相対的に不活性なセグメントを有する医薬錠剤
2個またはそれ以上のセグメントを有し、少なくとも1個のセグメントが薬物を含有する、正確な破断に適した即時放出型薬物含有医薬錠剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物を含有する層および薬物を含まないか、前記の薬物をより少ない濃度の形態などの異なる顆粒部分として含有する層を含む層状即時放出型医薬錠剤に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、医薬工業における2つの関連する問題を解決する必要から生じている。一方は、即時放出錠剤は一般に破断され、往々にして、破断を補助する刻み目を伴って製造されるが、錠剤破断は、そのうちのいくつかについては下記で詳述するが、多くの問題を被ることがよく証明されていることである。第2の問題は、組合せ薬物製品は通常、均一な混合物として、またはカプセルとして通常は製造されるので、動脈性高血圧を治療するためなどに、これらの製品を処方する医師は、前記の組合せのうちの一方のみの用量を調節する際に制限を受けることである。
【0003】
第1の問題の重要性に関する考証は、以下のようにまとめられる:
その刻み目のある錠剤が往々にして破断されるワルファリンなどの多くの薬物は、用量調節を必要とする。患者による錠剤破断を介してのこれらの用量調節は、不正確であると決定されている。次の検討で示されるように、多年にわたって専門家が錠剤破断の質を改善するように薬剤業界に呼びかけていたが、本発明に至るまで、いまだこのようなことは、最適化されていない。
【0004】
1984年に、Stimpel et al.(「Stimpel」)は、心臓血管の問題を治療するための様々な錠剤の破断の相対的正確度を記載している。M.Stimpel et al.、「Breaking Tablets in Half」、The Lancet(1984):1299。熟練した器用なヒトにより、破断は行われたが、Stimpelは、破断が正確ではないことを発見し、さらに、患者による現実世界での使用は、さらにより不十分な結果をもたらしているであろうと述べている。Stimpelは、薬剤工業に対して、錠剤の分割精度を改善するように呼びかけている:「錠剤を半分に分割しても不正確な用量はもたらされないであろうという仮説は明らかに、根拠がない。この不正確さの考えられる原因は、臨床的状況ではさらに重大であり(我々の研究は理想的な条件下で行った)、薬剤工業は、分割性を改善するか(ロプレッサーおよびログロトン(logroton)に関して既に行われている)、さらに良好には、刻み目のない錠剤を幅広く市販することにより、臨床的に必要となりうるすべての用量を提供することに取り組むべきである」。
【0005】
このような所見および声明にもかかわらず、さらに、刻みパターンおよび/または錠剤形態を最適化することに関する様々な特許の発行にもかかわらず、Rodenhuis et al.、(2004)は、「刻み線の機能の改善は、この用量形態を禁止するよりもより実用的な手法であり得る」(強調が加えられている)と記載した。N.Rodenhuis et al.、「The rationale of scored tablets as dosage form」、European J.of Pharmaceutical Sciences 21(2004):305−308(後記では「Rodenhuis」)。Rodenhuisは、欧州規制当局が、1998年に錠剤の刻みに反対する政策を始めたと述べている。この政策の変化は、Rodenhuisによると、「刻み目を有する錠剤の多くは、破断が難しく」、「刻み目を有する錠剤の多くは、小分けされた半分に関して不十分な質量均一性を示す」との「劣悪な刻み線の機能に関する多くの最近のリポート」に関しているようであった。次いで著者は、錠剤に刻み目をつける場合の有用な側面の記載を続けている。このトピックに関する包括的な概説論文に関しては、van Santen,E.、Barends,D.M.and Frijlink,H.W.「Breaking of scored tablets:a review」、European J.of Pharmaceutics and Biopharmaceutics 53(2002):139−145参照。
【0006】
問題の深刻さを証明しているいくつかの最近の研究を下記に示す。
【0007】
Peek et al.、(2002)は、50〜79才の「年配患者」により分割される錠剤を研究した。Peek,B.T.、Al−Achi,A.、Coombs,S.J.「Accuracy of Tablet Splitting by Elderly Patients」、The Journal of the American Medical Association 288 No.4(2002):139−145。特別な指導なしに機械的な錠剤分割機を用いて、刻み目のある錠剤を破断すると、錠剤のかなり不満足な分離が生じる。例えば、ワルファリン5mgは平均で、1.9mgと3.1mgの錠剤に分割された。この有力な抗凝血剤は、2、2.5および3mg錠剤用量が製造されるような狭い治療範囲を有する。Biron et al.(1999)は、ワルファリン10mgも往々にして、4.25mg未満または5.75mg超に分割されることを証明している。Biron,C.、Liczner,P.、Hansel,S.、Schved,J.F.、「Oral Anticoagulant Drugs:Do Not Cut Tablets in Quarters」Thromb Haemost 1201(1999)。加えて、彼らは、ワルファリン錠剤の破断の細片化またはチップ化による質量の損失は、統計的に重大であることを証明している。彼らはさらに、錠剤の四分化は、大いに不正確であることを証明している。
【0008】
McDevitt et al.、(1998)は、刻み目のない25mgヒドロクロロチアジド(HCTZ)錠剤は手では劣悪に分割されて、12.4%が、理想重量から20%超逸脱していることを発見した。McDevitt,J.T.、Gurst,A.H.and Chen,Y.「Accuracy of Tablet Splitting」Pharmacotherapy 18 No.1(1998):193−197。試験被験者の77%が、刻み目のない25mg錠剤を分割するよりも、個別に製造されている12.5mg HCTZ錠剤のための割増金を支払いたいと述べている。
【0009】
Rosenberg et al.(2002)は、薬剤師により分取される分割錠剤を研究した。Rosenberg,J.M.、Nathan,J.P.、Plakogiannis,F.「Weight Variability of Pharmacist−Dispensed Split Tablets」Journal of American Pharmaceutical Association 42 No.2(2002):200−205。彼らは、「錠剤分割は、許容できないほど高い重量変動の発生をもたらす」ことを発見した。彼らは、「分割錠剤の均一性を保証するために、標準を開発すべきである」と勧めている。
【0010】
Teng et al.、(2002)は、錠剤を分割するための実験状況内で熟練した個人を使用して、「我々が試験した11個の薬物製品の大部分は、等用量の半分の錠剤に分割しうるかを評価すると、寛大に解釈されるUSP(アメリカ薬局方)均一性試験に失格である...コストを削減するか、用量レジームを改善するための錠剤分割の実施は、比較的高い重大な毒性および急勾配の用量応答効力曲線を有する薬物を使用する患者には推奨されない」と結論した。Teng,J.、Song,C.K.、Williams,R.L.、Polli,J.E.「Lack of Medication Dose Uniformity in Commonly Split Tablets」Journal of American Pharmaceutical Association 42 No.2(2002):195−199。
【0011】
Rodenhuisは、あるオランダ研究での錠剤全部のうちの31%が、嚥下される前に細分されていると報告した。
【0012】
米国では、多くの「マネジドケア」保険団体が、刻み目のない不規則な形態の錠剤を含めて、患者による錠剤分割を推奨している。米国における多くの薬物製品は、刻み目がないか、タブレッテにすることができるにもかかわらず、カプセルとして供給されている。本発明は、前記の問題を改善する手段を提供する。
【0013】
第2の問題によって例えば、動脈性高血圧(高血圧)のための併用治療の許容性を妨げられる。それぞれ1種の薬物を含む2個の剤形とは異なり、2種の薬物を含む1個の剤形(「組合せ」剤形)を摂取する際に患者に経費的利点がなく、さらに、1個の剤形を摂取することと同様に2個の剤形を摂取することを患者が望み、それが可能であるならば、血圧の揺れまたは薬物に対する副作用の出現などの状況の変化に関する柔軟性のなさによる欠点が、組合せ剤形にはある。米国においては、この観察は、長年にわたって何度も提議されているが、それにもかかわらず、高血圧のための併用治療は、経費および可能なコンプライアンス的な理由に関して人気がある。
【0014】
前記の場合のいずれにおいても、本発明は、前記の問題の両方を改善する新規で最適な手段を提供する。
【0015】
1個の薬物または複数の薬物の混合物を1個の顆粒内に含む即時放出型医薬錠剤に関する従来技術は簡単なようである:これは、挿入された異なる層を用いて、2個の実質的に同一の層を即時放出型医薬錠剤の別の位置に置くか、薬物を同じ錠剤中で2種の異なる濃度で利用することは教示していない。本発明は、前記の両方を利用することができる理由を説明する。
【非特許文献1】M.Stimpel et al.、「Breaking Tablets in Half」、The Lancet(1984):1299
【非特許文献2】N.Rodenhuis et al.、「The rationale of scored tablets as dosage form」、European J.of Pharmaceutical Sciences 21(2004):305−308
【非特許文献3】van Santen,E.、Barends,D.M.and Frijlink,H.W.「Breaking of scored tablets:a review」、European J.of Pharmaceutics and Biopharmaceutics 53(2002):139−145
【非特許文献4】Peek,B.T.、Al−Achi,A.、Coombs,S.J.「Accuracy of Tablet Splitting by Elderly Patients」、The Journal of the American Medical Association 288 No.4(2002):139−145。
【非特許文献5】Biron,C.、Liczner,P.、Hansel,S.、Schved,J.F.、「Oral Anticoagulant Drugs:Do Not Cut Tablets in Quarters」Thromb Haemost 1201(1999)
【非特許文献6】McDevitt,J.T.、Gurst,A.H.and Chen,Y.「Accuracy of Tablet Splitting」Pharmacotherapy 18 No.1(1998):193−197
【非特許文献7】Rosenberg,J.M.、Nathan,J.P.、Plakogiannis,F.「Weight Variability of Pharmacist−Dispensed Split Tablets」Journal of American Pharmaceutical Association 42 No.2(2002):200−205
【非特許文献8】Teng,J.、Song,C.K.、Williams,R.L.、Polli,J.E.「Lack of Medication Dose Uniformity in Commonly Split Tablets」Journal of American Pharmaceutical Association 42 No.2(2002):195−199
【非特許文献9】Sica,D.、Drugs、2002;62(3):「Rationale for Fixed−Dose Combinations in the Treatment of Hypertension」
【非特許文献10】Remington’s Pharmaceutical Sciences 20th Ed.、Mack Publishing Co.、Easton、Pa.(2000)、Chapter 45
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
組合せ薬物に関する従来技術は、層の間に物理的または化学的非相容性が存在する場合にのみ、挿入不活性層(即ち、薬物を含まない顆粒に由来する層)を用いて、異なる層に薬物を分離することを教示している。この場合、従来技術は、前記の「分離層」は、非相容性な層を分離するために必要なだけのサイズに限られることを明確に教示している。これに対して、本発明は、好ましくは不活性な挿入層(好ましくは、破断を可能にするために十分な高さを有する)を用いて、相容性の顆粒を錠剤の異なる部分に置くことを教示しており;非相容性物質の場合には、非相容性物質を含む層に関する現行の教示とは異なる高さを有する分離層を必要とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、少なくとも2個の異なる垂直に配置されたセグメントを有する即時放出型医薬錠剤を提供し、この際、前記の錠剤は、1種または複数の薬物を含み、ここで、
(a)2個またはそれ以上のセグメントを含み、各セグメントは、同じ薬物を含有するか、2種またはそれ以上の薬物を実質的に同じ割合で含有するか;前記のセグメントは、1種の薬物または複数の薬物の組合せを薬理学的に有効な用量で含まないか;または
(b)1種または複数の薬物を含有する第1のセグメント;前記の第1のセグメント中の1種または複数の薬物とは異なる1種または複数の薬物を含有する第3のセグメント(前記の第1および第3のセグメントは、物理的および化学的に相容性である)および前記の第1と第3のセグメントとの間に挿入されていて、検出不可能な量か、薬理学的に無効な量で、前記の錠剤中に存在する薬物を有する第2のセグメントを含み;または
(c)1種の薬物または複数の薬物を含有する第1のセグメント、前記の第1のセグメント中の1種または複数の薬物とは異なる1種の薬物または複数の薬物を含有する第3のセグメント(ここで、前記の第1および第3セグメントの成分は物理的または化学的に非相容性である)および前記の第1と第3のセグメントとの間に挿入されていて、検出不可能な量か、薬理学的に無効な量で、前記の錠剤中に存在する薬物を有する第2のセグメントを含み、前記の第3のセグメントは、少なくとも1.5mmの高さを有する。
【0018】
本発明の好ましい核錠剤は、少なくとも2種の組成的に異なるセグメントを有する圧縮錠剤であり、ここで、第1のセグメントは、活性薬物を含有し、第2のセグメントは、
(a)前記の第1のセグメント中の前記の薬物の濃度よりも低い濃度で、同じ薬物を含有し、この際、濃度は、セグメント内の賦形剤に対する1種または複数の活性薬物の重量/重量比によるか;
(b)検出可能な薬物を含有しないか、または前記の第1のセグメント中に存在するものと同じ薬物を薬理学的に無効な量で含有し、さらに、前記の錠剤は、前記の第1のセグメント中に存在するものと同じ薬物を有する第3のセグメントを含むか;
(c)前記の第1のセグメント中に存在する前記の薬物と、前記の第1のセグメント中で薬理学的に有効な量で存在しないか、検出不可能な他の1種または複数の薬物の組合せを含有するか;
(d)検出可能な薬物を有しないか、または前記の第1のセグメント中に存在する前記の薬物を薬理学的に無効な量で有し、前記の錠剤はさらに、前記の第1のセグメント中に存在する薬物とは異なる薬物を有する第3のセグメントを含み、ここで、前記の第3のセグメントの成分は、前記の第1のセグメントの成分と相容性であるか;
(e)検出可能な薬物を含有しないか、または前記の第1のセグメント中に存在する薬物と同じ薬物を薬理学的に無効な量で有し、前記の錠剤はさらに、前記の第1のセグメント中に存在する薬物とは異なる薬物を有する第3のセグメントを含み、ここで、前記の第2のセグメントは、少なくとも3mmの垂直高さを有するか;
(f)前記の第1のセグメント中の薬物とは異なる薬物を有し、前記の錠剤はさらに、前記の第1のセグメント中に存在するものと同じ薬物を有する第3のセグメントを含む。
【0019】
本発明は、即時放出型医薬錠剤に関する。「活性剤」、「活性薬物」、「薬物」、「活性医薬成分」および「薬理学的に活性な薬剤」との用語は本願明細書では、互換的に使用することができ、生物(ヒトまたは動物)に投与されると、薬理学的作用をもたらし、処方および非処方医薬化合物;および薬理学的に有効な用量のビタミンまたは補酵素などの物質が含まれる化学的物質または化合物を指している。本願明細書では、1日推奨許容量での食料およびビタミンなどの物質は、薬物としては除外される。
【0020】
本発明の錠剤は、2個またはそれ以上の層で処方されている即時放出型医薬錠剤の群に属し、したがって、不均一系である。本発明の錠剤は、錠剤全体として使用することができるだけでなく、本願明細書ではタブレッテとして知られているサブユニットに破断することもできるようになっていて、その際、錠剤全体としても、タブレッテの形態でも正確に投与される。本発明は、その好ましい実施形態の大部分において、活性薬物を含まない顆粒(「不活性顆粒」)から作られたセグメントを利用することにより、これらの目的を達成する。
【0021】
本発明の第1の目的は、錠剤全体中に存在する1種または複数の薬物に対してより少ない用量(ゼロ用量を含む)を作り出すことが望ましい場合に、薬物を含有しないか、薬物または薬物の混合物(w/wベースで)の最少濃度または薬物または薬物混合物の薬理学的に不活性な量を含有するセグメントで、さらに、あまり好ましくはないが、錠剤中の他のセグメントに対して最少よりは多いが、低い濃度で薬物を含有するセグメントでの破断を可能にすることにより、破断されうる即時放出型医薬錠剤を作ることである。
【0022】
本発明の第1の目的は、本発明を、単一薬剤製品の正確な投与および組合せ製品の両方に本発明を適用することである。
【0023】
組合せ製品に関して、適切な予備的ポイントは:1つの顆粒内の薬物混合物は、本発明による1セグメントと他のセグメントとの、または他の部分との分離性の観点において、顆粒中で単一の薬物として作用し、前記の2種の混合薬物は、相互に分離不可能である。他方で、本発明は、所定の薬物または薬物混合物が薬理学的に有効な量で1セグメント中に存在し、別の薬物または別の薬物混合物が異なるセグメント中に存在する場合には非常に有効である。例えば、薬物Aが治療的に有効な量で上部セグメントに存在し、薬理学的に有効な量の薬物を含まない内部セグメントが2個の外側(即ち頂部および底部)セグメントの間に挿入されていて、薬物Bが治療的に有効な量で底部セグメントに存在する好ましい実施形態において、前記の内部セグメントの高さ、特に「実効高さ」が、前記の内部セグメントが前記の錠剤の破断領域として役立ち、実質的に外側セグメントで破断されないように十分に高い場合に、本発明は、最も有効である。しかしながら、前記の錠剤において、上部および下部セグメントの成分がすべて物理的および化学的に相互に相容性である場合には、従来技術は、本発明の新規性に関する前記の内部セグメントの最少高さを必要とせず、それというのも、即時放出型医薬錠剤において、「分離」層またはセグメントは、利用されていなかったか、このような場合に利用することを教示されていないためである。前記の外側セグメントの成分間に不相容性がある特殊な状況において、従来技術は、錠剤全体のサイズを最小化するなどの理由により、何らかの内部「分離」セグメントの高さを、前記の不相容性の存在を除去するために必要な最小限に限定する。この場合、本発明は、破断することができるように前記の内部分離セグメントが過剰に存在するその好ましい形態のいずれにおいても、新規なままである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の錠剤を好ましくは、Korsch AG(ドイツ)により製造されている3層または5層高速プレス機などの層プレス機で製造する。錠剤を少なくとも2種の異なる顆粒から生じさせ、さらに好ましい錠剤は、3個の垂直に配置されているセグメントを有する。
【0025】
本発明により製造することができる多くの錠剤のうちのいくつかの例は次の例である:
アムロジピンベシレート(または「アムロジピン」)を含む第1の顆粒を第1の充填ステーションで金型に入れ;不活性な賦形剤を有する第2の顆粒を第2の充填ステーションで前記の第1の顆粒の頂部に入れ;前記の第1の顆粒と実質的に組成および量(重量)において同一な顆粒を第3の充填ステーションで入れる。最終的な圧縮の後に、前記の錠剤を金型から取り出す。各顆粒は、金型に十分に入れられると、層を形成する。理論的には、層を形成する際に、異なる顆粒間で最少で偶然の混合が生じるが、多少の混合は、予測されており、本発明から破断可能な錠剤を作り出す技術における改善に変化はない。異なる顆粒は、同じか異なる色を有してよい。
【0026】
本願明細書では慣用的に、本発明の完成錠剤を検討する際に、通常、「セグメント」との用語を「層」の代わりに使用し、その理由に関しては、下記で説明する。
【0027】
セグメントは、錠剤の実質的に均一な連続する部分の全体を表している。セグメントは、1つを上回る層から生じていてもよいが:2種の実質的に同一な顆粒を錠剤金型に連続して入れた、つまり2個の連続する充填ステーションなどで自動高速錠剤製造の間に第1の顆粒を入れた直後に第2の顆粒を入れた場合、2種の顆粒はそれぞれ入れた後にはそれぞれ別の層を形成するであろうが、圧縮すると、これらは、1個のセグメントを含む。したがって、セグメントは、本発明の錠剤が有用であるような方法の基本ユニットである。しかしながら、例えば、異なる活性薬物または同じ活性薬物の異なる塩などの2種の異なる活性薬物を上下に圧縮すると、これらは、2個のセグメントを形成するであろう。同じ活性薬物を含むが、異種の賦形剤を伴う顆粒も、顆粒を上下に圧縮すると2個のセグメントを形成するであろう。
【0028】
実質的に同一の顆粒から生じている複数の層から形成されたセグメントは、コンパウンドセグメントと称される。コンパウンドセグメントは、実質的に同一の顆粒の2回の連続する充填(供給)を行うので、比較的大量の不活性顆粒もしくは1種または複数の薬物を含有する顆粒の場合に有用である。
【0029】
おそらく、本発明の錠剤でのより一般的な状況は、実質的に同一な顆粒の上にも下にも配置されていない(即ち、それらに隣接していないし、それらと連続していない)顆粒から生じる層に関する。この場合、単一セグメントが生じる。言い換えると、非コンパウンドセグメントが、単一セグメントである。
【0030】
本願明細書で使用する場合、「水平」(「横位」)および「垂直」などの用語は、錠剤に関して使用される場合、金型中で製造されたが、金型から除去または排出される前の錠剤の空間的方向をベースとしている。本製造方法は、他種の頂部で1種の顆粒を金型に入れることで錠剤を製造して、本発明の錠剤が、1個または複数の頂部(外側)セグメント、1個または複数の底部(外側)セグメント、さらに場合によっては1個または複数の中間(内部)セグメントを有するように製造する。勿論、内部セグメントも外側面を有するが、頂部または底部(即ち「外側」)ではないセグメントは、内部セグメントと見なす。勿論、内部セグメントの横側部分は、外側表面を有する。
【0031】
別々の顆粒を、金型中で現在実施されているように垂直ではなく、水平に(横方向に)連続して入れると、こうして製造された錠剤は、同じ生成物が製造されるであろう本発明の範囲内になるであろう。例えば、図1の錠剤を、平面のテーブルに置くと、これは、金型中で生じた角度に対して直角に、縦に位置する傾向が高いので、3つのセグメントがすべて異なる色を有する場合には、セグメントは、垂直ではなく(上下)、水平(横方向)に配列されているように見えるであろう。しかしながら、用語を一致させるために、このようなセグメントは、本願明細書では、相互に垂直に配列されていると見なす。
【0032】
本発明の錠剤は、セメント、膠、接着剤などを使用して形成されてなく、好ましくは、コーティングされていない。
【0033】
「相対的に不活性なセグメント」との用語は、検出不可能な量の薬物を含有するか、薬理学的に有効な量で他の1個または複数のセグメント中に含まれている1種または複数の薬物を低い濃度で含有するセグメントを指している。「低い濃度」とは、前記の相対的に不活性なセグメント中の1種または複数の薬物の濃度が、他のセグメント中の前記の1種または複数の薬物の濃度の80%以下、さらに好ましくは、前記の他のセグメントの1種または複数の薬物の濃度に対して20%以下であることを意味するが;最も好ましくは、前記の比は、5%以下である。セグメント中の1種または複数の薬物の濃度は本願明細書では、前記のセグメント中の1種または複数の薬物と、前記の1種または複数の薬物および不活性な賦形剤を含む前記のセグメントの全重量との重量対重量ベースでの比を意味する。
【0034】
本発明の錠剤は、その利点を実現するために、最も良好には横方向で破断される。これらは、通常は本発明により、ちょうど分離マークの望ましい破断領域に、または外側セグメントなどの他の錠剤部分に、刃先などの力を加えることにより破断して、所望の位置で錠剤を破断することができる。
【0035】
図面は、本発明の錠剤およびタブレッテの垂直断面を描いている。それらが金型中にあるように錠剤は描かれているので、頁の方向での錠剤の頂部は、金型中での錠剤の頂部に対応している。言い換えると、図面にみられる錠剤の頂部セグメントは、金型に最後に入れられた顆粒を含んでいる。タブレッテは、かつてはタブレッテがそのパーツであった錠剤の一部として、金型中に存在しているように描写されている。
【0036】
分離マークは、刻み目を用いるよく知られている通常の方法で、任意選択的な錠剤破断をガイドすることを意図しているので、その力は、分離マークの所またはその付近で、錠剤の破断が行われることが望まれている表面に対して実質的に垂直である方向に錠剤を破断するように加えられる。ちょうど分離マークに、または外側セグメントなどの他の錠剤部分に、刃先などの力を加えることにより、本発明により錠剤を破断して、分離マークの所またはその付近で分離マークの方向に錠剤を破断することができる。
【0037】
1個または複数の分離マークは、次のうちの1個または複数を含んでよい:
(a)1側面の刻み目(前記の刻み目は、垂直方向ではない);
(b)前記の錠剤の望ましい破断領域を示す少なくとも1側面上の印;
(c)1個のセグメント上または2個のセグメントの境界面に位置しているバンド;または
(d)第1の下部および第2の上部セグメントが、同じ色を有し、薬理学的に有効な量の同じ薬物を含有するか、両方とも薬理学的に有効な量で薬物を含有せず、前記の第1セグメントとは異なる色を有する第3の内部挿入セグメントは、前記の第1のセグメントが薬理学的に有効な量の薬物を有する場合には、前記の第1のセグメントと同じ薬物を有し、前記の第1のセグメントが薬理学的に有効な量の薬物を含有しない場合には薬理学的に有効な量の薬物を有しない、前記の錠剤の核。
【0038】
「正面図」は、正面として任意に設計された面に関して錠剤を通る理論的幾何面を有する、錠剤の断面図を指している。対応する「正面図」も有する「側面図」と標識されている図面は、正面図右側からの錠剤全体の断面と見なされる。即ち、側面図は、断面正面図に対して90°の角度で錠剤全体の垂直軸で面を返した断面図である。各正面図は、図式的断面図を示しており、これらは、錠剤の正面から錠剤またはタブレッテの後側までを測定された水平断面図の中心点を通る。正面図はさらに、錠剤の主軸に対して平行であり(例えば、長方形(正方形ではない)の錠剤に関しては横位断面)、周囲の長い方の辺は、断面正面図を描いている辺と平行である。
【0039】
この面は、前記の錠剤の正面と背面との中間に位置している。図1bおよび2c〜dの側面図は、長い方の横位寸法(即ち幅)の中心線を通る垂直方向面から取られており、正面図の中心点に位置し、それに直角に位置している。図面は、錠剤の垂直中心点において正方形ではなく長方形の水平断面を有する錠剤のものである。
【0040】
薬理学的に活性な量の1種または複数の薬物を含有するセグメントは、斜線を引かれて示されている;薬理学的に無効なセグメントは、何もなしに示されている(そのまま、斜線または点描なし)。各図面の上部は、錠剤の上部に対応しており、これらはすべて、最終圧縮を終え、金型から排出される前に、金型内に位置しているように描かれている。一貫性のために、タブレッテは、金型から錠剤が排出された後に作られるが、タブレッテは、それらが由来する錠剤と同じ方向で描かれている。図面中に描かれている錠剤中の破線は、錠剤の表面上または表面中に存在する印刷マークもしくは他の印または刻み目を表すことができ、それらが刻み目を表す場合、前記の刻み目は、断面正面図中に表われるほど十分に深くは錠剤に達していない。図面に示されている刻み目を反映している横破線は、本発明の錠剤の刻み目の深さを制限する意図は有していない。表面刻み目を示している正面図上の水平破線は、図式的であり、十分に垂直な規模の刻み目、印刷マークなどを必ずしも示してはいない。
【0041】
タブレッテは、細かい鋸歯パターンにより示されている破断面を伴って描かれている。このような鋸歯描写は、図式的で、往々にして、前記の錠剤を刻み目で破断したとしても不規則なエッジをもたらす錠剤(またはタブレッテ)破断の実際のパターンを示しているわけではない。
【0042】
図面に描かれている錠剤中の分離マークは、錠剤の表面上またはその中に存在し、断面正面図に表われるほど錠剤に十分に深くは達していない刻み目として描かれており、錠剤の表面上または内の前記の刻み目の位置(図示せず)を反映している点線として図面に描かれている。分離マークまたは他の刻み目の深さは、個々の実施形態における錠剤の最も幅広の断面の半分よりも深くてもよく、図面に示されている分離マークである表面刻み目を反映する横位点線は、本発明の錠剤の刻み目の深さを制限するものではないと理解されたい。同様に、刻み目を有して示されている錠剤は、前記の刻み目の幅または規模を制限しない。表面刻み目を表す正面図上の水平破線は、図式的であり、刻み目の全垂直規模を必ずしも表していない。(錠剤の幅または深さを貫通する穿孔部または断続的な刻み目は、ここには描かれていないが、本発明の範囲内であり、分離マークをもたらす錠剤上の他のマークまたは物理的変化も、同様である)。分離マークとして役立つ何らかの刻み目または印刷された印は簡便には本願明細書では、錠剤の正面表面に位置していると仮定されており、これは、錠剤の垂直方向表面から任意に選択される。錠剤の「側面図」は、正面図から90度回転させた錠剤の断面図であり、図2cおよび2dに示されている。分離マークの寸法は、図面中の点線としてのその描出により制限されない。錠剤は、微細な鋸歯パターンにより示されている破断表面と共に描かれている。このような鋸歯描出は図式的で、錠剤またはタブレッテの破断の実際のパターンを表すことを意図したものではない。
【0043】
図1aおよび1bは、組成的に実質的に同一の上部セグメント40および下部セグメント44を有する錠剤を描いている。内部セグメント42は、セグメント40および44それぞれでは治療的有効量で存在する薬物を痕跡量で含有する。境界面46および48は、セグメント42の上部部分およびセグメント42の下部部分とがそれぞれ、上部セグメント40および下部セグメント44と隣接している領域を示している。曲線境界面は、湾曲している上部タブレットパンチのプロファイルから生じている。刻み目52が、図1bに描かれている。図1a中の破線50は、錠剤の表面上の刻み目52の反映(図示せず)であり、錠剤の短い方の横軸の中間は通っていない。
【0044】
図2a〜dは、刻み目52で図1aおよび1bの錠剤を破断して生じさせたタブレッテを描いている。図1aの内部セグメント42は、無傷のセグメントとしてはもはや存在していない。図2aおよび2cの上部タブレッテは、無傷の上部セグメント40と隣接するセグメント80を含み、下部タブレッテは、セグメント82および無傷のセグメント44を含む。
【0045】
セグメント42に位置する刻み目で図1aおよび1bの錠剤を破断することは、刻み目のある層状(セグメント化)錠剤で現在実施されている垂直寸法での錠剤の破断よりも明らかに容易である。活性薬物が位置する錠剤部分で破断が行われないという事実により、錠剤中に含まれる1種または複数の活性薬物に関して非常に正確な破断がもたらされる。
【0046】
図3は、2セグメント錠剤を示しており、この際、顆粒から生じている各セグメントは、薬理学的に有効な量の医薬品を含有する。上部(外側)セグメント124は、下部(外側)セグメント126よりも長い。境界面128は、そこで前記の各セグメントが接触している領域を示している。錠剤の外側表面にある印刷マーク(図示せず)は、前記の表面印刷マークの位置を反映している矢印130の位置により示されている望ましい破断点を示している。しかしながら、錠剤のどの部分がどのセグメントを含むかを識別することができるように、これら2個のセグメントはさらに、異なる色を有する。
【0047】
図4aおよび4bは、図3の錠剤を破断することにより生じた2個のタブレッテを描いている。図4aのタブレッテは、図3のセグメント124の大部分を示すセグメント118からなる。図4bに描かれているタブレッテは、無傷の形のセグメント112および、図3のセグメント126の半分未満のポーションを示しているセグメント120を含む。境界面116は、前記のセグメントが隣接している領域を示している。湾曲面は、錠剤パンチのプロファイルに基づく。
【0048】
図5は、以前記載したものよりも長い錠剤が示されている。この錠剤は、1個のセグメントでの破断を容易にすることに関して、他のものよりもさらに適している。上部セグメント600は、治療的量の薬物を備えており;点を打たれている内部セグメント604は、治療適量の別の薬物を備えており、下部セグメント608は、セグメント600および604中に治療的量で存在する薬物とは別の薬物を治療的量で備えている。そのままの(模様のない)内部セグメント602および606は、錠剤中に存在する3種の各薬物を薬理学的に無効な量で含む。境界面610、612、614および616は、2個の隣接するセグメントが近接する領域を示している。図5の錠剤は、各セグメントごとに異なる色を備えている。表面刻みまたは印が存在しなくても、この色スキームは、セグメント602で錠剤を破断して、図6aおよび6bに描かれているタブレッテを作るように力を加えるように、ヒトの注意を向けるためのスキームである。図6aは、横方向でセグメント602の所で図5の錠剤を破断することにより作られた、より小さなタブレッテを描いている。セグメント620は、前記の破断により作られており、図5のセグメント602は、もはや無傷のセグメントとしては存在していない。図6bは、図5の錠剤を前記のように破断することにより作られた、より大きなタブレッテを描いている。新たな上部セグメント622が作られている。
【0049】
図7a〜cは、図6bの錠剤をさらに破断することにより作られた3個のタブレッテを描いている。新規のセグメント630およびセグメント632が作られており、セグメント606はもはや、無傷のセグメントとして存在しない。
【0050】
図8は、薬物を有する頂部セグメント230、不活性中央セグメント(検出不可能な薬物または薬理学的に無効な量の薬物)および頂部セグメントと同じ薬物を含有する底部セグメントを有する3セグメント錠剤の断面図である。この錠剤は、湾曲界面236および238および錠剤頂部を形成する湾曲プロファイルを有する錠剤パンチで形成される。中央セグメントの実効高さは、Hであり、これは、湾曲錠剤パンチの効果により、中央セグメントの実際の高さHTよりも低い。実効高さHの範囲内で中央セグメント部分でこのタイプの錠剤を破断して、薬物を含有する頂部または底部セグメントでの破断を回避することが望ましい。前記の錠剤は、3層を有し、3個のセグメントは、アムロジピンを含有してもよい。これを、不活性顆粒から生じたセグメントで破断することもできる。前記の破断は、前記の中央顆粒にのみに限られるならば、2個のタブレッテをもたらし、これらはそれぞれ、1個の実質的に無傷のアムロジピン含有セグメントおよび一部の中央セグメントを含有する。錠剤分割の技術における前進は、各タブレッテ中に存在する用量の最大の正確さが達成されることであり、それというのも、2個のタブレッテでの重量(または質量)差は、存在する中央セグメントの量の差によるものであるが、前記の中央セグメントは、あったとしてもアムロジピンをほとんど有しないと考えられるためである。同様に、チップ化または粉砕による質量の喪失は、中央セグメントで起こると考えられる。
【0051】
図9は、本発明の錠剤の透視図であり、これは、正面表面上の分離マークとしての刻み目701および頂部活性(薬物含有)セグメント702;中間不活性セグメント(検出可能な薬物がないか、薬理学的に無効な量の薬物)および底部活性セグメント706を示している。錠剤を刻み目701で破断しても、頂部セグメントおよび底部セグメントは無傷なままである。
【0052】
図10は、本発明の錠剤の正面図であり、硬質ゼラチンカプセルをシーリングするために使用されるゼラチンバンドなどのバンド901を示しており、これは、分離マークをもたらすために本発明による適切な錠剤に施与されている。参照により本願明細書に援用される米国特許第4922682号明細書に開示されているような、カプセルをバンディングするために使用される技術などの技術を変更して、本発明による錠剤を製造する際に、バンドを得る。
【0053】
図11は、本発明による分離マークを生じさせるために錠剤の表面に製造することができる一連の穿孔部100を示している。これらの穿孔部は、例えば、表面から1〜2mmの深さまで達する1〜2mmの穴を機械によるかレーザーによるドリルにより生じさせることができる。
【0054】
図12は、本発明による錠剤の正面図を示しており、これは、本発明による分離マークとして役立つ2本の印刷された点線を有する。
【0055】
本発明の他の好ましい実施形態は、前記のバリエーションを利用する、例えば:
ヒドロクロロチアジド(HCTZ)を含む第1の顆粒を金型に入れ、続いて、不活性な顆粒を金型に2回入れ、続いて、第4および最終充填ステーションでビソプロロール(ベータブロッカー)を含む顆粒を入れる。最終圧縮の後に、3セグメント(4層からなる)からなる錠剤が作られた。第1の顆粒から生じた層は、底部層であり、不活性な賦形剤から生じた層は、2つの中間層であり、一緒になって、錠剤形成の後に、中央(内部)セグメントを形成し、最終顆粒は、頂部層を含み、これは、最終圧縮の後には頂部セグメントと記載される。したがって、本願明細書では、寸法および方向はすべて、錠剤を製造する方法に関している。好ましくは、幅よりも高さのあるこの錠剤は、中央および頂部セグメントに多少の量のHCTZを含有してよく、中央および底部セグメント中に多少の量のビソプロロールを含有してもよい。
【0056】
中央セグメント全体で前記の錠剤を破断した後には、2個のタブレッテが生じる。一方は主に、おそらく治療的有効量のHCTZ全部と、おそらく多少の量の、好ましくは痕跡量のビソプロロールを含有し;他方は主に、ビソプロロール全量と、おそらく多少の量の、好ましくは痕跡量のHCTZ、さらに多少の量の前記の中央セグメントを含有する。前記の錠剤設計と、組合せ製品を形成している2個の個々の用量形態をほぼ完全に作り出すことが場合によっては可能なことにより、用量調節、副作用管理などに関する重要な治療的利点が得られる。
【0057】
図8に示されているように、上部パンチのカッピングまたはべべリングは通常、最下部セグメント以外のセグメントの周辺部分を、そのセグメントの中心部分のレベルよりも下に広げる。本発明による「分離セグメント」の利点を十分に実現するために、横位面を、上に配置されたセグメントの最下部と下に配置されたセグメントの最上部との間に位置させることができることが、最適であり、その際、前記の面は、挿入されている、好ましくは薬理学的に不活性なセグメントを通っている。上に配置されたセグメントの最下部と下に配置されたセグメントの最上部との垂直距離は本願明細書では、実効高さHと記載される。通常、この測定は、錠剤の底部から、このようなセグメントのカッピングまたはべべリングにより、上部セグメントの周囲から水平に引かれた面までの垂直高さと、錠剤の底部から下部セグメントの中心までの垂直高さに由来する。
【0058】
セグメントのべべリングまたはカッピングの場合の実効高さは、容易には錠剤の頂部の形に反映されるように、破断が行われることが意図されている分離または挿入セグメントの高さよりも常に低い。挿入セグメントの高さは、その最も高い点から、連続する上部配置セグメントの最も高い点までの垂直距離である。
【0059】
分離または挿入セグメントの場合には、従来技術は、即時放出型医薬錠剤に関しては高さを約1mmに限定している。実効高さHは、それ未満に限られている。
【0060】
本発明の好ましい錠剤は往々にして、両方とも4mmを上回り、6mmを上回ってもよい高さおよび実効高さHを使用する。錠剤でのサイズ制約により必要な場合には、より低い高さおよび実効高さが利用される。
【0061】
3個のセグメントを有し、それぞれ、活性な頂部または上部セグメント、および実質的に不活性な中間セグメントにより分離されている活性な下部または底部セグメントを有する錠剤を製造する。Stokes 27ステーション3層回転錠剤プレス機を使用する。すべての処方物は、直接圧縮可能な粉末ブレンドである。アムロジピン処方物とベナゼプリル処方物の両方のブレンドを、Patterson−Kelly「V」ブレンダー中で行う。中間セグメントは、Nu−Tab(登録商標)194mgからなり、ブレンドを必要としない。0.131×0.3222インチの楕円形凹面錠剤パンチを使用して、35キロポンドの硬さまで、錠剤を圧縮する。底部セグメントを初めに金型に導入する。錠剤重量は310mgである。こうして製造された錠剤は、高さ8mmであり;不活性な中央セグメントは、高さ5〜6mmで変動し、幅は4mmである。
【0062】
各セグメントが有する顆粒の重量mgは、次である:
【0063】
【表1】
【0064】
製造指示
1.各成分を秤量する。
2.各成分をふるいに掛ける。
3.適切なミキサーを使用して、幾何学的割合で、主な希釈剤と共に着色剤を粉砕する。
4.滑剤を除く残りの成分をステップ#3からの着色剤ミキサーに加え、所望の時間混合する。
5.ステップ#4からのブレンドに滑剤を加え、所望の時間混合する。
6.ブレンドを、所望のツーリングを備えた適切なプレス機に加え、錠剤に圧縮する。
【0065】
中間セグメント Mg
Nu−Tab(登録商標)(圧縮可能な糖30/35 N.F.) 194.00
【0066】
【表2】
【0067】
製造指示
1.各成分を秤量する。
2.各成分をふるいに掛ける。
3.適切なミキサーを使用して、幾何学的割合で、主な希釈剤と共に着色剤を粉砕する。
4.滑剤を除く残りの成分をステップ#3からの着色剤ミキサーに加え、所望の時間混合する。
5.ステップ#4からのブレンドに滑剤を加え、所望の時間混合する。
6.ブレンドを、所望のツーリングを備えた適切なプレス機に加え、錠剤に圧縮する。
【0068】
錠剤化指示
1.活性層のための粉末をホッパー#1に装入する。
2.プラシーボ層のための粉末をホッパー#2に装入する。
3.活性層のための粉末をホッパー#3に装入する。
4.層#1錠剤を圧縮して所望の重量にする(層#1のための錠剤は、軟質コンパクトをもたらすべきである)。
5.層#1錠剤および層#2錠剤を圧縮して、層#1および層#2重量の望ましい組合せ重量にする(錠剤は、軟質コンパクトをもたらすべきである)。
6.三層錠剤を圧縮して、所望の全錠剤重量にする(層#1重量+層#2重量+層#3重量)。錠剤は所望の硬さであるべきである。
【0069】
前記と同様の頂部および底部セグメントを使用して、ただし、中間セグメントのためにNu−Tabの代わりに次の成分を使用して、本発明の同様の錠剤を別に製造する。次のものを、Patterson−Kelly「V」ブレンダーを使用してブレンドする。
【0070】
【表3】
【0071】
製造指示
1.各成分を秤量する。
2.各成分をふるいに掛ける。
3.滑剤を除くすべての成分を適切なミキサーに加え、所望の時間混合する。
4.ステップ#3からのブレンドに滑剤を加え、所望の時間混合する。
5.ブレンドを、所望のツーリングを備えた適切なプレス機に加え、錠剤に圧縮する。
【0072】
0.131×0.3222インチの楕円形凹面錠剤パンチを使用して、35キロポンドの硬さまで、錠剤を圧縮した。底部セグメントを初めに金型に導入した。錠剤重量は280mgであった。前記の中間セグメントを有する錠剤は、高さ6mmであり、不活性な中間セグメントは、高さ3.5〜4mmであった。
【0073】
錠剤化指示
1.活性層のための粉末をホッパー#1に装入する。
2.プラシーボ層のための粉末をホッパー#2に装入する。
3.活性層のための粉末をホッパー#3に装入する。
4.層#1錠剤を圧縮して所望の重量にする(層#1のための錠剤は、軟質コンパクトをもたらすべきである)。
5.層#1錠剤および層#2錠剤を圧縮して、層#1および層#2重量の望ましい組合せ重量にする(錠剤は、軟質コンパクトをもたらすべきである)。
6.三層錠剤を圧縮して、所望の全錠剤重量にする(層#1重量+層#2重量+層#3重量)。錠剤は所望の硬さであるべきである。
【0074】
同様に、比較的深い充填および上部と下部圧縮ツールとの比較的広い距離を可能にする深い充填カムのためのそのデザインにより、比較的高い錠剤を製造することができるKorsch TRP900などの錠剤プレス機で、他の幅よりも高さのある錠剤を製造することができる。Korsch TRP900で高さ12mmである0.131×0.3222インチの楕円形凹面錠剤を製造するために、処方者は、不活性Nu−Tab(登録商標)中間セグメントの重量を約323mgまで増やすべきであろう。同様に、完成錠剤高さ14mmを得るために、約388mgの重さの中間セグメントを用いて錠剤を処方する。処方者が好むならば、中間層のための第2の例、即ち、二塩基性リン酸カルシウム(DCP)処方物を使用することもできる。Korsch TRP900で高さ12mmである0.131インチ×0.3222インチの楕円形凹面錠剤を製造するような場合には、処方者は、不活性DCP中間セグメントの重量を約410mgまで増やすべきであろう。同様に、完成錠剤高さ14mmを得るためには、錠剤を、約492mgの重さの中間セグメントを用いて処方する。
【0075】
さらに本発明は、疾患を予防または治療するために、良好な健康を維持するために、加齢を遅らせるために、または他の目的のために、1種または複数の薬物を本発明の錠剤およびタブレッテなどの剤形を介して、薬剤を必要とする患者、哺乳動物または他の動物に投与する方法を含む。様々な理由で下方用量調節を可能にする本発明の新規のタブレッテを用いるなど、組合せ製品からの1種のみの薬物を用いて患者を治療する方法が含まれる。あるいは、同様にして、患者を、複数の活性薬物を含有する1個の錠剤全体で治療することができ、さらに同様の錠剤からの1種のみの薬物を投与し、したがって上方用量調節が可能となる。1種の薬物が外側活性セグメントに存在し、第2の異なる薬物が、他の外側活性セグメントにあり、前記のような実施形態でのように薬理効果のない内側セグメントが存在する、本発明による利点を有し得る組合せ製品には、次の薬物対を含有するものが含まれる:アムロジピンとベナゼプリル、クロルタリドンまたはアトルバスタチン;ベナゼプリルとヒドロクロロチアジド;オルメサルタンおよびヒドロクロロチアジド;などであり、現在製造されている組合せ製品の大部分が含まれる。全体用量の半分または1/4であってよいが、有用に様々なフラクションであってもよい、錠剤全体からの医薬品の正確な部分用量を用いて、患者を治療する方法も含まれる。半分、1/4などであってよいが、そうでなくてもよい錠剤の分離可能なセグメントを用いる本発明により、特にワルファリンは有用に製造し、投与することができる。ワルファリンと共に、L−チロキシンおよびジゴキシンは、利益を売ることができる他の例である。
【0076】
次に、本発明の錠剤が重大な利点をもたらしうる考えられる臨床的状況を示す。
【0077】
1.米国で現在市販されている製品は、Caduet(登録商標)であり、これは、活性成分アトルバスタチンカルシウム(アトルバスタチン)およびアムロジピンベシレート(アムロジピン)を含有し、これらは、刻み目のない錠剤中に広く均一に内部分散している。この製品では、高脂血症(アトルバスタチン)および高血圧(アムロジピン)の両方を治療することが意図されている。この錠剤を毎日摂取する患者は、血液検査を受けると、血中酵素濃度の上昇により示される肝機能障害と診断されることがある。すると、医師は、製造者により肝機能障害を原因となりうると述べられているアトルバスタチンの、場合によっては一次的な中止を勧めることがある。しかしながら、Caduetを投与されている患者は、アムロジピンも中止しなければならないが、このことは、この例では、医師が望まない。アトルバスタチンおよびアムロジピンが異なる外側活性セグメント中に分離されていて、適切な寸法の中間セグメントにより分離されている本発明の錠剤は、現在のCaduet処方物を上回る明白な進歩であろう。それというのも、このような錠剤は、患者がアトルバスタチンの摂取を中止しながらも、アムロジピンの摂取を迅速に続けることができるためであり、この際、薬局に行く必要もないし、活性成分としてアムロジピンのみを含有する錠剤のために新規の処方箋に応じなくてもよく、単一の剤形中に組み合わされた両方の薬物を有するという簡便さを保つことができる。本発明の前記の実施形態は、現在のCaduet剤形の改善を示している。
【0078】
本発明がCaduetよりも優れている他の臨床的状況は、1日1回アムロジピン5mgおよび1日1回アトルバスタチン20mgを投与されている患者が、医師に、アムロジピン1日用量を1日1回10mgまで増やすようにアドバイスされる状況である。3セグメント錠剤中で分離されている活性薬物を用いる本発明の適切な錠剤を持っている患者であれば、1日1回本発明の錠剤1個全部に加えて、本発明の錠剤全体を2個に破断することにより作られたアムロジピン5mgを含有するタブレッテを摂取することにより、アムロジピン用量を即座に増やすことができるであろう。
【0079】
本発明がCaduetよりも優れている他の臨床的状況は、医師が、毎朝アトルバスタチン20mgおよび1日2回アムロジピン2.5mgを摂取することを患者に望むケースである。本発明は、アトルバスタチンから分離することができ、次いで、正確に半分に破断することができるアムロジピンを提供する。したがって本発明は、患者に、錠剤が1個であるという利点をもたらすが、これを現在米国で達成しようとすると、20mg Lipitor(登録商標)(アトルバスタチン)錠剤1個およびNorvasc(登録商標)(アムロジピン)2.5mg錠剤2個を必要とするであろう。
【0080】
2.アムロジピンベシレートとベナゼプリル塩酸塩(ベナゼプリル)の組合せは、米国ではLotrel(登録商標)の商品名で販売されている。この製品は、通常はそのまま摂取されるカプセルである。本発明の実施形態は、唯一の活性薬物としてアムロジピンを含有する1個の外側セグメントおよび唯一の活性薬物としてベナゼプリルを含有する他の外側セグメントを含有する錠剤全体を提供する。望ましい場合には、外側層を、図1aにおいてのように1個を上回るセグメントに生じさせることができる。Caduetに関する前記の例1においてと同様に、中間セグメントは不活性であり、破断して、2個のタブレッテをもたらしうるが、これらはそれぞれ、各外側活性セグメント全量と、ほぼ半分量の中間不活性セグメントを含む。患者が、一方の活性薬物に関しては2倍用量を必要とするが、他方は必要としない場合に、本発明の錠剤は、そのような必要性を満たす。あるいは、血圧変化または一方の薬物に対してであって、他方の薬物に対してではない副作用などの状況によって、患者が、1種の活性薬物のみを摂取することが、場合によっては一時的に必要となった場合、本発明の錠剤は、新たな剤形を処方しなくても、このことを可能にする。
【0081】
3.本発明の他の使用は、高血圧を治療するために有効に組み合わすことができるアムロジピンおよびクロルタリドンまたは他の利尿薬の組合せに関する。本発明の利点は、このパラグラフの直前のパラグラフにおいて記載された利点と同様である。
【0082】
4.本発明の他の使用は、オルメサルタンメドキソミル(オルメサルタン、アンギオテンシン受容体ブロッカー)とヒドロクロロチアジド(HCTZ)の組合せに関する。この製品は、Benicar/HCT(登録商標)の名称で米国で現在販売されており、用量はそれぞれ、mgで20/12.5、40/12.5および40/25である。患者のかなり一般的な出発用量は、1日1回20/12.5である。この製品は、両方の活性薬物を含有する均一な錠剤としてすべての濃度で現在は販売されている。本発明により処方されると、20/12.5用量で治療を開始した患者は、20/12.5錠剤1個全部と、オルメサルタン20mgを含有する錠剤半分またはHCTZ25mgを含有する錠剤半分とを摂取することにより、同じ錠剤を用いて、他の各用量まで増やすことができる。このことにより、医師は、患者に新たな処方箋を与える前に、新規の用量を調査する機会が得られる。本発明の他の利点は、前記の利点と同様である。
【0083】
5.本発明により処方されうる他の有用な組合せ製品は、アンギオテンシン変換酵素阻害剤(ACE)およびHCTZなどの利尿剤に関する。いずれのタイプの薬物も希にも副作用をもたらさないので、本発明は、副作用に携わる医師に役立ち、さらに、薬物の抗高血圧および他の臨床的利点に対処するために、用量を変える必要性に役立つ。
【0084】
6.不活性な中間セグメント(層)を用いて、活性薬物を別々の外側層に分離することに関している本発明から利点を受けうる他の製品は、2種の活性薬物、フルオキセチンおよびオランザピンを含む組合せ製品である。
【0085】
薬物の適切な組合せであれば使用することができる本発明の錠剤に関して、前記の治療分野またはその分野内での特別な例への制限はない。2剤組合せへの制限も存在しない。例えば、本発明による錠剤の一方の外側活性セグメントは、レボドーパおよびカルビドーパを含有してもよく、他方の外側活性セグメントは、エンタカポンを含有してもよく、この際、均一に3種の薬物全部を含有する錠剤製品は現在、米国においてStalevo(登録商標)として販売されている。さらに、本発明による錠剤は、5層セグメントであってもよく、例えば、1個の外側セグメントにアムロジピン、その隣に不活性セグメント、クロルタリドンまたはHCTZを含有する中間セグメントおよびそれら両方に隣接する第2の不活性セグメントおよびベナゼプリルを含有する他の外側セグメントを伴う(図8参照)。両方の不活性セグメントが、3種の活性セグメントのいずれかを損傷すること無く、簡便に破断される得るような適切な寸法を有するならば、異なる活性セグメントを柔軟に用量することができることにより、著しい臨床的利点が得られる。
【0086】
複数薬物の可能な組合せに関する次のリストは、例であり、限定ではない。言及される組合せは、列挙されている群のうちの2種またはそれ以上のメンバーを含んでもよい。下記および本願明細書中に挙げられている薬物は、簡便に、薬物の任意の塩の言及を除外することができる;例えば、その市販形態はアトルバスタチンカルシウムであるが、「アトルバスタチン」が挙げられている。
【0087】
限定ではないが、有用な組合せには、次の6つの薬物群内からの複数の薬物が含まれ得る。
【0088】
加えて、次のリストの薬物からの1種のみを含有する本発明の錠剤を作ることもできる。組合せ使用に関して、2つの使用法を本発明に適用することができる。これらの方法のうちの一方は、顆粒の形態の個別の薬物および顆粒の形態の異なる個別の薬物(または薬物組合せ)を装入し、場合によってそれらの間に不活性な顆粒を挿入する方法であり;他方の方法は、複数の薬物を1個または複数のセグメントに装入する方法である。
【0089】
1.抗狭心症薬、例えば:
A.カルシウムアンタゴニスト(後記リスト参照);
B.ベータブロッカー(後記リスト参照);
C.有機硝酸塩製剤(例えば、イソソルビド一硝酸塩または二硝酸塩)。
2.抗狭心症薬+抗血小板薬、例えば、アスピリン、クロピドグレルまたはチクロピジン。
3.2種の低血糖症薬(後記リスト参照)。
4.塩化カリウムおよび任意のチアジド型またはループ利尿薬(後記リスト参照)。
5.脂質低下剤+:低血糖症薬、抗血小板薬、抗狭心症薬および/または抗高血圧薬(前記および下記リスト参照)。
【0090】
低血糖症薬には:チアゾリジンジオン:ピオグリタゾン、ロシグリタゾン;スルホニル尿素:グリブリド、グリピジド、グリメピリド、クロルプロパミド;ビグアニド;メトホルミン;メグリチニド:ナテグリニド、レパグリニド;グルコシダーゼ阻害剤:アカルボース、ミグリトールが含まれる。
【0091】
6.抗高血圧薬:
ベータブロッカー:アセブトロール、アテノロール、ビソプロロール、セリプロロール、メトプロロール、メビボロール、カルベジロール(混合アルファ−ベータブロッカー)、ナドロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ピンドロール、プロプラノロール、チモロール、ベタキソロール、カルテオロール;カルシウムアンタゴニスト(カルシウムチャネルブロッカー):ニフェジピン、アムロジピン、ベラパミル、ジルチアゼム、ニソルジピン、フェロジピン、イスラジピン、ラシジピン、レルカニジピン、ニカルジピン、マニジピン;
チアジド型利尿剤(トリアムテレン、アミロリドまたはスピロノラクトンなどのカリウム保持性利尿剤を伴うか伴わない):ヒドロクロロチアジド、クロロチアジド、シクロペンチアジド、ポリチアジド、ベンドロフルアジド、ヒドロフルメチアジド、クロルタリドン、インダパミド、メチルクロチアジド、メトラゾン;
アンギオテンシン変更酵素阻害剤:カプトプリル、エナラプリル、リシノプリル、ラミプリル、トランドラプリル、キナプリル、ペリンドプリル、モエキシプリル、ベナゼプリル、フォシノプリル;
アンギオテンシン受容体ブロッカー:ロサルタン、バルサルタン、カンデサルタン、テルミサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン;
ハイセイリング(highceiling)(ループ)利尿剤(トリアムテレン、アミロリドまたはスピロノラクトンなどのカリウム保持性利尿剤を伴うか伴わない):フロセミド、トルセミド、エタクリン酸、ブメタミド;
アルドステロンアンタゴニスト利尿剤:スピロノラクトン、エプレレノン;
アルファブロッカー:ドキサゾシン、テラゾシン、プラゾシン、インドラミン、ラベトロール(混合アルファ−ベータブロッカー);
中心性(central)アルファアゴニスト:クロニジン、メチルドーパ;イミダゾリン:モキソニジン;
直接血管拡張薬:ヒドララジン、ミノキシジル;
アドレナリン作動性ニューロンブロッカー:グアネチジン。
【0092】
脂質低下剤には:
スタチン:ロバスタチン、シムバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン;
フィブラート:クロフィブラート、ベザフィブラート、フェノフィブラート、ゲムフィブロジル、シプロフィブラート;
他:エゼチミド、ナイアシン、アシピモックスが含まれる。
【0093】
本願明細書に開示されている薬物の組合せは、例示を目的としたものであり、本発明の範囲を制限するものではない。
【0094】
錠剤を同様の活性セグメントを含有するタブレッテに分割することを伴う、本発明の錠剤およびタブレッテの重要な利用に関して、それらが最適に正確に分割され得るのであれば、用量調節を受けうる大抵の薬物が、好ましい。このように、本発明による利点を特に受ける薬物の例には、ワルファリン、ジゴキシン、L−チロキシンなどの狭い治療指数薬物;アムロジピンなどの血管作用薬;ロシグリタゾンおよびグリピジドなどの血糖降下薬;およびアルプラゾラムなどの抗不安薬が含まれる。しかしながらこれらは、本発明の様々な実施形態および手順から利益を得るであろう薬物の大きな集団の内の小さいフラクションである。
【0095】
その錠剤およびタブレッテを含み、本発明の剤形には、数多くの使用方法が存在する。医学および薬学分野の専門家であれば、現在の製品を超える、本発明の様々な実施形態が可能にする多くの利点を認識するであろう。正確に1個の同じ活性セグメントを含む錠剤に関する本発明の利点のいくつかの例を、下記に記載する。
【0096】
1.ワルファリンは、Coumadin(登録商標)の商品名で米国で販売されている抗凝血薬であり、これは、刻み目のある錠剤である。研究により、患者は、ワルファリン5mg錠剤を等量の2.5mgセグメントに破断することはないことが判明している。本発明は、別のタイプの錠剤を教示しており、これにより、一般的な任意のヒト用量のワルファリン錠剤を、正確に半分、場合によっては正確に1/3、1/4などに破断することができる。したがって、患者は、錠剤全体においてと同様の信頼度で、本発明により製造されたワルファリン半分錠剤を利用することができる。ワルファリン投与物は往々にして破断されるので、本発明が患者に利益をもたらす多くの臨床的シナリオが存在する。
【0097】
2.Norvasc(本願明細書ではアムロジピンベシレートまたはアムロジピン)は、米国においては刻み目のない2.5、5および10mg錠剤として販売されている。これらの錠剤は、変則的な形態を有し、破断することは難しい。FDA承認用量範囲は、1日に経口で摂取される2.5から10mgである。本発明により、アムロジピンの改善された機能性が可能になる。例えば、本発明では、医師が1日7.5mgまで増やすように望んでいる1日5mgを摂取している患者は、5mg錠剤1個全部と、5mg錠剤をそれぞれアムロジピン2.5mgを含有する2個のタブレッテに破断することにより作られた1個の2.5mgタブレッテを摂取することなどにより、2個の別々の2.5mgセグメントを含む本発明の錠剤を利用して、正確に7.5mgまでの用量に増やすだけでよい。簡便さと経費節減は、明らかである。同様に、用量を1日5mgまで減らすようにアドバイスされているNorvascの10mg用量を摂取している患者は現在、Norvasc錠剤5mgのための新たな処方箋を購入しなければならない。本発明は、それぞれ正確にアムロジピン5mgを含有する2個のタブレッテに破断することができる10mg錠剤を得る可能性を提供する。したがって本発明は、患者の治療に多大な柔軟性をもたらし、経費の節減をもたらすことができる。本発明のさらなる利点は、様々な実施形態が、錠剤全体中に存在する活性成分の用量のうちの1/4を含有するタブレッテに、錠剤を十分に正確に分離することを可能にすることである。これは例えば、アムロジピンでは、すべてアムロジピン2.5mgを含有し、すべて、同じ面で不活性外側セグメントと連続している4個の活性セグメントを用意することにより行うことができる(実施形態#1参照;および2個ではなく4個の活性セグメントを有するように変更された図6a参照)。したがって、本発明の10mgアムロジピン錠剤を利用して、7.5mg用量を用意することもできるし、4個の2.5mg用量を用意するために利用することもできる。
【0098】
本発明のさらなる利点は、小児または老人用量に関するものとすることができ、これは、適切な用量濃度では製造することができない。アムロジピンの場合、1日1.25mg用量が、肝機能障害を有することもある、高血圧を伴う小児か、アンギナまたは高血圧を伴う病弱な高齢患者においては有用であり得る。米国食品医薬品局(FDA)が1.25mg用量を承認していないが、承認されている2.5mg用量を正確に分割することにより、1.25mg1日用量が可能である。加えて、承認されている2.5mg用量を正確に分割することにより、1日3.75mgを正確に投与することができる。
【0099】
本発明の別の使用は、保険業者および患者に対して、コスト削減法を初めて可能にすることである。本発明により、これが可能であるが、それというのも、NorvascおよびCoumadinなどの多くの薬物は、異なる用量間で少し(少しだが)異なる価格形成を有するためである。錠剤分割は、大抵の刻み目のある錠剤では不正確であるので、強制的な分割の実施は、大抵の医師および薬剤師機関により認められていない。本発明の錠剤(または図1bにおいてのようにいくつかのタブレッテ)を本願明細書に記載されているように破断すると、正確な用量がもたらされることにより、本発明は、錠剤分割を可能にする。本質的な利点は、この改革から予知される。加えて、組合せ製品において、1個の活性薬物を他の活性薬物から分離することができることにより、コスト削減の利点も得られる。
【0100】
関連発明は、本願明細書の開示の意図の範囲内であることは認められるであろう。また、本出願における省略は、本請求項または開示に発明者らを限定するものではない。一定の好ましい別の本発明の実施形態は、本発明を開示する目的で記載されており、当技術分野の専門家であれば、開示の実施形態の変更を行うことができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1a】刻み目を有する錠剤面から見た、幅よりも高さを有する錠剤の断面を示す図である。
【図1b】刻み目が終了する錠剤面で見た、図1aの錠剤の断面を示す図である。
【図2a−d】それぞれ錠剤を刻み目で破断した場合の図1aおよび図1bを示す図である。
【図3】2個のセグメントを有し、そのうちの一方は、錠剤の長さの約3/4である、幅よりも高さのある錠剤の断面を示す図である。
【図4a−b】錠剤を錠剤のほぼ中心点で破断した場合の図3を示す図である。
【図5】5個のセグメントを有する、幅よりも高さのある錠剤の断面を示す図である。
【図6a−b】錠剤を1個のセグメントで破断した場合の図5を示す図である。
【図7a−c】錠剤を2段階で2つのセグメントで効果的に破断するが、その際、初めに、錠剤を破断し、次いで、図6bのタブレッテを破断した場合の図5を示す図である。
【図8】3個のセグメントを有する錠剤の断面図を示す図である。
【図9】本発明による、刻み目のある錠剤の透視図を示す図である。
【図10】本発明による、バンドを有するカプセルの正面図を示す図である。
【図11】本発明による、表面に穿孔部を有する錠剤の正面図を示す図である。
【図12】本発明による、表面に2本の印刷された点線を有する錠剤の正面図を示す図である。
【図1】
【図2】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物を含有する層および薬物を含まないか、前記の薬物をより少ない濃度の形態などの異なる顆粒部分として含有する層を含む層状即時放出型医薬錠剤に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、医薬工業における2つの関連する問題を解決する必要から生じている。一方は、即時放出錠剤は一般に破断され、往々にして、破断を補助する刻み目を伴って製造されるが、錠剤破断は、そのうちのいくつかについては下記で詳述するが、多くの問題を被ることがよく証明されていることである。第2の問題は、組合せ薬物製品は通常、均一な混合物として、またはカプセルとして通常は製造されるので、動脈性高血圧を治療するためなどに、これらの製品を処方する医師は、前記の組合せのうちの一方のみの用量を調節する際に制限を受けることである。
【0003】
第1の問題の重要性に関する考証は、以下のようにまとめられる:
その刻み目のある錠剤が往々にして破断されるワルファリンなどの多くの薬物は、用量調節を必要とする。患者による錠剤破断を介してのこれらの用量調節は、不正確であると決定されている。次の検討で示されるように、多年にわたって専門家が錠剤破断の質を改善するように薬剤業界に呼びかけていたが、本発明に至るまで、いまだこのようなことは、最適化されていない。
【0004】
1984年に、Stimpel et al.(「Stimpel」)は、心臓血管の問題を治療するための様々な錠剤の破断の相対的正確度を記載している。M.Stimpel et al.、「Breaking Tablets in Half」、The Lancet(1984):1299。熟練した器用なヒトにより、破断は行われたが、Stimpelは、破断が正確ではないことを発見し、さらに、患者による現実世界での使用は、さらにより不十分な結果をもたらしているであろうと述べている。Stimpelは、薬剤工業に対して、錠剤の分割精度を改善するように呼びかけている:「錠剤を半分に分割しても不正確な用量はもたらされないであろうという仮説は明らかに、根拠がない。この不正確さの考えられる原因は、臨床的状況ではさらに重大であり(我々の研究は理想的な条件下で行った)、薬剤工業は、分割性を改善するか(ロプレッサーおよびログロトン(logroton)に関して既に行われている)、さらに良好には、刻み目のない錠剤を幅広く市販することにより、臨床的に必要となりうるすべての用量を提供することに取り組むべきである」。
【0005】
このような所見および声明にもかかわらず、さらに、刻みパターンおよび/または錠剤形態を最適化することに関する様々な特許の発行にもかかわらず、Rodenhuis et al.、(2004)は、「刻み線の機能の改善は、この用量形態を禁止するよりもより実用的な手法であり得る」(強調が加えられている)と記載した。N.Rodenhuis et al.、「The rationale of scored tablets as dosage form」、European J.of Pharmaceutical Sciences 21(2004):305−308(後記では「Rodenhuis」)。Rodenhuisは、欧州規制当局が、1998年に錠剤の刻みに反対する政策を始めたと述べている。この政策の変化は、Rodenhuisによると、「刻み目を有する錠剤の多くは、破断が難しく」、「刻み目を有する錠剤の多くは、小分けされた半分に関して不十分な質量均一性を示す」との「劣悪な刻み線の機能に関する多くの最近のリポート」に関しているようであった。次いで著者は、錠剤に刻み目をつける場合の有用な側面の記載を続けている。このトピックに関する包括的な概説論文に関しては、van Santen,E.、Barends,D.M.and Frijlink,H.W.「Breaking of scored tablets:a review」、European J.of Pharmaceutics and Biopharmaceutics 53(2002):139−145参照。
【0006】
問題の深刻さを証明しているいくつかの最近の研究を下記に示す。
【0007】
Peek et al.、(2002)は、50〜79才の「年配患者」により分割される錠剤を研究した。Peek,B.T.、Al−Achi,A.、Coombs,S.J.「Accuracy of Tablet Splitting by Elderly Patients」、The Journal of the American Medical Association 288 No.4(2002):139−145。特別な指導なしに機械的な錠剤分割機を用いて、刻み目のある錠剤を破断すると、錠剤のかなり不満足な分離が生じる。例えば、ワルファリン5mgは平均で、1.9mgと3.1mgの錠剤に分割された。この有力な抗凝血剤は、2、2.5および3mg錠剤用量が製造されるような狭い治療範囲を有する。Biron et al.(1999)は、ワルファリン10mgも往々にして、4.25mg未満または5.75mg超に分割されることを証明している。Biron,C.、Liczner,P.、Hansel,S.、Schved,J.F.、「Oral Anticoagulant Drugs:Do Not Cut Tablets in Quarters」Thromb Haemost 1201(1999)。加えて、彼らは、ワルファリン錠剤の破断の細片化またはチップ化による質量の損失は、統計的に重大であることを証明している。彼らはさらに、錠剤の四分化は、大いに不正確であることを証明している。
【0008】
McDevitt et al.、(1998)は、刻み目のない25mgヒドロクロロチアジド(HCTZ)錠剤は手では劣悪に分割されて、12.4%が、理想重量から20%超逸脱していることを発見した。McDevitt,J.T.、Gurst,A.H.and Chen,Y.「Accuracy of Tablet Splitting」Pharmacotherapy 18 No.1(1998):193−197。試験被験者の77%が、刻み目のない25mg錠剤を分割するよりも、個別に製造されている12.5mg HCTZ錠剤のための割増金を支払いたいと述べている。
【0009】
Rosenberg et al.(2002)は、薬剤師により分取される分割錠剤を研究した。Rosenberg,J.M.、Nathan,J.P.、Plakogiannis,F.「Weight Variability of Pharmacist−Dispensed Split Tablets」Journal of American Pharmaceutical Association 42 No.2(2002):200−205。彼らは、「錠剤分割は、許容できないほど高い重量変動の発生をもたらす」ことを発見した。彼らは、「分割錠剤の均一性を保証するために、標準を開発すべきである」と勧めている。
【0010】
Teng et al.、(2002)は、錠剤を分割するための実験状況内で熟練した個人を使用して、「我々が試験した11個の薬物製品の大部分は、等用量の半分の錠剤に分割しうるかを評価すると、寛大に解釈されるUSP(アメリカ薬局方)均一性試験に失格である...コストを削減するか、用量レジームを改善するための錠剤分割の実施は、比較的高い重大な毒性および急勾配の用量応答効力曲線を有する薬物を使用する患者には推奨されない」と結論した。Teng,J.、Song,C.K.、Williams,R.L.、Polli,J.E.「Lack of Medication Dose Uniformity in Commonly Split Tablets」Journal of American Pharmaceutical Association 42 No.2(2002):195−199。
【0011】
Rodenhuisは、あるオランダ研究での錠剤全部のうちの31%が、嚥下される前に細分されていると報告した。
【0012】
米国では、多くの「マネジドケア」保険団体が、刻み目のない不規則な形態の錠剤を含めて、患者による錠剤分割を推奨している。米国における多くの薬物製品は、刻み目がないか、タブレッテにすることができるにもかかわらず、カプセルとして供給されている。本発明は、前記の問題を改善する手段を提供する。
【0013】
第2の問題によって例えば、動脈性高血圧(高血圧)のための併用治療の許容性を妨げられる。それぞれ1種の薬物を含む2個の剤形とは異なり、2種の薬物を含む1個の剤形(「組合せ」剤形)を摂取する際に患者に経費的利点がなく、さらに、1個の剤形を摂取することと同様に2個の剤形を摂取することを患者が望み、それが可能であるならば、血圧の揺れまたは薬物に対する副作用の出現などの状況の変化に関する柔軟性のなさによる欠点が、組合せ剤形にはある。米国においては、この観察は、長年にわたって何度も提議されているが、それにもかかわらず、高血圧のための併用治療は、経費および可能なコンプライアンス的な理由に関して人気がある。
【0014】
前記の場合のいずれにおいても、本発明は、前記の問題の両方を改善する新規で最適な手段を提供する。
【0015】
1個の薬物または複数の薬物の混合物を1個の顆粒内に含む即時放出型医薬錠剤に関する従来技術は簡単なようである:これは、挿入された異なる層を用いて、2個の実質的に同一の層を即時放出型医薬錠剤の別の位置に置くか、薬物を同じ錠剤中で2種の異なる濃度で利用することは教示していない。本発明は、前記の両方を利用することができる理由を説明する。
【非特許文献1】M.Stimpel et al.、「Breaking Tablets in Half」、The Lancet(1984):1299
【非特許文献2】N.Rodenhuis et al.、「The rationale of scored tablets as dosage form」、European J.of Pharmaceutical Sciences 21(2004):305−308
【非特許文献3】van Santen,E.、Barends,D.M.and Frijlink,H.W.「Breaking of scored tablets:a review」、European J.of Pharmaceutics and Biopharmaceutics 53(2002):139−145
【非特許文献4】Peek,B.T.、Al−Achi,A.、Coombs,S.J.「Accuracy of Tablet Splitting by Elderly Patients」、The Journal of the American Medical Association 288 No.4(2002):139−145。
【非特許文献5】Biron,C.、Liczner,P.、Hansel,S.、Schved,J.F.、「Oral Anticoagulant Drugs:Do Not Cut Tablets in Quarters」Thromb Haemost 1201(1999)
【非特許文献6】McDevitt,J.T.、Gurst,A.H.and Chen,Y.「Accuracy of Tablet Splitting」Pharmacotherapy 18 No.1(1998):193−197
【非特許文献7】Rosenberg,J.M.、Nathan,J.P.、Plakogiannis,F.「Weight Variability of Pharmacist−Dispensed Split Tablets」Journal of American Pharmaceutical Association 42 No.2(2002):200−205
【非特許文献8】Teng,J.、Song,C.K.、Williams,R.L.、Polli,J.E.「Lack of Medication Dose Uniformity in Commonly Split Tablets」Journal of American Pharmaceutical Association 42 No.2(2002):195−199
【非特許文献9】Sica,D.、Drugs、2002;62(3):「Rationale for Fixed−Dose Combinations in the Treatment of Hypertension」
【非特許文献10】Remington’s Pharmaceutical Sciences 20th Ed.、Mack Publishing Co.、Easton、Pa.(2000)、Chapter 45
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
組合せ薬物に関する従来技術は、層の間に物理的または化学的非相容性が存在する場合にのみ、挿入不活性層(即ち、薬物を含まない顆粒に由来する層)を用いて、異なる層に薬物を分離することを教示している。この場合、従来技術は、前記の「分離層」は、非相容性な層を分離するために必要なだけのサイズに限られることを明確に教示している。これに対して、本発明は、好ましくは不活性な挿入層(好ましくは、破断を可能にするために十分な高さを有する)を用いて、相容性の顆粒を錠剤の異なる部分に置くことを教示しており;非相容性物質の場合には、非相容性物質を含む層に関する現行の教示とは異なる高さを有する分離層を必要とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、少なくとも2個の異なる垂直に配置されたセグメントを有する即時放出型医薬錠剤を提供し、この際、前記の錠剤は、1種または複数の薬物を含み、ここで、
(a)2個またはそれ以上のセグメントを含み、各セグメントは、同じ薬物を含有するか、2種またはそれ以上の薬物を実質的に同じ割合で含有するか;前記のセグメントは、1種の薬物または複数の薬物の組合せを薬理学的に有効な用量で含まないか;または
(b)1種または複数の薬物を含有する第1のセグメント;前記の第1のセグメント中の1種または複数の薬物とは異なる1種または複数の薬物を含有する第3のセグメント(前記の第1および第3のセグメントは、物理的および化学的に相容性である)および前記の第1と第3のセグメントとの間に挿入されていて、検出不可能な量か、薬理学的に無効な量で、前記の錠剤中に存在する薬物を有する第2のセグメントを含み;または
(c)1種の薬物または複数の薬物を含有する第1のセグメント、前記の第1のセグメント中の1種または複数の薬物とは異なる1種の薬物または複数の薬物を含有する第3のセグメント(ここで、前記の第1および第3セグメントの成分は物理的または化学的に非相容性である)および前記の第1と第3のセグメントとの間に挿入されていて、検出不可能な量か、薬理学的に無効な量で、前記の錠剤中に存在する薬物を有する第2のセグメントを含み、前記の第3のセグメントは、少なくとも1.5mmの高さを有する。
【0018】
本発明の好ましい核錠剤は、少なくとも2種の組成的に異なるセグメントを有する圧縮錠剤であり、ここで、第1のセグメントは、活性薬物を含有し、第2のセグメントは、
(a)前記の第1のセグメント中の前記の薬物の濃度よりも低い濃度で、同じ薬物を含有し、この際、濃度は、セグメント内の賦形剤に対する1種または複数の活性薬物の重量/重量比によるか;
(b)検出可能な薬物を含有しないか、または前記の第1のセグメント中に存在するものと同じ薬物を薬理学的に無効な量で含有し、さらに、前記の錠剤は、前記の第1のセグメント中に存在するものと同じ薬物を有する第3のセグメントを含むか;
(c)前記の第1のセグメント中に存在する前記の薬物と、前記の第1のセグメント中で薬理学的に有効な量で存在しないか、検出不可能な他の1種または複数の薬物の組合せを含有するか;
(d)検出可能な薬物を有しないか、または前記の第1のセグメント中に存在する前記の薬物を薬理学的に無効な量で有し、前記の錠剤はさらに、前記の第1のセグメント中に存在する薬物とは異なる薬物を有する第3のセグメントを含み、ここで、前記の第3のセグメントの成分は、前記の第1のセグメントの成分と相容性であるか;
(e)検出可能な薬物を含有しないか、または前記の第1のセグメント中に存在する薬物と同じ薬物を薬理学的に無効な量で有し、前記の錠剤はさらに、前記の第1のセグメント中に存在する薬物とは異なる薬物を有する第3のセグメントを含み、ここで、前記の第2のセグメントは、少なくとも3mmの垂直高さを有するか;
(f)前記の第1のセグメント中の薬物とは異なる薬物を有し、前記の錠剤はさらに、前記の第1のセグメント中に存在するものと同じ薬物を有する第3のセグメントを含む。
【0019】
本発明は、即時放出型医薬錠剤に関する。「活性剤」、「活性薬物」、「薬物」、「活性医薬成分」および「薬理学的に活性な薬剤」との用語は本願明細書では、互換的に使用することができ、生物(ヒトまたは動物)に投与されると、薬理学的作用をもたらし、処方および非処方医薬化合物;および薬理学的に有効な用量のビタミンまたは補酵素などの物質が含まれる化学的物質または化合物を指している。本願明細書では、1日推奨許容量での食料およびビタミンなどの物質は、薬物としては除外される。
【0020】
本発明の錠剤は、2個またはそれ以上の層で処方されている即時放出型医薬錠剤の群に属し、したがって、不均一系である。本発明の錠剤は、錠剤全体として使用することができるだけでなく、本願明細書ではタブレッテとして知られているサブユニットに破断することもできるようになっていて、その際、錠剤全体としても、タブレッテの形態でも正確に投与される。本発明は、その好ましい実施形態の大部分において、活性薬物を含まない顆粒(「不活性顆粒」)から作られたセグメントを利用することにより、これらの目的を達成する。
【0021】
本発明の第1の目的は、錠剤全体中に存在する1種または複数の薬物に対してより少ない用量(ゼロ用量を含む)を作り出すことが望ましい場合に、薬物を含有しないか、薬物または薬物の混合物(w/wベースで)の最少濃度または薬物または薬物混合物の薬理学的に不活性な量を含有するセグメントで、さらに、あまり好ましくはないが、錠剤中の他のセグメントに対して最少よりは多いが、低い濃度で薬物を含有するセグメントでの破断を可能にすることにより、破断されうる即時放出型医薬錠剤を作ることである。
【0022】
本発明の第1の目的は、本発明を、単一薬剤製品の正確な投与および組合せ製品の両方に本発明を適用することである。
【0023】
組合せ製品に関して、適切な予備的ポイントは:1つの顆粒内の薬物混合物は、本発明による1セグメントと他のセグメントとの、または他の部分との分離性の観点において、顆粒中で単一の薬物として作用し、前記の2種の混合薬物は、相互に分離不可能である。他方で、本発明は、所定の薬物または薬物混合物が薬理学的に有効な量で1セグメント中に存在し、別の薬物または別の薬物混合物が異なるセグメント中に存在する場合には非常に有効である。例えば、薬物Aが治療的に有効な量で上部セグメントに存在し、薬理学的に有効な量の薬物を含まない内部セグメントが2個の外側(即ち頂部および底部)セグメントの間に挿入されていて、薬物Bが治療的に有効な量で底部セグメントに存在する好ましい実施形態において、前記の内部セグメントの高さ、特に「実効高さ」が、前記の内部セグメントが前記の錠剤の破断領域として役立ち、実質的に外側セグメントで破断されないように十分に高い場合に、本発明は、最も有効である。しかしながら、前記の錠剤において、上部および下部セグメントの成分がすべて物理的および化学的に相互に相容性である場合には、従来技術は、本発明の新規性に関する前記の内部セグメントの最少高さを必要とせず、それというのも、即時放出型医薬錠剤において、「分離」層またはセグメントは、利用されていなかったか、このような場合に利用することを教示されていないためである。前記の外側セグメントの成分間に不相容性がある特殊な状況において、従来技術は、錠剤全体のサイズを最小化するなどの理由により、何らかの内部「分離」セグメントの高さを、前記の不相容性の存在を除去するために必要な最小限に限定する。この場合、本発明は、破断することができるように前記の内部分離セグメントが過剰に存在するその好ましい形態のいずれにおいても、新規なままである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の錠剤を好ましくは、Korsch AG(ドイツ)により製造されている3層または5層高速プレス機などの層プレス機で製造する。錠剤を少なくとも2種の異なる顆粒から生じさせ、さらに好ましい錠剤は、3個の垂直に配置されているセグメントを有する。
【0025】
本発明により製造することができる多くの錠剤のうちのいくつかの例は次の例である:
アムロジピンベシレート(または「アムロジピン」)を含む第1の顆粒を第1の充填ステーションで金型に入れ;不活性な賦形剤を有する第2の顆粒を第2の充填ステーションで前記の第1の顆粒の頂部に入れ;前記の第1の顆粒と実質的に組成および量(重量)において同一な顆粒を第3の充填ステーションで入れる。最終的な圧縮の後に、前記の錠剤を金型から取り出す。各顆粒は、金型に十分に入れられると、層を形成する。理論的には、層を形成する際に、異なる顆粒間で最少で偶然の混合が生じるが、多少の混合は、予測されており、本発明から破断可能な錠剤を作り出す技術における改善に変化はない。異なる顆粒は、同じか異なる色を有してよい。
【0026】
本願明細書では慣用的に、本発明の完成錠剤を検討する際に、通常、「セグメント」との用語を「層」の代わりに使用し、その理由に関しては、下記で説明する。
【0027】
セグメントは、錠剤の実質的に均一な連続する部分の全体を表している。セグメントは、1つを上回る層から生じていてもよいが:2種の実質的に同一な顆粒を錠剤金型に連続して入れた、つまり2個の連続する充填ステーションなどで自動高速錠剤製造の間に第1の顆粒を入れた直後に第2の顆粒を入れた場合、2種の顆粒はそれぞれ入れた後にはそれぞれ別の層を形成するであろうが、圧縮すると、これらは、1個のセグメントを含む。したがって、セグメントは、本発明の錠剤が有用であるような方法の基本ユニットである。しかしながら、例えば、異なる活性薬物または同じ活性薬物の異なる塩などの2種の異なる活性薬物を上下に圧縮すると、これらは、2個のセグメントを形成するであろう。同じ活性薬物を含むが、異種の賦形剤を伴う顆粒も、顆粒を上下に圧縮すると2個のセグメントを形成するであろう。
【0028】
実質的に同一の顆粒から生じている複数の層から形成されたセグメントは、コンパウンドセグメントと称される。コンパウンドセグメントは、実質的に同一の顆粒の2回の連続する充填(供給)を行うので、比較的大量の不活性顆粒もしくは1種または複数の薬物を含有する顆粒の場合に有用である。
【0029】
おそらく、本発明の錠剤でのより一般的な状況は、実質的に同一な顆粒の上にも下にも配置されていない(即ち、それらに隣接していないし、それらと連続していない)顆粒から生じる層に関する。この場合、単一セグメントが生じる。言い換えると、非コンパウンドセグメントが、単一セグメントである。
【0030】
本願明細書で使用する場合、「水平」(「横位」)および「垂直」などの用語は、錠剤に関して使用される場合、金型中で製造されたが、金型から除去または排出される前の錠剤の空間的方向をベースとしている。本製造方法は、他種の頂部で1種の顆粒を金型に入れることで錠剤を製造して、本発明の錠剤が、1個または複数の頂部(外側)セグメント、1個または複数の底部(外側)セグメント、さらに場合によっては1個または複数の中間(内部)セグメントを有するように製造する。勿論、内部セグメントも外側面を有するが、頂部または底部(即ち「外側」)ではないセグメントは、内部セグメントと見なす。勿論、内部セグメントの横側部分は、外側表面を有する。
【0031】
別々の顆粒を、金型中で現在実施されているように垂直ではなく、水平に(横方向に)連続して入れると、こうして製造された錠剤は、同じ生成物が製造されるであろう本発明の範囲内になるであろう。例えば、図1の錠剤を、平面のテーブルに置くと、これは、金型中で生じた角度に対して直角に、縦に位置する傾向が高いので、3つのセグメントがすべて異なる色を有する場合には、セグメントは、垂直ではなく(上下)、水平(横方向)に配列されているように見えるであろう。しかしながら、用語を一致させるために、このようなセグメントは、本願明細書では、相互に垂直に配列されていると見なす。
【0032】
本発明の錠剤は、セメント、膠、接着剤などを使用して形成されてなく、好ましくは、コーティングされていない。
【0033】
「相対的に不活性なセグメント」との用語は、検出不可能な量の薬物を含有するか、薬理学的に有効な量で他の1個または複数のセグメント中に含まれている1種または複数の薬物を低い濃度で含有するセグメントを指している。「低い濃度」とは、前記の相対的に不活性なセグメント中の1種または複数の薬物の濃度が、他のセグメント中の前記の1種または複数の薬物の濃度の80%以下、さらに好ましくは、前記の他のセグメントの1種または複数の薬物の濃度に対して20%以下であることを意味するが;最も好ましくは、前記の比は、5%以下である。セグメント中の1種または複数の薬物の濃度は本願明細書では、前記のセグメント中の1種または複数の薬物と、前記の1種または複数の薬物および不活性な賦形剤を含む前記のセグメントの全重量との重量対重量ベースでの比を意味する。
【0034】
本発明の錠剤は、その利点を実現するために、最も良好には横方向で破断される。これらは、通常は本発明により、ちょうど分離マークの望ましい破断領域に、または外側セグメントなどの他の錠剤部分に、刃先などの力を加えることにより破断して、所望の位置で錠剤を破断することができる。
【0035】
図面は、本発明の錠剤およびタブレッテの垂直断面を描いている。それらが金型中にあるように錠剤は描かれているので、頁の方向での錠剤の頂部は、金型中での錠剤の頂部に対応している。言い換えると、図面にみられる錠剤の頂部セグメントは、金型に最後に入れられた顆粒を含んでいる。タブレッテは、かつてはタブレッテがそのパーツであった錠剤の一部として、金型中に存在しているように描写されている。
【0036】
分離マークは、刻み目を用いるよく知られている通常の方法で、任意選択的な錠剤破断をガイドすることを意図しているので、その力は、分離マークの所またはその付近で、錠剤の破断が行われることが望まれている表面に対して実質的に垂直である方向に錠剤を破断するように加えられる。ちょうど分離マークに、または外側セグメントなどの他の錠剤部分に、刃先などの力を加えることにより、本発明により錠剤を破断して、分離マークの所またはその付近で分離マークの方向に錠剤を破断することができる。
【0037】
1個または複数の分離マークは、次のうちの1個または複数を含んでよい:
(a)1側面の刻み目(前記の刻み目は、垂直方向ではない);
(b)前記の錠剤の望ましい破断領域を示す少なくとも1側面上の印;
(c)1個のセグメント上または2個のセグメントの境界面に位置しているバンド;または
(d)第1の下部および第2の上部セグメントが、同じ色を有し、薬理学的に有効な量の同じ薬物を含有するか、両方とも薬理学的に有効な量で薬物を含有せず、前記の第1セグメントとは異なる色を有する第3の内部挿入セグメントは、前記の第1のセグメントが薬理学的に有効な量の薬物を有する場合には、前記の第1のセグメントと同じ薬物を有し、前記の第1のセグメントが薬理学的に有効な量の薬物を含有しない場合には薬理学的に有効な量の薬物を有しない、前記の錠剤の核。
【0038】
「正面図」は、正面として任意に設計された面に関して錠剤を通る理論的幾何面を有する、錠剤の断面図を指している。対応する「正面図」も有する「側面図」と標識されている図面は、正面図右側からの錠剤全体の断面と見なされる。即ち、側面図は、断面正面図に対して90°の角度で錠剤全体の垂直軸で面を返した断面図である。各正面図は、図式的断面図を示しており、これらは、錠剤の正面から錠剤またはタブレッテの後側までを測定された水平断面図の中心点を通る。正面図はさらに、錠剤の主軸に対して平行であり(例えば、長方形(正方形ではない)の錠剤に関しては横位断面)、周囲の長い方の辺は、断面正面図を描いている辺と平行である。
【0039】
この面は、前記の錠剤の正面と背面との中間に位置している。図1bおよび2c〜dの側面図は、長い方の横位寸法(即ち幅)の中心線を通る垂直方向面から取られており、正面図の中心点に位置し、それに直角に位置している。図面は、錠剤の垂直中心点において正方形ではなく長方形の水平断面を有する錠剤のものである。
【0040】
薬理学的に活性な量の1種または複数の薬物を含有するセグメントは、斜線を引かれて示されている;薬理学的に無効なセグメントは、何もなしに示されている(そのまま、斜線または点描なし)。各図面の上部は、錠剤の上部に対応しており、これらはすべて、最終圧縮を終え、金型から排出される前に、金型内に位置しているように描かれている。一貫性のために、タブレッテは、金型から錠剤が排出された後に作られるが、タブレッテは、それらが由来する錠剤と同じ方向で描かれている。図面中に描かれている錠剤中の破線は、錠剤の表面上または表面中に存在する印刷マークもしくは他の印または刻み目を表すことができ、それらが刻み目を表す場合、前記の刻み目は、断面正面図中に表われるほど十分に深くは錠剤に達していない。図面に示されている刻み目を反映している横破線は、本発明の錠剤の刻み目の深さを制限する意図は有していない。表面刻み目を示している正面図上の水平破線は、図式的であり、十分に垂直な規模の刻み目、印刷マークなどを必ずしも示してはいない。
【0041】
タブレッテは、細かい鋸歯パターンにより示されている破断面を伴って描かれている。このような鋸歯描写は、図式的で、往々にして、前記の錠剤を刻み目で破断したとしても不規則なエッジをもたらす錠剤(またはタブレッテ)破断の実際のパターンを示しているわけではない。
【0042】
図面に描かれている錠剤中の分離マークは、錠剤の表面上またはその中に存在し、断面正面図に表われるほど錠剤に十分に深くは達していない刻み目として描かれており、錠剤の表面上または内の前記の刻み目の位置(図示せず)を反映している点線として図面に描かれている。分離マークまたは他の刻み目の深さは、個々の実施形態における錠剤の最も幅広の断面の半分よりも深くてもよく、図面に示されている分離マークである表面刻み目を反映する横位点線は、本発明の錠剤の刻み目の深さを制限するものではないと理解されたい。同様に、刻み目を有して示されている錠剤は、前記の刻み目の幅または規模を制限しない。表面刻み目を表す正面図上の水平破線は、図式的であり、刻み目の全垂直規模を必ずしも表していない。(錠剤の幅または深さを貫通する穿孔部または断続的な刻み目は、ここには描かれていないが、本発明の範囲内であり、分離マークをもたらす錠剤上の他のマークまたは物理的変化も、同様である)。分離マークとして役立つ何らかの刻み目または印刷された印は簡便には本願明細書では、錠剤の正面表面に位置していると仮定されており、これは、錠剤の垂直方向表面から任意に選択される。錠剤の「側面図」は、正面図から90度回転させた錠剤の断面図であり、図2cおよび2dに示されている。分離マークの寸法は、図面中の点線としてのその描出により制限されない。錠剤は、微細な鋸歯パターンにより示されている破断表面と共に描かれている。このような鋸歯描出は図式的で、錠剤またはタブレッテの破断の実際のパターンを表すことを意図したものではない。
【0043】
図1aおよび1bは、組成的に実質的に同一の上部セグメント40および下部セグメント44を有する錠剤を描いている。内部セグメント42は、セグメント40および44それぞれでは治療的有効量で存在する薬物を痕跡量で含有する。境界面46および48は、セグメント42の上部部分およびセグメント42の下部部分とがそれぞれ、上部セグメント40および下部セグメント44と隣接している領域を示している。曲線境界面は、湾曲している上部タブレットパンチのプロファイルから生じている。刻み目52が、図1bに描かれている。図1a中の破線50は、錠剤の表面上の刻み目52の反映(図示せず)であり、錠剤の短い方の横軸の中間は通っていない。
【0044】
図2a〜dは、刻み目52で図1aおよび1bの錠剤を破断して生じさせたタブレッテを描いている。図1aの内部セグメント42は、無傷のセグメントとしてはもはや存在していない。図2aおよび2cの上部タブレッテは、無傷の上部セグメント40と隣接するセグメント80を含み、下部タブレッテは、セグメント82および無傷のセグメント44を含む。
【0045】
セグメント42に位置する刻み目で図1aおよび1bの錠剤を破断することは、刻み目のある層状(セグメント化)錠剤で現在実施されている垂直寸法での錠剤の破断よりも明らかに容易である。活性薬物が位置する錠剤部分で破断が行われないという事実により、錠剤中に含まれる1種または複数の活性薬物に関して非常に正確な破断がもたらされる。
【0046】
図3は、2セグメント錠剤を示しており、この際、顆粒から生じている各セグメントは、薬理学的に有効な量の医薬品を含有する。上部(外側)セグメント124は、下部(外側)セグメント126よりも長い。境界面128は、そこで前記の各セグメントが接触している領域を示している。錠剤の外側表面にある印刷マーク(図示せず)は、前記の表面印刷マークの位置を反映している矢印130の位置により示されている望ましい破断点を示している。しかしながら、錠剤のどの部分がどのセグメントを含むかを識別することができるように、これら2個のセグメントはさらに、異なる色を有する。
【0047】
図4aおよび4bは、図3の錠剤を破断することにより生じた2個のタブレッテを描いている。図4aのタブレッテは、図3のセグメント124の大部分を示すセグメント118からなる。図4bに描かれているタブレッテは、無傷の形のセグメント112および、図3のセグメント126の半分未満のポーションを示しているセグメント120を含む。境界面116は、前記のセグメントが隣接している領域を示している。湾曲面は、錠剤パンチのプロファイルに基づく。
【0048】
図5は、以前記載したものよりも長い錠剤が示されている。この錠剤は、1個のセグメントでの破断を容易にすることに関して、他のものよりもさらに適している。上部セグメント600は、治療的量の薬物を備えており;点を打たれている内部セグメント604は、治療適量の別の薬物を備えており、下部セグメント608は、セグメント600および604中に治療的量で存在する薬物とは別の薬物を治療的量で備えている。そのままの(模様のない)内部セグメント602および606は、錠剤中に存在する3種の各薬物を薬理学的に無効な量で含む。境界面610、612、614および616は、2個の隣接するセグメントが近接する領域を示している。図5の錠剤は、各セグメントごとに異なる色を備えている。表面刻みまたは印が存在しなくても、この色スキームは、セグメント602で錠剤を破断して、図6aおよび6bに描かれているタブレッテを作るように力を加えるように、ヒトの注意を向けるためのスキームである。図6aは、横方向でセグメント602の所で図5の錠剤を破断することにより作られた、より小さなタブレッテを描いている。セグメント620は、前記の破断により作られており、図5のセグメント602は、もはや無傷のセグメントとしては存在していない。図6bは、図5の錠剤を前記のように破断することにより作られた、より大きなタブレッテを描いている。新たな上部セグメント622が作られている。
【0049】
図7a〜cは、図6bの錠剤をさらに破断することにより作られた3個のタブレッテを描いている。新規のセグメント630およびセグメント632が作られており、セグメント606はもはや、無傷のセグメントとして存在しない。
【0050】
図8は、薬物を有する頂部セグメント230、不活性中央セグメント(検出不可能な薬物または薬理学的に無効な量の薬物)および頂部セグメントと同じ薬物を含有する底部セグメントを有する3セグメント錠剤の断面図である。この錠剤は、湾曲界面236および238および錠剤頂部を形成する湾曲プロファイルを有する錠剤パンチで形成される。中央セグメントの実効高さは、Hであり、これは、湾曲錠剤パンチの効果により、中央セグメントの実際の高さHTよりも低い。実効高さHの範囲内で中央セグメント部分でこのタイプの錠剤を破断して、薬物を含有する頂部または底部セグメントでの破断を回避することが望ましい。前記の錠剤は、3層を有し、3個のセグメントは、アムロジピンを含有してもよい。これを、不活性顆粒から生じたセグメントで破断することもできる。前記の破断は、前記の中央顆粒にのみに限られるならば、2個のタブレッテをもたらし、これらはそれぞれ、1個の実質的に無傷のアムロジピン含有セグメントおよび一部の中央セグメントを含有する。錠剤分割の技術における前進は、各タブレッテ中に存在する用量の最大の正確さが達成されることであり、それというのも、2個のタブレッテでの重量(または質量)差は、存在する中央セグメントの量の差によるものであるが、前記の中央セグメントは、あったとしてもアムロジピンをほとんど有しないと考えられるためである。同様に、チップ化または粉砕による質量の喪失は、中央セグメントで起こると考えられる。
【0051】
図9は、本発明の錠剤の透視図であり、これは、正面表面上の分離マークとしての刻み目701および頂部活性(薬物含有)セグメント702;中間不活性セグメント(検出可能な薬物がないか、薬理学的に無効な量の薬物)および底部活性セグメント706を示している。錠剤を刻み目701で破断しても、頂部セグメントおよび底部セグメントは無傷なままである。
【0052】
図10は、本発明の錠剤の正面図であり、硬質ゼラチンカプセルをシーリングするために使用されるゼラチンバンドなどのバンド901を示しており、これは、分離マークをもたらすために本発明による適切な錠剤に施与されている。参照により本願明細書に援用される米国特許第4922682号明細書に開示されているような、カプセルをバンディングするために使用される技術などの技術を変更して、本発明による錠剤を製造する際に、バンドを得る。
【0053】
図11は、本発明による分離マークを生じさせるために錠剤の表面に製造することができる一連の穿孔部100を示している。これらの穿孔部は、例えば、表面から1〜2mmの深さまで達する1〜2mmの穴を機械によるかレーザーによるドリルにより生じさせることができる。
【0054】
図12は、本発明による錠剤の正面図を示しており、これは、本発明による分離マークとして役立つ2本の印刷された点線を有する。
【0055】
本発明の他の好ましい実施形態は、前記のバリエーションを利用する、例えば:
ヒドロクロロチアジド(HCTZ)を含む第1の顆粒を金型に入れ、続いて、不活性な顆粒を金型に2回入れ、続いて、第4および最終充填ステーションでビソプロロール(ベータブロッカー)を含む顆粒を入れる。最終圧縮の後に、3セグメント(4層からなる)からなる錠剤が作られた。第1の顆粒から生じた層は、底部層であり、不活性な賦形剤から生じた層は、2つの中間層であり、一緒になって、錠剤形成の後に、中央(内部)セグメントを形成し、最終顆粒は、頂部層を含み、これは、最終圧縮の後には頂部セグメントと記載される。したがって、本願明細書では、寸法および方向はすべて、錠剤を製造する方法に関している。好ましくは、幅よりも高さのあるこの錠剤は、中央および頂部セグメントに多少の量のHCTZを含有してよく、中央および底部セグメント中に多少の量のビソプロロールを含有してもよい。
【0056】
中央セグメント全体で前記の錠剤を破断した後には、2個のタブレッテが生じる。一方は主に、おそらく治療的有効量のHCTZ全部と、おそらく多少の量の、好ましくは痕跡量のビソプロロールを含有し;他方は主に、ビソプロロール全量と、おそらく多少の量の、好ましくは痕跡量のHCTZ、さらに多少の量の前記の中央セグメントを含有する。前記の錠剤設計と、組合せ製品を形成している2個の個々の用量形態をほぼ完全に作り出すことが場合によっては可能なことにより、用量調節、副作用管理などに関する重要な治療的利点が得られる。
【0057】
図8に示されているように、上部パンチのカッピングまたはべべリングは通常、最下部セグメント以外のセグメントの周辺部分を、そのセグメントの中心部分のレベルよりも下に広げる。本発明による「分離セグメント」の利点を十分に実現するために、横位面を、上に配置されたセグメントの最下部と下に配置されたセグメントの最上部との間に位置させることができることが、最適であり、その際、前記の面は、挿入されている、好ましくは薬理学的に不活性なセグメントを通っている。上に配置されたセグメントの最下部と下に配置されたセグメントの最上部との垂直距離は本願明細書では、実効高さHと記載される。通常、この測定は、錠剤の底部から、このようなセグメントのカッピングまたはべべリングにより、上部セグメントの周囲から水平に引かれた面までの垂直高さと、錠剤の底部から下部セグメントの中心までの垂直高さに由来する。
【0058】
セグメントのべべリングまたはカッピングの場合の実効高さは、容易には錠剤の頂部の形に反映されるように、破断が行われることが意図されている分離または挿入セグメントの高さよりも常に低い。挿入セグメントの高さは、その最も高い点から、連続する上部配置セグメントの最も高い点までの垂直距離である。
【0059】
分離または挿入セグメントの場合には、従来技術は、即時放出型医薬錠剤に関しては高さを約1mmに限定している。実効高さHは、それ未満に限られている。
【0060】
本発明の好ましい錠剤は往々にして、両方とも4mmを上回り、6mmを上回ってもよい高さおよび実効高さHを使用する。錠剤でのサイズ制約により必要な場合には、より低い高さおよび実効高さが利用される。
【0061】
3個のセグメントを有し、それぞれ、活性な頂部または上部セグメント、および実質的に不活性な中間セグメントにより分離されている活性な下部または底部セグメントを有する錠剤を製造する。Stokes 27ステーション3層回転錠剤プレス機を使用する。すべての処方物は、直接圧縮可能な粉末ブレンドである。アムロジピン処方物とベナゼプリル処方物の両方のブレンドを、Patterson−Kelly「V」ブレンダー中で行う。中間セグメントは、Nu−Tab(登録商標)194mgからなり、ブレンドを必要としない。0.131×0.3222インチの楕円形凹面錠剤パンチを使用して、35キロポンドの硬さまで、錠剤を圧縮する。底部セグメントを初めに金型に導入する。錠剤重量は310mgである。こうして製造された錠剤は、高さ8mmであり;不活性な中央セグメントは、高さ5〜6mmで変動し、幅は4mmである。
【0062】
各セグメントが有する顆粒の重量mgは、次である:
【0063】
【表1】
【0064】
製造指示
1.各成分を秤量する。
2.各成分をふるいに掛ける。
3.適切なミキサーを使用して、幾何学的割合で、主な希釈剤と共に着色剤を粉砕する。
4.滑剤を除く残りの成分をステップ#3からの着色剤ミキサーに加え、所望の時間混合する。
5.ステップ#4からのブレンドに滑剤を加え、所望の時間混合する。
6.ブレンドを、所望のツーリングを備えた適切なプレス機に加え、錠剤に圧縮する。
【0065】
中間セグメント Mg
Nu−Tab(登録商標)(圧縮可能な糖30/35 N.F.) 194.00
【0066】
【表2】
【0067】
製造指示
1.各成分を秤量する。
2.各成分をふるいに掛ける。
3.適切なミキサーを使用して、幾何学的割合で、主な希釈剤と共に着色剤を粉砕する。
4.滑剤を除く残りの成分をステップ#3からの着色剤ミキサーに加え、所望の時間混合する。
5.ステップ#4からのブレンドに滑剤を加え、所望の時間混合する。
6.ブレンドを、所望のツーリングを備えた適切なプレス機に加え、錠剤に圧縮する。
【0068】
錠剤化指示
1.活性層のための粉末をホッパー#1に装入する。
2.プラシーボ層のための粉末をホッパー#2に装入する。
3.活性層のための粉末をホッパー#3に装入する。
4.層#1錠剤を圧縮して所望の重量にする(層#1のための錠剤は、軟質コンパクトをもたらすべきである)。
5.層#1錠剤および層#2錠剤を圧縮して、層#1および層#2重量の望ましい組合せ重量にする(錠剤は、軟質コンパクトをもたらすべきである)。
6.三層錠剤を圧縮して、所望の全錠剤重量にする(層#1重量+層#2重量+層#3重量)。錠剤は所望の硬さであるべきである。
【0069】
前記と同様の頂部および底部セグメントを使用して、ただし、中間セグメントのためにNu−Tabの代わりに次の成分を使用して、本発明の同様の錠剤を別に製造する。次のものを、Patterson−Kelly「V」ブレンダーを使用してブレンドする。
【0070】
【表3】
【0071】
製造指示
1.各成分を秤量する。
2.各成分をふるいに掛ける。
3.滑剤を除くすべての成分を適切なミキサーに加え、所望の時間混合する。
4.ステップ#3からのブレンドに滑剤を加え、所望の時間混合する。
5.ブレンドを、所望のツーリングを備えた適切なプレス機に加え、錠剤に圧縮する。
【0072】
0.131×0.3222インチの楕円形凹面錠剤パンチを使用して、35キロポンドの硬さまで、錠剤を圧縮した。底部セグメントを初めに金型に導入した。錠剤重量は280mgであった。前記の中間セグメントを有する錠剤は、高さ6mmであり、不活性な中間セグメントは、高さ3.5〜4mmであった。
【0073】
錠剤化指示
1.活性層のための粉末をホッパー#1に装入する。
2.プラシーボ層のための粉末をホッパー#2に装入する。
3.活性層のための粉末をホッパー#3に装入する。
4.層#1錠剤を圧縮して所望の重量にする(層#1のための錠剤は、軟質コンパクトをもたらすべきである)。
5.層#1錠剤および層#2錠剤を圧縮して、層#1および層#2重量の望ましい組合せ重量にする(錠剤は、軟質コンパクトをもたらすべきである)。
6.三層錠剤を圧縮して、所望の全錠剤重量にする(層#1重量+層#2重量+層#3重量)。錠剤は所望の硬さであるべきである。
【0074】
同様に、比較的深い充填および上部と下部圧縮ツールとの比較的広い距離を可能にする深い充填カムのためのそのデザインにより、比較的高い錠剤を製造することができるKorsch TRP900などの錠剤プレス機で、他の幅よりも高さのある錠剤を製造することができる。Korsch TRP900で高さ12mmである0.131×0.3222インチの楕円形凹面錠剤を製造するために、処方者は、不活性Nu−Tab(登録商標)中間セグメントの重量を約323mgまで増やすべきであろう。同様に、完成錠剤高さ14mmを得るために、約388mgの重さの中間セグメントを用いて錠剤を処方する。処方者が好むならば、中間層のための第2の例、即ち、二塩基性リン酸カルシウム(DCP)処方物を使用することもできる。Korsch TRP900で高さ12mmである0.131インチ×0.3222インチの楕円形凹面錠剤を製造するような場合には、処方者は、不活性DCP中間セグメントの重量を約410mgまで増やすべきであろう。同様に、完成錠剤高さ14mmを得るためには、錠剤を、約492mgの重さの中間セグメントを用いて処方する。
【0075】
さらに本発明は、疾患を予防または治療するために、良好な健康を維持するために、加齢を遅らせるために、または他の目的のために、1種または複数の薬物を本発明の錠剤およびタブレッテなどの剤形を介して、薬剤を必要とする患者、哺乳動物または他の動物に投与する方法を含む。様々な理由で下方用量調節を可能にする本発明の新規のタブレッテを用いるなど、組合せ製品からの1種のみの薬物を用いて患者を治療する方法が含まれる。あるいは、同様にして、患者を、複数の活性薬物を含有する1個の錠剤全体で治療することができ、さらに同様の錠剤からの1種のみの薬物を投与し、したがって上方用量調節が可能となる。1種の薬物が外側活性セグメントに存在し、第2の異なる薬物が、他の外側活性セグメントにあり、前記のような実施形態でのように薬理効果のない内側セグメントが存在する、本発明による利点を有し得る組合せ製品には、次の薬物対を含有するものが含まれる:アムロジピンとベナゼプリル、クロルタリドンまたはアトルバスタチン;ベナゼプリルとヒドロクロロチアジド;オルメサルタンおよびヒドロクロロチアジド;などであり、現在製造されている組合せ製品の大部分が含まれる。全体用量の半分または1/4であってよいが、有用に様々なフラクションであってもよい、錠剤全体からの医薬品の正確な部分用量を用いて、患者を治療する方法も含まれる。半分、1/4などであってよいが、そうでなくてもよい錠剤の分離可能なセグメントを用いる本発明により、特にワルファリンは有用に製造し、投与することができる。ワルファリンと共に、L−チロキシンおよびジゴキシンは、利益を売ることができる他の例である。
【0076】
次に、本発明の錠剤が重大な利点をもたらしうる考えられる臨床的状況を示す。
【0077】
1.米国で現在市販されている製品は、Caduet(登録商標)であり、これは、活性成分アトルバスタチンカルシウム(アトルバスタチン)およびアムロジピンベシレート(アムロジピン)を含有し、これらは、刻み目のない錠剤中に広く均一に内部分散している。この製品では、高脂血症(アトルバスタチン)および高血圧(アムロジピン)の両方を治療することが意図されている。この錠剤を毎日摂取する患者は、血液検査を受けると、血中酵素濃度の上昇により示される肝機能障害と診断されることがある。すると、医師は、製造者により肝機能障害を原因となりうると述べられているアトルバスタチンの、場合によっては一次的な中止を勧めることがある。しかしながら、Caduetを投与されている患者は、アムロジピンも中止しなければならないが、このことは、この例では、医師が望まない。アトルバスタチンおよびアムロジピンが異なる外側活性セグメント中に分離されていて、適切な寸法の中間セグメントにより分離されている本発明の錠剤は、現在のCaduet処方物を上回る明白な進歩であろう。それというのも、このような錠剤は、患者がアトルバスタチンの摂取を中止しながらも、アムロジピンの摂取を迅速に続けることができるためであり、この際、薬局に行く必要もないし、活性成分としてアムロジピンのみを含有する錠剤のために新規の処方箋に応じなくてもよく、単一の剤形中に組み合わされた両方の薬物を有するという簡便さを保つことができる。本発明の前記の実施形態は、現在のCaduet剤形の改善を示している。
【0078】
本発明がCaduetよりも優れている他の臨床的状況は、1日1回アムロジピン5mgおよび1日1回アトルバスタチン20mgを投与されている患者が、医師に、アムロジピン1日用量を1日1回10mgまで増やすようにアドバイスされる状況である。3セグメント錠剤中で分離されている活性薬物を用いる本発明の適切な錠剤を持っている患者であれば、1日1回本発明の錠剤1個全部に加えて、本発明の錠剤全体を2個に破断することにより作られたアムロジピン5mgを含有するタブレッテを摂取することにより、アムロジピン用量を即座に増やすことができるであろう。
【0079】
本発明がCaduetよりも優れている他の臨床的状況は、医師が、毎朝アトルバスタチン20mgおよび1日2回アムロジピン2.5mgを摂取することを患者に望むケースである。本発明は、アトルバスタチンから分離することができ、次いで、正確に半分に破断することができるアムロジピンを提供する。したがって本発明は、患者に、錠剤が1個であるという利点をもたらすが、これを現在米国で達成しようとすると、20mg Lipitor(登録商標)(アトルバスタチン)錠剤1個およびNorvasc(登録商標)(アムロジピン)2.5mg錠剤2個を必要とするであろう。
【0080】
2.アムロジピンベシレートとベナゼプリル塩酸塩(ベナゼプリル)の組合せは、米国ではLotrel(登録商標)の商品名で販売されている。この製品は、通常はそのまま摂取されるカプセルである。本発明の実施形態は、唯一の活性薬物としてアムロジピンを含有する1個の外側セグメントおよび唯一の活性薬物としてベナゼプリルを含有する他の外側セグメントを含有する錠剤全体を提供する。望ましい場合には、外側層を、図1aにおいてのように1個を上回るセグメントに生じさせることができる。Caduetに関する前記の例1においてと同様に、中間セグメントは不活性であり、破断して、2個のタブレッテをもたらしうるが、これらはそれぞれ、各外側活性セグメント全量と、ほぼ半分量の中間不活性セグメントを含む。患者が、一方の活性薬物に関しては2倍用量を必要とするが、他方は必要としない場合に、本発明の錠剤は、そのような必要性を満たす。あるいは、血圧変化または一方の薬物に対してであって、他方の薬物に対してではない副作用などの状況によって、患者が、1種の活性薬物のみを摂取することが、場合によっては一時的に必要となった場合、本発明の錠剤は、新たな剤形を処方しなくても、このことを可能にする。
【0081】
3.本発明の他の使用は、高血圧を治療するために有効に組み合わすことができるアムロジピンおよびクロルタリドンまたは他の利尿薬の組合せに関する。本発明の利点は、このパラグラフの直前のパラグラフにおいて記載された利点と同様である。
【0082】
4.本発明の他の使用は、オルメサルタンメドキソミル(オルメサルタン、アンギオテンシン受容体ブロッカー)とヒドロクロロチアジド(HCTZ)の組合せに関する。この製品は、Benicar/HCT(登録商標)の名称で米国で現在販売されており、用量はそれぞれ、mgで20/12.5、40/12.5および40/25である。患者のかなり一般的な出発用量は、1日1回20/12.5である。この製品は、両方の活性薬物を含有する均一な錠剤としてすべての濃度で現在は販売されている。本発明により処方されると、20/12.5用量で治療を開始した患者は、20/12.5錠剤1個全部と、オルメサルタン20mgを含有する錠剤半分またはHCTZ25mgを含有する錠剤半分とを摂取することにより、同じ錠剤を用いて、他の各用量まで増やすことができる。このことにより、医師は、患者に新たな処方箋を与える前に、新規の用量を調査する機会が得られる。本発明の他の利点は、前記の利点と同様である。
【0083】
5.本発明により処方されうる他の有用な組合せ製品は、アンギオテンシン変換酵素阻害剤(ACE)およびHCTZなどの利尿剤に関する。いずれのタイプの薬物も希にも副作用をもたらさないので、本発明は、副作用に携わる医師に役立ち、さらに、薬物の抗高血圧および他の臨床的利点に対処するために、用量を変える必要性に役立つ。
【0084】
6.不活性な中間セグメント(層)を用いて、活性薬物を別々の外側層に分離することに関している本発明から利点を受けうる他の製品は、2種の活性薬物、フルオキセチンおよびオランザピンを含む組合せ製品である。
【0085】
薬物の適切な組合せであれば使用することができる本発明の錠剤に関して、前記の治療分野またはその分野内での特別な例への制限はない。2剤組合せへの制限も存在しない。例えば、本発明による錠剤の一方の外側活性セグメントは、レボドーパおよびカルビドーパを含有してもよく、他方の外側活性セグメントは、エンタカポンを含有してもよく、この際、均一に3種の薬物全部を含有する錠剤製品は現在、米国においてStalevo(登録商標)として販売されている。さらに、本発明による錠剤は、5層セグメントであってもよく、例えば、1個の外側セグメントにアムロジピン、その隣に不活性セグメント、クロルタリドンまたはHCTZを含有する中間セグメントおよびそれら両方に隣接する第2の不活性セグメントおよびベナゼプリルを含有する他の外側セグメントを伴う(図8参照)。両方の不活性セグメントが、3種の活性セグメントのいずれかを損傷すること無く、簡便に破断される得るような適切な寸法を有するならば、異なる活性セグメントを柔軟に用量することができることにより、著しい臨床的利点が得られる。
【0086】
複数薬物の可能な組合せに関する次のリストは、例であり、限定ではない。言及される組合せは、列挙されている群のうちの2種またはそれ以上のメンバーを含んでもよい。下記および本願明細書中に挙げられている薬物は、簡便に、薬物の任意の塩の言及を除外することができる;例えば、その市販形態はアトルバスタチンカルシウムであるが、「アトルバスタチン」が挙げられている。
【0087】
限定ではないが、有用な組合せには、次の6つの薬物群内からの複数の薬物が含まれ得る。
【0088】
加えて、次のリストの薬物からの1種のみを含有する本発明の錠剤を作ることもできる。組合せ使用に関して、2つの使用法を本発明に適用することができる。これらの方法のうちの一方は、顆粒の形態の個別の薬物および顆粒の形態の異なる個別の薬物(または薬物組合せ)を装入し、場合によってそれらの間に不活性な顆粒を挿入する方法であり;他方の方法は、複数の薬物を1個または複数のセグメントに装入する方法である。
【0089】
1.抗狭心症薬、例えば:
A.カルシウムアンタゴニスト(後記リスト参照);
B.ベータブロッカー(後記リスト参照);
C.有機硝酸塩製剤(例えば、イソソルビド一硝酸塩または二硝酸塩)。
2.抗狭心症薬+抗血小板薬、例えば、アスピリン、クロピドグレルまたはチクロピジン。
3.2種の低血糖症薬(後記リスト参照)。
4.塩化カリウムおよび任意のチアジド型またはループ利尿薬(後記リスト参照)。
5.脂質低下剤+:低血糖症薬、抗血小板薬、抗狭心症薬および/または抗高血圧薬(前記および下記リスト参照)。
【0090】
低血糖症薬には:チアゾリジンジオン:ピオグリタゾン、ロシグリタゾン;スルホニル尿素:グリブリド、グリピジド、グリメピリド、クロルプロパミド;ビグアニド;メトホルミン;メグリチニド:ナテグリニド、レパグリニド;グルコシダーゼ阻害剤:アカルボース、ミグリトールが含まれる。
【0091】
6.抗高血圧薬:
ベータブロッカー:アセブトロール、アテノロール、ビソプロロール、セリプロロール、メトプロロール、メビボロール、カルベジロール(混合アルファ−ベータブロッカー)、ナドロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ピンドロール、プロプラノロール、チモロール、ベタキソロール、カルテオロール;カルシウムアンタゴニスト(カルシウムチャネルブロッカー):ニフェジピン、アムロジピン、ベラパミル、ジルチアゼム、ニソルジピン、フェロジピン、イスラジピン、ラシジピン、レルカニジピン、ニカルジピン、マニジピン;
チアジド型利尿剤(トリアムテレン、アミロリドまたはスピロノラクトンなどのカリウム保持性利尿剤を伴うか伴わない):ヒドロクロロチアジド、クロロチアジド、シクロペンチアジド、ポリチアジド、ベンドロフルアジド、ヒドロフルメチアジド、クロルタリドン、インダパミド、メチルクロチアジド、メトラゾン;
アンギオテンシン変更酵素阻害剤:カプトプリル、エナラプリル、リシノプリル、ラミプリル、トランドラプリル、キナプリル、ペリンドプリル、モエキシプリル、ベナゼプリル、フォシノプリル;
アンギオテンシン受容体ブロッカー:ロサルタン、バルサルタン、カンデサルタン、テルミサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン;
ハイセイリング(highceiling)(ループ)利尿剤(トリアムテレン、アミロリドまたはスピロノラクトンなどのカリウム保持性利尿剤を伴うか伴わない):フロセミド、トルセミド、エタクリン酸、ブメタミド;
アルドステロンアンタゴニスト利尿剤:スピロノラクトン、エプレレノン;
アルファブロッカー:ドキサゾシン、テラゾシン、プラゾシン、インドラミン、ラベトロール(混合アルファ−ベータブロッカー);
中心性(central)アルファアゴニスト:クロニジン、メチルドーパ;イミダゾリン:モキソニジン;
直接血管拡張薬:ヒドララジン、ミノキシジル;
アドレナリン作動性ニューロンブロッカー:グアネチジン。
【0092】
脂質低下剤には:
スタチン:ロバスタチン、シムバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン;
フィブラート:クロフィブラート、ベザフィブラート、フェノフィブラート、ゲムフィブロジル、シプロフィブラート;
他:エゼチミド、ナイアシン、アシピモックスが含まれる。
【0093】
本願明細書に開示されている薬物の組合せは、例示を目的としたものであり、本発明の範囲を制限するものではない。
【0094】
錠剤を同様の活性セグメントを含有するタブレッテに分割することを伴う、本発明の錠剤およびタブレッテの重要な利用に関して、それらが最適に正確に分割され得るのであれば、用量調節を受けうる大抵の薬物が、好ましい。このように、本発明による利点を特に受ける薬物の例には、ワルファリン、ジゴキシン、L−チロキシンなどの狭い治療指数薬物;アムロジピンなどの血管作用薬;ロシグリタゾンおよびグリピジドなどの血糖降下薬;およびアルプラゾラムなどの抗不安薬が含まれる。しかしながらこれらは、本発明の様々な実施形態および手順から利益を得るであろう薬物の大きな集団の内の小さいフラクションである。
【0095】
その錠剤およびタブレッテを含み、本発明の剤形には、数多くの使用方法が存在する。医学および薬学分野の専門家であれば、現在の製品を超える、本発明の様々な実施形態が可能にする多くの利点を認識するであろう。正確に1個の同じ活性セグメントを含む錠剤に関する本発明の利点のいくつかの例を、下記に記載する。
【0096】
1.ワルファリンは、Coumadin(登録商標)の商品名で米国で販売されている抗凝血薬であり、これは、刻み目のある錠剤である。研究により、患者は、ワルファリン5mg錠剤を等量の2.5mgセグメントに破断することはないことが判明している。本発明は、別のタイプの錠剤を教示しており、これにより、一般的な任意のヒト用量のワルファリン錠剤を、正確に半分、場合によっては正確に1/3、1/4などに破断することができる。したがって、患者は、錠剤全体においてと同様の信頼度で、本発明により製造されたワルファリン半分錠剤を利用することができる。ワルファリン投与物は往々にして破断されるので、本発明が患者に利益をもたらす多くの臨床的シナリオが存在する。
【0097】
2.Norvasc(本願明細書ではアムロジピンベシレートまたはアムロジピン)は、米国においては刻み目のない2.5、5および10mg錠剤として販売されている。これらの錠剤は、変則的な形態を有し、破断することは難しい。FDA承認用量範囲は、1日に経口で摂取される2.5から10mgである。本発明により、アムロジピンの改善された機能性が可能になる。例えば、本発明では、医師が1日7.5mgまで増やすように望んでいる1日5mgを摂取している患者は、5mg錠剤1個全部と、5mg錠剤をそれぞれアムロジピン2.5mgを含有する2個のタブレッテに破断することにより作られた1個の2.5mgタブレッテを摂取することなどにより、2個の別々の2.5mgセグメントを含む本発明の錠剤を利用して、正確に7.5mgまでの用量に増やすだけでよい。簡便さと経費節減は、明らかである。同様に、用量を1日5mgまで減らすようにアドバイスされているNorvascの10mg用量を摂取している患者は現在、Norvasc錠剤5mgのための新たな処方箋を購入しなければならない。本発明は、それぞれ正確にアムロジピン5mgを含有する2個のタブレッテに破断することができる10mg錠剤を得る可能性を提供する。したがって本発明は、患者の治療に多大な柔軟性をもたらし、経費の節減をもたらすことができる。本発明のさらなる利点は、様々な実施形態が、錠剤全体中に存在する活性成分の用量のうちの1/4を含有するタブレッテに、錠剤を十分に正確に分離することを可能にすることである。これは例えば、アムロジピンでは、すべてアムロジピン2.5mgを含有し、すべて、同じ面で不活性外側セグメントと連続している4個の活性セグメントを用意することにより行うことができる(実施形態#1参照;および2個ではなく4個の活性セグメントを有するように変更された図6a参照)。したがって、本発明の10mgアムロジピン錠剤を利用して、7.5mg用量を用意することもできるし、4個の2.5mg用量を用意するために利用することもできる。
【0098】
本発明のさらなる利点は、小児または老人用量に関するものとすることができ、これは、適切な用量濃度では製造することができない。アムロジピンの場合、1日1.25mg用量が、肝機能障害を有することもある、高血圧を伴う小児か、アンギナまたは高血圧を伴う病弱な高齢患者においては有用であり得る。米国食品医薬品局(FDA)が1.25mg用量を承認していないが、承認されている2.5mg用量を正確に分割することにより、1.25mg1日用量が可能である。加えて、承認されている2.5mg用量を正確に分割することにより、1日3.75mgを正確に投与することができる。
【0099】
本発明の別の使用は、保険業者および患者に対して、コスト削減法を初めて可能にすることである。本発明により、これが可能であるが、それというのも、NorvascおよびCoumadinなどの多くの薬物は、異なる用量間で少し(少しだが)異なる価格形成を有するためである。錠剤分割は、大抵の刻み目のある錠剤では不正確であるので、強制的な分割の実施は、大抵の医師および薬剤師機関により認められていない。本発明の錠剤(または図1bにおいてのようにいくつかのタブレッテ)を本願明細書に記載されているように破断すると、正確な用量がもたらされることにより、本発明は、錠剤分割を可能にする。本質的な利点は、この改革から予知される。加えて、組合せ製品において、1個の活性薬物を他の活性薬物から分離することができることにより、コスト削減の利点も得られる。
【0100】
関連発明は、本願明細書の開示の意図の範囲内であることは認められるであろう。また、本出願における省略は、本請求項または開示に発明者らを限定するものではない。一定の好ましい別の本発明の実施形態は、本発明を開示する目的で記載されており、当技術分野の専門家であれば、開示の実施形態の変更を行うことができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1a】刻み目を有する錠剤面から見た、幅よりも高さを有する錠剤の断面を示す図である。
【図1b】刻み目が終了する錠剤面で見た、図1aの錠剤の断面を示す図である。
【図2a−d】それぞれ錠剤を刻み目で破断した場合の図1aおよび図1bを示す図である。
【図3】2個のセグメントを有し、そのうちの一方は、錠剤の長さの約3/4である、幅よりも高さのある錠剤の断面を示す図である。
【図4a−b】錠剤を錠剤のほぼ中心点で破断した場合の図3を示す図である。
【図5】5個のセグメントを有する、幅よりも高さのある錠剤の断面を示す図である。
【図6a−b】錠剤を1個のセグメントで破断した場合の図5を示す図である。
【図7a−c】錠剤を2段階で2つのセグメントで効果的に破断するが、その際、初めに、錠剤を破断し、次いで、図6bのタブレッテを破断した場合の図5を示す図である。
【図8】3個のセグメントを有する錠剤の断面図を示す図である。
【図9】本発明による、刻み目のある錠剤の透視図を示す図である。
【図10】本発明による、バンドを有するカプセルの正面図を示す図である。
【図11】本発明による、表面に穿孔部を有する錠剤の正面図を示す図である。
【図12】本発明による、表面に2本の印刷された点線を有する錠剤の正面図を示す図である。
【図1】
【図2】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2個のセグメントを有する即時放出型医薬錠剤であって、1種または複数の薬物を含有し、ここで、該錠剤は、
(a)2個またはそれ以上のセグメントを含み、薬理学的に有効な用量の1種または複数の薬物を含有するすべてのセグメントは、同じ薬物を含有する(または同じ割合での複数の薬物の組合せ);または
(b)(i)1種または複数の薬物を含有する第1のセグメント;(ii)前記の第1のセグメント中の1種(または複数)の薬物とは異なる1種の薬物(または複数の薬物)を含有する第3のセグメントおよび(iii)前記の第1と第3のセグメントとの間に挿入されていて、検出不可能な量か、薬理学的に無効な量で、前記の錠剤中に存在する薬物を有する第2のセグメント;(iv)前記の第1と第3セグメントとの間の物理的および化学的相容性を含む;または
(c)(i)1種の薬物(または2種またはそれ以上の薬物)を含有する第1のセグメント;(ii)前記の第1のセグメント中の1種または複数の薬物とは異なる1種(または複数)の薬物を含有する第3のセグメントおよび(iii)前記の第1と第3のセグメントとの間に挿入されていて、検出不可能な量か、薬理学的に無効な量で、前記の錠剤中に存在する薬物を有する第2のセグメントを含み;(iv)前記の第3のセグメントは、少なくとも2.5mmの高さまたは少なくとも1.5mmの実効高さのいずれかまたは両方を有する、即時放出型医薬錠剤。
【請求項2】
少なくとも2個の組成的に異なるセグメントを含み、その際、第1のセグメントは、薬理学的に有効な量で薬物を含有し、第2のセグメントは、
(a)前記の第1のセグメント中の前記の薬物の濃度よりも低い濃度で、同じ薬物を含有するか;
(b)検出可能な薬物を含有しないか、または前記の第1のセグメント中に存在するものと同じ薬物を薬理学的に無効な量で含有し、さらに、前記の第1のセグメント中に存在するものと同じ薬物を有する第3のセグメントを含むか;
(c)前記の第1のセグメント中の薬物を含有し、さらに、前記の第1のセグメント中に存在しない他の1種または複数の薬物を含有するか;
(d)検出可能な薬物を含有しないか、1種または複数の薬物を薬理学的に有効な量で含有せず、その際、前記の錠剤が、前記の第1のセグメント中に存在する薬物とは異なる薬物を薬理学的に有効な量で含有する第3のセグメントを含み、前記の第1および第3セグメントが物理的および化学的に相容性であるか;
(e)検出可能な薬物を含有しないか、前記の第1のセグメント中に存在するものと同じ薬物を薬理学的に無効な量で含有し;さらに、前記の第1のセグメント中に存在する前記の1種(または複数)の薬物とは異なる1種または複数の薬物を薬理学的に有効な用量で有する第3のセグメントを含み、その際、前記の第2のセグメントは、少なくとも2.5mmの高さまたは1.5mmの実効高さの一方または両方を有するか;
(f)前記の第1のセグメント中の前記の1種(または複数)の薬物とは異なる1種(または複数)の薬物を薬理学的に有効な量で有し、ここで、前記の錠剤はさらに、前記の第1のセグメント中に存在するものと同じ薬物を有する第3の垂直に配置されているセグメントを含む、請求項1に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項3】
前記の第2のセグメントは、前記の第1のセグメント中の前記の薬物の濃度よりも低い濃度で、同じ薬物を有する、請求項2に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項4】
前記の第2のセグメントは、前記の第1セグメントと前記の第3セグメントとを合わせた高さを上回る高さを有する、請求項3に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項5】
刻み目、穿孔部、印刷されたマークまたはゼラチンもしくはこれらの組合せが、前記の第2のセグメントの上または内に位置し、主に水平に配置されていて、前記の第1のセグメントまたは前記の第3のセグメントでの破断を実質的に伴うことなく、前記の第2のセグメントでの錠剤破断をガイドする、請求項3に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項6】
前記の第2のセグメントは、前記の第1のセグメント中の薬物と、前記の第1のセグメント中に存在しない他の1種の薬物または複数の薬物との組合せを含有する、請求項2に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項7】
前記の第2のセグメントは、検出可能な薬物を含有しないか、前記の第1のセグメント中と同じ薬物を薬理学的に無効な量で含有し、前記の錠剤は、前記の第1のセグメント中に存在するものと同じ薬物を有する第3のセグメントを有する、請求項2に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項8】
前記の第1および第3のセグメント中の薬物の濃度は実質的に同一である、請求項7に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項9】
前記の第1および第3セグメント中の薬物量は実質的に同一である、請求項8に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項10】
前記の第1および第2セグメントは、分離マークが付されている境界面で接触している、請求項8に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項11】
前記の第2のセグメント中に、検出可能な薬物を有しないか、前記の第1のセグメント中と同じ薬物を薬理学的に無効な量で有し、さらに、前記の第1のセグメント中に存在する薬物とは異なる薬物を有する第3のセグメントを含み、前記の第3のセグメントは、前記の第1のセグメントと物理的および化学的に相容性である、請求項2に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項12】
刻み目、印、印刷された印、穿孔部またはバンドからなる群から選択される分離マークを第2のセグメント内またはセグメント間の境界面に含む、請求項3に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項13】
前記の第2のセグメントは、前記の第1のセグメント中の薬物とは異なる薬物を有し、さらに、前記の第1のセグメント中に存在する薬物と同じ薬物を有する第3のセグメントを含む、請求項2に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項14】
前記の第2のセグメントは、前記の錠剤の垂直軸に対して平行な前記の錠剤の側面に沿って、前記の第2のセグメントの上に位置している実質的に水平な分離マークを有し、その際、前記の垂直軸は、前記の錠剤が製造される錠剤金型の垂直軸と同じである、請求項13に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項15】
3個の垂直に配置されているセグメント、頂部の第1のセグメント、中央部の第2のセグメントおよび底部の第3のセグメントを形成する3種の垂直に配置される顆粒によって形成され、前記の第2のセグメント上または内に実質的に水平に位置している実質的に水平な分離マークを有する、請求項7に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項16】
前記の第1のセグメントおよび前記の第3のセグメントは実質的に組成的に同一である、請求項7に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項17】
前記の第1のセグメントおよび前記の第3のセグメントは、実質的に同一の量の1種または複数の同じ薬物を含有し、その際、前記の1種または複数の薬物の量または割合は、両セグメントで同一である、請求項7に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項18】
前記の第2のセグメントは、前記の第1のセグメントとは異なる前記の第2のセグメントを視覚的に識別することを可能にする色を有する、請求項7に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項19】
前記の第2のセグメントは、分離マークを含む、請求項7に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項20】
前記の第2のセグメントは、印を含む、請求項19に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項21】
前記の第2のセグメントは、印刷された印を含む、請求項20に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項22】
色、刻み目または印刷された印にガイドされて、前記の錠剤を破断すると、予め決定された量の薬物を有するタブレッテが生じる、請求項19、20または21のいずれか一項に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項23】
第1のセグメントおよび第3のセグメントは本質的に同じ薬物からなる、請求項7に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項24】
分離マークを付されている、請求項11に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項25】
前記の第2のセグメントは、前記の第1のセグメントおよび前記の第3のセグメントとは異なる前記の第2のセグメントの視覚的識別を可能にする色を有する、請求項7または11に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項26】
前記の第2のセグメントは、錠剤の中央に位置しているセグメントに対応している、請求項7または11に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項27】
即時放出型医薬錠剤であって、第1の顆粒、検出可能な薬物を含有しないか、薬理学的に不活性な量で薬物を含む第2の顆粒および前記の第1の顆粒とは異なる1種または複数の活性薬物を備えている第3の活性顆粒から連続的に製造されており、この際、
(a)錠剤中のすべての顆粒は物理的および化学的に相容性であり;かつ/または
(b)第2の顆粒に由来するセグメントは、4mmを上回る実効高さを有する即時放出型医薬錠剤。
【請求項28】
第2の顆粒に由来する前記のセグメントは、3〜4mmの実効高さを有する、請求項27に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項29】
第2の顆粒に由来する前記のセグメントは、1.5〜3mmの実効高さを有する、請求項27に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項30】
3個のセグメントからなる、請求項27に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項31】
前記の第2の顆粒は、薬理学的に不活性な量の1種または複数の薬物を有する、請求項27に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項32】
検出可能な活性薬物を有しないか、薬理学的に不活性な量で活性薬物を含有する他の顆粒が、前記の第1と第3の顆粒との間に挿入されている、請求項27に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項33】
前記の第1、第2および第3の顆粒は、各錠剤セグメントの識別を可能にする色を有する、請求項27に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項34】
前記の第2の顆粒から生じたセグメントは、これらに限られないが、実質的に水平に配置されている刻み目、印または穿孔部であってよい分離マークを備えている、請求項27に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項35】
前記の第2の顆粒から生じたセグメントは、刻み目を備えている、請求項34に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項36】
前記の第2の顆粒から生じた前記のセグメントは、印を備えている、請求項34に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項38】
前記の第2の顆粒から生じた前記のセグメントでの破断が、前記の第1のセグメントと前記の第3のセグメントとの正確な分離をもたらす、請求項34に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項39】
前記の核錠剤が、A−I−B−I−A、A−I−B−I−B、A−I−B−I−CまたはA−B−I−Cからなる群から選択される錠剤構造を形成し、ここで、A、B、CおよびIは、上下に垂直に配置されている相互に異なるセグメントを表し、A、BおよびCは、1種または複数の活性薬物を含有し、Iは、薬理学的に有効な量の薬物を含有しないセグメントである、請求項1に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項40】
セグメントA、B、Cおよび/またはIはそれぞれ、セグメントA、B、IおよびCをそれぞれ異なるセグメントとして識別する色または印を有する、請求項39に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項41】
前記の分離マークの所で前記の錠剤を破断することを含む、請求項12、13または19に記載の即時放出型医薬錠剤を破断する方法。
【請求項42】
前記の分離マークの所で前記の医薬錠剤を破断して、2個またはそれ以上のタブレッテを生じさせ、前記のタブレッテのうちの少なくとも1個を患者に投与することを含む、請求項12、13または19に記載の医薬錠剤中に含まれる薬物の部分用量を投与する方法。
【請求項43】
医薬錠剤中に含まれる薬物の部分用量を投与する方法であって、少なくとも2個のセグメントを含む医薬錠剤を破断することを含み、その際、
(a)第1の未分割セグメントは、少なくとも1個の刻み目を有し、刻み目を有する前記のセグメントは、薬理学的に有効な量で1種または複数の薬物を含有し;
(b)第2のセグメントは、前記の第1の未分割セグメントに隣接していて、この際、前記の第2のセグメントは、前記の第1のセグメント中と同じ1種または複数の薬物を検出不可能な量から最大10%濃度まで含有し、ここで、前記の刻み目の所で前記の錠剤を破断して、2個またはそれ以上のタブレッテを生じさせ、前記のタブレッテのうちの少なくとも1個を患者に投与することを含む方法。
【請求項44】
前記の1種または複数の薬物は、心臓血管状態、精神医学的状態、糖尿病、甲状腺障害、疼痛または血栓障害を治療する際に薬理学的に有効である、請求項1に記載の医薬錠剤。
【請求項1】
少なくとも2個のセグメントを有する即時放出型医薬錠剤であって、1種または複数の薬物を含有し、ここで、該錠剤は、
(a)2個またはそれ以上のセグメントを含み、薬理学的に有効な用量の1種または複数の薬物を含有するすべてのセグメントは、同じ薬物を含有する(または同じ割合での複数の薬物の組合せ);または
(b)(i)1種または複数の薬物を含有する第1のセグメント;(ii)前記の第1のセグメント中の1種(または複数)の薬物とは異なる1種の薬物(または複数の薬物)を含有する第3のセグメントおよび(iii)前記の第1と第3のセグメントとの間に挿入されていて、検出不可能な量か、薬理学的に無効な量で、前記の錠剤中に存在する薬物を有する第2のセグメント;(iv)前記の第1と第3セグメントとの間の物理的および化学的相容性を含む;または
(c)(i)1種の薬物(または2種またはそれ以上の薬物)を含有する第1のセグメント;(ii)前記の第1のセグメント中の1種または複数の薬物とは異なる1種(または複数)の薬物を含有する第3のセグメントおよび(iii)前記の第1と第3のセグメントとの間に挿入されていて、検出不可能な量か、薬理学的に無効な量で、前記の錠剤中に存在する薬物を有する第2のセグメントを含み;(iv)前記の第3のセグメントは、少なくとも2.5mmの高さまたは少なくとも1.5mmの実効高さのいずれかまたは両方を有する、即時放出型医薬錠剤。
【請求項2】
少なくとも2個の組成的に異なるセグメントを含み、その際、第1のセグメントは、薬理学的に有効な量で薬物を含有し、第2のセグメントは、
(a)前記の第1のセグメント中の前記の薬物の濃度よりも低い濃度で、同じ薬物を含有するか;
(b)検出可能な薬物を含有しないか、または前記の第1のセグメント中に存在するものと同じ薬物を薬理学的に無効な量で含有し、さらに、前記の第1のセグメント中に存在するものと同じ薬物を有する第3のセグメントを含むか;
(c)前記の第1のセグメント中の薬物を含有し、さらに、前記の第1のセグメント中に存在しない他の1種または複数の薬物を含有するか;
(d)検出可能な薬物を含有しないか、1種または複数の薬物を薬理学的に有効な量で含有せず、その際、前記の錠剤が、前記の第1のセグメント中に存在する薬物とは異なる薬物を薬理学的に有効な量で含有する第3のセグメントを含み、前記の第1および第3セグメントが物理的および化学的に相容性であるか;
(e)検出可能な薬物を含有しないか、前記の第1のセグメント中に存在するものと同じ薬物を薬理学的に無効な量で含有し;さらに、前記の第1のセグメント中に存在する前記の1種(または複数)の薬物とは異なる1種または複数の薬物を薬理学的に有効な用量で有する第3のセグメントを含み、その際、前記の第2のセグメントは、少なくとも2.5mmの高さまたは1.5mmの実効高さの一方または両方を有するか;
(f)前記の第1のセグメント中の前記の1種(または複数)の薬物とは異なる1種(または複数)の薬物を薬理学的に有効な量で有し、ここで、前記の錠剤はさらに、前記の第1のセグメント中に存在するものと同じ薬物を有する第3の垂直に配置されているセグメントを含む、請求項1に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項3】
前記の第2のセグメントは、前記の第1のセグメント中の前記の薬物の濃度よりも低い濃度で、同じ薬物を有する、請求項2に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項4】
前記の第2のセグメントは、前記の第1セグメントと前記の第3セグメントとを合わせた高さを上回る高さを有する、請求項3に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項5】
刻み目、穿孔部、印刷されたマークまたはゼラチンもしくはこれらの組合せが、前記の第2のセグメントの上または内に位置し、主に水平に配置されていて、前記の第1のセグメントまたは前記の第3のセグメントでの破断を実質的に伴うことなく、前記の第2のセグメントでの錠剤破断をガイドする、請求項3に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項6】
前記の第2のセグメントは、前記の第1のセグメント中の薬物と、前記の第1のセグメント中に存在しない他の1種の薬物または複数の薬物との組合せを含有する、請求項2に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項7】
前記の第2のセグメントは、検出可能な薬物を含有しないか、前記の第1のセグメント中と同じ薬物を薬理学的に無効な量で含有し、前記の錠剤は、前記の第1のセグメント中に存在するものと同じ薬物を有する第3のセグメントを有する、請求項2に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項8】
前記の第1および第3のセグメント中の薬物の濃度は実質的に同一である、請求項7に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項9】
前記の第1および第3セグメント中の薬物量は実質的に同一である、請求項8に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項10】
前記の第1および第2セグメントは、分離マークが付されている境界面で接触している、請求項8に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項11】
前記の第2のセグメント中に、検出可能な薬物を有しないか、前記の第1のセグメント中と同じ薬物を薬理学的に無効な量で有し、さらに、前記の第1のセグメント中に存在する薬物とは異なる薬物を有する第3のセグメントを含み、前記の第3のセグメントは、前記の第1のセグメントと物理的および化学的に相容性である、請求項2に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項12】
刻み目、印、印刷された印、穿孔部またはバンドからなる群から選択される分離マークを第2のセグメント内またはセグメント間の境界面に含む、請求項3に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項13】
前記の第2のセグメントは、前記の第1のセグメント中の薬物とは異なる薬物を有し、さらに、前記の第1のセグメント中に存在する薬物と同じ薬物を有する第3のセグメントを含む、請求項2に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項14】
前記の第2のセグメントは、前記の錠剤の垂直軸に対して平行な前記の錠剤の側面に沿って、前記の第2のセグメントの上に位置している実質的に水平な分離マークを有し、その際、前記の垂直軸は、前記の錠剤が製造される錠剤金型の垂直軸と同じである、請求項13に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項15】
3個の垂直に配置されているセグメント、頂部の第1のセグメント、中央部の第2のセグメントおよび底部の第3のセグメントを形成する3種の垂直に配置される顆粒によって形成され、前記の第2のセグメント上または内に実質的に水平に位置している実質的に水平な分離マークを有する、請求項7に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項16】
前記の第1のセグメントおよび前記の第3のセグメントは実質的に組成的に同一である、請求項7に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項17】
前記の第1のセグメントおよび前記の第3のセグメントは、実質的に同一の量の1種または複数の同じ薬物を含有し、その際、前記の1種または複数の薬物の量または割合は、両セグメントで同一である、請求項7に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項18】
前記の第2のセグメントは、前記の第1のセグメントとは異なる前記の第2のセグメントを視覚的に識別することを可能にする色を有する、請求項7に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項19】
前記の第2のセグメントは、分離マークを含む、請求項7に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項20】
前記の第2のセグメントは、印を含む、請求項19に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項21】
前記の第2のセグメントは、印刷された印を含む、請求項20に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項22】
色、刻み目または印刷された印にガイドされて、前記の錠剤を破断すると、予め決定された量の薬物を有するタブレッテが生じる、請求項19、20または21のいずれか一項に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項23】
第1のセグメントおよび第3のセグメントは本質的に同じ薬物からなる、請求項7に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項24】
分離マークを付されている、請求項11に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項25】
前記の第2のセグメントは、前記の第1のセグメントおよび前記の第3のセグメントとは異なる前記の第2のセグメントの視覚的識別を可能にする色を有する、請求項7または11に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項26】
前記の第2のセグメントは、錠剤の中央に位置しているセグメントに対応している、請求項7または11に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項27】
即時放出型医薬錠剤であって、第1の顆粒、検出可能な薬物を含有しないか、薬理学的に不活性な量で薬物を含む第2の顆粒および前記の第1の顆粒とは異なる1種または複数の活性薬物を備えている第3の活性顆粒から連続的に製造されており、この際、
(a)錠剤中のすべての顆粒は物理的および化学的に相容性であり;かつ/または
(b)第2の顆粒に由来するセグメントは、4mmを上回る実効高さを有する即時放出型医薬錠剤。
【請求項28】
第2の顆粒に由来する前記のセグメントは、3〜4mmの実効高さを有する、請求項27に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項29】
第2の顆粒に由来する前記のセグメントは、1.5〜3mmの実効高さを有する、請求項27に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項30】
3個のセグメントからなる、請求項27に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項31】
前記の第2の顆粒は、薬理学的に不活性な量の1種または複数の薬物を有する、請求項27に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項32】
検出可能な活性薬物を有しないか、薬理学的に不活性な量で活性薬物を含有する他の顆粒が、前記の第1と第3の顆粒との間に挿入されている、請求項27に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項33】
前記の第1、第2および第3の顆粒は、各錠剤セグメントの識別を可能にする色を有する、請求項27に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項34】
前記の第2の顆粒から生じたセグメントは、これらに限られないが、実質的に水平に配置されている刻み目、印または穿孔部であってよい分離マークを備えている、請求項27に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項35】
前記の第2の顆粒から生じたセグメントは、刻み目を備えている、請求項34に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項36】
前記の第2の顆粒から生じた前記のセグメントは、印を備えている、請求項34に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項38】
前記の第2の顆粒から生じた前記のセグメントでの破断が、前記の第1のセグメントと前記の第3のセグメントとの正確な分離をもたらす、請求項34に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項39】
前記の核錠剤が、A−I−B−I−A、A−I−B−I−B、A−I−B−I−CまたはA−B−I−Cからなる群から選択される錠剤構造を形成し、ここで、A、B、CおよびIは、上下に垂直に配置されている相互に異なるセグメントを表し、A、BおよびCは、1種または複数の活性薬物を含有し、Iは、薬理学的に有効な量の薬物を含有しないセグメントである、請求項1に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項40】
セグメントA、B、Cおよび/またはIはそれぞれ、セグメントA、B、IおよびCをそれぞれ異なるセグメントとして識別する色または印を有する、請求項39に記載の即時放出型医薬錠剤。
【請求項41】
前記の分離マークの所で前記の錠剤を破断することを含む、請求項12、13または19に記載の即時放出型医薬錠剤を破断する方法。
【請求項42】
前記の分離マークの所で前記の医薬錠剤を破断して、2個またはそれ以上のタブレッテを生じさせ、前記のタブレッテのうちの少なくとも1個を患者に投与することを含む、請求項12、13または19に記載の医薬錠剤中に含まれる薬物の部分用量を投与する方法。
【請求項43】
医薬錠剤中に含まれる薬物の部分用量を投与する方法であって、少なくとも2個のセグメントを含む医薬錠剤を破断することを含み、その際、
(a)第1の未分割セグメントは、少なくとも1個の刻み目を有し、刻み目を有する前記のセグメントは、薬理学的に有効な量で1種または複数の薬物を含有し;
(b)第2のセグメントは、前記の第1の未分割セグメントに隣接していて、この際、前記の第2のセグメントは、前記の第1のセグメント中と同じ1種または複数の薬物を検出不可能な量から最大10%濃度まで含有し、ここで、前記の刻み目の所で前記の錠剤を破断して、2個またはそれ以上のタブレッテを生じさせ、前記のタブレッテのうちの少なくとも1個を患者に投与することを含む方法。
【請求項44】
前記の1種または複数の薬物は、心臓血管状態、精神医学的状態、糖尿病、甲状腺障害、疼痛または血栓障害を治療する際に薬理学的に有効である、請求項1に記載の医薬錠剤。
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2008−500404(P2008−500404A)
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527578(P2007−527578)
【出願日】平成17年5月23日(2005.5.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/018639
【国際公開番号】WO2005/112898
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(507086239)アキュ−ブレイク テクノロジーズ インコーポレーテッド (5)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月23日(2005.5.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/018639
【国際公開番号】WO2005/112898
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(507086239)アキュ−ブレイク テクノロジーズ インコーポレーテッド (5)
【Fターム(参考)】
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