説明

石英ガラス横型炉および組立体

炉組立体は、第1および第2の部分を含む。第1の部分は、第1および第2の端部、第1の端部に配置される第1の継手、第2の端部における円錐形部分、第1の端部と第2の端部との間に配置される第1のフィルタ、ならびに第1のフィルタと流体連通して第1の部分を通って延在している管腔を含む。第2の部分は、第1および第2の端部、第1の端部に配置される第2の継手、第2の端部に配置され、かつ第1の部分の円錐形部分を受け入れるための開口、第1の端部と第2の端部との間に配置される第2のフィルタ、ならびに第2のフィルタと流体連通して第2の部分を通って延在している管腔を含む。第1の部分と第2の部分とが係合されると、第1のフィルタと第2のフィルタとの間にチャンバが形成される。チャンバは、第1および第2の部分のそれぞれの第1の端部と流体連通している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、石英ガラス横型炉および特に誘電体微粒子の形成にそれを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
湿式化学処理で共沈させた混合酸化物セラミック粉末の従来の調製においては、湿式共沈粉末は、ろ過、沈殿、遠心分離、または蒸発によって、それらが形成される水溶液から分離され、脱イオン水で洗浄され、再度分離され、アセトンまたは2−プロパノールで洗浄され、再度分離され、シリカガラス製の平底トレーまたはシリカガラス製の丸底皿に塗布され、オーブンまたは真空オーブン中、約105℃で乾燥される。乾燥後、トレーは箱形炉に移されるか、または皿は管状炉に移される。炉内の温度は、焼成温度まで上げられる。
【0003】
本開示は、添付の図面を参照することによってよりよく理解され、その多くの特徴および利点が当業者に明らかになり得る。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】分解および焼成システムの例示的な管状組立体の図を含む。
【図2】例示的な分解および焼成システムの図を含む。
【図3】それぞれ熱水プロセス後、焼成プロセス後の、実施例1において調製される粒子の例示的な粒径および分布データのグラフを含む。
【図4】それぞれ熱水プロセス後、焼成プロセス後の、実施例1において調製される粒子の例示的な粒径および分布データのグラフを含む。
【図5】実施例1の粒子の例示的なX線回折データのグラフを含む。
【図6】実施例1の粉末についてのSEMデータの画像を含む。
【図7】実施例2についての−20℃〜55℃の温度範囲にわたる温度に対する比誘電率のグラフを含む。
【発明を実施するための形態】
【0005】
異なる図面中の同じ参照符号の使用は、類似または同一の品目を示す。
【0006】
特に、本出願人らは、上述したような先行技術の一連の工程から得られる生成物の粉末が凝集し、温度処理分布中に粉末の勾配温度に曝されていたことを発見した。粉末のこのような勾配温度は、不適切な分解温度、分解および焼成の際の不適切な空気流れ、ならびに焼成温度の変動による比誘電率の大幅な減少を引き起こし得る。さらに、本出願人らは、後述される組立体およびシステムならびに後述される分解および焼成の方法が、粒子が分かれた(凝集していない)粉末を提供することができ、乾燥粉末処理の一プロセス工程を提供し、プロセスの複雑さを軽減することができることを発見した。
【0007】
例えば、構成成分を混合および沈殿させて中間体粒子を形成し、この中間体粒子をさらに処理し、焼成して、誘電セラミック微粒子を形成することができる。以下により詳細に記載されるように、構成成分は、高乱流反応器中で、水酸化物イオン源とシュウ酸イオン源とのブレンドと混合され得る。例えば、水酸化物イオン源には、水酸化テトラアルキルアンモニウムが挙げられ、シュウ酸イオン源には、シュウ酸テトラアルキルアンモニウムが挙げられる。ヒドロキシルおよびシュウ酸イオンの存在下での沈殿の結果として形成される粒子は、特定の条件下で、さらに熱水処理され、乾燥され、焼成されて、絶縁破壊電圧および比誘電率などの、望ましい特性を有する誘電セラミック微粒子が得られる。特に、誘電セラミック微粒子は、立方晶ペロブスカイト組成が変性されたチタン酸バリウムであり得る。
【0008】
例示的なプロセスは、セラミック粉末の他の金属またはオキソ金属イオン成分との複合溶液に溶解させた前駆体キレートを提供する工程と、水酸化テトラアルキルアンモニウムおよびシュウ酸アンモニウムもしくはシュウ酸テトラアルキルアンモニウムなどのオキサレート化合物を含む沈殿剤溶液を調製する工程と、複合溶液と沈殿剤溶液とを組み合わせて粒子を共沈させる工程と、粒子を熱水処理する工程と、粒子を洗浄し、分離させる工程と、粒子を加熱処理して分解および焼成を行う工程とを含む。
【0009】
例示的実施形態において、誘電体微粒子を形成するためのシステムは、反応器および熱水処理チャンバを含む。さらに、システムは、乾燥器、それに伴う分解および焼成機器を含み得る。
【0010】
反応剤貯蔵容器は、例えば反応剤溶液の形態の、1つ以上の反応剤を含み得る。特に、反応剤は、金属ニトレート、金属キレート、水酸化テトラアルキルアンモニウムまたはシュウ酸テトラアルキルアンモニウム、あるいはそれらの任意の組合せを含み得る。金属ニトレートまたは金属キレートは、周期表の第1〜14族の金属または半金属、IUPAC法に基づいたランタノイド系、またはアクチノイド系を含む金属イオンまたはオキソ金属イオンを含み得る。例えば、金属イオンは、バリウム、カルシウム、チタン、ジルコニウム、イットリウム、マンガン、ネオジム、スズ、亜鉛、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、ランタン、ハフニウム、クロム、またはそれらの任意の組合せを含む群から選択され得る。特に、金属イオンは、バリウム、チタン、ならびにカルシウム、ジルコニウム、イットリウム、マンガン、ネオジム、スズ、亜鉛、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、ランタン、ハフニウム、クロム、またはそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つを含む。例示的な金属ニトレートは、硝酸バリウム、硝酸カルシウム、またはそれらの組合せを含む。例示的な金属キレートは、金属イオンまたはオキソ金属イオンおよびキレート剤を含む。一例では、キレート剤は、塩基により中和されたカルボン酸を含む。例えば、キレート剤は、中和されたα−ヒドロキシカルボン酸を含み得る。例示的なα−ヒドロキシカルボン酸は、2−ヒドロキシエタン酸(グリコール酸)、2−ヒドロキシブタン二酸(リンゴ酸)、2,3−ジヒドロキシブタン二酸(酒石酸)、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸(クエン酸)、2−ヒドロキシブタン酸、2−ヒドロキシペンタン酸、2−ヒドロキシヘキサン酸、またはそれらの任意の組合せを含む。好ましいキレート剤は、弱塩基性水酸化アンモニウム水溶液によって後に中和される非常に水溶性の2−ヒドロキシプロパン酸(すなわち、乳酸)である。別の好ましいキレート剤は、非常に水溶性の2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸、すなわちクエン酸である。キレート剤は、水酸化アンモニウム(NH4OH)または水酸化テトラアルキルアンモニウムなどの塩基で中和され得る。キレート溶液は、界面活性剤も含み得る。
【0011】
さらに、反応剤は、水酸化テトラアルキルアンモニウム、シュウ酸テトラアルキルアンモニウムまたはそれらの組合せを含み得、ここで、アルキル基はメチル基、エチル基、またはプロピル基、あるいはそれらの任意の組合せを含む。特に、反応剤は、水酸化テトラメチルアンモニウムとシュウ酸テトラメチルアンモニウムとの組合せを含み得る。
【0012】
一実施形態において、前駆体の全てではないが少なくとも1つがキレートである。前駆体の溶液:Ba(NO32、Ca(NO32・4H2O、Nd(NO33・6H2O、Y(NO33・4H2O、Mn(CH3COO)2・4H2O、ZrO(NO32が、脱イオン水中、および別個に[CH3CH(O−)COONH42Ti(OH)2溶液中で形成される。この例では、チタンキレート[CH3CH(O−)COONH42Ti(OH)2が用いられ得る。溶液は混合されるか、または加熱され得る(例えば、95℃〜99℃まで加熱される)。原子分率によって示される特定の組成について、金属イオン成分の各々についての重量パーセント単位での比率量が、表1に示される。
【0013】
【表1】

【0014】
例えば7つおよび9つの成分の試験(run)に用いられる組成変性チタン酸バリウム粉末の共沈に用いられ得る金属イオン成分は、以下のリストにおいて特定される:バリウム、カルシウム、チタン、ジルコニウム、イットリウム、マンガン、ネオジム、スズ、亜鉛、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、ランタン、ハフニウム、およびクロム、またはそれらの任意の組合せ。
【0015】
表2は、上述したキレート前駆体を用いて形成される組成変性チタン酸バリウム化合物の一例を示す。この例では、得られる化合物の式量は237.24である。
【0016】
【表2】

【0017】
化学量論量をいくらか超える、シュウ酸アンモニウムまたはシュウ酸テトラメチルアンモニウムおよび水酸化テトラメチルアンモニウムの別個の溶液が、脱イオン水中で作製され、8.0〜12.0の範囲、好ましくは約10.5のpHで、95℃〜99℃まで加熱される。
【0018】
組成変性チタン酸バリウムのための様々な湿式化学処理による粉末調製技術が後述される。本方法は、共沈によって所望の粉末を形成するのに反応剤の水溶液を利用する。さらに、本手法は、前駆体としての1つ以上のキレート(好ましくは水溶性または水に対して安定性)の使用を、組成変性チタン酸バリウムの成分を含む成分金属イオンのいくつかまで広げる。一例では、水酸化テトラメチルアンモニウムなどの水酸化テトラアルキルアンモニウムと組み合わせた、シュウ酸アンモニウム(エタン二酸ジアンモニウムとしても知られている)またはシュウ酸テトラメチルアンモニウム(エタン二酸ビス(テトラメチルアンモニウム)としても知られている)などのシュウ酸テトラアルキルアンモニウムが、水溶液中の前駆体の混合物のための沈殿剤溶液として用いられる。
【0019】
沈殿剤溶液の体積量は、質量モル濃度(molal)に加えて20℃における比重が分かっているとき、前駆体溶液の体積モル濃度(molar)から測定され得る。所与の体積モル濃度の沈殿剤として、シュウ酸アニオンが二価の負電荷を有し、水酸化物アニオン(例えば水酸化テトラアルキルアンモニウム)が一価の負電荷を有するため、水酸化物アニオンと比較して半分の数のシュウ酸アニオンが、金属イオンカチオンとの沈殿反応に用いられ得る。水溶液中のシュウ酸アンモニウムまたはシュウ酸テトラアルキルアンモニウムは、中性またはほぼ中性のpH(例えば、6〜8pH)であるが、本明細書においては、中性またはほぼ中性のpHの前駆体溶液と反応させた際に、混合された溶液のpHが8.0〜12.0pHの範囲となるように、水酸化テトラメチルアンモニウムを添加することによって溶液は十分に塩基性にされる。
【0020】
特に、沈殿剤溶液は、シュウ酸アンモニウムまたはシュウ酸テトラアルキルアンモニウムなどのオキサレート源、および水酸化テトラアルキルアンモニウムなどの水酸化物を含む。例えば、溶液は、3:1〜2:3の範囲、2:1〜4:5の範囲、または2:1〜1:1の範囲などの、4:1〜1:2の範囲の水酸化物に対するモル比でオキサレート源を含み得る。シュウ酸テトラメチルアンモニウムの25%溶液に対する水酸化テトラメチルアンモニウムの25%溶液の比率は、1000グラム毎にそれぞれ148グラムであり得る。水和オキサレート−水酸化物を沈殿させた粉末の水溶液の配合の好適な温度範囲は、95℃〜99℃である。
【0021】
一例では、オキサレート化合物は、シュウ酸アンモニウムまたはシュウ酸テトラアルキルアンモニウムを含み得る。例示的なシュウ酸テトラアルキルアンモニウムは、シュウ酸テトラメチルアンモニウム(TMAO)、シュウ酸テトラエチルアンモニウム、シュウ酸テトラプロピルアンモニウム、シュウ酸テトラブチルアンモニウム、またはそれらの任意の組合せを含む。シュウ酸アンモニウム一水和物が、通常、水溶液中でのシュウ酸と水酸化アンモニウムとの反応によって作製される。pH7において、一般に、未反応のシュウ酸および水酸化アンモニウムは存在しない。シュウ酸アンモニウムは通常、pH7で用いられるが、製造業者によってpH6.0〜7.0の範囲で提供されることが多い。シュウ酸テトラメチルアンモニウムは、現在入手可能であり、同様に調製される。
【0022】
水酸化テトラメチルアンモニウム[(CH34NOH]の場合、濃度は通常、20℃で1.016の比重で水溶液中25重量パーセントであり、これは、3.6570モル/kgおよび2.7865モル/Lの濃度に対応する。80℃において、シュウ酸アンモニウムの溶解度は1.8051モル/kgであり、水酸化物アニオンと比較して半分の数のシュウ酸アニオンが、金属イオンカチオンとの沈殿反応に用いられるため、溶液の体積は実質的に等しい。シュウ酸テトラメチルアンモニウムの場合、同じ質量モル濃度が選択され得る。
【0023】
シュウ酸アンモニウムまたはシュウ酸テトラメチルアンモニウムが、2〜5パーセント過剰の化学量論量で存在するとき、前駆体と沈殿剤溶液との反応時間に、および好ましくは95℃〜99℃で、8.0〜12.0の範囲のpHを得られるほど十分にpHを高めるために、水酸化テトラメチルアンモニウムを添加しても、部分結晶性の水和オキサレート−水酸化物が、ゲル状の水和水酸化物および/または酸化物の代わりに形成される。興味深いことに、2−ヒドロキシカルボン酸およびシュウ酸アニオンは、配位子内に、中心金属またはオキソ金属イオンに対する2つの酸素結合部位を有して二座であり、また、両方とも五員環(five−sided ring)である。
【0024】
シュウ酸アンモニウムまたはシュウ酸テトラメチルアンモニウム溶液のpHは、約7から、2つの反応剤流れの混合の際、pHが混合の際に8〜12の範囲、好ましくは約10.6であるほど十分高い値に上げられ、このpHにおいて、溶液中の金属およびオキソ金属イオン成分について好ましくは95℃〜99℃で沈殿が完全に起こる。pHは、水酸化テトラメチルアンモニウム[(CH34NOH]などの水酸化テトラアルキルアンモニウムの中から選択される強塩基を添加することによって、8〜12のpH範囲、好ましくは約10.6のポイントに調節され、このpHにおいて、95℃〜99℃で金属およびオキソ金属イオン成分の沈殿が完全に起こる。
【0025】
両方の2−ヒドロキシプロパン酸(乳酸)[CH3CH(OH)COOH]および2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸(クエン酸)[(OH)C(COOH)(CH2COOH)2]がキレート剤として用いられている金属イオンおよびオキソ金属イオン前駆体溶液の調製において、これらは、20℃における溶液1リットル当たりのモルの濃度、すなわち、モル/L(molar)、および水1000グラム当たりのモル、すなわち、モル/kg(molal)を得る際に、水への溶解度が比較的高いため好ましい。
【0026】
反応器は、動作条件において少なくとも1.5×107cm/秒3の乱流強度を提供するように構成される。乱流強度は、混合デバイスの無次元定数(k)特性(この反応器の場合、約1.0)と、混合器中の組み合わせられた流体流れの速度の3乗との積を、混合器の内径の2乗で除算した値として定義される。一例では、動作条件は、少なくとも1000cm/秒、少なくとも1500cm/秒、あるいは少なくとも2000cm/秒などの、少なくとも500cm/秒の反応管速度を含む。特定の例では、反応管速度は、15,000cm/秒以下、あるいは10,000cm/秒以下などの、20,000cm/秒以下である。例えば、反応器は、閉口端および開口端を有する反応管を含み得る。注入ポートは、閉口端の近位に配置され得る。さらに、これらのポートは、互いに同軸であり、互いに正反対の方向にある。反応剤は、混合されてから、反応器を通って閉口端から開口端に向かって少なくとも50ミリ秒間かけて流れ、熱水処理チャンバに向けられる。
【0027】
上述したように、反応器は、少なくとも1.5×107cm/秒3の乱流強度で反応を行うように構成される。特定の実施形態において、このような高い乱流強度は、同軸で正反対の方向の注入部を有する管状反応器を用いて行われる。一実施形態において、反応器は、混合デバイスの無次元定数(k)特性(この反応器の場合、約1.0)と、混合器中の組み合わせられた流体流れの速度の3乗との積を、混合器の内径の2乗で除算した値として定義される高い乱流強度を提供するように構成される。例えば、乱流強度は、少なくとも108cm/秒3、少なくとも109cm/秒3、少なくとも1010cm/秒3、あるいは少なくとも5×1010cm/秒3などの、少なくとも1.5×107cm/秒3であり得る。一般に、乱流強度は、1020cm/秒3以下である。さらに、管状反応器は、少なくとも20,000の平均レイノルズ数を提供し得る。例えば、レイノルズ数は、少なくとも60,000、少なくとも70,000、あるいは少なくとも75,000などの、少なくとも40,000であり得る。一例では、レイノルズ数は、200,000以下である。
【0028】
反応器は、滞留時間が少なくとも70ミリ秒間、あるいは少なくとも80ミリ秒間などの、少なくとも50ミリ秒間となるように構成され得る。一例では、反応器は、滞留時間が1秒間以下となるように構成される。
【0029】
特定の実施形態において、誘電体微粒子の形成方法は、反応剤溶液を管状反応器に注入する工程を含む。反応剤溶液のうちの1つは、ニトレートまたはキレートの形態の金属イオンを含み得る。特に、金属ニトレートは、硝酸バリウムを含み得る。さらに、金属ニトレートは、硝酸カルシウムを含み得る。さらに、反応剤溶液は、チタン、ならびにジルコニウム、イットリウム、マンガン、ネオジム、スズ、亜鉛、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、ランタン、ハフニウム、クロム、またはそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つを含む金属またはオキソ金属イオンを含む金属キレートを含み得る。一例では、金属キレートは、水酸化アンモニウムまたは水酸化テトラアルキルアンモニウムで安定化された、クエン酸などのα−ヒドロキシカルボン酸を含む安定化された金属キレートである。
【0030】
第2の反応剤溶液は、水酸化テトラアルキルアンモニウム、シュウ酸テトラアルキルアンモニウム、またはそれらの組合せを含み得る。特定の例では、第2の反応性溶液は、水酸化テトラアルキルアンモニウムとシュウ酸テトラアルキルアンモニウムとの混合物を含む。水酸化テトラアルキルアンモニウムまたはシュウ酸テトラアルキルアンモニウムのアルキル基は、メチル基、エチル基、またはプロピル基、あるいはそれらの任意の組合せであり得る。
【0031】
反応剤溶液は、望ましい乱れ率および他の反応条件の両方を提供するために管状反応器に注入される。特に、乱れ率は、少なくとも1.5×107cm/秒3である。反応のpHは、10〜12の範囲などの、8〜12の範囲であり得る。反応器の温度は、80℃〜110℃の範囲、90℃〜105℃の範囲、あるいは90℃〜100℃の範囲などの、75℃〜120℃の範囲であり得る。流れの圧力は、用途に応じて90psi〜120psi以上の範囲であり得る。反応器内の滞留時間は、少なくとも50ミリ秒間であり得る。
【0032】
管状反応器において、硝酸バリウム、チタンキレート、ならびに他のニトレートおよびキレート成分は、共沈して組成が均一な微粒子を形成する。組成が均一な微粒子内の各粒子は、異なる組成の粒子の混合物と対照的に、ほぼ同じ組成を有する。
【0033】
一実施形態において、一方が全ての金属イオン化合物前駆体の水溶液を含有し、他方がシュウ酸アンモニウムまたはシュウ酸テトラメチルアンモニウムおよび水酸化テトラメチルアンモニウムの水溶液を含有する2成分の流れが、高い乱流エネルギー環境を提供する流体ジェットカラム中で、同時におよび連続して一緒に反応される。前駆体の飽和またはほぼ飽和した水溶液の全体積は、通常、水溶液中のシュウ酸アンモニウムまたはシュウ酸テトラメチルアンモニウムおよび水酸化テトラメチルアンモニウムの全体積より多い。この場合、ジェット流体カラムには一般に次の2つの選択肢がある:(1)前者のノズルの断面積を後者のノズルの断面積より比例的に広くして、前者を後者の流量より比例的に多い流量に調節し、2つの流れにかけられる駆動圧を同じにすることによって流れ速度を等しく保つ;および(2)後者のある体積をそれに釣り合う体積の脱イオン水で希釈し、それによって沈殿剤の濃度を低下させる。両方の流れの体積が等しい場合、ノズルは同様であり、流量はほぼ等しく、かけられる駆動圧はほぼ同じである。しかしながら、処理される液体の量は、一般に、第1の選択肢の量より多い。第1の選択肢は、液体処理の量および脱イオン水の使用を低減するという大きな利点を有する。
【0034】
他の実施形態において、例えば:(1)1つの容器中の1つの溶液を別の容器中の他の溶液に注ぎ入れ、機械的または超音波混合を用いる、および(2)ある所与の流量で1つの容器中の溶液を別の容器中の他の溶液に計量供給し、機械的または超音波混合を用いるなど、他の技術およびデバイスを用いて成分流れを組み合わせることができる。
【0035】
熱水処理チャンバにおいて、反応器生成物流れは、少なくとも150℃の温度および少なくとも100psiの圧力で、少なくとも4時間かけて処理される。例えば、温度は、関連する圧力も上げられる場合、少なくとも190℃など、少なくとも175℃であり得る。さらに、圧力は、少なくとも245psi、あるいは少なくとも250psi以上など、少なくとも225psiであり得る。熱水処理は、少なくとも5時間、あるいは少なくとも6時間など、少なくとも4時間かけて行われる。一例では、熱水処理は、150℃〜200℃の範囲の温度および225psi〜260psiの範囲の圧力で、4時間〜8時間の範囲の時間をかけて行われる。必要に応じて、より高い温度および圧力の組合せが用いられ得る。特定の例では、還流を促進するために、熱水処理容器の上部が冷却され得る。
【0036】
熱水処理の後に得られるスラリーは、混合容器または熱水タンクからろ過または分離デバイスへと移される。液体相および単離沈殿物からの沈殿物の分離は、従来のろ過、真空ろ過、遠心分離、沈殿、噴霧乾燥、凍結乾燥などを含む様々なデバイスおよび技術を用いて行われ得る。次に、ろ過された粉末に、様々な洗浄、乾燥、ならびに分解および焼成工程を行うことができる。
【0037】
誘電体微粒子材料は、噴霧乾燥器、パン乾燥器、フラッシュ乾燥器、低温乾燥器、またはそれらの任意の組合せにおいて乾燥され得る。特定の例では、誘電体微粒子材料は、フラッシュ乾燥器において乾燥される。乾燥の前、微粒子材料は、洗浄され、部分的に分離され得る。例えば、微粒子材料は、脱イオン水を用いて洗浄することができ、遠心分離機を用いて濃縮することができる。洗浄および濃縮は、1回以上繰り返すことができる。
【0038】
残留沈殿剤、シュウ酸アンモニウムまたはシュウ酸テトラメチルアンモニウムおよび水酸化テトラメチルアンモニウム残留物、ならびに他の残留物は揮発されるため、沈殿した粉末の洗浄は場合による。ある実施形態において、脱イオン(DI)水洗浄工程、またはある他の洗浄工程が行われる。ここで、非金属イオンを含有するシュウ酸アンモニウムまたはシュウ酸テトラメチルアンモニウムおよび水酸化テトラメチルアンモニウムによって、釣り合いのとれた量の水溶性の水和およびキレートされた金属イオン種の水溶液が、水和オキサレート−水酸化物として沈殿され、空気中における分解および焼成によって、酸化物(例えば組成変性チタン酸バリウム)に転化される。
【0039】
微粒子材料は、乾燥されてから、炉中で分解および焼成を行うことができる。例えば、微粒子材料は、25℃〜1100℃以上の範囲の温度で加熱され得る。特に、この材料は、酸素化され、撹拌された環境中で加熱されて、有機副生成物の分解および所望の微粒子材料の形成が促進され得る。
【0040】
溶液からの前駆体の混合物の共沈によるセラミック粉末の調製のための湿式化学方法において、少量の沈殿剤および水が、通常、生成物粉末の微細孔およびナノ細孔内に含まれる。同様に、少量の沈殿剤および水はまた、生成物粉末の表面上に吸着され得る。生成物粉末の空気中での焼成の際、熱分解におけるシュウ酸アニオンの酸素の半分が混合された酸化物化合物の一部になり、残り半分は、炭素とともに、酸化によって二酸化炭素ガス、および以下のものなどの溶液残留物に転化される:シュウ酸アンモニウム[(NH4224](任意の過剰量)またはシュウ酸テトラメチルアンモニウム{[(CH34N]224}(任意の過剰量)、水酸化テトラメチルアンモニウム[(CH34NOH](任意の過剰量)、硝酸アンモニウム(NH4NO3)、アンモニウム2−ヒドロキシプロパノエート[CH3CH(OH)COONH4)]、およびトリアンモニウム2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレート[(OH)C(COONH4)(CH2COONH42]。このような残留物は、熱分解され、酸化され、それによってH2O、NH3、CO、CO2、N2、N2O、NO、およびNO2などの気体生成物に転化される。このような残留物の分解は、気体生成物を許容可能な速度で掃去するのを助けるために許容可能な清浄な乾燥空気流れを用いて、規定の温度範囲にわたって規定の温度上昇速度で行われる。同じ分解は、一般に、後述されるようにキレート剤として選択され得るいかなる2−ヒドロキシカルボン酸にも当てはまる。
【0041】
乾燥後および解凝集(disaglomeration)後、湿式化学処理で共沈させた混合オキサレート−水酸化物セラミック粉末は、分解および焼成用のチャンバに移される。図1に示されるように、管組立体100は、第1の部分102および第2の部分104を含む。端部112における第1の部分102および端部114における第2の部分104は、協働して係合して、セラミック粉末を入れることができるチャンバを形成する。例えば、端部112における第1の部分102は、第2の部分104の端部114における狭い円錐形領域を受け入れるための広いテーパー状の開口を含み得る。
【0042】
部分(102および104)の各々の中には、小さい孔径のフィルタディスク(108および118)に固定するためのリングを保持している肩部があり得る。孔径は、粉末がプロセス中に確実に流出しないように選択され得る。例えば、孔径は、0.1μm以下であり得る。特に、フィルタ(108および118)は、部分(102および104)の材料の熱的特性と適合する熱的特性を有する材料で形成される。例えば、部分(102および104)は、シリカガラス(石英ガラス)で形成され得、フィルタ(108および118)は、シリカガラス(石英ガラス)で形成され得る。
【0043】
特定の例では、組立体100は、図1に示されるように、部分102において、部分102に溶接される石英フィルタ108とともに、コネクタ部分106(例えば、50−30玉継手)および第1のチャンバ部分110(例えば、45−50外継手)を含む。組立体100は、図1に示されるように、部分104において、部分104に溶接される石英フィルタ118とともに、コネクタ部分120(例えば、50−30玉継手)を含み、コネクタ/フィルタ組立体は、第2のチャンバ部分116(例えば、45−50内継手)に溶接される。特定の例では、コネクタ部分106および120は、それぞれ玉継手124および122を含み、これらは、玉継手124および122を通って、フィルタ108および118ならびにチャンバ部分110および116へのアクセスを与える開口を含む。
【0044】
一例では、第2のチャンバ部分116は、第1のチャンバ部分110に連結して、焼成されることになる粉末を受け入れるチャンバを形成し得る。図示されるように、第2のチャンバ部分116は、第1のチャンバ部分110の開口と摩擦嵌めすることができる円錐形部分を含む。第2のチャンバ部分116は、第1のチャンバ部分110および部分102から切り離すことができ、これにより粉末を第1のチャンバ部分110に充填することができる。部分102および104は、接続することができ、組立体100は、横型炉に入れることができる。
【0045】
例示的実施形態において、図1に示されるように、組立体100の構成要素は、例えば、図示されるように右側に以下のもの:
1)端部組立体に溶接される石英の0.1μm孔径フィルタを備えた50−30玉継手;および
2)玉継手組立体に溶接される45−50内継手
を含み得;図示されるように左側に以下のもの:
1)左側の組立体に溶接される石英の0.1μm孔径フィルタを備えた50−30玉継手組立体;および
2)50−30玉継手組立体に溶接される45−50外継手
を含み得る。
【0046】
図2に示されるように、組立体100は、組立体100の両端に1つずつ、2つのカプラ継手202および204によって横型炉210中に保持される。例えば、2つのカプラ継手202および204は、ステンレス鋼で形成され得る。2つのカプラ継手202および204は、炉210のフレーム226に取り付けられ、管組立体100の両端におけるコネクタ部分106および120に接続されるときに組立体100が炉組立体200の中央を通って位置合わせされるように位置合わせされ得る。カプラ継手202および204は、カプラ継手202および204をコネクタ部分106および120に留め付けるのを助けるためのOリング206および208を含み得る。特に、Oリング206および208は、2つの異なる材料を互いに留め付けるのを、例えば、金属を石英に留め付けるのを助け得る。さらに、固定具を用いて、炉210の動作中にコネクタ部分106および120とカプラ継手202および204とを互いにしっかりと保持することができる。例えば、玉継手124および122は、ボールカプラにおいてそれぞれカプラ継手204および202に固定され得る。特定の例では、カプラ継手202および204は、中空のボールカプラに接続される中空管である。カプラ継手202および204の外端には磁性流体軸受シール214および216があり、これらは、管状の炉フレーム226に取り付けられ、かつ組立体100の位置合わせならびに炉組立体200に対するカプラ継手202および204の保持を確実にし得る。
【0047】
運転中、清浄な乾燥空気が、カプラ継手202および204ならびに管組立体100を通って流れる。例えば、清浄な乾燥空気は、少なくとも15CFMなどの、少なくとも毎分10立方フィート(CFM)の速度で流れ得る。別の例では、清浄な乾燥空気は、40CFM以下、あるいは30CFM以下などの、50CFM以下の速度で流れ得る。特定の例では、清浄な乾燥空気の流れの方向は交互に変わり、例えば、少なくとも10秒後など、少なくとも5秒後に方向が変化する。清浄な乾燥空気は、50秒以下、あるいは40秒以下など、60秒以下の時間の後、方向が変化し得る。
【0048】
歯車/モーター駆動組立体212および218が、カプラ継手204に取り付けられ、処理の間、規定の速度で組立体100を回転させる。一例では、組立体100は、少なくとも毎分20回転、あるいは少なくとも毎分40回転などの、少なくとも毎分1回転の速度で回転される。組立体100は、毎分100回転以下、毎分80回転以下、あるいは毎分70回転以下などの、毎分120回転以下の速度で回転され得る。特定の例では、組立体100は、毎分50回転〜毎分70回転などの、毎分40回転〜毎分70回転の速度で回転される。
【0049】
粉末が管組立体100に入れられ、管組立体100が炉組立体200に設置された後、コントローラ(図示せず)が、炉組立体200の処理パラメータの制御を行うことが可能である。例えば、石英管組立体が規定の速度で回転され、清浄な乾燥空気流れが規定の速度に設定され、石英組立体を通る交互の方向の清浄な乾燥空気(CDA)流れの持続時間が設定され、温度分布が規定の温度設定および主な温度持続時間で延びる。
【0050】
例えば、15〜30CFMの交互のCDA流れの持続時間の間、管状炉温度は、分解および焼成がうまく行われた後、室温へと許容可能に温度を低下させることができるような形で上昇される。異なる粉末組成物は、管状炉の温度コントローラの設定を変更することによって調節可能な異なる温度上昇および低下の分布を用いることができる。
【0051】
一例では、焼成は、1000℃〜1100℃以上の範囲の温度で行われ得る。組成変性チタン酸バリウム粉末の例示的な温度の上下動のサイクルは以下のような一連の順序を有する:
・粉末から水を除去する、例えば、30分間で25℃〜200℃の上昇;
・CO2の発生を開始する、例えば、180分間で200℃〜600℃の上昇;
・CO2の発生を調節する、例えば、120分間で600℃〜850℃の上昇(例えば、発生ガスのFTIR分析を用いて調節され得る);
・焼成を開始する、例えば、60分間で850℃〜1050℃の上昇;
・焼成する、例えば、180分間、1050℃で持続;
・冷却する、例えば、60分間で1050℃〜300℃の低下;
・O2を導入する、例えば、120分間、300℃で持続;および
・さらに冷却する、例えば、60分間で300℃〜25℃の低下。
【0052】
得られる誘電セラミック粒子は望ましい特性を有する。プロセスの結果として、望ましい誘電体微粒子が提供される。特に、誘電体微粒子は、望ましい粒径および粒径分布を有する。例えば、平均粒径が、0.1マイクロメートル未満または10マイクロメートル超のサイズの粒子を除外して、少なくとも0.64μmあるいは少なくとも0.7μmなど、少なくとも0.6μmである。一例では、平均粒径は、0.64〜1.5μmの範囲、0.7μm〜1.5μmの範囲、0.9〜1.5μmの範囲、0.9〜1.4μmの範囲、または1.2〜1.5μmの範囲などの、0.6〜2μmの範囲である。あるいは、平均粒径は、0.6μm〜0.9μm、あるいは0.64μm〜0.9μmの範囲などの、0.6μm〜1μmの範囲であり得る。いずれの場合も、粒径分布は、0.5以下の半値高さ比(half height ratio)を示す。半値高さ比は、平均径に集中している分布ピークの分布の最大高さの半分における幅と、平均粒径における幅との粒径分布の幅の比率として定義される。例えば、半値高さ比は、0.4以下、0.3以下、あるいは0.2以下などの、0.45以下であり得る。さらに、標準偏差は、1.5マイクロメートル以下、1.3マイクロメートル以下、1.2マイクロメートル以下、あるいは1.15マイクロメートル以下などの、2.0マイクロメートル以下であり得る。
【0053】
特定の実施形態において、誘電セラミック微粒子は、立方晶ペロブスカイト組成変性チタン酸バリウム粉末を含む。バリウムは、カルシウム、ネオジム、ランタン、またはそれらの組合せで少なくとも部分的に置換され、チタンは、ジルコニウム、イットリウム、マンガン、スズ、亜鉛、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、ハフニウム、クロム、またはそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つで少なくとも部分的に置換される。組成変性チタン酸バリウム粉末は、0.6〜1.5マイクロメートルの範囲の平均粒径、および0.5以下の半値幅比(half width ratio)を有する。
【0054】
特に、セラミック粉末は、−40℃〜85℃の温度範囲または−25℃〜55℃の温度範囲などの温度範囲で常磁性である。さらに、セラミック粉末は、ストロンチウムまたは鉄イオンを含まないかまたは低濃度で有する。特に、セラミック粉末は、上記の温度範囲内で、少なくとも18000などの少なくとも15000の比誘電率(K)などの高誘電率を有する。一例では、誘電体微粒子は、少なくとも15,000、少なくとも17,500、少なくとも18,000、あるいは少なくとも20,000などの望ましい比誘電率を示す。一例では、比誘電率は、少なくとも35,000、少なくとも50,000、少なくとも65,000、あるいは少なくとも80,000以上など、少なくとも30,000であり得る。誘電複合体の絶縁破壊電圧は、少なくとも2MV/cm、少なくとも4MV/cm、あるいは少なくとも5MV/cmなど、少なくとも1MV/cmであり得る。
【実施例】
【0055】
実施例1
2つの反応剤流れを管状反応器に導入する。第1の流れは、硝酸バリウム、Tyzor(登録商標)の商品名でDuPont(商標)から入手可能な有機チタンキレート、ならびに、カルシウム、ジルコニウム、イットリウム、マンガン、ネオジム、スズ、亜鉛、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、ランタン、ハフニウム、またはクロムから選択される以下の表3に示される7つの金属成分を含む微量の他の金属ニトレートおよび金属またはオキソ金属シトレートを含む。第2の流れは、水酸化テトラメチルアンモニウムとシュウ酸テトラメチルアンモニウムとの混合物を含む。第1の流れは、第2の流れの流量より約4倍多い流量を有する。管状反応器は、約8.3×1010cm/秒3の乱流強度および約78,000のレイノルズ数を有する。溶液のpHは、10〜12に保たれ、両方の流れの温度は約95℃である。
【0056】
反応器中に形成される微粒子材料を、150℃で300psiの定格を有する圧力タンクを用いて熱水処理する。タンクの上部を冷却して水蒸気を凝結させ、それによって溶液の体積を処理の持続時間にわたって確実に一定に保つ。微粒子を含む液体流れをタンクに供給するとき、プロセスパラメータを、6時間にわたって250psiおよび150℃に設定する。pHを10〜12の範囲に保つために水酸化テトラメチルアンモニウムを添加する。圧力および温度を上昇させると、熱水処理の持続時間が短縮され得る。
【0057】
熱水処理の後、粒子を洗浄し、遠心分離機において濃縮し、フラッシュ乾燥させ、上述した手順にしたがって、図1および図2に示される組立体において、25℃〜1050℃以上の範囲の温度で分解および焼成を行う。図3は、熱水処理の後の粒子分布を示す。図示されるように、平均粒径は約4.24μmであり、標準偏差は約1.16μmである。図4は、分解および焼成の後の粒径分布を示す。平均粒径は0.67μmであり、標準偏差は1.14μmである。図5は、結晶の性質を示し、結晶が均一な立方晶ペロブスカイト結晶であり、高誘電率を有し得ることを示している。
【0058】
収率パーセントを測定するために、水性出発前駆体の組成を確認する。共沈プロセスが完了した後、固形分を除去し、残っている液体を分析する。組成変性チタン酸バリウム(CMBT)粉末に入っている各成分のパーセンテージを測定する。水溶液の分析を、Perkin Elmer Optima 2100DV ICP−OES(誘導結合プラズマ発光分光分析装置)において行う。High Purity Standards,Incの規格に基づいて、各分析について検量線を生成する。0.0500ppm〜10.0ppmの範囲の少なくとも8つの標準溶液を検量に用いる。生成される検量線の相関係数は、全濃度範囲にわたって全ての成分について0.999を超える。線形相関に影響を及ぼす、誤ったポイントが確実に存在しないように、各検量線を手作業で検査する。分析および希釈を三回行う。実施例1に用いられる7つの成分の初期の濃度が表3にまとめられ、30〜約40,000ppmの範囲であった。CMBT粉末をろ過して取り除いた後の浴の分析により、10ppm未満の成分濃度がCMBT粉末の各成分のほぼ100%の収率に等しいことが示される。
【0059】
【表3】

【0060】
実施例2
実施例2では、流れ1および2が実施例1と同じである。2つの反応剤流れを管状反応器に導入する。第1の流れは、硝酸バリウム、Tyzor(登録商標)の商品名でDuPont(商標)から入手可能な有機チタンキレート、ならびに、カルシウム、ジルコニウム、イットリウム、マンガン、ネオジム、スズ、亜鉛、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、ランタン、ハフニウム、またはクロムから選択される金属を含む微量の他の金属ニトレートおよび金属またはオキソ金属シトレートを含む。第2の流れは、水酸化テトラメチルアンモニウムとシュウ酸テトラメチルアンモニウムとの混合物を含む。第1の流れは、第2の流れの流量の約4倍多い流量を有する。管状反応器は、約1.9×107cm/秒3の乱流強度および約27,000のレイノルズ数を有する。
【0061】
反応器中に形成される微粒子材料を、150℃で300psiの定格を有する圧力タンクを用いて熱水処理する。タンクの上部を冷却して水蒸気を凝結させ、それによって溶液の体積を処理の持続時間にわたって確実に一定に保つ。微粒子を含む液体流れをタンクに供給するとき、プロセスパラメータを、6時間にわたって250psiおよび150℃に設定する。pHを10〜12の範囲に保つ。得られる微粒子を、上述した手順にしたがって分解し、焼成する。
【0062】
熱水処理の後、粒子を洗浄し、遠心分離機において濃縮し、フラッシュ乾燥させ、25℃〜1050℃以上の範囲の温度で分解および焼成を行う。分解および焼成の後、平均粒径は約1.38μmであり、半値幅比は0.44未満である。比誘電率(K)は、−20℃〜55℃の温度範囲あるいは用途に応じてより広い温度範囲にわたって18,500〜125,000以上の範囲である。
【0063】
実施例3
実施例2のプロセスと同様のプロセスを、9つの成分の金属イオンを用いて行う。出発水性混合物の9つの成分の濃度は、50〜数千ppmの範囲である。粉末製造プロセスが完了した後、成分は、検出不能な濃度から最大8.44ppmまでの範囲である。組成変性チタン酸バリウム粉末中で結晶化される成分のパーセントの各々は、表4にまとめられるように99.52%〜100%の範囲である。
【0064】
【表4】

【0065】
上述したように、図3および図4は、実施例1で製造される組成変性チタン酸バリウム粉末の粒径を0.6μm〜0.8μmの範囲に低減するための、焼成システムおよびプロセスの有効性を示す。堀場(Horiba)レーザー散乱粒径分布分析装置LA−950において組成変性チタン酸バリウム粉末を試験することによって粒径データを得る。図5は、実施例1で製造される粉末のX線回折試験からのデータを示す。このようなデータは、活性化化学物質が除去された立方晶ペロブスカイト結晶構造を示す。定量X線回折データは、活性化化学物質の除去がppbレベルの試験閾値未満であることを示し、これは、分解および焼成プロセス、分解および焼成システム、ならびに粉末製造のこの段階へとつながる粉末処理工程の有効性を示す。これらの工程は以下のとおりである:
・化学物質をキレートして、最大9つまでの複数の成分の混合を可能にする;
・化学物質を活性化して、成分が組成変性チタン酸バリウム粉末中に効果的に沈殿するのを可能にする;
・沈殿プロセス中、粉末サイズが望ましいものになるように、活性化化学物質と成分キレート化学物質とを高強度で混合する;
・100%またはほぼ100%の組成が均一でかつサイズが均一な粉末を提供するのを助ける後の粉末熱水高温/高圧活性化プロセス;ならびに
・組成変性チタン酸バリウム粉末に高純度、所望のサイズ、および所望の結晶構造を提供するのを助ける分解および焼成システムおよびプロセス。
【0066】
以下は、実施例1の粉末を試験することから得られるさらなるデータである。図6は、粉末の立方形および立方形により得られる最密密度(close packaging density)を示す。図7は、−20℃〜55℃の温度範囲にわたる比誘電率についての試験データを示す。特に、比誘電率は、0℃〜35℃の範囲などの−20℃〜65℃の範囲の温度で、少なくとも50000、少なくとも65000など、少なくとも35000である。さらに、比誘電率は、少なくとも35℃などの温度で、少なくとも70000、あるいは少なくとも75000であり得る。さらに、25℃の周囲温度から外れると、セラミックコンデンサの試験規格に改良をもたらす。X7Rセラミックコンデンサの標準規格は、それらの規定の温度範囲にわたって+15%および−15%であるが、本発明の粉末は−2.1%の負の偏差を有し、これは、セラミックコンデンサ技術における大きな改良を示している。示される温度範囲にわたって比誘電率を測定するための試験システムは、Agilent 4263B LCR計測器および備品、Cincinnati Sub−Zero Products,Inc.のMicro Climate Unit、IET Labs,Inc.のCS−301キャパシタンス代替器(capacitance substituter)、およびOmegaette HH 314 Humidity and Temperature Meterである。
【0067】
第1の実施形態において、炉組立体は、第1および第2の端部、第1の端部に配置される第1の継手、第2の端部における円錐形部分、第1の端部と第2の端部との間に配置される第1のフィルタ、ならびに第1のフィルタと流体連通して第1の部分を通って延在している管腔を含む第1の部分を含む。炉組立体は、第1および第2の端部、第1の端部に配置される第2の継手、第2の端部に配置され、かつ第1の部分の円錐形部分を受け入れるための開口、第1の端部と第2の端部との間に配置される第2のフィルタ、ならびに第2のフィルタと流体連通して第2の部分を通って延在している管腔を含む第2の部分をさらに含む。第1の部分と第2の部分とが係合されると、第1のフィルタと第2のフィルタとの間にチャンバが形成される。チャンバは、第1および第2の部分のそれぞれの第1の端部と流体連通している。
【0068】
第1の実施形態の一例では、第1および第2の部分は、石英ガラスで形成される。別の例では、第1および第2の継手は玉継手を含む。
【0069】
第2の実施形態において、炉組立体は、中空部分が中を通って延在している炉を含み、かつチャンバ組立体を含む。チャンバ組立体は、第1および第2の端部、第1の端部に配置される第1の継手、第2の端部における円錐形部分、第1の端部と第2の端部との間に配置される第1のフィルタ、ならびに第1のフィルタと流体連通して第1の部分を通って延在している管腔を含む第1の部分を含む。さらに、チャンバ組立体は、第1および第2の端部、第1の端部に配置される第2の継手、第2の端部に配置され、かつ第1の部分の円錐形部分を受け入れるための開口、第1の端部と第2の端部との間に配置される第2のフィルタ、ならびに第2のフィルタと流体連通して第2の部分を通って延在している管腔を含む第2の部分を含む。第1の部分と第2の部分とが係合されると、第1のフィルタと第2のフィルタとの間にチャンバが形成される。チャンバは、第1および第2の部分のそれぞれの第1の端部と流体連通している。
【0070】
第3の実施形態において、誘電体粉末の形成方法は、沈殿した前駆体粉末をチャンバ組立体のチャンバに入れる工程を含む。チャンバ組立体は、第1および第2の端部、第1の端部に配置される第1の継手、第2の端部における円錐形部分、第1の端部と第2の端部との間に配置される第1のフィルタ、ならびに第1のフィルタと流体連通して第1の部分を通って延在している管腔を含む第1の部分を含む。チャンバ組立体は、第1および第2の端部、第1の端部に配置される第2の継手、第2の端部に配置され、かつ第1の部分の円錐形部分を受け入れるための開口、第1の端部と第2の端部との間に配置される第2のフィルタ、ならびに第2のフィルタと流体連通して第2の部分を通って延在している管腔を含む第2の部分も含む。第1の部分と第2の部分とが係合されると、第1のフィルタと第2のフィルタとの間にチャンバが形成される。チャンバは、第1および第2の部分のそれぞれの第1の端部と流体連通している。本方法は、沈殿した前駆体粉末を焼成温度まで加熱する工程をさらに含む。
【0071】
第3の実施形態の一例では、本方法は、チャンバ組立体を加熱しながら回転させる工程をさらに含む。回転させる工程は、少なくとも毎分1回転かつ毎分120回転以下の速度で回転させる工程を含み得る。
【0072】
別の例では、本方法は、チャンバを通して空気を注入する工程をさらに含む。空気を注入する工程は、交互の方向に注入する工程を含み得る。例えば、空気注入の方向は、少なくとも10秒の間隔で変化し得る。一例では、間隔は60秒以下である。
【0073】
第4の実施形態において、誘電体粉末の形成方法は、共沈した前駆体粉末を、第1および第2のポートを有するチャンバに入れる工程と、チャンバを炉に入れる工程と、沈殿した前駆体粉末を加熱する工程と、第1および第2のポートを介してガスを交互に注入する工程とを含む。
【0074】
第4の実施形態の一例では、第1および第2のポートを介して空気を交互に注入する工程は、ある間隔で、第1のポートにガスを注入し、第2のポートからガスを受け入れる工程と、その後、第2のポートにガスを注入し、第1のポートからガスを受け入れる工程とを含む。例えば、間隔は少なくとも5秒である。一例では、間隔は60秒以下である。
【0075】
別の例では、共沈した前駆体は、オキサレート−水酸化物微粒子を含む。特定の例では、加熱する工程は、1000℃〜1100℃の範囲の温度まで加熱する工程を含む。
【0076】
第5の実施形態において、誘電セラミック微粒子が、立方晶ペロブスカイト構造を有する組成変性チタン酸バリウムを含む。誘電セラミック微粒子は、−20℃〜55℃の温度範囲内の各温度で少なくとも65,000の比誘電率を有する。第5の実施形態の一例では、誘電セラミック微粒子は、少なくとも1MV/cmの絶縁破壊電圧を有する。
【0077】
第5の実施形態の別の例では、組成変性チタン酸バリウムは、カルシウム、ネオジム、ランタン、またはそれらの組合せで少なくとも部分的に置換されたバリウムと、ジルコニウム、イットリウム、マンガン、スズ、亜鉛、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、ハフニウム、クロム、またはそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つで少なくとも部分的に置換されたチタンとを含む。
【0078】
全般的な説明または実施例で上述した作業の全てが必要というわけではないこと、所定の作業の一部が不要であり得ること、および上述した作業に加えて1つ以上のさらなる作業が行われ得ることに留意されたい。さらにまた、作業が列挙される順序は、必ずしも作業が行われる順序であるとは限らない。
【0079】
上記の明細書において、概念を特定の実施形態を参照して説明してきた。しかしながら、当業者は、以下の特許請求の範囲に記載の本発明の範囲から逸脱せずに様々な変更および変形を行うことができることを理解する。したがって、本明細書および図は、限定の意味ではなく例示の意味で考えられるべきであり、全てのこのような変更は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0080】
本明細書において使用される際の用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」またはそれらの任意の他の活用形は、非限定的な包含を含めることが意図される。例えば、特徴の列挙を含むプロセス、方法、物品、または装置は、必ずしもそれらの特徴のみに限定されるわけではなく、明示的に列挙されていないかあるいはこのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有の他の特徴を含み得る。さらに、相反する明示的な記載がない限り、「または」は、排他的な「または」ではなく包括的な「または」を指す。例えば、条件AまたはBは、以下のうちの1つによって満たされる:Aが真であり(または存在する)かつBが偽である(または存在しない)、Aが偽であり(または存在しない)かつBが真である(または存在する)、AおよびBの両方とも真である(または存在する)。
【0081】
また、単数形(「a」または「an」)の使用が、本明細書に記載の要素および構成要素を説明するのに用いられる。これは、便宜上行われるに過ぎず、本発明の範囲の一般的な意味を与えるものである。この説明は、1つまたは少なくとも1つを含むものと読まれるべきであり、単数形はまた、複数でないことを意味することが明らかでない限り、複数形を含む。
【0082】
利益、他の利点、および課題に対する解決策を特定の実施形態に関して上述した。しかしながら、利益、利点、課題に対する解決策、ならびに何らかの利益、利点、または解決策を想到させるか、またはそれらをより顕著にする何らかの特徴は、請求項のいずれかまたは全ての重要な特徴、必要な特徴、または本質的な特徴と解釈されるべきではない。
【0083】
本明細書を読んだ後、当業者には、分かりやすくするために、別個の実施形態の文脈で本明細書に記載される特定の特徴が、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが理解されよう。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で記載される様々な特徴が、別個に提供されるかまたは任意の副次的な組合せで提供されてもよい。さらに、範囲で記載される値への言及は、その範囲内のあらゆる値を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の部分であって、第1および第2の端部、前記第1の端部に配置された第1の継手、前記第2の端部における円錐形部分、前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置された第1のフィルタ、ならびに前記第1のフィルタと流体連通して前記第1の部分を通って延在している管腔を含む第1の部分と;
第2の部分であって、第1および第2の端部、前記第1の端部に配置された第2の継手、前記第2の端部に配置され、かつ前記第1の部分の前記円錐形部分を受け入れるための開口、前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置された第2のフィルタ、ならびに前記第2のフィルタと流体連通して前記第2の部分を通って延在している管腔を含む第2の部分と
を含む炉組立体であって;
前記第1の部分と前記第2の部分とが係合されると、前記第1のフィルタと前記第2のフィルタとの間にチャンバが形成され、前記チャンバが、前記第1および第2の部分の前記それぞれの第1の端部と流体連通している、
炉組立体。
【請求項2】
前記第1および第2の部分が石英ガラスで形成されている、請求項1に記載の炉組立体。
【請求項3】
前記第1および第2の継手が玉継手を含む、請求項1に記載の炉組立体。
【請求項4】
中空部分が炉中を通って延在している炉と;
チャンバ組立体と
を含む炉組立体であって、前記チャンバ組立体が:
第1の部分であって、第1および第2の端部、前記第1の端部に配置された第1の継手、前記第2の端部における円錐形部分、前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置された第1のフィルタ、ならびに前記第1のフィルタと流体連通して前記第1の部分を通って延在している管腔を含む第1の部分と;
第2の部分であって、第1および第2の端部、前記第1の端部に配置された第2の継手、前記第2の端部に配置され、かつ前記第1の部分の前記円錐形部分を受け入れるための開口、前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置された第2のフィルタ、ならびに前記第2のフィルタと流体連通して前記第2の部分を通って延在している管腔を含む第2の部分と
を含み;
前記第1の部分と前記第2の部分とが係合されると、前記第1のフィルタと前記第2のフィルタとの間にチャンバが形成され、前記チャンバが、前記第1および第2の部分の前記それぞれの第1の端部と流体連通している、
炉組立体。
【請求項5】
誘電体粉末の形成方法であって、
沈殿した前駆体粉末をチャンバ組立体のチャンバに入れる工程であって、前記チャンバ組立体が:
第1の部分であって、第1および第2の端部、前記第1の端部に配置された第1の継手、前記第2の端部における円錐形部分、前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置された第1のフィルタ、ならびに前記第1のフィルタと流体連通して前記第1の部分を通って延在している管腔を含む第1の部分と;
第2の部分であって、第1および第2の端部、前記第1の端部に配置された第2の継手、前記第2の端部に配置され、かつ前記第1の部分の前記円錐形部分を受け入れるための開口、前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置された第2のフィルタ、ならびに前記第2のフィルタと流体連通して前記第2の部分を通って延在している管腔を含む第2の部分と
を含み;
前記第1の部分と前記第2の部分とが係合されると、前記第1のフィルタと前記第2のフィルタとの間に前記チャンバが形成され、前記チャンバが、前記第1および第2の部分の前記それぞれの第1の端部と流体連通している、工程と、
前記沈殿した前駆体粉末を焼成温度まで加熱する工程と
を含む方法。
【請求項6】
前記チャンバ組立体を加熱しながら回転させる工程をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
回転させる工程が、少なくとも毎分1回転かつ毎分120回転以下の速度で回転させる工程を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記チャンバを通して空気を注入する工程をさらに含む、請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
空気を注入する工程が、交互の方向に注入する工程を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記空気注入の方向が、少なくとも10秒の間隔で変化する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記間隔が60秒以下である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
誘電体粉末の形成方法であって、
共沈した前駆体粉末を、第1および第2のポートを有するチャンバに入れる工程と;
前記チャンバを炉に入れる工程と;
前記沈殿した前駆体粉末を加熱する工程と;
前記第1および第2のポートを介してガスを交互に注入する工程と
を含む方法。
【請求項13】
前記第1および第2のポートを介して空気を交互に注入する工程が、ある間隔で、前記第1のポートにガスを注入し、前記第2のポートからガスを受け入れる工程と、次いで、前記第2のポートにガスを注入し、前記第1のポートからガスを受け入れる工程とを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記間隔が少なくとも5秒である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記間隔が60秒以下である、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記共沈した前駆体がオキサレート−水酸化物微粒子を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
加熱する工程が、1000℃〜1100℃の範囲の温度に加熱する工程を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
立方晶ペロブスカイト構造を有する組成変性チタン酸バリウムを含む誘電セラミック微粒子であって、−20℃〜55℃の温度範囲内の各温度で少なくとも65,000の比誘電率を有する誘電セラミック微粒子。
【請求項19】
少なくとも1MV/cmの絶縁破壊電圧を有する、請求項18に記載の誘電セラミック微粒子。
【請求項20】
前記組成変性チタン酸バリウムが、カルシウム、ネオジム、ランタン、またはそれらの組合せで少なくとも部分的に置換されたバリウムと、ジルコニウム、イットリウム、マンガン、スズ、亜鉛、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、ハフニウム、クロム、またはそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つで少なくとも部分的に置換されたチタンとを含む、請求項18または19に記載の誘電セラミック微粒子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−531573(P2012−531573A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517778(P2012−517778)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2010/040020
【国際公開番号】WO2010/151786
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(508267956)イーストー,インコーポレイティド (8)
【Fターム(参考)】