じた容器中の液体又は固体上方の容積と見なされる。したがって、アミン臭の発生レベルは、ヘッドスペースに存在するTMAの濃度に比例すると考えることができる。さらに、図1に示されるように、組成物のpHを低下させることによってヘッドスペースへのTMAの発生を逆転させることができることが見出されている。図1におけるy軸にはTMA面積カウントが示され、それは、以下で従う方法に記載されるように、データを再処理するために使用できる従来のソフトウェア(例えば、アジレント・ケムステーション・ソフトウェア(Agilent Chemstation software))によって計算される対象物(TMA)のピーク下での面積として一般に見なされる。
【0080】
そのため、カチオン性ポリマーを含み、アミン臭の発生が少ないか、全くない6.8を越えるpHを有する受容可能な組成物を製造するためには、検出可能なTMAを全く含まないか、低濃度までで含むカチオン性ポリマーを使用する必要があり得ることが見出されている。カチオン性ポリマーからのTMAの濃度は、次の方法を用いて測定できる:
ガスクロマトグラフィ/質量選択検出器(GC/MSD)によるカチオン性ポリマーにおけるトリメチルアミン(TMA)SPMEヘッドスペース分析
この方法は、pH10における水中の0.5%濃度(w/w)のカチオン性ポリマー上方のヘッドスペースにおけるトリメチルアミン(TMA)の分析を目的とする。
【0081】
この方法論は、pH10における対応する溶液濃度が0.02〜0.25ppmであるカチオン性ポリマー試料のヘッドスペースにおけるトリメチルアミン含有量の測定に適用可能である。標準的な添加3点(試料+2スパイク濃度)の検量線を定量化のために利用する。
【0082】
装置
次の装置は、上述のカチオン性ポリマーにてTMAヘッドスペース分析を行うために使用でき、並びに他の既知の従来の装置及び材料:質量選択検出器(MSD)を備えたガスクロマトグラフィ(GC)をこの方法に使用してもよい。MSDを備えた市販のガスクロマトグラフの例は、アジレント(Agilent)6890/5973GC/MSDシステム又は機器である。固相マイクロ抽出(SPME)ファイバー、例えば「グレイ(Grey)」ファイバー−1cm−50/30μmのDVB/Carboxen/PDMS−低分子量成分に適したSPMEファイバーであり、スペルコ(Supelco)から部品番号57329−Uとして市販されている−をこの方法に使用してもよい。GCカラム−5%フェニル−95%メチルポリシロキサン(市販例はアジレント(Agilent)DB−5MSである)−30m、内径0.25mm、フィルム厚さ0.25μmを使用してもよい。20mLクリンプトップヘッドスペースバイアル瓶を使用してもよい。磁性隔膜キャップを使用してもよく、並びに40mLのガラスバイアル瓶を使用してもよい。
【0083】
材料
水酸化ナトリウム及び塩酸は、試料のpH調整又はTMA原液調製に使用されてもよい。トリメチルアミン標準及び/又は原液は、トリメチルアミン塩酸塩原料から調製してもよい。トリメチルアミン塩酸塩原料の市販例は、シグマ(Sigma)T−7630、98%最小純度である。新しいトリメチルアミン塩酸塩原料が届いたら、材料を密封されたガラスバイアル瓶に入れ、デシケーターに保管してもよい。3ヶ月毎にトリメチルアミン塩酸塩原料を105℃にてオーブンで2時間乾燥させ、保管のためにデシケーターに戻してもよい。この乾燥はその吸湿特性によるトリメチルアミン塩酸塩原料の吸水を最小限にする。
【0084】
手順
試料調製
0.5%のカチオン性ポリマー試料を調製してもよいが、ここで0.5:99.5(カチオン性ポリマー:水)の百分率比が全ての試料に利用され得る。カチオン性ポリマー試料を調製する時、適切な水和が達成されるべきであり、pHはカチオン性ポリマーの水和の後で10+/−0.05のpH単位に調整されるべきである。
【0085】
標準添加試料及びスパイク調製
10ppmのトリメチルアミン原液を調製する。10ppm原液をポリマー溶液試料に適切な量でスパイクして、それぞれ0.05ppm及び0.15ppmのスパイクTMA濃度を達成する。全ての試料及びスパイク試料溶液は、1:4の液体と総バイアル瓶容積との比(例えば、5mL溶液:20mLヘッドスペースバイアル瓶)を有していなければならない。3点標準添加検量線の調製(試料溶液、0.05ppmTMAスパイク、及び0.15ppmTMAスパイク)を、それぞれの濃度で2つの複製に関して分析してもよい。
【0086】
機器操作
全ての試料及びスパイク濃度は、分析前に最小10時間、それぞれのヘッドスペースバイアル瓶について平衡化させなければならない。次は、SPMEファイバー、ガスクロマトグラフ(GC)、及びMSDについて設定され得る機器パラメータである。
【0087】
【表1】

【0088】
【表2】

【0089】
【表3】

【0090】
【表4】

【0091】
分析
1.TMAピークの抽出されたイオン58が、データ再処理(ピーク面積積分)に使用されなければならない。
【0092】
システム適合性/品質管理
1.各濃度(試料、0.05ppmTMAスパイク、0.15ppmTMAスパイク)それぞれにおける複製注入についての%偏差は、15%未満でなければならない。
2.各試料それぞれについてプロットされた検量線のr2値は、0.990以上でなければならない。
【0093】
計算
1.エクセルのようなプログラムを用いて、(試料濃度については0ppm濃度を用いて)x軸上におけるppm単位でのTMA濃度に対して、各試料又はスパイク濃度それぞれに関してn=2複製物の中間MSD面積カウントをy軸にプロットする。
2.これを達成したら、3つのプロットデータ点に対して最良適合又は線状傾向線を適合させる。次いで、得られた線方程式及び基礎代数を用いてxを求める。
3.xの求められた値は、100万分の1(ppm)単位での試料溶液中のTMA濃度である。
4.試料溶液のTMA濃度は、カチオン性ポリマー固体中のTMA濃度(ppm)を計算するために、(希釈要因に基づいて)200を掛けてもよい。
【0094】
例えば上述の方法にて測定される場合に、45ppm未満、好ましくは25ppm未満、より好ましくは17ppm未満のTMA濃度を有するカチオン性ポリマーを含む組成物が、アミン臭発生が全くないか、アミン臭発生が低く、それが受容可能であることが見出されている。
【0095】
臭気評価
熟練の嗅覚の官能試験員は、都合の良い基準で臭気を判定するために使用されてもよい。例えば、0(検出可能なアミン臭発生がない)から10(アミン臭発生が高い)の基準を確立し格付け目的のために使用できる。こうした試験の確立は、慣用の事例であり、個々の要望に応じて種々のその他の手順を考案できる。
【0096】
2.非イオン性ポリマー
本明細書には、約1000を越える分子量を有するポリアルキレングリコールが有用である。以下の一般式を有するものが有用である。
【0097】
【化4】

式中R95は、H、メチル及びこれらの混合物から成る群から選択される。本明細書中で有用なポリエチレングリコールポリマーは、PEG−2M(ポリオックスWSR(Polyox WSR)(登録商標)N−10としても既知であり、ユニオンカーバイド(Union Carbide)から入手可能であり、PEG−2,000としても既知である);PEG−5M(ユニオンカーバイドから入手可能なポリオックスWSR(登録商標)N−35及びポリオックスWSR(登録商標)N−80としても既知であり、PEG−5,000及びポリエチレングリコール300,000としても既知である);PEG−7M(ユニオンカーバイドから入手可能なポリオックスWSR(登録商標)N−750としても既知である);PEG−9M(ユニオンカーバイドから入手可能なポリオックスWSR(登録商標)N−3333としても既知である);並びにPEG−14M(ユニオンカーバイドから入手可能なポリオックスWSR(登録商標)N−3000としても既知である)である。
【0098】
3.コンディショニング剤
コンディショニング剤は、特別なコンディショニングの効果を毛髪及び/又は皮膚に与えるために用いられるいかなる物質も包含する。毛髪トリートメント組成物において、好適なコンディショニング剤は、光沢、柔軟性、櫛通りの良さ、静電気防止特性、濡れた時の扱い、損傷、扱い易さ、ボリューム、及び脂っぽさに関連した効果を1つ以上もたらすものである。本発明の組成物に有用なコンディショニング剤は、典型的には、乳化液体粒子を形成する非水溶性の水分散性不揮発性液体を含む。本組成物に用いるのに好適なコンディショニング剤は、一般にシリコーン(例えば、シリコーンオイル、カチオン性シリコーン、シリコーンゴム、屈折率の高いシリコーン、及びシリコーン樹脂)、有機コンディショニングオイル(例えば、炭化水素油、ポリオレフィン、及び脂肪酸エステル)若しくはこれらの組み合わせとして特徴付けられるコンディショニング剤、又はそうでなければ本明細書の水性界面活性剤マトリックス中に液状の分散粒子を形成するコンディショニング剤である。これらのコンディショニング剤は、物理的及び化学的に組成物の必須成分と適合性があるべきであり、そうでなければ過度に製品の安定性、審美性、又は性能を損なうものであってはならない。
【0099】
組成物におけるコンディショニング剤の濃度は、所望のコンディショニング効果をもたらすのに十分でなくてはならず、これは当業者には明白となるであろう。このような濃度はコンディショニング剤、所望のコンディショニング性能、コンディショニング剤粒子の平均粒径、その他の成分の種類及び濃度、並びにその他の同様の要因により変化させることができる。
【0100】
1.シリコーン類
本発明の組成物のコンディショニング剤は、好ましくは、不溶性シリコーンコンディショニング剤である。シリコーンコンディショニング剤粒子は、揮発性シリコーン、不揮発性シリコーン、又はそれらの組み合わせを含んでよい。不揮発性シリコーンコンディショニング剤が好ましい。揮発性シリコーンが存在している場合、揮発性シリコーンは典型的には、市販の形態の不揮発性シリコーン物質成分(シリコーンゴム及び樹脂など)の溶媒又はキャリアとしての使用に付随するものである。シリコーンコンディショニング剤粒子は、シリコーン流体コンディショニング剤を含んでよく、またシリコーン流体の付着効率を改善するか又は毛髪の光沢度を高めるため、シリコーン樹脂など、他の成分を含んでよい。
【0101】
シリコーンコンディショニング剤の濃度は典型的には、約0.01%〜約10%、好ましくは約0.1%〜約8%、より好ましくは約0.1%〜約5%、より好ましくは約0.2%〜約3%の範囲である。好適なシリコーンコンディショニング剤、及びシリコーンのための任意の懸濁剤の非限定的な例は、米国再発行特許第34,584号、米国特許第5,104,646号、及び米国特許第5,106,609号に記載されている。本発明の組成物に用いるシリコーンコンディショニング剤の粘度は、25℃で測定した場合で、約2E−5m2/s(20センチストーク(「cst」))〜約2m2/s(2,000,000cst)、より好ましくは約0.001m2/s(1,000cst)〜約1.8m2/s(1,800,000cst)、さらにより好ましくは約0.05m2/s(50,000cst)〜約1.5m2/s(1,500,000cst)、より好ましくは約0.1m2/s(100,000cst)〜約1.5m2/s(1,500,000cst)であるのが好ましい。
【0102】
分散したシリコーンコンディショニング剤粒子は、ホリバLA−910粒径分析装置(Horiba LA-910 Particle Size Analyzer)を用いて測定する場合に、典型的には、約0.01μm〜約50μmの容積平均粒子直径を有している。ホリバLA−910(Horiba LA-910)機器は、小角のフラウンホーファー回折(Fraunhofer Diffraction)及び光散乱(Light Scattering)の原理を用いて粒子の希釈溶液中で粒径及び分布を測定する。小さい粒子を毛髪に適用するには、容積平均粒子直径は典型的には約0.01μm〜約4μm、好ましくは約0.01μm〜約2μm、より好ましくは約0.01μm〜約0.5μmの範囲である。より大きい粒子を毛髪に適用するには、容積平均粒子直径は典型的には約4μm〜約50μm、好ましくは約6μm〜約40μm、及びより好ましくは約10μm〜約35μmの範囲である。
【0103】
シリコーン流体、ゴム、及び樹脂、並びにシリコーンの製造を論じる項を含むシリコーンの背景資料は、高分子工業科学百科辞典(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering)、第15巻、第2版(ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons, Inc.)、1989年)、204〜308ページに見出される。
【0104】
a.シリコーンオイル類
シリコーン流体としてはシリコーンオイル類が挙げられ、これは25℃で測定した場合に、1m2/s(1,000,000cst)未満、好ましくは約5E−6m2/s(5cst)〜約1m2/s(1,000,000cst)、より好ましくは約0.0001m2/s(100cst)〜約0.6m2/s(600,000cst)の粘度を有する流動性のシリコーン物質である。本発明の組成物に用いるのに好適なシリコーンオイル類としては、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリエーテルシロキサンコポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。ヘアコンディショニング特性を有するその他の不溶性不揮発性シリコーン流体を用いてもよい。
【0105】
シリコーンオイル類としては、次の式(III)に従うポリアルキル又はポリアリールシロキサンが挙げられる。
【0106】
【化5】

式中、Rは脂肪族、好ましくはアルキル若しくはアルケニル、又はアリールであり、Rは置換型又は非置換型であることができ、xは1〜約8,000の整数である。本発明の組成物に用いるのに好適なR基としては、アルコキシ、アリールオキシ、アルカリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アルカミノ、及びエーテル−置換、ヒドロキシル−置換、並びにハロゲン−置換脂肪族及びアリール基が挙げられるが、これらに限定されない。好適なR基としては、カチオン性アミン及び第四級アンモニウム基も挙げられる。
【0107】
好ましいアルキル及びアルケニル置換体は、C1〜C5、より好ましくはC1〜C4、より好ましくはC1〜C2のアルキル及びアルケニルである。その他のアルキル−、アルケニル−又はアルキニル−含有基(例えば、アルコキシ、アルカリール及びアルカミノ)の脂肪族部分は、直鎖又は分枝鎖であることができ、好ましくはC1〜C5、より好ましくはC1〜C4、さらにより好ましくはC1〜C3、より好ましくはC1〜C2である。上述のように、R置換基にもアミノ官能性(例えば、アルカミノ基)を含有することができ、これは第一級、第二級、若しくは第三級アミン又は第四級アンモニウムにすることができる。これらとしては、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ及びトリアルキルアミノ並びにアルコキシアミノ基が挙げられ、脂肪族部分鎖長は好ましくは本明細書に記載されているものである。
【0108】
b.アミノ及びカチオン性シリコーン
本発明の組成物中に使用するのに好適なカチオン性シリコーン液としては、限定されないが、以下の一般式(V)に合致するものである:
(R1a3-a−Si−(−OSiG2n−(−OSiGb(R12-b)m−O−SiG3-a(R1a
式中、Gは水素、フェニル、ヒドロキシ又はC1〜C8アルキル、好ましくはメチルであり、aは0又は1〜3の値を有する整数、好ましくは0であり、bは0又は1、好ましくは1であり、nは0〜1,999、好ましくは49〜499の数であり、mは1〜2,000の整数、好ましくは1〜10の整数であり、nとmとの合計は1〜2,000、好ましくは50〜500の数であり、R1は、一般式CqH2qLに従う一価のラジカルであり、式中、qは2〜8の値を有する整数であり、Lは以下の基から選択される。
【0109】
−N(R2)CH2−CH2−N(R22
−N(R22
−N(R23-
−N(R2)CH2−CH2−NR22-
式中、R2は、水素、フェニル、ベンジル、又は飽和炭化水素ラジカル、好ましくは約C1〜約C20のアルキルラジカルであり、A-はハロゲン化物イオンである。
【0110】
式(V)に対応する特に好ましいカチオン性シリコーンは、「トリメチルシリルアモジメチコン」として既知のポリマーであり、以下の式(VI)で示される。
【0111】
【化6】

【0112】
本発明の組成物中で使用してもよい他のシリコーンカチオン性ポリマーは、一般式(VII)によって表される。
【0113】
【化7】

式中、R3は、C1〜C18の一価の炭化水素ラジカル、好ましくはメチルのようなアルキル又はアルケニルラジカルであり、R4は炭化水素ラジカルであり、好ましくはC1〜C18アルキレンラジカル又はC10〜C18アルキレンオキシラジカルであり、より好ましくはC1〜C8アルキレンオキシラジカルであり、Q-はハロゲン化物イオンであり、好ましくはクロライドであり、rは2〜20、好ましくは2〜8の平均統計値であり、sは20〜200、好ましくは20〜50の平均統計値である。この種類の好ましいポリマーは、ユーケアシリコーンALE(UCARE SILICONE ALE)56(商標)として既知であり、ユニオンカーバイド(Union Carbide)より入手可能である。
【0114】
c.シリコーンガム
本発明の組成物に用いるのに好適なその他のシリコーン流体は、不溶性シリコーンゴムである。これらのゴムは、25℃で測定した場合、1m2/s(1,000,000cSt)以上の粘度を有するポリオルガノシロキサン物質である。シリコーンゴムは米国特許第4,152,416号、ノル及びウォルター(Noll and Walter)のシリコーンの化学と技術(Chemistry and Technology of Silicones)、ニューヨーク:アカデミック出版(Academic Press)(1968年)、並びにゼネラル・エレトリック・シリコーン・ラバー製品データシート(General Electric Silicone Rubber Product Data Sheets)SE30、SE33、SE54及びSE76に記載されている。本発明の組成物に用いるシリコーンゴムの具体的な非限定例としては、ポリジメチルシロキサン、(ポリジメチルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)コポリマー、ポリ(ジメチルシロキサン)(ジフェニルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)コポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0115】
d.高屈折率シリコーン
本発明の組成物に用いるのに好適なその他の不揮発性の不溶性シリコーン流体コンディショニング剤は、少なくとも約1.46、好ましくは少なくとも約1.48、より好ましくは少なくとも約1.52、より好ましくは少なくとも約1.55の屈折率を有する「高屈折率シリコーン」として既知のものである。ポリシロキサン流体の屈折率は、一般には約1.70未満、典型的には約1.60未満である。この文脈において、ポリシロキサン「流体」には油及びゴムを含む。
【0116】
高屈折率ポリシロキサン流体としては、上記の一般式(III)により表されるもの、並びに下記の式(VIII)で表されるもののような環状ポリシロキサンが挙げられる。
【0117】
【化8】

式中、Rは上記に定義されたとおりであり、nは約3〜約7、好ましくは約3〜約5の数である。
【0118】
高屈折率ポリシロキサン流体は、屈折率を本明細書に記載される所望のレベルまで増大させるのに十分な量のアリール含有R置換基を含有する。さらに、R及びnは物質が不揮発性であるように選択されければならない。
【0119】
アリール含有置換基は、脂環式及び複素環式の5員及び6員のアリール環を含有するもの、及び5員又は6員の縮合環を含有するものを包含する。アリール環そのものは置換又は非置換にすることができる。
【0120】
一般に、高屈折率ポリシロキサン流体は、少なくとも約15%、好ましくは少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約25%、さらにより好ましくは少なくとも約35%、より好ましくは少なくとも約50%の、アリール含有置換基の度合いを有する。典型的には、アリール置換の程度は、約90%未満、より一般的には約85%未満、好ましくは約55%〜約80%である。
【0121】
好ましい高屈折率ポリシロキサン流体は、フェニル置換基又はフェニル誘導体置換基(より好ましくはフェニル)と、アルキル置換基、好ましくはC1〜C4のアルキル(より好ましくはメチル)、ヒドロキシ又はC1〜C4アルキルアミノ(特に−R1NHR2NH2であり、式中、それぞれR1及びR2は独立して、C1〜C3のアルキル、アルケニル及び/又はアルコキシである)との組み合わせを有する。
【0122】
高屈折率シリコーンを本発明の組成物に用いる場合は、それらは好ましくは表面張力を減少させるためにシリコーン樹脂又は界面活性剤などの展着剤と共に溶液中で用い、展着を高め、それにより本組成物で処理する毛髪の光沢(乾燥後の)を高めるのに十分な量で用いる。
【0123】
本発明の組成物に用いるのに好適なシリコーン流体は、米国特許第2,826,551号、米国特許第3,964,500号、米国特許第4,364,837号、英国特許第849,433号、及び「シリコン化合物(Silicon Compounds)」(ペトラルク・システムズ社(Petrarch Systems,Inc.)、1984年)に開示されている。
【0124】
e.シリコーン樹脂
シリコーン樹脂を、本発明の組成物のシリコーンコンディショニング剤に含んでよい。これらの樹脂は高度に架橋したポリマーシロキサン系である。架橋は、シリコーン樹脂の製造中に三官能性及び四官能性のシランを一官能性若しくは二官能性、又はその両方のシランと共に取り込むことによって導入させる。
【0125】
特にシリコーン物質及びシリコーン樹脂は、「MDTQ」命名法として当業者に既知の省略命名法のシステムによって利便的に同定することができる。このシステム下で、シリコーンは、シリコーンを構成する種々のシロキサンモノマー単位の存在によって記載される。つまり、記号Mは一官能性単位(CH33SiO0.5を示し、Dは二官能性単位(CH32SiOを示し、Tは三官能性単位(CH3)SiO1.5を示し、Qは四官能性単位SiO2を示す。ユニット記号のダッシュ(例えば、M’、D’、T’及びQ’)はメチル以外の置換基を表し、また出現の度に具体的に定義しなければならない。
【0126】
本発明の組成物に用いるのに好ましいシリコーン樹脂としては、MQ、MT、MTQ、MDT及びMDTQ樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。メチル基は好ましいシリコーン置換基である。特に好ましいシリコーン樹脂はMQ樹脂であり、ここでM:Q比は約0.5:1.0〜約1.5:1.0で、シリコーン樹脂の平均分子量は約1,000〜約10,000である。
【0127】
屈折率が1.46未満の不揮発性シリコーン流体とシリコーン樹脂成分を使用する際のそれらの重量比は、特に、シリコーン流体成分が本明細書で記載するようなポリジメチルシロキサン流体又はポリジメチルシロキサン流体とポリジメチルシロキサンゴムとの混合物である場合には、好ましくは約4:1〜約400:1、より好ましくは約9:1〜約200:1、より好ましくは約19:1〜約100:1である。シリコーン樹脂がシリコーン流体として本発明の組成物中の同一相の一部を構成する限り、即ちコンディショニング機能が活性である場合、シリコーン流体及びシリコーン樹脂の総計は、本発明の組成物のシリコーンコンディショニング剤の濃度を決定する際に含まれなければならない。
【0128】
2.有機コンディショニングオイル
本発明の組成物のコンディショニング成分はまた、コンディショニング剤として、約0.05%〜約3%、好ましくは約0.08%〜約1.5%、より好ましくは約0.1%〜約1%の少なくとも1つの有機コンディショニングオイルを、単独で又はシリコーン(本明細書に記載)のような他のコンディショニング剤と組み合わせて含んでもよい。
【0129】
a.炭化水素油
本発明の組成物においてコンディショニング剤として使用するのに好適な有機コンディショニングオイルとしては、少なくとも約10個の炭素原子を有する炭化水素油、例えば、環状炭化水素、直鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)、及び分枝鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)(これらのポリマー及びこれらの混合物を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。直鎖炭化水素油は好ましくは約C12〜約C19である。分枝鎖炭化水素油(炭化水素ポリマーを含む)には典型的に、19個超の炭素原子が含まれている。
【0130】
これらの炭化水素油の具体的な非限定例としては、パラフィン油、鉱油、飽和及び不飽和ドデカン、飽和及び不飽和トリデカン、飽和及び不飽和テトラデカン、飽和及び不飽和ペンタデカン、飽和及び不飽和ヘキサデカン、ポリブテン、ポリデセン、並びにこれらの混合物が挙げられる。これらの化合物並びに長鎖炭化水素の分枝鎖異性体も用いることができ、例としては、ペルメチル置換型異性体のような高度に分岐、飽和又は不飽和化されたアルカン、例えば2,2,4,4,6,6,8,8−ジメチル−10−メチルウンデカン及び2,2,4,4,6,6−ジメチル−8−メチルノナン(ペルメチル社(Permethyl Corporation)から入手可能)のようなヘキサデカン及びエイコサンのペルメチル置換型異性体が挙げられる。ポリブテン及びポリデセンのような炭化水素ポリマー。好ましい炭化水素ポリマーは、イソブチレンとブテンとのコポリマーのようなポリブテンである。この種類の市販されている物質は、アモコ・ケミカル社(Amoco Chemical Corporation)のL−14ポリブテンである。組成物中のこのような炭化水素油の濃度は、好ましくは約0.05%〜約20%、より好ましくは約0.08%〜約1.5%、さらにより好ましくは約0.1%〜約1%の範囲である。
【0131】
b.ポリオレフィン
本発明の組成物に用いるための有機コンディショニングオイルはまた、液体ポリオレフィン、より好ましくは液体ポリ−α−オレフィン、より好ましくは水素添加液体ポリ−α−オレフィンを含むことができる。本明細書に用いるポリオレフィンは、C4〜約C14オレフィンモノマー、好ましくは約C6〜約C12の重合によって調製される。
【0132】
本明細書のポリオレフィン液の調製に使用するオレフィンモノマーの非限定的な例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、4−メチル−1−ペンテンのような分枝鎖異性体、及びこれらの混合物が挙げられる。また、ポリオレフィン液を調製するのに好適なものはオレフィン含有精製原料又は廃液である。好ましい水素添加α−オレフィンモノマーとしては、1−ヘキセンから1−ヘキサデセン、1−オクテンから1−テトラデセン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0133】
c.脂肪酸エステル
本発明の組成物においてコンディショニング剤として使用するための他の好適な有機コンディショニングオイルには、少なくとも10個の炭素原子を有する脂肪酸エステルが挙げられるが、これに限定されない。これらの脂肪酸エステルとしては、脂肪酸又はアルコールに由来するヒドロカルビル鎖とのエステル(例えばモノエステル、多価アルコールエステル、及びジ−及びトリ−カルボン酸エステル)が挙げられる。この脂肪酸エステルのヒドロカルビルラジカルは、アミド及びアルコキシ部分(例えばエトキシ又はエーテル結合など)のようなその他の適合性のある官能基を含むか、又は該ヒドロカルビルラジカルを該官能基へ共有結合させてよい。
【0134】
好ましい脂肪酸エステルの具体例としては、イソステアリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸イソヘキシル、パルミチン酸イソヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、オレイン酸イソデシル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸デシル、イソステアリン酸イソプロピル、アジピン酸ジヘキシルデシル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ステアリン酸オレイル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸オレイル、酢酸ラウリル、プロピオン酸セチル、及びアジピン酸オレイルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0135】
本発明の組成物に用いるのに好適なその他の脂肪酸エステルは、一般式R’COORのモノカルボン酸エステルであり、式中、R’及びRはアルキル又はアルケニルラジカルであり、R’及びRの炭素原子の合計は、少なくとも10個、好ましくは少なくとも22個である。
【0136】
本発明の組成物に用いるのに好適なさらにその他の脂肪酸エステルは、カルボン酸のジ−及びトリ−アルキル並びにアルケニルエステル、例えばC4〜C8のジカルボン酸のエステル(例えば、コハク酸、グルタル酸及びアジピン酸のC1〜C22のエステル、好ましくはC1〜C6のエステル)である。カルボン酸のジ−及びトリ−アルキル並びにアルケニルエステルの具体的な非限定例としては、ステアリン酸イソセチルステアリオール(stearyol)、アジピン酸ジイソプロピル、及びクエン酸トリステアリルが挙げられる。
【0137】
本発明の組成物に用いるのに好適なその他の脂肪酸エステルは、多価アルコールエステルとして既知のものである。そのような多価アルコールエステルとしては、エチレングリコールモノ及びジ脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノ及びジ脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールモノ及びジ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ及びジ脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコールモノオレエート、ポリプロピレングリコール2000モノステアレート、エトキシル化プロピレングリコールモノステアレート、グリセリルモノ及びジ脂肪酸エステル、ポリグリセロールポリ脂肪酸エステル、エトキシル化モノステアリン酸グリセリル、1,3−ブチレングリコールモノステアレート、1,3−ブチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのようなアルキレングリコールエステルが挙げられる。
【0138】
本発明の組成物に用いるのに好適なさらに他の脂肪酸エステルはグリセリドであり、モノ−、ジ−、及びトリ−グリセリド、好ましくはジ−及びトリ−グリセリド、より好ましくはトリグリセリドが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載の組成物に使用される場合、グリセリドは、好ましくは、C10〜C22のカルボン酸のような長鎖カルボン酸とグリセロールのモノ−、ジ−及びトリ−エステルである。種々のこれらの種類の物質は、植物及び動物の油脂、例えばヒマシ油、ベニバナ油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油、タラ肝油、アーモンド油、アボカド油、パーム油、胡麻油、ラノリン及び大豆油から得ることができる。合成油としては、トリオレイン及びトリステアリングリセリルジラウレートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0139】
本発明の組成物に用いるのに好適なその他の脂肪酸エステルは、非水溶性の合成脂肪酸エステルである。幾つかの好ましい合成エステルは、次の一般式(IX)に従うものである。
【0140】
【化9】

式中、R1はC7〜C9アルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル又はヒドロキシアルケニル基、好ましくは飽和アルキル基、より好ましくは飽和直鎖アルキル基であり、nは2〜4、好ましくは3の値を有する正の整数であり、Yは約2〜約20個の炭素原子、好ましくは約3〜約14個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、ヒドロキシ又はカルボキシ置換アルキル若しくはアルケニルである。他の好ましい合成エステルは、次の一般式(X)に従うものである。
【0141】
【化10】

式中、R2はC8〜C10アルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル又はヒドロキシアルケニル基であり、好ましくは飽和アルキル基、より好ましくは飽和直鎖アルキル基であり、n及びYは、上記の式(X)で定義したとおりである。
【0142】
本発明の組成物に用いるのに好適な合成脂肪酸エステルの具体的な非限定例としては、P−43(トリメチロールプロパンのC8〜C10のトリエステル)、MCP−684(3,3ジエタノール−1,5ペンタジオールのテトラエステル)、MCP121(アジピン酸のC8〜C10のジエステル)が挙げられるが、これらすべてはモービル・ケミカル社(Mobil Chemical Company)より入手可能である。
【0143】
3.その他のコンディショニング剤
本明細書の組成物に用いるのにまた好適であるのは、プロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble Company)により米国特許第5,674,478号及び第5,750,122号に記載されているコンディショニング剤である。また、本明細書に用いるのに好適であるのは、米国特許第4,529,586号(クレアロール(Clairol))、第4,507,280号(クレアロール)、第4,663,158号(クレアロール)、第4,197,865号(ロレアル(L'Oreal))、第4,217,914号(ロレアル)、第4,381,919号(ロレアル)、及び第4,422,853号(ロレアル)に記載されているコンディショニング剤である。
【0144】
4.追加の成分
本発明の組成物は、様々な追加の有用な成分をさらに含んでもよい。好ましい追加の成分としては、以下に論じるものが挙げられる。
【0145】
1.その他の抗菌活性物質
本発明の組成物は、ピリチオン金属塩活性物質に加えて一以上の抗真菌又は抗菌活性物質をさらに含んでもよい。好適な抗菌活性物質には、コールタール、イオウ、ホイットフィールド(whitfield)の軟膏、カステラーニ(castellani)塗布剤、塩化アルミニウム、ゲンチアナバイオレット、オクトピロックス(ピロクトンオラミン)、シクロピロックスオラミン、ウンデシレン酸及びその金属塩、過マンガン酸カリウム、硫化セレン、チオ硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、ビターオレンジオイル、尿素調製物、グリセオフルビン、8−ヒドロキシキノリンシロキノール、チオベンダゾール、チオカルバメート、ハロプロジン、ポリエン、ヒドロキシピリドン、モルホリン、ベンジルアミン、アリルアミン(例えば、テルビナフィン)、茶木油、クローブリーフ油、コリアンダー、パルマローサ、ベルベリン、タイムレッド、シナモン油、シンナミックアルデヒド、シトロネル酸、ヒノキトール(hinokitol)、イヒチオールペール、センシバ(Sensiva)SC−50、エレスタブ(Elestab)HP−100、アゼライン酸、リチカーゼ(lyticase)、ヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)、オクチルイソチアザリノンのようなイソチアザリノン及びアゾール、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。好ましい抗菌剤としては、イトラコナゾール、ケトコナゾール、硫化セレン及びコールタールが挙げられる。
【0146】
a.アゾール
アゾール抗菌剤には、ベンズイミダゾールのようなイミダゾール、ベンゾチアゾール、ビフォナゾール、硝酸ブタコナゾール、クリムバゾール(climbazole)、クロトリマゾール、クロコナゾール、エベルコナゾール、エコナゾール、エルビオール、フェンチコナゾール、フルコナゾール、フルチマゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、メトロニダゾール、ミコナゾール、ネチコナゾール、オモコナゾール、硝酸オキシコナゾール、セルタコナゾール、硝酸サルコナゾール、チオコナゾール、チアゾール、並びにテルコナゾール及びイトラコナゾールのようなトリアゾール、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。アゾール抗菌活性物質は、組成物中に存在する時、組成物の約0.01重量%〜約5重量%、好ましくは約0.1重量%〜約3重量%、より好ましくは約0.3重量%〜約2重量%の量で含有させる。本明細書においては、ケトコナゾールが特に好ましい。
【0147】
b.硫化セレン
硫化セレンは本発明の抗菌組成物に用いるのに好適な粒子状抗ふけ剤であり、その有効濃度は組成物の約0.1重量%〜約4重量%、好ましくは約0.3重量%〜約2.5重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約1.5重量%の範囲である。硫化セレンは一般にセレン1モル及びイオウ2モルを有する化合物とみなされるが、一般式Sexy(式中x+y=8)に従う環式構造であってよい。硫化セレンの平均粒径は、典型的には前方レーザー光散乱装置(forward laser light scattering device)(例えばマルバーン(Malvern)3600装置)で測定した場合で15μm未満、好ましくは10μm未満である。硫化セレン化合物は、例えば、米国特許第2,694,668号、米国特許第3,152,046号、米国特許第4,089,945号、及び米国特許第4,885,107号に記載されている。
【0148】
c.イオウ
イオウもまた、本発明の抗菌組成物において粒子状抗菌/抗ふけ剤として使用してもよい。粒子状イオウの有効濃度は、典型的には当該組成物の約1重量%〜約4重量%、好ましくは約2重量%〜約4重量%である。
【0149】
d.角質溶解剤
本発明は、サリチル酸のような1以上の角質溶解剤をさらに含んでもよい。
【0150】
本発明の追加の抗菌活性物質は、コバノブラッシノキ(茶木)及び炭の抽出物を含んでよい。本発明はまた、抗菌活性物質の組み合わせを含んでよい。このような組み合わせは、オクトピロックスとジンクピリチオンとの組み合わせ、パインタールとイオウとの組み合わせ、サリチル酸とジンクピリチオンとの組み合わせ、オクトピロックスとクリムバゾールとの組み合わせ、及びサリチル酸とオクトピロックスとの組み合わせ、並びにこれらの混合物を含んでよい。
【0151】
2.脱毛防止及び発毛剤
本発明は、脱毛防止及び発毛促進剤又は発毛剤に有用な物質をさらに含んでよい。こうした剤の例は、プロペシア(Propecia)、デュタステライド(Dutasteride)、RU5884のような抗アンドロゲン剤;グルココルチソイド(Glucocortisoid)、マクロライド(Macrolide)、マクロライドのような抗炎症剤;ジンクピリチオン、ケトコナゾール、ニキビ治療剤のような抗菌剤;FK−506、シクロスポリンのような免疫抑制剤;ミノキシジル、アミンキシル(Aminexil)(登録商標)のような血管拡張剤、及びこれらの組み合わせである。
【0152】
3.感覚剤(sensates)
本発明は、テルペン、バニロイド、アルキルアミド、天然抽出物及びこれらの組み合わせのような局所用感覚剤物質をさらに含んでもよい。テルペンとしては、メンソール及び誘導体、例えばメンチルラクテート、エチルメンタンカルボキサミド、並びにメントキシプロパンジオール(menthoyxypropanediol)などを挙げることができる。その他のテルペンとしては、カンファー、ユーカリプトール、カルボン、チモール及びこれらの組み合わせを挙げることができる。バニロイドとしては、カプサイシン、ジンゲロン、オイゲノール及びバニリルブチルエーテルを挙げることができる。アルキルアミドとしては、スピラントール、ヒドロキシα−サンスクール(sanschool)、ペリトリン(pellitorine)及びこれらの組み合わせを挙げることができる。天然抽出物としては、ペパーミント油、ユーカリプトール、ローズマリー油、ショウガ油、丁子油、トウガラシ、ジャンブー抽出物、桂皮油、ラリシル(laricyl)及びこれらの組み合わせを挙げることができる。追加の局所用感覚剤物質としては、サリチル酸メチル、アネトール、ベンゾカイン、リドカイン(lidocane)、フェノール、ベンジルニコチネート、ニコチン酸、ケイ皮アルデヒド、シンナミルアルコール、ピペリン及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0153】
4.保湿剤
本発明の組成物はさらに保湿剤を含有してもよい。本明細書における保湿剤は、多価アルコール、水溶性アルコキシル化非イオンポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される。保湿剤は、本明細書において用いる場合、好ましくは約0.1%〜約20%、より好ましくは約0.5%〜約5%の濃度で用いられる。
【0154】
本明細書において有用な多価アルコールとしては、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、エトキシル化グルコース、1,2−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ジプロピレングリコール、エリスリトール、トレハロース、ジグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、グルコース、フルクトース、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アデノシンリン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカーボネート、グルコサミン、シクロデキストリン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0155】
本明細書において有用な水溶性アルコキシル化非イオンポリマーとしては、約1,000までの分子量を有するポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、例えば、CTFA名称PEG−200、PEG−400、PEG−600、PEG−1000などを有するもの、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0156】
5.懸濁剤
本発明の組成物は、非水溶性物質を組成物中に分散された形態で懸濁するために、又は組成物の粘度を修正するために有効な濃度で懸濁剤をさらに含んでもよい。前記濃度は、約0.1%〜約10%、好ましくは約0.3%〜約5.0%の範囲にある。
【0157】
本明細書で有用な懸濁剤としては、アニオン性ポリマー及び非イオン性ポリマーが挙げられる。本明細書においては、ビニルポリマー、例えばカルボマーというCTFA名を有する架橋アクリル酸ポリマー、セルロース誘導体及び変性セルロースポリマー、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶性セルロース、セルロース粉末、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、キサンタンガム、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、カロブゴム、グアーガム、カラヤゴム、カラゲーナン、ペクチン、寒天、マルメロ種子(マルメロ(Cydonia oblonga Mill))、デンプン(コメ、トウモロコシ、ジャガイモ、小麦)、藻類コロイド(藻類抽出物)、微生物学的ポリマー、例えばデキストラン、サクシノグルカン、プレラン、デンプン系ポリマー、例えばカルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン、アルギン酸系ポリマー、例えばアルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アクリレートポリマー、例えばポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、並びに無機水溶性物質、例えばベントナイト、アルミニウムマグネシウムシリケート、ラポナイト、ヘクトナイト、及び無水ケイ酸が有用である。
【0158】
本明細書で非常に有用な市販の粘度調整剤としては、全てBFグッドリッチ社(B. F. Goodrich Company)より入手可能な、商品名カーボポール934、カーボポール940、カーボポール950、カーボポール980、及びカーボポール981であるカルボマー、ローム・アンド・ハース社(Rohm and Hass)より入手可能な、商品名アクリソール(ACRYSOL)22であるアクリレート/ステアレス−20メタクリレートコポリマー、アマコール社(Amerchol)より入手可能な、商品名アマーセル(AMERCELL)ポリマーHM−1500であるノノキシニルヒドロキシエチルセルロース、全てハーキュレス社(Hercules)が供給する商品名ベネセル(BENECEL)であるメチルセルロース、商品名ナトロソール(NATROSOL)であるヒドロキシエチルセルロース、商品名クルーセル(KLUCEL)であるヒドロキシプロピルセルロース、商品名ポリサーフ(POLYSURF)67であるセチルヒドロキシエチルセルロース、全てアマコール社(Amerchol)が供給する商品名カーボワックス(CARBOWAX)PEG、ポリオックス(POLYOX)WASR、及びユーコンフルイド(UCON FLUIDS)であるエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド系ポリマーが挙げられる。
【0159】
その他の任意の懸濁剤には、アシル誘導体、長鎖アミンオキシド、及びこれらの混合物として分類できる、結晶性懸濁剤が挙げられる。これらの懸濁剤は、米国特許第4,741,855号に記載されている。これらの好ましい懸濁剤としては、好ましくは約16〜約22個の炭素原子を有する脂肪酸のエチレングリコールエステルが挙げられる。より好ましいのは、モノステアレート及びジステアレート両方のエチレングリコールステアレートであるが、特に約7%未満のモノステアレートが含有されているジステアレートが好ましい。他の好適な懸濁剤としては、好ましくは約16〜約22個の炭素原子、より好ましくは約16〜18個の炭素原子を有する脂肪酸のアルカノールアミドが挙げられ、その好ましい例としては、ステアリンモノエタノールアミド、ステアリンジエタノールアミド、ステアリンモノイソプロパノールアミド、及びステアリンモノエタノールアミドステアレートが挙げられる。その他の長鎖アシル誘導体としては、長鎖脂肪酸の長鎖エステル(例えば、ステアリルステアレート、セチルパルミテートなど)、長鎖アルカノールアミドの長鎖エステル(例えば、ステアラミドジエタノールアミドジステアレート、ステアラミドモノエタノールアミドステアレート)、及びグリセリルエステル(例えば、グリセリルジステアレート、トリヒドロキシステアリン、トリベヘニン)であり、その市販例はレオックス社(Rheox,Inc.)より入手可能なチキシン(Thixin)Rである。上記に列挙した好ましい物質に加えて、長鎖アシル誘導体、長鎖カルボン酸のエチレングリコールエステル、長鎖アミンオキシド、及び長鎖カルボン酸のアルカノールアミドを懸濁剤として用いてよい。
【0160】
懸濁剤として用いるのに好適なその他の長鎖アシル誘導体としては、N,N−ジヒドロカルビルアミド安息香酸及びそれらの可溶性の塩(例えば、Na、K)が挙げられ、特にこの系統のN,N−ジ(水素添加)C16、C18、及びタローアミド安息香酸の種類が挙げられ、ステパン社(Stepan Company)(米国、イリノイ州ノースフィールド(Northfield))より市販されている。
【0161】
懸濁剤として用いるのに好適な長鎖アミンオキシドの例としては、アルキルジメチルアミンオキシド、例えばステアリルジメチルアミンオキシドが挙げられる。
【0162】
他の好適な懸濁剤には、少なくとも約16個の炭素原子を有する脂肪酸アルキル部分を有する第一級アミンが挙げられるが、その例には、パルミタミン(palmitamine)又はステアラミンが挙げられ、またそれぞれ少なくとも約12個の炭素原子を有する2つの脂肪酸アルキル部分を有する第二級アミンが挙げられるが、その例には、ジパルミトイルアミン又はジ(水素添加タロー)アミンが挙げられる。さらに他の好適な懸濁剤としては、ジ(水素添加タロー)フタル酸アミド、及び架橋無水マレイン酸−メチルビニルエーテルコポリマーが挙げられる。
【0163】
6.その他の任意成分
本発明の組成物にはまた、例えばビタミンB1、B2、B6、B12、C、パントテン酸、パントテニルエチルエーテル、パンテノール、ビオチン及びこれらの誘導体のような水溶性ビタミン、例えばアスパラギン、アラニン、インドール、グルタミン酸及びこれらの塩のような水溶性アミノ酸、例えばビタミンA、D、E及びこれらの誘導体のような非水溶性ビタミン、例えばチロシン、トリプタミン及びこれらの塩のような非水溶性アミノ酸、のようなビタミン及びアミノ酸を含有してもよい。
【0164】
本発明の組成物はまた、C.I.名を有するもののような水溶性の成分を含む、無機、ニトロソ、モノアゾ、ジアゾ(disazo)、カロチノイド、トリフェニルメタン、トリアリールメタン、キサンテン、キノリン、オキサジン、アジン、アントラキノン、インジゴイド、チオンインジゴイド、キナクリドン、フタロシアニン、植物の色、天然の色などの、顔料物質を含有してもよい。本発明の組成物はまた、化粧品用殺生物剤及び抗ふけ剤として有用な抗菌剤も含有してもよく、これらとしては、ピロクトンオラミンのような水溶性成分、3,4,4’−トリクロロカルバニリド(トリクロカルバン)、トリクロサン及びジンクピリチオンのような非水溶性成分が挙げられる。
【0165】
本発明の組成物はまた、キレート剤を含有してもよい。
【0166】
H.Log亜鉛結合定数を有する配位化合物
本発明の実施形態において、組成物は、亜鉛の生物学的利用能を維持するのに十分な範囲のLog亜鉛結合定数を有する配位化合物をさらに含む。好ましくは、このような配位化合物は、約6未満、好ましくは約5未満、より好ましくは約4未満であり、約−0.5を越えるLog亜鉛結合定数を有する。好ましくは、このような配位化合物は、有機酸、強鉱酸又は配位種である。このような配位化合物の好ましい例としては、次のもの(括弧内にそれぞれのLog亜鉛結合定数を示す)が挙げられる:EDTA(16.5)、EDDS(13.5)、EDDA(11.1)、NTA(10.7)、キシレノールオレンジ(10.3)、システイン(9.1)、シスチン(6.7)、アスパラギン酸(アスパラテート)(5.9)、グリシン(5.0)、クエン酸(シトレート)(4.8)、グルタミン酸(4.5)、メチオニン(4.4)、アルギニン(4.2)、炭酸(カーボネート)(3.9)、オルニチン(3.8)、タトロン酸(Tatronic Acid)(タータラート)(3.2)、リンゴ酸(マレート)(2.9)、マロン酸(マロネート)(2.9)、酒石酸(タータラート)(2.7)、アジピン酸(アジペート)(2.6)、リン酸(ホスフェート)(2.4)、フタル酸(フタラート)(2.2)、グリコール酸(グリコレート)(2.0)、乳酸(ラクテート)(1.9)、コハク酸(サクシネート)(1.8)、酢酸(アセテート)(1.0)、硫酸(サルフェート)(0.9)、ホウ酸(ボレート)(0.9)、ギ酸(ホルメート)(0.6)、塩化物(−0.3)。
【0167】
I.pH
好ましくは、本発明のpHは、約6.8よりも高くてよい。さらに、本発明のpHは約6.8〜約12、好ましくは約6.8〜約10、より好ましくは約6.8〜約9、及びさらにより好ましくは約6.8〜約8.5の範囲とすることができる。
【0168】
J.亜鉛含有製品における亜鉛反応活性度の評価方法
亜鉛反応活性度は、亜鉛イオンの化学的利用能の基準である。溶液中で他の種と錯体を形成しない可溶性亜鉛塩は、定義上、100%の相対亜鉛反応活性度を有する。ある程度可溶性の形態の亜鉛塩を使用し、及び/又は錯体を形成可能な種(potential complexants)と共にマトリックス中に組み込むと、一般に亜鉛反応活性度は、所定の100%最大値のかなり下まで低下する。
【0169】
亜鉛反応活性度は、希釈亜鉛含有溶液又は分散液と金属クロム染料キシレノールオレンジ(XO)とを組み合わせ、特定条件下で色の変化の程度を測定することによって評価される。色形成の大きさは、反応活性度の高い亜鉛の濃度に比例する。開発された手順は、水性界面活性剤製剤について最適化されているが、他の物理製品形態にも同様に適応できる。
【0170】
分光光度計を使用して、XOに関して最適な色変化の波長である572nmでの色の変化を定量する。分光光度計は、潜在的に反応活性度の高い形態の亜鉛を除くこと以外、試験製品の組成に近い製品対照を利用して、572nmでの吸光度を0に設定する。次いで、対照及び試験製品を、次のように同様に処理する。50μLの製品試料を瓶に分配し、95mLの脱気した蒸留水を添加し、攪拌する。pH5.0にて5mLの23mg/mLキシレノールオレンジ原液をピペットで試料瓶に移し、この時間を0と考える。次いで、pHを希HCl又はNaOHを用いて5.50±0.01に調整する。10.0分後、試料の一部を濾過し(0.45μ)、吸光度を572nmで測定する。次いで、測定した吸光度を、別に測定した対照と比較して相対亜鉛反応活性度(0〜100%)を決定する。100%反応活性度の対照を、亜鉛基準で等濃度にて組み込まれた可溶性亜鉛物質(例えば硫酸亜鉛)の利用を除いて、試験製品と同様にマトリックスに調製する。100%反応活性度の対照の吸光度を、上記で試験物質について測定したように測定する。相対亜鉛反応活性度は、好ましくは約15%より高く、より好ましくは約20%より高く、さらに好ましくは約25%よりも高い。
【0171】
この方法を使用して、以下の実施例は、固有の反応活性度が低い物質(ZnO)と比較して、アニオン性界面活性剤系での反応活性度が本質的に高い物質(塩基性炭酸亜鉛)を実証する。
【0172】
【表5】

1単一界面活性剤系:6%ラウリル硫酸ナトリウム
【0173】
K.粒径測定方法
酸化亜鉛及び水亜鉛鉱の原材料に対する粒径分析を、ホリバLA−910粒径分析装置(Horiba LA-910 Particle Size Analyzer)を使用して実施する。ホリバLA−910(Horiba LA-910)機器は、小角のフラウンホーファー回折(Fraunhofer Diffraction)及び光散乱(Light Scattering)の原理を用いて粒子の希釈溶液中で粒径及び分布を測定する。これら2つの種類の原材料の試料を、ラウリルポリエーテルアルコールの希釈溶液中に予め分散させ、混合してから、機器に導入する。導入したら、試料をさらに希釈し、機器内に循環させてから、測定を実施する。測定後、計算アルゴリズムを使用してデータを処理し、粒径及び分布の両方を得る。D(50)は、中央粒径値、又は粒子の量の50%がその粒径未満であることに相当する粒径である。D(90)は、粒子の量の90%がその粒径未満であることに相当する粒径である。D(10)は、粒子の量の10%がその粒径未満であることに相当する粒径である。
【0174】
この方法を使用して、以下の実施例は、塩基性炭酸亜鉛についての粒径と相対亜鉛反応活性度との間の関係を実証する。
【0175】
【表6】

1粉砕方法
2粒径測定
【0176】
L.表面積測定方法
表面積の分析を、マイクロメリティクスオートポアIV(Micromeritics Auto Pore IV)を使用して実施する。マイクロメリティクスオートポアIVは、非湿潤性の液体、より具体的には水銀の、小孔内への浸透を支配する、毛管の法則(capillary law)の原理を使用して、全孔表面積を測定する。この法則は、ウォッシュバーン(Washburn)の式によって表される。
D=(1/P)4γcosφ
式中、Dは孔の直径、Pは加えられる圧力、γは水銀の表面張力、φは水銀と試料との間の接触角である。ウォッシュバーン(Washburn)の式は、すべての孔が円筒状であると仮定している。代表的な表面積測定を塩基性炭酸亜鉛に対して実施したが、それについて以下に記載する。
【0177】
【表7】

1炭酸亜鉛AC(Zinc Carbonate AC)として市販
2炭酸亜鉛(Zinc Carbonate)として市販
【0178】
M.使用方法
本発明の組成物は、皮膚への直接適用において、又は皮膚及び毛髪を洗浄するための、並びに皮膚若しくは頭皮上の微生物感染症(真菌、ウイルス、又は細菌の感染症を含む)を制御するための従来の様式で用いられてもよい。本明細書の組成物は、毛髪及び頭皮、並びに身体の他の部分(例えば、わきの下、足及び鼠径部)を洗浄するために、また処置を必要とする他の皮膚部分に対して有用である。本発明は動物の皮膚又は毛髪を同様に処置又は洗浄するために用いてもよい。毛髪、皮膚又は身体の他の部分を洗浄するための組成物の有効量、典型的には組成物の約1g〜約50g、好ましくは約1g〜約20gを、好ましくは一般に水で濡らした毛髪、皮膚又は他の部分に局所的に適用し、その後、すすぎ落とす。毛髪への適用は、典型的には毛髪全体にシャンプー組成物を行き渡らせることを含む。
【0179】
シャンプーの実施形態で抗菌の(特に抗ふけの)効力をもたらすための好ましい方法は、(a)水で毛髪を濡らす工程と、(b)有効量の抗菌シャンプー組成物を毛髪に適用する工程と、(c)水を使用して毛髪から抗菌シャンプー組成物をすすぐ工程とを含む。これらの工程は、求められる洗浄、コンディショニング及び抗菌/抗ふけの効果を達成するために、望まれるだけ何回繰返してもよい。
【0180】
使用する抗菌活性物質がジンクピリチオンである場合、及び/又は他の任意の育毛調節剤を使用する場合、本発明の抗菌組成物は、毛髪の成長調節をもたらす場合があることも考えられる。そのようなシャンプー組成物を定期的に使用する方法は、(上記の)a、b及びcの工程を繰返すことを含む。
【0181】
本発明の更なる実施形態は、(a)水で毛髪を濡らす工程と、(b)ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩を含む有効量のシャンプー組成物を適用する工程と、(c)水を使用して毛髪からシャンプー組成物をすすぐ工程と、(d)本発明による亜鉛含有物質を含む有効量のコンディショナー組成物を適用する工程と、(e)水を使用して毛髪からコンディショナー組成物をすすぐ工程とを含む方法を含む。上述した方法の好ましい実施形態には、ジンクピリチオンを含むシャンプー組成物と、水酸化炭酸亜鉛を含むコンディショナー組成物とが含まれる。
【0182】
本発明のさらなる実施形態は、本発明による組成物の使用を含む水虫を処置する方法、本明細書に記載される組成物の使用を含む微生物感染症を処置する方法、本発明による組成物の使用を含む頭皮の外観を改善する方法、本発明による組成物の使用を含む真菌感染症を処置する方法、本発明の組成物の使用を含むふけを処置する方法、本明細書に記載される本発明の組成物の使用を含むおむつ皮膚炎及びカンジダ症を処置する方法、本発明による組成物の使用を含む頭部白癬を処置する方法、本発明による組成物の使用を含むイースト菌感染症を処置する方法、本発明による組成物の使用を含む爪甲真菌症を処置する方法を含む。
【実施例】
【0183】
N.実施例
以下の実施例は、本発明の範囲内の好ましい実施形態についてさらに説明し、実証するものである。本発明の範囲から逸脱することなく本発明の多くの変形形態が可能であるため、これらの実施例は単に例示を目的とするものであり、本発明を制限するものとして解釈すべきではない。
【0184】
本発明の組成物は、適切な媒体若しくはキャリア中に1以上の選択された金属イオン源及び1以上のピリチオンの金属塩を混合することよって、又は個々の成分を別々に皮膚若しくは毛髪洗浄組成物に加えることよって、作製することができる。有用なキャリアは、上記でより十分に議論されている。
【0185】
1.局所用組成物
例示するすべての組成物は、従来の処方及び混合技術により調製し得る。成分の量は、重量パーセントで列記されており、希釈剤、充填剤などの微量物質は含まない。そのため、以下に列挙した配合には、列挙した成分及び該成分に関連するいかなる微量物質も含まれている。本明細書で使用する時、「微量成分」とは、防腐剤、粘度調整剤、pH調整剤、芳香剤、気泡増進剤などのような任意成分を意味する。当業者にとって明白なように、このような微量成分の選択は、本明細書に記載したように本発明をなすために選択した特定成分の物理的及び化学的特質によって変わることになる。その他の修正は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者により実行される。本発明の抗菌シャンプー、抗菌コンディショナー、抗菌リーブオントニック及び抗菌フットパウダー組成物のこれらの例証された実施形態は、優れた抗菌効力をもたらす。
【0186】
O.シャンプー組成物の製造方法
本発明の組成物は、結果として得られる組成物が、本明細書に記載される優れた抗菌の効果をもたらすならば、抗菌組成物を提供することに好適な既知の、又はそうでなければ有効な技術によって調製されてもよい。本発明の抗ふけ及びコンディショニングシャンプーの実施形態を調製する方法には、従来の配合及び混合技術が含まれている。米国特許第5,837,661号に記載されるような方法を採用することができるが、その際、本発明の抗菌剤は、典型的には、米国特許第5,837,661号の記載においてシリコーンプレミックスが添加されたのと同じ工程で添加される。
【0187】
抗菌シャンプー − 実施例1〜6
実施例(1〜6)(以下)に記載の抗菌シャンプー組成物を調製する好適な方法は、以下のとおりである。
【0188】
ラウレス硫酸ナトリウム(29重量%溶液として添加)の全体の約1/3及び酸を、ジャケット付き混合タンクに添加し、約60℃〜約80℃までゆっくり攪拌しながら加熱し、界面活性剤溶液を形成させる。この溶液のpHは、約3〜約7である。安息香酸ナトリウム、ココアミドMEA及び脂肪族アルコール(適用する場合)をタンクに添加し、分散させる。エチレングリコールジステアレート(「EGDS」)を混合容器に添加し、融解させる(適用する場合)。EGDSが融解及び分散した後、カトンCGを界面活性剤溶液に添加する。得られた混合物を約25℃〜約40℃まで冷却し、最終タンクに集める。この冷却工程の結果として、EGDSは結晶化し、製品に結晶性網状組織を形成する(適用する場合)。ラウレス硫酸ナトリウム、並びにシリコーン及び抗菌剤(類)を含む他の成分の残分を、均質な混合物を確保するために攪拌しながら最終タンクに添加する。ポリマー(カチオン性又は非イオン性)を、約0.1%〜約10%の分散液及び/又は溶液として水又は油に分散し、主要混合物、最終混合物、又は両方に添加することができる。塩基性炭酸亜鉛又はその他の亜鉛含有層状物質を界面活性剤のプレミックス又は水に、最終混合物への従来の粉末混和及び混合技術により、分散剤の補助を伴って又は補助なしに添加することができる。いったん全ての成分を添加したら、製品粘度を所望の程度に調整するために、必要に応じて、追加の粘度調整剤、例えば塩化ナトリウム及び/又はキシレンスルホン酸ナトリウムなどを添加してもよい。製品のpHを、塩酸のような酸を用いて容認できる値まで調整できる。
【0189】
先で述べたトリメチルアミン(TMA)方法を実施例の組成物に列挙されるカチオン性ポリマーに関して行ってもよい。臭気評価、例えば先に記載されるようなものを組成物に関して行ってもよく、各組成物を、許容可能な臭気等級に関して合格の格付けをしてもよい。
【0190】
【表8】

*nd=検出不可能
(1)アクアロン(Aqualon)から入手可能な、約400,000の分子量を有し、約0.84meq/gの電荷密度を有するグアー
(2)アクアロン(Aqualon)から入手可能な、約600,000の分子量を有し、約2.0meq/gの電荷密度を有するグアー
(3)アクアロン(Aqualon)から入手可能なN−ハンス(N-Hance)3196
(4)ローディア(Rhodia)から入手可能なジャガー(Jaguar)C−1000
(5)ローディア(Rhodia)から入手可能なジャガー(Jaguar)C−17
(6)アマコール(Amerchol)から入手可能なユーケア・ポリマー(UCARE Polymer)LR400
(7)ゼネラル・エレクトリック・シリコーンズ(General Electric Silicones)から入手可能なビスカシル(Viscasil)330M
(8)アーチ/オーリン(Arch/Olin)から入手可能な平均粒径約2.5mmのZPT
(9)ブリュッゲマン・ケミカル(Bruggemann Chemical)から入手可能な塩基性炭酸亜鉛
(10)J.T.ベーカー(J. T. Baker)から入手可能な対象とするpHに調節可能な6NのHCl
【0191】
10.他の成分
本発明は、一部の実施形態において、毛髪ケア又はパーソナルケア製品に用いられることが知られているか、又はそうでなければ用いるのに有効である追加の任意成分をさらに含んでもよい。このような任意成分の濃度は一般に、組成物の0〜約25重量%、より典型的には約0.05重量%〜約20重量%、さらにより典型的には約0.1重量%〜約15重量%の範囲である。このような任意成分はまた、本明細書に記載した必須成分と物理的及び化学的に適合性があるべきであり、そうでなければ過度に製品の安定性、審美性又は性能を損なわないものでなければならない。
【0192】
本発明に使用する任意成分の非限定例としては、静電気防止剤、起泡増進剤、上述の抗ふけ剤に加えてその他の抗ふけ剤、粘度調整剤及び増粘剤、懸濁液物質(例えば、EGDS、チキシン(thixins))、pH調整剤(例えば、クエン酸ナトリウム、クエン酸、コハク酸、コハク酸ナトリウム、マレイン酸ナトリウム、グリコール酸ナトリウム、リンゴ酸、グリコール酸、塩酸、硫酸、重炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム及び炭酸ナトリウム)、防腐剤(例えば、DMDMヒダントイン)、抗菌剤(例えば、トリクロサン又はトリクロカルボン(triclocarbon))、染料、有機溶媒又は希釈液、真珠光沢助剤、香料、脂肪族アルコール、タンパク質、皮膚活性剤、日焼け止め剤、ビタミン(例えば、レチニルプロピオネートを含むレチノイド、トコフェロールアセテートのようなビタミンE、パンテノール、及びナイアシンアミドを含むビタミンB3化合物)、乳化剤、揮発性キャリア、精選された安定促進剤、スタイリングポリマー、有機スタイリングポリマー、シリコーングラフトスタイリングポリマー、カチオン性展着剤、殺シラミ剤、起泡増進剤、粘度調整剤及び増粘剤、ポリアルキレングリコール並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0193】
非水溶性カチオン性界面活性剤のような任意の静電気防止剤は、典型的には組成物の約0.1重量%〜約5重量%の範囲の濃度で用いてもよい。そのような静電気防止剤は、抗菌性組成物の使用中の性能及び最終的な利益を過度に妨げてはならない。特に、静電気防止剤はアニオン性界面活性剤を妨げるべきでない。好適な静電気防止剤の具体的な非限定例は、トリセチルメチルアンモニウムクロリドである。
【0194】
本明細書に記載される本発明における使用のための任意の起泡増進剤は、脂肪酸エステル(例えばC8〜C22)モノ及びジ(C1〜C5、特にC1〜C3)アルカノールアミドを含む。そのような起泡増進剤の具体的な非限定例としては、ココナッツモノエタノールアミド、ココナッツジエタノールアミド及びこれらの混合物が挙げられる。
【0195】
任意の粘度調整剤及び増粘剤を、本発明の抗菌組成物が典型的に約0.001m2/s(1,000cst)〜約0.02m2/s(20,000cst)、好ましくは約0.003m2/s(3,000cst)〜約0.01m2/s(10,000cst)の全体粘度をほぼ有するのに有効な量で用いてもよい。そのような粘度調整剤及び増粘剤の具体的な非限定例としては、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム及びこれらの混合物が挙げられる。
【0196】
P.その他の好ましい実施形態
本発明のその他の好ましい実施形態には、以下のものが挙げられる。
【0197】
本発明の実施形態は、水虫、微生物感染症、頭皮の外観の改善、真菌感染症の処置、ふけの処置、おむつ皮膚炎及びカンジダ症の処置、頭部白癬の処置、イースト菌感染症の処置、爪甲真菌症の処置を含め、様々な症状を処置するために使用されてもよい組成物に関する。好ましくは、このような症状は、本発明の組成物を患部に適用することによって処置される。
【0198】
本発明の特定の実施形態を例示し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【図面の簡単な説明】
【0199】
【図1】pH調整の関数としてのトリメチルアミンヘッドスペース濃度を示すグラフ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)有効量の亜鉛含有層状物質と、
b)アニオン性官能基を有する界面活性剤を含む有効量の界面活性剤と、
c)45ppm未満のトリメチルアミン濃度を有する、有効量のカチオン性ポリマーと、
を含む組成物であって、
該亜鉛含有層状物質が15%を越える相対亜鉛反応活性度を有し、さらに該組成物が6.8を越えるpHを有する組成物。
【請求項2】
前記組成物が、有効量のピリチオン又はピリチオンの多価金属塩をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩が、ジンクピリチオンである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記カチオン性ポリマーが、25ppm未満、好ましくは17ppm未満のトリメチルアミン濃度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記カチオン性ポリマーが、カチオン性多糖類ポリマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記カチオン性多糖類ポリマーが、カチオン性セルロースポリマー、カチオン性グアーガム誘導体ポリマー、及びこれらの混合物より成る群から選択される、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
アニオン性官能基を有する前記界面活性剤が、前記組成物全体の1%〜50%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記ZPTが、0.01%〜5%で存在する、請求項2に記載の組成物。
【請求項9】
前記界面活性剤が、2%〜50%で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又は双性イオン性界面活性剤より成る群から選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記界面活性剤が、アニオン性である、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記pHが、6.8〜10、好ましくは6.8〜9、より好ましくは6.8〜8.5である、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記亜鉛含有物質が、20%を越える、好ましくは25%を越える相対亜鉛反応活性度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記亜鉛含有層状物質が、塩基性炭酸亜鉛、炭酸水酸化亜鉛、水亜鉛鉱、炭酸水酸化亜鉛銅、水亜鉛銅鉱、炭酸水酸化銅亜鉛、亜鉛孔雀石、亜鉛イオン含有フィロシリケート、層状複水酸化物、ヒドロキシ複塩及びこれらの混合物より成る群から選択され、好ましくは前記亜鉛含有層状物質が、炭酸水酸化亜鉛、水亜鉛鉱、塩基性炭酸亜鉛及びこれらの混合物より成る群から選択され、より好ましくは前記亜鉛含有層状物質が、水亜鉛鉱又は塩基性炭酸亜鉛であり、最も好ましくは前記亜鉛含有層状物質が塩基性炭酸亜鉛である、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物が、コンディショニング剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物が、懸濁剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記懸濁剤が、結晶性懸濁剤、高分子懸濁剤又はこれらの混合物より成る群から選択され、好ましくは前記懸濁剤が結晶性懸濁剤である、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
請求項1に記載の組成物の使用を含む、微生物感染症を処置する方法。
【請求項19】
請求項1に記載の組成物の使用を含む、真菌感染症を処置する方法。
【請求項20】
請求項1に記載の組成物の使用を含む、ふけを処置する方法。

【図1】
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【公表番号】特表2008−534625(P2008−534625A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−504522(P2008−504522)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【国際出願番号】PCT/US2006/012403
【国際公開番号】WO2006/110385
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】