説明

着信通知装置、通信システム、および着信通知方法

【課題】早期に着信者に着信について通知することを可能にする技術を提供する。
【解決手段】本発明の着信通知装置は着信情報取得手段と着信通知手段を有している。着信情報取得手段は、通信ネットワークにおいて呼制御を行う呼制御装置から、着信に関する着信者番号を特定した情報である着信情報を取得する。着信通知手段は、着信があったことを示す着信通知メールを、着信情報取得手段で取得された着信情報にて特定された着信者番号に対応する通知先アドレスに宛てて送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、NGN(次世代ネットワーク;Next Generation Network)に代表される通信ネットワークによる電話サービスに関し、特に、その電話サービスに付帯する付加サービスに関する。
【背景技術】
【0002】
ITU−T(国際電気通信連合 電気通信標準化部門;International Telecommunication Union−Telecommunication Standardization Sector)やTTC(情報通信技術委員会)では、IP(Internet Protocol)プロトコルを用いた通信ネットワークであるNGNに関する標準化が進められている。
【0003】
NGNにおける付加サービスとして、既存の加入電話システムにおいて提供されているサービスと同様のサービスをNGNでもサポートすることが考えられる。付加サービスの1つとして、発信側の電話番号を着信側の電話機に表示させるというものがある(特許文献1または非特許文献1参照)。
【0004】
日本電信電話株式会社の既存のアナログ加入電話システムにおける付加サービスとして「ナンバー・ディスプレイ・サービス」がある。これは着信時に着信側の電話機に発信者の電話番号を表示させるサービスである。また、ナンバー・ディスプレイ・サービスのオプションとして、発信者の電話番号の代わりに、あるいはそれと共に、発信者名を表示する「ネーム・ディスプレイ」というものもある。表示される発信者名は例えば会社名や個人の氏名である。
【0005】
また、同じく日本電信電話株式会社のINSネット64サービスにおいては「発信者番号通知サービス」というものがある。発信者番号通知サービスでは、発信側の契約者回線番号は、着信側のINSネット契約者、加入電話のナンバー・ディスプレイ契約者、あるいは携帯電話機などに通知される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3374968号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】技術参考資料「INSネットサービスのインターフェイス第4分冊(レイヤ3回線交換付加サービス編)第5版」、日本電信電話株式会社、平成10年5月1日発行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
着信時に発信者の電話番号等が表示されれば、着信者は電話に出る前に発信者について知ることができる。しかしながら、着信時に着信者が不在で電話に出ることができない状態であった場合、電話がかかってきたことや発信者について知ることができない。着信履歴や留守番電話を利用すれば電話がかかってきたことを知ることはできるが、それを知るのは帰宅後のようにある程度長い時間が経過した後である。
【0009】
本発明の目的は、早期に着信者に着信について通知することを可能にする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の着信通知装置は、
通信ネットワークにおいて呼制御を行う呼制御装置から、着信に関する着信者番号を特定した情報である着信情報を取得する着信情報取得手段と、
着信があったことを示す着信通知メールを、前記着信情報取得手段で取得された前記着信情報にて特定された前記着信者番号に対応する通知先アドレスに宛てて送信する着信通知手段と、を有している。
【0011】
本発明の通信システムは、
本発明による着信通知装置と、
前記通信ネットワークにおいて呼制御を行い、前記着信通知装置に、着信に関する着信者番号を特定した情報である着信情報を提供する前記呼制御装置と、を有している。
【0012】
本発明の着信通知方法は、
通信ネットワークにおいて呼制御を行う呼制御装置から、着信に関する着信者番号を特定した情報である着信情報を取得し、
着信があったことを示す着信通知メールを、前記着信情報にて特定された前記着信者番号に対応する通知先アドレスに宛てて送信するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、着信者に着信があったことをメールで通知するので、外出等で電話に出られなかった場合などでも早期に着信者に着信について通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態の全体システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の着信通知装置の構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施例の全体システムの構成および動作を示す図である。
【図4】着信情報が格納されるファイルの内容の一例を示す表である。
【図5】第1の実施例における着信通知メールの表示例を示す図である。
【図6】第1の実施例におけるシステム内での着信情報の流れを示す図である。
【図7】第1の実施例におけるシステムの動作例を示すシーケンス図である。
【図8】第2の実施例の全体システムの構成および動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1は、本実施形態の全体システムの構成を示すブロック図である。図1を参照すると、電話通信システム10は呼制御装置11と着信通知装置12を有している。
【0017】
電話通信システム10は、端末13からの発信あるいは端末13への着信について呼を確立し、端末13による音声通話やFAX等の通信を可能にするネットワークである。
【0018】
呼制御装置11は、端末13からの発信あるいは端末13への着信を受け付け、呼制御を行う装置である。呼制御装置11は、例えば、ある端末13への着信を受け付けると端末13を呼び出し、その端末13から応答があれば呼を確立する。
【0019】
また、呼制御装置11は、端末13への着信が発生する毎に着信情報を蓄積する。着信情報には、着信者番号、発信者番号、および着信日時、および応答の有無が含まれている。応答の有無は、着信に対して端末13が応答したか否かを示す。また、この着信情報に、発信者番号が非通知であった場合に非通知である旨、更には非通知の理由が含まれていてもよい。
【0020】
着信通知装置12は、呼制御装置11に蓄積された着信情報を取得し、着信情報にて特定された着信者番号に対応する通知先アドレス宛てに、着信があったことを示す着信通知メールを送信する。その際、着信通信装置12は、着信情報に含まれていた発信者番号、発信者番号が非通知である旨およびその理由、着信日時、応答の有無を着信通知メールに記載してもよい。
【0021】
着信番号に対応する通知先アドレスは通知条件情報として着信通知装置12に予め設定されている。通知先アドレスは、例えば着信者のパーソナルコンピュータ51あるいは携帯電話機61のアドレスである。着信通知装置12から送信された着信通知メールはインターネット50を介してパーソナルコンピュータ51、あるいは更に携帯電話網60を介して携帯電話機61に送られる。
【0022】
図2は、本実施形態の着信通知装置の構成を示すブロック図である。図2を参照すると、着信通知装置12は、着信情報取得部21と着信通知部22を有している。
【0023】
着信情報取得部21は、呼制御装置11から着信情報を取得する。例えば、着信情報取得部22は、呼制御装置11に定期的にアクセスし、呼制御装置11に蓄積されている着信情報を読み出すことにしてもよい。
【0024】
着信通知部22は、着信情報取得部21で取得された着信情報に基づいて着信通知メールを作成し、着信情報にて特定された着信者番号に対応する通知先アドレスに宛てて送信する。例えば、着信通知部22は、着信者番号と通知先アドレスとの対応関係を示す通知条件情報をデータベースとして予め保持しており、そのデータベースを参照することにより、着信者番号から通知先アドレスを決定することにしてもよい。
【0025】
以上説明したように、本実施形態によれば、着信者に着信があったことをメールで通知するので、外出等で電話に出られなかった場合などでも早期に着信者に着信について通知することができる。例えば、着信通知メールサービスの契約者は、仕事中や買い物等で外出中であっても、自宅等の電話機に着信があったことを、勤務先のパソコンや携帯電話機へのメールによって知ることができる。
【0026】
なお、本実施形態においては、通知条件情報に、更に、着信者番号に対応する通知対象として予め登録された発信者番号が含まれていてもよい。そして、着信通知装置12は着信通知部22によって、通知条件情報を参照し、着信者番号の通知対象として登録されている発信者番号からの着信についてのみ着信通知メールを送信することにしてもよい。例えば重要な発信者を予め登録しておけば、登録しておいた発信者からの着信のみ早期に着信者に通知することができる。これにより、着信者が発信者へ適切な対応をとることが可能となる。
【0027】
また、本実施形態においては、呼制御装置11が蓄積する着信情報に、着信者番号の端末が着信に応答したか否かを示す情報が含まれていてもよい。そして、着信通知装置12の着信通知部22は、着信情報取得部21で取得した着信情報に基づき、端末13が応答しなかった着信についてのみ着信通知メールを送信することにしてもよい。あるいは、着信通知装置12の着信通知部22は、端末13が応答しなかった着信についての着信通知メールに応答がなかった旨を記載することにしてもよい。自身および他のだれも応答しなかった着信があったことを早期に着信者に通知することができる。これにより、着信者が発信者へ適切な対応をとることが可能となる。
【0028】
(第1の実施例)
上述した実施形態の更に具体的な実施例について説明する。本実施例は本発明をNGNに適用した例である。
【0029】
図3は、第1の実施例の全体システムの構成および動作を示す図である。図3を参照すると、NGN30はSSC(Subscriber Session Control Server)31およびCSA(Customer Control Agent)32を有している。NGN30へは、HGW(Home Gateway)33を介して端末34が接続され、HGW35を介して端末36が接続されている。端末34、36は例えば電話機である。HGW33、35は、電話機等の端末をNGN30に接続するためのインターフェイス装置である。
【0030】
本実施例では、発信端末34から着信端末36への着信に着目する。着信端末36のユーザは、NGN30のネットワークから着信通知メールを受信するサービス(着信通知メールサービス)に契約しているものとする。
【0031】
また、本実施例では、着信通知メールは、予め設定された発信者番号からの着信についてのみ送信されるものとする。そして、発信端末34は、着信端末36の通知条件情報に含まれるサービス設定において、着信通知メールを送信する対象として設定された発信者番号の端末であるものとする。
【0032】
また、本実施例では、通知条件情報において複数の通知先アドレスを設定できるものとする。そして、着信端末36の通知条件情報において、通知先アドレスとして、パーソナルコンピュータ72のアドレスと携帯電話機83のアドレスの両方が設定されているものとする。
【0033】
また、本実施例では、応答できなかった着信についてのみ着信通知メールを送信するように設定することが可能であるものとする。そして、着信端末36では、そのような設定がなされているものとする。
【0034】
SSC31は、SIP(Session Initiation Protocol)を処理してユーザ通信のセッションを確立するサーバ(SIPサーバ)である。SSC31は、図1における呼制御装置11に相当する。図3に示された例では、SSC31は発信端末34から着信端末36への着信に関するセッション確立制御を行う。そして、SSC31は、着信端末36への着信が発生する毎に着信情報を蓄積する。
【0035】
図4は、着信情報が格納されるファイルの内容の一例を示す表である。図4を参照すると、着信情報のファイルには、(1)着電番、(2)呼発生時刻、(3)通信開始時刻、(4)通信終了時刻、(5)発信者通知番号、(6)非通知理由、(7)詳細コードが含まれている。
【0036】
(1)着電番は、着信通知サービスを契約しており、着信を受けた着信端末26の電話番号である。(2)呼発生時刻は、呼接続の要求を受けた時刻である。(3)通信開始時刻は、通信が開始された時刻であり、着信端末が着信OKの応答をした時刻がこれに相当する。(4)通信終了時刻は、通信が終了した時刻である。(5)発信者通知番号は、発信端末34の電話番号である。発信端末34がSSC31の自局に収容されている加入者である場合、自局の加入者データベースに登録されている端末番号が発信者通知番号として用いられる。発信端末34が他局に収容されている加入者である場合、電話番号で識別されるリソースが発信者通知番号として用いられる。(6)非通知理由は、発信端末24の電話番号が非通知である場合のその理由である。(7)詳細コードとしては、着信先ノード、メディア種別、レスポンスコード、処理詳細など、SIPによる呼処理に関する情報が記載される。
【0037】
CSA32は、ユーザ毎の各種処理を行うカスタマコントロールサーバである。CSA32は、図1における着信通知装置12に相当する。CSA32は、着信通知メールサービスに加入している着信者番号およびサービス設定内容を含む通知条件情報を保持しており、SSC31に定期的にアクセスし、SSC31に蓄積されている着信情報を取得し、通知条件情報と着信情報に基づいて着信通知メールを作成し、通知先アドレスに宛てて送信する。サービスには、例えば、その着信者番号について、着信通知メールを送信する通知先アドレスと、着信通知メールを送信する対象となる発信者番号と、応答できなかった場合のみ着信通知メールを送信することにするか否かの設定とを含んでいる。
【0038】
図3の例では着信端末36の着信情報が取得されるので、CSA32は、着信端末36が着信通知メールサービスに契約していることを確認し、着信に応答がなされたか否か確認し、発信端末34が通知の対象として設定されていることを確認する。それらが着信通知メールを送信する条件を満たしていれば、CSA32は着信通知メールを作成し、通知条件情報に通知先アドレスとして設定されているパーソナルコンピュータ72および携帯電話機83のアドレスに送信する。
【0039】
図3を参照しながらシステム動作の流れについて説明する。
【0040】
発信端末34から着信端末36への着信があると、SSC31は、その着信に関するSIP処理を行うと共に着信情報を蓄積する(ステップ101)。CSA32は、定期的にSSC31にアクセスし、蓄積されている着信情報を取得する(ステップ102)。ここでは、発信端末34から着信端末36への着信に関する着信情報が取得される。
【0041】
着信情報を取得すると、CSA32は、その着信情報に記載されている着信者番号が着信通知メールサービスに契約しているユーザの番号であることを確認する。着信端末36は着信通知メールサービスに契約しているので、CSA32は、それが確認できたら着信通知メールを作成し、通知条件情報に通知先アドレスとして設定されているパーソナルコンピュータ72および携帯電話機83のアドレスに送信する(ステップ103)。
【0042】
図5は、第1の実施例における着信通知メールの表示例を示す図である。図5の表示は携帯電話機83のディスプレイにおける着信通知メールの表示例である。ディスプレイには、着信端末36の電話番号201、着信日時202、発信端末34の電話番号203、非通知理由204、呼び出し時間205、および応答の有無206が示されている。
【0043】
図5の例からは、2008年3月3日の10時20分30秒に電話番号「0422******」の発信端末34から電話番号「03*****」の着信端末36へ着信があったことが分かる。また、その着信に着信端末36が応答せず、発信端末34が10秒間の呼び出し後に放棄したことが分かる。
【0044】
この例では、発信者番号が非通知でないので非通知理由が表示されていない。しかし、非通知であった場合には、非通知理由として「非通知」「公衆」「表示圏外」などが表示される。「非通知」は、発信端末34にて非通知の設定で発信がなされたことを表す。「公衆」は、発信端末34が公衆電話であることを表す。「表示圏外」は発信端末34が表示圏外(例えば外国)の端末であることを表す。
【0045】
また、「0422*****から、03*****に着信がありました。」等の文面が着信通知メールに記載され、ディスプレイに表示されてもよい。
【0046】
図6は、第1の実施例におけるシステム内での着信情報の流れを示す図である。図6の例では、SSC31は呼制御サーバ41およびEMS(Element Management System)42とから構成されているものとする。なお、SSC31は、複数の呼制御サーバ41に対して1つのEMS42が配置される構成であってもよい。
【0047】
着信通知メールサービスに契約している端末36への着信があった場合に、その着信のSIP処理を行うSSC31の呼制御サーバ41が、その着信に関する着信情報を生成する。SSC31内では、呼制御サーバ41の生成した着信情報が定期的に読み出され、要素管理システムであるEMS42に蓄積される。その際、着信情報は、呼制御サーバ41からEMS42へ、一例としてFTP(File Transfer Protocol)で転送される。SSC21のEMS42に集約された着信情報はCSA32によって定期的に読み出され、CSA32内に収集される。その際も、着信情報は、EMS42からCSA32へ一例としてFTPで転送される。
【0048】
また、CSA32は、着信通知メールサービスに契約しているユーザがウェブ経由で着信通知メールサービスを活性化したり、非活性化したり、通知内容を設定したりというサービス設定の入力あるいはその変更を行うための機能を有している。CSA32は、収集した着信情報とサービス設定とを照らし合わせて、予め設定されている通知先アドレスのパソコン72や携帯電話機83に着信通知メールを送信する。
【0049】
図7は、第1の実施例におけるシステムの動作例を示すシーケンス図である。図7には、着信端末36が着信に応答しなかった場合(第1のシーケンス)と、着信端末36が着信に応答した場合(第2のシーケンス)の2つの例が示されている。
【0050】
第1のシーケンスでは、発信端末34からSSC31経由で着信端末36へ着信がある(ステップ301、302)。
【0051】
ここでは、着信端末36は、その着信に応答しないので(ステップ303、304)。そこで発信者は発信を放棄する。発信端末34からSSC31へ切断情報が送信される(ステップ305)。SSC31は着信情報を生成する。
【0052】
CSA32は、SSC31が生成した着信情報を取得し(ステップ306)、その着信情報にもとづいて着信通知メールを生成して通知先のパーソナルコンピュータ72や携帯電話機83に送信する(ステップ307)。
【0053】
第2のシーケンスでは、第1のシーケンスと同様に、発信端末34からSSC31経由で着信端末36へ着信がある(ステプ401、402)。ここでは、着信端末36は、その着信に応答する(ステップ403、404)。そのとき、SSC31は着信情報を生成する。
【0054】
CSA32は、SSC31が生成した着信情報を取得し(ステップ405)、その着信情報にもとづいて着信通知メールを生成して通知先のパーソナルコンピュータ72や携帯電話機83に送信する(ステップ406)。
【0055】
また、ステップ403、404にて着信端末36が着信に応答したので、発信端末34と着信端末36の間には通話チャネルが確立される(ステップ407)。
【0056】
なお、本実施例における、着信通知メールサービスの契約は、電話番号単位に管理され、契約時に通信事業者の営業担当者が契約者からの依頼を受けて投入したサービスオーダにより、自動的にCSA32にサービス設定を依頼する情報が流通し、設定されることにしてもよい。
【0057】
また、着信通知メールサービスの契約は、電話番号単位に管理され、契約者がウェブ経由でCSA32にアクセスし、CSA32にサービス設定を入力したり、サービス設定を変更したりすることができてもよい。
【0058】
(第2の実施例)
第2の実施例では、図1に示したシステムの機能に加え、着信者の状態に応じて着信通知の種類を選択する機能を備えたシステムを例示する。
【0059】
図8は、第2の実施例の全体システムの構成および動作を示す図である。図8を参照すると、第2の実施例による電話通信システム10Aは、呼制御装置11、着信通知装置12A、および状態管理装置14を有している。呼制御装置11は図1に示したものと同じものである。
【0060】
着信通知装置12Aは、図1に示した着信通知装置12と同様、呼制御装置11に蓄積された着信情報を取得し、着信情報にて特定された着信者番号に対応する通知先アドレス宛てに、着信があったことを示す着信通知メールを送信する。ただし、本実施例の着信通知装置12Aは、複数種類の着信通知メールを使い分ける機能を備え、サービス契約者の状態に応じて選択した種類の着信通知メールを送信する。その際、着信通知装置12Aは、着信通知メールの種類に対応して複数の通知先アドレスを予め保持しており、選択した種類に応じた通知先アドレスを選択する。
【0061】
着信通知装置12Aは、呼制御装置11から着信情報を取得したら、着信情報にて特定された着信者番号のサービス契約者の状態を状態管理装置14から取得する。さらに、着信通知装置12Aは、その状態に基づいて着信通知メールの種類を選択し、選択した方法で着信通知メールを送信する。
【0062】
例えば、着信通知装置12Aは、電子メール、インスタントメッセージ、およびショートメッセージの機能を備えており、その中からサービス契約者の状態に応じて適切なものを選択する。
【0063】
状態管理装置14は、サービス契約者の状態を管理する。サービス契約者の状態の例として、サービス契約者である着信者のパーソナルコンピュータがインスタントメッセンジャーのアプリケーションを備えているか否か、またインスタントメッセンジャーのアプリケーションを実行しているか否か、着信者が事業者内の他の端末のある場所に移動しているか否か、またその他の端末の電話番号が何番か、などがある。
【0064】
サービス契約者のパーソナルコンピュータがインスタントメッセンジャーのアプリケーションを備えているかは、例えば、サービス契約者による電話機や携帯電話機からの入力による状態管理装置14に設定することができる。また、サービス契約者が事業者内の他の端末のある場所に移動しているか否か、また移動先の端末の電話番号も、例えば、サービス契約者による電話機や携帯電話機からの入力による状態管理装置14に設定することができる。また、サービス契約者のパーソナルコンピュータがインスタントメッセンジャーのアプリケーションを実行しているかは、例えば、インスタントメッセンジャーのアプリケーションの機能を利用することにより、リアルタイムで知ることができる。
【0065】
着信通知装置12Aは、例えば、着信者のパーソナルコンピュータによってインスタントメッセンジャーのアプリケーションが実行されていれば、着信通知をインスタントメッセージによって送ればよい。また、例えば、着信者が事業者内のある電話番号の端末のある場所に移動しているのであれば、着信通知装置12Aは、その電話番号の端末にショートメッセージにより着信通知を送ればよい。また、例えば、インスタントメッセンジャーのアプリケーションが実行されておらず、着信者が事業者内のある電話番号の他の端末のある場所に移動していることが設定されていなければ、電子メールで着信通知を送ることにしてもよい。
【0066】
図8を参照しながらシステム動作の流れについて説明する。
【0067】
発信端末13−1から着信端末13−2への着信があると、呼制御装置11は、その着信に関する呼処理を行うと共に着信情報を蓄積する(ステップ501)。着信通知装置12Aは、呼制御装置11にアクセスし、蓄積されている着信情報を取得する(ステップ502)。ここでは、発信端末13−1から着信端末13−2への着信に関する着信情報が取得される。
【0068】
着信情報を取得すると、着信通知装置12Aは、着信端末13−2のサービス契約者の状態を状態管理装置14から取得する(ステップ503)。続いて、着信通知装置12Aは、取得したサービス契約者の状態に応じた種類の着信通知メールを送信する(ステップ504)。着信通知メールは、電子メール(504−1)、インスタントメッセージ(504−2)、あるいはショートメッセージ(504−3)で送られる。
【0069】
本実施例によれば、着信者であるサービス契約者の状態に応じて適切な方法で着信を通知することができるので、着信者への着信通知をより良好に行うことができる。
【0070】
以上、本発明の実施形態および実施例について述べてきたが、本発明は、これらの実施形態および実施例だけに限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内において、これらを組み合わせて使用したり、一部の構成を変更したりしてもよい。
【符号の説明】
【0071】
10 電話通信システム
11 呼制御装置
12、12A 着信通知装置
13、13−1〜13−3、34、36 端末
14 状態管理装置
21 着信情報取得部
22 着信通知部
30 NGN
31 SSC
32 CSA
33 HGW
35 HGW
41 呼制御サーバ
42 EMS
50 インターネット
51 パーソナルコンピュータ
60 携帯電話網
61 携帯電話機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークにおいて呼制御を行う呼制御装置から、着信に関する着信者番号を特定した情報である着信情報を取得する着信情報取得手段と、
着信があったことを示す着信通知メールを、前記着信情報取得手段で取得された前記着信情報にて特定された前記着信者番号に対応する通知先アドレスに宛てて送信する着信通知手段と、を有する着信通知装置。
【請求項2】
前記着信通知手段は、前記着信者番号と前記通知先アドレスとの対応関係を示す通知条件情報を予め保持しており、該通知条件情報を参照することにより、前記着信者番号から前記通知先アドレスを決定する、請求項1に記載の着信通知装置。
【請求項3】
前記着信情報取得手段で取得される前記着信情報には発信者番号が含まれており、
前記通知条件情報には、更に、前記着信者番号に対応する通知対象として予め登録された発信者番号が含まれており、
前記着信通知手段は、前記通知条件情報を参照し、前記着信者番号の通知対象として登録されている発信者番号からの着信についてのみ前記着信通知メールを送信する、
請求項2に記載の着信通知装置。
【請求項4】
前記着信情報取得手段で取得される前記着信情報には着信日時が含まれており、
前記着信通知手段は、前記着信情報に含まれていた着信日時を前記着信通知メールに記載する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の着信通知装置。
【請求項5】
発信者番号が非通知である場合、前記着信情報取得手段で取得される前記着信情報には非通知である旨が含まれ、
前記着信通知手段は、前記着信情報に非通知である旨が含まれていれば、非通知であることを前記着信通知メールに記載する、請求項1から4のいずれか1項に記載の着信通知装置。
【請求項6】
発信者番号が非通知の場合の前記着信情報には、更に、非通知の理由が含まれており、
前記着信通知手段は、前記着信通知メールに、更に、前記非通知の理由を記載する、請求項5に記載の着信通知装置。
【請求項7】
前記着信情報には、前記着信者番号の端末が着信に応答したか否かを示す情報が含まれており、
前記着信通知手段は、前記端末が応答しなかった着信についてのみ着信通知メールを送信する、または前記端末が応答しなかった着信についての着信通知メールに応答がなかった旨を記載する、請求項1から6のいずれか1項に記載の着信通知装置。
【請求項8】
前記着信通知手段は、前記着信情報取得手段が前記着信情報を取得すると、該着信情報にて特定された前記着信者番号のサービス契約者の状態を、各サービス契約者の状態を管理する状態管理装置から取得し、取得した状態に応じて選択した方法で前記着信通知メールを送信する、請求項1から7のいずれか1項に記載の着信通知装置。
【請求項9】
通信ネットワークにおいて呼制御を行う呼制御装置から、着信に関する着信者番号を特定した情報である着信情報を取得し、着信があったことを示す着信通知メールを、取得された前記着信情報にて特定された前記着信者番号に対応する通知先アドレスに宛てて送信する着信通知装置と、
前記通信ネットワークにおいて呼制御を行い、前記着信通知装置に、着信に関する着信者番号を特定した情報である着信情報を提供する前記呼制御装置と、を有する通信システム。
【請求項10】
前記呼制御装置は着信が発生する毎に前記着信情報を蓄積し、
前記着信通知装置の前記着信情報取得手段は、前記呼制御装置に蓄積されている前記着信情報を定期的に読み出す、
請求項9に記載の通信システム。
【請求項11】
サービス契約者の状態を管理する状態管理装置を更に有し、
前記着信通知装置は、前記着信情報を取得すると、該着信情報にて特定された前記着信者番号のサービス契約者の状態を取得し、取得した状態に応じて選択した方法で前記着信通知メールを送信する、請求項9または10に記載の通信システム。
【請求項12】
通信ネットワークにおいて呼制御を行う呼制御装置から、着信に関する着信者番号を特定した情報である着信情報を取得し、
着信があったことを示す着信通知メールを、前記着信情報にて特定された前記着信者番号に対応する通知先アドレスに宛てて送信する、着信通知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−171855(P2010−171855A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−14123(P2009−14123)
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】