説明

省電力型記録ヘッドを用いたカラー印刷装置

【課題】本発明はカラー印刷装置に関し、特に消費電力を抑え、地球環境の保持を確保する国際基準に適合するカラー印刷装置を提供するものである。
【解決手段】記録色別に複数の光書込ヘッドを有するカラー印刷装置において、各色の記録ヘッドの能動期間をそれぞれ異なる期間に設定し、更に各色の記録ヘッドの1書込周期期間を複数期間に分割し、1ドットラインを記録するビデオデータを主走査方向に対して複数ブロックに分割すると共に、分割された各ビデオデータを副走査方向に対して異なるタイミングで発光させることにより、同時に発光駆動される光書込素子数を少なくし、装置全体で消費されるピーク電力を小さくしたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷装置に係り、特に電子写真方式を使用したタンデム型のカラー印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を使用したタンデム型の印刷装置は、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の画像形成ユニットを使用し、各画像形成ユニット内に配設された記録ヘッドから印刷データに対応した露光を感光体ドラムの周面に行うことによってトナー画像を形成し、記録媒体にトナー像を転写して印刷処理を行っている。このため、カラー印刷を行う際、各色の記録ヘッドを同時に駆動し、大きな電力を必要としていた。
【0003】
図10は従来の制御を説明する図であり、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の画像形成ユニットを駆動するY、M、C、Kの各ステーションの制御を説明するタイムチャートである。同図に示すように、Y、M、C、Kの各ステーションの制御は、ロード信号が同時に出力された後、各色の印刷データが供給され、ストローブ信号が各色同時に出力されることによって、各記録ヘッドが駆動する。
【0004】
このため、同図に示すように、各記録ヘッドの消費電力は同じであり、例えば各記録ヘッドには非印字時500mAの電流が流れ、印字時800mAの電流が流れる。したがって、4つの画像形成ユニット全体では、記録ヘッドが非印字時2000mAの電流が流れ、印字時3200mAの電流が流れる。
【0005】
尚、消費電力が過大となることを防止する先行技術としては、特許文献1が開示されており、例えばシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各LEDヘッドを順次点灯し、消費電力が過大となることを防止する。
また、特許文献2はLEDアレイチップを時分割駆動することにより、1ライン上に印字データが印字されないことを防ぐため、LEDアレイチップの配置を副走査方向にずらす発明を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−199582号公報
【特許文献2】特開平7−329352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、今日地球環境の保持が世界的に叫ばれ、地球温暖化防止会議を中心としてCO2(二酸化炭素)などの温室効果ガスの排出規制が実現化に向かっている。このような状況において、プリンタ装置や、ファクシミリ装置、複写機、パーソナルコンピュータ(PC)、ディスプレイ等の電気機器に対して、財団法人省エネルギーセンター(Energy Conservation Center, Japan、略称:ECCJ)の「国際エネルギースタープログラム」(”International ENERGY STAR Program”)に適合するための基準値が設定されている。
【0008】
したがって、従来例で説明したような印刷装置では、印字時大きな電流を記録ヘッドに供給する設計となり、大きな消費電力を必要とする。このため、上記「国際エネルギースタープログラム」に適合しない設計となってしまう。
そこで、本発明は消費電力を抑え、地球環境の保持を確保する国際基準に適合する印刷装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は本発明によれば、ホスト機器から入力する印刷情報に基づいて、n色に対応するビデオデータを生成し、各色のビデオデータを主走査方向に多数並んで配設される発光素子アレイから成る対応する記録色用の光書込記録ヘッドに供給し、その結果発光される各色の画像光を、前記光書込記録ヘッドに対峙して設けられ前記主走査方向と直交する副走査方向に移動する対応する記録色用の感光体上に露光して各色の画像を形成し、最終的に全色の画像を記録媒体上で合成してカラー画像を形成するカラー印刷装置において、前記光書込記録ヘッドの1書込周期のn分の1期間ずつ各色の記録ヘッドを順次光書込可能に能動化する記録ヘッド選択能動化手段と、各記録色用の記録ヘッドの前記能動期間中記録すべき1ドットラインの画像に対応するビデオデータを前記記録ヘッドに印可するビデオデータ供給手段と、各記録色用の記録ヘッドの前記能動期間中に各記録色用の記録ヘッドに対してそれぞれx回の時差発光駆動信号を生成する時差発光駆動信号生成手段と、前記時差発光駆動期間毎に、前記各色記録ヘッドの所定数の発光素子群から成るブロックを選択的に能動化させ前記記録ヘッドに印加されているビデオデータに基づいてブロック内の発光素子を選択的に発光させる分割発光制御手段とを有し、前記各記録色用の記録ヘッドは、前記時差発光駆動信号により時差を設けて能動化される異なるブロックの発光素子群による発光時期のずれを相殺する量だけ前記各ブロックに対する配設位置が副走査方向に対してずれて配設されるカラー印刷装置を提供することによって達成できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、従来に比べて装置全体において消費される最大消費電力を抑え、地球環境の保持を確保する国際基準に適合する印刷装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】ヘッド制御部の構成を詳しく説明する図である。
【図2】本実施形態のカラー印刷装置の全体構成を模式的に示す図である。
【図3】本実施形態のカラー印刷装置の制御システムを説明する図である。
【図4】実施形態1の記録ヘッドの構成を説明する図である。
【図5】実施形態2の記録ヘッドの構成を説明する図である。
【図6】実施形態1において、1ドットラインを記録する間に4色の記録ヘッドを発光するタイミングをストローブ信号で示すタイムチャートである。
【図7】実施形態2において、1ドットラインを記録する間に4色の記録ヘッドを発光するタイミングをストローブ信号で示すタイムチャートである。
【図8】実施形態1の処理動作を説明するタイムチャート、及びヘッド消費電流のデータを示す図である。
【図9】実施形態2の処理動作を説明するタイムチャート、及びヘッド消費電流のデータを示す図である。
【図10】従来例の処理動作を説明するタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図2は、本発明のカラー印刷装置1の全体構成を模式的に示す図である。
本発明のカラー印刷装置1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の印刷色に対応したトナー画像を感光ドラムに形成する画像形成部1a、感光ドラムに形成されたトナー画像を転写ベルトに転写する一次転写部1b、転写ベルトに転写されたトナー画像を更に用紙Pに転写する二次転写部1c、及び用紙Pに転写されたトナー画像を用紙Pに熱定着させる熱定着部1dで構成されている。
【0013】
画像形成部1aは、具体的には、各色別の記録ヘッド20Y、20M、20C、20Kと、この記録ヘッド20Y、20M、20C、20Kが印刷データに基づく画像光を露光する感光ドラムDY、DM、DC、DKと、露光された夫々の感光ドラムDY、DM、DC、DK上に形成された静電潜像を各色のトナーにより現像する現像装置GY、GM、GC、GKで構成されている。
また、一次転写部1bは、感光ドラムDY、DM、DC、DKに現像された各色のトナー像を合成画像に形成すべく転写ベルトB上に各色のトナー像を転写する転写装置TY、TM、TC、TKによって構成されている。
また、二次転写部1cは二次転写ロールTRで構成され、全色のトナー像が合成転写された転写ベルトBが二次転写部1cに移動搬送され、記録媒体である用紙Pに二次転写ロールTRによって転写される。さらに、二次転写された用紙Pのトナー像は熱定着部1dにおいて、熱定着装置FUによって熱定着される。
【0014】
ここで、副走査方向に回転移動する感光ドラム20DY、20DM、20DC、20DKの表面に対峙して配設される記録ヘッド20Y、20M、20C、20Kは、多数の微少サイズの発光ダイオード(Light Emitting Diode)素子が感光ドラム20DY、20DM、20DC、20DKの軸方向(上記副走査方向と直行する主走査方向)に沿って直線状に配列されたLEDアレイから成る。このLED素子は、印刷データに基づいて選択的に駆動し、LED素子からの光照射によって、一様に帯電された感光ドラム20DY、20DM、20DC、20DKを露光し、感光ドラム20DY、20DM、20DC、20DK表面の電荷を放電させる。ことにより露光像に対応した静電潜像が感光ドラム20DY、20DM、20DC、20DK形成させ、この静電潜像を対応する現像装置20GY、20GM、20GC、20GKから静電気力により吸着されるトナーにより現像して可視像化する。
【0015】
各色別の画像形成部1aで形成された各色トナー像は、上記のように一次転写部1bによって転写ベルトBに転写され、更にニ次転写部1cにより用紙Pに転写され、熱定着部1dによってカラー画像が用紙Pに熱定着され、不図示の排紙トレイに排出される。
【0016】
図3は、上記のような基本構成を有するカラー印刷装置1の制御システムを説明する図である。同図において、カラー印刷装置1はインターフェイスコントローラ(以下、I/Fコントローラで示す)2、及びエンジン制御部3で構成され、I/Fコントローラ2は受信制御部4、ROM5、フォントROM6、表示制御部7、ビデオI/F制御部8、メモリ9(標準RAM9a、拡張RAM9b)、圧縮/伸張制御部10、MPU11で構成されている。
【0017】
エンジン制御部3は、ヘッド制御部13、モータ制御部14、MPU15、定着制御部16、高圧制御部17で構成され、ヘッド制御部13は前述の記録ヘッド20(20Y、20M、20C、20K)にビデオデータを送信し、モータ制御部14は複数のメインモータ21に駆動信号を出力する。また、各種負荷22はエンジン制御部3によって駆動制御され、排紙センサ等のセンサ23の検出信号はエンジン制御部3に送信される。
MPU15は、前述の熱定着装置FUに配設された定着サーミスタ24から不図示の定着ローラの検出温度の情報を受信し、定着制御部16は定着ローラに配設された定着ヒータ25に温度制御信号を出力する。さらに、高圧制御部17は高圧部26に高電圧制御信号を出力する。
【0018】
また、上記構成のカラー印刷装置1には、セントロニクスインターフェイス、及びLAN(local area network)を介してパーソナルコンピュータ(PC)やプリンタサーバ等のホスト機器28から印刷データが供給される。
ホスト機器28から供給された印刷データは、上記受信制御部4に転送され、所定量の印刷データが受信制御部4に転送されると、印刷データはメモリ9(例えば、標準RAM9a)に転送される。メモリ9に転送された印刷データは、MPU11の制御に従って解析処理が行われ、圧縮/伸張制御部10によって圧縮、伸張処理が行われた後、ビデオI/F制御部8からエンジン制御部3に出力される。
【0019】
図1は、上記ヘッド制御部13の構成を詳しく説明する図である。ヘッド制御部13は、ビデオI/F制御部30、ヘッドI/F制御部31、基本タイミング生成部32、CPUI/F部33で構成され、ビデオI/F制御部30、ヘッドI/F制御部31、基本タイミング生成部32、CPUI/F制御部33はそれぞれCPUバスによって接続されている。また、ビデオI/F制御部30は、前述のI/Fコントローラ2との間で、後述する垂直同期信号(VHYNC)、水平同期信号(HSYNC)、ビデオデータ(Video)、及び同期信号(VCLK)の授受を行う。また、ビデオI/F制御部30はビデオRAM34にも接続され、ビデオRAM34との間でビデオデータの授受を行う。
【0020】
ヘッドI/F制御部31はドットパターン生成部35、ヘッドデータ送信部36、ヘッド制御信号生成部37、ストローブ信号生成部38、ヘッド補正データ制御部39、RAM40、ラインバッファ制御部41で構成されている。ドットパターン生成部35はビデオI/F制御部30から供給されるビデオデータに基づいて後述する4回分もしくは8回分の時差発光用ビデオデータを生成し、ヘッドデータ送信部36を介してドットパターンデータを記録ヘッド20(20Y、20M、20C、20K)に転送する。
【0021】
また、ヘッド制御信号生成部37は上記ドットパターンデータを記録ヘッド20に転送する際の水平同期信号(HSYNC)や同期信号(DCLK)を生成し、記録ヘッド20に出力する。また、ストローブ信号生成部38はストローブ信号を生成し、当該ストローブ信号を記録ヘッド20に出力する。尚、CPUI/F部33は、前述のMPU15との間で通信を行う。
【0022】
基本タイミング生成部32は、予め設定された情報に従って記録すべきビデオデータを副走査方向に対して分割し、各色別記録ヘッド毎のスループットに応じて基本タイミングを生成する。この各種タイミング信号に従って、前述の水平同期信号(HSYNC)や、ドットクロック(DCLK)等の信号が生成される。尚、前述のストローブ信号生成部38から出力されるストローブ信号は、例えば後述する実施形態1のように、1ドットライン画像を形成するために副走査方向に対して4回時期をずらして時差発光させる場合、1ドットライン画像を記録する1書込周期TW期間内に4回ストローブ信号を出力する。また、例えば後述する実施形態2のように、1ドットライン画像を形成するために副走査方向に対して8回時期をずらして時差発光させる場合、1ドットライン画像を記録する1書込周期TW期間内に8回ストローブ信号を出力する。
【0023】
一方、ヘッド補正データ制御部39はシリアルインターフェース制御部(以下、シリアルI/F制御部で示す)39aを備え、記録ヘッド20内のヘッド情報ROM44から光量補正データの供給を受ける。尚、ヘッド情報ROM44に記憶される光量補正データは、記録ヘッド20を構成する各発光素子の光量バラツキを予め測定し、この補正データが光量補正データとして記憶されている。
【0024】
また、ヘッド補正データ制御部39は、記録ヘッド20を省電力モードから印刷モードに移行する際、ヘッド情報ROM44から読み出した光量補正データをRAM40の補正テーブル40bに書き込む。また、RAM40はラインバッファ40aを備えている。また、補正テーブル40bに書き込まれた光量補正データをラインバッファ40aを介して、記録ヘッド20に送信する。
【0025】
さらに、ラインバッファ制御部41は省電力モード設定部41aを備え、後述するビデオデータの分割制御を行う際使用される。また、省電力モード設定部41aには省電力モード時のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のビデオデータの駆動タイミングの設定や、ビデオデータの分割数が設定されている。
【0026】
次に、記録ヘッド20の構成及び駆動制御方法を詳しく説明する。
各色の記録ヘッド20Y、20M、20C、20Kは、例えば主走査方向に沿って8個のLEDチップが並べて配設されている。そして、1個のLEDチップの中には、例えば960個のLED発光素子(発光素子群)がやはり主走査方向に沿って一直線のアレイ状に配設されているため、全長で7680個のLED発光素子が並んで構成されている。本実施形態に用いられる記録ヘッド20は、詳しくは後述するが、LEDチップ単位に個別の駆動タイミングで発光制御(時差発光制御)を行うと共に、各チップの駆動タイミングのズレを相殺させるために、チップ毎の副走査方向に対する配設位置をその駆動タイミングの差に応じて、シフトして階段状に配設してある。
【0027】
詳述すれば、図4及び図5に示すように、記録ヘッド20は、所定数のLED発光素子群を含むLEDチップ単位で主走査方向に沿って8ブロックに分けて駆動出来るように構成され、前述のように、1書き込み周期TW間に4回、或いは8回タイミングをずらせて発生するストローブ信号により各チップの発光駆動制御を行うことにより、同時点灯するLEDの発光素子数を2チップ分(1920素子)或いは1チップ分(960素子)だけに制限出来るように構成されている。
尚、図4に示す記録ヘッド20の構成は実施形態1に対応するものであり、例えばK色用の記録ヘッド20Kにおいて、1ドットラインを記録する1書き込み周期TW内に4回時差発光用ストローブ信号(c1〜c4)が供給され、ブロック「1」とブロック「5」のLEDチップがストローブ信号c-1により同時に駆動され、ブロック「2」とブロック「6」のLEDチップがストローブ信号c-2により同時に駆動され、ブロック「3」とブロック「7」のLEDチップがストローブ信号c-3により同時に駆動され、ブロック「4」とブロック「8」のLEDチップがストローブ信号c-4により同時に駆動される。
各ストローブ信号の発生時期は、1書き込み周期TW内で、微小にずらされるが、逆にLEDチップの配設位置が、図4の上側のチップ配置図に示されるように、各チップ毎に時差発光方式の副走査方向に対する遅れ時間を相殺する位置に配設されているため、対応する感光ドラムDY、DM、DC、DKに露光されるドット形状の光像は、主走査方向に沿って一直線状になるように構成されている。
【0028】
上記図4に示す実施形態1の場合には、4回時期をずらして8個のチップを駆動するため、1回のストローブ信号は2個のチップに駆動タイミングを供給するので、ブロック「1」とブロック「5」のチップ、ブロック「2」とブロック「6」のチップ、ブロック「3」とブロック「7」のチップ、ブロック「4」とブロック「8」のチップとはそれぞれ副走査方向に対して同じライン上に並んで配置されている。
一方、図5に示す記録ヘッド20の構成は実施形態2に対応するものであり、1ドットラインを記録する1書き込み周期TW内に8回時期をずらして、8ブロック(「1」〜「8」)のLEDチップを順次駆動するので、1回のストローブ信号は1個のLEDチップに駆動タイミング信号を供給するため、8個全てのLEDチップは、副走査方向に対して全て、ずれた位置に配設されているので、複数のLEDチップが同時に駆動されることがなく、従って、記録ヘッドの発光駆動に要するピーク電流を第1実施形態の場合の半分に抑えることが可能となる。
【0029】
尚、図6は実施形態1において、1ドットラインを記録する間に4色の記録ヘッド(20Y、20M、20C、20K)を発光するタイミングをストローブ(Strb)信号で示すタイムチャートである。一方、図7は実施形態2において、1ドットラインを記録する間に4色の記録ヘッド(20Y、20M、20C、20K)を発光するタイミングをストローブ(Strb)信号で示すタイムチャートである。
両図に示すように、1書き込み周期TWで形成される1ドットラインの画像形成処理が、副走査方向に対して3回繰り返されることにより1ピクセルラインの画像が形成されるように、本発明の記録ヘッドは構成されている。
尚、上記説明において、K色用の記録ヘッド20Kの構成を詳しく説明したが、その他の記録ヘッド20Y、20M、及び20Cの構成も、印加されるデータと露光のための駆動タイミングが異なるだけで、構成は同じであるため、他色用の記録ヘッドの構成の説明を省略する。
【0030】
上記構成において、以下に本例の処理動作を説明する。
(実施形態1)
図8は、実施形態1の処理動作を説明するタイムチャート、及びヘッド消費電流のデータを示す図である。
先ず、ホスト機器28のアプリケーションによって作成された印刷データは、前述のようにホスト機器28からLAN又はUSB経由で受信制御部4に送信され、更にメモリ9(標準RAM9a)に転送され、MPU11の制御によって印刷データのコマンド解析が行われ、描画データが生成される。
【0031】
上記描画データは垂直同期信号(VSYNC)が出力される(ローレベルとなる)タイミングでページ開始処理が行われ、以下図8に示すタイミングで印刷処理が行われる。すなわち、先ず同図に示すaのタイミングで前述のヘッド制御信号生成部37からロード信号が出力される。このロード信号の出力タイミングは、Y、M、C、Kの各ステーションにおいて同時に行われ、このロード信号の出力後、bのタイミングでイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の印刷データが対応する記録ヘッド20Y、20M、20C、20Kに供給される。
【0032】
その後、前述のラインバッファ制御部41の省電力モード設定部41aに設定されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の駆動タイミングに従って各色別のストローブ信号が異なるタイミングで出力される。すなわち、同図に示すcのタイミングで、ストローブ信号生成部38からストローブ信号がブラック(K)の記録ヘッド20Kに対して出力され、ブラック(K)の記録ヘッド20Kが駆動し、記録媒体にブラック(K)の印刷データに従ったブラック色の印刷処理が行われる。この時、記録ヘッド20Kにおける消費電流は800mAであり、他のシアン色の記録ヘッド20C、マゼンタ色の記録ヘッド20M、イエロー色の記録ヘッド20Yの消費電流はそれぞれ500mAである。
【0033】
また更に、K色の記録ヘッドに与えられる上記ストローブ信号cは、前述の図4に示すように、微視的には、4回のタイミングがずれたストローブ信号から構成されるとともに、各ストローブ信号が、主走査方向に対して8ブロックに分かれたLEDチップの2ブロックずつを同時に発光駆動させるように選択駆動制御することにより、1ストローブ期間において能動制御されるLED素子数が、ヘッド全体の4分の1に制限され、従って、発光駆動に必要とされる電流量も4分の1の大きさで済むように制御される。
【0034】
次に、dのタイミングで、ストローブ信号生成部38からストローブ信号がシアン(C)の記録ヘッド20Cに対して出力され、シアン(C)の記録ヘッド20Cが駆動し、記録媒体にシアン(C)の印刷データに従った印刷処理を行う。この時、記録ヘッド20Cにおける消費電流は800mAであり、他のブラック色の記録ヘッド20K、マゼンタ色の記録ヘッド20M、イエロー色の記録ヘッド20Yの消費電流はそれぞれ500mAである。
【0035】
また上記同様に、C色の記録ヘッド20Cに与えられる上記ストローブ信号dも、微視的には、4回のタイミングがずれたストローブ信号から構成されるとともに、各ストローブ信号が、主走査方向に対して8ブロックに分かれたLEDチップの2ブロックずつを同時に発光駆動させるように選択駆動制御することにより、1ストローブ期間において能動制御されるLED素子数が、ヘッド全体の4分の1に制限され、従って、発光駆動に必要とされる電流量も4分の1の大きさで済むように制御される。
【0036】
次に、eのタイミングで、ストローブ信号生成部38からストローブ信号がマゼンタ(M)の記録ヘッド20Mに対して出力され、マゼンタ(M)の記録ヘッド20Mが駆動し、記録媒体にマゼンタ(M)の印刷データに従った印刷処理を行う。この時、マゼンタ色の記録ヘッド20Mにおける消費電流は800mAであり、他のブラック色の記録ヘッド20K、シアン色の記録ヘッド20C、イエロー色の記録ヘッド20Yの消費電流はそれぞれ500mAである。
【0037】
また上記同様に、M色の記録ヘッドに与えられる前記ストローブ信号eも、微視的には、4回のタイミングがずれたストローブ信号から構成されるとともに、各ストローブ信号が、主走査方向に対して8ブロックに分かれたLEDチップの2ブロックずつを同時に発光駆動させるように選択駆動制御することにより、1ストローブ期間において能動制御されるLED素子数が、ヘッド全体の4分の1に制限され、従って、発光駆動に必要とされる電流量も4分の1の大きさで済むように制御される。
【0038】
さらに、次のfのタイミングにおいて、ストローブ信号がイエロー(Y)の記録ヘッド20Yに対して出力され、イエロー(Y)の記録ヘッド20Yが駆動し、記録媒体にイエロー(Y)の印刷データに従った印刷処理を行う。この時、イエロー色の記録ヘッド20Yにおける消費電流は800mAであり、他のブラック色の記録ヘッド20K、シアン色の記録ヘッド20C、マゼンタ色の記録ヘッド20Mの消費電流は500mAである。
【0039】
また上記同様に、Y色の記録ヘッドに与えられる前記ストローブ信号fも、微視的には、4回のタイミングがずれたストローブ信号から構成されるとともに、各ストローブ信号が、主走査方向に対して8ブロックに分かれたLEDチップの2ブロックずつを同時に発光駆動させるように選択駆動制御することにより、1ストローブ期間において能動制御されるLED素子数が、ヘッド全体の4分の1に制限され、従って、発光駆動に必要とされる電流量も4分の1の大きさで済むように制御される。
【0040】
したがって、以上の処理から同時に複数色の記録ヘッドが露光処理を行うことが無く、さらに同時に全てのLED発光素子が能動化されることもないので、4つの画像形成ユニット全体では、図8に示すように、2000mA→2300mA→2300mA→・・2000mAの電流が流れ、同時に複数色の記録ヘッドが露光処理を行う従来方式のように大きな電流(例えば、前述の3200mAの電流)が流れることはない。この場合、従来例に比べて、印刷時の消費電力を28%軽減することができる。したがって、本例の処理によって、装置全体が同時に必要とする消費電力を抑え、地球環境の保持を確保する国際基準に適合するカラー印刷装置を提供することができる。
【0041】
(実施形態2)
図9は、実施形態2の処理動作を説明するタイムチャート、及びヘッド消費電流のデータを示す図である。
尚、本実施形態の説明においても、前述の図2に示すカラー印刷装置1の制御システム、及び図1に示すヘッド制御部の基本構成は上記実施形態1と同様である。
【0042】
前述と同様、先ずホスト機器28のアプリケーションによって作成された印刷データは、前述のようにホスト機器28からLAN又はUSB経由で受信制御部4に送信され、更にメモリ9(標準RAM9a)に転送され、MPU11の制御によって印刷データのコマンド解析が行われ、描画データが生成される。
【0043】
上記描画データは垂直同期信号(VSYNC)が出力される(ローレベルとなる)タイミングでページ開始処理が行われ、以下図9に示すタイミングで1書き込み周期TWの前半と後半に分けて1ドットライン画像の印刷処理が行われる。すなわち、先ず同図に示すg1のタイミングでヘッド制御信号生成部37から前半データAnに対するロード信号が出力される。
ここで、前半データAnは、1ドットライン画像データの前半部分のみの画像データで構成され後半部分のデータは全て記録を行わない無効データで構成されている。この前半ロード信号g1の出力タイミングは、前述と同様Y、M、C、Kの各ステーションにおいて同時に行われ、この前半ロード信号g1の出力後、h1のタイミングでイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の印刷データAnが対応する記録ヘッド20Y、20M、20C、20Kに供給される。
さらに、g2のタイミングで後半データBnに対するロード信号がヘッド制御信号生成部37から出力される。ここで、後半データBnは、1ドットライン画像データの後半部分のみの画像データで構成され前半部分のデータは全て記録を行わない無効データで構成されている。この後半ロード信号g2の出力タイミングは、やはり前述と同様Y、M、C、Kの各ステーションにおいても同時に行われ、この後半ロード信号の出力後、h2のタイミングでイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の印刷データBnが対応する記録ヘッド20Y、20M、20C、20Kに供給される。
【0044】
従って、本例においては、ここで記録ヘッド20に供給される1ドットラインの画像を記録するビデオデータは、主走査方向に対して前後半に2つの領域に分かれた形で半分ずつ異なるタイミングで供給される。従って、前半分として供給されるデータAnは、前述の実施形態1における1ドットラインを印字するデータの半分である。また、後半の時期に供給されるデータBnも実施形態1における1ドットラインを印字するデータの半分である。
【0045】
ロード信号g1の出力後、同図に示すi1のタイミングで、ストローブ信号生成部38から前半データAnに対する前半ストローブ信号i1がブラック(K)の記録ヘッド20Kに対して出力され、ブラック(K)の記録ヘッド20が駆動し、記録媒体にブラック(K)の前半データAnに従った印刷処理が行われる。更に、同図に示すi2のタイミングで、ストローブ信号生成部38から後半データBnに対する後半ストローブ信号がブラック(K)の記録ヘッド20Kに対して出力され、ブラック(K)の記録ヘッド20が駆動し、記録媒体にブラック(K)の後半データBnに従った印刷処理が行われる。いずれのストローブ信号による駆動の場合も、1ドットラインの画像データの半分しか有効なデータが含まれていないため、記録ヘッド20Kにおける消費電流は650mAであり、他の記録ヘッド20C、20M、20Yの消費電流は500mAである。すなわち、この時記録ヘッド20Kには前述の実施形態1で説明した電流量の半分しか流れておらず、電力消費が抑えられる。但し、500mAは基本消費電流であり、駆動時に流れる300mAの半分の電流量に抑えることができる。すなわち、記録ヘッド20Kに流れる電流を上記650mAに抑えることができる。
【0046】
また、更に、K色記録ヘッドに2回に分けて与えられる前記ストローブ信号i1、i2は、図5に示すように、微視的には、8回のタイミングがずれたストローブ信号から構成されるとともに、各ストローブ信号が、主走査方向に対して8ブロックに分かれたLEDチップの1ブロックずつを個別に発光駆動させるように選択駆動制御することにより、1ストローブ期間において能動制御されるLED素子数が、ヘッド全体の8分の1に制限され、従って、発光駆動に必要とされる電流量も8分の1の大きさで済むように制御される。
【0047】
次に、j1のタイミングで、ストローブ信号生成部38から前半データAnに対する前半ストローブ信号がシアン(C)の記録ヘッド20Cに対して出力され、シアン(C)の記録ヘッド20Cが駆動し、記録媒体にシアン(C)の前半データAnに従った印刷処理を行う。更に、同図に示すj2のタイミングで、ストローブ信号生成部38から後半データBnに対する後半ストローブ信号がシアン(C)の記録ヘッド20Cに対して出力され、シアン(C)の記録ヘッド20Cが駆動し、記録媒体にシアン(C)の後半データBnに従った印刷処理が行われる。この場合も、記録ヘッド20Cにおける消費電流は650mAであり、他の記録ヘッド20K、20M、20Yの消費電流は500mAである。
【0048】
また、前記同様に、C色記録ヘッドに2回に分けて与えられる前記ストローブ信号j1、j2は、微視的には、8回のタイミングがずれたストローブ信号から構成されるとともに、各ストローブ信号が、主走査方向に対して8ブロックに分かれたLEDチップの1ブロックずつを個別に発光駆動させるように選択駆動制御することにより、1ストローブ期間において能動制御されるLED素子数が、ヘッド全体の8分の1に制限され、従って、発光駆動に必要とされる電流量も8分の1の大きさで済むように制御される。
【0049】
次に、k1のタイミングで、ストローブ信号生成部38から前半データAnに対する前半ストローブ信号がマゼンタ(M)の記録ヘッド20Mに対して出力され、マゼンタ(M)の記録ヘッド20Mが駆動し、記録媒体にマゼンタ(M)の前半データAnに従った印刷処理を行う。
さらに、同図に示すk2のタイミングで、ストローブ信号生成部38から後半データBnに対する後半ストローブ信号がマゼンタ(M)の記録ヘッド20Mに対して出力され、マゼンタ(M)の記録ヘッド20Mが駆動し、記録媒体にマゼンタ(M)の後半データBnに従った印刷処理が行われる。この場合も、記録ヘッド20Mにおける消費電流は650mAであり、他の記録ヘッド20K、20C、20Yの消費電流は500mAである。
【0050】
また、前期同様に、M色記録ヘッドに2回に分けて与えられる前記ストローブ信号k1、k2は、微視的には、8回のタイミングがずれたストローブ信号から構成されるとともに、各ストローブ信号が、主走査方向に対して8ブロックに分かれたLEDチップの1ブロックずつを個別に発光駆動させるように選択駆動制御することにより、1ストローブ期間において能動制御されるLED素子数が、ヘッド全体の8分の1に制限され、従って、発光駆動に必要とされる電流量も8分の1の大きさで済むように制御される。
【0051】
さらに、次のm1のタイミングにおいて、前半データAnに対する前半ストローブ信号がイエロー(Y)の記録ヘッド20Yに対して出力され、イエロー(Y)の記録ヘッド20Yが駆動し、記録媒体にイエロー(Y)の前半データAnに従った印刷処理を行う。更に、同図に示すm2のタイミングで、ストローブ信号生成部38から後半データBnに対する後半ストローブ信号がイエロー(Y)の記録ヘッド20Yに対して出力され、イエロー(Y)の記録ヘッド20Yが駆動し、記録媒体にイエロー(Y)の後半データBnに従った印刷処理が行われる。この時、記録ヘッド20Yにおける消費電流は650mAであり、他の記録ヘッド20K、20C、20Mの消費電流は500mAである。
【0052】
また、更に、Y色記録ヘッドに2回に分けて与えられる前記ストローブ信号m1、m2は、微視的には、8回のタイミングがずれたストローブ信号から構成されるとともに、各ストローブ信号が、主走査方向に対して8ブロックに分かれたLEDチップの1ブロックずつを個別に発光駆動させるように選択駆動制御することにより、1ストローブ期間において能動制御されるLED素子数が、ヘッド全体の8分の1に制限され、従って、発光駆動に必要とされる電流量も8分の1の大きさで済むように制御される。
【0053】
したがって、以上の処理から4つの画像形成ユニット全体では、図9に示すように、2000mA→2150mA→2000mA→2150mA→・・・の電流が流れ、従来のように大きな電流(例えば、前述の3200mAの電流)が流れることはない。すなわち、このような処理を行うことによって、前述の実施形態1の場合より、消費電力を抑えることができる。この場合、上記実施形態1の場合より、印刷時の消費電力を更に7%軽減することができる。
【0054】
図9に示す実施形態2の処理では、図8に示す実施形態1の場合に比べてビデオデータを2倍の速度で転送し、上記のようにビデオデータの転送を半分に分けている。このため、実施形態1のタイムチャートでは1ドットラインの画像の転送データを、例えばAn,Bnに分割することなく一括して転送するが、実施形態2のタイムチャートでは1ドットラインの画像の転送データを、An,Bnに分割して転送し、ストローブ信号に従って対応する記録ヘッド20を駆動する。
【0055】
尚、この処理は前述のラインバッファ制御部41の省電力モード設定部41aに設定された2分割の設定指示に基づくものである。したがって、実施形態1においては、TWで示す一書き込み周期の間、図8に示すタイムチャートに示されるように4回のストローブ信号が出力され、各1ドットラインの画像を記録する駆動を行うが、実施形態2の図9に示すタイムチャートでは一書き込み周期(TW)の間、8回のストローブ信号が出力され、分割されたビデオデータを対応する記録ヘッド20に転送する。
【0056】
例えば、ビデオデータAnに対して、図9に示す1書き込み周期TWの前半期間n1に4回のストローブ信号を出力し、分割されたビデオデータを対応する色の記録ヘッド20に転送し、記録ヘッド20を半分の電力で駆動する。一方、ビデオデータBnに対して、図9に示す1書き込み周期TWの後半期間p1に4回のストローブ信号を出力し、分割されたビデオデータを対応する色の記録ヘッド20に転送し、記録ヘッド20を半分の電力で駆動する。
【0057】
同様にして、次のAn+1,Bn+1のビデオデータに対しても、図9に示す1書き込み周期TWの前半期間n2に4回のストローブ信号を出力し、分割されたビデオデータAn+1を対応する色の記録ヘッド20に転送し、1書き込み周期TWの後半期間p2に4回のストローブ信号を出力し、分割されたビデオデータBn+1を対応する色の記録ヘッド20に転送し、記録ヘッド20をそれぞれ半分の電力で駆動する。
【0058】
以下、同様の処理を繰り返し、分割データAn+2,Bn+2、分割データAn+3,Bn+3、・・・に対して1書き込み周期TWの前半期間n2、1書き込み周期TWの後半p2、1書き込み周期TWの前半期間n3、1書き込み周期TWの後半p3・・・に4回のストローブ信号を出力し、順次分割されたビデオデータを対応する色の記録ヘッド20に転送し、記録ヘッド20をそれぞれ半分の電力で駆動する。
【0059】
尚、実施形態2においては上記実施形態1に対してビデオデータの転送速度を2倍とするため、実施形態1において7200DPIの印字密度に対応して出力されたストローブ信号を、実施形態2では2倍の14400DPIの印字密度に対応したタイミングで出力している。
また、実施形態2では省電力モード設定部41aに2分割の設定を行ったが、2分割に限らず、3分割、4分割等の設定を行い、更に電力削減を行うことも可能である。
また、上記実施形態では、LED記録ヘッドを、LEDチップ単位でブロックに分けて個別に駆動する方法を説明したが、チップをブロックの境界とせず、任意のLED素子数で区分し選択駆動することも可能である。
【0060】
本発明はいくつかの実施形態を説明したが、本発明は特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下、本件特許出願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0061】
付記1
ホスト機器から入力する印刷情報に基づいて、n色に対応するビデオデータを生成し、各色のビデオデータを主走査方向に多数並んで配設される発光素子アレイから成る対応する記録色用の光書込記録ヘッドに供給し、その結果発光される各色の画像光を、前記光書込記録ヘッドに対峙して設けられ前記主走査方向と直交する副走査方向に移動する対応する記録色用の感光体上に露光して各色の画像を形成し、最終的に全色の画像を記録媒体上で合成してカラー画像を形成するカラー印刷装置において、
前記光書込記録ヘッドの1書込周期のn分の1期間ずつ各色の記録ヘッドを順次光書込可能に能動化する記録ヘッド選択能動化手段と、
各記録色用の記録ヘッドの前記能動期間中記録すべき1ドットラインの画像に対応するビデオデータを前記記録ヘッドに印可するビデオデータ供給手段と、
各記録色用の記録ヘッドの前記能動期間中に各記録色用の記録ヘッドに対してそれぞれx回の時差発光駆動信号を生成する時差発光駆動信号生成手段と、
前記時差発光駆動期間毎に、前記各色記録ヘッドの所定数の発光素子群から成るブロックを選択的に能動化させ前記記録ヘッドに印加されているビデオデータに基づいてブロック内の発光素子を選択的に発光させる分割発光制御手段と、を有し、
前記各記録色用の記録ヘッドは、
前記時差発光駆動信号により時差を設けて能動化される異なるブロックの発光素子群による発光時期のずれを相殺する量だけ前記各ブロックに対する配設位置が副走査方向に対してずれて配設されることを特徴とするカラー印刷装置。
【0062】
付記2
前記時差発光駆動期間に前記分割発光制御手段が選択して能動化する前記所定のブロックは複数であることを特徴とする付記1に記載のカラー印刷装置。
【0063】
付記3
ホスト機器から入力する印刷情報に基づいて、n色に対応するビデオデータを生成し、各色のビデオデータを主走査方向に多数並んで配設される発光素子アレイから成る対応する記録色用の光書込記録ヘッドに供給し、その結果発光される各色の画像光を、前記光書込記録ヘッドに対峙して設けられ前記主走査方向と直交する副走査方向に移動する対応する記録色用の感光体上に露光して各色の画像を形成し、最終的に全色の画像を記録媒体上で合成してカラー画像を形成するカラー印刷装置において、
前記光書込記録ヘッドの1書込周期のn分の1期間ずつ各色の記録ヘッドを順次光書込可能に能動化する記録ヘッド選択能動化手段と、
各記録色用の記録ヘッドの前記能動期間を前半期間と後半期間とに分けるとともに、前記前半期間に1ドットラインデータの主走査方向前半に対するビデオデータのみ前記印字ヘッドに印加し、前記後半期間に前記1ドットラインデータの主走査方向後半に対するビデオデータのみ前記記録ヘッドに印加するビデオデータ分割供給手段と、
各記録色用の記録ヘッドの前記前半期間中及び前記後半期間中に各記録色用の記録ヘッドに対してそれぞれx回の時差発光駆動信号を生成する時差発光駆動信号生成手段と、
前記時差発光駆動期間毎に、前記各色記録ヘッドの発光素子の所定のブロックを選択的に能動化させ前記記録ヘッドに印加されているビデオデータに基づいてブロック内の発光素子を選択的に発光させる分割発光制御手段と、を有し、
前記各色の記録ヘッドは、
前記時差発光駆動信号により時差を設けて能動化される異なるブロックの発光素子群による発光時期のずれを相殺する量だけ前記各ブロックに対する配設位置が副走査方向に対してずれて配設されることを特徴とするカラー印刷装置。
【0064】
付記4
前記発光素子は、発光ダイオードであることを特徴とする付記1、又は3に記載のカラー印刷装置。
【0065】
付記5
前記カラー印刷装置は、イエロー色記録用の光書込ヘッドと、マゼンタ色記録用の光書込ヘッドと、シアン色記録用の光書込ヘッドと、ブラック色記録用の光書込ヘッドとをそれぞれ含む画像形成部が、記録媒体の移動方向に対して順に並んで配置されるタンデム方式であることを特徴とする付記1、又は3に記載のカラー印刷装置。
【符号の説明】
【0066】
1・・・カラー印刷装置
2・・・I/Fコントローラ
3・・・エンジン制御部
4・・・受信制御部
5・・・ROM
6・・・フォントROM
7・・・表示制御部
8・・・ビデオI/F制御部
9・・・メモリ9
10・・圧縮/伸張制御部
11・・MPU
13・・ヘッド制御部
14・・モータ制御部
15・・MPU
16・・定着制御部
17・・高圧制御部
20・・記録ヘッド
21・・メインモータ
22・・負荷
23・・センサ
24・・定着サーミスタ
25・・定着ヒータ
26・・高圧部
28・・ホスト機器
30・・ビデオI/F制御部
31・・ヘッドI/F制御部
32・・基本タイミング生成部
33・・CPUI/F部
34・・ビデオRAM
35・・ドットパターン生成部
36・・ヘッドデータ送信部
37・・ヘッド制御信号生成部
38・・ストローブ信号生成部
39・・ヘッド補正データ制御部
39a・・シリアルI/F制御部
40・・RAM
40a・・ラインバッファ
40b・・補正テーブル
41・・ラインバッファ制御部
41a・・省電力モード設定部
44・・ヘッド情報ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホスト機器から入力する印刷情報に基づいて、n色に対応するビデオデータを生成し、各色のビデオデータを主走査方向に多数並んで配設される発光素子アレイから成る対応する記録色用の光書込記録ヘッドに供給し、その結果発光される各色の画像光を、前記光書込記録ヘッドに対峙して設けられ前記主走査方向と直交する副走査方向に移動する対応する記録色用の感光体上に露光して各色の画像を形成し、最終的に全色の画像を記録媒体上で合成してカラー画像を形成するカラー印刷装置において、
前記光書込記録ヘッドの1書込周期のn分の1期間ずつ各色の記録ヘッドを順次光書込可能に能動化する記録ヘッド選択能動化手段と、
各記録色用の記録ヘッドの前記能動期間中記録すべき1ドットラインの画像に対応するビデオデータを前記記録ヘッドに印可するビデオデータ供給手段と、
各記録色用の記録ヘッドの前記能動期間中に各記録色用の記録ヘッドに対してそれぞれx回の時差発光駆動信号を生成する時差発光駆動信号生成手段と、
前記時差発光駆動期間毎に、前記各色記録ヘッドの所定数の発光素子群から成るブロックを選択的に能動化させ前記記録ヘッドに印加されているビデオデータに基づいてブロック内の発光素子を選択的に発光させる分割発光制御手段と、を有し、
前記各記録色用の記録ヘッドは、
前記時差発光駆動信号により時差を設けて能動化される異なるブロックの発光素子群による発光時期のずれを相殺する量だけ前記各ブロックに対する配設位置が副走査方向に対してずれて配設されることを特徴とするカラー印刷装置。
【請求項2】
前記時差発光駆動期間に前記分割発光制御手段が選択して能動化する前記所定のブロックは複数であることを特徴とする請求項1に記載のカラー印刷装置。
【請求項3】
ホスト機器から入力する印刷情報に基づいて、n色に対応するビデオデータを生成し、各色のビデオデータを主走査方向に多数並んで配設される発光素子アレイから成る対応する記録色用の光書込記録ヘッドに供給し、その結果発光される各色の画像光を、前記光書込記録ヘッドに対峙して設けられ前記主走査方向と直交する副走査方向に移動する対応する記録色用の感光体上に露光して各色の画像を形成し、最終的に全色の画像を記録媒体上で合成してカラー画像を形成するカラー印刷装置において、
前記光書込記録ヘッドの1書込周期のn分の1期間ずつ各色の記録ヘッドを順次光書込可能に能動化する記録ヘッド選択能動化手段と、
各記録色用の記録ヘッドの前記能動期間を前半期間と後半期間とに分けるとともに、前記前半期間に1ドットラインデータの主走査方向前半に対するビデオデータのみ前記印字ヘッドに印加し、前記後半期間に前記1ドットラインデータの主走査方向後半に対するビデオデータのみ前記記録ヘッドに印加するビデオデータ分割供給手段と、
各記録色用の記録ヘッドの前記前半期間中及び前記後半期間中に各記録色用の記録ヘッドに対してそれぞれx回の時差発光駆動信号を生成する時差発光駆動信号生成手段と、
前記時差発光駆動期間毎に、前記各色記録ヘッドの発光素子の所定のブロックを選択的に能動化させ前記記録ヘッドに印加されているビデオデータに基づいてブロック内の発光素子を選択的に発光させる分割発光制御手段と、を有し、
前記各色の記録ヘッドは、
前記時差発光駆動信号により時差を設けて能動化される異なるブロックの発光素子群による発光時期のずれを相殺する量だけ前記各ブロックに対する配設位置が副走査方向に対してずれて配設されることを特徴とするカラー印刷装置。
【請求項4】
前記発光素子は、発光ダイオードであることを特徴とする請求項1、又は3に記載のカラー印刷装置。
【請求項5】
前記カラー印刷装置は、イエロー色記録用の光書込ヘッドと、マゼンタ色記録用の光書込ヘッドと、シアン色記録用の光書込ヘッドと、ブラック色記録用の光書込ヘッドとをそれぞれ含む画像形成部が、記録媒体の移動方向に対して順に並んで配置されるタンデム方式であることを特徴とする請求項1、又は3に記載のカラー印刷装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図6】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−6376(P2012−6376A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−36303(P2011−36303)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000104124)カシオ電子工業株式会社 (601)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】