説明

睡眠情報管理システム

【課題】睡眠状態を改善するためのアドバイスの質を向上させることができる睡眠情報管理システム(1)を提供する。
【解決手段】睡眠情報管理システム(1)を、睡眠情報検出手段(10)と管理サーバ(15)と情報表示端末(20)とによって構成する。睡眠情報検出手段(10)は、就寝者の生体情報から就寝者の睡眠情報を検出して管理サーバ(15)へ送信する。管理サーバ(15)は、就寝者の睡眠状態を評価した結果を示す睡眠評価データを就寝者の睡眠情報に基づいて作成する。作成された睡眠評価データは、管理サーバ(15)に保存されると共に、情報表示端末(20)へ送信されてそこで表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、就寝者の睡眠状態を改善させるための情報を提供するための睡眠情報管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、就寝者の睡眠状態を改善させるために、睡眠センサで検知した就寝者の生体情報(例えば、心拍数や体動数)に基づいて作成したアドバイスを提供する装置が知られている。この種の装置としての一例が特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1の睡眠判定評価装置は、睡眠情報判定評価手段とアドバイス手段と提示手段とを備えている。睡眠情報判定評価手段は、睡眠中に計測した生体情報から就寝者の睡眠状態を判定評価する。アドバイス手段は、睡眠情報判定評価手段の判定評価の結果に基づいて、次の睡眠までに就寝者が実行すべき覚醒時の行動に関するアドバイスを生成する。提示手段は、判定評価の結果及びアドバイスを提示する。この睡眠情報判定評価手段では、就寝者の睡眠状態を改善させるための情報として、例えば就寝前に運動やストレッチを勧めるなどの運動等に関するアドバイスが就寝者に提供される。
【特許文献1】特開2001−61819号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記睡眠判定評価装置では、この装置自体に記憶されているアドバイスしか提供することができないので、多種多様なアドバイスを提供することができない。また、睡眠状態を改善させるためのアドバイスは利用者の年齢や健康状態などによって異なるので、適切なアドバイスを提供することができない場合がある。例えば眠る前にストレッチをするようにアドバイスされても、利用者が腰などを痛めている場合はそのアドバイスを実行することができないので、利用者の睡眠状態を改善させることができない。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、睡眠状態を改善するためのアドバイスの質を向上させることができる睡眠情報管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、睡眠情報管理システム(1)を前提としており、この睡眠情報管理システム(1)は、就寝者の生体情報を検知して該就寝者の睡眠状態に関する睡眠情報を検出する睡眠情報検出手段(10)と、上記睡眠情報検出手段(10)に通信回線を介して接続され、就寝者の睡眠状態を評価した結果を示す睡眠評価データを該睡眠情報検出手段(10)から受信した該就寝者の睡眠情報に基づいて作成する睡眠状態評価部(21)と、該睡眠評価データを保存するデータ管理部(22)とを有する管理サーバ(15)と、上記管理サーバ(15)に通信回線を介して接続され、上記管理サーバ(15)から上記睡眠評価データを受信して表示する情報表示端末(20)とを備えている。
【0007】
第1の発明では、管理サーバ(15)に対して睡眠情報検出手段(10)と情報表示端末(20)とが通信回線を介して接続されている。つまり、この睡眠情報管理システム(1)では、管理サーバ(15)を拠点とするネットワークが形成されている。管理サーバ(15)では、睡眠状態評価部(21)が睡眠情報検出手段(10)から受信した就寝者の睡眠情報に基づいて該就寝者の睡眠状態を評価した結果を示す睡眠評価データを作成し、データ管理部(22)がその睡眠評価データを保存する。この睡眠評価データは、管理サーバ(15)から送信された先の情報表示端末(20)で表示することができるようになっている。
【0008】
第2の発明は、睡眠情報管理システム(1)を前提としており、この睡眠情報管理システム(1)は、就寝者の生体情報に関する信号を検出する睡眠センサ(2)と、上記睡眠センサ(2)に通信回線を介して接続され、該睡眠センサ(2)から受信した就寝者の生体情報に関する信号に基づいて該就寝者の睡眠情報を検出する睡眠情報検出部(7)と、就寝者の睡眠状態を評価した結果を示す睡眠評価データを該睡眠情報に基づいて作成する睡眠状態評価部(21)と、該睡眠評価データを保存するデータ管理部(22)とを有する管理サーバ(15)と、上記管理サーバ(15)に通信回線を介して接続され、上記管理サーバ(15)から上記睡眠評価データを受信して表示する情報表示端末(20)とを備えている。
【0009】
第2の発明では、管理サーバ(15)に対して睡眠センサ(2)と情報表示端末(20)とが通信回線を介して接続されて、管理サーバ(15)を拠点とするネットワークが形成されている。管理サーバ(15)では、睡眠情報検出部(7)が睡眠センサ(2)から受信した就寝者の生体情報に関する信号に基づいて該就寝者の睡眠情報を検出し、睡眠状態評価部(21)が睡眠情報に基づいて該就寝者の睡眠状態を評価した結果を示す睡眠評価データを作成し、データ管理部(22)がその睡眠評価データを保存する。この睡眠評価データは、上記第1の発明と同様に、管理サーバ(15)から送信された先の情報表示端末(20)で表示することができるようになっている。
【0010】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、上記情報表示端末(20)が、上記就寝者に睡眠状態を改善するための情報を提供する情報提供者の端末装置である。
【0011】
第3の発明では、就寝者に睡眠状態を改善するための情報を提供する情報提供者の端末装置(20)が通信回線を介して管理サーバ(15)に接続されている。この情報提供者の端末装置(20)には、管理サーバ(15)から送信された睡眠評価データが表示される。
【0012】
第4の発明は、第3の発明において、上記管理サーバ(15)が、就寝者の睡眠状態を改善するための情報として該就寝者が覚醒時に実行すべき運動に関する情報を作成するための睡眠評価データを上記情報提供者の端末装置に送信する。
【0013】
第4の発明では、就寝者が覚醒時に実行すべき運動に関する情報を作成するための睡眠評価データが管理サーバ(15)から上記情報提供者の端末装置(20)へ送信される。つまり、就寝者が覚醒時に実行すべき運動に関する情報を作成するのに役立つ睡眠評価データが情報提供者の端末装置(20)へ送信される。
【0014】
第5の発明は、第4の発明において、上記管理サーバ(15)に通信回線を介して接続されて、上記就寝者が覚醒時に実行した運動に関する実行済運動情報を該管理サーバ(15)に送信する情報送信端末(16)を備え、上記管理サーバ(15)が、上記情報送信端末(16)から受信した実行済運動情報が上記情報表示端末(20)へ送信されるように上記データ管理部(22)が上記睡眠評価データと共に該実行済運動情報を保存する。
【0015】
第5の発明では、情報送信端末(16)が管理サーバ(15)に対して通信回線を介して接続されている。情報送信端末(16)は、就寝者が覚醒時に実行した運動に関する実行済運動情報を管理サーバ(15)に送信する。この実行済運動情報は、データ管理部(22)に保存されると共に、情報提供者の端末装置(20)に送信されてそこで表示される。
【0016】
第6の発明は、第1又は第2の発明において、上記管理サーバ(15)が、就寝者の睡眠状態を改善するための睡眠改善情報を上記睡眠評価データに基づいて作成する睡眠改善情報作成部(23)と、該睡眠改善情報を通信回線を介して提供するデータ提供部(24)とを備えている。
【0017】
第6の発明では、就寝者の睡眠状態を改善するための睡眠改善情報が管理サーバ(15)の睡眠改善情報作成部(23)で作成される。作成された睡眠改善情報は、管理サーバ(15)のデータ提供部(24)から通信回線を介して提供される。
【0018】
第7の発明は、第1乃至第6の何れか1つの発明において、上記管理サーバ(15)は睡眠中の室内環境に関する情報を受信する一方、上記睡眠状態評価部(21)が該室内環境に関する情報を考慮して睡眠評価データを作成する。
【0019】
第7の発明では、睡眠状態評価部(21)が、管理サーバ(15)が受信した室内環境に関する情報を考慮して睡眠評価データを作成する。ここで、睡眠中の室内環境は、例えば就寝者にとって温度や湿度などが不快な場合に就寝者の寝付きが悪くなったりするように、就寝者の睡眠状態に影響を与える要因となる。つまり、この第7の発明では、就寝者の睡眠状態に影響を与える要因のうち睡眠中の室内環境に関する情報を考慮して、睡眠状態評価部(21)において睡眠評価データが作成される。
【発明の効果】
【0020】
本発明では、就寝者の睡眠状態を評価した結果を示す睡眠評価データが、管理サーバ(15)に保存されると共に、該管理サーバ(15)に通信回線を介して接続された情報表示端末(20)へ送信されてそこで表示される。つまり、就寝者の睡眠状態がどうような状態にあるのかを評価した睡眠評価データを、通信回線を介して管理サーバ(15)から情報表示端末(20)へ提供することができる。従って、例えば運動に関して専門的な知識を有する者へ睡眠評価データを通信回線を介して提供して、その専門的な知識を有する者が就寝者の睡眠状態を改善させるために運動に関するアドバイスを睡眠評価データに基づいて作成することが可能になる。よって、専門的な知識に基づく就寝者に合わせた多様なアドバイスを就寝者が受けることが可能になるので、睡眠状態を改善するためのアドバイスの質を向上させることができる。
【0021】
また、上記第3の発明では、就寝者ではなく情報提供者の端末装置(20)に管理サーバ(15)からの睡眠評価データが提供される。従って、睡眠状態を改善するための情報を提供する情報提供者が、睡眠評価データに基づいて睡眠状態を改善するための情報を作成して就寝者に提供することができるので、睡眠状態を改善するためのアドバイスの質を向上させることができる。
【0022】
また、上記第4の発明では、就寝者が覚醒時に実行すべき運動に関する情報を作成するのに有益な睡眠評価データを、情報提供者の端末装置(20)に送信するようにしている。従って、睡眠評価データを受けとった情報提供者は、必要なデータを選別する必要がないので、就寝者が覚醒時に実行すべき運動に関する情報を作成しやすくなる。
【0023】
また、上記第5の発明では、就寝者が覚醒時に実行した運動に関する実行済運動情報が情報提供者の端末装置(20)に送信されるようにしている。従って、情報提供者は、実行済運動情報を考慮した上で覚醒時に実行すべき運動に関する情報を作成することができるので、その運動に関する情報をより適切な内容で作成することができる。
【0024】
また、上記第6の発明では、管理サーバ(15)が就寝者の睡眠状態を改善するための睡眠改善情報を作成する。ここで、データを管理するサーバは、就寝者の睡眠情報など睡眠を改善させるために必要な様々な情報を管理することができるものとして構成することが可能である。従って、管理サーバ(15)で管理する様々な情報に基づいた総合的な見地からの睡眠改善情報を作成することが可能になる。
【0025】
また、上記第7の発明では、就寝者の睡眠状態に影響を与える要因のうち睡眠中の室内環境に関する情報を考慮して睡眠評価データが作成されるようにしている。つまり、睡眠評価データに睡眠中の室内環境に関する情報を反映させることが可能になる。従って、就寝者の睡眠状態を改善するための情報を作成するための睡眠評価データをより適切な内容で作成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0027】
《発明の実施形態》
本発明の実施形態について説明する。
【0028】
図1に本実施形態に係る睡眠情報管理システム(1)の概略構成図を示す。この睡眠情報管理システム(1)は、睡眠状態検出手段である睡眠情報検出装置(10)と管理サーバ(15)と第1端末装置(16)と第2端末装置(20)とを備えている。睡眠情報検出装置(10)は、この睡眠情報管理システム(1)のユーザーの寝具に対して設けられている。第1端末装置(16)は、このユーザーの住居内に配置されている。第2端末装置(20)は、フィットネスジムに配置されている。この第2端末装置(20)は、情報提供者であるフィットネスジムの運営者の端末装置である。睡眠情報検出装置(10)と第1端末装置(16)と第2端末装置(20)とは、通信回線を介して管理サーバ(15)に接続されている。なお、図示は省略するが、睡眠情報管理システム(1)は、複数のユーザーの睡眠情報検出装置(10,10,…)及び第1端末装置(16,16,…)と、複数のフィットネスジムの第2端末装置(20,20,…)とを備えており、それぞれが管理サーバ(15)に接続されている。この睡眠情報管理システム(1)では、管理サーバ(15)を拠点とするネットワークが形成されている。
【0029】
図2に示すように、睡眠情報検出装置(10)は、睡眠センサ(2)と睡眠情報検出部(7)と情報送信部(18)とを備えている。睡眠センサ(2)は、人体に装着しない無拘束型のセンサであって、感圧部(5)と受圧部(6)とを備えている。感圧部(5)は、寝具内において、就寝者の下に敷かれるように布団やマットレス上に敷設されている。感圧部(5)としては、例えば、一端が閉塞し且つ他端が開口したシリコンチューブなどの可撓性を有する中空体を用いるが、特にこれに限定されない。
【0030】
受圧部(6)は、感圧部(5)の中空体の開口部に取り付けられている。受圧部(6)は、リード線を介して睡眠情報検出部(7)に接続されている。受圧部(6)は、就寝者の体動や心拍などに起因する感圧部(5)内の圧力変化を検知して、その圧力変化の信号を生体情報に関する信号として睡眠情報検出部(7)に出力するように構成されている。受圧部(6)としては、音響マイクや圧力センサなどが用いられる。
【0031】
睡眠情報検出部(7)は、ケーシング(17)内に収容され、受圧部(6)の出力に基づいて就寝者の睡眠状態に関する睡眠情報を検出するように構成されている。具体的に、睡眠情報とは、就寝時刻、入眠時刻、入眠潜時、覚醒時刻、起床時刻、離床潜時、中途覚醒時間、中途覚醒回数、総睡眠時間、寝返り回数、体動数、無呼吸時間である。なお、上記以外のもの(例えば離床時間、呼吸数、心拍数)を睡眠情報として検出するようにしてもよい。
【0032】
情報送信部(18)は、ケーシング(17)内に収容されて、睡眠情報検出部(7)に接続されると共に、通信回線を介して管理サーバ(15)に接続されている。情報送信部(18)は、例えば就寝者の起床後に、睡眠情報検出部(7)で検出された種々の睡眠情報を管理サーバ(15)へ送信する。
【0033】
なお、就寝時刻とは就寝者が寝床に入った時刻である。入眠時刻とは就寝者が寝入った時刻である。入眠潜時とは就寝者が寝床に入ってから寝入るまでの時間である。覚醒時刻とは就寝者が最終的に覚醒した時刻である。起床時刻とは就寝者が最終的に寝床を離れた時刻である。離床潜時とは就寝者が最終的に覚醒してから寝床を離れるまでの時間である。中途覚醒時間とは入眠時刻から覚醒時刻までの間の覚醒時間の合計である。中途覚醒回数とは入眠時刻から覚醒時刻までの間の覚醒回数である。総睡眠時間とは入眠時刻から覚醒時刻までの時間から中途覚醒時間を引いた時間である。寝返り回数とは中途覚醒時を含まない入眠時刻から覚醒時刻までの間の寝返りの回数である。体動数とは中途覚醒時を含まない入眠時刻から覚醒時刻までの間の体動(粗体動と細体動)の回数である。無呼吸時間とは入眠時刻から覚醒時刻までの間の無呼吸状態の合計時間である。
【0034】
第1端末装置(16)は、例えばパソコンや携帯電話などの端末装置である。第1端末装置(16)は、この実施形態では情報送信端末として機能する。第1端末装置(16)は、この睡眠情報管理システム(1)のユーザーが覚醒時に実行した運動に関する実行済運動情報を管理サーバ(15)へ送信するように構成されている。第1端末装置(16)には、例えば歩数計の計測記録などの情報を実行済運動情報として管理サーバ(15)へ送信するためのソフトウェアが組み込まれている。
【0035】
管理サーバ(15)は、睡眠状態評価部(21)とデータ管理部(22)とデータ提供部(24)とを備えている。管理サーバ(15)は、睡眠情報検出装置(10)からの就寝者の睡眠情報を受信可能に構成されている。
【0036】
睡眠状態評価部(21)は、就寝者の睡眠状態の良否を評価した結果を示す睡眠評価データを、睡眠情報検出装置(10)から受信したその就寝者の睡眠情報に基づいて作成するように構成されている。睡眠状態評価部(21)では、種々の睡眠情報(就寝時刻、入眠時刻、入眠潜時、覚醒時刻、起床時刻、離床潜時、中途覚醒時間、中途覚醒回数、総睡眠時間、寝返り回数、体動数、無呼吸時間)のそれぞれに対して睡眠評価データが作成される。睡眠状態評価部(21)では、各睡眠情報に対して睡眠状態の良否を例えば5段階(A〜Eで表示される。Aは睡眠状態が最も良いことを示し、Eは睡眠状態が最も悪いことを示す)で評価としたものが、睡眠評価データとして作成される。
【0037】
例えば、睡眠情報のうち就寝時刻や覚醒時刻に基づいて睡眠評価データを作成する場合は、時刻のばらつきが小さいほど睡眠状態が良好であるとして睡眠評価データを作成する。入眠時刻に基づいて作成する場合は、基準となる時刻(例えば午後11時)に対して入眠時刻の遅れが小さいほど睡眠状態が良好であるとする。入眠潜時や離床潜時や中途覚醒時間や無呼吸時間に基づいて作成する場合は、時間が短いほど睡眠状態が良好であるとする。総睡眠時間に基づいて作成する場合は、時間が長いほど睡眠状態が良好であるとする。起床時刻に基づいて作成する場合は、覚醒後に速やかに起床している状態ほど睡眠状態が良好であるとする。中途覚醒回数に基づいて作成する場合は、回数が少ないほど睡眠状態が良好であるとする。寝返り回数や体動数に基づいて作成する場合は、基準となる回数との差が小さいほど睡眠状態が良好であるとし、5段階の評価に加えて基準となる回数より多いか少ないかが分かるようなデータとして睡眠評価データを作成する。
【0038】
データ管理部(22)は、睡眠状態評価部(21)が作成した睡眠評価データを保存可能に構成されている。データ管理部(22)では、睡眠評価データが作成の基になった睡眠情報毎に保存されている。また、データ管理部(22)は、睡眠評価データと共に実行済運動情報も保存可能になっている。
【0039】
データ提供部(24)は、フィットネスジムの第2端末装置(20)へ睡眠評価データと実行済運動情報とを送信するように構成されている。データ提供部(24)は、睡眠評価データのうち就寝者が覚醒時に実行すべき運動に関する情報を作成するために必要となる部分を第2端末装置(20)へ送信する。例えば、データ提供部(24)は、種々の睡眠評価データのうち入眠潜時、中途覚醒時間、中途覚醒回数、及び総睡眠時間を評価した睡眠評価データを第2端末装置(20)へ送信する。
【0040】
第2端末装置(20)は、例えばパソコンなどの端末装置である。第2端末装置(20)は、この実施形態では情報表示端末として機能する。第2端末装置(20)には、睡眠評価データや実行済運動情報を受信して表示するためのソフトウェアが組み込まれている。データ提供部(24)から送信された睡眠評価データや実行済運動情報は、第2端末装置(20)のモニターに表示される。
【0041】
これにより、フィットネスジムの運営者としてのインストラクターは、睡眠評価データと実行済運動情報とを第2端末装置(20)のモニターで見て、就寝者の睡眠状態を改善させるための情報として就寝者が覚醒時に実行すべき運動に関する情報を作成することが可能になる。例えば、インストラクターは、これらの睡眠評価データと実行済運動情報から運動強度(例えば消費カロリー)を設定して運動メニュー(例えばランニング、バイク、水泳)を作成する。実行済運動情報からは、就寝者がフィットネスジム以外でどの程度運動していたかが分かるので、運動強度を設定する際に利用することができる。フィットネスジムの運営者は、就寝者が実行すべき運動に関する情報をユーザーへ直接提供してもよいし、通信回線を介してメール等で提供してもよいし、エアロビクスなどの運動メニューに関するビデオを送付することによって提供してもよい。
【0042】
なお、入眠潜時、中途覚醒時間、中途覚醒回数に関する睡眠評価データが良好でない場合は、運動強度が比較的高い運動メニューが望ましく、総睡眠時間に関する睡眠評価データが良好でない場合は、運動強度が比較的低い運動メニューが望ましいとされている。
【0043】
−実施形態の効果−
上記実施形態では、就寝者の睡眠状態を評価した結果を示す睡眠評価データが、管理サーバ(15)に保存されると共に、該管理サーバ(15)に通信回線を介して接続されたフィットネスジムの第2端末装置(20)へ送信されてそこで表示される。つまり、就寝者の睡眠状態がどうような状態にあるのかを評価した睡眠評価データを、通信回線を介して管理サーバ(15)から第2端末装置(20)へ提供することができる。従って、就寝者の睡眠状態を改善するために、運動に関して専門的な知識を有するフィットネスジムのインストラクターが、就寝者が覚醒時に実行すべき運動に関する情報を作成することが可能になる。よって、専門的な知識に基づく就寝者に合わせた多様なアドバイスを就寝者が受けることが可能になるので、睡眠状態を改善するためのアドバイスの質を向上させることができる。
【0044】
また、上記実施形態では、睡眠評価データのうち就寝者が覚醒時に実行すべき運動に関する情報を作成するために役立つ部分が、第2端末装置(20)に送信されるようにしている。従って、睡眠評価データを受けとった情報提供者は、必要なデータを選別する必要がないので、就寝者が覚醒時に実行すべき運動に関する情報を作成しやすくなる。
【0045】
また、上記実施形態では、就寝者が覚醒時に実行した運動に関する実行済運動情報が第2端末装置(20)に送信されるようにしている。従って、情報提供者は、実行済運動情報を考慮した上で覚醒時に実行すべき運動に関する情報を作成することができるので、その運動に関する情報をより適切な内容で作成することができる。
【0046】
−実施形態の変形例−
図3に示す実施形態の変形例について説明する。この変形例では、管理サーバ(15)が、就寝者の睡眠状態を改善するための睡眠改善情報を作成する睡眠改善情報作成部(23)を備えている。また、第1端末装置(16)は、情報送信端末であると共に情報表示端末としても機能する。
【0047】
具体的に、睡眠改善情報作成部(23)は、睡眠評価データに基づいて就寝者の睡眠状態を改善させるための睡眠改善情報を作成するように構成されている。睡眠改善情報作成部(23)は、睡眠情報のうち例えば就寝時刻、入眠時刻、覚醒時刻、起床時刻、離床潜時、寝返り回数、体動数、及び無呼吸時間に関する睡眠評価データから睡眠改善情報を作成する。
【0048】
例えば、就寝時刻に関する睡眠評価データが良好でない場合は、就寝時刻を一定にした方がよいという内容の睡眠改善情報を作成する。入眠時刻に関する睡眠評価データが良好でない場合は、午前中に太陽光か高照度光を浴びた方がよいという内容の睡眠改善情報を作成する。覚醒時刻に関する睡眠評価データが良好でない場合は、覚醒時刻を一定にした方がよいという内容の睡眠改善情報を作成する。起床時刻に関する睡眠評価データが良好でない場合は、覚醒後に速やかに起床した方がよいという内容の睡眠改善情報を作成する。離床潜時に関する睡眠評価データが良好でない場合は、睡眠時は室内の温度を高くした方がよいという内容の睡眠改善情報を作成する。寝返り回数や体動数が基準となる回数より多くてその睡眠評価データが良好でない場合は、睡眠時は室内の温度を低くした方がよいという内容の睡眠改善情報を作成する。寝返り回数が基準となる回数より少なくてその睡眠評価データが良好でない場合は、寝具の硬さを変更した方がよいという内容の睡眠改善情報を作成する。体動数が基準となる回数より少なくてその睡眠評価データがかなり良くない場合は、睡眠時は室内の温度を高くした方がよいという内容の睡眠改善情報を作成する。無呼吸時間に関する睡眠評価データが良好でない場合は、医療機関で診断を受けた方がよいという内容の睡眠改善情報を作成する。
【0049】
また、睡眠改善情報作成部(23)は、例えば医薬品や芳香剤などの睡眠を促進させる睡眠促進具に関する情報を睡眠改善情報として作成するようにしてもよい。
【0050】
作成された睡眠改善情報は、データ提供部(24)が第1端末装置(16)へ送信する。第1端末装置(16)では、受信した睡眠改善情報がモニターに表示される。これにより、ユーザーは、睡眠改善情報を利用して自身の睡眠状態を改善させることができる。なお、データ提供部(24)が、睡眠改善情報と共に睡眠評価データを第1端末装置(16)へ送信するようにしてもよい。これにより、ユーザーは、自身の睡眠状態を把握することができる。
【0051】
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0052】
−第1変形例−
上記実施形態について、睡眠情報検出部(7)を管理サーバ(15)内に設けて、睡眠センサ(2)を通信回線を介して睡眠情報検出部(7)に接続するようにしてもよい。この場合、睡眠センサ(2)に情報送信部(18)が設けられて、この情報送信部(18)が、睡眠センサ(2)が検知した圧力変化の信号を生体情報に関する信号として睡眠情報検出部(7)へ送信する。
【0053】
−第2変形例−
上記実施形態について、睡眠センサ(2)として拘束型の睡眠センサを使用してもよい。この場合、生体に関する情報として例えば脈拍数、脳波、体温、血圧などを睡眠センサ(2)が検知する。
【0054】
−第3変形例−
上記実施形態について、フィットネスジムの第2端末装置(20)を情報表示端末であると共に情報送信端末としても機能させるようにしてもよい。第2端末装置(20)は、ユーザーが実行した運動に関する情報を管理サーバ(15)へ送信する。管理サーバ(15)では、睡眠評価データや実行済運動情報と共に、フィットネスジムでの運動情報が保存される。
【0055】
−第4変形例−
上記実施形態について、睡眠中の室内環境(例えば温度、湿度、照度、騒音)に関する情報を管理サーバ(15)が受信するようにしてもよい。この場合、睡眠中の室内環境に関する情報を第1端末装置(16)から管理サーバ(15)へ送信するようにしてもよいし、管理サーバ(15)に通信回線を介して接続された室内環境計測センサから送信するようにしてもよい。室内環境計測センサは、例えば温度計、湿度計、照度計、騒音計などを備えている。騒音計は、就寝者の睡眠に影響を与える騒音を計測するだけでなく、就寝者のいびきなどの睡眠情報を計測することも可能である。
【0056】
このようにすると、就寝者の睡眠状態に影響を与える要因のうち睡眠中の室内環境に関する情報が管理サーバ(15)で管理されるので、睡眠評価データや睡眠改善情報を作成する際に睡眠中の室内環境に関する情報を反映させることが可能になる。
【0057】
例えば、騒音によって就寝者が覚醒していたことが睡眠中の室内環境に関する情報から分かれば、睡眠評価データの作成に反映させることができる。また、室内の温度や湿度が就寝者にとって不快であることが睡眠中の室内環境に関する情報から分かれば、就寝者に運動に関するアドバイスよりも室内環境に関するアドバイスを優先して提供することができる。従って、就寝者の睡眠状態を改善するための情報を作成するための睡眠評価データや睡眠改善情報をより適切な内容で作成することができる。
【0058】
−第5変形例−
上記実施形態について、管理サーバ(15)がユーザーからのアンケート情報(例えば睡眠感、昼寝時間、食事量、ストレス状況、薬物摂取状況)を管理するようにしてもよい。また、管理サーバ(15)がユーザーの体重に関する情報を管理するようにしてもよい。また、管理サーバ(15)が気象情報(例えば気温、湿度、風速、日の出時間、日の入り時間、天気、日照量、気圧)を管理するようにしてもよい。例えば、気温が高い場合はユーザーが日常活動で消耗しやすいので、アドバイス等に反映させることができる。
【0059】
このように様々な情報を管理サーバ(15)が管理するようにすると、その様々な情報に基づいた総合的な見地からの睡眠改善情報を作成することが可能になる。さらに、睡眠改善情報を作成するために必要となる情報を入手する必要がない。
【0060】
−第6変形例−
上記実施形態について、通信回線を介して診療施設の端末装置を管理サーバ(15)に接続するようにしてもよい。これにより、診療施設で睡眠情報を見た診察者が、情報提供者となって睡眠状態を改善するための情報を作成することができる。また、無呼吸状態などの程度を診察者が日頃から監視することもできる。
【0061】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上説明したように、本発明は、就寝者の睡眠状態を改善させるための情報を提供するための睡眠情報管理システムについて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】実施形態に係る睡眠情報管理システムの概略構成図である。
【図2】実施形態の睡眠情報検出装置の概略構成図である。
【図3】実施形態の変形例に係る睡眠情報管理システムの概略構成図である。
【符号の説明】
【0064】
1 睡眠情報管理システム
2 睡眠センサ
7 睡眠情報検出部
10 睡眠状態検出装置(睡眠状態検出手段)
15 管理サーバ
16 第1端末装置(情報送信端末)
20 第2端末装置(情報表示端末)
21 睡眠状態評価部
22 データ管理部
23 睡眠改善情報作成部
24 データ提供部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
就寝者の生体情報を検知して該就寝者の睡眠状態に関する睡眠情報を検出する睡眠情報検出手段(10)と、
上記睡眠情報検出手段(10)に通信回線を介して接続され、就寝者の睡眠状態を評価した結果を示す睡眠評価データを該睡眠情報検出手段(10)から受信した該就寝者の睡眠情報に基づいて作成する睡眠状態評価部(21)と、該睡眠評価データを保存するデータ管理部(22)とを有する管理サーバ(15)と、
上記管理サーバ(15)に通信回線を介して接続され、上記管理サーバ(15)から上記睡眠評価データを受信して表示する情報表示端末(20)とを備えていることを特徴とする睡眠情報管理システム。
【請求項2】
就寝者の生体情報に関する信号を検出する睡眠センサ(2)と、
上記睡眠センサ(2)に通信回線を介して接続され、該睡眠センサ(2)から受信した就寝者の生体情報に関する信号に基づいて該就寝者の睡眠情報を検出する睡眠情報検出部(7)と、就寝者の睡眠状態を評価した結果を示す睡眠評価データを該睡眠情報に基づいて作成する睡眠状態評価部(21)と、該睡眠評価データを保存するデータ管理部(22)とを有する管理サーバ(15)と、
上記管理サーバ(15)に通信回線を介して接続され、上記管理サーバ(15)から上記睡眠評価データを受信して表示する情報表示端末(20)とを備えていることを特徴とする睡眠情報管理システム。
【請求項3】
請求項1又は2において、
上記情報表示端末(20)は、上記就寝者に睡眠状態を改善するための情報を提供する情報提供者の端末装置であることを特徴とする睡眠情報管理システム。
【請求項4】
請求項3において、
上記管理サーバ(15)は、就寝者の睡眠状態を改善するための情報として該就寝者が覚醒時に実行すべき運動に関する情報を作成するための睡眠評価データを上記情報提供者の端末装置に送信することを特徴とする睡眠情報管理システム。
【請求項5】
請求項4において、
上記管理サーバ(15)に通信回線を介して接続されて、上記就寝者が覚醒時に実行した運動に関する実行済運動情報を該管理サーバ(15)に送信する情報送信端末(16)を備え、
上記管理サーバ(15)は、上記情報送信端末(16)から受信した実行済運動情報が上記情報表示端末(20)へ送信されるように上記データ管理部(22)が上記睡眠評価データと共に該実行済運動情報を保存することを特徴とする睡眠情報管理システム。
【請求項6】
請求項1又は2において、
上記管理サーバ(15)は、就寝者の睡眠状態を改善するための睡眠改善情報を上記睡眠評価データに基づいて作成する睡眠改善情報作成部(23)と、該睡眠改善情報を通信回線を介して提供するデータ提供部(24)とを備えていることを特徴とする睡眠情報管理システム。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1つにおいて、
上記管理サーバ(15)は睡眠中の室内環境に関する情報を受信する一方、上記睡眠状態評価部(21)が該室内環境に関する情報を考慮して睡眠評価データを作成することを特徴とする睡眠情報管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−190126(P2007−190126A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−9819(P2006−9819)
【出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】