説明

硬化性樹脂組成物および硬化性フィルムおよびフィルム

【課題】
硬化性フィルムにした際にタック性が無く、低誘電率、低誘電正接で、耐熱性に優れた硬化物を与える硬化性樹脂組成物、および該樹脂組成物を用いた硬化性フィルム、およびこれを硬化してなるフィルムを提供する。
【解決手段】
2官能性ポリフェニレンエーテルオリゴマーの末端をビニル基に変換したビニル化合物と重量平均分子量が10000以上の高分子量体を必須成分として含有する硬化性樹脂組成物および該樹脂組成物を用いた硬化性フィルム、およびこれを硬化してなるフィルム。
なし

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化性フィルムにした際にべたつき(タック性)がなく作業性が良好で、低誘電特性、耐熱性に優れる硬化性樹脂組成物に関するものであり、該樹脂組成物を用いた硬化性フィルム、該硬化性フィルムを硬化させたフィルムに関する。本発明の硬化性フィルムやフィルムは、高周波用途などの電気絶縁材料として好適に使用される。
【背景技術】
【0002】
近年、PHS、携帯電話等の情報通信機器の信号帯域、コンピューターのCPUクロックタイムはGHz帯に達し、高周波数化が進行している。電気信号の誘電損失は、回路を形成する絶縁体の比誘電率の平方根、誘電正接及び使用される信号の周波数の積に比例する。そのため、使用される信号の周波数が高くなるほど誘電損失が大きくなる。誘電損失は電気信号を減衰させて信号の信頼性を損なうので、これを抑制するために絶縁体には誘電率及び誘電正接の小さな材料を選定する必要がある。これらの材料としては、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂等が提案されている。しかしながら、これらの樹脂は、低誘電特性には優れるが、耐薬品性や成形性に問題があるものが多く、電気絶縁材料用としてフィルム化した場合、例えば、ポリフェニレンエーテルでは、屈曲性の問題があり(例えば特許文献1参照)、ジビニルベンゼン等の低分子量スチレン化合物では、フィルム化した際にべたつきが残り易く、得られる硬化物は脆すぎるなどの問題があった。(例えば特許文献2参照)また本発明者等は、低誘電特性の要求に応えるべく、2官能性ポリフェニレンエーテルオリゴマーのビニル化合物誘導体を開発してきた(例えば特許文献3参照)が、これら誘導体は、低誘電特性には優れるものの、フィルム化した場合は、割れが発生し易く、改善が必要であった。
【0003】
【特許文献1】特開平7-188362号公報
【特許文献2】特開2002-249531号公報
【特許文献3】特開2004-059644号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、硬化性フィルムにした際にタック性が無く、低誘電率、低誘電正接で、耐熱性に優れた硬化物を与える硬化性樹脂組成物、およびこれを用いた硬化性フィルム、およびこれを硬化してなるフィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、上記課題を達成するために鋭意検討を重ねた結果、ポリフェニレンエーテル骨格の優れた誘電特性、耐熱性を引き継いだ、特定の構造の2官能性フェニレンエーテルオリゴマーの末端ビニル化合物に、重量平均分子量10000以上の高分子量体を配合した樹脂組成物を使用することで、硬化物が低誘電率、低誘電正接であり、且つタック性のない硬化性フィルムが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は一般式(1)で表されるビニル化合物と重量平均分子量が10000以上の高分子量体を必須成分として含有する硬化性樹脂組成物であり、該硬化性樹脂組成物をフィルム状に加工した硬化性フィルム、さらには該硬化性フィルムを硬化させたフィルムである。
【0006】
【化6】

【0007】
【化7】

【0008】
【化8】

(式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基またはフェニル基である。-(O-X-O)-は、一般式(2)または一般式(3)で定義される1種類の構造、または2種類以上の構造からなる。R8,R9,R10,R14,R15,R16,R17,R22,R23は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R11,R12,R13,R18,R19,R20,R21は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。Aは、炭素数20以下の直鎖状あるいは、分岐状あるいは、環状炭化水素である。-(Y-O)-は、一般式(4)で定義される1種類の構造、または一般式(4)で定義される2種類以上の構造がランダムに配列したものである。R24,R25は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R26,R27は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。Zは、炭素数1以上の有機基であり、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子を含むこともある。a,bは、少なくともいずれか一方が0でない、0〜30の整数を示す。c,dは、0または1の整数を示す。)
【発明の効果】
【0009】
本発明の硬化性樹脂組成物を使用することにより、タック性のない硬化性フィルムや塗膜が得られ、それを硬化させたフィルムは低誘電特性、高耐熱性を有することから、高周波用電気部品の絶縁材料、半導体用絶縁材料、ビルドアップ配線板材料、コーティング材料、塗料、接着剤、コンデンサー用フィルム等への応用が期待され、その工業上の意義は極めて大きいものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の硬化性樹脂組成物に使用される一般式(1)で表されるビニル化合物とは、一般式(1)において、式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基またはフェニル基であり、-(O-X-O)-は、一般式(2) または一般式(3)で定義される1種類の構造、または2種類以上の構造からなり、R8,R9,R10,R14,R15,R16,R17,
R22,R23は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基であり、R11,R12,R13,R18,R19,R20,R21は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基であり、Aは、炭素数20以下の直鎖状あるいは、分岐状あるいは、環状炭化水素であり、-(Y-O)-は、一般式(4)で定義される1種類の構造、または一般式(4)で定義される2種類以上の構造がランダムに配列したものであり、R24,R25は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基であり、R26,R27は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基であり、Zは、炭素数1以上の有機基であり、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子を含むこともあり、a,bは、少なくともいずれか一方が0でない、0〜30の整数を示し、c,dは、0または1の整数を示すビニル化合物であれば、特に限定されない。これらのビニル化合物なかで、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7は水素原子であり、R8,R9,R10,R14,R15,R16,R17,R22,R23は炭素数3以下のアルキル基であり、R11,R12,R13,R18,R19,R20,R21は水素原子または炭素数3以下のアルキル基であり、Zはメチレン基であり、c、dは1であるビニル化合物が好ましく、特に一般式(2)または一般式(3)で表される-(O-X-O)-が一般式(5)または一般式(6)であり、一般式(4)で表される-(Y-O)-が一般式(7)あるいは一般式(8)あるいは一般式(7)と一般式(8)がランダムに配列した構造を有するビニル化合物がより好ましい。
【0011】
【化9】

(式中、R18,R21は、水素原子またはメチル基である。Aは、炭素数20以下の直鎖状あるいは、分岐状あるいは、環状の炭化水素である)
【0012】
【化10】

【0013】
一般式(1)で示されるビニル化合物の数平均分子量は 500〜3,000の範囲が好ましい。数平均分子量が500未満では、硬化性フィルムにした際のタック性が起こり易く、また、3000を超えると、溶剤への溶解性が低下する。これらのビニル化合物の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、特開2004-59644、特開2004-67727、特願2003-110687に記載の方法などで製造することができる。
【0014】
本発明の硬化性樹脂組成物において、一般式(1)で表されるビニル化合物の配合量は特に制限されないが、配合量が少なくなると所望の低誘電特性、耐熱性、タック性、硬化性が得られなくなることから、好ましくは硬化性樹脂組成物中で5wt%〜95wt%であり、より好ましくは20wt%〜85wt%である。
【0015】
本発明の硬化性樹脂組成物に使用される重量平均分子量が10000以上の高分子量体は、一般式(1)で表されるビニル化合物の低誘電特性、耐熱性を損なうことなく、フィルム形成能を付与できることが望ましい。こうした高分子量体の具体的な例としては、スチレンブタジエン共重合体(SBR)、アクリロニトリルブタジエン共重合体等のブタジエン系熱可塑性エラストマー;スチレンブタジエンスチレン共重合体(SBS)、水添スチレンブタジエンスチレン共重合体、スチレンイソプレンスチレン共重合体(SIS)、水添スチレンイソプレンスチレン共重合体、水添スチレン(ブタジエン/イソプレン)スチレン共重合体等のスチレン系熱可塑性エラストマー;ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。これらの高分子量体は単独で用いても、二種類以上を併用してもよい。これらの高分子量体のなかで、スチレンブタジエンスチレン共重合体、水添スチレンブタジエンスチレン共重合体、スチレンイソプレンスチレン共重合体、水添スチレンイソプレンスチレン共重合体、水添スチレン(ブタジエン/イソプレン)スチレン共重合体等のスチレン系熱可塑性エラストマーが好ましく、特にスチレンイソプレンスチレン共重合体、水添スチレンブタジエンスチレン共重合体、水添スチレンイソプレンスチレン共重合体、水添スチレン(ブタジエン/イソプレン)スチレン共重合体が、より高い耐熱性が得られることから、さらに好ましい。
【0016】
スチレン系熱可塑性エラストマーを使用する場合、エラストマー中のスチレン含有量は特に制限はないが、より高い耐熱性を得ようとする場合は、好ましくは10〜70wt%であり、さらに好ましくは20〜50wt%である。また、スチレン系熱可塑性エラストマーの重量平均分子量は10000以上であれば特に制限はないが、大きすぎるとビニル化合物との混合が困難になることから、10000〜300000が好ましい。
【0017】
本発明の硬化性樹脂組成物において、一般式(1)で表されるビニル化合物と高分子量体の配合比は特に制限されないが、高分子量体の配合比が多くなると所望の耐熱性、硬化性が得られなくなり、少なくなるとフィルム形成能が低下することから、好ましくは一般式(1)で表されるビニル化合物:高分子量体の重量比が20:80〜95:5であり、より好ましくは30:70〜85:15である。
【0018】
本発明の硬化性樹脂組成物は、それ自体を加熱することにより硬化させることも可能であるが、硬化速度を速くして作業性、経済性などを改善する目的で熱硬化触媒を添加することができる。熱硬化触媒としては、ビニル基の重合を開始しうるカチオンまたはラジカル活性種を、熱または光によって生成するものが使用できる。例えば、カチオン重合開始剤としては、BF4、PF6、AsF6、SbF6を対アニオンとするジアリルヨードニウム塩、トリアリルスルホニウム塩および脂肪族スルホニウム塩などが挙げられ、旭電化工業製SP70、SP172、CP66、日本曹達製CI2855、CI2823、三新化学工業製SI100L、SI150L等の市販品を使用することができる。またラジカル重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチル等のベンゾイン系化合物、アセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン系化合物、チオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物、4,4’-ジアジドカルコン、2,6-ビス(4’-アジドベンザル)シクロヘキサノン、4,4’-ジアジドベンゾフェノン等のビスアジド化合物、アゾビスイソブチロニトリル、2,2-アゾビスプロパン、ヒドラゾン等のアゾ化合物、2,5-ジメチル-2.5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2.5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物等が挙げられる。これらの硬化触媒は単独または2種類以上を混合して用いることができる。
【0019】
本発明の硬化性樹脂組成物には、保存安定性を増すために重合禁止剤を添加することもできる。重合禁止剤は一般に公知のものが使用でき、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、p-ベンゾキノン、クロラニル、トリメチルキノン等のキノン類および芳香族ジオール類が挙げられる。これらは単独または2種類以上混合して用いることができる。
【0020】
本発明の硬化性樹脂組成物には、物性を調整するために、必要に応じて公知の難燃剤、充填剤、カップリング剤、熱硬化性樹脂、染料、顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、紫外線吸収剤等を添加することができる。
【0021】
難燃剤としては、公知のものが使用できる。例えば、臭素化エポキシ樹脂、臭素化ポリカーボネート、臭素化ポリスチレン、臭素化スチレン、臭素化フタルイミド、テトラブロモビスフェノールA、ペンタブロモベンジル(メタ)アクリレート、ペンタブロモトルエン、トリブロモフェノール、ヘキサブロモベンゼン、デカブロモジフェニルエーテル、塩素化ポリスチレン、塩素化パラフィン等のハロゲン系難燃剤、赤リン、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリキシルホスフェート、トリアルキルホスフェート、ジアルキルホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、ホスファゼン等のリン系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ほう酸亜鉛、三酸化アンチモン等の無機系難燃剤が挙げられる。これらの難燃剤は単独で用いても、二種類以上を併用してもよい。
【0022】
充填剤としては、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維等の繊維状充填剤、炭化ケイ素、窒化珪素、酸化マグネシウム、チタン酸カリウム、アルミノボレート等の無機系ウィスカー、ウオラストナイト、ゾノライト、フォスフェートファイバー、セピオライト等の無機系針状充填剤、粉砕シリカ、溶融シリカ、タルク、アルミナ、チタン酸バリウム、雲母、ガラスビーズ等の球状無機系充填剤、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン等を架橋させて得られる微粒子ポリマー等の有機系充填剤が挙げられる。これらは単独または2種類以上混合して用いることができる。
【0023】
カップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β(3、4エポキシシンクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、シリコーン系カップリング剤、フッ素系カップリング剤等が挙げられる。これらは単独または2種類以上混合して用いることができる。
【0024】
熱硬化性樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ、ビスフェノールF型エポキシ、フェノールノボラック型エポキシ、クレゾールノボラック型エポキシ、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ等のエポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、フェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類、スチレン、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のビニル化合物、ビスフェノールAジシアネート、テトラメチルビスフェノールFジシアネート、ビスフェノールMジシアネート、フェノールノボラックのシアネート化物等のシアネート樹脂、オキセタン樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ベンゾオキサジン樹脂等が挙げられる。これらは単独または2種類以上混合して用いることができる。
【0025】
次に、本発明の硬化性フィルムについて説明する。本発明の硬化性フィルムは、本発明の硬化性樹脂組成物をフィルム状に加工することで得られる。フィルム状に加工する方法としては、例えば、硬化性樹脂組成物を溶剤に溶解して、離型フィルム、銅箔等の導体箔に塗布し、乾燥する方法などによる。
【0026】
使用する溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジメチルエーテル、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられるが、これらに限定されることはない。また、これらの溶剤は単独もしくは2種以上を混合して使用することができる。
【0027】
溶剤を乾燥する際の乾燥条件は特に制限はないが、低温であると硬化性フィルムに溶剤が残り易く、高温であるとビニル化合物の硬化が進行することから、40℃〜150℃の温度で1〜90分間乾燥するのが好ましい。硬化性フィルムの厚みは樹脂組成物溶液の濃度と塗布厚みにより調整することができるが、塗布厚みが厚くなると乾燥時に溶剤が残り易くなることから、硬化性フィルムの厚さは0.1〜500μmが好ましい。
【0028】
本発明のフィルムは、本発明の硬化性フィルムを加熱硬化することにより得られる。硬化条件は、重合開始剤の使用の有無、他の熱硬化性樹脂の併用の有無によって異なるが、温度150〜250℃、0.5〜5時間硬化するのが好ましい。また、必要に応じて加圧することもできる。
【実施例】
【0029】
以下に、実施例および比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、測定方法は以下による。
1)数平均分子量及び重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により求めた。試料のGPC曲線と分子量校正曲線よりデータ処理を行った。分子量校正曲線は、標準ポリスチレンの分子量と溶出時間の関係を次の式に近似して得た。 LogM = A0X3+ A1X2 + A2X + A3 + A4/X2(ここでM:分子量、X:溶出時間−19(分)、A:係数である。)
2)水酸基当量は、2,6-ジメチルフェノールを標準物質とし、溶媒に乾燥ジクロロメタンを使用してIR分析(液セル法;セル長=1mm)を行い、3,600cm-1の吸収強度より求めた。
3)外観は、硬化性フィルムの外観を目視で観察し、割れの有無を確認した。(○:割れなし、×:割れ発生)
4)タック性は、25℃における硬化性フィルムのタック性の有無を、指で触って判定した。(○:べたつき無し、×:べたつき有り)
5)ガラス転移温度は、TMA引張り法により、荷重5g、チャック間10mm、昇温10℃/分で測定した。
6)誘電率、誘電正接は、空胴共振摂動法により10GHzでの値を測定した。
7)耐薬品性は、フィルムをトルエン中に25℃で24時間浸漬し、外観変化を観察した。(○:変化なし、×:溶解)
8)耐屈曲性は、フィルムを幅15mm長さ100mmの短冊状に切り出し、長軸方向に180°折り曲げ、折り目に底面が平らな直径70mmの円筒状の2kgの分銅を30秒間載せて、クラックの有無を観察した。(○:クラックなし、×:クラックあり)
【0030】
合成例1
(2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体の合成)
攪拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた12Lの縦長反応器にCuBr2 3.88g(17.4mmol)、N,N’-ジ-t-ブチルエチレンジアミン0.75g(4.4mmol)、n-ブチルジメチルアミン28.04g(277.6mmol)、トルエン 2,600gを仕込み、反応温度40℃にて攪拌を行い、あらかじめ2,300gのメタノールに溶解させた2,2’-,3,3’-,5,5’-ヘキサメチル-(1,1’-ビフェノール)-4,4’-ジオール 129.32g(0.48mol)、2,6-ジメチルフェノール292.19g(2.40mol)、N,N’-ジ-t-ブチルエチレンジアミン0.51g(2.9mmol)、n-ブチルジメチルアミン10.90g(108.0mmol)の混合溶液を、窒素と空気とを混合して酸素濃度8%に調整した混合ガスを5.2 L/minの流速でバブリングを行いながら230分かけて滴下し、攪拌を行った。滴下終了後、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム19.89g(52.3mmol)を溶解した水1,500gを加え、反応を停止した。水層と有機層を分液し、有機層を1Nの塩酸水溶液、次いで純水で洗浄した。得られた溶液をエバポレーターで50wt%に濃縮し、2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体(樹脂「A」)のトルエン溶液を833.40g得た。樹脂「A」の数平均分子量は930、重量平均分子量は1,460、水酸基当量が465であった。
(ビニル化合物の合成)
攪拌装置、温度計、還流管を備えた反応器に樹脂「A」のトルエン溶液833.40g、ビニルベンジルクロライド(CMS-P;セイミケミカル(株)製)160.80g、塩化メチレン1600g、ベンジルジメチルアミン12.95g、純水420g、30.5wt% NaOH水溶液175.9gを仕込み、反応温度40℃で攪拌を行った。24時間攪拌を行った後、有機層を1Nの塩酸水溶液、次いで純水で洗浄した。得られた溶液をエバポレーターで濃縮し、メタノール中へ滴下して固形化を行い、濾過により固体を回収、真空乾燥してビニル化合物「B」501.43gを得た。ビニル化合物「B」の数平均分子量は1165、重量平均分子量は1630であった。
【0031】
合成例2
(2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体の合成)
攪拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた12Lの縦長反応器にCuBr2 9.36g(42.1mmol)、N,N’-ジ-t-ブチルエチレンジアミン1.81g(10.5mmol)、n-ブチルジメチルアミン67.77g(671.0mmol)、トルエン 2,600gを仕込み、反応温度40℃にて攪拌を行い、あらかじめ2,300gのメタノールに溶解させた2,2’-,3,3’-,5,5’-ヘキサメチル-(1,1’-ビフェノール)-4,4’-ジオール 129.32g(0.48mol)、2,6-ジメチルフェノール878.4g(7.2mol)、N,N’-ジ-t-ブチルエチレンジアミン1.22g(7.2mmol)、n-ブチルジメチルアミン26.35g(260.9mmol)の混合溶液を、窒素と空気とを混合して酸素濃度8%に調整した混合ガスを5.2 L/minの流速でバブリングを行いながら230分かけて滴下し、攪拌を行った。滴下終了後、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム48.06g(126.4mmol)を溶解した水1,500gを加え、反応を停止した。水層と有機層を分液し、有機層を1Nの塩酸水溶液、次いで純水で洗浄した。得られた溶液をエバポレーターで50wt%に濃縮し、2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体(樹脂「C」)のトルエン溶液を1981g得た。樹脂「C」の数平均分子量は1975、重量平均分子量は3514、水酸基当量が990であった。
(ビニル化合物の合成)
攪拌装置、温度計、還流管を備えた反応器に樹脂「C」のトルエン溶液833.40g、ビニルベンジルクロライド(CMS-P)76.7g、塩化メチレン1600g、ベンジルジメチルアミン6.2g、純水199.5g、30.5wt% NaOH水溶液83.6gを仕込み、反応温度40℃で攪拌を行った。24時間攪拌を行った後、有機層を1Nの塩酸水溶液、次いで純水で洗浄した。得られた溶液をエバポレーターで濃縮し、メタノール中へ滴下して固形化を行い、濾過により固体を回収、真空乾燥してビニル化合物「D」450.1gを得た。ビニル化合物「D」の数平均分子量は2250、重量平均分子量は3920であった。
【0032】
合成例3
(2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体の合成)
攪拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた12Lの縦長反応器にCuCl13.1g(0.12mol)、ジ-n-ブチルアミン707.0g(5.5mol)、メチルエチルケトン4000gを仕込み、反応温度40℃にて攪拌を行い、あらかじめ8000gのメチルエチルケトンに溶解させた4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルフェノール)410.2g(1.6mol)と2,6-ジメチルフェノール586.5g(4.8mol)を2 L/minの空気のバブリングを続けながら撹拌を行った。これに、エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム水溶液を加え、反応を停止した。その後、1Nの塩酸水溶液で3回洗浄を行った後、イオン交換水で洗浄を行った。得られた溶液をエバポレーターで濃縮し、さらに減圧乾燥を行い、2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体(樹脂「E」)を946.6g得た。樹脂「E」の数平均分子量は801、重量平均分子量は1081、水酸基当量が455であった。
(ビニル化合物の合成)
攪拌装置、温度計、還流管を備えた反応器に樹脂「E」480.0g、ビニルベンジルクロライド(CMS-P)260.2g、テトラヒドロフラン2000g、炭酸カリウム240.1g、18-クラウン-6-エーテル60.0gをし込み、反応温度30℃で攪拌を行った。6時間攪拌を行った後、エバポレーターで濃縮し、トルエン2000gで希釈、水洗を行った。有機層を濃縮しメタノール中へ滴下して固形化を行い、濾過により固体を回収、真空乾燥してビニル化合物「F」392.2gを得た。ビニル化合物「F」の数平均分子量は988、重量平均分子量は1420であった。
【0033】
合成例4
(2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体の合成)
攪拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた12Lの縦長反応器にCuCl13.1g(0.12mol)、ジ-n-ブチルアミン707.0g(5.5mol)、メチルエチルケトン4000gを仕込み、反応温度40℃にて攪拌を行い、あらかじめ8000gのメチルエチルケトンに溶解させた4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルフェノール)82.1g(0.32mol)と2,6-ジメチルフェノール586.5g(4.8mol)を2 L/minの空気のバブリングを続けながら撹拌を行った。これに、エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム水溶液を加え、反応を停止した。その後、1Nの塩酸水溶液で3回洗浄を行った後、イオン交換水で洗浄を行った。得られた溶液をエバポレーターで濃縮し、さらに減圧乾燥を行い、2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体(樹脂「G」)を632.5g得た。樹脂「G」の数平均分子量は1884、重量平均分子量は3763、水酸基当量が840であった。
(ビニル化合物の合成)
攪拌装置、温度計、還流管を備えた反応器に樹脂「G」480.0g、ビニルベンジルクロライド(CMS-P)140.5g、テトラヒドロフラン2000g、炭酸カリウム129.6g、18-クラウン-6-エーテル32.4gをし込み、反応温度30℃で攪拌を行った。6時間攪拌を行った後、エバポレーターで濃縮し、トルエン2000gで希釈、水洗を行った。有機層を濃縮しメタノール中へ滴下して固形化を行い、濾過により固体を回収、真空乾燥してビニル化合物「H」415.3gを得た。ビニル化合物「H」の数平均分子量は2128、重量平均分子量は4021であった。
【0034】
実施例1〜7および比較例1〜5
合成例1、2、3で得られたビニル化合物「B」、「D」、「F」およびジビニルベンゼン(DVB-960:新日鐵化学製)と各種高分子量体を表1の割合で配合し、トルエンに溶解し、樹脂固形分が30wt%(実施例3〜5は15wt%)となるようにワニスを調整した。調整したワニスをドクターブレード(隙間75μm)で、18μm電解銅箔(3EC-III:三井金属製)上に塗布、送風乾燥機で50℃、5分乾燥して、樹脂層の厚み約15μmの銅箔付き硬化性フィルムを得た。得られた銅箔付き硬化性フィルムの外観とタック性の有無を評価した結果を表1に示す。次に、銅箔付き硬化性フィルムをイナートオーブンで、窒素下、昇温4℃/分、200℃、90分保持の条件で加熱した後、銅箔をエッチングにより除去してフィルムを得た。フィルムの厚みは約15μmであった。得られたフィルムのガラス転移温度、誘電率、誘電正接、耐薬品性、耐屈曲性を評価した結果を表2に示す。
【0035】
【表1】

TR2003、TR2827:スチレンブタジエンスチレン共重合体(JSR製)(重量平均分子量約10万)
SIS5229:スチレンイソプレンスチレン共重合体(JSR製)(重量平均分子量約20万)
SEPTON2006:水添スチレンイソプレンスチレン共重合体(クラレ製)(重量平均分子量約20万)
SEPTON4055:水添スチレン(ブタジエン/イソプレン)スチレン共重合体(クラレ製)(重量平均分子量約20万)
SEPTON8007:水添スチレンブタジエンスチレン共重合体(クラレ製)(重量平均分子量約10万)
【0036】
【表2】

【0037】
実施例8〜19
合成例2、3、4で得られたビニル化合物「D」、「F」、「H」と各種高分子量体を、ビニル化合物:高分子量体=70:30(重量比)の割合で配合し、トルエンに溶解して樹脂固形分が20wt%となるようにワニスを調整した。調整したワニスをドクターブレード(隙間300μm)で、100μm厚のPETフィルム(ルミラーT:東レ製)上に塗布、送風乾燥機を使用して80℃で5分間乾燥して、樹脂層の厚み約30μmの硬化性フィルムを得た。得られた硬化性フィルムの外観とタック性を評価した。次に、硬化性フィルムをイナートオーブンで、窒素下、昇温4℃/分、200℃、30分保持の条件で加熱した後、PETフィルムを手で剥離してフィルムを得た。フィルムの厚みは約30μmであった。得られたフィルムのガラス転移温度、誘電率、誘電正接、耐薬品性、耐屈曲性を評価した結果を表3に示す。
【0038】
【表3】

TR2250:スチレンブタジエンスチレン共重合体(SBS)(JSR製:重量平均分子量約10万)
ハイブラー5127:スチレンイソプレンスチレン共重合体(SIS)(クラレ製:重量平均分子量約12万)
ハイブラー7125:水添スチレンイソプレンスチレン共重合体(水添SIS)(クラレ製:重量平均分子量約10万)
SEPTON2104:水添スチレンイソプレンスチレン共重合体(水添SIS)(クラレ製:重量平均分子量約9万)
SEPTON2007:水添スチレンイソプレンスチレン共重合体(水添SIS)(クラレ製:重量平均分子量約8万)
SEPTON4033:水添スチレン(ブタジエン/イソプレン)スチレン共重合体(SEEPS)(クラレ製:重量平均分子量約10万)
SEPTON8104:水添スチレンブタジエンスチレン共重合体(水添SBS)(クラレ製:重量平均分子量約12万)
タフテックH1051:水添スチレンブタジエンスチレン共重合体(水添SBS)(旭化成製:重量平均分子量約7万)
タフテックH1053:水添スチレンブタジエンスチレン共重合体(水添SBS)(旭化成製:重量平均分子量約7万)
【0039】
実施例20〜22
合成例2で得られたビニル化合物「D」と各種高分子量体を、ビニル化合物「D」:高分子量体=50:50(重量比)の割合で配合し、トルエンに溶解して樹脂固形分が20wt%となるようにワニスを調整した。調整したワニスをドクターブレード(隙間300μm)で、100μm厚のPETフィルム(ルミラーT)上に塗布、送風乾燥機を使用して80℃で5分間乾燥して、樹脂層の厚み約30μmの硬化性フィルムを得た。得られた硬化性フィルムの外観とタック性を評価した。次に、硬化性フィルムをイナートオーブンで、窒素下、昇温4℃/分、200℃30分保持の条件で加熱した後、PETフィルムを手で剥離してフィルムを得た。フィルムの厚みは約30μmであった。得られたフィルムのガラス転移温度、誘電率、誘電正接、耐薬品性、耐屈曲性を評価した結果を表4に示す。
【0040】
【表4】

【0041】
実施例23〜25
合成例2で得られたビニル化合物「D」と各種高分子量体を、ビニル化合物「D」:高分子量体=30:70(重量比)の割合で配合し、トルエンに溶解して樹脂固形分が20wt%となるようにワニスを調整した。調整したワニスをドクターブレード(隙間300μm)で、100μm厚のPETフィルム(ルミラーT)上に塗布、送風乾燥機を使用して80℃で5分間乾燥して、樹脂層の厚み約30μmの硬化性フィルムを得た。得られた硬化性フィルムの外観とタック性を評価した。次に、硬化性フィルムをイナートオーブンで、窒素下、昇温4℃/分、200℃30分保持の条件で加熱した後、PETフィルムを手で剥離してフィルムを得た。フィルムの厚みは約30μmであった。得られたフィルムのガラス転移温度、誘電率、誘電正接、耐薬品性、耐屈曲性を評価した結果を表5に示す。
【0042】
【表5】

【0043】
実施例26
実施例19の組成の硬化性樹脂組成物トルエン溶液(樹脂固形分20wt%)を18μm電解銅箔(3EC-III)にドクターブレード(隙間400μm)で塗布、送風乾燥機で80℃5分乾燥して、樹脂層の厚み約40μmの銅箔付硬化性フィルムを得た。これを両面にパターニングしたコア材(EL190、銅箔厚み18μm、三菱ガス化学製)の両面に重ね、温度200℃、圧力2MPaの条件で2時間加熱加圧硬化し4層板を作成した。最外層の銅箔剥離強度は0.8kN/mであった。また、銅箔をエッチングにより除去したところ、ボイドなく内層パターンが埋め込めていた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)で表されるビニル化合物と重量平均分子量が10000以上の高分子量体を必須成分として含有する硬化性樹脂組成物。
【化1】

【化2】

【化3】

(式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基またはフェニル基である。-(O-X-O)-は、一般式(2)または一般式(3)で定義される1種類の構造、または2種類以上の構造からなる。R8,R9,R10,R14,R15,R16,R17,R22,R23は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R11,R12,R13,R18,R19,R20,R21は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。Aは、炭素数20以下の直鎖状あるいは、分岐状あるいは、環状炭化水素である。-(Y-O)-は、一般式(4)で定義される1種類の構造、または一般式(4)で定義される2種類以上の構造がランダムに配列したものである。R24,R25は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R26,R27は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。Zは、炭素数1以上の有機基であり、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子を含むこともある。a,bは、少なくともいずれか一方が0でない、0〜30の整数を示す。c,dは、0または1の整数を示す。)
【請求項2】
一般式(1)で表されるビニル化合物が、一般式(2)または一般式(3)で表される-(O-X-O)-が一般式(5)または一般式(6)であり、一般式(4)で表される-(Y-O)-が一般式(7)あるいは一般式(8)あるいは一般式(7)と一般式(8)がランダムに配列した構造を有するビニル化合物である請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
【化4】

(式中、R18,R21は、水素原子またはメチル基である。Aは、炭素数20以下の直鎖状あるいは、分岐状あるいは、環状の炭化水素である)
【化5】

【請求項3】
一般式(1)で表されるビニル化合物の数平均分子量が500〜3000である請求項1または2記載の硬化性樹脂組成物
【請求項4】
該高分子量体がスチレン系熱可塑性エラストマーである請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
該高分子量体がスチレンイソプレンスチレン共重合体、水添スチレンブタジエンスチレン共重合体、水添スチレンイソプレンスチレン共重合体、水添スチレン(ブタジエン/イソプレン)スチレン共重合体からなる群から選択された1種もしくは2種以上である請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物をフィルム状に加工した硬化性フィルム。
【請求項7】
該硬化性フィルムの少なくとも片面に導体層を有する請求項6記載の硬化性フィルム。
【請求項8】
請求項6または7記載の硬化性フィルムを硬化させたフィルム。

【公開番号】特開2006−83364(P2006−83364A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−194942(P2005−194942)
【出願日】平成17年7月4日(2005.7.4)
【出願人】(000004466)三菱瓦斯化学株式会社 (1,281)
【Fターム(参考)】