説明

真空断熱材及びその製造方法

【課題】 真空断熱材の周縁部を芯材側に向け折り込んで使用するとき、従来の真空断熱材では折り曲げ部に孔が開き、亀裂が生じてガスが浸入し易いというような問題点があることに鑑み、芯材の四辺に沿った芯材に近い側にある周縁部の未溶着部分のほか、芯材の角部周辺に生じるガスバリア性フィルムの折れ曲がり部,折れ重なり部,角隅部を含む未溶着部分を溶着させることにより、折り込んだときフィルムに小さな孔が開き、また角隅部先端に亀裂が生じてもガスの浸入を防止することができ、内部の真空度の低下が起こらない新たな真空断熱材とその製造方法を提供すること。
【解決手段】 熱溶着層を有するガスバリア性フィルム3よりなる袋体Fに芯材2を収納し、内部を減圧状態で密封した真空断熱材1を、その全体又は未溶着部分を常圧下で加熱して前記袋体Fの未溶着部Mを熱溶着したこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周縁に形成されるガスバリア性フィルム同士の積層部分(周縁部)を折り込んで使用する真空断熱材の使用形態を考慮し、周縁部を折り込んだときにフィルムに微小な孔や亀裂が生じても外部からガスが浸入し、内部の真空度が低下して断熱性能が悪化したりすることがなく、また、パイプなどが通っている複雑な形状の箇所にも装着することができる真空断熱材とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
真空断熱材は、ガスバリア性に優れた複合プラスチックラミネートフィルムからなる袋体に、芯材として連続気泡硬質プラスチック発泡体や無機物などを収納し、内部を減圧した後、周縁のガスバリア性フィルム同士の積層部分をヒートシールして製造される。一般に真空断熱材は、外装袋体を通して空気や水分が透過し、或いは内部において二酸化炭素や有機ガスが発生するため、時間の経過とともに真空度は少しずつ低下し、それに応じて熱伝導率が大きくなり高度な断熱性を維持することができないという問題がある。
【0003】
また、真空断熱材は、その周縁にガスバリア性フィルム同士の積層部分があるため、使用時に隙間なく装着するためには周縁部を折り曲げたりする必要がある。例えば、特許文献1には、真空断熱材を箱体の側壁内部に装着すると周縁の積層部分が邪魔になり、端部において隙間が生じてしまうため、この積層部分を容易に折り曲げることができるようにして端部に隙間が生じないようにし、この問題の解決を図っている。
【0004】
しかしながら、真空断熱材周縁の積層部分は、ガスバリア性フィルム同士が密着しているが、図1に示したように、真空断熱材1の周縁部1aにおけるヒートシールされている部分h以外の芯材2に近い側は熱溶着されない未溶着部分Mとなっている。この周縁部1aを図2に示したように折り込んだとき、未溶着部分Mが折り曲げ部の線(以下、折り曲げ線4という)上に位置している場合が多い。そのため、折り込んだときに折り曲げ線4上のフィルムに微小な孔や亀裂が生じたりすると、そこからガスが徐々に浸入し、内部の真空度が低下して断熱性能が悪化し易いという問題があった。更に、図2に示した状態から他の周縁部1aを図3に矢印で示したように折り込むと真空断熱材1の角隅部において周縁部1aと1a'の2度折り込まれる部分に尖鋭な先端(以下、尖鋭部という)が形成されるため、その尖鋭部Tに他の部材が衝突したりすると、亀裂などが生じて上記と同様に断熱性能が悪化し易いという問題があった。
【0005】
上記の問題を解決するために、長方形の板状の芯材を用いて従来の方法により製造した真空断熱材における未溶着部分を調べたところ、未溶着部分Mは、芯材2の四辺に沿った芯材2に近い側にあるほか、芯材2の角部周辺におけるガスバリア性フィルム3a,3bの積層部分の複雑な形状部分と相俟ってあることがわかった。詳細には、図4に示したように真空断熱材1の製造時に袋体Fの内部減圧により芯材2の角部周辺に生じるガスバリア性フィルム3a,3bの積層部分の折れ曲がり部Q,折れ重なり部R、図5に示したような角隅部Sに未溶着部分Mがあることがわかった。これは芯材2より大きめの2枚のガスバリア性フィルム3a,3bを芯材2を挟んで重ね合わせ、周縁のガスバリア性フィルム3a,3b同士を積層するとき、芯材2の角部周辺ではフィルム3a,3bに余剰部分が出てしまい、減圧したときその余剰部分が上記のような複雑な断面形状の積層形態となって現れるからであると推測される。なお、この複雑な断面形状の積層形態は、収納する芯材2の厚みとも関連し、特に芯材2が厚い場合はその角部周辺に大き目の折れ曲がり部Q,折れ重なり部R,角隅部Sが生じ易く、その結果、芯材2が厚い場合は角部周辺に多くの未溶着部分Mがあるものと推測される。
【0006】
また、従来の真空断熱材1では、芯材2の表裏面とガスバリア性フィルム3a,3b内面の熱溶着層とは減圧により密着しているが、溶着まではされていないため、上記のような原因でガスの浸入が起きると芯材2の表裏面とガスバリア性フィルム3a,3bとの間にガスが入り込んで内部の真空度が低下するという問題もあった。
【0007】
更に、別の問題として、従来の真空断熱材には、平面矩形状のものが多いため、例えば,電源線や通信線などを通すためのパイプや鉄骨等が貫いている壁面に装着する場合、パイプ等を避けてその周囲に小型の真空断熱材を多数枚装着するなどして対応していたが、パイプ等の周辺からの熱伝導が大きくなってしまい、また、小型の真空断熱材を多数枚製造するためのコストが掛かりすぎるという問題があった。
【0008】
上記のような問題を解決するため、特許文献2では、熱溶着層を有するガスバリア性の外被材と、板状の芯材とを有し、熱溶着層同士が対向する外被材の間に前記芯材が減圧密封されて成り、外被材の間に芯材がある部分を含めて加熱加圧することにより、対向する熱溶着層同士が芯材形状に沿うように熱溶着された真空断熱材の発明が提案されている。
【0009】
また、特許文献3には、適用する対象物の形状に制限が少なく、用途の広い真空断熱材として、熱溶着層を有するガスバリア性の外被材と、板状の芯材とを有し、前記熱溶着層同士が対向する前記外被材の間に前記芯材が減圧密封され、前記芯材の周囲に前記芯材を間に含まず密着した前記外被材のみから構成される周縁部が形成された真空断熱材であって、前記外装材の間に前記芯材がある部分の前記熱溶着層が溶融して、前記芯材の表面部分と結着しており、周縁部における対向する前記熱溶着層同士が芯材形状に沿うように熱溶着されている真空断熱材の発明が提案されている。
【0010】
更に、特許文献4には、配線、配管、機器等を通せる貫通孔および/またはドアヒンジ固定用部材等を設けることのできる切欠き部を有する真空断熱パネルとして、断熱芯材がガスバリアー性包装材よりなる袋の中に真空排気された状態で封入されてなる真空断熱パネルにおいて、該真空断熱パネルが貫通孔部および/または切欠き部を有し、かつ該貫通孔部および/または切欠き部の内周部に沿ってガスバリアー性包装材同士を融着したシール部が形成されてなる真空断熱パネルで、シール部の内側に、切り抜きまたはスリットが形成されてなる真空断熱パネルの発明が提案されている。
【0011】
上記特許文献2,3において提案されている発明の真空断熱材は、真空断熱材を製造するときの熱溶着において、弾性体で構成された熱板を使用し、外被材の間の芯材の有無を熱板の変形によって吸収することにより、対向する熱溶着層同士を芯材形状に沿うように熱溶着している。しかしながら、このような加熱加圧方法では、弾性体で構成された熱板の変形は、芯材の厚みを考慮すると限度があるため、芯材の四辺に沿ったガスバリア性フィルム(外装材)の積層部分における芯材に近い側に未溶着部分が残り易いという問題があった。また、真空断熱材の大きさに見合う弾性体で構成された熱板を別途用意する必要があるため、製造コストが掛かりすぎるという問題もあった。更に、特許文献2,3において提案されている真空断熱材では、芯材の角部周辺に余剰のガスバリア性フィルムにより生じる当該フィルムの折れ曲がり部,折れ重なり部,角隅部については全く考慮されておらず、これらの部位にある未溶着部分の溶着が十分なされるとはいい難い。特に、弾性体で構成された熱板では、芯材の角部周辺に対し、十分な加熱加圧がなされ難いといった問題があった。
【0012】
また、上記特許文献4において提案されている発明の真空断熱パネルについても、貫通孔部や切欠き部の内周部に沿ってガスバリアー性包装材同士を融着したシール部が形成されているが、ガスバリアー性包装材同士の融着には、熱板が使用されているものと推測される。従って、貫通孔部や切欠き部の内周部に沿ってシールされるとしても、これら貫通孔部や切欠き部に近い側が十分熱溶着されているとはいい難い。また、この特許文献4において提案されている発明においても、芯材の角部周辺に余剰のガスバリア性フィルムにより生じる当該フィルムの折れ曲がり部,折れ重なり部,角隅部については全く考慮されておらず、これらの部位にある未溶着部分の溶着が十分なされているとはいい難い。
【特許文献1】特開2001−295984号公報
【特許文献2】特許第3559035号公報
【特許文献3】特開2004−197954号公報
【特許文献4】特開平8−303686号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、真空断熱材の周縁部を芯材側に向け折り込んで使用するときに、従来の真空断熱材には上記のような問題点があることに鑑み、芯材の四辺に沿った芯材に近い側にある周縁部の未溶着部分のほか、芯材の角部周辺に生じるガスバリア性フィルムの折れ曲がり部,折れ重なり部,角隅部を含む未溶着部分を溶着させることにより、折り込んだときフィルムに小さな孔が開き、また角隅部先端に亀裂が生じてもガスの浸入を防止することができ、内部の真空度の低下が起こらない新たな真空断熱材とその製造方法を提供することを、その課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決することを目的としてなされた本発明真空断熱材の構成は、熱溶着層を有するガスバリア性フィルムよりなる袋体に芯材を収納し、内部を減圧状態で密封した真空断熱材を、その全体又は未溶着部分を常圧下で加熱して前記袋体の未溶着部を熱溶着したことを特徴とするものである。
【0015】
また、上記課題を解決することを目的としてなされた本発明真空断熱材の製造方法の構成は、熱溶着層を有するガスバリア性フィルムよりなる袋体に芯材を収納し、内部を減圧状態で密封した真空断熱材を、その全体又は未溶着部分を常圧下で加熱して前記袋体の未溶着部を熱溶着することを特徴とするものである。
【0016】
本発明は、上記構成において、加熱する未溶着部分は、袋体の内部減圧により芯材の角部周辺に生じるガスバリア性フィルムの折れ曲がり部,折れ重なり部,角隅部のいずれかが含まれた未溶着部であり、加熱する未溶着部分には、真空断熱材の周辺の余剰ガスバリア性フィルムを芯材側へ折り込む際に芯材周辺に生じる折り曲げ部や該折り曲げ部における尖鋭部を含んでいる。また、上記の常圧下での全体又は部分の加熱温度は、熱溶着層の融点より5〜35℃程度高い温度であるのが好ましい。
【0017】
上記の熱溶着層には、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)、未延伸ポリプロピレン(CPP)、延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)のいずれかのプラスチックフィルムを使用することができる。この熱溶着層の厚みは、5〜50μmであるのが好ましい。
【0018】
次に、本発明は、上記構成において、芯材に、貫通孔及び/又は切欠きを有するものを使用することができる。芯材としては、連続気泡硬質プラスチック発泡体、又は、無機物、若しくは、連続気泡硬質プラスチック発泡体と無機物の積層体を使用することができる。
【0019】
また、貫通孔又は切欠きに囲まれた部分のガスバリア性フィルム同士の溶着部に切り込み線、又は、前記貫通孔又は切欠きの内周縁に沿った穴又は切欠きを設けた構成にすることもできる。更に、切り込み線は、貫通孔の中心部から周縁部の外周端にかけて設ける構成にしてもよい。
【0020】
上記の芯材を構成する無機物には、ガラス繊維に有機バインダーを0.5〜1.5wt%塗布して積層、加熱圧縮成形したガラス繊維マットを使用するのが望ましい。なお、芯材にガス吸着剤を埋没させて設けた構成にすることができる。
【0021】
また、上記の芯材を構成する無機物には、ガラス繊維の積層体に有機バインダー等の結合剤を塗布せずにニードルパンチにより圧縮成形したガラス繊維マットを使用することができ、更に、ガラス繊維を水を用いて集綿し、加熱圧縮成形したガラス繊維マットを使用することもできる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、従来方法で製造した真空断熱材の全体又は未溶着部分を熱板などを用いずに常圧下で更に加熱することにより、芯材の四辺に沿った部分にある未溶着部分ほか、袋体の内部減圧により芯材の角部周辺に生じた余剰のガスバリア性フィルムによるフィルムの折れ曲がり部,折れ重なり部,角隅部などにおける未溶着部分を十分溶着させることができるので、特に真空断熱材の周縁部分を芯材側に向け折り込んで使用するときに、折曲線上や角隅部にできる尖鋭部Tに小さな孔や亀裂が生じても、外部からガスが浸入することがなく、内部の真空度が低下することがないという効果が得られる。また、未溶着部分のみを常圧下で部分加熱した場合は、芯材からのガスの発生を抑えることができるのでより効果的である。
【0023】
更に、本発明による真空断熱材は、芯材に貫通孔や切欠き、又は、これらの両方を有するものを使用することができるので、パイプ等が貫通している壁面や複雑な形状の装着部分に対しても容易に装着することができ、断熱性能を向上させることができる。更には、貫通孔や切欠きに囲まれたガスバリア性フィルム同士の溶着部分に切り込み線や穴を設けておくことができ、特に、貫通孔の中心部から真空断熱材の周縁部の外周端にかけて切り込み線を設けた場合は、パイプ等を取り付けた後からでも真空断熱材を装着することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に、本発明の実施の形態例を図に拠り説明する。図1は本発明に用いる従来方法により製造した真空断熱材の平面図、図2は図1に示した真空断熱材の周縁部を芯材側に折り込んだ状態を示す部分拡大側面図、図3は図2に示した真空断熱材の他の周縁部を芯材側に折り込む前の状態を示す部分拡大斜視図、図4は図1に示した真空断熱材の芯材角部周辺を平面側から見た斜視図、図5は図4に示した芯材角部周辺の上面側の部分切開斜視図、図6は全体加熱による本発明真空断熱材の製造方法の一例を示す斜視図、図7は本発明真空断熱材の製造工程の一例を示す平面図、図8は本発明真空断熱材の製造工程の別例を示す平面図、図9は中央部に円形の貫通孔を有する芯材を用いた真空断熱材の一例の平面図、図10は中央部に円形の貫通孔を有する芯材を用いた真空断熱材の別例の平面図、図11は側辺部に切欠きを有する芯材を用いた真空断熱材の一例の平面図、図12は鍵穴状の貫通孔を有する芯材を用いた真空断熱材の一例の平面図、図13は中央部に長方形の貫通孔を有する芯材を用いた真空断熱材の一例の平面図、図14は中央部に長方形の貫通孔を有する芯材を用いた真空断熱材の別例の平面図、図15は平面略L字状の芯材を用いた真空断熱材の一例の平面図、図16は複雑な形状の芯材を用いた真空断熱材の製造工程の一例を示す平面図で、図16(a)は周縁をヒートシールした真空断熱材、図16(b)は真空断熱材の全体を常圧下で加熱した真空断熱材、図16(c)は熱溶着されたガスバリア性フィルムを芯材に沿ってカットした真空断熱材を示している。
【0025】
図1から図4は、上述したように本発明に用いる一例の真空断熱材1を示している。この真空断熱材1は、従来の方法で製造したもので、熱溶着層を有するガスバリア性フィルム3よりなる外装袋体Fに芯材2を収納し、内部を減圧状態にして開口部を密封してなるものである。製造方法としては、芯材2をこれより大き目の2枚のガスバリア性フィルム3a,3bで挟み込み、減圧状態にして周縁のガスバリア性フィルム3a,3b同士の積層部分をヒートシールして製造したものであってもよい。なお、1aは、真空断熱材1の周縁部で、外装袋体Fにおける芯材2を挟み込んでいないガスバリア性フィルム3a,3b同士の積層した部分である。この周縁部1aの幅は、芯材2の厚みとも関連するが、一般に10〜50mm程度、好ましくは10〜30mm程度が望ましい。
【0026】
上記従来の方法で製造した真空断熱材1は、図1により説明したように、周縁部1aのヒートシールされている部分hと芯材2との間は、減圧によりガスバリア性フィルム3a,3b同士は密着しているものの熱溶着されていない。そのため、図2,図3により説明したように周縁部1aをそのまま芯材2側に折り込んだときに問題が生じる。また、図4に示したように、真空断熱材1の製造時に芯材2の角部周辺に生じるガスバリア性フィルム3a,3bの積層部分の折れ曲がり部Q,折れ重なり部R、図5に示したような角隅部Sに未溶着部分Mがある。
【0027】
本発明は、上記の従来の方法で製造した真空断熱材1をベースにその全体又は未溶着部分を常圧下で加熱して外装袋体Fの外周辺、即ち、真空断熱材1の周縁部1aにある未溶着部を熱溶着することにより製造される。全体の加熱は、ここでは真空断熱材1を図6に示したような乾燥器5に入れて行っている。全体加熱により図7に示したように芯材2の四辺に沿った芯材2に近い側は勿論、芯材2の角部周辺における折れ曲がり部Qや折れ重なり部R、角隅部Sにある未溶着部分Mをすべてを溶着Hさせることができる。また、全体加熱により芯材2の表面とガスバリア性フィルム3aの熱溶着層、裏面とガスバリア性フィルム3bの熱溶着層をそれぞれ溶着させることができる。
【0028】
次に、未溶着部分Mの常圧下での部分加熱は、主に芯材2の角部周辺の折れ曲がり部Qや折れ重なり部R、角隅部Sに対し、図8に示したように熱風送風器6により熱風を送ることにより、これらにある未溶着部分Mを溶着させる。なお、当然、芯材2の四辺に沿った芯材2に近い側にある未溶着部分Mを溶着させることもできる。この部分加熱は、全体加熱と比較し、加熱により芯材2から出るガスの発生を最小限にすることができるので、真空断熱材1の内部を高真空に維持することができる。
【0029】
ガスバリア性フィルム3の詳細な構成、熱溶着層の部材などについては後に説明するが、例えば、熱溶着層のプラスチックフィルムが高密度ポリエチレン(HDPE)、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE),未延伸ポリプロピレン(CPP)の場合、HDPEの密度は0.93〜0.95,融点は120〜130℃、LLDPE の密度は0.91〜0.93,融点は100〜110℃、CPP の密度は0.90前後,融点は130〜170℃であるので、これらHDPE,LLDPE,CPPの熱溶着層の融点より5〜35℃程度高い温度で加熱する。因みに、熱溶着層のプラスチックフィルムがHDPEの場合の接着(溶着)強度を加熱温度を変えて測定したところ下記の表1の通りであった。なお、測定には、測定器としてオートグラフ・AGS-H・1KN(島津製作所)を使用し、クロスヘッドスピードを300mm/minの条件で、熱溶着層の厚み50μmのものについて行った。
【0030】
【表1】

【0031】
上記の真空断熱材1では、芯材2に平面長方形の板状のものを使用してるが、後述するように貫通孔や切欠きを有する芯材を使用することができる。また、芯材2の外形も長方形に限られず、平面形状が正方形や台形,六角形,円形,楕円形等の芯材を使用することができる。
【0032】
次に、外装袋体Fを形成するガスバリア性フィルム3の構成について説明すると、ガスバリア性フィルム3は複合プラスチックラミネートフィルムにより形成されており、熱融着層と金属箔と他のプラスチックフィルムを積層した構成のものである。金属箔としては、アルミニウム箔やスチール箔,ステンレス箔,銅箔等を使用することができる。また、金属箔の代わりに金属や無機物の蒸着フィルムを使用しプラスチックフィルムと積層したフィルムを使用することもできる。
【0033】
複合プラスチックラミネートフィルムの一例として、ポリエチレンテレフタレートフィルム/ナイロンフィルム/アルミ箔/ポリエチレンフィルムの4層構造のラミネートフィルムが挙げられるが、これ以外に、ポリエチレンテレフタレートフィルム/アルミ箔/高密度ポリエチレンフィルムの3層構造のラミネートフィルムもあり、これらのフィルムを袋体Fに形成するときは、ポリエチレンフィルムが袋体Fの内側になるように構成される。上記のラミネートフィルムのアルミ箔をアルミ蒸着フィルムに代えたものも勿論、使用することができる。なお、熱溶着層のポリエチレン(PE)フィルムには、上述したHDPE,LLDPEのほか、低密度ポリエチレン(LDPE)のいずれかのフィルムを選択して使用することができ、更に、PE以外に、上述したCPPのほか、延伸ポリプロピレン(OPP),ポリ塩化ビニリデン(PVDC),ポリ塩化ビニル(PVC),エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA),エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)のいずれかのプラスチックフィルムを使用することもできる。熱溶着層の厚みは、本発明では5〜50μmであるのが好ましい。
【0034】
次に、芯材2の構成について説明すると、芯材2には、連続気泡硬質プラスチック発泡体、又は、無機物、若しくは、連続気泡硬質プラスチック発泡体と無機物の積層体などを使用することができる。無機物には、ガラス繊維に有機バインダーを0.5〜1.5wt%塗布して積層、加熱圧縮成形したガラス繊維マットを使用することができる。なお、連続気泡硬質プラスチック発泡体には、従来の真空断熱材で使用されているものを使用することができる。また、図示しないが、芯材2にはガス吸着剤を埋没させて経時的に芯材2から発生するアウトガスまたは、ヒートシール部等から浸入するガスを吸収する構成にしてもよい。
【0035】
また、真空断熱材1の芯材2を構成する無機物には、ガラス繊維の積層体に有機バインダー等の結合剤を塗布せずにニードルパンチにより圧縮成形したガラス繊維マットを使用することができる。更に、ガラス繊維を水を用いて集綿し、加熱圧縮成形したガラス繊維マットを使用することもできる。
【0036】
次に、芯材には、貫通孔や切欠きを有するもの、或は、貫通孔と切欠きの両方を有するものを使用することができる。これらは壁面に配線用などに使用されるパイプ等が通っている場合があり、そのような壁面に対しても装着することができる真空断熱材にするためである。また、切欠きは、例えば支柱などの構造部材の一部が壁面に食い込むように入り込んでいる場合に対応するためである。
【0037】
図9は、真空断熱材7の中心部に円形の穴7bが形成されているものの一例で、8はこれに見合う貫通孔を有する芯材である。なお、7aは真空断熱材7の熱溶着された周縁部、7cは円形の穴7bを囲むガスバリア性フィルム3a,3b同士の溶着した積層部分である。
【0038】
図10は、真空断熱材9の中心部にガスバリア性フィルム3a,3b同士が溶着し凹んだ積層部分9cが形成されている構成の一例である。この真空断熱材9の芯材10は、図7に示したものと同様、中心部に貫通孔を有している。上記の凹んだ積層部分9cの中心部に十字形に切り込み線Kが設けられている。この切り込み線Kは、装着する壁面に通っているパイプの外径に対応してその切込み幅を調整する。なお、9aは真空断熱材9の熱溶着された周縁部である。
【0039】
図11は、真空断熱材11の側辺に円弧状の切欠き11bが形成されているものの一例で、12はこれに見合う形状の切欠きを有する芯材である。11cは、切欠き11bの周縁のガスバリア性フィルム3a,3b同士が溶着した部分である。
【0040】
図12は、真空断熱材13の中心部にガスバリア性フィルム3a,3b同士が溶着し鍵穴状に凹んだ積層部分13cが形成されている構成の一例で、この真空断熱材13の芯材14は、鍵穴状の貫通孔を有している。上記の凹んだ積層部分13cには貫通孔の中心部に十字状の切り込み線Kとこの切り込み線Kから周縁部13aの外周端にかけて延びた切り込み線Kが設けられている。この真空断熱材13は、既にパイプ等が配管されている壁面に対し、外周端から切り込み線Kを貫通孔の中心部まで切り、その切り開いたところにパイプ等を入れパイプ等を挟み込むようにして壁面に装着することができる。
【0041】
図13は、真空断熱材15の中心部にガスバリア性フィルム3a,3b同士が溶着し長方形に凹んだ積層部分15cが形成されている構成の一例である。この真空断熱材15の芯材16は、長方形の貫通孔を有している。上記の凹んだ積層部分15cには切り込み線Kが設けられていて、装着する壁面に通っているパイプの数や外径に対応してその切り込み線Kにおける切込み位置や大きさを調整することができる。なお、15aは真空断熱材15の熱溶着された周縁部である。
【0042】
図14は、真空断熱材17の中心部に3個の貫通穴17bが、ガスバリア性フィルム3a,3b同士が溶着し長方形に凹んだ積層部分17cに形成されている構成の一例である。この真空断熱材17の芯材18は、図11のものと同様に長方形の貫通孔を有している。なお、17aは真空断熱材17の熱溶着された周縁部である。
【0043】
図15は、平面略L字状で、内側角部に溝状の切欠き19bが形成されている真空断熱材19の一例である。真空断熱材19の芯材20は、平面略L字状で内側角部に略円形乃至円弧状の切欠き20aを有している。この真空断熱材19は、芯材20を3方が熱溶着されたガスバリア性フィルム3a,3bで構成された袋体に入れ、内部を真空引きしながら密封して形成した真空断熱材を、更にその全体を常圧下で加熱して上下のガスバリア性フィルム3a,3b同士の未溶着部分を熱溶着して製造される。溝状の切欠き19bは、この全体加熱により熱溶着された芯材20の切欠き20aに囲まれたガスバリア性フィルム3a,3b同士の積層部分の一部を切り込んで形成されている。このようにしたのは、平面略L字状の真空断熱材の場合、内側角部に溝状の切欠き19bがないと、周縁部を折り込むとき、内側角部のところが畳めないため、折り込めないからである。なお、19aは真空断熱材19の熱溶着された周縁部である。
【0044】
次に、図16により複雑な形状の芯材を用いた真空断熱材21の製造工程の一例を説明する。図16(a)は、丸みを帯びた形状の芯材22を3方が熱溶着されたガスバリア性フィルム3a,3bで構成された袋体Fに入れ、内部を真空引きしながら密封して形成した真空断熱材21を示している。通常、ヒートシールされている部分hは直線であるため、芯材22の形状に沿って形成することが困難で、芯材が単純な四角形の場合のように、周縁部に残るガスバリア性フィルム3を芯材上部に折り畳むことができない。図16(b)は、図16(a)の真空断熱材21の全体を更に常圧下で加熱して上下のガスバリア性フィルム3a,3b同士の未溶着部分を熱溶着Hした状態のものを示している。図16(c)は、図16(b)の真空断熱材21を芯材22の周縁部に上下ガスバリア性フィルムが熱溶着Hされた部分を一定の幅で残して、その他の部分をカットして製造した真空断熱材23を示している。
【0045】
図9から図16に例示したもの以外に、芯材の貫通孔又は切欠きは、平面形状が、三角形,四角形,六角形,八角形などの多角形、又は、星形、若しくは、異形の円形,異形の多角形などであってもよく、また、貫通孔と切欠きの両方を有する芯材を使用してもよい。
【実施例】
【0046】
次に、12×300×400mmの大きさで、有機バインダー1.2wt%塗布して積層,加熱圧縮成形したガラス繊維マットからなる芯材で貫通孔を有するものと有しないものを用意し、それぞれアルミ箔複合プラスチックラミネートフィルムを用いて製造した370×500mmの大きさの外装袋体にガス吸着剤を入れないで収納した後、内部を真空引きして開口部をヒートシールして製造した真空断熱材を図6に示した乾燥器内に入れ、その全体を130℃の雰囲気下で5分間放置し、周縁部、貫通孔周辺における未溶着部分、及び、フィルムと芯材の表裏面における密着部を熱溶着させて本発明の真空断熱材をそれぞれ製造した。なお、貫通孔の直径は10mmにした。
【0047】
〔性能試験〕
上記の芯材に貫通孔を有するものと有しないものを、加速温度70℃×dry、70℃×95%RHの条件で、熱伝導率を製造直後から最長152日に亘り測定する性能試験を、全体加熱を行わなかったものと比較して行った。熱伝導率の測定には、熱伝測定機HC-074・300(英弘精機製)を使用した。結果は下記の表2の通りである。
【0048】
【表2】

【0049】
〔評価〕
表2から明らかなように、未溶着部分の熱溶着を行わなかったものと比較し、全体加熱により未溶着部分の熱溶着を行った本発明の真空断熱材の熱伝導率は、貫通穴を有するものも有しないものも、ともに熱伝導率の低下は少なかった。この傾向は、条件が70℃×
dryの場合も、70℃×95%RHの場合も同様であった。なお、貫通穴を有しないものの方が、有するものと比較し、熱伝導率の低下は少なかった。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、真空断熱材の周縁部を芯材側に向け折り込んで使用するときに生じる問題点、即ち、従来の真空断熱材では、ガスバリア性フィルム同士の未溶着部分が芯材の四辺に沿った所や角隅部周辺にある状態でそれらの未溶着部分を一緒に折り込んで使用していたため、フィルムに小さな孔が開き、また角隅部先端に亀裂が生じてガスが浸入し内部の真空度が低下し易いといった問題を、未溶着部分を予め溶着させることにより、周縁部を折り込んだときこのような問題が起こらないようにしたので、長期間の使用に耐え得る優れた真空断熱材といえる。また、本発明は、従来の方法で製造した真空断熱材にそのまま適用することができるので、あまりコストを掛けずに断熱性能が優れた真空断熱材を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に用いる従来方法により製造した真空断熱材の平面図。
【図2】図1に示した真空断熱材の周縁部を芯材側に折り込んだ状態を示す部分拡大側面図。
【図3】図2に示した真空断熱材の他の周縁部を芯材側に折り込む前の状態を示す部分拡大斜視図。
【図4】図1に示した真空断熱材の芯材角部周辺を平面側から見た斜視図。
【図5】図4に示した芯材角部周辺の上面側の部分切開斜視図。
【図6】全体加熱による本発明真空断熱材の製造方法の一例を示す斜視図。
【図7】本発明真空断熱材の製造工程の一例を示す平面図。
【図8】本発明真空断熱材の製造工程の別例を示す平面図。
【図9】中央部に円形の貫通孔を有する芯材を用いた真空断熱材の一例の平面図。
【図10】中央部に円形の貫通孔を有する芯材を用いた真空断熱材の別例の平面図。
【図11】側辺部に切欠きを有する芯材を用いた真空断熱材の一例の平面図。
【図12】鍵穴状の貫通孔を有する芯材を用いた真空断熱材の一例の平面図。
【図13】中央部に長方形の貫通孔を有する芯材を用いた真空断熱材の一例の平面図。
【図14】中央部に長方形の貫通孔を有する芯材を用いた真空断熱材の別例の平面図。
【図15】平面略L字状の芯材を用いた真空断熱材の一例の平面図。
【図16】図16は複雑な形状の芯材を用いた真空断熱材の製造工程の一例を示す平面図で、図16(a)は周縁をヒートシールした真空断熱材、図16(b)は真空断熱材の全体を常圧下で加熱した真空断熱材、図16(c)は熱溶着されたガスバリア性フィルムを芯材に沿ってカットした真空断熱材を示している。
【符号の説明】
【0052】
1,7,9,11,13,15,17,19,21,23 真空断熱材
3 ガスバリア性フィルム
4 折り曲げ線
2,8,10,12,14,16,18,20,22 芯材
5 乾燥器
6 熱風送風器
F 外装袋体
h ヒートシールされている部分
H 熱溶着された部分
M 未溶着部分
Q 折れ曲がり部
R 折れ重なり部
S 角隅部
T 尖鋭部
K 切り込み線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱溶着層を有するガスバリア性フィルムよりなる袋体に芯材を収納し、内部を減圧状態で密封した真空断熱材を、その全体又は未溶着部分を常圧下で加熱して前記袋体の未溶着部を熱溶着したことを特徴とする真空断熱材。
【請求項2】
加熱する未溶着部分は、袋体の内部減圧により芯材の角部周辺に生じるガスバリア性フィルムの折れ曲がり部,折れ重なり部,角隅部のいずれかが含まれた未溶着部である請求項1の真空断熱材。
【請求項3】
加熱する未溶着部分には、真空断熱材の周辺の余剰ガスバリア性フィルムを芯材側へ折り込む際に芯材周辺に生じる折り曲げ部や該折り曲げ部における尖鋭部を含む請求項2の真空断熱材。
【請求項4】
常圧下での全体又は部分の加熱温度は、熱溶着層の融点より5〜35℃程度高い温度である請求項1〜3のいずれかの真空断熱材。
【請求項5】
熱溶着層は、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)、未延伸ポリプロピレン(CPP)、延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)のいずれかのプラスチックフィルムである請求項1〜4のいずれかの真空断熱材。
【請求項6】
熱溶着層の厚みは、5〜50μmである請求項1〜5のいずれかの真空断熱材。
【請求項7】
芯材は、貫通孔及び/又は切欠きを有する請求項1〜6のいずれかの真空断熱材。
【請求項8】
芯材は、連続気泡硬質プラスチック発泡体、又は、無機物、若しくは、連続気泡硬質プラスチック発泡体と無機物の積層体である請求項1〜7のいずれかの真空断熱材。
【請求項9】
貫通孔又は切欠きに囲まれた部分のガスバリア性フィルム同士の溶着部に切り込み線、又は、前記貫通孔又は切欠きの内周縁に沿った穴又は切欠きを設けた請求項7又は8の真空断熱材。
【請求項10】
切り込み線は、貫通孔の中心部から周縁部の外周端にかけて設けた請求項9の真空断熱材。
【請求項11】
真空断熱材の芯材を構成する無機物は、ガラス繊維に有機バインダーを0.5〜1.5wt%塗布して積層、加熱圧縮成形したガラス繊維マットである請求項1〜10のいずれかの真空断熱材。
【請求項12】
芯材にはガス吸着剤を埋没させて設けた請求項1〜11のいずれかの真空断熱材。
【請求項13】
真空断熱材の芯材を構成する無機物は、ガラス繊維の積層体に有機バインダー等の結合剤を塗布せずにニードルパンチにより圧縮成形したガラス繊維マットである請求項1〜10のいずれかの真空断熱材。
【請求項14】
真空断熱材の芯材を構成する無機物は、ガラス繊維を水を用いて集綿し、加熱圧縮成形したガラス繊維マットである請求項1〜10の真空断熱材。
【請求項15】
熱溶着層を有するガスバリア性フィルムよりなる袋体に芯材を収納し、内部を減圧状態で密封した真空断熱材を、その全体又は未溶着部分を常圧下で加熱して前記袋体の未溶着部を熱溶着することを特徴とする真空断熱材の製造方法。
【請求項16】
加熱する未溶着部分は、袋体の内部減圧により芯材の角部周辺に生じるガスバリア性フィルムの折れ曲がり部,折れ重なり部,角隅部のいずれかが含まれた未溶着部である請求項15の製造方法。
【請求項17】
加熱する未溶着部分には、真空断熱材の周辺の余剰ガスバリア性フィルムを芯材側へ折り込む際に芯材周辺に生じる折り曲げ部や該折り曲げ部における尖鋭部を含む請求項16の製造方法。
【請求項18】
常圧下での全体又は部分の加熱温度は、熱溶着層の融点より5〜35℃程度高い温度である請求項15〜17のいずれかの製造方法。
【請求項19】
芯材は、貫通孔及び/又は切欠きを有する請求項15〜18のいずれかの製造方法。
【請求項20】
芯材は、連続気泡硬質プラスチック発泡体、又は、無機物、若しくは、連続気泡硬質プラスチック発泡体と無機物の積層体である請求項15〜19のいずれかの製造方法。
【請求項21】
貫通孔又は切欠きに囲まれた部分のガスバリア性フィルム同士の溶着部に切り込み線、又は、前記貫通孔又は切欠きの内周縁に沿った穴又は切欠きを設ける請求項19又は20の製造方法。
【請求項22】
切り込み線は、貫通孔の中心部から周縁部の外周端にかけて設ける請求項21の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−155135(P2007−155135A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−11532(P2007−11532)
【出願日】平成19年1月22日(2007.1.22)
【分割の表示】特願2006−64045(P2006−64045)の分割
【原出願日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(000004374)日清紡績株式会社 (370)
【Fターム(参考)】