説明

研磨パッド

【課題】製造時の歩留を向上させ被研磨物の平坦性を確保することができる研磨パッドを提供する。
【解決手段】研磨パッド10は、被研磨物を研磨加工するための研磨面Pを有するウレタンシート2を備えている。ウレタンシート2は、湿式成膜法によりポリウレタン樹脂で形成されている。ウレタンシート2は、研磨面P側に、湿式成膜時に厚み数μmにわたり緻密な微多孔が形成されたスキン層2aを有している。スキン層2aの表面には、湿式成膜時に生じたスポット状の凸部ないし局所的な硬質化部の不均質な欠点が除去されている。欠点が除去された箇所の合計の面積は、研磨面Pの全面積に対して0.2%以下である。スキン層2aの表面皮膜の欠点が除去された箇所が凹状になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は研磨パッドに係り、特に、湿式成膜法により作製され表面層を有する樹脂製シートを備えた研磨パッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レンズ、平行平面板、反射ミラー等の光学材料、磁気ディスク用基板、半導体ウエハ、液晶ガラス等、高精度に平坦性が要求される材料(被研磨物)の研磨加工では、平坦性の向上を図るために一度研磨加工(一次研磨)した後に仕上げ研磨加工(二次研磨)が行われている。
【0003】
一般に、磁気ディスク用基板の仕上げ研磨加工では、湿式成膜法により作製され微多孔が形成された表面層(スキン層)を有する樹脂製シートを備えた研磨パッドが用いられている。湿式成膜法では、水混和性の有機溶媒に樹脂を溶解させ得られた樹脂溶液を成膜基材に塗布する。成膜基材に塗布された樹脂溶液を水系凝固液中に浸漬することでシート状の樹脂を凝固再生させる。凝固再生に伴い樹脂製シートの一面側にはスキン層を構成する微多孔が厚さ数μm程度にわたり緻密に形成され、スキン層より内側には多数のセルが連続状に形成される。
【0004】
微多孔が緻密に形成されたスキン層の表面は、平坦性に優れているため、研磨加工、とりわけ仕上げ加工で被研磨物の表面の平坦性を向上させることが期待できる。このため、湿式成膜法で得られたスキン層を有する樹脂製シートが仕上げ加工用の研磨パッドに広く用いられている。例えば、スキン層を有する樹脂製シートを用いた研磨パッドの技術が開示されている(特許文献1参照)。この技術では、スキン層の表面を被研磨物の表面に研磨粒子(砥粒)を含む研磨液(スラリ)を介して接触させ研磨加工が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−62704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、湿式成膜法により作製されスキン層を有する樹脂製シートを備えた研磨パッドでは、スキン層表面に欠点があると研磨パッドとして製品化することが難しくなる。すなわち、欠点が生じた研磨パッドは、通常、製造時の検査工程で不良品として排除される。また、生産効率の点から研磨装置も大型化してきており、用いられる研磨パッドも大きくなってきている。このため、研磨パッドのスキン層表面に微小な欠点が1箇所でもあると、研磨パッドの製造における歩留を大幅に低下させることとなる。スキン層表面の欠点としては、樹脂溶液作製時に生じた溶解不十分な樹脂分や樹脂溶液中の分散不十分な凝集物がシート内に包含されて生じるもの、水系凝固液中に混入した浮遊物が付着して生じるもの、水系凝固液中への浸漬前に雰囲気中の浮遊物が樹脂溶液の表面に付着することや、樹脂溶液から水系凝固液中に溶出した界面活性剤等で水系凝固液との接触が妨げられる、いわゆる、はじき現象により凝固再生が不均等となり生じるもの等を挙げることができる。換言すれば、これらの欠点は、スキン層の凝固再生が不均一となり生じる不均質な部分であり、通常、スキン層表面から突出したスポット状の凸部や局所的に硬度が高くなる硬質化部を形成する。このため、欠点の生じたシートがそのまま製品化されてしまうと、被研磨物(ワーク)に対するキズ発生の要因となり、被研磨物の歩留低下につながるので、研磨パッド、とりわけ、仕上げ研磨用の研磨パッドとしては低品質なものとなる。従って、スキン層表面に欠点が生じた場合は、研磨パッド製造における製造歩留を低下させるばかりではなく、研磨加工における製品歩留も低下させることとなる。
【0007】
本発明は上記事案に鑑み、製造時の歩留を向上させ被研磨物の平坦性を確保することができる研磨パッドを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、湿式成膜法により作製され表面層を有する樹脂製シートを備えた研磨パッドにおいて、前記シートは、湿式成膜時の凝固不均一により生じ前記表面層の表面皮膜から突出したスポット状の凸部ないし硬質化部が除去されており、前記凸部ないし硬質化部が除去された箇所の合計の面積が前記表面層の表面の全面積に対して0.2%以下であることを特徴とする。
【0009】
本発明では、樹脂製シートが湿式成膜時の凝固不均一により生じ表面層の表面皮膜から突出したスポット状の凸部ないし硬質化部が除去されており、その除去された箇所の合計の面積が表面層の表面の全面積に対して0.2%以下のため、研磨加工に使用可能となることから、樹脂製シートの歩留を向上させることができ、被研磨物に対するキズ発生を抑制し平坦性を確保することができる。
【0010】
この場合において、凸部ないし硬質化部を局所的な研削処理または打ち抜き処理により除去するようにすれば、検査時に容易に欠点を除去することができる。凸部ないし硬質化部が除去された箇所が表面層の表面に対して凹状であることが好ましい。また、シートをポリウレタン樹脂製とすれば、湿式成膜法により表面層を有するシートを作製することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、樹脂製シートが湿式成膜時の凝固不均一により生じ表面層の表面皮膜から突出したスポット状の凸部ないし硬質化部が除去されており、その除去された箇所の合計の面積が表面層の表面の全面積に対して0.2%以下のため、研磨加工に使用可能となることから、樹脂製シートの歩留を向上させることができ、被研磨物に対するキズ発生を抑制し平坦性を確保することができる、という効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明を適用した実施形態の研磨パッドを模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明を適用した研磨パッドの実施の形態について説明する。
【0014】
(構成)
図1に示すように、本実施形態の研磨パッド10は、被研磨物を研磨加工するための研磨面Pを有する樹脂製シートとしてのウレタンシート2を備えている。
【0015】
ウレタンシート2は、湿式成膜法によりポリウレタン樹脂でシート状に形成されている。ウレタンシート2は、研磨面P側に、湿式成膜時に厚み数μmにわたり緻密な微多孔が形成され表面皮膜を有するスキン層(表面層)2aを有している。ウレタンシート2のスキン層2aより内部側には、厚み方向に沿って丸みを帯びた断面三角状のセル3が略均等に分散した状態で形成されている。セル3は、研磨面P側の孔径が研磨面Pと反対の面側より小さく形成されている。すなわち、セル3は研磨面P側で縮径されている。セル3の間のポリウレタン樹脂中には、セル3より小さい孔径の図示しない発泡が形成されている。ウレタンシート2のセル3および図示しない発泡は、不図示の連通孔で網目状に連通されている。すなわち、ウレタンシート2は連続状の発泡構造を有している。
【0016】
表面皮膜を有するスキン層2aの表面、つまり研磨面Pには、湿式成膜時に生じた欠点が除去されている。湿式成膜時には、凝固再生の不均一により研磨面Pから突出したスポット状の凸部ないし局所的な硬質化部、つまり不均質な欠点が形成されることがある。凸部が周りの研磨面Pより硬質化していることもある。研磨パッド10では、この凸部ないし硬質化部が除去された箇所が、研磨面Pに対して凹状となる。欠点が除去された箇所の大きさは、研磨加工に影響を及ぼさない大きさに制限される。すなわち、欠点の除去箇所の大きさは、研磨機に形成されたスラリホールの大きさより小さいものに限られる。一般的なスラリホールの大きさが直径10mm程度であることから、微小な欠点の1箇所あたりの除去面積がおよそ78.5mmより小さくなる。また、凸部ないし硬質化部の除去された箇所の合計の面積は、研磨面Pの全面積に対して0.2%以下である。
【0017】
また、研磨パッド10は、ウレタンシート2の研磨面Pと反対側の面に、研磨機に研磨パッド10を装着するための両面テープ7が支持材(不図示)を介して貼り合わされている。両面テープ7は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する。)製フィルム等の可撓性フィルムの基材(不図示)を有しており、基材の両面にアクリル系粘着剤等の粘着剤層が形成されている。また、支持材にはPET等のフィルムが用いられており、両面テープ7と同様の粘着剤でウレタンシート2と貼り合わされている。両面テープ7は、基材の一面側の粘着剤層で支持材と貼り合わされており、他面側の粘着剤層が剥離紙8で覆われている。
【0018】
(製造)
研磨パッド10は、湿式成膜法により作製されたウレタンシート2と支持材・両面テープ7とを貼り合わせることで製造される。ウレタンシート2は、ポリウレタン樹脂を溶解させた樹脂溶液を準備する準備工程、樹脂溶液を成膜基材に連続的に塗布し水系凝固液中でポリウレタン樹脂をシート状に凝固再生させる凝固再生工程、凝固再生したポリウレタン樹脂を洗浄・乾燥させる洗浄・乾燥工程、表面皮膜を有するスキン層2aの表面に生じた微小な欠点(凸部ないし硬質化部)を除去する欠点除去工程を経て作製される。以下、工程順に説明する。
【0019】
準備工程では、ポリウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂を溶解可能な水混和性の有機溶媒のN、N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記する。)および添加剤を混合してポリウレタン樹脂を溶解させる。ポリウレタン樹脂には、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系等の樹脂から選択して用い、例えば、ポリウレタン樹脂が30重量%となるようにDMFに溶解させる。添加剤としては、セル3の大きさや数量(個数)を制御するため、カーボンブラック等の顔料、気孔形成を促進させる親水性活性剤およびポリウレタン樹脂の凝固再生を安定化させる疎水性活性剤等を用いることができる。得られた溶液を減圧下で脱泡してウレタン樹脂溶液を得る。
【0020】
塗布工程では、準備工程で調製されたウレタン樹脂溶液を常温下でナイフコータ等の塗布装置により帯状の成膜基材に略均一に塗布する。このとき、ナイフコータと成膜基材との間隙を調整することで、ウレタン樹脂溶液の塗布厚み(塗布量)を調整する。成膜基材には、可撓性フィルム、不織布、織布等を用いることができるが、本例では、液体の浸透性を有していないPET製フィルムを用いる。
【0021】
凝固再生工程では、塗布工程で成膜基材に塗布されたウレタン樹脂溶液を、ポリウレタン樹脂に対して貧溶媒である水を主成分とする凝固液(水系凝固液)に案内し浸漬する。凝固液中では、まず、塗布されたウレタン樹脂溶液の表面側に表面皮膜を有するスキン層2aが厚さ数μm程度にわたり形成される。その後、ウレタン樹脂溶液中のDMFと凝固液との置換の進行によりポリウレタン樹脂が成膜基材にシート状に凝固再生する。DMFがウレタン樹脂溶液から脱溶媒し、DMFと凝固液とが置換することにより、スキン層2aより内部側(ポリウレタン樹脂中)にセル3および図示しない発泡が形成され、セル3および図示しない発泡を網目状に連通する不図示の連通孔が形成される。このとき、成膜基材のPET製フィルムが水を浸透させないため、ウレタン樹脂溶液の表面側(表面皮膜を有するスキン層2a側)で脱溶媒が生じて成膜基材側が表面皮膜側より大きなセル3が形成される。
【0022】
洗浄・乾燥工程では、凝固再生工程で凝固再生したシート状のポリウレタン樹脂(以下、成膜樹脂という。)を成膜基材から剥離し、水等の洗浄液中で洗浄して成膜樹脂中に残留するDMFを除去する。洗浄後、成膜樹脂をシリンダ乾燥機で乾燥させる。シリンダ乾燥機は内部に熱源を有するシリンダを備えている。成膜樹脂がシリンダの周面に沿って通過することで乾燥し、ウレタンシート2が得られる。得られたウレタンシート2をロール状に巻き取る。
【0023】
洗浄・乾燥工程で得られたウレタンシート2の研磨面Pと反対の面側に、支持材を貼り合わせた後、両面テープ7を一面側の粘着剤層で貼り合わせる。貼り合わせ後、円形等の所望の形状に裁断する。
【0024】
欠点除去工程では、裁断後のウレタンシート2を検査し、スキン層2aの表面に欠点が生じていたときは、当該欠点を除去する。表面の欠点としては、例えば、準備工程で得られたウレタン樹脂溶液に溶解不十分なゲル状の樹脂が残存しているときや、ウレタン樹脂溶液に添加した添加剤が分散不十分で凝集物が形成されているときに、凝固再生時に緻密な微多孔の形成が阻害されて生じる欠点、凝固再生工程における水系凝固液中に混入した浮遊物が凝固再生中の樹脂表面に付着して生じる欠点、等が挙げられる。これらの欠点では、多くがスキン層表面における当該欠点の周囲の部分より硬質化して形成される。また、塗布工程で成膜基材に塗布した後、凝固再生工程で水系凝固液中に浸漬されるまでの間に雰囲気中の浮遊物がウレタン樹脂溶液の表面に付着したり、樹脂溶液から水系凝固液中に溶出した界面活性剤等が凝固再生に作用したりすると、凝固再生工程で樹脂溶液の表面と水系凝固液との接触が妨げられる、いわゆる、はじき現象が生じる。このはじき現象が生じると、DMFと凝固液との置換が局所的に阻害されて緻密な微多孔が形成されなくなり、部分的に硬質化した欠点を生じる結果となる。
【0025】
欠点を除去する方法としては、局所的な研削処理または打ち抜き処理を行う。スキン層2aの表面では、欠点が除去された箇所が凹状となる。研削処理では、欠点の生じた部分の表面をヤスリのような治具で削り取る。また、打ち抜き処理では、例えば、円形状のポンチで欠点の生じた部分を打ち抜き除去する。欠点が多くなり、スキン層2aの表面全面に及ぶと、欠点を除去してもその除去面積が大きくなるため、研磨圧や均一性に大きな影響を及ぼすこととなる。このため、欠点の除去された箇所の合計の面積が研磨面Pの全面積に対して0.2%以下のものを良品とし、研磨パッド10を完成させる。
【0026】
得られた研磨パッド10で被研磨物の研磨加工を行うときは、例えば、両面研磨機の対向配置された2つの定盤にそれぞれ研磨パッド10を装着する。研磨パッド10の装着時には、剥離紙8を取り除き露出した両面テープ7の粘着剤層で貼付する。2つの定盤に貼付された研磨パッド10では、いずれも研磨面Pが略平坦となる。被研磨物は、2枚の研磨パッド10の研磨面Pに挟まれて両面が同時に研磨加工される。このとき、被研磨物には研磨圧がかけられ、研磨粒子を含む研磨液(スラリ)が供給される。
【0027】
(作用)
次に、本実施形態の研磨パッド10の作用等について説明する。
【0028】
本実施形態では、湿式成膜時にスキン層2aの表面に欠点が生じても欠点除去工程で除去されウレタンシート2が作製されている。このため、スキン層2aの表面では、スポット状に形成された凸部ないし硬質化部、つまり欠点(不均質部分)が除去されることで凹状になるため、研磨加工時に被研磨物に不均質部分が接触することが回避される。これにより、被研磨物に対するキズ発生が抑制されるので、被研磨物の平坦性向上を図ることができ、研磨加工における被研磨物の歩留を向上させることができる。このような研磨パッド10では、被研磨物の高精度な平坦性や製品化率の向上が要求される仕上げ研磨加工に好適に使用することができる。
【0029】
また、本実施形態では、欠点が除去された箇所の全体の面積がスキン層2aの表面の全面積に対して0.1%以下のウレタンシート2が用いられている。通常、研磨加工時には、砥粒を含む研磨液(スラリ)が供給されるが、このスラリ供給のために研磨パッドにはスラリホール(貫通孔)が形成されている。このスラリホールは、例えば、内径235mm、外径635mmのドーナツ状の研磨パッドが用いられる場合(スピードファム社製、型番9B−5Pの研磨機の上定盤の場合)、直径6mmのスラリホールが18箇所に形成されている。このため、スラリホールの面積が研磨パッドの表面の全面積に対しておよそ0.2%となる。ウレタンシート2では、欠点が除去された箇所の面積割合が0.2%以下のため、スラリホールの面積割合より小さいことから、被研磨物に影響を及ぼすことなく研磨加工を行うことができる。これにより、被研磨物の平坦性を確保し、研磨加工の効率を向上させることができる。また、欠点が除去された凹状部分では、水やスラリを貯液する貯液孔の役割を果たす。このため、研磨加工前に表面平滑化のために行うドレス処理の抵抗を軽減しドレス処理を一層均一化することができ、研磨加工時にはスラリの貯液により研磨抵抗(摩擦)を低減する効果を得ることができる。
【0030】
更に、本実施形態では、欠点除去工程でスキン層2aの表面に生じた欠点が除去されるため、従来欠点が生じたウレタンシートが全て不良品として排除されたことと比べて、特に大口径の研磨パッドにおいて、ウレタンシート2の製造歩留を向上させることができる。これにより、研磨パッド10の歩留も向上するため、研磨パッドの製造における低コスト化、高効率化を図ることができる。
【0031】
また更に、本実施形態では、局所的な研削やパンチング等の簡便な方法で欠点が除去される。このため、欠点を除去した箇所を微小な範囲に制限することができる。これにより、研磨加工時に被研磨物に対する影響を低減し、研磨性能を確保することができる。
【0032】
なお、本実施形態では、スキン層2aの表面に欠点を除去した箇所が残される例を示したが、欠点が生じていなければ欠点を除去する作業を要しないことはいうまでもない。また、本実施形態では、欠点を除去する方法として、局所的な研削やパンチングを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。欠点除去後に残される凹状の箇所を微小範囲に制限することができる方法であれば、いかなる方法を採用してもよい。
【0033】
また、本実施形態では、研磨パッド10がポリウレタン樹脂製のウレタンシート2を備える例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。ポリウレタン樹脂に代えて、例えば、ポリエチレン等の樹脂を用いた研磨パッドにも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は製造時の歩留を向上させ被研磨物の平坦性を確保することができる研磨パッドを提供するものであるため、研磨パッドの製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0035】
2 ウレタンシート(樹脂製シート)
2a スキン層(表面層)
3 セル
10 研磨パッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湿式成膜法により作製され表面層を有する樹脂製シートを備えた研磨パッドにおいて、前記シートは、湿式成膜時の凝固不均一により生じ前記表面層の表面皮膜から突出したスポット状の凸部ないし硬質化部が除去されており、前記凸部ないし硬質化部が除去された箇所の合計の面積が前記表面層の表面の全面積に対して0.2%以下であることを特徴とする研磨パッド。
【請求項2】
前記凸部ないし硬質化部は、局所的な研削処理または打ち抜き処理により除去されたことを特徴とする請求項1に記載の研磨パッド。
【請求項3】
前記凸部ないし硬質化部が除去された箇所は、前記表面層の表面に対して凹状であることを特徴とする請求項2に記載の研磨パッド。
【請求項4】
前記シートは、ポリウレタン樹脂製であることを特徴とする請求項1に記載の研磨パッド。

【図1】
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【公開番号】特開2010−201590(P2010−201590A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−51908(P2009−51908)
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(000005359)富士紡ホールディングス株式会社 (180)
【Fターム(参考)】