説明

石けん

【課題】 靴下等を汚すことなくコスト安で水虫やタムシの症状の改善に寄与する石けんを提供すること。
【解決手段】
成分として光合成菌・乳酸菌・酵母菌・放線菌・麹菌等の有用微生物群(2)を含ませる。かかる構成により、石けんを使用した際、有用微生物群が足指等の患部に付いたカビを分解してしまう。これにより、白癬菌は繁殖出来ず殺菌される。また、有用微生物群は無毒であり、環境浄化作用も有するので、他の石けん成分を天然のものにすれば、環境汚染の改善にもなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水虫やタムシなどの症状の改善に寄与する石けんに関する。
【背景技術】
【0002】
水虫やタムシは白癬菌という真菌が原因で起こる感染症の一種である。これらの感染症の症状を改善する方策が従来種々提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
特許文献1に係る発明は、水虫 を患った足を気密に収容する処理袋と、処理ガス供給装置とを備えた水虫原因菌殺菌方法および装置である。ここで、処理ガス供給装置は、メタノールの酸化的分解反応によって生じる活性種を含む処理ガスを発生し処理袋内に供給するものとされている。この発明によれば、「処理ガスの持つ強い殺菌力と患部への強い浸透力とにより、角質や爪の内部に生息する水虫原因菌を殺菌できる効果がある」とされている。
【0004】
また、特許文献2にかかる発明は、油性基剤および竹酢液、そして必要に応じて水および乳化剤を含有する油中水型エマルジョン組成物とした竹酢液のクリーム状組成物である。
【特許文献1】特開2005−89332号公報
【特許文献2】特開2005−200393号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記した特許文献1に係る発明は、処理袋や処理ガス供給装置などを備えなければならず、コストが嵩むとともに、手当てが面倒である欠点を有する。また、特許文献2に係る発明は、クリーム状の組成物を患部に塗るために靴下等に当該組成物が付いてしまい汚してしまう欠点を有する。なお、一般に竹炭は高価であり、その分コストが嵩むことにもなる。
【0006】
本発明の目的は、靴下等を汚すことなくコスト安で手当ても簡単な水虫やタムシの症状の改善に寄与する石けんを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、成分として光合成菌・乳酸菌・酵母菌・放線菌・麹菌等の有用微生物群を含む石けんである。
【0008】
上記請求項1の発明の場合、石けんを使用した際、有用微生物群が足指等の患部に付いたカビを分解してしまう。これにより、白癬菌は繁殖出来ず殺菌される。継続的に使用すれば、再び感染せず予防にもなる。なお、石けんを使用後は、患部を水で洗い流せば有用微生物群を含む石けん成分は奇麗に落ちる。また、有用微生物群は無毒であり、環境浄化作用も有するので、他の石けん成分を天然のものにすれば、環境汚染の改善にもなる。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、成分として光合成菌・乳酸菌・酵母菌・放線菌・麹菌等の有用微生物群を含むので、使用した際に有用微生物群の作用によって白癬菌は繁殖出来ず殺菌される。また、使用後に患部を水で洗い流せば、当該患部には石鹸成分は残らない。これにより、靴下等を汚すことなくコスト安で水虫やタムシの症状の改善に寄与することができる。また、有用微生物群は無毒であり、環境浄化作用も有するので、他の石けん成分を天然のものにすれば、環境汚染の改善も期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0011】
本発明に係る石けん(1)は、成分として光合成菌・乳酸菌・酵母菌・放線菌・麹菌等の有用微生物群を含む構成とされている。
【0012】
本発明に係る石けんの製造方法の一例を、図1を参照しながら説明する。
【0013】
まず、光合成菌・乳酸菌・酵母菌・放線菌・麹菌等の有用微生物群有用微生物群(以後、EM菌と称する。)を繁殖させるために、当該EM菌を水(分量355cc)中に入れて1ヶ月ほど放置する(工程S1)。なお、EM菌を米の研ぎ汁に1週間ほど入れておいたものを別に用意しておいてもよい。こうして、繁殖させた有用微生物群を、他の石けん成分(油脂と水酸化ナトリウムとでんぷん)からなる液中に入れて混ぜ(工程S2,S3)、その後型に入れて2ヶ月ほど放置する(工程S4)。ここで、この実施形態では、油脂として、サラダオイル(3リットル)を使用している。また、水酸化ナトリウムの分量は430gである。また、でんぷんとしては、ご飯(分量95g)を使用している。このでんぷんは、EM菌の栄養源となるものである。そして、脱型する。図2は、こうして製造された石けん(1)の外観の一例である。なお、液状の石けんを製造する場合には、上記した水酸化ナトリウムの代わりに水酸化カリウムを使用する。
【0014】
こうして完成した石けんは、使用した際、有用微生物群が足指等の患部に付いたカビを分解してしまう。これにより、真菌(白癬菌)は繁殖出来ず殺菌される。なお、石けんを使用後は、患部を水で洗い流せば有用微生物群を含む石けん成分は奇麗に落ちる。これにより、靴下等を汚すことなくコスト安で手当ても簡単な水虫やタムシの症状の改善および予防に寄与する。また、有用微生物群は無毒であり、環境浄化作用も有するので、他の石けん成分を天然のものにすれば、環境汚染の改善にもなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る石けんの製造方法の一例を説明するための図である。
【図2】本発明に係る石けんの外観を示す図である。
【符号の説明】
【0016】
1 石けん
2 EM菌(有用微生物群)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分として光合成菌・乳酸菌・酵母菌・放線菌・麹菌等の有用微生物群を大量に含む石けん。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−56174(P2007−56174A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−245172(P2005−245172)
【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【出願人】(504005378)株式会社カンザイ (2)
【Fターム(参考)】