説明

眼科用レーザ治療装置

【課題】 特定の部位を治療できる装置を提供する。
【解決手段】 眼科用レーザ治療装置で、測定光の焦点位置を調節する第1焦点位置調節手段を備え患者眼組織の深さプロファイルを取得するOCTユニットと、患者眼組織内におけるレーザビームの焦点位置を調節する第2焦点位置調節手段を有しレーザビームを患者眼の組織に照射する照射ユニットと、測定光の焦点位置を変化させることにより各焦点位置での深さプロファイルを取得し焦点位置が変化されたときの深さプロファイルの輝度変化情報を検出する輝度変化情報検出手段と、輝度変化情報検出手段によって取得された輝度変化情報に基づいて患者眼組織内の合焦状態を検出する合焦状態検出手段と、合焦状態検出手段での検出結果に基づいて、患者眼組織内の目標部位に前記レーザビームの焦点位置が調節されるようにガイドするガイド手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ光を患者眼に照射して治療するための眼科用レーザ治療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
治療レーザ光(レーザビーム)を患者眼の組織(例えば、眼底)上に照射し、眼の治療を行う眼科用レーザ治療装置が知られている(特許文献1参照)。このような装置を用いる場合、術者は、スリットランプ等を用いて眼底を観察し、眼の治療部位にレーザ光を照射する。レーザが照射された治療部位は、レーザ光のエネルギによって熱凝固される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2009−514564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような装置では、治療レーザ光のレーザスポットのフォーカスを特定の部位(網膜内の特定の層等)に精密に合わせることが難しい。このため、例えば、眼底の光凝固治療では、レーザスポットを網膜において比較的視認し易い部位、例えば、色素上皮層に合わせてレーザ光を照射して治療を行っている。レーザが照射されると、レーザスポットの深さ方向に亘って、網膜全層がレーザ光の影響を受け非選択的に熱凝固される。このため、治療部位の正常組織(例えば、視細胞等の正常な層)の機能が失われていた。
【0005】
本発明は、上記問題点を鑑み、患者眼において、特定の部位を選択的に治療できる眼科用レーザ治療装置を提供することを技術課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備える。
【0007】
(1)
患者眼に治療用のレーザビームを照射して治療する眼科用レーザ治療装置において、
測定光源と、前記測定光源から発せられた光を,患者眼に導光され患者眼で反射される測定光と参照光とに分割する光分割器と、前記患者眼組織内における測定光の焦点位置を調節する第1焦点位置調節手段と、患者眼で反射された測定光と参照光との干渉状態を検出する検出器と、を備え、前記患者眼組織の深さプロファイルを取得する光干渉光学ユニットと、
前記患者眼組織内におけるレーザビームの焦点位置を調節する第2焦点位置調節手段を有し、レーザ光源から出射された治療用のレーザビームを患者眼の組織に照射する照射光学系を備える照射ユニットと、
第1焦点位置調節手段の駆動を制御して、測定光の焦点位置を変化させることにより各焦点位置での深さプロファイルを取得し、焦点位置が変化されたときの前記深さプロファイルの輝度変化情報を検出する輝度変化情報検出手段と、
前記輝度変化情報検出手段によって取得された輝度変化情報に基づいて患者眼組織内における合焦状態を検出する合焦状態検出手段と、
該合焦状態検出手段での検出結果に基づいて、患者眼組織内の目標部位に前記レーザビームの焦点位置が調節されるようにガイドするガイド手段と、
を備えることを特徴とする。
(2) (1)の眼科用レーザ治療装置において、
前記ガイド手段は、患者眼組織内の目標部位に前記レーザビームの焦点位置が調整されるように前記第1焦点位置調節手段の駆動を制御することを特徴とする。
(3) (1)又は(2)の眼科用レーザ治療装置において、
前記患者眼組織内においてレーザビームを照射する目標部位を設定する設定手段を備え、
前記合焦状態検出手段は、前記輝度変化情報検出手段によって取得された輝度変化情報に基づき,前記設定手段によって設定された目標部位に対応する合焦位置情報を取得し、
前記ガイド手段は、前記第2焦点位置調節手段の駆動を制御して、前記合焦位置情報に対応する位置に向けて焦点位置を調節することを特徴とする。
(4) (1)〜(3)の何れかの眼科用レーザ治療装置において、
輝度変化情報検出手段は、患者眼の組織内の特徴部位の少なくとも2つに関する輝度変化情報を検出し、
前記合焦状態検出手段は、レーザビームの患者眼組織内での目標部位に対応する焦点位置を、前記少なくとも2つの特徴部位に対応する合焦位置との位置関係から求めることを特徴とする。
(5) (1)〜(4)の何れかの眼科用レーザ治療装置は、
前記光干渉光学ユニットで取得した深さプロファイルを断層像として表示する表示手段を有し、
前記ガイド手段は、該合焦状態検出手段での検出結果に基づいて、前記断層像に対してレーザビームの焦点位置を示すマークを前記モニタ上に表示することを特徴とする。
(6) (5)の眼科用レーザ治療装置は、
設定手段は、前記モニタに表示された断層像に対して目標部位を設定する設定手段であることを特徴とする。
(7) (1)〜(6)の眼科用レーザ治療装置は、
前記光干渉光学ユニットが取得した深さプロファイルに基づいて治療部位を抽出する解析ユニットを備え、
前記合焦状態検出手段は、前記輝度変化情報に基づいて、解析ユニットによって抽出された前記治療部位を前記目標部位とする合焦位置情報を取得することを特徴とする。
(8) (1)〜(7)の眼科用レーザ治療装置は、
前記ガイド手段によって前記レーザビームの焦点位置が目標部位に合わせられたことを報知する報知手段を有することを特徴とする。
(9) (1)〜(8)の眼科用レーザ治療装置において、
前記合焦状態検出手段で取得した焦点位置とレーザビームの焦点位置とが合致するように、前記第1焦点調節手段で調節する焦点位置の関係と、前記第2焦点調節手段で調節する焦点位置の関係とが対応付けされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、患者眼の特定の部位を選択的に治療できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態に係る眼科用レーザ治療装置の構成について説明する概略構成図である。なお、本実施形態においては、被検者眼(眼E)の軸方向をZ方向、水平方向をX方向、鉛直方向をY方向として説明する。眼底の表面方向をXY方向として考えても良い。
【0010】
<装置の全体構成>
装置の構成の概略を説明する。本装置は、患者眼(被検者眼)Eの眼底Efに治療用のレーザ光(レーザビーム)を照射し治療を行う眼科用レーザ治療装置に、光干渉断層撮影ユニット(OCTユニット)を組み合わせた装置である。
【0011】
眼科用レーザ治療装置500は、大別して、レーザ光源、制御ユニット、操作ユニットを含む本体部100と、治療レーザ光を患者眼Eに照射するための照射ユニット等を含むレーザデリバリ部200と、患者眼Eの断層像を取得するための光干渉断層像撮影ユニット(以下、OCTユニット)300と、を備えている。なお、患者眼Eには、角膜の屈折力を光学的にキャンセルさせるためのコンタクトレンズCLが接触されて、患者眼Eの眼底Efが観察される。コンタクトレンズCLの前面(術者側)には、眼底Efの共役面である眼底共役面Efaができる。本装置では、治療レーザ光、測定光、は眼底共役面Efa上で2次元的に走査される。コンタクトレンズCLは、術者に保持される。
【0012】
<本体部>
本体部100は、治療レーザ光(レーザビーム)及び照準用のエイミング光(エイミングビーム)を出射するレーザ光源ユニット110と、装置の設定及び操作を行うための操作ユニット130と、装置全体を統括・制御する制御ユニット170と、を含む。レーザ光源ユニット110は、患者眼Eの治療に適した波長(ここでは、可視の中波長から長波長)の治療レーザ光を出射するレーザ光源111と、レーザ光の光軸L1に挿入されることでレーザ光の照射を遮断する安全シャッタ112と、レーザ光の一部をパワーモニタ114へと反射するビームスプリッタ113と、ビームスプリッタ113で反射されたレーザ光の出力をモニタするためのパワーモニタ114と、エイミング光を光軸L1と同軸にするためのダイクロイックミラー115と、術者がスポット位置を認識できる波長(ここでは、可視波長)のレーザ光を出射するエイミング光源116と、レーザ光をファイバ210に入射させる集光レンズ117と、を備える。 操作ユニット130は、治療レーザ光の照射をトリガする信号を入力するフットスイッチ131と、装置の設定情報、患者眼の情報等を表示するモニタ132(詳細は後述する)と、を備える。モニタ132は、タッチパネル機能を有しており、術者は、モニタ132を介して設定信号、指定信号を入力できる。詳細は後述するが、制御ユニット170は、装置全体の統括・制御を行うと共に、OCTユニット300で取得した断層像の解析、断層像内で指定された層の焦点位置の演算等を行う。
【0013】
<レーザデリバリ部>
デリバリ部200は、レーザ光源ユニットから出射されたレーザ光を導光するファイバ210と、ファイバ210から出射されたレーザ光をレーザスポット(以下、スポット)として眼底Efに照射する照射光学系220aを備える照射ユニット220と、眼底Efを術者が観察するための観察光学系を備える観察ユニット260と、眼底Efを照明する照明光を投光する照明ユニット270と、を含む。
【0014】
照射光学系220aは、ファイバ210の出射端面を眼底Ef(ターゲット面)に結像させるパーフォーカル光学系のレーザデリバリである。照射ユニット220は、ファイバ210から出射されたレーザ光を拡散光としてリレーするレンズ221と、スポットのサイズを変更するための変倍光学系であるズームレンズ222と、スポットを眼底Ef上で2次元的に走査する走査部230と、走査部230を通ったレーザ光を途中で結像させる結像レンズ223と、結像レンズ223によって形成された中間結像位置のスポットを眼底Efに結像させるための結像光学系(レンズ224、レンズ225)であって,レーザ光を平行光とするコリメータレンズ224と平行光を結像させるための対物レンズ(結像レンズ)225を有する結像光学系と、レーザ光を患者眼Eへと偏向するミラー(最終ミラー)226と、を備える。
【0015】
ズームレンズ222は、光軸L1に沿って前後に移動(スライド)可能なようにレンズカム機構に保持されている。ズームレンズ222は、ノブ222aが術者に回転されることで移動され、レーザ光のスポットサイズを変更される。
【0016】
対物レンズ225は、光軸L1に沿って前後に移動可能なようにレンズカム機構に保持されている。対物レンズ225(カム機構)は、ポテンションメータ機能を有する駆動部225aに接続されており、制御ユニット170の指令信号に基づいて対物レンズ225は移動される。対物レンズ225が、光軸L1に沿って前後に移動させることにより、深さ方向(Z方向)においてスポットの焦点位置(フォーカス位置)が移動される。
【0017】
本実施形態では、OCTユニット300からの出力信号に基づいて対物レンズ225の位置が調整される。詳細は後述するが、対物レンズ225の移動と、OCTユニット300の測定光学系314が備える視度補正レンズ342の移動は対応付けられており、制御ユニット170は、視度補正レンズ342の移動によって変化する測定光の集光位置に、治療レーザ光の結像位置を一致させることができる。対物レンズ225及び駆動部225aは焦点調節機能を備える(第2焦点調節手段となる)。
【0018】
走査部230は、回転軸が互いに直交した2つのガルバノミラーによって構成され、制御ユニット170からの指令信号に基づいて、走査部230を通るレーザ光を2次元的に偏向する機能を有する。
【0019】
観察ユニット260は、双眼顕微鏡であり、対物レンズ261、ダイクロイックミラー(後述)262、術者保護フィルタ263、正立プリズム264、接眼レンズ265、を備える。観察ユニット260の観察光路は、術者眼の左右眼に対応して分かれている。ここでは、左眼の観察光路の光軸を観察光軸L2とする。照明ユニット270は、照明光となる可視光を発光するランプ271、照明光をスリット状にするためのスリット板272、コンデンサーレンズ273、反射ミラー274、を備える。
【0020】
<光干渉断層像撮影ユニット>
OCT(光干渉断層像撮影)ユニット(光干渉光学ユニット)300は、観察ユニット260に取り付けられている。OCTユニット300の測定光軸L3は、ダイクロイックミラー262により、観察ユニット260の観察光軸L2と同軸とされる。OCTユニット300は、対物レンズ261を共用する。患者眼Eの眼底Efの断層像を撮影するためのOCTユニット300は、干渉光学系(OCT光学系)310と、正面観察光学系350と、を含む。なお、ダイクロイックミラー262は、赤外光を反射し、可視光を透過する特性を持っている。
【0021】
<OCT光学系>
OCT光学系310は、眼底に測定光を照射する。OCT光学系310は、眼底から反射された測定光と,参照光との干渉状態を受光素子(検出器315)によって検出する。OCT光学系310は、眼底Ef上の撮像位置を変更するため、眼底Ef上における測定光の照射位置を変更する照射位置変更ユニットである光スキャナ320を備える。光スキャナ320は、制御ユニット170に接続されており、制御ユニット170は、設定された撮像位置情報に基づいて光スキャナ320の動作を制御し、検出器315からの受光信号に基づいて断層像を取得する。
【0022】
OCT光学系310は、いわゆる眼科用光断層干渉計(OCT:Optical Coherence Tomography)の装置構成を持ち、本実施形態においては、治療レーザが照射される前の患者眼の断層像を撮像する。OCT光学系310は、測定光源311から出射された光(赤外光)をカップラー(光分割器)312によって測定光(試料光)と参照光に分割する。そして、OCT光学系310は、測定光学系314によって測定光を眼Eの眼底Efに導き、参照光を参照光学系313に導く。その後、眼底Efによって反射された測定光と,参照光との合成による干渉光を検出器(受光素子)315により受光する。
【0023】
検出器315は、測定光と参照光との干渉状態を検出する。フーリエドメインOCTの場合では、干渉光のスペクトル強度が検出器315によって検出され、スペクトル強度データに対するフーリエ変換によって所定範囲における深さプロファイル(Aスキャン信号)が取得される。例えば、Spectral-domain OCT(SD−OCT)、Swept-source OCT(SS−OCT)が挙げられる。また、Time-domain OCT(TD−OCT)であってもよい。
【0024】
SD−OCTの場合、光源311として低コヒーレント光源(広帯域光源)が用いられ、検出器315には、干渉光を各周波数成分(各波長成分)に分光する分光光学系(スペクトルメータ)が設けられる。スペクトルメータは、例えば、回折格子とラインセンサからなる。
【0025】
SS−OCTの場合、光源311として出射波長を時間的に高速で変化させる波長走査型光源(波長可変光源)が用いられ、検出器315として、例えば、単一の受光素子が設けられる。光源311は、例えば、光源、ファイバーリング共振器、及び波長選択フィルタによって構成される。そして、波長選択フィルタとして、例えば、回折格子とポリゴンミラーの組み合わせ、ファブリー・ペローエタロンを用いたものが挙げられる。
【0026】
光源311から出射された光は、カップラー312によって測定光束と参照光束に分割される。そして、測定光束は、光ファイバーを通過した後、空気中へ出射される。その光束は、光スキャナ320、及び測定光学系314の他の光学部材を介して眼底Efに集光される。そして、眼底Efで反射された光は、同様の光路を経て光ファイバーに戻される。
【0027】
参照光学系313は、眼底Efでの測定光の反射によって取得される反射光と合成される参照光を生成する。参照光学系313は、マイケルソンタイプであってもよいし、マッハツェンダタイプであっても良い。参照光学系313は、例えば、反射光学系(例えば、参照ミラー)によって形成され、カップラー312からの光を反射光学系により反射することにより再度カップラー312に戻し、検出器315に導く。他の例としては、参照光学系313は、透過光学系(例えば、光ファイバー)によって形成され、カップラー312からの光を戻さず透過させることにより検出器315へと導く。
【0028】
参照光学系313は、参照光路中の光学部材を移動させることにより、測定光と参照光との光路長差を変更する構成を有する。例えば、参照ミラーが光軸方向に移動される。光路長差を変更するための構成は、測定光学系314の測定光路中に配置されてもよい。
【0029】
測定光学系314は、光ファイバから出射した測定光を平行光とするためのコリメータレンズ341と、患者眼Eの視度を補正する視度補正光学系としての視度補正レンズ342と、視度補正レンズ342を移動させる駆動部(アクチュエータ)343と、を含む。視度補正レンズ342は、制御ユニット170に接続されている駆動部343によって光軸L3に沿って前後に移動される。視度補正(焦点位置の移動)の幅としては、ディオプタ換算において±5D程度とし、制御ユニット170の指令信号によって、連続的に視度が変更されるものとする。コリメータレンズ341は、光ファイバから出射した測定光束を平行光とするために下流に配置される。レンズ341及び342、駆動部343、対物レンズ261は、焦点調節機能を備える(第1焦点調節手段となる)。
【0030】
なお、本実施形態では、コンタクトレンズCLにより患者眼の屈折力を概ねキャンセルし、レーザデリバリ部200のZ方向の移動によって、患者眼の視度を補正するため、視度補正レンズ342は、眼底組織における任意の位置に測定光を集光させるために用いられる。
【0031】
なお、測定光の焦点深度(Z方向の焦点深度)は短く、測定光を断層像における特定の層に集光させる構成とすることが好ましい。これによって、深さプロファイルの信号強度の取得においてS/N比が上がる。具体的には、対物レンズ261上での測定光の光束径を太くし、眼底共役面Efaへの入射NA(開口数)を大きくすることが好ましい。また、患者眼Eの瞳孔径が大きいことが好ましく、例えば、2〜6mm程度とする。測定光の光束を太くするためには、例えば、コリメータレンズ341として焦点距離が比較的長いレンズを用い、平行光の光束径を大きくする手法が挙げられる。また、図示は略すが、測定光学系314のコリメートレンズ341と視度補正レンズ342の間に平行光のビーム径を変更する変倍光学系を配置する。変倍光学系としては、例えば、レンズ群を光軸に沿って移動させるズーム光学系、測定光学系314の光路にレンズ群を挿脱する光学系等が挙げられる。例えば、断層像を取得する場合には、平行光のビーム径は細く、視度補正レンズ342を移動させてフォーカス情報を取得する場合には、平行光のビーム径を太くする。
【0032】
OCTユニット300は、測定光束を偏向するための光スキャナ320を備える。光スキャナ320は、回転軸が互いに直交した2つのガルバノミラーによって構成され、制御ユニット170からの指令信号に基づいて、走査部を通るレーザ光を2次元的に偏向する機能を有する。光スキャナ320は、眼底Ef上でXY方向(横断方向)に測定光を走査させる。本実施形態では、眼底共役面Efa上で測定光を走査する構成とする。例えば、光スキャナ320を、直線状(例えば、Y方向等)に動作させ、検出器315で取得した深さプロファイルを上記の直線状に並べることによって断層像を得る(いわゆる、Bスキャン)。
【0033】
このようにして、光源311から出射された光束はその反射(進行)方向が変化され、眼底上で任意の方向に走査される。これにより、眼底Ef上における撮像位置が変更される。光スキャナ320としては、光を偏向させる構成であればよい。例えば、反射ミラー(ガルバノミラー、ポリゴンミラー、レゾナントスキャナ)の他、光の進行(偏向)方向を変化させる音響光学素子(AOM)等が用いられる。なお、上記OCTユニットの詳しい構成については、例えば、特開2008−29467号公報を参考にされたい。
【0034】
<正面観察光学系>
正面観察光学系350は、眼底Efの正面画像を得るために設けられている。観察光学系350は、ダイクロイックミラー351で、OCT光学系310と同軸とされている。観察光学系350は、例えば、光源から発せられた測定光(例えば、赤外光)を眼底(像面)上で二次元的に走査させる光スキャナと、眼底と略共役位置に配置された共焦点開口を介して眼底反射光を受光する第2の受光素子と、を備え、いわゆる眼科用走査型レーザ検眼鏡(SLO)の装置構成を持つ。なお、観察光学系350の構成としては、いわゆる眼底カメラタイプの構成であってもよい。
【0035】
<制御系>
制御部ユニット170は、装置全体の統括・制御等の他、画像表示制御、画像解析、データの入出力制御、を行う。また、制御ユニット170は、後述するレーザビームの焦点位置が目標部位(治療部位)に合わせられるようにガイドする機能の統括を行う。制御ユニットには、各構成ユニットの部材が接続される。一部図示は略すが、制御ユニット170には、レーザ光源111、安全シャッタ112、パワーモニタ114、エイミング光源116、走査部230、駆動部225a、測定光源311、参照光学系313、検出器315、駆動部343、光スキャナ320、正面観察光学系350、フットスイッチ131、モニタ132、が接続されている。また、制御ユニット170は、取得された画像を処理する画像処理部、取得された画像を解析する画像解析部(解析ユニット)、などを兼用する。制御ユニット170は、一般的なCPU(Central Processing Unit)等で実現される。制御ユニット170には、処理プログラム、各種設定、取得画像、等を記憶するメモリ171が接続される。また、制御ユニット170には、報知手段であるブザー173が接続されている。ブザー173は、治療レーザ光の照準時にエイミング光がフォーカス位置にフォーカスされたことを音により術者に知らせる。 なお、制御ユニット170は、設定された断層像の取得位置情報に基づいて光スキャナ320を制御し、XY方向での位置を定めて眼底Efの断層像(Bスキャン像)を取得する。そして、観察光学系350を制御し、正面像を取得する。
【0036】
また、本実施形態では、断層像において、術者が指定した特定の部位(特定の層)の位置に、治療レーザ光のスポットがピンポイントで集光されるような構成となっており、本構成は、特定の部位を選択的に治療し、他の部位(層)への損傷(特に、熱損傷)を軽減するために利用される。
【0037】
制御ユニット170は、設定された眼底Ef上での照射位置情報(スポットを2次元的に並べる情報)に基づいて、走査部230、レーザ光源ユニット110等を制御し、治療レーザ光のスポットを眼底Ef上でのXY方向の位置を定める。制御ユニット170は、フォーカス情報(後述)に基づいて治療レーザ光のスポットのZ方向の位置を駆動部225aを制御して定める。治療レーザ光の照射の照準時にはエイミング光が治療レーザ光のスポット位置に照射される。なお、説明の簡便のため、以下の説明では走査部230は、XY平面上の原点位置で固定されているものとする。
【0038】
<照射光学系での焦点位置調節>
図2は、照射光学系220aでのスポットの焦点位置の調節について説明する概略光学図である。図2では、説明の簡便のため、走査部230以降(下流側)の光学素子を中心に図示し、ミラー226は図示を略す。走査部230を通過したレーザ光は、結像レンズ223により、中間結像面Faに結像される。結像されたレーザ光は、コリメータレンズ224により平行光とされ、対物レンズ225が持つ焦点距離に対応する焦点P1にレーザ光を結像させる(光束B1参照)。ここでは、焦点位置P1は、眼底共役面Efaと一致する。ここで、対物レンズ225が、レーザ光の光軸L1に沿って前側(患者眼側)に移動する場合を考える。点線で示される移動後の対物レンズ225zは、コリメータレンズ224からの平行光を対物レンズ225z(225でも同様)の焦点位置P2に結像させる。ここでは、対物レンズ225zの移動距離に応じて、レーザ光のスポット位置が前側に移動している(光束B2参照)。なお、レーザ光の結像位置は、対物レンズ225が後側に移動した場合、後側に移動する。このようにして、対物レンズ225を光軸に沿ってZ方向に移動させることにより、レーザ光の焦点位置(スポットの位置)を深さ方向(Z方向)において調節することができる。なお、レーザ光の結像位置は、結像レンズ223を光軸に沿って移動させることで調節してもよい。
【0039】
<OCT光学系での視度補正>
図3は、OCT光学系310での視度補正(測定光の集光位置調節)について説明するための概略光学図である。説明の簡便のため、測定光学系314以降の光学素子を中心に示し、光スキャナ320での光路の偏向は省略し、ダイクロイックミラー262の図示は省略する。ファイバカプラ312のファイバ312aから出射された光束は、コリメートレンズ341により平行光とされ、補正レンズ342へと到る。平行光は、補正レンズ342が持つ焦点距離に対応した焦点位置P3に結像される。焦点位置P3に結像した光は、対物レンズ261によって焦点位置P3aに再び結像される(光束B3参照)。焦点位置P3aは、眼底共役面Efaに一致している。ここで、補正レンズ342が前側に移動する場合を考える。コリメータレンズ341で平行光となった光束を、点線で示される移動後の補正レンズ342zは、焦点位置P4に結像させる。焦点位置P4は、対物レンズ261によって再び焦点位置P4aに結像される。ここでは、補正レンズ342zの移動距離に応じて、焦点位置が前側に移動している(光束B4参照)。なお、測定光の結像位置は、対物レンズ261が後側に移動した場合、後側に移動する。このようにして、補正レンズ342を光軸に沿ってZ方向に移動させることにより、測定光の焦点位置を深さ方向(Z方向)において調節することができる。これによって、患者眼Eが持つ視度を補正することができる。
【0040】
上記のような構成を備える装置において、その動作について説明する。概して、制御ユニット170は、駆動部343の駆動を制御して、測定光の焦点位置を変化させることにより各焦点位置での深さプロファイルを取得し、焦点位置が変化されたときの深さプロファイルの輝度変化情報(図7参照)を検出する。
【0041】
そして、制御ユニット170は、検出された輝度変化情報に基づいて患者眼組織内における合焦状態を検出する(図9参照)。そして、制御ユニット170は、合焦状態の検出結果に基づいて、患者眼組織内の目標部位にレーザビームの焦点位置が調節されるようにガイドする(図10参照)。
【0042】
この場合、患者眼組織内においてレーザビームを照射する目標部位を設定する構成を設けても良い(図5参照)。そして、制御ユニット170は、取得された輝度変化情報に基づき,設定された目標部位に対応する合焦位置情報を取得する(図8、図9参照)。そして、制御ユニット170は、駆動部225aの駆動を制御して、取得された合焦位置情報に対応する位置に向けて焦点位置を調節する(図10参照)。
【0043】
より好ましくは、制御ユニット170は、患者眼の組織内の特徴部位の少なくとも2つに関する輝度変化情報を検出する(図7のIS/OS、ILM参照)。制御ユニット170は、患者眼組織内での目標部位に対応するレーザビームの焦点位置を、少なくとも2つの特徴部位に対応する合焦位置との位置関係から求める(図8、図9参照)。 <レーザ治療の流れ>
本装置500を用いたレーザ治療の流れについて説明する。図4は、レーザ治療の流れを説明するフローチャートである。装置500を用いて、患者眼の眼底を観察し、レーザ照射部位を決定し、治療を行う。
【0044】
術者は、治療に先立ち装置500の設定を行う。ノブ222aを操作してレーザ光スポットサイズを設定し、照射条件設定部160でレーザの照射条件等を設定する。治療レーザ光の焦点深度を浅くし、Z方向においてレーザエネルギの影響が少なくすることが好ましい。治療レーザ光のNA(開口数)を大きくするために、スポットサイズを小さく設定する。また、スポットサイズは、病変部位程度の大きさとすることが好ましい。
【0045】
はじめに、術者は、コンタクトレンズCLを患者眼Eに接触させ、レーザデリバリ部200の観察ユニット260を使って、眼底共役面Efaを観察する。このとき、眼底共役面Efa上の病変部位(ここでは、動脈瘤)を観察視野の中心にアライメントする(XY方向のアライメント)。エイミング光を点灯して、レーザスポットの位置を確認する。このとき、制御ユニット170は、OCTユニット300を制御し、モニタ132に正面増と断層像を表示させている。術者は、モニタ132に表示された正面像を確認しながら、XY方向のアライメントの微調整を行う。これによって、治療レーザの照射光軸上に動脈瘤を位置させる。
【0046】
次に、術者は、モニタに表示された断層像を利用してZ方向における動脈瘤を確認する。術者は、断層像上で動脈瘤の位置をタッチ(指定)する。制御ユニット170は、タッチ位置を記憶すると共に断層像を画像処理し、網膜の表層(表面)から指定位置までの位置関係(距離)を求める(目標部位の深さ位置指定)。制御ユニット170は、Z方向の位置指定信号に基づき、OCTユニット300の補正レンズ342を制御して深さプロファイルを取得し、深さプロファイルから補正レンズ342の位置と眼底の層の位置関係を対応づける。そして、制御ユニット170は、動脈瘤のZ方向での位置と補正レンズ342の位置関係を求め、照射ユニット220での治療レーザ光の照射位置(Z方向)を定める。例えば、網膜の表層からZ方向での動脈瘤の位置までの距離を求める(レーザ照射位置の決定)。
【0047】
次に、制御ユニット170は、フォーカス情報に基づいて網膜の表層に治療レーザ光の結像位置が合うようにレンズ225を移動させる。そして、Z方向での動脈瘤の位置に治療レーザ光の結像位置が合うように、レンズ225を移動させる。言い換えると、治療レーザ光の結像位置を表層から求めた距離だけZ方向に移動させる(レーザ照射のZ方向のアライメント)。
【0048】
治療レーザ光のZ方向のアライメントが完了すると、制御ユニット170は、アライメントの完了を術者にブザー173等で報知する。術者は、フットスイッチ131で、レーザ照射のトリガ信号を入力する。制御ユニット170は、トリガ信号に基づいて、治療レーザ光を患者眼に照射する。なお、治療レーザ光のZ方向のアライメントは、フットスイッチ131のトリガ信号に基づいて行い、アライメント完了後に制御ユニット170が治療レーザ光を照射する構成としてもよい。 このようにして、患者眼眼底の特定の層にある病変部位(動脈瘤)に対して治療レーザ光をピンポイントで照射でき、病変部位周辺の組織への悪影響を低減した治療ができる。これにより、動脈瘤等がある特定の層の奥に位置する視細胞へのダメージが少なくでき、治療後に視力が維持される可能性が高くなる(治療予後が良くなる)。
【0049】
以下、フローチャートに示した各要素の詳細を説明する。
【0050】
<モニタ表示>
次に、モニタの表示について説明する。図5は、モニタ132の表示画面を説明する図である。モニタ132上には、正面観察光学系350によって得られた正面像140と、OCT光学系310によって得られた断層像150と、治療レーザ光の照射条件の設定と表示をするための照射条件設定部160が表示される。例えば、制御ユニット170は、OCT光学系310の検出器315から出力される受光信号に基づいて画像処理により断層像(OCT像)を取得すると共に、正面観察光学系350の受光素子から出力される受光信号に基づいて正面画像を取得する。
【0051】
取得された眼底像は、モニタ132に動画として出力される。メモリ172は、例えば、撮影された断層像、正面画像、各断層画像の撮影位置情報等の撮影に係る各種情報を記録する。制御ユニット170は、モニタ132から入力される操作信号に基づいてOCT光学系310、正面観察光学系350の各部材を制御する。
【0052】
正面像140上には、十字マーク141が表示される。十字マーク141は、断層像150の光切断の位置を示す。十字マーク141の中心は、治療レーザ光の光軸L1及びOCT測定光の光軸L3と一致する。ここでは、十字マーク141の縦線に対応して、断層像が得られるものとする。なお、十字マーク141は、図示なきスイッチにより、画面上から一時的に消すことができる。
【0053】
断層像150上には、治療レーザ光の照射時の光軸(ここでは、光軸L1と一致)を示すライン151と、深さ方向におけるレーザ光の集光位置を指定するためのマーク152と、が表示される。マーク152は、術者が断層像150上をタッチすることで、その位置が変更される。モニタ132は、治療レーザ光の照射のガイド手段と、フォーカス位置の指定手段を兼ねる。ここでは、ライン151上にそって移動するものとする。ここでは、眼底の層内に動脈瘤Aがあるもとする。
【0054】
照射条件設定部160には、治療レーザ光の出力設定部、照射時間(パルス幅)設定部、スポットサイズ表示部、モード設定部、等が表示される。スポットサイズは、ズームレンズ222の位置を読み取って制御ユニット170が数値を表示する。モード設定部設定で可能なモードは、複数のスポットが正方状、円状等のパターンに並べられた照射パターンに基づいて治療レーザ光の照射を行うパターンスキャンモード、治療レーザ光を単発で照射するシングルモード、等がある。
【0055】
<輝度変化情報の取得>
制御ユニット170は、一定時間毎、又は、マーク152の位置が変更されたときに輝度変化情報の取得を行う。
【0056】
制御ユニット170は、断層像を取得すると、断層像における眼底の層情報を画像処理により検出する。そして、OCTユニット300は、所定の画像判定条件(判定基準)を基に層検出結果を解析する。 概して、制御ユニット170は、眼底上での測定光の結像位置を変え(ここでは、視度補正レンズ342の移動による)、Aスキャンによる深さプロファイル(Z方向のみの断層情報)の輝度分布を各結像位置にて得る。そして、制御ユニット170は、各結像位置にて得られた輝度分布を解析し、所定の網膜層に対応する信号の振幅レベルを結像位置毎にモニタリングする。なお、所定の網膜層での振幅レベルは、各網膜層の配列、各網膜層に対応する輝度値などを考慮した信号処理技術(画像処理技術を含む)により検出される。
【0057】
図6は、あるAスキャンの輝度分布(Z方向の信号強度)を示したものである。モニタリングする網膜層としては、輝度分布においてピークの高い、網膜表層である内境界層(ILM)と、視細胞層(IS/OS)、網膜色素上皮層(RPE)、がある。
【0058】
本実施形態では、互いの距離が比較的離れており、信号処理により抽出しやすい少なくとも2つの層(特徴部位)に着目する。また、2つ以上の層に着目する場合、層の間の位置関係(位置に対応する視度(数値))を得ることができる。ここでは具体的に、ILMとIS/OSを例に挙げる。 ここで、制御ユニット170は、駆動部343の駆動を制御して、補正レンズ342を前後に所定のステップで移動させる。例えば、制御ユニット170は、レンズ342の位置を+5D(ディオプタ)から−5Dまで0.05Dステップで変化させる。従って、200ステップでのZ方向の輝度分布が得られる。患者眼Eの視度は予め調整されているものとする、眼底共役面Efaの位置に測定光の焦点位置があることとなる。
【0059】
図7は、各レンズ位置におけるILMとIS/OSの輝度値のプロットである。図7に示すように、レンズ342が移動することによって、深さ方向における眼底上の集光位置が移動され、ILM,IS/OSのピークの強度が変化する。なお、OCT光学系310において、ある層の輝度(測定光の反射信号)が最大となるとき、その層からの反射光(散乱光)は、測定光学系314の補正レンズ342とコリメータレンズ341との間の光束が平行光となり、ファイバ312aへと集光される(図3参照)。
【0060】
ここで、各層の輝度レベルをレンズ位置毎にプロットとすると(輝度変化の情報を検出すると)、図7に示すように、それぞれ、単峰性のプロットとなる。ILMは、視度D1に対応するレンズ位置においてピークを持つプロットとなり、IS/OSは、視度D2に対応するレンズ位置においてピークを持つプロットとなる。視度D1は、ILMに測定光(OCT光学系310)がピンポイントにフォーカスされる位置であり、視度D2は、IS/OSに測定光がピンポイントにフォーカスされる位置を示す。輝度変化情報において、特定の層(特徴部位)の輝度のピークに対応するレンズの位置がOCTユニット300の合焦位置となっている。
【0061】
また、ILMとIS/OSとの間に位置する他の層(例えば、内網状層、内顆粒層、外網状層、等)は、ILM及びIS/OSに対する相対的な位置関係から特定できる。例えば、特定の層が、ILMとIS/OSの中間位置にある場合、視度D1と視度D2の中間位置に対応するフォーカス位置(視度D1と視度D2の加算平均により求められる)が、特定の層に対応するレンズ位置となる。このようにして、相対的な位置関係に対応するレンズ位置(視度)を、特定の層に測定光のフォーカスが合う条件とできる。このようにして得た視度D1及び視度D2が、眼底におけるフォーカス情報となり、メモリ172に記憶される。
【0062】
ここで、フォーカス情報取得の処理時間について説明する。例えば、Aスキャンの取得速度を0.2ms(5kHz)とする。10D(±5D)で、0.05Dステップ毎にAスキャンすると、200ステップとなり、40ms(25Hz)となる。従って、動画取得におけるフレームレート(10フレーム/sec以上)に追従して、フォーカス情報の更新が可能である。なお、Aスキャンのデータ取得を加算して、スペックルノイズを低減し、ILM等の層の位置の抽出精度を高めるようにしてもよい。なお、視度の変化は、患者眼Eの視度をODとして調整した状態から、プラス方向とマイナス方向に変化させてもよい。
【0063】
このようにして、レンズ342が光軸方向に移動されたときの特定の層での輝度変化情報を求めることにより、特定の層に測定光を集光(フォーカス)させることができるようになる。例えば、測定光をILMにフォーカスさせたければ、視度D1に対応する位置にレンズ342を移動させればよい。また、測定光をIS/OSにフォーカスさせたければ、視度D2に対応する位置にレンズ342を移動させればよい。
【0064】
また、ILM、IS/OSとは異なる組織(例えば、図8の動脈瘤A参照)をターゲットとして測定光をフォーカスさせる場合、例えば、ILMから組織PP(動脈瘤Aの位置の組織を指す)までの距離K1と、IS/OSから組織PPまでの距離K2と求める。そして、図9のような輝度変化情報において、視度D1からの距離D1aと、視度D2からの距離D2aとした場合、K1/K2=D1a/D2aとなるようなフォーカス位置D1aを求める。そして、レンズ位置D1aに対応する位置にレンズ342を移動させることにより、測定光を組織PPにフォーカスできる。
【0065】
これを利用すれば、レンズ342が光軸方向に移動されたときの特定の層での輝度変化情報を求めることにより、治療用レーザ光を特定の層に集光(フォーカス)させることができるようになる。この場合、眼底Efに対するレーザ光のフォーカス位置を、レンズ342によって調整される測定光のフォーカス位置に対応する位置に設定できるように、レンズ225の移動位置とレンズ342の移動位置(移動制御)との間で対応付け(例えば、ディオプター換算)がなされている。これにより、フォーカス位置に関して、照射光学系220aは、OCT光学系310に対応付けされる。
【0066】
この場合、例えば、レーザ光をILMにフォーカスさせたければ、視度D1に対応する位置にレンズ225を移動させればよい。また、レーザ光をIS/OSにフォーカスさせたければ、視度D2に対応する位置にレンズ225を移動させればよい。
【0067】
また、ILM、IS/OSとは異なる組織(例えば、図8の組織PP参照)をターゲットとしてレーザをフォーカスさせる場合、例えば、ILMから組織PPまでの距離K1と、IS/OSから組織PPまでの距離K2と求める。そして、図9のような輝度変化情報において、視度D1からの距離D1aと、視度D2からの距離D2aとした場合、K1/K2=D1a/D2aとなるようなフォーカス位置D1aを求める。そして、レンズ位置D1aに対応する位置にレンズ225を移動させることにより、レーザ光を組織PPにフォーカスできる。
【0068】
<ピンポイントフォーカス情報の取得とピンポイントフォーカス合わせ>
図8は、治療レーザ光のフォーカス位置をピンポイントに調整する場合の具体例について説明する模式図である。
【0069】
まず、制御ユニット170は、初期設定として、前述のように取得された輝度変化情報(図7参照)に基づいて駆動部225aを制御し、OCT光学系310における視度D1に対応する位置にレンズ225を移動させる。これにより、照射光学系220aにおけるフォーカス位置は、眼底EfのILMに合わせられた状態となる。なお、制御ユニット170は、初期段階では、断層像150上におけるILMに対応する表示位置にマーク152を重畳表示する。
【0070】
ここで、術者は、断層像150を確認して、治療する層を定める。ここでは、動脈瘤Aを断層像150上で確認し、動脈瘤Aの位置をタッチして、マーク152の位置を定める。これにより、図5に示すように、マーク152が動脈瘤Aの位置に表示される。
【0071】
図8は動脈瘤Aに対するフォーカス状態を検出する場合の例を示す図である。制御ユニット170は、取得された断層像を解析して、画像処理により各層を検出する。このとき、少なくともILMとIS/OSを検出する。
【0072】
そして、制御ユニット170は、マーク152によって特定された動脈瘤AからILMまでの距離K1と、動脈瘤AからIS/OSまでの距離K2とを求める。これにより、術者が指定した目標部位(動脈瘤A)と、2つの眼底の層(ILMとIS/OS)との相対的な位置関係が求められる。
【0073】
次に、制御ユニット170は、前述のようにメモリ171に記憶された輝度変化情報(図9参照)を用いて動脈瘤Aに対応するフォーカス位置Diを取得する。そして、視度D1からフォーカス位置Diまでの距離D1aと、視度D2からフォーカス位置Diまでのの距離D2aとする。この場合、制御ユニット170は、K1/K2=D1a/D2aの関係となるようにフォーカス位置Diを求める。すなわち、制御ユニット170は、術者が指定した動脈瘤Aと2つの眼底層との位置関係と、動脈瘤Aに対応するフォーカス位置Diと2つの層に対応するフォーカス位置(視度D1、視度D2)の位置関係が、等しい関係となる位置を動脈瘤Aに対応するフォーカス位置として取得する。
【0074】
そして、制御ユニット170は、駆動部225aの駆動を制御し、フォーカス位置Diに対応する位置にレンズ225を移動させる。本実施形態では、照射光学系220aのフォーカス位置は、初期設定としてILMに合わせられている。そのため、制御ユニット170は、動脈瘤A(組織PP)に対応するフォーカス位置DiとILMに対応するフォーカス位置との偏位量を算出し、その偏位量分、レンズ225を前側に移動させればよい。これにより、照射光学系220aのフォーカス位置が動脈瘤Aに合わせられた状態となる(図10参照)。
【0075】
以上のようにして、動脈瘤Aに対して照射光学系220aのフォーカスが合わせられると、制御ユニット170は、フォーカス完了の旨をブザー173の音によって術者に報知する。そして、術者が、フットスイッチ131を踏むと、制御ユニット170は、レーザ光源ユニット110を制御し、治療レーザ光を眼底Ef(眼底像面Efa)に照射する。眼底Efにおいて、フォーカスが合わせられた層の動脈瘤Aが選択的に治療レーザ光の影響を受け、凝固される。このとき、他の層への熱的な影響は少なくなる。
【0076】
このようにして、患者眼Eにおいて、目標部位を選択的に治療できる。これにより、動脈瘤等がある特定の部位、層の奥に位置する視細胞へのダメージを少なくでき、治療後に視力が維持される可能性が高くなる(治療予後が良くなる)。
【0077】
なお、以上の説明では、走査部230は、レーザ光を走査しない構成としたが、これに限るものではない。例えば、OCT光学系310によって取得した断層像(Bスキャン)の特定の層に沿って、治療レーザ光を順次照射する構成としてもよい。
【0078】
この場合、例えば、制御ユニット170は、レンズ342の移動位置と眼底上における測定光のフォーカス位置との関係を各走査位置(XY位置)に関して取得する。そして、制御ユニット170は、治療レーザ光を照射する複数の照射位置(例えば、エイミング光照射位置、走査部230での走査位置、から得られる)に関して、目標部位に対応するフォーカス位置をそれぞれ検出する。そして、治療レーザ光を走査する場合、制御ユニット170は、各照射位置に関して、目標部位に対応するフォーカス位置にレンズ225が移動されるように駆動部225aの駆動を制御する。
【0079】
なお、上記手法は、眼底上で治療レーザ光を二次元的に走査する場合においても、適用可能である。ここで、制御ユニット170は、OCT光学系310を制御して、眼底Ef上で測定光を2次元的に走査させ各走査位置(XY位置)にてレンズ342の移動位置と眼底Ef上における測定光のフォーカス位置との関係を求めるようにしてもよい。この場合、例えば、レンズ342の各位置にて3次元断層像を取得すればよい。この場合、測定光の走査に関して、ラスタースキャンさせてもよいし、複数のラインスキャンでさせてもよいし、ラジアルスキャンであってもよい。
【0080】
そして、制御ユニット170は、治療レーザ光を照射する複数の照射位置(例えば、エイミング光照射位置から得られる)に関して、目標部位に対応するフォーカス位置をそれぞれ検出する。そして、レーザ光を走査する場合、制御ユニット170は、各照射位置に関して、目標部位に対応するフォーカス位置にレンズ225が移動されるように駆動部225aを制御する。
【0081】
なお、前述のように治療レーザ光を走査させる場合、各照射位置に関して目標部位に対応するフォーカス位置をそれぞれ検出せず、ある照射位置に関して目標部位に対応するフォーカス位置を検出するようにしてもよい。この場合、ある照射位置に関するフォーカス位置を他の照射位置に関して転用してレンズ225を調整する。
【0082】
また、制御ユニット170は、治療レーザ光を照射する際のエイミング光の照射位置情報を取得し、エイミング光の照射位置に関して目標部位に対応するフォーカス位置を取得するようにしてもよい。また、走査部230における走査位置(ガルバノミラーの角度情報)から、目標部位のフォーカス位置を取得してもよい。そして、フットスイッチ131が踏まれると、制御ユニット170は、取得されたフォーカス位置に基づいてレンズ225の位置を調整しながら、エイミング光と対応する位置にレーザ光を照射する。
【0083】
なお、以上の説明では、術者が断層像150上で目標部位を指定し、レーザビームの焦点位置を設定する構成としたが、これに限るものではない。術者が断層像を確認しながら、レーザビームの焦点位置を調節する構成としてもよい。例えば、レーザビームの焦点位置に対応する断層像上の位置にガイド用のマークを表示させ,術者がフォーカスノブ(レンズ225を移動させるためのノブ)の操作に応じてマークが移動する構成とする。
【0084】
なお、以上の説明では、術者が断層像を確認してピンポイントフォーカス位置を定める構成としたが、これに限るものではない。制御ユニット170は、断層像の層の検出結果に基づいて、目標部位を解析(判定)する。制御ユニット170は、レンズ342を移動させて眼底の層の位置を取得して、眼底組織内での目標部位に対応するピンポイントフォーカス位置を定めるようにしてもよい。
【0085】
例えば、術者は、観察ユニット260で、患者眼Eの眼底Efを確認しながら、治療部位を定める(XY方向でのアライメント)。そして、術者が、フットスイッチ131を踏み込むと、制御ユニット170は、OCTユニット300を制御し、フォーカス情報を取得すると共に、断層像(又は深さプロファイル)から層を検出する。制御ユニット170は、層の状態を解析して、目標部位(異常部位)を判定する。制御ユニット170は、判定結果に基づいてピンポイントフォーカス位置を定め、駆動部225aを制御する。ピンポイントフォーカス合わせが完了すると、制御ユニット170は、ブザー173で術者に報知する。そして、術者が再びフットスイッチ131を踏み込むと、制御ユニット170によって、治療レーザ光が目標部位に照射される。なお、治療レーザ光の照射は、制御ユニット170が自動的に行う構成としてもよい。
【0086】
なお、以上の説明では、OCT光学系310と照射光学系220aとを別の光学系としたが、共用化してもよい。例えば、照射光学系220aの走査部230と、光スキャナ320を共用化する構成とする。また、OCTユニットの測定光の集光位置を調節するレンズと、治療レーザ光の結像位置を調節するレンズとを共用化してもよい(第1焦点調節手段と第2焦点調節手段の一体化)。これにより、OCTユニットによる眼底の層の位置をレンズ位置から取得することによって、治療レーザ光の結像位置を取得できることとなる。
【0087】
また、以上の説明では、輝度変化情報において、2つの特徴部位の焦点位置に対応するレンズ位置を求め、フォーカス情報を得る構成としたが、これに限るものではない。特徴部位は1つであってもよい。例えば、ILMに焦点が合うレンズ位置を取得し、ILMからZ方向にレーザビームの焦点位置を移動させてレーザ照射を行ってもよい。この場合、コンタクトレンズCLの倍率、患者眼の屈折率(ほぼ一定)を加味し、レンズ225の移動量と、眼底の組織の深さ位置を定めればよい。
【0088】
なお、以上の説明では、レーザビームの焦点位置を対物レンズ225の光軸に沿った移動によって調節する構成としたが、これに限るものではない。レーザビームの焦点位置をZ方向で調節できればよく、例えば、レーザデリバリ200又は照射ユニット220を前後に移動させる構成としてもよい。
【0089】
なお、以上の説明した構成に、トラッキング機能を付加してもよい。例えば、OCTユニット300で取得した患者眼の眼底像(例えば、SLO画像)から制御ユニット170が、特徴点(例えば、乳頭)を抽出する。そして、制御ユニット170は、特徴点の位置をリアルタイムに取得し、この位置情報に基づいて光スキャナ320を制御して、測定光を目標部位に対して定位置とする。これによって、患者眼の固視微動に追従(トラッキング)した断層像、深さプロファイルが得られる。また、OCTユニット300に患者眼が固視するための固視光を患者眼に呈示する固視光学系を付加する構成としてもよい。これにより、観察・治療において患者眼の固視微動の影響が軽減される。また、患者眼の視線が誘導し易くなり、レーザ照射位置の決定が視ムーズに行える。
【0090】
また、Z方向のトラッキング機能を付加してもよい。例えば、OCTユニット300で取得した深さプロファイルをリアルタイムにモニタリングし、深さ方向における所定位置に対してILM等の特徴部位がZ方向に移動した変位量を検出し、変位量に対応するように対物レンズ225を移動させて治療レーザ光の結像位置をZ方向で調節する(Z方向のトラッキング)。
【0091】
また、断層像の取得において、深さ方向における所定位置に対してILM等の特徴部位が所定の位置に位置するように測定光と参照光の光路長差を調整する構成としてもよい。これにより、深さプロファイルの感度ムラを低減できる。
【0092】
なお、以上の説明では、治療レーザ光を凝固等を行うための連続波のレーザ光としたが、これに限るものではない。目標部位を機械的に破壊(又は切除)するためのパルスレーザを光源として利用してもよい。
【0093】
なお、以上の説明では、患者眼の眼底を治療する構成としたが、患者眼の別の部位に適用できる。以上の説明では、視度補正レンズ242により、眼底のフォーカス情報を得る構成としたが、患者眼の組織が眼底でない場合には、視度補正レンズではなく、OCTユニット300の測定光の集光位置を調節する光学素子(レンズ、ミラー)を利用してもよい。
【0094】
なお、本発明は、当業者の創意、工夫により様々な変容が可能である。本発明の技術思想はそれらの構成も含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本実施形態に係る眼科用レーザ治療装置の構成について説明する概略構成図である。
【図2】照射光学系でのスポットの焦点位置の調節について説明する概略光学図である
【図3】OCT光学系での視度補正について説明するための概略光学図である。
【図4】レーザ治療の流れを説明するフローチャートである。
【図5】モニタの表示画面を説明する図である。
【図6】あるAスキャンの輝度分布(Z方向の信号強度)を示したものである。
【図7】各レンズ位置における網膜の内境界層と視細胞層の輝度値のプロットである。
【図8】治療レーザ光のフォーカス位置をピンポイントに調整する場合の具体例について説明する模式図である。
【図9】輝度変化情報から目標部位のフォーカス位置を取得する方法について説明する図である。
【図10】治療レーザ光のフォーカス位置が動脈瘤に合わせられた状態を説明する図である。
【符号の説明】
【0096】
100 本体部
110 レーザ光源ユニット
120 操作ユニット
130 操作ユニット
132 モニタ
150 断層像
200 レーザデリバリ部
220 照射ユニット
225 対物レンズ
260 観察ユニット
270 照明ユニット
300 OCTユニット
310 OCT光学系
314 測定光学系
342 視度補正レンズ
500 眼科用レーザ治療装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者眼に治療用のレーザビームを照射して治療する眼科用レーザ治療装置において、
測定光源と、前記測定光源から発せられた光を,患者眼に導光され患者眼で反射される測定光と参照光とに分割する光分割器と、前記患者眼組織内における測定光の焦点位置を調節する第1焦点位置調節手段と、患者眼で反射された測定光と参照光との干渉状態を検出する検出器と、を備え、前記患者眼組織の深さプロファイルを取得する光干渉光学ユニットと、
前記患者眼組織内におけるレーザビームの焦点位置を調節する第2焦点位置調節手段を有し、レーザ光源から出射された治療用のレーザビームを患者眼の組織に照射する照射光学系を備える照射ユニットと、
第1焦点位置調節手段の駆動を制御して、測定光の焦点位置を変化させることにより各焦点位置での深さプロファイルを取得し、焦点位置が変化されたときの前記深さプロファイルの輝度変化情報を検出する輝度変化情報検出手段と、
前記輝度変化情報検出手段によって取得された輝度変化情報に基づいて患者眼組織内における合焦状態を検出する合焦状態検出手段と、
該合焦状態検出手段での検出結果に基づいて、患者眼組織内の目標部位に前記レーザビームの焦点位置が調節されるようにガイドするガイド手段と、
を備えることを特徴とする眼科用レーザ治療装置。
【請求項2】
請求項1の眼科用レーザ治療装置において、
前記ガイド手段は、患者眼組織内の目標部位に前記レーザビームの焦点位置が調整されるように前記第1焦点位置調節手段の駆動を制御することを特徴とする眼科用レーザ治療装置。
【請求項3】
請求項1又は2の眼科用レーザ治療装置において、
前記患者眼組織内においてレーザビームを照射する目標部位を設定する設定手段を備え、
前記合焦状態検出手段は、前記輝度変化情報検出手段によって取得された輝度変化情報に基づき,前記設定手段によって設定された目標部位に対応する合焦位置情報を取得し、
前記ガイド手段は、前記第2焦点位置調節手段の駆動を制御して、前記合焦位置情報に対応する位置に向けて焦点位置を調節することを特徴とする眼科用レーザ治療装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかの眼科用レーザ治療装置において、
輝度変化情報検出手段は、患者眼の組織内の特徴部位の少なくとも2つに関する輝度変化情報を検出し、
前記合焦状態検出手段は、レーザビームの患者眼組織内での目標部位に対応する焦点位置を、前記少なくとも2つの特徴部位に対応する合焦位置との位置関係から求めることを特徴とする眼科用レーザ治療装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかの眼科用レーザ治療装置は、
前記光干渉光学ユニットで取得した深さプロファイルを断層像として表示する表示手段を有し、
前記ガイド手段は、該合焦状態検出手段での検出結果に基づいて、前記断層像に対してレーザビームの焦点位置を示すマークを前記モニタ上に表示することを特徴とする眼科用レーザ治療装置。
【請求項6】
請求項5の眼科用レーザ治療装置は、
設定手段は、前記モニタに表示された断層像に対して目標部位を設定する設定手段であることを特徴とする眼科用レーザ治療装置。
【請求項7】
請求項1〜6の眼科用レーザ治療装置は、
前記光干渉光学ユニットが取得した深さプロファイルに基づいて治療部位を抽出する解析ユニットを備え、
前記合焦状態検出手段は、前記輝度変化情報に基づいて、解析ユニットによって抽出された前記治療部位を前記目標部位とする合焦位置情報を取得することを特徴とする眼科用レーザ治療装置。
【請求項8】
請求項1〜7の眼科用レーザ治療装置は、
前記ガイド手段によって前記レーザビームの焦点位置が目標部位に合わせられたことを報知する報知手段を有する、
ことを特徴とする眼科用レーザ治療装置。
【請求項9】
請求項1〜8の眼科用レーザ治療装置において、
前記合焦状態検出手段で取得した焦点位置とレーザビームの焦点位置とが合致するように、前記第1焦点調節手段で調節する焦点位置の関係と、前記第2焦点調節手段で調節する焦点位置の関係とが対応付けされていることを特徴とする眼科用レーザ治療装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−213634(P2012−213634A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−83095(P2012−83095)
【出願日】平成24年3月30日(2012.3.30)
【出願人】(000135184)株式会社ニデック (745)
【Fターム(参考)】