説明

真空金属蒸着方法およびその真空金属蒸着装置

【課題】均一な蒸着層を容易に形成することができる真空金属蒸着方法およびその真空金属蒸着方法を実施するための真空金属蒸着装置を提供する。
【解決手段】高耐熱性金属支持体および高耐熱性金網が重ね合わされ蒸着金属材料がそれらの間に保持されている蒸着用ボートを用いて、該蒸着用ボートの高耐熱性金網側を下方に向けて該蒸着用ボートを蒸着用真空容器の上部に配設すると共に、該蒸着用ボートの下面側である高耐熱性金網側と被蒸着体の上面側である被蒸着面側とを対面させて該蒸着用真空容器の下部に被蒸着体を配置し、次いで、電気抵抗により該蒸着用ボートにおける高耐熱性金属支持体を発熱させることにより該蒸着用ボートに保持されている蒸着用金属材料をその沸点以上まで加熱して溶融状態となして真空状態で高耐熱性金網の目から被蒸着体に向かって蒸発・拡散させ、前記の被蒸着体の被蒸着面側に蒸着用金属材料を短時間で蒸着させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、金、銀、白金、ニッケル、アルミニウム、銅等の金属を含む金属などが真空蒸着に好適に使用される真空金属蒸着方法、および、その真空金属蒸着方法を実施することができる真空金属蒸着装置、並びに、前記の真空金属蒸着方法に用いる蒸着用ボートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のCVD(Chemical Vapor Deposition)法が、様々な物質の金属薄膜を形成する蒸着法の一つとして知られており、そのCVD法では石英などでできた反応管内で加熱した基盤物質上に、目的とする金属薄膜の成分を含む原料ガスを供給し、基盤表面あるいは気相での化学反応により膜を堆積する方法が知られていた。
【0003】
しかし、このCVD法は、極めて複雑な装置が必要であり、しかも、化学反応を伴い、その薄膜形成の条件設定が極めて困難であり、金属薄膜層の厚さを精緻に調整することが困難であるという問題点があり、これに代わる簡便な金属薄膜の形成方法が期待されていた。
【0004】
近年、家電製品やIT製品の普及や、都市部を中心とした電力需要の増加によって、電力エネルギーの安定した輸送技術や、輸送コストの低減が要求されている。
【0005】
例えば、電力エネルギーを輸送する電力ケーブルの絶縁材料としては、低密度ポリエチレン(LDPE)の絶縁材料が広く用いられている。
【0006】
このような絶縁材料の高性能化を図るには、絶縁材料中の電界発光現象の観察が重要になり、電界発光現象の観察には、一般的に、3端子電極系の測定試料(高電圧電極、測定電極およびガード電極を有する)が用いられる。3端子電極系の測定試料は、蒸着マスクを介して絶縁材料のフィルム等に蒸着金属を真空蒸着することによって作製される。従って、電界発光現象を効率よく観察するためには、真空蒸着によって作製される電極系となる蒸着金属薄層の膜厚を、光が通過する程度に調整する必要がある。
【0007】
従来の真空蒸着方法としては、蒸着金属を蒸着用真空容器(以下、『ベルジャともいう』の内部で昇華または蒸発させ、種々の絶縁材料に真空下で蒸着させる方法が知られている(特許文献1〜3参照)。
【0008】
特に、特許文献2には、前記の公知の真空蒸着方法が代表的な例が開示されている。図8には従来公知の真空金属蒸着装置が例示されている。例えば、公知の真空金属蒸着装置では、蒸着用ボート12が蒸着用真空容器11の下部における支持機構に配置されており、その蒸着用ボート12には蒸着金属材料14が載置されており、一方、被蒸着体14が、その蒸着用ボートに対面して蒸着用真空容器の上部における支持機構に固定されていて、蒸着金属が蒸着用真空容器の下部から上部に向かって蒸発して、被蒸着体14の表面に薄層状態で蒸着されるのである。
【0009】
【特許文献1】特開平7−126838号公報
【特許文献2】特開平9−95770号公報
【特許文献3】特開平11−246963号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記の公知の真空蒸着方法においては、種々の問題があった。
【0011】
例えば、前記の公知の真空蒸着方法では、被蒸着体を配置する箇所が真空蒸着容器の上部であるために、被蒸着体と蒸着マスク等とを組み合わせて一体にしたものを、真空蒸着容器の上部に配設する場合に、被蒸着体の表面(被蒸着面)を水平に維持して、それらを支持したり、一体に固定したりする手段(支持機構など)がかなり複雑となったり、また、位置を定める手段や、何らかの理由で必要な治具がいくつか必要であったりして、それらの配設が極めて複雑で困難となるという問題点があった。
【0012】
公知の真空蒸着方法では、一般的に蒸着金属が溶融している状態で内部に保有されている蒸着用ボート(皿状の蒸着用ボートなど)が用いられていて、真空蒸着容器の下部に配置するようになっており、蒸着金属の蒸発、拡散などによって、安定に被蒸着体の表面に蒸着させて均一な厚さの金属蒸着層を形成することが極めて困難であるという問題点が本来的にあり、そのような問題を解決するために種々の方法が提案されていたが、必ずしも満足できるものではなかった。
【0013】
さらに、公知の真空蒸着方法では、真空蒸着を行なう時間が比較的長くなって、被蒸着体が熱的な変形、劣化することが多いという問題があり、真空蒸着の時間をできるだけ短縮することが期待されていた。
【0014】
従って、本発明は、前述のような公知の真空蒸着方法における種々の問題点を解消して、均一な蒸着層を容易に形成することができる真空金属蒸着方法およびその真空金属蒸着方法を実施するための真空金属蒸着装置を提供することが主な目的である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1の真空金属蒸着方法は、高耐熱性金属支持体および高耐熱性金網が重ね合わされ蒸着金属材料がそれらの間に保持されている蒸着用ボートを用いて、該蒸着用ボートの高耐熱性金網側を下方に向けて該蒸着用ボートを蒸着用真空容器の上部に配設すると共に、該蒸着用ボートの高耐熱性金網側(下面)と被蒸着体の被蒸着面(上面)とを対面させて該蒸着用真空容器の下部に被蒸着体を配置し、次いで、電気抵抗により該蒸着用ボートにおける高耐熱性金属支持体を発熱させることにより該蒸着用ボートに保持されている蒸着用金属材料をその沸点以上まで加熱して溶融状態となして真空状態で高耐熱性金網の目から被蒸着体に向かって蒸発・拡散させ、前記の被蒸着体の被蒸着面(上面)に蒸着用金属材料を短時間で蒸着させることを特徴とする真空金属蒸着方法に関する発明である。
【0016】
請求項13の真空金属蒸着装置は、蒸着用真空容器が、真空ポンプと接続されている排気口と連結されて、該蒸着用真空容器の内部を真空状態にすることができるように排気が可能となっており、
高耐熱性金属支持体および高耐熱性金網が重ね合わされ蒸着金属材料がその間に保持されている蒸着用ボートをその高耐熱性金網側を下方に向けて該蒸着用真空容器の上部に設置することができる蒸着用ボートの第1支持機構を備えており、
被蒸着体がその被蒸着面を上方に向けられ、前記の蒸着用ボートの金属製網側と対面するように該蒸着用真空容器の下部に配置されるように、被蒸着体を支持する被蒸着体の第2支持機構を備えていて、
さらに、前記の蒸着用ボートの第1支持機構には、蒸着金属材料を沸点以上の高温にまで加熱するために蒸着用ボートを形成している高耐熱性金属支持体に電気を供給する手段が設けられていることを特徴とする真空金属蒸着用装置に関する発明である。
【0017】
請求項17の蒸着用ボートは、高耐熱性金属支持体および高耐熱性金網が重ね合わされ、蒸着金属材料がそれらの間に保持されていることを特徴とする蒸着用ボートに関する発明である。なお、従来、真空引きには所望の真空度に合わせて、大気圧から0.01Pa程度の真空度は油回転ポンプ、0.01〜0.0001Pa程度の真空度は油拡散ポンプが採用されており本願発明では、かかる従来の真空引きは、いずれも採用可能である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の真空蒸着方法によれば、新しい形式の蒸着用ボートを用いることができ、その蒸着用ボートを蒸着用真空容器の上部に配設すれば、被蒸着体を蒸着用真空容器の下部に容易に配置することができるので、被蒸着体と各種の蒸着マスクとをかなり複雑に組み合わせたものであっても、本発明の真空蒸着容器内の下部に容易に配置することができ、真空金属蒸着方法を容易に実施することができる。
【0019】
また、前記の新形式の蒸着用ボートを用いることによって、蒸着用金属材料が脱落することを防止しており、しかも、蒸着用金属材料が被蒸着体に向かって均一に拡散する効果を有すると共に、かなり少量の蒸着金属材料を溶融状態で確実に保持することができるので、蒸着用ボートを形成している特定の高耐熱性金属支持体に通電することによって短時間(約3〜20秒、とりわけ5〜15秒の範囲)で、蒸着金属材料を融点まで加熱し、次いで沸点まで加熱し、さらに当該蒸着金属材料を蒸発させて真空金属蒸着を行なうことができ(ただし、この真空蒸着を行なう時間は、例えば、約5〜10秒間であることが好ましい)、その結果、被蒸着体がたとえ有機系のものであったとしても熱的な劣化、変形を生じることなく、蒸着金属材料を安定的に蒸発させて、被蒸着体の表面に均質な蒸着膜を容易に形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を用いて詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の真空金属蒸着方法を実施するために用いられる真空蒸着装置1について記載されており、そして、図2と図3には、本発明の真空金属蒸着方法において用いられる蒸着用ボートの例が示されている。
【0022】
本発明の真空金属蒸着方法では、図2および図3に示すように、高耐熱性金属支持体9と高耐熱性金網10とを重ね合わせてその間に蒸着金属材料4が保持されているものが蒸着用ボ−トとして用いられるのである。
【0023】
この蒸着用ボートは、図1に示されているように、例えば、蒸着用ボートホルダー2と支柱3から構成される第1支持機構によって、蒸着用真空容器の上部に固定されているのである。
【0024】
高耐熱性金属支持体9および高耐熱性金網10は、モリブデン、タンタル、タングステン、白金、またはニッケルを主として含有する金属で形成されていることが好ましく、蒸着金属が金、銀などの高い沸点の貴金属である場合には、モリブデン、タングステンなどの高融点金属で形成されることがとりわけ好ましい。
【0025】
すなわち、高耐熱性金属支持体9および高耐熱性金網10は、いずれも蒸着用金属材料の沸点よりも高い軟化温度(融点)を有している金属で形成されていることが短時間で高温にまで加熱するために望ましい。
【0026】
本発明の真空金属蒸着方法においては、蒸着用金属材料として金、銀、アルミニウム、ビスマス、または銅を用いることができ、さらに、透明電極のような材料を用いることもできる。
【0027】
本発明では、特に、金、銀を真空金属蒸着する場合に適当である。
【0028】
本発明の真空金属蒸着方法においては、例えば、蒸着用金属材料が金(沸点:3100K)である場合には、高耐熱性金属支持体および高耐熱性金網がタングステン(融点:3700K)で形成されている蒸着用ボートであることが適当であり、また、蒸着用金属材料が銀(沸点:2435K)である場合には、高耐熱性金属支持体および高耐熱性金網がモリブデン(融点:2896K)で形成されている蒸着用ボートであることが好ましい。
【0029】
高耐熱性金属支持体は、板状、シート状または箔状である高耐熱性金属支持体であればよいが、特に、箔状の高耐熱性金属支持体であることが短時間(数秒以内)で、蒸着金属材料の融点である高温に達することができるような発熱をさせるために好ましい。
【0030】
高耐熱性金属支持体9は、蒸着用ボートを加熱するための機能を有していることが好ましく、例えば、その断面積が大きいと、高耐熱性金属支持体9の発熱に要する電流値を大きくすることが必要となり、蒸着用ボートを短時間で高温にすることが難しくなる。
【0031】
このため、蒸着用ボートとしては、幅2〜15mm×長さ20〜40mm×厚さ0.01〜0.1mm、とりわけ、幅2〜10mm×長さ20〜30mm×厚さ0.02〜0.08mmである金属箔(例えば、タングステン、モリブデンなどの高い融点の金属箔)が高耐熱性金属支持体9として用いられることが、蒸着用ボートの強度が保たれ、しかも、蒸着用ボート自体の発熱量を高くするために好ましい。
【0032】
高耐熱性金属支持体は、電気抵抗が0.005〜0.01Ω、とりわけ好ましくは0.02Ωである金属で形成されていて、約20〜30アンペア(直流)、とりわけ好ましくは20アンペア(直流)の電流を通電することによって蒸着金属材料の融点より高い温度に短時間で加熱することができることが好ましい。
【0033】
高耐熱性金属支持体9は、図2(d)に示されているように、蒸着金属4の蒸気が蒸着用真空容器1の上方に拡散することを防止し、蒸着要真空容器の下方に主として拡散させて、被蒸着体の表面に蒸着薄層を形成する機能も有している。また、高耐熱性金属支持体9は、蒸着金属4を確実に保持するために要する程度の幅(好ましくは10〜30mm、とりわけ好ましくは20〜25mm)とすればよい。
【0034】
本発明の真空金属蒸着方法において用いる蒸着用ボートにおける高耐熱性金網は、その網目のサイズが60〜150メッシュ、とりわけ80〜130メッシュの範囲であることが、蒸着金属材料が真空蒸着の操作中の溶融状態においても確実に保持されるので好ましく、90〜120メッシュ程度の高耐熱性金網であることが最適である。
【0035】
図2(a)〜(d)に示す高耐熱性金網10は、蒸着金属材料4の粒子サイズなどにもよるが、100メッシュ程度の目の細かいものであれば、網がほつれにくく、蒸着用ボートを蒸着用ボート用ホルダ2への装着することも容易になる。
【0036】
例えば、金の蒸着に用いるタングステンは、銀の蒸着に用いるモリブデンに比べて硬く、このような硬い金属(タングステン)の金網(金属メッシュともいう)は、特に「線が細く」、「網目が細かい」ものの方が好適である。
【0037】
図2(b)に示されているように、本発明の真空金属蒸着方法では、高耐熱性金属支持体9および高耐熱性金網10を重ね合わせたままで適当な保持具(例えば、蒸着用ボートホルダ2)で一体にして、その間に蒸着金属材料4を挟み込んで保持して、蒸着用真空容器の上部に固定して、蒸着用ボートとして用いることが好ましい。
【0038】
図3の(a)および(b)には、本発明の金属蒸着方法において、蒸着用ボートが一部異なっているものを示している。図3の(a)は、本発明の蒸着用ボートの他の例の断面を拡大して示しており、図3の(b)は、図3の(a)の蒸着用ボートの高耐熱性金網側から見た平面図である。
【0039】
この実施形態では、図3に示されているように、シートまたは箔状の高耐熱性金属支持体9および高耐熱性金網10が重ね合わされており、その間に蒸着金属材料4を保持してその溶融温度まで真空状態で加熱して溶融し、蒸着金属材料が溶融して薄膜高耐熱性金網の目の中にまで充填されて保持されているものであり、図2に示した蒸着用ボートとは、蒸着金属材料が実質的に粒状となって保持されている点において異なっている。
【0040】
すなわち、本発明の真空金属蒸着方法において用いる蒸着用ボートは、図2(b)に示されているように、高耐熱性金属支持体9および高耐熱性金網10の間に蒸着金属材料が挟み込まれて保持されているものだけでなく、この状態で蒸着金属材料の融点以上に加熱して、図3に示されているように、蒸着金属材料が高耐熱性金属支持体と高耐熱性金網との間に薄層を形成して保持されているだけでなく、高耐熱性金網の目の中にまで溶融して充填されているものを蒸着用ボートとして予め用意して、本発明の真空金属蒸着方法に用いることもできる。その場合には、真空金属蒸着の際に、蒸着金属材料を融点まで加熱して溶融させ高耐熱性金網の目に充填されるまで温度を融点付近に一旦維持し、さらに、蒸着金属材料をその沸点まで加熱して蒸発させるという2段階の加熱を行なわず、蒸着用ボートを連続的に加熱させ蒸着金属材料を一気に沸点まで加熱してその蒸発を行なわせることができるので、被蒸着体が高温での熱履歴を受ける時間をより短時間とすることができる。
【0041】
なお、本発明の真空金属蒸着方法において、蒸着用真空容器を真空状態に維持して、次いで、蒸着用ボートを蒸着金属材料の融点以上に加熱し、さらに、蒸着金属材料の沸点以上に加熱して、その沸点以上の温度で、例えば、ポリエチレンなどの高分子ポリマー製のフィルムからなる被蒸着体に対する真空金属蒸着を、2〜15秒間、とりわけ好ましくは5〜10秒間程度(もっとも好ましくは5秒間程度)で行なうことが、高分子ポリマー製のフィルムなどの有機系ポリマーからなる被蒸着体の熱履歴による悪影響を最小限にするために好ましい。
【0042】
本発明の真空金属蒸着方法では、蒸着用真空容器内において蒸着用ボートと被蒸着体とが対面している間隔が、約6〜20cm、とりわけ好ましくは10〜15cm(蒸着層が30〜200nm程度あるかなり薄層である場合には、11〜14cm程度)の範囲であり、被蒸着体の蒸着表面に形成される蒸着金属の薄層が、20〜500nm、とりわけ30〜200nmの範囲の厚さに調整することができるので好適である。
【0043】
本発明の真空金属蒸着方法では、被蒸着体として、ポリエチレン、低密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリスチレン、エチレン−スチレン共重合体などの熱可塑性ポリマー、ポリアミド、ポリイミド、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエステル(PET)などの縮合系ポリマーなどの有機材料から成形されたシートまたはフィルムなどの有機材料を用いることができる。
【0044】
被蒸着体としては、上記の有機系材料のほかの形状の有機材料を用いることができ、さらに、板状、シート状、箔状の種々の金属材料、またはセラミック材料などの無機系材料を用いることも可能である。
【0045】
本発明の真空金属蒸着方法において、真空状態は、真空度が1×10-4〜1×10-3Pa、とりわけ2×10-4〜8×10-4Paであることが、蒸着金属材料が高温下で酸化されて劣化することを防止したり、被蒸着体が酸化により劣化されないために好ましい。
【0046】
以上、本発明の真空金属蒸着方法では、新方式の蒸着用ボートを用いているので、高耐熱性金網(金属メッシュ)の微細な目を通して蒸着金属材料の蒸気が被蒸着体6に向かって均一に拡散し、その結果、被蒸着体の表面に蒸着金属の薄膜を再現性よく形成できるため、蒸着金属材料4を被蒸着体6の蒸着表面6aに均一に蒸着させることができ、蒸着薄膜の膜厚を調整することも容易に可能である。
【0047】
本発明の真空金属蒸着装置としては、図1に示すように、蒸着用真空容器(ベルジャ)1内の下部に試料台5が第2支持機構として設けられており、当該試料台5上には、試料台5からベルジャ1内の上方に延びる2本の支柱3と、該2本の支柱3の上部に設けられた蒸着用ボートホルダー2とから構成された第1支持機構を備えている。
【0048】
蒸着用ボートホルダー2は、例えば、幅5mm×厚さ0.05mm×長さ30mm程度の蒸着用ボートを固定するものである。また、蒸着用ボートホルダー2は、高耐熱性金属や高耐熱性セラミックが用いられる。
【0049】
前記の蒸着用ボートは、すでに説明したように、高耐熱性金属支持体9と高耐熱性金網10とを重ね合わせてその間に蒸着金属材料4が保持されているものである(図1、図2および図3を参照)。
【0050】
前記の蒸着金属材料4が金(Au:沸点3100K)である場合にはタングステン製の金網(W:融点3700K)を用い、また、蒸着金属材料4が銀(Ag:沸点2400K)の場合にはモリブデン製の金網(Mo:融点2900K)が用いることが望ましい。
【0051】
ベルジャ1の下部に配設される試料台5上には、被蒸着体6(例えば、縦60mm×横180mmのLDPEフィルム)を挟持する複数の上部マスク板7a(例えば、縦60mm×横30mmの上部マスク板7a)および下部保護板7b(例えば、縦60mm×横180mm)が組み合わされて重ね合わされている。
【0052】
図1では、蒸着用ボートの高耐熱性金属支持体9を高速で高温に加熱し、蒸着金属材料4を溶融させ、さらに、高真空下で、蒸着金属材料4の沸点まで加熱して、蒸発させ、被蒸着体の表面に短時間で蒸着を行なう。
【0053】
上記の金属蒸着の際に、蒸着用ボートを形成している高耐熱性支持体9は、電源から蒸着用ボートホルダー2(電流が流れた際において、蒸着用ボートホルダー2の発熱量が前述の高耐熱性金属支持体9の発熱量の1/100以下であることが好ましい)を経由して供給される電流によって蒸着用ボート部分のみが高速に加速されるということが、蒸着用金属材料が短時間(4〜5秒程度、とりわけ5秒間程度が好ましい)で蒸着金属材料の沸点という高温にまで効率的に加熱されるので好ましい。
【0054】
本発明においては、その他の加熱手段(例えば、電熱ヒーター、誘導加熱など)で加熱されてもよい。
【0055】
本発明においては、図1に示すように、高真空下で蒸着用ボートを加熱して、蒸着金属材料4を蒸発させ、被蒸着体6の露出表面に金属薄膜(図示せず)を形成するのである。
【0056】
真空金属蒸着の際には、真空ポンプ(図示されず)を用いてベルジャ1に連通した排気管EPを介してベルジャ1内部を排気する(図1の参照符号V参照)。そしてベルジャ1内部の真空度(Pa)が10-4オーダーであることが好ましく、特に、その真空度が1×10-4〜1×10-3Pa、とりわけ2×10-4〜8×10-4Paの範囲であることが、蒸着金属材料4の高温加熱時における酸化、劣化を極力抑えるためとベルジャ1内部の気体分子を少なくして、効率的に蒸着金属材料4を蒸発・拡散させ、被蒸着体の蒸着表面へ到達させるために好ましい。
【0057】
本発明の真空金属蒸着方法において、被蒸着体に対して蒸着マスクを併用する場合には、蒸着用真空容器の下部に設けた第1支持機構の上に該被蒸着体を載置することができるので、特殊な蒸着マスクでも被蒸着体と共に配置させることが容易であるという利点がある。
【0058】
これは、従来公知の真空金属蒸着方法において、被蒸着体を金属蒸着真空容器の上部に配置し、しかも蒸着マスクを被蒸着体と併用する場合には、被蒸着体と蒸着マスクとをしっかりと固定することが必要となり、そのために、それらの設置に極めて煩雑で困難な作業を伴うという問題があり、また、被蒸着体と複数の蒸着マスクとを組み合わせて複雑な形状の真空蒸着を行なう場合には、その被蒸着体の一部が蒸着マスクで影になって、真空蒸着操作を1回で済ませることが困難となる場合が生じるという問題点もあった。その結果、複数回の真空金属蒸着を行なうことになると、被蒸着体が有機系材料である場合に、複数回にわたる有機系の被蒸着体(例えば、樹脂フィルム)の加熱によって、特に被蒸着体が「撓む」または「しわができる」などの問題が生じていた。
【0059】
本発明の真空蒸着方法においては、蒸着用真空容器の下部に被蒸着体を置くことによって、蒸着マスクと被蒸着体とを一体に固定する必要がなく、一度の金属蒸着で被蒸着体に良好な金属薄膜を形成可能となるという利点がある。
【0060】
図4〜図7は、金属薄膜として3端子電極系(高電圧電極、測定電極およびガード電極)を形成する方法を例示している。図4(a)、(b)に示すように、被蒸着体6(例えば、縦60mm×横180mmのLDPEフィルム)が、上部プレート7aおよび下部プレート7bによって試料台5上で挟持される。
【0061】
図4に示すように、被蒸着体6は、最初に、上部マスク板7a、下部マスク板7b、蒸着マスク用リング7cおよび治具7dと組み合わされており、そして、上部マスク板7aおよび蒸着マスク用リング7cが用いられおり、直径40mmの円形の貫通孔7eなどによって、例えば、被蒸着体6の蒸着表面6aが、それぞれ3つ露出しており、下部マスク板7bは同様に円形状に開口した貫通孔7fによって被蒸着体6の表面がそれぞれ3つずつ露出している。
【0062】
蒸着マスク用リング7cは、例えば、内径26mm、外径28mm、高さ1mmを有し、被蒸着体6の表面6aに測定電極8aおよびガード電極8bを形成するためのガードリングである。また、治具7dは、蒸着マスク用リング7cの位置決めに使用される。
【0063】
図5(a)、(b)に示すように、表面6aへの蒸着は、治具7dを取り外した状態で行なわれる。図6(a)、(b)は、表面6a、上部マスク板7aおよび蒸着マスク用リング7cに、金または銀の金属薄膜8が形成された状態を示している。
【0064】
図7(a)、(b)は、表面6aから上部マスク板7aおよび蒸着マスク用リング7cを取り外した状態を示している。図のように、蒸着マスクで密閉されなかった表面6aに、測定電極8aおよびガード電極8bが形成される。
【0065】
なお、被蒸着体6の裏面6bには、被蒸着体6を反転させた状態で、下部プレート7bのみを用いて高電圧電極が形成される。このため、貫通孔7e、7fの位置は、ガード電極8bの端部と高電圧電極の端部がずれないように予め決められる。
【0066】
以上、本発明の真空金属蒸着装置では、ベルジャ1の下部に被蒸着体6を置くことで、蒸着マスクを被蒸着体6に同時に固定する必要がない。
【0067】
さらに、一度の蒸着で被蒸着体6に金属薄膜8を形成できるため、従来例に比して蒸着時間を短縮できる。また、被蒸着体6の撓みを防止でき、被蒸着体6にしわができることを防止できる。
【0068】
さらに、金属薄膜8の厚さが厚くなることを防止できるため、金属薄膜8の厚さを被蒸着体6の内部で生じる「電界発光」の観測に適した厚さ(例えば、1cmの間隔でプローブをおき、測定した場合の電気抵抗値20〜200(Ω)に対応する金属蒸着薄膜の厚さ)に設定できる。
【0069】
さらに、ベルジャ1の下部に被蒸着体6を配置できるため、被蒸着体6と蒸着用のマスク板7とを組み合わせて固定する際に、磁石や粘着テープを用いる必要がない。
【0070】
以上、本発明について詳細に説明してきたが、上記の実施形態およびその変形例は発明の一例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。本発明を逸脱しない範囲で変形可能であることは明らかである。
【実施例】
【0071】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
【0072】
真空蒸着の条件を真空度:6×10-4(Pa)、支持体から試料台までの距離:13.0(cm)、蒸着金属量:金を3粒(20〜50mg(1粒あたり7〜16mg))とし、また、被蒸着体としては、低密度ポリエチレンフィルムを用い、以下の5パターンの蒸着用ボートの形状について、その性能を金属薄膜の抵抗値で評価した(表1参照)。なお、表1に示す基準は、2回の真空引きと蒸着によって得られる抵抗値測定モニターの抵抗値である。
【0073】
比較例1
従来型の蒸着用ボートに屋根型の覆いをした形状
【0074】
比較例2
同じ幅の二枚の平板の間に蒸着金属を挟む形状
【0075】
比較例3
違う幅の二枚の平板の間に蒸着金属を挟む形状
【0076】
実施例1
タングステン製平板に、目の粗いタングステン製金網(60メッシュ)を巻き、その間に金3粒からなる蒸着金属材料を挟み込む形状の蒸着用ボートを用いる。なお、その蒸着用ボートの抵抗値が0.02Ω程度であり、その蒸着用ボートを3130K以上に約20アンペアの電流(直流)を通電して、約10秒以内に金の沸点以上になるまで、蒸着金属を加熱して、真空金属蒸着を行なった。
【0077】
実施例2
同じ幅のタングステン製箔と目の細かいタングステン製金網(100メッシュ)を重ね合わせて固定し、その間に金3粒からなる蒸着金属材料を挟み込む形状を用いる。その蒸着用ボートに約20アンペアの電流を通電して、約10秒以内に金の沸点以上(3130K以上)になるまで、蒸着金属材料を加熱して、真空金属蒸着を行なった。
【0078】
【表1】

【0079】
表1に示すように、比較例1、2では、試料に膜が形成されず、抵抗値は測定範囲を超えていた。原因として比較例1では蒸着時に覆い部分の落下があり、蒸着終了時にはベルジャ内の蒸着用ボートの上方向に金属粒子の付着が多く見られた。比較例2でも、蒸着用ボートの横方向に金属粒子の付着が多く見られたことから共に下方への金属粒子の拡散が少なかったことが考えられる。
【0080】
比較例3では、二枚の平板の下の幅を小さくし、蒸着金属を蒸着用ボートの外部にはみ出させることにより下方への拡散を図ったが、金属は気化する前に液化することから表面張力が働き、抵抗値は現れたものの比較例2と同様の理由で、基準よりはるかに大きい抵抗値となった。
【0081】
実施例1、2では、蒸着金属を固定する蒸着用ボートとして金網を用いている。これは平板より軟らかく加工しやすい点、また数多くの格子状の隙間を利用することで効率よい金属粒子の下方への拡散の実現のために採用した。表1に示すように、この2種類の蒸着用ボートから得られた抵抗値は電界発光観測を可能とする範囲内(1cmあたり20〜200(Ω))に収まった。また、フィルム上に形成された金属薄膜もきれいに形成されていることを確認できた。この手法が成功した理由として、蒸着金属が融点温度近くになり液体状になると、毛細管現象や表面張力により、金網の隙間に広がり均一に拡散することが考えられる。
【0082】
また、比較例2での問題点を平板の代わりに金網を用いることにより解決した実施例2では、良好な試料を形成でき、かつ、蒸着回数1回で理想的な金属薄膜が形成されることが確認できた。より細かい金網を使用することで、蒸着金属の落下防止だけでなく、セッティングも容易になり、フィルム上に形成される蒸着膜も均一であった。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の真空金属蒸着方法を実施するための真空金属蒸着装置の一例を示している。
【図2】本発明の真空金属蒸着方法に用いる蒸着用ボートの一例を示している。
【図3】本発明の真空金属蒸着方法に用いる蒸着用ボートの他の例を示している。
【図4】金属薄膜として3端子電極系を形成する方法を示している。
【図5】金属薄膜として3端子電極系を形成する方法を示している。
【図6】金属薄膜として3端子電極系を形成する方法を示している。
【図7】金属薄膜として3端子電極系を形成する方法を示している。
【図8】従来の真空金属蒸着方法に用いる公知の真空金属蒸着装置を示している。
【符号の説明】
【0084】
1 ベルジャ(蒸着用真空容器)
2 蒸着用ボートホルダー
3 支柱
4 蒸着金属材料
5 試料台
6 被蒸着体
6a 表面
6b 裏面
7 マスク板
7a 上部マスク板
7b 下部マスク板
7c 蒸着マスク用リング
7d 治具
7e、7f 貫通孔
8 金属薄膜
8a 測定電極
8b ガード電極
9 高耐熱性金属支持体
10 高耐熱性金網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高耐熱性金属支持体および高耐熱性金網が重ね合わされ蒸着金属材料がそれらの間に保持されている蒸着用ボートを用いて、該蒸着用ボートの高耐熱性金網側を下方に向けて該蒸着用ボートを蒸着用真空容器の上部に配設すると共に、該蒸着用ボートの下面側である高耐熱性金網側と被蒸着体の上面側である被蒸着面側とを対面させて該蒸着用真空容器の下部に被蒸着体を配置し、次いで、電気抵抗により該蒸着用ボートにおける高耐熱性金属支持体を発熱させることにより該蒸着用ボートに保持されている蒸着用金属材料をその沸点以上まで加熱して溶融状態となして真空状態で高耐熱性金網の目から被蒸着体に向かって蒸発・拡散させ、前記の被蒸着体の被蒸着面側に蒸着用金属材料を短時間で蒸着させることを特徴とする真空金属蒸着方法。
【請求項2】
高耐熱性金属支持体および高耐熱性金網が、モリブデン、タンタル、タングステン、白金、またはニッケルを主として含有する金属で形成されている請求項1記載の真空金属蒸着方法。
【請求項3】
高耐熱性金属支持体は、電気抵抗が0.005〜0.005Ωであって、4〜5Wの発熱を生じるものである請求項1記載の真空金属蒸着方法。
【請求項4】
前記高耐熱性金属支持体が、板状、シート状または箔状の高耐熱性金属支持体である請求項1記載の真空金属蒸着方法。
【請求項5】
前記高耐熱性金網は、その網目のサイズが60〜150メッシュの範囲である請求項1記載の真空金属蒸着方法。
【請求項6】
前記蒸着用金属材料が、金、銀、白金、アルミニウム、ビスマス、または銅である請求項1記載の真空金属蒸着方法。
【請求項7】
前記高耐熱性金属支持体および高耐熱性金網は、いずれも蒸着用金属材料の沸点よりも高い軟化温度を有している金属で形成されている請求項1記載の真空金属蒸着方法。
【請求項8】
前記蒸着用金属材料が金である場合には、高耐熱性金属支持体および高耐熱性金網がタングステンで形成されている請求項7記載の真空金属蒸着方法。
【請求項9】
前記被蒸着体は、ポリエチレン、低密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリスチレン、エチレン−スチレン共重合体などの熱可塑性ポリマー、ポリアミド、ポリイミド、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエステル(PET)などの縮合系ポリマーなどの有機材料から成形されたシートまたはフィルムである請求項1記載の真空金属蒸着方法。
【請求項10】
前記被蒸着体は、蒸着マスクとして機能するプレートと重ね合せて該蒸着用真空容器の下部に被蒸着体を配置する請求項1記載の真空金属蒸着方法。
【請求項11】
該蒸着用真空容器内において蒸着用ボートと被蒸着体とが対面している間隔が10〜15cmである請求項1記載の真空金属蒸着方法。
【請求項12】
前記真空状態は、真空度が1×10-4〜1×10-3Paである請求項1に記載の真空金属蒸着方法。
【請求項13】
蒸着用真空容器が、真空ポンプと接続されている排気口と連結されて、該蒸着用真空容器の内部を真空状態にすることができるように排気が可能となっており、
高耐熱性金属支持体および高耐熱性金網が重ね合わされ蒸着金属材料がその間に保持されている蒸着用ボートをその高耐熱性金網側を下方に向けて該蒸着用真空容器の上部に設置することができる蒸着用ボートの第1支持機構を備えており、
被蒸着体がその被蒸着面を上方に向けられ、前記の蒸着用ボートの金属製網側と対面するように該蒸着用真空容器の下部に配置されるように、被蒸着体を支持する被蒸着体の第2支持機構を備えていて、
さらに、前記の蒸着用ボートの第1支持機構には、蒸着金属材料を沸点以上の高温にまで加熱するために蒸着用ボートを形成している高耐熱性金属支持体に電気を供給する手段が設けられていることを特徴とする真空金属蒸着用装置。
【請求項14】
該蒸着用真空容器内において第1および第2支持機構に支持されて配置されている蒸着用ボートと被蒸着体とが対面している間隔が5〜15cmである請求項13記載の真空金属蒸着用装置。
【請求項15】
該蒸着用真空容器の内部を1×10-4〜1×10-3Paの真空状態にすることができるように排気が可能となっている請求項13記載の真空金属蒸着用装置。
【請求項16】
該蒸着用真空容器において、蒸着用ボードを形成している高耐熱性金属支持体は、その電気抵抗0.005〜0.01Ωである請求項13記載の真空金属蒸着用装置。
【請求項17】
高耐熱性金属支持体および高耐熱性金網が重ね合わされ、蒸着金属材料がそれらの間に保持されていることを特徴とする蒸着用ボート。
【請求項18】
前記蒸着用ボードを形成している高耐熱性金属支持体は、その電気抵抗が0.005〜0.05Ωであって、4〜5Wの発熱を生じるものである請求項17記載の蒸着用ボート。
【請求項19】
前記高耐熱性金属支持体が、板状、シート状または箔状の高耐熱性金属支持体であることを特徴とする請求項17記載の蒸着用ボート。
【請求項20】
前記高耐熱性金属支持体および高耐熱性金網が、モリブデン、タンタル、タングステン、白金、またはニッケルを主として含有する金属で形成されている請求項17記載の蒸着用ボート。
【請求項21】
前記高耐熱性金属支持体および高耐熱性金網は、いずれも蒸着用金属材料の沸点よりも高い軟化温度を有している金属で形成されている請求項17記載の蒸着用ボート。
【請求項22】
金属蒸着金属が金である場合には、高耐熱性金属支持体および高耐熱性金網がタングステンで形成されている請求項17記載の蒸着用ボート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−221495(P2009−221495A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−64501(P2008−64501)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(802000020)財団法人浜松科学技術研究振興会 (63)
【Fターム(参考)】