説明

真空成膜装置

【課題】 真空チャンバ内に設けられた各部材のうち成膜プロセスに応じて遮蔽する必要があるものを確実に遮蔽するとともに、装置のコンパクトさを損なうこともない真空成膜装置を提供することである。
【解決手段】 真空成膜装置35の真空チャンバ1の内壁1bには、各機器を真空チャンバ1内に配置するためのポートが形成されている。そして、第一のポートにはスパッタリング用電極が設けられており、第二のポートにはプラズマ重合用電極が設けられている。
また、真空チャンバ1内には、アーム27及び遮蔽板25を有する遮蔽手段が設けられている。遮蔽板25は、アーム27によって中心C1の回りに回転し、真空チャンバ1の内壁に沿って移動する。
そして、プラズマ重合用電極を動作させてプラズマ重合による成膜を行う場合には、遮蔽手段により第一のポートを遮蔽する。これにより、スパッタリング用電極をプラズマ重合のプロセスで生成したプラズマ雰囲気から保護することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一つの真空チャンバ内でスパッタリングによる成膜プロセス及びプラズマ重合による成膜プロセスを実行することにより、多層膜を成膜することができる真空成膜装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、薄膜を応用した各種の製品が用いられている。この薄膜が形成された製品には、例えば自動車のランプに用いられるリフレクタや各種の装飾品がある。そして、これらの製品は、真空成膜装置により基材に薄膜を形成することによって製造されている。
【0003】
そして、基材に薄膜を成膜するにあたり、金属膜と重合膜からなる多層膜を成膜することがある。金属膜は成膜される基材に光沢等を与えるため形成され、重合膜は金属膜を酸化等から保護するための保護膜として形成される。金属膜はスパッタリングによる成膜プロセスによって形成することができ、重合膜はプラズマ重合の成膜プロセスにより形成できる。
【0004】
従来の真空成膜装置には、このスパッタリングによる成膜プロセスとプラズマ重合による成膜プロセスとを一つの真空チャンバ内で行えるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。この真空成膜装置には、スパッタリングにより金属膜を成膜するためのスパッタリング用電極、及びプラズマ重合により重合膜を成膜するためのプラズマ重合用電極(プラズマ源)が一つの真空チャンバ内に設けられている。
【0005】
ところで、一つの真空チャンバ内でスパッタリングによるプロセスとプラズマ重合によるプロセスとを実行するようにすると、一方のプロセスを実行することにより、他方のプロセスを実行するための電極が汚染されるおそれがある。
【0006】
例えば、プラズマ重合のプロセスを実行すると、スパッタリング用電極が重合膜を成膜するための膜の原料によるプラズマ雰囲気に晒され、スパッタリング用電極が重合膜の原料によって汚染される。
【0007】
これを防ぐため、スパッタリングによる成膜とプラズマ重合による成膜とを一つの真空チャンバ内で行えるようにした従来の真空成膜装置には、スパッタリング用電極とプラズマ重合用電極を互いに他方の電極から遮蔽するシャッタを設けたものがある。
【特許文献1】特開平1−298152号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、前記従来の装置によると、前記電極を必ずしも十分に遮蔽できず、電極の汚染を確実に防ぐことができなかった。また、前記従来の装置によると、シャッタの開閉に伴うシャッタを収納する機構が真空チャンバの外部に設けられることがあり、装置のコンパクトさを欠くことがあった。
【0009】
そこで、本発明は、真空チャンバ内に設けられる電極等の各部材のうち成膜プロセスに応じて遮蔽する必要がある部材を確実に遮蔽できるとともに、コンパクトさを損なうこともない真空成膜装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は、真空チャンバと、前記真空チャンバの内壁に形成された第一のポートに配設されスパッタリングによる成膜を行うためのスパッタリング用電極と、前記真空チャンバの内壁に形成された第二のポートに配設されプラズマ重合による成膜を行うためのプラズマ重合用電極とを備え、
前記真空チャンバ内の空間が粗引き用排気手段によって排気されるとともに、前記真空チャンバの内壁に形成された主排気ポートを介して主排気手段によって前記真空チャンバ内が排気されるようにされており、前記スパッタリング用電極を動作させることによるスパッタリングの成膜プロセス及び前記プラズマ重合用電極を動作させることによるプラズマ重合の成膜プロセスを実行することによって前記真空チャンバ内に配置された基材に多層膜の成膜を行う真空成膜装置であって、
前記ポートの一つ又は複数を真空チャンバの内部側に対して遮蔽するための遮蔽手段が設けられており、
前記遮蔽手段により、前記ポートのうちの一つ又は複数の所要のポートを真空チャンバの内部側に対して密閉して遮蔽するようにされた真空成膜装置である(請求項1)。
【0011】
本発明の真空成膜装置によると、前記遮蔽手段により真空チャンバの内壁に形成された一つ又は複数の所要のポートを真空チャンバの内部側に対して密閉して遮蔽することができる。これにより、本発明の真空成膜装置によると、成膜プロセスに応じて使用する必要のない前記ポートの一つ又は複数を遮蔽し、このポート内に配設される機器が成膜プロセスの実行に伴って損傷を受ける等を防ぐことができる。
【0012】
また、前記真空成膜装置について、前記遮蔽手段が、遮蔽板と、弾性材によって形成され前記遮蔽板の先端に付設されたパッキンと、前記遮蔽板を先端に支持して前記遮蔽板を真空チャンバの内壁に沿って移動させるアームと、前記遮蔽板を真空チャンバの内壁側及び中心側の間で前後方向に移動させる前後方向移動手段とを備えてなり、
前記遮蔽板を、前記ポートのうちの一つ又は複数の所要のポートの位置へ移動させるとともに前方に移動させて前記パッキンを前記所要のポート周辺の真空チャンバの内壁部分に密着させることにより、前記所要のポートを真空チャンバの内部側に対して密閉して遮蔽するようにすることができる(請求項2)。
【0013】
この発明によると、前記遮蔽手段が前記所要のポートを遮蔽するにあたり、遮蔽板の先端に付設された前記パッキンが遮蔽しようとする所要のポートの周辺の真空チャンバの内壁部分に押圧される。これにより、遮蔽した所要のポートを真空チャンバの内部側に対して密閉し、所要のポートを確実に密閉して遮蔽することができる。
【0014】
そして、遮蔽手段の主要部材にあたる遮蔽板及びアームは、真空チャンバ内に常に配置されている。これにより、真空チャンバ外に遮蔽板を収納するための機構を設け、遮蔽板を使用する場合に真空チャンバ内に搬入し、遮蔽板を使用しない場合に真空チャンバ外に搬出する必要がない。これにより、真空チャンバ周辺の機構の大型化や複雑化を防ぎ、真空成膜装置全体をコンパクトにすることができる。
【0015】
また、前記真空成膜装置について、前記遮蔽手段により遮蔽しようとするポートが形成された真空チャンバの内壁部分を、真空チャンバの中心を中心とする円筒の外周の一部をなすように形成し、
前記遮蔽板を前記円筒の外周の一部をなす真空チャンバの内壁に沿うように湾曲させて形成し、
前記アームを前記真空チャンバの中心の回りに回転させることにより、前記遮蔽板を所要のポートに移動させるようにすることができる(請求項3)。
【0016】
この発明によると、前記アームを真空チャンバの中心の回りに回転させることによって、前記遮蔽板を該遮蔽板により遮蔽しようとするポートへ移動させることができる。これにより、遮蔽手段の遮蔽板及びアームの機構を簡潔にすることができ、また真空チャンバをコンパクトにすることができる。これにより、真空成膜装置全体をコンパクトにすることができる。
【0017】
また、前記前後方向移動手段について、前記遮蔽板の背面側に回転自在に設けられたカムと、前記遮蔽板を後方に付勢するように遮蔽板の背面側に設けられたバネとを備え、
前記カムの先端が遮蔽板の背面を押すことによって遮蔽板を前方に移動させるとともに、前記カムが遮蔽板の背面から離れると前記バネによって遮蔽板が後方に移動するようにすることができる(請求項4)。
【0018】
この発明によると、遮蔽板をアームに対して前後方向に移動させる前後方向移動手段がカムとバネとによって構成されるので、前後方向移動手段をコンパクトにすることができる。
【0019】
また、以上の真空成膜装置について、前記プラズマ重合用電極を動作させてプラズマ重合による成膜を行う場合に、前記遮蔽手段が前記第一のポートを遮蔽するようにすることができる(請求項5)。
【0020】
この発明によると、プラズマ重合による成膜を行っている間、第一のポートを真空チャンバの内部側に対して遮蔽できるので、第一のポートに設けられるスパッタリング用電極がプラズマ重合の成膜プロセスに伴って生成したプラズマ雰囲気に晒されることを防止できる。これにより、スパッタリング用電極がプラズマ重合による重合物の付着によって汚染されることを防ぐことができる。
【0021】
また、以上の真空成膜装置について、前記プラズマ重合用電極を動作させてプラズマ重合による成膜を行う場合に、前記遮蔽手段が前記主排気ポートを遮蔽するようにすることもできる(請求項6)。
【0022】
この発明によると、プラズマ重合による成膜を行っている間、主排気ポートを真空チャンバの内部側に対して遮蔽できるので、排気ポンプ等の主排気手段が主排気ポートを介してプラズマ重合の成膜プロセスに伴って生成したプラズマ雰囲気に晒されることを防ぐことができる。これにより、主排気手段がプラズマ重合による重合物の付着によって汚染されることを防ぐことができる。
【0023】
また、以上の真空成膜装置について、前記第一のポートと前記主排気ポートとが隣接して設けられており、前記遮蔽手段が前記隣接する第一のポート及び主排気ポートを一枚の遮蔽板により遮蔽した場合に、前記第一のポートと主排気ポートとが第一のポート及び主排気ポート間の真空チャンバの内壁部分と前記一枚の遮蔽板の前面部分とによって形成される空間によって連通するように構成することができる(請求項7)。
【0024】
この発明によると、隣接する第一のポートと主排気ポートとを一枚の遮蔽板によって遮蔽することができる。これにより、第一のポートと主排気ポートとをともに遮蔽したい場合に、その機構を簡潔にすることができる。
【0025】
そして、第一のポートと主排気ポートとは、真空チャンバの内部側に対して遮蔽されつつ連通しており、第一のポートを主排気手段によって主排気ポートを介して排気しておくことができる。
【0026】
これにより、真空チャンバ内が大気に開放された場合でも、第一のポート及び主排気ポートを真空チャンバの内部側から遮蔽しておき、第一のポートを真空状態に維持しておくことができる。
【0027】
また、以上の真空成膜装置について、前記スパッタリング用電極を動作させてスパッタリングによる成膜を行う場合に、前記遮蔽手段が前記第二のポートを遮蔽するようにすることができる(請求項8)。
【0028】
この発明によると、スパッタリングによる成膜を行っている間、第二のポートを真空チャンバの内部側に対して遮蔽できるので、第二のポートに設けられるプラズマ重合用電極がスパッタリングによる膜の原料の付着によって汚染されることを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。本発明の真空成膜装置によると、真空チャンバの内壁に形成されたポートの一つ又は複数を、遮蔽手段により真空チャンバの内部側に対して密閉して遮蔽することができる。これにより、ポートに設けられる機器が成膜プロセスの実行に伴って損傷を受ける等を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明の実施の形態について、図1乃至図7に基づいて説明する。図1乃至図3は、本発明の一実施形態である真空成膜装置35を示す図である。図1は、真空成膜装置35を上方から眺めた状態を表す平面図である。
【0031】
図2は、真空成膜装置35を側方から眺めた状態を表す図である。図2は真空成膜装置35の真空チャンバ1内を表す部分を含んでおり、真空チャンバ1内を中心C1及び第一のアーム27の長手方向に沿う縦断面に沿って表した部分を含んでいる。
【0032】
図3は、真空成膜装置35を上方から眺めた状態を表す図である。図3は、真空チャンバ1内を上方から眺めた状態を表す部分を含んでおり、後に説明する遮蔽手段を上方から眺めた状態を表す部分を含んでいる。
【0033】
図4は、真空チャンバ1の内壁に形成された各ポートの配置を示す平面図である。図4は、各ポートの配置を真空チャンバ1を水平方向に切った水平面に沿って示している。
【0034】
真空成膜装置35は、図1乃至図3に示されるように、真空チャンバ1とプラズマ重合ユニット15及び16とスパッタリングユニット17及び18と遮蔽手段とを備えており、遮蔽手段は第一の遮蔽板25、第二の遮蔽板26、第一のアーム27及び第二のアーム28を備えている。
【0035】
また、基材Sに成膜を行う場合には、図2に示されるように、真空チャンバ1内に基材保持具23が装填される。基材保持具23は、回転軸23Aを備えている。回転軸23Aは、基材保持具23が真空チャンバ1の所定の箇所に装填された状態で、真空チャンバ1内の縦方向の中心C1に沿って配置されるように設けられている。
【0036】
基材Sは、基材保持具23の回転軸23Aを囲むように装填される。基材保持具23は、基材Sに成膜を行う場合には、真空チャンバ1外に設けられる図示されない駆動モータによって回転駆動される。
【0037】
基材保持具23によって保持された基材Sは、成膜される場合には、回転軸23Aを中心として公転する。そして、基材Sの中心C1に対して外方を向いている部分に膜が形成される。図1乃至図3において、Rは基材保持具23により保持される基材Sが占有する空間の最大範囲を示している。
【0038】
基材保持具23には真空チャンバ1に装着するための図示されない取付け機構が設けられており、この取付け機構を介して真空チャンバ1内の所定の箇所へ基材保持具23を着脱できるようになっている。そして、基材保持具23は、成膜を行う前に真空チャンバ1内へ搬入され、成膜を終了すると真空チャンバ1より搬出される。
【0039】
真空チャンバ1には、真空チャンバ1を開閉するための扉1aが設けられている。真空チャンバ1内の空間は、真空チャンバ1内の中心C1を中心とする略円筒状をなす部分が主体をなしている。
【0040】
そして、真空チャンバ1の内壁1bのうち、後に説明する第一のポート11、12、第二のポート13、14、及び主排気ポート21、22が形成される部分は、中心C1を中心とする円筒の外周の一部と略一致するように形成されている。
【0041】
真空チャンバ1の内壁1bには、真空チャンバ1の内部側から見て開口をなすポートが複数形成されている。このポートは、成膜プロセスを実行するために必要な各種の機器を設け、またはこれを介して真空チャンバ1外の機器を真空チャンバ1に接続するために形成される。
【0042】
真空チャンバ1には、図4にも示されるように、主排気ポート21及び22、第一のポート11及び12、第二のポート13及び14が設けられている。主排気ポート21、22には、主排気用配管19が接続されている。
【0043】
主排気用配管19には、図示されない主排気用ポンプが接続されている。また、主排気用配管19には、該配管19を真空チャンバ1に対して開閉するためのメインバルブ9が設けられている。
【0044】
そして、真空チャンバ1内は、主排気ポート21、22及び主排気用配管19を介して主排気用ポンプによって排気されるようにされている。そして、真空チャンバ1内は、成膜プロセスの必要に応じて、主排気用ポンプにより圧力のより低い真空状態である高真空状態とされる。この主排気用ポンプ、主排気用配管19及びメインバルブ9は主排気手段にあたる。
【0045】
また、真空チャンバ1には、図示されない粗引きポートが形成されている。この粗引きポートは粗引き用配管20に接続されている。粗引き用配管20には、図示されない粗引き用ポンプが接続されている。また、粗引き用配管20には、該配管20を真空チャンバ1に対して開閉するための粗引きバルブ10が設けられている。
【0046】
そして、真空チャンバ1内は、粗引きポート及び粗引き用配管20を介して粗引き用ポンプによって排気されるようにされている。そして、真空チャンバ1内は、成膜プロセスの必要に応じて、粗引き用ポンプにより圧力のやや高い真空状態である低真空状態とされる。この粗引き用ポンプ、粗引き用配管20及び粗引きバルブ10は粗引き用排気手段にあたる。
【0047】
第一のポート11、12には、スパッタリングユニットが組み込まれている。第一のポート11にはスパッタリングユニット17が組み込まれ、第二のポート12にはスパッタリングユニット18が組み込まれている。スパッタリングユニット17、18を動作させることでスパッタリングによる成膜プロセスを実行することができ、金属膜を成膜することができる。
【0048】
スパッタリングユニット17、18は、各々が先端にスパッタ用電極を備えている。スパッタリングユニット17がスパッタ用電極7を備え、スパッタリングユニット18がスパッタ用電極8を備えている。
【0049】
スパッタ用電極7、8は、先端にスパッタ用ターゲットが付設される。このスパッタ用ターゲットは、金属膜の原料を供給するためのものであり、成膜しようとする膜の材質に応じて選択された金属材のターゲットが設けられる。
【0050】
そして、スパッタ用ターゲットが先端に付設されたスパッタ用電極7、8は、各々に第一のポート11、12を介して真空チャンバ1内を臨むように設けられている。なお、第一のポート11、12にスパッタリングユニット17、18を組み込むにあたり、スパッタリングユニット17、18の各々のケーシングと真空チャンバ1の壁面との間の所要の箇所にOリングを配する等により、真空チャンバ1内の気密を保ち得るようにされている。
【0051】
第二のポート13、14には、プラズマ重合ユニットが組み込まれている。第二のポート13にはプラズマ重合ユニット15が組み込まれており、第二のポート14にはプラズマ重合ユニット16が組み込まれている。プラズマ重合ユニット15、16を動作させることでプラズマ重合による成膜プロセスを実行することができ、重合膜を成膜することができる。
【0052】
プラズマ重合ユニット15、16は、各々がプラズマ重合用電極を備えている。プラズマ重合ユニット15はプラズマ重合用電極5を備え、プラズマ重合ユニット16はプラズマ重合用電極6を備えている。プラズマ重合用電極5、6を介して真空チャンバ1内に所要の電力を供給し、真空チャンバ1内にプラズマ放電を発生させることができる。
【0053】
プラズマ重合ユニット15、16は真空チャンバ1外に設けられる図示されない電源装置に接続されており、この電源装置によりプラズマ重合用電極5、6はプラズマ放電を発生させる電力を供給される。そして、重合膜を形成するための原料ガスを真空チャンバ1内に供給しつつプラズマ重合用電極5、6を動作させることで、プラズマ重合の成膜プロセスを行うことができる。
【0054】
プラズマ重合用電極5、6は、各々に第二のポート13、14を介して真空チャンバ1内を臨むように設けられている。なお、第二のポート13、14にプラズマ重合ユニット15、16を組み込むにあたり、プラズマ重合ユニット15、16の各々のケーシングと真空チャンバ1の壁面との間の所要の箇所にOリングを配する等により、真空チャンバ1内の気密を保ち得るようにされている。
【0055】
また、真空チャンバ1の内壁には、図示されないガス供給ポートが形成されている。このガス供給ポートを介して成膜プロセスの実行に必要な各種のガスが真空チャンバ1内に供給される。
【0056】
真空チャンバ1内に各種のガスを供給するためのガス供給手段が真空チャンバ1外に設けられている。真空チャンバ1内に供給されるガスには、アルゴンガス等の不活性ガスや、重合膜を成膜するための原料ガスがある。
【0057】
そして、成膜プロセスを実行する場合には、真空チャンバ1内に所要のガスを供給しつつ真空チャンバ1内を排気することにより、真空チャンバ1内が所要のガス圧の雰囲気とされる。
【0058】
また、真空成膜装置35は、以下に説明する遮蔽手段を備えている。遮蔽手段について、図5、図6も参酌しつつ説明する。図5は、遮蔽手段の一部を上方から眺めた状態を表す平面図である。図6は、遮蔽手段に備わる第一のアーム27及び第二のアーム28の一部を示す斜視図である。
【0059】
遮蔽手段は、第一のアーム27及び第二のアーム28と第一の遮蔽板25及び第二の遮蔽板26を備えている。以下に遮蔽手段を説明するにあたり、第一のアーム27及び第一の遮蔽板25を例に取って説明する。
【0060】
第一のアーム27は、真空チャンバ1内において水平に配設されており、真空チャンバ1の中心C1から真空チャンバ1の内壁側に向かうように前後方向に沿って配設されている。
【0061】
第一のアーム27は、その先端に第一の遮蔽板25を支持している。第一のアーム27は、図2に示されるように、第一の遮蔽板25の上端及び下端を支持するべく、上下に二本設けられている。また、第一のアーム27は、第一の遮蔽板25を先端に支持するにあたり、第一の遮蔽板25が前後方向に移動し得るように支持している。
【0062】
第一のアーム27は、中心C1を回転中心として回転駆動されるようにされている。上下に設けられる第一のアーム27、27の各々は、中心C1においてアーム駆動軸29、29と連結されており、真空チャンバ1外でアーム駆動軸29、29に連結された駆動モータによって駆動される。そして、第一のアーム27が回転駆動されることにより、第一の遮蔽板25が中心C1の回りに回転する。
【0063】
第一の遮蔽板25は、真空チャンバ1の内壁に沿うように上下方向に沿って配設されている。そして、第一の遮蔽板25は、円筒の外周の一部と略一致する真空チャンバ1の内壁に沿うように、湾曲させて形成されている。
【0064】
第一の遮蔽板25の先端にあたる前面には、パッキン31、31が設けられている。このパッキン31は、弾性材により形成されている。パッキン31は、弾性を有する各種の材質により形成することができる。パッキン31を形成するにあたり、例えばフッ素ゴムにより形成することができる。
【0065】
第一の遮蔽板25の背面側には、図示されないバネが設けられている。このバネは第一の遮蔽板25の背面と第一のアーム27との間に掛け渡されている。このバネにより、第一の遮蔽板25は後方に付勢されている。
【0066】
また、第一の遮蔽板25の背面側には、カム32、32が設けられている。カム32、32は、各々の回転中心の回りに回転するように回転自在に設けられている。カム32、32が回転し、カム32、32の回転中心に対して最も外方に突出している先端部分が第一の遮蔽板25の背面を押すことにより、第一の遮蔽板25は前方に移動する。
【0067】
また、カム32、32がその回転位置によって第一の遮蔽板25に接触していない場合には、第一の遮蔽板25はバネによって後方に引き戻されている。また、真空成膜装置35は、カム32、32を任意の位置でロックできるようにされている。そして、カム32、32が第一の遮蔽板25を最も先端に移動させた状態でロックされると、第一の遮蔽板25は先端の位置で固定される。
【0068】
以上に説明したカム32、32及び第一の遮蔽板25の背面側に設けられるバネは、第一の遮蔽板25を前後方向に移動するための前後方向移動手段にあたる。
【0069】
なお、第二の遮蔽板26は第一の遮蔽板25と同様に構成されている。また、第二のアーム28は第一のアーム27と同様に構成されている。そして、以上に説明した第一の遮蔽板25と第一のアーム27との関係は、第二の遮蔽板26と第二のアーム28との関係にもあてはまる。
【0070】
なお、第二の遮蔽板26の前面には、第一の遮蔽板25と同様にパッキンが設けられている。また、第二の遮蔽板26の背面側には、第一の遮蔽板25と同様にカムが設けられている。また、第二の遮蔽板26の背面側には図示されないバネが設けられており、このバネは第二の遮蔽板26の背面と第二のアーム28との間に掛け渡されている。そして、このバネにより第二の遮蔽板26は後方に付勢されている。
【0071】
また、第一のアーム27と第二のアーム28とは、各々が独立に回転駆動されるようにされている。そして、第一の遮蔽板25と第二の遮蔽板26とは各々独立に駆動される。
【0072】
以上に説明した遮蔽手段の動作について、図5、図7により説明する。図7は、遮蔽手段の一部を上方から眺めた状態を表す平面図である。以下の説明では、第一のアーム27により第一の遮蔽板25を回転させる例により説明する。
【0073】
図5に示される状態では、第一の遮蔽板25は第二のポート13の位置に位置している。そして、図5に示される状態では、カム32はロック解除された状態にあり、第一の遮蔽板25は後方に位置している。
【0074】
この図5に示される状態では、第一の遮蔽板25のパッキン31は真空チャンバ1の内壁の第二のポート13の周辺部分に押圧されておらず、第二のポート13は真空チャンバ1の内部側から遮蔽されていない。
【0075】
そして、第一のアーム27を回転させることにより、図7(a)に示すように、第一の遮蔽板25を第一のポート11及び主排気ポート21の位置に移動させる。そして、図7(b)に示されるように、カム32、32の先端の最も突出した部分が第一の遮蔽板25の背面を最も先端へ押圧する位置までカム32、32を回転させ、カム32、32をロックする。
【0076】
図7(b)に示される状態では、第一の遮蔽板25は、アーム27に対して最も先端に移動しており、ロックされたカム32、32によって固定されている。そして、第一の遮蔽板25のパッキン31、31は真空チャンバ1の内壁の第一のポート11及び主排気ポート21の周辺部分に押圧されており、第一の遮蔽板25により覆われた第一のポート11及び主排気ポート21は真空チャンバ1の内部側から遮蔽されている。
【0077】
この真空成膜装置35では、図7(b)に示されるように、第一のポート11及び主排気ポート21が真空チャンバ1の内部側から遮蔽された状態で、隣接して設けられる第一のポート11及び主排気ポート21は連通している。
【0078】
即ち、図7(b)に示される状態において、第一のポート11と主排気ポート21とは、第一の遮蔽板25の前面と第一のポート11及び主排気ポート21間の真空チャンバ1の内壁部分とにより形成された空間Qによって連通している。
【0079】
これにより、第一のポート11及び主排気ポート21を遮蔽手段によって遮蔽することで、真空チャンバ1内を大気に開放しても、第一のポート11を主排気用ポンプによって真空状態に維持することができる。
【0080】
なお、第一のポート11及び主排気ポート21を以上に説明したように第一の遮蔽板25によって遮蔽したのと同様に、第一のポート12及び主排気ポート22を第二の遮蔽板26によって遮蔽することができる。
【0081】
以下に、真空成膜装置35を動作させる例について説明する。基材Sを装填した基材保持具23を真空チャンバ1内にセットし、真空チャンバ1の扉1aを閉じて真空チャンバ1内を密閉する。
【0082】
そして、真空チャンバ1内をスパッタリングによる成膜を行うための所要の真空雰囲気とする。真空チャンバ1内を前記所要の真空雰囲気とする間又はその後に、遮蔽手段により第二のポート13、14を真空チャンバ1の内部側に対して遮蔽する。例えば、第二のポート13を第一の遮蔽板25によって遮蔽し、第二のポート14を第二の遮蔽板26によって遮蔽する。
【0083】
そして、基材保持具23を回転させるとともにスパッタリングユニット17、18を動作させ、基材Sにスパッタリングによる金属膜を成膜する。金属膜の成膜を終了すると、遮蔽手段により第一のポート11、12と主排気ポート21、22を真空チャンバ1の内部側に対して遮蔽する。例えば、第一のポート11及び主排気ポート21を第一の遮蔽板25により遮蔽し、第一のポート12及び主排気ポート22を第二の遮蔽板26により遮蔽する。
【0084】
そして、粗引き用ポンプにより真空チャンバ1内を排気しつつ重合膜を成膜するための原料ガスを真空チャンバ1内に供給し、真空チャンバ1内をプラズマ重合による成膜を行うための所要の真空雰囲気とする。
【0085】
そして、基材保持具23を回転させるとともにプラズマ重合ユニット15、16を動作させ、基材Sにプラズマ重合による重合膜を成膜する。これにより、基材Sには、先に形成された金属膜の上に重合膜が形成される。
【0086】
基材Sへの重合膜の成膜を終了すると、第一のポート11、12及び主排気ポート21、22を遮蔽手段により遮蔽したまま、真空チャンバ1内の圧力を大気圧に向かって回復させる。そして、真空チャンバ1内の圧力が回復すると、扉1aを開いて基材保持具23を真空チャンバ1外に取り出す。
【0087】
以上に説明したように真空成膜装置35を動作させると、以下の利点がある。スパッタリングによる成膜プロセスを行っている場合には、第二のポート13、14は遮蔽手段により遮蔽されているので、プラズマ重合用電極5、6がスパッタ用ターゲットより放出された金属材により汚染されることを防ぐことができる。
【0088】
また、プラズマ重合による成膜プロセスを行っている場合には、第一のポート11、12及び主排気ポート21、22は遮蔽手段により遮蔽されている。これにより、スパッタ用電極7、8及びスパッタ用ターゲットがプラズマ重合による重合物によって汚染させることを防ぐことができる。これにより、スパッタリングによる成膜プロセスを開始する前にスパッタ用ターゲットを洗浄する工程を省くこともできる。
【0089】
また、プラズマ重合による成膜プロセスを行っている場合に、主排気ポート21、22が遮蔽手段により遮蔽されるので、主排気用配管19内及び主排気用ポンプがプラズマ重合による重合物により汚染されることを防ぐことができる。
【0090】
また、成膜を終了した後に真空チャンバ1内を大気に開放する場合に、第一のポート11、12を遮蔽手段によって遮蔽できるので、スパッタ用ターゲットが大気に晒されることを防ぎ、スパッタ用ターゲットの酸化を防ぐことができる。
【0091】
特に、前記遮蔽手段の遮蔽板には弾性材からなるパッキンが付設されており、このパッキンが遮蔽しようとするポート周辺の真空チャンバ1の内壁部分に密着するので、遮蔽しようとするポート内を真空チャンバ1の内部側に対して確実に密閉できる。
【0092】
これにより、第一のポート11、12内がプラズマ重合のプロセスで生成されるプラズマ雰囲気や大気に晒されることを確実に防止できる。これにより、スパッタ用ターゲットが汚染されたり、酸化されることを確実に防止できる。
【0093】
また、以上の真空成膜装置35によると、第一の遮蔽板25や第二の遮蔽板26は、常に真空チャンバ1内に配置されており、各ポートを遮蔽する必要に応じて真空チャンバ1内を移動するように設けられている。
【0094】
これにより、これらの遮蔽板を使用しない場合に真空チャンバ1外に排出する必要がなく、真空チャンバ1外にこれら遮蔽板を収納するための機構を設ける必要がない。これにより、真空チャンバ1周辺の機構の大型化や複雑化を防ぎ、真空成膜装置35全体をコンパクトにすることができる。
【0095】
なお、以上の説明では、第一の遮蔽板25及び/又は第二の遮蔽板26により第一のポートと主排気ポートとを同時に遮蔽する例を挙げたが、主排気ポートを遮蔽することなく、第一のポートのみ遮蔽してもよい。第一のポート11、12を遮蔽することにより、第一のポートに配置されるスパッタ用電極7、8及びスパッタ用ターゲットの汚染等を防ぐことができる。
【0096】
また、第一のポート11、12を遮蔽することなく、主排気ポートのみ遮蔽することもできる。主排気ポートを遮蔽することにより、主排気用配管19内や主排気用ポンプが汚染されることを防ぐことができる。
【0097】
また、以上に説明した真空成膜装置35では、スパッタリングユニットを二つ設け(17、18)、これに対応させて第一のポートを二つ設ける例(11、12)を挙げた。また、プラズマ重合ユニットを二つ設け(15、16)、これに対応させて第二のポートを二つ設ける例(13、14)を挙げた。
【0098】
スパッタリングユニット、プラズマ重合ユニットは必要に応じて適宜の数が設けられ、これに対応させて真空チャンバ1にこれらユニットを設置するための所要の数のポートが設けられる。
【0099】
また、以上の説明では、第一の遮蔽板25及び第二の遮蔽板26の二枚の遮蔽板を設ける例を挙げた。遮蔽手段の遮蔽板は、真空チャンバ1に形成されたポートを遮蔽する必要に応じて適宜の枚数が設けられる。
【0100】
以上に説明した本発明の真空成膜装置によると、多層膜が形成される各種の薄膜応用製品を製造することができる。この薄膜応用製品として、例えば自動車のヘッドライト用リフレクタがある。このヘッドライト用リフレクタを形成するにあたっては、リフレクタ用の基材に金属膜及び金属膜を保護するための重合膜が形成される。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の一実施形態の真空成膜装置を示す図であり、真空成膜装置を上方か ら眺めた状態を示す平面図である。
【図2】真空成膜装置を側方から眺めた状態を示す図である。
【図3】真空成膜装置を上方から眺めた状態を示す図である。
【図4】真空チャンバ内に形成されたポートの配置を示す図である。
【図5】遮蔽手段を示す図である。
【図6】遮蔽手段の第一のアーム及び第二のアームを示す斜視図である。
【図7】遮蔽手段の動作を示す図である。
【符号の説明】
【0102】
1 真空チャンバ
1a 扉
1b 真空チャンバの内壁
5、6 プラズマ重合用電極
7、8 スパッタ用電極
9 メインバルブ
10 粗引きバルブ
11、12 第一のポート
13、14 第二のポート
15、16 プラズマ重合ユニット
17、18 スパッタリングユニット
19 主排気用配管
20 粗引き用配管
21、22 主排気ポート
23 基材保持具
25 第一の遮蔽板
26 第二の遮蔽板
27 第一のアーム
28 第二のアーム
29 アームの駆動軸
31 パッキン
32 カム
35 真空成膜装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空チャンバと、前記真空チャンバの内壁に形成された第一のポートに配設されスパッタリングによる成膜を行うためのスパッタリング用電極と、前記真空チャンバの内壁に形成された第二のポートに配設されプラズマ重合による成膜を行うためのプラズマ重合用電極とを備え、
前記真空チャンバ内の空間が粗引き用排気手段によって排気されるとともに、前記真空チャンバの内壁に形成された主排気ポートを介して主排気手段によって前記真空チャンバ内が排気されるようにされており、前記スパッタリング用電極を動作させることによるスパッタリングによる成膜及び前記プラズマ重合用電極を動作させることによるプラズマ重合による成膜を行うことによって前記真空チャンバ内に配置された基材に多層膜の成膜を行う真空成膜装置であって、
前記ポートの一つ又は複数を真空チャンバの内部側に対して遮蔽するための遮蔽手段が設けられており、
前記遮蔽手段により、前記ポートのうちの一つ又は複数の所要のポートを真空チャンバの内部側に対して密閉して遮蔽するようにされた真空成膜装置。
【請求項2】
前記遮蔽手段は、遮蔽板と、弾性材によって形成され前記遮蔽板の先端に付設されたパッキンと、前記遮蔽板を先端に支持して前記遮蔽板を真空チャンバの内壁に沿って移動させるアームと、前記遮蔽板を真空チャンバの内壁側及び中心側の間で前後方向に移動させる前後方向移動手段とを備え、
前記遮蔽板を、前記ポートのうちの一つ又は複数の所要のポートの位置へ移動させるとともに前方に移動させて前記パッキンを前記所要のポート周辺の真空チャンバの内壁部分に密着させることにより、前記所要のポートを真空チャンバの内部側に対して密閉して遮蔽するようにされた請求項1に記載の真空成膜装置。
【請求項3】
前記遮蔽手段により遮蔽しようとするポートが形成された真空チャンバの内壁部分は、真空チャンバの中心を中心とする円筒の外周の一部をなすように形成されており、
前記遮蔽板は前記円筒の外周の一部をなす真空チャンバの内壁に沿うように湾曲させて形成されており、
前記アームを前記真空チャンバの中心の回りに回転させることにより、前記遮蔽板を所要のポートに移動させる請求項2に記載の真空成膜装置。
【請求項4】
前記前後方向移動手段が、前記遮蔽板の背面側に回転自在に設けられたカムと、前記遮蔽板を後方に付勢するように遮蔽板の背面側に設けられたバネとを備え、
前記カムの先端が遮蔽板の背面を押すことによって遮蔽板を前方に移動させるとともに、前記カムが遮蔽板の背面から離れると前記バネによって遮蔽板が後方に移動するようにされた請求項2又は3に記載の真空成膜装置。
【請求項5】
前記プラズマ重合用電極を動作させてプラズマ重合による成膜を行う場合に、前記遮蔽手段が前記第一のポートを遮蔽するようにされた請求項1乃至4のいずれかに記載の真空成膜装置。
【請求項6】
前記プラズマ重合用電極を動作させてプラズマ重合による成膜を行う場合に、前記遮蔽手段が前記主排気ポートを遮蔽するようにされた請求項1乃至5のいずれかに記載の真空成膜装置。
【請求項7】
前記第一のポートと前記主排気ポートとが隣接して設けられており、前記遮蔽手段が前記隣接する第一のポート及び主排気ポートを一枚の遮蔽板により遮蔽した場合に、前記第一のポートと主排気ポートとが第一のポート及び主排気ポート間の真空チャンバの内壁部分と前記一枚の遮蔽板の前面部分とによって形成される空間によって連通するように構成された請求項1乃至6のいずれかに記載の真空成膜装置。
【請求項8】
前記スパッタリング用電極を動作させてスパッタリングによる成膜を行う場合に、前記遮蔽手段が前記第二のポートを遮蔽するようにされた請求項1乃至7のいずれかに記載の真空成膜装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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