着脱ユニットおよび画像形成装置
【課題】着脱ユニットが振動する場合に、電気的な接点の導通不良の発生を抑制すること。
【解決手段】情報が記憶された記憶媒体(41)と、記憶媒体(41)の表面に露出する接続端子(41b)に接触可能な第1の保護接続端子(43a)と、第1の保護接続端子(43a)に電気的に接続された第2の保護接続端子(43b)と、を有する保護部材(43)であって、第1の保護接続端子(43a)が記憶媒体(41)の接続端子(41a)に電気的に接続された状態で着脱ユニット(UY,UM,UC,UK)に支持される保護部材(42)と、を備え、画像形成装置本体(U2)に装着された場合に、画像形成装置本体(U2)の被接続端子(14)に第2の保護接続端子(43b)が電気的に接続されることを特徴とする着脱ユニット(UY,UM,UC,UK)。
【解決手段】情報が記憶された記憶媒体(41)と、記憶媒体(41)の表面に露出する接続端子(41b)に接触可能な第1の保護接続端子(43a)と、第1の保護接続端子(43a)に電気的に接続された第2の保護接続端子(43b)と、を有する保護部材(43)であって、第1の保護接続端子(43a)が記憶媒体(41)の接続端子(41a)に電気的に接続された状態で着脱ユニット(UY,UM,UC,UK)に支持される保護部材(42)と、を備え、画像形成装置本体(U2)に装着された場合に、画像形成装置本体(U2)の被接続端子(14)に第2の保護接続端子(43b)が電気的に接続されることを特徴とする着脱ユニット(UY,UM,UC,UK)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着脱ユニットおよび画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の複写機やプリンタ等の画像形成装置において、現像ユニットや像保持体ユニット、トナーカートリッジ等の消耗や故障時に交換可能な着脱ユニットに関して、以下の特許文献1、2に記載の技術が従来公知である。
【0003】
特許文献1としての特開2008−276139号公報には、トナーカートリッジ(TCy〜TCk)に関する情報が記憶されたCRUM(41)に端子部(41a)が形成されており、トナーカートリッジ(TCy〜TCk)が装着される際に、端子部(41a)が画像形成装置本体(U1)の端子部に互いに嵌り合って接続される技術、いわゆる、ドロワコネクタ型の接触端子を有するCRUMに関する技術が記載されている。
【0004】
特許文献2としての特開2003−248354号公報には、電子写真カートリッジ(12)のCRUM(90)にコンタクトパッド(92A,92B)が設けられ、カートリッジ(12,14,16)が装着される際に、コンタクトパッド(92A,92B)が、本体側の端子ブロック(94)の接点(95)に係合して、電気的に接続される技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−276139号公報(「0034」、図4、図9)
【特許文献2】特開2003−248354号公報(「0026」〜「0030」、図2〜図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、着脱ユニットが振動する場合に、電気的な接点の導通不良の発生を抑制することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明の着脱ユニットは、
画像形成装置本体に着脱される着脱ユニットに関する情報が記憶された記憶媒体であって、基板と、前記基板表面に露出する接続端子と、を有し、前記着脱ユニットに着脱可能に支持される前記記憶媒体と、
前記記憶媒体の前記接続端子に接触可能な第1の保護接続端子と、前記第1の保護接続端子に電気的に接続され且つ前記画像形成装置本体に設けられた被接続端子に接触可能な第2の保護接続端子と、前記第1の保護接続端子および前記第2の保護接続端子を支持する保護部材本体と、を有する保護部材であって、前記第1の保護接続端子が前記記憶媒体の接続端子に電気的に接続された状態で前記着脱ユニットに支持される前記保護部材と、
を備え、
前記画像形成装置本体に装着された場合に、前記画像形成装置本体の前記被接続端子に前記第2の保護接続端子が電気的に接続されることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の着脱ユニットにおいて、
回転駆動される回転体と、
前記画像形成装置本体に設けられた駆動源からの駆動が伝達される被駆動伝達部材を有し、前記回転体に前記駆動源からの駆動を伝達する被駆動伝達系と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の着脱ユニットにおいて、
樹脂材料により構成された前記基板と、導電性金属材料が前記基板に鍍金されて形成された前記接続端子と、を有する前記記憶媒体と、
前記樹脂材料よりも鍍金された前記導電性金属材料が剥がれ難い金属材料に、前記導電性金属材料が鍍金された前記第2の保護接続端子と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の着脱ユニットにおいて、
前記接続端子と前記第1の保護接続端子との間の接触圧力に比べて、前記第2の保護接続端子と前記被接続端子との間の接触圧力が、大きな値に設定されたことを特徴とする。
【0011】
前記技術的課題を解決するために、請求項5に記載の発明の画像形成装置は、
画像形成装置本体と、
前記画像形成装置本体に着脱可能に装着される請求項1ないし4のいずれかに記載の着脱ユニットと、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1、4に記載の発明によれば、保護部材を使用しない場合に比べて、着脱ユニットが振動する場合に、電気的な接点の導通不良の発生を抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、保護部材を使用しない場合に比べて、被駆動伝達系を介して駆動が伝達される際の着脱ユニットの振動に対して、電気的な接点の導通不良の発生を抑制することができる。
請求項3に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、相対的に移動しない記憶媒体の鍍金が剥がれることを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の斜視図である。
【図2】図2は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図3】図3は実施例1の画像形成装置の要部拡大説明図である。
【図4】図4は実施例1のプロセスユニットが画像形成装置本体に装着された状態を斜め後方から見た斜視図である。
【図5】図5は図4の矢印V方向から見た図である。
【図6】図6は図4に示す状態からK色のプロセスユニットが前方に引き出された状態の説明図である。
【図7】図7は全てのプロセスユニットが取り外された状態のユニット装着部の斜視説明図である。
【図8】図8は画像形成装置本体側の被接続端子部分の要部拡大図である。
【図9】図9は実施例1のプロセスユニットの斜視図である。
【図10】図10は図9の矢印X方向から見た図であり、図10Aは全体図、図10Bは後端部分の要部拡大図である。
【図11】図11は現像ユニットを前側右斜め上方から見た斜視図であり、図11Aは全体の斜視図、図11Bは前端部分の拡大説明図である。
【図12】図12は現像ユニットを前側左斜め上方から見た斜視図である。
【図13】図13は現像部の断面説明図である。
【図14】図14は現像ユニット本体の要部説明図であり、図14Aは現像ロールおよび初期現像剤収容部が取り外された状態の現像ユニット本体の斜視図、図14Bはサプライオーガの斜視図、図14Cはアドミクスオーガの斜視図である。
【図15】図15は接続端子の要部拡大図であり、図15Aは本体側の被接続端子に接続されていない状態の要部説明図、図15Bは本体側の被接続端子に接続された状態の要部説明図である。
【図16】図16はプロセスユニットから保護部材が取り外された状態の説明図である。
【図17】図17は実施例1の記憶媒体の説明図であり、図17Aは平面図、図17Bは斜視図である。
【図18】図18は実施例1の保護部材の説明図であり、図18Aは斜め下方から見た斜視図、図18Bは斜め上方から見た斜視図、図18Cは保護接続端子の斜視図である。
【図19】図19は実施例1のプロセスユニットの被識別部および被規制部と、ユニット装着部の識別部および規制部との関係の説明図であり、図19Aは被規制部と規制部との係合が開始された状態の説明図、図19Bは図19Aに示す状態からプロセスユニットが挿入されて被規制部と規制部とが係合した状態において識別部と被識別部との係合が開始される状態の説明図、図19Cはプロセスユニットの装着が完了して識別部と被識別部とが係合し且つ被規制部と規制部との係合が解除された状態の説明図である。
【図20】図20は崩し部材および密閉部材が装着された状態の現像ユニットの斜視図である。
【図21】図21は図20に示す状態から現像剤収容部の上蓋が取り外された状態の説明図である。
【図22】図22は図21の矢印XXII方向から見た状態の説明図である。
【図23】図23は図20に示す状態における要部断面図である。
【図24】図24は図23のXXIV−XXIV線断面図である。
【図25】図25は現像剤収容部の前端の流入口の要部説明図である。
【図26】図26は現像剤収容部の前端部の説明図であり、図26Aは全体図、図26Bは前端部分の要部拡大図、図26Cは接触部材が取り外された状態の説明図である。
【図27】図27は接触部材の説明図であり、図27Aは接触部材の分解説明図、図27Bは要部断面説明図である。
【図28】図28は実施例1の密閉部材の説明図であり、図28Aは密閉部材が取り外される前の状態の説明図、図28Bは密閉部材が取り外される途中の状態の説明図、図28Cは密閉部材が取り外された状態の説明図である。
【図29】図29は崩し部材と現像剤収容部との固定方法の説明図であり、図29Aは実施例1の固定方法の説明図、図29Bは実施例1の変更例1の固定方法の説明図、図29Cは実施例1の変更例2の固定方法の説明図、図29Dは実施例1の変更例3の固定方法の説明図、図29Eは実施例1の変更例4の固定方法の説明図である。
【図30】図30は実施例1の崩し部材が引き出される過程の説明図であり、図30Aは図24に示す状態から前方に崩し部材が引き出された状態の説明図、図30Bは図30Aに示す状態からさらに前方に崩し部材が引き出された状態の説明図、図30Cは図30Bに示す状態からさらに前方に崩し部材が引き出された状態の説明図である。
【図31】図31は、プロセスユニットの被識別部および被規制部と、ユニット装着部の識別部および規制部との関係の概略説明図であり、図31Aは実施例1の構成の説明図、図31Bは被規制部と規制部とが実施例1とは逆側に配置された状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例としての実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0015】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の斜視図である。
図2は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図1、図2において、画像形成装置の一例としての複写機Uは、自動原稿搬送装置U1と、これを支持し且つ上端に透明な原稿読取り面PGを有する画像形成装置本体U2とを備えている。
図1において、画像形成装置本体U2の前面には、部品等の交換時に開閉される開閉部材の一例としてのフロントカバーUaが開閉可能に支持されている。
図2において、前記自動原稿搬送装置U1は、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて収容される原稿給紙部TG1と、原稿給紙部TG1から給紙され前記原稿読取り面PG上の原稿読取位置を通過した原稿Giが排出される原稿排紙部TG2とを有している。
前記画像形成装置本体U2は、利用者が画像形成動作開始等の作動指令信号を入力操作する操作部UIと、露光光学系A等を有している。
【0016】
前記自動原稿搬送装置U1で原稿読取り面PG上を搬送される原稿または手動で原稿読取り面PG上に置かれた原稿からの反射光は、前記露光光学系Aを介して、固体撮像素子CCDで赤:R、緑:G、青:Bの電気信号に変換される。
画像処理部IPSは、固体撮像素子CCDから入力される前記RGBの電気信号を黒:K、イエロー:Y、マゼンタ:M、シアン:Cの画像情報に変換して一時的に記憶し、前記画像情報を予め設定された時期に潜像形成用の画像情報として潜像形成回路DLに出力する。
なお、原稿画像が単色画像、いわゆる、モノクロの場合は、黒:Kのみの画像情報が潜像形成回路DLに入力される。
前記潜像形成回路DLは、図示しない各色Y,M,C,Kの各駆動回路を有し、入力された画像情報に応じた信号を予め設定された時期に、潜像形成装置ROSに出力する。
【0017】
図3は実施例1の画像形成装置の要部拡大説明図である。
前記潜像形成装置ROSの上方には、Y、M、C、およびKの各色の可視像を形成する可視像形成装置Uy,Um,Uc,Ukが配置されている。
前記Yの可視像形成装置Uyは、像保持体の一例としての回転する感光体PRy、帯電器CRy、現像装置Gy、像保持体清掃器の一例としての感光体クリーナCLyを有している。なお、実施例1では、可視像形成装置Uyは、画像形成装置本体U2に対して一体的に着脱可能な着脱ユニットの一例としてのプロセスユニットとして構成されている。
前記可視像形成装置Um,Uc,Ukはいずれも前記Yの可視像形成装置Uyと同様に構成されている。
【0018】
図2,図3において、前記各感光体PRy,PRm,PRc,PRkはそれぞれの帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより帯電された後、画像書込位置Q1y,Q1m,Q1c,Q1kにおいて、潜像形成装置ROSから射出されたY,M,C,Kの潜像書込光Ly,Lm,Lc,Lkにより、その表面に静電潜像が形成される。前記感光体PRy,PRm,PRc,PRk表面の静電潜像は、現像領域Q2y,Q2m,Q2c,Q2kにおいて、現像装置Gy,Gm,Gc,Gkの現像剤保持体の一例としての現像ロールR0y,R0m,R0c,R0kに保持された現像剤により可視像の一例としてのトナー像に現像される。
現像されたトナー像は、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBに接触する1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kに搬送される。前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて中間転写ベルトBの裏面側に配置された1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kには、制御部Cにより制御される電源回路Eから予め設定された時期にトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。
【0019】
前記各感光体PRy〜PRk上のトナー像は、前記1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBに1次転写される。1次転写後の感光体PRy,PRm,PRc,PRk表面の残留物、付着物は、感光体クリーナCLy,CLm,CLc,CLkにより清掃される。感光体クリーナCLy〜CLkで回収された回収物は、残留搬送部材の一例としての排出オーガHAy〜HAkにより、図示しない回収容器に搬送されて回収される。
なお、清掃された前記感光体PRy,PRm,PRc,PRk表面は、帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより再帯電される。
【0020】
前記感光体PRy〜PRkの上方には、中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、前記中間転写ベルトBと、中間転写体駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRd、張力付与部材の一例としてのテンションロールRt、蛇行防止部材の一例としてのウォーキングロールRw、従動部材の一例としてのアイドラロールRfおよび二次転写対向部材の一例としてのバックアップロールT2aと、前記1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kとを有している。そして、前記中間転写ベルトBは、前記各ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2aにより回転移動可能に支持されている。
【0021】
前記バックアップロールT2aに接する中間転写ベルトBの表面に対向して、2次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bが配置されている。前記バックアップロールT2aと2次転写ロールT2bにより2次転写器T2が構成されている。また、2次転写ロールT2bおよび中間転写ベルトBの対向する領域により2次転写領域Q4が形成される。
前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kで一次転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトB上に順次重ねて転写された単色または多色のトナー像は、前記2次転写領域Q4に搬送される。
前記一次転写器T1y〜T1k、中間転写ベルトBおよび二次転写器T2等により、感光体PRy〜PRkに形成された画像を媒体に転写する実施例1の転写装置T1+T2+Bが構成されている。
【0022】
前記可視像形成装置Uy〜Ukの下方には、案内部材の一例としての左右一対のガイドレールGRが3段設けられており、前記ガイドレールGRには、給紙部の一例としての給紙トレイTR1〜TR3が前後方向に出入可能に支持されている。給紙トレイTR1〜TR3に収容された媒体の一例としての記録シートSは、媒体取出し部材の一例としてのピックアップロールRpにより取り出され、媒体捌き部材の一例としてのさばきロールRsにより1枚ずつ分離される。そして、記録シートSは、媒体搬送路の一例であるシート搬送路SHに沿って媒体搬送部材の一例としての複数の搬送ロールRaにより搬送される。搬送ロールRaで搬送された記録シートSは、2次転写領域Q4のシート搬送方向上流側に配置され、2次転写領域Q4への搬送時期を調整する時期調節部材の一例としてのレジロールRrに送られる。前記シート搬送路SH、シート搬送ロールRa、レジロールRr等によりシート搬送装置SH+Ra+Rrが構成されている。
【0023】
レジロールRrは、前記中間転写ベルトBに形成されたトナー像が2次転写領域Q4に搬送されるのに時期を合わせて、前記記録シートSを2次転写領域Q4に搬送する。記録シートSが前記2次転写領域Q4を通過する際、前記バックアップロールT2aは接地され、2次転写器T2bには前記制御部Cにより制御される電源回路Eからトナーの帯電極性と逆極性の2次転写電圧が印加される。このとき、前記中間転写ベルトB上のトナー像は、前記2次転写器T2により記録シートSに転写される。
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、中間転写体清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbにより清掃される。
【0024】
前記トナー像が2次転写された記録シートSは、定着装置Fの加熱用定着部材の一例としての加熱ロールFhおよび加圧用定着部材の一例としての加圧ロールFpの接触領域である定着領域Q5に搬送され、前記定着領域を通過する際に加熱定着される。加熱定着された記録シートSは、媒体排出部材の一例としての排出ローラRhから媒体排出部の一例としての排紙トレイTRhに排出される。
なお、前記加熱ロールFh表面には、記録シートSの前記加熱ロールからの離型性を良くするための離型剤が離型剤塗布装置Faにより塗布されている。
【0025】
前記ベルトモジュールBMの上方にはイエローY,マゼンタM,シアンC,黒Kの各現像剤を収容する現像剤収容容器の一例としての現像剤カートリッジKy,Km,Kc,Kkが配置されている。各現像剤カートリッジKy,Km,Kc,Kkに収容された現像剤は、前記現像装置Gy,Gm,Gc,Gkの現像剤の消費に応じて前記各現像装置Gy,Gm,Gc,Gkに補給される。
【0026】
(プロセスユニットおよびユニット装着部の説明)
図4は実施例1のプロセスユニットが画像形成装置本体に装着された状態を斜め後方から見た斜視図である。
図5は図4の矢印V方向から見た図である。
図6は図4に示す状態からK色のプロセスユニットが前方に引き出された状態の説明図である。
図7は全てのプロセスユニットが取り外された状態のユニット装着部の斜視説明図である。
図4〜図7において、実施例1の複写機Uの画像形成装置本体U2の内部には、潜像形成装置ROSの上方に、着脱体装着部の一例としてのユニット装着部1が支持されている。ユニット装着部1は、装着部本体の一例として、Y,M,C,KのプロセスユニットUY〜UKに対応して、前後方向に延びる4つのユニット支持部2を有する。
【0027】
図7において、各ユニット支持部2の左右両側には、ユニット支持部2に沿って延び且つユニット支持部2どうしを仕切る仕切部の一例としての立壁3が形成されている。前記ユニット支持部2の前端部には、プロセスユニットUY〜UKの前端が収容される凹み状の前端収容部4が形成されている。また、ユニット支持部2の左部には、前後方向に延びる貫通口により構成され、潜像形成装置ROSから射出された潜像形成光Ly〜Lkが通過する光通過口6が形成されている。光通過口6の右側には、右方に行くに連れて下方に傾斜する形状に形成され、着脱されるプロセスユニットUY〜UKの底面を案内する傾斜ガイド面7が形成されている。
【0028】
図4〜図7において、ユニット支持部2の後端部の右側には、識別部の一例として、後方に突出する色識別ガイド8が形成されている。図5、図7において、Y,M,C,Kの色識別ガイド8y,8m,8c,8kは、装着されるプロセスユニットUY〜UKが適合しているか否かを識別するために、それぞれ、高さが異なる位置に右方に凹み且つ前後方向に延びる識別路9y,9m,9c,9kが形成されている。実施例1では、Y,M,C,Kの順に識別路9y〜9kの高さが、下方から上方に順にずれた位置に形成されている。
図7において、Y,M,C,Kの各ユニット支持部2の右側の立壁3の前端部には、移動規制部の一例として、左方に突出し且つ前後方向に延びるガタ規制ガイド11が形成されている。実施例1では、Y,Mのガタ規制ガイド11y,11mには、識別干渉部の一例として、上面に前後一対の干渉リブ12y,12mが形成されている。
【0029】
図8は画像形成装置本体側の被接続端子部分の要部拡大図である。
図5、図7、図8において、ユニット支持部2の後端部の左側には、被接続部の一例としての本体側コネクタ13が支持されている。前記本体側コネクタ13は、被接続端子の一例として、上方に突出するコネクタ端子14を有し、コネクタ端子14は、弾性変形可能な板バネ状の金属材料により構成されている。各本体側コネクタ13は、伝送線の一例としてのハーネス16を介して、画像形成装置本体U2のコントローラCに電気的に接続されている。なお、実施例1の画像形成装置UのコントローラCは、小型の情報処理装置、いわゆるマイクロコンピュータにより構成されており、外部との信号の入出力、および、入出力信号レベルの調節等を行うI/O、必要な処理を実行するためのプログラム、および、データ等が記憶されたROM、必要なデータを一時的に記憶するためのRAMや、HDD、前記ROMや、前記HDDに記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU、ならびにクロック発振器等を有しており、前記ROMに記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0030】
(プロセスユニットの説明)
図9は実施例1のプロセスユニットの斜視図である。
図10は図9の矢印X方向から見た図であり、図10Aは全体図、図10Bは後端部分の要部拡大図である。
次に、実施例1のプロセスユニットUY〜UKの説明を行うが、各プロセスユニットUY〜UKは同様に構成されているため、Y色のプロセスユニットUYについて詳細な説明を行い、その他の色のプロセスユニットUM〜UKについては詳細な説明は省略する。
【0031】
(感光体クリーナユニットの説明)
図4、図6、図9において、実施例1のプロセスユニットUYは、感光体PRyの左側に配置された感光体クリーナユニット21を有する。感光体クリーナユニット21は、内部に感光体クリーナCLyが収容されている。図9、図10Aにおいて、感光体クリーナユニット21の前端には、回収物排出部の一例として、前方に延びる排出筒22が支持されており、排出筒22の前端には、図10Aに示すように下方に開口した回収物排出口22aが形成されている。前記排出筒22の回収物排出口22aは、画像形成装置本体U2にプロセスカートリッジが装着された状態でフロントパネルUaが閉じられると、フロントパネルUaの内側に配置された図示しない回収容器に接続可能に構成されている。そして、前記排出筒22には、感光体クリーナユニット21から延びる排出オーガHAyの前端が収容されており、排出オーガHAyにより搬送された回収物は、回収物排出口22aから回収容器に排出される。
【0032】
図9において、感光体クリーナユニット21の前後両端部には、感光体PRyを回転可能に支持する前後一対の軸受け部23が一体的に形成されている。感光体クリーナユニット21の前端部の下端には、プロセスユニットUY〜UKを作業者が取り扱う際に使用する操作部の一例としてのレバー24が支持されている。実施例1のレバー24は、図9の実線および破線で示すように、下端を中心として回転可能に支持されている。
また、前記各軸受け部23の右上端部には、付勢支持部の一例としてのトラッキングバネ支持部25が形成されている。なお、図9では、後側のトラッキングバネ支持部25しか図示されていないが、前側のトラッキングバネ支持部25は、レバー24の後側に配置されており、後側のトラッキングバネ支持部25と同様に構成されているため、図示は省略する。
【0033】
図9、図10において、前記感光体PRyの後端には、被伝達部材の一例として、プロセスユニットUYが装着された状態で、駆動が伝達されるカップリング26が支持されている。前記カップリング26は、画像形成装置本体U2に設けられた図示しないカップリングに噛み合って、駆動源からの駆動が伝達される。
図9において、感光体PRyの前端には、被位置決め部材の一例として、位置決めキャップ27が支持されている。前記位置決めキャップ27は、前端に凹部が形成されており、フロントパネルUaが閉塞された状態で、図示しない前側の突起が嵌って位置決めされるように構成されている。したがって、実施例1のプロセスユニットUYは、画像形成装置本体U2に装着されて、フロントパネルUaが閉じられた状態では、カップリング26と位置決めキャップ27とで位置決めがされた状態で支持されるように構成されている。
【0034】
(現像ユニットの説明)
図11は現像ユニットを前側右斜め上方から見た斜視図であり、図11Aは全体の斜視図、図11Bは前端部分の拡大説明図である。
図12は現像ユニットを前側左斜め上方から見た斜視図である。
図9において、感光体PRyの右側には、現像部の一例として、記録シートSの幅方向である前後方向に延びる現像ユニット31が配置されている。図5、図9、図11、図12において、実施例1の現像ユニット31は、前後方向に延びるユニット本体32と、前記ユニット本体32の前端に支持された前被覆部材の一例としての前カバーFCと、ユニット本体32の後端に支持された後被覆部材の一例としての後カバーRCと、を有する。
【0035】
(現像容器の説明)
図13は現像部の断面説明図である。
図14は現像ユニット本体の要部説明図であり、図14Aは現像ロールおよび初期現像剤収容部が取り外された状態の現像ユニット本体の斜視図、図14Bはサプライオーガの斜視図、図14Cはアドミクスオーガの斜視図である。
図9、図11〜図13において、実施例1のユニット本体32は、下部に配置された現像器33と、現像器33の上部に支持された現像剤収容部の一例としてのスタータ収容部34とを有する。
図13、図14Aにおいて、前記現像器33は、現像剤が収容される現像容器36を有する。
【0036】
図14Aにおいて、現像容器36の右外側面の前端部には、ガタ規制ガイド11に対応して右方に張り出し且つ前後方向に沿う板状に形成された張出部36aが形成されている。張出部36aの後端には、被規制部の一例として、上方に突出してガタ規制ガイド11yの下面に接触可能に構成されたガタ規制突部36bが形成されており、プロセスユニットUYの装着時に、ガタ規制ガイド11yと接触してプロセスユニットUYを位置決めしてガタつきを規制する。
図14Aにおいて、現像容器36の前端部の上面および後端部の上面には、漏出防止部材の一例として、縁に沿って配置されて現像容器36内部からの現像剤の漏出を防止する現像容器シール37が貼付されている。実施例1の現像容器シール37は、弾性材料の一例であって発泡性の材料の一例としてのスポンジで構成されているが、これらに限定されず、ゴムや布等の任意の密閉するための材料を使用可能である。
【0037】
(現像ユニットの接続端子の説明)
図15は接続端子の要部拡大図であり、図15Aは本体側の被接続端子に接続されていない状態の要部説明図、図15Bは本体側の被接続端子に接続された状態の要部説明図である。
図16はプロセスユニットから保護部材が取り外された状態の説明図である。
図10、図15、図16において、現像容器36の後端部下面には、媒体支持部の一例としての右側のCRUM収容部38と、左側の端子収容部39とが形成されている。
図15Aにおいて、前記CRUM収容部38は、下方が開放された収容空間38aと、収容空間38aの左右両側から下方に延びる左右一対の側壁部38bと、各側壁部38bの下端から内側に延びる保持部の一例としての保持爪38cとを有する。なお、左側の端子収容部39もCRUM収容部38と同様に構成されているため、詳細な説明は省略する。
【0038】
図17は実施例1の記憶媒体の説明図であり、図17Aは平面図、図17Bは斜視図である。
図10、図15、図16において、CRUM収容部38には、記憶媒体の一例としてのCRUM:Customer Replaceable Unit Memory41と、保護部材の一例としてのCRUMアダプタ42とが着脱可能な状態で収容されている。図16、図17において、実施例1のCRUM41は、内部に情報を記憶する図示しない記憶素子が収容された板状の基板41aと、基板41a表面に露出する電気的な接点である4つの接続端子41bとを有し、プロセスカートリッジUYに収容されている現像剤の色や、感光体PRyの累積回転時間等の使用状態のようなプロセスカートリッジUYに関する情報が記憶されている。なお、基板41aには、固定部の一例として、丸穴状と長孔状の固定孔41cが形成されており、CRUM41がCRUM収容部38に収容された場合に、CRUM収容部38に形成された突起が嵌って、位置決めおよび抜け止めがされる。
なお、実施例1では、CRUM41の基板41aは、樹脂材料の一例としてのエポキシ樹脂により構成されている。また、接続端子41bは、導電性金属材料の一例としての金がエポキシ樹脂に鍍金されて形成されている。すなわち、いわゆる、金メッキがされて構成されている。なお、実施例1では、金メッキの厚みは、一例として、0.03μmに設定されているが、設計や仕様等に応じて任意に変更可能である。
【0039】
図18は実施例1の保護部材の説明図であり、図18Aは斜め下方から見た斜視図、図18Bは斜め上方から見た斜視図、図18Cは保護接続端子の斜視図である。
図10、図16、図18において、実施例1のCRUMアダプタ42は、保護部材本体の一例として、平板状のアダプタ本体42aを有する。図18Bにおいて、アダプタ本体42aの上面には、前後方向に沿って延び且つCRUM41の接続端子41bに対応して形成された4つの端子収容溝42bが形成されている。図18A、図18Bにおいて、アダプタ本体42aの左右両側には、被保持部の一例として、左右方向外側に張り出した形状の保持リブ42cが形成されており、図15Aに示すように、保持リブ42cが保持爪38cに保持されることで、CRUMアダプタ42がCRUM収容部38に着脱可能な状態で保持される。
【0040】
図18A、図18Bにおいて、端子収容溝42bには、保護接続部材の一例としてのコネクタ部材43が固定支持されている。図18Cにおいて、コネクタ部材43は、第1の保護接続端子の一例としての上側のCRUM接続端子43aと、第2の保護接続端子の一例としての下側の本体接続端子43bと、電気的な接点である各接続端子43a,43bの前端どうしを接続する接続部43cとを有し、アダプタ本体42aを回り込むコの字状に形成されている。また、前記CRUM接続端子43aには、CRUM41の接続端子41bに接触する接点部43dが、上方に延びる板バネ状に形成されている。
なお、実施例1のコネクタ部材43は、金属材料の一例として、エポキシ樹脂よりも鍍金された金が剥がれ難いリン青銅により構成されており、接点部43dや本体接続端子43bの下表面を含む表面には、導電性金属材料の一例としての金が鍍金されている。また、実施例1では、鍍金された金の厚みは、一例として、0.3μmに設定されているが、設計や仕様等に応じて任意に変更可能である。
【0041】
したがって、実施例1のプロセスカートリッジUYでは、CRUM41がCRUM収容部38に収容された状態で、CRUMアダプタ42が装着されることで、CRUM41がCRUM収容部38に保持される。そして、CRUM41およびCRUMアダプタ42が装着された状態では、CRUM41の接続端子41にCRUMアダプタ42の接点部43dが接触した状態となり、コネクタ部材43とCRUM41とが電気的に導通される。
そして、プロセスカートリッジUYが画像形成装置本体U2に装着されると、CRUMアダプタ42の本体接続端子43bが、本体側コネクタ13の右側のコネクタ端子14に接触して、画像形成装置本体U2のコントローラCとCRUM41とが電気的に接続され、情報の送受信が可能となる。
なお、実施例1では、板バネ状の接点部43dと接続端子41bとの接触力が0.15[N]に設定されており、板バネ状のコネクタ端子14とCRUMアダプタ42の本体接続端子43bとの接触力が0.3[N]に設定されている。すなわち、CRUMアダプタ42とCRUM41との間の接触力が、本体側コネクタ13とCRUMアダプタ42との接触力に比べて、小さい力に設定されている。
【0042】
なお、端子収容部39には、CRUMアダプタと同様に金メッキされたリン青銅を有する接続端子44が着脱可能に装着されており、プロセスカートリッジUYが画像形成装置本体U2に装着された場合に、本体側コネクタ13の左側のコネクタ端子14に接触可能に配置されている。
図12において、実施例1の現像器33では、現像容器36の前端部左下方に、後述する第1の撹拌室47の前端部分の現像剤の濃度、すなわち、現像剤に含まれるトナーとキャリアとの割合を検出する濃度検出部材の一例としての濃度センサSNが支持されている。前記濃度センサSNは、図示しない導線を介して、現像容器36の後端部に支持された前記接続端子44に電気的に接続され、電源の供給を受けたり、検出した現像剤の濃度をコントローラCに送信可能になっている。
【0043】
(現像容器の内部の説明)
図13、図14において、現像容器36の内部の左上部には、保持体収容部の一例として、回転体の一例としての現像ロールR0yが収容される現像ロール収容室46が形成されている。前記現像ロール収容室46の下方には、第1の撹拌室47が隣接して配置されており、第1の撹拌室47の右斜め下方には、第2の撹拌室48が隣接して配置されている。
第1の撹拌室47と第2の撹拌室48との間は、前後方向に延びる仕切壁49により仕切られている。前記仕切壁49の前端には、第2の撹拌室48から第1の撹拌室47へ現像剤が流入可能な第1流入部E1が形成されており、仕切壁49の後端には、第1の撹拌室47から第2の撹拌室48へ現像剤が流入可能な第2流入部E2が形成されている。
図14Aにおいて、実施例1の第1の撹拌室47および第2の撹拌室48の長さは、現像ロール室46よりも前方に長く形成されている。
【0044】
図9〜図12において、現像容器36の後カバーRCは、第2の撹拌室48の後側の延長上に配置された円筒状の補給部51を有する。前記補給部51の内部には、第2の撹拌室48に接続する補給室52が形成されており、補給部51の後端上面には、補給口53が形成されている。
前記補給部51の上面には、開閉部材の一例として、補給口53を開閉する補給口シャッタ54が前後方向に移動可能に支持されている。したがって、プロセスカートリッジUYが画像形成装置本体U2に装着されると、画像形成装置本体U2に設けられた現像剤カートリッジKyの現像剤を補給する図示しない補給系に補給口シャッタ54が押されて、図9に示す閉塞位置から図11、図12に示す開放位置に移動し、現像剤カートリッジKyからの現像剤が補給口53に補給可能な状態となる。
【0045】
(現像容器内部に支持された部材の説明)
図13において、現像ロール収容室46には、現像ロールR0yが支持されており、現像ロールR0yの左斜め下方には現像ロールR0y表面に対向して配置され、且つ、現像ロールR0y表面に付着した現像剤の層の厚さを規制する円柱状の層厚規制部材56が支持されている。
第1の撹拌室47には、第1の撹拌部材の一例としてのサプライオーガ57が収容されている。前記サプライオーガ57は、前後方向に延びる回転軸58と、回転軸58の外周に形成された搬送羽根59とを有し、回転時に、第1の撹拌室47内の現像剤を、第1流入部E1から第2流入部E2に向かう第1の搬送方向に撹拌しながら搬送しつつ、現像ロールR0yに供給する。
【0046】
実施例1のサプライオーガ57の搬送羽根59は、螺旋状の羽根により構成されており、前端、すなわち第1の搬送方向の上流端の二重螺旋により構成されて、第1流入部E1を通じて汲み上げられた現像剤を、一重螺旋の場合に比べて高速で下流側に搬送する高速搬送部59aを有する。高速搬送部59aの後側には、現像ロールR0yに対向して配置され且つ一重螺旋により構成され、現像剤を第2流入部E2に向けて搬送しながら現像ロールR0yに供給する第1主搬送部59bが設けられている。第1主搬送部59bの後側には、第1主搬送部59bとは逆巻きの螺旋により構成されて第1の撹拌室47の下流端の現像剤を第2流入部E2に流入させる第1逆搬送部59cが配置されている。また、サプライオーガ57の第1主搬送部59bが設けられている範囲には、回転軸58の軸方向に沿って延びて、現像剤を撹拌する板状の撹拌部59dが複数配置されている。
【0047】
図14A、図14Cにおいて、第2の撹拌室48および補給室52には、第2の撹拌部材の一例としてのアドミクスオーガ61が収容されている。前記アドミクスオーガ61は、前後方向に延びる回転軸62と、回転軸62の外周に形成された搬送羽根63とを有し、回転時に、第2の撹拌室48内の現像剤を第2流入部E2から第1流入部E1に向かう第2の搬送方向に撹拌しながら搬送する。
実施例1のアドミクスオーガ61の搬送羽根63は、後端、すなわち第2の搬送方向の上流端に配置され且つ補給室52内の現像剤を補給口53から第2流入部E2に向けて搬送する補給搬送部63aを有する。補給搬送部63aの前側には、第2流入部E2に対応して配置され且つ回転軸58に対して傾斜する板状に形成された流入撹拌部63bが配置されており、第2流入部E2から流入してきた現像剤を撹拌する。流入撹拌部63bの前側には、第1流入部E1に対応する位置まで延びる一重螺旋状の第2主搬送部63cが配置されており、第2の撹拌室48内の現像剤を撹拌しながら、第1流入部E1に向けて搬送する。第2主搬送部63cが配置されている範囲には、回転軸62の軸方向に沿って延びて、現像剤を撹拌する板状の撹拌部63dが複数配置されている。第2主搬送部63cの前側には、第1流入部E1に対応し且つ第2主搬送部63cとは逆巻きの螺旋により構成された第2逆搬送部63eが配置されており、第2の撹拌室48を搬送されてきた現像剤を滞留させて第1流入部E1を通じて第1の撹拌室47に移動させる。
【0048】
(現像器の駆動伝達系の説明)
図5、図10、図12、図14Aにおいて、現像容器36の左下部の後端には、後方に延びる歯車軸65が支持されている。前記歯車軸65には、被駆動伝達部材の一例としての被駆動ギアG1が回転可能に支持されており、被駆動ギアG1は、プロセスユニットUYが画像形成装置本体U2に装着された場合に、画像形成装置本体U2に支持され且つ駆動源からの駆動が伝達される図示しない駆動歯車に噛み合って、駆動が伝達される。前記被駆動ギアG1の前側には、被駆動ギアG1と同軸で回転可能に支持された中間歯車の一例としての第1中間ギアG2および第2中間ギアG3が配置されている。
図12において、現像ロールR0yの後端には、歯車の一例としての現像ロールギアG4が支持されており、現像ロールギアG4は、第1中間ギアG2に噛み合っている。したがって、被駆動ギアG1に駆動が伝達されると、第1中間ギアG2を介して、現像ロールギアG4が回転し、現像ロールR0yが回転する。なお、現像ロールR0yの前後両端部には、間隔設定部材の一例として、現像ロールR0yの外径よりも大径に形成されたリング状のトラッキングロール64が回転可能に支持されている。
【0049】
図14Aにおいて、サプライオーガ57の回転軸58の後端部は、現像容器36を貫通して後方に突出しており、サプライオーガ57の後端には、歯車の一例としてのサプライギアG5が支持されている。サプライオーガ57のサプライギアG5は、前記第2中間ギアG3に噛み合っており、現像ロールR0yとサプライオーガ57とが、図13において同じ回転方向に回転する。
サプライオーガ57の回転軸58およびアドミクスオーガ61の回転軸62の前端部は、現像容器36を貫通して前方に突出しており、サプライオーガ57の前端には歯車の一例としての前伝達ギアG6が支持されている。前伝達ギアG6は、歯車の一例として、現像容器36の前端に回転可能に支持された前中間ギアG7に噛み合っており、前中間ギアG7は、歯車の一例として、アドミクスオーガ61の前端に支持されたアドミクスギアG8に噛み合っている。したがって、被駆動ギアG1に駆動が伝達されると、第2中間ギアG3を介して、サプライギアG5が回転して、サプライオーガ57が回転する。サプライオーガ57が回転すると、各ギアG6〜G8を介して、アドミクスオーガ61に回転が伝達され、アドミクスオーガ61も回転する。したがって、被駆動ギアG1から駆動が伝達されると、各オーガ57,61が回転して、撹拌室47,48内で現像剤が循環しながら搬送され、現像ロールR0yも表面に現像剤を保持して回転する。
前記第1の撹拌室47および第2の撹拌室48により、実施例1の循環室47+48が構成されている。また、前記各ギアG1〜G8により、実施例1の被駆動伝達系G1〜G8が構成されている。
【0050】
(現像容器外部に支持された部材の説明)
図19は実施例1のプロセスユニットの被識別部および被規制部と、ユニット装着部の識別部および規制部との関係の説明図であり、図19Aは被規制部と規制部との係合が開始された状態の説明図、図19Bは図19Aに示す状態からプロセスユニットが挿入されて被規制部と規制部とが係合した状態において識別部と被識別部との係合が開始される状態の説明図、図19Cはプロセスユニットの装着が完了して識別部と被識別部とが係合し且つ被規制部と規制部との係合が解除された状態の説明図である。
図9〜図12において、実施例1の後カバーRCでは、補給部51の右側部に、被識別部の一例として、右方に突出する色識別キーRC1が形成されている。図5に示すように、前記色識別キーRC1は、色識別ガイド8y〜8kの識別路9y〜9kに対応して、色毎に異なる高さの位置に形成されている。図19において、実施例1の識別路9y〜9k、ガタ規制ガイド11、ガタ規制突部36bおよび色識別キーRC1は、図19Aに示すように、プロセスカートリッジUYの装着方向の下流側の色識別キーRC1が識別路9y〜9kに差し掛かる前に、装着方向の上流側のガタ規制突部36bがガタ規制ガイド11に接触、係合すると共に、図19Cに示すように、プロセスカートリッジUYの装着が完了する前に、ガタ規制突部36bがガタ規制ガイド11の後端よりも後方に通過して係合が解除されるように、前後方向の長さや位置が設定されている。
【0051】
図5、図9、図11、図12において、前記前カバーFCおよび後カバーRCの上部には、クリーナユニット21のトラッキングバネ支持部25に対応して、付勢部材支持部の一例としてのトラッキングバネ支持部66が形成されており、各トラッキングバネ支持部25,66の間には、現像ユニット31をクリーナユニット21側に付勢する付勢部材の一例としてのトラッキングバネ67が連結されている。
なお、実施例1のプロセスユニットUYでは、感光体クリーナユニット21と現像ユニット31とは、後端部が、図10Bに示すように、感光体クリーナユニット21側の連結部21aが歯車軸65に回転可能に連結される、また、前端部は、現像ユニット31側の前カバーFCと感光体クリーナユニット21の図示しない連結部とが回転可能に連結されて、現像ユニット31が感光体クリーナユニット21に対して揺動可能に支持されている。
【0052】
したがって、前記トラッキングバネ67の付勢力に押されて、現像ユニット31のトラッキングロール64が、感光体クリーナユニット21の感光体PRyの両端部に接触して、現像ユニット31の現像ロールR0yの表面と感光体PRyの表面との間隔が予め設定された間隔に設定、保持される。
図11において、前カバーFCの下部には、前方に突出する突出保護部68が形成されており、前側のギアG6〜G8が外部に露出しないように被覆している。突出保護部68の上方には、第1の密閉部材通過口の一例として、スリット状の第1シール通過口69が形成され、突出保護部68の右上方には、第2の密閉部材通過口の一例として、スリット状の第2シール通過口70が形成されている。
【0053】
(スタータ収容部の説明)
図20は崩し部材および密閉部材が装着された状態の現像ユニットの斜視図である。
図21は図20に示す状態から現像剤収容部の上蓋が取り外された状態の説明図である。
図22は図21の矢印XXII方向から見た状態の説明図である。
図23は図20に示す状態における要部断面図である。
図24は図23のXXIV−XXIV線断面図である。
【0054】
図12、図13、図20、図21において、スタータ収容部34は、内部に現像剤が収容される収容部本体71と、収容部本体71の上端を閉塞する上蓋72とを有する。図13、図22〜図24において、前記収容部本体71は、現像容器36の上面を閉塞する中蓋部71aを有し、収容部本体71内部には、現像剤収容空間の一例としてのスタータ収容空間73が形成されている。すなわち、現像容器36の現像ロール収容室46、各撹拌室47,48と、スタータ収容空間73とは、中蓋部71aにより仕切られた状態となっている。
図13、図21〜図24において、スタータ収容空間73は、前後方向の長さが現像ロールR0yよりも長く形成されると共に、現像ロールR0yよりも上方が左右方向の幅が広く、下方に行くに従って狭くなり、第2の撹拌室48の上方で部分的に幅が広く形成されている。
【0055】
図25は現像剤収容部の前端の流入口の要部説明図である。
図13、図22〜図25において、中蓋部71aには、スタータ収容空間73の上部と現像ロール収容室46とを接続する第1の流入口の一例としての上流入口74と、スタータ収容空間73の下端部と第2の撹拌室48とを接続する第2の流入口の一例としての下流入口76とが形成されている。図25において、実施例1の上流入口74は、前後方向に沿って形成されており、前端は、現像ロールR0yの前端の位置に対応して形成されている。したがって、上流入口74の前端74aは、スタータ収容部34の前端壁34aまで到達しておらず、上流入口74の前端74aと前端壁34aとの間には、隙間が形成されている。なお、実施例1の下流入口76は、スタータ収容部34の前後方向の長さの全域に対応して形成されている。
【0056】
図13、図22〜図25において、スタータ収容部34の内部には、仕切部材の一例として、スタータ収容空間73を仕切る立壁状の仕切リブ77が前後方向に予め設定された間隔をあけて複数配置されている。実施例1の仕切リブ77は、上端の高さが、スタータ収容空間73の上端の高さに対応し且つ、スタータ収容空間73の上端よりも少し低く設定されており、上蓋72で閉塞された状態で上蓋72の下面と仕切リブ77の上端との間に隙間が形成されるように設定されている。したがって、実施例1の仕切リブ77の上端は、上流入口74よりも高い位置に配置されている。
【0057】
図26は現像剤収容部の前端部の説明図であり、図26Aは全体図、図26Bは前端部分の要部拡大図、図26Cは接触部材が取り外された状態の説明図である。
図27は接触部材の説明図であり、図27Aは接触部材の分解説明図、図27Bは要部断面説明図である。
図26において、実施例1のスタータ収容部34の前端壁34aの上部には、上流入口74の左斜め上方に対応する位置に、前後方向に貫通する崩し引出口78が形成されている。前記崩し引出口78には、接触部材の一例として、こぼれシール79が支持されている。
図26C、図27において、こぼれシール79は、薄膜状のシール基体81を有する。シール基体81は、図27Bに示すように、こぼれシール79が崩し引出口78に装着された状態で、コの字状に折り曲げられた状態となる薄膜状に構成されており、シール基体81の中央部には、崩し案内口の一例としてのガイド口81aが形成されている。なお、実施例1のシール基体81は、崩し引出口78に装着される際に円滑に装着できるように、弾性変形可能且つ外表面の摩擦係数が低い樹脂材料を使用することが好ましく、一例として、ポリエチレンテレフタレート、いわゆるPET樹脂により構成することが可能である。
【0058】
図26、図27において、前記シール基体81の内表面には、ガイド口81aを挟んだ両側に、一対の接触部材本体82が支持されている。前記接触部材本体82は、圧力付与部の一例として、シール基体81に支持される弾性材料の一例としてのウレタンにより構成されたクッション部82aを有する。クッション部82aの表面には、清掃部の一例として、布の一例としてのフェルトにより構成されたクリーナ部82bが支持されている。なお、実施例1の接触部材本体82では、一対のクッション部82aおよびクリーナ部82bの合計の厚さは、崩し引出口78の幅よりも厚くなるように設定されている。すなわち、こぼれシール79が崩し引出口78に装着された場合に、主としてクッション部82bが弾性変形して、クリーナ部82bどうしが予め設定された接触圧で接触した状態で保持されるように設定されている。したがって、クリーナ部82bどうしが密着した状態で保持されると、こぼれシール79により崩し引出口78が密閉され、スタータ収容部34から現像剤が漏出することが抑制される。
【0059】
(密閉部材の説明)
図20〜図26において、実施例1のプロセスユニットUYでは、出荷前の画像形成装置Uや出荷前の交換用のプロセスユニットUYが保管される場合のように、プロセスユニットUYが使用前の状態では、プロセスユニットUYには、密閉部材86および崩し部材91が装着されている。図23において、実施例1の密閉部材86は、上流入口74を閉塞する第1の密閉部材の一例としての上ヒートシール87と、下流入口76を閉塞する第2の密閉部材の一例としての下ヒートシール88とを有し、各ヒートシール87,88で密閉されたスタータ収容空間73内に、予め設定されたトナー濃度の現像剤が収容、封入されている。実施例1の各ヒートシール87,88は、各流入口74,76よりも幅が広く且つ前後方向に長い帯状の薄膜、いわゆるフィルムにより構成されている。
【0060】
図28は実施例1の密閉部材の説明図であり、図28Aは密閉部材が取り外される前の状態の説明図、図28Bは密閉部材が取り外される途中の状態の説明図、図28Cは密閉部材が取り外された状態の説明図である。
図28において、実施例1の各ヒートシール87,88は、中蓋部71a下面の各流入口74,76の縁に支持された密閉部87a,88aと、密閉部87a,88aの後端部から折り返されて前方に延びる折り返し部87b,88bとを有する。各ヒートシール87,88の密閉部87a,88aは、中蓋部71aの下面に剥離可能な状態で、熱融着で貼付されている。なお、中蓋部71aへの支持方法は、熱融着に限定されず、任意の方法を採用可能であり、従来公知の接着剤や両面テープ等を採用可能である。
前記折り返し部87b,88bの前部は、現像容器36の現像容器シール37とスタータ収容部34との接合部分の隙間から前方に延び、前カバーFCの各シール通過口69,70を通じてプロセスユニットUYの前方に導き出されている。
【0061】
(崩し部材の説明)
図29は崩し部材と現像剤収容部との固定方法の説明図であり、図29Aは実施例1の固定方法の説明図、図29Bは実施例1の変更例1の固定方法の説明図、図29Cは実施例1の変更例2の固定方法の説明図、図29Dは実施例1の変更例3の固定方法の説明図、図29Eは実施例1の変更例4の固定方法の説明図である。
図22〜図27において、前記崩し部材91は、スタータ収容空間73内に配置された崩し部92と、崩し部92の前端から前方に延びる引出部93とを有する。図29Aにおいて、前記崩し部92の後端は、後端がスタータ収容部34の後端壁34bの内面の上端に、両面テープ94を介して剥離可能な状態で貼付されている。実施例1の両面テープ94には、前面94aの上部に崩し部92の後端が貼付されており、前面94aの下部には、剥離防止部材の一例としての樹脂フィルム96が貼付されている。前記樹脂フィルム96は、一例として、ポリエチレンテレフタレート:PET等で構成することが可能であり、崩し部92が両面テープ94に貼り付けられた状態で崩し部92と両面テープ94との貼り付きを防止して、崩し部92と両面テープ94とが貼付される面積、すなわち接触面積を、両面テープ94と後端壁34bとの接触面積よりも小さくしている。したがって、崩し部材91の後端が剥離される際に、両面テープ94が後端壁34bから剥離して、崩し部材91と共に引き出されることが低減されている。
【0062】
図29において、崩し部材91の後端が剥離される際に、両面テープ94が後端壁から剥離しない方法としては、他にも、任意の方法を採用可能であり、図29Bに示すように、崩し部92の後端を折り曲げて接触しないように配置したり、図29Cに示すように、後端壁34bの両面テープ94が貼り付けられる面を粗面加工して両面テープ94の密着性を高めることが考えられる。他にも、図29Dに示すように、両面テープ94の粘着剤の粘着力の強さを変化させ、後端壁34b側の粘着力を、崩し部92側の粘着力よりも強くして剥離しにくくすることも考えられる。また、図29Eに示すように、スタータ収容部34と上蓋72との間に、崩し部92の後端を挟み込んで保持することも可能である。
【0063】
図24において、崩し部92は、貼り付けられた後端から後端壁34bに沿って下方に延び、図23に示すように下流入口76近傍において、スタータ収容部34の底部に沿って前方に延びている。そして、図22、図24に示すように、後端壁34bの前側の仕切リブ77の一側面、すなわち後面に沿って上方に延びた後、仕切リブ77の上端を乗り越えて、下方に折り曲げられ、仕切リブ77の他側面、すなわち前面に沿ってスタータ収容部34の底部まで延びる。同様にして、崩し部92は、各仕切リブ77の前面および後面に沿って、スタータ収容部34の前端部まで延びる。
図23に示すように、実施例1の崩し部92の左右方向の幅は、スタータ収容空間73の幅の狭い部分を通過して下方の下流入口76近傍まで到達できるように、幅の狭い部分に対応する幅に形成されている。
【0064】
図24、図25において、実施例1の崩し部92の前部は、最も前に配置された仕切リブ77を前に越えた後に、スタータ収容空間73に沿って前方に延びた後、前端壁34aに到達する前の上方折り曲げ位置92aで上方に折り曲げられる。前記上方折り曲げ位置92aは、前端壁34aと上流入口74の前端との間の位置に設定されている。そして、上方折り曲げ位置92aで上方に折り曲げられた崩し部92は、崩し引出口78に対応する高さで前方に折り曲げられる。したがって、崩し部92の前端部は、前端壁34aやスタータ収容部34の底部に沿っておらず、いわば弛んだような状態で配置されている。
【0065】
図24、図27Bにおいて、崩し部92の前端に連続して形成された引出部93は、崩し引出口78に支持されたこぼれシール79のガイド口81aを通過して、クリーナ部82bどうしの間で挟まれながら前方に延びる。なお、このとき、引き出し部93は、クッション部82aにより、両側から予め設定された付勢力を受けた状態で挟まれている。
そして、図22、図24、図26において、崩し部材91は、崩し引出口78の前端部において、上ヒートシール87に貼り付けられて接続されており、第1シール通過口69を通じて前方に導出されている。したがって、上ヒートシール87と崩し部材91とは一体的に引き出し可能に構成されている。
【0066】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の複写機Uでは、画像形成装置本体U2に着脱可能に支持されたプロセスユニットUY〜UKは、画像形成動作時に、感光体PRy〜PRkにカップリング26を通じて回転が伝達されると共に、現像ロールR0y〜R0kに被駆動ギアG1を通じて回転が伝達される。このとき、実施例1では、現像ロールR0y〜R0kが駆動される際にギアG1〜G8が回転し、カップリング26を通じて駆動が伝達される場合に比べて、現像容器36に大きな振動が発生することが不可避である。振動が発生すると、現像容器36がユニット支持部2に対して相対的に振動することとなり、本体側コネクタ13の板バネ状のコネクタ端子14に弾性力が作用した状態で接触しているCRUMアダプタ42が、本体側コネクタ13に対して振動することになる。
【0067】
ここで、CRUMアダプタ42を有しない従来の構成では、CRUM41の接続端子41bが本体側コネクタ13に直接接触した状態となっており、この状態で現像容器36に振動が作用すると、本体側コネクタ13のコネクタ端子14がCRUM41の接続端子41bを引っ掻く。したがって、エポキシ樹脂製の基板41aに対して比較的剥がれやすい接続端子41bが、コネクタ端子14に引っかかれて剥離したり、剥離した部分に異物が付着して酸化、劣化したりすることがあり、経時的に接触不良が発生する恐れがある。これに対応するために、CRUM41の構成を変更して、接続端子41bが剥がれ難い構成とすることも考えられるが、CRUM41の部品を、他の機種の画像形成装置と共通化することが困難となり、結果として製造費用が上昇する問題がある。また、コネクタ端子14を設けず、オス型の端子とメス型の端子とが嵌り合うコネクタ構造、いわゆる、ドロワコネクタ型のコネクタ構造を採用することも考えられるが、ドロワコネクタを採用すると、端子部が比較的大型のドロワコネクタを配置するための空間が必要となって、複写機U全体が大型化する問題がある。
【0068】
これに対して、実施例1では、CRUM41と本体側コネクタ13との間に、CRUMアダプタ42が装着されており、CRUM41とCRUMアダプタ42とが現像容器36に対して一体的、すなわち、相対移動不能に支持されている。したがって、現像容器36が振動しても、CRUM41とCRUMアダプタ42とは相対的に振動せず、CRUM41の接続端子41bと、CRUMアダプタ42のCRUM接続端子43aとの間での擦れが発生しない。したがって、接続端子41bの剥離が抑制され、接触不良や、導通不良、信号の送受信不良等が抑制される。
そして、CRUMアダプタ42の本体接続端子43bは、金メッキが剥がれ難いリン青銅が使用されており、現像容器36の振動が発生しても金メッキが剥がれ難く、導通不良やリン青銅の酸化や腐食等も抑制される。特に、実施例1では、本体接続端子43bの金メッキは、厚みが、CRUM41の接続端子41bよりも厚く、厚みが厚い分、金の剥落に対して経時的に強くなっている。
【0069】
また、実施例1では、CRUM41とCRUMアダプタ42とが相対的に移動しない構成となっており、CRUM41とCRUMアダプタ42との接触圧力を、CRUMアダプタ42とコネクタ端子14との間のような着脱される部分よりも小さくしても確実に接触させることが可能になっている。したがって、CRUMアダプタ42が設けられない場合に比べて、CRUM41とCRUMアダプタ42との間の接触力を不必要に大きくしなくても良く、CRUM41の接続端子41bの剥離がさらに低減されている。
【0070】
画像形成動作に伴って、感光体PRy〜PRkや現像ロールR0y〜R0k等の作動時間等のCRUM41に記憶された情報が更新され、記憶された情報に基づいて、予め設定された時期になると、感光体PRy〜PRkや現像ロールR0y〜R0k等の回転部品の経時的な劣化や現像器33内の現像剤の経時的な劣化、すなわち、プロセスカートリッジUY〜UKの寿命が判別される。そして、プロセスカートリッジUY〜UKが寿命になったり、部品の破損が検知されると、プロセスカートリッジUY〜UKが取り外され、新たなプロセスカートリッジUY〜UKに交換される。
新たなプロセスカートリッジUY〜UKでは、現像容器36の現像ロール収容室46の感光体PRy〜PRk側が開放されており、現像剤が現像ロール収容室46等に収容されていると運搬中や作業中に現像剤が漏れ出す恐れがある。したがって、従来から、保管中や運搬中のプロセスカートリッジUY〜UKでは、現像剤は、ヒートシール87,88で密閉されたスタータ収容部34に収容しておく構成が広く採用されている。そして、画像形成装置本体U2にプロセスカートリッジUY〜UKを装着する直前に、ヒートシール87,88を作業者が抜き出して、現像剤をスタータ収容部34から現像ロール収容室46や撹拌室47,48に現像剤を流入させて使用可能な状態としている。
【0071】
このとき、長期間保管されたり、運搬中にプロセスカートリッジUY〜UKに振動が作用すると、現像剤の自重で現像剤が押し固められた状態となり、現像剤が固まり状になる恐れがある。崩し部材91が設けられない従来の構成では、固まった現像剤が現像容器36内に流入して、十分にほぐされる前に現像に使用される恐れがあり、現像不良等が発生する恐れがあった。特に、固まりが大きくなると各流入口74,76を通過せずに、スタータ収容部34内に残って使用されずに無駄が発生する恐れがあったり、スタータ収容部34に残った現像剤が、画像形成動作中の振動で落下して、現像ロール収容室46に落下して、十分にほぐされる前に現像に使用される恐れもある。
【0072】
図30は実施例1の崩し部材が引き出される過程の説明図であり、図30Aは図24に示す状態から前方に崩し部材が引き出された状態の説明図、図30Bは図30Aに示す状態からさらに前方に崩し部材が引き出された状態の説明図、図30Cは図30Bに示す状態からさらに前方に崩し部材が引き出された状態の説明図である。
図24、図30において、実施例1のプロセスカートリッジUY〜UKでは、スタータ収容部34には、崩し部材91が収容されており、スタータ収容空間73の底面や仕切リブ77の前後両面に沿って配置された崩し部材91が前方に引き出されると、図30A〜図30Cに示すように、底面や仕切リブ77の前面に沿った崩し部92が、仕切リブ77の上端に対応するまで上方に引き上げられ、スタータ収容空間73内の現像剤が崩される。したがって、スタータ収容空間77内で、底面や仕切リブ77の表面に沿ってジグザグに配置された崩し部92が張られながら前方に引き出される。そして、崩し部92が後端壁34bとの間で張られた状態から、さらに引き出されると、図30Cに示すように、崩し部92の後端が両面テープ94から離れて前方に引き出される。
【0073】
したがって、実施例1のプロセスカートリッジUY〜UKでは、崩し部材91が引き出されると、スタータ収容空間73の現像剤が崩され、各流入口74、76から崩された現像剤が現像容器36内に流入する。よって、崩し部材91が設けられていない従来の構成に比べて、固まり状の現像剤が現像容器36に供給されたり、スタータ収容部34内に残ることが低減されており、現像不良が抑制される。
また、実施例1では、スタータ収容部34内に仕切リブ77が設けられて複数の部屋に仕切られていると共に、崩し部材91が仕切リブ77に沿って配置されており、崩し部材91が引き出される際に、仕切られた各部屋において、崩し部92が仕切リブ77の上端まで持ち上げられる構成となっている。したがって、崩し部材91を引き抜く方向である前後方向に、崩し部92も抜き出されてしまい、ほとんど現像剤が崩されない構成に比べて、崩し部92がスタータ収容部34内で、引き出す方向と交差する上下方向に移動しやすく、現像剤が崩されやすくなっている。特に、実施例1では、仕切リブ77の高さが、崩し引出口78よりも高い位置に設定されており、崩し引出口78よりも低い位置から、高い位置まで崩し部92が確実に移動し、仕切リブ77の高さが崩し引出口78よりも低い場合に比べて、崩す能力が向上している。
【0074】
さらに、崩し部92は、崩し部材91が引き抜かれる過程で、仕切リブ77で分割された各部屋毎に現像剤を崩しており、仕切リブ77が設けられず、スタータ収容空間73内の全体の現像剤を一度に崩そうとする場合に比べて、作業者が崩し部材91を引き出す際に必要な力、負荷が少なくて済む。
また、実施例1では、仕切リブ77の高さが、上流入口74よりも高い位置に設定されており、上流入口74よりも高い位置に崩し部92が移動して現像剤を崩す。したがって、上流入口74に崩されていない現像剤が流入することが抑制されている。
【0075】
さらに、実施例1では、現像剤の固まりが発生した場合には、下流入口76の上方におけるスタータ収容空間73の幅の狭い位置において、現像剤が詰まりやすくなっているが、実施例1の崩し部材91は、崩し部92の幅が、スタータ収容空間73の幅の狭い位置を通過する幅となっており、幅の狭い位置を通過して下方の底部まで延びるように構成されている。したがって、崩し部92が移動する場合に、現像剤が詰まりやすい位置を通過して崩しており、スタータ収容空間73の上部のみに崩し部92が配置されている場合に比べて、現像剤の詰まりが低減されている。
【0076】
さらに、実施例1では、崩し部材91が上ヒートシール87に接続されており、上ヒートシール87が前方に引き出される際に、崩し部材91も一体的に引き出される。したがって、上ヒートシール87と崩し部材91が別個に引き出される構成に比べて、作業者の作業回数が低減されている。
このとき、実施例1の崩し部材91では、スタータ収容空間73内において、崩し部92の前端部が、前端壁34aに沿って下方に曲がらず、後方に延びた後に上方折り曲げ部92aに向けて折り曲がるように配置されており、いわば弛んだ状態となっている。一般に、図28に示すように、上ヒートシール87を引き抜く際には、作業者が引き抜く力は、引き抜きの最初に最も大きくなりやすく、崩し部92の前端が弛まずに現像剤を崩す構成とすると、引き抜きの開始時に、作業者の引き抜きに必要な力、負荷が極端に大きくなる恐れがあるが、実施例1では、崩し部92の前端が弛んだ状態となっており、引き抜きの開始直後は現像剤を崩す力がほとんど作用しない。したがって、上ヒートシール87の剥離が開始される際に必要な力と、崩し部材91が崩すために作用する力とが重畳されることが無く、引き抜く力が過大になることが防止、すなわち、操作に必要な力が低減されている。なお、崩し部材91の長さを長くして、前端壁34aに沿って弛んだ状態で配置することも可能であるが、この場合、崩し部材91全体の長さが長くなってしまうと共に、紐に近い帯状の崩し部92が絡みやすくなる恐れもある。
【0077】
なお、実施例1では、崩し部92が、こぼれシール79から上方折り曲げ位置92aで下方に折り曲がるまでは下方に曲がっておらず、スタータ収容空間73の上方折り曲げ部92aよりも前側且つ崩し引出口78よりも下方の領域では、崩し部92が通過せず、現像剤が崩されない。しかしながら、実施例1では、崩し部92の上方折り曲げ位置92aが上流入口74よりも前側に設定され、且つ、崩し引出口78が上流入口74よりも下方に配置されており、崩されなかった現像剤は第2撹拌室48に流入することとなる。したがって、崩されなかった現像剤が現像ロール収容室46に供給されることが防止されており、現像剤が十分に撹拌、ほぐされていない状態で現像に使用されることが低減されている。
【0078】
また、実施例1では、崩し部92が引き出される際に、こぼれシール79を通過しながら前方に引き出される。崩し部92は現像剤が充填されたスタータ収容空間73内に配置されており、表面に現像剤が付着しているが、こぼれシール79を通過する際に、表面に接触するクリーナ部82bが崩し部92を拭い、清掃する。したがって、崩し部92が清掃されない場合に比べて、引き出された崩し部材91に付着した現像剤が作業者の手や衣服、複写機U等を汚すことが低減されている。なお、実施例1では、各ヒートシール87,88は、スタータ収容空間73側しか現像剤が収容されておらず、現像容器36側には現像剤が収容されておらず、汚れない構成となっており、引き出される際に、現像剤が付着している側の面が現像容器36側の現像容器シール37で拭われて引き出される。したがって、実施例1では、ヒートシール87、88も、表面が清掃されて引き出されており、引き出されたヒートシール87,88が、機外を汚染することが抑制されている。
【0079】
なお、実施例1では、こぼれシール79において、崩し部92に接触する部分に布製のクリーナ部82bを使用しており、ウレタン等を使用する場合に比べて、清掃性能が向上しており、現像剤をより確実に拭われる。また、実施例1では、クリーナ部82bは、ウレタン製のクッション部82aの弾性力で押し付けられており、押し付けられない場合に比べて、確実に清掃される。仮に、クッション部82aを設けずに、布製のクリーナ部82bのみの構成とすることも可能であるが、布製のクリーナ部82bのみの場合、ウレタン等を使用する場合に比べて、厚さの精度が出しにくく、崩し部92との接触圧力を予め設定された圧力とすることが難しく、クッション部82aを設けることが望ましい。また、布製のクリーナ部82bのみの場合、崩し部92がクッション部82aのクッションなしで現像容器36の内面やシール基体81に接触することとなり、崩し部92が途中で切れてしまう恐れもある。
【0080】
また、実施例1では、崩し部92の後端を支持する両面テープ94に樹脂フィルム96が貼付されており、両面テープ94が崩し部92と共に引き出されないように構成されている。仮に、両面テープ94が崩し部92と共に後端壁34bから剥離すると、こぼれシール79通過時に、両面テープ94が通過できず、崩し部材91が引き出せなくなったり、こぼれシール79通過時に両面テープ94が崩し部材91から剥落して、第2撹拌室48内に落下して、現像容器36内で異物として搬送され、現像不良の原因となる恐れがある。したがって、実施例1では、両面テープ94が、後端壁34bに残りやすく構成されており、両面テープ94が後端壁34bから剥離しやすい場合に比べて、両面テープ94が異物として悪影響を及ぼすことが低減されている。
【0081】
ヒートシール87,88が取り外されて使用可能な状態となった新たなプロセスカートリッジUY〜UKが、画像形成装置本体U2に装着される。図19において、プロセスカートリッジUY〜UKが前方から挿入される場合に、プロセスカートリッジUY〜UKの色識別キーRC1が、ユニット支持部2の識別路9y〜9kに係合する前に、プロセスカートリッジUY〜UKのガタ規制突起36bがユニット支持部2のガタ規制ガイド11に係合して、ガタつきが規制される。したがって、色識別キーRC1が識別路9y〜9kに係合する際には、プロセスカートリッジUY〜UKのガタつきが低減された状態で係合する。
【0082】
ガタつきが低減されていない状態では、作業者が色の異なるプロセスカートリッジUY〜UKを誤って装着しようとした場合に、色識別キーRC1が識別路9y〜9kに嵌らずに色識別ガイド8y,8m,8c,8kに衝突しても、プロセスカートリッジUY〜UKをガタつきの範囲で上下方向や左右方向あるいは回転させる方向に動かした場合、色が異なるにもかかわらず、色識別キーRC1が識別路9y〜9kに誤装着される可能性がある。
これに対して、実施例1では、色識別キーRC1が識別路9y〜9kに係合する前に、ガタつきが低減されており、ガタつきが規制されない従来の構成に比べて、誤装着が低減されている。特に、実施例1では、プロセスカートリッジUY〜UKを作業者が操作側である前側に、ガタ規制突起36bおよびガタ規制ガイド11が配置されており、後側に配置される場合に比べて、作業者に近い側でガタの規制が可能になっている。
【0083】
また、実施例1の構成では、各プロセスユニットUY〜UKの間が狭くなっていて、画像形成装置Uの全体が小型化されており、色識別キーRC1や識別路9y〜9kを配置する空間自体が少なくなっている。よって、Y,M,C,Kに対して、色識別キーRC1や識別路9y〜9kの位置の差が少なくならざるを得ず、ガタがある場合に誤装着が特に発生しやすくなっている。したがって、実施例1のように色識別キーRC1等を配置する空間が確保しにくい構成では、十分に空間が確保できる場合に比べて、ガタ規制ガイド11とガタ規制突起36bとでガタを規制して、誤装着を低減する必要性が特に高くなっている。
【0084】
図31は、プロセスユニットの被識別部および被規制部と、ユニット装着部の識別部および規制部との関係の概略説明図であり、図31Aは実施例1の構成の説明図、図31Bは被規制部と規制部とが実施例1とは逆側に配置された状態の説明図である。
さらに、仮に、図31Bに示すように、ガタ規制突起36bと色識別キーRC1が逆側の側部に配置されている場合、誤った色のプロセスカートリッジUY〜UKの色識別キーRCが色識別ガイド8y〜8kに干渉した場合に、プロセスカートリッジUY〜UKを回転させようとした場合、図31Bに示すように、ガタ規制突起36とガタ規制ガイド11の接触部を中心として回転しようとする。よって、回転中心から遠い、すなわち、半径が大きな色識別キーRC1では、移動量が大きくなりやすく、異なる色の識別路9y〜9kに誤装着される恐れがある。
【0085】
これに対して、図31Aに示すように、実施例1では、ガタ規制突起36b、ガタ規制ガイド11、色識別キーRC1および識別路9y〜9kが、プロセスカートリッジUY〜UKが装着される方向の上流側から見た場合に、右側の側部に配置されている。したがって、ガタ規制突起36とガタ規制ガイド11の接触部に対して、色識別キーRC1の距離が短く、色識別キーRC1の回転半径が小さくなる。したがって、プロセスカートリッジUY〜UKを回転させようとしても色識別キーRC1の移動量が少なくなり、プロセスカートリッジの左側面が、カートリッジ支持部2の立壁3に接触するまでの移動量が小さくなり、誤装着される恐れが低減される。
また、図31A、図31Bに示すように、同じ側に配置する実施例1の構成では、左右方向の長さも短くなり、全体として小型化が期待できる。
【0086】
また、図19Cに示すように、実施例1では、プロセスカートリッジUY〜UKの装着が完了した状態では、ガタ規制突起36bとガタ規制ガイド11との係合が解除されており、プロセスカートリッジUY〜UKのガタの規制が解除されている。仮に、ガタ規制突起36bとガタ規制ガイド11との係合が解除されない場合には、プロセスカートリッジUY〜UKの位置決めをガタ規制突起36bとガタ規制ガイド11で行う必要があり、精度が求められると共に、カップリング26やギアG1等と駆動系との位置関係も合わせ込む必要があるが、実施例1では、プロセスカートリッジUY〜UKの装着が完了した場合に、ガタ規制突起36bとガタ規制ガイド11との係合が解除されており、プロセスカートリッジUY〜UKが、カップリング26等で位置決め可能になっている。
【0087】
また、図7において、実施例1では、Y,Mのガタ規制ガイド11y,11mには、干渉リブ12y,12mが設けられており、ガタ規制ガイド11よりも下部に色識別キーRC1が設けられているY色,M色に対して、ガタ規制ガイド11よりも上部に色識別キーRC1が設けられているC色,K色のプロセスカートリッジを誤って挿入しようとした場合に、挿入を開始した最初の段階で、干渉リブ12y,12mが、C色またはK色の色識別キーRC1に干渉する。したがって、作業者が早い段階で、色が間違っていることを認識することが可能になっている。
【0088】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H015)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としての複写機を例示したが、これに限定されず、例えば、プリンタ、FAX、あるいはこれらの複数または全ての機能を有する複合機等により構成することも可能である。
(H02)前記実施例において、複写機Uは、4色の現像剤が使用される構成を例示したが、これに限定されず、例えば、単色の画像形成装置や、5色以上または3色以下の多色の画像形成装置にも適用可能である。
【0089】
(H03)前記実施例において、仕切リブ77の高さや形状、数、については、実施例に例示した構成に限定されず、任意に変更可能である。また、仕切リブ77の高さと上流入口74や崩し引出口78との位置関係も実施例に例示した関係とすることが望ましいが、実施例に例示した関係とは異なる位置関係とすることも可能である。また、仕切リブ77は設けることが望ましいが、省略することも可能である。
(H04)前記実施例において、崩し部92を仕切リブ77に沿って配置する構成とすることが望ましいが、崩し部92の全ての部分が仕切リブ77に沿っておらず、部分的に沿っていたり、仕切リブ77の底部まで延びずに途中まで沿っている形態とすることも可能である。
【0090】
(H05)前記実施例において、崩し部材91は上ヒートシール87と一体的に引き出される構成とすることが望ましいが、この構成に限定されず、下ヒートシール88と一体的に引き出される構成としたり、独立して引き出される構成とすることも可能である。なお、上ヒートシール87と下ヒートシール88とが一体的に引き出し可能な配置とすることで、これらも一体的に引き出し可能とすることも可能である。
(H06)前記実施例において、崩し部92の崩し引出口78側の端は弛んだ状態となる構成を例示したが、この構成に限定されず、弛まずに、前端壁34aに沿わせたり、下方に折り曲げずに斜めに折り曲げたり、最も前の仕切リブ77までは水平方向にのばすように構成したりすることも可能である。
【0091】
(H07)前記実施例において、こぼれシール79の構成は実施例に例示した構成に限定されず、シール基体81を省略したり、クッション部82aやクリーナ部82bの一方を省略したり、材料を異なる材料にする等、任意の構成とすることが可能である。
(H08)前記実施例において、第1撹拌室47と第2撹拌室48とが斜めに配置された現像装置Gy〜Gkを例示したが、この構成に限定されず、第1撹拌室47と第2撹拌室48とが水平方向または重力方向に並べて配置された現像装置にも適用可能である。また、オーガの構成も実施例に例示した構成に限定されず、従来公知の任意の構成を採用可能である。
【0092】
(H09)前記実施例において、CRUM41やCRUMアダプタ42の具体的な構成や材料、端子の数、位置等は、設計や仕様等に応じて任意に変更可能である。
(H010)前記実施例において、濃度センサSNの接続端子44には、CRUMアダプタ42に対応する部材を設けなかったが、CRUMアダプタ42に対応する部材を設けることも可能である。
(H011)前記実施例において、色識別キーRC1と識別路9y〜9kにより色の識別を行う構成としたが、これに限定されず、例えば、他社商品製造、いわゆるOEM:Original Equipment Manufacturing先を識別するためや、アジアや北米、欧州等の販売地域、いわゆる仕向先を識別するための識別部等について適用することも可能である。すなわち、1つの画像形成装置に複数の識別部を有する構成に限定されず、複数の機種の画像形成装置に対して着脱可能なプロセスカートリッジを識別する構成に適用可能である。
【0093】
(H012)前記実施例において、着脱体の一例として、感光体PRy〜PRkと現像装置Gy〜Gkを有するプロセスカートリッジUY〜UKを例示したが、プロセスカートリッジUY〜UKに限定されず、現像剤カートリッジKy〜Kkや、感光体PRy〜PRkと現像装置Gy〜Gkが別ユニット構成における感光体ユニットや現像ユニット、排気現像剤が回収される回収容器、定着ユニット等、画像形成装置本体U2に着脱可能な任意の着脱体に適用可能である。
(H013)前記実施例において、ガタ規制突起36b、ガタ規制ガイド11、色識別キーRC1および識別路9y〜9kが、図31に示すように、プロセスカートリッジUY〜UKの右側に配置された構成とすることが望ましいが、これに限定されず、図31Bのような構成としたり、左右両側にガタ規制突起36b等を配置する構成とすることも可能である。
【0094】
(H014)前記実施例において、干渉リブ12y,12mは、設けることが望ましいが、省略することも可能である。また、干渉リブを、Y色、M色に対してのみ設けたが、C色、K色に対して、下側に設ける構成とすることも可能である。さらに、干渉リブの位置は、設計や仕様等に応じて、任意の位置や形状に変更することが可能である。
(H015)前記実施例において、ガタ規制突起36b、ガタ規制ガイド11、色識別キーRC1および識別路9y〜9kは、プロセスユニットUY〜UK側に凸が形成され、ユニット支持部側に凹が形成される組み合わせを例示したが、これに限定されず、凹凸の関係を逆にすることも可能である。
【符号の説明】
【0095】
14…被接続端子、
41…記憶媒体、
41a…基板、
41b…接続端子、
42…保護部材、
42a…保護部材本体、
43a…第1の保護接続端子、
43b…第2の保護接続端子、
G1…被駆動伝達部材、
G1〜G8…被駆動伝達系、
R0y,R0m,R0c,R0k…回転体、
U…画像形成装置、
U2…画像形成装置本体、
UY,UM,UC,UK…着脱ユニット。
【技術分野】
【0001】
本発明は、着脱ユニットおよび画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の複写機やプリンタ等の画像形成装置において、現像ユニットや像保持体ユニット、トナーカートリッジ等の消耗や故障時に交換可能な着脱ユニットに関して、以下の特許文献1、2に記載の技術が従来公知である。
【0003】
特許文献1としての特開2008−276139号公報には、トナーカートリッジ(TCy〜TCk)に関する情報が記憶されたCRUM(41)に端子部(41a)が形成されており、トナーカートリッジ(TCy〜TCk)が装着される際に、端子部(41a)が画像形成装置本体(U1)の端子部に互いに嵌り合って接続される技術、いわゆる、ドロワコネクタ型の接触端子を有するCRUMに関する技術が記載されている。
【0004】
特許文献2としての特開2003−248354号公報には、電子写真カートリッジ(12)のCRUM(90)にコンタクトパッド(92A,92B)が設けられ、カートリッジ(12,14,16)が装着される際に、コンタクトパッド(92A,92B)が、本体側の端子ブロック(94)の接点(95)に係合して、電気的に接続される技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−276139号公報(「0034」、図4、図9)
【特許文献2】特開2003−248354号公報(「0026」〜「0030」、図2〜図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、着脱ユニットが振動する場合に、電気的な接点の導通不良の発生を抑制することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明の着脱ユニットは、
画像形成装置本体に着脱される着脱ユニットに関する情報が記憶された記憶媒体であって、基板と、前記基板表面に露出する接続端子と、を有し、前記着脱ユニットに着脱可能に支持される前記記憶媒体と、
前記記憶媒体の前記接続端子に接触可能な第1の保護接続端子と、前記第1の保護接続端子に電気的に接続され且つ前記画像形成装置本体に設けられた被接続端子に接触可能な第2の保護接続端子と、前記第1の保護接続端子および前記第2の保護接続端子を支持する保護部材本体と、を有する保護部材であって、前記第1の保護接続端子が前記記憶媒体の接続端子に電気的に接続された状態で前記着脱ユニットに支持される前記保護部材と、
を備え、
前記画像形成装置本体に装着された場合に、前記画像形成装置本体の前記被接続端子に前記第2の保護接続端子が電気的に接続されることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の着脱ユニットにおいて、
回転駆動される回転体と、
前記画像形成装置本体に設けられた駆動源からの駆動が伝達される被駆動伝達部材を有し、前記回転体に前記駆動源からの駆動を伝達する被駆動伝達系と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の着脱ユニットにおいて、
樹脂材料により構成された前記基板と、導電性金属材料が前記基板に鍍金されて形成された前記接続端子と、を有する前記記憶媒体と、
前記樹脂材料よりも鍍金された前記導電性金属材料が剥がれ難い金属材料に、前記導電性金属材料が鍍金された前記第2の保護接続端子と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の着脱ユニットにおいて、
前記接続端子と前記第1の保護接続端子との間の接触圧力に比べて、前記第2の保護接続端子と前記被接続端子との間の接触圧力が、大きな値に設定されたことを特徴とする。
【0011】
前記技術的課題を解決するために、請求項5に記載の発明の画像形成装置は、
画像形成装置本体と、
前記画像形成装置本体に着脱可能に装着される請求項1ないし4のいずれかに記載の着脱ユニットと、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1、4に記載の発明によれば、保護部材を使用しない場合に比べて、着脱ユニットが振動する場合に、電気的な接点の導通不良の発生を抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、保護部材を使用しない場合に比べて、被駆動伝達系を介して駆動が伝達される際の着脱ユニットの振動に対して、電気的な接点の導通不良の発生を抑制することができる。
請求項3に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、相対的に移動しない記憶媒体の鍍金が剥がれることを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の斜視図である。
【図2】図2は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図3】図3は実施例1の画像形成装置の要部拡大説明図である。
【図4】図4は実施例1のプロセスユニットが画像形成装置本体に装着された状態を斜め後方から見た斜視図である。
【図5】図5は図4の矢印V方向から見た図である。
【図6】図6は図4に示す状態からK色のプロセスユニットが前方に引き出された状態の説明図である。
【図7】図7は全てのプロセスユニットが取り外された状態のユニット装着部の斜視説明図である。
【図8】図8は画像形成装置本体側の被接続端子部分の要部拡大図である。
【図9】図9は実施例1のプロセスユニットの斜視図である。
【図10】図10は図9の矢印X方向から見た図であり、図10Aは全体図、図10Bは後端部分の要部拡大図である。
【図11】図11は現像ユニットを前側右斜め上方から見た斜視図であり、図11Aは全体の斜視図、図11Bは前端部分の拡大説明図である。
【図12】図12は現像ユニットを前側左斜め上方から見た斜視図である。
【図13】図13は現像部の断面説明図である。
【図14】図14は現像ユニット本体の要部説明図であり、図14Aは現像ロールおよび初期現像剤収容部が取り外された状態の現像ユニット本体の斜視図、図14Bはサプライオーガの斜視図、図14Cはアドミクスオーガの斜視図である。
【図15】図15は接続端子の要部拡大図であり、図15Aは本体側の被接続端子に接続されていない状態の要部説明図、図15Bは本体側の被接続端子に接続された状態の要部説明図である。
【図16】図16はプロセスユニットから保護部材が取り外された状態の説明図である。
【図17】図17は実施例1の記憶媒体の説明図であり、図17Aは平面図、図17Bは斜視図である。
【図18】図18は実施例1の保護部材の説明図であり、図18Aは斜め下方から見た斜視図、図18Bは斜め上方から見た斜視図、図18Cは保護接続端子の斜視図である。
【図19】図19は実施例1のプロセスユニットの被識別部および被規制部と、ユニット装着部の識別部および規制部との関係の説明図であり、図19Aは被規制部と規制部との係合が開始された状態の説明図、図19Bは図19Aに示す状態からプロセスユニットが挿入されて被規制部と規制部とが係合した状態において識別部と被識別部との係合が開始される状態の説明図、図19Cはプロセスユニットの装着が完了して識別部と被識別部とが係合し且つ被規制部と規制部との係合が解除された状態の説明図である。
【図20】図20は崩し部材および密閉部材が装着された状態の現像ユニットの斜視図である。
【図21】図21は図20に示す状態から現像剤収容部の上蓋が取り外された状態の説明図である。
【図22】図22は図21の矢印XXII方向から見た状態の説明図である。
【図23】図23は図20に示す状態における要部断面図である。
【図24】図24は図23のXXIV−XXIV線断面図である。
【図25】図25は現像剤収容部の前端の流入口の要部説明図である。
【図26】図26は現像剤収容部の前端部の説明図であり、図26Aは全体図、図26Bは前端部分の要部拡大図、図26Cは接触部材が取り外された状態の説明図である。
【図27】図27は接触部材の説明図であり、図27Aは接触部材の分解説明図、図27Bは要部断面説明図である。
【図28】図28は実施例1の密閉部材の説明図であり、図28Aは密閉部材が取り外される前の状態の説明図、図28Bは密閉部材が取り外される途中の状態の説明図、図28Cは密閉部材が取り外された状態の説明図である。
【図29】図29は崩し部材と現像剤収容部との固定方法の説明図であり、図29Aは実施例1の固定方法の説明図、図29Bは実施例1の変更例1の固定方法の説明図、図29Cは実施例1の変更例2の固定方法の説明図、図29Dは実施例1の変更例3の固定方法の説明図、図29Eは実施例1の変更例4の固定方法の説明図である。
【図30】図30は実施例1の崩し部材が引き出される過程の説明図であり、図30Aは図24に示す状態から前方に崩し部材が引き出された状態の説明図、図30Bは図30Aに示す状態からさらに前方に崩し部材が引き出された状態の説明図、図30Cは図30Bに示す状態からさらに前方に崩し部材が引き出された状態の説明図である。
【図31】図31は、プロセスユニットの被識別部および被規制部と、ユニット装着部の識別部および規制部との関係の概略説明図であり、図31Aは実施例1の構成の説明図、図31Bは被規制部と規制部とが実施例1とは逆側に配置された状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例としての実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0015】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の斜視図である。
図2は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図1、図2において、画像形成装置の一例としての複写機Uは、自動原稿搬送装置U1と、これを支持し且つ上端に透明な原稿読取り面PGを有する画像形成装置本体U2とを備えている。
図1において、画像形成装置本体U2の前面には、部品等の交換時に開閉される開閉部材の一例としてのフロントカバーUaが開閉可能に支持されている。
図2において、前記自動原稿搬送装置U1は、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて収容される原稿給紙部TG1と、原稿給紙部TG1から給紙され前記原稿読取り面PG上の原稿読取位置を通過した原稿Giが排出される原稿排紙部TG2とを有している。
前記画像形成装置本体U2は、利用者が画像形成動作開始等の作動指令信号を入力操作する操作部UIと、露光光学系A等を有している。
【0016】
前記自動原稿搬送装置U1で原稿読取り面PG上を搬送される原稿または手動で原稿読取り面PG上に置かれた原稿からの反射光は、前記露光光学系Aを介して、固体撮像素子CCDで赤:R、緑:G、青:Bの電気信号に変換される。
画像処理部IPSは、固体撮像素子CCDから入力される前記RGBの電気信号を黒:K、イエロー:Y、マゼンタ:M、シアン:Cの画像情報に変換して一時的に記憶し、前記画像情報を予め設定された時期に潜像形成用の画像情報として潜像形成回路DLに出力する。
なお、原稿画像が単色画像、いわゆる、モノクロの場合は、黒:Kのみの画像情報が潜像形成回路DLに入力される。
前記潜像形成回路DLは、図示しない各色Y,M,C,Kの各駆動回路を有し、入力された画像情報に応じた信号を予め設定された時期に、潜像形成装置ROSに出力する。
【0017】
図3は実施例1の画像形成装置の要部拡大説明図である。
前記潜像形成装置ROSの上方には、Y、M、C、およびKの各色の可視像を形成する可視像形成装置Uy,Um,Uc,Ukが配置されている。
前記Yの可視像形成装置Uyは、像保持体の一例としての回転する感光体PRy、帯電器CRy、現像装置Gy、像保持体清掃器の一例としての感光体クリーナCLyを有している。なお、実施例1では、可視像形成装置Uyは、画像形成装置本体U2に対して一体的に着脱可能な着脱ユニットの一例としてのプロセスユニットとして構成されている。
前記可視像形成装置Um,Uc,Ukはいずれも前記Yの可視像形成装置Uyと同様に構成されている。
【0018】
図2,図3において、前記各感光体PRy,PRm,PRc,PRkはそれぞれの帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより帯電された後、画像書込位置Q1y,Q1m,Q1c,Q1kにおいて、潜像形成装置ROSから射出されたY,M,C,Kの潜像書込光Ly,Lm,Lc,Lkにより、その表面に静電潜像が形成される。前記感光体PRy,PRm,PRc,PRk表面の静電潜像は、現像領域Q2y,Q2m,Q2c,Q2kにおいて、現像装置Gy,Gm,Gc,Gkの現像剤保持体の一例としての現像ロールR0y,R0m,R0c,R0kに保持された現像剤により可視像の一例としてのトナー像に現像される。
現像されたトナー像は、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBに接触する1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kに搬送される。前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて中間転写ベルトBの裏面側に配置された1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kには、制御部Cにより制御される電源回路Eから予め設定された時期にトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。
【0019】
前記各感光体PRy〜PRk上のトナー像は、前記1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBに1次転写される。1次転写後の感光体PRy,PRm,PRc,PRk表面の残留物、付着物は、感光体クリーナCLy,CLm,CLc,CLkにより清掃される。感光体クリーナCLy〜CLkで回収された回収物は、残留搬送部材の一例としての排出オーガHAy〜HAkにより、図示しない回収容器に搬送されて回収される。
なお、清掃された前記感光体PRy,PRm,PRc,PRk表面は、帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより再帯電される。
【0020】
前記感光体PRy〜PRkの上方には、中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、前記中間転写ベルトBと、中間転写体駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRd、張力付与部材の一例としてのテンションロールRt、蛇行防止部材の一例としてのウォーキングロールRw、従動部材の一例としてのアイドラロールRfおよび二次転写対向部材の一例としてのバックアップロールT2aと、前記1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kとを有している。そして、前記中間転写ベルトBは、前記各ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2aにより回転移動可能に支持されている。
【0021】
前記バックアップロールT2aに接する中間転写ベルトBの表面に対向して、2次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bが配置されている。前記バックアップロールT2aと2次転写ロールT2bにより2次転写器T2が構成されている。また、2次転写ロールT2bおよび中間転写ベルトBの対向する領域により2次転写領域Q4が形成される。
前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kで一次転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトB上に順次重ねて転写された単色または多色のトナー像は、前記2次転写領域Q4に搬送される。
前記一次転写器T1y〜T1k、中間転写ベルトBおよび二次転写器T2等により、感光体PRy〜PRkに形成された画像を媒体に転写する実施例1の転写装置T1+T2+Bが構成されている。
【0022】
前記可視像形成装置Uy〜Ukの下方には、案内部材の一例としての左右一対のガイドレールGRが3段設けられており、前記ガイドレールGRには、給紙部の一例としての給紙トレイTR1〜TR3が前後方向に出入可能に支持されている。給紙トレイTR1〜TR3に収容された媒体の一例としての記録シートSは、媒体取出し部材の一例としてのピックアップロールRpにより取り出され、媒体捌き部材の一例としてのさばきロールRsにより1枚ずつ分離される。そして、記録シートSは、媒体搬送路の一例であるシート搬送路SHに沿って媒体搬送部材の一例としての複数の搬送ロールRaにより搬送される。搬送ロールRaで搬送された記録シートSは、2次転写領域Q4のシート搬送方向上流側に配置され、2次転写領域Q4への搬送時期を調整する時期調節部材の一例としてのレジロールRrに送られる。前記シート搬送路SH、シート搬送ロールRa、レジロールRr等によりシート搬送装置SH+Ra+Rrが構成されている。
【0023】
レジロールRrは、前記中間転写ベルトBに形成されたトナー像が2次転写領域Q4に搬送されるのに時期を合わせて、前記記録シートSを2次転写領域Q4に搬送する。記録シートSが前記2次転写領域Q4を通過する際、前記バックアップロールT2aは接地され、2次転写器T2bには前記制御部Cにより制御される電源回路Eからトナーの帯電極性と逆極性の2次転写電圧が印加される。このとき、前記中間転写ベルトB上のトナー像は、前記2次転写器T2により記録シートSに転写される。
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、中間転写体清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbにより清掃される。
【0024】
前記トナー像が2次転写された記録シートSは、定着装置Fの加熱用定着部材の一例としての加熱ロールFhおよび加圧用定着部材の一例としての加圧ロールFpの接触領域である定着領域Q5に搬送され、前記定着領域を通過する際に加熱定着される。加熱定着された記録シートSは、媒体排出部材の一例としての排出ローラRhから媒体排出部の一例としての排紙トレイTRhに排出される。
なお、前記加熱ロールFh表面には、記録シートSの前記加熱ロールからの離型性を良くするための離型剤が離型剤塗布装置Faにより塗布されている。
【0025】
前記ベルトモジュールBMの上方にはイエローY,マゼンタM,シアンC,黒Kの各現像剤を収容する現像剤収容容器の一例としての現像剤カートリッジKy,Km,Kc,Kkが配置されている。各現像剤カートリッジKy,Km,Kc,Kkに収容された現像剤は、前記現像装置Gy,Gm,Gc,Gkの現像剤の消費に応じて前記各現像装置Gy,Gm,Gc,Gkに補給される。
【0026】
(プロセスユニットおよびユニット装着部の説明)
図4は実施例1のプロセスユニットが画像形成装置本体に装着された状態を斜め後方から見た斜視図である。
図5は図4の矢印V方向から見た図である。
図6は図4に示す状態からK色のプロセスユニットが前方に引き出された状態の説明図である。
図7は全てのプロセスユニットが取り外された状態のユニット装着部の斜視説明図である。
図4〜図7において、実施例1の複写機Uの画像形成装置本体U2の内部には、潜像形成装置ROSの上方に、着脱体装着部の一例としてのユニット装着部1が支持されている。ユニット装着部1は、装着部本体の一例として、Y,M,C,KのプロセスユニットUY〜UKに対応して、前後方向に延びる4つのユニット支持部2を有する。
【0027】
図7において、各ユニット支持部2の左右両側には、ユニット支持部2に沿って延び且つユニット支持部2どうしを仕切る仕切部の一例としての立壁3が形成されている。前記ユニット支持部2の前端部には、プロセスユニットUY〜UKの前端が収容される凹み状の前端収容部4が形成されている。また、ユニット支持部2の左部には、前後方向に延びる貫通口により構成され、潜像形成装置ROSから射出された潜像形成光Ly〜Lkが通過する光通過口6が形成されている。光通過口6の右側には、右方に行くに連れて下方に傾斜する形状に形成され、着脱されるプロセスユニットUY〜UKの底面を案内する傾斜ガイド面7が形成されている。
【0028】
図4〜図7において、ユニット支持部2の後端部の右側には、識別部の一例として、後方に突出する色識別ガイド8が形成されている。図5、図7において、Y,M,C,Kの色識別ガイド8y,8m,8c,8kは、装着されるプロセスユニットUY〜UKが適合しているか否かを識別するために、それぞれ、高さが異なる位置に右方に凹み且つ前後方向に延びる識別路9y,9m,9c,9kが形成されている。実施例1では、Y,M,C,Kの順に識別路9y〜9kの高さが、下方から上方に順にずれた位置に形成されている。
図7において、Y,M,C,Kの各ユニット支持部2の右側の立壁3の前端部には、移動規制部の一例として、左方に突出し且つ前後方向に延びるガタ規制ガイド11が形成されている。実施例1では、Y,Mのガタ規制ガイド11y,11mには、識別干渉部の一例として、上面に前後一対の干渉リブ12y,12mが形成されている。
【0029】
図8は画像形成装置本体側の被接続端子部分の要部拡大図である。
図5、図7、図8において、ユニット支持部2の後端部の左側には、被接続部の一例としての本体側コネクタ13が支持されている。前記本体側コネクタ13は、被接続端子の一例として、上方に突出するコネクタ端子14を有し、コネクタ端子14は、弾性変形可能な板バネ状の金属材料により構成されている。各本体側コネクタ13は、伝送線の一例としてのハーネス16を介して、画像形成装置本体U2のコントローラCに電気的に接続されている。なお、実施例1の画像形成装置UのコントローラCは、小型の情報処理装置、いわゆるマイクロコンピュータにより構成されており、外部との信号の入出力、および、入出力信号レベルの調節等を行うI/O、必要な処理を実行するためのプログラム、および、データ等が記憶されたROM、必要なデータを一時的に記憶するためのRAMや、HDD、前記ROMや、前記HDDに記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU、ならびにクロック発振器等を有しており、前記ROMに記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0030】
(プロセスユニットの説明)
図9は実施例1のプロセスユニットの斜視図である。
図10は図9の矢印X方向から見た図であり、図10Aは全体図、図10Bは後端部分の要部拡大図である。
次に、実施例1のプロセスユニットUY〜UKの説明を行うが、各プロセスユニットUY〜UKは同様に構成されているため、Y色のプロセスユニットUYについて詳細な説明を行い、その他の色のプロセスユニットUM〜UKについては詳細な説明は省略する。
【0031】
(感光体クリーナユニットの説明)
図4、図6、図9において、実施例1のプロセスユニットUYは、感光体PRyの左側に配置された感光体クリーナユニット21を有する。感光体クリーナユニット21は、内部に感光体クリーナCLyが収容されている。図9、図10Aにおいて、感光体クリーナユニット21の前端には、回収物排出部の一例として、前方に延びる排出筒22が支持されており、排出筒22の前端には、図10Aに示すように下方に開口した回収物排出口22aが形成されている。前記排出筒22の回収物排出口22aは、画像形成装置本体U2にプロセスカートリッジが装着された状態でフロントパネルUaが閉じられると、フロントパネルUaの内側に配置された図示しない回収容器に接続可能に構成されている。そして、前記排出筒22には、感光体クリーナユニット21から延びる排出オーガHAyの前端が収容されており、排出オーガHAyにより搬送された回収物は、回収物排出口22aから回収容器に排出される。
【0032】
図9において、感光体クリーナユニット21の前後両端部には、感光体PRyを回転可能に支持する前後一対の軸受け部23が一体的に形成されている。感光体クリーナユニット21の前端部の下端には、プロセスユニットUY〜UKを作業者が取り扱う際に使用する操作部の一例としてのレバー24が支持されている。実施例1のレバー24は、図9の実線および破線で示すように、下端を中心として回転可能に支持されている。
また、前記各軸受け部23の右上端部には、付勢支持部の一例としてのトラッキングバネ支持部25が形成されている。なお、図9では、後側のトラッキングバネ支持部25しか図示されていないが、前側のトラッキングバネ支持部25は、レバー24の後側に配置されており、後側のトラッキングバネ支持部25と同様に構成されているため、図示は省略する。
【0033】
図9、図10において、前記感光体PRyの後端には、被伝達部材の一例として、プロセスユニットUYが装着された状態で、駆動が伝達されるカップリング26が支持されている。前記カップリング26は、画像形成装置本体U2に設けられた図示しないカップリングに噛み合って、駆動源からの駆動が伝達される。
図9において、感光体PRyの前端には、被位置決め部材の一例として、位置決めキャップ27が支持されている。前記位置決めキャップ27は、前端に凹部が形成されており、フロントパネルUaが閉塞された状態で、図示しない前側の突起が嵌って位置決めされるように構成されている。したがって、実施例1のプロセスユニットUYは、画像形成装置本体U2に装着されて、フロントパネルUaが閉じられた状態では、カップリング26と位置決めキャップ27とで位置決めがされた状態で支持されるように構成されている。
【0034】
(現像ユニットの説明)
図11は現像ユニットを前側右斜め上方から見た斜視図であり、図11Aは全体の斜視図、図11Bは前端部分の拡大説明図である。
図12は現像ユニットを前側左斜め上方から見た斜視図である。
図9において、感光体PRyの右側には、現像部の一例として、記録シートSの幅方向である前後方向に延びる現像ユニット31が配置されている。図5、図9、図11、図12において、実施例1の現像ユニット31は、前後方向に延びるユニット本体32と、前記ユニット本体32の前端に支持された前被覆部材の一例としての前カバーFCと、ユニット本体32の後端に支持された後被覆部材の一例としての後カバーRCと、を有する。
【0035】
(現像容器の説明)
図13は現像部の断面説明図である。
図14は現像ユニット本体の要部説明図であり、図14Aは現像ロールおよび初期現像剤収容部が取り外された状態の現像ユニット本体の斜視図、図14Bはサプライオーガの斜視図、図14Cはアドミクスオーガの斜視図である。
図9、図11〜図13において、実施例1のユニット本体32は、下部に配置された現像器33と、現像器33の上部に支持された現像剤収容部の一例としてのスタータ収容部34とを有する。
図13、図14Aにおいて、前記現像器33は、現像剤が収容される現像容器36を有する。
【0036】
図14Aにおいて、現像容器36の右外側面の前端部には、ガタ規制ガイド11に対応して右方に張り出し且つ前後方向に沿う板状に形成された張出部36aが形成されている。張出部36aの後端には、被規制部の一例として、上方に突出してガタ規制ガイド11yの下面に接触可能に構成されたガタ規制突部36bが形成されており、プロセスユニットUYの装着時に、ガタ規制ガイド11yと接触してプロセスユニットUYを位置決めしてガタつきを規制する。
図14Aにおいて、現像容器36の前端部の上面および後端部の上面には、漏出防止部材の一例として、縁に沿って配置されて現像容器36内部からの現像剤の漏出を防止する現像容器シール37が貼付されている。実施例1の現像容器シール37は、弾性材料の一例であって発泡性の材料の一例としてのスポンジで構成されているが、これらに限定されず、ゴムや布等の任意の密閉するための材料を使用可能である。
【0037】
(現像ユニットの接続端子の説明)
図15は接続端子の要部拡大図であり、図15Aは本体側の被接続端子に接続されていない状態の要部説明図、図15Bは本体側の被接続端子に接続された状態の要部説明図である。
図16はプロセスユニットから保護部材が取り外された状態の説明図である。
図10、図15、図16において、現像容器36の後端部下面には、媒体支持部の一例としての右側のCRUM収容部38と、左側の端子収容部39とが形成されている。
図15Aにおいて、前記CRUM収容部38は、下方が開放された収容空間38aと、収容空間38aの左右両側から下方に延びる左右一対の側壁部38bと、各側壁部38bの下端から内側に延びる保持部の一例としての保持爪38cとを有する。なお、左側の端子収容部39もCRUM収容部38と同様に構成されているため、詳細な説明は省略する。
【0038】
図17は実施例1の記憶媒体の説明図であり、図17Aは平面図、図17Bは斜視図である。
図10、図15、図16において、CRUM収容部38には、記憶媒体の一例としてのCRUM:Customer Replaceable Unit Memory41と、保護部材の一例としてのCRUMアダプタ42とが着脱可能な状態で収容されている。図16、図17において、実施例1のCRUM41は、内部に情報を記憶する図示しない記憶素子が収容された板状の基板41aと、基板41a表面に露出する電気的な接点である4つの接続端子41bとを有し、プロセスカートリッジUYに収容されている現像剤の色や、感光体PRyの累積回転時間等の使用状態のようなプロセスカートリッジUYに関する情報が記憶されている。なお、基板41aには、固定部の一例として、丸穴状と長孔状の固定孔41cが形成されており、CRUM41がCRUM収容部38に収容された場合に、CRUM収容部38に形成された突起が嵌って、位置決めおよび抜け止めがされる。
なお、実施例1では、CRUM41の基板41aは、樹脂材料の一例としてのエポキシ樹脂により構成されている。また、接続端子41bは、導電性金属材料の一例としての金がエポキシ樹脂に鍍金されて形成されている。すなわち、いわゆる、金メッキがされて構成されている。なお、実施例1では、金メッキの厚みは、一例として、0.03μmに設定されているが、設計や仕様等に応じて任意に変更可能である。
【0039】
図18は実施例1の保護部材の説明図であり、図18Aは斜め下方から見た斜視図、図18Bは斜め上方から見た斜視図、図18Cは保護接続端子の斜視図である。
図10、図16、図18において、実施例1のCRUMアダプタ42は、保護部材本体の一例として、平板状のアダプタ本体42aを有する。図18Bにおいて、アダプタ本体42aの上面には、前後方向に沿って延び且つCRUM41の接続端子41bに対応して形成された4つの端子収容溝42bが形成されている。図18A、図18Bにおいて、アダプタ本体42aの左右両側には、被保持部の一例として、左右方向外側に張り出した形状の保持リブ42cが形成されており、図15Aに示すように、保持リブ42cが保持爪38cに保持されることで、CRUMアダプタ42がCRUM収容部38に着脱可能な状態で保持される。
【0040】
図18A、図18Bにおいて、端子収容溝42bには、保護接続部材の一例としてのコネクタ部材43が固定支持されている。図18Cにおいて、コネクタ部材43は、第1の保護接続端子の一例としての上側のCRUM接続端子43aと、第2の保護接続端子の一例としての下側の本体接続端子43bと、電気的な接点である各接続端子43a,43bの前端どうしを接続する接続部43cとを有し、アダプタ本体42aを回り込むコの字状に形成されている。また、前記CRUM接続端子43aには、CRUM41の接続端子41bに接触する接点部43dが、上方に延びる板バネ状に形成されている。
なお、実施例1のコネクタ部材43は、金属材料の一例として、エポキシ樹脂よりも鍍金された金が剥がれ難いリン青銅により構成されており、接点部43dや本体接続端子43bの下表面を含む表面には、導電性金属材料の一例としての金が鍍金されている。また、実施例1では、鍍金された金の厚みは、一例として、0.3μmに設定されているが、設計や仕様等に応じて任意に変更可能である。
【0041】
したがって、実施例1のプロセスカートリッジUYでは、CRUM41がCRUM収容部38に収容された状態で、CRUMアダプタ42が装着されることで、CRUM41がCRUM収容部38に保持される。そして、CRUM41およびCRUMアダプタ42が装着された状態では、CRUM41の接続端子41にCRUMアダプタ42の接点部43dが接触した状態となり、コネクタ部材43とCRUM41とが電気的に導通される。
そして、プロセスカートリッジUYが画像形成装置本体U2に装着されると、CRUMアダプタ42の本体接続端子43bが、本体側コネクタ13の右側のコネクタ端子14に接触して、画像形成装置本体U2のコントローラCとCRUM41とが電気的に接続され、情報の送受信が可能となる。
なお、実施例1では、板バネ状の接点部43dと接続端子41bとの接触力が0.15[N]に設定されており、板バネ状のコネクタ端子14とCRUMアダプタ42の本体接続端子43bとの接触力が0.3[N]に設定されている。すなわち、CRUMアダプタ42とCRUM41との間の接触力が、本体側コネクタ13とCRUMアダプタ42との接触力に比べて、小さい力に設定されている。
【0042】
なお、端子収容部39には、CRUMアダプタと同様に金メッキされたリン青銅を有する接続端子44が着脱可能に装着されており、プロセスカートリッジUYが画像形成装置本体U2に装着された場合に、本体側コネクタ13の左側のコネクタ端子14に接触可能に配置されている。
図12において、実施例1の現像器33では、現像容器36の前端部左下方に、後述する第1の撹拌室47の前端部分の現像剤の濃度、すなわち、現像剤に含まれるトナーとキャリアとの割合を検出する濃度検出部材の一例としての濃度センサSNが支持されている。前記濃度センサSNは、図示しない導線を介して、現像容器36の後端部に支持された前記接続端子44に電気的に接続され、電源の供給を受けたり、検出した現像剤の濃度をコントローラCに送信可能になっている。
【0043】
(現像容器の内部の説明)
図13、図14において、現像容器36の内部の左上部には、保持体収容部の一例として、回転体の一例としての現像ロールR0yが収容される現像ロール収容室46が形成されている。前記現像ロール収容室46の下方には、第1の撹拌室47が隣接して配置されており、第1の撹拌室47の右斜め下方には、第2の撹拌室48が隣接して配置されている。
第1の撹拌室47と第2の撹拌室48との間は、前後方向に延びる仕切壁49により仕切られている。前記仕切壁49の前端には、第2の撹拌室48から第1の撹拌室47へ現像剤が流入可能な第1流入部E1が形成されており、仕切壁49の後端には、第1の撹拌室47から第2の撹拌室48へ現像剤が流入可能な第2流入部E2が形成されている。
図14Aにおいて、実施例1の第1の撹拌室47および第2の撹拌室48の長さは、現像ロール室46よりも前方に長く形成されている。
【0044】
図9〜図12において、現像容器36の後カバーRCは、第2の撹拌室48の後側の延長上に配置された円筒状の補給部51を有する。前記補給部51の内部には、第2の撹拌室48に接続する補給室52が形成されており、補給部51の後端上面には、補給口53が形成されている。
前記補給部51の上面には、開閉部材の一例として、補給口53を開閉する補給口シャッタ54が前後方向に移動可能に支持されている。したがって、プロセスカートリッジUYが画像形成装置本体U2に装着されると、画像形成装置本体U2に設けられた現像剤カートリッジKyの現像剤を補給する図示しない補給系に補給口シャッタ54が押されて、図9に示す閉塞位置から図11、図12に示す開放位置に移動し、現像剤カートリッジKyからの現像剤が補給口53に補給可能な状態となる。
【0045】
(現像容器内部に支持された部材の説明)
図13において、現像ロール収容室46には、現像ロールR0yが支持されており、現像ロールR0yの左斜め下方には現像ロールR0y表面に対向して配置され、且つ、現像ロールR0y表面に付着した現像剤の層の厚さを規制する円柱状の層厚規制部材56が支持されている。
第1の撹拌室47には、第1の撹拌部材の一例としてのサプライオーガ57が収容されている。前記サプライオーガ57は、前後方向に延びる回転軸58と、回転軸58の外周に形成された搬送羽根59とを有し、回転時に、第1の撹拌室47内の現像剤を、第1流入部E1から第2流入部E2に向かう第1の搬送方向に撹拌しながら搬送しつつ、現像ロールR0yに供給する。
【0046】
実施例1のサプライオーガ57の搬送羽根59は、螺旋状の羽根により構成されており、前端、すなわち第1の搬送方向の上流端の二重螺旋により構成されて、第1流入部E1を通じて汲み上げられた現像剤を、一重螺旋の場合に比べて高速で下流側に搬送する高速搬送部59aを有する。高速搬送部59aの後側には、現像ロールR0yに対向して配置され且つ一重螺旋により構成され、現像剤を第2流入部E2に向けて搬送しながら現像ロールR0yに供給する第1主搬送部59bが設けられている。第1主搬送部59bの後側には、第1主搬送部59bとは逆巻きの螺旋により構成されて第1の撹拌室47の下流端の現像剤を第2流入部E2に流入させる第1逆搬送部59cが配置されている。また、サプライオーガ57の第1主搬送部59bが設けられている範囲には、回転軸58の軸方向に沿って延びて、現像剤を撹拌する板状の撹拌部59dが複数配置されている。
【0047】
図14A、図14Cにおいて、第2の撹拌室48および補給室52には、第2の撹拌部材の一例としてのアドミクスオーガ61が収容されている。前記アドミクスオーガ61は、前後方向に延びる回転軸62と、回転軸62の外周に形成された搬送羽根63とを有し、回転時に、第2の撹拌室48内の現像剤を第2流入部E2から第1流入部E1に向かう第2の搬送方向に撹拌しながら搬送する。
実施例1のアドミクスオーガ61の搬送羽根63は、後端、すなわち第2の搬送方向の上流端に配置され且つ補給室52内の現像剤を補給口53から第2流入部E2に向けて搬送する補給搬送部63aを有する。補給搬送部63aの前側には、第2流入部E2に対応して配置され且つ回転軸58に対して傾斜する板状に形成された流入撹拌部63bが配置されており、第2流入部E2から流入してきた現像剤を撹拌する。流入撹拌部63bの前側には、第1流入部E1に対応する位置まで延びる一重螺旋状の第2主搬送部63cが配置されており、第2の撹拌室48内の現像剤を撹拌しながら、第1流入部E1に向けて搬送する。第2主搬送部63cが配置されている範囲には、回転軸62の軸方向に沿って延びて、現像剤を撹拌する板状の撹拌部63dが複数配置されている。第2主搬送部63cの前側には、第1流入部E1に対応し且つ第2主搬送部63cとは逆巻きの螺旋により構成された第2逆搬送部63eが配置されており、第2の撹拌室48を搬送されてきた現像剤を滞留させて第1流入部E1を通じて第1の撹拌室47に移動させる。
【0048】
(現像器の駆動伝達系の説明)
図5、図10、図12、図14Aにおいて、現像容器36の左下部の後端には、後方に延びる歯車軸65が支持されている。前記歯車軸65には、被駆動伝達部材の一例としての被駆動ギアG1が回転可能に支持されており、被駆動ギアG1は、プロセスユニットUYが画像形成装置本体U2に装着された場合に、画像形成装置本体U2に支持され且つ駆動源からの駆動が伝達される図示しない駆動歯車に噛み合って、駆動が伝達される。前記被駆動ギアG1の前側には、被駆動ギアG1と同軸で回転可能に支持された中間歯車の一例としての第1中間ギアG2および第2中間ギアG3が配置されている。
図12において、現像ロールR0yの後端には、歯車の一例としての現像ロールギアG4が支持されており、現像ロールギアG4は、第1中間ギアG2に噛み合っている。したがって、被駆動ギアG1に駆動が伝達されると、第1中間ギアG2を介して、現像ロールギアG4が回転し、現像ロールR0yが回転する。なお、現像ロールR0yの前後両端部には、間隔設定部材の一例として、現像ロールR0yの外径よりも大径に形成されたリング状のトラッキングロール64が回転可能に支持されている。
【0049】
図14Aにおいて、サプライオーガ57の回転軸58の後端部は、現像容器36を貫通して後方に突出しており、サプライオーガ57の後端には、歯車の一例としてのサプライギアG5が支持されている。サプライオーガ57のサプライギアG5は、前記第2中間ギアG3に噛み合っており、現像ロールR0yとサプライオーガ57とが、図13において同じ回転方向に回転する。
サプライオーガ57の回転軸58およびアドミクスオーガ61の回転軸62の前端部は、現像容器36を貫通して前方に突出しており、サプライオーガ57の前端には歯車の一例としての前伝達ギアG6が支持されている。前伝達ギアG6は、歯車の一例として、現像容器36の前端に回転可能に支持された前中間ギアG7に噛み合っており、前中間ギアG7は、歯車の一例として、アドミクスオーガ61の前端に支持されたアドミクスギアG8に噛み合っている。したがって、被駆動ギアG1に駆動が伝達されると、第2中間ギアG3を介して、サプライギアG5が回転して、サプライオーガ57が回転する。サプライオーガ57が回転すると、各ギアG6〜G8を介して、アドミクスオーガ61に回転が伝達され、アドミクスオーガ61も回転する。したがって、被駆動ギアG1から駆動が伝達されると、各オーガ57,61が回転して、撹拌室47,48内で現像剤が循環しながら搬送され、現像ロールR0yも表面に現像剤を保持して回転する。
前記第1の撹拌室47および第2の撹拌室48により、実施例1の循環室47+48が構成されている。また、前記各ギアG1〜G8により、実施例1の被駆動伝達系G1〜G8が構成されている。
【0050】
(現像容器外部に支持された部材の説明)
図19は実施例1のプロセスユニットの被識別部および被規制部と、ユニット装着部の識別部および規制部との関係の説明図であり、図19Aは被規制部と規制部との係合が開始された状態の説明図、図19Bは図19Aに示す状態からプロセスユニットが挿入されて被規制部と規制部とが係合した状態において識別部と被識別部との係合が開始される状態の説明図、図19Cはプロセスユニットの装着が完了して識別部と被識別部とが係合し且つ被規制部と規制部との係合が解除された状態の説明図である。
図9〜図12において、実施例1の後カバーRCでは、補給部51の右側部に、被識別部の一例として、右方に突出する色識別キーRC1が形成されている。図5に示すように、前記色識別キーRC1は、色識別ガイド8y〜8kの識別路9y〜9kに対応して、色毎に異なる高さの位置に形成されている。図19において、実施例1の識別路9y〜9k、ガタ規制ガイド11、ガタ規制突部36bおよび色識別キーRC1は、図19Aに示すように、プロセスカートリッジUYの装着方向の下流側の色識別キーRC1が識別路9y〜9kに差し掛かる前に、装着方向の上流側のガタ規制突部36bがガタ規制ガイド11に接触、係合すると共に、図19Cに示すように、プロセスカートリッジUYの装着が完了する前に、ガタ規制突部36bがガタ規制ガイド11の後端よりも後方に通過して係合が解除されるように、前後方向の長さや位置が設定されている。
【0051】
図5、図9、図11、図12において、前記前カバーFCおよび後カバーRCの上部には、クリーナユニット21のトラッキングバネ支持部25に対応して、付勢部材支持部の一例としてのトラッキングバネ支持部66が形成されており、各トラッキングバネ支持部25,66の間には、現像ユニット31をクリーナユニット21側に付勢する付勢部材の一例としてのトラッキングバネ67が連結されている。
なお、実施例1のプロセスユニットUYでは、感光体クリーナユニット21と現像ユニット31とは、後端部が、図10Bに示すように、感光体クリーナユニット21側の連結部21aが歯車軸65に回転可能に連結される、また、前端部は、現像ユニット31側の前カバーFCと感光体クリーナユニット21の図示しない連結部とが回転可能に連結されて、現像ユニット31が感光体クリーナユニット21に対して揺動可能に支持されている。
【0052】
したがって、前記トラッキングバネ67の付勢力に押されて、現像ユニット31のトラッキングロール64が、感光体クリーナユニット21の感光体PRyの両端部に接触して、現像ユニット31の現像ロールR0yの表面と感光体PRyの表面との間隔が予め設定された間隔に設定、保持される。
図11において、前カバーFCの下部には、前方に突出する突出保護部68が形成されており、前側のギアG6〜G8が外部に露出しないように被覆している。突出保護部68の上方には、第1の密閉部材通過口の一例として、スリット状の第1シール通過口69が形成され、突出保護部68の右上方には、第2の密閉部材通過口の一例として、スリット状の第2シール通過口70が形成されている。
【0053】
(スタータ収容部の説明)
図20は崩し部材および密閉部材が装着された状態の現像ユニットの斜視図である。
図21は図20に示す状態から現像剤収容部の上蓋が取り外された状態の説明図である。
図22は図21の矢印XXII方向から見た状態の説明図である。
図23は図20に示す状態における要部断面図である。
図24は図23のXXIV−XXIV線断面図である。
【0054】
図12、図13、図20、図21において、スタータ収容部34は、内部に現像剤が収容される収容部本体71と、収容部本体71の上端を閉塞する上蓋72とを有する。図13、図22〜図24において、前記収容部本体71は、現像容器36の上面を閉塞する中蓋部71aを有し、収容部本体71内部には、現像剤収容空間の一例としてのスタータ収容空間73が形成されている。すなわち、現像容器36の現像ロール収容室46、各撹拌室47,48と、スタータ収容空間73とは、中蓋部71aにより仕切られた状態となっている。
図13、図21〜図24において、スタータ収容空間73は、前後方向の長さが現像ロールR0yよりも長く形成されると共に、現像ロールR0yよりも上方が左右方向の幅が広く、下方に行くに従って狭くなり、第2の撹拌室48の上方で部分的に幅が広く形成されている。
【0055】
図25は現像剤収容部の前端の流入口の要部説明図である。
図13、図22〜図25において、中蓋部71aには、スタータ収容空間73の上部と現像ロール収容室46とを接続する第1の流入口の一例としての上流入口74と、スタータ収容空間73の下端部と第2の撹拌室48とを接続する第2の流入口の一例としての下流入口76とが形成されている。図25において、実施例1の上流入口74は、前後方向に沿って形成されており、前端は、現像ロールR0yの前端の位置に対応して形成されている。したがって、上流入口74の前端74aは、スタータ収容部34の前端壁34aまで到達しておらず、上流入口74の前端74aと前端壁34aとの間には、隙間が形成されている。なお、実施例1の下流入口76は、スタータ収容部34の前後方向の長さの全域に対応して形成されている。
【0056】
図13、図22〜図25において、スタータ収容部34の内部には、仕切部材の一例として、スタータ収容空間73を仕切る立壁状の仕切リブ77が前後方向に予め設定された間隔をあけて複数配置されている。実施例1の仕切リブ77は、上端の高さが、スタータ収容空間73の上端の高さに対応し且つ、スタータ収容空間73の上端よりも少し低く設定されており、上蓋72で閉塞された状態で上蓋72の下面と仕切リブ77の上端との間に隙間が形成されるように設定されている。したがって、実施例1の仕切リブ77の上端は、上流入口74よりも高い位置に配置されている。
【0057】
図26は現像剤収容部の前端部の説明図であり、図26Aは全体図、図26Bは前端部分の要部拡大図、図26Cは接触部材が取り外された状態の説明図である。
図27は接触部材の説明図であり、図27Aは接触部材の分解説明図、図27Bは要部断面説明図である。
図26において、実施例1のスタータ収容部34の前端壁34aの上部には、上流入口74の左斜め上方に対応する位置に、前後方向に貫通する崩し引出口78が形成されている。前記崩し引出口78には、接触部材の一例として、こぼれシール79が支持されている。
図26C、図27において、こぼれシール79は、薄膜状のシール基体81を有する。シール基体81は、図27Bに示すように、こぼれシール79が崩し引出口78に装着された状態で、コの字状に折り曲げられた状態となる薄膜状に構成されており、シール基体81の中央部には、崩し案内口の一例としてのガイド口81aが形成されている。なお、実施例1のシール基体81は、崩し引出口78に装着される際に円滑に装着できるように、弾性変形可能且つ外表面の摩擦係数が低い樹脂材料を使用することが好ましく、一例として、ポリエチレンテレフタレート、いわゆるPET樹脂により構成することが可能である。
【0058】
図26、図27において、前記シール基体81の内表面には、ガイド口81aを挟んだ両側に、一対の接触部材本体82が支持されている。前記接触部材本体82は、圧力付与部の一例として、シール基体81に支持される弾性材料の一例としてのウレタンにより構成されたクッション部82aを有する。クッション部82aの表面には、清掃部の一例として、布の一例としてのフェルトにより構成されたクリーナ部82bが支持されている。なお、実施例1の接触部材本体82では、一対のクッション部82aおよびクリーナ部82bの合計の厚さは、崩し引出口78の幅よりも厚くなるように設定されている。すなわち、こぼれシール79が崩し引出口78に装着された場合に、主としてクッション部82bが弾性変形して、クリーナ部82bどうしが予め設定された接触圧で接触した状態で保持されるように設定されている。したがって、クリーナ部82bどうしが密着した状態で保持されると、こぼれシール79により崩し引出口78が密閉され、スタータ収容部34から現像剤が漏出することが抑制される。
【0059】
(密閉部材の説明)
図20〜図26において、実施例1のプロセスユニットUYでは、出荷前の画像形成装置Uや出荷前の交換用のプロセスユニットUYが保管される場合のように、プロセスユニットUYが使用前の状態では、プロセスユニットUYには、密閉部材86および崩し部材91が装着されている。図23において、実施例1の密閉部材86は、上流入口74を閉塞する第1の密閉部材の一例としての上ヒートシール87と、下流入口76を閉塞する第2の密閉部材の一例としての下ヒートシール88とを有し、各ヒートシール87,88で密閉されたスタータ収容空間73内に、予め設定されたトナー濃度の現像剤が収容、封入されている。実施例1の各ヒートシール87,88は、各流入口74,76よりも幅が広く且つ前後方向に長い帯状の薄膜、いわゆるフィルムにより構成されている。
【0060】
図28は実施例1の密閉部材の説明図であり、図28Aは密閉部材が取り外される前の状態の説明図、図28Bは密閉部材が取り外される途中の状態の説明図、図28Cは密閉部材が取り外された状態の説明図である。
図28において、実施例1の各ヒートシール87,88は、中蓋部71a下面の各流入口74,76の縁に支持された密閉部87a,88aと、密閉部87a,88aの後端部から折り返されて前方に延びる折り返し部87b,88bとを有する。各ヒートシール87,88の密閉部87a,88aは、中蓋部71aの下面に剥離可能な状態で、熱融着で貼付されている。なお、中蓋部71aへの支持方法は、熱融着に限定されず、任意の方法を採用可能であり、従来公知の接着剤や両面テープ等を採用可能である。
前記折り返し部87b,88bの前部は、現像容器36の現像容器シール37とスタータ収容部34との接合部分の隙間から前方に延び、前カバーFCの各シール通過口69,70を通じてプロセスユニットUYの前方に導き出されている。
【0061】
(崩し部材の説明)
図29は崩し部材と現像剤収容部との固定方法の説明図であり、図29Aは実施例1の固定方法の説明図、図29Bは実施例1の変更例1の固定方法の説明図、図29Cは実施例1の変更例2の固定方法の説明図、図29Dは実施例1の変更例3の固定方法の説明図、図29Eは実施例1の変更例4の固定方法の説明図である。
図22〜図27において、前記崩し部材91は、スタータ収容空間73内に配置された崩し部92と、崩し部92の前端から前方に延びる引出部93とを有する。図29Aにおいて、前記崩し部92の後端は、後端がスタータ収容部34の後端壁34bの内面の上端に、両面テープ94を介して剥離可能な状態で貼付されている。実施例1の両面テープ94には、前面94aの上部に崩し部92の後端が貼付されており、前面94aの下部には、剥離防止部材の一例としての樹脂フィルム96が貼付されている。前記樹脂フィルム96は、一例として、ポリエチレンテレフタレート:PET等で構成することが可能であり、崩し部92が両面テープ94に貼り付けられた状態で崩し部92と両面テープ94との貼り付きを防止して、崩し部92と両面テープ94とが貼付される面積、すなわち接触面積を、両面テープ94と後端壁34bとの接触面積よりも小さくしている。したがって、崩し部材91の後端が剥離される際に、両面テープ94が後端壁34bから剥離して、崩し部材91と共に引き出されることが低減されている。
【0062】
図29において、崩し部材91の後端が剥離される際に、両面テープ94が後端壁から剥離しない方法としては、他にも、任意の方法を採用可能であり、図29Bに示すように、崩し部92の後端を折り曲げて接触しないように配置したり、図29Cに示すように、後端壁34bの両面テープ94が貼り付けられる面を粗面加工して両面テープ94の密着性を高めることが考えられる。他にも、図29Dに示すように、両面テープ94の粘着剤の粘着力の強さを変化させ、後端壁34b側の粘着力を、崩し部92側の粘着力よりも強くして剥離しにくくすることも考えられる。また、図29Eに示すように、スタータ収容部34と上蓋72との間に、崩し部92の後端を挟み込んで保持することも可能である。
【0063】
図24において、崩し部92は、貼り付けられた後端から後端壁34bに沿って下方に延び、図23に示すように下流入口76近傍において、スタータ収容部34の底部に沿って前方に延びている。そして、図22、図24に示すように、後端壁34bの前側の仕切リブ77の一側面、すなわち後面に沿って上方に延びた後、仕切リブ77の上端を乗り越えて、下方に折り曲げられ、仕切リブ77の他側面、すなわち前面に沿ってスタータ収容部34の底部まで延びる。同様にして、崩し部92は、各仕切リブ77の前面および後面に沿って、スタータ収容部34の前端部まで延びる。
図23に示すように、実施例1の崩し部92の左右方向の幅は、スタータ収容空間73の幅の狭い部分を通過して下方の下流入口76近傍まで到達できるように、幅の狭い部分に対応する幅に形成されている。
【0064】
図24、図25において、実施例1の崩し部92の前部は、最も前に配置された仕切リブ77を前に越えた後に、スタータ収容空間73に沿って前方に延びた後、前端壁34aに到達する前の上方折り曲げ位置92aで上方に折り曲げられる。前記上方折り曲げ位置92aは、前端壁34aと上流入口74の前端との間の位置に設定されている。そして、上方折り曲げ位置92aで上方に折り曲げられた崩し部92は、崩し引出口78に対応する高さで前方に折り曲げられる。したがって、崩し部92の前端部は、前端壁34aやスタータ収容部34の底部に沿っておらず、いわば弛んだような状態で配置されている。
【0065】
図24、図27Bにおいて、崩し部92の前端に連続して形成された引出部93は、崩し引出口78に支持されたこぼれシール79のガイド口81aを通過して、クリーナ部82bどうしの間で挟まれながら前方に延びる。なお、このとき、引き出し部93は、クッション部82aにより、両側から予め設定された付勢力を受けた状態で挟まれている。
そして、図22、図24、図26において、崩し部材91は、崩し引出口78の前端部において、上ヒートシール87に貼り付けられて接続されており、第1シール通過口69を通じて前方に導出されている。したがって、上ヒートシール87と崩し部材91とは一体的に引き出し可能に構成されている。
【0066】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の複写機Uでは、画像形成装置本体U2に着脱可能に支持されたプロセスユニットUY〜UKは、画像形成動作時に、感光体PRy〜PRkにカップリング26を通じて回転が伝達されると共に、現像ロールR0y〜R0kに被駆動ギアG1を通じて回転が伝達される。このとき、実施例1では、現像ロールR0y〜R0kが駆動される際にギアG1〜G8が回転し、カップリング26を通じて駆動が伝達される場合に比べて、現像容器36に大きな振動が発生することが不可避である。振動が発生すると、現像容器36がユニット支持部2に対して相対的に振動することとなり、本体側コネクタ13の板バネ状のコネクタ端子14に弾性力が作用した状態で接触しているCRUMアダプタ42が、本体側コネクタ13に対して振動することになる。
【0067】
ここで、CRUMアダプタ42を有しない従来の構成では、CRUM41の接続端子41bが本体側コネクタ13に直接接触した状態となっており、この状態で現像容器36に振動が作用すると、本体側コネクタ13のコネクタ端子14がCRUM41の接続端子41bを引っ掻く。したがって、エポキシ樹脂製の基板41aに対して比較的剥がれやすい接続端子41bが、コネクタ端子14に引っかかれて剥離したり、剥離した部分に異物が付着して酸化、劣化したりすることがあり、経時的に接触不良が発生する恐れがある。これに対応するために、CRUM41の構成を変更して、接続端子41bが剥がれ難い構成とすることも考えられるが、CRUM41の部品を、他の機種の画像形成装置と共通化することが困難となり、結果として製造費用が上昇する問題がある。また、コネクタ端子14を設けず、オス型の端子とメス型の端子とが嵌り合うコネクタ構造、いわゆる、ドロワコネクタ型のコネクタ構造を採用することも考えられるが、ドロワコネクタを採用すると、端子部が比較的大型のドロワコネクタを配置するための空間が必要となって、複写機U全体が大型化する問題がある。
【0068】
これに対して、実施例1では、CRUM41と本体側コネクタ13との間に、CRUMアダプタ42が装着されており、CRUM41とCRUMアダプタ42とが現像容器36に対して一体的、すなわち、相対移動不能に支持されている。したがって、現像容器36が振動しても、CRUM41とCRUMアダプタ42とは相対的に振動せず、CRUM41の接続端子41bと、CRUMアダプタ42のCRUM接続端子43aとの間での擦れが発生しない。したがって、接続端子41bの剥離が抑制され、接触不良や、導通不良、信号の送受信不良等が抑制される。
そして、CRUMアダプタ42の本体接続端子43bは、金メッキが剥がれ難いリン青銅が使用されており、現像容器36の振動が発生しても金メッキが剥がれ難く、導通不良やリン青銅の酸化や腐食等も抑制される。特に、実施例1では、本体接続端子43bの金メッキは、厚みが、CRUM41の接続端子41bよりも厚く、厚みが厚い分、金の剥落に対して経時的に強くなっている。
【0069】
また、実施例1では、CRUM41とCRUMアダプタ42とが相対的に移動しない構成となっており、CRUM41とCRUMアダプタ42との接触圧力を、CRUMアダプタ42とコネクタ端子14との間のような着脱される部分よりも小さくしても確実に接触させることが可能になっている。したがって、CRUMアダプタ42が設けられない場合に比べて、CRUM41とCRUMアダプタ42との間の接触力を不必要に大きくしなくても良く、CRUM41の接続端子41bの剥離がさらに低減されている。
【0070】
画像形成動作に伴って、感光体PRy〜PRkや現像ロールR0y〜R0k等の作動時間等のCRUM41に記憶された情報が更新され、記憶された情報に基づいて、予め設定された時期になると、感光体PRy〜PRkや現像ロールR0y〜R0k等の回転部品の経時的な劣化や現像器33内の現像剤の経時的な劣化、すなわち、プロセスカートリッジUY〜UKの寿命が判別される。そして、プロセスカートリッジUY〜UKが寿命になったり、部品の破損が検知されると、プロセスカートリッジUY〜UKが取り外され、新たなプロセスカートリッジUY〜UKに交換される。
新たなプロセスカートリッジUY〜UKでは、現像容器36の現像ロール収容室46の感光体PRy〜PRk側が開放されており、現像剤が現像ロール収容室46等に収容されていると運搬中や作業中に現像剤が漏れ出す恐れがある。したがって、従来から、保管中や運搬中のプロセスカートリッジUY〜UKでは、現像剤は、ヒートシール87,88で密閉されたスタータ収容部34に収容しておく構成が広く採用されている。そして、画像形成装置本体U2にプロセスカートリッジUY〜UKを装着する直前に、ヒートシール87,88を作業者が抜き出して、現像剤をスタータ収容部34から現像ロール収容室46や撹拌室47,48に現像剤を流入させて使用可能な状態としている。
【0071】
このとき、長期間保管されたり、運搬中にプロセスカートリッジUY〜UKに振動が作用すると、現像剤の自重で現像剤が押し固められた状態となり、現像剤が固まり状になる恐れがある。崩し部材91が設けられない従来の構成では、固まった現像剤が現像容器36内に流入して、十分にほぐされる前に現像に使用される恐れがあり、現像不良等が発生する恐れがあった。特に、固まりが大きくなると各流入口74,76を通過せずに、スタータ収容部34内に残って使用されずに無駄が発生する恐れがあったり、スタータ収容部34に残った現像剤が、画像形成動作中の振動で落下して、現像ロール収容室46に落下して、十分にほぐされる前に現像に使用される恐れもある。
【0072】
図30は実施例1の崩し部材が引き出される過程の説明図であり、図30Aは図24に示す状態から前方に崩し部材が引き出された状態の説明図、図30Bは図30Aに示す状態からさらに前方に崩し部材が引き出された状態の説明図、図30Cは図30Bに示す状態からさらに前方に崩し部材が引き出された状態の説明図である。
図24、図30において、実施例1のプロセスカートリッジUY〜UKでは、スタータ収容部34には、崩し部材91が収容されており、スタータ収容空間73の底面や仕切リブ77の前後両面に沿って配置された崩し部材91が前方に引き出されると、図30A〜図30Cに示すように、底面や仕切リブ77の前面に沿った崩し部92が、仕切リブ77の上端に対応するまで上方に引き上げられ、スタータ収容空間73内の現像剤が崩される。したがって、スタータ収容空間77内で、底面や仕切リブ77の表面に沿ってジグザグに配置された崩し部92が張られながら前方に引き出される。そして、崩し部92が後端壁34bとの間で張られた状態から、さらに引き出されると、図30Cに示すように、崩し部92の後端が両面テープ94から離れて前方に引き出される。
【0073】
したがって、実施例1のプロセスカートリッジUY〜UKでは、崩し部材91が引き出されると、スタータ収容空間73の現像剤が崩され、各流入口74、76から崩された現像剤が現像容器36内に流入する。よって、崩し部材91が設けられていない従来の構成に比べて、固まり状の現像剤が現像容器36に供給されたり、スタータ収容部34内に残ることが低減されており、現像不良が抑制される。
また、実施例1では、スタータ収容部34内に仕切リブ77が設けられて複数の部屋に仕切られていると共に、崩し部材91が仕切リブ77に沿って配置されており、崩し部材91が引き出される際に、仕切られた各部屋において、崩し部92が仕切リブ77の上端まで持ち上げられる構成となっている。したがって、崩し部材91を引き抜く方向である前後方向に、崩し部92も抜き出されてしまい、ほとんど現像剤が崩されない構成に比べて、崩し部92がスタータ収容部34内で、引き出す方向と交差する上下方向に移動しやすく、現像剤が崩されやすくなっている。特に、実施例1では、仕切リブ77の高さが、崩し引出口78よりも高い位置に設定されており、崩し引出口78よりも低い位置から、高い位置まで崩し部92が確実に移動し、仕切リブ77の高さが崩し引出口78よりも低い場合に比べて、崩す能力が向上している。
【0074】
さらに、崩し部92は、崩し部材91が引き抜かれる過程で、仕切リブ77で分割された各部屋毎に現像剤を崩しており、仕切リブ77が設けられず、スタータ収容空間73内の全体の現像剤を一度に崩そうとする場合に比べて、作業者が崩し部材91を引き出す際に必要な力、負荷が少なくて済む。
また、実施例1では、仕切リブ77の高さが、上流入口74よりも高い位置に設定されており、上流入口74よりも高い位置に崩し部92が移動して現像剤を崩す。したがって、上流入口74に崩されていない現像剤が流入することが抑制されている。
【0075】
さらに、実施例1では、現像剤の固まりが発生した場合には、下流入口76の上方におけるスタータ収容空間73の幅の狭い位置において、現像剤が詰まりやすくなっているが、実施例1の崩し部材91は、崩し部92の幅が、スタータ収容空間73の幅の狭い位置を通過する幅となっており、幅の狭い位置を通過して下方の底部まで延びるように構成されている。したがって、崩し部92が移動する場合に、現像剤が詰まりやすい位置を通過して崩しており、スタータ収容空間73の上部のみに崩し部92が配置されている場合に比べて、現像剤の詰まりが低減されている。
【0076】
さらに、実施例1では、崩し部材91が上ヒートシール87に接続されており、上ヒートシール87が前方に引き出される際に、崩し部材91も一体的に引き出される。したがって、上ヒートシール87と崩し部材91が別個に引き出される構成に比べて、作業者の作業回数が低減されている。
このとき、実施例1の崩し部材91では、スタータ収容空間73内において、崩し部92の前端部が、前端壁34aに沿って下方に曲がらず、後方に延びた後に上方折り曲げ部92aに向けて折り曲がるように配置されており、いわば弛んだ状態となっている。一般に、図28に示すように、上ヒートシール87を引き抜く際には、作業者が引き抜く力は、引き抜きの最初に最も大きくなりやすく、崩し部92の前端が弛まずに現像剤を崩す構成とすると、引き抜きの開始時に、作業者の引き抜きに必要な力、負荷が極端に大きくなる恐れがあるが、実施例1では、崩し部92の前端が弛んだ状態となっており、引き抜きの開始直後は現像剤を崩す力がほとんど作用しない。したがって、上ヒートシール87の剥離が開始される際に必要な力と、崩し部材91が崩すために作用する力とが重畳されることが無く、引き抜く力が過大になることが防止、すなわち、操作に必要な力が低減されている。なお、崩し部材91の長さを長くして、前端壁34aに沿って弛んだ状態で配置することも可能であるが、この場合、崩し部材91全体の長さが長くなってしまうと共に、紐に近い帯状の崩し部92が絡みやすくなる恐れもある。
【0077】
なお、実施例1では、崩し部92が、こぼれシール79から上方折り曲げ位置92aで下方に折り曲がるまでは下方に曲がっておらず、スタータ収容空間73の上方折り曲げ部92aよりも前側且つ崩し引出口78よりも下方の領域では、崩し部92が通過せず、現像剤が崩されない。しかしながら、実施例1では、崩し部92の上方折り曲げ位置92aが上流入口74よりも前側に設定され、且つ、崩し引出口78が上流入口74よりも下方に配置されており、崩されなかった現像剤は第2撹拌室48に流入することとなる。したがって、崩されなかった現像剤が現像ロール収容室46に供給されることが防止されており、現像剤が十分に撹拌、ほぐされていない状態で現像に使用されることが低減されている。
【0078】
また、実施例1では、崩し部92が引き出される際に、こぼれシール79を通過しながら前方に引き出される。崩し部92は現像剤が充填されたスタータ収容空間73内に配置されており、表面に現像剤が付着しているが、こぼれシール79を通過する際に、表面に接触するクリーナ部82bが崩し部92を拭い、清掃する。したがって、崩し部92が清掃されない場合に比べて、引き出された崩し部材91に付着した現像剤が作業者の手や衣服、複写機U等を汚すことが低減されている。なお、実施例1では、各ヒートシール87,88は、スタータ収容空間73側しか現像剤が収容されておらず、現像容器36側には現像剤が収容されておらず、汚れない構成となっており、引き出される際に、現像剤が付着している側の面が現像容器36側の現像容器シール37で拭われて引き出される。したがって、実施例1では、ヒートシール87、88も、表面が清掃されて引き出されており、引き出されたヒートシール87,88が、機外を汚染することが抑制されている。
【0079】
なお、実施例1では、こぼれシール79において、崩し部92に接触する部分に布製のクリーナ部82bを使用しており、ウレタン等を使用する場合に比べて、清掃性能が向上しており、現像剤をより確実に拭われる。また、実施例1では、クリーナ部82bは、ウレタン製のクッション部82aの弾性力で押し付けられており、押し付けられない場合に比べて、確実に清掃される。仮に、クッション部82aを設けずに、布製のクリーナ部82bのみの構成とすることも可能であるが、布製のクリーナ部82bのみの場合、ウレタン等を使用する場合に比べて、厚さの精度が出しにくく、崩し部92との接触圧力を予め設定された圧力とすることが難しく、クッション部82aを設けることが望ましい。また、布製のクリーナ部82bのみの場合、崩し部92がクッション部82aのクッションなしで現像容器36の内面やシール基体81に接触することとなり、崩し部92が途中で切れてしまう恐れもある。
【0080】
また、実施例1では、崩し部92の後端を支持する両面テープ94に樹脂フィルム96が貼付されており、両面テープ94が崩し部92と共に引き出されないように構成されている。仮に、両面テープ94が崩し部92と共に後端壁34bから剥離すると、こぼれシール79通過時に、両面テープ94が通過できず、崩し部材91が引き出せなくなったり、こぼれシール79通過時に両面テープ94が崩し部材91から剥落して、第2撹拌室48内に落下して、現像容器36内で異物として搬送され、現像不良の原因となる恐れがある。したがって、実施例1では、両面テープ94が、後端壁34bに残りやすく構成されており、両面テープ94が後端壁34bから剥離しやすい場合に比べて、両面テープ94が異物として悪影響を及ぼすことが低減されている。
【0081】
ヒートシール87,88が取り外されて使用可能な状態となった新たなプロセスカートリッジUY〜UKが、画像形成装置本体U2に装着される。図19において、プロセスカートリッジUY〜UKが前方から挿入される場合に、プロセスカートリッジUY〜UKの色識別キーRC1が、ユニット支持部2の識別路9y〜9kに係合する前に、プロセスカートリッジUY〜UKのガタ規制突起36bがユニット支持部2のガタ規制ガイド11に係合して、ガタつきが規制される。したがって、色識別キーRC1が識別路9y〜9kに係合する際には、プロセスカートリッジUY〜UKのガタつきが低減された状態で係合する。
【0082】
ガタつきが低減されていない状態では、作業者が色の異なるプロセスカートリッジUY〜UKを誤って装着しようとした場合に、色識別キーRC1が識別路9y〜9kに嵌らずに色識別ガイド8y,8m,8c,8kに衝突しても、プロセスカートリッジUY〜UKをガタつきの範囲で上下方向や左右方向あるいは回転させる方向に動かした場合、色が異なるにもかかわらず、色識別キーRC1が識別路9y〜9kに誤装着される可能性がある。
これに対して、実施例1では、色識別キーRC1が識別路9y〜9kに係合する前に、ガタつきが低減されており、ガタつきが規制されない従来の構成に比べて、誤装着が低減されている。特に、実施例1では、プロセスカートリッジUY〜UKを作業者が操作側である前側に、ガタ規制突起36bおよびガタ規制ガイド11が配置されており、後側に配置される場合に比べて、作業者に近い側でガタの規制が可能になっている。
【0083】
また、実施例1の構成では、各プロセスユニットUY〜UKの間が狭くなっていて、画像形成装置Uの全体が小型化されており、色識別キーRC1や識別路9y〜9kを配置する空間自体が少なくなっている。よって、Y,M,C,Kに対して、色識別キーRC1や識別路9y〜9kの位置の差が少なくならざるを得ず、ガタがある場合に誤装着が特に発生しやすくなっている。したがって、実施例1のように色識別キーRC1等を配置する空間が確保しにくい構成では、十分に空間が確保できる場合に比べて、ガタ規制ガイド11とガタ規制突起36bとでガタを規制して、誤装着を低減する必要性が特に高くなっている。
【0084】
図31は、プロセスユニットの被識別部および被規制部と、ユニット装着部の識別部および規制部との関係の概略説明図であり、図31Aは実施例1の構成の説明図、図31Bは被規制部と規制部とが実施例1とは逆側に配置された状態の説明図である。
さらに、仮に、図31Bに示すように、ガタ規制突起36bと色識別キーRC1が逆側の側部に配置されている場合、誤った色のプロセスカートリッジUY〜UKの色識別キーRCが色識別ガイド8y〜8kに干渉した場合に、プロセスカートリッジUY〜UKを回転させようとした場合、図31Bに示すように、ガタ規制突起36とガタ規制ガイド11の接触部を中心として回転しようとする。よって、回転中心から遠い、すなわち、半径が大きな色識別キーRC1では、移動量が大きくなりやすく、異なる色の識別路9y〜9kに誤装着される恐れがある。
【0085】
これに対して、図31Aに示すように、実施例1では、ガタ規制突起36b、ガタ規制ガイド11、色識別キーRC1および識別路9y〜9kが、プロセスカートリッジUY〜UKが装着される方向の上流側から見た場合に、右側の側部に配置されている。したがって、ガタ規制突起36とガタ規制ガイド11の接触部に対して、色識別キーRC1の距離が短く、色識別キーRC1の回転半径が小さくなる。したがって、プロセスカートリッジUY〜UKを回転させようとしても色識別キーRC1の移動量が少なくなり、プロセスカートリッジの左側面が、カートリッジ支持部2の立壁3に接触するまでの移動量が小さくなり、誤装着される恐れが低減される。
また、図31A、図31Bに示すように、同じ側に配置する実施例1の構成では、左右方向の長さも短くなり、全体として小型化が期待できる。
【0086】
また、図19Cに示すように、実施例1では、プロセスカートリッジUY〜UKの装着が完了した状態では、ガタ規制突起36bとガタ規制ガイド11との係合が解除されており、プロセスカートリッジUY〜UKのガタの規制が解除されている。仮に、ガタ規制突起36bとガタ規制ガイド11との係合が解除されない場合には、プロセスカートリッジUY〜UKの位置決めをガタ規制突起36bとガタ規制ガイド11で行う必要があり、精度が求められると共に、カップリング26やギアG1等と駆動系との位置関係も合わせ込む必要があるが、実施例1では、プロセスカートリッジUY〜UKの装着が完了した場合に、ガタ規制突起36bとガタ規制ガイド11との係合が解除されており、プロセスカートリッジUY〜UKが、カップリング26等で位置決め可能になっている。
【0087】
また、図7において、実施例1では、Y,Mのガタ規制ガイド11y,11mには、干渉リブ12y,12mが設けられており、ガタ規制ガイド11よりも下部に色識別キーRC1が設けられているY色,M色に対して、ガタ規制ガイド11よりも上部に色識別キーRC1が設けられているC色,K色のプロセスカートリッジを誤って挿入しようとした場合に、挿入を開始した最初の段階で、干渉リブ12y,12mが、C色またはK色の色識別キーRC1に干渉する。したがって、作業者が早い段階で、色が間違っていることを認識することが可能になっている。
【0088】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H015)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としての複写機を例示したが、これに限定されず、例えば、プリンタ、FAX、あるいはこれらの複数または全ての機能を有する複合機等により構成することも可能である。
(H02)前記実施例において、複写機Uは、4色の現像剤が使用される構成を例示したが、これに限定されず、例えば、単色の画像形成装置や、5色以上または3色以下の多色の画像形成装置にも適用可能である。
【0089】
(H03)前記実施例において、仕切リブ77の高さや形状、数、については、実施例に例示した構成に限定されず、任意に変更可能である。また、仕切リブ77の高さと上流入口74や崩し引出口78との位置関係も実施例に例示した関係とすることが望ましいが、実施例に例示した関係とは異なる位置関係とすることも可能である。また、仕切リブ77は設けることが望ましいが、省略することも可能である。
(H04)前記実施例において、崩し部92を仕切リブ77に沿って配置する構成とすることが望ましいが、崩し部92の全ての部分が仕切リブ77に沿っておらず、部分的に沿っていたり、仕切リブ77の底部まで延びずに途中まで沿っている形態とすることも可能である。
【0090】
(H05)前記実施例において、崩し部材91は上ヒートシール87と一体的に引き出される構成とすることが望ましいが、この構成に限定されず、下ヒートシール88と一体的に引き出される構成としたり、独立して引き出される構成とすることも可能である。なお、上ヒートシール87と下ヒートシール88とが一体的に引き出し可能な配置とすることで、これらも一体的に引き出し可能とすることも可能である。
(H06)前記実施例において、崩し部92の崩し引出口78側の端は弛んだ状態となる構成を例示したが、この構成に限定されず、弛まずに、前端壁34aに沿わせたり、下方に折り曲げずに斜めに折り曲げたり、最も前の仕切リブ77までは水平方向にのばすように構成したりすることも可能である。
【0091】
(H07)前記実施例において、こぼれシール79の構成は実施例に例示した構成に限定されず、シール基体81を省略したり、クッション部82aやクリーナ部82bの一方を省略したり、材料を異なる材料にする等、任意の構成とすることが可能である。
(H08)前記実施例において、第1撹拌室47と第2撹拌室48とが斜めに配置された現像装置Gy〜Gkを例示したが、この構成に限定されず、第1撹拌室47と第2撹拌室48とが水平方向または重力方向に並べて配置された現像装置にも適用可能である。また、オーガの構成も実施例に例示した構成に限定されず、従来公知の任意の構成を採用可能である。
【0092】
(H09)前記実施例において、CRUM41やCRUMアダプタ42の具体的な構成や材料、端子の数、位置等は、設計や仕様等に応じて任意に変更可能である。
(H010)前記実施例において、濃度センサSNの接続端子44には、CRUMアダプタ42に対応する部材を設けなかったが、CRUMアダプタ42に対応する部材を設けることも可能である。
(H011)前記実施例において、色識別キーRC1と識別路9y〜9kにより色の識別を行う構成としたが、これに限定されず、例えば、他社商品製造、いわゆるOEM:Original Equipment Manufacturing先を識別するためや、アジアや北米、欧州等の販売地域、いわゆる仕向先を識別するための識別部等について適用することも可能である。すなわち、1つの画像形成装置に複数の識別部を有する構成に限定されず、複数の機種の画像形成装置に対して着脱可能なプロセスカートリッジを識別する構成に適用可能である。
【0093】
(H012)前記実施例において、着脱体の一例として、感光体PRy〜PRkと現像装置Gy〜Gkを有するプロセスカートリッジUY〜UKを例示したが、プロセスカートリッジUY〜UKに限定されず、現像剤カートリッジKy〜Kkや、感光体PRy〜PRkと現像装置Gy〜Gkが別ユニット構成における感光体ユニットや現像ユニット、排気現像剤が回収される回収容器、定着ユニット等、画像形成装置本体U2に着脱可能な任意の着脱体に適用可能である。
(H013)前記実施例において、ガタ規制突起36b、ガタ規制ガイド11、色識別キーRC1および識別路9y〜9kが、図31に示すように、プロセスカートリッジUY〜UKの右側に配置された構成とすることが望ましいが、これに限定されず、図31Bのような構成としたり、左右両側にガタ規制突起36b等を配置する構成とすることも可能である。
【0094】
(H014)前記実施例において、干渉リブ12y,12mは、設けることが望ましいが、省略することも可能である。また、干渉リブを、Y色、M色に対してのみ設けたが、C色、K色に対して、下側に設ける構成とすることも可能である。さらに、干渉リブの位置は、設計や仕様等に応じて、任意の位置や形状に変更することが可能である。
(H015)前記実施例において、ガタ規制突起36b、ガタ規制ガイド11、色識別キーRC1および識別路9y〜9kは、プロセスユニットUY〜UK側に凸が形成され、ユニット支持部側に凹が形成される組み合わせを例示したが、これに限定されず、凹凸の関係を逆にすることも可能である。
【符号の説明】
【0095】
14…被接続端子、
41…記憶媒体、
41a…基板、
41b…接続端子、
42…保護部材、
42a…保護部材本体、
43a…第1の保護接続端子、
43b…第2の保護接続端子、
G1…被駆動伝達部材、
G1〜G8…被駆動伝達系、
R0y,R0m,R0c,R0k…回転体、
U…画像形成装置、
U2…画像形成装置本体、
UY,UM,UC,UK…着脱ユニット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体に着脱される着脱ユニットに関する情報が記憶された記憶媒体であって、基板と、前記基板表面に露出する接続端子と、を有し、前記着脱ユニットに着脱可能に支持される前記記憶媒体と、
前記記憶媒体の前記接続端子に接触可能な第1の保護接続端子と、前記第1の保護接続端子に電気的に接続され且つ前記画像形成装置本体に設けられた被接続端子に接触可能な第2の保護接続端子と、前記第1の保護接続端子および前記第2の保護接続端子を支持する保護部材本体と、を有する保護部材であって、前記第1の保護接続端子が前記記憶媒体の接続端子に電気的に接続された状態で前記着脱ユニットに支持される前記保護部材と、
を備え、
前記画像形成装置本体に装着された場合に、前記画像形成装置本体の前記被接続端子に前記第2の保護接続端子が電気的に接続されることを特徴とする着脱ユニット。
【請求項2】
回転駆動される回転体と、
前記画像形成装置本体に設けられた駆動源からの駆動が伝達される被駆動伝達部材を有し、前記回転体に前記駆動源からの駆動を伝達する被駆動伝達系と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の着脱ユニット。
【請求項3】
樹脂材料により構成された前記基板と、導電性金属材料が前記基板に鍍金されて形成された前記接続端子と、を有する前記記憶媒体と、
前記樹脂材料よりも鍍金された前記導電性金属材料が剥がれ難い金属材料に、前記導電性金属材料が鍍金された前記第2の保護接続端子と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の着脱ユニット。
【請求項4】
前記接続端子と前記第1の保護接続端子との間の接触圧力に比べて、前記第2の保護接続端子と前記被接続端子との間の接触圧力が、大きな値に設定されたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の着脱ユニット。
【請求項5】
画像形成装置本体と、
前記画像形成装置本体に着脱可能に装着される請求項1ないし4のいずれかに記載の着脱ユニットと、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
画像形成装置本体に着脱される着脱ユニットに関する情報が記憶された記憶媒体であって、基板と、前記基板表面に露出する接続端子と、を有し、前記着脱ユニットに着脱可能に支持される前記記憶媒体と、
前記記憶媒体の前記接続端子に接触可能な第1の保護接続端子と、前記第1の保護接続端子に電気的に接続され且つ前記画像形成装置本体に設けられた被接続端子に接触可能な第2の保護接続端子と、前記第1の保護接続端子および前記第2の保護接続端子を支持する保護部材本体と、を有する保護部材であって、前記第1の保護接続端子が前記記憶媒体の接続端子に電気的に接続された状態で前記着脱ユニットに支持される前記保護部材と、
を備え、
前記画像形成装置本体に装着された場合に、前記画像形成装置本体の前記被接続端子に前記第2の保護接続端子が電気的に接続されることを特徴とする着脱ユニット。
【請求項2】
回転駆動される回転体と、
前記画像形成装置本体に設けられた駆動源からの駆動が伝達される被駆動伝達部材を有し、前記回転体に前記駆動源からの駆動を伝達する被駆動伝達系と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の着脱ユニット。
【請求項3】
樹脂材料により構成された前記基板と、導電性金属材料が前記基板に鍍金されて形成された前記接続端子と、を有する前記記憶媒体と、
前記樹脂材料よりも鍍金された前記導電性金属材料が剥がれ難い金属材料に、前記導電性金属材料が鍍金された前記第2の保護接続端子と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の着脱ユニット。
【請求項4】
前記接続端子と前記第1の保護接続端子との間の接触圧力に比べて、前記第2の保護接続端子と前記被接続端子との間の接触圧力が、大きな値に設定されたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の着脱ユニット。
【請求項5】
画像形成装置本体と、
前記画像形成装置本体に着脱可能に装着される請求項1ないし4のいずれかに記載の着脱ユニットと、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【公開番号】特開2011−107645(P2011−107645A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−265523(P2009−265523)
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]