説明

硬化性組成物及び光学材料

【課題】これまで単量体成分として用いられている化合物と比較して安価な化合物を単量体として用いて、高屈折率で透明性に優れ、更に、耐熱性、耐光性も良好な、光学材料として優れた性能を有する樹脂成形体を形成できる硬化性組成物、及び該組成物を用いて得られる光学材料を提供する。
【解決手段】一般式(1):


で表されるジアリールスルホン化合物、及び該ジアリールスルホン化合物と共重合可能な化合物を、両者の合計量を100重量%として、ジアリールスルホン化合物を5〜90重量%と、ジアリールスルホン化合物と共重合可能な化合物を10〜95重量%含有する硬化性組成物、並びに該硬化性組成物を共重合して得られる硬化物からなる光学材料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼鏡用プラスチックレンズ、フレネルレンズ、レンチキュアーレンズ、光ディスク基板、プラスチック光ファイバー、LCD用プリズムシート、導光板、拡散シート等の各種光学材料や塗料、接着剤、封止材等の原料として有用な硬化性組成物、及び該組成物を用いて得られる光学材料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ポリスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ジエチレングリコールジアリルカーボネート樹脂等は、ガラス等と対比して軽量で取扱い容易であることから、光学材料用樹脂として汎用されている。
【0003】
しかしながら、これらの光学材料用樹脂には、屈折率が低く、複屈折率や分散能が大きく、耐熱性や耐衝撃性に劣るという欠点がある。
【0004】
これらの光学用樹脂における欠点を解消する方法、特に屈折率を向上させる方法について、近年検討されており、芳香環にハロゲンを導入した樹脂が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、この樹脂は、屈折率が1.60と高いものの、比重が1.37と大きいため、プラスチックレンズとして用いた場合には、かかるレンズに要求される軽量性を満足することができない。
【0005】
また下記特許文献2及び3には、高屈折率で透明性に優れた樹脂を与える単量体として、下記化学式(a):
【0006】
【化1】

【0007】
(式中、R及びRは、水素原子又はメチル基である)で表されるジアリールスルフィド化合物が記載されている。
【0008】
また、下記特許文献4にも、同様に、高屈折率で透明性に優れた樹脂を与える単量体として、下記化学式(b):
【0009】
【化2】

【0010】
で表されるジアリールスルフィド化合物が記載されている。
【0011】
これらのジアリールスルフィド化合物は、高屈折率で透明性に優れた樹脂を与える単量体とされているが、その製造には、高価な化合物である下記化学式:
【0012】
【化3】

【0013】
で表される4,4’−ジメルカプトジアリールスルフィド化合物が必要であり、該化合物を原料として得られる上記化学式(a)及び(b)のジアリールスルフィド化合物は高コストで経済性に劣るものとなる。
【0014】
このため、上記したジアリールスルフィド化合物を単量体とする場合には、得られる光学材料用樹脂が、高コストになるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特公平5−4404号公報
【特許文献2】WO 1990/04587報
【特許文献3】特開平3−109368号公報
【特許文献4】特開平9−3058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、上記した従来技術の現状に鑑みてなされてものであり、その主な目的は、これまで単量体成分として用いられている化合物と比較して安価な化合物を単量体として用いて、高屈折率で透明性に優れ、更に、耐熱性、耐光性も良好な、光学材料として優れた性能を有する樹脂成形体を形成できる硬化性組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、特定の置換基を有する新規なジアリールスルホン化合物が、高屈折率及び高硬度を有し、且つ良好な透明性を有する樹脂を形成し得る単量体として優れた性能を有し、しかも、経済的に有利な条件で容易に製造できることを見出した。そして、該ジアリールスルホン化合物を単量体成分として用い、これを特定の共重合成分と組み合わせて配合した硬化性組成物によれば、上記した目的を達成できることを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
【0018】
即ち、本発明は、下記の硬化性組成物及び光学材料を提供するものである。
項1. 一般式(1):
【0019】
【化4】

【0020】
(式中、R〜R及びR1’〜R4’は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を示し、Rは、炭素数1〜4のアルキレン基を示し、Aは酸素原子又は硫黄原子を示す。)で表されるジアリールスルホン化合物、及び該ジアリールスルホン化合物と共重合可能な化合物を、両者の合計量を100重量%として、ジアリールスルホン化合物を5〜90重量%と、ジアリールスルホン化合物と共重合可能な化合物を10〜95重量%含有する硬化性組成物であって、ジアリールスルホン化合物と共重合可能な化合物が、ポリチオール化合物であることを特徴とする硬化性組成物。
項2. 一般式(1):
【0021】
【化5】

【0022】
(式中、R〜R及びR1’〜R4’は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を示し、Rは、炭素数1〜4のアルキレン基を示し、Aは酸素原子又は硫黄原子を示す。)で表されるジアリールスルホン化合物、及び該ジアリールスルホン化合物と共重合可能な化合物を、両者の合計量を100重量%として、ジアリールスルホン化合物を5〜90重量%と、ジアリールスルホン化合物と共重合可能な化合物を10〜95重量%含有する硬化性組成物であって、ジアリールスルホン化合物と共重合可能な化合物が、重合性不飽和結合を有する化合物であることを特徴とする硬化性組成物。
項3. 一般式(1):
【0023】
【化6】

【0024】
(式中、R〜R及びR1’〜R4’は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を示し、Rは、炭素数1〜4のアルキレン基を示し、Aは酸素原子又は硫黄原子を示す。)で表されるジアリールスルホン化合物、及び該ジアリールスルホン化合物と共重合可能な化合物を、両者の合計量を100重量%として、ジアリールスルホン化合物を5〜90重量%と、ジアリールスルホン化合物と共重合可能な化合物を10〜95重量%含有する硬化性組成物であって、ジアリールスルホン化合物と共重合可能な化合物が、エポキシ化合物であることを特徴とする硬化性組成物。
項4. 一般式(1)において、式
【0025】
【化7】

【0026】
で表される基が、グリシジル基又はチオグリシジル基である上記項1〜3のいずれかに記載の硬化性組成物。
項5. 一般式(1)において、
〜R及びR1’〜R4’がいずれも水素原子であり、式
【0027】
【化8】

【0028】
で表される基が、グリシジル基又はチオグリシジル基である上記項1〜3のいずれかに記載の硬化性組成物。
項6. 請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性組成物を共重合して得られる硬化物からなる光学材料。
【0029】
本発明の硬化性組成物は、下記一般式(1):
【0030】
【化9】

【0031】
(式中、R〜R及びR1’〜R4’は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を示し、Rは、炭素数1〜4のアルキレン基を示し、Aは酸素原子又は硫黄原子を示す。)で表されるジアリールスルホン化合物を必須モノマー成分として含み、これを、下記(i)〜(iii)のいずれかに示す、該ジアリールスルホン化合物と共重合可能な化合物と共に含有するものである:
(i)ポリチオール化合物、
(ii)重合性不飽和結合を有する化合物、
(iii)エポキシ化合物。
【0032】
上記一般式(1)で表されるジアリールスルホン化合物は、文献未記載の新規化合物である。以下、該ジアリールスルホン化合物について説明し、更に、該ジアリールスルホン化合物をモノマー成分として含む3種類の硬化性組成物について具体的に説明する。
【0033】
(I)ジアリールスルホン化合物
本発明の硬化性組成物において、必須のモノマー成分として用いるジアリールスルホン化合物は、下記一般式(1):
【0034】
【化10】

【0035】
で表されるものである。該ジアリールスルホン化合物は、上記(i)〜(iii)のいずれかに記載した化合物を共重合成分として含む硬化性組成物とすることによって、高屈折率で透明性に優れた樹脂成形体を形成することができる。該樹脂成形体は、耐熱性、耐光性等も良好であり、光学材料として優れた性能を有するものである。
【0036】
一般式(1)において、R〜R及びR1’〜R4’で示される炭素数1〜4のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、好ましくはメチル基である。ハロゲン原子の具体例としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、好ましくは塩素原子である。特に、経済的な観点からR〜R及びR1’〜R4’としては、水素原子が好ましい。
【0037】
で表される炭素数1〜4のアルキレン基としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン等の直鎖のアルキレン基、エチルエチレン、1,2−プロピレン等の分岐鎖を有するアルキレン基等を例示できる。
式:
【0038】
【化11】

【0039】
で表される基の具体例としては、グリシジル基、チオグリシジル基などを例示できる。
【0040】
上記一般式(1)で表される化合物の内で、好適な化合物の具体例としては、R〜R及びR1’〜R4’が全て水素原子であって、Rがメチレン基、AがOである化合物;R〜R及びR1’〜R4’が全て水素原子であって、Rがメチレン基、AがSである化合物等を挙げることができる。
【0041】
上記一般式(1)で表されるジアリールスルホン化合物は、その製造方法については特に限定はないが、例えば、下記の製造方法によれば、簡便且つ安価に製造することができる。以下、該化合物の製造方法について具体的に説明する。
【0042】
ジアリールスルホン化合物の製造方法
一般式(1):
【0043】
【化12】

【0044】
(式中、R〜R、R1’〜R4’、Rは及びAは、上記に同じ)で表されるジアリールスルホン化合物の内で、Aが酸素原子である化合物、即ち、一般式(1―1):
【0045】
【化13】

【0046】
(式中、R〜R、R1’〜R4’、及びRは上記に同じ)で表される化合物は、例えば、下記一般式(2):
【0047】
【化14】

【0048】
(式中、R〜R及びR1’〜R4’は、上記に同じ)で表される4,4’−ジメルカプトジアリールスルホン化合物と、一般式(3);
【0049】
【化15】

【0050】
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキレン基であり、Xはハロゲン原子である)で表されるハロゲン化物とを、触媒の存在下に溶媒中で反応させて、一般式(4):
【0051】
【化16】

【0052】
(式中、R〜R、R1’〜R4’、Rは及びXは、上記に同じ)で表される化合物とした後、塩基を作用させて脱ハロゲン化水素反応(脱HX反応)を行うことによって得ることができる。
【0053】
上記一般式(2)で表される4,4’−ジメルカプトジアリールスルホン化合物は、公知化合物であり、式中のR〜R及びR1’〜R4’の具体例は、上記一般式(1)と同様である。該4,4‘−ジメルカプトジアリールスルホン化合物の具体例としては、4,4’−ジメルカプトジフェニルスルホン、1,1’−ジメチル−4,4’−ジメルカプトジフェニルスルホン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジメルカプトジフェニルスルホン、1,1’−ジメチル−2,2’−ジメチル−4,4’−ジメルカプトジフェニルスルホン等を挙げることができ、特に、4,4’−ジメルカプトジフェニルスルホンが好ましい。
【0054】
一般式(3)で表されるハロゲン化物において、Rで表されるアルキレン基の具体例は、上記一般式(1)と同様である。Xで表されるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を例示でき、特に、塩素原子が好ましい。
【0055】
一般式(3)で表されるハロゲン化合物の具体例としては、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリンなどを挙げることができ、特に、エピクロロヒドリンが好ましい。
【0056】
一般式(3)で表されるハロゲン化物の使用量は、一般式(2)で表される4,4’−ジメルカプトジアリールスルホン化合物1モルに対して、2〜10モル程度とすることが好ましく、2〜2.4モル程度とすることがより好ましい。
【0057】
触媒としては、塩化リチウム、臭化リチウム等のリチウム塩等を用いることができる。特に、反応性と経済性の面から塩化リチウムが好ましい。触媒の使用量は、一般式(2)で表される4,4’−ジメルカプトジアリールスルホン化合物1モルに対して0.001〜0.2モル程度とすることが好ましく、0.01〜0.1モル程度とすることがより好ましい。
【0058】
一般式(2)で表される4,4’−ジメルカプトジアリールスルホン化合物と一般式(3)で表されるハロゲン化物との反応には、溶媒としては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類等の有機溶媒を用いることが好ましく、特にトルエン、メタノール等が好ましい。
【0059】
具体的な反応方法については、特に限定はなく、上記した溶媒中において、触媒の存在下に、一般式(2)で表される4,4’−ジメルカプトジアリールスルホン化合物と、一般式(3)で表されるハロゲン化物とを均一に混合すればよい。各成分の添加順序については特に限定はなく、任意の方法を採用できる。
【0060】
反応溶液中の4,4’−ジメルカプトジアリールスルホン化合物の濃度は、1〜30重量%程度とすることが好ましく、5〜15重量%程度とすることがより好ましい。
【0061】
反応温度については、特に限定的ではないが、0〜70℃程度とすることが好ましく、30〜60℃程度とすることがより好ましい。
【0062】
反応時間については、例えば0.5 〜20時間程度とすればよい。
【0063】
上記した方法によって、一般式(4):
【0064】
【化17】

【0065】
(式中、R〜R、R1’〜R4’、Rは及びXは、上記に同じ)で表される化合物を得ることができる。
【0066】
次いで、得られた一般式(4)の化合物に塩基を作用させて、脱ハロゲン化水素反応(脱HX反応)を行うことによって、一般式(1)において、Aが酸素原子である化合物、即ち、一般式(1―1):
【0067】
【化18】

【0068】
(式中、R〜R、R1’〜R4’、及びRは上記に同じ)で表される化合物を得ることができる。
【0069】
第一段階の反応で得られた一般式(4)の化合物は、反応終了後、反応溶媒に溶解した状態で引き続き塩基との反応に用いてもよく、或いは、一般式(4)の化合物を反応に用いた溶媒から分離した後、塩基と反応させてもよい。
【0070】
一般式(4)の化合物との反応に用いる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の金属炭酸塩、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の金属の水素化物等を挙げることができる。反応性と経済性の面から、水酸化ナトリウムが好ましい。
【0071】
塩基の使用量は、一般式(4)の化合物1モルに対して、0.1〜10モル程度とすることが好ましく、2.0〜2.4モル程度とすることがより好ましい。
【0072】
一般式(4)の化合物と塩基との反応は、通常、溶媒中において両者を混合することによって行うことができる。溶媒としては、有機溶媒、水と有機溶媒の混合溶媒等を用いることができる。有機溶媒としては、第一段階の反応に用いる溶媒と同様の溶媒を用いることができる。
【0073】
水と有機溶媒の混合溶媒を用いる場合には、水の使用量は、有機溶媒1重量部に対して0.1〜100重量部程度が好ましい。
【0074】
反応溶液中の一般式(4)の化合物の濃度は、1〜30重量%程度が好ましく、10〜20重量%程度がより好ましい。
【0075】
水と有機溶媒の混合溶媒を用いる場合には、相間移動触媒の存在下に反応を行うことが好ましい。相間移動触媒としては、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等を用いることが出来る。特に、反応性と経済性の面から、テトラブチルアンモニウムブロミドが好ましい。相間移動触媒の使用量は、一般式(4)の化合物1モルに対して、0.1〜10モル%程度とすることが好ましく、3.0〜7.0モル%程度とすることがより好ましい。
【0076】
反応温度は0〜70℃程度が好ましく、30〜60℃程度がより好ましい。
【0077】
反応時間は、例えば、0.5〜20時間程度とすればよい。
【0078】
反応後は、混合溶媒を用いた場合には、有機層と水層を分液し、有機層を水洗した後、溶媒を留去することにより、上記一般式(1−1)で表されるジアリールスルホン化合物を得ることができる。また、有機溶媒を用いた場合には、反応終了後水を加えた後、上記混合溶媒と同様の手法で目的とする一般式(1−1)の化合物を容易に分離することができる。
【0079】
一般式(1)において、Aが硫黄原子である化合物、即ち、一般式(1―2):
【0080】
【化19】

【0081】
(式中、R〜R、R1’〜R4’、及びRは上記に同じ)で表される化合物は、上記した一般式(1−1):
【0082】
【化20】

【0083】
(式中、R〜R、R1’〜R4’、及びRは上記に同じ)で表される化合物と、チオ尿素及びチオシアン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物とを有機溶媒中で反応させることにより得ることができる。
【0084】
チオシアン酸塩としてはチオシアン酸カリウム、チオシアン酸アンモニウム等を用いることができる。チオ尿素とチオシアン酸塩は、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
【0085】
チオ尿素及びチオシアン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物の使用量は、一般式(1−1)で表される化合物1モルに対して、2〜8モル程度使用することが好ましく、2〜6モル程度使用することがより好ましい。
【0086】
有機溶媒としては、例えば、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類を用いることができる。反応溶液中の一般式(1−1)で表される化合物の濃度としては1〜30重量%程度が好ましく、5〜15重量%程度がより好ましい。
【0087】
反応温度は、0〜80℃程度とすることが好ましく、10〜60℃程度とすることがより好ましい。
【0088】
反応時間は、例えば、0.5〜20時間程度とすればよい。
【0089】
反応後は水を添加し有機層と水層を分液し、有機層を水洗した後、溶媒を留去することにより、本発明の下記一般式(1−2);
【0090】
【化21】

【0091】
(式中、R〜R、R1’〜R4’、及びRは上記に同じ)で表されるジアリールジスルホン化合物を得ることができる。
【0092】
(II)硬化性組成物:
ポリチオール系樹脂組成物
上記一般式(1)で表されるジアリールスルホン化合物を含む硬化性組成物の第一の例として、該ジアリールスルホン化合物と、ポリチオール化合物を含む組成物を挙げることができる(以下、「ポリチオール系樹脂組成物」ということがある)。
【0093】
該ポリチオール系樹脂組成物において、ポリチオール化合物としては特に限定されず、例えば、メタンジチオール、1,2−ジメルカプトエタン、2,2−ジメルカプトプロパン、1,3−ジメルカプトプロパン、1,2,3−トリメルカプトプロパン、1,4−ジメルカプトブタン、1,6−ジメルカプトヘキサン、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)エタン、1,5−ジメルカプト−3−オキサペンタン、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジチオール、3,4−ジメトキシブタン−1,2−ジチオール、2−メルカプトメチル−1,3−ジメルカプトプロパン、2−メルカプトメチル−1,4−ジメルカプトプロパン、2−(2−メルカプトエチルチオ)−1,3−ジメルカプトプロパン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン、1,1,1−トリス(メルカプトメチル)プロパン、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン等の炭化水素系ポリチオール;エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ブタンジオールビス(2−メルカプトアセテート)、1,4−ブタンジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)等のエステル系ポリチオール;1,1−ジメルカプトシクロヘキサン、1,2−ジメルカプトシクロヘキサン、1,3−ジメルカプトシクロヘキサン、1,4−ジメルカプトシクロヘキサン、1,3−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(メルカプトエチル)−1,4−ジチアン等の脂環式ポリチオール;1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、ビス(4−メルカプトフェニル)スルフィド、ビス(4−メルカプトフェニル)スルホン、ビス(4−メルカプトフェニル)エーテル、2,2−ビス(4−メルカプトフェニル)プロパン、ビス(4−メルカプトメチルフェニル)スルフィド、ビス(4−メルカプトメチルフェニル)エーテル、2,2−ビス(4−メルカプトメチルフェニル)プロパン等の芳香族ポリチオール等を例示できる。これらの内で、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン等の炭化水素系ポリチオール;1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン等の芳香族ポリチオール等が好ましく、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン等がより好ましい。
【0094】
該ポリチオール系樹脂組成物では、ポリチオール化合物については、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
【0095】
該ポリチオール系樹脂組成物において、一般式(1)で表されるジアリールスルホン化合物と、ポリチオール化合物の混合割合については、通常、ジアリールスルホン化合物と、ポリチオール化合物の合計量を100重量%として、ジアリールスルホン化合物を5〜90重量%程度と、ポリチオール化合物を10〜95重量%程度とすればよく、前者20〜80重量%と後者20〜80重量%とすることが好ましい。
【0096】
該ポリチオール系樹脂組成物には、更に、必要に応じて、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色防止剤、重合禁止剤、離型剤、消泡剤、ブルーイング剤、蛍光染料などの添加剤を適宜加えてもよい。
【0097】
また、上記したポリチオール化合物に加えて、ジアリールスルホン化合物と共重合可能な化合物として、後述する重合性不飽和結合を有する化合物、エポキシ化合物等を添加してもよい。
【0098】
また、所望の反応速度に調整するために、ポリチオール系樹脂の製造において用いられる公知の反応触媒を適宜添加することもできる。
【0099】
本発明の硬化性組成物は、そのまま重合、硬化してもよいし、目的によっては予備重合した後に重合、硬化することによって粘度の調整や重合時の収縮率の軽減を図ることができる。
【0100】
上記したポリチオール系樹脂組成物を用いて目的とする樹脂成形体を形成する方法については特に限定的ではないが、例えば、注型重合法を適用する場合には、ジアリールスルホン化合物とポリチオール化合物を含む組成物を混合し、この混合液を必要に応じ適当な方法で脱泡を行なった後、モールド中に注入し、徐々に昇温しながら重合させればよい。重合温度及び重合時間は、モノマーの組成、添加剤の種類、量によっても異なるが、一般的には0〜200℃程度、好ましくは20〜150℃程度であり、特に、60〜150℃程度が好ましい。重合時間についても特に限定的ではないが、例えば、0.2〜100時間程度、好ましくは1〜72時間程度とすればよい。
【0101】
該ポリチオール系樹脂組成物には、更に、必要に応じて、硬化促進剤を配合することができる。硬化促進剤を配合することによって、重合時間を短縮することができる。
【0102】
硬化促進剤としては特に限定されず、例えば、トリエチルアミン、ヘキサメチレンテトラミン、テトラメチルグアニジン等の第三級アミン類;2−エチル−4−メチルイミダゾール、2,4−ジエチルイミダゾール等のイミダゾール類;ジオクチルすずジラウレート、すずオクチレート等の金属塩類等、公知の硬化促進剤を用いることができる。
【0103】
硬化促進剤の配合量は、ジアリールスルホン化合物とポリチオール化合物の合計量100重量部に対して、0.01〜10重量部程度、好ましくは0.1〜1重量部程度とすればよい。
【0104】
硬化促進剤を用いる場合も、上記方法と同様に、ジアリールスルホン化合物、ポリチオール化合物、及び硬化促進剤を含む組成物を十分に撹拌した後、重合反応を行えばよい。重合反応の条件については、樹脂組成物の組成、使用する重合促進剤の種類、使用量などにより異なるために一概には規定できないが、通常、上記した重合温度及び重合時間の範囲内において、適切な条件を適宜設定すればよい。
【0105】
ラジカル重合性樹脂組成物
上記一般式(1)で表されるジアリールスルホン化合物を含む硬化性組成物の第二の例として、該ジアリールスルホン化合物と、重合性不飽和結合を有する化合物を含む組成物を挙げることができる(以下、「ラジカル重合性樹脂組成物」ということがある)。
【0106】
重合性不飽和結合を有する化合物としては特に限定されず、例えば、芳香族ビニル化合物、脂環式ビニル化合物、(メタ)アクリル酸、単官能(メタ)アクリル酸誘導体、多官能(メタ)アクリル酸誘導体などを用いることができる。ここで、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」および「メタクリル」の双方を意味する(以下同様)。
【0107】
これらの内で、芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、メトキシスチレン、ブチルチオスチレン、ジビニルベンゼン等を例示でき、スチレン、ジビニルベンゼン等が好ましい。
【0108】
脂環式ビニル化合物としては、シクロヘキセン、4−ビニルシクロヘキセン、1,5−シクロオクタジエン、5−ビニルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン等を例示できる。
【0109】
単官能(メタ)アクリル酸誘導体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)アクリレート、クロロフェニル(メタ)アクリレート、ブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、メトキシフェニル(メタ)アクリレート、シアノフェニル(メタ)アクリレート、クロロメチル(メタ)アクリレート、ブロモエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールエステル、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等を例示でき、メチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等が好ましい。
【0110】
多官能(メタ)アクリル酸誘導体としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(またはテトラ)(メタ)アクリレート等のポリオールポリ(メタ)アクリレート;ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、ビス(2−メタクリロイルチオエチル)スルフィド等のポリチオールポリ(メタ)アクリレート等を例示でき、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(またはテトラ)(メタ)アクリレート、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、ビス(2−メタクリロイルチオエチル)スルフィド等が好ましい。
【0111】
重合性不飽和結合を有する化合物は、単独で用いても良いし、2種以上の任意のモノマーを組み合わせて用いることもできる。
【0112】
ジアリールスルホン化合物と、重合性不飽和結合を有する化合物の混合割合については、両者の合計量を100重量%として、ジアリールスルホン化合物を5〜90重量%程度と、重合性不飽和結合を有する化合物を10〜95重量%程度とすればよく、好ましくは、ジアリールスルホン化合物を20〜80重量%程度と、重合性不飽和結合を有する化合物を20〜80重量%程度とすればよい。
【0113】
該ラジカル重合性樹脂組成物には、更に、必要に応じて、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色防止剤、重合禁止剤、離型剤、消泡剤、ブルーイング剤、蛍光染料などの添加剤を適宜加えてもよい。
【0114】
また、上記した重合性不飽和結合を有する化合物に加えて、ジアリールスルホン化合物と共重合可能な化合物として、前述したポリチオール化合物、後述するエポキシ化合物等を添加することもできる。
【0115】
該ラジカル重合性樹脂組成物を用いて目的とする樹脂成形体を形成する方法については特に限定的ではないが、例えば、熱重合開始剤を添加して熱重合反応を行う方法、光重合開始剤を添加して光重合反応を行う方法などを例示できる。
【0116】
熱重合反応を行う場合には、熱重合開始剤として、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾフェノン等の熱重合に通常用いられる開始剤を用いることができる。
【0117】
熱重合開始剤の配合割合は、熱重合開始剤の配合量は、ジアリールスルホン化合物と重合性不飽和結合を有する化合物の合計量100重量部に対して、0.01〜10重量部程度、好ましくは0.1〜1重量部程度とすればよい。
【0118】
熱重合開始剤を用いる場合の重合方法の一例としては、例えば、ジアリールスルホン化合物、重合性不飽和結合を有する化合物及び熱重合開始剤を含む組成物を十分に撹拌した後、所定の形状のモールドに充填し、加熱して重合反応を進行させればよい。重合温度及び重合時間については、樹脂組成物の組成、使用する重合開始剤の種類およびその使用量等により異なるため一概には規定できないが、例えば重合温度については0〜200℃程度、好ましくは20〜150℃程度とすればよく、重合時間については0.2〜100時間程度、好ましくは1〜72時間程度とすればよい。
【0119】
光重合反応を行う場合には、光重合開始剤としては 、公知慣用の各種光重合開始剤 、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとベンゾインアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノアミノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1等のアミノアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;キサントン類などを用いることができる。これらの光重合開始剤は 、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0120】
光重合開始剤の配合量は、ジアリールスルホン化合物と重合性不飽和結合を有する化合物の合計量100重量部に対して、0.01〜10重量部程度、好ましくは0.5〜5重量部程度とすればよい。
【0121】
光重合開始剤を用いる場合の重合方法の一例としては、例えば、ジアリールスルホン化合物、重合性不飽和結合を有する化合物及び光重合開始剤を含む組成物を十分に撹拌した後、所定の形状のモールドに充填し、光を照射して重合反応を進行させればよい。光重合反応に用いる光源としては、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、水素ランプ、重水素ランプ、ハロゲンランプ、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウム−カドミウムレーザーなどを用いることができる。光照射エネルギー量は、使用する樹脂組成物の種類、成形体の形状などによって異なるが、通常、0.01〜500J/cm2程度、好ましくは0.1〜100J/cm2程度とすればよい。
【0122】
更に、熱重合開始剤を添加する場合、及び光重合開始剤を添加する場合のいずれの場合についても、必要に応じて、硬化促進剤を配合することができる。硬化促進剤を配合することによって、重合時間を短縮することができる。
【0123】
硬化促進剤としては特に限定されず、例えば、トリエチルアミン、ヘキサメチレンテトラミン、テトラメチルグアニジン等の第三級アミン類;2−エチル−4−メチルイミダゾール、2,4−ジエチルイミダゾール等のイミダゾール類;ジオクチルすずジラウレート、すずオクチレート等の金属塩類等、公知の硬化促進剤を用いることができる。
【0124】
硬化促進剤の配合量は、ジアリールスルホン化合物と重合性不飽和結合を有する化合物の合計量100重量部に対して、0.01〜10重量部程度、好ましくは0.1〜1重量部程度とすればよい。
【0125】
硬化促進剤を用いる場合も、上記方法と同様に、ジアリールスルホン化合物、重合性不飽和結合を有する化合物、重合開始剤及び硬化促進剤を含む組成物を十分に撹拌した後、重合反応を行えばよい。重合反応の条件については、樹脂組成物の組成、使用する重合促進剤の種類、使用量などにより異なるために一概には規定できないが、使用する重合開始剤の種類に応じて、上記した熱重合開始剤を用いる場合又は光重合開始剤を用いる場合と同様の条件の範囲内において重合反応を行えばよい。
【0126】
エポキシ樹脂組成物
上記一般式(1)で表される4ジアリールスルホン化合物を含む硬化性組成物の第三の例として、該ジアリールスルホン化合物と、エポキシ化合物を含む組成物を挙げることができる(以下、「エポキシ樹脂組成物」ということがある)。
【0127】
該エポキシ樹脂組成物では、エポキシ化合物としては、エポキシ基を有するモノマー、エポキシ基を有するオリゴマーなどを用いることができる。
【0128】
これらのエポキシ化合物については特に限定されず、例えば、アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、2−メチルオクチルグリシジルエーテル等の単官能グリシジルエーテル類;
1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等の多官能グリシジルエーテル類;
ビス〔4−(2,3−エポキシプロピルチオ)フェニル〕スルフィド、1,4−ジ(2,3−エポキシプロピルチオ)ベンゼン等の多官能グリシジルチオエーテル類;
グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジグリシジルフタレート、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、ジグリシジルテトラヒドロフタレート、ジメチルジグリシジルヘキサヒドロフタレート等のグリシジルエステル類;ビスフェノールAグリシジルエーテル、ビスフェノールFグリシジルエーテル、ブロモ化ビスフェノールAグリシジルエーテル、ビフェノールグリシジルエーテル、テトラメチルビフェノールグリシジルエーテル、レゾルシングリシジルエーテル、ハイドロキノングリシジルエーテル、ジヒドロキシナフタレングリシジルエーテル、ビスフェノールノボラック樹脂グリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂グリシジルエーテル、クレゾールノボラック樹脂グリシジルエーテル、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂グリシジルエーテル、テルペンフェノール樹脂グリシジルエーテル、ナフトールノボラック樹脂グリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類;
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシド、アリルシクロヘキセンジオキシド、3,4−エポキシ−4−メチルシクロヘキシル−2−プロピレンオキシド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)エーテル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)ジエチルシロキサン等の脂環式エポキシ樹脂化合物;
等を用いることができる。
これらの内で、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ビス〔4−(2,3−エポキシプロピルチオ)フェニル〕スルフィド、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ビスフェノールAグリシジルエーテル、ブロモ化ビスフェノールAグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等が好ましい。
【0129】
上記エポキシ化合物は、単独で用いても良いし、2種以上の任意のエポキシ化合物を組み合わせて用いることもできる。
【0130】
ジアリールスルホン化合物と、エポキシ化合物の混合割合については、両者の合計量を100重量%として、ジアリールスルホン化合物を5〜90重量%程度と、エポキシ化合物を10〜95重量%程度とすればよく、好ましくは、ジアリールスルホン化合物を20〜80重量%程度と、エポキシ化合物を20〜80重量%程度とすればよい。
【0131】
該エポキシ樹脂組成物には、更に、必要に応じて、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色防止剤、重合禁止剤、離型剤、消泡剤、ブルーイング剤、蛍光染料などの添加剤を適宜加えてもよい。
【0132】
また、上記したエポキシ化合物に加えて、ジアリールスルホン化合物と共重合可能な化合物として、前述したポリチオール化合物、重合性不飽和結合を有する化合物等を添加することもできる。
【0133】
該エポキシ樹脂組成物を用いて目的とする樹脂成形体を形成する方法については特に限定的ではないが、例えば、カチオン重合開始剤を添加して重合反応を行う方法、硬化促進剤を添加して熱重合反応を行う方法等を例示できる。また、カチオン重合開始剤と硬化促進剤を併用することもできる。
【0134】
カチオン重合開始剤としては特に限定されず、例えば、熱硬化の場合に使用される重合開始剤として、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素・アミン錯体、塩化アルミニウム、四塩化チタン、四塩化スズ、塩化鉄(III)、塩化亜鉛等のルイス酸類;アンモニウム塩、スルホニウム塩、オキソニウム塩、ホスホニウム塩等を挙げることができ、光硬化の場合に使用される重合開始剤として、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ホスホニウム塩等を挙げることができる。
【0135】
重合温度及び重合時間については、樹脂組成物の組成、使用する重合開始剤の種類およびその使用量等により異なるため一概には規定できないが、例えば重合温度については0〜200℃程度、好ましくは20〜150℃程度とすればよく、重合時間については0.2〜100時間程度、好ましくは1〜72時間程度とすればよい。
【0136】
硬化促進剤を添加して熱重合反応を行う方法では、硬化促進剤としては特に限定されず、例えば、トリエチルアミン、ヘキサメチレンテトラミン、テトラメチルグアニジン等の第三級アミン類;2−エチル−4−メチルイミダゾール、2,4−ジエチルイミダゾール等のイミダゾール類;ジオクチルすずジラウレート、すずオクチレート等の金属塩類等、公知の硬化促進剤を用いることができる。
【0137】
硬化促進剤の配合量は、ジアリールスルホン化合物とエポキシ化合物の合計量100重量部に対して、0.01〜10重量部程度、好ましくは0.1〜1重量部程度とすればよい。
【0138】
硬化促進剤を用いる場合の重合方法の一例としては、例えば、ジアリールスルホン化合物、エポキシ化合物、及び硬化促進剤を含む組成物を十分に撹拌した後、所定の形状のモールドに充填し、加熱して重合反応を進行させればよい。重合温度及び重合時間については、樹脂組成物の組成、使用する硬化促進剤の種類およびその使用量等により異なるため一概には規定できないが、例えば重合温度については0〜200℃程度、好ましくは20〜150℃程度とすればよく、重合時間については0.2〜100時間程度、好ましくは1〜72時間程度とすればよい。
【0139】
(III)成形体
上記したポリチオール系樹脂組成物、ラジカル重合性樹脂組成物及びエポキシ樹脂組成物は、いずれも、必須モノマー成分として、一般式(1)で表されるジアリールスルホン化合物を含むものであり、これらの樹脂組成物から形成される成形体は、屈折率が高く、透明性に優れたものとなり、更に、耐熱性、耐光性なども良好である。例えば、屈折率については、1.6〜1.7程度という高い値となる。
【0140】
上記したポリチオール系樹脂組成物、ラジカル重合性樹脂組成物及びエポキシ樹脂組成物から形成される各成形体は、上記した優れた特性を利用して、眼鏡用プラスチックレンズ、フレネルレンズ、レンチキュアーレンズ、光ディスク基板、プラスチック光ファイバー、LCD用プリズムシート、導光板、拡散シート等の各種光学材料として特に有用性が高いものであるが、その他に、塗料、接着剤、封止材等の原料としても有効に利用できる。
【発明の効果】
【0141】
上記した本発明の硬化性樹脂組成物は、高屈折率を付与するために有効な単量体成分として特定のジアリールスルホン化合物を用いたものであって、形成される樹脂成形体は、高屈折率で透明性に優れ、更に、耐熱性、耐光性等も良好となる。このため、本発明の硬化性樹脂組成物は、特に、プラスチックレンズ等の各種の光学材料として有用性の高いものである。
【0142】
また、本発明の硬化性樹脂組成物に配合するジアリールスルホン化合物は、安価な原料を用いて比較的簡単な製造工程によって収率よく得られるものであることから、該ジアリールスルホン化合物を単量体成分として含む本発明の硬化性樹脂組成物によれば、優れた性能を有する光学材料を低コストで得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0143】
以下、ジアリールスルホン化合物の製造例と、本発明の実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
製造例1 (ビス[(4−グリシジルチオ)フェニル]スルホンの製造例)
攪拌機、温度計、冷却管およびガス導入管を備えた内容積100mlのフラスコに、4,4’−ジメルカプトジフェニルスルホン9.88g(35.0mmol)、塩化リチウム0.07g(1.8mmol)、トルエン20.00gおよびメタノール10.00gを加えた後、液温を50℃まで昇温し、エピクロロヒドリン6.70g(72.0mmol)を添加し、攪拌しながら50℃で2時間反応させた。
【0144】
反応終了後、液温を30℃まで冷却し、水9.8g、50重量%テトラブチルアンモニウムブロミド1.0gおよび30重量%の水酸化ナトリウム水溶液9.70g(72.8mmol)を添加し、攪拌しながら35℃で1時間反応させた。
【0145】
反応終了後、分液により油層を分離し、溶媒を留去することにより、ビス(4−オキシラニルメチルスルファニルフェニル)スルホン11.05gを得た。ビス[(4−グリシジルチオ)フェニル]スルホンに対する収率は、80%であった。
H NMR d 2.65(dd,J=2.4Hz、4.8Hz,2H)、2.83(dd, J=3.6Hz、4.4Hz,2H)、3.15−3.21(m, 6H)、7.41(d, J=8.8Hz,4H)、7.80(d, J=8.8Hz,4H);
元素分析(C1818として);
計算値 C:54.80%、H:4.60%、O:16.22%、S:24.38%
実測値 C:54.76%、H:4.62%、O:16.14%、S:24.48%
屈折率 ;1.645。
【0146】
製造例2 (ビス[(4−チオグリシジルチオ)フェニル]スルホンの製造例)
攪拌機、温度計、冷却管およびガス導入管を備えた内容積100mlのフラスコに、ビス[(4−グリシジルチオ)フェニル]スルホン6.00g(15.0mmol)、塩化メチレン23.40gおよびメタノール31.00gを加えた後、液温を45℃まで昇温し、チオ尿素9.10g(120.0mmol)を添加し、攪拌しながら45℃で4時間反応させた。
【0147】
反応終了後、水37.00gを添加し、分液により油層を分離し、溶媒を留去することにより、ビス[(4−チオグリシジルチオ)フェニル]スルホン5.79gを得た。ビス[(4−グリシジルチオ)フェニル]スルホンに対する収率は、89%であった。
H NMR d 2.23(dd,J=1.2Hz、5.2Hz,2H)、2.83(m, 2H)、2.94−3.21(m, 6H)、7.41(d, J=8.8Hz,4H)、7.82(d, J=8.4Hz,4H);
元素分析(C1818として);
計算値 C:50.67%、H:4.25%、O:7.50%、S:37.58%
実測値 C:50.76%、H:4.22%、O:7.45%、S:37.57%
屈折率 ;1.664。
【0148】
実施例1
製造例1で得られたビス[(4−グリシジルチオ)フェニル]スルホン20g(50重量%)とビス(2−メルカプトエチル)スルフィド20g(50重量%)を均一に混合して硬化性組成物を得た。この硬化性組成物100重量部に、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール(和光純薬工業(株)製)0.5重量部を添加し、均一に混合して硬化性組成物を得た。
【0149】
次に、この硬化性組成物を十分に脱気した後、直径5cm、厚さ0.3cmのガラスモールドに注入し、80℃で10時間保った後、脱型した。得られた樹脂成形体は、均一で無色透明であった。以下の方法により、得られた成形体の各物性を評価した。その結果を表1に示す。
(1)屈折率およびアッベ数
アッベ屈折計((株)アタゴ製、4T型)を用いて、20℃における屈折率およびアッベ数を測定した。
(2)透過率
分光光度計(株式会社日立製作所製、型番:U−4100)を用いて特定波長(λ=420nm)における透過率を測定した。
(3)耐光性試験
(2)の手順により透過率を測定した後、キセノンウェザーメーター(スガ試験機株式会社製、型番:X25)を用いて、放射強度60W/m(300〜400nm域における積算)の光を500時間照射して、光照射後の透過率を測定した。光照射前の特定波長における透過率を100とし、光照射後の特定波長における透過率から劣化率を算出した(劣化率(%)=光照射後の特定波長における透過率/光照射前の特定波長における透過率×100)。
【0150】
実施例2
製造例1で得られたビス[(4−グリシジルチオ)フェニル]スルホン20g(50重量%)とメチル(メタ)アクリレート20g(50重量%)を均一に混合して硬化性組成物を得た。この硬化性組成物100重量部に、ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製、商品名:V−65)0.8重量部、及び硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール0.8重量部を添加し、均一に混合して硬化性組成物を得た。
【0151】
次に、この硬化性組成物を十分に脱気した後、直径5cm、厚さ0.3cmのガラスモールドに注入し、80℃で10時間保った後、脱型した。得られた樹脂成形体は均一で無色透明であった。実施例1と同様にして、各物性を評価した。その結果を表1に示す。
【0152】
実施例3
表1に示した硬化性組成物100重量部に、カチオン重合開始剤としてサンエイドSI−60(三新化学社製)0.8重量部、及び硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール0.8重量部を添加し、均一に混合して硬化性組成物を得た。
【0153】
次に、この硬化性組成物を十分に脱気した後、直径5cm、厚さ0.3cmのガラスモールドに注入し、80℃で10時間保った後、脱型した。得られた樹脂成形体は均一で無色透明であった。実施例1と同様にして、各物性を評価した。その結果を表1に示す。
【0154】
比較例1
表1に示した組成としたこと以外は実施例1と同様にして硬化性樹脂を調製し、成形体を作製した。得られた各成形体について、実施例1と同様にして各物性を評価した。結果を下記表1に示す。
【0155】
表1中、MY−790はビスフェノールA型エポキシ樹脂(チバガイギー社製)を示す。
【0156】
【表1】

【0157】
表1に示した結果から明らかなように、実施例1〜3で得られた樹脂成形体は、いずれも、従来の優れた光学材料として知られている成形体(比較例1の材料)と比較すると、屈折率及びアッベ数などの光学的性能はほぼ同程度であるが、光照射前後で透過率の減少率が大幅に抑制されており、優れた耐光性を有するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1):
【化1】

(式中、R〜R及びR1’〜R4’は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を示し、Rは、炭素数1〜4のアルキレン基を示し、Aは酸素原子又は硫黄原子を示す。)で表されるジアリールスルホン化合物、及び該ジアリールスルホン化合物と共重合可能な化合物を、両者の合計量を100重量%として、ジアリールスルホン化合物を5〜90重量%と、ジアリールスルホン化合物と共重合可能な化合物を10〜95重量%含有する硬化性組成物であって、ジアリールスルホン化合物と共重合可能な化合物が、ポリチオール化合物であることを特徴とする硬化性組成物。
【請求項2】
一般式(1):
【化2】

(式中、R〜R及びR1’〜R4’は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を示し、Rは、炭素数1〜4のアルキレン基を示し、Aは酸素原子又は硫黄原子を示す。)で表されるジアリールスルホン化合物、及び該ジアリールスルホン化合物と共重合可能な化合物を、両者の合計量を100重量%として、ジアリールスルホン化合物を5〜90重量%と、ジアリールスルホン化合物と共重合可能な化合物を10〜95重量%含有する硬化性組成物であって、ジアリールスルホン化合物と共重合可能な化合物が、重合性不飽和結合を有する化合物であることを特徴とする硬化性組成物。
【請求項3】
一般式(1):
【化3】

(式中、R〜R及びR1’〜R4’は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を示し、Rは、炭素数1〜4のアルキレン基を示し、Aは酸素原子又は硫黄原子を示す。)で表されるジアリールスルホン化合物、及び該ジアリールスルホン化合物と共重合可能な化合物を、両者の合計量を100重量%として、ジアリールスルホン化合物を5〜90重量%と、ジアリールスルホン化合物と共重合可能な化合物を10〜95重量%含有する硬化性組成物であって、ジアリールスルホン化合物と共重合可能な化合物が、エポキシ化合物であることを特徴とする硬化性組成物。
【請求項4】
一般式(1)において、式
【化4】

で表される基が、グリシジル基又はチオグリシジル基である請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性組成物。
【請求項5】
一般式(1)において、
〜R及びR1’〜R4’がいずれも水素原子であり、式
【化5】

で表される基が、グリシジル基又はチオグリシジル基である請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性組成物を共重合して得られる硬化物からなる光学材料。

【公開番号】特開2012−21080(P2012−21080A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−159782(P2010−159782)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(000195661)住友精化株式会社 (352)
【Fターム(参考)】