説明

真空用2軸ステージ

【課題】真空容器内に設置する駆動用モータ、潤滑油や樹脂製ベルトなどから発生するアウトガスによって真空度が悪化するため分析精度が低下する。またピニオンとラック間のバックラッシュによって位置決め精度が悪化し、ピニオンやベルトの使用によりテーブル移動の分解能が低下する。
【解決手段】Y軸方向に移動可能なスプライン軸受14を使用することにより、Yモータ2とともにXモータ7を真空容器30の外に設置することができる。また、直交する2軸間のトルクおよび回転運動の伝達機構として、ラック&ピニオンの代わりに、非接触でバックラッシュのない磁気カップリング24を使用することにより、位置決め精度が改良される。さらにラック&ピニオンやベルトに代えてX送りねじ10を使用することにより分解能が改善される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、質量分析装置等に使用される真空用2軸ステージ(XYステージ)に関する。
【背景技術】
【0002】
質量分析装置は、複数のサンプルを真空容器内のステージ上に載置し、各サンプルにイオン生成のためのレーザーや電子ビームなどを照射して化合物等のサンプルをイオン化し、質量スペクトルから化合物を分析する装置である。質量分析装置では、通常、サンプルをステージごと移動させる2軸ステージ装置が用いられる。これにより、サンプルを適宜、レーザーや電子ビームの照射位置に移動させることができる。
【0003】
図3に一般的な2軸ステージの構成を示す。2軸ステージ装置は、Yステージ69の上にXステージ68が直交して重ねられた構造を有する。Y軸ステージ69は、ベース31と、ベース31に固定されたY方向ガイド36、Y送りねじ35およびYモータ32と、Yガイド方向36に沿ってY軸方向に移動可能なYテーブル34と、Yテーブル34に固定されたY送りねじ用ナット64と、Y送りねじ35とYモータ32を結合するY継手33から構成されている。
【0004】
Xステージ68は、Xベース58と、Xベース58に固定されたX方向ガイド57、X送りねじ56およびXモータ37と、X方向ガイド57に沿ってX軸方向に移動可能なXテーブル39と、Xテーブル39に固定されたX送りねじ用ナット59と、X送りねじ56とXモータ37を結合するX継手38から構成されている。また、Xステージ68は、Y軸ステージ69のYテーブル34に固定されている。
【0005】
Xモータ37およびYモータ32の回転運動は、それぞれX送りねじ56、X送りねじ用ナット59、およびY送りねじ35、Y送りねじ用ナット64を介して、X軸方向およびY軸方向への直線運動に変換され、Xテーブル39及びYテーブル34をそれぞれの軸方向に移動させる。また、Yテーブル34に固定されたXステージ68は、Y方向に移動するYテーブル34と一体にY方向に移動する。
【0006】
2軸ステージ装置を真空用として用いる場合、真空用モータを使用して2軸ステージ装置全体を真空容器内に収納する方法がある。また、図4に示すとおり、Yテーブル74と一体に移動するXステージ80のXモータを真空モータ71に変更して、Yモータ72以外のステージ部分は真空容器73内に収納する方法がある。図4に示す2軸ステージ装置も、Yステージ81の上にXステージ80が直交して重ねられた構造であり、取付台77に固定されたYモータ72は、真空容器73に固定されたY軸回転導入器76を挟んでY継手75およびYモータ継手78によってYステージ81のY送りねじ79に連結されている。
【0007】
また、特許文献1には、XモータおよびYモータを真空容器の外部に設置し、それ以外のステージ部分を真空容器内に収納する2軸ステージ装置が開示されている。特許文献1では、前記図4において説明した、Yテーブルと一体に移動するXモータも真空容器外に設置するために、真空容器内にXYステージ駆動装置を固定し、その上にXYステージを載置する方法を採用している。このため部品数は増加し、装置全体も大きくならざるを得ない。また、この2軸ステージ装置では、ほぼ箱形に形成された真空チャンバの直交する2つの側面部にそれぞれモータが1個ずつ固定されているため設置面積が大きくなる。
【0008】
図5に、特許文献2に開示されている2軸ステージ装置の構成を示す。図5(a)に平面図、図5(b)に下側面図(A矢視図)、図5(c)にスプライン軸受54周辺の縦断面図(B矢視図)を示す。
図5に示す2軸ステージ装置は、X方向に移動可能なXステージ100と、前記Xステージを載置するとともに、X方向と直交するY方向に移動可能なYステージ200と、前記Xステージ100およびYステージ200をそれぞれX方向及びY方向に移動させるXステージ移動手段およびYステージ移動手段から構成されている。
【0009】
前記Xステージ移動手段は、Y方向を回転中心として回転運動を行うXモータ47と、Y方向に延び、Xモータ47の回転軸とX継手48によって連結されたボールスプライン軸63と、ボールスプライン軸63に沿って移動可能であるととともに、ボールスプライン軸63の回転運動およびトルクを伝達するスプライン軸受54と、スプライン軸受54に固定されたピニオン53と、Xステージ100上のX軸方向に移動可能なXテーブル49と、Xテーブル49の下面に固定されたラック52から構成されている。したがって、Xモータ47の回転運動は、ボールスプライン軸63、スプライン軸受54、ピニオン53の順に伝達され、ピニオン53とかみ合ったラック52によってXテーブル49がX軸方向に移動する。
【0010】
前記Yステージ移動手段は、Y方向を回転中心として回転運動を行うYモータ42と、Yモータ42の回転軸とY継手43によって連結されたYモータ42の回転運動を前記Yステージ200のY方向への直線運動に変換するY送りねじ45およびY送りねじナット44から構成されている。
【0011】
図5(c)にスプライン軸受54周辺の縦断面図を示す。スプライン軸受54は、スプラインナット65、サポートベアリング66、フランジ67から成り、これらが一体化した構造を有する。スプラインナット65は、ボールスプライン軸63に設けられた溝をボールが転がることでY軸方向に移動可能であるとともに、ボールスプライン軸63の回転に伴ってY軸方向を回転中心として回転することができる。一方、フランジ67はXステージ100を載置するYテーブル55に固定されており、このフランジ67とスプラインナット65の間にはサポートベアリング66が組み込まれているため、スプラインナット65が回転してもフランジ67は回転することはない。
【0012】
また、特許文献2には変形例として、X軸回転−直線運動変換機構としてベルト&プーリ構造(図示せず)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2006−177421号公報
【特許文献2】特開2011−2389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、真空用モータを使用したとしても、モータを真空中に設置することにより、モータ配線やモータ内部から発生するアウトガスが、真空装置の真空度を悪化させ分析精度を低下させる。また真空中のモータの発熱は発散されにくいため、アウトガスの発生をさらに助長し、またモータの劣化を早める。さらに、ステージの構造体を熱膨張により変形させるためステージの位置決め精度を悪化させる。
【0015】
また、特許文献2に開示されたステージでは、ラック&ピニオン構造に必要である潤滑材やベルト&プーリ構造に使用される樹脂等の材料から発生するアウトガスが、真空装置の真空度を悪化させ分析精度を低下させる。さらに、ラック&ピニオン構造に存在するバックラッシュのため位置決め精度を悪化させる。
【0016】
さらに、ピニオン53やプーリ(図示せず)の外径は構造的に軸径より大きくなるため、軸1回転あたりの直線移動距離が回転−直線運動変換機構としてよく使用されるボールネジより1桁以上悪化し、分解能を低下させる。一例として、シャフト1回転あたりの動作距離は、直径10mmのピニオンや直径10mmのプーリにおいては31.4mm/回転であるのに対し、直径8mmのボールネジにおいては2mm/回転である。
【0017】
モータを真空中で使用することに付随する問題を解決するため、モータを真空容器の外部に設置するとともに、2個のモータを一体化して取り付けることによる装置の小型化と調整の容易化が課題である。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するために成された本発明に係る真空用2軸ステージ装置は、
被移動物を載置すると共に、第1方向に移動可能な第1テーブルと、該第1テーブルを載置すると共に、前記第1方向と直交する第2方向に移動可能な第2テーブルと、前記第1テーブル及び第2テーブルをそれぞれ第1方向及び第2方向に移動させる第1テーブル移動手段及び第2テーブル移動手段と、を備える2軸ステージ装置において、
前記第1テーブル移動手段が、前記第2方向を回転中心として回転運動を行う第1駆動源と、前記第2方向に延び、前記第1駆動源の回転軸と連結されたスプライン軸と、前記スプライン軸に沿って移動可能であると共に、前記スプライン軸の回転トルクを伝達するスプライン軸受と、前記スプライン軸受から伝達された回転トルクを前記第1方向を回転中心とする回転トルクに変換する磁気カップリングと,前記第1方向を回転中心とする回転トルクを前記第1テーブルの前記第1方向への直線運動に変換する第1回転−直線変換機構と,を有し,
前記第2テーブル移動手段が、前記第2方向を回転中心として回転運動を行う第2駆動源と、前記第2駆動源の回転運動を前記第2テーブルの前記第2方向への直線運動に変換する第2回転−直線変換機構と、を有し,
前記第1駆動源および第2駆動源を除く2軸ステージ部分を収納する真空容器と,を有することを特徴とする。
理解を容易とするために、本発明を真空用XYステージとして記載すると、
X方向に移動可能なXステージと、前記Xステージを載置するとともに、X方向と直交するY方向に移動可能なYステージと、前記XステージおよびYステージをそれぞれX方向及びY方向に移動させるXステージ移動手段およびYステージ移動手段と、を備えるXYステージにおいて、
前記Xステージ移動手段が、Y方向を回転中心として回転運動を行うX駆動源と、Y方向に延び、前記X駆動源の回転軸と連結されたスプライン軸と、前記スプライン軸に沿って移動可能であるととともに、前記スプライン軸のトルクを伝達するスプライン軸受と、前記スプライン軸受から伝達された回転運動およびトルクを、X方向を回転中心とするトルクに変換する磁気カップリングと、その回転運動を前記XステージのX方向への直線運動に変換するX回転−直線変換機構と、を有し、
前記Yステージ移動手段が、Y方向を回転中心として回転運動を行うY駆動源と、前記Y駆動源の回転運動を前記YステージのY方向への直線運動に変換するY回転−直線変換機構と、を有し、前記X駆動源およびY駆動源を除くXYステージ部分を収納する真空容器と、を有することを特徴とする。
【0019】
また本発明は、駆動側リングおよび従動側リングによって構成されている前記磁気カップリングにおいて、前記スプライン軸受に固定された駆動側リングと前記Xステージの駆動軸に固定された従動側リングの間のギャップ調整により、前記駆動側リングおよび従動側リングの2軸間の最大伝達トルクを設定できるようにすることができる。
【0020】
さらに本発明は、前記X駆動源およびY駆動源が、一体化されたものが好適である。
【0021】
上記のとおり、本発明は、モータ等のアウトガスの発生源を極力排除した構成にするものである。また、ラック&ピニオン構造やベルト&プーリ構造などの機械的な回転−直線運動変換機構に代えて、磁気的な力を利用して直交する2軸間のトルクおよび回転運動の伝達機構を採用するものである。
【発明の効果】
【0022】
非接触でバックラッシュのない磁気カップリングを使用し、またモータを真空容器の外に設置することにより、モータや潤滑材、ベルトに使用される樹脂等の材料から発生するアウトガスをなくして真空度の悪化による分析精度の低下を防ぎ、さらにバックラッシュによる位置決め精度の悪化を防止することができる。
【0023】
また、磁気カップリングは過負荷に対して空転してトルクリミットの役割を果たすので、構造的に過負荷対策を講じることなく、スプライン軸などのトルク伝達部品の過負荷による破損を防止することができる。さらに,磁気カップリングは,駆動リングと従動リングの角度が直角から2〜3度のずれがあっても駆動力やトルクリミットに対してほとんど影響が出ないため,組み立てでは厳密な角度調整作業を省略することができる。
【0024】
X軸およびY軸のステージとして市販の調整済みの1軸ステージである直線ガイドアクチュエータ等を使用することにより小型化と調整の容易化を図ることができる。
またX駆動源,Y駆動源が近くにあることで,冷却が必要な際には1つの冷却装置(ファンなど)で容易に実施可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明による実施例である真空用XYステージの構成の概要を示す。図1(a)に平面図、図1(b)に下側面図(A矢視図)、図1(c)にスプライン軸受14周辺の縦断面図(B矢視図)を示す。
【図2】本発明による実施例である真空用XYステージの磁気カップリング部分の構成の詳細を示す。
【図3】一般的な2軸ステージ装置の構成の概要を示す。
【図4】従来例としてYモータのみ真空容器の外部に設置し、それ以外のステージ部分はX軸真空用モータを含めて真空容器内に収納した場合の構成の概要を示す。
【図5】従来例として特許文献2に開示された2軸ステージ装置の構成の概要を示す。図5(a)に平面図、図5(b)に下側面図(A矢視図)、図5(c)にスプライン軸受54周辺の縦断面図(B矢視図)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1に本発明による実施例である真空用XYステージの構成の概要を示す。図1(a)に平面図、図1(b)に下側面図(A矢視図)、図1(c)にスプライン軸受14周辺の縦断面図(B矢視図)を示す。
図1に示す真空用XYステージは、X方向に移動可能なXステージ28と、前記Xステージ28を載置するとともに、X方向と直交するY方向に移動可能なYステージ29と、前記Xステージ28およびYステージ29をそれぞれX方向及びY方向に移動させるXステージ移動手段およびYステージ移動手段から構成されている。そしてそれらの主要部分が真空容器30の中に収納されている。ここで真空容器30は質量分析装置等の容器の一部を表している。
【0027】
前記Xステージ移動手段は、Y方向を回転中心として回転運動を行うXモータ7と、Y方向に延び、真空容器30を挟んでXモータ7の回転軸とXモータ継手17、X軸回転導入器19およびX継手8によって連結されたボールスプライン軸23と、ボールスプライン軸23に沿って移動可能であるととともに、ボールスプライン軸23のトルクを伝達するスプライン軸受14と、前記スプライン軸受14に固定された磁気カップリング24の駆動側リング12と、前記Xステージ28のX送りねじ10に固定された磁気カップリング24の従動側リング13と、から構成されている。
【0028】
磁気カップリング24の構成および取り付けの詳細を図2に示す。磁気カップリング24の駆動側リング12および従動側リング13は、それぞれ45°の着磁ラインに沿って着磁され、微小なすき間を持たせて図2に示すとおり軸が直交する状態に配置される。駆動側リング12が回転すると45°の着磁ラインに沿って従動側リング13が最大の吸引力が働く箇所追随し、その動きに連れてトルクと回転運動が伝達される。それはスパイラルギヤの歯のかみ合いによるトルクと回転運動の伝達に相当する。しかし、歯車との相違点は、非接触駆動であることから、低発塵、低振動、潤滑不要であり、磁気吸引力による駆動であることから、バックラッシュが無く、駆動軸の角度変換に許容度(通常2〜3度)があり、かつ磁気吸引力以上の過大なトルクがかかると滑りが発生するトルクリミッター機能をも有することである。なお、図2に示す符号は図1の同符号のものと同一である。
【0029】
前記Yステージ移動手段は、Y方向を回転中心として回転運動を行うYモータ2と、真空容器30を挟んでYモータ2の回転軸とYモータ継手16、Y軸回転導入器18およびY継手3によって連結されたYステージ29のY送りねじ5およびY送りねじ用ナット4から構成されている。
【0030】
図1(c)にスプライン軸受14周辺の縦断面図を示す。スプライン軸受14は、スプラインナット25、サポートベアリング26、フランジ27から成り、これらが一体化した構造を有する。スプラインナット25は、ボールスプライン軸23に設けられた溝をボールが転がることでY軸方向に移動可能であるとともに、ボールスプライン軸23の回転に伴ってY軸方向を回転中心として回転することができる。一方、フランジ27はYテーブル15に固定されており、このフランジ27とスプラインナット25の間にはサポートベアリング26が組み込まれているため、スプラインナット25が回転してもフランジ27は回転することはない。
【0031】
上記のとおり、スプライン軸受14のフランジ27がYテーブル15に固定されているため、Y送りねじ用ナット4の移動に伴って、Y送りねじ用ナット4の上に載置されたYテーブル15と該Yテーブル15に固定されたスプライン軸受14が、ボールスプライン軸23に沿ってY方向に移動する。
【0032】
一方、スプラインナット25には磁気カップリング24の駆動側リング12が固定されており、Xテーブル9には前記駆動側リング12のトルクおよび回転運動が伝達される磁気カップリング24の従動側リング13がYテーブル15のX送りねじ10に固定されているため、ボールスプライン軸23の回転によって、Xテーブル9がXステージ28上をX方向に移動する。上記の構成により、Xステージ28がY軸のどの位置にあっても、ボールスプライン軸23およびXモータ7の位置を固定したまま、Xテーブル9をX方向に移動させることができる。
【0033】
また、Xモータ7およびYモータ2は、図1(a)に示すとおり真空容器30の一側面に並列に取り付けられる。したがって、Xモータ7およびYモータ2は、例えば取付ベース20の如き構造物で一体化することが容易である。さらに、磁気カップリング24は、駆動側リング12と従動側リング13のギャップの調整により最大伝達トルクを設定できるので、設定した最大伝達トルク以上の過負荷に対して空転し、スプライン軸などのトルク伝達部品の過負荷による破損を防止することができる。なお、駆動側リング12と従動側リング13のギャップの調整については、ボールスプライン軸23またはXステージ28を上下方向の位置変更が可能な構成にしておくことにより、前記ギャップを調整することができる。
【0034】
真空用XYステージを構成するXステージ28およびYステージ29の基本的構成は同一であり、Xステージ28は、ベース41に固定されたX方向ガイド11、X送りねじ10、X送りねじ用ナット22から構成され、Yステージ29は、ベース1に固定されたY方向ガイド6、Y送りねじ5、Y送りねじ用ナット4から構成されている。本実施例ではXステージ28およびYステージ29に、市販の調整済みの1軸ステージである直線ガイドアクチュエータを使用することにより小型化と調整の容易化を図っている。

【符号の説明】
【0035】
1、31、41 ベース
2、32、42、72 Yモータ
3、33、43、75 Y継手
4、44、64 Y送りねじ用ナット
5、35、45、79 Y送りねじ
6、36 Y方向ガイド
7、37、47 Xモータ
8、38、48 X継手
9、39、49 Xテーブル
10、56 X送りねじ
11、57 X方向ガイド
12 駆動側リング
13 従動側リング
14、54 スプライン軸受
15、34、55、74 Yテーブル
16、78 Yモータ継手
17 Xモータ継手
18、76 Y軸回転導入器
19 X軸回転導入器
20、77 取付ベース
22、59 X送りねじ用ナット
23、63 ボールスプライン軸
24 磁気カップリング
25、65 スプラインナット
26、66 サポートベアリング
27、67 フランジ
28、68、80、100 Xステージ
29、69、81、200 Yステージ
30、73 真空容器
52 ラック
53 ピニオン
58 Xベース
71 真空モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被移動物を載置すると共に、第1方向に移動可能な第1テーブルと、該第1テーブルを載置すると共に、前記第1方向と直交する第2方向に移動可能な第2テーブルと、前記第1テーブル及び第2テーブルをそれぞれ第1方向及び第2方向に移動させる第1テーブル移動手段及び第2テーブル移動手段と、を備える2軸ステージ装置において、
前記第1テーブル移動手段が、前記第2方向を回転中心として回転運動を行う第1駆動源と、前記第2方向に延び、前記第1駆動源の回転軸と連結されたスプライン軸と、前記スプライン軸に沿って移動可能であると共に、前記スプライン軸の回転トルクを伝達するスプライン軸受と、前記スプライン軸受から伝達された回転トルクを前記第1方向を回転中心とする回転トルクに変換する磁気カップリングと,前記第1方向を回転中心とする回転トルクを前記第1テーブルの前記第1方向への直線運動に変換する第1回転−直線変換機構と,を有し,
前記第2テーブル移動手段が、前記第2方向を回転中心として回転運動を行う第2駆動源と、前記第2駆動源の回転運動を前記第2テーブルの前記第2方向への直線運動に変換する第2回転−直線変換機構と、を有し,
前記第1駆動源および第2駆動源を除く2軸ステージ部分を収納する真空容器と,を有することを特徴とする真空用2軸ステージ装置。

【請求項2】
駆動側リングおよび従動側リングによって構成されている前記磁気カップリングにおいて、前記スプライン軸受に固定された駆動側リングと前記第1テーブルの駆動軸に固定された従動側リングの間のギャップ調整により、前記駆動側リングおよび従動側リングの2軸間の最大伝達トルクを設定できる機能を有することを特徴とする請求項1に記載の真空用2軸ステージ装置。

【請求項3】
前記第1駆動源および第2駆動源が、一体化されたことを特徴とする請求項1または2に記載の真空用2軸ステージ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−219992(P2012−219992A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89655(P2011−89655)
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】