説明

眼科用組成物の安定化法

【課題】眼球への局所投与治療薬は、液体またはゲル状態で調合され、投与まで無菌性を保つために、無菌包装を施されるか、または加熱殺菌される。多くの治療薬は、特に昇温での酸化に安定でない。オートクレーブ中の特定の治療薬の安定性を改善するため、EDTAが使用されているが、触媒による酸化分解に感受性を示す不安定な治療薬を安定化することができる他の化合物が求められている。
【解決手段】本発明は、眼科用溶液中に溶解された酸化に不安定な眼科用化合物の、オートクレーブ中の、安定化を含む方法であって、前記眼科用溶液中に安定化有効量の少なくとも1種類の富電子ポリマーを取り込むことによる方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、加工、オートクレーブ、包装、出荷または貯蔵中に酸化分解に対して眼科用剤を安定化させる方法に関する。
【0002】
〔発明の背景〕
眼球への局所投与治療薬は、一般に、液体またはゲル状態で調合され、投与まで無菌性を保たなければならない。したがって、眼科用治療薬は、扱いにくく、高価な無菌包装を施されるか、加熱殺菌される。不運なことに、多くの治療薬は、特に昇温での酸化に安定でない。
【0003】
オートクレーブ中の特定の治療薬の安定性を改善するため、EDTAが使用されている。しかし、触媒による酸化分解に感受性を示す不安定な治療薬を安定化することができる他の化合物が求められている。
【0004】
〔発明の概要〕
本発明は、眼科用溶液中に溶解される酸化に不安定な眼科用化合物を、オートクレーブ中に安定化する方法であって、前記眼科用溶液中に安定化有効量の少なくとも1種類の富電子ポリマーを取り込むことによる方法に関する。
【0005】
〔発明の詳細な説明〕
本発明は、眼科用溶液中に溶解された少なくとも1種類の酸化に不安定な眼科用化合物の、オートクレーブ中の、安定化であって、前記眼科用溶液中に安定化有効量の少なくとも1種類の富電子ポリマーを取り込むことによる安定化を含み、この安定化の過程からなり、および、この安定化の過程から基本的になる。
【0006】
本明細書で使用する場合、酸化に不安定な眼科用化合物(oxidatively unstable ophthalmic compound)(「OUOC」)とは、少なくとも1種類の酸化触媒を有する溶液中でオートクレーブにかけると、10%以上の分解を示すが、同一条件下で、少なくとも1種類の酸化触媒なしでオートクレーブにかけると、10%未満の分解を示すいずれかの治療薬である。酸化不安的性は、評価対象の治療薬25 ppmを含有する包装溶液3 mLを形成し、酸化触媒(100 ppm Cu2Oおよび100 ppm FeSO4)の存在下または不在下で当該溶液をオートクレーブ条件(120℃、20分間)に曝露することによって測定できる。
【0007】
OUOCの例は、酸化に不安定な医薬および機能性食品化合物を含む。ある実施態様では、OUOCは、少なくとも1種類の薬剤的に活性なアミンを含む。ある実施態様では、1種類のOUOCは、少なくとも1種類の三級環式アミンを含む。別の実施態様では、1種類のOUOCは、少なくとも1種類の三級シクロへキシルアミンを含む。別の実施態様では、OUOCは、アシシクロビール(acycyclovir)、アドレナロン(adrenalone)、アミノカプロン酸、アモキシシリン、アモトリフェン(amotriphene)、アモキセカイン(amoxecaine)、アモジアキン(amodiaquin)、アンタゾリン、アトロフィン(atrophine)、ベタキソロール、ブピバカイン、カルバコール、カルテオロール、クロラムフェニコール(chlorampenicol)、クロルテトラサイクリン、コリナチン(corynathine)、クロマリンナトリウム(cromalyn sodium)、シクロペントレート、デメカリウム、デキサメサゾン、ジクロルフェナミド(dichlorphenamide)、ジブトリン、ジクロフェナック(diclophenac)、ジピベフリン、エフェドリン、エリスロマイシン、エタンブトール、ユーカトロピン、フルオロメタロン(fluoromethalone)、ゲンタマイシン、グラミシジン、ホマトロピン、インドメタシン、ケトチフェン、レバロルファン、レボブノロール、レボカバスチン、リドカイン、リグノカイン、ロメフロキサシン、メドリソン(medrysone)、メピバカイン、メタゾラミド、ナファゾリン、ナタマイシン、ネオマイシン、ノルアドレナリン、オフロキサシン、オキシブプロカイン、オキシメタゾリン、フェニラミン、フェニレフリン、フィゾスチグミン、ピロカルピン、ポリミキシンB、プレドニゾロン、プロパラカイン、ピリラミン、スコポラミン、ソルビニル(sorbinil)、スルファセタミド、タモキシフェン、テトラカイン、テトラサイクリン、テトラヒドロゾリン(tetrahydozoline)、チモロール、トリフルリジン、トロピカミド、ビダラビン、およびそれらの塩および混合物から選択される少なくとも1種類の治療薬を含む。機能性食品化合物の例は、ビタミンおよび栄養補助食品、例えば、ビタミンA、D、E、ルテイン、ゼアキサンチン、リポ酸、フラボノイド、眼科用適合可能脂肪酸(オメガ3およびオメガ6脂肪酸など)、それらの組み合わせ、医薬化合物との配合物などを含む。なおも別の実施態様では、OUOCは、フマル酸ケトチフェン、フマル酸ノルケトチフェン(nor ketotifen fumarate)、11-ジヒドロ-11-(1-メチル-4-ピペリジニリデン)-5H-イミダゾ[2,1-b][3]ベンザゼピン-3-カルボキサルデヒド(CAS No.147084-10-4)、オラパタジン(olapatadine)およびその混合物から選択される少なくとも1種類の治療薬を含む。なおも別の実施態様では、OUOCは、フマル酸ケトチフェン、11-ジヒドロ-11-(1-メチル-4-ピペリジニリデン)-5H-イミダゾ[2,1-b][3]ベンザゼピン-3-カルボキサルデヒド(11-dihydro-11-(1-methyl-4-piperidinylidene)-5H-imidazo[2,1-b][3]benzazepine-3-carboxaldehyde)(CAS No.147084-10-4)、およびそれらの混合物から選択される少なくとも1種類の治療薬を含む。
【0008】
本発明の酸化に安定な眼科用組成物中のOUOC濃度は、約10 ppm〜約100,000 ppm、一部の実施態様では、約10 ppm〜約10,000 ppm、一部の実施態様では約10 ppm〜約1,000 ppm、さらに、一部の実施態様では約10 ppm〜約500 ppmの範囲であることができる。
【0009】
本発明の酸化に安定な眼科用組成物は、少なくとも1種類の富電子ポリマー(electron rich polymer)を含む。適切な富電子ポリマーは、水溶性であり、少なくとも1種類の、自由電子対を保有する基団を含み、約1,000以上、一部の実施態様では約1000〜約2,000,000の重量平均分子量Mwを有し、遷移金属含有種を実質的に含まない。本明細書で使用する場合、水溶性(water soluble)とは、選択された富電子ポリマーが、選択濃度および眼科用溶液の製造、滅菌および貯蔵に共通の設定温度およびpH全体において、目に見えるゲル粒子を沈殿、形成しないことを意味する。一部の実施態様では、富電子ポリマーは、銅および鉄含有種を実質的に含まない。
【0010】
本発明の目的上、分子量は、90°光散乱および屈折率検出器によるゲル透過クロマトグラフ(gel permeation chromatograph)を使って決定される。PW4000およびPW2500の2本のカラム、50 mM 塩化ナトリウムに合わせて調整された75/25重量/重量メタノール-水溶離液、および、325,000〜194の範囲の明確な分子量を有するポリエチレングリコールおよびポリエチレンオキサイド分子混合物を使用する。
【0011】
本明細書で使用する場合、「実質的に含まない(substantially free from)」とは、遷移金属含有種がOUOCのさらなる分解を引き起こすには不十分な量で富電子ポリマー中に存在することを意味する。好ましくは、遷移金属含有種は、富電子ポリマー中に、約100 ppm未満、一部の実施態様では約50 ppm未満、および、一部の実施態様では約20 ppm未満の量で存在する。
【0012】
適切な富電子ポリマーは、エステル、酸、アミン、炭酸塩、カルボン酸塩、チオール、乳酸塩(lactates)、アミド、カルバミン酸塩(carbamates)、リン酸塩(phosphate)、フォスフィン、ニトリル、ラクタム、および、それらの組み合わせを含むポリマーを含む。少なくとも1個の自由電子対を伴う基団を保有しないポリマー、例えばエーテル基、アルコール基またはそれらの組み合わせのみを含むポリマーなど、は、本明細書で規定するような富電子ポリマーではない。広範囲の濃度の電子供与基を含むことができるが、電子供与基濃度が高いほど、使用に必要な富電子ポリマーが少なくなる。具体例は、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、ビニルピロリドン、ビニルメトアセトイミド(vinylmethacetimide)、それらの組み合わせなどのホモポリマーおよびランダムまたはブロックコポリマーを含む。さらに具体的な例は、ポリ(アクリル酸)(poly (acrylic acid))、ポリ(ビニルピロリドン)(poly (vinylpyrollidone))およびポリ(ビニルメチルアセトアミド)(poly (vinylmethylacetamide))およびそれらの組み合わせなどを含む。ある実施態様では、富電子ポリマーは、ポリ(アクリル酸)である。
【0013】
富電子ポリマーは、眼科用組成物中に、安定化有効量で存在する。安定化有効量は、眼科用組成物中のOUOC、OUOC濃度および他の成分の濃度に応じて変動するが、一般に、安定化有効量は、安定性の少なくとも約5%の改善を提供するのに十分な量である。適切な富電子ポリマー量は、約10〜約5,000 ppm、一部の実施態様では約100〜約5,000 ppm、一部の実施態様では約500〜約3,000 ppmを含む。
【0014】
OUOCおよび富電子ポリマーは、いずれかの適切な眼科用に適合可能なキャリアから形成できる。適切なキャリアは、水、生理食塩水、鉱物油、ワセリン(petroleum jelly)、水溶性溶媒(例、C15~20アルコール、C15~20アミド、両性イオンで置換されたC15~20アルコールなど)、植物油または鉱物油(0.5〜5重量%ヒドロキシエチルセルロース、オレイン酸エチル、カルボキシメチルセルロースを含む)、ポリビニルピロリドン、および他の眼科用の非毒性水溶性ポリマー、例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース(hydroxymethylcellulose)、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース(methylhydroxypropyl-cellulose)、ヒドロキシプロピルセルロースのアルカリ金属塩などのセルロース誘導体、キトサン、スクレログルカン、アクリレートまたはメタクリレート(例えば、ポリ(アクリル酸)の塩またはアクリル酸エチル、ポリアクリルアミドなど)、天然物(例えば、ゼラチン、アルギネート、ペクチン、トラガカント(tragacanth)、カラヤガム、キサンタンガム、カラゲニン、寒天およびアカシアなど)、デンプン誘導体(例えば、酢酸デンプン、ヒドロキシプロピルデンプンなど)を含み、他の合成品、例えば、ポロキサマー(Poloxamer F127など)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキサイド、好ましくは、中性カルボポル(Carbopol)などの架橋ポリ(アクリル酸)、または、それらのポリマーの混合物も含む。好ましいキャリアは、水、セルロース誘導体(メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースのアルカリ金属塩など)、中性カルボポル(Carbopol)、またはそれらの混合物である。当該キャリアの濃度は、例えば、それらの活性成分配合物などの濃度の0.1〜100000倍である。眼科用組成物が点眼薬であると、好ましいキャリアは、水、pH緩衝生理食塩水、それらの混合物などを含む。
【0015】
本発明の酸化に安定な組成物は、コンタクトレンズなどの眼科用具用包装または保存溶液としても使用できる。本発明の眼科用組成物をコンタクトレンズ用包装溶液として使用する場合、キャリアは、緩衝生理食塩水を含む。どのコンタクトレンズも、本発明の酸化に安定な眼科用組成物とともに包装でき、市販のヒドロゲル配合物、例えばエタフィルコン(etafilcon)、ポリマコン(polymacon)、ビフィルコン(vifilcon)、ゲンフィルコンA(genfilcon A)、レネフィルコンA(lenefilcon A)、ガリフィルコン(galyfilcon)、セノフィルコン(senofilcon)、バラフィルコン(balafilcon)、ロトラフィルコンA(lotrafilcon A)、ロトラフィルコンB(lotrafilcon B)などを含むが、それらに制約されない。
【0016】
本発明の組成物は、抗酸化剤、粘滑剤(demulcents)、抗菌剤、可溶化剤、界面活性剤、緩衝剤、張度調整剤(tonicity adjusting agents)、キレート化剤、防腐剤、湿潤剤、増粘剤、それらの組み合わせなどの追加成分をさらに含むことができる。本発明の酸化に安定な組成物は、眼科用に適合可能でなければならない。富電子ポリマーの添加が本眼科用組成物のpHを望ましくないレベルまで低下させる場合、計算量の塩基、例えば水酸化ナトリウム、または、緩衝剤、例えばホウ酸ナトリウム、を添加することができる。一般に、約5〜約9、一部の実施態様では、約6〜約8のpHが望ましい。一部の実施態様では、富電子ポリマーの安定化作用は、約6.5〜約7.5のpHで最も有効である。
【0017】
本発明の酸化に安定な組成物は、OUOCおよび富電子ポリマーを選択されたキャリアと混合することによって形成できる。点眼薬またはコンタクトレンズ用包装溶液などの液体組成物の場合、OUOCおよび富電子ポリマーを当該キャリアに溶解する。酸化に安定な組成物がゲルまたは軟膏であると、OUOCおよび富電子ポリマーを、選択されたキャリアに溶解、混合または調合するなどの適切な豊富で組み入れることができる。
【0018】
一般に、本発明の酸化に安定な組成物の貯蔵期間は、約6ヶ月以上、一部の実施態様では約1年以上であり、または、約2年以上でさえあるのが望ましい。酸化に安定な組成物の貯蔵期間中、OUOCの元の濃度の少なくとも約80%以上、一部の実施態様では約90%以上の状態でとどまることが望ましい。
【0019】
これらの実施例は、本発明を制約するものではない。本発明の実施法を提案することのみを意味する。コンタクトレンズ、ならびに、他の専門品に精通する者は、本発明を実施する他の方法を見出すことができる。しかし、それらの方法は、本発明の範囲内と考えられる。
【0020】
〔実施例1〜3〕
リストに挙げた成分を逆浸透精製水と配合し、全量を1Lとすることによって、表2の溶液を形成した。これらの溶液のpHを、HCl添加によって、7.5、7.3および6.9に調整した。各溶液にフマル酸ケトチフェン80 ppmを添加した。これらの溶液のそれぞれ3.0 mLを複数のバイアルに入れた。各バイアルをオートクレーブにかけ、121℃まで加熱し、その温度に30分間保持した。これを、条件1組当りバイアル3個を使って、表3に示すサイクル回数を実施した。HP1100およびアジレント・ゾルバックス・エクリプスXDB-C18(Agilent Zorbax Eclipse XDB-C18)およびラピッド・リゾリューションHT(Rapid Resolution HT) 50 x 4.6 mm x 1.8μカラム、および、以下の条件を用いたHPLCによってケトチフェン濃度を決定した:
検出器波長 299nm
流速 1.0 mL/分
注入量 3 μL
移動相
溶離液A 0.025 Mリン酸二水素カリウム緩衝液中17%アセトニトリル
0.2%トリエチルアミン、0.13% o-リン酸
溶離液B 0.025 Mリン酸二水素カリウム緩衝液中50%アセトニトリル
緩衝液 0.2%トリエチルアミン、0.13% o-リン酸
【表1】

表3は、バイアル中に残存するケトチフェンの3回測定値の平均値を元の濃度のパーセンテージとして示す。
【表2】

【表3】

【0021】
〔実施例4〜6〕
下記の表4に示すPAA量によって実施例1の溶液を調製した。各溶液のpHは、0.1N HClを使って7.22に調整した。実施例1の場合のように、80 ppm(重量)のフマル酸ケトチフェンを各溶液に添加した。当該溶液の安定性を実施例1のとおりに検討した。結果を表4に示す。
【表4】

【0022】
〔実施例7〕
表5に挙げる成分を逆浸透精製水と配合し、全量を1Lとすることによってフマル酸ケトチフェン溶液を形成した。当該溶液のpHは、約7.2であった。当該溶液3.0 mLを3本のバイアルのそれぞれに入れた。初回ケトチフェン濃度をHPLCによって定量した。当該バイアルをオートクレーブにかけ、121℃まで加熱し、その温度で30分間保持した。1回のオートクレーブサイクル後に残ったケトチフェン濃度を、上記のようにHPLCによって定量した。
【0023】
残ったフマル酸ケトチフェンの平均濃度は、80μg/mLであった。したがって、1回のオートクレーブサイクル中、フマル酸ケトチフェンの約17%しか喪失されなかった。表5の成分を有するが、400ppm PVPを含まない対照溶液は、1回のオートクレーブサイクル中、フマル酸ケトチフェンの約50%以上を喪失した。
【表5】

【0024】
よって、前記の実施例は、ポリ(アクリル酸)などの少なくとも1種類の富電子ポリマーの添加が、フマル酸ケトチフェンのような酸化に不安定な眼科用組成物の安定性を有意に改善することを、明らかに立証している。
【0025】
〔実施の態様〕
(1) 方法において、
眼科用溶液中に安定化有効量の少なくとも1種類の富電子ポリマーを取り込むことにより、前記眼科用溶液中に溶解された酸化に不安定な眼科用化合物を、オートクレーブする間に安定化させる段階、 を含む、
方法。
(2) 方法において、
少なくとも1種類の酸化に不安定な眼科用化合物、および安定化有効量の少なくとも1種類の富電子ポリマーを含む眼科用溶液をオートクレーブする段階、
を含む、方法。
(3) 実施態様2に記載の方法において、
前記酸化に不安定な眼科用化合物が、少なくとも1種類の薬剤的に活性なアミンである、方法。
(4) 実施態様3に記載の方法において、
前記薬剤的に活性なアミンが、三級環式アミンである、方法。
(5) 実施態様3に記載の方法において、
前記の薬剤的に活性なアミンが、三級シクロヘキシルアミンである、方法。
(6) 実施態様2に記載の方法において、
前記酸化に不安定な眼科用化合物が、フマル酸ケトチフェン、フマル酸ノルケトチフェン、11-ジヒドロ-11-(1-メチル-4-ピペリジニリデン)-5H-イミダゾ[2,1-b][3]ベンザゼピン-3-カルボキサルデヒド、オラパタジンおよびその混合物からなる群から選択される、方法。
(7) 実施態様2に記載の方法において、
前記酸化に不安定な眼科用化合物が、フマル酸ケトチフェン、11-ジヒドロ-11-(1-メチル-4-ピペリジニリデン)-5H-イミダゾ[2,1-b][3]ベンザゼピン-3-カルボキサルデヒドおよびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
(8) 実施態様2に記載の方法において、
前記酸化に不安定な眼科用化合物が、フマル酸ケトチフェンを含む、方法。
(9) 実施態様2に記載の方法において、
前記富電子ポリマーが、ポリエーテル、ポリエステル、ポリ酸(polyacids)、ポリアミン、ポリカーボネート、ポリカルボキシレート(polycarboxylates)、ポリチオール、ポリラクテート、ポリアミド、ポリカルバメート、ポリフォスフェート、ポリニトリル、ポリラクタム、ならびに、それらのコポリマーおよび混合物からなる群から選択される、方法。
(10) 実施態様2に記載の方法において、
前記の富電子ポリマーが、ポリ(アクリル酸)(poly (acrylic acid))、ポリ(ビニルピロリドン)(poly (vinylpyrollidone))およびポリ(ビニルメチルアセトアミド)(poly (vinylmethylacetamide))、ならびに、それらの混合物からなる群から選択される、方法。
(11) 実施態様2に記載の方法において、
前記の富電子ポリマーが、10〜5000 ppmの量で存在する、方法。
(12) 実施態様2に記載の方法において、
前記の富電子ポリマーが、100〜5000 ppmの量で存在する、方法。
(13) オートクレーブ処理可能な溶液において、
少なくとも1種類の酸化に不安定な眼科用化合物、および、安定化有効量の少なくとも1種類の富電子ポリマーを含む眼科用溶液、
を含む、オートクレーブ処理可能な溶液。
(14) 実施態様13に記載のオートクレーブ処理可能な溶液において、
前記酸化に不安定な眼科用化合物が、少なくとも1種類の薬剤的に活性なアミンである、オートクレーブ処理可能な溶液。
(15) 実施態様13に記載のオートクレーブ処理可能な溶液において、
前記の薬剤的に活性なアミンが、三級環式アミンである、オートクレーブ処理可能な溶液。
(16) 実施態様13に記載のオートクレーブ処理可能な溶液において、
前記の薬剤的に活性なアミンが、三級シクロへキシルアミンである、オートクレーブ処理可能な溶液。
(17) 実施態様13に記載のオートクレーブ処理可能な溶液において、
前記酸化に不安定な眼科用化合物が、フマル酸ケトチフェン、フマル酸ノルケトチフェン、11-ジヒドロ-11-(1-メチル-4-ピペリジニリデン)-5H-イミダゾ[2,1-b][3]ベンザゼピン-3-カルボキサルデヒド、オラパタジンおよびその混合物からなる群から選択される、オートクレーブ処理可能な溶液。
(18) 実施態様13に記載のオートクレーブ処理可能な溶液において、
前記の酸化に不安定な眼科用化合物が、フマル酸ケトチフェン、11-ジヒドロ-11-(1-メチル-4-ピペリジニリデン)-5H-イミダゾ[2,1-b][3]ベンザゼピン-3-カルボキサルデヒドおよびその混合物からなる群から選択される、オートクレーブ処理可能な溶液。
(19) 実施態様13に記載のオートクレーブ処理可能な溶液において、
前記の酸化に不安定な眼科用化合物が、フマル酸ケトチフェンを含む、オートクレーブ処理可能な溶液。
(20) 実施態様13に記載のオートクレーブ処理可能な溶液において、
前記の富電子ポリマーが、ポリエーテル、ポリエステル、ポリ酸、ポリアミン、ポリカーボネート、ポリカルボキシレート、ポリチオール、ポリラクテート、ポリアミド、ポリカルバメート、ポリフォスフェート、ポリニトリル、ポリラクタム、ならびに、それらのコポリマーおよび混合物からなる群から選択される、オートクレーブ処理可能な溶液。
(21) 実施態様13に記載のオートクレーブ処理可能な溶液において、
前記の富電子ポリマーが、ポリ(アクリル酸)(poly (acrylic acid))、ポリ(ビニルピロリドン)(poly (vinylpyrollidone))およびポリ(ビニルメチルアセトアミド)(poly (vinylmethylacetamide))、ならびに、それらの混合物からなる群から選択される、
オートクレーブ処理可能な溶液。
(22) 実施態様13に記載のオートクレーブ処理可能な溶液において、
前記富電子ポリマーが、10〜5000 ppmの量で存在する、オートクレーブ処理可能な溶液。
(23) 実施態様13に記載のオートクレーブ処理可能な溶液において、
前記富電子ポリマーが、100〜5000 ppmの量で存在する、オートクレーブ処理可能な溶液。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法において、
眼科用溶液中に安定化有効量の少なくとも1種類の富電子ポリマーを取り込むことにより、前記眼科用溶液中に溶解された酸化に不安定な眼科用化合物を、オートクレーブする間に安定化させる段階、
を含む、方法。
【請求項2】
方法において、
少なくとも1種類の酸化に不安定な眼科用化合物、および安定化有効量の少なくとも1種類の富電子ポリマーを含む眼科用溶液をオートクレーブする段階、
を含む、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、
前記酸化に不安定な眼科用化合物が、少なくとも1種類の薬剤的に活性なアミンである、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、
前記薬剤的に活性なアミンが、三級環式アミンである、方法。
【請求項5】
請求項3に記載の方法において、
前記薬剤的に活性なアミンが、三級シクロヘキシルアミンである、方法。
【請求項6】
請求項2に記載の方法において、
前記酸化に不安定な眼科用化合物が、フマル酸ケトチフェン、フマル酸ノルケトチフェン、11-ジヒドロ-11-(1-メチル-4-ピペリジニリデン)-5H-イミダゾ[2,1-b][3]ベンザゼピン-3-カルボキサルデヒド、オラパタジンおよびその混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項7】
請求項2に記載の方法において、
前記酸化に不安定な眼科用化合物が、フマル酸ケトチフェン、11-ジヒドロ-11-(1-メチル-4-ピペリジニリデン)-5H-イミダゾ[2,1-b][3]ベンザゼピン-3-カルボキサルデヒドおよびそれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項8】
請求項2に記載の方法において、
前記酸化に不安定な眼科用化合物が、フマル酸ケトチフェンを含む、方法。
【請求項9】
請求項2に記載の方法において、
前記富電子ポリマーが、ポリエーテル、ポリエステル、ポリ酸(polyacids)、ポリアミン、ポリカーボネート、ポリカルボキシレート(polycarboxylates)、ポリチオール、ポリラクテート、ポリアミド、ポリカルバメート、ポリフォスフェート、ポリニトリル、ポリラクタム、ならびに、それらのコポリマーおよび混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項10】
請求項2に記載の方法において、
前記の富電子ポリマーが、ポリ(アクリル酸)(poly (acrylic acid))、ポリ(ビニルピロリドン)(poly (vinylpyrollidone))およびポリ(ビニルメチルアセトアミド)(poly (vinylmethylacetamide))、ならびに、それらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項11】
請求項2に記載の方法において、
前記の富電子ポリマーが、10〜5,000 ppmの量で存在する、方法。
【請求項12】
請求項2に記載の方法において、
前記の富電子ポリマーが、100〜5000 ppmの量で存在する、方法。
【請求項13】
オートクレーブ処理可能な溶液において、
少なくとも1種類の酸化に不安定な眼科用化合物、および、安定化有効量の少なくとも1種類の富電子ポリマーを含む眼科用溶液、
を含む、オートクレーブ処理可能な溶液。
【請求項14】
請求項13に記載のオートクレーブ処理可能な溶液において、
前記酸化に不安定な眼科用化合物が、少なくとも1種類の薬剤的に活性なアミンである、オートクレーブ処理可能な溶液。
【請求項15】
請求項13に記載のオートクレーブ処理可能な溶液において、
前記薬剤的に活性なアミンが、三級環式アミンである、オートクレーブ処理可能な溶液。
【請求項16】
請求項13に記載のオートクレーブ処理可能な溶液において、
前記薬剤的に活性なアミンが、三級シクロへキシルアミンである、オートクレーブ処理可能な溶液。
【請求項17】
請求項13に記載のオートクレーブ処理可能な溶液において、
前記酸化に不安定な眼科用化合物が、フマル酸ケトチフェン、フマル酸ノルケトチフェン、11-ジヒドロ-11-(1-メチル-4-ピペリジニリデン)-5H-イミダゾ[2,1-b][3]ベンザゼピン-3-カルボキサルデヒド、オラパタジンおよびその混合物からなる群から選択される、オートクレーブ処理可能な溶液。
【請求項18】
請求項13に記載のオートクレーブ処理可能な溶液において、
前記の酸化に不安定な眼科用化合物が、フマル酸ケトチフェン、11-ジヒドロ-11-(1-メチル-4-ピペリジニリデン)-5H-イミダゾ[2,1-b][3]ベンザゼピン-3-カルボキサルデヒドおよびその混合物からなる群から選択される、オートクレーブ処理可能な溶液。
【請求項19】
請求項13に記載のオートクレーブ処理可能な溶液において、
前記の酸化に不安定な眼科用化合物が、フマル酸ケトチフェンを含む、オートクレーブ処理可能な溶液。
【請求項20】
請求項13に記載のオートクレーブ処理可能な溶液において、
前記の富電子ポリマーが、ポリエーテル、ポリエステル、ポリ酸、ポリアミン、ポリカーボネート、ポリカルボキシレート、ポリチオール、ポリラクテート、ポリアミド、ポリカルバメート、ポリフォスフェート、ポリニトリル、ポリラクタム、ならびに、それらのコポリマーおよび混合物からなる群から選択される、オートクレーブ処理可能な溶液。
【請求項21】
請求項13に記載のオートクレーブ処理可能な溶液において、
前記の富電子ポリマーが、ポリ(アクリル酸)(poly (acrylic acid))、ポリ(ビニルピロリドン)(poly (vinylpyrollidone))およびポリ(ビニルメチルアセトアミド)(poly (vinylmethylacetamide))、ならびに、それらの混合物からなる群から選択される、オートクレーブ処理可能な溶液。
【請求項22】
請求項13に記載のオートクレーブ処理可能な溶液において、
前記富電子ポリマーが、10〜5000 ppmの量で存在する、オートクレーブ処理可能な溶液。
【請求項23】
請求項13に記載のオートクレーブ処理可能な溶液において、
前記富電子ポリマーが、100〜5000 ppmの量で存在する、オートクレーブ処理可能な溶液。

【公開番号】特開2007−99769(P2007−99769A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−267364(P2006−267364)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(500092561)ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド (153)
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 Centurion Parkway−Suite 100, Jacksonville, Florida 32256, U.S.A.
【Fターム(参考)】